(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001665
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】光学フィルム、偏光板及び画像表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 5/30 20060101AFI20231227BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20231227BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20231227BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20231227BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20231227BHJP
B32B 27/30 20060101ALI20231227BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
G02B5/30
H05B33/14 A
H05B33/02
H01L27/32
H05B33/04
B32B27/30 A
G09F9/00 304Z
G09F9/00 313
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100469
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】314017635
【氏名又は名称】株式会社トッパンTOMOEGAWAオプティカルフィルム
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒谷 勇介
(72)【発明者】
【氏名】金 鍵
【テーマコード(参考)】
2H149
3K107
4F100
5G435
【Fターム(参考)】
2H149AA02
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5G435AA13
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5G435LL17
(57)【要約】
【課題】低透湿性に優れ、表面硬度、低カール性及び耐屈曲性を兼ね備えた光学フィルム等を提供する。
【解決手段】透明基材の少なくとも一方の面に硬化型樹脂組成物の硬化膜を備え、硬化型樹脂組成物が、反応性官能基を1分子中に2つ以上有し、かつ、脂環式炭化水素または芳香環を1分子中に1つ以上有する化合物(A)、反応性官能基を1分子中に1つ以上有し、かつ、臭素原子を1分子中に1つ以上有する化合物(B)、反応性官能基を1分子中に3つ以上有する化合物(C)、光重合開始剤(D)を含有し、化合物(A)~(C)の反応性官能基が、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基のいずれかであり、組成物の全固形分中、化合物(A)の含有割合が30~60質量%であり、化合物(B)の含有割合が30~60質量%であり、化合物(C)の含有割合が10~25質量%であり、硬化膜の厚みが3~20μmである、光学フィルム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基材の少なくとも一方の面に、硬化型樹脂組成物の硬化膜を有する光学フィルムであって、
前記硬化型樹脂組成物が、
反応性官能基を1分子中に2つ以上有し、かつ、脂環式炭化水素または芳香環を1分子中に1つ以上有する化合物(A)と、
反応性官能基を1分子中に1つ以上有し、かつ、臭素原子を1分子中に1つ以上有する化合物(B)と、
反応性官能基を1分子中に3つ以上有する化合物(C)と、
光重合開始剤(D)とを含有し、
前記化合物(A)、(B)及び(C)の前記反応性官能基が、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基のいずれかであり、
前記硬化型組成物の全固形分中、前記化合物(A)の含有割合が30~60質量%であり、前記化合物(B)の含有割合が30~60質量%であり、前記化合物(C)の含有割合が10~25質量%であり、
前記硬化膜の厚みが3~20μmである、光学フィルム。
【請求項2】
前記透明基材が、アクリル基材、トリアセチルセルロース基材、シクロオレフィンポリマー基材、シクロオレフィンコポリマー基材、ポリエチレンテレフタラート基材、ポリカーボネート基材、ポリイミド系基材、ポリアミド系基材のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項3】
偏光板の保護フィルムである、請求項1または2に記載の光学フィルム。
【請求項4】
請求項1または2に記載の光学フィルムを備える、偏光板。
【請求項5】
