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特開2024-166561較正カーブを作成する方法、画像形成装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166561
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】較正カーブを作成する方法、画像形成装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/191 20060101AFI20241122BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20241122BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241122BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20241122BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241122BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20241122BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241122BHJP
   H04N 1/48 20060101ALI20241122BHJP
   H04N 1/60 20060101ALI20241122BHJP
   H04N 1/401 20060101ALI20241122BHJP
   H04N 1/407 20060101ALI20241122BHJP
   G01J 3/52 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
H04N1/191
B41J2/01 201
B41J2/01 401
B41J29/38 350
G03G15/01 Z
G03G21/00 510
H04N1/04 D
H04N1/12 Z
H04N1/00 002A
H04N1/48
H04N1/60
H04N1/401
H04N1/407 780
G01J3/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082740
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平本 健一郎
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
2G020
2H270
2H300
5C062
5C072
5C077
【Fターム(参考)】
2C056EA06
2C056EB41
2C056EB42
2C056EB52
2C056EC75
2C056EC76
2C056HA58
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061HJ10
2C061HN15
2G020AA08
2G020DA02
2G020DA03
2G020DA04
2G020DA05
2G020DA23
2G020DA32
2G020DA34
2G020DA43
2H270LA19
2H270LA22
2H270LD03
2H270LD09
2H270LD15
2H270RA03
2H270RA16
2H270RB06
2H270ZC03
2H270ZC04
2H300FF05
2H300GG02
2H300GG12
2H300GG14
2H300GG32
2H300RR34
2H300RR37
2H300RR50
2H300SS04
2H300TT03
2H300TT04
5C062AA05
5C062AB05
5C062AB08
5C062AB20
5C062AB25
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC55
5C062AC61
5C062AE03
5C072AA01
5C072BA04
5C072DA02
5C072DA04
5C072EA05
5C072EA06
5C072FA06
5C072NA01
5C072NA04
5C072QA10
5C072QA14
5C072QA16
5C072RA10
5C072RA15
5C072RA18
5C072UA18
5C072XA01
5C072XA04
5C077LL04
5C077MM03
5C077PP06
5C077PP15
5C077PP32
5C077PP36
5C077TT05
(57)【要約】
【課題】撮像センサーをより適切に較正可能な技術を提供する。
【解決手段】方法は、記録媒体に形成された互いに階調値の異なる複数のパッチの各々について、撮像センサーによる読み取り値と測色計による測色値とのペアを取得するステップS1と、読み取り値と測色値との相関関係を表す較正カーブを作成するステップS2とを備える。ステップS2は、複数のパッチの読み取り値の中から、較正カーブの作成に使用する複数の対象読み取り値を選定するステップS21と、複数のパッチのペアのうち、複数の対象読み取り値の各々に対応する対象ペアを用いて、較正カーブにおける複数の対象読み取り値に対応する範囲内の値を補間するステップS22と、対象ペアを用いて、較正カーブにおける範囲外の値を補外するステップS23とを含む。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に形成された、単色の階調値が互いに異なる複数のパッチの各々について、撮像センサーによる読み取り値と測色計による測色値とのペアを取得することと、
前記読み取り値と前記測色値との相関関係を表す較正カーブを作成することとを備え、
前記較正カーブを作成することは、
前記複数のパッチの前記読み取り値の中から、前記較正カーブの作成に使用する複数の対象読み取り値を選定することと、
前記複数のパッチの前記ペアのうち、前記複数の対象読み取り値の各々に対応する対象ペアを用いて、前記較正カーブにおける前記複数の対象読み取り値に対応する範囲内の値を補間することと、
前記対象ペアを用いて、前記較正カーブにおける前記範囲外の値を補外することとを含む、方法。
【請求項2】
前記撮像センサーは、前記複数のパッチの各々に含まれる複数の画素の各々について輝度値を計測し、
前記複数の対象読み取り値を選定することは、
前記複数のパッチの各々について、前記複数の画素の前記輝度値の代表値を前記読み取り値として算出することと、
前記複数のパッチの中から着目パッチを順に選択することと、
前記着目パッチの前記読み取り値と、前記複数のパッチのうち前記着目パッチの次に階調値の小さいパッチの前記読み取り値との第1差を算出することと、
前記着目パッチにおける前記輝度値のばらつきを表すパラメータの値を算出することと、
前記第1差を前記パラメータの値で割った値が閾値以上であることに応じて、前記着目パッチの前記読み取り値を前記複数の対象読み取り値の1つとして選定することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記撮像センサーは、前記複数のパッチの各々に含まれる複数の画素の各々について輝度値を計測し、
前記複数の対象読み取り値を選定することは、
前記複数のパッチの各々について、前記複数の画素の前記輝度値の代表値を前記読み取り値として算出することと、
前記複数のパッチの中から着目パッチを順に選択することと、
前記着目パッチの前記読み取り値と、前記複数のパッチのうち前記着目パッチの次に階調値の小さいパッチの前記読み取り値との第1差を算出することと、
前記着目パッチの前記測色値と、前記着目パッチの次に階調値の小さい前記パッチの前記測色値との第2差を算出することと、
