(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166303
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H04N 25/779 20230101AFI20241121BHJP
H04N 25/42 20230101ALI20241121BHJP
【FI】
H04N25/779
H04N25/42
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024155281
(22)【出願日】2024-09-09
(62)【分割の表示】P 2021530329の分割
【原出願日】2020-06-30
(31)【優先権主張番号】P 2019129555
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】吉本 智史
(72)【発明者】
【氏名】川島 進
(72)【発明者】
【氏名】楠 紘慈
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 一徳
(57)【要約】
【課題】生体認証機能と、タッチセンサ又はニアタッチセンサとしての機能と、を有する半導体装置を提供する。
【解決手段】発光装置と、撮像装置と、を有する半導体装置。撮像装置は、ゲートドライバ回路と、m行(mは2以上の整数)の画素と、を有する。ゲートドライバ回路は、複数の第1のレジスタ回路と、第1のレジスタ回路より少ない個数の第2のレジスタ回路と、を有する。第1のレジスタ回路は、互いに直列に接続され、第2のレジスタ回路は、互いに直列に接続される。ゲートドライバ回路は、第1のモードと、第2のモードと、により動作する機能を有する。第1のモードでは、第1のレジスタ回路をオン状態、第2のレジスタ回路をオフ状態とし、第2のモードでは、第2のレジスタ回路をオン状態、第1のレジスタ回路をオフ状態とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光装置と、撮像装置と、を有し、
前記撮像装置は、ゲートドライバ回路を有し、
前記撮像装置は、第1モード、又は第2モードによって動作する機能を有し、
前記ゲートドライバ回路は、第1乃至第m(mは2以上の整数)の第1モード用レジスタ回路と、
第1乃至第p(pは1以上m未満の整数)の第2モード用レジスタ回路と、第1のトランジスタと、
第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、を有し、
前記第1乃至第mの第1モード用レジスタ回路は、互いに直列に接続され、
前記第1乃至第pの第2モード用レジスタ回路は、互いに直列に接続され、
前記第1の第1モード用レジスタ回路の出力端子は、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第1の第1モード用レジスタ回路の出力端子は、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第1の第2モード用レジスタ回路の出力端子は、前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第1の第2モード用レジスタ回路の出力端子は、前記第4のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第3のトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第4のトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続される半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、半導体装置に関する。本発明の一態様は、発光装置と撮像装置とを有する半導体装置に関する。本発明の一態様は、半導体装置の動作方法に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、入力装置(例えば、タッチセンサ等)、入出力装置(例えば、タッチパネル等)、それらの動作方法、又はそれらの製造方法、を一例として挙げることができる。半導体装置は、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。
【背景技術】
【0003】
撮像装置は従来、デジタルカメラ等機器に搭載されていたが、スマートフォンやタブレット端末等の携帯情報端末の普及によって、性能の向上、小型化、低コスト化が求められている。また、撮像装置は写真や動画を撮影する用途だけでなく、顔認証、指紋認証及び静脈認証等の生体認証や、タッチセンサ又はモーションセンサ等の入力デバイス等に応用される等、用途が多様化している。特許文献1には、指紋認証を行うことができる、スマートフォン等の電子機器について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、発光装置と撮像装置が設けられている半導体装置を有する電子機器が、指紋認証等の生体認証機能と、タッチセンサ又はニアタッチセンサとしての機能と、を有する場合、生体認証を行う際は、認証の精度を高めるために高精度の撮像を行うことが好ましい。一方、タッチセンサ又はニアタッチセンサとしての機能を用いる場合は、指等の検出対象物の動きを精度良く検出できるように、高いフレーム周波数で撮像を行うことが好ましい。
【0006】
本発明の一態様は、生体認証機能と、タッチセンサ又はニアタッチセンサとしての機能と、を有する半導体装置を提供することを課題の一とする。又は、高精度な撮像を行うことができる撮像装置を有する半導体装置を提供することを課題の一とする。又は、高いフレーム周波数で撮像を行うことができる撮像装置を有する半導体装置を提供することを課題の一とする。又は、高精度な生体認証を行うことができる半導体装置を提供することを課題の一とする。又は、検出対象物の位置を高精度に検出することができる半導体装置を提供することを課題の一とする。又は、利便性の高い半導体装置を提供することを課題の一とする。又は、信頼性の高い半導体装置を提供することを課題の一とする。又は、新規な半導体装置等を提供することを課題の一とする。
【0007】
又は、生体認証機能と、タッチセンサ又はニアタッチセンサとしての機能と、を有する半導体装置の動作方法を提供することを課題の一とする。又は、高精度な撮像を行うことができる撮像装置を有する半導体装置の動作方法を提供することを課題の一とする。又は、高いフレーム周波数で撮像を行うことができる撮像装置を有する半導体装置の動作方法を提供することを課題の一とする。又は、高精度な生体認証を行うことができる半導体装置の動作方法を提供することを課題の一とする。又は、検出対象物の位置を高精度に検出することができる半導体装置の動作方法を提供することを課題の一とする。又は、利便性の高い半導体装置の動作方法を提供することを課題の一とする。又は、信頼性の高い半導体装置の動作方法を提供することを課題の一とする。又は、新規な半導体装置等の動作方法を提供することを課題の一とする。
【0008】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項等の記載から抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、発光装置と、撮像装置と、を有し、撮像装置は、ゲートドライバ回路と、m行(mは2以上の整数)の画素と、を有し、ゲートドライバ回路は、複数の第1のレジスタ回路と、第1のレジスタ回路より少ない個数の第2のレジスタ回路と、を有し、第1のレジスタ回路は、互いに直列に接続され、第2のレジスタ回路は、互いに直列に接続され、ゲートドライバ回路は、第1のモードと、第2のモードと、により動作する機能を有し、第1のモードでは、第1のレジスタ回路をオン状態、第2のレジスタ回路をオフ状態とし、第2のモードでは、第2のレジスタ回路をオン状態、第1のレジスタ回路をオフ状態とする半導体装置である。
【0010】
又は、上記態様において、ゲートドライバ回路は、m個の第1のレジスタ回路と、m/k(kは2以上m以下の整数)個の第2のレジスタ回路と、を有してもよい。
【0011】
又は、上記態様において、第2のモードで、第2のレジスタ回路から出力される信号が供給される画素の行数は、第1のモードで、第1のレジスタ回路から出力される信号が供給される画素の行数より少なくてもよい。
【0012】
又は、上記態様において、第1のモードでは、第1のレジスタ回路から出力される信号を、m行分の画素に供給し、第2のモードでは、第2のレジスタ回路から出力される信号を、m/k行分より多く、且つm行分未満の画素に供給してもよい。
【0013】
又は、本発明の一態様は、発光装置と、撮像装置と、を有し、撮像装置は、ゲートドライバ回路を有し、撮像装置は、第1モード、又は第2モードによって動作する機能を有し、ゲートドライバ回路は、第1乃至第m(mは2以上の整数)の第1モード用レジスタ回路と、第1乃至第p(pは1以上m未満の整数)の第2モード用レジスタ回路と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、を有し、第1乃至第mの第1モード用レジスタ回路は、互いに直列に接続され、第1乃至第pの第2モード用レジスタ回路は、互いに直列に接続され、第1の第1モード用レジスタ回路の出力端子は、第1のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、第1の第1モード用レジスタ回路の出力端子は、第2のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、第1の第2モード用レジスタ回路の出力端子は、第3のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、第1の第2モード用レジスタ回路の出力端子は、第4のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、第3のトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続され、第2のトランジスタのソース又はドレインの他方は、第4のトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続される半導体装置である。
【0014】
又は、上記態様において、第1のモードでは、第1及び第2のトランジスタをオン状態、第3及び第4のトランジスタをオフ状態とし、第2のモードでは、第3及び第4のトランジスタをオン状態、第1及び第2のトランジスタをオフ状態としてもよい。
【0015】
又は、上記態様において、撮像装置は、m行の画素を有し、pはm/k(kは2以上m以下の整数)であってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様により、生体認証機能と、タッチセンサ又はニアタッチセンサとしての機能と、を有する半導体装置を提供することができる。又は、高精度な撮像を行うことができる撮像装置を有する半導体装置を提供することができる。又は、高いフレーム周波数で撮像を行うことができる撮像装置を有する半導体装置を提供することができる。又は、高精度な生体認証を行うことができる半導体装置を提供することができる。又は、検出対象物の位置を高精度に検出することができる半導体装置を提供することができる。又は、利便性の高い半導体装置を提供することができる。又は、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。又は、新規な半導体装置等を提供することができる。
【0017】
又は、生体認証機能と、タッチセンサ又はニアタッチセンサとしての機能と、を有する半導体装置の動作方法を提供することができる。又は、高精度な撮像を行うことができる撮像装置を有する半導体装置の動作方法を提供することができる。又は、高いフレーム周波数で撮像を行うことができる撮像装置を有する半導体装置の動作方法を提供することができる。又は、高精度な生体認証を行うことができる半導体装置の動作方法を提供することができる。又は、検出対象物の位置を高精度に検出することができる半導体装置の動作方法を提供することができる。又は、利便性の高い半導体装置の動作方法を提供することができる。又は、信頼性の高い半導体装置の動作方法を提供することができる。又は、新規な半導体装置等の動作方法を提供することができる。
【0018】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項等の記載から抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】
図2Aは、撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図2B1は、撮像装置の構成例を示す回路図である。
図2B2は、撮像装置の動作方法の一例を示すタイミングチャートである。
【
図3】
図3は、撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6A及び
図6Bは、撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図6Cは、撮像装置の構成例を示す回路図である。
【
図7】
図7A及び
図7Bは、撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図7Cは、撮像装置の構成例を示す回路図である。
【
図8】
図8Aは、撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図8Bは、撮像装置の構成例を示す回路図である。
【
図9】
図9は、撮像装置の動作方法の一例を示すタイミングチャートである。
【
図10】
図10は、撮像装置の動作方法の一例を示すタイミングチャートである。
【
図11】
図11は、撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【
図15】
図15は、撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【
図16】
図16は、撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【
図17】
図17は、撮像装置の動作方法の一例を示すタイミングチャートである。
【
図18】
図18は、撮像装置の動作方法の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その説明の繰り返しは省略する。
【0021】
また、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲等は、発明の理解を容易とするため、実際の位置、大きさ、範囲等を表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲等に限定されない。例えば、実際の製造工程において、エッチング等の処理によりレジストマスク等が意図せずに目減りすることがあるが、理解を容易とするために図に反映しないことがある。
【0022】
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合等も含む。
【0023】
また、本明細書等において、「抵抗」の抵抗値を、配線の長さによって決める場合がある。又は、抵抗値は、配線で用いる導電層とは異なる抵抗率を有する導電層と接続することにより決める場合がある。又は、半導体層に不純物をドーピングすることで抵抗値を決める場合がある。
【0024】
また、本明細書等において、電気回路における「端子」とは、電流の入力又は出力、電圧の入力又は出力、もしくは、信号の受信又は送信が行なわれる部位を言う。よって、配線又は電極の一部が端子として機能する場合がある。
【0025】
なお、本明細書等において「上」、「上方」、「下」、又は「下方」の用語は、構成要素の位置関係が直上又は直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。また、「導電層Cの上方の導電層D」の表現であれば、導電層Cの上に導電層Dが直接接して形成されている必要はなく、導電層Cと導電層Dとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。また、「上方」、又は「下方」には、斜め方向に配置されている場合も除外しない。
【0026】
また、ソース及びドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合等、動作条件等によって互いに入れ替わるため、いずれがソース又はドレインであるかを限定することが困難である。このため、本明細書においては、ソース及びドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
【0027】
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、直接接続している場合と、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続される場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。よって、「電気的に接続する」と表現される場合であっても、現実の回路においては、物理的な接続部分がなく、配線が延在しているだけの場合もある。また、「直接接続」と表現される場合であっても、異なる導電層にコンタクトを介して配線が形成される場合が含まれる。したがって、配線には、異なる導電層が一つ以上の同じ元素を含む場合と、異なる元素を含む場合と、がある。
【0028】
なお、本明細書等において、計数値及び計量値に関して「同一」、「同じ」、「等しい」又は「均一」等と言う場合は、明示されている場合を除き、プラスマイナス20%の誤差を含むものとする。
【0029】
また、電圧は、ある電圧と、基準の電圧(例えば接地電圧又はソース電圧)との電圧差のことを示す場合が多い。よって、電圧と電圧は互いに言い換えることが可能な場合が多い。本明細書等では、特段の明示が無いかぎり、電圧と電圧を言い換えることができるものとする。
【0030】
なお、「半導体」と記載した場合でも、例えば、導電性が十分低い場合は「絶縁体」としての特性を有する。よって、「半導体」を「絶縁体」に置き換えて用いることも可能である。この場合、「半導体」と「絶縁体」の境界は曖昧であり、両者の厳密な区別は難しい。したがって、本明細書に記載の「半導体」と「絶縁体」は、互いに読み換えることができる場合がある。
【0031】
また、「半導体」と記載した場合でも、例えば、導電性が十分高い場合は「導電体」としての特性を有する。よって、「半導体」を「導電体」に置き換えて用いることも可能である。この場合、「半導体」と「導電体」の境界は曖昧であり、両者の厳密な区別は難しい。したがって、本明細書に記載の「半導体」と「導電体」は、互いに読み換えることができる場合がある。
【0032】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、工程順又は積層順等、何らかの順番や順位を示すものではない。また、本明細書等において序数詞が付されていない用語であっても、構成要素の混同を避けるため、特許請求の範囲において序数詞が付される場合がある。また、本明細書等において序数詞が付されている用語であっても、特許請求の範囲において異なる序数詞が付される場合がある。また、本明細書等において序数詞が付されている用語であっても、特許請求の範囲等において序数詞を省略する場合がある。
【0033】
なお、本明細書等において、トランジスタの「オン状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に短絡しているとみなせる状態(「導通状態」ともいう。)をいう。また、トランジスタの「オフ状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に遮断しているとみなせる状態(「非導通状態」ともいう。)をいう。例えば、オン状態のトランジスタは、線形領域で動作することができる。
【0034】
また、本明細書等において、「オン電流」とは、トランジスタがオン状態の時にソースとドレイン間に流れる電流をいう場合がある。また、「オフ電流」とは、トランジスタがオフ状態である時にソースとドレイン間に流れる電流をいう場合がある。
【0035】
また、本明細書等において、ゲートとは、ゲート電極及びゲート配線の一部又は全部のことをいう。ゲート配線とは、少なくとも一つのトランジスタのゲート電極と、別の電極や別の配線とを電気的に接続させるための配線のことをいう。
【0036】
また、本明細書等において、ソースとは、ソース領域、ソース電極、及びソース配線の一部又は全部のことをいう。ソース領域とは、半導体層のうち、抵抗率が一定値以下の領域のことをいう。ソース電極とは、ソース領域に接続される部分の導電層のことをいう。ソース配線とは、少なくとも一つのトランジスタのソース電極と、別の電極や別の配線とを電気的に接続させるための配線のことをいう。
【0037】
また、本明細書等において、ドレインとは、ドレイン領域、ドレイン電極、及びドレイン配線の一部又は全部のことをいう。ドレイン領域とは、半導体層のうち、抵抗率が一定値以下の領域のことをいう。ドレイン電極とは、ドレイン領域に接続される部分の導電層のことをいう。ドレイン配線とは、少なくとも一つのトランジスタのドレイン電極と、別の電極や別の配線とを電気的に接続させるための配線のことをいう。
【0038】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置について説明する。
【0039】
本発明の一態様の半導体装置は、発光装置と、撮像装置と、を有する。発光装置は、例えば赤外光、又は可視光を発する機能を有する。撮像装置は、発光装置から発せられた光を検出する機能を有する。例えば、発光装置から発せられた光を検出対象物に照射し、当該検出対象物により反射された光を撮像装置が検出することができる。
【0040】
本発明の一態様の半導体装置は、第1のモード、及び第2のモードにより動作する。例えば、上記検出対象物を、本発明の一態様の半導体装置の使用者の指とすると、第1のモードは、指紋認証等の生体認証を行うモードとすることができる。また、第2のモードは、半導体装置に接触した、又は非接触だが近接した指等の検出対象物の位置を検出するモードとすることができる。つまり、第2のモードでは、本発明の一態様の半導体装置を、タッチセンサ、又はニアタッチセンサとして機能させることができる。ここで、ニアタッチセンサとは、近接した物体を検出する機能を有するセンサを示す。例えば、半導体装置が有する画素にニアタッチセンサが設けられている場合は、当該画素に近接した物体を検出する機能を有するセンサをニアタッチセンサという。つまり、ニアタッチセンサは、物体が接触していなくても、当該物体を検出することができる。
【0041】
本発明の一態様の半導体装置が有する撮像装置には、m行n列(m、nは1以上の整数)の画素がマトリクス状に配列されている画素部と、撮像データの読み出しを行う画素を行ごとに選択する機能を有するゲートドライバ回路と、が設けられる。ここで、当該ゲートドライバ回路は、シフトレジスタ回路を有する。当該シフトレジスタ回路は、複数のレジスタ回路を有する。複数のレジスタ回路を互いに直列に接続することにより、m行の画素を順次選択することができる。
【0042】