請求項1または2に記載の光学フィルムを備える、画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルム、偏光板及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示装置の品質にとって、大気中の水分の影響は大きい。例えば、偏光板の偏光子が吸湿すると、偏光板を含むディスプレイが反って、光漏れが生じてしまう。そこで、透湿度の低い偏光板保護フィルムを用いることで改善が図られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、基材フィルムに、環状構造を持つ有機化合物等で形成した有機層と、珪素化合物等の無機層とを積層して、バリア性を向上したバリア性積層体が記載されている。特許文献2には、有機EL表示素子用封止剤として、ハロゲン元素を有するエポキシ化合物を含有する硬化性組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2014/136590号
【特許文献1】国際公開第2020/149384号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
偏光板保護フィルム等の光学フィルムの低透湿化のために、基材上に単に有機層を設けただけでは透湿度を十分に低くすることは難しい。一方、単に基材上に単に無機層を設けただけでは、基材との密着性が不十分であったり、無機層にクラック等の不良が生じたりする。無機層を設ける場合、特許文献1に記載されるように、有機層と無機層とを積層することが好ましいが、製造工程の増加に繋がる。
【0006】
特許文献2では、封止剤の硬化体の厚みを100μmとすることで、60℃、90%RHで40g/(m2・day)以下の透湿度を達成している。しかしながら、近年、光学フィルムの薄型化のため、基材の厚みは100μm未満となっており、基材より厚い硬化膜を設けることは薄型化の観点で好ましくない。また、100μm厚の硬化膜を得るためには、例えば、数千mJ/cm2の紫外線照射や、100℃以上で数時間の加熱が必要となるが、Roll to Rollで数十m/minの搬送速度で光学フィルムを連続生産する方式では、そのような過酷な硬化条件とすることは不可能である。また、基材の材質によっては、熱による収縮が大きいため、100℃以上の加熱条件では、基材の収縮に起因するシワが発生してしまう。したがって、有機EL素子用の封止剤組成物を、光学フィルムに適用することはできない。
【0007】
本発明は、低透湿性に優れ、表面硬度、低カール性及び耐屈曲性を兼ね備えた光学フィルム、これを用いた偏光板及び画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる光学フィルムは、透明基材の少なくとも一方の面に、硬化型樹脂組成物の硬化膜を備え、硬化型樹脂組成物が、反応性官能基を1分子中に2つ以上有し、かつ、脂環式炭化水素または芳香環を1分子中に1つ以上有する化合物(A)と、反応性官能基を1分子中に1つ以上有し、かつ、臭素原子を1分子中に1つ以上有する化合物(B)と、反応性官能基を1分子中に3つ以上有する化合物(C)と、光重合開始剤(D)とを含有し、化合物(A)、(B)及び(C)の反応性官能基が、エチレン性不飽和結合基、エポキシ基、オキセタニル基のいずれかであり、組成物の全固形分中、化合物(A)の含有割合が30~60質量%であり、化合物(B)の含有割合が30~60質量%であり、化合物(C)の含有割合が10~25質量%であり、硬化膜の厚みが3~20μmであるものである。
【0009】
本発明に係る偏光板及び画像表示装置は、上記の光学フィルムを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、低透湿性に優れ、表面硬度、低カール性及び耐屈曲性を兼ね備えた光学フィルム、これを用いた偏光板及び画像表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る光学フィルムの概略構成を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、実施形態に係る光学フィルムの概略構成を示す断面図である。
【0013】
光学フィルム1は、透明基材2と、透明基材2の一方面に積層された、硬化型樹脂組成物の硬化膜3とを備える。本実施形態では、透明基材2の片面に硬化膜3が積層されているが、透明基材2の両面に硬化膜3を設けても良い。
【0014】
透明基材2は、光学フィルム1の基体となるフィルムであり、可視光線の透過性に優れた材料により形成される。透明基材2としては、アクリル基材、トリアセチルセルロース基材、シクロオレフィンポリマー基材、シクロオレフィンコポリマー基材、ポリエチレンテレフタレート基材、ポリカーボネート基材、ポリイミド系基材、ポリアミド系基材のいずれかを使用できる。光学フィルム1の透湿性を低くするためには、透明基材2自体の透湿度も低いほうが好ましい。したがって、極めて低透湿の光学フィルム1を製造する場合、例えば、アクリル基材、シクロオレフィン基材等を用いることが好ましい。
【0015】
透明基材2の厚みは特に限定されず、例えば、10~200μmの厚みの基材を使用することができる。光学フィルム1の薄型化を図るため、透明基材2の厚みは、10~100μmであることが好ましく、20~60μmであることがより好ましい。
【0016】
