(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166431
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】周波数特性補正フィルタ、周波数特性補正フィルタ装置、電子楽器、および周波数特性補正フィルタの製造方法
(51)【国際特許分類】
G10H 1/12 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
G10H1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080529
(22)【出願日】2023-05-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.令和4年7月16日、名取裕太(長野県上伊那郡辰野町大字辰野1632-1)が、本願発明に係る周波数特性補正フィルタ装置の効果を検証するために、本願発明に係る周波数特性補正フィルタ装置の試作品を音楽関係者であるichiro氏に提供した。なお、提供を受けたichiro氏は、自身のSNSで、この周波数特性補正フィルタ装置を使用したことについて投稿している。 2.令和4年7月25日、名取裕太(長野県上伊那郡辰野町大字辰野1632-1)が、本願発明に係る周波数特性補正フィルタ装置の効果を検証するために、本願発明に係る周波数特性補正フィルタ装置の試作品を音楽関係者であるUMA sound works氏に提供した。なお、提供を受けたUMA sound works氏は、自身のSNSで、この周波数特性補正フィルタ装置を使用したことについて投稿している。 3.令和4年10月21日、名取裕太(長野県上伊那郡辰野町大字辰野1632-1)が、本願発明に係る周波数特性補正フィルタ装置の効果を検証するために、本願発明に係る周波数特性補正フィルタ装置の改良試作品を音楽関係者である石橋良市氏に提供した。なお、提供を受けた石橋良市氏は、自身のSNSで、この周波数特性補正フィルタ装置を使用したことについて投稿している。 4.令和4年10月7日、名取裕太(長野県上伊那郡辰野町大字辰野1632-1)が、自身のSNSで、本願発明に係る周波数特性補正フィルタ装置の販売開始を告知し、令和4年10月8日より当該周波数特性補正フィルタ装置の販売を開始した。 5.令和4年12月1日から、名取裕太(長野県上伊那郡辰野町大字辰野1632-1)が、宮地楽器神田店(東京都千代田区神田小川町1-4 神田 宮地アネックスビル)に対し、本願発明に係る周波数特性補正フィルタ装置についてサンプル品を見せて営業説明を開始した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 6.令和5年1月20日から、名取裕太(長野県上伊那郡辰野町大字辰野1632-1)が、クロサワ楽器池袋店(東京都豊島区南池袋1丁目25-11 第15野萩ビルB1)に対し、本願発明に係る周波数特性補正フィルタ装置について営業説明を開始し、その後受注し、同店舗に当該周波数特性補正フィルタ装置を卸した。なお、クロサワ楽器池袋店は、令和5年3月初旬頃から当該周波数特性補正フィルタ装置の販売を開始している。 7.令和5年1月20日から、名取裕太(長野県上伊那郡辰野町大字辰野1632-1)が、クロサワ楽器福岡ミーナ天神店(福岡県福岡市中央区天神4丁目3-8ミーナ天神8F)に対し、本願発明に係る周波数特性補正フィルタ装置について営業説明を開始し、その後受注し、同店舗に当該周波数特性補正フィルタ装置を卸した。なお、クロサワ楽器福岡ミーナ天神店は、令和5年4月28日から当該周波数特性補正フィルタ装置の販売を開始している。 8.令和5年2月15日から、名取裕太(長野県上伊那郡辰野町大字辰野1632-1)が、TANO GUITARS&LAB(大阪府大阪市中央区道修町4-7-12三星ビル4F)に対し、本願発明に係る周波数特性補正フィルタ装置について営業説明を開始し、その後受注し、同店舗に当該周波数特性補正フィルタ装置を卸した。なお、TANO GUITARS&LABは、令和5年4月20日から当該周波数特性補正フィルタ装置の販売を開始している。 9.令和5年1月14日から、名取裕太(長野県上伊那郡辰野町大字辰野1632-1)が、辰野町役場まちづくり政策課ふるさと納税係(長野県上伊那郡辰野町中央1番地)に対し、本願発明に係る周波数特性補正フィルタ装置について営業説明を開始し、その後ふるさと納税の返礼品として採用され、同役場に当該周波数特性補正フィルタ装置を卸した。なお、辰野町役場まちづくり政策課ふるさと納税係は、令和5年4月1日から同役場の管理するウェブサイトで、名取裕太が発明した周波数特性補正フィルタ装置を返礼品として開示し、ふるさと納税の募集を開始している。
(71)【出願人】
【識別番号】523122713
【氏名又は名称】名取 裕太
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(72)【発明者】
【氏名】名取 裕太
【テーマコード(参考)】
5D478
【Fターム(参考)】
5D478DB11
(57)【要約】