前記第1差を前記第2差で割った値が閾値以上であることに応じて、前記着目パッチの前記読み取り値を前記複数の対象読み取り値の1つとして選定することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記撮像センサーは、前記複数のパッチの各々に含まれる複数の画素の各々について輝度値を計測し、
前記複数の対象読み取り値を選定することは、
前記複数のパッチの各々について、前記複数の画素の前記輝度値の代表値を前記読み取り値として算出することと、
前記複数のパッチの中から着目パッチを順に選択することと、
前記着目パッチの前記読み取り値と、前記複数のパッチのうち前記着目パッチの次に階調値の小さいパッチの前記読み取り値との第1差を算出することと、
前記着目パッチにおける前記読み取り値のばらつきを表すパラメータの値を算出することと、
前記着目パッチの前記測色値と、前記着目パッチの次に階調値の小さい前記パッチの前記測色値との第2差を算出することと、
前記第1差を前記第2差および前記パラメータの値で割った値が閾値以上であることに応じて、前記着目パッチの前記読み取り値を前記複数の対象読み取り値の1つとして選定することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記読み取り値は、緑色の輝度を示し、
前記測色値は、L色空間のL値である、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記読み取り値は、赤色の輝度を示し、
前記測色値は、L色空間のL値である、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記読み取り値は、青色の輝度を示し、
前記測色値は、L色空間のb値である、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記読み取り値は、青色の輝度を示し、
前記測色値は、XYZ色空間のZ値のk乗であり、kは、1/3以上1/2以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のパッチは、前記測色値が均等な間隔となるように前記記録媒体に形成される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記較正カーブを作成することは、前記記録媒体のグループごとに前記較正カーブを作成することを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法を実行するコンピューターを備える、画像形成装置。
【請求項12】
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法をコンピューターに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、較正カーブを作成する方法、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、インクジェット方式で高速に画像形成を行う画像形成装置は、用紙等の記録媒体の幅方向に配置された複数のラインヘッドを備える。記録媒体の幅方向に複数のラインヘッドが配置される場合、各ノズル位置での感度ばらつきに起因して濃度ムラが生じ得る。特開2021-122989号公報(特許文献1)は、濃度ムラを抑制するためのヘッドシェーディング補正を開示している。ヘッドシェーディング補正は、記録媒体に形成されたテスト用の階調パターンを撮像センサーで読み取り、読み取り値に基づいて、濃度ムラを抑制するための補正値をノズルごとに決定する技術である。
【0003】
ヘッドシェーディング補正を適切に実施するために、撮像センサーは、適切に較正されていることが好ましい。特開2021-103401号公報(特許文献2)または特開2021-103402号公報(特許文献3)は、撮像センサーによる撮像結果と測色計による測色結果とに基づいて、撮像センサーを較正する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-122989号公報
【特許文献2】特開2021-103401号公報
【特許文献3】特開2021-103402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2または特許文献3に記載の技術では、撮像センサーの較正が十分ではない。
【0006】
本開示の目的は、撮像センサーをより適切に較正可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に従う方法は、記録媒体に形成された、単色の階調値が互いに異なる複数のパッチの各々について、撮像センサーによる読み取り値と測色計による測色値とのペアを取得することと、読み取り値と測色値との相関関係を表す較正カーブを作成することとを備える。較正カーブを作成することは、複数のパッチの読み取り値の中から、較正カーブの作成に使用する複数の対象読み取り値を選定することと、複数のパッチのペアのうち、複数の対象読み取り値の各々に対応する対象ペアを用いて、較正カーブにおける複数の対象読み取り値に対応する範囲内の値を補間することと、対象ペアを用いて、較正カーブにおける範囲外の値を補外することとを含む。
【0008】
好ましくは、撮像センサーは、複数のパッチの各々に含まれる複数の画素の各々について輝度値を計測する。複数の対象読み取り値を選定することは、複数のパッチの各々について、複数の画素の輝度値の代表値を読み取り値として算出することと、複数のパッチの中から着目パッチを順に選択することと、着目パッチの読み取り値と、複数のパッチのうち着目パッチの次に階調値の小さいパッチの読み取り値との第1差を算出することと、着目パッチにおける輝度値のばらつきを表すパラメータの値を算出することと、第1差をパラメータの値で割った値が閾値以上であることに応じて、着目パッチの読み取り値を複数の対象読み取り値の1つとして選定することとを含む。
【0009】
好ましくは、撮像センサーは、複数のパッチの各々に含まれる複数の画素の各々について輝度値を計測する。複数の対象読み取り値を選定することは、複数のパッチの各々について、複数の画素の輝度値の代表値を読み取り値として算出することと、複数のパッチの中から着目パッチを順に選択することと、着目パッチの読み取り値と、複数のパッチのうち着目パッチの次に階調値の小さいパッチの読み取り値との第1差を算出することと、着目パッチの測色値と、着目パッチの次に階調値の小さいパッチの測色値との第2差を算出することと、第1差を第2差で割った値が閾値以上であることに応じて、着目パッチの読み取り値を複数の対象読み取り値の1つとして選定することとを含む。
【0010】
好ましくは、撮像センサーは、複数のパッチの各々に含まれる複数の画素の各々について輝度値を計測する。複数の対象読み取り値を選定することは、複数のパッチの各々について、複数の画素の輝度値の代表値を読み取り値として算出することと、複数のパッチの中から着目パッチを順に選択することと、着目パッチの読み取り値と、複数のパッチのうち着目パッチの次に階調値の小さいパッチの読み取り値との第1差を算出することと、着目パッチにおける読み取り値のばらつきを表すパラメータの値を算出することと、着目パッチの測色値と、着目パッチの次に階調値の小さいパッチの測色値との第2差を算出することと、第1差を第2差およびパラメータの値で割った値が閾値以上であることに応じて、着目パッチの読み取り値を複数の対象読み取り値の1つとして選定することとを含む。
【0011】
好ましくは、読み取り値は、緑色の輝度を示す。測色値は、L色空間のL値である。
【0012】
好ましくは、読み取り値は、赤色の輝度を示す。測色値は、L色空間のL値である。
【0013】
