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▶ TAKUMA YAMAZAKI DESIGN合同会社の特許一覧

特開2024-166563アクセサリ及びアクセサリの販売方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166563
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】アクセサリ及びアクセサリの販売方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241122BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082743
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】520158883
【氏名又は名称】TAKUMA YAMAZAKI DESIGN合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190414
【弁理士】
【氏名又は名称】芹澤 友之
(72)【発明者】
【氏名】山崎 卓馬
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB23
5L049BB23
(57)【要約】
【課題】アクセサリ全体のデザイン性を維持しつつ、紙の保証書を必要としない新規のアクセサリを提供する。
【解決手段】指輪12は表面122を有する。帯状の二次元コード121が表面122上に直接的に刻印されている。二次元コード121は、指輪12に関連付けられたNFTの識別情報を含む。NFTは、指輪12の三次元画像および指輪12の属性情報に関連付けられる。NFTの所有者は、指輪12の所有者を示す。NFTが購入者によって購入された場合に、NFTに関連付けられた指輪12が当該購入者に配送される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有する有体物のアクセサリであって、
帯状の二次元コードが前記表面上に示されており、
前記二次元コードは、前記アクセサリの情報に関連付けられた非代替性トークンに関連する情報を含む、
アクセサリ。
【請求項2】
前記二次元コードは、前記非代替性トークンの識別情報を含み、
前記非代替性トークンは、前記アクセサリの三次元画像および前記アクセサリの属性情報に関連付けられ、
前記非代替性トークンの所有者は、前記アクセサリの所有者を示し、
前記非代替性トークンが所定の購入者によって購入された場合に、前記非代替性トークンに関連付けられた前記アクセサリが前記所定の購入者に配送される、
請求項1に記載のアクセサリ。
【請求項3】
前記表面は、平坦面であり、
前記二次元コードは、前記平坦面上に直接的に刻印されており、
前記二次元コードの幅寸法は、2mmから10mmの範囲内であって、
前記二次元コードの長さ寸法は、9mmから46mmの範囲内である、
請求項1又は2に記載のアクセサリ。
【請求項4】
前記アクセサリは、指輪であり、
前記表面は、前記指輪の外周表面の一部であり、
上面視における前記表面の形状は、帯状であり、
前記二次元コードは、前記表面の長手方向に沿って延びている、
請求項1又は2に記載のアクセサリ。
【請求項5】
前記非代替性トークンが前記所定の購入者によって購入された場合に、前記アクセサリは、前記所定の購入者の身体的特徴に基づいて製作された後に前記所定の購入者に配送される、
請求項2に記載のアクセサリ。
【請求項6】
表面を有する有体物のアクセサリであって、
帯状の二次元コードが前記表面上に示されており、
前記二次元コードは、所定の情報を含む、
アクセサリ。
【請求項7】
前記二次元コードは、着金に必要な識別情報を含む、
請求項6に記載されたアクセサリ。
【請求項8】
有体物であるアクセサリの三次元画像および前記アクセサリの属性情報に関連付けられた非代替性トークンをブロックチェーン上に発行するための要求をブロックチェーンネットワークに配信するステップと、
前記ブロックチェーン上に発行された前記非代替性トークンに関する情報を所定のマーケットプレイス上に提供するステップと、
前記所定のマーケットプレイスを介して所定の購入者が前記非代替性トークンを購入した場合に、前記非代替性トークンの所有者が前記所定の購入者に変更されたことを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録するための要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信するステップと、
前記所定の購入者の身体的特徴に基づいて前記アクセサリを製作するステップと、
前記アクセサリを前記所定の購入者に配送するステップと、
を含み、
前記ブロックチェーンネットワークは、各々が前記ブロックチェーンを有する複数のノードによって構成され、
前記アクセサリは、表面を有し、
帯状の二次元コードが前記表面上に示されており、
前記二次元コードは、前記非代替性トークンに関連する情報を含む、
アクセサリの販売方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アクセサリ及びアクセサリの販売方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コロナ禍におけるマネタリーベースの増加に伴う不換紙幣に対する信用低下やビットコインのマイニング報酬の半減期に関連した仮想通貨市場の周期的バブルも相俟って、2021年からWEB3が世界中で注目されてきている。WEB3は、ブロックチェーン技術によって実現される特定の管理者が存在しない分散型のインターネットであり、価値のインターネットとして今後大きな発展を遂げることが現在期待されている。
【0003】
WEB3に関連する技術の一つとして、NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)が注目されている。NFTは、ブロックチェーン上に記録される代替不可能な唯一無二のトークン(非代替性トークン)を意味している。特に、NFTは、NFTに紐づくコントラクトアドレスとトークンIDの組み合わせによって、代替不可能な唯一無二のトークンとなる。
【0004】