硬化膜3は、光学フィルム1に低透湿性及び表面硬度を付与する機能層である。硬化膜3の膜厚は、3~20μmであることが好ましく、5~15μmであることがより好ましい。硬化膜3の膜厚が3μm未満の場合、光学フィルム1の表面硬度が低下すると共に、低透湿化が困難となるため好ましくない。硬化膜3の膜厚が20μmを超える場合、硬化型樹脂組成物の硬化時の収縮により光学フィルム1がカールし、光学フィルム1の製造時や加工時の作業性(ハンドリング性)を低下させるため好ましくない。また、硬化膜3の膜厚が20μmを超える場合、光学フィルム1を屈曲させた際に、硬化膜3の表面にクラックが生じやすくなるため好ましくない。
【0017】
硬化膜3を形成するための硬化型樹脂組成物は、下記化合物(A)~(D)を含有する。
・化合物(A):反応性官能基を1分子中に2つ以上有し、かつ、脂環式炭化水素または芳香環を1分子中に1つ以上有する化合物
・化合物(B):反応性官能基を1分子中に1つ以上有し、かつ、臭素原子を1分子中に1つ以上有する化合物
・化合物(C):反応性官能基を1分子中に3つ以上有する化合物
・光重合開始剤(D)
【0018】
上記化合物(A)、(B)及び(C)が有する反応性官能基は、メタアクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基のいずれかであることが好ましい。
【0019】
化合物(A)及び(B)は、硬化膜3の基本骨格を構成すると共に、硬化膜3に低透湿性を付与する成分である。
【0020】
硬化膜3のような高分子中を気体が透過(通過)する際、気体分子は、自由体積部分(分子鎖の運動で生じる分子間隙)を通る。したがって、高分子の自由体積が大きいほど気体が透過しやすく、また、気体の分子径が小さい方が高分子を透過しやすいと考えられている。本発明においては、硬化型樹脂組成物中の化合物(B)が水素より原子半径の大きいハロゲン原子(臭素原子)を有する。ハロゲン原子は、分子中の自由体積を減少させるため、硬化膜3を水分子が透過するのを阻害する。これにより、光学フィルム1を低透湿化することができる。加えて、化合物(A)または(B)が芳香環を持つ場合、芳香環の相互作用によりスタッキング(積み重ね)が生じることで、分子間が密になり、光学フィルム1の低透湿化に寄与する。
【0021】
化合物(A)は、疎水性の官能基(脂環式炭化水素または芳香環)を有しており、この疎水性の官能基が光学フィルム1の透湿性を低下させる。化合物(A)の含有割合は、硬化型樹脂組成物の全固形分の30~60質量%である。化合物(A)の配合割合がこの範囲を外れた場合、化合物(B)及び(C)の配合割合を好適な範囲内とすることができなくなるため好ましくない。
【0022】
化合物(B)の含有割合は、硬化型樹脂組成物の全固形分の30~60質量%である。化合物(A)及び(B)の含有割合がいずれも全固形分の30~60質量%であることとで、環状骨格(脂環式炭化水素または芳香族環)と、水素より原子半径の大きいハロゲン元素とのバランスが良好となり、優れた低透湿性を得ることができる。化合物(B)の含有割合が硬化型樹脂組成物の全固形分の30質量%未満の場合、臭素原子による低透湿化が発現しにくいため好ましくない。また、化合物(B)の硬化物は化合物(A)の硬化物と比べて柔軟であるため、化合物(B)の含有割合が硬化型樹脂組成物の全固形分の60質量%を超える場合、硬度を悪化させるため好ましくない。更に、化合物(B)は、硬化膜3のカールの緩和にも寄与する。
【0023】
化合物(C)は、主として、化合物(A)及び(B)を架橋して、硬化膜3に硬度を付与する成分である。硬化膜3に所望の硬度を付与するために、化合物(C)は三官能以上の多官能化合物であることが好ましい。化合物(C)の含有割合は、硬化型樹脂組成物の全固形分の10~25質量%である。化合物(C)の含有割合が硬化型樹脂組成物の全固形分の10質量%未満の場合、硬度が発現しにくくなるため好ましくない。一方、化合物(C)の含有割合が硬化型樹脂組成物の全固形分の25質量%を超える場合、化合物(A)及び(B)の含有割合が相対的に少なくなり、低透湿性が不十分となる可能性があるため好ましくない。また、化合物(C)の含有割合が硬化型樹脂組成物の全固形分の25質量%を超える場合、硬化型樹脂組成物の硬化時の収縮が強くなることで、光学フィルム1のカールが大きくなり、光学フィルム1の製造時及び加工時におけるハンドリング性が低下すると共に、光学フィルム1の屈曲時に硬化膜3にクラックが生じやすくなるため好ましくない。
【0024】
光重合開始剤(D)は、化合物(A)~(C)を重合硬化させるために配合される。化合物(A)~(C)の反応性官能基が(メタ)アクリロイル基である場合、光重合開始剤(D)として、ラジカル重合開始剤を使用する。また、化合物(A)~(B)の反応性官能基がエポキシ基またはオキセタニル基である場合、光重合開始剤として、光酸発生剤を使用する。
【0025】
上記の化合物(A)としては、脂環式炭化水素または芳香環と2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、脂環式炭化水素または芳香環と2つ以上のエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物を使用することができる。
