(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166521
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】物品保管情報管理システム及び物品保管情報管理方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20241122BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082671
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】唐木 太一
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522BB01
3F522CC01
3F522DD03
3F522DD05
3F522DD22
3F522DD32
3F522EE15
3F522GG03
3F522GG13
3F522GG44
3F522HH02
3F522HH22
3F522HH37
3F522JJ03
3F522KK02
3F522KK05
3F522LL57
(57)【要約】 (修正有)
【課題】物品の特定、保管場所への運搬及び保管状況の管理を自動で行うことが可能な物品保管情報管理システム及び管理方法を提供する。
【解決手段】サーバー3は、端末装置2から移動指示を受信すると、物品6の識別情報と、保管場所8の識別情報と位置情報とを含む移動指令を移動体4に送信し、移動体は、物品の現在地に移動し、RFIDタグリーダー5によって、移動指令に含まれる物品の識別情報と一致する識別情報を保有する物品用RFIDタグ7が配設された物品を選定し、移動指令に含まれる保管場所の位置に移動し、移動指令に含まれる保管場所の識別情報と一致する保管場所用RFIDタグ9が配設された保管場所へ物品を保管し、保管終了後に、完了信号をサーバーに送信し、サーバーは、物品情報DB10に記憶されている物品6保管先情報と、保管場所情報DB11に記憶されている保管場所の保管物品情報とをアップデートする、ことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して接続されるサーバーと、移動体に配設されたセンサーと、物品に配設された物品識別情報送信手段と、保管場所に配設された保管場所識別情報送信手段と、を備える物品保管情報管理システムであって、
前記サーバーは、
前記物品の識別情報と、保管先情報とを記憶する物品情報記憶手段と、前記保管場所の識別情報と、位置情報と、保管物品情報とを記憶する保管場所情報記憶手段とを有し、
前記端末装置から移動すべき物品とその保管場所とを指定する移動指示を受信すると、当該物品の前記識別情報と、当該保管場所の前記識別情報と前記位置情報とを含む移動指令を前記移動体に送信し、
前記移動指令を受信した前記移動体は、
前記物品の現在地に移動し、
前記センサーによって、前記移動指令に含まれる前記物品の前記識別情報と一致する識別情報を保有する前記物品識別情報送信手段が配設された前記物品を選定し、
前記移動指令に含まれる前記保管場所の前記位置情報に基づき前記保管場所に移動し、
前記センサーによって、前記移動指令に含まれる前記保管場所の前記識別情報と一致する識別情報を保有する前記保管場所識別情報送信手段が配設された前記保管場所へ前記物品を保管し、
保管終了後に、完了信号を前記サーバーに送信し、
前記完了信号を受信した前記サーバーは、前記物品情報記憶手段に記憶された前記物品の前記保管先情報と、前記保管場所情報記憶手段に記憶された前記保管場所の前記保管物品情報をアップデートする、
ことを特徴とする物品保管情報管理システム。
【請求項2】
前記移動体を複数備え、
前記サーバーは、更に、前記移動体の識別情報と、位置情報と、使用状況とを記憶する移動体情報記憶手段を有し、
前記サーバーは、前記移動指示を受信すると、前記移動体の前記位置情報と前記使用状況とに基づき所定の移動体を選択し、
前記完了信号を受信した前記サーバーは、前記移動体情報記憶手段に記憶された前記移動体の前記位置情報と前記使用状況とをアップデートする、
ことを特徴とする請求項1に記載の物品保管情報管理システム。
【請求項3】
端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して接続されるサーバーと、移動体に配設されたセンサーと、物品に配設された物品識別情報送信手段と、保管場所に配設された保管場所識別情報送信手段と、を備える物品保管情報管理システムによって実行される物品保管情報管理方法であって、
