(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166520
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20241122BHJP
G01C 21/30 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
G08G1/00 A
G01C21/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082670
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】矢嶋 隆宏
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB14
2F129CC06
2F129CC12
2F129CC16
2F129CC19
2F129CC20
2F129CC24
2F129DD26
2F129DD27
2F129EE36
2F129EE52
2F129EE94
2F129FF11
2F129FF12
2F129FF19
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF59
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH19
2F129HH20
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181DD01
5H181EE02
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF12
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
(57)【要約】
【課題】仮想的なプローブ情報を生成することが可能な情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、道路地図を利用して出発地及び目的地を特定して、その出発地からその目的地までの道路を移動する際の経路を設定する第1設定部と、第1設定部によって設定された経路を仮想的に走行する際の条件を設定する第2設定部と、第2設定部によって設定された条件に応じて、出発地から目的地までの疑似プローブ情報を生成する生成部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路地図を利用して出発地及び目的地を特定して、当該出発地から当該目的地までの道路を移動する際の経路を設定する第1設定部と、
前記第1設定部によって設定された前記経路を仮想的に走行する際の条件を設定する第2設定部と、
前記第2設定部によって設定された条件に応じて、前記出発地から前記目的地までの疑似プローブ情報を生成する生成部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第2設定部は、条件として、前記第1設定部によって設定された前記経路における道路属性、ドライバの運転特性、前記経路における交通状況、及び、GNSSを利用するGNSS信号の受信感度のうち少なくとも1つの条件を設定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
位置情報を含むプローブ情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得されたプローブ情報に含まれる位置情報と、道路地図とを利用して、プローブ情報の数が閾値以下の領域を特定する特定部と、を備え、
前記第1設定部は、前記特定部によって特定された領域において、前記出発地及び前記目的地を特定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記生成部は、疑似プローブ情報に、前記第2設定部によって設定された条件に基づいたアノテーションを付与する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成部は、
前記第1設定部によって設定された前記経路に基づいて、基準プローブ情報を生成し、
前記第2設定部によって設定された条件に応じて、前記基準プローブ情報を変更して、疑似プローブ情報を生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生成部によって生成された疑似プローブ情報を利用してマップマッチング処理を行い、当該マップマッチング処理の評価を行う評価部を備える
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが、
道路地図を利用して出発地及び目的地を特定して、当該出発地から当該目的地までの道路を移動する際の経路を設定する第1設定ステップと、
前記第1設定ステップによって設定された前記経路を仮想的に走行する際の条件を設定する第2設定ステップと、
前記第2設定ステップによって設定された条件に応じて、前記出発地から前記目的地までの疑似プローブ情報を生成する生成ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
道路地図を利用して出発地及び目的地を特定して、当該出発地から当該目的地までの道路を移動する際の経路を設定する第1設定機能と、
前記第1設定機能によって設定された前記経路を仮想的に走行する際の条件を設定する第2設定機能と、
前記第2設定機能によって設定された条件に応じて、前記出発地から前記目的地までの疑似プローブ情報を生成する生成機能と、