【0026】
脂環式炭化水素を有する2官能以上の(メタ)アクリレートして、例えば、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、ボルニルジ(メタ)アクリレート、イソボルニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルジ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメチロールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサントリメタノールトリ(メタ)アクリレート、アダマンチルトリ(メタ)アクリレート、アダマンタントリメタノールトリ(メタ)アクリレート、ノルボルナントリメチロールトリ(メタ)アクリレート、トリシクロデカントリメタノールトリ(メタ)アクリレート、パーヒドロ-1,4,5,8-ジメタノナフタレン-2,3,7-(オキシメチル)トリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0027】
芳香環を有する2官能以上の(メタ)アクリレートとして、例えば、EO(エチレンオキサイド)変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO(プロピレンオキサイド)変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ECH(エチルシクロヘキサン)変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性ヘキサヒドロフタル酸ジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0028】
脂環式炭化水素を有する2官能以上のエポキシ化合物として、例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、4-ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシドが挙げられる。
【0029】
芳香環を有する2官能以上のエポキシ化合物として、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型等のビスフェノール骨格、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格を有するエポキシ化合物が挙げられる。ビスフェノールA型のエポキシ化合物の具体例としては、2,2-ビス(4-グリシジルオキシフェニル)プロパンが挙げられる。
【0030】
脂環式炭化水素または芳香環を有する2官能以上のオキセタン化合物として、例えば、EO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
【0031】
上記の化合物(B)としては、臭素原子と、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基化合物及びオキセタニル基のいずれかとを有する化合物を使用することができる。
化合物(B)の例としては、2,3-ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、PO変性テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、3-ブロモオキセタン等が挙げられる。
【0032】
上記の化合物(C)としては、3官能以上の(メタ)アクリレート、3官能以上のエポキシ化合物、3官能以上のオキセタン化合物を使用することができる。
【0033】
3官能以上の(メタ)アクリレートとして、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2-ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε-カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
【0034】
3官能以上のエポキシ化合物としては、ノボラック型エポキシ化合物、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、1,3,5-トリス(2,3-エポキシプロピル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンが挙げられる。
【0035】
3官能以上のオキセタン化合物としては、オキセタニルシリケート、ペンタエリスリトールトリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
【0036】
