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特開2024-166383家電ネットワークシステム、及び、家電機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166383
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】家電ネットワークシステム、及び、家電機器
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20241121BHJP
   A47K 13/24 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H04L12/28 500
A47K13/24
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024161907
(22)【出願日】2024-09-19
(62)【分割の表示】P 2020109681の分割
【原出願日】2020-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真悟
(57)【要約】
【課題】家電機器とサーバとの通信に異常が発生した場合に、家電機器とサーバとの通信の正常化を図ることができる家電ネットワークシステムを提供する。
【解決手段】家電ネットワークシステム10は、サーバ40と、ルータ30を介して広域通信ネットワーク60に接続することにより、サーバ40と通信を行う通信モジュール23を有する電気便座一体型便器20とを備える。通信モジュール23は、サーバ40に応答を要求する要求信号をサーバ40へ送信することにより上記通信に異常が発生したと判定された場合に、電気便座一体型便器20の起動時に行われる起動処理をやり直す通信制御部23bを有する。ルータ30は、ゲートウェイの一例であり、電気便座一体型便器20は、家電機器の一例である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、
ゲートウェイを介して広域通信ネットワークに接続することにより、前記サーバと通信を行う通信モジュールを有する家電機器とを備え、
前記通信モジュールは、前記サーバに応答を要求する要求信号を前記サーバへ送信することにより前記通信に異常が発生したと判定された場合に、前記家電機器の起動時に行われる起動処理をやり直す通信制御部を有する
家電ネットワークシステム。
【請求項2】
前記家電機器は、さらに、
電源モジュールと、
前記通信に異常が発生した場合に前記電源モジュールから前記通信モジュールへの電力供給をオフした後再開する制御部を備え、
前記通信制御部は、前記制御部により前記電力供給が再開されたことを契機に前記起動処理をやり直す
請求項1に記載の家電ネットワークシステム。
【請求項3】
前記制御部は、所定期間の間継続して前記通信に異常が発生したか否かを判定し、前記所定期間の間継続して前記通信に異常が発生したと判定した場合に、前記電力供給をオフした後再開する
請求項2に記載の家電ネットワークシステム。
【請求項4】
前記通信モジュールは、所定期間の間継続して前記通信に異常が発生したか否かを判定する判定部を有し、
前記制御部は、前記判定部により前記所定期間の間継続して前記通信に異常が発生したと判定された場合に、前記電力供給をオフした後再開する
請求項2に記載の家電ネットワークシステム。
【請求項5】
前記通信モジュールは、さらに、前記通信に異常が発生した場合に前記通信制御部にリセット信号を出力するリセット部を有し、
前記通信制御部は、前記リセット部から前記リセット信号を取得したことを契機に前記起動処理をやり直す
請求項1に記載の家電ネットワークシステム。
【請求項6】
前記家電機器は、さらに、前記家電機器の主機能を実現するための情報処理を行う制御部を備え、
前記制御部は、所定期間の間継続して前記通信に異常が発生したか否かを判定し、
前記リセット部は、前記制御部により前記所定期間の間継続して前記通信に異常が発生したと判定した場合に、前記通信制御部に前記リセット信号を出力する
請求項5に記載の家電ネットワークシステム。
【請求項7】
前記通信モジュールは、所定期間の間継続して前記通信に異常が発生したか否かを判定する判定部を有し、
前記リセット部は、前記判定部により前記所定期間の間継続して前記通信に異常が発生したと判定された場合に、前記通信制御部に前記リセット信号を出力する
請求項5に記載の家電ネットワークシステム。
【請求項8】
前記家電機器は、電気便座または電気便座一体型便器である
請求項1~7のいずれか1項に記載の家電ネットワークシステム。
【請求項9】
ゲートウェイを介して広域通信ネットワークに接続することにより、サーバと通信を行う通信モジュールを備え、