前記サーバーは、前記物品の識別情報と、保管先情報とを記憶する物品情報記憶手段と、前記保管場所の識別情報と、位置情報と、保管物品情報とを記憶する保管場所情報記憶手段とを有し、
前記端末装置に移動すべき物品とその保管場所とを指定する移動指示を入力するステップと、
前記移動指示を受信した前記サーバーが、当該物品の前記識別情報と、当該保管場所の前記識別情報と前記位置情報とを含む移動指令を前記移動体に送信するステップと、
前記移動体が、前記物品の現在地に移動するステップと、
前記移動体が、前記センサーによって、前記移動指令に含まれる前記物品の前記識別情報と一致する識別情報を保有する前記物品識別情報送信手段が配設された前記物品を選定するステップと、
前記移動体が、前記移動指令に含まれる前記保管場所の前記位置情報に基づき前記保管場所に移動するステップと、
前記移動体が、前記センサーによって、前記移動指令に含まれる前記保管場所の前記識別情報と一致する識別情報を保有する前記保管場所識別情報送信手段が配設された前記保管場所へ前記物品を保管するステップと、
前記移動体が、保管終了後に、完了信号を前記サーバーに送信するステップと、
前記サーバーが、前記物品情報記憶手段に記憶された前記物品の前記保管先情報と、前記保管場所情報記憶手段に記憶された前記保管場所の前記保管物品情報をアップデートするステップと、を有する、
ことを特徴とする物品保管情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工場や倉庫などにおける物品保管情報を自動管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
工場で材料から加工された一時生産品は、そのまま資材として出荷したり、工場内で再加工して製品化したりする前に、一時的に仮置きする場合がある。その際、「どこに何を置いたのか」という物品保管情報を管理する必要がある。従来は、製品を運搬するクレーンなどのオペレーターが、タブレットなどの端末にどの製品をどこに保管したかを入力することによって管理していたが、作業ミスや入力ミスにより、製品の実際の保管場所とデータ上の保管場所が異なることがあった。
【0003】
特許文献1には、置場管理システムが開示されている。このシステムを用いれば、入庫或いは出庫指示と管理対象物の移動実績とをリアルタイムで自動照合するので、作業ミスを防止することができる、と説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、管理対象物を運搬するオペレーターが携帯端末の表示画面を確認しながら作業を進めなければならず、オペレーターの作業負担などの点で未だ改善の余地があった。
【0006】
そこで本発明は、物品の特定、保管場所への運搬及び保管情報の管理を自動で行うことが可能な物品保管情報管理システム及び物品保管情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して接続されるサーバーと、移動体に配設されたセンサーと、物品に配設された物品識別情報送信手段と、保管場所に配設された保管場所識別情報送信手段と、を備える物品保管情報管理システムであって、前記サーバーは、前記物品の識別情報と、保管先情報とを記憶する物品情報記憶手段と、前記保管場所の識別情報と、位置情報と、保管物品情報とを記憶する保管場所情報記憶手段とを有し、前記端末装置から移動すべき物品とその保管場所とを指定する移動指示を受信すると、当該物品の前記識別情報と、当該保管場所の前記識別情報と前記位置情報とを含む移動指令を前記移動体に送信し、前記移動指令を受信した前記移動体は、前記物品の現在地に移動し、前記センサーによって、前記移動指令に含まれる前記物品の前記識別情報と一致する識別情報を保有する前記物品識別情報送信手段が配設された前記物品を選定し、前記移動指令に含まれる前記保管場所の前記位置情報に基づき前記保管場所に移動し、前記センサーによって、前記移動指令に含まれる前記保管場所の前記識別情報と一致する識別情報を保有する前記保管場所識別情報送信手段が配設された前記保管場所へ前記物品を保管し、保管終了後に、完了信号を前記サーバーに送信し、前記完了信号を受信した前記サーバーは、前記物品情報記憶手段に記憶された前記物品の前記保管先情報と、前記保管場所情報記憶手段に記憶された前記保管場所の前記保管物品情報をアップデートする、ことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の物品保管情報管理システムであって、前記移動体を複数備え、前記サーバーは、更に、前記移動体の識別情報と、位置情報と、使用状況とを記憶する移動体情報記憶手段を有し、前記サーバーは、前記移動指示