例えば、特許文献1には、NFTを用いたトレーディングカードの管理方法が開示されている。特許文献1の開示によれば、トレーディングカードを購入した購入者が当該トレーディングカードに表示された二次元コードをカメラ等により撮像することで、トレーディングカードに紐づくNFTに関する情報が購入者のユーザ端末から管理サーバに送信される。その後、管理サーバがNFTに関する情報に基づいてNFTを保管するスマートコントラクトを呼び出すことで、NFTの保有者が購入者に変更された情報がブロックチェーン上に記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6710401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、指輪やネックレス等の実物のアクセサリが購入される場合では、一般的にアクセサリと共に紙の保証書も一緒に購入者に渡される。アクセサリの保有者は、アクセサリ自体を適切に保管することができる一方で、アクセサリの紙の保証書については適切に保管することができない場合がある。アクセサリの保証書はアクセサリの資産価値に大きな影響を与えるため、アクセサリの保有者がアクセサリの紙の保証書を紛失した場合には二次流通市場におけるアクセサリの資産価値は大きく下落してしまう。一方、アクセサリに関する保証情報をアクセサリに直接的に刻印することは現実的には難しい。特に、保証情報の文字数が多い場合では、アクセサリの表面上に保証情報を刻印することは現実的には困難となる。さらに、アクセサリの保証情報がアクセサリの表面上に直接的に刻印可能である場合であっても、当該保証情報によってアクセサリの全体のデザイン性が損なわれてしまうといった課題も存在する。
【0007】
本開示は、上記観点を鑑みて、アクセサリ全体のデザイン性を維持しつつ、紙の保証書を必要としない新規のアクセサリを提供することを目的とする。さらに、本開示は、アクセサリの情報に関連付けられた非代替性トークンの購入者にリッチなショッピング体験を提供することが可能なアクセサリの販売方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る有体物のアクセサリは表面を有する。帯状の二次元コードが前記表面上に示されている。前記二次元コードは、前記アクセサリの情報に関連付けられた非代替性トークンに関連する情報を含む。
【0009】
上記構成によれば、アクセサリの情報に関連付けられた非代替性トークンに関する情報を含む帯状の二次元コードがアクセサリの表面上に示されている。このように、アクセサリの保有者は、スマートフォン等のカメラを用いて二次元コードを撮像することで、二次元コードに含まれた非代替性トークンに関連する情報を通じてアクセサリに関する情報を把握することが可能となる。このため、保有者は、紙の保証書等を別途保管する必要がなく、耐改竄性を備えた非代替性トークンに関連付けられたアクセサリの情報をアクセサリのデジタル形式の保証書として活用することができる。この点において、従来であれば、保有者が紙の保証書を紛失した場合には二次流通市場におけるアクセサリの資産価値は大きく下落してしまう。その一方で、本構成に係るアクセサリでは、二次元コードがアクセサリに示されているため、かかる状況を好適に防止することができる。さらに、耐改竄性を備えた非代替性トークンにより保証書の改竄を好適に防止することができるため、二次流通におけるアクセサリの取引の安全性を確保することができる。また、二次元コードの形状が帯状であるため、二次元コードの存在によってアクセサリの全体のデザイン性が損なわれてしまう状況を好適に防止可能となる。特に、帯状の二次元コードがアクセサリの特徴的な模様の一部となるため、アクセサリのデザイン性をより向上させることが可能となる。
【0010】
また、前記二次元コードは、前記非代替性トークンの識別情報を含んでもよい。前記非代替性トークンは、前記アクセサリの三次元画像および前記アクセサリの属性情報に関連付けられてもよい。前記非代替性トークンの所有者は、前記アクセサリの所有者を示してもよい。前記非代替性トークンが所定の購入者によって購入された場合に、前記非代替性トークンに関連付けられた前記アクセサリが前記所定の購入者に配送されてもよい。
【0011】
上記構成によれば、アクセサリの保有者は、スマートフォン等に搭載されたカメラを用いて二次元コードを撮像することで、二次元コードに含まれた非代替性トークンの識別情報を通じてアクセサリの三次元画像及びアクセサリの属性情報を把握することが可能となる。このため、保有者は、紙の保証書等を別途保管する必要がなく、耐改竄性を備えた非代替性トークンに関連付けられたアクセサリの属性情報をアクセサリのデジタル形式の保証書として活用することができる。また、非代替性トークンの購入者は当該非代替性トークンに関連付けられた実物のアクセサリを取得することができるため、リッチなショッピング体験を購入者に提供することができる。また、非代替性トークンの所有者がアクセサリの所有者となるため、第三者は、非代替性トークンの所有者情報を通じてアクセサリの真の所有者を客観的に把握することができる。このため、二次流通市場において盗品のアクセサリが販売されている状況であっても、アクセサリの購入予定者は、アクセサリに紐づく非代替性トークンの所有者情報を確認することで、当該アクセサリが盗品かどうかを把握することが可能となるため、二次流通市場におけるアクセサリの取引の安全性を確保することが可能となる。
【0012】
また、前記表面は、平坦面であってもよい。前記二次元コードは、前記平坦面上に直接的に刻印されてもよい。前記二次元コードの幅寸法は、2mmから10mmの範囲内でもよい。前記二次元コードの長さ寸法は、9mmから46mmの範囲内でもよい。
【0013】
上記構成によれば、帯状の二次元コードの幅寸法が2mmから10mmの範囲内であると共に、当該二次元コードの長さ寸法が9mmから46mmの範囲内であるため、当該二次元コードの存在によってアクセサリ全体のデザイン性が損なわれてしまう状況を好適に防止可能となる。特に、帯状の二次元コードがアクセサリの特徴的な模様の一部となるため、アクセサリのデザイン性をより向上させることが可能となる。
【0014】
また、前記アクセサリは指輪でもよい。前記表面は、前記指輪の外周表面の一部でもよい。上面視における前記表面の形状は、帯状でもよい。前記二次元コードは、前記表面の長手方向に沿って延びてもよい。
【0015】
