(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166554
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】面発光レーザチップ
(51)【国際特許分類】
H01S 5/42 20060101AFI20241122BHJP
H01S 5/042 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
H01S5/42
H01S5/042 612
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082726
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】近藤 宙太
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AC00
5F173AD01
5F173AD02
5F173AK21
5F173AR12
5F173AR99
(57)【要約】
【課題】発光面からのレーザ光が反射層によって遮られにくくすること。
【解決手段】面発光レーザチップ30は、第1チップ表面31に形成され、レーザ光を出射するように構成された第1発光面33Aおよび第2発光面33Bと、第1チップ表面31に形成され、第1発光面33Aおよび第2発光面33Bの各々から離隔した位置に形成された表面電極34と、を含む。平面視において、第1発光面33Aおよび第2発光面33Bは、X方向に離隔して配列されている。表面電極34は、X方向において第1発光面33Aと第2発光面33Bとの間に配置されている。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対側を向くチップ表面およびチップ裏面と、
前記チップ表面に形成され、レーザ光を出射するように構成された第1発光面および第2発光面と、
前記チップ表面に形成され、前記第1発光面および前記第2発光面の各々から離隔した位置に形成された電極と、
を含み、
前記チップ表面に垂直な厚さ方向から視て、前記第1発光面および前記第2発光面は、第1方向に離隔して配列されており、
前記電極は、前記第1方向において前記第1発光面と前記第2発光面との間に配置されている
面発光レーザチップ。
【請求項2】
前記厚さ方向から視て、前記第2発光面の面積は、前記第1発光面の面積よりも小さい
請求項1に記載の面発光レーザチップ。
【請求項3】
前記第1発光面および前記第2発光面の各々は、レーザ光を出射する発光部を含み、
前記第2発光面の前記発光部の数は、前記第1発光面の前記発光部の数よりも少ない
請求項2に記載の面発光レーザチップ。
【請求項4】
前記電極は、前記第1発光面の前記発光部および前記第2発光面の前記発光部の双方と電気的に接続されている
請求項3に記載の面発光レーザチップ。
【請求項5】
前記厚さ方向から視て前記第1方向と直交する方向を第2方向とすると、
前記第2発光面は、前記第2方向において互いに離隔して配列された複数の発光部を含む
請求項1に記載の面発光レーザチップ。
【請求項6】
前記第1発光面および前記第2発光面の各々は、レーザ光を出射する発光部を含み、
前記電極は、互いに離隔して配置された第1電極および第2電極を含み、
前記第1電極は、前記第1発光面の前記発光部と電気的に接続されており、
前記第2電極は、前記第2発光面の前記発光部と電気的に接続されている
請求項1に記載の面発光レーザチップ。
【請求項7】
前記厚さ方向から視て前記第1方向と直交する方向を第2方向とすると、
前記第1電極および前記第2電極は、前記第2方向において互いに離隔して配列されている
請求項6に記載の面発光レーザチップ。
【請求項8】
前記厚さ方向から視て、前記第1電極の面積は、前記第2電極の面積よりも大きい
請求項6に記載の面発光レーザチップ。
【請求項9】
前記第1発光面は、互いに離隔して配置された第1主発光領域および第2主発光領域を含み、
前記第2発光面は、互いに離隔して配置された第1発光領域および第2発光領域を含み、
前記電極は、互いに離隔して配置された第1電極および第2電極を含む
請求項1に記載の面発光レーザチップ。
【請求項10】
前記第1発光領域、前記第2発光領域、前記第1主発光領域、および前記第2主発光領域の各々は、レーザ光を出射する発光部を含み、
前記第1電極は、前記第1発光領域の前記発光部および前記第1主発光領域の前記発光部の双方と電気的に接続されており、
前記第2電極は、前記第2発光領域の前記発光部および前記第2主発光領域の前記発光部の双方と電気的に接続されている
請求項9に記載の面発光レーザチップ。
【請求項11】
前記厚さ方向から視て前記第1方向と直交する方向を第2方向とすると、
前記第1発光領域、前記第1主発光領域、および前記第1電極は、前記第2方向において互いに同じ位置に設けられており、
前記第2発光領域、前記第2主発光領域、および前記第2電極は、前記第2方向において互いに同じ位置に設けられている
請求項9に記載の面発光レーザチップ。
【請求項12】
前記厚さ方向から視て、前記第1発光領域の面積は、前記第1主発光領域の面積よりも小さく、
前記厚さ方向から視て、前記第2発光領域の面積は、前記第2主発光領域の面積よりも小さい
請求項9に記載の面発光レーザチップ。
【請求項13】
前記第1発光領域、前記第2発光領域、前記第1主発光領域、および前記第2主発光領域の各々は、レーザ光を出射する発光部を含み、
前記第1発光領域の前記発光部の数は、前記第1主発光領域の前記発光部の数よりも少なく、
前記第2発光領域の前記発光部の数は、前記第2主発光領域の前記発光部の数よりも少ない
請求項12に記載の面発光レーザチップ。
【請求項14】
前記第1発光面は、互いに離隔して配置された第3主発光領域および第4主発光領域を含み、
前記第2発光面は、互いに離隔して配置された第3発光領域および第4発光領域を含み、
前記電極は、互いに離隔して配置された第3電極および第4電極を含む
請求項9に記載の面発光レーザチップ。
【請求項15】
前記第3発光領域、前記第4発光領域、前記第3主発光領域、および前記第4主発光領域の各々は、レーザ光を出射する発光部を含み、
前記第3電極は、前記第3発光領域の前記発光部および前記第3主発光領域の前記発光部の双方と電気的に接続されており、
前記第4電極は、前記第4発光領域の前記発光部および前記第4主発光領域の前記発光部の双方と電気的に接続されている
請求項14に記載の面発光レーザチップ。
【請求項16】
前記厚さ方向から視て、前記第3発光領域の面積は、前記第3主発光領域の面積よりも小さく、
前記厚さ方向から視て、前記第4発光領域の面積は、前記第4主発光領域の面積よりも小さい
請求項14に記載の面発光レーザチップ。
【請求項17】
前記第3発光領域、前記第4発光領域、前記第3主発光領域、および前記第4主発光領域の各々は、レーザ光を出射する発光部を含み、
前記第3発光領域の前記発光部の数は、前記第3主発光領域の前記発光部の数よりも少なく、
前記第4発光領域の前記発光部の数は、前記第4主発光領域の前記発光部の数よりも少ない
請求項16に記載の面発光レーザチップ。
【請求項18】
前記厚さ方向から視て前記第1方向と直交する方向を第2方向とすると、
前記第1発光領域、前記第2発光領域、前記第3発光領域、および前記第4発光領域は、前記第2方向において互いに離隔して配列されており、
前記第1主発光領域、前記第2主発光領域、前記第3主発光領域、および前記第4主発光領域は、前記第2方向において互いに離隔して配列されており、
前記第1電極、前記第2電極、前記第3電極、および前記第4電極は、前記第2方向において互いに離隔して配列されており、
前記第3発光領域、前記第3主発光領域、および前記第3電極は、前記第2方向において互いに同じ位置に設けられており、
前記第4発光領域、前記第4主発光領域、および前記第4電極は、前記第2方向において互いに同じ位置に設けられている
請求項14に記載の面発光レーザチップ。
【請求項19】
前記第3発光領域および前記第4発光領域は、前記第1発光領域と前記第2発光領域との前記第2方向の間に設けられており、
前記第3主発光領域および前記第4主発光領域は、前記第1主発光領域と前記第2主発光領域との前記第2方向の間に設けられており、
前記第1方向における前記第1主発光領域および前記第2主発光領域の長さは、前記第1方向における前記第3主発光領域および前記第4主発光領域の長さよりも短い
請求項18に記載の面発光レーザチップ。
【請求項20】
前記第3発光領域、前記第4発光領域、前記第3主発光領域、および前記第4主発光領域の各々は、レーザ光を出射する発光部を含み、
前記第3発光領域および前記第4発光領域は、前記第1発光領域と前記第2発光領域との前記第2方向の間に設けられており、
前記第3主発光領域および前記第4主発光領域は、前記第1主発光領域と前記第2主発光領域との前記第2方向の間に設けられており、
前記第1主発光領域および前記第2主発光領域の前記発光部の数は、前記第3主発光領域および前記第4主発光領域の前記発光部の数よりも少ない
請求項18に記載の面発光レーザチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、面発光レーザチップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な電子機器に搭載される光源装置として、光源として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を備える半導体発光装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、半導体発光装置では、LEDチップが用いられるため、光源の高出力化に対応することが困難である。そこで、LEDチップに代えて、たとえば垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)などの面発光レーザチップによって高出力化に対応することが考えられる。
【0005】
また、半導体発光装置では、LEDチップから出射される光の一部を受光する受光チップを備え、受光チップの受光量に基づいてLEDチップから出射される光の強度を制御する構成の採用が進められている。
【0006】
このような半導体発光装置に対してLEDチップに代えて面発光レーザチップが用いられる場合、面発光レーザチップはLEDチップよりも指向角が狭いため、面発光レーザチップから出射されたレーザ光の一部を受光チップに向けて反射する必要がある。このため、例えば面発光レーザチップの発光面の一部に対向するように反射層を設ける場合がある。この場合、反射層の位置ずれ等に起因して、反射層が必要以上に発光面と対向してしまうと、面発光レーザチップが出射するレーザ光が反射層に必要以上に遮られるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する面発光レーザチップは、互いに反対側を向くチップ表面およびチップ裏面と、前記チップ表面に形成され、レーザ光を出射するように構成された第1発光面および第2発光面と、前記チップ表面に形成され、前記第1発光面および前記第2発光面の各々から離隔した位置に形成された電極と、を含み、前記チップ表面に垂直な厚さ方向から視て、前記第1発光面および前記第2発光面は、第1方向に離隔して配列されており、前記電極は、前記第1方向において前記第1発光面と前記第2発光面との間に配置されている。
【発明の効果】
【0008】
上記面発光レーザチップによれば、発光面からのレーザ光が反射層によって遮られにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態の半導体発光装置の概略斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の半導体発光装置から封止部材を除いた状態の概略平面図である。
【
図3】
図3は、
図2のF3-F3線で半導体発光装置を切断した概略断面図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態の半導体発光装置の概略断面図である。
【
図6】
図6は、
図5の一点鎖線の枠を拡大した概略断面図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態の半導体発光装置について、半導体発光装置から封止部材を除いた状態の概略平面図である。
【
図8】
図8は、
図7のF8-F8線で半導体発光装置を切断した概略断面図である。
【
図9】
図9は、第4実施形態の半導体発光装置の概略断面図である。
【
図10】
図10は、第5実施形態の半導体発光装置の概略断面図である。
【
図11】
図11は、第6実施形態の半導体発光装置の概略断面図である。
【
図13】
図13は、第7実施形態の半導体発光装置について、面発光レーザチップの概略平面図である。
【
図15】
図15は、第8実施形態の半導体発光装置について、面発光レーザチップの概略平面図である。
【
図17】
図17は、変更例の半導体発光装置について、反射部およびその周辺を拡大した概略断面図である。
【
図18】
図18は、変更例の半導体発光装置の概略断面図である。
【
図19】
図19は、変更例の半導体発光装置の概略断面図である。
【
図20】
図20は、変更例の半導体発光装置の概略断面図である。
【
図21】
図21は、変更例の半導体発光装置について、面発光レーザチップの概略平面図である。
【
図22】
図22は、変更例の半導体発光装置について、反射部およびその周辺を拡大した概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本開示における半導体発光装置のいくつかの実施形態を説明する。なお、説明を簡単かつ明確にするために、図面に示される構成要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。また、理解を容易にするために、断面図ではハッチング線が省略されている場合がある。添付の図面は、本開示の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。
【0011】
以下の詳細な記載は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図しない。
【0012】
<第1実施形態>
図1~
図4を参照して、第1実施形態の半導体発光装置10について説明する。
図1は、半導体発光装置10の概略斜視構造を示している。
図2は、半導体発光装置10から後述する封止部材50を省略した状態の概略平面構造を示している。
図3は、
図2のF3-F3線で半導体発光装置10を切断した概略断面構造を示している。
図4は、半導体発光装置10の概略平面構造を示している。なお、本開示において使用される「平面視」という用語は、
図1に示される互いに直交するXYZ軸のZ方向に半導体発光装置10を視ることをいう。
【0013】
[半導体発光装置の全体構成]
図1に示すように、半導体発光装置10は、Z方向を厚さ方向とする矩形平板状に形成されている。半導体発光装置10は、基板20と、基板20上に配置された面発光レーザチップ30および受光チップ40と、面発光レーザチップ30および受光チップ40を封止する封止部材50と、を含む。
【0014】
基板20は、面発光レーザチップ30および受光チップ40を支持する部品である。基板20は、Z方向が厚さ方向となる矩形平板状に形成されている。以降の説明において、「平面視」は「基板の厚さ方向から視て」と同義である。
【0015】
図2に示すように、基板20は、平面視においてX方向が長手方向となり、Y方向が短手方向となる矩形状に形成されている。
図1に示すように、基板20は、基板表面21と、Z方向において基板表面21とは反対側の基板裏面22と、基板表面21と基板裏面22とを接続する第1~第4基板側面23~26(
図2参照)と、を有する。第1基板側面23および第2基板側面24は基板20のX方向の両端面を構成し、第3基板側面25および第4基板側面26は基板20のY方向の両端面を構成している。なお、平面視における基板20の形状は任意に変更可能である。
【0016】
基板20は、例えば絶縁材料によって形成されている。絶縁材料としては、例えばエポキシ樹脂を含む材料によって形成されていてよい。その一例として、基板20は、ガラスエポキシ樹脂によって形成されていてよい。また、絶縁材料として、例えばセラミックを含む材料によって形成されていてもよい。セラミックを含む材料としては、例えば窒化アルミニウム(AlN)またはアルミナ(Al2O3)などが挙げられる。基板20がセラミックを含む材料によって形成されている場合、基板20の放熱性能が向上するため、半導体発光装置10の温度が過度に高くなることを抑制できる。
【0017】
面発光レーザチップ30は、基板表面21上に配置されている。面発光レーザチップ30は、所定の波長帯の光を出射するレーザダイオードであり、半導体発光装置10の光源として機能する。面発光レーザチップ30の構成は特に限定されないが、第1実施形態では、垂直共振器型面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)が用いられている。
【0018】
面発光レーザチップ30は、Z方向が厚さ方向となる矩形平板状に形成されている。一例では、
図2に示すように、面発光レーザチップ30は、平面視においてX方向が長手方向となり、Y方向が短手方向となる矩形状に形成されている。なお、平面視における面発光レーザチップ30の形状は任意に変更可能である。
【0019】
図1に示すように、面発光レーザチップ30は、Z方向において互いに反対側を向く第1チップ表面31および第1チップ裏面32を有する。第1チップ表面31は面発光レーザチップ30のチップ表面の一例であり、第1チップ裏面32は面発光レーザチップ30のチップ裏面の一例である。第1チップ表面31は基板表面21と同じ側を向き、第1チップ裏面32は基板裏面22と同じ側を向いている。第1チップ表面31には、レーザ光を出射する発光面33と、表面電極34とが形成されている。表面電極34は、面発光レーザチップ30の電極の一例である。平面視において、発光面33および表面電極34は、面発光レーザチップ30の長手方向(X方向)に並んでいる。第1チップ裏面32には、裏面電極35が形成されている。一例では、裏面電極35は、第1チップ裏面32の全体にわたり形成されている。面発光レーザチップ30は、発光面33からレーザ光を出射するように構成されている。発光面33には、複数の発光部33Pが設けられている。各発光部33Pは、発光面33に対して垂直な方向に向けてレーザ光を出射するように構成されている。各発光部33Pが出射するレーザ光は、可視光線であってもよいし、紫外線等の可視光線よりも波長が長いレーザ光であってもよい。
【0020】
ここで、発光面33を区画する破線枠の領域は、各発光部33Pに電気的に接続された発光電極38の外枠と同じである。つまり、平面視において、発光電極38の外枠で囲まれた領域を発光面33としている。発光電極38は、表面電極34と電気的に接続されている。より詳細には、面発光レーザチップ30は、発光電極38と表面電極34とを電気的に接続する接続部39を含む。接続部39は、例えば配線層およびビアを含む。なお、発光電極38は、表面電極34と一体的に形成されていてもよい。