前記通信モジュールは、前記サーバに応答を要求する要求信号を前記サーバへ送信することにより前記通信に異常が発生したと判定された場合に、起動時に行われる起動処理をやり直す通信制御部を有する
家電機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電ネットワークシステム、及び、家電機器に関する。
【背景技術】
【0002】
家電機器のIoT(Internet of Things)化が推進されている。特許文献1には、家電機器をネットワークに接続するための通信アダプタに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-184487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、家電機器とサーバとの通信に異常が発生した場合に、家電機器とサーバとの通信の正常化を図ることができる家電ネットワークシステム、及び、家電機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る家電ネットワークシステムは、サーバと、ゲートウェイを介して広域通信ネットワークに接続することにより、前記サーバと通信を行う通信モジュールを有する家電機器とを備え、前記通信モジュールは、前記サーバに応答を要求する要求信号を前記サーバへ送信することにより前記通信に異常が発生したと判定された場合に、前記家電機器の起動時に行われる起動処理をやり直す通信制御部を有する。
【0006】
本発明の一態様に係る家電機器は、ゲートウェイを介して広域通信ネットワークに接続することにより、サーバと通信を行う通信モジュールを備え、前記通信モジュールは、前記サーバに応答を要求する要求信号を前記サーバへ送信することにより前記通信に異常が発生したと判定された場合に、起動時に行われる起動処理をやり直す通信制御部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の家電ネットワークシステム、及び、家電機器は、家電機器とサーバとの通信に異常が発生した場合に、家電機器とサーバとの通信の正常化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態1に係る家電ネットワークシステムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、通信の監視動作のフローチャートである。
図3図3は、実施の形態1に係る電気便座一体型便器の通信モジュールの再起動動作のフローチャートである。
図4図4は、実施の形態2に係る家電ネットワークシステムの機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態2に係る電気便座一体型便器の通信モジュールの再起動動作のフローチャートである。
図6図6は、実施の形態3に係る家電ネットワークシステムの機能構成を示すブロック図である。
図7図7は、実施の形態3に係る電気便座一体型便器の通信モジュールのリセット動作のフローチャートである。
図8図8は、実施の形態4に係る家電ネットワークシステムの機能構成を示すブロック図である。
図9図9は、実施の形態4に係る電気便座一体型便器の通信モジュールのリセット動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0011】
(実施の形態1)
[構成]
以下、実施の形態1に係る家電ネットワークシステムについて説明する。図1は、実施の形態1に係る家電ネットワークシステムの機能構成を示すブロック図である。
【0012】
実施の形態1に係る家電ネットワークシステム10は、電気便座一体型便器20と、ルータ30と、サーバ40と、携帯端末50とを備える。
【0013】
家電ネットワークシステム10において、電気便座一体型便器20は、ルータ30を介して広域通信ネットワーク60に接続することにより、サーバ40と通信を行う。例えば、電気便座一体型便器20は、当該電気便座一体型便器20のリモートコントローラ(図示せず)への操作履歴(例えば、排水が行われた回数など)をサーバ40へ送信する。これにより、サーバ40は、電気便座一体型便器20の操作履歴を管理することができる。ユーザは、専用のアプリケーションプログラムがインストールされた携帯端末50を用いてサーバ40へアクセスするにより、電気便座一体型便器20の使用回数などを、携帯端末50を通じてモニタすることができる。
【0014】
例えば、ユーザは、離れて暮らす家族が住む住宅に設置された電気便座一体型便器20の使用回数などをモニタすることで、離れて暮らす家族が無事に生活しているか否かを把握することができる。このように、家電ネットワークシステム10は、例えば、見守りシステムとして機能し、ユーザに見守りサービスを提供することができる。以下、家電ネットワークシステムの各構成要素について説明する。
