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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016657
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】水洗大便器
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/00 20060101AFI20240131BHJP
   E03D 11/02 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
E03D11/00 Z
E03D11/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118946
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 洋式
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AD04
2D039CD03
(57)【要約】
【課題】便器本体または便器本体の周辺の照明を実現しつつ、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる水洗大便器を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る水洗大便器は、便器本体と、照明手段とを備える。便器本体は、ボウル部と、排水トラップ部とを備える。ボウル部は、汚物を受ける。排水トラップ部は、ボウル部の下部に接続され、ボウル部で受けた汚物を排出する。照明手段は、光を照射して、便器本体または便器本体の周辺の所定領域を照らす。照明手段は、暖色の光を照射する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚物を受けるボウル部と、前記ボウル部の下部に接続され、該ボウル部で受けた汚物を排出するための排水トラップ部とを有する便器本体と、
光を照射して、前記便器本体または該便器本体の周辺の所定領域を照らす照明手段と
を備え、
前記照明手段は、暖色の光を照射すること
を特徴とする水洗大便器。
【請求項2】
前記照明手段は、色温度が2000~3500Kの光を照射すること
を特徴とする請求項1に記載の水洗大便器。
【請求項3】
照明手段を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記照明手段から照射される光を時刻に応じて暖色へ変更すること
を特徴とする請求項1に記載の水洗大便器。
【請求項4】
前記照明手段は、前記ボウル部の後端部に配置され、該ボウル部の内部における後方領域を照らすこと
を特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の水洗大便器。
【請求項5】
前記照明手段は、前記便器本体の側方領域を照らすこと
を特徴とする請求項4に記載の水洗大便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、水洗大便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明手段を備え、照明手段から照射される光で、汚物を受けるボウル部の内部を照らす水洗大便器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-095446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したような従来の水洗大便器において、たとえば、照明手段から青白い(寒色の)光が照射されている場合、使用者に様々な影響を与えるおそれがあった。具体的には、照明手段から寒色の光が照射されている場合、たとえば、一度就寝した使用者が夜間排尿時などに寒色の光を見ると覚醒して目がさえてしまい、便器使用後の使用者の睡眠に支障をきたすおそれがあった。
【0005】
実施形態の一態様は、便器本体または便器本体の周辺の照明を実現しつつ、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる水洗大便器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る水洗大便器は、汚物を受けるボウル部と、前記ボウル部の下部に接続され、該ボウル部で受けた汚物を排出するための排水トラップ部とを有する便器本体と、光を照射して、前記便器本体または該便器本体の周辺の所定領域を照らす照明手段とを備え、前記照明手段は、暖色の光を照射する。
【0007】
このような構成によれば、便器本体または便器本体の周辺を照らす光が暖色の光であるため、夜間排尿時などに使用者が光を見て覚醒するのを抑えることができる。具体的には、便器本体または便器本体の周辺を照らす光を見た使用者の目がさえて便器使用後の使用者が眠れなくなるのを抑えることができる。すなわち、このような構成によれば、便器本体または便器本体の周辺の照明を実現しつつ、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【0008】
また、上記した水洗大便器において、前記照明手段は、色温度が2000~3500Kの光を照射する。
【0009】
このような構成によれば、便器本体または便器本体の周辺を照らす光が暖色(色温度が2000~3500K)の光であるため、夜間排尿時などに使用者が光を見て覚醒するのを抑えることができる。これにより、便器本体または便器本体の周辺の照明を実現しつつ、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【0010】