上記の光重合開始剤(D)として使用可能なラジカル重合開始剤として、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等の化合物を好適に使用することができる。ラジカル重合開始剤の例として、2,2-エトキシアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジメトキシ-フェニルアセトフェノン、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、p-クロロベンゾフェノン、p-メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、アセトフェノン、2-クロロチオキサントンが挙げられる。ラジカル重合開始剤(D)の含有割合は、硬化型樹脂組成物の全固形分の0.1~5質量%であることが好ましい。
【0037】
上記の光重合開始剤(D)として使用可能な光酸発生剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物等の化合物を好適に使用することができる。光酸発生剤の例として、p-メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル4-チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル4-チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル[4-(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロホスファート、ジフェニル[4-(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル[4-(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムペンタフルオロヒドロキシアンチモネート、ジフェニル[4-(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、4,4-ビス(チアントレニウム-9-イル)-ジフェニルエーテルジヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルセレノニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルセレノニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルセレノニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチルフェナシルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジエチルフェナシルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4-ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、α-ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステル、N-ヒドロキシイミドスルホネート、α-スルホニロキシケトン、β-スルホニロキシケトンが挙げられる。光酸発生剤の含有割合は、硬化型樹脂組成物の全固形分の0.1~5.0質量%であることが好ましい。
【0038】
尚、上記の化合物(A)~(D)はいずれも、例示した化合物を単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。
【0039】
硬化型樹脂組成物の塗膜の面性を向上させるために、レベリング剤を配合しても良い。レベリング剤の含有割合は、ハードコート層形成用組成物の固形分の0.05~5.0質量%であることが好ましい。レベリング剤として使用可能な化合物は特に限定されないが、例えば、DIC株式会社製のF565、RS-75等を使用することができる。
【0040】
硬化型樹脂組成物には、必要に応じて、溶剤を添加しても良い。溶剤としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジアセトンアルコール等のケトンアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセロソルブ、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、炭酸ジメチル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、N-メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド等のうち、1種類または2種類以上を混合して使用できる。
【0041】
また、硬化型樹脂組成物には、帯電防止剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、色材、光安定剤、重合禁止剤、光増感剤、防汚剤、撥油剤、撥水剤、指紋付着防止剤等の各種添加剤等を必要に応じて添加しても良い。
【0042】
硬化型樹脂組成物の塗工方法は特に限定されず、例えば、スピンコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーター、スプレーコーター、アプリケーター等を用いて塗工することができる。
【0043】
