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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166573
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】衝撃吸収部材の誤組付け防止構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/02 20060101AFI20241122BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
B60R13/02 B
B60J5/00 P
B60J5/00 501A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082758
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯沼 篤
(72)【発明者】
【氏名】水野 有希
【テーマコード(参考)】
3D023
【Fターム(参考)】
3D023BA07
3D023BB08
3D023BB22
3D023BC01
3D023BD03
3D023BE31
(57)【要約】
【課題】互いに対向する左右の乗物用ドアにそれぞれ取り付けられる、互いに対称とされた鏡面構造を有する2つの衝撃吸収部材の誤組付け防止構造を提供する。
【解決手段】衝撃吸収部材30Rは、ドアトリム20と対向配置される対向壁部31と、対向壁部31から乗物室内側に向けて延びる複数の脚部33と、各脚部33の先端側に設けられた取付孔37を有する取付部35とを備え、ドアトリム20は、乗物室外面から立ち上がる立上部22と、立上部22の先端側に設けられ、取付孔37に係止する爪部23と、立上部22を支持する支持リブ24と、を有する被取付部21を備え、複数の取付壁部36の少なくとも1つに検知突部43が設けられ、複数の被取付部21の少なくとも1つに、衝撃吸収部材30Rが正しく取り付けられた場合には検知突部43と干渉せず、誤って取り付けられた場合に検知突部43と干渉するトリム側検知部25が設けられている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物の左右両側方に設けられて互いに対向する2つの乗物用ドアの乗物室内面を構成する各ドアトリムにおいて、それらの乗物室外面にそれぞれ取り付けられる2つの衝撃吸収部材の誤組付け防止構造であって、
2つの前記衝撃吸収部材は互いに対称な鏡面構造とされ、
各前記衝撃吸収部材は、
前記ドアトリムの乗物室外面と対向配置される対向壁部と、
前記対向壁部から乗物室内側に向けて延びる複数の脚部と、
各前記脚部の先端側に設けられて前記ドアトリムの乗物室外面に取り付けるための取付部と、を備え、
前記取付部は、前記ドアトリムの乗物室外面と対向配置される取付壁部と、前記取付壁部を貫通する取付孔とを備えて構成されており、
前記ドアトリムは、
その乗物室外面から立ち上がる立上部と、
前記立上部の先端側に設けられ、前記取付孔の縁部に係止する爪部と、
前記立上部の基端側において前記立上部の立ち上がり状態を支持する支持リブと、を有する複数の被取付部を備え、
複数の前記取付壁部の少なくとも1つに乗物室内側に向けて突出する検知突部が設けられ、
複数の前記被取付部の少なくとも1つに、前記衝撃吸収部材が正しく取り付けられた場合には前記検知突部と干渉せず、誤って取り付けられた場合に前記検知突部と干渉して前記爪部が前記取付孔の縁部と係止不可能とすることで誤組付けを検知可能とするトリム側検知部が設けられている衝撃吸収部材の誤組付け防止構造。
【請求項2】
前記検知突部は、前記衝撃吸収部材が前記ドアトリムに取り付けられた状態において、前記支持リブの側面と平行に延びるリブ状とされ、
前記トリム側検知部は、前記衝撃吸収部材が前記ドアトリムに誤って取り付けられた場合に前記検知突部と干渉する位置に形成された、前記支持リブと交差する方向に延びるリブ状とされている請求項1に記載の衝撃吸収部材の誤組付け防止構造。
【請求項3】
前記検知突部は、前記衝撃吸収部材が前記ドアトリムに取り付けられた状態において前記支持リブと乗物室内外方向に対向する位置に設けられており、
前記トリム側検知部は前記支持リブであって、前記支持リブのうち、前記衝撃吸収部材が正しく取り付けられた場合に前記検知突部に対応する位置に、前記検知突部を逃がすことが可能な切欠部が形成されている請求項1に記載の衝撃吸収部材の誤組付け防止構造。
【請求項4】
前記切欠部は、前記支持リブのうち前記立上部と反対側の端部に設けられ、
