(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166427
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】薬剤排出装置
(51)【国際特許分類】
B65B 1/30 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
B65B1/30 B
B65B1/30 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024164252
(22)【出願日】2024-09-20
(62)【分割の表示】P 2023187641の分割
【原出願日】2019-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】藤井 隆行
(57)【要約】
【課題】容器が備える開閉部を、容器の収容部内の薬剤を排出可能な開放状態に切り換えて、容器に振動を与えて薬剤を排出する薬剤排出装置を提供する。
【解決手段】薬剤分包装置は、薬剤を収容する収容部112と、閉鎖状態から開放状態に切り換えて収容部112内の薬剤の排出を可能にする開閉部材114と、を有する搬送容器101から薬剤を排出する。薬剤分包装置は、容器設置部61と、振動装置62と、を備える。容器設置部61には、搬送容器101を設置可能である。容器設置部61は、開閉部材114を閉鎖状態から開放状態に切り換える操作アーム73を有する。振動装置62は、容器設置部61に設置された搬送容器101に振動を与えて、収容部112内の薬剤を排出させる。操作アーム73は、容器設置部61に搬送容器101が設置されると、開閉部材114を閉鎖状態から開放状態に切り換える。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を収容する収容部と、閉鎖状態から開放状態に切り換えて前記収容部内の薬剤の排出を可能にする開閉部と、を有する容器から薬剤を排出する薬剤排出装置であって、
前記容器を設置可能であり、前記開閉部を前記閉鎖状態から前記開放状態に切り換える操作部を有する容器設置部と、
前記容器設置部に設置された前記容器に振動を与えて、前記収容部内の薬剤を排出させる振動部と、
を備え、
前記操作部は、前記容器設置部に前記容器が設置されると、前記開閉部を前記閉鎖状態から前記開放状態に切り換えることを特徴とする薬剤排出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の薬剤排出装置であって、
前記操作部は、前記収容部内の薬剤が排出された後、前記開閉部を前記開放状態から前記閉鎖状態に切り換えることを特徴とする薬剤排出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の薬剤排出装置であって、
前記開閉部は、前記開放状態において、開かれた開口の高さを規制することを特徴とする薬剤排出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、容器を振動させることにより当該容器内の薬剤を排出する構成を備える薬剤排出装置が知られている。特許文献1は、この種の薬剤排出装置の構成を備える薬剤フィーダを開示する。
【0003】
特許文献1の薬剤フィーダは、薬剤容器と、本体装置と、を備える。薬剤容器は、容器本体を備える。容器本体は、縦長の容器であり、長手方向の一端で開口する薬剤排出部を有する。容器本体の内部は、容器本体の内側に設けられた整流部材により、薬剤排出部側の領域である導出路部と、この導出路部と反対側の領域である薬剤貯留部とに分けられている。本体装置は、振動台と、加振手段と、中間台と、防振台と、重量測定手段と、基礎部材と、を備える。そして、本体装置は、振動台に載せられた薬剤容器を振動させて、薬剤容器の薬剤貯留部に貯留された薬剤の一部を導出路部に向かって移動させ、この導出路部に到達した薬剤を薬剤排出部から排出するように構成されている。
【0004】
特許文献1の構成においては、薬剤容器として、密閉型であり、蓋が有るタイプのものが採用される。この場合、薬剤容器は、容器本体に加えて、蓋部材を更に備える。蓋部材は、容器本体の薬剤排出部を閉じることができる。蓋部材は、可動蓋部を有する。可動蓋部は、薬剤排出部に対して揺動可能に設けられている。可動蓋部は、揺動することで、薬剤排出部を閉じる姿勢、又は、薬剤排出部を開く姿勢をとることができる。蓋部材は、通常、可動蓋部を薬剤排出部を閉じる姿勢として、薬剤排出部を閉じる。そして、蓋部材は、薬剤排出部を開く場合、可動蓋部を薬剤排出部を開く姿勢に切り換える。こうして、蓋が有るタイプの薬剤容器が採用された場合であっても、薬剤容器の薬剤を当該薬剤容器から排出することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、容器が備える開閉部を、容器の収容部内の薬剤を排出可能な開放状態に切り換えて、容器に振動を与えて薬剤を排出する薬剤排出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0008】