を実現させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両で生成されるプローブ情報を収集するシステムがある。特許文献1に記載されたシステムは、車両の走行情報と車載地図情報とに基づいて、車両が違反走行を行ったことを判定し、さらに、車両の走行情報とより新しい地図情報(外部地図情報)とに基づいて車両が違反走行を行ったか否かを改めて判定する。そのシステムは、その車両が違反走行を行ったと判定された場合に、違反走行に関する情報をプローブ情報として取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両で取得される位置情報を利用して、道路地図にマッチング(マップマッチング)させることがある。マップマッチングとは、例えば、車両で取得された位置情報が道路からずれていた場合に、車両が走行していると推定される道路上に位置合わせすることである。マップマッチング処理の精度はより高い方が良いと考えられるため、そのマップマッチング処理の精度についての評価がより重要となる。
しかしながら、交通量が相対的に少ない道路区間等においては、位置情報等を含むプローブ情報の数が相対的に少なくなるため、マップマッチング処理の評価をより正確に行えない可能性がある。特許文献1に記載されたシステムは、プローブ情報を収集するのみであり、交通量が相対的に少ない道路区間においては、前述と同様に、マップマッチングの評価をより正確に行うことができない。
【0005】
本開示は、仮想的なプローブ情報を生成することが可能な情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の情報処理装置は、道路地図を利用して出発地及び目的地を特定して、その出発地からその目的地までの道路を移動する際の経路を設定する第1設定部と、第1設定部によって設定された経路を仮想的に走行する際の条件を設定する第2設定部と、第2設定部によって設定された条件に応じて、出発地から目的地までの疑似プローブ情報を生成する生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
一態様によれば、仮想的なプローブ情報を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る情報処理装置について説明するための図である。
【
図2】一実施形態に係る情報処理装置について説明するためのブロック図である。
【
図3】出発地から目的地まで移動する際の経路の一例について説明するための図である。
【
図4】設定条件に応じた速度の推移の一例について説明するための図である。
【
図5】疑似プローブ情報に対する補正の一例について説明するための図である。(A)は交差点等における角部の滑らか補正の一例、(B)はノイズ加算の一例を示す。
【
図6】一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について説明する。
【0010】
[情報処理装置100の概要]
まず、一実施形態に係る情報処理装置100の概要について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理装置100について説明するための図である。
【0011】
情報処理装置100は、例えば、疑似プローブ情報200を生成する生成装置等として構成されてもよい。また、情報処理装置100は、例えば、プローブ情報(及び、疑似プローブ情報200)に含まれる位置情報等を利用してマップマッチング処理を行う際の精度について評価を行う評価装置等として構成されてもよい。また、情報処理装置100は、生成した疑似プローブ情報200をマップマッチング処理の評価等に利用する利用装置等として構成されてもよい。情報処理装置100は、上述した一例の装置に限らず、種々の装置等を構成してもよい。
情報処理装置100は、例えば、サーバ、デスクトップ、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等のコンピュータであってもよい。
【0012】
まず、情報処理装置100は、道路地図を利用して、車両が仮想的に移動する際の出発地A及び目的地Bを特定する。情報処理装置100は、出発地Aから目的地Bまでの道路を移動する際の経路を設定する。設定される経路の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0013】
次に、情報処理装置100は、上述した経路を車両が仮想的に走行する際の条件を設定する。情報処理装置100は、例えば、条件として、道路に関する道路属性条件、ドライバの運転特性に関する運転特性条件、道路の交通状況に関する交通状況条件、GNSSを利用した信号(GNSS信号)の受信感度に関する受信感度条件等を始めとする、出発地Aから目的地Bまで仮想的に移動する際の種々の条件等であってもよい。
【0014】
道路属性条件は、例えば、一般道及び自動車専用道、道路を走行する際の制限速度、道路の車線数、交差点等における停止線の状況等、並びに、信号機の状況等を始めとする種々の条件であってもよい。
運転特性条件は、例えば、車両が移動する際の走行速度、及び、交差点等における一時停止及びカーブにおける車両の加減速の傾向等を始めとする種々の条件であってもよい。
受信感度条件は、例えば、GNSS信号を受信する際の車両から見た上空の視界等を始めとする種々の条件であってもよい。
また、条件には、仮想的に車両に走行する際の気象条件、及び、車両が仮想的に走行する時間帯条件等が含まれてもよい。
【0015】
情報処理装置100は、上述した条件の設定に応じて、出発地Aから目的地Bまでの疑似プローブ情報200を生成する。
【0016】
[情報処理装置100の詳細]
次に、一実施形態に係る情報処理装置100について詳細に説明する。
図2は、一実施形態に係る情報処理装置100について説明するためのブロック図である。
【0017】