前記検知突部は、前記衝撃吸収部材が前記ドアトリムに正しく取り付けられた状態において前記切欠部と対向する位置に設けられ、前記支持リブの延び方向と交差する方向に延びる干渉部と、干渉部と連なって干渉部の延び方向と交差する方向に延びる補強部とを備える請求項3に記載の衝撃吸収部材の誤組付け防止構造。
【請求項5】
前記支持リブは、前記衝撃吸収部材が前記ドアトリムに取り付けられた状態において前記取付壁部を乗物室内側から支持可能とされている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の衝撃吸収部材の誤組付け防止構造。
【請求項6】
各前記取付壁部の外周縁部に、乗物室内側に向けて立ち上がって前記取付壁部と前記ドアトリムとの間の隙間を塞ぐ周壁が設けられており、前記検知突部の前記取付壁部からの突出寸法は、前記周壁の前記取付壁部からの立ち上がり寸法の同等以下とされている請求項1または請求項2に記載の衝撃吸収部材の誤組付け防止構造。
【請求項7】
前記取付孔は、前記取付壁部の板面を貫通する貫通孔と、前記貫通孔の孔縁部の一部から乗物室外側に立ち上がる弾性変形可能な係止片と、前記貫通孔の孔縁部のうち前記係止片が設けられていない部分から立ち上がる支持壁と、を備えて構成されており、
前記爪部は、前記係止片の先端部に係止されている請求項1または請求項2に記載の衝撃吸収部材の誤組付け防止構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、衝撃吸収部材の誤組付け防止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車両等の乗物用ドアに設けられる衝撃吸収部材として、下記特許文献1に記載のものが知られている。このものは、車両用パネルに対して対向配置される対向壁部を備えており、対向壁部から車両用内装材であるドアトリムに向けて複数の脚部が延びるとともに、脚部の先端に設けられた取付部がドアトリムに設けられた取付ボス(樹脂ボス)等に取り付けられることにより、ドアトリムに対して固定されている。車両の側突時には、対向壁部が車室内側に押圧されることで脚部が座屈変形し、衝撃を吸収することが可能となっている。また、取付部の位置ずれを抑制するために、ドアトリムのうち取付部が配置される部分の外周に、板面から突出するストッパが設けられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-191655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような衝撃吸収部材は車両の左右両側のドアにそれぞれ設けられ、互いに対称とされた鏡面構造を有している。一方、衝撃吸収部材をドアトリムに対して固定するための製造ラインは、その製造コストの事情により、左右を分けずに共用する場合がある。この場合、誤って左右を取り違えて衝撃吸収部材を反対側のドアトリムに取り付ける虞があり、このように衝撃吸収部材の誤組付けが生じると、車両の側突時に十分な衝撃吸収力が得られない場合がある。
【0005】
本明細書に開示される技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、互いに対向する左右の乗物用ドアにそれぞれ取り付けられる、互いに対称とされた鏡面構造を有する2つの衝撃吸収部材の誤組付け防止構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される技術は、乗物の左右両側方に設けられて互いに対向する2つの乗物用ドアの乗物室内面を構成する各ドアトリムにおいて、それらの乗物室外面にそれぞれ取り付けられる2つの衝撃吸収部材の誤組付け防止構造であって、2つの前記衝撃吸収部材は互いに対称な鏡面構造とされ、各前記衝撃吸収部材は、前記ドアトリムの乗物室外面と対向配置される対向壁部と、前記対向壁部から乗物室内側に向けて延びる複数の脚部と、各前記脚部の先端側に設けられて前記ドアトリムの乗物室外面に取り付けるための取付部と、を備え、前記取付部は、前記ドアトリムの乗物室外面と対向配置される取付壁部と、前記取付壁部を貫通する取付孔とを備えて構成されており、前記ドアトリムは、その乗物室外面から立ち上がる立上部と、前記立上部の先端側に設けられ、前記取付孔の縁部に係止する爪部と、前記立上部の基端側において前記立上部の立ち上がり状態を支持する支持リブと、を有する複数の被取付部を備え、複数の前記取付壁部の少なくとも1つに乗物室内側に向けて突出する検知突部が設けられ、複数の前記被取付部の少なくとも1つに、前記衝撃吸収部材が正しく取り付けられた場合には前記検知突部と干渉せず、誤って取り付けられた場合に前記検知突部と干渉して前記爪部が前記取付孔の縁部と係止不可能とすることで誤組付けが検知可能なトリム側検知部が設けられている。