【0021】
受光チップ40は、例えばフォトダイオードを含む。受光チップ40は、面発光レーザチップ30のレーザ光の一部を受光するために基板表面21上に配置されている。受光チップ40は、受光した光の強度に応じた信号を出力するように構成されている。
【0022】
受光チップ40は、Z方向が厚さ方向となる矩形平板状に形成されている。一例では、受光チップ40は、平面視において正方形状に形成されている。
図2に示す例では、受光チップ40のX方向の寸法およびY方向の寸法は、面発光レーザチップ30のX方向の寸法およびY方向の寸法よりも小さい。なお、平面視における受光チップ40の形状およびサイズは任意に変更可能である。
【0023】
図1に示すように、受光チップ40は、Z方向において互いに反対側を向く第2チップ表面41および第2チップ裏面42を有する。第2チップ表面41は基板表面21と同じ側を向き、第2チップ裏面42は基板裏面22と同じ側を向いている。第2チップ表面41には表面電極43が形成されている。第2チップ裏面42には裏面電極44が形成されている。第1実施形態では、第2チップ表面41は受光面を構成している。つまり、受光チップ40は、第2チップ表面41に入射されるレーザ光の強度に応じた電圧信号を生成するように構成されている。
【0024】
図2に示すように、面発光レーザチップ30および受光チップ40は、X方向に並んで配置されている。受光チップ40は、基板20上において平面視で面発光レーザチップ30からX方向に離隔して配置されている。一例では、面発光レーザチップ30および受光チップ40は、Y方向において互いに揃った状態でX方向において互いに離隔して配列されている。面発光レーザチップ30は、受光チップ40に対して第2基板側面24寄りに配置されている。一例では、面発光レーザチップ30は、平面視において発光面33が受光チップ40寄りとなるように配置されている。面発光レーザチップ30は、表面電極34が発光面33に対して受光チップ40とは反対側となるように配置されているともいえる。また、面発光レーザチップ30は、発光面33が受光チップ40と表面電極34とのX方向の間に位置するように配置されているともいえる。ここで、X方向は「第1方向」の一例である。
【0025】
図1に示すように、封止部材50は、基板20上に設けられている。封止部材50は、面発光レーザチップ30のレーザ光が透過可能な材料によって形成されている。封止部材50は、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、およびアクリル樹脂の少なくとも1つを含む材料によって形成されている。一例では、封止部材50は、シリコーン樹脂によって形成されている。
【0026】
封止部材50は、Z方向を厚さ方向とする矩形平板状に形成されている。封止部材50は、基板表面21と同じ側を向く封止表面51と、封止表面51と交差する第1~第4封止側面53~56と、を有する。
【0027】
封止表面51は、基板20の厚さ方向(Z方向)と直交する平坦面である。このため、平面視とは、封止表面51に垂直な方向から視てと言い換えることができる。第1~第4封止側面53~56は、例えば封止表面51と直交している。第1封止側面53および第2封止側面54は封止部材50のX方向の両端面を構成し、第3封止側面55および第4封止側面56は封止部材50のY方向の両端面を構成している。第1封止側面53は第1基板側面23と同じ側を向き、第2封止側面54は第2基板側面24と同じ側を向いている。第3封止側面55は第3基板側面25と同じ側を向き、第4封止側面56は第4基板側面26と同じ側を向いている。一例では、第1封止側面53と第1基板側面23とは面一となるように形成され、第2封止側面54と第2基板側面24とは面一となるように形成されている。第3封止側面55と第3基板側面25とは面一になるように形成され、第4封止側面56と第4基板側面26とは面一になるように形成されている。面発光レーザチップ30のレーザ光は、封止表面51を介して封止部材50から出射される。
【0028】
[半導体発光装置の電気的接続構成]
図2および
図3に示すように、半導体発光装置10は、基板表面21に設けられた第1表面電極61S、第2表面電極62S、および第3表面電極63Sと、基板裏面22に設けられた第1裏面電極61R、第2裏面電極62R、および第3裏面電極63Rと、基板20内に設けられた第1ビア67、第2ビア68、および第3ビア(図示略)と、を含む。第1~第3表面電極61S~63S、第1~第3裏面電極61R~63R、第1ビア67、第2ビア68、および第3ビアは、例えばTi(チタン)、TiN(窒化チタン)、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、およびW(タングステン)のうち1つまたは複数が適宜選択されたものを含む材料によって形成されている。
【0029】
図2に示すように、第1表面電極61Sは、平面視において第2基板側面24から第1基板側面23に向けてX方向に延びている。
図2の例では、第1表面電極61Sは、平面視においてT字状に形成されている。
【0030】
第2表面電極62Sは、平面視においてY方向が長手方向となり、X方向が短手方向となる矩形状に形成されている。第2表面電極62Sは、X方向において第1表面電極61Sと離隔して配置されている。第2表面電極62Sは、平面視において第1基板側面23とX方向に隣り合う位置に配置されている。
【0031】
第3表面電極63Sは、平面視においてX方向が長手方向となり、Y方向が短手方向となる矩形状に形成されている。第3表面電極63Sは、平面視において第4基板側面26とY方向に隣り合う位置であって基板表面21のX方向の中央よりも第2基板側面24寄りに配置されている。第3表面電極63Sは、第1表面電極61Sおよび第2表面電極62Sの双方と離隔して配置されている。
【0032】
面発光レーザチップ30および受光チップ40の双方は、第1表面電極61S上に配置されている。より詳細には、
図3に示すように、面発光レーザチップ30および受光チップ40の双方は、導電性接合材SDによって第1表面電極61Sに接合されている。導電性接合材SDとしては、例えばはんだペースト、銀ペースト、金ペースト、銅ペースト等が用いられてよい。これにより、面発光レーザチップ30の裏面電極35および受光チップ40の裏面電極44の双方が導電性接合材SDを介して第1表面電極61Sと電気的に接続されている。
【0033】
面発光レーザチップ30の表面電極34には、ワイヤW1が形成されている。ワイヤW1は、第3表面電極63Sに接続されている。これにより、ワイヤW1を介して面発光レーザチップ30の表面電極34と第3表面電極63Sとが電気的に接続されている。
図2に示す例では、ワイヤW1は、平面視においてY方向に延びるように形成されている。
【0034】
受光チップ40の表面電極43には、ワイヤW2が形成されている。ワイヤW2は、第2表面電極62Sに接続されている。これにより、ワイヤW2を介して受光チップ40の表面電極43と第2表面電極62Sとが電気的に接続されている。
図2に示す例では、ワイヤW2は、平面視においてX方向に延びるように形成されている。ワイヤW1,W2は、ワイヤボンディング装置によって形成されたボンディングワイヤであり、例えばAu、Al、Cu等を含む導体によって形成されている。
【0035】
図3に示すように、第1裏面電極61Rおよび第2裏面電極62Rは、X方向において互いに離隔して配列されている。また、第3裏面電極63Rは、第1裏面電極61Rおよび第2裏面電極62Rの双方と離隔して配置されている。
【0036】
第1裏面電極61Rは、基板裏面22のX方向の両端部のうち第2基板側面24に近い方の端部に形成されている。平面視において、第1裏面電極61Rは、第1表面電極61Sと重なる部分を含む。
【0037】
第2裏面電極62Rは、基板裏面22のX方向の両端部のうち第1基板側面23に近い方の端部に形成されている。平面視において、第2裏面電極62Rは、第2表面電極62Sと重なる部分を含む。
【0038】
第3裏面電極63Rは、基板裏面22のX方向の中央よりも第2基板側面24寄りの位置に形成されている。平面視において、第3裏面電極63Rは、第3表面電極63S(
図2参照)と重なる部分を含む。
【0039】
第1ビア67は、第1表面電極61Sと第1裏面電極61Rとを電気的に接続している。第2ビア68は、第2表面電極62Sと第2裏面電極62Rとを電気的に接続している。図示していないが、第3ビアは、第3表面電極63Sと第3裏面電極63Rとを電気的に接続している。第1ビア67、第2ビア68、および第3ビアの各々は、基板20をZ方向に貫通している。なお、第1ビア67、第2ビア68、および第3ビアの各々は複数設けられていてもよい。
【0040】
第1裏面電極61Rは、第1表面電極61Sおよび第1ビア67を介して面発光レーザチップ30の裏面電極35および受光チップ40の裏面電極44の双方と電気的に接続されている。第2裏面電極62Rは、第2表面電極62Sおよび第2ビア68を介して受光チップ40の表面電極43と電気的に接続されている。第3裏面電極63Rは、第3表面電極63Sおよび第3ビアを介して面発光レーザチップ30の表面電極34と電気的に接続されている。このように、半導体発光装置10は、表面実装型のパッケージ構造として構成されている。
【0041】
半導体発光装置10は、面発光レーザチップ30の光出力が一定となるように面発光レーザチップ30に供給する電流を制御する、いわゆるAPC(Auto Power Control)駆動が採用されている。より詳細には、半導体発光装置10の外部に設けられ、面発光レーザチップ30に供給する電流を制御する制御装置は、受光チップ40が受光した面発光レーザチップ30のレーザ光に応じた信号を受信する。一例では、受光チップ40の信号は、第2裏面電極62Rを介して制御装置に出力される。制御装置は、第2裏面電極62Rと電気的に接続されることによって、受光チップ40の信号を受信する。そして、制御装置は、受信した信号と、予め設定された光出力となる出力設定値との差に応じて、面発光レーザチップ30に供給する電流を制御する。一例では、制御装置は、受信した信号のレベルが出力設定値と一致するように、面発光レーザチップ30に供給する電流を制御する。
【0042】
[反射部]
図3および
図4に示すように、半導体発光装置10は、面発光レーザチップ30のレーザ光の一部を受光チップ40に向けて反射する反射部70を含む。反射部70は、封止部材50に設けられている。受光チップ40は、反射部70による反射光の少なくとも一部を受光する位置に配置されている。
【0043】
第1実施形態では、反射部70は、封止部材50の封止表面51の一部に形成された凹凸によって構成されている。より詳細には、
図4に示すように、封止部材50の封止表面51は、平坦面51Aと、平坦面51Aよりも粗い粗面51Bと、を含む。第1実施形態では、反射部70は、粗面51Bによって構成されている。封止部材50は、例えばモールド成型によって形成されている。粗面51Bは、封止部材50のモールド成型時に形成される。より詳細には、モールド成型に使用される金型に粗面51Bを形成するための凹凸領域が形成されている。これにより、封止部材50のモールド成型後に金型が封止部材50から離隔されると、粗面51Bが封止部材50に形成される。
【0044】
平面視において、反射部70は、面発光レーザチップ30と受光チップ40とのX方向の間に形成されている。一例では、反射部70は、平面視において受光チップ40と重なる部分を含む。
図4に示す例では、反射部70は、平面視において、受光チップ40のX方向の両端部のうち面発光レーザチップ30に近い方の端部と重なる部分を含む。また、
図4に示す例では、反射部70は、平面視において、面発光レーザチップ30の発光面33とは重ならない位置に形成されている。より詳細には、反射部70のX方向の両端部のうち面発光レーザチップ30に近い方の端部は、X方向において面発光レーザチップ30の発光面33と隣り合う位置に配置されている。一方、反射部70は、平面視において、面発光レーザチップ30の第1チップ表面31と重なる部分を含む。このように、反射部70は、平面視において面発光レーザチップ30と受光チップ40とのX方向の間を跨ぐように設けられている。
【0045】
平面視における反射部70の形状は、例えば矩形状である。
図4に示す例では、平面視における反射部70の形状は、X方向が短手方向となり、Y方向が長手方向となる長方形状である。平面視における反射部70の面積は、受光チップ40の第2チップ表面41の面積よりも大きい。一例では、
図4に示すように、反射部70のY方向の寸法LAは、受光チップ40の第2チップ表面41のY方向の寸法LBよりも大きい。また一例では、寸法LAは、面発光レーザチップ30のY方向の寸法LCよりも大きい。なお、平面視における反射部70の形状およびサイズは任意に変更可能である。
【0046】
[作用]
第1実施形態の半導体発光装置10の作用について説明する。
VCSEL等の面発光レーザチップ30では、レーザ光の出力が面発光レーザチップ30の温度に応じて変化してしまう。より詳細には、面発光レーザチップ30のレーザ光の出力は、面発光レーザチップ30の温度が高くなるにつれて低下する。一方、半導体発光装置10では、レーザ光の出力が温度にかかわらず一定であることが求められる。
【0047】
そこで、半導体発光装置10では、面発光レーザチップ30から出射されたレーザ光の一部を受光チップ40が受光することによって、面発光レーザチップ30から出射されたレーザ光の出力を把握したうえで、予め定められたレーザ光の出力となるように面発光レーザチップ30からのレーザ光の出力を制御する、所謂APC駆動が行われる。つまり、受光チップ40が受光したレーザ光の出力と出力設定値との差分に応じて面発光レーザチップ30に供給される電流量が制御される。
【0048】
このようなAPC駆動を行うため、半導体発光装置10では、面発光レーザチップ30からのレーザ光の一部を受光チップ40に向けて反射する反射部70が封止部材50に設けられている。そして、受光チップ40が反射部70による反射光の少なくとも一部を受光する位置に配置されることによって、面発光レーザチップ30からのレーザ光の一部を受光チップ40が受光しやすくなる。これにより、APC駆動に基づいて面発光レーザチップ30に供給する電流を制御することができる。
【0049】
[効果]
第1実施形態の半導体発光装置10によれば、以下の効果が得られる。
(1-1)半導体発光装置10は、発光面33を有し、当該発光面33からレーザ光を出射する面発光レーザチップ30と、受光チップ40と、レーザ光が通過可能な材料によって形成され、面発光レーザチップ30および受光チップ40を封止する封止部材50と、封止部材50に設けられ、レーザ光の一部を受光チップ40に向けて反射する反射部70と、を含む。受光チップ40は、反射部70による反射光の少なくとも一部を受光する位置に配置されている。
【0050】
この構成によれば、面発光レーザチップ30からのレーザ光の一部は反射部70によって受光チップ40に向けて反射され、かつレーザ光の一部が反射部70によって反射された反射光の少なくとも一部を受光する位置に受光チップ40が配置されているため、面発光レーザチップ30からのレーザ光の一部を受光チップ40が受光しやすくなる。したがって、APC駆動で半導体発光装置10が制御される場合には、受光チップ40の受光量に基づいて面発光レーザチップ30のレーザ光の出力が予め設定された値となるように制御することができる。
【0051】
加えて、面発光レーザチップ30および受光チップ40が封止部材50によって封止されているので、面発光レーザチップ30および受光チップ40に水分や塵等の異物が付着することを抑制できる。また、例えば封止部材50に代えて、基板20上に設けられ、面発光レーザチップ30および受光チップ40を囲む側壁と、側壁の開口部を覆う透光性のキャップとによって面発光レーザチップ30および受光チップ40を封止する構成と比較して、製造工程が簡略化できるとともに製造コストを低減することができる。
【0052】
(1-2)反射部70は、封止部材50の封止表面51の一部に形成された凹凸によって構成されている。
この構成によれば、反射部70が封止部材50とは別部材として設けられることなく、封止部材50と一体に形成されているため、製造コストを低減することができる。
【0053】
(1-3)封止部材50の封止表面51は、平坦面51Aと、平坦面51Aよりも粗い粗面51Bと、を含む。反射部70は、粗面51Bによって構成されている。
この構成によれば、面発光レーザチップ30からのレーザ光の一部が粗面51Bにおいて拡散反射(乱反射)することによって、粗面51Bからの反射光の一部を受光チップ40が受光することができる。一方、面発光レーザチップ30から出射されるレーザ光は、平坦面51Aを通過するため、レーザ光の拡散を抑制することができる。したがって、面発光レーザチップ30の指向性の低下を抑制することができる。
【0054】
(1-4)平面視において、面発光レーザチップ30の発光面33および受光チップ40の受光面としての第2チップ表面41はX方向において互いに離隔して配置されている。反射部70は、発光面33と第2チップ表面41とのX方向の間に形成されている。
【0055】
この構成によれば、反射部70が面発光レーザチップ30からのレーザ光の一部を反射しやすくなる。したがって、面発光レーザチップ30からのレーザ光の一部を受光チップ40が受光しやすくなる。
【0056】
(1-5)反射部70は、平面視において面発光レーザチップ30と受光チップ40とのX方向の間を跨ぐように設けられている。
この構成によれば、反射部70が面発光レーザチップ30からのレーザ光の一部をさらに反射しやすくなる。したがって、面発光レーザチップ30からのレーザ光の一部を受光チップ40がさらに受光しやすくなる。
【0057】
(1-6)面発光レーザチップ30の第1チップ表面31には、発光面33と、平面視において発光面33とX方向に離隔して形成された表面電極34と、が形成されている。受光チップ40は、X方向において発光面33に対して表面電極34とは反対側に配置されている。
【0058】
この構成によれば、X方向において面発光レーザチップ30の発光面33と受光チップ40の第2チップ表面41(受光面)との間の距離を短くすることができる。したがって、面発光レーザチップ30からのレーザ光の一部を受光チップ40が受光しやすくなる。
【0059】
(1-7)平面視における反射部70の形状は、矩形状である。
この構成によれば、平面視における反射部70の形状が円形である場合と比較して、平面視において面発光レーザチップ30および受光チップ40に対して反射部70の位置がずれたとしても、面発光レーザチップ30からのレーザ光の一部を反射しやすい。
【0060】
(1-8)平面視において、反射部70のY方向の寸法LAは、受光チップ40のY方向の寸法LBよりも大きい。
この構成によれば、受光チップ40に対して反射部70の位置がY方向にずれたとしても、反射部70からの反射光が受光チップ40の第2チップ表面41に入射しやすくなる。
【0061】