ここで、第1のモードでは生体認証を行い、第2のモードでは画素部に接触、又は近接した指等の検出対象物の位置を検出する(タッチ動作、又はニアタッチ動作を検出する)場合、本発明の一態様の半導体装置を第1のモードで動作させる際は、認証の精度を高めるために高精度の撮像を行うことが好ましい。一方、第2のモードで動作させる際は、検出対象物の動きを精度良く検出できるように、高いフレーム周波数で撮像を行うことが好ましい。
【0043】
そこで、本発明の一態様の半導体装置が有する撮像装置に設けられるゲートドライバ回路には、第1のモード用レジスタ回路と、第2のモード用レジスタ回路と、を設ける。第2のモード用レジスタ回路の個数は、第1のモード用レジスタ回路の個数より少なくする。例えば、第1のモード用レジスタ回路をm個設け、第2のモード用レジスタ回路をm/k(kは2以上m以下の整数)個設けることができる。
【0044】
そして、本発明の一態様の半導体装置を第1のモードで動作させる場合は、第1のモード用レジスタ回路をオン状態とし、第2のモード用レジスタ回路をオフ状態とする。一方、本発明の一態様の半導体装置を第2のモードで動作させる場合は、第2のモード用レジスタ回路をオン状態とし、第1のモード用レジスタ回路をオフ状態とする。
【0045】
前述のように、第1のモード用レジスタ回路は、例えば撮像装置が有する画素の行数と同数設けることができる。よって、第1のモードでは、例えば全ての行の画素を選択し、動作させることができる。したがって、高精度の撮像を行うことができる。一方、第2のモード用レジスタ回路の個数は、例えば撮像装置が有する画素の行数より少なくすることができる。このため、1フレーム期間を短くすることができ、高いフレーム周波数で撮像を行うことができる。以上により、本発明の一態様の半導体装置は、例えば生体認証の精度を高めつつ、指等の検出対象物の動きを精度良く検出することができる。
【0046】
<半導体装置の構成例>
図1Aに、半導体装置10の構成例を示す。半導体装置10は、基板11及び基板12を有し、基板11と基板12の間に発光装置13、及び撮像装置15が設けられる。
【0047】
発光装置13は、光23を発する機能を有する。光23は、赤外光、又は可視光とすることができる。
【0048】
撮像装置15は、照射された光25を検出する機能を有する。具体的には、撮像装置15には受光素子が設けられ、当該受光素子に照射された光25を検出する機能を有する。
【0049】
半導体装置10は、例えば光23を検出対象物に照射し、当該検出対象物により反射された光を光25として撮像装置15が検出することができる。
【0050】
半導体装置10は、第1のモード、及び第2のモードにより動作させることができる。
図1B1は、第1のモードについて示す図であり、
図1B2は、第2のモードについて示す図である。
図1B1及び
図1B2に示す場合では、上記検出対象物を指27としている。指27は、例えば半導体装置10の使用者の指とすることができる。
【0051】
第1のモードでは、指27に光23を照射し、指27によって反射された光を光25として撮像装置15が検出することにより、指27が有する指紋29を検出することができる。これにより、指紋認証等の生体認証を行うことができる。
【0052】
第2のモードでは、発光装置13が光23を発し、指27によって反射された光25を撮像装置15が検出することにより、指27の位置を検出することができる。ここで、
図1B2に示すように、検出対象物である指27は半導体装置10に近接していれば、接していなくてもよい。また、指27が半導体装置10に接していてもよい。つまり、第2のモードでは、半導体装置10を、タッチセンサ、又はニアタッチセンサとして機能させることができる。なお、検出対象物は、指27に限られず、タッチペン等としてもよい。
【0053】
<撮像装置の構成例>
図2Aは、撮像装置15の構成例を示すブロック図である。撮像装置15は、m行n列(m、nは1以上の整数)の画素31がマトリクス状に配列されている画素部30と、ゲートドライバ回路33と、CDS回路35と、データドライバ回路36と、を有する。ここで、
図2Aには示していないが、ゲートドライバ回路33はシフトレジスタ回路を有する。
【0054】
本明細書等において、複数の要素に同じ符号を用いる場合、特に、それらを区別する必要があるときには、符号に“[1]”、“[m]”、“[1,1]”、“[m,n]”等の識別用の符号を付記して記載する場合がある。例えば、1行1列目の画素31を画素31[1,1]と記載し、m行n列目の画素31を画素31[m,n]と記載する。
【0055】
ゲートドライバ回路33は、配線43を介して画素31と電気的に接続される。また、ゲートドライバ回路33は、配線44を介して画素31と電気的に接続される。ここで、配線43は端子SLと電気的に接続され、配線44は端子RSと電気的に接続される。また、CDS回路35は、配線45を介して画素31と電気的に接続される。さらに、CDS回路35は、データドライバ回路36と電気的に接続される。
【0056】
図2Aでは、同一行の画素31が同一の配線43(端子SL)、及び同一の配線44(端子RS)と電気的に接続され、同一列の画素31が同一の配線45と電気的に接続される構成を示している。本明細書等において、例えば1行目の画素31と電気的に接続される配線43(端子SL)を配線43[1](端子SL[1])と記載し、m行目の画素31と電気的に接続される配線43(端子SL)を配線43[m](端子SL[m])と記載する。また、例えば1行目の画素31と電気的に接続される配線44(端子RS)を配線44[1](端子RS[1])と記載し、m行目の画素31と電気的に接続される配線44(端子RS)を配線44[m](端子RS[m])と記載する。また、例えば1列目の画素31と電気的に接続される配線45を配線45[1]と記載し、n列目の画素31と電気的に接続される配線45を配線45[n]と記載する。
【0057】
ゲートドライバ回路33は、撮像データを読み出す画素31を選択する機能を有する。具体的には、配線43(端子SL)に信号を供給することにより、撮像データを読み出す画素31を選択することができる。また、ゲートドライバ回路33は、配線44(端子RS)に信号を供給する機能を有する。
【0058】
CDS回路35は、画素31から読み出した撮像データに対して、相関二重サンプリング(CDS;Correlated Double Sampling)を行う機能を有する。相関二重サンプリングとは、読み出した撮像データに対応する電位と、画素31に書き込まれた撮像データをリセットした際に画素31から出力される電位と、の差分を取ることを示す。相関二重サンプリングを行うことにより、読み出した撮像データに含まれるノイズを低減することができる。
【0059】
データドライバ回路36は、画素31から読み出した撮像データを、撮像装置15の外部に出力する機能を有する。具体的には、CDS回路35により相関二重サンプリングを行った撮像データを、撮像装置15の外部に出力する機能を有する。
【0060】
図2B1は、画素31の構成例を示す回路図である。
図2B1に示す構成の画素31は、受光素子50と、トランジスタ51と、トランジスタ52と、トランジスタ53と、トランジスタ54と、容量素子56と、容量素子57と、を有する。なお、容量素子56又は容量素子57は設けなくてもよい。
【0061】
受光素子50の一方の電極は、容量素子57の一方の電極と電気的に接続される。容量素子57の一方の電極は、トランジスタ51のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ51のソース又はドレインの他方は、トランジスタ52のゲートと電気的に接続される。トランジスタ52のソース又はドレインの一方は、トランジスタ53のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ52のゲートは、トランジスタ54のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ54のソース又はドレインの一方は、容量素子56の一方の電極と電気的に接続される。なお、トランジスタ51のソース又はドレインの他方、トランジスタ52のゲート、トランジスタ54のソース又はドレインの一方、及び容量素子56の一方の電極が電気的に接続されるノードを、ノードFDとする。
【0062】
トランジスタ51のゲートは、配線41と電気的に接続される。トランジスタ53のゲートは、配線43(端子SL)と電気的に接続される。トランジスタ54のゲートは、配線44(端子RS)と電気的に接続される。トランジスタ53のソース又はドレインの他方は、配線45と電気的に接続される。受光素子50の他方の電極、及び容量素子57の他方の電極は、配線46と電気的に接続される。トランジスタ52のソース又はドレインの他方は、配線47と電気的に接続される。トランジスタ54のソース又はドレインの他方は、配線48と電気的に接続される。容量素子56の他方の電極は、配線49と電気的に接続される。
【0063】
配線46乃至配線49には、電源電位を供給することができる。よって、配線46乃至配線49は、電源線としての機能を有するということができる。例えば、配線47には高電位を供給し、配線49には低電位を供給することができる。また、
図2B1に示すように、受光素子50のカソードが配線46と電気的に接続される場合、配線46を高電位、配線48を低電位とすることができる。一方、受光素子50のアノードが配線46と電気的に接続される場合、配線46を低電位、配線48を高電位とすることができる。
【0064】
本明細書等において、高電位とは、低電位よりも高い電位を示す。また、接地電位を高電位、又は低電位として用いることもできる。例えば高電位が接地電位の場合には、低電位は接地電位より低い電位であり、低電位が接地電位の場合には、高電位は接地電位より高い電位である。
【0065】
図2B2は、
図2B1に示す構成の画素31の動作の一例を説明するタイミングチャートである。ここで、配線46の電位を高電位、配線48の電位を低電位とする。なお、
図2B2において、“H”は高電位を示し、“L”は低電位を示す。他のタイミングチャートにおいても、同様の記載をする。
【0066】
図2B2では、画素31が動作する期間として、期間T1及び期間T2を示している。また、期間T1には期間61、期間62、期間63、及び期間64が含まれ、期間T2には期間65が含まれるとしている。
【0067】
まず、期間T1における動作の一例を説明する。期間61において、配線41、及び配線44(端子RS)の電位を高電位とし、配線43(端子SL)の電位を低電位とする。これにより、トランジスタ51及びトランジスタ54がオン状態となり、トランジスタ53がオフ状態となる。トランジスタ54がオン状態となることにより、ノードFDの電位が、配線48の電位である低電位となる。また、トランジスタ54の他、トランジスタ51がオン状態となることにより、
図2B2には示していないが、受光素子50の一方の電極の電位も、配線48の電位である低電位となる。以上により、容量素子56、及び容量素子57等に蓄積された電荷がリセットされる。よって、期間61は、リセット期間であるということができる。
【0068】
期間62において、配線41、及び配線44(端子RS)の電位を低電位とする。これにより、トランジスタ51及びトランジスタ54がオフ状態となる。この状態で受光素子50に光が照射されると、当該光の照度に応じた電荷が容量素子57に蓄積される。よって、期間62は、露光期間であるということができる。
【0069】
期間63において、配線41の電位を高電位とする。これにより、トランジスタ51がオン状態となり、容量素子57に蓄積された電荷がノードFDに転送される。これにより、ノードFDの電位が上昇する。よって、期間63は、転送期間であるということができる。
【0070】
期間64において、配線41の電位を低電位とする。これにより、トランジスタ51がオフ状態となり、容量素子57からノードFDへの電荷の転送が終了する。
【0071】
以上が期間T1の動作の一例である。期間T1では、撮像データが画素31に書き込まれる。具体的には、ノードFDの電位が、撮像データに対応する電位となる。よって、期間T1は、書き込み期間であるということができる。
【0072】
次に、期間T2における動作の一例を説明する。期間65において、配線43(端子SL)の電位を高電位とする。これにより、トランジスタ53がオン状態となり、画素31に書き込まれた撮像データが読み出される。具体的には、配線45の電位が、ノードFDの電位に対応する電位となる。
【0073】
以上のように、配線43(端子SL)に高電位の信号を供給することにより、画素31に書き込まれた撮像データが読み出される。つまり、配線43(端子SL)に供給される信号は、撮像データを読み出す画素31を選択する機能を有するということができる。よって、配線43(端子SL)に供給される信号は、選択信号であるということができる。
【0074】
また、撮像データを読み出した後、配線44(端子RS)の電位を高電位とする。これにより、トランジスタ54がオン状態となり、画素31に書き込まれた撮像データがリセットされる。具体的には、ノードFDの電位が、配線48の電位である低電位となる。ここで、トランジスタ53がオン状態であるため、配線45の電位も、ノードFDの電位変化に応じて変化する。以上により、配線45と電気的に接続されるCDS回路35によって相関二重サンプリングを行うことができる。
【0075】
以上のように、配線44(端子RS)に高電位の信号を供給することにより、画素31に書き込まれた撮像データがリセットされる。よって、配線44(端子RS)に供給される信号は、リセット信号であるということができる。
【0076】
相関二重サンプリングを行った後、配線44(端子RS)の電位を低電位とすることにより、トランジスタ54をオフ状態とする。その後、配線43(端子SL)の電位を低電位とすることにより、トランジスタ53をオフ状態とする。なお、配線44の電位と、配線43の電位と、を同時に低電位としてもよい。
【0077】
以上が期間T2の動作の一例である。期間T2では、画素31に書き込まれた撮像データが読み出される。具体的には、配線45の電位が、画素31に書き込まれた撮像データに対応する電位となる。よって、期間T2は、読み出し期間であるということができる。
【0078】
画素31[1,1]乃至画素31[m,n]への撮像データの書き込みは、グローバルシャッタ方式により行うことが好ましい。ここで、グローバルシャッタ方式とは、全画素で同時に撮像データを書き込む方式を示す。グローバルシャッタ方式により撮像データの書き込みを行うことにより、撮像の同時性を確保することができるため、被写体が高速に移動する場合であっても歪の小さい画像を容易に得ることができる。
【0079】
一方、画素31[1,1]乃至画素31[m,n]からの撮像データの読み出しは、例えば1行ごとに行う。よって、撮像データをグローバルシャッタ方式により画素31に書き込む場合、撮像データの書き込みから読み出しまでの期間が長くなる画素31が生じる。したがって、撮像データをグローバルシャッタ方式により画素31に書き込む場合、容量素子57からノードFDに転送された電荷を長期間保持できるようにすることが好ましい。
【0080】
ノードFDに長期間電荷を保持するには、ノードFDと電気的に接続されるトランジスタを、オフ電流が低いトランジスタとすればよい。オフ電流が低いトランジスタとして、チャネル形成領域に金属酸化物を用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)が挙げられる。よって、トランジスタ51及びトランジスタ54は、OSトランジスタとすることが好ましい。
【0081】
OSトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有することが好ましい。また、OSトランジスタに適用される金属酸化物は、インジウム(In)及び亜鉛(Zn)の少なくとも一方を含む酸化物であることが好ましい。
【0082】
このような酸化物としては、In-M-Zn酸化物、In-M酸化物、Zn-M酸化物、In-Zn酸化物(元素Mは、例えば、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、スズ(Sn)、ホウ素(B)、シリコン(Si)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、バナジウム(V)、ベリリウム(Be)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、及びタングステン(W)の中から選ばれる一または複数)などが挙げられる。In-M-Zn酸化物としては、代表的にはIn-Ga-Zn酸化物、In-Sn-Zn酸化物、In-Ga-Sn-Zn酸化物などが挙げられる。
【0083】
OSトランジスタは、チャネル幅1μmあたりのオフ電流を1yA/μm(y;ヨクト、10-24)以上1zA/μm(z;ゼプト、10-21)以下程度に低くすることができる。
【0084】
また、OSトランジスタには、CAC(Cloud-Aligned Composite)-OSを用いることが好ましい。CAC-OSの詳細については、後の実施の形態で説明する。
【0085】
トランジスタ51及びトランジスタ54として、オフ電流が低ければOSトランジスタを適用しないことができる。例えば、バンドギャップが大きい半導体を用いたトランジスタを適用してもよい。バンドギャップが大きい半導体とは、バンドギャップが2.2eV以上の半導体を指す場合がある。例えば、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ダイヤモンド等が挙げられる。
【0086】
なお、トランジスタ51及びトランジスタ54を、チャネル形成領域にシリコンを用いたトランジスタ(以下、Siトランジスタ)等としてもよい。Siトランジスタは、OSトランジスタと比べてオフ電流が高い。しかしながら、容量素子56の容量値を大きくすること等により、トランジスタ51及びトランジスタ54のオン電流が高くても、画素31[1,1]乃至画素31[m,n]への撮像データの書き込みをグローバルシャッタ方式により行うことができる。なお、画素31[1,1]乃至画素31[m,n]への撮像データの書き込みを、ローリングシャッタ方式により行ってもよい。この場合、トランジスタ51及びトランジスタ54をオフ電流が大きいトランジスタとしても、容量素子56の容量値を大きくしなくてよい。
【0087】
また、トランジスタ52及びトランジスタ53は、Siトランジスタとしてもよいし、OSトランジスタとしてもよい。例えば、トランジスタ52及びトランジスタ53として、結晶性のシリコン(代表的には、低温ポリシリコン、単結晶シリコン等)を有するトランジスタを用いると、トランジスタ52及びトランジスタ53のオン電流を高めることができる。よって、撮像データの読み出しを高速で行うことができる。一方、トランジスタ51乃至トランジスタ54を全てOSトランジスタとすると、画素31が有するトランジスタを全て同一の層に形成することができる。さらに、トランジスタ51乃至トランジスタ54も含め、半導体装置10が有する全てのトランジスタをOSトランジスタとすると、半導体装置10が有するトランジスタを全て同一の層に形成することができる。以上により、半導体装置10の作製工程を簡略化することができる。
【0088】
<ゲートドライバ回路の構成例1>
図3は、ゲートドライバ回路33の構成例を示す図である。具体的には、ゲートドライバ回路33が有するシフトレジスタ回路の構成例を示す図である。当該シフトレジスタ回路は、レジスタ回路Raと、レジスタ回路Rbと、バッファ回路BUFと、トランジスタTr1と、トランジスタTr2と、トランジスタTr3と、トランジスタTr4と、を有する。なお、トランジスタTr1乃至トランジスタTr4は、nチャネル型トランジスタとしてもよいし、pチャネル型トランジスタとしてもよい。また、本実施の形態に示す他のトランジスタも、nチャネル型トランジスタとしてもよいし、pチャネル型トランジスタとしてもよい。以下では、本実施の形態に示すトランジスタが全てnチャネル型トランジスタであるとして説明を行うが、電位の大小関係を適宜逆転させること等により、pチャネル型トランジスタが含まれていても以下の説明を参照することができる。
【0089】
ここで、レジスタ回路Raと、バッファ回路BUFと、は例えば画素31の行数と同数設けることができる。つまり、レジスタ回路Raと、バッファ回路BUFと、はそれぞれ例えばm個ずつ設けることができる。一方、レジスタ回路Rbの個数は、レジスタ回路Raの個数より少ない。例えば、レジスタ回路Raの個数をm個とすると、レジスタ回路Rbの個数はm/k個(kは2以上m以下の整数)とすることができる。つまり、k個のレジスタ回路Raに対して1個のレジスタ回路Rbを設けることができる。以下では、ゲートドライバ回路33が有するシフトレジスタ回路は、m個のレジスタ回路Raと、m/k個のレジスタ回路Rbと、m個のバッファ回路BUFと、を有するとして説明を行う。
【0090】
本明細書等において、例えばm個のレジスタ回路Raを、レジスタ回路Ra[1]乃至レジスタ回路Ra[m]と記載して区別する。また、例えばm/k個のレジスタ回路Rbを、レジスタ回路Rb[1]乃至レジスタ回路Rb[m/k]と記載して区別する。さらに、例えばm個のバッファ回路BUFを、バッファ回路BUF[1]乃至バッファ回路BUF[m]と記載して区別する。
図3では、レジスタ回路Raとして、レジスタ回路Ra[1]乃至レジスタ回路Ra[4]、及びレジスタ回路Ra[k+1]乃至レジスタ回路Ra[k+4]を示している。また、レジスタ回路Rbとして、レジスタ回路Rb[1]、及びレジスタ回路Rb[2]を示している。さらに、バッファ回路BUFとして、バッファ回路BUF[1]乃至バッファ回路BUF[4]、及びバッファ回路BUF[k+1]乃至バッファ回路BUF[k+4]を示している。
【0091】
レジスタ回路Ra[1]には、端子SPaが電気的に接続され、レジスタ回路Rb[1]には、端子SPbが電気的に接続される。また、レジスタ回路Ra[1]乃至レジスタ回路Ra[m]は、互いに直列に接続される。具体的には、例えばレジスタ回路Ra[1]はレジスタ回路Ra[2]と電気的に接続され、レジスタ回路Ra[2]はレジスタ回路Ra[3]と電気的に接続され、レジスタ回路Ra[3]はレジスタ回路Ra[4]と電気的に接続される。また、例えばレジスタ回路Ra[k+1]はレジスタ回路Ra[k+2]と電気的に接続され、レジスタ回路Ra[k+2]はレジスタ回路Ra[k+3]と電気的に接続され、レジスタ回路Ra[k+3]はレジスタ回路Ra[k+4]と電気的に接続される。また、レジスタ回路Rb[1]乃至レジスタ回路Rb[m/k]は、互いに直列に接続される。具体的には、例えばレジスタ回路Rb[1]はレジスタ回路Rb[2]と電気的に接続される。
【0092】
レジスタ回路Raは、トランジスタTr1を介してバッファ回路BUTと電気的に接続される。また、レジスタ回路Raは、トランジスタTr2を介してバッファ回路BUTと電気的に接続される。レジスタ回路Rbは、トランジスタTr3を介してバッファ回路BUFと電気的に接続される。また、レジスタ回路Rbは、トランジスタTr4を介してバッファ回路BUFと電気的に接続される。
【0093】
ここで、1個のレジスタ回路Rbは、トランジスタTr3を介して複数のバッファ回路BUFと電気的に接続され、トランジスタTr4を介して複数のバッファ回路BUFと電気的に接続される構成とすることができる。例えば、1個のレジスタ回路Rbは、トランジスタTr3を介して4個のバッファ回路BUFと電気的に接続され、トランジスタTr4を介して4個のバッファ回路BUFと電気的に接続される。例えば、