上記構成によれば、帯状の二次元コードが示された指輪の表面の形状が上面視において帯状となるため、二次元コードが示された外周表面の一部である表面の存在によって指輪全体のデザイン性が損なわれてしまう状況を好適に防止可能となる。特に、帯状の二次元コードが指輪の特徴的な模様の一部となるため、指輪のデザイン性をより向上させることが可能となる。
【0016】
また、前記非代替性トークンが前記所定の購入者によって購入された場合に、前記アクセサリは、前記所定の購入者の身体的特徴に基づいて製作された後に前記所定の購入者に配送されてもよい。
【0017】
上記構成によれば、アクセサリが購入者の身体的特徴に基づいて製作された後に所定の購入者に配送されるため、非代替性トークンの購入者にリッチなショッピング体験を提供することができる。
【0018】
本開示の一態様に係る有体物のアクセサリは表面を有する。帯状の二次元コードが前記表面上に示されている。前記二次元コードは、所定の情報を含む。
【0019】
上記構成によれば、所定の情報を含む帯状の二次元コードがアクセサリの表面上に示されている。このように、アクセサリの保有者は、スマートフォン等のカメラを用いて二次元コードを撮像することで、二次元コードに含まれた所定の情報をいつでも把握することが可能となる。また、二次元コードの形状が帯状であるため、二次元コードの存在によってアクセサリの全体のデザイン性が損なわれてしまう状況を好適に防止可能となる。特に、帯状の二次元コードがアクセサリの特徴的な模様の一部となるため、アクセサリのデザイン性をより向上させることが可能となる。
【0020】
また、前記二次元コードは、着金に必要な識別情報を含んでもよい。
【0021】
上記構成によれば、着金に必要な識別情報(例えば、電子マネーのコード決済に必要な識別情報や暗号通貨のウォレットアドレス情報)を含む帯状の二次元コードがアクセサリの表面上に示されている。このように、アクセサリの保有者がアクセサリに示された二次元コードを第三者に提示したときに、当該第三者は、スマートフォン等のカメラを用いて二次元コードを撮像することで、所定の電子マネー又は暗号通貨をアクセサリの保有者に送金することが可能となる。このように、アクセサリを電子的な着金用のお財布として活用することが可能となる。
【0022】
本開示の一態様に係るアクセサリの販売方法は、有体物であるアクセサリの三次元画像および前記アクセサリの属性情報に関連付けられた非代替性トークンをブロックチェーン上に発行するための要求をブロックチェーンネットワークに配信するステップと、前記ブロックチェーン上に発行された前記非代替性トークンに関する情報を所定のマーケットプレイス上に提供するステップと、前記所定のマーケットプレイスを介して所定の購入者が前記非代替性トークンを購入した場合に、前記非代替性トークンの所有者が前記所定の購入者に変更されたことを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録するための要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信するステップと、前記所定の購入者の身体的特徴に基づいて前記アクセサリを製作するステップと、前記アクセサリを前記所定の購入者に配送するステップとを含む。前記ブロックチェーンネットワークは、各々が前記ブロックチェーンを有する複数のノードによって構成される。前記アクセサリは、表面を有する。帯状の二次元コードが前記表面上に示されている。前記二次元コードは、前記非代替性トークンに関連する情報を含む。
【0023】
上記販売方法によれば、アクセサリに紐づく非代替性トークンの購入を通じて、実物のアクセサリが非代替性トークンの購入者の身体的特徴に基づいて製作された後に、当該購入者にアクセサリが配送される。このように、非代替性トークンの購入者にリッチなショッピング体験を提供することができる。さらに、上記アクセサリの構成によれば、アクセサリの情報に関連付けられた非代替性トークンに関する情報を含む帯状の二次元コードがアクセサリの表面上に示されている。このように、アクセサリの保有者は、スマートフォン等に搭載されたカメラを用いて二次元コードを撮像することで、二次元コードに含まれた非代替性トークンに関連する情報を通じてアクセサリに関する情報を把握することが可能となる。このため、保有者は、紙の保証書等を別途保管する必要がなく、耐改竄性を備えた非代替性トークンに関連付けられたアクセサリの情報をアクセサリのデジタル形式の保証書として活用することができる。さらに、保証書の改竄を好適に防止することができるため、二次流通におけるアクセサリの取引の安全性を確保することができる。また、二次元コードの形状が帯状であるため、二次元コードの存在によってアクセサリの全体のデザイン性が損なわれてしまう状況を好適に防止可能となる。特に、帯状の二次元コードがアクセサリの特徴的な模様の一部として認識されるため、アクセサリのデザイン性をより向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本開示によれば、アクセサリ全体のデザイン性を維持しつつ、紙の保証書を必要としない新規のアクセサリを提供することができる。さらに、アクセサリの情報に関連付けられた非代替性トークンの購入者にリッチなショッピング体験を提供することが可能なアクセサリの販売方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本開示の実施形態(以下、本実施形態)に係るアクセサリ販売システムの構成の一例を示す図である。
図2】サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】非代替性トークン(NFT)を用いた指輪の販売の流れを説明するためのフローチャートである。
図5】NFTマーケットプレイス上に表示されるNFTの三次元画像とNFTの属性情報の一例を示す例である。
図6】指輪の一例を示す斜視図である。