本実施形態に係る光学フィルム1は、低透湿性を有するため、偏光板の保護フィルムとして利用することができる。偏光板は、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムにヨウ素または染料を吸着させ配向させて形成した偏光子の両面に保護フィルムを貼り合わせることによって作製することができる。偏光子の両面に本実施形態に係る光学フィルム1を貼り合わせても良いし、偏光子の一方面に本実施形態に係る光学フィルム1を貼り合わせ、他方面に光学フィルム1とは異なるフィルムを貼り合わせても良い。光学フィルム1と異なるフィルムとして、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート及びポリメチルメタクリレートのいずれかからなる単層のフィルムを使用しても良い。
【0044】
また、本実施形態に係る光学フィルム1を用いた偏光板は、液晶パネルや有機ELパネル等の画像表示パネルと組み合わせて画像表示装置を構成するのに利用することができる。画像表示装置は、タッチパネルを備えても良い。本実施形態に係る光学フィルム1を保護フィルムとして用いた偏光板は、低透湿性に加え、耐屈曲性を有するので、例えば、車両内の曲面部に設ける画像表示装置として好適に利用できる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態においては、上記の化合物(A)、(B)及び(C)を特定の割合で硬化型樹脂組成物を用いて硬化膜3を形成するため、低透湿性、表面硬度、低カール性及び耐屈曲性のバランスが取れた光学フィルム1を実現することができる。
【実施例0046】
以下、本発明を具体的に実施した実施例を説明する。
【0047】
実施例及び比較例で使用した材料は以下の通りである。
【0048】
(A)反応性官能基を1分子中に2つ以上有し、かつ、脂環式炭化水素または芳香環を1分子中に1つ以上有する化合物
(A-1):2,2-ビス(4-グリシジルオキシフェニル)プロパン、B1796(商品名)、東京化成工業株式会社製
【化1】
(A-2):3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、セロキサイド2021P(商品名)、株式会社ダイセル製
【化2】
(A-3):ジメチロール-トリシクロデカンジアクリレート、ライトアクリレートDCP-A(商品名)、共栄社化学株式会社製
【化3】
(A-4):EO変性ビスフェノールAジアクリレート、ライトアクリレートBP-4EAL(商品名)、共栄社化学株式会社製
【化4】
(A’)反応性官能基を1分子中に2つ以上有し、かつ、脂環式炭化水素及び芳香環のない化合物
トリエチレングリコールジアクリレート、ライトアクリレート3EG-A(商品名)、共栄社化学株式会社製
【化5】
【0049】
(B)反応性官能基を1分子中に1つ以上有し、かつ、臭素原子を1分子中に1つ以上有する化合物
(B-1):2,4-ジブロモフェニルグリシジルエーテル、D4885(商品名)、東京化成工業株式会社製
【化6】
(B-2):トリブロモフェニルアクリレート、T3130(商品名)、東京化成工業株式会社製
【化7】
(B-3):アクリル酸ジブロモプロピル、A0910(商品名)、東京化成工業株式会社製
【化8】
(B’)反応性官能基を1分子中に1つ以上有し、かつ、臭素原子のない化合物
アクリル酸1H,1H,2H,2H-ノナフルオロヘキシル、N1107(商品名)、東京化成工業株式会社製
【化9】
【0050】
(C)反応性官能基を1分子中に3つ以上有する化合物
(C-1):オキセタニルシリケート、OXT191(商品名)、東亞合成株式会社製
【化10】
(C-2):ペンタエリスリトールトリアクリレート、ライトアクリレートPE-3A、(商品名)、共栄社化学株式会社製
【化11】
(C’)反応性官能基を1分子中に2つ有する化合物
3-エチル-3-{[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]}オキセタン、OX-221(商品名)、東亞合成株式会社製
【化12】
【0051】
(D)光重合開始剤
(D-1):1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、Omnirad 184(商品名)、IGM Resins B.V.製
(D-2):ジフェニル4-チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、CPI-101A(商品名)、サンアプロ株式会社製
【0052】
(E)レベリング剤
F565(商品名)、DIC株式会社製
【0053】
化合物(A)~(E)を表1及び2に示す配合量で含有する硬化型樹脂組成物を調製した。尚、表1及び表2に示す各成分の配合量の単位は、質量部である。
【0054】
調整した硬化型樹脂組成物を溶剤で希釈した塗工液を、厚み40μmのTACフィルム(商品名:TJ40、富士フイルム株式会社製)に、ワイヤーバーコーターを用いて、硬化後の膜厚が表1及び2に記載の値となるように塗布した。60℃のオーブン内で1分間加熱して塗膜を乾燥させた後、UV硬化装置において窒素雰囲気下(酸素濃度500ppm以下)、積算光量が200mJ/cm2となるように紫外線を照射して塗膜を硬化させ、光学フィルムを得た。
【0055】
<光学フィルムの評価>
[鉛筆硬度]