図3に示すように、レジスタ回路Rb[1]は、トランジスタTr3を介してバッファ回路BUF[1]乃至バッファ回路BUF[4]と電気的に接続され、トランジスタTr4を介してバッファ回路BUF[1]乃至バッファ回路BUF[4]と電気的に接続される。また、レジスタ回路Rb[2]は、トランジスタTr3を介してバッファ回路BUF[k+1]乃至バッファ回路BUF[k+4]と電気的に接続され、トランジスタTr4を介してバッファ回路BUF[k+1]乃至バッファ回路BUF[k+4]と電気的に接続される。なお、1個のレジスタ回路Rbが、トランジスタTr3を介して2個又は3個のバッファ回路BUFと電気的に接続され、トランジスタTr4を介して2個又は3個のバッファ回路BUFと電気的に接続されてもよい。また、1個のレジスタ回路Rbが、トランジスタTr3を介して5個以上のバッファ回路BUFと電気的に接続され、トランジスタTr4を介して5個以上のバッファ回路BUFと電気的に接続されてもよい。具体的には、1個のレジスタ回路Rbは、トランジスタTr3を介して1個以上k個以下のバッファ回路BUFと電気的に接続され、トランジスタTr4を介して1個以上k個以下のバッファ回路BUFと電気的に接続される構成とすることができる。
【0094】
上記のように、1個のレジスタ回路Rbを、複数のバッファ回路BUFと電気的に接続することにより、撮像データの読み出しを、複数行の画素31に対して同時に行うことができる。これにより、当該同時に読み出される撮像データを重ね合わせることができ、画素31とCDS回路35とを電気的に接続する配線45の電位を高くすることができる。したがって、撮像装置15を高いフレーム周波数で動作させ、1フレーム当たりの露光期間を短くしても、撮像装置15の撮像感度を高めることができる。以下では、1個のレジスタ回路Rbが、トランジスタTr3を介して4個のバッファ回路BUFと電気的に接続され、トランジスタTr4を介して4個のバッファ回路BUFと電気的に接続される場合について説明を行う。
【0095】
トランジスタTr1のゲート、及びトランジスタTr2のゲートは、端子SWaと電気的に接続される。また、トランジスタTr3のゲート、及びトランジスタTr4のゲートは、端子SWbと電気的に接続される。端子SWaに入力される信号と、端子SWbに入力される信号と、は互いに相補の関係にあるものとすることができる。例えば、端子SWaに高電位の信号が入力されている場合は、端子SWbに入力される信号は低電位の信号とすることができる。また、端子SWaに低電位の信号が入力されている場合は、端子SWbに入力される信号は高電位の信号とすることができる。
【0096】
端子SWaに高電位の信号を入力すると、レジスタ回路Raから出力された信号がバッファ回路BUFに入力される。例えば、レジスタ回路Ra[1]から出力された信号が、バッファ回路BUF[1]に入力される。一方、端子SWbに高電位の信号を入力すると、レジスタ回路Rbから出力された信号がバッファ回路BUFに入力される。例えば、レジスタ回路Rb[1]から出力された信号が、バッファ回路BUF[1]乃至バッファ回路BUF[4]に入力される。
【0097】
バッファ回路BUFには、端子SL、及び端子RSが電気的に接続されており、レジスタ回路Raから入力された信号、又はレジスタ回路Rbから入力された信号が、端子SL及び端子RSから出力される。
【0098】
端子SPa及び端子SPbには、スタートパルス信号が入力される。端子SPaにスタートパルス信号が入力され、且つ端子SWaに高電位の信号が入力された場合、レジスタ回路Ra[1]乃至レジスタ回路Ra[m]が順次信号をバッファ回路BUF[1]乃至バッファ回路BUF[m]に出力する。つまり、レジスタ回路Ra[1]がバッファ回路BUF[1]に信号を出力した後、レジスタ回路Ra[2]がバッファ回路BUF[2]に信号を出力する。そして、レジスタ回路Ra[m]によるバッファ回路BUF[m]への信号の出力まで順次行う。
【0099】
端子SPbにスタートパルス信号が入力され、且つ端子SWbに高電位の信号が入力された場合、レジスタ回路Rb[1]乃至レジスタ回路Rb[m/k]が順次信号をバッファ回路BUFに出力する。つまり、レジスタ回路Rb[1]がバッファ回路BUF[1]乃至バッファ回路BUF[4]に信号を出力した後、レジスタ回路Rb[2]がバッファ回路BUF[k+1]乃至バッファ回路BUF[k+4]に信号を出力する。そして、レジスタ回路Rb[m/k]によるバッファ回路BUF[m-k+1]乃至バッファ回路BUF[m-k+4]への信号の出力まで順次行う。
【0100】
前述のように、半導体装置10は、第1のモード、及び第2のモードにより動作させることができる。具体的には、第1のモードでは、端子SWaに高電位の信号を入力する。これにより、トランジスタTr1及びトランジスタTr2がオン状態となり、レジスタ回路Raから出力された信号に対応する信号が、端子SL及び端子RSから出力される。また、第2のモードでは、端子SWbに高電位の信号を入力する。これにより、トランジスタTr3及びトランジスタTr4がオン状態となり、レジスタ回路Rbから出力された信号に対応する信号が、端子SL及び端子RSから出力される。
【0101】
以上より、第1のモードではレジスタ回路Raが動作し、第2のモードではレジスタ回路Rbが動作するということができる。よって、レジスタ回路Raは、第1のモード用レジスタ回路ということができる。また、レジスタ回路Rbは、第2のモード用レジスタ回路ということができる。
【0102】
図2A及び
図2B1に示すように、端子SL及び端子RSは、画素31と電気的に接続される。よって、レジスタ回路Raから出力された信号に対応する信号を、バッファ回路BUFが端子SL及び端子RSから出力する第1のモードでは、例えば全ての画素31から撮像データを読み出すことができる。これにより、画素31から読み出される撮像データを、高精度なものとすることができる。よって、前述のように例えば
図1B1に示すように指紋認証等の生体認証を行う場合は、認証の精度を高めるために半導体装置10を第1のモードで動作させることが好ましい。
【0103】
一方、レジスタ回路Rbから出力された信号に対応する信号を、バッファ回路BUFが端子SL及び端子RSから出力する第2のモードでは、動作させるレジスタ回路等の個数を、第1のモードより少なくすることができる。例えば、レジスタ回路Rbの個数を、レジスタ回路Raの個数の1/36とすることができる。つまり、kを36とすることができる。したがって、ゲートドライバ回路33を高速に動作させることができ、撮像装置15は高いフレーム周波数で撮像を行うことができる。よって、前述のように例えば
図1B2に示すように指27等の検出対象物の位置を検出する場合は、当該検出対象物の動きを精度良く検出できるようにするために半導体装置10を第2のモードで動作させることが好ましい。
【0104】
なお、第2のモードで、レジスタ回路Rbから出力される信号に対応する信号が供給される画素31の行数は、第1のモードで、レジスタ回路Raから出力される信号に対応する信号が供給される画素31の行数以下とすることができる。具体的には、第1のモードにおいて、レジスタ回路Raから出力される信号に対応する信号を、例えばm行分の画素31に供給する場合は、第2のモードにおいて、レジスタ回路Rbから出力される信号に対応する信号を、m/k行分以上、且つm行分以下の画素31に供給することができる。例えば、ゲートドライバ回路33が有するシフトレジスタ回路を
図3に示す構成とすると、第1のモードでは、レジスタ回路Raから出力される信号に対応する信号を、m行分の画素31に供給することができる。一方、第2のモードでは、レジスタ回路Rbから出力される信号に対応する信号を、4m/k行分の画素31に供給することができる。
【0105】
以上示したように、半導体装置10は、例えば生体認証の精度を高めつつ、指等の検出対象物の動きを精度良く検出することができる。
【0106】
図4A、及び
図4Bは、
図3に示すゲートドライバ回路33を構成する回路のうち、レジスタ回路Ra[1]乃至レジスタ回路Ra[8]、レジスタ回路Rb[1]、及びバッファ回路BUF[1]乃至バッファ回路BUF[8]を示す図である。
【0107】
図4Aに示すゲートドライバ回路33では、レジスタ回路Rbが出力する信号が供給されないバッファ回路BUF[5]乃至バッファ回路BUF[8]が、トランジスタTr1を介さずにレジスタ回路Ra[5]乃至レジスタ回路Ra[8]のそれぞれと電気的に接続され、トランジスタTr2を介さずにレジスタ回路Ra[5]乃至レジスタ回路Ra[8]のそれぞれと電気的に接続される。また、バッファ回路BUF[5]乃至バッファ回路BUF[8]は、トランジスタTr3のソース又はドレインの一方、及びトランジスタTr4のソース又はドレインの一方と電気的に接続されない。つまり、
図4Aに示すゲートドライバ回路33は、レジスタ回路Rbが出力する信号が供給されないバッファ回路BUF[5]乃至バッファ回路BUF[8]に対応するトランジスタTr3、及びトランジスタTr4を有さない。
【0108】
一方、
図4Bに示すゲートドライバ回路33では、レジスタ回路Rbが出力する信号が供給されないバッファ回路BUF[5]乃至バッファ回路BUF[8]が、トランジスタTr1を介してレジスタ回路Ra[5]乃至レジスタ回路Ra[8]のそれぞれと電気的に接続され、トランジスタTr2を介してレジスタ回路Ra[5]乃至レジスタ回路Ra[8]のそれぞれと電気的に接続される。また、バッファ回路BUF[5]乃至バッファ回路BUF[8]は、トランジスタTr3のソース又はドレインの一方、及びトランジスタTr4のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。ここで、ソース又はドレインの一方がバッファ回路BUF[5]乃至バッファ回路BUF[8]と電気的に接続されるトランジスタTr3のソース又はドレインの他方には、定電位を供給することができる。また、ソース又はドレインの一方がバッファ回路BUF[5]乃至バッファ回路BUF[8]と電気的に接続されるトランジスタTr4のソース又はドレインの他方には、定電位を供給することができる。例えば、トランジスタTr3のソース又はドレインの他方には低電位を供給することができ、トランジスタTr4のソース又はドレインの他方には高電位を供給することができる。
【0109】
図5は、
図3に示すシフトレジスタ回路の具体的な構成例であり、
図3に示すシフトレジスタ回路に端子を追加したものである。
図5に示すように、ゲートドライバ回路33が有するシフトレジスタ回路は、
図3に示す端子の他、端子CLKa、端子CLKb、端子RS_Ra、端子RS_Rb、端子SL_PWC、端子RS_PWC、及び端子RS_ALLを有する。また、
図5では、端子CLKaとして端子CLKa[1]乃至端子CLKa[4]が設けられ、端子CLKbとして端子CLKb[1]乃至端子CLKb[4]が設けられ、端子SL_PWCとして端子SL_PWC[1]乃至端子SL_PWC[8]が設けられ、端子RS_PWCとして端子RS_PWC[1]乃至端子RS_PWC[8]が設けられる構成を示しているが、端子CLKa及び端子CLKb、並びに端子SL_PWC及び端子RS_PWCの個数は
図5に示す個数に限られない。
【0110】
端子CLKa、及び端子RS_Raは、レジスタ回路Raと電気的に接続することができる。端子CLKb、及び端子RS_Rbは、レジスタ回路Rbと電気的に接続することができる。端子SL_PWC、端子RS_PWC、及び端子RS_ALLは、バッファ回路BUFと電気的に接続することができる。
【0111】
また、
図5に示す構成では、1個のレジスタ回路Raに3個の端子CLKaを電気的に接続することができる。例えば、レジスタ回路Ra[1]及びレジスタ回路Ra[k+1]は、端子CLKa[1]、端子CLKa[2]、及び端子CLKa[3]と電気的に接続することができる。また、レジスタ回路Ra[2]及びレジスタ回路Ra[k+2]は、端子CLKa[2]、端子CLKa[3]、及び端子CLKa[4]と電気的に接続することができる。また、レジスタ回路Ra[3]及びレジスタ回路Ra[k+3]は、端子CLKa[3]、端子CLKa[4]、及び端子CLKa[1]と電気的に接続することができる。さらに、レジスタ回路Ra[4]及びレジスタ回路Ra[k+4]は、端子CLKa[4]、端子CLKa[1]、及び端子CLKa[2]と電気的に接続することができる。
【0112】
また、
図5に示す構成では、1個のレジスタ回路Rbに2個の端子CLKbを電気的に接続することができる。例えば、レジスタ回路Rb[1]は、端子CLKb[1]、及び端子CLKb[2]と電気的に接続することができる。また、レジスタ回路Rb[2]は、端子CLKb[2]、及び端子CLKb[3]と電気的に接続することができる。さらに、
図5には示していないが、レジスタ回路Rb[3]は、端子CLKb[3]、及び端子CLKb[4]と電気的に接続することができる。
【0113】
また、
図5に示す構成では、1個のバッファ回路BUFに1個の端子SL_PWC、及び1個の端子RS_PWCを電気的に接続することができる。例えば、バッファ回路BUF[1]は、端子SL_PWC[1]、及び端子RS_PWC[1]と電気的に接続することができる。また、バッファ回路BUF[2]は、端子SL_PWC[2]、及び端子RS_PWC[2]と電気的に接続することができる。また、バッファ回路BUF[3]は、端子SL_PWC[3]、及び端子RS_PWC[3]と電気的に接続することができる。また、バッファ回路BUF[4]は、端子SL_PWC[4]、及び端子RS_PWC[4]と電気的に接続することができる。また、バッファ回路BUF[k+1]は、端子SL_PWC[5]、及び端子RS_PWC[5]と電気的に接続することができる。また、バッファ回路BUF[k+2]は、端子SL_PWC[6]、及び端子RS_PWC[6]と電気的に接続することができる。また、バッファ回路BUF[k+3]は、端子SL_PWC[7]、及び端子RS_PWC[7]と電気的に接続することができる。また、バッファ回路BUF[k+4]は、端子SL_PWC[8]、及び端子RS_PWC[8]と電気的に接続することができる。
【0114】
図6Aは、レジスタ回路Raと電気的に接続される端子の一例を示す図である。レジスタ回路Raには、端子CLKa[i1]、端子CLKa[i2]、端子CLKa[i3]、及び端子RS_Raの他、端子LINa、端子RINa、端子ROUTa、端子O1a、及び端子FNaが電気的に接続される。ここで、端子CLKa[i1]、端子CLKa[i2]、及び端子CLKa[i3]は、端子CLKa[1]乃至端子CLKa[4]のいずれかとすることができる。例えば、レジスタ回路Ra[1]では、端子CLKa[i1]は端子CLKa[1]、端子CLKa[i2]は端子CLKa[2]、端子CLKa[i3]は端子CLKa[3]とすることができる。また、レジスタ回路Ra[2]では、端子CLKa[i1]は端子CLKa[2]、端子CLKa[i2]は端子CLKa[3]、端子CLKa[i3]は端子CLKa[4]とすることができる。また、レジスタ回路Ra[3]では、端子CLKa[i1]は端子CLKa[3]、端子CLKa[i2]は端子CLKa[4]、端子CLKa[i3]は端子CLKa[1]とすることができる。さらに、レジスタ回路Ra[4]では、端子CLKa[i1]は端子CLKa[4]、端子CLKa[i2]は端子CLKa[1]、端子CLKa[i3]は端子CLKa[2]とすることができる。
【0115】
なお、詳細は後述するが、端子RS_Ra、端子LINa、及び端子RINaを介してレジスタ回路Raに信号が入力され、レジスタ回路Raから端子ROUTa、端子O1a、及び端子FNaに信号が出力される。よって、端子RS_Ra、端子LINa、及び端子RINaは入力端子であるということができ、端子ROUTa、端子O1a、及び端子FNaは出力端子であるということができる。また、端子CLKaには、クロック信号が入力される。よって、端子CLKaはクロック信号入力端子であるということができる。
【0116】
図6Bは、レジスタ回路Ra[1]乃至レジスタ回路Ra[3]の構成例を示す図である。ここで、
図6B等において、例えばレジスタ回路Ra[1]と電気的に接続される端子LINa、端子RINa、端子ROUTa、端子O1a、及び端子FNaを、それぞれ端子LINa[1]、端子RINa[1]、端子ROUTa[1]、端子O1a[1]、及び端子FNa[1]と記載している。また、例えばレジスタ回路Ra[2]と電気的に接続される端子LINa、端子RINa、端子ROUTa、端子O1a、及び端子FNaを、それぞれ端子LINa[2]、端子RINa[2]、端子ROUTa[2]、端子O1a[2]、及び端子FNa[2]と記載している。さらに、例えばレジスタ回路Ra[3]と電気的に接続される端子LINa、端子RINa、端子ROUTa、端子O1a、及び端子FNaを、それぞれ端子LINa[3]、端子RINa[3]、端子ROUTa[3]、端子O1a[3]、及び端子FNa[3]と記載している。
【0117】
端子LINa[1]には、スタートパルス信号が入力される。よって、端子LINa[1]は、端子SPaであるということができる。端子LINa[1]にスタートパルス信号が入力されることにより、レジスタ回路Ra[1]は端子ROUTa[1]、端子O1a[1]、及び端子FNa[1]に信号を出力することができる。
【0118】
端子ROUTa[1]は、端子LINa[2]と電気的に接続される。よって、レジスタ回路Ra[1]が端子ROUTa[1]から出力した信号は、端子LINa[2]を介してレジスタ回路Ra[2]に入力される。端子LINa[2]に信号が入力されることにより、レジスタ回路Ra[2]は端子ROUTa[2]、端子O1a[2]、及び端子FNa[2]に信号を出力することができる。
【0119】
端子ROUTa[2]は、端子LINa[3]と電気的に接続される。よって、レジスタ回路Ra[2]が端子ROUTa[2]から出力した信号は、端子LINa[3]を介してレジスタ回路Ra[3]に入力される。端子LINa[3]に信号が入力されることにより、レジスタ回路Ra[3]は端子ROUTa[3]、端子O1a[3]、及び端子FNa[3]に信号を出力することができる。
【0120】
以上のように、レジスタ回路Raは、端子ROUTaと、端子LINaと、を介して直列に接続される。
【0121】
端子ROUTa[3]は、端子RINa[1]と電気的に接続される。よって、レジスタ回路Ra[3]が端子ROUTa[3]から出力した信号は、端子RINa[1]を介してレジスタ回路Ra[1]に入力される。つまり、端子RINaには、2つ後段のレジスタ回路Raから出力される信号を入力することができる。なお、
図6Bには示していないが、端子RINa[2]は、レジスタ回路Ra[4]と電気的に接続される端子ROUTa[4]と電気的に接続することができる。また、端子RINa[3]は、レジスタ回路Ra[5]と電気的に接続される端子ROUTa[5]と電気的に接続することができる。
【0122】
図6Cは、レジスタ回路Raの構成例を示す回路図である。レジスタ回路Raは、トランジスタTr11、トランジスタTr12、トランジスタTr13、トランジスタTr14、トランジスタTr15、トランジスタTr16、トランジスタTr17、トランジスタTr18、トランジスタTr20、及びトランジスタTr22と、容量素子C11及び容量素子C12と、を有する。
【0123】
本明細書等において、電位VDDは高電位を示し、電位VSSは低電位を示す。
【0124】
端子CLKa[i1]は、トランジスタTr17のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。端子CLKa[i2]は、トランジスタTr12のゲートと電気的に接続される。端子CLKa[i3]は、トランジスタTr13のゲートと電気的に接続される。端子Rs_Raは、トランジスタTr15のゲートと電気的に接続される。端子LINaは、トランジスタTr11のゲート、及びトランジスタTr20のゲートと電気的に接続される。端子RINaは、トランジスタTr14のゲートと電気的に接続される。端子ROUTaは、トランジスタTr17のソース又はドレインの他方、容量素子C11の一方の電極、及びトランジスタTr22のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。端子O1aは、トランジスタTr11のソース又はドレインの一方、トランジスタTr16のソース又はドレインの一方、及びトランジスタTr18のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。端子FNaは、トランジスタTr13のソース又はドレインの一方、トランジスタTr14のソース又はドレインの一方、トランジスタTr15のソース又はドレインの一方、トランジスタTr18のゲート、トランジスタTr20のソース又はドレインの一方、トランジスタTr22のゲート、及び容量素子C12の一方の電極と電気的に接続される。
【0125】
トランジスタTr12のソース又はドレインの一方は、トランジスタTr13のソース又はドレインの他方と電気的に接続される。トランジスタTr16のソース又はドレインの他方は、トランジスタTr17のゲートと電気的に接続される。トランジスタTr17のゲートは、容量素子C11の他方の電極と電気的に接続される。
【0126】
トランジスタTr11のソース又はドレインの他方、トランジスタTr12のソース又はドレインの他方、トランジスタTr14のソース又はドレインの他方、トランジスタTr15のソース又はドレインの他方、及びトランジスタTr16のゲートには、電位VDDを供給することができる。また、トランジスタTr18のソース又はドレインの他方、トランジスタTr20のソース又はドレインの他方、トランジスタTr22のソース又はドレインの他方、及び容量素子C12の他方の電極には、電位VSSを供給することができる。
【0127】
端子LINaに高電位の信号を入力すると、トランジスタTr11、及びトランジスタTr20がオン状態となる。よって、端子O1aの電位が高電位となり、端子FNaの電位が低電位となる。また、トランジスタTr11がオン状態となることにより、トランジスタTr17のゲートの電位が高電位となるため、トランジスタTr17がオン状態となる。よって、端子ROUTaの電位が、端子CLKa[i1]の電位と等しくなる。つまり、端子CLKa[i1]から入力された信号を、端子ROUTaから出力することができる。
【0128】
一方、端子CLKa[i2]及び端子CLKa[i3]に高電位の信号を入力すると、トランジスタTr12、及びトランジスタTr13がオン状態となる。よって、端子FNaの電位が高電位となる。また、端子FNaの電位が高電位となることにより、トランジスタTr18がオン状態となる。よって、端子O1aの電位が低電位となる。さらに、端子FNaの電位が高電位となることにより、トランジスタTr22がオン状態となる。よって、端子ROUTaの電位が低電位となる。
【0129】
また、端子RINaに高電位の信号を入力した場合、又は端子RS_Raに高電位の信号を入力した場合であっても、端子FNaの電位が高電位となる。よって、上記の場合と同様に、端子O1aの電位、及び端子ROUTaの電位が低電位となる。
【0130】