好ましくは、読み取り値は、青色の輝度を示す。測色値は、L色空間のb値である。
【0014】
好ましくは、読み取り値は、青色の輝度を示す。測色値は、XYZ色空間のZ値のk乗である。kは、1/3以上1/2以下である。
【0015】
好ましくは、複数のパッチは、測色値が均等な間隔となるように記録媒体に形成される。
【0016】
好ましくは、較正カーブを作成することは、記録媒体のグループごとに較正カーブを作成することを含む。
【0017】
本開示のある局面に係る画像形成装置は、上記の方法を実行するコンピューターを備える。
【0018】
本開示のある局面に係るプログラムは、上記の方法をコンピューターに実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、撮像センサーは、より適切に較正される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。
図2】ヘッドユニットを搬送ドラム側から見た図である。
図3】撮像センサーを搬送ドラム側から見た図である。
図4】測色計の構成を示す図である。
図5】画像処理部のハードウェア構成を示す図である。
図6】パッチ画像が形成された記録媒体の一例を示す図である。
図7】較正カーブの作成方法の一例を示すフローチャートである。
図8】第1評価値の算出方法を説明する図である。
図9】パッチごとの第1評価値の変化の一例を示す図である。
図10】第2評価値の算出方法を説明する図である。
図11】パッチごとの第2評価値の変化の一例を示す図である。
図12】第3評価値の算出方法を説明する図である。
図13】パッチごとの第3評価値の変化の一例を示す図である。
図14】ステップS22,S23の処理によって生成された較正カーブの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本開示に従う実施の形態および変形例について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される実施の形態および変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0022】
<画像形成装置の全体構成>
図1は、画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。画像形成装置100は、インクおよびトナーなどの色材を用いて画像を形成する。画像形成装置100は、カラー画像形成装置でもモノクロ画像形成装置でもよい。本実施の形態においては、複数のノズルからインクを吐出させて画像を形成するカラーのインクジェット記録装置である場合を例に挙げて説明する。画像形成装置100は、画像処理部1と、画像形成部2と、給紙部3と、排紙部4とを備える。
【0023】
画像処理部1は、画像形成装置100全体を制御する。画像処理部1は、外部装置または後述する操作パネルなどから入力される印刷ジョブのデータ(以下、「ジョブデータ」ともいう)を受信し、このデータを展開して画像データと印刷条件データとを生成する。画像データは、例えば256階調などの階調画像データである。画像処理部1は、印刷条件データが示す印刷条件に従って、階調補正および量子化処理などの画像処理を行い、階調画像データをドットの種類に応じた量子化値で表したハーフトーン画像に変換する。画像処理部1は、ハーフトーン画像を画像形成部2に出力する。
【0024】
給紙部3は、画像形成部2に、記録媒体の一例である用紙Pを供給する。なお、記録媒体は、樹脂フィルムであってもよい。樹脂フィルムは、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PP(ポリプロピレン)フィルムまたはPE(ポリエチレン)フィルムなどを含み得る。また、記録媒体は、金属、木板または布などを含み得る。給紙部3は、給紙トレイ3aを備える。給紙トレイ3aには、画像を形成する前の用紙P、あるいは、所定のパターンまたは画像が形成された用紙Pが積載される。給紙部3は、給紙トレイ3aに積載された用紙Pを上から順に一枚ずつ分離して画像形成部2に供給する。
【0025】
画像形成部2は、給紙部3から受けた用紙Pに画像を形成する。具体的には、画像形成部2は、画像処理部1から受けたハーフトーン画像に従って画像を用紙Pに形成する。これにより、ジョブデータに含まれる画像データによって示される画像が用紙Pに形成される。
【0026】
画像形成部2は、搬送部30と、複数のヘッドユニット50Y,50M,50C,50Kと、定着部32とを備える。また、搬送部30による用紙Pの搬送方向D1において、定着部32の下流側に、撮像センサー6が設けられる。さらに、撮像センサー6の下流側に、測色計7が設けられる。
【0027】
排紙部4は、排紙トレイ4aを有している。排紙トレイ4aには、画像形成部2によって画像が形成された用紙Pが順に排出される。
【0028】
搬送部30は、給紙部3から供給された用紙Pを搬送方向D1に沿って搬送する。搬送部30は、複数のヘッドユニット50Y,50M,50C,50K、定着部32、撮像センサー6、測色計7の順でこれらを通過するように用紙Pを搬送し、複数のヘッドユニット50Y,50M,50C,50Kによって画像が形成された用紙Pを排紙部4に向けて搬送する。搬送部30は、搬送ドラム31と、反転部35と、搬送ローラ36a,36bとを備える。搬送ドラム31、反転部35、および搬送ローラ36a,36bは、各々、回転可能に設けられている。
【0029】
搬送ドラム31は、給紙部3から供給された用紙Pを搬送ドラム31の外周面31aに巻き付けながら回転する。搬送ドラム31は、回転により用紙Pを搬送する。用紙Pは、搬送ドラム31によって搬送されることによって、ヘッドユニット50Y,50M,50C,50K、定着部32、撮像センサー6の順にこれらを通過する。反転部35は、用紙Pの両面に画像を形成するため、あるいは用紙Pの片面に形成された画像を下向きにして用紙Pを排出するために、用紙Pの表裏を反転する部分である。搬送ローラ36a,36bは、画像の形成を終えた用紙Pを測色計7に向けて搬送するローラである。
【0030】
複数のヘッドユニット50Y,50M,50C,50Kの各々は、用紙Pに対して対応する色のインクを用いて画像を形成する。具体的には、ヘッドユニット50Yはイエロー(Y)のインクを用いて画像を形成する。ヘッドユニット50Mはマゼンタ(M)のインクを用いて画像を形成する。ヘッドユニット50Cはシアン(C)のインクを用いて画像を形成する。ヘッドユニット50Kはブラック(K)のインクを用いて画像を形成する。なお、以下では、ヘッドユニット50Y,50M,50C,50Kを区別しない場合には、ヘッドユニット50Y,50M,50C,50Kの各々は、「ヘッドユニット50」と称される。
【0031】
本実施の形態においては、一例として、ヘッドユニット50は、紫外線硬化型のインクを用いるものとする。ヘッドユニット50は、搬送ドラム31の上側の外周面31aに対向する状態で配置されている。また、複数のヘッドユニット50は、搬送ドラム31の円周方向に位置をずらして配置されている。
【0032】
図2を参照して、ヘッドユニット50の構成について詳細に説明する。図2は、ヘッドユニットを搬送ドラム側から見た図である。ヘッドユニット50は、複数のヘッドモジュール51を備える。図2に示す例では、ヘッドユニット50は、4つのヘッドモジュール51を備える。ヘッドユニット50YはヘッドモジュールY1~Y4を備え、ヘッドユニット50MはヘッドモジュールM1~M4を備え、ヘッドユニット50CはヘッドモジュールC1~C4を備え、ヘッドユニット50KはヘッドモジュールK1~K4を備える。
【0033】