本発明の観点によれば、以下の構成の薬剤排出装置が提供される。即ち、この薬剤排出装置は、薬剤を収容する収容部と、閉鎖状態から開放状態に切り換えて前記収容部内の薬剤の排出を可能にする開閉部と、を有する容器を用いる。薬剤排出装置は、容器設置部と、振動部と、を備える。前記容器設置部は、前記容器を設置可能である。前記容器設置部は、前記開閉部を前記閉鎖状態から前記開放状態に切り換える操作部を有する。前記振動部は、前記容器設置部に設置された前記容器に振動を与えて、前記収容部内の薬剤を排出させる。前記操作部は、前記容器設置部に前記容器が設置されると、前記開閉部を前記閉鎖状態から前記開放状態に切り換える。
【0009】
これにより、薬剤が排出されるまでの間は開閉部を閉鎖状態として、薬剤を容器の収容部に確実に保つことができる。また、容器が容器設置部に設置された場合に、開閉部を開放状態として、振動部の振動により薬剤を容器から排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置を示す模式図。
【
図4】
図3とは異なる向きで搬送容器を見た斜視図。
【
図7】搬送容器が薬剤排出部にセットされた様子を示す斜視図。
【
図8】薬剤排出部にセットされた搬送容器において、開閉部材が閉鎖状態である様子を示す側面図。
【
図9】
図8の状態から開閉部材が開放状態に変化した様子を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0012】
図1に示す薬剤分包装置(薬剤排出装置)1は、1又は複数の薬剤をそれぞれ量り取って分包することができる。薬剤の量り取りとは、薬剤容器等に収容された薬剤を必要な分だけ取り出すことをいう。本実施形態では、量り取りは、薬剤容器から薬剤を供給し、薬剤容器から供給する薬剤を計量することにより行われる。薬剤分包装置1は、薬剤として散剤(粉状、細粒状、又は顆粒状の薬剤)を量り取る。また、薬剤分包装置1は、量り取った散剤を分包する。ただし、薬剤分包装置1が、散剤に加えて錠剤を分包可能な構成であってもよい。
【0013】
薬剤分包装置1が行う薬剤の量り取り及び分包は、オペレータにより入力された調剤データに基づいて行われる。なお、薬剤分包装置1は、薬剤の分包のみを行うこともできる。この場合、薬剤の計量には、例えば、薬剤分包装置1の外部に設けられた計量装置等が用いられる。
【0014】
薬剤分包装置1は、
図1に示すように、保管部11と、搬送部12と、薬剤容器13と、量り取り部14と、表示処理部15と、薬剤排出部31と、分包部32と、清掃部36と、を備える。また、薬剤分包装置1は、
図2に示すように、表示部21と、設定用操作部22と、制御部40と、を備える。
【0015】
保管部11は、薬剤が収容されていない複数の搬送容器(容器)101を保管することができる。搬送容器101は、量り取り及び分包の対象である薬剤を収容して薬剤分包装置1の各部に搬送するために用意されている。搬送容器101の構成については後述する。
【0016】
保管部11は、例えば、複数の搬送容器101を待機させるための複数の支持台を有し、それぞれの支持台で各搬送容器101の底面を支持する構成とすることができる。ただし、搬送容器101を実質的に保管できる限り、保管部11の構成は任意に変更することができる。
【0017】
搬送容器101について説明する。搬送容器101は、
図3に示すように、収容部112と、排出経路部113と、開閉部材(開閉部)114と、情報表示部115と、を備える。
【0018】
収容部112は、搬送容器101が実質的に薬剤を収容する部分である。収容部112は、上方に開口する開口部を有し、薬剤を収容可能な箱状体から構成されている。収容部112の壁部のうち一部は、水平方向に開放している。
【0019】
排出経路部113は、収容部112に収容された薬剤を搬送容器101外へ排出するための部分である。排出経路部113は、収容部112と一体的に形成されている。収容部112と排出経路部113とにより、容器本体が構成されている。
【0020】
排出経路部113は、上方に開口する開口部を有し、収容部112と搬送容器101の外部空間とを接続する少し細い通路として構成されている。搬送容器101から薬剤を排出する場合に当該薬剤が排出経路部113を流れる方向において、排出経路部113の上流側は収容部112と接続され、排出経路部113の下流側には排出口121が形成されている。排出口121を塞ぐための蓋は設けられておらず、排出口121は常時開放している。
【0021】
開閉部材114は、回転式の可動部材として構成されている。開閉部材114は、収容部112と排出経路部113との接続部分を開閉することができる。この接続部分は、上方を開放させた断面U字状に形成されている。以下では、この接続部分を境界部125と呼ぶことがある。
【0022】
詳しく説明すると、開閉部材114は、ゲート部131と、支持部132と、被接触部133と、を備える。ゲート部131、支持部132及び被接触部133は、互いに一体的に形成されている。
【0023】