図7】(a)は、指輪の上面図を示す。(b)は、指輪の正面図を示す。(c)は、指輪の底面図を示す。(d)は、指輪の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本実施形態に係るアクセサリ販売システム1について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るアクセサリ販売システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、アクセサリ販売システム1は、サーバ4と、端末2a,2bと、ブロックチェーンネットワーク10と、IPFS(InterPlanetary File System)13とを備える。アクセサリ販売システム1を構成するこれらの構成要素は、通信ネットワーク9を介して互いに通信可能に接続されている。特に、サーバ4及び端末2a,2bは、通信ネットワーク9を介して互いに通信可能に接続されている。さらに、サーバ4及び端末2a,2bは、ブロックチェーンネットワーク10に通信可能に接続されている。通信ネットワーク9は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、無線コアネットワークのうちの少なくとも一つによって構成されている。
【0027】
本実施形態では、サーバ4は、NFT6(非代替性トークン)が販売されるNFTマーケットプレイス用のサーバである。サーバ4は、複数のサーバによって構成されてもよい。特に、サーバ4は、NFTマーケットプレイス用のウェブサイトを提供するウェブサーバと、NFTマーケットプレイスのユーザ情報を管理するデータベースサーバとを含んでもよい。NFT6は、ブロックチェーン8上に記録される代替不可能な唯一無二のトークン(非代替性トークン)である。
【0028】
端末2aは、NFT6及びNFT6に紐づく指輪12(アクセサリの一例)を製作及び販売する製作販売業者3により操作される端末である。即ち、端末2aは、製作販売業者3に関連付けられている。同様に、端末2bは、NFTマーケットプレイスを通じてNFT6を購入する購入者5により操作される端末である。即ち、端末2bは、購入者5に関連付けられている。尚、以降の説明では、端末2a,2bを単に端末2と総称する場合がある。また、本実施形態では、アクセサリの一例として指輪が挙げられているが、本実施形態に係るアクセサリは指輪に限定されるものではない。例えば、アクセサリの他の一例としてネックレス、ペンダント、ブレスレット、イヤリング、ピアス等がアクセサリ販売システム1を通じて販売されてもよい。
【0029】
次に、図2を参照して、サーバ4のハードウェア構成について以下に説明する。図2に示すように、サーバ4は、制御部40と、記憶装置41と、入出力インターフェース42と、通信部43と、入力操作部44と、表示部45とを備える。サーバ4を構成するこれらの要素は通信バス46に接続されている。
【0030】
制御部40は、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、コンピュータ可読命令(プログラム)を記憶するように構成されている。例えば、メモリは、各種プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成される。各種プログラムには、本実施形態に係る一連の情報処理方法を実行する情報処理プログラムが含まれていてもよい。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)のうちの少なくとも一つにより構成される。CPUは、複数のCPUコアによって構成されてもよい。GPUは、複数のGPUコアによって構成されてもよい。プロセッサは、記憶装置31又はROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されてもよい。特に、プロセッサは、記憶装置41又はROMに組み込まれた情報処理プログラムをRAM上に展開することで、後述する一連の情報処理を実行してもよい。
【0031】
記憶装置41は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置(ストレージ)であって、プログラムや各種データを格納するように構成されている。入出力インターフェース42は、外部装置とサーバ4との間の接続を可能とするインターフェースであって、USB規格やHDMI(登録商標)規格等の所定の通信規格に応じたインターフェースを含む。通信部43は、例えば、通信ネットワーク9に接続された外部装置と通信するための有線通信モジュール及び/又は無線通信モジュールを備えている。入力操作部44は、例えば、タッチパネル、マウス、及び/又はキーボード等である。入力操作部44は、サーバ4を操作する操作者の入力操作を受け付けると共に、当該入力操作に応じた操作信号を生成するように構成されている。表示部45は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等の映像表示ディスプレイと、当該映像表示ディスプレイを駆動制御する映像表示回路とによって構成される。
【0032】
次に、図3を参照して、端末2のハードウェア構成について以下に説明する。本実施形態では、端末2a,2bは同様のハードウェア構成を備えるものとする。図3に示すように、端末2は、制御部20と、記憶装置21と、撮像部22と、通信部23と、入力操作部24と、表示部25とを備える。端末2を構成するこれらの要素は通信バス26に接続されている。本実施形態では、端末2は、携帯型端末として説明されているが、端末2の種類は特に限定されるものではない。例えば、端末2は、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット又はウェアラブルデバイス等であってもよい。
【0033】
制御部20は、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、各種プログラム等が格納されたROMやプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納されるRAM等から構成される。各種プログラムには、本実施形態に係る一連の情報処理方法を実行する情報処理プログラムが含まれていてもよい。プロセッサは、例えば、CPU、MPU及びGPUのうちの少なくとも一つにより構成される。プロセッサは、記憶装置21又はROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されてもよい。特に、プロセッサは、記憶装置21又はROMに組み込まれた情報処理プログラムをRAM上に展開することで、後述する一連の情報処理を実行してもよい。
【0034】