図7Aは、レジスタ回路Rbと電気的に接続される端子の一例を示す図である。レジスタ回路Rbには、端子CLKb[j1]、端子CLKb[j2]、及び端子RS_Rbの他、端子LINb、端子RINb、端子ROUTb、端子O1b、及び端子FNbが電気的に接続される。ここで、端子CLKb[j1]、及び端子CLKb[j2]は、端子CLKb[1]乃至端子CLKb[4]のいずれかとすることができる。例えば、レジスタ回路Rb[1]では、端子CLKb[i1]は端子CLKb[1]、端子CLKb[i2]は端子CLKb[2]とすることができる。また、レジスタ回路Rb[2]では、端子CLKb[i1]は端子CLKb[2]、端子CLKb[i2]は端子CLKb[3]とすることができる。
【0131】
なお、詳細は後述するが、端子RS_Rb、端子LINb、及び端子RINbを介してレジスタ回路Rbに信号が入力され、レジスタ回路Rbから端子ROUTb、端子O1b、及び端子FNbに信号が出力される。よって、端子RS_Rb、端子LINb、及び端子RINbは入力端子であるということができ、端子ROUTb、端子O1b、及び端子FNbは出力端子であるということができる。また、端子CLKbには、クロック信号が入力される。よって、端子CLKbはクロック信号入力端子であるということができる。
【0132】
図7Bは、レジスタ回路Rb[1]、及びレジスタ回路Rb[2]の構成例を示す図である。ここで、
図7B等において、例えばレジスタ回路Rb[1]と電気的に接続される端子LINb、端子RINb、端子ROUTb、端子O1b、及び端子FNbを、それぞれ端子LINb[1]、端子RINb[1]、端子ROUTb[1]、端子O1b[1]、及び端子FNb[1]と記載している。また、例えばレジスタ回路Rb[2]と電気的に接続される端子LINb、端子RINb、端子ROUTb、端子O1b、及び端子FNbを、それぞれ端子LINb[2]、端子RINb[2]、端子ROUTb[2]、端子O1b[2]、及び端子FNb[2]と記載している。
【0133】
端子LINb[1]には、スタートパルス信号が入力される。よって、端子LINb[1]は、端子SPbであるということができる。端子LINb[1]にスタートパルス信号が入力されることにより、レジスタ回路Rb[1]は端子ROUTb[1]、端子O1b[1]、及び端子FNb[1]に信号を出力することができる。
【0134】
端子ROUTb[1]は、端子LINb[2]と電気的に接続される。よって、レジスタ回路Rb[1]が端子ROUTb[1]から出力した信号は、端子LINb[2]を介してレジスタ回路Rb[2]に入力される。端子LINb[2]に信号が入力されることにより、レジスタ回路Rb[2]は端子ROUTb[2]、端子O1b[2]、及び端子FNb[2]に信号を出力することができる。
【0135】
以上のように、レジスタ回路Rbは、端子ROUTbと、端子LINbと、を介して直列に接続される。
【0136】
端子ROUTb[2]は、端子RINb[1]と電気的に接続される。よって、レジスタ回路Rb[2]が端子ROUTb[2]から出力した信号は、端子RINb[1]を介してレジスタ回路Rb[1]に入力される。つまり、端子RINbには、1つ後段のレジスタ回路Rbから出力される信号を入力することができる。なお、
図7Bには示していないが、端子RINb[2]は、レジスタ回路Rb[3]と電気的に接続される端子ROUTb[3]と電気的に接続することができる。
【0137】
図7Cは、レジスタ回路Rbの構成例を示す回路図である。
図7Cに示すレジスタ回路Rbの構成は、トランジスタTr13が設けられていない点が、
図6Cに示す構成と異なる。また、端子CLKa[i1]、端子CLKa[i2]、端子RS_Ra、端子LINa、端子RINa、端子ROUTa、端子O1a、及び端子FNaの代わりに、端子CLKb[j1]、端子CLKb[j2]、端子RS_Rb、端子LINb、端子RINb、端子ROUTb、端子O1b、及び端子FNbが電気的に接続される点が、
図6Cに示す構成と異なる。トランジスタTr13が設けられていないため、トランジスタTr12のソース又はドレインの一方は、端子FNbと電気的に接続される。
【0138】
なお、レジスタ回路Raを、
図7A乃至
図7Cに示す構成としてもよいし、レジスタ回路Rbを、
図6A乃至
図6Cに示す構成としてもよい。
【0139】
図8Aは、バッファ回路BUFと電気的に接続される端子の一例を示す図である。なお、
図8Aでは、レジスタ回路Ra及びレジスタ回路Rb、並びにトランジスタTr1乃至トランジスタTr4も示している。また、
図8Aでは、トランジスタTr1乃至トランジスタTr4と電気的に接続される端子も示している。
【0140】
バッファ回路BUFには、端子SL_PWC、端子RS_PWC、端子RS_ALL、端子SL、及び端子RSの他、端子O1、及び端子FNが電気的に接続される。なお、詳細は後述するが、端子O1、端子FN、端子SL_PWC、端子RS_PWC、及び端子RS_ALLを介してバッファ回路BUFに信号が入力され、バッファ回路BUFから端子SL、及び端子RSに信号が出力される。よって、端子O1、端子FN、端子SL_PWC、端子RS_PWC、及び端子RS_ALLは入力端子であるということができ、端子SL、及び端子RSは出力端子であるということができる。
【0141】
レジスタ回路Raの出力端子である端子O1aは、トランジスタTr1のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、レジスタ回路Raの出力端子である端子FNaは、トランジスタTr2のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。また、レジスタ回路Rbの出力端子である端子O1bは、トランジスタTr3のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、レジスタ回路Rbの出力端子である端子FNbは、トランジスタTr4のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。さらに、バッファ回路BUFの入力端子である端子O1は、トランジスタTr1のソース又はドレインの他方、及びトランジスタTr3のソース又はドレインの他方と電気的に接続され、バッファ回路BUFの入力端子である端子FNは、トランジスタTr2のソース又はドレインの他方、及びトランジスタTr4のソース又はドレインの他方と電気的に接続される。
【0142】
前述のように、トランジスタTr1のゲート、及びトランジスタTr2のゲートは端子SWaと電気的に接続され、トランジスタTr3のゲート、及びトランジスタTr4のゲートは端子SWbと電気的に接続される。よって、端子SWaに高電位の信号を入力すると、トランジスタTr1及びトランジスタTr2がオン状態となる。これにより、レジスタ回路Raが端子O1aから出力した信号が、端子O1を介してバッファ回路BUFに入力される。また、レジスタ回路Raが端子FNaから出力した信号が、端子FNを介してバッファ回路BUFに入力される。一方、端子SWbに高電位の信号を入力すると、トランジスタTr3及びトランジスタTr4がオン状態となる。これにより、レジスタ回路Rbが端子O1bから出力した信号が、端子O1を介してバッファ回路BUFに入力される。また、レジスタ回路Rbが端子FNbから出力した信号が、端子FNを介してバッファ回路BUFに入力される。
【0143】
図8Bは、バッファ回路BUFの構成例を示す回路図である。バッファ回路BUFは、トランジスタTr31乃至トランジスタTr37と、容量素子C31乃至容量素子C33と、を有する。
【0144】
端子O1は、トランジスタTr31のソース又はドレインの一方、及びトランジスタTr35のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。端子FNは、トランジスタTr33のソース又はドレインの一方、及びトランジスタTr37のゲートと電気的に接続される。端子SL_PWCは、トランジスタTr36のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。端子RS_PWCは、トランジスタTr32のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。端子RS_ALLは、トランジスタTr34のソース又はドレインの一方、及び容量素子C32の一方の電極と電気的に接続される。端子SLは、トランジスタTr36のソース又はドレインの他方、トランジスタTr37のソース又はドレインの一方、及び容量素子C33の一方の電極と電気的に接続される。端子RSは、トランジスタTr32のソース又はドレインの他方、トランジスタTr34のソース又はドレインの他方、及び容量素子C31の一方の電極と電気的に接続される。
【0145】
トランジスタTr31のソース又はドレインの他方は、トランジスタTr32のゲートと電気的に接続される。トランジスタTr32のゲートは、容量素子C31の他方の電極と電気的に接続される。トランジスタTr33のソース又はドレインの他方は、トランジスタTr34のゲートと電気的に接続される。トランジスタTr34のゲートは、容量素子C32の他方の電極と電気的に接続される。トランジスタTr35のソース又はドレインの他方は、トランジスタTr36のゲートと電気的に接続される。トランジスタTr36のゲートは、容量素子C33の他方の電極と電気的に接続される。
【0146】
トランジスタTr31のゲート、トランジスタTr33のゲート、及びトランジスタTr35のゲートには、電位VDDを供給することができる。また、トランジスタTr37のソース又はドレインの他方には、電位VSSを供給することができる。
【0147】
端子O1に高電位の信号が入力されると、トランジスタTr32のゲートの電位が高電位となることにより、トランジスタTr32がオン状態となる。よって、端子RS_PWCから入力された信号を、端子RSから出力することができる。また、トランジスタTr36のゲートの電位が高電位となることにより、トランジスタTr36がオン状態となる。よって、端子SL_PWCから入力された信号を、端子SLから出力することができる。
【0148】
一方、端子FNに高電位の信号が入力されると、トランジスタTr34のゲートの電位が高電位となることにより、トランジスタTr34がオン状態となる。よって、端子RS_ALLから入力された信号を、端子RSから出力することができる。また、トランジスタTr37のゲートの電位が高電位となることにより、トランジスタTr37がオン状態となる。よって、端子SLの電位が低電位となる。例えば、
図2B2に示す期間61において、端子FN及び端子RS_ALLに高電位の信号を入力することにより、端子RSから高電位の信号が出力される。これにより、
図2B1に示す画素31が有する容量素子56、及び容量素子57等に蓄積された電荷をリセットすることができる。例えば、端子RS_Ra又は端子RS_Rbに高電位の信号を入力することにより、端子FNに高電位の信号を入力することができる。この状態で、端子RS_ALLに高電位の信号を入力することにより、上記リセット動作を行うことができる。
【0149】
〔動作方法の一例1〕
図9及び
図10は、半導体装置10が有する撮像装置15に設けられるゲートドライバ回路33の動作方法の一例を示すタイミングチャートである。具体的には、
図2B2に示す、読み出し期間である期間T2における、ゲートドライバ回路33が有するシフトレジスタ回路の動作方法の一例を示している。
図9は、第1のモードでの動作方法の一例であり、
図10は、第2のモードでの動作方法の一例である。なお、
図9及び
図10において、ブートストラップによる電位の上昇、リーク電流による電位の低下等は考慮していない。他のタイミングチャートについても同様とする。
【0150】
まず、ゲートドライバ回路33が有するシフトレジスタ回路の、第1のモードでの動作方法の一例を説明する。
図9に示すように、期間T201において、信号SWaの電位を高電位とし、信号SWbの電位を低電位とする。これにより、半導体装置10は、第1のモードで動作する。また、端子LINa[1]に、スタートパルス信号として高電位の信号を入力する。これにより、レジスタ回路Ra[1]が有するトランジスタTr11がオン状態となり、端子O1a[1]から高電位の信号が出力される。
【0151】
期間T202から、端子CLKa[1]乃至端子CLKa[4]にクロック信号を順次入力する。これにより、期間T202には端子CLKa[1]の電位が高電位となり、端子CLKa[2]乃至端子CLKa[4]の電位が低電位となる。また、期間T203には端子CLKa[1]、及び端子CLKa[2]の電位が高電位となり、端子CLKa[3]、及び端子CLKa[4]の電位が低電位となる。また、期間T204には端子CLKa[2]、及び端子CLKa[3]の電位が高電位となり、端子CLKa[1]、及び端子CLKa[4]の電位が低電位となる。さらに、期間T205には端子CLKa[3]及び端子CLKa[4]の電位が高電位となり、端子CLKa[1]及び端子CLKa[2]の電位が低電位となる。
【0152】
なお、期間T201乃至期間T205において、例えば全てのクロック端子CLKbにはクロック信号が入力されない。つまり、期間T201乃至期間T205において、例えば全てのクロック端子CLKbの電位は低電位となる。ここで、例えばクロック信号が入力されるレジスタ回路はオン状態のレジスタ回路であり、クロック信号が入力されないレジスタ回路はオフ状態のレジスタ回路であるということができる。よって、第1のモードでは、レジスタ回路Raはオン状態であり、レジスタ回路Rbはオフ状態であるということができる。
【0153】
また、期間T202において、端子SL_PWC[1]及び端子RS_PWC[1]に信号を入力する。ここで、期間T202において、端子SWaに高電位の信号が入力されているため、トランジスタTr1がオン状態となっている。また、期間T201に引き続いて端子LINa[1]に高電位の信号が入力されるため、端子O1a[1]から高電位の信号が出力される。以上により、バッファ回路BUF[1]の入力端子である端子O1[1]に高電位の信号が入力される。よって、バッファ回路BUF[1]が有するトランジスタTr36がオン状態となり、端子SL_PWC[1]に入力された信号が端子SL[1]から出力される。また、バッファ回路BUF[1]が有するトランジスタTr32がオン状態となり、端子RS_PWC[1]に入力された信号が端子RS[1]から出力される。なお、端子O1a[1]の電位が高電位であるため、レジスタ回路Ra[1]が有するトランジスタTr17がオン状態となり、端子CLKa[1]に入力されるクロック信号が端子ROUTa[1]から出力される。前述のように、期間T202における端子CLKa[1]の電位は高電位であるため、端子ROUTa[1]から高電位の信号が出力される。よって、端子ROUTa[1]と電気的に接続される端子LINa[2]に高電位の信号が入力される。
【0154】
期間T203において、端子SL_PWC[2]及び端子RS_PWC[2]に信号を入力する。ここで、期間T203において、端子SWaに高電位の信号が入力されているため、トランジスタTr1がオン状態となっている。また、期間T202に引き続いて端子LINa[2]に高電位の信号が入力されるため、端子O1a[2]から高電位の信号が出力される。以上により、バッファ回路BUF[2]の入力端子である端子O1[2]に高電位の信号が入力される。よって、バッファ回路BUF[2]が有するトランジスタTr36がオン状態となり、端子SL_PWC[2]に入力された信号が端子SL[2]から出力される。また、バッファ回路BUF[2]が有するトランジスタTr32がオン状態となり、端子RS_PWC[2]に入力された信号が端子RS[2]から出力される。なお、端子O1a[2]の電位が高電位であるため、レジスタ回路Ra[2]が有するトランジスタTr17がオン状態となり、端子CLKa[2]に入力されるクロック信号が端子ROUTa[2]から出力される。前述のように、期間T203における端子CLKa[2]の電位は高電位であるため、端子ROUTa[2]から高電位の信号が出力される。よって、端子ROUTa[2]と電気的に接続される端子LINa[3]に高電位の信号が入力される。
【0155】
期間T204において、端子LINa[m]に高電位の信号が入力される。これにより、レジスタ回路Ra[m]が有するトランジスタTr11がオン状態となり、端子O1a[m]から高電位の信号が出力される。
【0156】
期間T205において、端子SL_PWC[8]及び端子RS_PWC[8]に信号を入力する。ここで、期間T205において、端子SWaに高電位の信号が入力されているため、トランジスタTr1がオン状態となっている。また、期間T204に引き続いて端子LINa[m]に高電位の信号が入力されるため、端子O1a[m]から高電位の信号が出力される。以上により、バッファ回路BUF[m]の入力端子である端子O1[m]に高電位の信号が入力される。よって、バッファ回路BUF[m]が有するトランジスタTr36がオン状態となり、端子SL_PWC[8]に入力された信号が端子SL[m]から出力される。また、バッファ回路BUF[m]が有するトランジスタTr32がオン状態となり、端子RS_PWC[8]に入力された信号が端子RS[m]から出力される。なお、端子O1a[m]の電位が高電位であるため、レジスタ回路Ra[m]が有するトランジスタTr17がオン状態となり、端子CLKa[4]に入力されるクロック信号が端子ROUTa[m]から出力される。前述のように、期間T205における端子CLKa[4]の電位は高電位であるため、端子ROUTa[m]から高電位の信号が出力される。
【0157】
以上のように、
図9に示す動作方法では、期間T201において端子LINa[1]に入力されたスタートパルス信号が、期間T202乃至期間T205においてレジスタ回路Ra[1]からレジスタ回路Ra[m]まで順次伝送される。これに対応して、高電位の選択信号が、端子SL[1]乃至端子SL[m]から順次出力され、高電位のリセット信号が、端子RS[1]乃至端子RS[m]から順次出力されるということができる。なお、レジスタ回路Rb[1]乃至レジスタ回路Rb[m/k]はオフ状態であるため、端子O1b[1]乃至端子O1b[m/k]からは高電位の信号は出力されない。
【0158】
次に、ゲートドライバ回路33が有するシフトレジスタ回路の、第2のモードでの動作方法の一例を説明する。
図10に示すように、期間T211において、信号SWbの電位を高電位とし、信号SWaの電位を低電位とする。これにより、半導体装置10は、第2のモードで動作する。また、端子LINb[1]に、スタートパルス信号として高電位の信号を入力する。これにより、レジスタ回路Rb[1]が有するトランジスタTr11がオン状態となり、端子O1b[1]から高電位の信号が出力される。
【0159】
期間T212から、端子CLKb[1]乃至端子CLKb[4]にクロック信号を順次入力する。これにより、期間T212には端子CLKb[1]の電位が高電位となり、端子CLKb[2]乃至端子CLKb[4]の電位が低電位となる。また、期間T213には端子CLKb[2]の電位が高電位となり、端子CLKb[1]、端子CLKb[3]、及び端子CLKb[4]の電位が低電位となる。また、期間T214には端子CLKb[3]の電位が高電位となり、端子CLKb[1]、端子CLKb[2]、及び端子CLKb[4]の電位が低電位となる。さらに、期間T215には端子CLKb[4]の電位が高電位となり、端子CLKb[1]、端子CLKb[2]、及び端子CLKb[3]の電位が低電位となる。
【0160】
なお、期間T211乃至期間T215において、例えば全てのクロック端子CLKaにはクロック信号が入力されない。つまり、期間T211乃至期間T215において、例えば全てのクロック端子CLKaの電位は低電位となる。ここで、前述のように例えばクロック信号が入力されるレジスタ回路はオン状態のレジスタ回路であり、クロック信号が入力されないレジスタ回路はオフ状態のレジスタ回路であるということができる。よって、第2のモードでは、レジスタ回路Rbはオン状態であり、レジスタ回路Raはオフ状態であるということができる。
【0161】
また、期間T212において、端子SL_PWC[1]乃至端子SL_PWC[4]、及び端子RS_PWC[1]乃至端子RS_PWC[4]に信号を入力する。ここで、期間T212において、端子SWbに高電位の信号が入力されているため、トランジスタTr3がオン状態となっている。また、端子LINb[1]の電位が低電位であり、レジスタ回路Rb[1]が有するトランジスタTr11がオフ状態となっているが、端子O1b[1]はフローティング状態であるため、端子O1b[1]の電位は高電位に保持される。以上により、バッファ回路BUF[1]の入力端子である端子O1[1]、バッファ回路BUF[2]の入力端子である端子O1[2]、バッファ回路BUF[3]の入力端子である端子O1[3]、及びバッファ回路BUF[4]の入力端子である端子O1[4]に高電位の信号が入力される。よって、バッファ回路BUF[1]が有するトランジスタTr36、バッファ回路BUF[2]が有するトランジスタTr36、バッファ回路BUF[3]が有するトランジスタTr36、及びバッファ回路BUF[4]が有するトランジスタTr36がオン状態となる。これにより、端子SL_PWC[1]に入力された信号が端子SL[1]から出力され、端子SL_PWC[2]に入力された信号が端子SL[2]から出力され、端子SL_PWC[3]に入力された信号が端子SL[3]から出力され、端子SL_PWC[4]に入力された信号が端子SL[4]から出力される。また、バッファ回路BUF[1]が有するトランジスタTr32、バッファ回路BUF[2]が有するトランジスタTr32、バッファ回路BUF[3]が有するトランジスタTr32、及びバッファ回路BUF[4]が有するトランジスタTr32がオン状態となる。これにより、端子RS_PWC[1]に入力された信号が端子RS[1]から出力され、端子RS_PWC[2]に入力された信号が端子RS[2]から出力され、端子RS_PWC[3]に入力された信号が端子RS[3]から出力され、端子RS_PWC[4]に入力された信号が端子RS[4]から出力される。なお、端子O1b[1]の電位が高電位であるため、レジスタ回路Rb[1]が有するトランジスタTr17がオン状態となり、端子CLKb[1]に入力されるクロック信号が端子ROUTb[1]から出力される。前述のように、期間T212における端子CLKb[1]の電位は高電位であるため、端子ROUTb[1]から高電位の信号が出力される。よって、端子ROUTb[1]と電気的に接続される端子LINb[2]に高電位の信号が入力される。
【0162】