【0015】
電気便座一体型便器20は、便器洗浄機能、及び、温水便座機能などの機能を有する多機能の便器である。電気便座一体型便器20は、家電機器の一例である。電気便座一体型便器20は、具体的には、電源モジュール21と、制御モジュール22と、通信モジュール23とを備える。電源モジュール21、制御モジュール22、及び、通信モジュール23は、例えば、互いに独立した基板モジュールである。電源モジュール21、制御モジュール22、及び、通信モジュール23は、例えば、電気便座一体型便器20の本体に取り付けられた筐体24内に収容される。
【0016】
電源モジュール21は、電気便座一体型便器20が備える電源プラグ(図示せず)から得られる交流電力を直流電力に変換し、当該直流電力を制御モジュール22及び通信モジュール23に供給する基板モジュールである。電源モジュール21は、例えば、基板に回路素子が実装されることによって実現される。当該回路素子には、AC-DCコンバータ、及び、DC-DCコンバータなどが含まれる。電源モジュール21は、例えば、通信制御部23bへの電力の供給を行う。図1では図示されないが、電源モジュール21は、制御モジュール22が有する構成要素、及び、通信モジュール23が有する通信制御部23b以外の他の構成要素にも直流電力を供給する。
【0017】
制御モジュール22は、電気便座一体型便器20の主機能を実現するための基板モジュールである。ここでの主機能とは、便器洗浄機能、及び、温水便座機能などである。制御モジュール22は、具体的には、基板に回路素子が実装されることによって実現される。制御モジュール22は、制御部22aと、記憶部22bと、スイッチ22cとを有する。
【0018】
制御部22aは、記憶部22bに記憶されたプログラムを実行することにより、上記主機能を実現するための情報処理を行う。また、制御部22aは、スイッチ22cのオン及びオフを切り替えることで、通信制御部23bへの電力供給を制御する。制御部22aは、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0019】
記憶部22bは、制御部22aが実行するプログラムが記憶される記憶装置である。記憶部22bは、半導体メモリなどによって実現される。
【0020】
スイッチ22cは、通信制御部23bへの電力供給をオン及びオフするための素子である。スイッチ22cは、パワートランジスタなどの半導体スイッチング素子によって実現されるが、リレー素子などによって実現されてもよい。
【0021】
通信モジュール23は、電気便座一体型便器20がルータ30を介してサーバ40と通信を行うための基板モジュールである。通信モジュール23は、具体的には、基板に回路素子が実装されることによって実現される。通信モジュール23は、具体的には、通信部23aと、通信制御部23bと、記憶部23cと、監視部23dとを有する。
【0022】
通信部23aは、電気便座一体型便器20がルータ30を介して通信を行うためのアンテナ素子などを含む通信回路である。
【0023】
通信制御部23bは、記憶部22bに記憶されたプログラムを実行することにより、通信部23aによる通信を実現するための情報処理を行う。通信制御部23bは、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0024】
記憶部23cは、通信制御部23bが実行するプログラムが記憶される記憶装置である。例えば、通信制御部23bに電力が投入されたときに通信制御部23bが実行する起動処理は、記憶部23cに記憶された起動プログラムに基づいて実行される。記憶部23cは、半導体メモリなどによって実現される。
【0025】
監視部23dは、通信部23aによって行われるルータ30を介したサーバ40との定期通信を監視し、監視の結果として監視信号を出力する。監視部23dは、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。なお、通信制御部23b及び監視部23dは、単一のマイクロコンピュータまたはプロセッサによって実現されてもよい。
【0026】
ルータ30は、電気便座一体型便器20とサーバ40との通信を中継する通信装置である。ルータ30は、電気便座一体型便器20が設置された施設と同一の施設内に設置される。ルータ30は、ゲートウェイの一例である。ルータ30は、具体的には、無線LAN(Local Area Network)ルータなどである。
【0027】
サーバ40は、電気便座一体型便器20が設置された施設の外に設置されたクラウドサーバである。サーバ40は、例えば、電気便座一体型便器20の製造事業者によって運用され、電気便座一体型便器20と通信を行うことにより、上述の見守りサービスなどを提供する。
【0028】