4つのヘッドモジュール51は、用紙Pの幅方向D2に沿って配列される。幅方向D2は、用紙Pの搬送方向D1に直交し、かつ、用紙Pの表面に平行である。図2に示す例では、4つのヘッドモジュール51は、幅方向D2において配置範囲が違いに一部重複するように、千鳥格子状に配置される。また、ヘッドモジュール51は、幅方向D2に沿って配列された複数の記録素子510を備える。
【0034】
記録素子510は、インクを吐出する。記録素子510は、インクを貯留する圧力室と、圧力室の壁面に設けられた圧電素子と、圧電素子に電圧を印加して電界を生じさせるための電極と、圧力室に連通し圧力室内のインクを吐出するノズルとを有する。記録素子510は、駆動信号が入力されると、圧電素子を変形することにより圧力室内の圧力を変化させる。これにより、圧力室に連通するノズルからインクが吐出する。ノズルから吐出されるインクの量は、駆動信号の電圧の振幅を変更することにより調整される。
【0035】
一の駆動信号に対して吐出されるインクの量は、圧電素子の特性の違いなどにより、ノズルごとに異なり得る。また、複数の記録素子510が幅方向D2に沿って配列されるため、幅方向D2に沿った複数の位置において、画像形成に使用されるノズルが互いに異なる。そのため、ノズルごとの個体差により、濃度ムラが発生し得る。画像処理部1は、公知の技術を用いて、ノズルごとの濃度ムラを無くすためのヘッドシェーディング補正を行なう。
【0036】
図1に戻って、定着部32は、用紙Pの搬送方向D1において、ヘッドユニット50の下流側に配置されている。定着部32は、用紙Pに光(例えば、紫外線)を照射することにより、用紙P上のインクを硬化させてインクを用紙Pに定着させる。定着部32による画像の定着は、光を照射するものに限らず、インクの性質に応じてインクを硬化させ得るエネルギー線を照射するもの、あるいは、用紙Pを加熱してインクを乾燥させるものなどであってもよい。
【0037】
撮像センサー6は、用紙Pの画像形成面を縮小光学系により読み取る。用紙Pの画像形成面とは、搬送部30が用紙Pを搬送する場合に、ヘッドユニット50と対向する用紙Pの面をいう。撮像センサー6は、用紙Pに光を照射し、用紙Pからの反射光のうちR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の波長成分の強度を検出する。撮像センサー6は、用紙Pの画像形成面の読み取りにより得られるスキャンデータを画像処理部1に出力する。
【0038】
スキャンデータは、画素ごとに、R(赤色)の波長成分の強度を表す第1輝度値と、G(緑色)の波長成分の強度を表す第2輝度値と、B(青色)の波長成分の強度を表す第3輝度値とを示す。第1輝度値は、用紙Pに形成された画像におけるR(赤色)の輝度を示す。第2輝度値は、用紙Pに形成された画像におけるG(緑色)の輝度を示す。第3輝度値は、用紙Pに形成された画像におけるB(青色)の輝度を示す。
【0039】
図3を参照して、撮像センサー6の構成について詳細に説明する。図3は、撮像センサーを搬送ドラム側から見た図である。撮像センサー6は、複数のラインセンサー61を備える。例えば、撮像センサー6は、4個のラインセンサー61を備える。ただし、ラインセンサー61の個数は、4個に限定されない。複数のラインセンサー61は、幅方向D2に沿って、千鳥格子状に配置される。
【0040】
複数のラインセンサー61の各々は、ライン状に並べられた複数の撮像素子セット62を含む。撮像素子セット62は、R(赤色)の波長成分の受光量を検出する第1撮像素子と、G(緑色)の波長成分の受光量を検出する第3撮像素子と、B(青色)の波長成分の受光量を検出する第3撮像素子とを含む。第1,第2,第3撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの光電変換素子と、光電変換素子の受光部に配置されるカラーフィルタとを有する。第1,第2,第3撮像素子のカラーフィルタは、それぞれR,G,Bの波長成分の光を透過する。
【0041】
複数のラインセンサー61の各々は、複数の撮像素子セット62のラインが幅方向D2と平行になるように配置される。
【0042】
図1に戻って、測色計7は、ヘッドユニット50および定着部32の下流側において、用紙Pの表面の色を測定する。なお、測色計7の測色位置は、ヘッドユニット50および定着部32の下流側であればよく、図1に示す位置に限定されない。測色計7は、公知の色空間における色を表す値(以下、「測色値」と称する)を計測する。測色計7は、測色値を示す計測データを画像処理部1に出力する。
【0043】
例えば、測色計7は、L色空間のL値,a値およびb値の少なくとも1つを測色値として計測する。測色計7は、L値,a値およびb値から演算される値を測色値として計測してもよい。
【0044】
あるいは、測色計7は、XYZ色空間のX値,Y値およびZ値の少なくとも1つを測色値として計測する。測色計7は、X値,Y値およびZ値から演算される値(例えば、Z値の1/2乗、Z値の1/3乗など)を測色値として計測してもよい。
【0045】
図4を参照して、測色計7の構成について詳細に説明する。図4は、測色計の構成を示す図である。測色計7は、幅方向D2について用紙Pの一部のエリア(測色範囲)の色を測定する。測色計7は、支持部材71に沿って幅方向D2に移動可能である。支持部材71には、例えば、レールおよびベルトなどを有し、ベルトの移動に応じて測色計7をレール上で往復運動させる。測色計7は、測定時には固定されて測色範囲の色を測定する。
【0046】
<画像処理部の構成>
図5を参照して、画像処理部1の構成について説明する。図5は、画像処理部のハードウェア構成を示す図である。画像処理部1は、コンピューターによって構成される。画像処理部1は、制御装置10と、記憶装置12と、操作パネル14と、通信インターフェース(I/F)16とを備える。
【0047】
制御装置10は、ハードウェアプロセッサーであるCPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103とを備える。CPU101は、ROM102からプログラム104を読み出してRAM103に展開し、展開したプログラム104と協働して、以下に記す処理を行なう。このとき、記憶装置12に格納されている各種データが参照される。
【0048】
記憶装置12は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)またはハードディスクドライブ等で構成される。本実施の形態では、記憶装置12は、較正データ122と、ムラ補正データ124とを記憶する。
【0049】
較正データ122は、撮像センサー6による読み取り値と、測色計7から出力される測色値との相関関係を表す較正カーブを示す。読み取り値は、上記の第1~第3輝度値に対応する。較正データ122は、YMCKの各色について作成される。較正データ122が示す較正カーブは、後述する方法に従って作成される。
【0050】
ムラ補正データ124は、幅方向D2の濃度ムラを抑制するためのヘッドシェーディング補正に利用される。ムラ補正データ124は、YMCKの各色について作成される。各ムラ補正データ124は、ノズルごとに、対応する色の濃度の補正値を示す。CPU101は、YMCKの各色について、対応するムラ補正データ124を用いて、画像データによって示される濃度を補正し、補正後の濃度で画像が形成されるように画像形成部2を制御する。
【0051】
CPU101は、テスト用の階調パターンが形成された用紙Pを撮像センサー6が読み取ることにより得られる第1~第3輝度値を取得する。CPU101は、較正データ122を用いて、第1~第3輝度値を測色値に変換する。CPU101は、変換された測色値に基づいてムラ補正データ124を作成する。なお、ムラ補正データ124の作成方法は、既知の方法を適宜選択可能であって、特に限定されるものではないため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0052】