ゲート部131は、概ね矩形板状に形成されている。ゲート部131は、境界部125に対応した形状となっており、当該境界部125に上側から差し込まれている。ゲート部131は、その厚み方向一側の面(第1面136)が収容部112を向き、反対側の面(第2面137)が排出経路部113を向くように配置されている。第1面136及び第2面137は、それぞれ略平坦に形成されている。詳細は後述するが、境界部125の内壁には、U字状に細長い段差部146が形成されている。ゲート部131の第1面136の周縁部が段差部146に接触することで、開閉部材114が境界部125を閉じた閉鎖状態になる。一方、ゲート部131が段差部146から離れると、開閉部材114が境界部125を開いた開放状態になる。
【0024】
ゲート部131の上端部の幅方向両側に、支持部132が一体的に設けられている。支持部132は、境界部125を挟んで1対で配置されている。2つの支持部132はそれぞれL字状に形成されている。
【0025】
収容部112と排出経路部113との接続部分の上端部には、前記支持部132に対応して、切欠き128が1対で形成されている。2つの支持部132のそれぞれは、切欠き128を通過した後、概ね垂直に曲げられている。この曲げられた部分(以下、突出部分141と呼ぶことがある)のそれぞれが、収容部112の側部に回転軸142を介して回転可能に支持されている。2つの回転軸142は、同軸で、ゲート部131の幅方向に沿うように配置されている。以上により、ゲート部131を回転させて、
図5の実線で示すように境界部125が閉じた状態と、2点鎖線で示すように境界部125が開いた状態と、の間で切り換えることができる。
【0026】
2つのうち一側の回転軸142には、付勢バネとしてのねじりバネ144が取り付けられている。このねじりバネ144の付勢力により、ゲート部131は、通常、境界部125を閉じた状態となっている。
【0027】
2つのうち一側の突出部分141には、被接触部133が一体的に形成されている。被接触部133は、突出部分141から下方へ延びるように形成されている。被接触部133は、後述の薬剤排出部31が
図7のように備える操作アーム73と接触可能に構成されている。
【0028】
図5及び
図6に示すように、境界部125の縁部には段差部146が設けられている。段差部146は、収容部112と排出経路部113の境界に配置されている。具体的には、収容部112の内壁よりも、排出経路部113の内壁が外側に位置しており、この部分に段差部146が形成される。段差部146において、収容部112の内壁と、排出経路部113の内壁と、を接続するように、平坦な段差面148が形成されている。段差面148は、収容部112の内壁及び排出経路部113の内壁の何れに対しても垂直な面として構成されている。段差面148は平坦に形成されており、ゲート部131が備える第1面136と実質的に隙間なく接触することができる。これにより、開閉部材114を閉じた状態で、収容部112の薬剤がゲート部131の周囲から排出経路部113へ漏れることを防止することができる。
【0029】
情報表示部115は、調剤データ及び調剤に関する情報を表示可能なディスプレイである。情報表示部115は、例えば、マイクロカプセル式又は電気泳動式の電子ペーパとして構成することができる。
【0030】
図1に示す搬送部12は、搬送容器101を搬送することができる。搬送部12は、第1搬送部12Aと、第2搬送部12Bと、を備える。
【0031】
第1搬送部12A及び第2搬送部12Bのそれぞれの動作は、
図2に示す制御部40により制御される。第1搬送部12Aと第2搬送部12Bとは、搬送を行う範囲が異なるだけであり、搬送を行う構成は実質的に同じであるため、以下では第1搬送部12Aを例に挙げて説明する。
【0032】
第1搬送部12Aは、搬送容器101を保持するための容器保持部を備えている。容器保持部は、薬剤分包装置1に設けられたレールに沿って移動可能に構成されている。第1搬送部12Aは、搬送容器101を容器保持部に保持した状態で、容器保持部をレールに沿って移動させることで、搬送容器101を搬送する。
【0033】
図1には、第1搬送部12Aの経路(レール)が破線で示され、第2搬送部12Bの経路(レール)が2点鎖線で示されている。第1搬送部12Aと第2搬送部12Bは、個別の駆動源を備えており、それぞれが独立して動作可能である。従って、薬剤分包装置1は、第1搬送部12Aによる容器の搬送と、第2搬送部12Bによる容器の搬送と、を並行して行うことができる。
【0034】
搬送部12が容器を保持する構成は様々であり、例えば、容器をチャックで掴んだり、容器を吸引して保持したりしてもよい。また、例えば、伸縮可能又は回転可能なアームの先端に容器保持部を設け、アームを伸縮させたり回転させたりして容器保持部の位置を変更する構成としてもよい。この場合、レールを省略することができる。
【0035】
薬剤容器13は、量り取り/分包の対象となる薬剤の供給源として実質的に機能する。それぞれの薬剤容器13には、薬剤を容器外に排出して供給するための開口が形成されている。
【0036】
量り取り部14は、薬剤供給機構51と、計量部52と、を備える。
【0037】
薬剤供給機構51は、薬剤容器13から搬送容器101に薬剤を供給することができる。薬剤供給機構51は、保持体と、移動機構と、供給機構と、を備える。保持体には、複数の薬剤容器13が着脱可能に保持される。移動機構は、保持体に保持された薬剤容器13を所定位置に移動させる。供給機構は、所定位置に移動させた薬剤容器13に作用し、薬剤容器13の開口を介して、収容されている薬剤を下方に供給する。これらの保持体、移動機構、及び供給機構の動作(言い換えれば、薬剤供給機構51の動作)は、制御部40により制御される。