情報処理装置100は、例えば、通信部121、記憶部122、表示部123及び制御部110等を備える。通信部121、記憶部122及び表示部123は、出力部の一実施形態であってもよい。制御部110は、例えば、取得部111、特定部112、第1設定部113、第2設定部114、生成部115、評価部116及び出力制御部117等を備える。制御部110は、例えば、情報処理装置100の演算処理装置等によって構成されてもよい。制御部110(例えば、演算処理装置等)は、例えば、記憶部122等に記憶される各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、各部(例えば、取得部111、特定部112、第1設定部113、第2設定部114、生成部115、評価部116及び出力制御部117等)の機能を実現してもよい。
【0018】
通信部121は、例えば、情報処理装置100の外部にある装置(外部装置)(図示せず)等との間で種々の情報の送受信が可能な通信インターフェースである。外部装置は、例えば、サーバ及び車両等であってもよい。
【0019】
記憶部122は、例えば、種々の情報及びプログラムを記憶してもよい。記憶部122の一例は、メモリ、ソリッドステートドライブ及びハードディスクドライブ等であってもよい。なお、記憶部122は、例えば、クラウド上にある記憶領域及びサーバ等であってもよい。
記憶部122は、例えば、道路地図に基づく地図情報を記憶してもよい。道路地図には、経度及び緯度等の情報が記録されてもよい。
【0020】
表示部123は、例えば、種々の文字、記号及び画像等を表示することが可能なディスプレイである。
【0021】
取得部111は、位置情報等を含むプローブ情報を取得する。取得部111は、例えば、通信部121を介して、外部装置からプローブ情報を取得してもよい。又は、取得部111は、例えば、プローブ情報が記憶された外部メモリ(図示せず)が情報処理装置100のインターフェース(図示せず)に接続させた場合、外部メモリからプローブ情報を取得してもよい。
プローブ情報は、位置情報の他に、車両の走行速度に関する走行速度情報及び時刻情報等を含む種々の情報を含んでもよい。プローブ情報は、車両走行情報と言われる場合もある。
位置情報は、車両に搭載される位置情報取得装置によってGNSSを利用した信号(GNSS信号)を受信することに基づいて、取得されてもよい。
取得部111が取得するプローブ情報は、車両が実際に(現実で)走行することにより生成されるプローブ情報である。
【0022】
特定部112は、取得部111によって取得されたプローブ情報に含まれる位置情報と、道路地図とを利用して、プローブ情報の数が閾値以下の領域(第1領域)を特定する。すなわち、特定部112は、車両で取得された位置情報(プローブ情報)に基づく位置を道路地図に対応付け、位置(プローブ情報)が対応付けられた道路(領域)を特定する。また、特定部112は、複数のプローブ情報を利用して、上記と同様に、位置(プローブ情報)が対応付けられた道路(領域)を特定する。特定部112は、複数のプローブ情報を利用して、プローブ情報の数が閾値以下の領域300(
図3参照)を特定する。
【0023】
閾値は、例えば、適宜設定される値であってもよい。一例として、閾値は、道路を走行する車両の走行台数(交通量)等に基づいて値が設定されてもよく、また相対的に少ないと推定される走行台数(交通量)に応じて値が設定されてもよい。ここで、車両の走行台数(交通量)が相対的に多くなればプローブ情報の数がより多くなり、また車両の走行台数(交通量)が相対的に少なくなればプローブ情報の数がより少なくなる。
道路地図は、例えば、記憶部122に記憶された地図情報に基づく地図等であってもよい。
【0024】
また、特定部112は、例えば、後述する第2設定部114で設定される条件のパターンが相対的に多い領域を特定してもよい。すなわち、特定部112は、例えば、第2設定部114によって設定される条件の組み合わせの数が複数あり、その条件の組み合わせの数が閾値以上の領域300(第2領域)を特定してもよい。
【0025】
図3は、出発地Aから目的地Bまで移動する際の経路の一例について説明するための図である。
【0026】
第1設定部113は、道路地図を利用して出発地A及び目的地Bを特定して、その出発地Aからその目的地Bまでの道路を移動する際の経路を設定する。第1設定部113は、例えば、任意の出発地Aと任意の目的地Bとを道路地図内において特定する。すなわち、第1設定部113は、仮想的に車両で移動する出発地A及び目的地Bを特定する(
図3参照)。
一例として、第1設定部113は、情報処理装置100の入力部(例えば、キーボード及びマウス等)(図示せず)を利用して、情報処理装置100のユーザによって入力された出発地A及び目的地Bを、道路地図において特定してもよい。
又は、第1設定部113は、コンピュータ(第1設定部113等)の自動処理によって出発地A及び目的地Bを特定してもよい。
第1設定部113は、例えば、特定された出発地A及び目的地Bに基づいて経路探索を行い、出発地Aから目的地Bまで仮想的に車両で移動する際の経路を設定する。
図3では、出発地Aと目的地Bとを接続する太線が経路を示す。
【0027】
ここで、第1設定部113は、特定部112によって特定された領域300(第1領域及び第2領域のうちの少なくとも一方)において、出発地A及び目的地Bを特定してもよい(
図3参照)。すなわち、第1設定部113は、例えば、領域300において出発地A及び目的地Bの特定として、出発地A及び目的地Bの少なくとも一方が領域300内に位置するように特定してもよく、出発地A及び目的地Bの両方が領域300外に位置するが経路を設定する際に領域300内を経路が通るように特定してもよい。
【0028】
第1設定部113は、例えば、特定部112によって特定された領域300をユーザに提示するよう出力部を制御し、その提示に応じて入力された出発地A及び目的地Bに基づいて、上述したように領域300において出発地A及び目的地Bを特定してもよい。
すなわち、第1設定部113は、例えば、特定部112によって特定された領域300を表示するよう表示部123(出力部)を制御することにより、領域300をユーザに提示してもよい。