(1-9)平面視において、反射部70のY方向の寸法LAは、面発光レーザチップ30のY方向の寸法LCよりも大きい。
この構成によれば、面発光レーザチップ30に対して反射部70の位置がY方向にずれたとしても、面発光レーザチップ30からのレーザ光の一部が反射部70によって反射することができる。
【0062】
<第2実施形態>
図5および
図6を参照して、第2実施形態の半導体発光装置10について説明する。第2実施形態の半導体発光装置10では、第1実施形態の半導体発光装置10と比較して、反射部70の構成が異なる。以下では、第1実施形態の半導体発光装置10と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態の半導体発光装置10と共通する構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図5は、XZ平面で半導体発光装置10を切断した概略断面構造を示している。
図6は、
図5の反射部70およびその周辺を拡大した概略断面構造を示している。
【0063】
図5および
図6に示すように、第2実施形態の半導体発光装置10においては、反射部70は、封止部材50の粗面51B(
図3参照)に代えて、面発光レーザチップ30のレーザ光を受光チップ40に向けて反射する反射層71を含む。反射層71は、封止部材50に設けられている。
【0064】
封止部材50のうち反射部70が形成される領域は、凹部57が設けられている。凹部57は、封止部材50の封止表面51の一部に形成されている。凹部57は、封止表面51から基板20に向けてZ方向に凹んでいる。
図5および
図6に示す例では、凹部57の底面57Aは、Z方向に直交する平坦面によって形成されている。つまり、底面57Aは、封止部材50の封止表面51と平行である。
【0065】
反射層71は、凹部57に設けられている。つまり、反射層71は、封止部材50とは別の部材として設けられている。反射層71は、例えば白色の反射材が用いられてよい。この反射材としては、例えばシリコーン樹脂を含む材料によって形成されてよい。また、反射材は、反射塗料によって形成されてよい。反射層71は、例えば凹部57に反射材が塗布されることによって形成されている。なお、反射層71は、例えばAl等の金属膜であってもよい。この場合、反射層71は、凹部57に金属膜が蒸着されることによって形成される。
図6に示すように、反射層71は、封止部材50の封止表面51から突出するように形成されていてよい。
図6に示す例では、反射層71のX方向の中央が厚くなるように形成されている。より詳細には、反射層71の表面71AがX方向の中央に向かうにつれて封止表面51から突出するように湾曲凸状に形成されている。
【0066】
なお、凹部57の底面57Aの形状は任意に変更可能である。一例では、底面57Aは、X方向の中央に向かうにつれて封止表面51に向けて湾曲凸状となるように形成されていてもよい。この場合、反射層71は、底面57Aの形状に応じて湾曲凸状に形成されていてもよい。また一例では、底面57Aは、X方向の中央に向かうにつれて基板20(
図5参照)に向けて湾曲凹状となるように形成されていてもよい。この場合、反射層71は、底面57Aの形状に応じて湾曲凹状に形成されていてもよい。
【0067】
[効果]
第2実施形態の半導体発光装置10によれば、第1実施形態の(1-1)および(1-4)~(1-9)の効果に加え、以下の効果が得られる。
【0068】
(2-1)封止部材50は、レーザ光が透過する封止表面51と、封止表面51のうち一部が基板20に向けて凹む凹部57と、を含む。反射部70は、凹部57に設けられた反射層71を含む。
【0069】
この構成によれば、封止部材50とは別部材として反射層71が設けられるため、反射層71を構成する材料に応じてレーザ光の反射率を調整することができる。
加えて、金型によって封止部材50が形成される際に凹部57が同時に形成される場合、つまり金型によって凹部57が形成される場合、封止部材50に対する凹部57の位置と凹部57のX方向の寸法およびY方向の寸法との各々が高精度に設定される。このため、凹部57に設けられる反射層71のX方向の寸法およびY方向の寸法のばらつきを低減することができる。したがって、面発光レーザチップ30および受光チップ40に対する反射層71の位置ずれを抑制することができる。
【0070】
<第3実施形態>
図7および
図8を参照して、第3実施形態の半導体発光装置10について説明する。第3実施形態の半導体発光装置10では、第2実施形態の半導体発光装置10と比較して、受光チップの構成と、受光チップおよび面発光レーザチップ30の配置態様とが主に異なる。以下では、第2実施形態の半導体発光装置10と異なる点について詳細に説明し、第2実施形態の半導体発光装置10と共通する構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図7は、半導体発光装置10から封止部材50を省略した状態の概略平面構造を示している。
図8は、
図7のF8-F8線で半導体発光装置10を切断した概略断面構造を示している。
【0071】
図7に示すように、第3実施形態の半導体発光装置10は、受光チップ40(
図5参照)に代えて、受光チップ80を含む。
図7および
図8に示すように、受光チップ80は、Z方向が厚さ方向となる矩形平板状に形成されている。受光チップ80のX方向の寸法およびY方向の寸法は、面発光レーザチップ30のX方向の寸法およびY方向の寸法よりも大きい。受光チップ80は、例えば導電性接合材SDによって第1表面電極61Sに接合されている。
【0072】
受光チップ80は、Z方向において互いに反対側を向くチップ表面81およびチップ裏面82(
図8参照)と、チップ表面81とチップ裏面82とを接続する第1~第4チップ側面83~86と、を含む。第1チップ側面83および第2チップ側面84は受光チップ80のX方向の両端面を構成し、第3チップ側面85および第4チップ側面86は受光チップ80のY方向の両端面を構成している。チップ表面81は基板表面21と同じ側を向き、チップ裏面82は基板裏面22と同じ側を向いている。第1チップ側面83は第1基板側面23と同じ側を向き、第2チップ側面84は第2基板側面24と同じ側を向いている。第3チップ側面85は第3基板側面25と同じ側を向き、第4チップ側面86は第4基板側面26と同じ側を向いている。ここで、Z方向は「チップ表面に垂直な方向」の一例である。このため、平面視は「チップ表面に垂直な方向から視て」という意味も含む。
【0073】
受光チップ80は、受光素子95、検出用受光素子96、第1電極91、第2電極92、第3電極93、および第4電極94を含む。受光素子95、検出用受光素子96、および第1~第4電極91~94は、チップ表面81に形成されている。
【0074】
第1電極91は、チップ表面81のX方向の中央に形成されている。第1電極91は、面発光レーザチップ30が実装される電極である。平面視における第1電極91の面積は、第2~第4電極92~94の面積よりも大きい。
【0075】
第2電極92は、チップ表面81のX方向の両端部のうち第1チップ側面83に近い方の端部に形成されている。第3電極93および第4電極94は、チップ表面81のX方向の両端部のうち第2チップ側面84に近い方の端部に形成されている。第3電極93および第4電極94は、Y方向において互いに離隔して配列されている。第4電極94は、受光チップ80内において第1電極91と電気的に接続されている。
【0076】
図8に示すように、受光素子95は、例えばフォトダイオードによって構成されている。受光素子95は、面発光レーザチップ30のレーザ光が反射部70によって反射された反射光の少なくとも一部を受光するように構成されている。受光素子95は、X方向において第1電極91と第2電極92との間に形成されている。
【0077】
受光素子95は、受光面95Aと、第1素子電極および第2素子電極とを含む。第1素子電極はフォトダイオードのアノードおよびカソードの一方を構成し、第2素子電極はフォトダイオードのアノードおよびカソードの他方を構成している。第2電極92は、受光チップ80内において受光素子95の第1素子電極と電気的に接続されている。第4電極94は、受光チップ80内において受光素子95の第2素子電極と電気的に接続されている。
【0078】
検出用受光素子96は、例えばフォトダイオードによって構成されている。検出用受光素子96は、面発光レーザチップ30から出射されたレーザ光が対象物DTによって反射された反射光の少なくとも一部を受光するように構成されている。検出用受光素子96は、X方向において第1電極91と第3電極93および第4電極94との間に配置されている。検出用受光素子96は、例えばY方向から視て、第1電極91よりも第3電極93および第4電極94寄りに配置されている。つまり、検出用受光素子96と第1電極91とのX方向の間の距離DP1は、検出用受光素子96と第3電極93(第4電極94)とのX方向の間の距離DP2(
図7参照)よりも大きい。また一例では、検出用受光素子96と第1電極91とのX方向の間の距離DP1は、受光素子95と第1電極91とのX方向の間の距離DP3よりも大きい。なお、距離DP1,DP2,DP3の各々は任意に変更可能である。
【0079】
検出用受光素子96は、検出面96Aと、第1素子電極および第2素子電極とを含む。第1素子電極はフォトダイオードのアノードおよびカソードの一方を構成し、第2素子電極はフォトダイオードのアノードおよびカソードの他方を構成している。第3電極93は、受光チップ80内において検出用受光素子96の第1素子電極と電気的に接続されている。第4電極94は、受光チップ80内において検出用受光素子96の第2素子電極と電気的に接続されている。
【0080】
図8に示すように、面発光レーザチップ30は、チップ表面81に接合されている。より詳細には、面発光レーザチップ30は、チップ表面81に形成された第1電極91に接合されている。面発光レーザチップ30は、導電性接合材SDによって第1電極91に電気的に接続されている。このため、面発光レーザチップ30の裏面電極35は、導電性接合材SDを介して第1電極91と電気的に接続されている。
【0081】
図7に示すように、面発光レーザチップ30は、平面視において受光素子95とは異なる位置に配置されている。より詳細には、面発光レーザチップ30は、受光素子95よりも第2チップ側面84寄りに配置されている。面発光レーザチップ30は、平面視において、受光素子95と検出用受光素子96とのX方向の間に配置されているともいえる。換言すると、受光素子95および検出用受光素子96は、面発光レーザチップ30のX方向の両側に分散して形成されているといえる。このため、検出用受光素子96は、X方向において面発光レーザチップ30に対して受光素子95とは反対側に配置されているといえる。平面視において、面発光レーザチップ30と受光素子95とのX方向の間の距離D1は、面発光レーザチップ30と検出用受光素子96とのX方向の間の距離D2よりも小さい。
【0082】
面発光レーザチップ30の表面電極34は、平面視において発光面33に対して検出用受光素子96寄りに配置されている。このため、受光素子95は、X方向において発光面33に対して表面電極34とは反対側に配置されているといえる。
【0083】
図8に示すように、面発光レーザチップ30の発光面33は、Z方向において受光素子95の受光面95Aおよび検出用受光素子96の検出面96Aよりも封止表面51寄りに配置されている。また、面発光レーザチップ30の第1チップ裏面32は、Z方向において受光素子95の受光面95Aおよび検出用受光素子96の検出面96Aよりも封止表面51寄りに配置されている。
【0084】
図7に示すように、半導体発光装置10は、基板表面21に形成された第1表面電極61S、第2表面電極62S、第3表面電極63S、および第4表面電極64Sを含む。第1表面電極61S、第2表面電極62S、第3表面電極63S、および第4表面電極64Sは互いに離隔して配置されている。第1表面電極61Sおよび第2表面電極62Sの配置態様は第1実施形態と同じである。また、第2表面電極62Sの形状、およびサイズは、第1実施形態と同じである。
【0085】
第3表面電極63Sおよび第4表面電極64Sは、平面視において受光チップ80よりも第4基板側面26寄りに配置されている。第3表面電極63Sおよび第4表面電極64Sは、Y方向において互いに同じ位置であってX方向において互いに離隔して配列されている。第3表面電極63Sは、第4表面電極64Sよりも第1基板側面23寄りに配置されている。平面視における第3表面電極63Sおよび第4表面電極64Sの形状は、X方向が長手方向となり、Y方向が短手方向となる矩形状である。
【0086】
面発光レーザチップ30の表面電極34には、ワイヤW1が形成されている。ワイヤW1は、第3表面電極63Sに接続されている。これにより、ワイヤW1を介して面発光レーザチップ30の表面電極34と第3表面電極63Sとが電気的に接続されている。
図7に示す例では、ワイヤW1は、平面視においてY方向に延びるように形成されている。
【0087】
第2電極92には、ワイヤW3が形成されている。ワイヤW3は、第2表面電極62Sに接続されている。これにより、ワイヤW3および第2電極92を介して受光素子95の第1素子電極と第2表面電極62Sとが電気的に接続されている。
図7に示す例では、ワイヤW3は、平面視においてX方向に延びるように形成されている。
【0088】
第3電極93には、ワイヤW4が形成されている。ワイヤW4は、第4表面電極64Sに接続されている。これにより、ワイヤW4および第3電極93を介して検出用受光素子96の第1素子電極と第2表面電極62Sとが電気的に接続されている。
図7に示す例では、ワイヤW4は、平面視においてX方向に延びるように形成されている。
【0089】
第4電極94には、ワイヤW5が形成されている。ワイヤW5は、第1表面電極61Sに接続されている。これにより、ワイヤW5および第4電極94を介して面発光レーザチップ30の裏面電極35、受光素子95の第2素子電極、および検出用受光素子96の第2素子電極と第1表面電極61Sとが電気的に接続されている。ワイヤW1,W3~W5は、ワイヤボンディング装置によって形成されたボンディングワイヤであり、例えばAu、Al、Cu等を含む導体によって形成されている。
【0090】
図8に示すように、半導体発光装置10は、基板裏面22に形成された第1裏面電極61R、第2裏面電極62R、第3裏面電極63R、および第4裏面電極64Rと、基板20に形成された第1ビア67、第2ビア68、第3ビア、および第4ビア(ともに図示略)と、を含む。第1表面電極61S、第2表面電極62S、第1ビア67、および第2ビア68の配置態様、形状、およびサイズは、第1実施形態と同じである。
【0091】
第3裏面電極63Rは、基板裏面22のX方向の中央よりも第2基板側面24寄りの位置に形成されている。平面視において、第3裏面電極63Rは、第3表面電極63S(
図7参照)と重なる部分を含む。
【0092】
第4裏面電極64Rは、第3裏面電極63Rよりも第2基板側面24寄りの位置に形成されている。平面視において、第4裏面電極64Rは、第4表面電極64S(
図7参照)と重なる部分を含む。
【0093】
図示していないが、第3ビアは、第3表面電極63Sと第3裏面電極63Rとを電気的に接続している。第4ビアは、第4表面電極64Sと第4裏面電極64Rとを電気的に接続している。第3ビアおよび第4ビアの各々は、基板20をZ方向に貫通している。なお、第1ビア67、第2ビア68、第3ビア、および第4ビアの各々は複数設けられていてもよい。
【0094】
反射部70は、平面視において面発光レーザチップ30と受光素子95とのX方向の間に形成されている。一例では、反射部70は、平面視において受光素子95と重なる部分を含む。反射部70は、平面視において、受光素子95のX方向の両端部のうち面発光レーザチップ30に近い方の端部と重なる部分を含む。
図8に示す例では、反射部70は、平面視において、受光素子95の大部分と重なるように形成されている。また、
図8に示す例では、反射部70は、平面視において、面発光レーザチップ30の発光面33とは重ならない位置に形成されている。より詳細には、反射部70のX方向の両端部のうち面発光レーザチップ30に近い方の端部は、X方向において面発光レーザチップ30の発光面33と隣り合う位置に配置されている。一方、反射部70は、面発光レーザチップ30の第1チップ表面31のX方向の両端部のうち受光素子95に近い方の端部と重なる位置に形成されている。なお、反射部70の構成および反射部70に関する封止部材50の構成は第2実施形態と同様である。反射部70は、平面視において受光素子95の受光面95Aの面積よりも大きい。
【0095】
[効果]
第3実施形態の半導体発光装置10によれば、以下の効果が得られる。
(3-1)受光チップ80は、受光素子95およびチップ表面81を含む。チップ表面81には、受光素子95の受光面95Aが形成されている。面発光レーザチップ30は、チップ表面81に接合され、かつ平面視において受光面95Aとは異なる位置に配置されている。受光チップ80は、面発光レーザチップ30から出射されたレーザ光が対象物DTによって反射された反射光を受光する検出用受光素子96をさらに含む。検出用受光素子96は、X方向において面発光レーザチップ30に対して受光素子95とは反対側に配置されている。
【0096】
この構成によれば、半導体発光装置10が面発光レーザチップ30、受光素子95、および検出用受光素子96を含むため、例えば検出用受光素子96が半導体発光装置10の外部に配置された構成と比較して、部品点数を削減することができる。
【0097】
加えて、面発光レーザチップ30が受光チップ80のチップ表面81に接合されているため、検出用受光素子96が面発光レーザチップ30から漏れ出た光を受光することを抑制できる。
【0098】
加えて、受光素子95および検出用受光素子96が面発光レーザチップ30のX方向の両側に分散して配置されているため、面発光レーザチップ30からのレーザ光が対象物DTによって反射された反射光を受光素子95が受光することを抑制できる。
【0099】
<第4実施形態>
図9を参照して、第4実施形態の半導体発光装置10について説明する。第4実施形態の半導体発光装置10では、第3実施形態の半導体発光装置10と比較して、封止部材50の形状が主に異なる。以下では、第3実施形態の半導体発光装置10と異なる点について詳細に説明し、第3実施形態の半導体発光装置10と共通する構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9は、XZ平面で半導体発光装置10を切断した概略断面構造を示している。
【0100】
図9に示すように、封止部材50は、スリット58を含む。スリット58は、封止部材50のうちX方向における面発光レーザチップ30と検出面96Aとの間に形成されている。
図9に示す例では、スリット58は、平面視において検出用受光素子96よりも面発光レーザチップ30寄りに配置されている。つまり、平面視において、スリット58と面発光レーザチップ30とのX方向の間の距離は、スリット58と検出用受光素子96とのX方向の間の距離よりも小さい。なお、スリット58のX方向の位置は、面発光レーザチップ30と検出用受光素子96とのX方向の間であれば任意に変更可能である。