また、上記した水洗大便器において、照明手段を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記照明手段から照射される光を時刻に応じて暖色へ変更する。
【0011】
このような構成によれば、たとえば、使用者が就寝する時間(夜間)に便器本体または便器本体の周辺を照らす光を暖色とすることで、夜間排尿時などに使用者が光を見て覚醒するのを抑えることができる。これにより、便器本体または便器本体の周辺の照明を実現しつつ、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【0012】
また、上記した水洗大便器において、前記照明手段は、前記ボウル部の後端部に配置され、該ボウル部の内部における後方領域を照らす。
【0013】
このような構成によれば、ボウル部を広く鮮明に照らすことができるため、使用者に対してボウル部を容易に認識させることができるとともに、夜間排尿時などに使用者が光を見て覚醒するのを抑えるため、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【0014】
また、上記した水洗大便器において、前記照明手段は、前記便器本体の側方領域を照らす。
【0015】
このような構成によれば、使用者に対して便器本体を容易に認識させることができるとともに、夜間排尿時などに使用者が光を見て覚醒するのを抑えるため、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【発明の効果】
【0016】
実施形態の一態様に係る水洗大便器によれば、便器本体または便器本体の周辺の照明を実現しつつ、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態に係る水洗大便器の一例を示す概略側面図である。
図2図2は、照明手段の一例を示す概略側断面図である。
図3図3は、照明手段による照明態様の一例を示す概略斜視図である。
図4図4は、照明光の色温度の説明図である。
図5図5は、照明手段による照明態様の他の例を示す概略斜視図である。
図6図6は、変形例に係る水洗大便器を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する水洗大便器の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0019】
<水洗大便器の全体構成>
図1を参照して実施形態に係る水洗大便器1の全体構成の一例について説明する。図1は、実施形態に係る水洗大便器1の一例を示す概略側面図である。
【0020】
なお、各図には、鉛直上向き(上方)を正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を示している。以下では、説明の便宜上、X軸の正方向を左方、X軸の負方向を右方、Y軸の正方向を前方、Y軸の負方向を後方と規定し、また、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向という場合がある。
【0021】
図1に示すように、実施形態に係る水洗大便器1は、トイレ室TRの床面FSに設置される、いわゆる床置き式の水洗大便器である。なお、水洗大便器1は、トイレ室TRの壁面WS(図6参照)に取り付けられる、いわゆる壁掛け式の水洗大便器であってもよい。
【0022】
水洗大便器1は、便器本体2と、機能部3と、衛生洗浄装置4と、照明手段5を備える。便器本体2は、たとえば、陶器製である。なお、便器本体2は、陶器製に限定されず、たとえば、樹脂製のものでもよいし、陶器と樹脂とを組み合わせたものでもよい。
【0023】
便器本体2は、ボウル部21と、排水トラップ部22とを備える。ボウル部21は、汚物を受けることが可能なボウル形状に形成される。ボウル部21の上縁には、リム部23が形成される。リム部23は、リム吐水口(図示せず)からボウル部21の内面(ボウル面)21aへ向けて洗浄水を吐水する。
【0024】
排水トラップ部22は、ボウル部21の下部に接続され、たとえば、ボウル部21から後方へ延びている管路である。排水トラップ部22は、リム吐水口から吐水された洗浄水と共に、ボウル部21のボウル面21aで受けた汚物を外部配管(設備配管)6へと排出する。
【0025】
機能部3は、便器本体2の後方に配置される。機能部3は、たとえば、便器本体2のボウル部21や後述する衛生洗浄装置4へ給水を行う機能などを有する。たとえば、機能部3は、貯水タンクおよび加圧ポンプ(いずれも図示せず)などを含み、貯水タンクに貯水された洗浄水を、加圧ポンプによって加圧して、ジェット吐水口(図示せず)からボウル部21へ向けて吐出させる。
【0026】
衛生洗浄装置4は、便器本体2の上方に配置される。衛生洗浄装置4は、便座部41a、便座部41aを覆う蓋部41b、ノズル装置42(図2参照)などを備える。衛生洗浄装置4は、ノズル装置42から洗浄水を使用者の身体へ噴出して局部を洗浄することができる。なお、上記の例では、衛生洗浄装置4は、衛生洗浄機能を有するが、これに限らず、たとえば、便座部41aに座った使用者のおしりなどに温風を吹き付けて乾燥させる乾燥機能や、便座部41aの着座面を適温に温める便座暖房機能などを有してもよい。
【0027】
また、衛生洗浄装置4は、制御部43を備える。制御部43は、たとえば、自動開閉を行う蓋部41b、局部洗浄を行うノズル装置42、乾燥や便座暖房を行う各部を制御する。また、制御部43は、後述する照明手段5を制御する。