操作パネル14は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部および操作部として機能する。操作パネル14は、制御装置10から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面・画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示、を行う。また、操作パネル14は、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御装置10に出力する。
【0053】
通信I/F16は、ネットワーク等を通じて、図示しない外部装置との間で各種の情報を送受信する。例えば、通信I/F16は、外部装置からジョブデータを受信する。
【0054】
なお、図5に示す例では、プログラム104がROM102に予め記憶されているものとしたが、プログラム104は、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)その他の記録媒体に格納されて、コンピュータープログラムとして流通している場合もある。あるいは、プログラム104は、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なアプリケーションプログラムとして提供される場合もある。この場合、プログラム104は、光ディスク駆動装置(図示しない)その他の読取装置によりその記録媒体から読み取られて、あるいは、通信I/F16を介してダウンロードされた後、ROM102に格納される。
【0055】
プログラム104は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、任意のプログラムと協働して本実施の形態に従う処理が実現される。また、プログラム104によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェア回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)によって実現されてもよい。
【0056】
<撮像センサーの特性>
一般に、撮像センサーは、測色計のアパーチャに比べて高解像度で読み取り可能である。しかしながら、本発明者らは、撮像センサーにより得られる輝度値の精度が暗部(高濃度部)において低下し得る知見を得た。暗部において撮像センサーの精度が低下する原因として、周囲からの光を検知してしまうことが考えられる。そのため、読み取られた輝度値が真の値よりも大きくなり得る。
【0057】
また、インクジェット方式の画像形成装置では、ノズルからの液滴曲がりなどに起因して、白スジ等が発生し得る。撮像センサーにより得られる輝度値は、白スジ等の影響を受ける。特に、暗部の濃度は、ノズルの曲がりやスジに起因した白抜けの影響を受けやすい。
【0058】
さらに、用紙Pへのインクのにじみによって、暗部の濃度が変動しやすい。そのため、暗部に対する撮像センサーの読み取り精度が低下し得る。
【0059】
このように、特に暗部に対する撮像センサーの読み取り精度が低下する。言い換えると、暗部に対して撮像センサーによって読み取られた輝度値は、振れやすい。すなわち、撮像センサーによって読み取られた輝度値は、真の値に近いときもあれば、真の値から大きく外れるときもある。このような撮像センサーの特性のため、特許文献2または特許文献3に記載の技術を用いたとしても、撮像センサーを適切に較正できない可能性がある。そこで、本実施の形態の画像形成装置100は、撮像センサー6をより適切に較正するために、以下のように較正カーブを作成する。
【0060】
<較正カーブの作成方法>
図6および図7を参照して、較正カーブの作成方法について説明する。図6は、パッチ画像が形成された記録媒体の一例を示す図である。図6に示すパッチ画像は、CPU101によって生成されたパッチ画像データに基づいて、画像形成部2によって用紙Pに形成される。
【0061】
図6に示されるように、用紙Pに形成されたパッチ画像は、単色の階調値が互いに異なる複数のパッチが形成された領域9Y,9M,9K,9Cを含む。領域9Yには、搬送方向D1に沿って、イエロー(Y)の複数のパッチ80Yが形成される。領域9Mには、搬送方向D1に沿って、マゼンタ(M)の複数のパッチ80Mが形成される。領域9Kには、搬送方向D1に沿って、ブラック(K)の複数のパッチ80Kが形成される。領域9Cには、搬送方向D1に沿って、シアン(C)の複数のパッチ80Cが形成される。以下、領域9Y,9M,9K,9Cを特に区別しない場合、領域9Y,9M,9K,9Cの各々は、「領域9」と称される。パッチ80Y,80M,80K,80Cを特に区別しない場合、パッチ80Y,80M,80K,80Cの各々は、「パッチ80」と称される。
【0062】
図6に示すパッチ画像では、各領域9において、先頭のパッチを除いて、33個のパッチ80が搬送方向D1に沿って並ぶ。この33個のパッチ80の階調値は、互いに異なる。各パッチ80内の階調値は均一である。なお、パッチ80の個数は、33個に限定されない。
【0063】
パッチ80のサイズは、例えば100画素×100画素であるが、これに限定されない。
【0064】
各領域9において、階調値が搬送方向D1に沿って降順または昇順となるように、上記の33個のパッチ80が配置される。33個のパッチ80の中には、白地のパッチ(つまり、インクが付着されていないパッチ)と、最大濃度のパッチとを含む。そのため、33個のパッチ80のうち、搬送方向D1の一方の端部に位置するパッチ80は、白地のパッチであり、他方の端部に位置するパッチ80は、最大濃度のパッチである。
【0065】
各領域9において、上記の33個のパッチ80は、測色計7による測色値が均等な間隔となるように用紙Pに形成されることが好ましい。例えば、領域9M,9K,9Cにおいて、33個のパッチ80M,80K,80Cは、L色空間のL値が均等な間隔となるように形成される。領域9Yにおいて、複数のパッチ80Yは、L色空間のb値またはXYZ色空間のZ値の1/3乗が均等な間隔となるように形成される。
【0066】
CPU101は、測色値が均等な間隔となるように、パッチ画像データに対して階調補正を行ない、補正後のパッチ画像データに従って画像形成部2を制御すればよい。
【0067】
あるいは、パッチ画像データは、複数のパッチ候補の中から選択された複数の対象パッチ候補を配置することにより生成されてもよい。複数の対象パッチ候補は、複数のパッチ候補の各々に対する測色計7による測色値に基づいて、測色値が均等な間隔となるように選択される。
【0068】
なお、本明細書において、「均等な間隔」とは、階調値が隣り合う任意の2つのパッチ80に対する測色値の差が、想定される誤差を含む規定範囲内であることを意味する。
【0069】
図6に示すパッチ画像において、各領域9は、5列分の複数のパッチ80を含む。しかしながら、各領域9は、1列分のみの複数のパッチ80を含んでもよい。
【0070】
図7は、較正カーブの作成方法の一例を示すフローチャートである。ステップS1,S2は、YMCKの各色について実施される。これにより、YMCKの各色について、較正カーブが作成される。
【0071】
ステップS1において、CPU101は、対象色(YMCKのいずれか)の複数のパッチ80の各々について、撮像センサー6による読み取り値と測色計7による測色値とのペア(以下、「値ペア」と称する)を取得する。撮像センサー6による読み取り値は、パッチ80に含まれる複数の画素の輝度値(第1~第3輝度値のうち対象色に対応する輝度値)の代表値である。代表値として、例えば平均値または中央値などが採用され得る。
【0072】
読み取り値の種類および測色値の種類は、対象色に応じて選択される。具体的には、対象色の濃度の変化に応じて相対的に大きく変化する読み取り値および測色値が選択される。