【0101】
スリット58は、Z方向を深さ方向とし、Y方向に延びている。このため、X方向は、スリット58の幅方向となる。スリット58は、例えば第3封止側面55から第4封止側面56(ともに
図4参照)までにわたり形成されていてもよい。つまり、スリット58は、封止部材50をY方向に貫通していてもよい。なお、スリット58のY方向の寸法は任意に変更可能である。スリット58のY方向の寸法は、封止部材50のY方向の寸法よりも小さくてもよい。つまり、スリット58は、Y方向において封止部材50に対して部分的に形成されていてもよい。一方、スリット58のY方向の寸法は、面発光レーザチップ30のY方向の寸法以上であってよい。
【0102】
スリット58は、封止部材50の封止表面51から受光チップ80に向けて形成されている。スリット58の底面58Aは、Z方向において面発光レーザチップ30の第1チップ表面31よりも受光チップ80寄りに位置している。一例では、スリット58の底面58Aは、Z方向において面発光レーザチップ30の第1チップ裏面32と同じ位置に位置していてもよい。なお、スリット58の底面58AのZ方向の位置は任意に変更可能である。一例では、スリット58の底面58Aは、Z方向において面発光レーザチップ30の第1チップ裏面32よりも受光チップ80寄りに位置してもよい。一例では、スリット58の底面58Aは、Z方向において面発光レーザチップ30の第1チップ裏面32よりも第1チップ表面31寄りに位置していてもよい。つまり、スリット58の底面58Aは、Z方向において第1チップ表面31と第1チップ裏面32との間に位置していてもよい。
【0103】
[効果]
第4実施形態の半導体発光装置10によれば、以下の効果が得られる。
(4-1)封止部材50のうちX方向における面発光レーザチップ30と検出用受光素子96の検出面96Aとの間には、Z方向を深さ方向とし、Y方向に延びるスリット58が形成されている。
【0104】
この構成によれば、面発光レーザチップ30から検出用受光素子96に向けて漏れ出た光がスリット58によって遮断される。したがって、検出用受光素子96が面発光レーザチップ30から漏れ出た光を受光することを抑制できる。
【0105】
(4-2)スリット58は、平面視において検出用受光素子96よりも面発光レーザチップ30寄りの位置に形成されている。
この構成によれば、面発光レーザチップ30から検出用受光素子96に向けて漏れ出た光がスリット58によって遮断される効果を高めることができる。したがって、検出用受光素子96が面発光レーザチップ30から漏れ出た光を受光することをさらに抑制できる。
【0106】
<第5実施形態>
図10を参照して、第5実施形態の半導体発光装置10について説明する。第5実施形態の半導体発光装置10では、第1実施形態の半導体発光装置10と比較して、反射部70の構成が主に異なる。以下では、第1実施形態の半導体発光装置10と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態の半導体発光装置10と共通する構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図10は、XZ平面で半導体発光装置10を切断した概略断面構造を示している。
【0107】
図10に示すように、封止部材50は、反射部70として光を拡散させる拡散材72を含む。拡散材72は、封止部材50内の樹脂と拡散材72との界面で光を反射(散乱)させることによって封止部材50の内部で光を拡散させる。これにより、受光チップ40は、面発光レーザチップ30から出射されたレーザ光のうち封止部材50の内部で拡散材72によって拡散されたレーザ光の一部を受光する。加えて、拡散材72は、面発光レーザチップ30から出射されたレーザ光を封止部材50の内部で拡散させて、封止部材50から出射されるレーザ光の指向角を広げる役割を果たす。
【0108】
拡散材72の材料は特に限定されないが、例えばシリカまたは他のガラス材料等を用いることができる。一例では、拡散材72として球状のシリカフィラーが用いられる。拡散材72の粒径は特に限定されないが、例えば散乱が支配的に生じるように面発光レーザチップ30から出射されるレーザ光の波長に対して十分に小さなサイズの粒径が選択される。
【0109】
拡散材72は、封止部材50に微粒子として分散されている。拡散材72は、封止部材50に対して所定の配合比で混合されている。一例では、拡散材72は、封止部材50内に均等に分散されている。封止部材50の樹脂に対する拡散材72の配合比は特に限定されるものではなく、0%よりも大きく100%未満であればよい。拡散材72の配合比を大きくするほど、受光チップ40が散乱光を受光しやすくなり、面発光レーザチップ30のレーザ光の指向角を広げることができる。また、拡散材72の配合比の上限を所定値に制限することによって、半導体発光装置10のレーザ光の出力および放射強度の大きな低下を抑制することができる。
【0110】
一例では、拡散材72として、例えば封止部材50の樹脂よりも熱膨張係数が小さいものが選択されている。この構成では、封止部材50が樹脂のみによって構成される場合と比較して、拡散材72によって封止部材50に発生する熱応力を低減することができる。これにより、封止部材50の熱応力に起因してワイヤW1,W2が断線することを抑制することができる。
【0111】
[効果]
第5実施形態の半導体発光装置10によれば、以下の効果が得られる。
(5-1)反射部70は、封止部材50内に設けられ、面発光レーザチップ30からのレーザ光を拡散させる複数の拡散材72を含む。この構成によれば、面発光レーザチップ30からのレーザ光が複数の拡散材72によって拡散されることによって、レーザ光の一部が受光チップ40に向けて拡散される。したがって、面発光レーザチップ30からのレーザ光の一部を受光チップ40が受光しやすくなる。
【0112】
<第6実施形態>
図11および
図12を参照して、第6実施形態の半導体発光装置10について説明する。第6実施形態の半導体発光装置10では、第1実施形態の半導体発光装置10と比較して、面発光レーザチップ30の構成が主に異なる。以下では、第1実施形態の半導体発光装置10と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態の半導体発光装置10と共通する構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図11は、XZ平面で半導体発光装置10を切断した概略断面構造を示している。
図12は、面発光レーザチップ30の概略平面構造を示している。
【0113】
図11および
図12に示すように、面発光レーザチップ30は、発光面33として第1発光面33Aおよび第2発光面33Bを含む。第1発光面33Aおよび第2発光面33Bは、第1チップ表面31に形成されている。第1発光面33Aおよび第2発光面33Bは、平面視において互いに異なる位置に形成されている。
図12に示す例では、第1発光面33Aおよび第2発光面33Bは、X方向において互いに離隔して形成されている。
【0114】
第1発光面33Aは、例えば対象物DT(
図8参照)に向けてレーザ光を出射するための発光面である。
図12に示すように、第1発光面33Aは、平面視においてX方向が短手方向となり、Y方向が長手方向となる形状に形成されている。一例では、平面視における第1発光面33Aは、矩形状である。第1発光面33Aは、複数の発光部33Pを含む。複数の発光部33Pは、平面視においてX方向およびY方向に互いに離隔して配列されている。なお、平面視における第1発光面33Aの形状は任意に変更可能である。
【0115】
ここで、第1発光面33Aを区画する破線枠の領域は、各発光部33Pに電気的に接続された第1発光電極38Aの外枠と同じである。つまり、平面視において、第1発光電極38Aの外枠で囲まれた領域を第1発光面33Aとしている。
【0116】
第2発光面33Bは、例えば反射部70に向けてレーザ光を出射するための発光面である。第2発光面33Bは、平面視においてX方向が短手方向となり、Y方向が長手方向となる形状に形成されている。一例では、平面視における第2発光面33Bは、矩形状である。第2発光面33BのY方向の寸法は、例えば第1発光面33AのY方向の寸法と等しい。第2発光面33BのX方向の寸法は、例えば第1発光面33AのX方向の寸法よりも小さい。このため、第2発光面33Bの面積は、第1発光面33Aの面積よりも小さい。なお、平面視における第2発光面33Bの形状は任意に変更可能である。
【0117】
第2発光面33Bは、複数の発光部33Pを含む。第2発光面33Bの面積が第1発光面33Aの面積よりも小さいため、第2発光面33Bの発光部33Pの数は、第1発光面33Aの発光部33Pの数よりも少ない。第2発光面33Bにおける複数の発光部33Pは、X方向において互いに同じ位置でY方向において互いに離隔して配列されている。
【0118】
ここで、第2発光面33Bを区画する破線枠の領域は、各発光部33Pに電気的に接続された第2発光電極38Bの外枠と同じである。つまり、平面視において、第2発光電極38Bの外枠で囲まれた領域を第2発光面33Bとしている。
【0119】
面発光レーザチップ30は、第1発光面33Aと第2発光面33BとのX方向の間に形成された表面電極34を含む。第1発光面33Aの面積が第2発光面33Bの面積よりも大きいため、表面電極34は、X方向において面発光レーザチップ30の中央に対して偏った位置に形成されている。ここで、表面電極34は、面発光レーザチップ30の電極の一例である。
【0120】
表面電極34は、第1発光面33Aの複数の発光部33Pと電気的に接続されている。また、表面電極34は、第2発光面33Bの複数の発光部33Pと電気的に接続されている。より詳細には、面発光レーザチップ30は、第1発光面33Aの複数の発光部33Pと表面電極34とを電気的に接続する第1接続部36と、第2発光面33Bの複数の発光部33Pと表面電極34とを電気的に接続する第2接続部37と、を含む。このため、第1発光面33Aの複数の発光部33Pおよび第2発光面33Bの複数の発光部33Pとは同時にレーザ光を出射するように構成されている。
【0121】
第1接続部36は、第1発光面33Aを構成する第1発光電極38Aに接続されている。これにより、第1接続部36は、第1発光電極38Aを介して第1発光面33Aの複数の発光部33Pと電気的に接続されている。第2接続部37は、第2発光面33Bを構成する第2発光電極38Bに接続されている。これにより、第2接続部37は、第2発光電極38Bを介して第2発光面33Bの複数の発光部33Pと電気的に接続されている。第1接続部36および第2接続部37は、例えば配線層およびビアを含んでいてよい。
【0122】
図11に示すように、受光チップ40は、第1実施形態と同様に、面発光レーザチップ30に対して第1基板側面23寄りに配置されている。受光チップ40は、第2発光面33Bに対して第1発光面33Aとは反対側に配置されている。つまり、受光チップ40は、X方向において第1発光面33Aよりも第2発光面33Bの近くに配置されている。
【0123】
反射部70は、平面視において面発光レーザチップ30と受光チップ40とのX方向の間に形成されている。一例では、反射部70は、平面視において受光チップ40と重なる部分を含む。
図11に示す例では、反射部70は、平面視において、受光チップ40のX方向の両端部のうち面発光レーザチップ30に近い方の端部と重なる部分を含む。また一例では、反射部70は、平面視において、面発光レーザチップ30とは重なる部分を含む。より詳細には、反射部70は、平面視において第2発光面33Bと重なる位置に形成されている。反射部70は、Z方向において第2発光面33Bの全体と対向するように形成されていてもよい。反射部70は、平面視において表面電極34と重なる部分を含んでいてもよい。一方、反射部70は、平面視において第1発光面33Aよりも受光チップ40寄りに位置するように形成されている。なお、反射部70の構成および反射部70に関する封止部材50の構成は第2実施形態と同様である。
【0124】
[作用]
第6実施形態の作用について説明する。
半導体発光装置10に対してAPC駆動が行われる場合、面発光レーザチップ30のレーザ光の一部を受光チップ40に向けて反射させる必要があるため、半導体発光装置10は、反射部70を含む。反射部70は、例えば面発光レーザチップ30の発光面33の一部に対向するように設けられる場合がある。この場合、反射部70の位置ずれ等に起因して、反射部70が必要以上に発光面33と対向してしまうと、面発光レーザチップ30が出射するレーザ光が反射部70に必要以上に遮られるため、半導体発光装置10から出射するレーザ光の出力が低下してしまう。つまり、反射部70が例えば第1発光面33Aを覆ってしまうと、半導体発光装置10から出射するレーザ光が反射部70によって遮られてしまうので、半導体発光装置10から出射するレーザ光の出力が低下してしまう。
【0125】
第6実施形態では、面発光レーザチップ30は、第1発光面33Aと第2発光面33BとのX方向の間に設けられた表面電極34を含む。これにより、例えば第2発光面33Bに反射部70が対向した場合に反射部70がX方向において位置ずれしたとしても反射部70は表面電極34を覆う一方、第1発光面33Aを覆うことを抑制できる。つまり、表面電極34が形成される領域が反射部70のX方向の位置ずれを許容する領域となる。したがって、面発光レーザチップ30からのレーザ光が反射部70によって必要以上に遮られることを抑制できる。そして、反射部70の位置ずれに起因する出力低下を抑制できる。
【0126】
[効果]
第6実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(6-1)面発光レーザチップ30は、互いに反対側を向く第1チップ表面31および第1チップ裏面32と、第1チップ表面31に形成され、レーザ光を出射するように構成された第1発光面33Aおよび第2発光面33Bと、第1チップ表面31に形成され、第1発光面33Aおよび第2発光面33Bの各々から離隔した位置に形成された表面電極34と、を含む。平面視において、第1発光面33Aおよび第2発光面33Bは、X方向に離隔して配列されている。表面電極34は、X方向において第1発光面33Aと第2発光面33Bとの間に配置されている。
【0127】
この構成によれば、例えば面発光レーザチップ30の第2発光面33Bの一部に対向するように反射部70が設けられる場合に反射部70がX方向の位置ずれしたとしても反射部70が第1発光面33Aを覆うことを抑制できる。したがって、面発光レーザチップ30からのレーザ光が反射部70に必要以上に遮られることを抑制できる。そして、反射部70の位置ずれに起因する出力低下を抑制できる。
【0128】
(6-2)平面視において、第2発光面33Bの面積は、第1発光面33Aの面積よりも小さい。
この構成によれば、第2発光面33Bからのレーザ光の出力は第1発光面33Aからのレーザ光の出力よりも小さくなる。このため、例えば第2発光面33Bからのレーザ光は反射部70によって反射して受光チップ40が受光するようなレーザ光の出力が小さい用途に適用することができる。また、第1発光面33Aからのレーザ光は半導体発光装置10から出射するといったレーザ光の出力が大きい用途に適用することができる。
【0129】
(6-3)第1発光面33Aおよび第2発光面33Bの各々は、レーザ光を出射する発光部33Pを含む。第2発光面33Bの発光部33Pの数は、第1発光面33Aの発光部33Pの数よりも少ない。
【0130】
この構成によれば、第2発光面33Bからのレーザ光の出力は第1発光面33Aからのレーザ光の出力よりも小さくなる。このため、例えば第2発光面33Bからのレーザ光は反射部70によって反射して受光チップ40が受光するようなレーザ光の出力が小さい用途に適用することができる。また、第1発光面33Aからのレーザ光は半導体発光装置10から出射するといったレーザ光の出力が大きい用途に適用することができる。
【0131】
(6-4)表面電極34は、第1発光面33Aの発光部33Pおよび第2発光面33Bの発光部33Pの双方と電気的に接続されている。
この構成によれば、第1発光面33Aの発光部33Pと第2発光面33Bの発光部33Pとが同時にレーザ光を出射することができる。加えて、表面電極34は、第1発光面33Aの発光部33Pと第2発光面33Bの発光部33Pとに対して共通の電極となるため、面発光レーザチップ30の構成の簡略化を図ることができる。
【0132】
<第7実施形態>
図13および
図14を参照して、第7実施形態の半導体発光装置10について説明する。第7実施形態の半導体発光装置10では、第6実施形態の半導体発光装置10と比較して、面発光レーザチップ30の構成が主に異なる。以下では、第6実施形態の半導体発光装置10と異なる点について詳細に説明し、第6実施形態の半導体発光装置10と共通する構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図13は第7実施形態の面発光レーザチップ30の概略平面構造を示している。
図14は、
図13の面発光レーザチップ30を備える半導体発光装置10の概略平面構造を示している。なお、
図14では、図面を容易に理解するため、封止部材50および反射部70を省略している。
【0133】
図13に示すように、第7実施形態の面発光レーザチップ30では、第6実施形態の面発光レーザチップ30と比較して、表面電極34の構成が主に異なる。より詳細には、表面電極34は、互いに離隔して配置された第1電極34Aおよび第2電極34Bを含む。
図13に示す例では、第1電極34Aおよび第2電極34Bは、X方向において互いに同じ位置であってY方向において互いに離隔して配列されている。また、平面視における第1電極34Aの面積は、平面視における第2電極34Bの面積よりも大きい。
【0134】
第1電極34Aは、第1発光面33Aの複数の発光部33Pと電気的に接続されている。第2電極34Bは、第2発光面33Bの複数の発光部33Pと電気的に接続されている。より詳細には、面発光レーザチップ30は、第1電極34Aと第1発光面33Aの複数の発光部33Pとを電気的に接続する第1接続部36と、第2電極34Bと第2発光面33Bの複数の発光部33Pとを電気的に接続する第2接続部37と、を含む。このため、第1発光面33Aの複数の発光部33Pおよび第2発光面33Bの複数の発光部33Pとは個別にレーザ光を出射するように構成されている。第1接続部36および第2接続部37の構成は、例えば第6実施形態と同じであってよい。
【0135】
図14に示すように、半導体発光装置10は、基板表面21に形成された第1表面電極61S、第2表面電極62S、第3表面電極63S、および第4表面電極64Sを含む。第1表面電極61Sおよび第2表面電極62Sの配置態様、形状、およびサイズは、第1実施形態と同じである。
【0136】