【0028】
なお、制御部43は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などにより、記憶部(図示せず)に記憶されたプログラムを、RAM(Random Access Memory)を作業領域として実行することで実現される。また、記憶部は、たとえば、RAMやフラッシュメモリなどの半導体メモリ素子などによって実現される。
【0029】
照明手段5は、ボウル部21の後端部に配置される。照明手段5は、光(以下、照明光という)を照射して、便器本体2の所定領域A1(図3参照)を照らすことができる。また、照明手段5は、照明光を照射して、便器本体2の周辺の所定領域A2(図4参照)を照らすことができる。なお、照明手段5の位置は、ボウル部21の後端部に限定されず、照明光で照らす領域に応じた他の位置であってもよい。
【0030】
<照明手段の構成>
次に、図1および図2を参照して照明手段5の構成の一例について説明する。図2は、照明手段5の一例を示す概略側断面図である。
【0031】
図1に示すように、照明手段5は、衛生洗浄装置4の下部に配置される。図2に示すように、衛生洗浄装置4には、ノズル装置42が配置され、ノズル装置42の下方には、たとえば、脱臭ユニット44を収容する区画部45が配置される。たとえば、照明手段5は、脱臭ユニット44を収容する区画部45の下部に配置される。
【0032】
また、図2に示すように、区画部45は、前壁451と、後壁452と、底壁453とを備える。このうち、底壁453には、照明手段5の後述する照射部52となる円形の照射孔453aが形成される。なお、照射孔453aは、照射部52が嵌合可能な寸法で形成される。照明手段5は、区画部45において脱臭ユニット44と底壁453との間に形成された空間に収容される。
【0033】
照明手段5は、本体部51と、照射部52と、結線部53とを備える。本体部51は、照明手段5の本体となる部分である。照射部52は、たとえば、LED(Light-Emitting Diode)ランプであり、光(照明光)Lを照射する部分である。結線部53は、照射部52へ電力を供給するために結線された部分である。
【0034】
照明手段5は、照射部52を前方へ向けた状態で、上記したように、区画部45において脱臭ユニット44と底壁453との間に形成された空間に収容される。なお、照明手段5では、照射部52が結線部53よりも下方となるように傾斜した姿勢、すなわち、照射部52側が斜め下方を向いた姿勢で配置される。
【0035】
また、照明手段5では、結線部53に接続される電源コード53aが、たとえば、区画部45の後壁452に形成された隙間から後方へと延びている。電源コード53aは、電源部(図示せず)に接続される。
【0036】
照射部52は、たとえば、円筒形状に形成され、本体部51の前部から下方へ向けて突出している。なお、照射部52における、照射孔453aと結線部53との間には、止水パッキン54が設けられる。止水パッキン54は、たとえば、スポンジで形成される。
【0037】
照射部52の照射口52aは、照明光Lを下向きに照射するように配置される。照射部52は、下方から見た場合に、便器本体2(図1参照)の後部に位置するリム部23(図1参照)の天面よりも前方に露出している。照射部52の照射口52aは、照射される照明光Lがボウル部21(図1参照)の内部における後方領域A1(図3参照)へと向かうように配置される。
【0038】
なお、照射部52の照射口52aは、たとえば、ボウル部21においてボウル面21aとリム部23との間に形成される平坦な棚部が形成されている場合には、この棚部とリム部23との境界部分を照射するように配置される。
【0039】
<照明手段による照明態様>
次に、図3~5を参照して照明手段5による照明態様について説明する。図3は、照明手段5による照明態様の一例を示す概略斜視図である。図4は、照明光Lの色温度の説明図である。図5は、照明手段5による照明態様の他の例を示す概略斜視図である。
【0040】
照明手段5は、便器本体2(または、後述するように、便器本体2の周辺)を照らす照らすように照明光Lを照射する。
【0041】
図3に示すように、照明手段5は、ボウル部21の内部における後方領域A1を照らすように照明光L(図2参照)を照射する。すなわち、照明手段5は、ボウル部21の内部における後方領域A1を照らす。
【0042】
ここで、照明手段5は、暖色の照明光Lを照射する。暖色の照明光Lとは、色温度の低い赤みがかった(たとえば、オレンジ色の)光であり、図4に示すように、色温度が2000~3500K(ケルビン)の光である。照明手段5が照射する照明光Lの色温度としては、好ましくは、2200Kである。なお、色温度の高い光は、青みがかっており、たとえば、6200~6500Kの光が寒色の光である。
【0043】
このように、実施形態に係る水洗大便器1では、照明手段5からの照明光Lが暖色の光であるため、夜間排尿時などに使用者が照明光Lを見て覚醒するのを抑えることができる。具体的には、照明光Lを見た使用者の目がさえて便器使用後の使用者が眠れなくなるのを抑えることができる。すなわち、便器本体2の照明を実現しつつ、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【0044】
また、照明手段5からの照明光Lが暖色(色温度が2000~3500K)の光であるため、夜間排尿時などに使用者が照明光Lを見て覚醒するのを抑えることができる。これにより、便器本体2の照明を実現しつつ、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【0045】