【課題】1950~1960年代のヴィンテージサウンドとよばれる音質の特徴により近づけられるよう周波数特性を補正可能な周波数特性補正フィルタを提供する。
【解決手段】周波数特性補正フィルタ2は、入力された音信号の周波数特性を補正して出力する周波数特性補正フィルタであって、それぞれ材質が異なる複数の導電体11が誘電体を介さずに整列し、複数の導電体11の両端部分が互いに半田接合されている本体部10と、本体部10の両端部分にそれぞれ半田接合された導電性を有する素材からなる入出力部材を有し、音信号を入力するまたは補正した音信号を出力するための入力部20および出力部30と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された音信号の周波数特性を補正して出力する周波数特性補正フィルタであって、
それぞれ材質が異なる複数の導電体が誘電体を介さずに整列し、当該複数の導電体の両端部分が互いに半田接合されている本体部と、
前記本体部の前記両端部分にそれぞれ半田接合された導電性を有する素材からなる入出力部材を有し、前記音信号を入力するまたは前記補正した音信号を出力するための入力部および出力部と、
を備える、ことを特徴とする周波数特性補正フィルタ。
【請求項2】
前記本体部は、前記導電体として、互いの平面同士を密着させて重なり合わせた複数の金属板を有する請求項1記載の周波数特性補正フィルタ。
【請求項3】
前記入力部および前記出力部は、前記入出力部材として、直径0.3mm以上の単線を撚り合わせた撚線を有する、請求項1記載の周波数特性補正フィルタ。
【請求項4】
絶縁性を有し、前記本体部を覆う絶縁部をさらに備える、請求項1記載の周波数特性補正フィルタ。
【請求項5】
前記絶縁部は、ブローンアスファルトを含み形成されている、請求項4記載の周波数特性補正フィルタ。
【請求項6】
入力された音信号の周波数特性を補正して出力する周波数特性補正フィルタ装置であって、
前記音信号を入力するための入力端子と、
前記補正後の音信号を出力するための出力端子と、
前記入力端子と前記出力端子との間に配置されて電気的に接続された周波数特性補正フィルタと、
前記入力端子および前記出力端子の一部を露出させるようにして、前記周波数特性補正フィルタを囲う金属製の筐体と、
を備え、
前記周波数特性補正フィルタとして、請求項1~5のいずれか一項に記載の周波数特性補正フィルタが用いられている、ことを特徴とする周波数特性補正フィルタ装置。
【請求項7】
音源を発生させる音源部と、
前記音源部が発生させた音源を検出し電気的な音信号に変換する変換部と、
前記変換部と電気的に接続し、当該変換部が変換した音信号の周波数特性を補正して出力する周波数特性補正フィルタと、
前記周波数特性補正フィルタと電気的に接続し、当該周波数特性補正フィルタが補正した音信号を出力する出力端子と、
を備え、
前記周波数特性補正フィルタとして、請求項1~5のいずれか一項に記載の周波数特性補正フィルタが用いられている、ことを特徴とする電子楽器。
【請求項8】
入力された音信号を所望の周波数特性に補正して出力する周波数特性補正フィルタの製造方法であって、
前記所望の周波数特性に対応させ、それぞれ材質が異なる複数の導電体を選定し、誘電体を介さずに当該選定した複数の導電体を整列配置する導電体配置工程と、
前記導電体配置工程で配置した前記複数の導電体の一方の端部分同士および他方の端部分同士を半田接合し、本体部を形成する本体部形成工程と、
前記本体部形成工程で形成した前記本体部の前記一方の端部分同士および前記他方の端部分同士それぞれに導電性を有する素材からなる入出力部材を半田接合し、前記音信号を入力するまたは前記補正した音信号を出力するための入力部および出力部を形成する入出力部形成工程と、
前記入出力部形成工程で形成した前記入力部および前記出力部の先端部分を露出させてその他の部位を絶縁材で覆う絶縁部形成工程と、
を含む、ことを特徴とする周波数特性補正フィルタの製造方法。
【請求項9】
前記導電体配置工程では、前記導電体としての金属板を重ね合わせて密着させる、請求項8記載の周波数特性補正フィルタの製造方法。
【請求項10】
前記本体部形成工程では、前記所望の周波数特性に対応させ、はんだ材に融解させた金属を追加するとともに前記融解させた金属を追加したはんだ材の量を調整して半田接合する、請求項8記載の周波数特性補正フィルタの製造方法。
【請求項11】
前記入出力部形成工程では、前記入出力部材として、所望の周波数特性に対応させて、直径0.3mm以上の単線を本数調整して撚り合わせた撚線を用いる、請求項8記載の周波数特性補正フィルタの製造方法。
【請求項12】