第3表面電極63Sおよび第4表面電極64Sは、平面視において面発光レーザチップ30のY方向の両側に分散して配置されている。第3表面電極63Sおよび第4表面電極64Sは、X方向において互いに同じ位置に配置されている。第3表面電極63Sは、面発光レーザチップ30よりも第3基板側面25寄りに配置されている。第4表面電極64Sは、面発光レーザチップ30よりも第4基板側面26寄りに配置されている。第3表面電極63Sおよび第4表面電極64Sは、受光チップ40よりも第2基板側面24寄りに配置されている。平面視における第3表面電極63Sおよび第4表面電極64Sの形状は、X方向が長手方向となり、Y方向が短手方向となる矩形状である。
【0137】
第1電極34Aおよび第3表面電極63Sは、ワイヤW1Aによって電気的に接続されている。第2電極34Bおよび第4表面電極64Sは、ワイヤW1Bによって電気的に接続されている。ワイヤW1A,W1Bは、例えばワイヤW1(
図11参照)と同じ材料によって形成されている。このように、第1電極34Aおよび第2電極34Bが個別の表面電極(第3表面電極63Sおよび第4表面電極64S)に電気的に接続されることによって、第1発光面33Aの複数の発光部33Pおよび第2発光面33Bの複数の発光部33Pが個別にレーザ光を出射するように構成することができる。
【0138】
図14に示す例では、ワイヤW1A,W1Bはそれぞれ1本ずつであるが、ワイヤW1A,W1Bの本数は任意に変更可能である。一例では、ワイヤW1Aを2本としてもよい。つまり、ワイヤW1Aの本数は、ワイヤW1Bの本数よりも多くてもよい。ワイヤW1AおよびワイヤW1Bの本数は、例えば第1発光面33Aの発光部33Pの数および第2発光面33Bの発光部33Pの数に応じて設定されていてもよい。
【0139】
図示していないが、半導体発光装置10は、基板裏面22に形成された第1裏面電極61R、第2裏面電極62R、第3裏面電極、および第4裏面電極と、基板20に形成された第1ビア67、第2ビア68、第3ビア、および第4ビアと、を含む。第1表面電極61S、第2表面電極62S、第1ビア67、および第2ビア68の配置態様、形状、およびサイズは、第1実施形態と同じである。
【0140】
第3裏面電極は、基板裏面22のY方向の中央よりも第3基板側面25寄りの位置に形成されている。平面視において、第3裏面電極は、第3表面電極63S(
図13参照)と重なる部分を含む。
【0141】
第4裏面電極は、基板裏面22のY方向の中央よりも第4基板側面26寄りの位置に形成されている。平面視において、第4裏面電極は、第4表面電極64S(
図14参照)と重なる部分を含む。
【0142】
第3ビアは、第3表面電極63Sと第3裏面電極とを電気的に接続している。第4ビアは、第4表面電極64Sと第4裏面電極とを電気的に接続している。第3ビアおよび第4ビアの各々は、基板20をZ方向に貫通している。なお、第1ビア67、第2ビア68、第3ビア、および第4ビアの各々は複数設けられていてもよい。
【0143】
図示していないが、半導体発光装置10は、反射部70(
図3参照)を含む。反射部70と面発光レーザチップ30および受光チップ40との位置関係は、第1実施形態と同様である。また、反射部70の構成および反射部70に関する封止部材50の構成は第1実施形態と同様である。
【0144】
[効果]
第7実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(7-1)表面電極34は、互いに離隔して配置された第1電極34Aおよび第2電極34Bを含む。第1電極34Aは、第1発光面33Aの発光部33Pと電気的に接続されている。第2電極34Bは、第2発光面33Bの発光部33Pと電気的に接続されている。
【0145】
この構成によれば、第1電極34Aおよび第2電極34Bを用いて、第1発光面33Aの発光部33Pと第2発光面33Bの発光部33Pとにおいて個別にレーザ光を出射させることができる。
【0146】
<第8実施形態>
図15および
図16を参照して、第8実施形態の半導体発光装置10について説明する。第8実施形態の半導体発光装置10では、第6実施形態の半導体発光装置10と比較して、面発光レーザチップ30の構成が主に異なる。以下では、第6実施形態の半導体発光装置10と異なる点について詳細に説明し、第6実施形態の半導体発光装置10と共通する構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図15は第8実施形態の面発光レーザチップ30の概略平面構造を示している。
図16は、
図15の面発光レーザチップ30を備える半導体発光装置10の概略平面構造を示している。なお、
図16では、図面を容易に理解するため、封止部材50および反射部70を省略している。
【0147】
図15に示すように、第8実施形態の面発光レーザチップ30では、第6実施形態の面発光レーザチップ30と比較して、第1発光面33A、第2発光面33B、および表面電極34の構成が主に異なる。
【0148】
第1発光面33Aは、4つの発光領域として第1主発光領域33AA、第2主発光領域33AB、第3主発光領域33AC、および第4主発光領域33ADを含む。第1主発光領域33AA、第2主発光領域33AB、第3主発光領域33AC、および第4主発光領域33ADは、Y方向において互いに離隔して配列されている。
図15の例では、第1主発光領域33AA、第2主発光領域33AB、第3主発光領域33AC、および第4主発光領域33ADにおけるX方向の中央は、X方向において同じ位置である。
【0149】
第1主発光領域33AAおよび第2主発光領域33ABは、第1発光面33AのY方向の端部を構成している。第3主発光領域33ACおよび第4主発光領域33ADは、第1主発光領域33AAと第2主発光領域33ABとのY方向の間に配置されている。第3主発光領域33ACは、第2主発光領域33ABよりも第1主発光領域33AA寄りに配置されている。第4主発光領域33ADは、第1主発光領域33AAよりも第2主発光領域33AB寄りに配置されている。つまり、第3主発光領域33ACは、第1主発光領域33AAと第4主発光領域33ADとのY方向の間に配置されている。第4主発光領域33ADは、第2主発光領域33ABと第3主発光領域33ACとのY方向の間に配置されている。
【0150】
第1~第4主発光領域33AA~33ADの各々は、平面視においてX方向が長手方向となり、Y方向が短手方向となる矩形状に形成されている。X方向における第1主発光領域33AAおよび第2主発光領域33ABの長さは、X方向における第3主発光領域33ACおよび第4主発光領域33ADの長さよりも短い。またY方向における第1主発光領域33AAおよび第2主発光領域33ABの長さは、Y方向における第3主発光領域33ACおよび第4主発光領域33ADの長さと等しい。つまり、平面視における第1主発光領域33AAおよび第2主発光領域33ABの面積は、平面視における第3主発光領域33ACおよび第4主発光領域33ADの面積よりも小さい。
【0151】
第1~第4主発光領域33AA~33ADの各々は、複数の発光部33Pを含む。第1~第4主発光領域33AA~33ADの各々における複数の発光部33Pは、Y方向において互いに同じ位置であってX方向において互いに離隔して配列されている。つまり、第1~第4主発光領域33AA~33ADの各々における複数の発光部33Pは、X方向において一列に並べられている。
【0152】
一例では、第1主発光領域33AAおよび第2主発光領域33ABにおける発光部33Pの数は、第3主発光領域33ACおよび第4主発光領域33ADにおける発光部33Pの数よりも少ない。
図15に示す例では、第1主発光領域33AAの発光部33Pの数は、第2主発光領域33ABの発光部33Pの数と同じである。第3主発光領域33ACの発光部33Pの数は、第4主発光領域33ADの発光部33Pの数と同じである。このように、第1発光面33Aは、平面視において円形(
図15の二点鎖線)である。換言すると、第1~第4主発光領域33AA~33ADの複数の発光部33Pのうち外周部に配置された複数の発光部33Pは、平面視において円形となるように配置されている。このため、第1~第4主発光領域33AA~33ADの複数の発光部33Pによって平面視において円形のレーザ光が出射されるように構成されている。
【0153】
ここで、第1~第4主発光領域33AA~33ADを区画する破線枠の領域は、各発光部33Pに電気的に接続された第1~第4発光電極38AA~38ADの外枠と同じである。つまり、平面視において、第1発光電極38AAの外枠で囲まれた領域を第1主発光領域33AAとし、第2発光電極38ABの外枠で囲まれた領域を第2主発光領域33ABとし、第3発光電極38ACの外枠で囲まれた領域を第3主発光領域33ACとし、第4発光電極38ADの外枠で囲まれた領域を第4主発光領域33ADとしている。
【0154】
第2発光面33Bは、4つの発光領域として第1発光領域33BA、第2発光領域33BB、第3発光領域33BC、および第4発光領域33BDを含む。第1発光領域33BA、第2発光領域33BB、第3発光領域33BC、および第4発光領域33BDは、X方向において互いに同じ位置であってY方向において互いに離隔して配列されている。
【0155】
第1発光領域33BAおよび第2発光領域33BBは、第2発光面33BのY方向の端部を構成している。第3発光領域33BCおよび第4発光領域33BDは、第1発光領域33BAと第2発光領域33BBとのY方向の間に配置されている。第3発光領域33BCは、第2発光領域33BBよりも第1発光領域33BA寄りに配置されている。第4発光領域33BDは、第1発光領域33BAよりも第2発光領域33BB寄りに配置されている。第3発光領域33BCは、第1発光領域33BAと第4発光領域33BDとのY方向の間に配置されている。第4発光領域33BDは、第2発光領域33BBと第3発光領域33BCとのY方向の間に配置されている。
【0156】
第1発光領域33BAは、Y方向において第1主発光領域33AAと同じ位置に配置されている。平面視において、第1発光領域33BAの面積は、第1主発光領域33AAの面積よりも小さい。より詳細には、第1発光領域33BAのX方向の長さは、第1主発光領域33AAのX方向の長さよりも短い。第1発光領域33BAのY方向の長さは、第1主発光領域33AAのY方向の長さと等しい。
【0157】
第1発光領域33BAは、発光部33Pを含む。第1発光領域33BAの発光部33Pの数は、第1主発光領域33AAの発光部33Pの数よりも少ない。
図15に示す例では、第1発光領域33BAは、1つの発光部33Pを含む。
【0158】
第2発光領域33BBは、Y方向において第2主発光領域33ABと同じ位置に配置されている。平面視において、第2発光領域33BBの面積は、第2主発光領域33ABの面積よりも小さい。より詳細には、第2発光領域33BBのX方向の長さは、第2主発光領域33ABのX方向の長さよりも短い。第2発光領域33BBのY方向の長さは、第2主発光領域33ABのY方向の長さと等しい。
【0159】
第2発光領域33BBは、発光部33Pを含む。第2発光領域33BBの発光部33Pの数は、第2主発光領域33ABの発光部33Pの数よりも少ない。
図15に示す例では、第2発光領域33BBは、1つの発光部33Pを含む。
【0160】
第3発光領域33BCは、Y方向において第3主発光領域33ACと同じ位置に配置されている。平面視において、第3発光領域33BCの面積は、第3主発光領域33ACの面積よりも小さい。より詳細には、第3発光領域33BCのX方向の長さは、第3主発光領域33ACのX方向の長さよりも短い。第3発光領域33BCのY方向の長さは、第3主発光領域33ACのY方向の長さと等しい。
【0161】
第3発光領域33BCは、発光部33Pを含む。第3発光領域33BCの発光部33Pの数は、第3主発光領域33ACの発光部33Pの数よりも少ない。
図15に示す例では、第3発光領域33BCは、1つの発光部33Pを含む。
【0162】
第4発光領域33BDは、Y方向において第4主発光領域33ADと同じ位置に配置されている。平面視において、第4発光領域33BDの面積は、第4主発光領域33ADの面積よりも小さい。より詳細には、第4発光領域33BDのX方向の長さは、第4主発光領域33ADのX方向の長さよりも短い。第4発光領域33BDのY方向の長さは、第4主発光領域33ADのY方向の長さと等しい。
【0163】
第4発光領域33BDは、発光部33Pを含む。第4発光領域33BDの発光部33Pの数は、第4主発光領域33ADの発光部33Pの数よりも少ない。
図15に示す例では、第4発光領域33BDは、1つの発光部33Pを含む。
【0164】
このように、第1~第4発光領域33BA~33BDの発光部33Pの数は互いに等しい。また、平面視における第1~第4発光領域33BA~33BDの面積は互いに等しい。なお、第1~第4発光領域33BA~33BDの発光部33Pの数は個別に変更可能である。また、第1~第4発光領域33BA~33BDの発光部33Pの数に応じて、平面視における第1~第4発光領域33BA~33BDの面積は個別に変更可能である。
【0165】
ここで、第1~第4発光領域33BA~33BDを区画する破線枠の領域は、各発光部33Pに電気的に接続された第1~第4発光電極38BA~38BDの外枠と同じである。つまり、平面視において、第1発光電極38BAの外枠で囲まれた領域を第1発光領域33BAとし、第2発光電極38BBの外枠で囲まれた領域を第2発光領域33BBとし、第3発光電極38BCの外枠で囲まれた領域を第3発光領域33BCとし、第4発光電極38BDの外枠で囲まれた領域を第4発光領域33BDとしている。
【0166】
表面電極34は、4つの電極として第1電極34A、第2電極34B、第3電極34C、および第4電極34Dを含む。第1電極34A、第2電極34B、第3電極34C、および第4電極34Dは、X方向において互いに同じ位置であってY方向において互いに離隔して配列されている。平面視において、第1~第4電極34A~34Dは、X方向が長手方向となり、Y方向が短手方向となる矩形状に形成されている。
【0167】
第1電極34Aは、Y方向において第1主発光領域33AAおよび第1発光領域33BAと同じ位置に配置されている。第1電極34Aは、第1発光領域33BAの発光部33Pおよび第1主発光領域33AAの複数の発光部33Pと電気的に接続されている。より詳細には、面発光レーザチップ30は、第1電極34Aと第1主発光領域33AAの複数の発光部33Pとを電気的に接続する第1接続部36Aと、第1電極34Aと第1発光領域33BAの発光部33Pとを電気的に接続する第2接続部37Aと、を含む。このため、第1電極34A、第1接続部36A、および第2接続部37Aを介して第1主発光領域33AAの複数の発光部33Pと第1発光領域33BAの発光部33Pに同時に電流が供給される。つまり、面発光レーザチップ30は、第1主発光領域33AAの複数の発光部33Pと第1発光領域33BAの発光部33Pが同時にレーザ光を出射するように構成されている。第1接続部36Aは、第1主発光領域33AAを構成する第1発光電極38AAに接続されている。第2接続部37Aは、第1発光領域33BAを構成する第1発光電極38BAに接続されている。
【0168】
第2電極34Bは、Y方向において第2主発光領域33ABおよび第2発光領域33BBと同じ位置に配置されている。第2電極34Bは、第2発光領域33BBの発光部33Pおよび第2主発光領域33ABの複数の発光部33Pと電気的に接続されている。より詳細には、面発光レーザチップ30は、第2電極34Bと第2主発光領域33ABの複数の発光部33Pとを電気的に接続する第1接続部36Bと、第2電極34Bと第2発光領域33BBの発光部33Pとを電気的に接続する第2接続部37Bと、を含む。このため、第2電極34B、第1接続部36B、および第2接続部37Bを介して第2主発光領域33ABの複数の発光部33Pと第2発光領域33BBの発光部33Pに同時に電流が供給される。つまり、面発光レーザチップ30は、第2主発光領域33ABの複数の発光部33Pと第2発光領域33BBの発光部33Pが同時にレーザ光を出射するように構成されている。第1接続部36Bは、第2主発光領域33ABを構成する第2発光電極38ABに接続されている。第2接続部37Bは、第2発光領域33BBを構成する第2発光電極38BBに接続されている。
【0169】
第3電極34Cは、Y方向において第3主発光領域33ACおよび第3発光領域33BCと同じ位置に配置されている。第3電極34Cは、第3発光領域33BCの発光部33Pおよび第3主発光領域33ACの複数の発光部33Pと電気的に接続されている。より詳細には、面発光レーザチップ30は、第3電極34Cと第3主発光領域33ACの複数の発光部33Pとを電気的に接続する第1接続部36Cと、第3電極34Cと第3発光領域33BCの発光部33Pとを電気的に接続する第2接続部37Cと、を含む。このため、第3電極34C、第1接続部36C、および第2接続部37Cを介して第3主発光領域33ACの複数の発光部33Pと第3発光領域33BCの発光部33Pに同時に電流が供給される。つまり、面発光レーザチップ30は、第3主発光領域33ACの複数の発光部33Pと第3発光領域33BCの発光部33Pが同時にレーザ光を出射するように構成されている。第1接続部36Cは、第3主発光領域33ACを構成する第3発光電極38ACに接続されている。第2接続部37Cは、第3発光領域33BCを構成する第3発光電極38BCに接続されている。
【0170】
第4電極34Dは、Y方向において第4主発光領域33ADおよび第4発光領域33BDと同じ位置に配置されている。第4電極34Dは、第4発光領域33BDの発光部33Pおよび第4主発光領域33ADの複数の発光部33Pと電気的に接続されている。より詳細には、面発光レーザチップ30は、第4電極34Dと第4主発光領域33ADの複数の発光部33Pとを電気的に接続する第1接続部36Dと、第4電極34Dと第4発光領域33BDの発光部33Pとを電気的に接続する第2接続部37Dと、を含む。このため、第4電極34D、第1接続部36D、および第2接続部37Dを介して第4主発光領域33ADの複数の発光部33Pと第4発光領域33BDの発光部33Pに同時に電流が供給される。つまり、面発光レーザチップ30は、第4主発光領域33ADの複数の発光部33Pと第4発光領域33BDの発光部33Pが同時にレーザ光を出射するように構成されている。第1接続部36Dは、第4主発光領域33ADを構成する第4発光電極38ADに接続されている。第2接続部37Dは、第4発光領域33BDを構成する第4発光電極38BDに接続されている。第1接続部36A~36Dおよび第2接続部37A~37Dの各々は、例えば配線層およびビアを含む。
【0171】
第1電極34Aと第1主発光領域33AAとのX方向の間の距離および第2電極34Bと第2主発光領域33ABとのX方向の間の距離の各々は、第3電極34Cと第3主発光領域33ACとのX方向の間の距離および第4電極34Dと第4主発光領域33ADとのX方向の間の距離よりも大きい。
【0172】
図16に示すように、
図15に示す面発光レーザチップ30を備える半導体発光装置10は、基板表面21上に形成された第1表面電極61S、第2表面電極62S、第3表面電極63S、第4表面電極64S、第5表面電極65S、および第6表面電極66Sを含む。第1表面電極61S、第2表面電極62S、第3表面電極63S、第4表面電極64S、第5表面電極65S、および第6表面電極66Sは互いに離隔して配置されている。第1表面電極61Sおよび第2表面電極62Sの配置態様、形状、およびサイズは第1実施形態と同じである。