記憶装置21は、例えば、NAND型フラッシュメモリ、HDD又はSSDである。撮像部22は、端末2の周辺環境を示す画像又は映像を撮像するように構成されている。特に、撮像部22は、撮影を通じて端末2の周辺環境を示す画像データ若しくは映像データを生成するように構成されたカメラであって、イメージセンサ(例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等)と、イメージセンサ駆動処理回路とを備える。通信部23は、通信ネットワーク9に接続された外部装置と通信するための無線通信モジュール及び/又は有線通信モジュールを備えている。入力操作部24は、例えば、表示部25の映像表示ディスプレイに重ねて配置されたタッチパネル、マウス、及び/又はキーボードであって、操作者の入力操作を受け付けると共に、当該入力操作に応じた操作信号を生成するように構成されている。表示部25は、例えば、映像表示ディスプレイと、当該映像表示ディスプレイを駆動制御する映像表示回路とによって構成される。
【0035】
図1に戻ると、ブロックチェーンネットワーク10は、複数のノード7によって構成されたP2P(Peer to Peer)型ネットワーク(換言すれば、分散型ネットワーク)である。各ノード7は、ブロックチェーン8(分散型台帳)を備えている。各ノード7は、他のノード7に直接的又は間接的に接続されている。ブロックチェーン8は、分散型台帳技術(DLT)の一種であって、各ノード7に保存されたブロックチェーン8は、同一の台帳情報を保持している。
【0036】
ブロックチェーン8は、分散性、改ざん困難性、永続性、透明性、スマートコントラクトの観点においてサーバに構築された中央集権的なデータベースとは相違する。ブロックチェーン8は、複数のブロックにより構成されている。各ブロックは、時間的に前後に生成されたブロックにより連結されている。各ブロックは、複数のトランザクションと、ブロックヘッダと、全アカウントの現在状態を示すステートデータとを有する。ブロックヘッダは、タイムスタンプと、時間的に直前に生成された直前ブロックのブロックヘッダのハッシュ値と、複数トランザクションの集合体のハッシュ値と、ステートデータのハッシュ値とを含む。ブロックヘッダは、ブロックヘッダのハッシュ値の先頭のN桁(N>1の整数)を0に設定するためのナンス値をさらに含んでもよい。
【0037】
具体的には、各ブロックは、時間的に直前に生成されたブロックと、時間的に直後に生成されたブロックにブロックヘッダのハッシュ値を介して関連付けられている。このため、ブロックチェーン8では、所定のブロックに含まれる一部のトランザクションが改竄された場合には、所定のブロックのブロックヘッダのハッシュ値が変更される。さらに、所定のブロックのブロックヘッダのハッシュ値を参照するブロックのブロックヘッダのハッシュ値も連鎖的に変更される。このように、各ブロックが前後ブロックのブロックヘッダのハッシュ値によって連鎖的に関連付けられているため、各ブロック(特に、各ブロック内のトランザクション情報)のデータ改竄が極めて困難となっている。
【0038】
本実施形態では、ブロックチェーンネットワーク10は、管理者不在のパブリック型のブロックチェーンネットワークであってもよいし、管理者が存在するプライベート型のブロックチェーンネットワークであってもよい。また、ブロックチェーンネットワーク10のコンセンサスアルゴリズムは、PoS(Proof of Stake)型であってもよいし、PoW(Proof of Work)型であってもよい。
【0039】
本実施形態のブロックチェーン8は、スマートコントラクトが実装されたブロックチェーンである。スマートコントラクトは、ブロックチェーン8上に記録された自動契約や自動取引を実行するためのプログラムコードである。各ノード7は、ブロックチェーン8上に記録(デプロイ)されたスマートコントラクトを呼び出して実行すると共に、スマートコントラクトの実行結果を検証する。このように、スマートコントラクトは、仲介者を介さずにブロックチェーン8上に記録された取引内容や契約内容を自動的に実行することができる。本実施形態では、ブロックチェーン8上にNFT6が発行される場合では、NFT6に関連付けられたスマートコントラクト(以下、NFTスマートコントラクト)がブロックチェーン8に記録される。また、本実施形態では、NFT6の取引を仲介するためのエスクロー型のスマートコントラクトがブロックチェーン8上に記録されてもよい。
【0040】
ブロックチェーンネットワーク10としては、イーサリアム(Ethereum)が採用されてもよいし、イーサリアム以外のスマートコントラクト実装型のブロックチェーンネットワーク(他のL1プロジェクトやイーサリアム上に構築されたL2プロジェクト)が採用されてもよい。ブロックチェーンネットワーク10がイーサリアムである場合、各ノード7のEVM(Ethereum Virtual Machine)が、ブロックチェーン8上にデプロイされたスマートコントラクトを実行すると共に、当該スマートコントラクトの実行結果を検証する。
【0041】
IPFS13は、P2Pネットワーク上で動作する分散型のストレージサービスである。本実施形態では、後述するよう、NFT6に関連付けられた情報は、メタデータとしてIPFS13上に保存されてもよい。尚、NFT6に関連付けられた情報は、IPFS13ではなく、通信ネットワーク12に接続されたデータサーバ上に保存されてもよいし、オンチェーン情報としてブロックチェーン8上に記録されてもよい。
【0042】
次に、図1及び図4を参照して、NFT6を用いた指輪12の販売の流れについて以下に説明する。図4は、NFT6を用いた指輪12の販売の流れを説明するためのフローチャートである。図4に示すように、ステップS1において、指輪12の製作販売業者3は、指輪12の実物のサンプルを製作した後に、三次元スキャナーを用いて、指輪12のサンプルに対応する指輪12の三次元画像データを生成(レンダリング)する。
【0043】
ステップS2において、製作販売業者3は、指輪12に関連付けられたNFT6を発行する。具体的には、端末2aは、製作販売業者3の入力操作に従って、指輪12に関連付けられたNFT6をブロックチェーン8上に発行するための要求(発行要求トランザクション)をブロックチェーンネットワーク10に配信する。この場合、端末2aは、指輪12に関する一連の情報をIPFS13に配信する。ここで、指輪12に関する一連の情報は、指輪12の属性情報(証明情報)と、指輪12の三次元画像データとを含む。指輪12の属性情報は、例えば、指輪12の商品名情報と、指輪12の商品ID情報と、指輪12の製作者情報と、指輪12の材質情報と、指輪12のコンセプト情報と、指輪12の加工情報とを含んでもよい。また、NFT6の購入者5の手指のサイズに応じて指輪12が製作されない場合では、指輪12の属性情報は、指輪12のサイズ情報をさらに含んでもよい。