鉛筆(三菱鉛筆株式会社製 uni)及びクレメンス型引っ掻き試験機(HA-301、テスター産業株式会社製)を用いて、荷重500g、引っ掻き速度0.5mm/secの条件で、保護フィルムAのハードコート層表面の引っ掻き試験を行った。鉛筆の硬度を変えながら、各硬度で5回の引っ掻き試験を行い、硬化型樹脂組成物の硬化膜表面に傷が2個以上であった場合をNGとし、NGとならない最大硬度を以下の基準で判定した。判定○及び◎を合格とした。
◎:≧3H
〇:2H
△:H
×:<H未満
【0056】
[耐屈曲性]
光学フィルムを3cm×10cmの大きさにカットしたサンプルを作製し、所定の径(1φ~8φ[mm])の鉄棒(マンドレル)に、硬化膜が外側となるように巻き付け、表面にクラックが生じない鉄棒の最小径を耐屈曲性の評価値とし、以下の基準で判定した。判定○及び◎を合格とした。
◎:2mmφ以下
〇:3mmφ
△:4mmφ
×:5mmφ以上
【0057】
光学フィルムを100mm角の正方形にカットしたサンプルを作製し、このサンプルを平面上に載置して、平面から4隅の先端までの垂直距離(立ち上がり高さ)をmm単位で測定し、4隅の測定値の合計を評価値とし、以下の基準で判定した。判定○及び◎を合格とした。
◎:0~5mm
〇:5mm超、かつ、20mm以下
△:20mm超、かつ、35mm以下
×:35mm超、かつ、50mm以下
【0058】
[透湿度]
得られた光学フィルムの透湿度と、上記の透明基材の透湿度とを、JIS Z 0208:1976に規定される、防湿包装材料の透湿度試験法(カップ法)に準拠して、40℃90RH%の条件で測定した。光学フィルムの透湿度の測定値及び透明基材の透湿度の測定値から、硬化型樹脂組成物の硬化膜の透湿度を下記式(1)により算出し、以下の基準で判定した。尚、式(1)は、「包装材料のバリア性の化学(包装学基礎講座5)、p68~p72、仲川勤著、日本包装学会」に基づく。判定○及び◎を合格とした。
1/a=1/b+1/c ・・・式(1)
ここで、
a:光学フィルムの透湿度値、
b:透明基材の透湿度値、
c:硬化型樹脂組成物層の透湿度値
である。
◎:c値が100g/(m2・day)以下
〇:c値が100g/(m2・day)超、かつ、175g/(m2・day)以下
△:c値が175g/(m2・day)超、かつ、250g/(m2・day)以下
×:c値が250g/(m2・day)超
【0059】
表1及び表2に、各実施例及び各比較例における硬化型樹脂組成物の組成と、上記評価項目の評価値及び判定結果を併せて示す。
【0060】
【0061】
【0062】
実施例1~7に係る光学フィルムは、鉛筆硬度、耐屈曲性、カール及び透湿度の全ての評価項目において、判定結果が◎または○であった。したがって、化合物(A)、(B)及び(C)を特定の割合で含有する硬化型樹脂組成物を用いて透明基材上に硬化膜を形成し、硬化膜の膜厚を特定の範囲とすることにより、低透湿性に優れ、表面硬度、低カール性及び耐屈曲性を兼ね備えた光学フィルムを実現できることが確認された。
【0063】
比較例1においては、化合物(A)及び(B)を使用しなかったために、透湿度の判定が悪くなった。化合物(C)の配合割合が多すぎるために、鉛筆硬度は高くなったが、耐屈曲性及びカールの判定が悪くなった。
【0064】
比較例2においては、化合物(B)を使用しなかったために、透湿度の判定が悪くなった。また、化合物(B)は、柔軟でカールの小さい硬化物を形成する材料であるため、化合物(B)を配合しなかったことにより、屈曲性とカールの判定が悪くなった。
【0065】
比較例3においては、化合物(A)を使用しなかったために、透湿度の判定が悪くなった。また、化合物(B)の配合割合が多すぎるために、鉛筆硬度の判定が悪くなった。
【0066】
比較例4においては、化合物(C)を使用しなかったために、鉛筆硬度の判定が悪くなった。
【0067】
比較例5においては、化合物(A)に代えて、脂環式炭化水素及び芳香環を持たない化合物(A’)を用いたために、透湿度の判定が悪くなった。
【0068】
比較例6においては、化合物(B)に代えて、臭素原子を持たない化合物(B’)を用いたために、透湿度の判定が悪くなった。
【0069】
比較例7においては、化合物(C)に代えて、反応性官能基の数が3未満である化合物(C’)を用いたために、鉛筆硬度の判定が悪くなった。
【0070】
比較例8においては、化合物(A)の配合割合が多すぎ、かつ、化合物(B)の配合割合が少なすぎるために、透湿度の判定が悪くなった。
【0071】
比較例9においては、化合物(B)の配合割合が多すぎるために、鉛筆硬度の判定が悪くなった。
【0072】
比較例10においては、化合物(C)の配合割合が多すぎるために、耐屈曲性及びカールの判定が悪くなった。また、化合物(C)の配合割合が多すぎる場合、透湿性に寄与する化合物(A)及び(B)の量が相対的に減少するため、透湿度の判定が悪くなった。
【0073】
比較例11においては、化合物(C)の配合割合が少なすぎるために、鉛筆硬度の判定が悪くなった。
【0074】
比較例12においては、硬化膜の膜厚が薄すぎるために、鉛筆硬度と透湿度の判定が悪くなった。
【0075】
比較例13においては、硬化膜の膜厚が厚すぎるために、耐屈曲性及びカールの判定が悪くなった。