【0173】
第3~第6表面電極63S~66Sは、平面視において面発光レーザチップ30のY方向の両側に2つずつ分散して配置されている。より詳細には、第3表面電極63Sおよび第5表面電極65Sは、面発光レーザチップ30よりも第3基板側面25寄りに配置されている。第4表面電極64Sおよび第6表面電極66Sは、面発光レーザチップ30よりも第4基板側面26寄りに配置されている。第3表面電極63Sおよび第5表面電極65Sは、Y方向において互いに同じ位置であってX方向において互いに離隔して配列されている。第3表面電極63Sは、第5表面電極65Sよりも第1基板側面23寄りに配置されている。第4表面電極64Sおよび第6表面電極66Sは、Y方向において互いに同じ位置であってX方向において互いに離隔して配列されている。第4表面電極64Sは、第6表面電極66Sよりも第1基板側面23寄りに配置されている。
【0174】
また図示していないが、半導体発光装置10は、第1裏面電極61R、第2裏面電極62R、第3裏面電極、第4裏面電極、第5裏面電極、および第6裏面電極と、第1ビア67、第2ビア68、第3ビア、第4ビア、第5ビア、および第6ビアと、を含む。第1裏面電極61R、第2裏面電極62R、第1ビア67、および第2ビア68の配置態様、形状、およびサイズは、第1実施形態と同じである。
【0175】
第3~第5裏面電極は、第1裏面電極61Rおよび第2裏面電極62R(
図11参照)の双方と離隔して配置されている。また、第3裏面電極、第4裏面電極、および第5裏面電極は、互いに離隔して配置されている。第3裏面電極は、平面視において第3表面電極63Sと重なる部分を含む。第4裏面電極は、平面視において第4表面電極64Sと重なる部分を含む。第5裏面電極は、平面視において第5表面電極65Sと重なる部分を含む。第6裏面電極は、平面視において第6表面電極66Sと重なる部分を含む。
【0176】
第3裏面電極は、第3ビアを介して第3表面電極63Sと電気的に接続されている。第4裏面電極は、第4ビアを介して第4表面電極64Sと電気的に接続されている。第5裏面電極は、第5ビアを介して第5表面電極65Sと電気的に接続されている。第6裏面電極は、第6ビアを介して第6表面電極66Sと電気的に接続されている。
【0177】
第3~第6ビアの各々は、基板20をZ方向に貫通している。第3ビアは、第3裏面電極および第3表面電極63Sの双方と接している。第4ビアは、第4裏面電極および第4表面電極64Sの双方と接している。第5ビアは、第5裏面電極および第5表面電極65Sの双方と接している。第6ビアは、第6裏面電極および第6表面電極66Sの双方と接している。
【0178】
第1電極34Aおよび第3表面電極63Sは、ワイヤW1Aによって電気的に接続されている。第2電極34Bおよび第4表面電極64Sは、ワイヤW1Bによって電気的に接続されている。第3電極34Cおよび第5表面電極65Sは、ワイヤW1Cによって電気的に接続されている。第4電極34Dおよび第6表面電極66Sは、ワイヤW1Dによって電気的に接続されている。ワイヤW1A~W1Dは、例えばワイヤW1(
図11参照)と同じ材料によって形成されている。
【0179】
このように、第1~第4電極34A~34Dが個別の表面電極(第3~第6表面電極63S~66S)に電気的に接続されることによって、第1主発光領域33AAの複数の発光部33Pおよび第1発光領域33BAの発光部33Pの組と、第2主発光領域33ABの複数の発光部33Pおよび第2発光領域33BBの発光部33Pの組と、第3主発光領域33ACの複数の発光部33Pおよび第3発光領域33BCの発光部33Pの組と、第4主発光領域33ADの複数の発光部33Pおよび第4発光領域33BDの発光部33Pの組とが個別にレーザ光を出射するように構成することができる。
【0180】
また、第1電極34Aと第1主発光領域33AAとのX方向の間の距離が大きいため、ワイヤW1Cは、平面視において第1主発光領域33AAよりも第1電極34A寄りに形成することができる。第2電極34Bと第2主発光領域33ABとのX方向の間の距離が大きいため、ワイヤW1Dは、平面視において第2主発光領域33ABよりも第2電極34B寄りに形成することができる。
【0181】
図示していないが、半導体発光装置10は、反射部70(
図3参照)を含む。反射部70と面発光レーザチップ30および受光チップ40との位置関係は、第1実施形態と同様である。また、反射部70の構成および反射部70に関する封止部材50の構成は第1実施形態と同様である。
【0182】
[効果]
第8実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(8-1)第1~第4発光領域33BA~33BDおよび第1~第4主発光領域33AA~33ADの各々は、レーザ光を出射する発光部33Pを含む。第1電極34Aは、第1発光領域33BAの発光部33Pおよび第1主発光領域33AAの複数の発光部33Pの双方と電気的に接続されている。第2電極34Bは、第2発光領域33BBの発光部33Pおよび第2主発光領域33ABの複数の発光部33Pの双方と電気的に接続されている。第3電極34Cは、第3発光領域33BCの発光部33Pおよび第3主発光領域33ACの複数の発光部33Pの双方と電気的に接続されている。第4電極34Dは、第4発光領域33BDの発光部33Pおよび第4主発光領域33ADの複数の発光部33Pの双方と電気的に接続されている。
【0183】
この構成によれば、第1主発光領域33AAの複数の発光部33Pおよび第1発光領域33BAの発光部33Pの組と、第2主発光領域33ABの複数の発光部33Pおよび第2発光領域33BBの発光部33Pの組と、第3主発光領域33ACの複数の発光部33Pおよび第3発光領域33BCの発光部33Pの組と、第4主発光領域33ADの複数の発光部33Pおよび第4発光領域33BDの発光部33Pの組とが個別にレーザ光を出射するように構成することができる。これにより、第1発光領域33BAからのレーザ光が反射部70によって反射された反射光の少なくとも一部を受光チップ40が受光した受光量に基づいて第1主発光領域33AAの複数の発光部33Pのレーザ光の出力を制御することができる。また、第2~第4主発光領域33AB~33ADにおける複数の発光部33Pのレーザ光の出力も同様に制御することができる。このように、第1主発光領域33AAの複数の発光部33P、第2主発光領域33ABの複数の発光部33P、第3主発光領域33ACの複数の発光部33P、および第4主発光領域33ADの複数の発光部33Pからのレーザ光の出力を個別に制御することができる。
【0184】
(8-2)平面視において、第1発光領域33BAの面積は、第1主発光領域33AAの面積よりも小さい。平面視において、第2発光領域33BBの面積は、第2主発光領域33ABの面積よりも小さい。平面視において、第3発光領域33BCの面積は、第3主発光領域33ACの面積よりも小さい。平面視において、第4発光領域33BDの面積は、第4主発光領域33ADの面積よりも小さい。
【0185】
この構成によれば、第1~第4発光領域33BA~33BDからのレーザ光の出力は第1~第4主発光領域33AA~33ADからのレーザ光の出力よりも小さくなる。このため、例えば第1~第4発光領域33BA~33BDからのレーザ光は反射部70によって反射して受光チップ40が受光するようなレーザ光の出力が小さい用途に適用することができる。また、第1~第4主発光領域33AA~33ADからのレーザ光は半導体発光装置10から出射するといったレーザ光の出力が大きい用途に適用することができる。
【0186】
(8-3)第1~第4発光領域33BA~33BDおよび第1~第4主発光領域33AA~33ADの各々は、レーザ光を出射する発光部33Pを含む。第1発光領域33BAの発光部33Pの数は、第1主発光領域33AAの発光部33Pの数よりも少ない。第2発光領域33BBの発光部33Pの数は、第2主発光領域33ABの発光部33Pの数よりも少ない。第3発光領域33BCの発光部33Pの数は、第3主発光領域33ACの発光部33Pの数よりも少ない。第4発光領域33BDの発光部33Pの数は、第4主発光領域33ADの発光部33Pの数よりも少ない。
【0187】
この構成によれば、第1~第4発光領域33BA~33BDからのレーザ光の出力は第1~第4主発光領域33AA~33ADからのレーザ光の出力よりも小さくなる。このため、例えば第1~第4発光領域33BA~33BDからのレーザ光は反射部70によって反射して受光チップ40が受光するようなレーザ光の出力が小さい用途に適用することができる。また、第1~第4主発光領域33AA~33ADからのレーザ光は半導体発光装置10から出射するといったレーザ光の出力が大きい用途に適用することができる。
【0188】
(8-4)平面視における第1発光面33Aの形状は、円形である。
この構成によれば、例えば第3電極34Cおよび第4電極34Dに接合されたワイヤW1C,W1Dが平面視においてX方向およびY方向の双方と交差する斜め方向に形成されたとしても、平面視においてワイヤW1C,W1Dが第1発光面33Aの発光部33Pと重なることを抑制できる。加えて、第1発光面33Aからのレーザ光が平面視において円形となるため、レンズ等の光学系の部材に対して効率よくレーザ光を利用できる。例えばレンズを用いてレーザ光を集光する場合にその集光効率を高めることができる。
【0189】
<変更例>
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記各実施形態および以下の各変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0190】
第1~第8実施形態は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせることができる。以下に第1~第8実施形態の組み合わせを例示する。
・第3および第4実施形態の反射部70は、第1実施形態の反射部70に変更してもよい。
【0191】
・第6~第8実施形態の反射部70は、第2実施形態の反射部70に変更してもよい。
・第3、第4、および第6~第8実施形態の反射部70は、第5実施形態の反射部70(拡散材72)に変更してもよい。
【0192】
・第3、第4、および第6~第8実施形態の半導体発光装置10は、封止部材50の封止表面51に形成された第1実施形態または第2実施形態の反射部70と、第5実施形態の拡散材72とを含んでいてもよい。
【0193】
・第1、第3~第5実施形態の面発光レーザチップ30は、第6~第8実施形態の面発光レーザチップ30のいずれかに変更してもよい。
・第5実施形態の半導体発光装置10は、反射部70としての拡散材72と、封止部材50の封止表面51に形成された第1実施形態または第2実施形態の反射部70とを含んでいてもよい。
【0194】
・第1実施形態において、
図17に示すように、反射部70としての粗面51B上に遮光層100が形成されていてもよい。遮光層100は、例えば遮光性を有する樹脂材料によって形成されていてもよい。遮光性を有する樹脂材料としては、例えば黒色のエポキシ樹脂が用いられる。また、遮光層100は、例えば金属膜によって形成されていてもよい。また、遮光層100は、反射防止膜(Anti-Reflection coating:ARコート)によって形成されていてもよい。
【0195】
・第1および第2実施形態において、
図18に示すように、半導体発光装置10は、封止部材50の封止表面51のうち平面視において受光面としての第2チップ表面41と重なる部分に形成された遮光層100を含んでいてもよい。
図18に示す例では、遮光層100は、第2チップ表面41(受光面)の全体を覆っている。なお、遮光層100は、第2チップ表面41(受光面)を覆っていれば、例えば反射部70の少なくとも一部を覆っていなくてもよい。
【0196】
・各実施形態において、封止部材50を構成する材料は任意に変更可能である。一例では、封止部材50は、可視光線を遮断し、可視光線とは異なる特定波長のレーザ光を透過する材料によって形成されていてよい。特定波長のレーザ光は、例えば紫外線レーザである。封止部材50を構成する材料としては、例えば可視光遮蔽シリコーン封止材が用いられてよい。この封止材は、例えばAIR-7051-A/B(信越化学工業株式会社製)が用いられてよい。この場合、面発光レーザチップ30は、特定波長のレーザ光を出射するように構成されている。反射部70は、特定波長のレーザ光を反射するように構成されている。
【0197】
・第1~第5実施形態において、平面視における反射部70の位置は任意に変更可能である。一例では、反射部70は、平面視において面発光レーザチップ30の発光面33の一部と重なる位置に配置されていてもよい。
【0198】
・第1、第2、および第5~第8実施形態において、面発光レーザチップ30および受光チップ40の配置態様は任意に変更可能である。一例では、面発光レーザチップ30および受光チップ40は、Y方向において互いにずれて配置されていてもよい。
【0199】
・第1、第2、および第6~第8実施形態において、半導体発光装置10は、面発光レーザチップ30から出射されたレーザ光が対象物DTによって反射された反射光を受光する検出用受光チップ110を含んでいてもよい。一例では、
図19に示すように、検出用受光チップ110は、X方向において面発光レーザチップ30に対して受光チップ40とは反対側に配置されている。検出用受光チップ110は、例えばフォトダイオードを含む。
【0200】
検出用受光チップ110は、Z方向において互いに反対側を向く第3チップ表面111および第3チップ裏面112を含む。第3チップ表面111は基板表面21と同じ側を向き、第3チップ裏面112は基板裏面22と同じ側を向いている。第3チップ表面111には受光面113が形成されている。受光面113上には、表面電極114が形成されている。第3チップ裏面112には裏面電極115が形成されている。
【0201】
検出用受光チップ110は、導電性接合材SDによって第1表面電極61Sに接合されている。これにより、検出用受光チップ110の裏面電極115は、導電性接合材SDを介して第1表面電極61Sと電気的に接続されている。
【0202】
検出用受光チップ110の表面電極114には、ワイヤW6が形成されている。ワイヤW6は、第2表面電極62Sに接続されている。これにより、表面電極114は、ワイヤW6を介して第2表面電極62Sと電気的に接続されている。
【0203】
・
図19に示す変更例において、面発光レーザチップ30の配置態様は任意に変更可能である。一例では、
図20に示すように、半導体発光装置10は、Z方向において基板20と面発光レーザチップ30との間に介在するサブマウント基板120を含んでいてもよい。
【0204】
サブマウント基板120は、Z方向を厚さ方向とする矩形平板状に形成されている。サブマウント基板120は、例えば導電材料によって形成されている。導電材料としては、例えばCu、Al等が用いられる。一例では、サブマウント基板120は、Cuによって形成されている。
【0205】
サブマウント基板120は、導電性接合材SDによって第1表面電極61Sに接合されている。面発光レーザチップ30は、導電性接合材SDによってサブマウント基板120に接合されている。これにより、面発光レーザチップ30の裏面電極35は、サブマウント基板120および導電性接合材SDを介して第1表面電極61Sに電気的に接続されている。
【0206】
図20に示す例では、面発光レーザチップ30の発光面33は、面発光レーザチップ30の第1チップ裏面32は、検出用受光チップ110の受光面113よりも封止表面51寄りに配置されている。なお、サブマウント基板120の厚さを調整することによって、面発光レーザチップ30の第1チップ裏面32が検出用受光チップ110の受光面113よりも基板20寄りに配置されていてもよい。
【0207】
図20に示す変更例の構成によれば、面発光レーザチップ30の熱がサブマウント基板120を介して基板20に移動しやすくなる。したがって、面発光レーザチップ30の温度が過度に高くなることを抑制できる。
【0208】
なお、サブマウント基板120は、絶縁材料を含む材料によって形成されていてもよい。絶縁材料としては、セラミック、樹脂材料等が挙げられる。セラミックとしては、AlN、Al2O3を用いることができる。この場合、サブマウント基板120は、サブマウント基板120をZ方向に貫通する1または複数の貫通配線を含む。1または複数の貫通配線を介して面発光レーザチップ30の裏面電極35と第1表面電極61Sとが電気的に接続されている。サブマウント基板120の絶縁材料としてセラミックが用いられた場合、面発光レーザチップ30の熱がサブマウント基板120を介して基板20に移動しやすくなる。したがって、面発光レーザチップ30の温度が過度に高くなることを抑制できる。なお、サブマウント基板120は、シリコン(Si)などの半導体材料によって形成されていてもよい。この場合においてもサブマウント基板120は、サブマウント基板120をZ方向に貫通する1または複数の貫通配線を含む。
【0209】
・
図19および
図20に示す変更例において、封止部材50のうちX方向における面発光レーザチップ30と検出用受光チップ110との間には、Z方向を深さ方向とし、Y方向に延びるスリットが形成されていてよい。このスリットは、例えば第4実施形態のスリット58と同じであってよい。
【0210】
・第6および第7実施形態において、面発光レーザチップ30における第1発光面33Aの面積および第2発光面33Bの面積の関係は任意に変更可能である。一例では、第1発光面33Aの面積と第2発光面33Bの面積とは互いに等しくてもよい。
【0211】
・第6および第7実施形態において、面発光レーザチップ30における第1発光面33Aの発光部33Pの数および第2発光面33Bの発光部33Pの数の関係は任意に変更可能である。一例では、第1発光面33Aの発光部33Pの数と第2発光面33Bの発光部33Pの数とは互いに等しくてもよい。
【0212】
・第7実施形態において、第1電極34Aおよび第2電極34Bの配置態様は任意に変更可能である。一例では、第1電極34Aおよび第2電極34Bは、X方向において互いに離隔して配列されていてもよい。また一例では、第2電極34Bは、第1発光面33Aと第2発光面33BとのX方向の間に配置される一方、第1電極34Aは、X方向において第1発光面33Aに対して第2発光面33Bとは反対側に配置されていてもよい。
【0213】
・第7実施形態において、平面視において、第1電極34Aの面積および第2電極34Bの面積の関係は任意に変更可能である。一例では、第1電極34Aの面積と第2電極34Bの面積とは互いに等しくてもよい。
【0214】
・第8実施形態において、第1発光面33Aの第1~第4主発光領域33AA~33ADの面積の関係は任意に変更可能である。一例では、第1~第4主発光領域33AA~33ADの面積は互いに等しくてもよい。
【0215】
・第8実施形態において、第1発光面33Aの第1~第4主発光領域33AA~33ADのX方向の長さは任意に変更可能である。一例では、第1~第4主発光領域33AA~33ADのX方向の長さは互いに等しくてもよい。
【0216】