携帯端末50は、電気便座一体型便器20のユーザ(または、その家族)が所有する携帯型の情報端末であり、具体的には、スマートフォンまたはタブレット端末などである。上述のようにユーザは、携帯端末50を用いてサーバ40へアクセスするにより、電気便座一体型便器20の使用回数などを、携帯端末50を通じてモニタすることができる。また、ユーザは、携帯端末50をユーザインターフェースとして、便座の温度、及び、シャワーの強さなどの個人設定を行うこともできる。
【0029】
[通信の監視動作]
家電ネットワークシステム10において、サーバ40が何らかの原因でダウンすると、その後、サーバ40が復旧したとしても、電気便座一体型便器20とサーバ40との通信を再開できない可能性がある。このようなケースにおいて、電気便座一体型便器20とサーバ40との通信を再開するためには、電気便座一体型便器20を再起動する(つまり、電源をオフしてもう一度電源をオンする)方法が考えられるが、電気便座一体型便器20を再起動するための作業をユーザに課すことは好ましくない。
【0030】
そこで、電気便座一体型便器20は、サーバ40との通信に異常が発生した(通信が途絶した)場合に、通信モジュール23を再起動することで、サーバ40との通信の正常化(通信の再開)を試みる。このような動作を実現するために、電気便座一体型便器20の監視部23dは、電気便座一体型便器20とサーバ40との通信状態を監視する。まず、このような通信の監視動作について説明する。図2は、通信の監視動作のフローチャートである。
【0031】
監視部23dは、通信部23aにルータ30及びサーバ40のそれぞれに応答を要求する要求信号を送信させ(S11)、ルータ30及びサーバ40のそれぞれから応答が得られたか否かを判定する(S12)。
【0032】
監視部23dは、ルータ30及びサーバ40のそれぞれから応答が得られたと判定すると(S12でYes)、通信が正常であることを示す監視信号を出力する(S13)。一方、監視部23dは、ルータ30及びサーバ40の少なくとも一方から応答が得られなかったと判定すると(S12でNo)、通信が異常であることを示す監視信号を出力する(S14)。
【0033】
ステップS13、及び、ステップS14のいずれの場合も、監視部23dは、1~数分程度の所定時間の経過後に、通信部23aにルータ30及びサーバ40のそれぞれに応答を要求する要求信号を送信させる(S11)。
【0034】
このように、監視部23dは、1~数分程度の時間間隔で、電気便座一体型便器20とサーバ40との通信が正常であるか否か(通信ネットワークが途絶していないか否か)を監視する。なお、要求信号が送信される時間間隔は、1~数分程度の時間間隔に限定されず、経験的または実験的に適宜定められればよい。
【0035】
[再起動動作]
上記のような監視動作が行われれば、電気便座一体型便器20は、電気便座一体型便器20とサーバ40との通信に異常が発生したときに、通信モジュール23を再起動させることができる。図3は、電気便座一体型便器20の通信モジュール23の再起動動作のフローチャートである。
【0036】
電気便座一体型便器20の制御部22aは、監視部23dから監視信号を取得し(S21)、監視信号が所定期間以上、通信の異常を示しているか否かを判定する。つまり、制御部22aは、電気便座一体型便器20とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続しているか否かを判定する(S22)。電気便座一体型便器20とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続していないと判定された場合には(S22でNo)、動作は終了となる。
【0037】
一方、制御部22aは、電気便座一体型便器20とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続していると判定すると(S22でYes)、スイッチ22cをオフし、その後スイッチ22cをオンする。つまり、制御部22aは、電源モジュール21から通信モジュール23への電力供給を、オフした後再開する(S23)ことにより、通信モジュール23を再起動する。通信モジュール23の通信制御部23bは、電力供給が再開されたことを契機に、電気便座一体型便器20の起動時に行われる起動処理をやり直す(S24)。起動処理をやり直すとは、例えば、電気便座一体型便器20の起動時に通信制御部23bが実行する起動プログラムを(起動時と同様に)最初からやり直すことを意味する。これにより、電気便座一体型便器20は、電気便座一体型便器20を再起動するための作業をユーザに課さずに、サーバ40との通信の再開を図ることができる。
【0038】