前記絶縁部形成工程では、前記絶縁材としてブローンアスファルトを用いる、請求項8載の周波数特性補正フィルタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数特性補正フィルタ、周波数特性補正フィルタ装置、電子楽器、および周波数特性補正フィルタの製造方法に関し、更に詳しくは、入力された音信号の周波数特性を所望の周波数特性となるよう補正して出力する周波数特性補正フィルタ、その周波数特性補正フィルタが搭載された周波数特性補正フィルタ装置および電子楽器、並びに、その周波数特性補正フィルタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子楽器による演奏分野では、演奏者が所望の周波数特性を有する音質を求め、電子楽器から発生させた音信号を、周波数特性を補正することが可能な素子または装置を通すことで音質を変化させて出力することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されているようなディストーションと呼ばれる音信号を歪ませるためのエフェクタ装置や、特許文献2に記載されているような所定の周波数をフィルタすることが可能なコンデンサ素子を用いて、音質を変化させることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-160102号公報
【特許文献2】特開2021-092735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、演奏者が求める音質は多様であり、従来の素子や装置を用いても、いまだに再現が難しい音質がある。特に1950~1960年代のヴィンテージサウンドとよばれる音質は、その音質を望む演奏者が多いものの、特徴を再現するのが困難である。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて、1950~1960年代のヴィンテージサウンドとよばれる音質の特徴により近づけられるよう周波数特性を補正可能な周波数特性補正フィルタを提供することを主目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]上記課題を解決すべく、本発明に係る周波数特性補正フィルタは、入力された音信号の周波数特性を補正して出力する周波数特性補正フィルタであって、それぞれ材質が異なる複数の導電体が誘電体を介さずに整列し、複数の導電体の両端部分が互いに半田接合されている本体部と、本体部の両端部分にそれぞれ半田接合された導電性を有する素材からなる入出力部材を有し、音信号を入力するまたは補正した音信号を出力するための入力部および出力部と、を備える、ことを特徴とする。
【0008】
[2]本発明に係る周波数特性補正フィルタにおいては、本体部は、導電体として、互いの平面同士を密着させて重なり合わせた複数の金属板を有する、ことが好ましい。
【0009】
[3]本発明に係る周波数特性補正フィルタにおいては、入力部および出力部は、入出力部材として、直径0.3mm以上の単線を撚り合わせた撚線を有する、ことが好ましい。
【0010】
[4]本発明に係る周波数特性補正フィルタにおいては、絶縁性を有し、本体部を覆う絶縁部をさらに備える、ことが好ましい。
【0011】
[5]本発明に係る周波数特性補正フィルタにおいては、絶縁部は、ブローンアスファルトを含み形成されている、ことが好ましい。
【0012】
[6]本発明に係る周波数特性補正フィルタ装置は、入力された音信号の周波数特性を補正して出力する周波数特性補正フィルタ装置であって、音信号を入力するための入力端子と、補正後の音信号を出力するための出力端子と、入力端子と出力端子との間に配置されて電気的に接続された周波数特性補正フィルタと、入力端子および出力端子の一部を露出させるようにして、周波数特性補正フィルタを囲う金属製の筐体と、を備え、周波数特性補正フィルタとして、上記の周波数特性補正フィルタが用いられている、ことを特徴とする。
【0013】
[7]本発明に係る電子楽器は、音源を発生させる音源部と、音源部が発生させた音源を検出し電気的な音信号に変換する変換部と、変換部と電気的に接続し、変換部が変換した音信号の周波数特性を補正して出力する周波数特性補正フィルタと、周波数特性補正フィルタと電気的に接続し、周波数特性補正フィルタが補正した音信号を出力する出力端子と、を備え、周波数特性補正フィルタとして、上記の周波数特性補正フィルタが用いられている、ことを特徴とする。
【0014】
[8]本発明に係る周波数特性補正フィルタの製造方法は、入力された音信号を所望の周波数特性に補正して出力する周波数特性補正フィルタの製造方法であって、所望の周波数特性に対応させ、それぞれ材質が異なる複数の導電体を選定し、誘電体を介さずに選定した複数の導電体を整列配置する導電体配置工程と、導電体配置工程で配置した複数の導電体の一方の端部分同士および他方の端部分同士を半田接合し、本体部を形成する本体部形成工程と、本体部形成工程で形成した本体部の一方の端部分同士および他方の端部分同士それぞれに導電性を有する素材からなる入出力部材を半田接合し、音信号を入力するまたは補正した音信号を出力するための入力部および出力部を形成する入出力部形成工程と、入出力部形成工程で形成した入力部および出力部の先端部分を露出させてその他の部位を絶縁材で覆う絶縁部形成工程と、を含む、ことを特徴とする。
【0015】
[9]本発明に係る周波数特性補正フィルタの製造方法においては、導電体配置工程では、導電体としての金属板を重ね合わせて密着させる、ことが好ましい。
【0016】
[10]本発明に係る周波数特性補正フィルタの製造方法においては、本体部形成工程では、所望の周波数特性に対応させ、はんだ材に融解させた金属を追加するとともに融解させた金属を追加したはんだ材の量を調整して半田接合する、ことが好ましい。