・第8実施形態において、第1発光面33Aの第1~第4主発光領域33AA~33ADの発光部33Pの数の関係は任意に変更可能である。一例では、第1~第4主発光領域33AA~33ADの発光部33Pの数は同じであってもよい。
【0217】
・第8実施形態において、第1発光面33Aの第1~第4主発光領域33AA~33ADの面積と第2発光面33Bの第1~第4発光領域33BA~33BDの面積との関係は任意に変更可能である。一例では、第1主発光領域33AAの面積と第1発光領域33BAの面積とは互いに等しくてもよい。一例では、第2主発光領域33ABの面積と第2発光領域33BBの面積とは互いに等しくてもよい。一例では、第3主発光領域33ACの面積と第3発光領域33BCの面積とは互いに等しくてもよい。一例では、第4主発光領域33ADの面積と第4発光領域33BDの面積とは互いに等しくてもよい。
【0218】
・第8実施形態において、第1発光面33Aの第1~第4主発光領域33AA~33ADの発光部33Pの数と第2発光面33Bの第1~第4発光領域33BA~33BDの発光部33Pの数との関係は任意に変更可能である。一例では、第1主発光領域33AAの発光部33Pの数と第1発光領域33BAの発光部33Pの数とは同じであってもよい。一例では、第2主発光領域33ABの発光部33Pの数と第2発光領域33BBの発光部33Pの数とは同じであってもよい。一例では、第3主発光領域33ACの発光部33Pの数と第3発光領域33BCの発光部33Pの数とは同じであってもよい。一例では、第4主発光領域33ADの発光部33Pの数と第4発光領域33BDの発光部33Pの数とは同じであってもよい。
【0219】
・第8実施形態において、第2発光面33Bの第1~第4発光領域33BA~33BDの配置態様は任意に変更可能である。一例では、第1~第4発光領域33BA~33BDは、X方向およびY方向の双方において互いに離隔して配置されていてもよい。つまり、第1~第4発光領域33BA~33BDは、平面視において格子状に配置されていてもよい。
【0220】
・第8実施形態において、第1発光面33Aの第1~第4主発光領域33AA~33AD、第2発光面33Bの第1~第4発光領域33BA~33BD、および第1~第4電極34A~34Dの配置態様は任意に変更可能である。一例では、第1主発光領域33AA、第1発光領域33BA、および第1電極34Aは、Y方向において互いにずれた位置に配置されていてもよい。一例では、第2主発光領域33AB、第2発光領域33BB、および第2電極34Bは、Y方向において互いにずれた位置に配置されていてもよい。一例では、第3主発光領域33AC、第3発光領域33BC、および第3電極34Cは、Y方向において互いにずれた位置に配置されていてもよい。一例では、第4主発光領域33AD、第4発光領域33BD、および第4電極34Dは、Y方向において互いにずれた位置に配置されていてもよい。
【0221】
・第8実施形態の面発光レーザチップ30において、第1発光面33Aおよび第2発光面33Bの発光領域の数は任意に変更可能である。一例では、
図21に示すように、第1発光面33Aおよび第2発光面33Bの各々は、2つの発光領域を含んでいてもよい。つまり、第1発光面33Aは、互いに離隔して配置された第1主発光領域33AAおよび第2主発光領域33ABを含んでいてもよい。第2発光面33Bは、互いに離隔して配置された第1発光領域33BAおよび第2発光領域33BBを含んでいてもよい。この場合、表面電極34は、互いに離隔して配置された第1電極34Aおよび第2電極34Bを含んでいてもよい。
【0222】
図21に示す例では、第1主発光領域33AAおよび第2主発光領域33ABは、X方向において互いに同じ位置であってY方向において互いに離隔して配列されている。第1発光領域33BAおよび第2発光領域33BBは、X方向において互いに同じ位置であってY方向において互いに離隔して配列されている。第1発光領域33BAは、Y方向において第1主発光領域33AAと同じ位置に配置されている。第2発光領域33BBは、Y方向において第2主発光領域33ABと同じ位置に配置されている。
【0223】
平面視において、第1発光領域33BAの面積は、第1主発光領域33AAの面積よりも小さい。より詳細には、第1発光領域33BAのX方向の長さは、第1主発光領域33AAのX方向の長さよりも短い。第1発光領域33BAのY方向の長さは、第1主発光領域33AAのY方向の長さと等しい。第1発光領域33BAおよび第1主発光領域33AAの双方は、複数の発光部33Pを含む。第1発光領域33BAの発光部33Pの数は、第1主発光領域33AAの発光部33Pの数よりも少ない。第1発光領域33BAの複数の発光部33Pは、X方向において互いに同じ位置であってY方向において互いに離隔して配列されている。つまり、第1発光領域33BAの複数の発光部33Pは、Y方向に1列に並べられている。第1主発光領域33AAの複数の発光部33Pは、X方向およびY方向の双方において互いに離隔して配列されている。
【0224】
平面視において、第2発光領域33BBの面積は、第2主発光領域33ABの面積よりも小さい。より詳細には、第2発光領域33BBのX方向の長さは、第2主発光領域33ABのX方向の長さよりも短い。第2発光領域33BBのY方向の長さは、第2主発光領域33ABのY方向の長さと等しい。
【0225】
第2発光領域33BBおよび第2主発光領域33ABの双方は、複数の発光部33Pを含む。第2発光領域33BBの発光部33Pの数は、第2主発光領域33ABの発光部33Pの数よりも少ない。第2発光領域33BBの複数の発光部33Pは、X方向において互いに同じ位置であってY方向において互いに離隔して配列されている。つまり、第2発光領域33BBの複数の発光部33Pは、Y方向に1列に並べられている。第2主発光領域33ABの複数の発光部33Pは、X方向およびY方向の双方において互いに離隔して配列されている。一例では、第2主発光領域33ABの発光部33Pの数は、第1主発光領域33AAの発光部33Pの数と同じである。一例では、第2発光領域33BBの発光部33Pの数は、第1発光領域33BAの発光部33Pの数と同じである。
【0226】
ここで、第1主発光領域33AAおよび第2主発光領域33ABを区画する破線枠の領域は、各発光部33Pに電気的に接続された第1発光電極38AAおよび第2発光電極38ABの外枠と同じである。つまり、平面視において、第1発光電極38AAの外枠で囲まれた領域を第1主発光領域33AAとし、第2発光電極38ABの外枠で囲まれた領域を第2主発光領域33ABとしている。
【0227】
また、第1発光領域33BAおよび第2発光領域33BBを区画する破線枠の領域は、各発光部33Pに電気的に接続された第1発光電極38BAおよび第2発光電極38BBの外枠と同じである。つまり、平面視において、第1発光電極38BAの外枠で囲まれた領域を第1発光領域33BAとし、第2発光電極38BBの外枠で囲まれた領域を第2発光領域33BBとしている。
【0228】
なお、第1主発光領域33AA、第2主発光領域33AB、第1発光領域33BA、および第2発光領域33BBにおける面積および発光部33Pの数は、任意に変更可能である。
【0229】
第1電極34Aおよび第2電極34Bは、X方向において互いに同じ位置であってY方向において互いに離隔して配列されている。第1電極34Aは、Y方向において第1主発光領域33AAおよび第1発光領域33BAと同じ位置には配置されている。第2電極34Bは、Y方向において第2主発光領域33ABおよび第2発光領域33BBと同じ位置に配置されている。
【0230】
第1電極34Aは、第1主発光領域33AAの複数の発光部33Pおよび第1発光領域33BAの複数の発光部33Pと電気的に接続されている。より詳細には、面発光レーザチップ30は、第1電極34Aと第1主発光領域33AAの複数の発光部33Pとを電気的に接続する第1接続部36Aと、第1電極34Aと第1発光領域33BAの複数の発光部33Pとを電気的に接続する第2接続部37Aと、を含む。このため、面発光レーザチップ30は、第1電極34A、第1接続部36A、および第2接続部37Aを介して第1主発光領域33AAの複数の発光部33Pと第1発光領域33BAの複数の発光部33Pが同時にレーザ光を出射するように構成されている。
【0231】
第2電極34Bは、第2主発光領域33ABの複数の発光部33Pおよび第2発光領域33BBの複数の発光部33Pと電気的に接続されている。より詳細には、面発光レーザチップ30は、第2電極34Bと第2主発光領域33ABの複数の発光部33Pとを電気的に接続する第1接続部36Bと、第2電極34Bと第2発光領域33BBの複数の発光部33Pとを電気的に接続する第2接続部37Bと、を含む。このため、面発光レーザチップ30は、第2電極34B、第1接続部36B、および第2接続部37Bを介して第2主発光領域33ABの複数の発光部33Pと第2発光領域33BBの複数の発光部33Pが同時にレーザ光を出射するように構成されている。
【0232】
・第2実施形態において、封止部材50から凹部57を省略してもよい。この場合、
図22に示すように、反射部70の反射層71は、封止表面51に形成されている。
・各実施形態において、反射部70は、面発光レーザチップ30と受光チップ40とのX方向の間に形成されていてもよい。つまり、平面視において、反射部70は、面発光レーザチップ30の第1チップ表面31よりも受光チップ40寄りに面発光レーザチップ30に対してX方向に離隔して配置されていてもよい。平面視において、反射部70は、受光チップ40に対して面発光レーザチップ30寄りにX方向に離隔して配置されていてもよい。
【0233】
本明細書に記載の様々な例のうち1つまたは複数を、技術的に矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に対象物を区別するために用いられており、対象物を順位づけするものではない。
【0234】
本明細書において、「AおよびBのうち少なくとも1つ」とは、「Aのみ、または、Bのみ、またはAおよびBの両方」を意味するものとして理解されるべきである。
本開示で使用される「~上に」という用語は、文脈によって明らかにそうでないことが示されない限り、「~上に」と「~の上方に」の意味を含む。したがって、例えば「第1要素が第2要素上に配置される」という表現は、或る実施形態では第1要素が第2要素に接触して第2要素上に直接配置され得るが、他の実施形態では第1要素が第2要素に接触することなく第2要素の上方に配置され得ることが意図される。すなわち、「~上に」という用語は、第1要素と第2要素との間に他の要素が形成される構造を排除しない。
【0235】
本開示で使用されるZ方向は必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に完全に一致している必要もない。したがって、本開示による種々の構造は、本明細書で説明されるZ方向の「上」および「下」が鉛直方向の「上」および「下」であることに限定されない。例えばX方向が鉛直方向であってもよく、またはY方向が鉛直方向であってもよい。
【0236】
<付記>
本開示から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、限定する意図ではなく理解の補助のため、付記に記載される構成要素には、上記実施形態中の対応する構成要素の参照符号が付されている。参照符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各付記に記載された構成要素は、参照符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0237】
[付記A1]
発光面(33)を有し、当該発光面(33)からレーザ光を出射する面発光レーザチップ(30)と、
受光チップ(40)と、
前記レーザ光が通過可能な材料によって形成され、前記面発光レーザチップ(30)および前記受光チップ(40)を封止する封止部材(50)と、
前記封止部材(50)に設けられ、前記レーザ光の一部を前記受光チップ(40)に向けて反射する反射部(70)と、
を含み、
前記受光チップ(40)は、前記反射部(70)による反射光の少なくとも一部を受光する位置に配置されている
半導体発光装置(10)。
【0238】
[付記A2]
前記反射部(70)は、前記封止部材(50)の封止表面(51)の一部に形成された凹凸によって構成されている
付記A1に記載の半導体発光装置。
【0239】
[付記A3]
前記封止部材(50)の前記封止表面(51)は、平坦面(51A)と、前記平坦面(51A)よりも粗い粗面(51B)と、を含み、
前記反射部(70)は、前記粗面(51B)によって構成されている
付記A2に記載の半導体発光装置。
【0240】
[付記A4]
前記反射部(70)は、前記封止部材(50)の封止表面(51)上に形成された反射層(71)を含む
付記A1に記載の半導体発光装置。
【0241】
[付記A5]
前記封止部材(50)は、前記レーザ光が透過する封止表面(51)と、前記封止表面(51)のうち一部に形成された凹部(57)と、を含み、
前記反射部(70)は、前記凹部(57)に設けられた反射層(71)を含む
付記A1に記載の半導体発光装置。
【0242】
[付記A6]
前記封止部材(50)の封止表面(51)のうち前記封止表面(51)に垂直な方向(Z方向)から視て前記受光チップ(40)と重なる部分に形成された遮光層(100)を含む
付記A1~A5のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0243】
[付記A7]
前記遮光層(100)は、前記反射部(70)を覆っている
付記A6に記載の半導体発光装置。
【0244】
[付記A8]
前記封止部材(50)の封止表面(51)に垂直な方向(Z方向)から視て、前記面発光レーザチップ(30)の前記発光面(33)および前記受光チップ(40)の受光面(41)は第1方向(X方向)において互いに離隔して配置されており、
前記反射部(70)は、前記封止表面(51)に垂直な方向(Z方向)から視て前記発光面(33)と前記受光面(41)との前記第1方向(X方向)の間に形成されている
付記A1~A7のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0245】
[付記A9]
前記反射部(70)は、前記封止表面(51)に垂直な方向(Z方向)から視て前記面発光レーザチップ(30)と前記受光チップ(40)との前記第1方向(X方向)の間を跨ぐように設けられている
付記A8に記載の半導体発光装置。
【0246】
[付記A10]
前記面発光レーザチップ(30)のチップ表面(31)には、前記発光面(33)と、前記チップ表面(31)に垂直な方向(Z方向)から視て前記発光面(33)と第1方向(X方向)に離隔して形成された電極(34)と、が形成されており、
前記受光チップ(40)は、前記第1方向(X方向)において前記発光面(33)に対して前記電極(34)とは反対側に配置されている
付記A1~A9のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0247】
[付記A11]
基板(20)を備え、
前記面発光レーザチップ(30)は、前記基板(20)上に配置され、
前記受光チップ(40)は、前記基板(20)上において前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て前記面発光レーザチップ(30)から第1方向(X方向)に離隔して配置されている
付記A1~A10のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0248】
[付記A12]
前記基板(20)上に配置され、前記面発光レーザチップ(30)から出射された前記レーザ光が対象物(DT)によって反射された反射光を受光する検出用受光チップ(110)をさらに含み、
前記検出用受光チップ(110)は、前記第1方向(X方向)において前記面発光レーザチップ(30)に対して前記受光チップ(40)とは反対側に配置されている
付記A11に記載の半導体発光装置。
【0249】
[付記A13]
前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)において前記基板(20)と前記面発光レーザチップ(30)との間に介在するサブマウント基板(120)を含む
付記A11に記載の半導体発光装置。
【0250】
[付記A14]
前記基板(20)上に配置され、前記面発光レーザチップ(30)から出射された前記レーザ光が対象物(DT)によって反射された反射光を受光する検出用受光チップ(110)をさらに含み、
前記面発光レーザチップ(30)は、前記厚さ方向(Z方向)において前記発光面(33)とは反対側のチップ裏面(32)を含み、
前記検出用受光チップ(110)は、前記厚さ方向(Z方向)において前記チップ裏面(32)よりも前記基板(20)寄りに配置されている
付記A13に記載の半導体発光装置。
【0251】
[付記A15]
前記受光チップ(80)は、受光素子(95)およびチップ表面(81)を含み、
前記チップ表面(81)には、前記受光素子(95)の受光面(95A)が形成されており、
前記面発光レーザチップ(30)は、前記受光チップ(80)の前記チップ表面(81)に接合され、かつ前記チップ表面(81)に垂直な方向(Z方向)から視て前記受光素子(95)の前記受光面(95A)とは異なる位置に配置されている
付記A1~A10のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0252】
[付記A16]
前記受光チップ(80)は、前記面発光レーザチップ(30)から出射された前記レーザ光が対象物(DT)によって反射された反射光を受光する検出用受光素子(96)をさらに含み、
前記検出用受光素子(96)は、前記チップ表面(81)に垂直な方向(Z方向)から視て前記受光チップ(80)のうち第1方向(X方向)において前記面発光レーザチップ(30)に対して前記受光素子(95)とは反対側に形成されている
付記A15に記載の半導体発光装置。
【0253】
[付記A17]
前記チップ表面(81)に垂直な方向(Z方向)から視て前記第1方向(X方向)と直交する方向を第2方向(Y方向)として、
前記封止部材(50)のうち前記第1方向(X方向)における前記面発光レーザチップ(30)と前記検出用受光素子(96)の検出面(96A)との間には、前記チップ表面(81)に垂直な方向(Z方向)を深さ方向とし、前記第2方向(Y方向)に延びるスリット(58)が形成されている
付記A16に記載の半導体発光装置。
【0254】
[付記A18]
前記反射部(70)は、前記封止部材(50)内に設けられ、前記レーザ光を拡散させる複数の拡散材(72)を含む
付記A1~A17のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0255】
[付記A19]
前記受光チップ(40)は、フォトダイオードを含む
付記A1~A14のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0256】
[付記A20]
前記面発光レーザチップ(30)は、可視光線とは異なる特定波長のレーザ光を出射するように構成され、
前記封止部材(50)は、前記可視光線を遮断し、前記特定波長のレーザ光を透過する材料によって形成されている