【0044】
また、ブロックチェーンネットワーク10としてイーサリアムが採用される場合、NFT6はERC721規格に対応したトークンであってもよい。ブロックチェーンネットワーク10は、端末2aからNFT6の発行要求トランザクションを受信した上で、当該発行要求トランザクションに応じてNFT6をブロックチェーン8上に記録(デプロイ)する。具体的には、ブロックチェーンネットワーク10を構成する各ノード7は、NFT6の発行要求トランザクションに応じて、NFT6に関連付けられたNFTスマートコントラクトをブロックチェーン8上に記録する。NFTスマートコントラクトに含まれるオンチェーン情報は、コントラクトアドレスと、トークンIDと、保有者のウォレットアドレスと、NFT生成者のウォレットアドレスと、トークンURIとを含んでもよい。
【0045】
本例では、NFT6の保有者のウォレットアドレス及びNFT生成者のウォレットアドレスは、製作販売業者3のウォレットアドレスとなる。トークンURIは、IPFS13上に保存されたメタデータを指定するためのアドレスであって、トークンIDに応じて変化してもよい。端末2は、オンチェーン情報に含まれるトークンURIに基づいて、IPFS13からメタデータとして保存された指輪12の一連の情報を取得することができる。メタデータとして保存された指輪12の一連の情報は、指輪12の属性情報と、指輪12の三次元画像データの保存場所を指定するアドレス情報とを含む。端末2は、当該アドレス情報を参照することでIPFS13から指輪12の三次元画像データを取得することができる。
【0046】
本実施形態では、製作販売業者3によって発行される各NFTは、所定のコントラクトアドレスに紐づけられてもよい。即ち、NFT6のコントラクトアドレスは、製作販売業者3に紐づく独自のコントラクトアドレスであってもよい。この場合、第三者は、NFT6のコントラクトアドレスを確認することで、NFT6が製作販売業者3によって発行されたものであることを明確に認識することができる。また、独自のコントラクトアドレスに基づいて新たなNFTが発行される度に、当該新たなNFTに紐づくトークンIDの番号が増加してもよい。
【0047】
ブロックチェーンネットワーク10としてイーサリアムが採用される場合では、NFT6に関するトランザクションにより発生する取引手数料(ガス代)を節約する観点より、NFT6はオフチェーンNFTであることが好ましい。つまり、NFT6のメタデータは、ブロックチェーン8上に記録されずにIPFS13に記録される。その一方で、NFT6は、オフチェーンNFTに限定されるものではなく、オンチェーンNFTであってもよい。即ち、指輪12に関する一連の情報はブロックチェーン8上にオンチェーン情報として記録されてもよい。
【0048】
尚、本例では、製作販売業者3の入力操作に応じて発行要求トランザクションが端末2aからブロックチェーンネットワーク10に配信されているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。この点において、発行要求トランザクションがNFTマーケットプレイスのサーバ4側からブロックチェーンネットワーク10に配信されてもよい。
【0049】
また、端末2aによってNFT6が発行された後に、NFT6の所有者が製作販売業者3からNFTマーケットプレイスに変更されてもよい。この場合、端末2aは、NFT6の所有者を製作販売業者3からNFTマーケットプレイスに変更するための要求をブロックチェーンネットワーク10に配信する。その後、当該要求に応じてNFT6の所有者がNFTマーケットプレイスに変更されたことを示す情報がブロックチェーン8上に記録される。
【0050】
さらに、端末2aによってNFT6が発行された後に、製作販売業者3は、エスクロー型のスマートコントラクトをブロックチェーン8上に発行してもよい。この場合、端末2aは、エスクロー型のスマートコントラクトを発行するための要求をブロックチェーンネットワーク10に配信する。製作販売業者3は、エスクロー型のコントラクトが実行される際にNFT6の所有者が製作販売業者3から購入者5に自動的に変更される契約を事前に承認(Approve)してもよい。
【0051】
次に、ステップS3において、NFT6に関する一連の情報がNFTマーケットプレイス上に提供される。具体的には、サーバ4は、NFT6のコントラクトアドレスとトークンIDに基づいて、NFT6のオンチェーン情報であるトークンURIをブロックチェーンネットワーク10から取得する。その後、サーバ4は、トークンURIに基づいて、IPFS13から指輪12に関連する一連の情報として指輪12の属性情報と三次元画像データを取得する。その後、サーバ4は、NFT6の販売価格と、指輪12の属性情報と、指輪12の三次元画像が表示されたウェブページ50(図5参照)を生成した上で、NFTマーケットプレイスにウェブページ50を提供する。図5に示すように、指輪12の三次元画像は、ウェブページ50の画像表示領域52に表示される。画像表示領域52に表示される指輪12の三次元画像は、購入者5の入力操作に応じて、その姿勢が変化してもよい。また、指輪12の三次元画像は、その中心軸を中心に360度回転した状態で画像表示領域52にアニメーション動画として表示されてもよい。NFT6に関連するウェブページ50のURLは、NFTマーケットプレイスのドメインと、NFT6のコントラクトアドレスと、NFT6のトークンIDとによって構成されてもよい。尚、ウェブページ50に表示される指輪12に関する一連の情報と三次元画像は、製作販売業者3によって提供されてもよい。この場合、製作販売業者3は、端末2aを通じて指輪12の属性情報と三次元画像をサーバ4に送信する。また、製作販売業者3は、NFT6の販売価格情報をサーバ4に送信する。
【0052】