【0017】
[11]本発明に係る周波数特性補正フィルタの製造方法においては、入出力部形成工程では、入出力部材として、所望の周波数特性に対応させて、直径0.3mm以上の単線を本数調整して撚り合わせた撚線を用いる、ことが好ましい。
【0018】
[12]本発明に係る周波数特性補正フィルタの製造方法においては、絶縁部形成工程では、絶縁材としてブローンアスファルトを用いる、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、1950~1960年代のヴィンテージサウンドとよばれる音質の特徴により近づけられるよう周波数特性を補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態1の周波数特性補正フィルタ装置の構成を示す模式図である。
【
図2】実施形態1の周波数特性補正フィルタ装置の断面構造を示す模式図である。
【
図3】実施形態1の周波数特性補正フィルタ装置の製造工程を示すフローチャートである。
【
図4】実施形態2の楽器の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した一実施形態について説明する。なお、各図面は必ずしも実際の全ての構成を厳密に反映したものではなく、寸法を厳密に示したものでもない。
【0022】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の周波数特性補正フィルタ装置1の構成を示す模式図である。
図2は、実施形態1の周波数特性補正フィルタ装置1の断面構造を示す模式図である。まず、
図1および
図2を参照しながら、本発明の一実施形態である実施形態1の周波数特性補正フィルタ装置1について、説明する。
【0023】
周波数特性補正フィルタ装置1は、入力された音信号の周波数特性を補正して出力するための装置であり、より具体的には、1950~1960年代のヴィンテージサウンドとよばれる音質に補正して出力することを目的とした、いわゆるエフェクタ装置である。周波数特性補正フィルタ装置1は、一例として
図1に示されるように、エレキギターといった電子楽器Gと電子楽器Gが出力する音信号を増幅させるアンプAMPとの間にケーブルを介して接続されることで、電子楽器Gが出力する音信号をいわゆるヴィンテージサウンドに近づけるように周波数特性を補正し、アンプAMPに向けて出力する。周波数特性補正フィルタ装置1は、入力された音信号の周波数特性を主に補正するための周波数特性補正フィルタ2と、音信号を入力するための入力端子3と、補正した音信号を出力するための出力端子4と、周波数特性補正フィルタ2を格納する筐体5とを備えている。周波数特性補正フィルタ装置1において、周波数特性補正フィルタ2は、入力端子3と出力端子4との間に配置されて電気的に接続されている。なお、上記では、周波数特性補正フィルタ2について「周波数特性を主に補正するため」と説明しているが、これは周波数特性補正フィルタ2と入力端子3または出力端子4との接続箇所においても周波数特性の補正具合を微調整することができるためである。また、入力端子3および出力端子4については、使用時に接続された際の入力側または出力側の端子を意味し、周波数特性補正フィルタ装置1は、入出力方向を特定せずに双方向に音信号を通すことができる。
【0024】
周波数特性補正フィルタ2は、入力された音信号の周波数特性を補正して出力する周波数特性補正フィルタである。周波数特性補正フィルタ2は、
図2に示されるように、入力された音信号の周波数特性を主に補正する本体部10と、音信号を入力するための入力部20と、補正した音信号を出力するための出力部30と、絶縁性を有し、本体部10を覆う絶縁部40とを備えている。周波数特性補正フィルタ2において、本体部10は、入力部20と出力部30との間に配置されて電気的に接続されている。上記では、本体部10について「周波数特性を主に補正するため」と説明しているが、これは入力部20および出力部30、並びに、本体部10と入力部20または出力部30との接続箇所においても周波数特性の補正具合を微調整することができるためである。また、入力部20および出力部30については、使用時に接続された際の入力側または出力側の端子を意味し、周波数特性補正フィルタ2は、入出力方向を特定せずに双方向に音信号を通すことができる。
【0025】