【0038】
計量部52は、薬剤を計量することができる。計量部52は、載置台55と、第1検出部56と、を備える。
【0039】
載置台55は、薬剤供給機構51が備える上記の保持体の下方に配置されている。載置台55には、搬送容器101を載置することができる。第1搬送部12Aは、容器保持部に保持した搬送容器101を搬送して、載置台55に置いたり、載置台55から取り去ったりすることができる。
【0040】
第1検出部56は、載置台55に搬送容器101が載せられた状態で、容器の内部の薬剤を計量することができる。言い換えれば、計量部52は電子天秤として構成されており、載置台55は電子天秤における計量皿の部分に相当する。第1検出部56は、例えば電磁式又はロードセル式の荷重センサとして構成することができる。
【0041】
量り取り部14は、薬剤情報が示す薬剤のそれぞれについて全服用分を量り取るように、制御部40により制御される。制御部40は、薬剤情報が示す薬剤が収容された薬剤容器13を、薬剤供給機構51により載置台55の真上に適宜移動させる。その後、制御部40は、載置台55に載置された搬送容器101に対して、薬剤容器13の薬剤の供給を行うとともに、供給される薬剤について第1検出部56により計量を行う。
【0042】
表示処理部15は、計量部52にセットされた搬送容器101の情報表示部115の表示内容を変更することができる。表示処理部15は、例えばRFIDリーダライタとして構成されている。
【0043】
図2に示す表示部21は、薬剤分包装置1に関する様々な情報を表示可能な表示画面を有する装置である。表示部21としては、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等とすることが考えられる。表示部21は、薬剤分包装置1の適宜の位置に配置される。
【0044】
設定用操作部22は、オペレータが薬剤分包装置1に対して各種の指示を行うために操作される。設定用操作部22は、薬剤分包装置1の適宜の位置(例えば、表示部21の近傍)に配置される。本実施形態では、設定用操作部22はハードウェアキーとして構成されているが、これに限定されず、例えば表示部21に組み込まれたタッチパネルとすることもできる。
【0045】
薬剤排出部31は、搬送容器101をセット可能であり、セットされた搬送容器101内の薬剤を排出させることができる。薬剤排出部31には、第2搬送部12Bにより搬送された搬送容器101がセットされる。また、薬剤排出部31には、搬送容器101を手動でセットすることも可能である。薬剤排出部31は、後述する1つの分配部83に対して複数設けることができる。それぞれの薬剤排出部31は、容器設置部61と、振動装置(振動部)62と、を備える。
【0046】
容器設置部61には、搬送容器101を設置することができる。容器設置部61への搬送容器101の設置は、第2搬送部12Bによって行われる。
【0047】
以下では、容器設置部61の構成を説明するにあたって、当該容器設置部61に搬送容器101が置かれた場合に収容部112が位置する側を前と呼び、排出経路部113が位置する側を後と呼ぶことがある。
【0048】
図7及び
図8に示すように、容器設置部61は本体75を備える。本体75の上部には、クランプ機構77が設けられている。
図5に示すように、搬送容器101が備える収容部112の底部には、保持部151が一体的に形成されている。クランプ機構77は、保持部151を掴むことによって、本体75に載せられた搬送容器101が動かないように固定することができる。
【0049】
図8に示すように、容器設置部61は、第2検出部(検出部)65を備える。第2検出部65は、搬送容器101が容器設置部61に設置されたことを検出する。第2検出部65は、例えば、リミットスイッチ、光センサ等により構成することができる。
【0050】
容器設置部61は、搬送容器101の開閉部材114を閉鎖状態から開放状態に移動させる操作機構70を更に有する。操作機構70は制御部40によって制御される。容器設置部61に搬送容器101が設置されると、当該搬送容器101が備える開閉部材114を操作機構70が移動させ、搬送容器101の境界部125を開く。これにより、搬送容器101からの薬剤の排出が可能な状態になる。
【0051】
操作機構70は、
図7及び
図8に示すように、第1駆動部(駆動部)71と、連動部72と、操作アーム(操作部)73と、を有する。
【0052】
第1駆動部71は、モータ等から構成され、容器設置部61の本体75に設けられている。第1駆動部71は、制御部40によって制御される。第1駆動部71は、前述のクランプ機構77と、操作機構70と、を動作させるための共通の駆動源として用いられる。
【0053】
連動部72は、第1駆動部71と操作アーム73とを連動させる。連動部72は、容器設置部61の本体75の側部に、支軸79により回転可能に支持されている。連動部72は、第1駆動部71の駆動力によって、支軸79を中心として
図8における反時計回り/時計回りに回転することができる。
【0054】