次に、ステップS4において、購入者5がNFTマーケットプレイスを通じてNFT6を購入する。図4に示すように、NFT6の販売価格が0.2ETHである場合に、購入者5は、端末2bを通じて、0.2ETHに相当する暗号通貨をNFTマーケットプレイスに紐づくウォレットアドレスに送金してもよい。この場合、ブロックチェーンネットワーク10は、端末2bの送金要求に応じて、0.2ETHのイーサが購入者5からNFTマーケットプレイスに送金されたことを示す情報をブロックチェーン8上に記録する。販売価格に相当する暗号通貨がNFTマーケットプレイスに着金されたことが確認された後に、NFT6の所有者が購入者5に変更される(ステップS5)。即ち、ブロックチェーンネットワーク10は、NFT6の所有者が購入者5に変更されたことを示す情報をブロックチェーン8上に記録する。この場合、サーバ4は、NFT6の販売価格に相当する暗号資産の着金に応じて、NFT6の所有者を購入者5に変更するための要求をブロックチェーンネットワーク10に配信してもよい。
【0053】
尚、購入者5は、端末2bを通じて0.2ETHに相当する暗号通貨をエスクロー型のスマートコントラクトに送金してもよい。この場合、ブロックチェーンネットワーク10は、端末2bの送金要求に応じてエスクロー型のスマートコントラクトを呼び出すことで、販売手数料に相当する金額の暗号通貨をNFTマーケットプレイスのウォレットアドレスに送金すると共に、販売価格から販売手数料を控除することで得られる金額の暗号通貨を製作販売業者3のウォレットアドレスに送金する。その後、ブロックチェーンネットワーク10は、エスクロー型のスマートコントラクトに応じて、NFT6の所有者を製作販売業者3から購入者5に変更する(ステップS5)。
【0054】
また、本例では、ETH等のネイティブ通貨によってNFT6が購入されているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。この点において、NFT6はETH以外のERC20規格のトークン(例えば、USDCやUSDT等のステーブルコイン)や円やドル等の法定通貨によって購入されてもよい。さらに、NFT6はクレジットカードを用いて購入されてもよい。この場合、NFTマーケットプレイスは、クレジットカードによる決済が完了したことを確認した後に、NFT6を購入者5に送信する。
【0055】
ステップS6において、NFTマーケットプレイスは購入者5の住所情報を取得する。例えば、購入者5は、NFT6を購入した後に、端末2bを通じて、指輪12の配送先の住所情報と、NFT6の識別情報(コントラクトアドレス及びトークンIDに関する情報)と、購入者5の手指のサイズに関する情報(購入者5の身体的特徴に関する情報の一例)とをNFTマーケットプレイスに送信してもよい。これらの情報はEメール経由で送信されてもよいし、NFTマーケットプレイスに設けられた入力フォーム経由で送信されてもよい。指輪12の配送先の住所情報は、購入者5の住所情報であってもよいし、指輪12を受取可能な住所情報(例えば、コンビニの住所情報)であってもよい。また、NFTマーケットプレイスは、購入者5がNFT6の真の保有者かどうかを確認するための所定の手続きを購入者5に要求してもよい。この点において、NFTマーケットプレイスは、購入者5がNFT6の保有者ウォレットアドレスに紐づく秘密鍵を保有しているかどうかを確認してもよい。
【0056】
ステップS7において、製作販売業者3は、NFTマーケットプレイスから指輪12の配送先の情報と購入者5の手指のサイズに関する情報(購入者5の身体的特徴に関する情報の一例)とを受信した上で、購入者5の手指のサイズに関する情報に基づいて指輪12を製作する。その後、製作販売業者3は、製作された指輪12を購入者5に配送する(ステップS8)。
【0057】
次に、図6及び図7を参照して、製作販売業者3によって製作される指輪12について以下に詳細に説明する。図6は、指輪12の一例を示す斜視図である。図7(a)は、指輪12の上面図を示す。図7(b)は、指輪12の正面図を示す。図7(c)は、指輪12の底面図を示す。図7(d)は、指輪12の右側面図を示す。
【0058】
図6及び図7に示すように、指輪12は、外周表面120の一部である表面122を有する。表面122は、平坦面として形成されている。上面視における表面122の形状は、帯状(換言すれば、細長い矩形状)となっている。正面視における指輪12の形状は略八角形状となっている。指輪12の外周表面120の一部である左側面124は、表面122の一端に隣接している。外周表面120の一部である右側面125は、表面122の他端に隣接している。表面122の一端に接する左側面124の一端の幅方向Wにおける寸法(以下、幅寸法という。)は、表面122の一端の幅寸法と一致する。同様に、表面122の他端に接する右側面125の一端の幅寸法は、表面122の他端の幅寸法と一致する。図7(d)に示すように、左側面124及び右側面125の幅寸法は、表面122から底面126に向かうに連れて徐々に小さくなる。図7(c)に示すように、底面126の幅寸法は、表面122の幅寸法よりも若干小さくなる。
【0059】
表面122上には、帯状(換言すれば、細長い矩形状)の二次元コード121が示されている。二次元コード121は、レーザマーカーを用いたレーザ加工によって表面122上に直接的に刻印されている。指輪12は、例えば、所定の金属材料により形成されている。二次元コード121は、rMQRコード(登録商標)に相当する二次元コードであってもよい。二次元コード121は、コードの位置、大きさ、傾きを検知するための位置検出パターンと、セルの座標情報を取得するためのタイミングパターンと、コードの歪みを補正するためのアライメントパターンとを含んでもよい。尚、本実施形態では、二次元コード121は表面122上に直接的に刻印されているが、本実施形態は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、二次元コード121が表示されたシールが表面122上に貼り付けられてもよい。
【0060】
二次元コード121の幅寸法は、2mmから10mmの範囲内であって、より好ましくは、3mmから5mmの範囲内である。二次元コード121の長さ方向Lにおける寸法(以下、長さ寸法という。)は、9mmから46mmの範囲内であって、より好ましくは、13mmから23mmの範囲内である。二次元コード121は、表面122の長さ方向L(長手方向)に沿って延びている。
【0061】