【0007】
上記構成によれば、ドアトリムに対して鏡面構造を有する左右の衝撃吸収部材を誤って取り付けようとした場合には、検知突部とトリム側検知部とが干渉し、ドアトリム側の爪部が取付孔の縁部に係止できないから、作業者は誤組付けを認識することができる。つまり、左右の衝撃吸収部材が誤って反対側のドアトリムに対して取り付けられることが回避される。また、検知突部を取付壁部の乗物室内面に設ける構成とすることにより、取付壁部の板面に沿った方向に突出する検知用の突部を設ける構成と比較して、見映えや取り付け時の設計上の自由度が向上するとともに、部品搬送時に検知突部が折れ難い。
【0008】
前記検知突部は、前記衝撃吸収部材が前記ドアトリムに取り付けられた状態において、前記支持リブの側面と平行に延びるリブ状とされ、前記トリム側検知部は、前記支持リブと交差する方向に延びるリブ状とされ、前記衝撃吸収部材が前記ドアトリムに誤って取り付けられた場合に前記検知突部と干渉する位置に形成されていてもよい。
【0009】
あるいは、前記検知突部は、前記衝撃吸収部材が前記ドアトリムに取り付けられた状態において前記支持リブと乗物室内外方向に対向する位置に設けられており、前記トリム側検知部は前記支持リブであって、前記支持リブのうち、前記衝撃吸収部材が正しく取り付けられた場合に前記検知突部に対応する位置に、前記検知突部を逃がすことが可能な切欠部が形成されていてもよい。
【0010】
また、前記切欠部は、前記支持リブのうち前記立上部と反対側の端部に設けられ、前記検知突部は、前記衝撃吸収部材が前記ドアトリムに正しく取り付けられた状態において前記切欠部と対向する位置に設けられ、前記支持リブの延び方向と交差する方向に延びる干渉部と、干渉部と連なって干渉部の延び方向と交差する方向に延びる補強部とを備えていてもよい。上記構成によれば、検知突部の強度を向上させることができる。
【0011】
前記支持リブは、前記衝撃吸収部材が前記ドアトリムに取り付けられた状態において前記取付壁部を乗物室内側から支持可能とされていてもよい。上記構成によれば、トリム側検知部を設ける際に支持リブをより利用し易くなる。
【0012】
各前記取付壁部の外周縁部に、乗物室内側に向けて立ち上がって前記取付壁部と前記ドアトリムとの間の隙間を塞ぐ周壁が設けられており、前記検知突部の前記取付壁部からの突出寸法は、前記周壁の前記取付壁部からの立ち上がり寸法の同等以下とされていてもよい。
【0013】
上記構成によれば、検知突部は周壁の内側に配置されるから、部品搬送時等に検知突部に折れを生じ難くすることができる。
【0014】
前記取付孔は、前記取付壁部の板面を貫通する貫通孔と、前記貫通孔の孔縁部の一部から乗物室外側に立ち上がる弾性変形可能な係止片と、前記貫通孔の孔縁部のうち前記係止片が設けられていない部分から立ち上がる支持壁と、を備えて構成されており、前記爪部は、前記係止片の先端部に係止されてもよい。
【0015】
上記構成によれば、省スペースで挿入力が低く、抜き去り力が高い係止構造とすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本明細書に開示される技術によれば、互いに対向する左右の乗物用ドアにそれぞれ取り付けられる、互いに対称とされた鏡面構造を有する2つの衝撃吸収部材の誤組付け防止構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】車両の右側のサイドドアを車室内側から視た模式図
図2】実施形態1の衝撃吸収部材をドアトリムの車室外面に取り付けた状態の斜視図
図3】衝撃吸収部材をドアトリムの車室外面に取り付けた状態を車室外側から視た図
図4】衝撃吸収部材を取り付け面側(車室内側)から視た図
図5】衝撃吸収部材を取り付ける前のドアトリムの車室外面の斜視図
図6図3のI-I断面図
図7図6のII-II断面図
図8】誤った衝撃吸収部材をドアトリムに取り付けようとした状態を車室外側から視た図
図9図8のIII-III断面図
図10】実施形態2の衝撃吸収部材をドアトリムの車室外面に取り付けた状態を車室外側から視た図
図11】衝撃吸収部材を取り付け面側(車室内側)から視た図
図12】衝撃吸収部材を取り付ける前のドアトリムの車室外面の斜視図
図13図10のIV-IV断面図
図14図13のV-V断面図
図15】誤った衝撃吸収部材をドアトリムに取り付けようとした状態の衝撃吸収部材を車室外側から視た図
図16図15のVI-VI断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態1>