操作アーム73は、連動部72と一体的に回転する。操作アーム73は、バネ性を有する部材、具体的には板バネにより構成されている。操作アーム73は、連動部72から上方へ突出するように設けられている。操作アーム73の突出側の端部(上端部)は、容器設置部61に搬送容器101が設置されたとき、当該搬送容器101における被接触部133と前後方向で対向するように配置されている。
【0055】
振動装置62は、振動を発生させるモータ等を含んで構成されている。振動装置62は制御部40によって制御される。振動装置62は、制御部40からの制御信号に応じて振動を発生させる。振動装置62が発生させた振動は、容器設置部61に設置された搬送容器101に伝達される。
【0056】
この構成で、搬送容器101が容器設置部61の本体75に載せられると、第1駆動部71が動作して、容器設置部61のクランプ機構77によりクランプされる。この少し後に、連動部72が支軸79を中心として
図8における反時計回りに回転する。これにより操作アーム73の上部が後方へ移動して、搬送容器101における被接触部133に接触する。被接触部133は、操作アーム73により押されることで、回転軸142を中心として
図8における時計回りに回転する。この結果、ゲート部131が回転軸142を中心として回転するので、
図9に示すように、開閉部材114が閉鎖状態から開放状態になる。開放状態において、開閉部材114は、接続部分を開きながらも、その接続部分の開口の高さを規制している。
【0057】
開閉部材114が開放状態になった後、振動装置62が動作を開始する。振動装置62が発生させた振動が搬送容器101に伝達され、搬送容器101が振動する。その結果、搬送容器101の収容部112に収容されている薬剤が境界部125を通じて排出経路部113へ移動し、この排出経路部113の排出口121から分包部32(後述の分配部83)に排出される。搬送容器101に収容されている薬剤の全てが分包部32に排出される。
【0058】
収容部112の薬剤が排出された後、振動装置62が停止する。その後、第1駆動部71が動作して、操作アーム73が被接触部133を押した状態を解除する。これにより、開閉部材114が開放状態から閉鎖状態に戻る。また、第1駆動部71の動作により、クランプ機構77によるクランプ状態が解除される。搬送容器101は、容器設置部61の本体75から外れて、第2搬送部12Bにより清掃部36へ搬送することが可能な状態になる。
【0059】
開閉部材114を開放状態にするために操作アーム73が被接触部133を押すストロークは、比較的小さい。従って、薬剤が境界部125を通過する際、ゲート部131は
図9に示すように排出経路部113内に位置しており、境界部125の内底面から上側に大きく離れることはない。そのため、ゲート部131(開閉部材114)が、境界部125の上端位置を規定すると言える。従って、ゲート部131は、搬送時等に薬剤が収容部112からこぼれないように排出経路部113側を閉じるように作用するほか、収容部112から排出経路部113に移動する薬剤の高さを揃えるように、言い換えれば薬剤の通過量を調整するように作用する。
【0060】
上述したとおり、操作アーム73は、バネ性を有する弾性部材により構成されている。これにより、振動装置62によって搬送容器101が振動した場合でも、操作アーム73との接触部分における被接触部133のバタつきを抑えることができる。この結果、ゲート部131のバタつきも抑えることができるので、境界部125を通過している薬剤がゲート部131により跳ね上げられて搬送容器101の外部に飛散するのを防止することができる。操作アーム73の弾性は、操作アーム73が被接触部133に接触した状態で、ねじりバネ144の付勢力にかかわらず操作アーム73が被接触部133を押して動かすことができる程度に定められている。
【0061】
操作アーム73において、突出側の端部に緩衝部材81が固定されている。緩衝部材81は、被接触部133と対面するように配置されている。緩衝部材81は、板状のゴム等から構成されている。操作アーム73が被接触部133を押すとき、操作アーム73は、緩衝部材81を介して被接触部133に接触する。これにより、振動装置62によって搬送容器101が振動した場合でも、操作アーム73が被接触部133に接触する際に生じる衝撃を緩衝することができる。
【0062】
分包部32は、量り取り部14によって量り取られた薬剤を分包することができるように構成されている。分包部32は、量り取り部14によって量り取られた薬剤を一服用分ごとに分包するように、制御部40により制御される。分包部32は、分配部83と、包装部84と、を備える。
【0063】
分配部83は、薬剤排出部31によって搬送容器101から排出された薬剤を分配する。本実施形態の薬剤分包装置1においては、分配部83が複数(具体的には、2つ)設けられており、各分配部83に対して薬剤排出部31が2つずつ設けられる。それぞれの分配部83は、分配皿86と、送り部87と、を備える。分配皿86は、鉛直方向の軸を中心として回転可能に構成されている。薬剤排出部31は、回転する分配皿86上に薬剤を排出する。送り部87は、分配皿86に排出された薬剤を所定の量ずつ下方へ落下させる。
【0064】
包装部84は、分配部83によって分配された薬剤を、包装材90によって包装する。包装部84は、ホッパ91と、ヒータ92と、を備える。包装部84は、分配部83から分配された薬剤を、ホッパ91を通じて包装材90に落下させつつ、ヒータ92により包装材90を熱で溶着する動作を繰り返す。これにより、所定量ずつ供給された薬剤が区分され、包装材90にそれぞれ封入される。薬剤が入れられた包装材90は、薬剤分包装置1の外部又は内部の貯留部へ送り出される。