又は、第1設定部113は、例えば、特定部112によって特定された領域300を道路地図に重ねて表示するよう表示部123(出力部)を制御することにより、領域300をユーザに提示してもよい。ここで、道路地図は、例えば、記憶部122に記憶された地図情報に基づく地図等であってもよい。
領域300の提示に応じた入力は、例えば、ユーザが入力部(図示せず)を操作することに基づいた、出発地A及び目的地Bの入力等であってもよい。
【0029】
又は、第1設定部113は、例えば、特定部112によって特定された領域300において、コンピュータ(第1設定部113等)の自動処理によって出発地A及び目的地Bを特定してもよい。
【0030】
第2設定部114は、第1設定部113によって設定された経路を仮想的に車両が走行する際の条件を設定する。第2設定部114は、条件として、道路属性条件、運転特性条件、交通状況条件及び受信感度条件のうち少なくとも1つの条件を設定してもよい。また、第2設定部114は、各条件で規定される内容のうち少なくとも1つの条件を設定してもよい
【0031】
道路属性条件は、例えば、第1設定部113によって設定された経路における道路属性の条件であってもよい。道路属性条件は、例えば、一般道及び自動車専用道、道路を走行する際の制限速度、道路の車線数、道路の勾配、交差点等における停止線の状況等、並びに、信号機の状況等を始めとする種々の条件であってもよい。停止線の状況は、例えば、停止線の有無等の停止線に関する種々の状況であってもよい。信号機の状況は、例えば、信号機の有無、信号機が示す信号が相対的に短い(又は、長い)間隔で変わる、時差式信号機の有無、及び、矢印式信号機の有無等の信号機に関する種々の状況であってもよい。
なお、道路属性条件は、入力部(図示せず)が操作されることによりユーザによって設定されてもよい。また、道路地図(地図情報)には、道路属性が予め登録されていてもよい。
【0032】
運転特性条件は、例えば、ドライバの運転特性の条件であってもよい。運転特性条件は、例えば、仮想的に車両が走行する際の走行速度、及び、交差点等における一時停止(停止位置)及びカーブにおける車両の加減速の傾向等を始めとする種々の条件であってもよい。走行速度は、例えば、制限速度内においてより速い(又は、相対的にゆっくりと)速度で走行する等の車両速度等であってもよい。車両の加減速の傾向は、例えば、制限速度内においてより速い(又は、相対的にゆっくりと)速度で走行する等の車両速度の傾向、カーブへの進入点(又は、停止位置等)からより進行方向手前側(遠い側)から減速する又はカーブへの進入点(又は、停止位置等)により近い側から減速する等の傾向(ゆるやかに減速する又は相対的に急激に減速する等)、及び、カーブから退出した後(又は、停止位置等から)よりゆるやかに加速する又はカーブから退出した後(又は、停止位置等から)より速く加速する等の傾向等であってもよい。
【0033】
交通状況条件は、例えば、第1設定部113によって設定された経路における交通状況の条件であってもよい。交通状況は、例えば、混雑、渋滞及び路上駐車等の状況であってもよい。
【0034】
交通状況の条件には、例えば、気象条件及び時間帯条件等が含まれてもよい。
気象条件は、また、第1設定部113によって設定された経路を仮想的に車両が走行する際の気象についての条件等であってもよい。気象条件は、天気、気温、風向風速、及び、路面コンディション(例えば、濡れている及び凍結している等の路面状況)等の、ユーザ及び情報処理装置100等によって特定が可能な気象についての条件であってもよい。気象条件によっては、交通量が相対的に多くなる(又は、相対的に少なくなる)、及び、仮想的に車両が走行する際の速度(車速)が相対的に遅くなる(又は、速くなる)等が設定されていてもよい。
時間帯条件は、第1設定部113によって設定された経路を仮想的に車両が走行する際の時間についての条件であってもよい。すなわち一例として、時間帯条件は、1日を複数の時間帯に分割した際のその時間帯、年月日、年末・年始・年度末、曜日、平日・週末・祝日・休日・連休、及び、季節等の、ユーザ及び情報処理装置100等によって特定が可能な時間についての条件であってもよい。時間帯によっては、交通量が相対的に多くなる(又は、相対的に少なくなる)等が設定されていてもよい。また、時間帯条件には、仮想的に車両が走行する際の地域の条件が含まれてもよい。
【0035】
受信感度条件は、例えば、GNSSを利用するGNSS信号の受信感度の条件であってもよい。受信感度条件は、例えば、GNSS信号を受信する際の車両から見た上空の視界等を始めとする種々の条件であってもよい。GNSS信号は車両を基準に上空から届く信号であり、相対的に高いビル群が建つ道路、山間部の道路、トンネル及び高架下等を車両が走行する場合に、GNSS信号の受信感度が相対的に悪くなる。一方、相対的に低い建物が建つ道路、並びに、平地部及び沿岸部の道路等を車両が走行する場合に、GNSS信号の受信感度が相対的に良くなる。受信感度条件は、受信感度が良い悪い等の2段階のうちいずれか、又は、受信感度が良いと悪いとの間を多段階に分割していずれかの段階等を始めとして種々の受信感度に設定が可能な条件等であってもよい。
【0036】
第2設定部114は、第1設定部113によって設定される経路のうちある任意の区間(又は、地点等)を指定して条件を設定可能であってよく、第1設定部113によって設定される経路全体に渡って条件を設定可能であってもよい。第2設定部114は、区間(又は、地点等)を指定して条件を設定可能な場合、複数の区間(又は、地点等)を設定可能であってよい。第2設定部114は、複数の区間(又は、地点等)それぞれで異なる条件を設定可能であってもよい。
【0037】
なお、第2設定部114は、ドライバの性格について設定を行うことが可能であってもよい。第2設定部114は、ドライバの性格について設定を行うことにより、仮想的に走行する車両の運転特性(運転特性条件)をその正確に応じて自動的に設定が可能であってもよい。具体的な一例として、第2設定部は、ドライバの性格として「せっかち」の設定をした場合、運転特性条件として、急加速及び急減速を行い、制限速度内においてより速い速度で走行する等を自動的に設定してもよい。