本体部10は、それぞれ材質が異なる複数の導電体が誘電体を介さずに整列し、複数の導電体11の両端部分がはんだ材12により互いに半田接合されている。具体的には、本体部10は、導電体11として、それぞれ材質が異なる複数(コスト等を考慮し、好ましくは2~4枚程度)の矩形形状の金属板(11a,11b,…)が間に誘電体を挟むことなく互いの平面同士を密着させて重なり合わせた積層構造を有している。本体部10は、各層を構成する金属板(11a,11b,…)が鉄、銀、銅、リン青銅、真鍮、錫、亜鉛、鉛、アルミ、これらの合金、等の導電性を有する素材の板材の中から、中高域の倍音を出したい、高域を下げたい、中低域のレベルを変更したい等の所望の周波数特性に補正された音質(以下、「所望の周波数特性」と記載する。)に対応させて適宜選択されている。金属板については所望の周波数特性や通される音信号のレベル等により、サイズ設定および両端部分の方向づけが適宜されていればよいが、実施形態1のエレキギター用の周波数特性補正フィルタ2の各金属板11は、短辺が約10mm、長辺が約50mmの長方形形状の平面を有し、各板材の厚みが0.2mm~3.0mm、好ましくは0.5mm~2.0mmにサイズ設定されており、短辺を含む部分を端部分としてはんだ材12により互いに半田接合されている。なお、本体部10は、金属板11同士を半田接合するためのはんだ材の種類および量によって所望の周波数特性に対応させて周波数特性の補正具合の微調整がなされている。
【0026】
入力部20および出力部30は、導電性を有する素材からなる入出力部材を有し、本体部10の金属板11同士を半田接合している両端部分にそれぞれ半田接合されている。入力部20および出力部30は、音信号を入力するまたは補正した音信号を出力するために用いられる。具体的には、入力部20および出力部30は、直径0.3mm以上、好ましくは直径0.4mm~1.2mmの単線を数本撚り合わせた撚線が入出力部材として用いられている。入力部20および出力部30は、所望の周波数特性に対応させて、撚線を構成する単線が銀線、鉄、銅、亜鉛、リン青銅、アルミ、これらの合金、等の導電性を有する素材の線材の中から適宜選択され、また使用する単線の本数も適宜選択されている。
【0027】
絶縁部40は、本体部10の全体、並びに入力部20および出力部30の本体部10側の一部を覆う絶縁材を有している。絶縁部40は、絶縁材として、本体部10の全体、並びに入力部20および出力部30の本体部10側の一部を覆うブローンアスファルト41、およびブローンアスファルト41表面に巻かれたビニールテープ42を用いて形成されている。
【0028】
入力端子3は、一例としてコネクタプラグであり、音信号を入力するために、ケーブルジャックを挿抜可能に接続するためのコネクタ端子である。
【0029】
出力端子4は、一例としてコネクタプラグであり、補正後の音信号を出力するために、ケーブルジャックを挿抜可能に接続するためのコネクタ端子である。
【0030】
筐体5は、ケーブルジャックを接続することができるように入力端子3および出力端子4の一部を露出させるようにして、周波数特性補正フィルタ2を囲うケースである。筐体5は、金属製にすると金属材質を適宜選定し、サイズを適宜設定することで周波数特性の補正具合を微調整できるため、金属製のケースを採用することが好ましいが、樹脂製、木製等、その他の材質からなるケースを採用してもよい。
【0031】
このように構成された周波数特性補正フィルタ装置1を電子楽器GとアンプAMPとの間に接続することで、電子楽器Gが出力する音信号は、入力端子3から周波数特性補正フィルタ装置1に入力され、周波数特性補正フィルタ2の入力部20、本体部10、および出力部30を通り、いわゆるヴィンテージサウンドに近づけるように周波数特性が補正された音信号として、出力端子4からアンプAMPに向けて出力される。
【0032】
図3は、実施形態1の周波数特性補正フィルタ装置1の製造工程を示すフローチャートである。以下に、
図3を参照し、本発明を適用した周波数特性補正フィルタ装置1の製造方法について説明する。
【0033】
周波数特性補正フィルタ装置1は、
図3に示されるように、導電体配置工程ST1、本体部形成工程ST2、入出力部形成工程ST3、絶縁部形成工程ST4、を実行して入力された音信号を所望の周波数特性に補正して出力する周波数特性補正フィルタ2を製造し、製造された周波数特性補正フィルタ2をケーシングするケーシング工程ST5を実行することで製造される。
【0034】
導電体配置工程ST1では、所望の周波数特性に対応させ、それぞれ材質が異なる複数の導電体を選定し、誘電体を介さずに選定した複数の導電体11を整列配置する。一例として導電体配置工程ST1では、所望の周波数特性に対応させて選択された導電体11としての複数(コスト等を考慮し、好ましくは2~4枚程度)の金属板(11a,11b,…)を、間に誘電体を挟むことなく互いの平面同士を密着させて重ね合わせて配置する。金属板(11a,11b,…)については、鉄、銀、銅、リン青銅、真鍮、錫、亜鉛、鉛、アルミ、これらの合金、等の導電性を有する素材の板材の中から、所望の周波数特性に対応させて適宜選択すればよい。また、金属板(11a,11b,…)については、所望の周波数特性や通される音信号のレベル等により適宜サイズ設定をすればよいが、実施形態1の金属板(11a,11b,…)は、短辺が約10mm、長辺が約50mmの長方形形状の平面を有し、各板材の厚みが0.2mm~3.0mm、好ましくは0.5mm~2.0mmでサイズ設定されている。
【0035】