期間T213において、端子SL_PWC[5]乃至端子SL_PWC[8]、及び端子RS_PWC[5]乃至端子RS_PWC[8]に信号を入力する。ここで、期間T213において、端子SWbに高電位の信号が入力されているため、トランジスタTr3がオン状態となっている。また、端子LINb[2]の電位が低電位であり、レジスタ回路Rb[2]が有するトランジスタTr11がオフ状態となっているが、端子O1b[2]はフローティング状態であるため、端子O1b[2]の電位は高電位に保持される。以上により、バッファ回路BUF[k+1]の入力端子である端子O1[k+1]、バッファ回路BUF[k+2]の入力端子である端子O1[k+2]、バッファ回路BUF[k+3]の入力端子である端子O1[k+3]、及びバッファ回路BUF[k+4]の入力端子である端子O1[k+4]に高電位の信号が入力される。よって、バッファ回路BUF[k+1]が有するトランジスタTr36、バッファ回路BUF[k+2]が有するトランジスタTr36、バッファ回路BUF[k+3]が有するトランジスタTr36、及びバッファ回路BUF[k+4]が有するトランジスタTr36がオン状態となる。これにより、端子SL_PWC[5]に入力された信号が端子SL[k+1]から出力され、端子SL_PWC[6]に入力された信号が端子SL[k+2]から出力され、端子SL_PWC[7]に入力された信号が端子SL[k+3]から出力され、端子SL_PWC[8]に入力された信号が端子SL[k+4]から出力される。また、バッファ回路BUF[k+1]が有するトランジスタTr32、バッファ回路BUF[k+2]が有するトランジスタTr32、バッファ回路BUF[k+3]が有するトランジスタTr32、及びバッファ回路BUF[k+4]が有するトランジスタTr32がオン状態となる。これにより、端子RS_PWC[5]に入力された信号が端子RS[k+1]から出力され、端子RS_PWC[6]に入力された信号が端子RS[k+2]から出力され、端子RS_PWC[7]に入力された信号が端子RS[k+3]から出力され、端子RS_PWC[8]に入力された信号が端子RS[k+4]から出力される。なお、端子O1b[2]の電位が高電位であるため、レジスタ回路Rb[2]が有するトランジスタTr17がオン状態となり、端子CLKb[2]に入力されるクロック信号が端子ROUTb[2]から出力される。前述のように、期間T213における端子CLKb[2]の電位は高電位であるため、端子ROUTb[2]から高電位の信号が出力される。よって、端子ROUTb[2]と電気的に接続される端子LINb[3]に高電位の信号が入力される。
【0163】
期間T214において、端子LINb[m/k]に高電位の信号が入力される。これにより、レジスタ回路Rb[m/k]が有するトランジスタTr11がオン状態となり、端子O1b[m/k]から高電位の信号が出力される。
【0164】
期間T215において、端子SL_PWC[5]乃至端子SL_PWC[8]、及び端子RS_PWC[5]乃至端子RS_PWC[8]に信号を入力する。ここで、期間T215において、端子SWbに高電位の信号が入力されているため、トランジスタTr3がオン状態となっている。また、端子LINb[m/k]の電位が低電位であり、レジスタ回路Rb[m/k]が有するトランジスタTr11がオフ状態となっているが、端子O1b[m/k]はフローティング状態であるため、端子O1b[m/k]の電位は高電位に保持される。以上により、バッファ回路BUF[m-k+1]の入力端子である端子O1[m-k+1]、バッファ回路BUF[m-k+2]の入力端子である端子O1[m-k+2]、バッファ回路BUF[m-k+3]の入力端子である端子O1[m-k+3]、及びバッファ回路BUF[m-k+4]の入力端子である端子O1[m-k+4]に高電位の信号が入力される。よって、バッファ回路BUF[m-k+1]が有するトランジスタTr36、バッファ回路BUF[m-k+2]が有するトランジスタTr36、バッファ回路BUF[m-k+3]が有するトランジスタTr36、及びバッファ回路BUF[m-k+4]が有するトランジスタTr36がオン状態となる。これにより、端子SL_PWC[5]に入力された信号が端子SL[m-k+1]から出力され、端子SL_PWC[6]に入力された信号が端子SL[m-k+2]から出力され、端子SL_PWC[7]に入力された信号が端子SL[m-k+3]から出力され、端子SL_PWC[8]に入力された信号が端子SL[m-k+4]から出力される。また、バッファ回路BUF[m-k+1]が有するトランジスタTr32、バッファ回路BUF[m-k+2]が有するトランジスタTr32、バッファ回路BUF[m-k+3]が有するトランジスタTr32、及びバッファ回路BUF[m-k+4]が有するトランジスタTr32がオン状態となる。これにより、端子RS_PWC[5]に入力された信号が端子RS[m-k+1]から出力され、端子RS_PWC[6]に入力された信号が端子RS[m-k+2]から出力され、端子RS_PWC[7]に入力された信号が端子RS[m-k+3]から出力され、端子RS_PWC[8]に入力された信号が端子RS[m-k+4]から出力される。なお、端子O1b[m/k]の電位が高電位であるため、レジスタ回路Rb[m/k]が有するトランジスタTr17がオン状態となり、端子CLKb[4]に入力されるクロック信号が端子ROUTb[m/k]から出力される。前述のように、期間T215における端子CLKb[4]の電位は高電位であるため、端子ROUTb[m/k]から高電位の信号が出力される。
【0165】
以上のように、
図10に示す動作方法では、期間T211において端子LINb[1]に入力されたスタートパルス信号が、期間T212乃至期間T215においてレジスタ回路Rb[1]からレジスタ回路Rb[m/k]まで順次伝送される。これに対応して、高電位の選択信号が、端子SL[1]乃至端子SL[4]から、端子SL[k+1]乃至端子SL[k+4]からの順に、端子SL[m-k+1]乃至端子SL[m-k+4]からまで順次出力されるということができる。また、高電位のリセット信号が、端子RS[1]乃至端子RS[4]から、端子RS[k+1]乃至端子RS[k+4]からの順に、端子RS[m-k+1]乃至端子RS[m-k+4]からまで順次出力されるということができる。なお、レジスタ回路Ra[1]乃至レジスタ回路Ra[m]はオフ状態であるため、端子O1a[1]乃至端子O1a[m]からは高電位の信号は出力されない。
【0166】
なお、レジスタ回路Rbを
図10に示す方法で動作させる場合には、複数のクロック信号における、高電位となる期間を重ねなくてよい。例えば、端子CLKb[1]乃至端子CLKb[4]のうち、期間T212では端子CLKb[1]のみ高電位とし、期間T213では端子CLKb[2]のみ高電位とし、期間T214では端子CLKb[3]のみ高電位とし、期間T215では端子CLKb[4]のみ高電位とすることができる。このように、複数のクロック信号における、高電位となる期間を重ねないことにより、複数のクロック信号が混信することによるクロック信号の電位変動を抑制することができる。これにより、半導体装置10を精度良く動作させることができる。
【0167】
一方、複数のクロック信号における、高電位となる期間を重ねずに動作させることにより、前述のように端子O1bの電位を保持する必要が生じる。例えば、前述のように、期間T212では端子O1b[1]の電位を保持し、期間T213では端子O1b[2]の電位を保持し、期間T215では端子O1b[m/k]の電位を保持している。よって、電荷のリークによる端子O1bの電位変動を抑制するために、
図10に示す動作は短時間に行うことが好ましい。前述のように、レジスタ回路Rbを動作させる第2のモードでは、例えば検出対象物の位置を精度良く検出するため、半導体装置10を高速に動作させることが好ましい。よって、
図10に示す動作を短期間に行うこととなる。このため、複数のクロック信号における、高電位となる期間を重ねずに動作させても、電荷のリークによる端子O1bの電位変動は小さい。以上より、第2のモードでは、
図10に示すように複数のクロック信号における、高電位となる期間を重ねずに動作させることが好ましい。
【0168】
一方、レジスタ回路Raを動作させる第1のモードでは、指紋検出等を行う。よって、第2のモードと比較して、半導体装置10を高速に動作させる必要はない。したがって、第1のモードでは、例えば2つのクロック信号の、高電位となる期間を重ねて動作させることが好ましい。これにより、
図9に示す期間T202乃至期間T205の各期間が長期間となっても端子O1aの電位が変動しないようにすることができる。なお、
図9に示す場合では、端子CLKa[1]に入力されるクロック信号が高電位となる期間と、端子CLKa[2]に入力されるクロック信号が高電位となる期間と、が期間T203で重なっている。また、端子CLKa[2]に入力されるクロック信号が高電位となる期間と、端子CLKa[3]に入力されるクロック信号が高電位となる期間と、が期間T204で重なっている。さらに、また、端子CLKa[3]に入力されるクロック信号が高電位となる期間と、端子CLKa[4]に入力されるクロック信号が高電位となる期間と、が期間T205で重なっている。
【0169】
ここで、
図7Cに示す構成のレジスタ回路Rbが有するトランジスタTr11、及びトランジスタTr18としてOSトランジスタ等、オフ電流が低いトランジスタを用いると、端子O1bの電位を長期間保持することができるため好ましい。また、
図6Cに示す構成のレジスタ回路Raが有するトランジスタTr11、及びトランジスタTr18としてOSトランジスタ等、オフ電流が低いトランジスタを用いると、端子O1aの電位を長期間保持することができる。よって、半導体装置10を第1のモードで動作させる場合であっても、複数のクロック信号における、高電位となる期間を重ねずに動作させることができる場合がある。
【0170】
<ゲートドライバ回路の構成例2>
図11は、ゲートドライバ回路33が有するシフトレジスタ回路の構成例を示す図であり、
図3に示す構成の変形例である。
図11に示す構成のシフトレジスタ回路は、バッファ回路BUFを有しない点が、
図3に示す構成のシフトレジスタ回路と異なる。以下では、ゲートドライバ回路33が有するシフトレジスタ回路を
図11に示す構成とする場合に、当該シフトレジスタ回路を
図3に示す構成とする場合とは異なる部分について主に説明する。また、ゲートドライバ回路33が有するシフトレジスタ回路は、m個のレジスタ回路Raと、m/k個のレジスタ回路Rbと、を有するとして以下説明を行う。
【0171】
レジスタ回路Raは、トランジスタTr1を介して端子SLと電気的に接続される。また、レジスタ回路Raは、トランジスタTr2を介して端子RSと電気的に接続される。レジスタ回路Rbは、トランジスタTr3を介して端子SLと電気的に接続される。また、レジスタ回路Rbは、トランジスタTr4を介して端子RSと電気的に接続される。
【0172】
ここで、1個のレジスタ回路Rbは、トランジスタTr3を介して複数の端子SLと電気的に接続され、トランジスタTr4を介して複数の端子RSと電気的に接続される構成とすることができる。例えば、1個のレジスタ回路Rbは、トランジスタTr3を介して4個の端子SLと電気的に接続され、トランジスタTr4を介して4個の端子RSと電気的に接続される。例えば、
図11に示すように、レジスタ回路Rb[1]は、トランジスタTr3を介して端子SL[1]乃至端子SL[4]と電気的に接続され、トランジスタTr4を介して端子RS[1]乃至端子RS[4]と電気的に接続される。また、レジスタ回路Rb[2]は、トランジスタTr3を介して端子SL[k+1]乃至端子SL[k+4]と電気的に接続され、トランジスタTr4を介して端子RS[k+1]乃至端子RS[k+4]と電気的に接続される。なお、1個のレジスタ回路Rbが、トランジスタTr3を介して2個又は3個の端子SLと電気的に接続され、トランジスタTr4を介して2個又は3個の端子RSと電気的に接続されてもよい。また、1個のレジスタ回路Rbが、トランジスタTr3を介して5個以上の端子SLと電気的に接続され、トランジスタTr4を介して5個以上の端子RSと電気的に接続されてもよい。具体的には、1個のレジスタ回路Rbは、トランジスタTr3を介して1個以上k個以下の端子SLと電気的に接続され、トランジスタTr4を介して1個以上k個以下の端子RSと電気的に接続される構成とすることができる。
【0173】
上記のように、1個のレジスタ回路Rbを、複数の端子SL、及び端子RSと電気的に接続することにより、撮像データの読み出しを、複数行の画素31に対して同時に行うことができる。これにより、当該同時に読み出される撮像データを重ね合わせることができ、画素31とCDS回路35とを電気的に接続する配線45の電位を高くすることができる。したがって、撮像装置15を高いフレーム周波数で動作させ、1フレーム当たりの露光期間を短くしても、撮像装置15の撮像感度を高めることができる。以下では、1個のレジスタ回路Rbが、トランジスタTr3を介して4個の端子SLと電気的に接続され、トランジスタTr4を介して4個の端子RSと電気的に接続される場合について説明を行う。
【0174】
端子SWaに高電位の信号を入力すると、レジスタ回路Raから端子SL、及び端子RSに信号が出力される。例えば、レジスタ回路Ra[1]から端子SL[1]、及び端子RS[1]に信号が出力される。一方、端子SWbに高電位の信号を入力すると、レジスタ回路Rbから端子SL、及び端子RSに信号が出力される。例えば、レジスタ回路Rb[1]から端子SL[1]乃至端子SL[4]、及び端子RS[1]乃至端子RS[4]に信号が出力される。
【0175】
図3に示す場合と同様に、端子SPa及び端子SPbには、スタートパルス信号が入力される。端子SPaにスタートパルス信号が入力され、且つ端子SWaに高電位の信号が入力された場合、レジスタ回路Ra[1]乃至レジスタ回路Ra[m]が順次信号を端子SL[1]乃至端子SL[m]に出力し、これと並行して順次信号を端子RS[1]乃至端子RS[m]に出力する。つまり、レジスタ回路Ra[1]が端子SL[1]及び端子RS[1]に信号を出力した後、レジスタ回路Ra[2]が端子SL[2]及び端子RS[2]に信号を出力する。そして、レジスタ回路Ra[m]による端子SL[m]及び端子RS[m]からの信号の出力まで順次行う。
【0176】
端子SPbにスタートパルス信号が入力され、且つ端子SWbに高電位の信号が入力された場合、レジスタ回路Rb[1]乃至レジスタ回路Rb[m/k]が順次信号を端子SL、及び端子RSに出力する。つまり、レジスタ回路Rb[1]が端子SL[1]乃至端子SL[4]、及び端子RS[1]乃至端子RS[4]に信号を出力した後、レジスタ回路Rb[2]が端子SL[k+1]乃至端子SL[k+4]、及び端子RS[k+1]乃至端子RS[k+4]に信号を出力する。そして、レジスタ回路Rb[m/k]による端子SL[m-k+1]乃至端子SL[m-k+4]、及び端子RS[m-k+1]乃至端子RS[m-k+4]への信号の出力まで順次行う。
【0177】
図12A、及び
図12Bは、
図11に示すゲートドライバ回路33を構成する回路のうち、レジスタ回路Ra[1]乃至レジスタ回路Ra[8]、レジスタ回路Rb[1]、及びバッファ回路BUF[1]乃至バッファ回路BUF[8]を示す図である。
【0178】
図12Aに示すゲートドライバ回路33では、レジスタ回路Rbが出力する信号が供給されない端子SL[5]乃至端子SL[8]が、トランジスタTr1を介さずにレジスタ回路Ra[5]乃至レジスタ回路Ra[8]のそれぞれと電気的に接続される。また、レジスタ回路Rbが出力する信号が供給されない端子RS[5]乃至端子RS[8]が、トランジスタTr2を介さずにレジスタ回路Ra[5]乃至レジスタ回路Ra[8]のそれぞれと電気的に接続される。また、端子SL[5]乃至端子SL[8]は、トランジスタTr3のソース又はドレインの一方と電気的に接続されず、端子RS[5]乃至端子RS[8]は、トランジスタTr4のソース又はドレインの一方と電気的に接続されない。つまり、
図12Aに示すゲートドライバ回路33は、レジスタ回路Rbが出力する信号が供給されない端子SL[5]乃至端子SL[8]に対応するトランジスタTr3を有さず、レジスタ回路Rbが出力する信号が供給されない端子RS[5]乃至端子RS[8]に対応するトランジスタTr4を有さない。
【0179】
一方、
図12Bに示すゲートドライバ回路33では、レジスタ回路Rbが出力する信号が供給されない端子SL[5]乃至端子SL[8]が、トランジスタTr1を介してレジスタ回路Ra[5]乃至レジスタ回路Ra[8]のそれぞれと電気的に接続される。また、レジスタ回路Rbが出力する信号が供給されない端子RS[5]乃至端子RS[8]が、トランジスタTr2を介してレジスタ回路Ra[5]乃至レジスタ回路Ra[8]のそれぞれと電気的に接続される。また、端子SL[5]乃至端子SL[8]は、トランジスタTr3のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、端子RS[5]乃至端子RS[8]は、トランジスタTr4のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。ここで、ソース又はドレインの一方が端子SL[5]乃至端子SL[8]と電気的に接続されるトランジスタTr3のソース又はドレインの他方には、定電位を供給することができる。また、ソース又はドレインの一方が端子RS[5]乃至端子RS[8]と電気的に接続されるトランジスタTr4のソース又はドレインの他方には、定電位を供給することができる。例えば、トランジスタTr3のソース又はドレインの他方には低電位を供給することができ、トランジスタTr4のソース又はドレインの他方には高電位を供給することができる。
【0180】
図13は、
図11に示すシフトレジスタ回路の具体的な構成例であり、
図11に示すシフトレジスタ回路に端子を追加したものである。
図13に示すシフトレジスタ回路は、端子SL_PWCの代わりに端子SL_PWCa、及び端子SL_PWCbを有し、端子RS_PWCの代わりに端子RS_PWCa、及び端子RS_PWCbを有し、端子RS_ALLの代わりに端子RS_ALLa、及び端子RS_ALLbを有する点が
図5に示す構成のシフトレジスタ回路と異なる。また、
図13では、端子SL_PWCaとして端子SL_PWCa[1]乃至端子SL_PWCa[8]が設けられ、端子SL_PWCbとして端子SL_PWCb[1]及び端子SL_PWCb[2]が設けられ、端子RS_PWCaとして端子RS_PWCa[1]乃至端子RS_PWCa[8]が設けられ、端子RS_PWCbとして端子RS_PWCb[1]及び端子RS_PWCb[2]が設けられる構成を示しているが、端子SL_PWCa及び端子SL_PWCb、並びに端子RS_PWCa及び端子RS_PWCbの個数は
図13に示す個数に限られない。
【0181】
端子SL_PWCa、端子RS_PWCa、及び端子RS_ALLaは、レジスタ回路Raと電気的に接続することができる。また、端子SL_PWCb、端子RS_PWCb、及び端子RS_ALLbは、レジスタ回路Rbと電気的に接続することができる。
【0182】
図13に示す構成では、1個のレジスタ回路Raに1個の端子SL_PWCa、及び1個の端子RS_PWCaを電気的に接続することができる。例えば、レジスタ回路Ra[1]は、端子SL_PWCa[1]、及び端子RS_PWCa[1]と電気的に接続することができる。また、レジスタ回路Ra[2]は、端子SL_PWCa[2]、及び端子RS_PWCa[2]と電気的に接続することができる。また、レジスタ回路Ra[3]は、端子SL_PWCa[3]、及び端子RS_PWCa[3]と電気的に接続することができる。また、レジスタ回路Ra[4]は、端子SL_PWCa[4]、及び端子RS_PWCa[4]と電気的に接続することができる。また、レジスタ回路Ra[k+1]は、端子SL_PWCa[5]、及び端子RS_PWCa[5]と電気的に接続することができる。また、レジスタ回路Ra[k+2]は、端子SL_PWCa[6]、及び端子RS_PWCa[6]と電気的に接続することができる。また、レジスタ回路Ra[k+3]は、端子SL_PWCa[7]、及び端子RS_PWCa[7]と電気的に接続することができる。また、レジスタ回路Ra[k+4]は、端子SL_PWCa[8]、及び端子RS_PWCa[8]と電気的に接続することができる。
【0183】
また、
図13に示す構成では、1個のレジスタ回路Rbに1個の端子SL_PWCb、及び1個の端子RS_PWCbを電気的に接続することができる。例えば、レジスタ回路Rb[1]は、端子SL_PWCb[1]、及び端子RS_PWCb[1]と電気的に接続することができる。また、レジスタ回路Rb[2]は、端子SL_PWCb[2]、及び端子RS_PWCb[2]と電気的に接続することができる。
【0184】
図14は、レジスタ回路Ra[1]、レジスタ回路Ra[2]、及びレジスタ回路Rb[1]、並びにトランジスタTr1乃至トランジスタTr4と電気的に接続される端子の一例を示す図である。レジスタRaには、端子SLa、及び端子RSaが電気的に接続される。具体的には、例えばレジスタRa[1]には、端子SLa[1]、及び端子RSa[1]が電気的に接続され、レジスタRa[2]には、端子SLa[2]、及び端子RSa[2]が電気的に接続される。また、レジスタRbには、端子SLb、及び端子RSbが電気的に接続される。具体的には、例えばレジスタRb[1]には、端子SLb[1]、及び端子RSb[1]が電気的に接続される。
【0185】
なお、詳細は後述するが、レジスタ回路Raから端子SLa、及び端子RSaに信号が出力され、レジスタ回路Rbから端子SLb、及び端子RSbに信号が出力される。よって、端子SLa及び端子RSa、並びに端子SLb及び端子RSbは出力端子であるということができる。
【0186】
端子SLaはトランジスタTr1を介して端子SLと電気的に接続され、端子RSaはトランジスタTr2を介して端子RSと電気的に接続される。また、端子SLbはトランジスタTr3を介して端子SLと電気的に接続され、端子RSbはトランジスタTr4を介して端子RSと電気的に接続される。具体的には、端子SLa[1]はトランジスタTr1を介して端子SL[1]と電気的に接続され、端子RSa[1]はトランジスタTr2を介して端子RS[1]と電気的に接続される。また、端子SLa[2]はトランジスタTr1を介して端子SL[2]と電気的に接続され、端子RSa[2]はトランジスタTr2を介して端子RS[2]と電気的に接続される。さらに、端子SLb[1]はトランジスタTr3を介して端子SL[1]乃至端子SL[4]と電気的に接続され、端子RSb[1]はトランジスタTr4を介して端子RS[1]乃至端子RS[4]と電気的に接続される。なお、端子SL[3]及び端子SL[4]、並びに端子RS[3]及び端子RS[4]は
図14には示していない。
【0187】
図15は、
図11乃至
図14に示すレジスタ回路Raの構成例を示す回路図である。レジスタ回路Raは、トランジスタTr11、トランジスタTr12、トランジスタTr13、トランジスタTr14、トランジスタTr15、トランジスタTr16、トランジスタTr17、トランジスタTr18、トランジスタTr20、及びトランジスタTr22と、容量素子C11及び容量素子C12と、を有する。また、レジスタ回路Raは、トランジスタTr31乃至トランジスタTr37と、容量素子C31乃至容量素子C33と、を有する。
【0188】
図15に示すように、
図13に示すレジスタ回路Raは、
図6Cに示す構成の回路と、
図8Bに示す構成の回路と、を有する構成とすることができる。つまり、
図15に示すレジスタ回路Raは、
図6Cに示す構成のレジスタ回路Raに、
図8Bに示す構成のバッファ回路BUFを設けた構成であるということができる。
図15に示す回路のうち、
図8Bに示すバッファ回路BUFに対応する構成の回路を、バッファ回路BUFaとしている。
【0189】
端子O1aは、トランジスタTr31のソース又はドレインの一方、及びトランジスタTr35のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。端子FNaは、トランジスタTr33のソース又はドレインの一方、及びトランジスタTr37のゲートと電気的に接続される。端子SL_PWCaは、トランジスタTr36のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。端子RS_PWCaは、トランジスタTr32のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。端子RS_ALLaは、トランジスタTr34のソース又はドレインの一方、及び容量素子C32の一方の電極と電気的に接続される。端子SLaは、トランジスタTr36のソース又はドレインの他方、トランジスタTr37のソース又はドレインの一方、及び容量素子C33の一方の電極と電気的に接続される。端子RSaは、トランジスタTr32のソース又はドレインの他方、トランジスタTr34のソース又はドレインの他方、及び容量素子C31の一方の電極と電気的に接続される。