実施形態1を図1から図9に基づいて説明する。本実施形態では、車両(乗物の一例)のサイドドア11が備えるドアトリム20に対する衝撃吸収部材30の誤組付け防止構造1について例示する。なお、各図に示した矢印FR及びRRの方向はそれぞれ前方(車両進行方向)及び後方を示し、矢印IN及びOUTの方向はそれぞれ車室内側及び車室外側の方向を示し、矢印UP及びDWの方向はそれぞれ上方及び下方を示す。また、複数の同一部位については、一の部位に符号を付し、他の部位については符号を省略することがある。
【0019】
図1は、車両における右側のサイドドア11を車室内側から視た図である。本実施形態のサイドドア11は、車両に配された座席の右側に位置するドアとされる。以下の説明では、車両の進行方向右側(運転席側)の構成について説明するが、左側(助手席側)においては、右側と対称形である鏡面構造とされているものとする。
【0020】
サイドドア11は、ドアパネルの車室内側をドアトリム20で覆って構成されている。図1に示すように、ドアトリム20は、ドアパネルと対向配置されるトリムボード12を主体とし、車室内側に膨出した形状であるアームレスト13や、サイドドア11を開閉する際に用いるインサイドハンドル14、スピーカーグリル15、および、ドアポケット16等の各種機能部品を含んで構成されている。
【0021】
トリムボード12は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂材料によって構成されている。なお、トリムボード12の材質は合成樹脂材料に限定されず、例えば、木質系材料と合成樹脂材料を混合したものを用いてもよい。
【0022】
ドアトリム20(トリムボード12)の車室外面20Aには、右ドア用の衝撃吸収部材30Rが取り付けられている。衝撃吸収部材30Rは、図1に示すように、車両シート(図示せず)に着座した乗員の腰部に対向する箇所に配されている。より詳細には、衝撃吸収部材30Rは、アームレスト13の下方であって、ドアポケット16の後方に配されている。衝撃吸収部材30Rは合成樹脂(例えばポリプロピレン等)製とされるが、その材質は適宜変更可能である。
【0023】
図2は、ドアトリム20に取り付けられた衝撃吸収部材30Rをドアトリム20の車室外面20A側から視た斜視図である。衝撃吸収部材30Rは、図2から図4に示すように、ドアトリム20ひいてはドアパネルと対向配置され、車室内外方向から視て方形の角部を切り欠いた十字形状をなす板状の対向壁部31と、対向壁部31の4つのL字形状をなす側縁部から車室内側(ドアトリム20側)に延びる4本の脚部33と、各脚部33の先端側にそれぞれ設けられ、ドアトリム20(トリムボード12)への取り付けに用いられる4つの取付部35と、を備えている。対向壁部31の乗物室外面には、衝撃吸収部材30Rのドアトリム20に対する取付け向きを合わせるための矢印32が設けられている。
【0024】
より詳細には、各脚部33は、対向壁部31の4つのL字形状の側縁部から、対向壁部31の板面と交差する方向(車室内側)に延びる断面L字形状をなしている。これら4本の脚部33は、対向壁部31からの立ち上がり方向における先端側(車室内側)がやや外側に開くように、対向壁部31の板面から径方向の外側にやや傾斜して立ち上がっている。4つの脚部33の対向壁部31からの立ち上がり寸法は、すべて同寸法とされている。また互いに隣り合う脚部33の間は、対向壁部31から連なるアーチ状の連結部34により連結されている。
【0025】
取付部35は、各脚部33の先端側(車室内側)においてL字形状に配された部分の内側を架け渡す矩形の板状の取付壁部36を有する。各取付壁部36には、その板面を貫通する貫通孔38が形成されている。各貫通孔38は略長方形状をなす長孔状とされている。4つの貫通孔38は、例えば図4に示すように、車両室内外方向から視て扁平な菱形の辺上に配置されるように、互いに傾斜した状態で並んでいる。
【0026】
各貫通孔38のうち、車両室内外方向から視て対向壁部31の径方向の外側に配置される1つの長尺な孔縁部には、対向壁部31側(車室外側)に向けてやや斜め内側に立ち上がる板状の係止片39が形成されている。係止片39は弾性変形可能とされている。また各貫通孔38のうち、係止片39が設けられた1つの孔縁部以外の3つの孔縁部には、貫通孔38を囲むように対向壁部31側に向けて平面視コ字形状に立ち上がる支持片(支持壁の一例)40が形成されている。係止片39と支持片40とは、スリット41により分割されている。これらの貫通孔38、係止片39、支持片40により構成される部分は、後述する被取付部21を受容するための略筒型の取付孔部37とされる。