を受信すると、前記移動体の前記位置情報と前記使用状況とに基づき所定の移動体を選択し、前記完了信号を受信した前記サーバーは、前記移動体情報記憶手段に記憶された前記移動体の前記位置情報と前記使用状況とをアップデートする、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して接続されるサーバーと、移動体に配設されたセンサーと、物品に配設された物品識別情報送信手段と、保管場所に配設された保管場所識別情報送信手段と、を備える物品保管情報管理システムによって実行される物品保管情報管理方法であって、前記サーバーは、前記物品の識別情報と、保管先情報とを記憶する物品情報記憶手段と、前記保管場所の識別情報と、位置情報と、保管物品情報とを記憶する保管場所情報記憶手段とを有し、前記端末装置に移動すべき物品とその保管場所とを指定する移動指示を入力するステップと、前記移動指示を受信した前記サーバーが、当該物品の前記識別情報と、当該保管場所の前記識別情報と前記位置情報とを含む移動指令を前記移動体に送信するステップと、前記移動体が、前記物品の現在地に移動するステップと、前記移動体が、前記センサーによって、前記移動指令に含まれる前記物品の前記識別情報と一致する識別情報を保有する前記物品識別情報送信手段が配設された前記物品を選定するステップと、前記移動体が、前記移動指令に含まれる前記保管場所の前記位置情報に基づき前記保管場所に移動するステップと、前記移動体が、前記センサーによって、前記移動指令に含まれる前記保管場所の前記識別情報と一致する識別情報を保有する前記保管場所識別情報送信手段が配設された前記保管場所へ前記物品を保管するステップと、前記移動体が、保管終了後に、完了信号を前記サーバーに送信するステップと、前記サーバーが、前記物品情報記憶手段に記憶された前記物品の前記保管先情報と、前記保管場所情報記憶手段に記憶された前記保管場所の前記保管物品情報をアップデートするステップと、を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1及び3の発明によれば、端末装置から移動すべき物品とその移動先の保管場所とを指定する移動指示を入力すれば、移動体が物品をその保管場所に自動的に運搬して保管することが可能となる。また、端末装置から移動指示を入力しさえすれば、物品は自動的に運搬され保管されるので、オペレーターが操作する場合に発生する作業ミスや入力ミスを回避することが可能となる。また、運搬作業終了後、サーバーの各記憶手段に記憶されている情報が自動的にアップデートされるので、正確な物品保管情報の管理を実現することが可能となる。
【0011】
請求項2の発明によれば、移動体が複数存在するので、運搬する物品の現在地又は移動先、移動体の使用状況などに応じて適切な移動体を選択することができる、運搬作業の効率化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】この発明の実施の形態に係る物品保管情報管理システムの構成を示す概略図である。
【
図2】この発明の実施の形態に係る物品保管情報管理システムで管理される工場と、当該物品保管情報管理システムに用いられるサーバーが有する物品情報記憶手段及び保管場所情報記憶手段の例を示す説明図である。
【
図3】物品の移動指示から情報のアップデートまでの手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0014】
図1は、この実施の形態に係る物品保管情報管理システム1の構成を示す概略図である。本実施の形態に係る物品保管情報管理システム1は、本発明の物品保管情報管理システムおよび物品保管情報管理方法を実行する。
【0015】
物品保管情報管理システム1は、端末装置2と、端末装置2とネットワークを介して接続されるサーバー3と、移動体4に配設されたRFIDタグリーダー(センサー)5と、物品6に配設された物品用RFIDタグ(物品識別情報送信手段)7と、保管場所8に配設された保管場所用RFIDタグ(保管場所識別情報送信手段)9と、を備えている。端末装置2とサーバー3は、相互に信号・情報の送受信を行うことができるように、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)や、工場などの構内に構築されたLAN(Local Area Network)を含む各種の無線/有線の通信回線網ネットワークを介して接続されている。
【0016】