本体部形成工程ST2では、導電体配置工程ST1で配置した複数の導電体11の一方の端部分同士および他方の端部分同士を半田接合し、本体部10を形成する。一例として本体部形成工程ST2では、導電体配置工程ST1で重ね合わせた金属板(11a,11b,…)の短辺を含む部分を両端部分として、各金属板(11a,11b,…)のそれぞれの端部分同士をはんだ材12を用いて半田接合し、本体部10を形成する。本体部形成工程ST2では、金属板(11a,11b,…)同士を半田接合するためのはんだ材12の種類および量によって所望の周波数特性に対応させて周波数特性の補正具合の微調整を行う。一例として、本体部形成工程ST2では、所望の周波数特性に対応させ、市販のはんだ材に融解させた金属を追加したはんだ材12を用い、量を調整して半田接合し、周波数特性の補正具合の微調整を行う。
【0036】
入出力部形成工程ST3では、本体部形成工程ST2で形成した本体部10の一方の端部分同士および他方の端部分同士それぞれに導電性を有する素材からなる入出力部材を半田接合し、音信号を入力するまたは補正した音信号を出力するための入力部20および出力部30を形成する。一例として入出力部形成工程ST3では、入出力部材として、所望の周波数特性に対応させて、直径0.3mm以上、好ましくは直径0.4mm~1.2mmの単線を数本撚り合わせて撚線をつくり、その撚線の端部を本体部形成工程ST3で形成した本体部10の両端部分に半田接合し、入力部20および出力部30形成する。
【0037】
絶縁部形成工程ST4では、入出力部形成工程ST3で半田接合した入力部20および出力部30の先端部分を露出させてその他の部位を絶縁材で覆い、絶縁部40を形成する。一例として絶縁部形成工程ST4では、本体部10の全体、並びに入力部20および出力部30の本体部10側の一部を絶縁材としてのブローンアスファルト41で覆い、そのブローンアスファルト41の表面をさらにビニールテープ42で巻いて、絶縁部40を形成する。
【0038】
導電体配置工程ST1、本体部形成工程ST2、入出力部形成工程ST3、および絶縁部形成工程ST4を経て、周波数特性補正フィルタ2が製造される。
【0039】
ケーシング工程ST5では、まず、音信号を伝送するためのケーブルの両端に設けられているケーブルジャックに対応するコネクタプラグ(コネクタ端子)を入力端子3および出力端子4として準備するとともに、周波数特性補正フィルタ2を収容可能なサイズのケース部材である筐体5を準備する。筐体5は、金属製にすると金属材質を適宜選定し、サイズを適宜設定することで周波数特性の補正具合を微調整できるため、金属製のケースを採用することが好ましいが、樹脂製、木製等、その他の材質からなるケースを採用してもよい。次に、ケーシング工程ST5では、筐体5に取り付け用の穴や取り付け用の溝といった入力端子3および出力端子4を固定するための固定用部分が無い場合には、筐体5に入力端子3および出力端子4の固定用部分を形成する加工を行い、筐体5の固定用部分に入力端子3および出力端子4を固定する。次に、ケーシング工程ST5では、一部開口させた筐体5の内部に周波数特性補正フィルタ2を配置し、周波数特性補正フィルタ2の入力部20の先端を入力端子3に、および周波数特性補正フィルタ2の出力部30の先端を出力端子4に、直接半田接合またはケーブルを介して半田接合する。これにより、入力端子3と出力端子4とは、周波数特性補正フィルタ2を介して電気的に接続される。最後に、筐体5の開口に蓋をすることで、周波数特性補正フィルタ装置1が完成する。
【0040】
入力された音信号を1950~1960年代のヴィンテージサウンドとよばれる音質の特徴により近づけられるようにするには、中音域に広がりを持たせたい、高音域をつぶしたい、中高域の倍音感を増やしたいといった複数の周波数特性を補正したいとの要求事項に対応していかないと実現が難しい。そして、導電体は、材質により共振特性や導電性が異なることから、材質によって減衰・共振する周波数が異なってくる。つまり、各導電体が複数の要求事項の一つに対応すべく適宜減衰・共振させたい周波数を考慮して材質選択され、それが複数組み合わさることで、複数の要求事項に対応させることが可能になってくる。したがって、実施形態1の周波数特性補正フィルタ2によれば、それぞれ材質が異なる複数の導電体11が誘電体を介さずに整列した本体部10を備えているため、複数の要求事項に対応させて周波数特性を補正できることから、入力された音信号を1950~1960年代のヴィンテージサウンドとよばれる音質の特徴により近づけられるよう周波数特性を補正することができる。
【0041】
また、周波数特性補正フィルタ2によれば、本体部10は、導電体として、互いの平面同士を密着させて重なり合わせた複数の金属板(11a,11b,…)を有するため、まとまりよくコンパクトに構成することが出来る。
【0042】
また、周波数特性補正フィルタ2によれば、入力部20および出力部30は、直径0.3mm以上の単線を撚り合わせた撚線からなり、撚線の本数や材質でもわずかに周波数特性を補正することができるため、より入力された音信号を1950~1960年代のヴィンテージサウンドとよばれる音質の特徴により近づけられるよう周波数特性を補正することができる。
【0043】
また、周波数特性補正フィルタ2によれば、絶縁性を有し、本体部を覆う絶縁部40をさらに備えるため、外乱により周波数特性の補正を乱され難くすることができる。
【0044】