【0065】
薬剤分包装置1において、量り取りを行う部分と、分包を行う部分と、の境界には、排出待機部95が設けられている。排出待機部95には、薬剤を収容する搬送容器101を必要に応じて置いて待機させることができる。
【0066】
清掃部36は、搬送容器101の清掃を行うことができる。清掃部36は、搬送部12の搬送経路上に配置されている。詳細には、清掃部36は、薬剤排出部31と保管部11との間に配置されている。清掃部36は、薬剤排出部31で薬剤を排出した搬送容器101が薬剤排出部31から保管部11に搬送される途中で清掃を行う。
【0067】
薬剤分包装置1において、清掃部36の近傍には、清掃待機部98が設けられている。清掃待機部98には、清掃される前の搬送容器101を必要に応じて置いて待機させることができる。
【0068】
排出待機部95及び清掃待機部98は、例えば、容器を載せることが可能な板状の部材として構成することができるが、これに限定されない。
【0069】
ここで、清掃部36について詳細に説明する。
【0070】
清掃部36は、第1清掃部36Aと、第2清掃部36Bと、を備えている。清掃部36は、搬送容器101の清掃を第1清掃部36Aと第2清掃部36Bとで順番に行う。本実施形態では、第1清掃部36Aで清掃が行われた後、第2清掃部36Bで清掃が行われる。しかし、第2清掃部36Bでの清掃が先に行われてもよい。
【0071】
第1清掃部36Aは、搬送容器101における収容部112及び排出経路部113の清掃を行う。清掃は、例えば、収容部112及び排出経路部113のそれぞれの内壁面に圧縮空気を吹き付けること、及び、吸引を行うことで行われる。これにより、収容部112及び排出経路部113に残留した薬剤が除去される。なお、他の手段で清掃が行われてもよい。
【0072】
第2清掃部36Bは、搬送容器101の開閉部材114、詳細にはゲート部131の清掃を行う。清掃は、例えば、本実施形態のようにゲート部131にブラシを接触させ、吸引を行うことで行われる。これにより、ゲート部131に付着している薬剤が除去される。なお、他の手段で清掃が行われてもよい。
【0073】
第1清掃部36Aにおいて圧縮空気を吹き付けるだけでは、ゲート部131の第1面136及び第2面137に付着している薬剤が十分にはがれないために除去できないことも多い。そこで、薬剤分包装置1には、第1清掃部36Aとは別に、ゲート部131を清掃するための第2清掃部36Bが設けられている。
【0074】
図10に示すように、第2清掃部36Bは、第1ブラシ部211と、第2ブラシ部212と、第2駆動部213と、吸引部214と、を有する。
【0075】
以下では、第2清掃部36Bの構成を説明するにあたって、当該第2清掃部36Bによって清掃される位置に搬送容器101が置かれた場合に収容部112が位置する側を前と呼び、排出経路部113が位置する側を後と呼ぶことがある。
【0076】
図10及び
図11には示されていないが、第2清掃部36Bは、操作レバーを備える。操作レバーは、清掃位置に搬送容器101がセットされた状態で、図略のモータによって駆動されて、
図11の被接触部133を押すことができる。操作レバーの機能は、
図7に示す容器設置部61の操作アーム73と実質的に同じであるので、説明を省略する。ただし、第2清掃部36Bの操作レバーは、上記の操作アーム73と比較して、大きなストロークで被接触部133を押すことができる。
【0077】
制御部40は、上記の操作レバーによって被接触部133を押す。これにより、閉鎖状態となっていた開閉部材114のゲート部131は、回転軸142を中心として略90°上方へ回転して、退避状態になる。この退避状態では、ゲート部131は、
図10に示すようにほぼ水平な姿勢となって、排出経路部113から上方に抜けた状態となっている。
【0078】
第1ブラシ部211及び第2ブラシ部212は、上下方向において小さな所定間隔をあけて対向するように配置されている。第1ブラシ部211と第2ブラシ部212との隙間には、退避状態になっているゲート部131を差し込むことができる。
【0079】
第1ブラシ部211は、
図11に示すように、第1ブラシカバー221と、第1ブラシ毛群222と、を有する。
【0080】
第1ブラシカバー221は、平面視で細長い矩形状を有し、下方を開放させた箱状に形成されている。第1ブラシカバー221は、長手方向が前後方向に沿うように配置されている。
【0081】
第1ブラシ毛群222は、第1ブラシカバー221の底部から開放側(下側)へ突出するように設けられている。第1ブラシ毛群222の先端は、第1ブラシ部211と第2ブラシ部212との間の空間225に位置している。
【0082】
第2ブラシ部212は、第1ブラシ部211の下方に配置されている。第2ブラシ部212は、
図11に示すように、第2ブラシカバー227と、第2ブラシ毛群228と、を有する。
【0083】
第2ブラシカバー227は、平面視で細長い矩形状を有し、上方を開放させた箱状に形成されている。第2ブラシカバー227は、長手方向が前後方向に沿うように配置されている。