なお、サーバ40が復旧していないときに通信モジュール23が再起動されたとしても、電気便座一体型便器20は、サーバ40との通信を再開することができない。したがって、ステップS22の判定に使用される所定期間の長さが比較的短く設定されると、通信が再開されないまま通信モジュール23の再起動だけが繰り返されてしまう可能性がある。そこで、上記所定期間は、20時間以上の長さなど、やや長めに設定されるとよい。
【0039】
(実施の形態2)
[構成]
以下、実施の形態2に係る家電ネットワークシステムについて説明する。図4は、実施の形態2に係る家電ネットワークシステムの機能構成を示すブロック図である。なお、以下の実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明が行われる。
【0040】
実施の形態2に係る家電ネットワークシステム110は、電気便座一体型便器120と、ルータ30と、サーバ40と、携帯端末50とを備える。電気便座一体型便器120は、具体的には、電源モジュール21と、制御モジュール22と、通信モジュール123とを備える。通信モジュール23と通信モジュール123との相違点は、通信モジュール123は判定部23eを有している点である。
【0041】
家電ネットワークシステム10では、監視部23dは、制御部22aに監視信号を出力し、制御部22aは、取得した監視信号に基づいて、電気便座一体型便器20とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続しているか否かを判定した。これに対し、家電ネットワークシステム110では、監視部23dは、判定部23eに監視信号を出力し、判定部23eは、取得した監視信号に基づいて、電気便座一体型便器120とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続しているか否かを判定する。判定部23eは、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。なお、通信制御部23b及び判定部23eは、単一のマイクロコンピュータまたはプロセッサによって実現されてもよい。
【0042】
[再起動動作]
次に、電気便座一体型便器120の通信モジュール123の再起動動作について説明する。図5は、電気便座一体型便器120の通信モジュール123の再起動動作のフローチャートである。
【0043】
電気便座一体型便器120の判定部23eは、監視部23dから監視信号を取得し(S31)、監視信号が所定期間以上、通信の異常を示しているか否かを判定する。つまり、判定部23eは、電気便座一体型便器120とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続しているか否かを判定する(S32)。電気便座一体型便器120とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続していないと判定された場合には(S32でNo)、動作は終了となる。
【0044】
一方、判定部23eは、電気便座一体型便器120とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続していると判定すると(S32でYes)、通信モジュール123の再起動を指示するための指示信号を制御部22aに出力する(S33)。制御部22aは、取得した指示信号に基づいて、スイッチ22cをオフし、その後スイッチ22cをオンする。つまり、制御部22aは、電源モジュール21から通信モジュール123への電力供給を、オフした後再開する(S34)ことにより、通信モジュール123を再起動する。
【0045】
通信モジュール123の通信制御部23bは、電力供給が再開されたことを契機に、電気便座一体型便器120の起動時に行われる起動処理をやり直す(S35)。これにより、電気便座一体型便器120は、電気便座一体型便器120を再起動するための作業をユーザに課さずに、サーバ40との通信の再開を図ることができる。
【0046】
(実施の形態3)
[構成]
以下、実施の形態3に係る家電ネットワークシステムについて説明する。図6は、実施の形態3に係る家電ネットワークシステムの機能構成を示すブロック図である。なお、以下の実施の形態3では、実施の形態1との相違点を中心に説明が行われる。
【0047】
実施の形態3に係る家電ネットワークシステム210は、電気便座一体型便器220と、ルータ30と、サーバ40と、携帯端末50とを備える。電気便座一体型便器220は、具体的には、電源モジュール21と、制御モジュール222と、通信モジュール223とを備える。
【0048】
制御モジュール22と制御モジュール222との相違点は、制御モジュール222は、スイッチ22cを有していない点である。また、通信モジュール23と通信モジュール223との相違点は、通信モジュール223はリセット部23fを有している点である。
【0049】