また、周波数特性補正フィルタ2によれば、絶縁部40がブローンアスファルト41を含み形成されており、ブローンアスファルト41が本体部10にしっかり密着することで本体部10の振動特性等が変わることで、わずかに周波数特性を補正することができるため、より入力された音信号を1950~1960年代のヴィンテージサウンドとよばれる音質の特徴により近づけられるよう周波数特性を補正することができる。
【0045】
また、実施形態1の周波数特性補正フィルタ装置1によれば、上記効果を奏する周波数特性補正フィルタ2を筐体5に内蔵し、電子楽器等から音信号を出力するためのケーブルを挿抜可能に接続する入力端子3および出力端子4を備えているため、入力された音信号を1950~1960年代のヴィンテージサウンドとよばれる音質の特徴に近づけることを可能とする周波数特性補正フィルタ2の効果を必要な際に容易に得ることができる。
【0046】
また、実施形態1の周波数特性補正フィルタの製造方法によれば、所望の周波数特性に対応させ、それぞれ材質が異なる複数の導電体を選定し、誘電体を介さずに選定した複数の導電体11を整列配置する導電体配置工程ST1と、複数の導電体11の端部分同士を半田接合し、本体部10を形成する本体部形成工程ST2と、本体部10の端部分それぞれに導電性を有する入出力部材を半田接合し、音信号を入力するまたは補正した音信号を出力するための入力部20および出力部30を形成する入出力部形成工程ST3と、入力部20および出力部30の先端部分を露出させてその他の部位を絶縁材で覆う絶縁部形成工程ST4と、を含むため、入力された音信号を1950~1960年代のヴィンテージサウンドとよばれる音質の特徴に近づけることが可能な周波数特性補正フィルタ2を製造することができる。
【0047】
また、実施形態1の周波数特性補正フィルタの製造方法においては、本体部形成工程ST2では、所望の周波数特性に対応させ、はんだ材に融解させた金属を追加するとともに融解させた金属を追加したはんだ材12の量を調整して半田接合する。このため、実施形態1の周波数特性補正フィルタの製造方法によれば、はんだ材の種類および量でもわずかに周波数特性を補正することができるため、より入力された音信号を1950~1960年代のヴィンテージサウンドとよばれる音質の特徴により近づけられるようにすることができる。
【0048】
(実施形態2)
図4は、実施形態2の電子楽器101の構成を示す模式図である。次に、
図4を参照しながら、本発明の一実施形態である実施形態2の電子楽器101を説明する。
【0049】
実施形態2の電子楽器101は、エレキギターであり、音源を発生させる音源部106としてのギター本体、音源部106が発生させた音源を検出し電気的な音信号に変換する変換部107としてのピックアップ装置、変換部107と電気的に接続し、変換部107が変換した音信号の周波数特性を補正して出力する周波数特性補正フィルタ102、および周波数特性補正フィルタ102と電気的に接続し、周波数特性補正フィルタ102が補正した音信号を出力する出力端子104としてのコネクタプラグを備えている。
【0050】
実施形態2の電子楽器101としてのエレキギターが備える周波数特性補正フィルタ102は、実施形態1の周波数特性補正フィルタ装置1の周波数特性補正フィルタ2と同様の構成を有している。実施形態2の電子楽器101としてのエレキギターにおいて、変換部107としてのピックアップ装置と出力端子104としてのコネクタプラグとの間に周波数特性補正フィルタ102が電気的に接続されている点以外については、従来のエレキギターと差異がなく、詳細な説明を省略する。
【0051】
実施形態2における電子楽器101によれば、実施形態1の周波数特性補正フィルタ装置1の周波数特性補正フィルタ2と同様の構成を有する周波数特性補正フィルタ102を備え、周波数特性補正フィルタ102が実施形態1と同様の効果を奏するため、1950~1960年代のヴィンテージサウンドとよばれる音質の特徴により近づけられるよう周波数特性を補正した音信号を出力端子104から出力することができる。
【0052】
(その他の実施形態)
以上、本発明を上記の実施形態に基づき説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0053】
(1)上記実施形態において記載した本体部を構成する導電体の形状・サイズ・数、入力部および出力部を構成する入出力部材の形態、および絶縁部を構成する絶縁体の使用種類・覆う範囲、等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
【0054】
(2)上記した実施形態においては、本体部は導電体として同様サイズの矩形形状の板材を複数枚、平面同士を密着させて積層構造で重ね合わせるものとして説明したが、誘電体を介さずに整列し両端部分が互いに半田接合されているものであれば本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本体部は次のような変形も可能である。
【0055】
図5は、本体部の変形例を示す模式図である。
図5(a)は、隙間を空けて丸棒形状の導電体を整列させて構成した本体部210の例を示す。
図5(b)は、サイズ違いの円柱形状または円筒形状の導電体を外周面または内周面を密着させて整列させて構成した本体部310の例を示す。