【0190】
バッファ回路BUFaの動作方法の一例は、端子O1を端子O1a、端子FNを端子FNa、端子SL_PWCを端子SL_PWCa、端子RS_PWCを端子RS_PWCa、端子RS_ALLを端子RS_ALLaと読み替えること等により、
図8Bに示すバッファ回路BUFの動作方法の説明を参照することができる。
【0191】
図16は、
図11乃至
図14に示すレジスタ回路Rbの構成例を示す回路図である。
図16に示すレジスタ回路Rbの構成は、トランジスタTr13が設けられていない点が、
図15に示す構成と異なる。また、端子CLKa[i1]、端子CLKa[i2]、端子RS_Ra、端子LINa、端子RINa、端子ROUTa、端子O1a、端子FNa、端子SL_PWCa、端子RS_PWCa、端子RS_ALLa、端子SLa、及び端子RSaの代わりに、端子CLKb[j1]、端子CLKb[j2]、端子RS_Rb、端子LINb、端子RINb、端子ROUTb、端子O1b、端子FNb、端子SL_PWCb、端子RS_PWCb、端子RS_ALLb、端子SLb、及び端子RSbが電気的に接続される点が、
図15に示す構成と異なる。ここで、
図16に示す回路のうち、
図8Bに示すバッファ回路BUFに対応する構成の回路を、バッファ回路BUFbとしている。
【0192】
なお、レジスタ回路Raを、
図16に示す構成としてもよいし、レジスタ回路Rbを、
図15に示す構成としてもよい。
【0193】
バッファ回路BUFbの動作方法の一例は、端子O1を端子O1b、端子FNを端子FNb、端子SL_PWCを端子SL_PWCb、端子RS_PWCを端子RS_PWCb、端子RS_ALLを端子RS_ALLbと読み替えること等により、
図8Bに示すバッファ回路BUFの動作方法の説明を参照することができる。
【0194】
以上、ゲートドライバ回路33が有するシフトレジスタ回路を
図11に示す構成とすることにより、レジスタ回路Raが出力する信号が入力されるバッファ回路と、レジスタ回路Rbが出力する信号が入力されるバッファ回路と、を異ならせることができる。
【0195】
〔動作方法の一例2〕
図17及び
図18は、
図13に示す構成のシフトレジスタ回路の動作方法の一例を示す図である。ここで、
図17及び
図18は、
図2B2に示す、読み出し期間である期間T2における動作方法の一例を示している。
図17は、第1のモードでの動作方法の一例であり、
図18は、第2のモードでの動作方法の一例である。
【0196】
図17に示す動作は、端子SL_PWCを端子SL_PWCaと読み替え、端子RS_PWCを端子RS_PWCaと読み替えること等により、
図9に示す動作の説明を参照することができる。
図18に示す動作は、端子SL_PWC[1]及び端子SL_PWC[2]を端子SL_PWCb[1]と読み替え、端子SL_PWC[5]及び端子SL_PWC[6]を端子SL_PWCb[2]と読み替え、端子RS_PWC[1]及び端子RS_PWC[2]を端子RS_PWCb[1]と読み替え、端子RS_PWC[5]及び端子RS_PWC[6]を端子RS_PWCb[2]と読み替えること等により、
図10に示す動作の説明を参照することができる。
【0197】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0198】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置の構成例について、
図19乃至
図23を用いて説明する。
【0199】
【0200】
[半導体装置10A]
図19Aに半導体装置10Aの断面図を示す。
【0201】
半導体装置10Aは、受光素子50及び発光素子70を有する。
【0202】
受光素子50は、画素電極111、共通層112、活性層113、共通層114、及び共通電極115を有する。
【0203】
発光素子70は、画素電極191、共通層112、発光層193、共通層114、及び共通電極115を有する。
【0204】
画素電極111、画素電極191、共通層112、活性層113、発光層193、共通層114、及び共通電極115は、それぞれ、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
【0205】
画素電極111及び画素電極191は、絶縁層214上に位置する。画素電極111と画素電極191は、同一の材料及び同一の工程で形成することができる。
【0206】
共通層112は、画素電極111上及び画素電極191上に位置する。共通層112は、受光素子50と発光素子70に共通で用いられる層である。
【0207】
活性層113は、共通層112を介して、画素電極111と重なる。発光層193は、共通層112を介して、画素電極191と重なる。活性層113は、第1の有機化合物を有し、発光層193は、第1の有機化合物とは異なる第2の有機化合物を有する。
【0208】
共通層114は、共通層112上、活性層113上、及び発光層193上に位置する。共通層114は、受光素子50と発光素子70に共通で用いられる層である。
【0209】
共通電極115は、共通層112、活性層113、及び共通層114を介して、画素電極111と重なる部分を有する。また、共通電極115は、共通層112、発光層193、及び共通層114を介して、画素電極191と重なる部分を有する。共通電極115は、受光素子50と発光素子70に共通で用いられる層である。
【0210】
本実施の形態の半導体装置では、受光素子50の活性層113に有機化合物を用いる。受光素子50は、活性層113以外の層を、発光素子70(EL素子)と共通の構成にすることができる。そのため、発光素子70の作製工程に、活性層113を成膜する工程を追加するのみで、発光素子70の形成と並行して受光素子50を形成することができる。また、発光素子70と受光素子50とを同一基板上に形成することができる。したがって、作製工程を大幅に増やすことなく、半導体装置に受光素子50を内蔵することができる。
【0211】
半導体装置10Aでは、受光素子50の活性層113と、発光素子70の発光層193と、を作り分ける以外は、受光素子50と発光素子70が共通の構成である例を示す。ただし、受光素子50と発光素子70の構成はこれに限定されない。受光素子50と発光素子70は、活性層113と発光層193のほかにも、互いに作り分ける層を有していてもよい(後述の半導体装置10D、半導体装置10E、半導体装置10F参照)。受光素子50と発光素子70は、共通で用いられる層(共通層)を1層以上有することが好ましい。これにより、作製工程を大幅に増やすことなく、半導体装置に受光素子50を内蔵することができる。
【0212】
半導体装置10Aは、一対の基板(基板151及び基板152)間に、受光素子50、発光素子70、トランジスタ51、及びトランジスタ71等を有する。
【0213】
基板151の外側には、接着層150が設けられる。接着層150により、半導体装置10Aを物体に固定できる。接着層150として、剥離が可能な接着剤を用いてもよい。さらに、剥離した後に再度接着が可能な接着剤を用いてもよい。接着層150として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等を用いることができる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
【0214】
受光素子50において、画素電極111と共通電極115の間に位置する共通層112、活性層113、及び共通層114は、有機層(有機化合物を含む層)ということもできる。画素電極111は赤外光を反射する機能を有することが好ましい。画素電極111の端部は隔壁216によって覆われている。共通電極115は赤外光を透過する機能を有する。
【0215】
受光素子50は、光を検知する機能を有する。具体的には、受光素子50は、半導体装置10Aの外部から入射される光25を受光し、電気信号に変換する機能を有する。光25は、発光素子70の発光を検出対象物が反射した光ということもできる。また、光25は、後述するレンズを介して受光素子50に入射してもよい。
【0216】
基板152の基板151側の面には、遮光層BMが設けられている。遮光層BMは、受光素子50と重なる位置及び発光素子70と重なる位置に開口を有する。遮光層BMを設けることで、受光素子50が光を検出する範囲を制御することができる。
【0217】
遮光層BMとしては、発光素子からの発光を遮る材料を用いることができる。遮光層BMは、赤外光を吸収することが好ましい。遮光層BMとして、例えば、金属材料、又は、顔料(カーボンブラック等)もしくは染料を含む樹脂材料等を用いてブラックマトリクスを形成することができる。
【0218】
ここで、発光素子70が発し、検出対象物によって反射された光を受光素子50により検出することで、半導体装置10Aは検出対象物を検出することができる。しかし、発光素子70の発光が、半導体装置10A内で反射され、検出対象物を介さずに、受光素子50に入射されてしまう場合がある。遮光層BMは、このような迷光の影響を抑制することができる。例えば、遮光層BMが設けられていない場合、発光素子70が発した光123aは、基板152で反射され、反射光123bが受光素子50に入射することがある。遮光層BMを設けることで、反射光123bが受光素子50に入射することを抑制できる。これにより、ノイズを低減し、受光素子50を用いたセンサの感度を高めることができる。
【0219】
発光素子70において、それぞれ画素電極191及び共通電極115の間に位置する共通層112、発光層193、及び共通層114は、EL層ということもできる。画素電極191は赤外光を反射する機能を有することが好ましい。画素電極191の端部は隔壁216によって覆われている。画素電極111と画素電極191とは隔壁216によって互いに電気的に絶縁されている。共通電極115は赤外光を透過する機能を有する。
【0220】
発光素子70は、赤外光を発する機能を有する。具体的には、発光素子70は、画素電極191と共通電極115との間に電圧を印加することで、基板152側に光を射出する電界発光素子である(光23参照)。
【0221】
発光層193は、受光素子50の受光領域と重ならないように形成されることが好ましい。これにより、発光層193が光25を吸収することを抑制でき、受光素子50に照射される光量を多くすることができる。
【0222】
画素電極111は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ51が有するソース又はドレインと電気的に接続される。画素電極111の端部は、隔壁216によって覆われている。
【0223】
画素電極191は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ71が有するソース又はドレインと電気的に接続される。画素電極191の端部は、隔壁216によって覆われている。トランジスタ71は、発光素子70の動作を制御する機能を有する。
【0224】
トランジスタ51とトランジスタ71とは、同一の層(
図19Aでは基板151)上に接している。
【0225】
受光素子50と電気的に接続される回路の少なくとも一部は、発光素子70と電気的に接続される回路と同一の材料及び同一の工程で形成されることが好ましい。これにより、2つの回路を別々に形成する場合に比べて、半導体装置の厚さを薄くすることができ、また、作製工程を簡略化できる。
【0226】
受光素子50及び発光素子70は、それぞれ、保護層195に覆われていることが好ましい。
図19Aでは、保護層195が、共通電極115上に接して設けられている。保護層195を設けることで、受光素子50及び発光素子70に水等の不純物が入り込むことを抑制し、受光素子50及び発光素子70の信頼性を高めることができる。また、接着層142によって、保護層195と基板152とが貼り合わされている。
【0227】
[半導体装置10B]
図19Bに半導体装置10Bの断面図を示す。なお、以降の半導体装置の説明において、先に説明した半導体装置と同様の構成については、説明を省略することがある。
【0228】
図19Bに示す半導体装置10Bは、基板151、基板152、及び隔壁216を有さず、基板153、基板154、接着層155、絶縁層212、及び隔壁217を有する点で、半導体装置10Aと異なる。
【0229】
基板153の外側には、接着層150が設けられる。接着層150により、半導体装置10Bを物体に固定できる。
【0230】
基板153と絶縁層212とは接着層155によって貼り合わされている。基板154と保護層195とは接着層142によって貼り合わされている。
【0231】
半導体装置10Bは、作製基板上に形成された絶縁層212、トランジスタ51、トランジスタ71、受光素子50、及び発光素子70等を、基板153上に転置することで作製される構成である。基板153及び基板154は、それぞれ、可撓性を有することが好ましい。これにより、半導体装置10Bの可撓性を高めることができる。例えば、基板153及び基板154には、それぞれ、樹脂を用いることが好ましい。
【0232】
基板153及び基板154としては、それぞれ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバー等を用いることができる。基板153及び基板154の一方又は双方に、可撓性を有する程度の厚さのガラスを用いてもよい。
【0233】
本実施の形態の半導体装置が有する基板には、光学等方性が高いフィルムを用いてもよい。光学等方性が高いフィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC、セルローストリアセテートともいう)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、シクロオレフィンコポリマー(COC)フィルム、及びアクリルフィルム等が挙げられる。
【0234】
隔壁217は、発光素子が発した光を吸収することが好ましい。隔壁217として、例えば、顔料もしくは染料を含む樹脂材料等を用いてブラックマトリクスを形成することができる。また、茶色レジスト材料を用いることにより、着色された絶縁層で隔壁217を構成することができる。
【0235】
発光素子70が発した光123cは、基板154及び隔壁217で反射され、反射光123dが受光素子50に入射することがある。また、光123cが隔壁217を透過し、トランジスタ又は配線等で反射されることで、反射光が受光素子50に入射することがある。隔壁217によって光123cが吸収されることで、反射光123dが受光素子50に入射することを抑制できる。これにより、ノイズを低減し、受光素子50を用いたセンサの感度を高めることができる。
【0236】
隔壁217は、少なくとも、受光素子50が検知する光の波長を吸収することが好ましい。例えば、発光素子70が発する緑色の光を受光素子50が検知する場合、隔壁217は、少なくとも緑色の光を吸収することが好ましい。例えば、隔壁217が、赤色のカラーフィルタを有すると、緑色の光123cを吸収することができ、反射光123dが受光素子50に入射することを抑制できる。
【0237】
[半導体装置10C]
図19Cに半導体装置10Cの断面図を示す。
【0238】
半導体装置10Cは、受光素子50上及び発光素子70上に保護層195を有さない点で、半導体装置10Bと異なる。半導体装置10Cは、接着層142によって、共通電極115と基板154とが貼り合わされている。
【0239】
[半導体装置10D、半導体装置10E、半導体装置10F]
図20Aに半導体装置10Dの断面図を示し、
図20Bに半導体装置10Eの断面図を示し、
図20Cに半導体装置10Fの断面図を示す。
【0240】
半導体装置10Dは、共通層114を有さず、バッファ層184及びバッファ層194を有する点で、半導体装置10Bと異なる。バッファ層184及びバッファ層194は、それぞれ、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
【0241】
半導体装置10Dにおいて、受光素子50は、画素電極111、共通層112、活性層113、バッファ層184、及び共通電極115を有する。また、半導体装置10Dにおいて、発光素子70は、画素電極191、共通層112、発光層193、バッファ層194、及び共通電極115を有する。
【0242】
半導体装置10Eは、共通層112を有さず、バッファ層182及びバッファ層192を有する点で、半導体装置10Bと異なる。バッファ層182及びバッファ層192は、それぞれ、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
【0243】
半導体装置10Eにおいて、受光素子50は、画素電極111、バッファ層182、活性層113、共通層114、及び共通電極115を有する。また、半導体装置10Eにおいて、発光素子70は、画素電極191、バッファ層192、発光層193、共通層114、及び共通電極115を有する。
【0244】
半導体装置10Fは、共通層112及び共通層114を有さず、バッファ層182、バッファ層184、バッファ層192、及びバッファ層194を有する点で、半導体装置10Aと異なる。
【0245】
半導体装置10Fにおいて、受光素子50は、画素電極111、バッファ層182、活性層113、バッファ層184、及び共通電極115を有する。また、半導体装置10Fにおいて、発光素子70は、画素電極191、バッファ層192、発光層193、バッファ層194、及び共通電極115を有する。
【0246】
受光素子50と発光素子70の作製において、活性層113と発光層193を作り分けるだけでなく、他の層も作り分けることができる。
【0247】
半導体装置10Dでは、共通電極115と活性層113との間のバッファ層184と、共通電極115と発光層193との間のバッファ層194とを作り分ける例を示す。バッファ層194としては、例えば、電子注入層及び電子輸送層の一方又は双方を形成することができる。
【0248】
半導体装置10Eでは、画素電極111と活性層113との間のバッファ層182と、画素電極191と発光層193との間のバッファ層192とを作り分ける例を示す。バッファ層192としては、例えば、正孔注入層及び正孔輸送層の一方又は双方を形成することができる。
【0249】
半導体装置10Fでは、受光素子50及び発光素子70が、一対の電極(画素電極111又は画素電極191と共通電極115)間に共通の層を有さない例を示す。半導体装置10Fが有する受光素子50及び発光素子70は、絶縁層214上に画素電極111と画素電極191を同一の材料及び同一の工程で形成し、画素電極111上にバッファ層182、活性層113、及びバッファ層184を形成し、画素電極191上にバッファ層192、発光層193、及びバッファ層194を形成した後、画素電極111、バッファ層182、活性層113、バッファ層184、画素電極191、バッファ層192、発光層193、及びバッファ層194を覆うように共通電極115を形成することで作製できる。なお、バッファ層182、活性層113、及びバッファ層184の積層構造と、バッファ層192、発光層193、及びバッファ層194の積層構造の作製順は特に限定されない。例えば、バッファ層182、活性層113、及びバッファ層184を作製した後に、バッファ層192、発光層193、及びバッファ層194を作製してもよい。逆に、バッファ層182、活性層113、及びバッファ層184を作製する前に、バッファ層192、発光層193、及びバッファ層194を作製してもよい。また、バッファ層182、バッファ層192、活性層113、発光層193、等の順に交互に作製してもよい。
【0250】
以下では、
図21乃至
図23を用いて、本発明の一態様の半導体装置の、より詳細な構成について説明する。
【0251】
[半導体装置100A]
図21に、半導体装置100Aの断面図を示す。
【0252】
半導体装置100Aは、基板152と基板151とが貼り合わされた構成を有する。
【0253】
半導体装置100Aは、画素部30、回路164等を有する。
図21は、半導体装置100Aの、回路164を含む領域の一部、画素部30を含む領域の一部、及び、端部を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示している。
【0254】
回路164としては、例えば、実施の形態1に示すゲートドライバ回路33、CDS回路35、及びデータドライバ回路36を用いることができる。画素部30と、回路164を同一基板上に形成することにより、別途回路としてシリコンウェハ等により形成された半導体装置を用いる必要がないため、半導体装置の部品点数を削減することができる。
【0255】
図21に示す半導体装置100Aは、基板151と基板152の間に、トランジスタ201、トランジスタ205、トランジスタ206、発光素子70、受光素子50等を有する。
【0256】
基板152と絶縁層214は接着層142を介して接着されている。発光素子70及び受光素子50の封止には、固体封止構造又は中空封止構造等が適用できる。
図21では、基板152、接着層142、及び絶縁層214に囲まれた空間143が、不活性ガス(窒素やアルゴン等)で充填されており、中空封止構造が適用されている。接着層142は、発光素子70と重ねて設けられていてもよい。また、基板152、接着層142、及び絶縁層214に囲まれた空間143を、接着層142とは異なる樹脂で充填してもよい。
【0257】
発光素子70は、絶縁層214側から画素電極191、共通層112、発光層193、共通層114、及び共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極191は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ206が有する導電層222bと接続されている。トランジスタ206は、発光素子70の動作を制御する機能を有する。画素電極191の端部は、隔壁216によって覆われている。画素電極191は赤外光を反射する材料を含み、共通電極115は赤外光を透過する材料を含む。
【0258】
受光素子50は、絶縁層214側から画素電極111、共通層112、活性層113、共通層114、及び共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極111は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ205が有する導電層222bと電気的に接続されている。画素電極111の端部は、隔壁216によって覆われている。画素電極111は赤外光を反射する材料を含み、共通電極115は赤外光を透過する材料を含む。
【0259】
発光素子70が発する光は、基板152側に射出される。また、受光素子50には、基板152及び空間143を介して、光が入射する。基板152には、赤外光に対する透過性が高い材料を用いることが好ましい。
【0260】
画素電極111及び画素電極191は同一の材料及び同一の工程で作製することができる。共通層112、共通層114、及び共通電極115は、受光素子50と発光素子70との双方に用いられる。受光素子50と発光素子70とは、活性層113と発光層193の構成が異なる以外は全て共通の構成とすることができる。これにより、作製工程を大幅に増やすことなく、半導体装置100Aに受光素子50を内蔵することができる。
【0261】