【0073】
例えば、対象色がM(マゼンタ)、K(ブラック)、C(シアン)のいずれかである場合、読み取り値として、G(緑色)の輝度を示す第2輝度値の代表値が使用され、測色値としてL色空間のL値が使用される。なぜなら、第2輝度値およびL値は、M(マゼンタ)、K(ブラック)またはC(シアン)の濃度の変化に応じて、他の輝度値および他の測色値と比較して、相対的に大きく変化するためである。
【0074】
対象色がC(シアン)である場合、読み取り値として、R(赤色)の輝度を示す第1輝度値の代表値が使用され、測色値としてL色空間のL値が使用されてもよい。なぜなら、第1輝度値およびL値は、C(シアン)の濃度の変化に応じて、他の輝度値および他の測色値と比較して、相対的に大きく変化するためである。
【0075】
対象色がY(イエロー)である場合、読み取り値として、B(青色)の輝度を示す第3輝度値の代表値が使用され、測色値としてL色空間のb値が使用される。なぜなら、第3輝度値およびb値は、Y(イエロー)の濃度の変化に応じて、他の輝度値および他の測色値と比較して、相対的に大きく変化するためである。
【0076】
あるいは、対象色がY(イエロー)である場合、読み取り値として、B(青色)の輝度を示す第3輝度値の代表値が使用され、測色値としてXYZ色空間のZ値のk乗が使用されてもよい。kは、1/3以上1/2以下である。なぜなら、第3輝度値およびZ値のk乗は、Y(イエロー)の濃度の変化に応じて、他の輝度値および他の測色値と比較して、相対的に大きく変化するためである。
【0077】
次のステップS2において、CPU101は、読み取り値と測色値との相関関係を表す較正カーブを作成し、作成した較正カーブを示す較正データ122に記憶装置12に格納する。
【0078】
ステップS2は、ステップS21~S23を含む。ステップS21において、CPU101は、複数のパッチ80の読み取り値の中から、較正カーブの作成に使用する複数の対象読み取り値を選定する。
【0079】
ステップS22において、CPU101は、複数のパッチ80の値ペアのうち、複数の対象読み取り値の各々に対応する対象ペアを用いて、較正カーブにおける複数の対象読み取り値に対応する範囲(以下、「補間対象範囲」と称する)内の値を補間する。
【0080】
ステップS23において、CPU101は、対象ペアを用いて、較正カーブにおける補間対象範囲外の値を補外する。
【0081】
<ステップS21の処理例>
ステップS21において、CPU101は、パッチごとに評価値を算出し、評価値に基づいて、較正カーブの作成に使用する複数の対象読み取り値を選定する。評価値は、撮像センサー6による読み取り値の信頼性を示す。評価値として、以下の第1~第3評価値が採用され得る。
【0082】
(第1評価値)
図8は、第1評価値の算出方法を説明する図である。図8には、パッチごとの、撮像センサー6による読み取り値Rと、差Dと、画素ばらつきSと、第1評価値D/Sとが示される。複数のパッチには、パッチ番号が付与される。図8に示す例では、白地のパッチにはパッチ番号「0」が付与され、最大濃度のパッチにはパッチ番号「32」が付与される。残りの31個のパッチには、階調値が大きくなるほど大きくなるようにパッチ番号「1」~「31」が付与される。
【0083】
CPU101は、複数のパッチの各々について、パッチに含まれる複数の画素について撮像センサー6が読み取った輝度値の代表値を読み取り値Rとして算出する。例えば、パッチのサイズが100画素×100画素である場合、CPU101は、10000個の画素の輝度値の平均値を読み取り値Rとして算出する。図8には、Kの複数のパッチに対するG(緑)の輝度値から算出された読み取り値Rが示される。
【0084】
CPU101は、複数のパッチの中から着目パッチを順に選択する。例えば、CPU101は、パッチ番号の順に、着目パッチを選択する。
【0085】
CPU101は、着目パッチの読み取り値Rと、複数のパッチのうち着目パッチの次に階調値の小さいパッチの読み取り値Rとの差を、着目パッチの差Dとして算出する。上述したように、複数のパッチには、階調値が大きくなるほど大きくなるようにパッチ番号が付与される。そのため、着目パッチがパッチ番号「k」のパッチである場合、CPU101は、パッチ番号「k」のパッチの読み取り値Rと、パッチ番号「k-1」のパッチの読み取り値Rとの差を、パッチ番号「k」のパッチの差Dとして算出する。なお、CPU101は、パッチ番号「0」のパッチについて差Dを算出しない。
【0086】
CPU101は、着目パッチについて、画素ばらつきSを算出する。画素ばらつきSは、パッチにおける輝度値のばらつきを表すパラメータであり、典型的には標準偏差である。例えば、CPU101は、着目パッチに含まれる複数の画素について撮像センサー6が読み取った輝度値の標準偏差を画素ばらつきSとして算出する。ただし、画素ばらつきSは、標準偏差に限定されず、他のパラメータ(例えば、分散、標準偏差のn倍など)であってもよい。
【0087】
測色値が均等な間隔となるように用紙Pに複数のパッチが形成される場合、理想的には、差Dは、パッチによらず略一定となる。しかしながら、撮像センサー6の読み取り精度の低下により、差Dが小さくなり得る。例えば、暗部において周囲からの迷光を検知してしまうことにより、着目パッチの読み取り値Rが真の値よりも大きくなる現象が生じ得る。このような現象が生じると、着目パッチの差Dが小さくなる。そのため、差Dが小さいほど、撮像センサー6による読み取り値Rの信頼性が低くなる。
【0088】
上述したように、インクジェット方式の画像形成装置では、ノズルからの液滴曲がりなどに起因して、白スジ等が発生し得る。特に高濃度のパッチにおいて白スジが発生すると、パッチ内の輝度がばらつく。そのため、白スジが発生しているバッチの画素ばらつきSは、白スジの発生していないパッチの画素ばらつきSよりも大きくなる。したがって、画素ばらつきSが大きいほど、読み取り値Rの信頼性は低くなる。
【0089】
このように、差Dおよび画素ばらつきSは、読み取り値Rの信頼性を表す。そのため、CPU101は、差Dおよび画素ばらつきSを用いて、読み取り値Rの信頼性を評価する評価値を算出する。具体的には、CPU101は、差Dを画素ばらつきSで割った値を第1評価値D/Sとして算出する。
【0090】
上述したように、差Dが小さいほど、撮像センサー6による読み取り値Rの信頼性が低くなる。画素ばらつきSが大きいほど、読み取り値Rの信頼性は低くなる。そのため、CPU101は、着目パッチの第1評価値D/Sが閾値Th1以上であることに応じて、着目パッチの読み取り値Rを複数の対象読み取り値の1つとして選定する。言い換えると、CPU101は、着目パッチの第1評価値D/Sが閾値Th1未満であることに応じて、着目パッチの読み取り値Rを複数の対象読み取り値の1つとして選定しない。これにより、信頼性の相対的に高い読み取り値Rのみが、較正カーブを作成するために使用される対象読み取り値として選定される。
【0091】
閾値Th1は、パッチの個数およびパッチに含まれる画素数などの条件に基づいて、予め設定される。図8に示す例では、閾値Th1は、0.4に設定される。
【0092】
図9は、パッチごとの第1評価値の変化の一例を示す図である。図9に示す例では、最大濃度のパッチ(パッチ番号「33」のパッチ)を除くパッチの第1評価値D/Sが閾値Th1以上である。そのため、最大濃度のパッチ(パッチ番号「33」のパッチ)を除くパッチの読み取り値Rが複数の対象読み取り値として選定される。言い換えると、最大濃度のパッチ(パッチ番号「33」のパッチ)の読み取り値Rは、対象読み取り値として選定されない。
【0093】
(第2評価値)
図10は、第2評価値の算出方法を説明する図である。図10には、パッチごとの、撮像センサー6による読み取り値Rと、差Dと、測色計7によって計測された測色値と、差Mと、第2評価値D/Mとが示される。図10に示す例では、測色値として、L色空間のL値が用いられる。第2評価値は、第1評価値と比較して、画素ばらつきSの代わりに差Mを用いる点で相違する。