図5(c)は、サイズの異なる矩形形状の導電体を整列させて構成した本体部410の例を示す。
【0056】
図5(a)に示す本体部210は、導電体として、それぞれ材質が異なる複数の円柱形状の金属棒211a,211b,211cが空気層を挟んで整列している。本体部210は、各金属棒211a,211b,211cが鉄、銀、銅、リン青銅、真鍮、錫、亜鉛、鉛、アルミ、これらの合金、等の導電性を有する素材の棒材の中から、所望の周波数特性に対応させて適宜選択されている。本体部210は、金属棒211a,211b,211cの両端部分がはんだ材212により互いに半田接合されている。
【0057】
図5(b)に示す本体部310は、導電体として、それぞれ材質が異なる複数の円柱形状の金属棒311a,金属棒311aの外周面に内周面を密着させた円筒形状の金属棒311b,および金属パイプ311bの外周面に内周面を密着させた円筒形状の金属パイプ311cを備えている。本体部310は、金属棒311a、および金属パイプ311b,311cが鉄、銀、銅、リン青銅、真鍮、錫、亜鉛、鉛、アルミ、これらの合金、等の導電性を有する素材の棒材の中から、所望の周波数特性に対応させて適宜選択されている。本体部310は、金属棒311aおよび金属パイプ311b,311cの両端部分がはんだ材312により互いに半田接合されている。
【0058】
図5(c)に示す本体部410は、導電体として、それぞれ材質および幅が異なる複数の矩形形状の金属板411a,411b,411cが互いの平面同士を密着させて重なり合わせた積層構造を有している。本体部410は、各金属板411a,411b,411cが鉄、銀、銅、リン青銅、真鍮、錫、亜鉛、鉛、アルミ、これらの合金、等の導電性を有する素材の棒材の中から、所望の周波数特性に対応させて適宜選択されている。本体部410は、金属板411a,411b,411cの両端部分がはんだ材412により互いに半田接合されている。
【0059】
(3)上記した実施形態においては、入力部および出力部は、数本の単線を撚り合わせた撚線であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。入力部および出力部は、導電性を有する素材からなり音信号を入出力するための機能を有すればよく、例えば、単線であってもよい。また、例えば、板状の金属端子であってもよい。また、入力部および出力部は、撚線の場合、使用する単線の本数・材質・太さについて適宜設定されていればよい。
【0060】
(4)上記した実施形態においては、絶縁部は、絶縁材としてブローンアスファルトおよびビニールテープを用い構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。絶縁部は、絶縁材として、絶縁性を有する材料を適宜用い構成されていればよく、例えば、合成ゴム、シリコーン、エポキシといった合成樹脂系材料、木材、または、これら組合せた絶縁材を用い構成されていてもよい。
【0061】
(5)上記した実施形態においては、一つの周波数特性補正フィルタを用いて入力された音信号の周波数特性を補正して出力するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。少なくとも、一つの周波数特性補正フィルタを用いていればよく、例えば、上記説明した周波数特性補正フィルタを複数個用い、直列、並列、または直列・並列を組み合わせて周波数特性補正フィルタを接続し、上流の周波数特性補正フィルタの入力部に入力された音信号の周波数特性を補正して下流の周波数特性補正フィルタの出力部から補正した音信号を出力するものであってもよい。
【0062】
(6)上記実施形態1において、周波数特性補正フィルタ装置は、エレキギターのエフェクタであるものとして説明したが、本発明に係る周波数特性補正フィルタ装置は、本発明に係る周波数特性補正フィルタを内蔵する周波数特性補正フィルタ装置であれば、エレキギター用に限定されるものではない。例えば、他の電子楽器用やマイク用であってもよい。
【0063】
(7)上記実施形態2において、電子楽器は、エレキギターであるものとして説明したが、本発明に係る電子楽器は、本発明に係る周波数特性補正フィルタを内蔵する電子楽器であれば、エレキギターに限定されるものではない。例えば、電子キーボード、エレキベース、であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…周波数特性補正フィルタ装置、2,102…周波数特性補正フィルタ、3…入力端子、4,104…出力端子、5…筐体、10,210,310,410…本体部、11…導電体(11a,11b,11c,411a,411b,411c…金属板、211a,211b,211c,311a…金属棒、311b,311c…金属パイプ)、12,212,312,412…はんだ材、20…入力部、30…出力部、40…絶縁部、41…ブローンアスファルト、42…ビニールテープ、101…電子楽器、106…音源部、107…変換部、ST1…導電体配置工程、ST2…本体部形成工程、ST3…入出力部形成工程、ST3…本体部形成工程、ST4…絶縁部形成工程、ST5…ケーシング工程