【0038】
生成部115は、第2設定部114によって設定された条件に応じて、出発地Aから目的地Bまでの疑似プローブ情報200を生成する。すなわち、生成部115は、第2設定部114によって設定された条件に応じて、第1設定部113によって設定された経路を仮想的に車両が移動する際の疑似プローブ情報200を生成する。
【0039】
生成部115は、第1設定部113によって設定された経路に基づいて、基準プローブ情報を生成し、第2設定部114によって設定された条件に応じて、基準プローブ情報を変更して、疑似プローブ情報200を生成してもよい。
【0040】
すなわちまず、生成部115は、記憶部122に記憶された地図情報に基づく道路地図(道路地図に記録される内容(例えば、位置情報等))に基づいて、第1設定部113によって設定された経路に応じた基準プローブ情報を生成する。基準プローブ情報は、第1設定部113によって設定された出発地Aから目的地Bまでの経路に応じた位置情報等が記録されていてもよい。また、基準プローブ情報には、基準となる走行速度(基準走行速度)の情報(基準走行速度情報)が記録されてもよい。基準走行速度は、予め設定されてもよい。
【0041】
次に、生成部115は、第2設定部114によって設定された条件に応じて、基準プローブを変更する。一例として、基準プローブ情報を変更するとは、基準プローブ情報に含まれる位置情報(位置)を変更することであってもよく、基準プローブ情報で設定される種々の情報(条件)を変更することであってもよい。
【0042】
具体的な一例として、第1設定部113によって設定された経路のうちの、特定区間については自動車専用道を仮想的に車両が走行し、その特定区間を除く他の区間については一般道を仮想的に車両が走行すると第2設定部114によって条件設定が行われた場合、生成部115は、特定区間については、基準プローブ情報に記録される走行速度を自動車専用道の設定に応じた走行速度に変更し、基準プローブ情報に記録される位置情報(単位時間毎の位置)を自動車専用道の設定に応じた位置情報に変更する。すなわち、生成部115は、基準プローブ情報に記録される位置情報が40km/hで走行する車両で取得されるような位置の間隔d1の場合、自動車専用道を走行する(60km/hで走行する)車両で取得されるような位置の間隔d2(d2>d1)に変更する。間隔はd1、例えば、位置情報に基づく、時刻t1における位置と、時刻t2における位置の距離が相対的に短くなるような、隣接する位置の間隔であってもよい。間隔はd2、例えば、位置情報に基づく、時刻t1における位置と、時刻t2における位置の距離が相対的に長くなるような、隣接する位置の間隔であってもよい。
【0043】
また、具体的な一例として、第1設定部113によって設定された経路のうちの、特定区間についてはGNSS信号の受信感度が相対的に悪いように第2設定部114により条件設定が行われた場合、生成部115は、その特定区間については、基準プローブ情報に記録される位置情報にノイズを加える。すなわち、生成部115は、特定区間の基準プローブ情報に記録される位置情報(経路上に倣った時系列の移動位置で示す情報)から、その経路上に倣わない乱れのある位置(例えば、経路から外れた地点を移動するような位置の情報、及び、ジグザグ状の位置の情報等)に変更する。
なお、第2設定部114によって設定される受信感度条件において、受信感度条件がより悪く設定される場合、生成部115は、経路上に倣わない相対的により大きな乱れのある位置に変更してもよい。同様に、第2設定部114によって設定される受信感度条件において、受信感度条件がより良く設定される場合、生成部115は、経路上に倣わない相対的により小さな乱れのある位置に変更してもよい。
【0044】
図4は、設定条件に応じた速度の推移の一例について説明するための図である。
図5は、疑似プローブ情報200に対する補正の一例について説明するための図である。
図5(A)は交差点等における角部の滑らか補正の一例、
図5(B)はノイズ加算の一例を示す。
【0045】
具体的には
図4に例示するように、生成部115は、出発地Aと目的地Bとを接続する経路において、第2設定部114によって設定された種々の条件(設定条件)に応じて、仮想的に車両が走行する際の速度(車速)を設定する。生成部115は、条件として、経路における任意の区間において一般道、交差点及び高速道路(自動車専用道)等が設定された場合、その設定条件に応じて車速を変更する。
生成部115は、
図4に例示するような車速、及び、地図情報に記録された位置情報等に基づいて、疑似プローブ情報200を生成する。
【0046】
生成部115は、生成した疑似プローブ情報200を補正するような処理を行ってもよい。
図5(A)に例示するように、生成部115は、交差点及び曲がり角等においては、疑似プローブ情報200における位置情報(位置)の軌跡が、鋭角又は直角に曲がるような軌跡になるのではなく、滑らかに曲がるような軌跡になるよう補正してもよい。
また、
図5(B)に例示するように、生成部115は、第2設定部114においてGNSS信号の受信感度が悪いような設定がされた場合、線で示す経路210から外れた箇所に位置情報が示す位置220(丸で示す)が来るように、ノイズ加算をしてもよい。
【0047】
生成部115は、上述した具体的一例に限定されず、その具体的一例と同様に、第2設定部114によって設定された1又は複数の条件それぞれに従って、疑似プローブ情報200を生成する。
【0048】
生成部115は、疑似プローブ情報200に、第2設定部114によって設定された条件に基づいたアノテーションを付与してもよい。すなわち、生成部115は、第2設定部114によって設定された各条件をアノテーション(例えば、注釈等)として、その条件が設定された区間又は経路全体に付与してもよい。
【0049】