【0094】
CPU101は、第1評価値の算出方法と同様に、複数のパッチの各々について、パッチに含まれる複数の画素について撮像センサー6が読み取った輝度値の代表値を読み取り値Rとして算出する。
【0095】
CPU101は、第1評価値の算出方法と同様に、複数のパッチの中から着目パッチを順に選択する。
【0096】
CPU101は、第1評価値の算出方法と同様に、着目パッチの読み取り値Rと、複数のパッチのうち着目パッチの次に階調値の小さいパッチの読み取り値Rとの差Dを算出する。
【0097】
CPU101は、着目パッチの測色値(図10に示す例ではL値)と、着目パッチの次に階調値の小さいパッチの測色値(図10に示す例ではL値)との差Mを算出する。
【0098】
CPU101は、差Dを差Mで割った値を第2評価値D/Mとして算出する。測色計7による測色値の精度は、撮像センサー6による読み取り値の精度よりも高い。そのため、撮像センサー6による読み取り値Rの精度が高い場合、理想的には、第2評価値D/Mは、パッチによらず略一定となる。しかしながら、撮像センサー6の読み取り精度の低下により、差Dが小さくなると、第2評価値D/Mも小さくなる。そのため、第2評価値D/Mは、読み取り値Rの信頼性を表す。
【0099】
第2評価値D/Mが小さいほど、撮像センサー6による読み取り値Rの信頼性が低くなる。そのため、CPU101は、着目パッチの第2評価値D/Mが閾値Th2以上であることに応じて、着目パッチの読み取り値Rを複数の対象読み取り値の1つとして選定する。言い換えると、CPU101は、着目パッチの第2評価値D/Mが閾値Th2未満であることに応じて、着目パッチの読み取り値Rを複数の対象読み取り値の1つとして選定しない。これにより、信頼性の高い読み取り値Rのみが、較正カーブを作成するために使用される対象読み取り値として選定される。
【0100】
閾値Th2は、例えば、複数のパッチの第2評価値D/Mの平均値の1/2である。ただし、閾値Th2は、各種の条件に基づいて、予め設定されてもよい。
【0101】
なお、第2評価値D/Mは、差Dを差Mで正規化することにより得られる値とも言える。そのため、第2評価値D/Mは、着目パッチの色と着目パッチの次に階調値の小さいパッチの色との差の大きさの影響を受けにくい。したがって、第2評価値D/Mは、測色値の間隔の均等度合いが低い複数のパッチを用いる場合にも適用可能である。
【0102】
図11は、パッチごとの第2評価値の変化の一例を示す図である。図11に示す例では、最大濃度のパッチ(パッチ番号「33」のパッチ)を除くパッチの第2評価値D/Mが閾値Th2以上である。そのため、最大濃度のパッチ(パッチ番号「33」のパッチ)を除くパッチの読み取り値Rが複数の対象読み取り値として選定される。言い換えると、最大濃度のパッチ(パッチ番号「33」のパッチ)の読み取り値Rは、対象読み取り値として選定されない。
【0103】
なお、図10に示す例では、着目パッチのL値と、着目パッチの次に階調値の低いパッチのL値との差が差Mとして算出されるものとして。しかしながら、差Mは、着目パッチの測色値と、着目パッチの次に階調値の低いパッチの測色値との差であればよく、対象色に応じて適宜選択される。例えば、L色空間における、着目パッチのL値,a値およびb値に対応する点と、着目パッチの次に階調値の低いパッチのL値,a値およびb値に対応する点との距離(色差ΔE)が差Mとして用いられてもよい。あるいは、着目パッチのa値と、着目パッチの次に階調値の低いパッチのa値との差が差Mとして用いられてもよい。着目パッチのb値と、着目パッチの次に階調値の低いパッチのb値との差が差Mとして用いられてもよい。あるいは、着目パッチのZ値の1/3乗と、着目パッチの次に階調値の低いパッチのZ値の1/3乗との差が差Mとして用いられてもよい。
【0104】
(第3評価値)
図12は、第3評価値の算出方法を説明する図である。図12には、パッチごとの、撮像センサー6による読み取り値Rと、差Dと、画素ばらつきSと、差Mと、第3評価値(D/M)/Sとが示される。
【0105】
CPU101は、第1評価値の算出方法と同様に、複数のパッチの各々について、パッチに含まれる複数の画素について撮像センサー6が読み取った輝度値の代表値を読み取り値Rとして算出する。
【0106】
CPU101は、第1評価値の算出方法と同様に、複数のパッチの中から着目パッチを順に選択する。
【0107】
CPU101は、第1評価値の算出方法と同様に、着目パッチの読み取り値Rと、複数のパッチのうち着目パッチの次に階調値の低いパッチの読み取り値Rとの差Dを算出する。
【0108】
CPU101は、第1評価値の算出方法と同様に、着目パッチの画素ばらつきSを算出する。
【0109】
CPU101は、第2評価値の算出方法と同様に、着目パッチの測色値と、着目パッチの次に階調値の低いパッチの測色値との差Mを算出する。
【0110】
CPU101は、差Dを差Mおよび画素ばらつきSで割った値を第3評価値(D/M)/Sとして算出する。第3評価値(D/M)/Sが小さいほど、撮像センサー6による読み取り値Rの信頼性が低くなる。そのため、CPU101は、着目パッチの第3評価値(D/M)/Sが閾値Th3以上であることに応じて、着目パッチの読み取り値Rを複数の対象読み取り値の1つとして選定する。言い換えると、CPU101は、着目パッチの第3評価値(D/M)/Sが閾値Th3未満であることに応じて、着目パッチの読み取り値Rを複数の対象読み取り値の1つとして選定しない。これにより、信頼性の高い読み取り値Rのみが、較正カーブを作成するために使用される対象読み取り値として選定される。
【0111】
閾値Th3は、パッチの個数およびパッチに含まれる画素数などの条件に基づいて、設定される。
【0112】
図13は、パッチごとの第3評価値の変化の一例を示す図である。図11に示す例では、最大濃度のパッチ(パッチ番号「33」のパッチ)を除くパッチの第3評価値(D/M)/Sが閾値Th3以上である。そのため、最大濃度のパッチ(パッチ番号「33」のパッチ)を除くパッチの読み取り値Rが複数の対象読み取り値として選定される。言い換えると、最大濃度のパッチ(パッチ番号「33」のパッチ)の読み取り値Rは、対象読み取り値として選定されない。
【0113】
<ステップS22,S23の処理例>
図14は、ステップS22,S23の処理によって生成された較正カーブの一例を示す図である。
【0114】
図14において、破線92は、全てのパッチの値ペア(読み取り値と測色値とのペア)を用いて作成された較正カーブを示す。破線92は、読み取り値が相対的に小さい範囲において、急峻に変化する。読み取り値が相対的に小さい範囲は、暗部に対応する。暗部では読み取り値の精度が低下する。そのため、真の値から大きく外れた読み取り値を用いることにより、急峻に変化する較正カーブが得られる。このような較正カーブを用いて作成されたムラ補正データを用いることにより、ヘッドシェーディング補正が適切に実行されない。その結果、濃度ムラ補正の程度が低下する。
【0115】
これに対し、実線90は、本実施の形態の画像処理部1によって生成された較正カーブの一例を示す。すなわち、実線90のうち範囲94は、選定された複数の対象読み取り値に対応する補間対象範囲である。実線90のうち範囲96は、選定された複数の対象読み取り値に対応しない。CPU101は、複数の対象読み取り値の各々に対応する対象ペア(読み取り値と測色値とのペア)を用いて、範囲94内の点の値を補間する。さらに、CPU101は、複数の対象読み取り値の各々に対応する対象ペア(読み取り値と測色値とのペア)を用いて、範囲94外の点(つまり、範囲96内の点)の値を補外する。そのため、実線90によって示される較正カーブは、連続的に変化する。このような較正カーブを用いて作成されたムラ補正データ124を用いることにより、ヘッドシェーディング補正が適切に実行される。その結果、濃度ムラが十分に抑制される。