家電ネットワークシステム10では、通信モジュール23を実際に再起動させる(いったん電力供給をオフする)ことで電気便座一体型便器20とサーバ40との通信の再開を図った。これに対し、家電ネットワークシステム210では、リセット部23fがリセット信号を通信制御部23bに出力することで、通信制御部23bは、再起動時(起動時)に行われる起動処理をやり直す。つまり、電源モジュール21から通信モジュール223への電力供給は維持されたまま、起動処理(起動プログラムの実行)のみがやり直される。以下このような動作をリセット動作とも記載する。
【0050】
リセット部23fは、制御部22aの通信異常の判定結果に基づいて、通信制御部23bにリセット信号を出力する。リセット部23fは、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。なお、通信制御部23b及びリセット部23fは、単一のマイクロコンピュータまたはプロセッサによって実現されてもよい。
【0051】
[リセット動作]
次に、電気便座一体型便器220の通信モジュール223のリセット動作について説明する。図7は、電気便座一体型便器220の通信モジュール223のリセット動作のフローチャートである。
【0052】
電気便座一体型便器220の制御部22aは、監視部23dから監視信号を取得し(S41)、監視信号が所定期間以上、通信の異常を示しているか否かを判定する。つまり、制御部22aは、電気便座一体型便器220とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続しているか否かを判定する(S42)。電気便座一体型便器220とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続していないと判定された場合には(S42でNo)、動作は終了となる。
【0053】
一方、制御部22aは、電気便座一体型便器220とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続していると判定すると(S42でYes)、通信モジュール223のリセット動作を指示するための指示信号をリセット部23fに出力する(S43)。リセット部23fは、取得した指示信号に基づいて、リセット信号を通信制御部23bに出力する(S44)。
【0054】
通信モジュール223の通信制御部23bは、リセット信号を取得したことを契機に、電気便座一体型便器220の起動時に行われる起動処理をやり直す(S45)。これにより、電気便座一体型便器220は、電気便座一体型便器220を再起動するための作業をユーザに課さずに、サーバ40との通信の再開を図ることができる。
【0055】
(実施の形態4)
[構成]
以下、実施の形態4に係る家電ネットワークシステムについて説明する。図8は、実施の形態4に係る家電ネットワークシステムの機能構成を示すブロック図である。なお、以下の実施の形態4では、実施の形態3との相違点を中心に説明が行われる。
【0056】
実施の形態4に係る家電ネットワークシステム310は、電気便座一体型便器320と、ルータ30と、サーバ40と、携帯端末50とを備える。電気便座一体型便器320は、具体的には、電源モジュール21と、制御モジュール222と、通信モジュール323とを備える。通信モジュール223と通信モジュール323との相違点は、通信モジュール323は判定部23eを有している点である。
【0057】
家電ネットワークシステム210では、監視部23dは、制御部22aに監視信号を出力し、制御部22aは、取得した監視信号に基づいて、電気便座一体型便器220とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続しているか否かを判定した。これに対し、家電ネットワークシステム310では、監視部23dは、判定部23eに監視信号を出力し、判定部23eは、取得した監視信号に基づいて、電気便座一体型便器320とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続しているか否かを判定する。リセット部23fは、判定部23eの通信異常の判定結果に基づいて、通信制御部23bにリセット信号を出力する。
【0058】
[リセット動作]
次に、電気便座一体型便器320の通信モジュール323のリセット動作について説明する。図9は、電気便座一体型便器320の通信モジュール323のリセット動作のフローチャートである。
【0059】
電気便座一体型便器320の判定部23e、監視部23dから監視信号を取得し(S51)、監視信号が所定期間以上、通信の異常を示しているか否かを判定する。つまり、判定部23eは、電気便座一体型便器320とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続しているか否かを判定する(S52)。電気便座一体型便器320とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続していないと判定された場合には(S52でNo)、動作は終了となる。