基板152の基板151側の面には、遮光層BMが設けられている。遮光層BMは、受光素子50と重なる位置及び発光素子70と重なる位置に開口を有する。遮光層BMを設けることで、受光素子50が光を検出する範囲を制御することができる。また、遮光層BMを有することで、検出対象物を介さずに、発光素子70から受光素子50に光が直接入射することを抑制できる。したがって、ノイズが少なく感度の高いセンサを実現できる。
【0262】
トランジスタ201、トランジスタ205、及びトランジスタ206は、いずれも基板151上に形成されている。これらのトランジスタは、同一の材料及び同一の工程により作製することができる。
【0263】
基板151上には、絶縁層211、絶縁層213、絶縁層215、及び絶縁層214がこの順で設けられている。絶縁層211は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層213は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層215は、トランジスタを覆って設けられる。絶縁層214は、トランジスタを覆って設けられ、平坦化層としての機能を有する。なお、ゲート絶縁層の数及びトランジスタを覆う絶縁層の数は限定されず、それぞれ単層であっても2層以上であってもよい。
【0264】
トランジスタを覆う絶縁層の少なくとも一層に、水や水素等の不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層をバリア層として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに外部から不純物が拡散することを効果的に抑制でき、半導体装置の信頼性を高めることができる。
【0265】
絶縁層211、絶縁層213、及び絶縁層215としては、それぞれ、無機絶縁膜を用いることが好ましい。無機絶縁膜としては、例えば、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜等の無機絶縁膜を用いることができる。また、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜、及び酸化ネオジム膜等を用いてもよい。また、上述の絶縁膜を2以上積層して用いてもよい。
【0266】
ここで、有機絶縁膜は、無機絶縁膜に比べてバリア性が低いことが多い。そのため、有機絶縁膜は、半導体装置100Aの端部近傍に開口を有することが好ましい。これにより、半導体装置100Aの端部から有機絶縁膜を介して不純物が入り込むことを抑制することができる。又は、有機絶縁膜の端部が半導体装置100Aの端部よりも内側に来るように有機絶縁膜を形成し、半導体装置100Aの端部に有機絶縁膜が露出しないようにしてもよい。
【0267】
平坦化層として機能する絶縁層214には、有機絶縁膜が好適である。有機絶縁膜に用いることができる材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等が挙げられる。
【0268】
図21に示す領域228では、絶縁層214に開口が形成されている。これにより、絶縁層214に有機絶縁膜を用いる場合であっても、絶縁層214を介して外部から画素部30に不純物が入り込むことを抑制できる。したがって、半導体装置100Aの信頼性を高めることができる。
【0269】
トランジスタ201、トランジスタ205、及びトランジスタ206は、ゲートとして機能する導電層221、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211、ソース及びドレインとして機能する導電層222a及び導電層222b、半導体層231、ゲート絶縁層として機能する絶縁層213、並びに、ゲートとして機能する導電層223を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。絶縁層211は、導電層221と半導体層231との間に位置する。絶縁層213は、導電層223と半導体層231との間に位置する。
【0270】
本実施の形態の半導体装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタ、スタガ型のトランジスタ、逆スタガ型のトランジスタ等を用いることができる。また、トップゲート型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。又は、チャネルが形成される半導体層の上下にゲートが設けられていてもよい。
【0271】
トランジスタ201、トランジスタ205、及びトランジスタ206には、チャネルが形成される半導体層を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを動作させてもよい。又は、2つのゲートのうち、一方に閾値電圧を制御するための電位を与え、他方に動作のための電位を与えることで、トランジスタの閾値電圧を制御してもよい。
【0272】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0273】
トランジスタの半導体層は、金属酸化物(酸化物半導体ともいう)を有することが好ましい。又は、トランジスタの半導体層は、シリコンを有していてもよい。シリコンとしては、アモルファスシリコン、結晶性のシリコン(低温ポリシリコン、単結晶シリコン等)等が挙げられる。
【0274】
半導体層は、例えば、インジウムと、M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、及びマグネシウムから選ばれた一種又は複数種)と、亜鉛と、を有することが好ましい。特に、Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、及びスズから選ばれた一種又は複数種であることが好ましい。
【0275】
特に、半導体層として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IGZOとも記す)を用いることが好ましい。
【0276】
半導体層がIn-M-Zn酸化物の場合、In-M-Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットは、Inの原子数比がMの原子数比以上であることが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8、In:M:Zn=6:1:6、In:M:Zn=5:2:5等が挙げられる。
【0277】
スパッタリングターゲットとしては、多結晶の酸化物を含むターゲットを用いると、結晶性を有する半導体層を形成しやすくなるため好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比は、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。例えば、半導体層に用いるスパッタリングターゲットの組成がIn:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]の場合、成膜される半導体層の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]の近傍となる場合がある。
【0278】
なお、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3又はその近傍と記載する場合、Inの原子数比を4としたとき、Gaの原子数比が1以上3以下であり、Znの原子数比が2以上4以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6又はその近傍であると記載する場合、Inの原子数比を5としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が5以上7以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1又はその近傍であると記載する場合、Inの原子数比を1としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が0.1より大きく2以下である場合を含む。
【0279】
回路164が有するトランジスタと、画素部30が有するトランジスタは、同じ構造であってもよく、異なる構造であってもよい。回路164が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。同様に、画素部30が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。
【0280】
基板151の外側には接着層150が設けられる。接着層150により、半導体装置100Aを物体に固定できる。
【0281】
基板152の外側には各種光学部材を配置することができる。光学部材としては、偏光板、位相差板、光拡散層(拡散フィルム等)、反射防止層、及び集光フィルム等が挙げられる。また、基板152の外側には、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜、衝撃吸収層等を配置してもよい。
【0282】
基板151及び基板152には、それぞれ、ガラス、石英、セラミック、サファイア、樹脂等を用いることができる。基板151及び基板152に可撓性を有する材料を用いると、半導体装置の可撓性を高めることができる。
【0283】
接着層142、接着層155としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤等の各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
【0284】
発光素子70は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型等がある。光を取り出す側の電極には、赤外光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、赤外光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
【0285】
発光素子70は少なくとも発光層193を有する。発光素子70は、発光層193以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。例えば、共通層112は、正孔注入層及び正孔輸送層の一方又は双方を有することが好ましい。例えば、共通層114は、電子輸送層及び電子注入層の一方又は双方を有することが好ましい。
【0286】
共通層112、発光層193、及び共通層114には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。共通層112、発光層193、及び共通層114を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
【0287】
発光層193は、発光材料として、量子ドット等の無機化合物を有していてもよい。
【0288】
受光素子50の活性層113は、半導体を含む。当該半導体としては、シリコン等の無機半導体、及び、有機化合物を含む有機半導体が挙げられる。本実施の形態では、活性層113が有する半導体として、有機半導体を用いる例を示す。有機半導体を用いることで、発光素子70の発光層193と、受光素子50の活性層113と、を同じ方法(例えば、真空蒸着法)で形成することができ、製造装置を共通化できるため好ましい。
【0289】
活性層113が有するn型半導体の材料としては、フラーレン(例えばC60、C70等)又はその誘導体等の電子受容性の有機半導体材料が挙げられる。また、活性層113が有するp型半導体の材料としては、銅(II)フタロシアニン(Copper(II) phthalocyanine;CuPc)やテトラフェニルジベンゾペリフランテン(Tetraphenyldibenzoperiflanthene;DBP)等の電子供与性の有機半導体材料が挙げられる。
【0290】
例えば、活性層113は、n型半導体とp型半導体と共蒸着して形成することが好ましい。
【0291】
トランジスタのゲート、ソース及びドレインのほか、半導体装置を構成する各種配線及び電極等の導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、又はタングステン等の金属、又はこれを主成分とする合金等が挙げられる。これらの材料を含む膜を単層で、又は積層構造として用いることができる。
【0292】
また、透光性を有する導電材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛等の導電性酸化物又はグラフェンを用いることができる。又は、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、又はチタン等の金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。又は、該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等を用いてもよい。なお、金属材料、合金材料(又はそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすることが好ましい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜等を用いると、導電性を高めることができるため好ましい。これらは、半導体装置を構成する各種配線及び電極等の導電層や、表示素子が有する導電層(画素電極や共通電極として機能する導電層)にも用いることができる。
【0293】
各絶縁層に用いることのできる絶縁材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム等の無機絶縁材料が挙げられる。
【0294】
[半導体装置100B]
図22に、半導体装置100Bの断面図を示す。
【0295】
半導体装置100Bは、基板151及び基板152を有さず、基板153、基板154、接着層155、絶縁層212、及び保護層195を有する点で、半導体装置100Aと異なる。
【0296】
基板153と絶縁層212とは接着層155によって貼り合わされている。基板154と保護層195とは接着層142によって貼り合わされている。接着層142は、受光素子50及び発光素子70とそれぞれ重ねて設けられており、半導体装置100Bには、固体封止構造が適用されている。
【0297】
半導体装置100Bは、作製基板上で形成された絶縁層212、トランジスタ201、トランジスタ205、トランジスタ206、受光素子50、及び発光素子70等を、基板153上に転置することで作製される構成である。基板153及び基板154は、それぞれ、可撓性を有することが好ましい。これにより、半導体装置100Bの可撓性を高めることができる。
【0298】
基板153の外側には接着層150が設けられる。接着層150により、半導体装置100Bを物体に固定できる。
【0299】
絶縁層212には、絶縁層211、絶縁層213、及び絶縁層215に用いることができる無機絶縁膜を用いることができる。
【0300】
受光素子50及び発光素子70を覆う保護層195を設けることで、受光素子50及び発光素子70に水等の不純物が入り込むことを抑制し、受光素子50及び発光素子70の信頼性を高めることができる。
【0301】
半導体装置100Bの端部近傍の領域228において、絶縁層214の開口を介して、絶縁層215と保護層195とが互いに接することが好ましい。特に、絶縁層215が有する無機絶縁膜と保護層195が有する無機絶縁膜とが互いに接することが好ましい。これにより、有機絶縁膜を介して外部から半導体装置100Bに不純物が入り込むことを抑制することができる。したがって、半導体装置100Bの信頼性を高めることができる。
【0302】
保護層195は、有機絶縁膜と無機絶縁膜との積層構造であってもよい。このとき、有機絶縁膜の端部よりも無機絶縁膜の端部を外側に延在させることが好ましい。
【0303】
[半導体装置100C]
図23Aに、半導体装置100Cの断面図を示す。
【0304】
半導体装置100Cは、トランジスタの構造が、半導体装置100Bと異なる。
【0305】
半導体装置100Cは、基板153上に、トランジスタ208、トランジスタ209、及びトランジスタ210を有する。
【0306】
トランジスタ208、トランジスタ209、及びトランジスタ210は、ゲートとして機能する導電層221、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211、チャネル形成領域231i及び一対の低抵抗領域231nを有する半導体層、一対の低抵抗領域231nの一方と接続する導電層222a、一対の低抵抗領域231nの他方と接続する導電層222b、ゲート絶縁層として機能する絶縁層225、ゲートとして機能する導電層223、並びに、導電層223を覆う絶縁層215を有する。絶縁層211は、導電層221とチャネル形成領域231iとの間に位置する。絶縁層225は、導電層223とチャネル形成領域231iとの間に位置する。
【0307】
導電層222a及び導電層222bは、それぞれ、絶縁層225及び絶縁層215に設けられた開口を介して低抵抗領域231nと接続される。導電層222a及び導電層222bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。
【0308】
発光素子70の画素電極191は、導電層222bを介してトランジスタ208の一対の低抵抗領域231nの他方と電気的に接続される。
【0309】
受光素子50の画素電極111は、導電層222bを介してトランジスタ209の一対の低抵抗領域231nの他方と電気的に接続される。
【0310】
図23Aでは、絶縁層225が半導体層の上面及び側面を覆う例を示す。一方、
図23Bでは、絶縁層225は、半導体層231のチャネル形成領域231iと重なり、低抵抗領域231nとは重ならない。例えば、導電層223をマスクに絶縁層225を加工することで、
図23Bに示す構造を作製できる。
図23Bでは、絶縁層225及び導電層223を覆って絶縁層215が設けられ、絶縁層215の開口を介して、導電層222a及び導電層222bがそれぞれ低抵抗領域231nと接続されている。さらに、トランジスタを覆う絶縁層218を設けてもよい。
【0311】
[金属酸化物]
以下では、半導体層に適用可能な金属酸化物について説明する。
【0312】
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。例えば、亜鉛酸窒化物(ZnON)等の窒素を有する金属酸化物を、半導体層に用いてもよい。
【0313】
半導体層には、キャリア濃度の低い金属酸化物を用いることが好ましい。金属酸化物のキャリア濃度を低くする場合においては、金属酸化物中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性又は実質的に高純度真性という。なお、金属酸化物中の不純物としては、例えば、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
【0314】
特に、金属酸化物に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、金属酸化物中に酸素欠損を形成する場合がある。金属酸化物中のチャネル形成領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性となる場合がある。さらに、酸素欠損に水素が入った欠陥はドナーとして機能し、キャリアである電子が生成されることがある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成する場合がある。従って、水素が多く含まれている金属酸化物を用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。
【0315】
酸素欠損に水素が入った欠陥は、金属酸化物のドナーとして機能しうる。しかしながら、当該欠陥を定量的に評価することは困難である。そこで、金属酸化物においては、ドナー濃度ではなく、キャリア濃度で評価される場合がある。よって、本明細書等では、金属酸化物のパラメータとして、ドナー濃度ではなく、電界が印加されない状態を想定したキャリア濃度を用いる場合がある。つまり、本明細書等に記載の「キャリア濃度」は、「ドナー濃度」と言い換えることができる場合がある。
【0316】
よって、金属酸化物中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、金属酸化物において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。水素等の不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
【0317】
また、チャネル形成領域の金属酸化物のキャリア濃度は、1×1018cm-3以下であることが好ましく、1×1017cm-3未満であることがより好ましく、1×1016cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1013cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1012cm-3未満であることがさらに好ましい。なお、チャネル形成領域の金属酸化物のキャリア濃度の下限値については、特に限定は無いが、例えば、1×10-9cm-3とすることができる。
【0318】
本明細書等において、CAAC(c-axis aligned crystal)、及びCAC(Cloud-Aligned Composite)と記載する場合がある。CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能又は材料の構成の一例を表す。
【0319】
例えば、半導体層にはCAC-OSを用いることができる。
【0320】
CAC-OS又はCAC-metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC-OS又はCAC-metal oxideを、トランジスタの半導体層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(又はホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OS又はCAC-metal oxideに付与することができる。CAC-OS又はCAC-metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
【0321】
また、CAC-OS又はCAC-metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
【0322】
また、CAC-OS又はCAC-metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
【0323】
また、CAC-OS又はCAC-metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC-OS又はCAC-metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC-OS又はCAC-metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
【0324】