また、照明手段5がボウル部21の内部における後方領域A1を照らすことでボウル部21を広く鮮明に照らすことができるため、使用者に対してボウル部21を容易に認識させることができるとともに、夜間排尿時などに使用者が照明光Lを見て覚醒するのを抑えるため、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【0046】
また、ここで、制御部43(図1参照)は、照明手段5からの照射される照明光L(図2参照)を、時刻に応じて暖色へと変更する。制御部43は、夜間に暖色の照明光Lで照らすように、照明手段5を制御する。この場合、制御部43は、たとえば、衛生洗浄装置4における便座暖房機能の学習機能を利用して、所定の時間帯(たとえば、18時から翌日の6時まで)を夜間として記憶し、この時間帯には照明光Lを暖色へと変更する。
【0047】
また、たとえば、使用者が自ら夜間となる所定の時間帯を設定してもよい。この場合も、制御部43は、この時間帯には照明光Lを暖色へと変更する。
【0048】
このように、時刻に応じて照明光Lを暖色へ変更することで、具体的には、使用者が就寝する時間(夜間)に便器本体2を照らす照明光Lを暖色とすることで、夜間排尿時などに使用者が照明光Lを見て覚醒するのを抑えることができる。これにより、便器本体2の照明を実現しつつ、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【0049】
図5に示すように、照明手段5は、便器本体2の左右の側方領域を照らすようにさらに照明光L(図2参照)を照射してもよい。すなわち、照明手段5は、便器本体2の左右の側方領域A2をさらに照らしてもよい。
【0050】
この場合、照明手段5は、たとえば、上記同様、照射部52を前方へ向けた状態で区画部45において脱臭ユニット44と底壁453との間に形成された空間に収容され、便器本体2の側面に照明光Lが通過可能に形成された孔から便器本体2の左右の側方領域A2へと照明光Lを照射する。なお、これに限定されず、照明手段5は、たとえば、便器本体2の左右の側面に照射部52が配置されるものであってもよい。
【0051】
このような照明態様においても、照明手段5からの照明光Lが暖色の光であるため、夜間排尿時などに使用者が照明光Lを見て覚醒するのを抑えることができ、照明光Lを見た使用者の目がさえて便器使用後の使用者が眠れなくなるのを抑えることができる。すなわち、便器本体2の周辺の照明を実現しつつ、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【0052】
また、照明手段5が便器本体2の左右の側方領域A2を照らすことで、使用者に対して便器本体2を容易に認識させることができるとともに、夜間排尿時などに使用者が照明光Lを見て覚醒するのを抑えるため、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【0053】
<水洗大便器の変形例>
次に、図6を参照して水洗大便器1の変形例について説明する。図6は、変形例に係る水洗大便器1Aを示す概略側面図である。
【0054】
図6に示すように、変形例に係る水洗大便器1Aは、トイレ室TRの壁面WSに取り付けられる、いわゆる壁掛け式の水洗大便器である。
【0055】
照明手段5は、たとえば、排水トラップ部(排水トラップ管路)の下方に配置され、便器本体2の下方、すなわち、床面FSを暖色(色温度が、2000~3500K、好ましくは、2200K)の光で照らす。また、変形例に係る水洗大便器1Aにおいても、上記同様、制御部43(図1参照)によって照明手段5からの照射される照明光L(図2参照)を時刻に応じて暖色へと変更する。
【0056】
このような変形例に係る水洗大便器1Aにおいても、照明手段5からの照明光Lが暖色の光であるため、夜間排尿時などに使用者が照明光Lを見て覚醒するのを抑えることができる。具体的には、照明光Lを見た使用者の目がさえて便器使用後の使用者が眠れなくなるのを抑えることができる。すなわち、便器本体2の照明を実現しつつ、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【0057】
また、照明手段5からの照明光Lが暖色(色温度が2000~3500K)の光であるため、夜間排尿時などに使用者が照明光Lを見て覚醒するのを抑えることができる。これにより、便器本体2の照明を実現しつつ、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【0058】
また、照明手段5が便器本体2の下方領域A3を照らすことで、使用者の足元を照らすことができるため、使用者の安全性をより確保できるとともに、夜間排尿時などに使用者が照明光Lを見て覚醒するのを抑えるため、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【0059】
また、時刻に応じて照明光Lを暖色へ変更することで、具体的には、使用者が就寝する時間(夜間)に便器本体2を照らす照明光Lを暖色とすることで、夜間排尿時などに使用者が照明光Lを見て覚醒するのを抑えることができる。これにより、便器本体2の照明を実現しつつ、使用者の睡眠に支障をきたすのを抑えることができる。
【0060】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 水洗大便器
2 便器本体
5 照明手段
21 ボウル部
22 排水トラップ部
43 制御部
A1 後方領域
A2 側方領域
L 光(照明光)
図1
図2
図3
図4
図5
図6