【0060】
一方、判定部23eは、電気便座一体型便器320とサーバ40との通信の異常が所定期間以上継続していると判定すると(S52でYes)、通信モジュール323のリセット動作を指示するための指示信号をリセット部23fに出力する(S53)。リセット部23fは、取得した指示信号に基づいて、リセット信号を通信制御部23bに出力する(S54)。
【0061】
通信モジュール323の通信制御部23bは、リセット信号を取得したことを契機に、電気便座一体型便器320の起動時に行われる起動処理をやり直す(S55)。これにより、電気便座一体型便器320は、電気便座一体型便器320を再起動するための作業をユーザに課さずに、サーバ40との通信の再開を図ることができる。
【0062】
(変形例)
上述のように監視部23dは、通信部23aに、ルータ30及びサーバ40のそれぞれに要求信号を送信させ、ルータ30及びサーバ40のそれぞれから応答が得られたときに通信が正常であると判定する。そうすると、監視部23dは、ルータ30からの応答はあるがサーバ40からの応答がない場合には、サーバ40(広域通信ネットワーク60)に異常があると判定することができる。また、監視部23dは、ルータ30及びサーバ40からの応答がない場合には、少なくともルータ30(電気便座一体型便器20からルータ30までの局所通信ネットワーク)に異常があると判定することができる。
【0063】
そうすると、監視部23dは、異常の発生状況(サーバ40に異常があるかルータ30に異常があるか)を区別して示す監視信号を出力することができる。このような監視信号によれば、電気便座一体型便器20は、監視信号が示す異常の発生状況(発生個所)に応じて通信制御部23bの起動処理のやり直しを選択的に実行することができる。具体的には、電気便座一体型便器20は、ルータ30及びサーバ40のうちサーバ40だけに異常があると判定されたときに通信制御部23bの起動処理をやり直し、ルータ30に異常があると判定されたときには通信制御部23bの起動処理をやり直さない(単に復旧を待つ)、といったような適応的な処理が可能となる。
【0064】
(効果等)
以上説明したように、家電ネットワークシステム10は、サーバ40と、ルータ30を介して広域通信ネットワーク60に接続することにより、サーバ40と通信を行う通信モジュール23を有する電気便座一体型便器20とを備える。通信モジュール23は、上記通信に異常が発生した場合に、電気便座一体型便器20の起動時に行われる起動処理をやり直す通信制御部23bを有する。ルータ30は、ゲートウェイの一例であり、電気便座一体型便器20は、家電機器の一例である。
【0065】
このような家電ネットワークシステム10は、電気便座一体型便器20とサーバ40との通信に異常が発生した場合に、電気便座一体型便器20とサーバ40との通信の正常化を図ることができる。
【0066】
また、家電ネットワークシステム10において、電気便座一体型便器20は、さらに、電源モジュール21と、上記通信に異常が発生した場合に電源モジュール21から通信モジュール23への電力供給をオフした後再開する制御部22aを備える。通信制御部23bは、制御部22aにより電力供給が再開されたことを契機に起動処理をやり直す。
【0067】
このような家電ネットワークシステム10は、電気便座一体型便器20が備える通信モジュール23を再起動することで、電気便座一体型便器20とサーバ40との通信の正常化を図ることができる。
【0068】
また、家電ネットワークシステム10において、制御部22aは、所定期間の間継続して上記通信に異常が発生したか否かを判定し、所定期間の間継続して上記通信に異常が発生したと判定した場合に、電力供給をオフした後再開する。
【0069】
このような家電ネットワークシステム10は、通信異常の判定機能を制御部22aに持たせることで、通信モジュール23の再起動を実現することができる。
【0070】
また、家電ネットワークシステム110において、通信モジュール123は、所定期間の間継続して上記通信に異常が発生したか否かを判定する判定部23eを有する。制御部22aは、判定部23eにより所定期間の間継続して上記通信に異常が発生したと判定された場合に、電力供給をオフした後再開する。
【0071】
このような家電ネットワークシステム110は、通信異常の判定機能を通信モジュール123に持たせることで、通信モジュール123の再起動を実現することができる。
【0072】