二次元コード121は、NFT6に関連する情報を含む。この点において、二次元コード121は、NFT6の識別情報を含んでもよい。より具体的には、二次元コード121は、NFT6のコントラクトアドレスとトークンIDを含んでもよい。例えば、二次元コード121は、NFTマーケットプレイス上に提供されたNFT6に関連するウェブページ50のURLを含んでもよい。ウェブページ50のURLは、NFTマーケットプレイスのドメインと、NFT6のコントラクトアドレスと、NFT6のトークンIDとによって構成されてもよい。また、二次元コード121は、ブロックチェーンエクスプローラ(例えば、イーサリアムブロックチェーンエクスプローラであるEtherscan等)上に提供されたNFT6に関連するウェブページのURLを含んでもよい。この場合、当該ウェブページのURLは、ブロックチェーンエクスプローラのドメインと、NFT6のコントラクトアドレスと、NFT6のトークンIDとによって構成されてもよい。
【0062】
本実施形態によれば、指輪12に関連付けられたNFT6の識別情報を含む二次元コード121が指輪12の表面122上に直接的に刻印されている。このように、NFT6を保有する購入者5は、端末2bの撮像部22を用いて二次元コード121を撮像することで、二次元コード121に含まれたNFT6の識別情報(本例では、ウェブページ50のURL情報)を通じて指輪12に関する属性情報と指輪12の三次元画像を把握することが可能となる。このため、購入者5は、紙の保証書等を別途保管する必要がなく、耐改竄性を備えたNFT6に関連付けられた指輪12の一連の情報を指輪12のデジタル形式の保証書として活用することができる。この点において、従来であれば、購入者が紙の保証書を紛失した場合には二次流通市場における指輪12の資産価値は大きく下落してしまう。その一方で、本構成に係る指輪12では、二次元コード121が指輪12に刻印されているため、かかる状況を好適に防止することができる。さらに、耐改竄性を備えたNFT6により保証書の改竄を好適に防止することができるため、二次流通における指輪12の取引の安全性を確保することができる。
【0063】
また、購入者5は、アクセサリ販売システム1を通じて、NFT6に関連付けられた実物の指輪12を取得することができるため、リッチなショッピング体験を購入者5に提供することができる。また、NFT6の所有者が指輪12の所有者となるため、第三者は、NFT6の所有者情報を通じて指輪12の真の所有者を客観的に把握することができる。このため、二次流通市場において盗品の指輪12が販売されている状況であっても、二次流通市場における指輪12の購入予定者は、指輪12に紐づくNFT6の所有者情報を確認することで、指輪12が盗品かどうかを把握することが可能となるため、二次流通市場における指輪12の取引の安全性を確保することが可能となる。
【0064】
また、二次元コード121の形状が帯状である。さらに、二次元コード121が刻印された表面122の形状が上面視において帯状となる。特に、二次元コード121の幅寸法が2mmから10mmの範囲内であると共に、二次元コード121の長さ寸法が9mmから46mmの範囲内である。このため、二次元コード121の存在によって指輪12の全体のデザイン性が損なわれてしまう状況を好適に防止可能となる。さらに、帯状の二次元コード121が指輪12の特徴的な模様の一部となるため、指輪12のデザイン性をより向上させることが可能となる。
【0065】
また、本実施形態によれば、指輪12が購入者5の手指のサイズに基づいて製作された後に購入者5に配送されるため、NFT6の購入者5にリッチなショッピング体験を提供することができる。
【0066】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではない。本実施形態は一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0067】
本実施形態では、アクセサリの一例として指輪に関するアクセサリ販売システム1について説明されているが、アクセサリの他の一例としてネックレス、ペンダント、ブレスレット、イヤリング、ピアス等がアクセサリ販売システム1を通じて販売される場合でも同様にアクセサリに関連するNFTがNFTマーケットプレイス上で販売される。NFTを購入した購入者は、実物のアクセサリをアクセサリの製作販売業者3から受け取る。この場合、アクセサリの表面にはNFTの識別情報を含む帯状の二次元コードが刻印される。購入者は、アクセサリに刻印された二次元コードを通じて、アクセサリに関する一連の情報を把握することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態では、二次元コード121には指輪12に関連するNFT6の識別情報が含まれているが、二次元コード121に含まれる情報はNFT6に関する情報に特に限定されるものではない。この点において、二次元コード121は、所定の情報を含んでもよい。例えば、二次元コード121に含まれる所定の情報は、製作販売業者3のウェブサイトのURL情報(特に、指輪12に関する製作販売業者3のウェブサイトのURL情報)や購入者5に関する情報等であってもよい。
【0069】
さらに、二次元コード121は、着金に必要な識別情報を含んでもよい。着金に必要な識別情報は、例えば、電子マネー(例えば、PayPayや楽天ペイ等)のコード決済に必要な識別情報や暗号通貨(イーサリアムやビットコイン等)のウォレットアドレス情報であってもよい。この場合、指輪12を装着している購入者5が指輪12を第三者に提示したときに、当該第三者は、スマートフォン等に搭載されたカメラを用いて二次元コード121を撮像することで、所定の電子マネー又は暗号通貨を購入者5に送金することが可能となる。このように、指輪12を電子的な着金専用のお財布として活用することが可能となり、指輪12の利便性が飛躍的に向上する。
【符号の説明】
【0070】
1:アクセサリ販売システム、2,2a,2b:端末、3:製作販売業者、4:サーバ、5:購入者、6:NFT、7:ノード、8:ブロックチェーン、9:通信ネットワーク、10:ブロックチェーンネットワーク、12:指輪、13:IPFS、20:制御部、21:記憶装置、22:撮像部、23:通信部、24:入力操作部、25:表示部、26:通信バス、31:記憶装置、40:制御部、41:記憶装置、42:入出力インターフェース、43:通信部、44:入力操作部、45:表示部、46:通信バス、50:ウェブページ、52:画像表示領域、120:外周表面、121:二次元コード、122:表面、124:左側面、125:右側面、126:底面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7