【0084】
第2ブラシカバー227の長手方向での長さは、第1ブラシカバー221の長手方向での長さよりも短くなっている。これにより、開閉部材114のゲート部131を第2ブラシ部212によって清掃するときに、第2ブラシカバー227が支持部132等と干渉しないようにすることができる。
【0085】
第2ブラシ毛群228は、第2ブラシカバーの底部から開放側(上側)へ突出するように設けられている。第2ブラシ毛群228の先端は、第1ブラシ部211と第2ブラシ部212との間の空間225に位置している。
【0086】
第1ブラシ毛群222のブラシ毛と第2ブラシ毛群228のブラシ毛は、上下方向で互いに対応しないように配置されている。また、第1ブラシ毛群222のブラシ毛と第2ブラシ毛群228のブラシ毛は、ブラシ毛の長手方向である上下方向で互いにオーバーラップする部分を有する。従って、ゲート部131が第1ブラシ部211と第2ブラシ部212との間に差し込まれると、第1ブラシ毛群222及び第2ブラシ毛群228が、それぞれ、曲がりながらゲート部131の第1面136及び第2面137に強く接触した状態になる。
【0087】
第2駆動部213は、第1ブラシ部211及び第2ブラシ部212をスライド移動させることができる。第2駆動部213は、制御部40によって制御される。
【0088】
第2駆動部213は、
図10に示すように、モータ231と、駆動機構232と、を有する。モータ231は、第1ブラシ部211及び第2ブラシ部212を移動させる駆動源として機能する。駆動機構232は、モータ231の駆動力を第1ブラシ部211及び第2ブラシ部212に伝達する。
【0089】
駆動機構232は、ピニオン235と、ラック236と、キャリッジ237と、を備える。ピニオン235は、モータ231の出力軸に固定される。ラック236は、ピニオン235に噛み合っている。キャリッジ237は、細長い部材であり、案内レール239によって直線移動可能に構成されている。ラック236は、キャリッジ237に固定されている。
【0090】
第1ブラシ部211及び第2ブラシ部212は、キャリッジ237に固定されている。これにより、第2駆動部213は、第1ブラシ部211及び第2ブラシ部212を適宜のストロークで往復動させることができる。
【0091】
吸引部214は、第1ブラシ部211及び第2ブラシ部212に対して吸引を行う。吸引部214は、図略の吸引源と、この吸引源と第1ブラシ部211及び第2ブラシ部212との間に設けられた吸引ホース241と、を備える。これにより、第1ブラシ部211及び第2ブラシ部212がゲート部131から掻き取った薬剤が吸い出されて除去される。
【0092】
このような構成において、前述のとおり、搬送容器101が薬剤排出部31から保管部11に搬送される途中、清掃部36で搬送容器101の清掃が行われる。清掃部36では先ず、搬送容器101が第1清掃部36Aに搬送される。第1清掃部36Aでは、搬送容器101の収容部112及び排出経路部113が清掃される。次に、搬送容器101は第2清掃部36Bに搬送される。第2清掃部36Bでは、搬送容器101における開閉部材114(ゲート部131)が清掃される。
【0093】
第2清掃部36Bでは、搬送容器101が所定の清掃位置に設置されると、搬送容器101の開閉部材114が閉鎖状態から退避状態に変更させられる。この状態で、第1ブラシ部211と第2ブラシ部212とが、
図10に示す所定の待機位置から移動し、左右方向に往復動する。この往復動の過程で、第1ブラシ部211がゲート部131の上方を通過し、第2ブラシ部212がゲート部131の下方を通過する。このとき、第1ブラシ毛群222及び第2ブラシ毛群228がゲート部131の厚み方向両側から接触し、薬剤がゲート部131から掻き取られる。この結果、第1面136及び第2面137の清掃が同時に行われる。ゲート部131からはがれた薬剤は、吸引部214により除去される。
【0094】
第1ブラシ部211及び第2ブラシ部212は、上記の往復動を1又は複数回行った後、待機位置に戻る。第2清掃部36Bによる清掃が完了すると、上述の操作レバーが被接触部133を押している状態が解除される。この結果、搬送容器101の開閉部材114が、退避状態から閉鎖状態に戻される。搬送容器101は、清掃部36から清掃待機部98へ戻され、その後に第1搬送部12Aによって保管部11に搬送される。
【0095】
制御部40は、調剤データに基づいて、薬剤分包装置1の各部(具体的には、薬剤排出部31及び清掃部36等)を制御することができる。
【0096】
詳細に説明すると、制御部40は、公知のコンピュータとして構成されている。制御部40は、CPU等の演算装置と、フラッシュメモリ又はハードディスク等の記憶装置と、外部と通信するための入出力部と、を備える。記憶装置には、各種のプログラムや設定値が記憶されている。演算装置は、各種プログラム等を記憶装置から読み出し、薬剤分包装置1の各部に設けられたセンサの検出値及び記憶装置に記憶された各種の設定値等に基づいて、薬剤分包装置1の各部の動作を制御する。
【0097】