評価部116は、生成部115によって生成された疑似プローブ情報200を利用してマップマッチング処理を行い、そのマップマッチング処理の評価を行ってもよい。すなわち、評価部116は、疑似プローブ情報200及び地図情報に基づいてマップマッチング処理を行う。評価部116は、疑似プローブ情報200に記録される経路(位置)が、地図情報に基づく道路地図(その経路に対応する道路)により正確にマッチングできているか、及び、疑似プローブ情報200に記録される経路(位置)が、地図情報に基づく道路地図においてその経路とは異なる他の道路に誤ってマッチングされたか等を判断することに基づいて、マップマッチング処理の評価を行う。
【0050】
出力制御部117は、生成部115によって生成された疑似プローブ情報200、及び、評価部116によって行われた評価の結果のうち少なくとも一方を出力するよう出力部を制御してもよい。出力部は、通信部121、記憶部122及び表示部123等であってもよい。
すなわち、出力制御部117は、例えば、生成部115によって生成された疑似プローブ情報200、及び、評価部116によって行われた評価の結果についての情報のうち少なくとも一方を外部装置(図示せず)に送信するよう通信部121を制御してもよい。外部装置は、例えば、サーバ及びユーザ端末等であってもよい。ユーザ端末は、情報処理装置100のユーザが使用する端末であってもよい。
また、出力制御部117は、例えば、生成部115によって生成された疑似プローブ情報200、及び、評価部116によって行われた評価の結果についての情報のうち少なくとも一方を記憶するよう記憶部122を制御してもよい。
また、出力制御部117は、例えば、生成部115によって生成された疑似プローブ情報200、及び、評価部116によって行われた評価の結果のうち少なくとも一方を表示するよう表示部123を制御してもよい。
【0051】
[情報処理方法]
次に、一実施形態に係る情報処理方法について説明する。
図6は、一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【0052】
ステップST101において、取得部111は、位置情報等を含むプローブ情報を取得する。
【0053】
ステップST102において、特定部112は、ステップST101で取得したプローブ情報に含まれる位置情報と、道路地図とを利用して、プローブ情報の数が閾値以下の領域300(第1領域)を特定する。
また、特定部112は、後述するステップST104で設定した条件のパターンが相対的に多い領域300(第2領域)を特定してもよい。
【0054】
ステップST103において、第1設定部113は、道路地図を利用して出発地A及び目的地Bを特定して、その出発地Aからその目的地Bまでの道路を移動する際の経路を設定する。なお、第1設定部113は、ステップST102で特定した領域300(第1領域及び第2領域のうちの少なくとも一方)において、出発地A及び目的地Bを特定してもよい。
【0055】
ステップST104において、第2設定部114は、ステップST103で設定された経路を仮想的に車両が走行する際の条件を設定する。第2設定部114は、条件として、道路属性条件、運転特性条件、交通状況条件及び受信感度条件のうち少なくとも1つの条件を設定してもよい。
【0056】
なお、ステップST103の処理とステップST104の処理とは、この順に行ってもよく、逆の順に行ってもよい。又は、ステップST104の処理は、ステップST103の処理の前に行われてもよい。
【0057】
ステップST105において、生成部115は、ステップST104で設定した条件に応じて、出発地Aから目的地Bまで(ステップST103で設定した経路)の疑似プローブ情報200を生成する。生成部115は、ステップST103で設定した経路に基づいて基準プローブ情報を生成し、ステップST104で設定した条件に応じて基準プローブ情報を変更して、疑似プローブ情報200を生成してもよい。生成部115は、疑似プローブ情報200に、ステップST104で設定した条件に基づいたアノテーションを付与してもよい。
【0058】
ステップST106において、評価部116は、ステップST106で生成した疑似プローブ情報200を利用してマップマッチング処理を行い、そのマップマッチング処理の評価を行う。
【0059】
上述した処理の後、出力制御部117は、ステップST105で生成した疑似プローブ情報200、及び、ステップST106で行った評価の結果のうち少なくとも一方を出力するよう出力部を制御してもよい。出力部は、通信部121、記憶部122及び表示部123等であってもよい。
【0060】
[実施例]
次に、本実施形態の一実施例について説明する。
【0061】
まず、本実施例の背景として、マップマッチング処理の評価には様々な走行環境及び走行パターンのプローブ情報が必要となっていた。そのようなプローブ情報を実際に収集し利用するには、例えば、次のような問題があった。
(1)プローブ情報を取得するための計測に工数がかかる。
(2)アノテーションに工数がかかる。
(3)交通違反となる走行は実際に計測できない。
(4)計測機材の性能により位置情報の測位精度に差が生じる。
そこで、様々な条件に対応した評価用プローブ情報を、地域を問わず、さらに工数を掛けずに収集することが求められていた。
【0062】
そこで、本実施例は、地図情報を利用して設定した走行環境に基づいて、疑似プローブ情報200を自動的に生成する。
情報処理装置100(制御部110)が疑似プローブ情報200を生成する際の処理フローは、以下(A)~(E)の通りとなる。
【0063】
(A)走行パターンに関する条件の設定を行う。
(a)道路属性条件:一般道/自動車専用道、制限速度、車線数、停止線、信号機等
(b)ドライバの運転特性条件:走行速度、加減速傾向(一時停止、カーブ)等
(c)交通状況条件:渋滞、路上駐車等
(d)気象条件:天気、気温、風向風速、路面コンディション等
(e)時間帯条件:時間帯、年月日、年末・年始・年度末、曜日、平日・週末・祝日・連休、季節等
【0064】
(B)GNSS信号の受信感度に関する条件(受信感度条件)の設定を行う。