付記A1~A19のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0257】
[付記A21]
前記反射部(70)は、前記封止部材(50)の封止表面(51)に垂直な方向(Z方向)から視て前記受光チップ(40)の受光面(41)の面積よりも大きい
付記A1~A14のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0258】
[付記A22]
前記封止部材(50)の封止表面(51)に垂直な方向(Z方向)から視た前記反射部(70)の形状は、矩形状である
付記A1~A14のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0259】
[付記A23]
前記封止部材(50)の封止表面(51)に垂直な方向(Z方向)から視て前記第1方向(X方向)と直交する方向を第2方向(Y方向)として、
前記封止部材(50)の封止表面(51)に垂直な方向(Z方向)から視た前記反射部(70)の前記第2方向(Y方向)の長さ(LA)は、前記封止部材(50)の封止表面(51)に垂直な方向(Z方向)から視た前記受光チップ(40)の前記受光面(41)の第2方向(Y方向)の長さ(LB)よりも長い
付記A22に記載の半導体発光装置。
【0260】
[付記A24]
前記面発光レーザチップ(30)は、チップ表面(31)に、前記発光面(33)としてそれぞれ複数の発光部(33P)を含む第1発光面(33A)および第2発光面(33B)を含み、
前記第1発光面(33A)および前記第2発光面(33B)は、前記発光面(33)に垂直な方向(Z方向)から視て互いに異なる位置に形成され、
前記反射部(70)は、前記第2発光面(33B)の前記発光部(33P)から出射された光を反射するように配置されている
付記A1~A23のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0261】
[付記A25]
前記第1発光面(33A)および前記第2発光面(33B)は、前記発光面(33)に垂直な方向(Z方向)から視て前記第1方向(X方向)に互いに離隔して形成されている
付記A24に記載の半導体発光装置。
【0262】
[付記A26]
前記面発光レーザチップ(30)は、前記第1発光面(33A)と前記第2発光面(33B)との前記第1方向(X方向)の間に形成された電極(34)を含む
付記A25に記載の半導体発光装置。
【0263】
[付記A27]
前記発光面(33)に垂直な方向(Z方向)から視て、前記受光チップ(40)は、前記第2発光面(33B)に対して前記第1発光面(33A)とは反対側に配置されている
付記A24~A26のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0264】
[付記A28]
前記第2発光面(33B)の面積は、前記第1発光面(33A)の面積よりも小さい
付記A24~A27のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0265】
[付記A29]
前記第2発光面(33B)に含まれる前記発光部(33P)の数は、前記第1発光面(33A)に含まれる前記発光部(33P)の数よりも少ない
付記A28に記載の半導体発光装置。
【0266】
[付記A30]
前記反射部(70)は、前記発光面(33)に垂直な方向(Z方向)から視て前記第2発光面(33B)と重なる位置に形成されている
付記A24~29のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0267】
[付記A31]
前記受光素子(95)は、フォトダイオードを含む
付記A15~A17のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0268】
[付記A32]
前記反射部(70)は、前記封止部材(50)の封止表面(51)に垂直な方向(Z方向)から視て前記受光素子(95)の受光面(95A)の面積よりも大きい
付記A15~A17のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0269】
[付記A33]
前記封止部材(50)の封止表面(51)に垂直な方向(Z方向)から視た前記反射部(70)の形状は、矩形状である
付記A15~A17のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0270】
[付記A34]
前記厚さ方向(Z方向)から視て前記第1方向(X方向)と直交する方向を第2方向(Y方向)として、
前記封止部材(50)のうち前記第1方向(X方向)における前記面発光レーザチップ(30)と前記検出用受光チップ(110)との間には、前記厚さ方向(Z方向)を深さ方向とし、前記第2方向(Y方向)に延びるスリット(58)が形成されている
付記A12~A14のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【0271】
[付記B1]
互いに反対側を向くチップ表面(31)およびチップ裏面(32)と、
前記チップ表面(31)に形成され、レーザ光を出射するように構成された第1発光面(33A)および第2発光面(33B)と、
前記チップ表面(31)に形成され、前記第1発光面(33A)および前記第2発光面(33B)の各々から離隔した位置に形成された電極(34)と、
を含み、
前記チップ表面(31)に垂直な厚さ方向(Z方向)から視て、前記第1発光面(33A)および前記第2発光面(33B)は、第1方向(X方向)に離隔して配列されており、
前記電極(24)は、前記第1方向(X方向)において前記第1発光面(33A)と前記第2発光面(33B)との間に配置されている
面発光レーザチップ(30)。
【0272】
[付記B2]
前記厚さ方向(Z方向)から視て、前記第2発光面(33B)の面積は、前記第1発光面(33A)の面積よりも小さい
付記B1に記載の面発光レーザチップ。
【0273】
[付記B3]
前記第1発光面(33A)および前記第2発光面(33B)の各々は、レーザ光を出射する発光部(33P)を含み、
前記第2発光面(33B)の前記発光部(33P)の数は、前記第1発光面(33A)の前記発光部(33P)の数よりも少ない
付記B2に記載の面発光レーザチップ。
【0274】
[付記B4]
前記電極(34)は、前記第1発光面(33A)の前記発光部(33P)および前記第2発光面(33B)の前記発光部(33P)の双方と電気的に接続されている
付記B3に記載の面発光レーザチップ。
【0275】
[付記B5]
前記厚さ方向(Z方向)から視て前記第1方向(X方向)と直交する方向を第2方向(Y方向)とすると、
前記第2発光面(33B)は、前記第2方向(Y方向)において互いに離隔して配列された複数の発光部(33P)を含む
付記B1~B4のいずれか1つに記載の面発光レーザチップ。
【0276】
[付記B6]
前記第1発光面(33A)および前記第2発光面(33B)の各々は、レーザ光を出射する発光部(33P)を含み、
前記電極(34)は、互いに離隔して配置された第1電極(34A)および第2電極(34B)を含み、
前記第1電極(34A)は、前記第1発光面(33A)の前記発光部(33P)と電気的に接続されており、
前記第2電極(34B)は、前記第2発光面(33B)の前記発光部(33P)と電気的に接続されている
付記B1に記載の面発光レーザチップ。
【0277】
[付記B7]
前記厚さ方向(Z方向)から視て前記第1方向(X方向)と直交する方向を第2方向(Y方向)とすると、
前記第1電極(34A)および前記第2電極(34B)は、前記第2方向(Y方向)において互いに離隔して配列されている
付記B6に記載の面発光レーザチップ。
【0278】
[付記B8]
前記厚さ方向(Z方向)から視て、前記第1電極(34A)の面積は、前記第2電極(34B)の面積よりも大きい
付記B6またはB7に記載の面発光レーザチップ。
【0279】
[付記B9]
前記第1発光面(33A)は、互いに離隔して配置された第1主発光領域(33AA)および第2主発光領域(33AB)を含み、
前記第2発光面(33B)は、互いに離隔して配置された第1発光領域(33BA)および第2発光領域(33BB)を含み、
前記電極(34)は、互いに離隔して配置された第1電極(34A)および第2電極(34B)を含む
付記B1に記載の面発光レーザチップ。
【0280】
[付記B10]
前記第1発光領域(33BA)、前記第2発光領域(33BB)、前記第1主発光領域(33AA)、および前記第2主発光領域(33AB)の各々は、レーザ光を出射する発光部(33P)を含み、
前記第1電極(34A)は、前記第1発光領域(33BA)の前記発光部(33P)および前記第1主発光領域(33AA)の前記発光部(33P)の双方と電気的に接続されており、
前記第2電極(34B)は、前記第2発光領域(33BB)の前記発光部(33P)および前記第2主発光領域(33AB)の前記発光部(33P)の双方と電気的に接続されている
付記B9に記載の面発光レーザチップ。
【0281】
[付記B11]
前記厚さ方向(Z方向)から視て前記第1方向(X方向)と直交する方向を第2方向(Y方向)とすると、
前記第1発光領域(33BA)、前記第1主発光領域(33AA)、および前記第1電極(34A)は、前記第2方向(Y方向)において互いに同じ位置に設けられており、
前記第2発光領域(33BB)、前記第2主発光領域(33AB)、および前記第2電極(34B)は、前記第2方向(Y方向)において互いに同じ位置に設けられている
付記B9またはB10に記載の面発光レーザチップ。
【0282】
[付記B12]
前記厚さ方向(Z方向)から視て、前記第1発光領域(33BA)の面積は、前記第1主発光領域(33AA)の面積よりも小さく、
前記厚さ方向(Z方向)から視て、前記第2発光領域(33BB)の面積は、前記第2主発光領域(33AB)の面積よりも小さい
付記B9~B11のいずれか1つに記載の面発光レーザチップ。
【0283】
[付記B13]
前記第1発光領域(33BA)、前記第2発光領域(33BB)、前記第1主発光領域(33AA)、および前記第2主発光領域(33AB)の各々は、レーザ光を出射する発光部(33P)を含み、
前記第1発光領域(33BA)の前記発光部(33P)の数は、前記第1主発光領域(33AA)の前記発光部(33P)の数よりも少なく、
前記第2発光領域(33BB)の前記発光部(33P)の数は、前記第2主発光領域(33AB)の前記発光部(33P)の数よりも少ない
付記B12に記載の面発光レーザチップ。
【0284】
[付記B14]
前記第1発光面(33A)は、互いに離隔して配置された第3主発光領域(33AC)および第4主発光領域(33AD)を含み、
前記第2発光面(33B)は、互いに離隔して配置された第3発光領域(33BC)および第4発光領域(33BD)を含み、
前記電極(34)は、互いに離隔して配置された第3電極(34C)および第4電極(34D)を含む
付記B9~B13のいずれか1つに記載の面発光レーザチップ。
【0285】
[付記B15]
前記第3発光領域(33BC)、前記第4発光領域(33BD)、前記第3主発光領域(33AC)、および前記第4主発光領域(33AD)の各々は、レーザ光を出射する発光部(33P)を含み、
前記第3電極(34C)は、前記第3発光領域(33BC)の前記発光部(33P)および前記第3主発光領域(33AC)の前記発光部(33P)の双方と電気的に接続されており、
前記第4電極(34D)は、前記第4発光領域(33BD)の前記発光部(33P)および前記第4主発光領域(33AD)の前記発光部(33P)の双方と電気的に接続されている
付記B14に記載の面発光レーザチップ。
【0286】
[付記B16]
前記厚さ方向(Z方向)から視て、前記第3発光領域(33BC)の面積は、前記第3主発光領域(33AC)の面積よりも小さく、
前記厚さ方向(Z方向)から視て、前記第4発光領域(33BD)の面積は、前記第4主発光領域(33AD)の面積よりも小さい
付記B14またはB15に記載の面発光レーザチップ。
【0287】
[付記B17]
前記第3発光領域(33BC)、前記第4発光領域(33BD)、前記第3主発光領域(33AC)、および前記第4主発光領域(33AD)の各々は、レーザ光を出射する発光部(33P)を含み、
前記第3発光領域(33BC)の前記発光部(33P)の数は、前記第3主発光領域(33AC)の前記発光部(33P)の数よりも少なく、
前記第4発光領域(33BD)の前記発光部(33P)の数は、前記第4主発光領域(33AD)の前記発光部(33P)の数よりも少ない
付記B16に記載の面発光レーザチップ。
【0288】
[付記B18]
前記厚さ方向(Z方向)から視て前記第1方向(X方向)と直交する方向を第2方向(Y方向)とすると、
前記第1発光領域(33BA)、前記第2発光領域(33BB)、前記第3発光領域(33BC)、および前記第4発光領域(33BD)は、前記第2方向(Y方向)において互いに離隔して配列されており、
前記第1主発光領域(33AA)、前記第2主発光領域(33AB)、前記第3主発光領域(33AC)、および前記第4主発光領域(33AD)は、前記第2方向(Y方向)において互いに離隔して配列されており、
前記第1電極(34A)、前記第2電極(34B)、前記第3電極(34C)、および前記第4電極(34D)は、前記第2方向(Y方向)において互いに離隔して配列されており、
前記第3発光領域(33BC)、前記第3主発光領域(33AC)、および前記第3電極(34C)は、前記第2方向(Y方向)において互いに同じ位置に設けられており、
前記第4発光領域(33BD)、前記第4主発光領域(33AD)、および前記第4電極(34D)は、前記第2方向(Y方向)において互いに同じ位置に設けられている
付記B14~B17のいずれか1つに記載の面発光レーザチップ。
【0289】
[付記B19]
前記第3発光領域(33BC)および前記第4発光領域(33BD)は、前記第1発光領域(33BA)と前記第2発光領域(33BB)との前記第2方向(Y方向)の間に設けられており、
前記第3主発光領域(33AC)および前記第4主発光領域(33AD)は、前記第1主発光領域(33AA)と前記第2主発光領域(33AB)との前記第2方向(Y方向)の間に設けられており、
前記第1方向(X方向)における前記第1主発光領域(33AA)および前記第2主発光領域(33AB)の長さは、前記第1方向(X方向)における前記第3主発光領域(33AC)および前記第4主発光領域(33AD)の長さよりも短い
付記B18に記載の面発光レーザチップ。
【0290】
[付記B20]
前記第3発光領域(33BC)、前記第4発光領域(33BD)、前記第3主発光領域(33AC)、および前記第4主発光領域(33AD)の各々は、レーザ光を出射する発光部(33P)を含み、
前記第3発光領域(33BC)および前記第4発光領域(33BD)は、前記第1発光領域(33BA)と前記第2発光領域(33BB)との前記第2方向(Y方向)の間に設けられており、
前記第3主発光領域(33AC)および前記第4主発光領域(33AD)は、前記第1主発光領域(33AA)と前記第2主発光領域(33AB)との前記第2方向(Y方向)の間に設けられており、
前記第1主発光領域(33AA)および前記第2主発光領域(33AB)の前記発光部(33P)の数は、前記第3主発光領域(33AC)および前記第4主発光領域(33AD)の前記発光部(33P)の数よりも少ない
付記B18またはB19に記載の面発光レーザチップ。
【0291】
[付記B21]
前記第1方向(X方向)における前記第1主発光領域(33AA)の長さは、前記第1方向(X方向)における前記第2主発光領域(33AB)の長さと等しく、
前記第1方向(X方向)における前記第3主発光領域(33AC)の長さは、前記第1方向(X方向)における前記第4主発光領域(33AD)の長さと等しい
付記B14に記載の面発光レーザチップ。
【0292】
[付記B22]
前記第1主発光領域(33AA)、前記第2主発光領域(33AB)、前記第3主発光領域(33AC)、および前記第4主発光領域(33AD)における前記第1方向(X方向)の中央は、前記第1方向(X方向)において同じ位置である
付記B21に記載の面発光レーザチップ。
【0293】
[付記B23]
前記第1発光面(33A)は、前記厚さ方向(Z方向)から視て円形である
付記B22に記載の面発光レーザチップ。
【0294】
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識し得る。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれる全ての代替、変形、および変更を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0295】
10…半導体発光装置
20…基板
21…基板表面
22…基板裏面
23~26…第1~第4基板側面
30…面発光レーザチップ
31…第1チップ表面
32…第1チップ裏面
33…発光面
33A…第1発光面
33AA…第1主発光領域
33AB…第2主発光領域
33AC…第3主発光領域
33AD…第4主発光領域
33B…第2発光面
33BA…第1発光領域
33BB…第2発光領域
33BC…第3発光領域
33BD…第4発光領域
33P…発光部
34…表面電極
34A~34D…第1~第4電極
35…裏面電極
36,36A~36D…第1接続部
37,37A~37D…第2接続部
38…発光電極
38A,38AA,38BA…第1発光電極
38B,38AB,38BA…第2発光電極
38AC,38BC…第3発光電極
38AD,38BD…第4発光電極
39…接続部
40…受光チップ
41…第2チップ表面
42…第2チップ裏面
43…表面電極
44…裏面電極
50…封止部材
51…封止表面
51A…平坦面
51B…粗面
53~56…第1~第4封止側面
57…凹部
57A…底面
58…スリット
58A…底面
61S…第1表面電極
62S…第2表面電極
63S…第3表面電極
64S…第4表面電極
65S…第5表面電極
66S…第6表面電極
61R…第1裏面電極
62R…第2裏面電極
63R…第3裏面電極
64R…第4裏面電極
67…第1ビア
68…第2ビア
70…反射部
71…反射層
71A…表面
72…拡散材
80…受光チップ
81…チップ表面
82…チップ裏面
83~86…第1~第4チップ側面
91…第1電極
92…第2電極
93…第3電極
94…第4電極
95…受光素子
95A…受光面
96…検出用受光素子
96A…検出面
100…遮光層
110…検出用受光チップ
111…第3チップ表面
112…第3チップ裏面
113…受光面
114…表面電極
115…裏面電極
120…サブマウント基板
W1~W6,W1A~W1D…ワイヤ
SD…導電性接合材
LA…反射部のY方向の寸法
LB…受光チップのY方向の寸法
LC…面発光レーザチップのY方向の寸法
DT…対象物
D1…面発光レーザチップと受光部とのX方向の間の距離
D2…面発光レーザチップと検出部とのX方向の間の距離
DP1…検出部と第1電極とのX方向の間の距離
DP2…検出部と第3電極(第4電極)とのX方向の間の距離
DP3…受光部と第1電極とのX方向の間の距離