例えば、制御部40は、薬剤排出部31における第2検出部65の検出結果に基づいて搬送容器101が容器設置部61に設置されたと判断した場合、その判断タイミングから所定時間が経過したときに、薬剤排出部31において、容器設置部61の操作アーム73を作動させ、搬送容器101の開閉部材114を閉鎖状態から開放状態に切り換える。その後、制御部40は、振動装置62を作動させ、当該振動装置62より振動を発生させて、搬送容器101を振動させる。
【0098】
以上に説明したように、本実施形態の薬剤分包装置1は、搬送容器101を用いる。搬送容器101は、収容部112と、排出経路部113と、開閉部材114と、を有する。収容部112は、薬剤を収容する。排出経路部113は、収容部112に接続する。開閉部材114は、収容部112と排出経路部113との接続部分である境界部125を開閉可能である。薬剤分包装置1は、容器設置部61と、振動装置62と、操作アーム73と、を備える。容器設置部61には、搬送容器101を設置可能である。振動装置62は、容器設置部61に設置された搬送容器101に振動を加えて、収容部112内の薬剤を排出経路部113を通じて排出させる。操作アーム73は、搬送容器101の開閉部材114を、境界部125を閉じた閉鎖状態から、境界部125を開いた開放状態に変更する。
【0099】
これにより、薬剤が排出されるまでの間は開閉部材114を閉鎖状態として、薬剤を搬送容器101の収容部112に確実に保つことができる。また、搬送容器101が容器設置部61に設置された場合に、開閉部材114を開放状態として、境界部125において、開閉部材114により薬剤の高さを揃えつつ(薬剤の量を調整しつつ)、薬剤を収容部112から排出経路部113に送り出し、その後に排出経路部113から排出することができる。従って、薬剤を搬送容器101から安定して排出することができる。
【0100】
本実施形態の薬剤分包装置1において、開閉部材114は被接触部133を備える。操作アーム73は、被接触部133を押すように設けられる。開閉部材114は、被接触部133が押されることにより、閉鎖状態から開放状態に移動する。
【0101】
これにより、簡単な構成で、搬送容器101の開閉部材114を閉鎖状態から開放状態に変更することができる。
【0102】
本実施形態の薬剤分包装置1において、操作アーム73は、弾性部材により形成されている。
【0103】
これにより、容器設置部61に設置された搬送容器101に振動装置62により振動が加えられたとき、被接触部133のバタつきを抑制することができる。その結果、境界部125付近において、バタつきにより開閉部材114が薬剤を搬送容器101外へ飛散させることを防止することができる。
【0104】
本実施形態の薬剤分包装置1に用いられる搬送容器101において、開閉部材114は、排出経路部113の内部空間を移動する。開閉部材114は、前記移動により境界部125を開閉する。
【0105】
これにより、簡単な構成で、開閉部材114を搬送容器101に備えることができる。
【0106】
本実施形態の搬送容器101において、境界部125には、収容部112の内壁面に比べて排出経路部113の内壁面が外側に位置するように段差面148が形成される。前記閉鎖状態において、開閉部材114は段差面148に接触する。
【0107】
これにより、開閉部材114を段差面148にぴたりと接触させ易くなる。従って、開閉部材114と境界部125との間に薬剤が通過可能な隙間が生じることを抑制することができ、境界部125をしっかりと閉じることができる。
【0108】
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0109】
搬送容器101が容器設置部61に設置されると略同時に、操作機構70により搬送容器101の開閉部材114を閉鎖状態から開放状態に変更させてもよい。搬送容器101が容器設置部61に設置された場合に、開閉部材114を閉鎖状態から開放状態に変更するタイミングは任意に設定可能である。
【0110】
操作機構70の駆動源は、クランプ機構77の駆動源と別に設けられても良い。
【0111】
容器設置部61と操作アーム73と連動させる連動機構を設けるように変更することもできる。この場合、例えば、容器設置部61に搬送容器101が設置される動作に連動して操作アーム73が動き、当該搬送容器101の開閉部材114を開放状態に変更するように構成することができる。これにより、第1駆動部71を省略することができる。
【0112】
上記の実施形態では、緩衝部材81を、操作アーム73と被接触部133との接触部分に関し、操作アーム73側に設けているが、被接触部133側に設けてもよいし、これらの両方に設けてもよい。
【0113】
上記の実施形態では、操作アーム73は緩衝部材81を介して間接的に被接触部133に接触している。この緩衝部材81を省略して、操作アーム73が被接触部133に直接接触して押す構成に変更することもできる。
【0114】
段差部146(段差面148)は、開閉部材114(ゲート部131)に適切に対応するものであればよく、その形状は任意に変更可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 薬剤分包装置(薬剤排出装置)
61 容器設置部
62 振動装置(振動部)
73 操作アーム(操作部)
101 搬送容器(容器)
112 収容部
113 排出経路部
114 開閉部材(開閉部)
125 境界部(収容部と排出経路部との接続部分)
133 被接触部
148 段差面