(a)上空視界の条件:トンネル/地下道、高架道路、周辺建物の高さ、地形(平地/山間部)等
【0065】
(C)仮想的に車両が移動する際の出発地A及び目的地Bを設定し、経路を設定する。
(a)実際に取得されたプローブ情報が相対的に少ない地域を選んで設定
(b)上記(A),(B)から導出されるパターンが相対的に多い地域を選んで設定
【0066】
(D)上記(A)の条件毎に、道路リンク上に疑似プローブ情報200を生成する。
【0067】
(E)上記(B)の条件毎に、上記(D)で生成された疑似プローブ情報200を補正(ノイズ加算)する。
【0068】
本実施例において、地図情報(道路地図)の属性(地図の属性)を利用することで、例えば、以下のバリエーションを持たせることが可能になる。
(a)高速道路属性:高速走行中の車両の走行速度(車速)を一般道の車速よりも高速にする。
(b)トンネル属性:トンネル属性を使用し、該当箇所(トンネル内)についてはGNSS信号を未受信とするような設定にする。
(c)交差点:交差点及び一時停止の属性を参照し、仮想的に車両が走行する際(疑似プローブ情報200を生成する際)では交差点及び一時停止の手前で停止するような設定にする。
(d)地図一般:リンクの接続情報を使用することで経路探索が行えるので、「A地点からB地点への経路」というような経路を作成することが可能になる。
【0069】
より具体的な一例として、まず、情報処理装置100(制御部110)は、出発地Aから目的地Bまでの経路を探索する。この場合、情報処理装置100(制御部110)は、出発地Aから目的地Bまでの最短経路等を探索する。
なお、情報処理装置100(制御部110)は、逆走走行を可能としてもよい。これにより、情報処理装置100は、例えば、誤ったマップマッチング処理を誘発しかねないプローブ情報を適切に検出して除外できるか等の評価を行うことが可能となる。
【0070】
次に、情報処理装置100(制御部110)は、上述したように探索された経路の道路属性(地図の属性)を使用して、疑似的な車両の走行速度(車速(基準車速))を生成する。車速は、例えば、任意の走行速度であってもよい。この場合、情報処理装置100(制御部110)は、例えば、車速については過去の統計情報を利用可能であってもよい。情報処理装置100(制御部110)は、設定された条件(一例として、運転特性等)に応じて、上述したように生成した疑似的な車速(基準車速)を変化させてもよい。変化の一例は、急加速及び急減速それぞれが相対的に多い又は相対的に少ない、及び、交差点又は一時停止の手前での減速の程度等であってもよく、他の内容であってもよい。
【0071】
次に、情報処理装置100(制御部110)は、上述した車速に基づいて、経路上に位置座標を設定する。この場合、情報処理装置100(制御部110)は、例えば、交差点及び曲がり角等における位置座標の軌跡が鋭角及び直角等に変化するのではなく、滑らかに変化するように補正してもよい。
【0072】
次に、情報処理装置100(制御部110)は、ノイズ加算(GNSSの位置誤差の補正)を行う。例えば、情報処理装置100(制御部110)は、トンネル及び高架下等の場所に合わせたノイズを加算する。ノイズ加算は、例えば、位置情報を経路上からずらすようなものであってもよい。
【0073】
[機能及び回路について]
次に、上述した情報処理装置100の機能及び回路について説明する。
情報処理装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置100の取得部111、特定部112、第1設定部113、第2設定部114、生成部115、評価部116及び出力制御部117(制御部110)は、コンピュータの演算処理装置等による取得機能、特定機能、第1設定機能、第2設定機能、生成機能、評価機能及び出力制御機能(制御機能)としてそれぞれ実現されてもよい。
情報処理プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。情報処理プログラムは、例えば、メモリ、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体等に記録されていてもよい。記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体と言い換えてもよい。
また、上述したように、情報処理装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、情報処理装置100の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置100の取得部111、特定部112、第1設定部113、第2設定部114、生成部115、評価部116及び出力制御部117(制御部110)は、コンピュータの演算処理装置等を構成する取得回路、特定回路、第1設定回路、第2設定回路、生成回路、評価回路及び出力制御回路(制御回路)として実現されてもよい。
また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123(出力部)は、例えば、演算処理装置等の機能を含む通信機能、記憶機能及び表示機能(出力機能)として実現されてもよい。また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123(出力部)は、例えば、集積回路等によって構成されることにより通信回路、記憶回路及び表示回路(出力回路)として実現されてもよい。また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123(出力部)は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより通信装置、記憶装置及び表示装置(出力装置)として構成されてもよい。
【0074】
情報処理装置100は、上述した複数の各部のうち1又は任意の複数を組み合わせることが可能である。