端末装置2は、携帯電話やスマートフォンなどの携帯型通信装置であり、通話やメールなどの情報を送受信する機能を備える。詳しくは図示しないが、端末装置2は、従来の一般的な通信端末と同様に、マイクおよびスピーカーを含む音声回路、ディスプレイなどを含む表示回路、キーやタッチパネルなどを含む操作部、無線によって情報の送受信を行う通信回路、測位衛星の信号に基づいて位置情報を取得する測位回路、制御プログラムなどが格納されたメモリ、制御プログラムに従って各部を統括的に制御する制御回路などを備える。そして、端末装置2に移動すべき物品6とその保管場所8とを指定する移動指示を入力すると、その指示がリアルタイムでサーバー3に送信されるようになっている。
【0017】
サーバー3は、物品保管情報管理に必要な情報を記憶するDB(データベース)サーバーである。サーバー3は、具体的には、物品情報DB(物品情報記憶手段)10と、保管場所情報DB(保管場所情報記憶手段)11とを有する。なお、サーバー3は、さらに移動体情報DB(移動体情報記憶手段)12を有しても良い。
【0018】
物品情報DB10には、本システム1の対象となる物品6の識別情報と、保管先情報とが少なくとも記憶されている。例えば、
図2に示す例は、物品6が工場で材料から加工された一時生産品であり、その一時生産品を出荷したり再加工したりする前に、一時的に保管場所8に仮置きする場合を想定したものである。この例の場合、物品情報DB10には、例えば、物品6の識別情報(表中の「番号」)、保管先情報(表中の「場所」)に加え、出荷先、重量、積重ね重量などが記憶されている。出荷先の情報は、物品6を出荷先ごとにまとめて保管する場合などに有効であり、重量や積重ね重量の情報は、物品6の保管場所を決定する場合などに有効である。
【0019】
保管場所情報DB11には、本システム1の対象となる保管場所8の識別情報と、位置情報と、保管物品情報とが少なくとも記憶されている。
図2に示す例の場合、保管場所情報DB11には、保管場所8の識別情報(表中の「エリア」)、位置情報(表中の「位置」)、保管物品情報(表中の「格納」)に加え、保管予約の有無などが記憶されている。保管予約の有無は、特定の出荷先用の物品をまとめて保管する場所を確保したい場合などに有効である。
【0020】
移動体情報DB12には、本システム1に使用する移動体4の識別情報と、位置情報と、使用状況とが少なくとも記憶されている。識別情報は、移動体4が複数ある場合に必要な情報であり、位置情報や使用状況は、複数ある移動体4のうち、物品6の運搬に適切な移動体4を選択する場合などに有効である。
【0021】
物品6は、例えば、鉄鋼などの大型の資材や、鉄鋼から製造される機械部材や建築部材などである。物品6は、物品用RFIDタグ7を添付可能なものであれば、段ボール箱やプラスチック容器などの収容体に収容されていても良い。
【0022】
本実施の形態では、
図1に示すように、工場や倉庫などの施設の所定の場所に、複数の物品6が置かれる。これら複数の物品6のそれぞれには、物品6を識別するための物品用RFIDタグ7が配設されている。物品用RFIDタグ7は、物品6の識別情報を記録したタグである。物品用RFIDタグ7には、さらに、物品6の内容、出荷先、重量などが記憶されていても良い。物品用RFIDタグ7は、例えば、物品6の識別情報が記録されるICチップとループ状導体とアンテナとにより構成される。ICチップ、ループ状導体、及びアンテナは、例えば積層される複数の合成樹脂製フィルムの間に、挟み込まれるように配置される。ICチップは内部容量を有し、アンテナが有するインダクタンスとICチップの内部容量とにより、整合回路が構成される。ループ状導体は、ICチップ及びアンテナと電気的に接続される。
【0023】
保管場所8は、
図1に示すように、複数の物品6を保管するために工場や倉庫などの施設内に設けられた複数の場所である。保管場所8の形態は、物品6の種類によって異なり、特に限定されるものではないが、
図2に示すように、床面であっても良いし、ラックや棚などであってもよい。
【0024】
これら複数の保管場所8のそれぞれには、保管場所8を識別するための保管場所用RFIDタグ9が配設されている。保管場所用RFIDタグ9は、保管場所8の識別情報を記録したタグである。保管場所用RFIDタグ9には、さらに、保管場所8の位置、予約状況などが記憶されていても良い。保管場所用RFIDタグ9の機能は、上述の物品用RFIDタグ7と同様である。
【0025】
移動体4は、物品6を工場や倉庫などの施設内の保管場所8へ運搬するための手段である。移動体4は、運搬する物品の種類によって適切なものを選択すれば良く、特に限定されないが、例えば、物品6が鉄鋼などの大型資材である場合は、クレーンやフォークリフトである。
【0026】
本システムにおいて使用される移動体4の数は限定されず、単数であっても、複数であっても良い。
【0027】