また、家電ネットワークシステム210において、通信モジュール223は、さらに、上記通信に異常が発生した場合に通信制御部23bにリセット信号を出力するリセット部23fを有する。通信制御部23bは、リセット部23fからリセット信号を取得したことを契機に起動処理をやり直す。
【0073】
このような家電ネットワークシステム210は、電気便座一体型便器220が備える通信モジュール223を再起動させずに(つまり、通信モジュール223への電力供給を維持したまま)、電気便座一体型便器20とサーバ40との通信の正常化を図ることができる。
【0074】
また、家電ネットワークシステム210において、電気便座一体型便器220は、さらに、電気便座一体型便器220の主機能を実現するための情報処理を行う制御部22aを備える。制御部22aは、所定期間の間継続して上記通信に異常が発生したか否かを判定する。リセット部23fは、制御部22aにより所定期間の間継続して上記通信に異常が発生したと判定した場合に、通信制御部23bにリセット信号を出力する。
【0075】
このような家電ネットワークシステム210は、通信異常の判定機能を制御部22aに持たせることで、通信モジュール223のリセットを実現することができる。
【0076】
また、家電ネットワークシステム310において、通信モジュール323は、所定期間の間継続して上記通信に異常が発生したか否かを判定する判定部23eを有する。リセット部23fは、判定部23eにより所定期間の間継続して上記通信に異常が発生したと判定された場合に、通信制御部23bにリセット信号を出力する。
【0077】
このような家電ネットワークシステム310は、通信異常の判定機能を通信モジュール123に持たせることで、通信モジュール323のリセットを実現することができる。
【0078】
また、電気便座一体型便器20は、ルータ30を介して広域通信ネットワーク60に接続することにより、サーバ40と通信を行う通信モジュール23を備える。通信モジュール23は、上記通信に異常が発生した場合に、起動時に行われる起動処理をやり直す通信制御部23bを有する。
【0079】
このような電気便座一体型便器20は、電気便座一体型便器20とサーバ40との通信に異常が発生した場合に、電気便座一体型便器20とサーバ40との通信の正常化を図ることができる。
【0080】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0081】
例えば、上記実施の形態では、電気便座一体型便器から送信される要求信号に対して、ルータ及びサーバからの応答が得られるか否かに基づいて通信状態の異常が監視された。しかしながら、サーバから電気便座一体型便器へ定期的に送信される信号が途絶えたか否かに基づいて通信状態の異常が監視されてもよい。
【0082】
上記実施の形態では、家電機器として電気便座一体型便器が例示されたが、本発明は、上記実施の形態で説明された構成要素と実質的に同一の構成要素を有する他の家電機器として実現されてもよい。例えば、本発明は、既設の便器に着脱可能な電気便座として実現されてもよい。また、本発明は、空気調和機(エアコン)、冷蔵庫、または、洗濯機などとして実現されてもよい。上記実施の形態で説明された技術は、いわゆるIoT家電全般に適用可能である。
【0083】
また、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。例えば、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0084】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0085】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0086】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0087】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0088】
例えば、本発明は、コンピュータが実行する情報処理方法(家電機器を再起動またはリセットする方法)として実現されてもよいし、このような情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0089】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
10、110、210、310 家電ネットワークシステム
20、120、220、320 電気便座一体型便器(家電機器)
21 電源モジュール
22a 制御部
23、123、223、323 通信モジュール
23b 通信制御部
23e 判定部
23f リセット部
30 ルータ(ゲートウェイ)
40 サーバ
60 広域通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9