本開示では、「情報」の文言を使用しているが、「情報」の文言は「データ」と言い換えることができ、「データ」の文言は「情報」と言い換えることができる。
【0075】
[本実施形態の態様及び効果]
次に、本実施形態の一態様及び各態様が奏する効果について説明する。なお、以下に記載する各態様は出願時の一例であり、本実施形態は以下に記載する態様に限定されることはない。すなわち、本実施形態は以下に記載する各態様に限定されることはなく、上述した各部を適宜組み合わせて実現されてもよい。また、下位の態様は、それよりも上位の態様のいずれでも引用できる場合がある。
また、以下に記載する効果は一例であり、各態様が奏する効果は以下に記載するものに限定されることはない。また、各態様は、例えば、以下に記載する少なくとも1つの効果を奏してもよい。
【0076】
(態様1)
一態様の情報処理装置は、道路地図を利用して出発地及び目的地を特定して、その出発地からその目的地までの道路を移動する際の経路を設定する第1設定部と、第1設定部によって設定された経路を仮想的に走行する際の条件を設定する第2設定部と、第2設定部によって設定された条件に応じて、出発地から目的地までの疑似プローブ情報を生成する生成部と、を備える。
これにより、情報処理装置は、仮想的なプローブ情報(疑似プローブ情報)を生成することができる。
【0077】
(態様2)
一態様の情報処理装置では、第2設定部は、条件として、第1設定部によって設定された経路における道路属性、ドライバの運転特性、経路における交通状況、及び、GNSSを利用するGNSS信号の受信感度のうち少なくとも1つの条件を設定することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、疑似プローブ情報を生成する際の条件を生成することができる。情報処理装置は、種々の条件を設定可能にすることにより、多種多様なパターンの疑似プローブ情報を生成することができる。情報処理装置は、多種多様なパターンの疑似プローブ情報をマップマッチング処理の評価に利用できるので、より正確な評価を行うことができる。
【0078】
(態様3)
一態様の情報処理装置は、位置情報を含むプローブ情報を取得する取得部と、取得部によって取得されたプローブ情報に含まれる位置情報と、道路地図とを利用して、プローブ情報の数が閾値以下の領域を特定する特定部と、を備え、第1設定部は、特定部によって特定された領域において、出発地及び目的地を特定することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、実際に取得されたプローブ情報が相対的に少ない(閾値以下)領域において疑似プローブ情報を生成できるので、実際に走行する車両が少ない地域(地区)においてもマップマッチング処理の評価を行うことができる。すなわち、情報処理装置は、ユーザの利便性を向上することができる。
【0079】
(態様4)
一態様の情報処理装置では、生成部は、疑似プローブ情報に、第2設定部によって設定された条件に基づいたアノテーションを付与することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、疑似プローブ情報にアノテーションを自動的に付与できるため、ユーザの手作業によりアノテーションを付与する場合に比べてユーザの手間等を減らすことができ、ユーザの利便性を向上することができる。
【0080】
(態様5)
一態様の情報処理装置では、生成部は、第1設定部によって設定された経路に基づいて、基準プローブ情報を生成し、第2設定部によって設定された条件に応じて、基準プローブ情報を変更して、疑似プローブ情報を生成することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、設定される条件に応じた疑似プローブ情報を生成することができる。
【0081】
(態様6)
一態様の情報処理装置は、生成部によって生成された疑似プローブ情報を利用してマップマッチング処理を行い、そのマップマッチング処理の評価を行う評価部を備えることとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、設定される条件に応じた多種多様な疑似プローブ情報を用いて、マップマッチング処理の評価を行うことができるため、より正確な評価を行うことができる。
【0082】
(態様7)
一態様の情報処理方法では、コンピュータが、道路地図を利用して出発地及び目的地を特定して、その出発地からその目的地までの道路を移動する際の経路を設定する第1設定ステップと、第1設定ステップによって設定された経路を仮想的に走行する際の条件を設定する第2設定ステップと、第2設定ステップによって設定された条件に応じて、出発地から目的地までの疑似プローブ情報を生成する生成ステップと、を実行する。
これにより、情報処理方法は、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【0083】
(態様8)
一態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、道路地図を利用して出発地及び目的地を特定して、その出発地からその目的地までの道路を移動する際の経路を設定する第1設定機能と、第1設定機能によって設定された経路を仮想的に走行する際の条件を設定する第2設定機能と、第2設定機能によって設定された条件に応じて、出発地から目的地までの疑似プローブ情報を生成する生成機能と、を実現させる。
これにより、情報処理プログラムは、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0084】
100 情報処理装置
110 制御部
111 取得部
112 特定部
113 第1設定部
114 第2設定部
115 生成部
116 評価部
117 出力制御部
121 通信部
122 記憶部
123 表示部
200 疑似プローブ情報
210 経路
220 位置
300 領域
A 出発地
B 目的地