移動体4には、RFIDタグリーダー5が配設されており、物品6の物品用RFIDタグ7や、保管場所8の保管場所用RFIDタグ9と無線通信を行うことにより、物品用RFIDタグ7が保有する識別情報や、保管場所用RFIDタグ9が保有する識別情報を読み取る。
【0028】
次に、
図2に示す工場において、複数ある保管場所8のうちの「保管場所B4」へ、複数ある物品6のうちの「物品a」 を移動する場合を例に、この実施の形態の作用について説明する。なお、以下の説明においては、移動体4が複数存在する場合を例に挙げて説明する。
【0029】
図3のフローチャートに示すように、まず、端末装置2に「物品aを保管場所B4へ移動する」という移動指示が入力される(ステップS1)。移動指示は、端末装置2とネットワークを介して接続されているサーバー3へ送信される。移動指示を受信したサーバー3は、移動体情報DB12に記憶されている移動体4の位置情報と使用状況に基づき「物品a」の運搬に適切な移動体4、例えば、「物品a」の現在地又は移動先に近く、「空き」状態の移動体4を選択し、物品情報DB10に記憶されている「物品a」の識別情報と、保管場所情報DB11に記憶されている「保管場所B4」の識別情報と位置情報とを含む移動指令を移動体4に送信する(ステップS2)。
【0030】
移動指令を受信した移動体4は、「物品a」の現在地へ移動し(ステップS3)、RFIDタグリーダー5によって、「物品a」に配設された物品用RFIDタグ7を読み取る(ステップS4)。そして、物品用RFIDタグ7の識別情報が、移動指令に含まれる「物品a」の識別情報と一致する場合に、移動体4は、移動指令に含まれる「保管場所B4」の位置情報に基づき、「物品a」を「保管場所B4」へ運搬する(ステップS5)。
【0031】
「保管場所B4」に到着した移動体4は、RFIDタグリーダー5によって、「保管場所B4」の保管場所用RFIDタグ9を読み取り、保管場所用RFIDタグ9の識別情報が、移動指令に含まれる「保管場所B4」の識別情報と一致する場合は、「物品a」を「保管場所B4」に保管する(ステップS6)。
【0032】
「物品a」の「保管場所B4」への保管終了後、移動体4が完了信号をサーバー3に送信すると、サーバー3は、物品情報DB10に記憶されている「物品a」の保管先情報と、保管場所情報DB11に記憶されている「保管場所B4」の保管物品情報と、移動体情報DB12に記憶されている移動体4の位置情報と使用状況とをアップデートする(ステップS7)。具体的には、
図2に示す通り、物品識別情報DB10に記憶されている「物品a」の「場所」に「B4」と入力し、保管場所情報DB11に記憶されている「保管場所B4」の「格納」に「物品a」を追加する。また、
図2には記載されていないが、移動体情報DB12に記憶されている移動体4の位置を変更し、使用状況を「使用中」から「空き」へ変更する。
【0033】
以上のように、本実施の形態に係る物品保管情報管理システム1によれば、端末装置2から移動すべき物品6とその移動先の保管場所8とを指定する移動指示を入力すれば、移動体4が物品6をその保管場所8に自動的に運搬して保管することが可能となる。また、端末装置2から移動指示を入力しさえすれば、物品6は自動的に運搬され保管されるので、オペレーターが操作する場合に発生する作業ミスや入力ミスを回避することが可能となる。また、運搬作業終了後、サーバー3の各DB10~12に記憶されている情報が自動的にアップデートされるので、正確な物品保管情報の管理を実現することが可能となる。
【0034】
また、本実施の形態に係る物品保管情報管理システム1によれば、移動体4が複数存在するので、運搬する物品6の現在地又は移動先、移動体4の使用状況などに応じて適切な移動体4を選択することができ、運搬作業の効率化を図ることが可能となる。
【0035】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、センサー5としてRFIDタグリーダーを用い、物品識別情報送信手段7や保管場所識別情報送信手段9として各々専用のRFIDタグを用いているが、無線通信を行うことによって情報をやりとりすることのできる手段であればRFIDタグリーダーやRFIDタグ以外のもの、例えばQRコード(登録商標)を用いても良い。
【符号の説明】
【0036】
1 物品保管情報管理システム
2 端末装置
3 サーバー
4 移動体
5 RFIDタグリーダー(センサー)
6 物品
7 物品用RFIDタグ(物品識別情報送信手段)
8 保管場所
9 保管場所用RFIDタグ(保管場所識別情報送信手段)
10 物品情報DB(物品情報記憶手段)
11 保管場所情報DB(保管場所情報記憶手段)
12 移動体情報DB(移動体情報記憶手段)