すなわち、CAC-OS又はCAC-metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、又は金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
【0325】
酸化物半導体(金属酸化物)は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAAC-OS(c-axis aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、及び非晶質酸化物半導体等がある。
【0326】
CAAC-OSは、c軸配向性を有し、かつa-b面方向において複数のナノ結晶が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。
【0327】
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合がある。また、歪みにおいて、五角形及び七角形等の格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することは難しい。すなわち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化すること等によって、歪みを許容することができるためである。
【0328】
また、CAAC-OSは、インジウム、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と表すこともできる。
【0329】
CAAC-OSは結晶性の高い金属酸化物である。一方、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することが難しいため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、金属酸化物の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成等によって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損(VO:oxygen vacancyともいう。)等)の少ない金属酸化物ともいえる。したがって、CAAC-OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
【0330】
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
【0331】
なお、インジウムと、ガリウムと、亜鉛と、を有する金属酸化物の一種である、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(以下、IGZO)は、上述のナノ結晶とすることで安定な構造をとる場合がある。特に、IGZOは、大気中では結晶成長がし難い傾向があるため、大きな結晶(ここでは、数mmの結晶、又は数cmの結晶)よりも小さな結晶(例えば、上述のナノ結晶)とする方が、構造的に安定となる場合がある。
【0332】
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する金属酸化物である。a-like OSは、鬆又は低密度領域を有する。すなわち、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。
【0333】
酸化物半導体(金属酸化物)は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
【0334】
半導体層として機能する金属酸化物膜は、不活性ガス及び酸素ガスのいずれか一方又は双方を用いて成膜することができる。なお、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比(酸素分圧)に、特に限定はない。ただし、電界効果移動度が高いトランジスタを得る場合においては、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比(酸素分圧)は、0%以上30%以下が好ましく、5%以上30%以下がより好ましく、7%以上15%以下がさらに好ましい。
【0335】
金属酸化物は、エネルギーギャップが2eV以上であることが好ましく、2.5eV以上であることがより好ましく、3eV以上であることがさらに好ましい。このように、エネルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
【0336】
金属酸化物膜の成膜時の基板温度は、350℃以下が好ましく、室温以上200℃以下がより好ましく、室温以上130℃以下がさらに好ましい。金属酸化物膜の成膜時の基板温度が室温であると、生産性を高めることができ、好ましい。
【0337】
金属酸化物膜は、スパッタリング法により形成することができる。そのほか、例えばPLD法、PECVD法、熱CVD法、ALD法、真空蒸着法等を用いてもよい。
【0338】
受光素子は、活性層以外の少なくとも一層を、発光素子(EL素子)と共通の構成にすることができる。さらには、受光素子は、活性層以外の全ての層を、発光素子(EL素子)と共通の構成にすることもできる。例えば、発光素子の作製工程に、活性層を成膜する工程を追加するのみで、発光素子と受光素子とを同一基板上に形成することができる。また、受光素子と発光素子は、画素電極と共通電極とを、それぞれ、同一の材料及び同一の工程で形成することができる。また、受光素子と電気的に接続される回路と、発光素子と電気的に接続される回路と、を、同一の材料及び同一の工程で作製することで、半導体装置の作製工程を簡略化できる。このように、複雑な工程を有さなくとも、受光素子を内蔵し、利便性の高い半導体装置を作製することができる。
【0339】
また、本実施の形態の半導体装置は、受光素子と発光素子との間に、有色層を有する。当該有色層は、受光素子と発光素子とを電気的に絶縁する隔壁が兼ねていてもよい。有色層は、半導体装置内の迷光を吸収することができるため、受光素子を用いたセンサの感度を高めることができる。
【0340】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0341】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について説明する。
【0342】
本実施の形態の電子機器は、本発明の一態様の半導体装置を有する。例えば、電子機器の表示部に、本発明の一態様の半導体装置を適用することができる。本発明の一態様の半導体装置は、光を検出する機能を有するため、接触、非接触を問わず入力動作を行うことができる。また、表示部の撮像機能を利用して生体認証を行うことができる。これにより、電子機器の機能性や利便性等を高めることができる。
【0343】
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用等のモニタ、デジタルサイネージ、パチンコ機等の大型ゲーム機等の比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、等が挙げられる。
【0344】
本実施の形態の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
【0345】
本実施の形態の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像等)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻等を表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出す機能等を有することができる。
【0346】
図24Aに示す電子機器6500は、スマートフォンとして用いることのできる携帯情報端末機である。
【0347】
電子機器6500は、筐体6501、表示部6502、電源ボタン6503、ボタン6504、スピーカ6505、マイク6506、カメラ6507、及び光源6508等を有する。表示部6502はタッチパネル機能を備える。
【0348】
表示部6502に、本発明の一態様の半導体装置を適用することができる。
【0349】
図24Bは、筐体6501のマイク6506側の端部を含む断面概略図である。
【0350】
筐体6501の表示面側には透光性を有する保護部材6510が設けられ、筐体6501と保護部材6510に囲まれた空間内に、表示パネル6511、光学部材6512、タッチセンサパネル6513、プリント基板6517、バッテリ6518等が配置されている。
【0351】
保護部材6510には、表示パネル6511、光学部材6512、及びタッチセンサパネル6513が接着層(図示しない)により固定されている。なお、表示パネル6511には本発明の一態様の半導体装置を適用することができ、当該半導体装置のセンサ機能のみを用いる場合は、タッチセンサパネル6513を省いてもよい。
【0352】
表示部6502よりも外側の領域において、表示パネル6511の一部が折り返されており、当該折り返された部分にFPC6515が接続されている。FPC6515には、IC6516が実装されている。FPC6515は、プリント基板6517に設けられた端子に接続されている。
【0353】
表示パネル6511には本発明の一態様の可撓性を有する半導体装置を適用することができる。そのため、極めて軽量な電子機器を実現できる。また、表示パネル6511が極めて薄いため、電子機器の厚さを抑えつつ、大容量のバッテリ6518を搭載することもできる。また、表示パネル6511の一部を折り返して、画素部の裏側にFPC6515との接続部を配置することにより、狭額縁の電子機器を実現できる。
【0354】
図25Aにテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7103により筐体7101を支持した構成を示している。
【0355】
表示部7000に、本発明の一態様の半導体装置を適用することができる。
【0356】
図25Aに示すテレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7111により行うことができる。又は、表示部7000に備えたタッチセンサ又はニアタッチセンサを機能させ、指等を表示部7000に触れる、又は近づけることでテレビジョン装置7100を操作してもよい。リモコン操作機7111は、リモコン操作機7111から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7111が備える操作キー又はタッチパネルにより、チャンネル及び音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映像を操作することができる。
【0357】
なお、テレビジョン装置7100は、受信機及びモデム等を備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、又は受信者間同士等)の情報通信を行うことも可能である。
【0358】
図25Bに、ノート型パーソナルコンピュータの一例を示す。ノート型パーソナルコンピュータ7200は、筐体7211、キーボード7212、ポインティングデバイス7213、外部接続ポート7214等を有する。筐体7211に、表示部7000が組み込まれている。
【0359】
表示部7000に、本発明の一態様の半導体装置を適用することができる。
【0360】
【0361】
図25Cに示すデジタルサイネージ7300は、筐体7301、表示部7000、及びスピーカ7303等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる。
【0362】
図25Dは円柱状の柱7401に取り付けられたデジタルサイネージ7400である。デジタルサイネージ7400は、柱7401の曲面に沿って設けられた表示部7000を有する。
【0363】
図25C及び
図25Dにおいて、表示部7000に、本発明の一態様の半導体装置を適用することができる。
【0364】
表示部7000が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示部7000が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることができる。
【0365】
表示部7000に備えられたタッチセンサ、ニアタッチセンサを機能させることで、表示部7000に画像又は動画を表示するだけでなく、ユーザーの直感的な操作が可能となる。また、路線情報もしくは交通情報等の情報を取得するための用途に用いる場合には、直感的な操作によりユーザビリティを高めることができる。
【0366】
また、
図25C及び
図25Dに示すように、デジタルサイネージ7300又はデジタルサイネージ7400は、ユーザーが所持するスマートフォン等の情報端末機7311又は情報端末機7411と無線通信により連携可能であることが好ましい。例えば、表示部7000に表示される広告の情報を、情報端末機7311又は情報端末機7411の画面に表示させることができる。また、情報端末機7311又は情報端末機7411を操作することで、表示部7000の表示を切り替えることができる。
【0367】
また、デジタルサイネージ7300又はデジタルサイネージ7400に、情報端末機7311又は情報端末機7411の画面を操作手段(コントローラ)としたゲームを実行させることもできる。これにより、不特定多数のユーザーが同時にゲームに参加し、楽しむことができる。
【0368】
図26A乃至
図26Fに示す電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有する。
【0369】
図26A乃至
図26Fに示す電子機器は、様々な機能を有する。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像等)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻等を表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して処理する機能、等を有することができる。なお、電子機器の機能はこれらに限られず、様々な機能を有することができる。電子機器は、複数の表示部を有していてもよい。また、電子機器にカメラ等を設け、静止画や動画を撮影し、記録媒体(外部又はカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
【0370】
図26A乃至
図26Fに示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
図26A乃至
図26Fに示す電子機器に本発明の一態様の半導体装置を用いることで、非接触でも入力動作が可能となる。また、表示部の撮像機能を利用して生体認証を行うことができる。これにより、電子機器の機能性や利便性等を高めることができる。
【0371】
図26Aは、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えばスマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を設けてもよい。また、携帯情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。
図26Aでは3つのアイコン9050を表示した例を示している。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することもできる。情報9051の一例としては、電子メール、SNS、電話等の着信の通知、電子メールやSNS等の題名、送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度等がある。又は、情報9051が表示されている位置にはアイコン9050等を表示してもよい。
【0372】
図26Bは、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えばユーザーは、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示された情報9053を確認することもできる。ユーザーは、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく表示を確認し、例えば電話を受けるか否かを判断できる。
【0373】
図26Cは、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、例えばスマートウォッチとして用いることができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006により、他の情報端末と相互にデータ伝送を行うことや、充電を行うこともできる。なお、充電動作は無線給電により行ってもよい。
【0374】
図26D乃至
図26Fは、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。具体的には、
図26Dは携帯情報端末9201を展開した状態、
図26Fは折り畳んだ状態、
図26Eは
図26Dと
図26Fの一方から他方に変化する途中の状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。例えば、表示部9001は、曲率半径0.1mm以上150mm以下で曲げることができる。
【0375】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【実施例0376】
本実施例では、本発明の一態様の半導体装置が有するシフトレジスタ回路についてシミュレーションを行った結果について説明する。
【0377】
本実施例では、
図5に示す構成のシフトレジスタ回路を想定して、
図9及び
図10に示す動作をシミュレーション上で行った。また、
図13に示す構成のシフトレジスタ回路を想定して、
図17及び
図18に示す動作をシミュレーション上で行った。ここで、kは36とした。
【0378】
図27A乃至
図27Cは、
図5に示す構成のシフトレジスタ回路を想定して、
図9に示す動作、つまり第1のモードの動作をシミュレーション上で行った場合の、端子SL及び端子RSの電位の経時変化を示すグラフである。端子SLの電位の経時変化は実線で示し、端子RSの電位の経時変化は点線で示す。
図27Aは、端子SL[1]及び端子RS[1]の電位の経時変化を示し、
図27Bは、端子SL[2]及び端子RS[2]の電位の経時変化を示し、
図27Cは、端子SL[8]及び端子RS[8]の電位の経時変化を示す。
【0379】
図28A乃至
図28Cは、
図5に示す構成のシフトレジスタ回路を想定して、
図10に示す動作、つまり第2のモードの動作をシミュレーション上で行った場合の、端子SL及び端子RSの電位の経時変化を示すグラフである。端子SLの電位の経時変化は実線で示し、端子RSの電位の経時変化は点線で示す。
図28Aは、端子SL[1]及び端子RS[1]の電位の経時変化を示し、
図28Bは、端子SL[37]及び端子RS[37]の電位の経時変化を示し、
図28Cは、端子SL[73]及び端子RS[73]の電位の経時変化を示す。
【0380】
図29A乃至
図29Cは、
図13に示す構成のシフトレジスタ回路を想定して、
図17に示す動作、つまり第1のモードの動作をシミュレーション上で行った場合の、端子SL及び端子RSの電位の経時変化を示すグラフである。端子SLの電位の経時変化は実線で示し、端子RSの電位の経時変化は点線で示す。
図29Aは、端子SL[1]及び端子RS[1]の電位の経時変化を示し、
図29Bは、端子SL[2]及び端子RS[2]の電位の経時変化を示し、
図29Cは、端子SL[8]及び端子RS[8]の電位の経時変化を示す。
【0381】
図30A乃至
図30Cは、
図13に示す構成のシフトレジスタ回路を想定して、
図18に示す動作、つまり第2のモードの動作をシミュレーション上で行った場合の、端子SL及び端子RSの電位の経時変化を示すグラフである。端子SLの電位の経時変化は実線で示し、端子RSの電位の経時変化は点線で示す。
図30Aは、端子SL[1]及び端子RS[1]の電位の経時変化を示し、
図30Bは、端子SL[37]及び端子RS[37]の電位の経時変化を示し、
図30Cは、端子SL[73]及び端子RS[73]の電位の経時変化を示す。
【0382】
シフトレジスタ回路が
図5及び
図13のいずれの構成であっても、第1のモード、及び第2のモードの両方において、端子SL及び端子RSから順次信号が出力されることが確認された。
10:半導体装置、10A:半導体装置、10B:半導体装置、10C:半導体装置、10D:半導体装置、10E:半導体装置、10F:半導体装置、11:基板、12:基板、13:発光装置、15:撮像装置、23:光、25:光、27:指、29:指紋、30:画素部、31:画素、33:ゲートドライバ回路、35:CDS回路、36:データドライバ回路、41:配線、43:配線、44:配線、45:配線、46:配線、47:配線、48:配線、49:配線、50:受光素子、51:トランジスタ、52:トランジスタ、53:トランジスタ、54:トランジスタ、56:容量素子、57:容量素子、61:期間、62:期間、63:期間、64:期間、65:期間、70:発光素子、71:トランジスタ、100A:半導体装置、100B:半導体装置、100C:半導体装置、111:画素電極、112:共通層、113:活性層、114:共通層、115:共通電極、123a:光、123b:反射光、123c:光、123d:反射光、142:接着層、143:空間、150:接着層、151:基板、152:基板、153:基板、154:基板、155:接着層、164:回路、182:バッファ層、184:バッファ層、191:画素電極、192:バッファ層、193:発光層、194:バッファ層、195:保護層、201:トランジスタ、205:トランジスタ、206:トランジスタ、208:トランジスタ、209:トランジスタ、210:トランジスタ、211:絶縁層、212:絶縁層、213:絶縁層、214:絶縁層、215:絶縁層、216:隔壁、217:隔壁、218:絶縁層、221:導電層、222a:導電層、222b:導電層、223:導電層、225:絶縁層、228:領域、231:半導体層、231i:チャネル形成領域、231n:低抵抗領域、6500:電子機器、6501:筐体、6502:表示部、6503:電源ボタン、6504:ボタン、6505:スピーカ、6506:マイク、6507:カメラ、6508:光源、6510:保護部材、6511:表示パネル、6512:光学部材、6513:タッチセンサパネル、6515:FPC、6516:IC、6517:プリント基板、6518:バッテリ、7000:表示部、7100:テレビジョン装置、7101:筐体、7103:スタンド、7111:リモコン操作機、7200:ノート型パーソナルコンピュータ、7211:筐体、7212:キーボード、7213:ポインティングデバイス、7214:外部接続ポート、7300:デジタルサイネージ、7301:筐体、7303:スピーカ、7311:情報端末機、7400:デジタルサイネージ、7401:柱、7411:情報端末機、9000:筐体、9001:表示部、9003:スピーカ、9005:操作キー、9006:接続端子、9007:センサ、9008:マイクロフォン、9050:アイコン、9051:情報、9052:情報、9053:情報、9054:情報、9055:ヒンジ、9101:携帯情報端末、9102:携帯情報端末、9200:携帯情報端末、9201:携帯情報端末