【0116】
<変形例>
記録媒体は、銘柄、厚み、面質(コート紙、ミラーコート紙、上質紙)などに応じて、複数のグループに分類される。あるグループに属する複数の記録媒体は、類似する性質を有する。記録媒体のグループに応じて、撮像センサー6と測色計7との分光感度が異なり得る。そのため、第1グループに属する記録媒体に形成されたパッチ画像を用いて作成された第1較正カーブは、第2グループに属する記録媒体に形成されたパッチ画像を用いて作成された第2較正カーブと異なる可能性がある。したがって、第1較正カーブを用いて作成されたムラ補正データを第2グループに属する記録媒体に適用した場合、濃度ムラが十分に抑制されない。
【0117】
上記の点を考慮して、画像処理部1のCPU101は、記録媒体のグループごとに較正カーブを作成してもよい。これにより、記録媒体のグループに応じて、適切なムラ補正データ124が作成される。その結果、記録媒体のグループに応じたムラ補正データ124を用いることにより、記録媒体のグループによらず、濃度ムラが抑制される。
【0118】
画像処理部1のCPU101は、第1~第3評価値のいずれかに加えて、差Dに基づいて、複数の対象読み取り値を選定してもよい、具体的には、CPU101は、第1~第3評価値のいずれかが閾値以上であるとともに、着目パッチの差Dが予め設定された下限値以上であることに応じて、着目パッチの読み取り値Rを対象読み取り値として選定する。言い換えると、CPU101は、着目パッチの差Dが下限値を下回ることに応じて、着目パッチの読み取り値Rを対象読み取り値として選定しない。
【0119】
<付記>
以上のように、本実施の形態は以下のような開示を含む。
【0120】
[構成1]
記録媒体に形成された、単色の階調値が互いに異なる複数のパッチの各々について、撮像センサーによる読み取り値と測色計による測色値とのペアを取得することと、
前記読み取り値と前記測色値との相関関係を表す較正カーブを作成することとを備え、
前記較正カーブを作成することは、
前記複数のパッチの前記読み取り値の中から、前記較正カーブの作成に使用する複数の対象読み取り値を選定することと、
前記複数のパッチの前記ペアのうち、前記複数の対象読み取り値の各々に対応する対象ペアを用いて、前記較正カーブにおける前記複数の対象読み取り値に対応する範囲内の値を補間することと、
前記対象ペアを用いて、前記較正カーブにおける前記範囲外の値を補外することとを含む、方法。
【0121】
[構成2]
前記撮像センサーは、前記複数のパッチの各々に含まれる複数の画素の各々について輝度値を計測し、
前記複数の対象読み取り値を選定することは、
前記複数のパッチの各々について、前記複数の画素の前記輝度値の代表値を前記読み取り値として算出することと、
前記複数のパッチの中から着目パッチを順に選択することと、
前記着目パッチの前記読み取り値と、前記複数のパッチのうち前記着目パッチの次に階調値の小さいパッチの前記読み取り値との第1差を算出することと、
前記着目パッチにおける前記輝度値のばらつきを表すパラメータの値を算出することと、
前記第1差を前記パラメータの値で割った値が閾値以上であることに応じて、前記着目パッチの前記読み取り値を前記複数の対象読み取り値の1つとして選定することとを含む、構成1に記載の方法。
【0122】
[構成3]
前記撮像センサーは、前記複数のパッチの各々に含まれる複数の画素の各々について輝度値を計測し、
前記複数の対象読み取り値を選定することは、
前記複数のパッチの各々について、前記複数の画素の前記輝度値の代表値を前記読み取り値として算出することと、
前記複数のパッチの中から着目パッチを順に選択することと、
前記着目パッチの前記読み取り値と、前記複数のパッチのうち前記着目パッチの次に階調値の小さいパッチの前記読み取り値との第1差を算出することと、
前記着目パッチの前記測色値と、前記着目パッチの次に階調値の小さい前記パッチの前記測色値との第2差を算出することと、
前記第1差を前記第2差で割った値が閾値以上であることに応じて、前記着目パッチの前記読み取り値を前記複数の対象読み取り値の1つとして選定することとを含む、構成1に記載の方法。
【0123】
[構成4]
前記撮像センサーは、前記複数のパッチの各々に含まれる複数の画素の各々について輝度値を計測し、
前記複数の対象読み取り値を選定することは、
前記複数のパッチの各々について、前記複数の画素の前記輝度値の代表値を前記読み取り値として算出することと、
前記複数のパッチの中から着目パッチを順に選択することと、
前記着目パッチの前記読み取り値と、前記複数のパッチのうち前記着目パッチの次に階調値の小さいパッチの前記読み取り値との第1差を算出することと、
前記着目パッチにおける前記読み取り値のばらつきを表すパラメータの値を算出することと、
前記着目パッチの前記測色値と、前記着目パッチの次に階調値の小さい前記パッチの前記測色値との第2差を算出することと、
前記第1差を前記第2差および前記パラメータの値で割った値が閾値以上であることに応じて、前記着目パッチの前記読み取り値を前記複数の対象読み取り値の1つとして選定することとを含む、構成1に記載の方法。
【0124】
[構成5]
前記読み取り値は、緑色の輝度を示し、
前記測色値は、L色空間のL値である、構成1から4のいずれかに記載の方法。
【0125】
[構成6]
前記読み取り値は、赤色の輝度を示し、
前記測色値は、L色空間のL値である、構成1から4のいずれかに記載の方法。
【0126】
[構成7]
前記読み取り値は、青色の輝度を示し、
前記測色値は、L色空間のb値である、構成1から4のいずれかに記載の方法。
【0127】
[構成8]
前記読み取り値は、青色の輝度を示し、
前記測色値は、XYZ色空間のZ値のk乗であり、kは、1/3以上1/2以下である、構成1から4のいずれかに記載の方法。
【0128】
[構成9]
前記複数のパッチは、前記測色値が均等な間隔となるように前記記録媒体に形成される、構成1から8のいずれかに記載の方法。
【0129】
[構成10]
前記較正カーブを作成することは、前記記録媒体のグループごとに前記較正カーブを作成することを含む、構成1から9のいずれかに記載の方法。
【0130】
[構成11]
構成1から10のいずれかに記載の方法を実行するコンピューターを備える、画像形成装置。
【0131】
[構成12]
構成1から10のいずれかに記載の方法をコンピューターに実行させる、プログラム。
【0132】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0133】
1 画像処理部、2 画像形成部、3 給紙部、3a 給紙トレイ、4 排紙部、4a 排紙トレイ、6 撮像センサー、7 測色計、9,9C,9K,9M,9Y 領域、10 制御装置、12 記憶装置、14 操作パネル、16 通信I/F、30 搬送部、31 搬送ドラム、31a 外周面、32 定着部、35 反転部、36a,36b 搬送ローラ、50,50C,50K,50M,50Y ヘッドユニット、51,C1~C4,K1~K4,M1~M4,Y1~Y4 ヘッドモジュール、61 ラインセンサー、62 撮像素子セット、71 支持部材、80,80C,80K,80M,80Y パッチ、100 画像形成装置、101 CPU、102 ROM、103 RAM、104 プログラム、122 較正データ、124 ムラ補正データ、510 記録素子、P 用紙。
図1
図2
図3
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図10
図11
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図14