【0027】
各取付壁部36の外周縁部には、対向壁部31の反対側(車室内側)に向けて立ち上がる周壁42が形成されている。ドアトリム20は全体的に湾曲しており、衝撃吸収部材30Rをドアトリム20に取り付けた際に、4つの各取付部35の取付位置によってドアトリム20と取付壁部36との間の隙間の寸法に差が生じるため、各周壁42は、それぞれの取付壁部36とドアトリム20の車室外面20Aとの間の隙間を埋める個別の寸法に設定されている。取付壁部36は、周壁42によりドアトリム20の車室外面20Aから離れた位置に配置されると言うこともできる。また、各取付部35の周壁42が個別の寸法とされることにより、対向壁部31がドアトリム20の車室外面20Aに対して略平行に配置されると言うこともできる。ひいては、対向壁部31がドアパネルに対して略平行に配置されると言うこともできる。
【0028】
本実施形態において、4つの取付壁部36のうちの1つであって、サイドドア11の前方かつ上方(図3の右上、図4の右下)に配置される取付壁部36の車室内面36B(対向壁部31と反対側に配置される面)には、取付部側検知リブ(検知突部の一例)43が設けられている。取付部側検知リブ43は、貫通孔38の2つの長尺な孔縁部のうち対向壁部31の径方向の内側に配される孔縁部から、当該孔縁部の延び方向と交差する方向、すなわち、径方向の内側に向けて直線状に延びて、上述した周壁42と一体に連なっている(図4参照)。取付部側検知リブ43の取付壁部36からの突出寸法は、周壁42の取付壁部36からの立ち上がり寸法と同等以下とされている。この取付部側検知リブ43の機能については、後に詳しく説明する。
【0029】
一方、ドアトリム20(トリムボード12)は、図5に示すように、その車室外面20Aにおいて、車室外側に突出する4つの被取付部21を備える。各被取付部21は、ドアトリム20の車室外面20Aから立ち上がって上述した取付孔部37(貫通孔38)に挿通される板状の立上部22と、立上部22の先端部において、4つの被取付部21の並び方向の外周側に向けて突出して設けられ、上述した取付孔部37の係止片39の先端部に係止する爪部23と、立上部22の基端部において立上部22の板面と交差する方向に延びて当該立上部22の立ち上がり状態を支持する支持リブ24と、を備えて構成されている。4つの被取付部21は、図5に示すように、衝撃吸収部材30Rを取り付ける際に上述した4つの取付孔部37(貫通孔38)に対応するべく、立上部22の板面が車室内外方向から視て扁平な菱形の辺上に配置されている(図3参照)。
【0030】
支持リブ24は、図5に示すように、4つの立上部22の並び方向の外周側に配置される4つの外側支持リブ24Aと、内側に配置される2つの内側支持リブ24Bとを備えている。外側支持リブ24Aは、略三角形の板状をなして立上部22から平面視放射状に延びている。一方、2つの内側支持リブ24Bは略矩形の板状をなして、4つの立上部22の並び方向の内周側の板面と交差する方向に延びている。これら内側支持リブ24Bのドアトリム20の車室外面20Aからの立ち上がり寸法は、衝撃吸収部材30Rがドアトリム20に取り付けられた状態において、衝撃吸収部材30Rの取付壁部36の車室内面を支持可能な寸法に設定されている(図6参照)。
【0031】
さらに本実施形態において、4つの被取付部21のうちの1つ、具体的には車両後方かつ上方(図5の左上に配置される被取付部21)に設けられた2つの内側支持リブ24Bの一方に、車室内外視において当該内側支持リブ24Bの延び方向と交差する方向であって、内側支持リブ24BからT字状に延びるトリム側検知リブ(トリム側検知部の一例)25が設けられている(図3および図5参照)。トリム側検知リブ25は、一の被取付部21の一方の内側支持リブ24Bのうち他方の内側支持リブ24Bと対向する面と反対側の面に一体に設けられている。このトリム側検知リブ25のドアトリム20からの突出寸法は、内側支持リブ24Bのドアトリム20からの突出寸法と同等とされている。
【0032】
このトリム側検知リブ25は、右側のドアトリム20に対して正しい右用の衝撃吸収部材30Rが取り付けられた場合には取付部側検知リブ43と干渉せず、左用の誤った衝撃吸収部材30Lが取り付けられた場合に衝撃吸収部材30Lのトリム側検知リブ25が配置される位置に形成されている(図8参照)。
【0033】
衝撃吸収部材30Rをドアトリム20(トリムボード12)に取り付ける際は、まず、衝撃吸収部材30Rを脚部33側からドアトリム20の車室外面20Aに近付け、ドアトリム20の被取付部21に取付部35を取り付ける。具体的には、対向壁部31の矢印32が前方を指すように衝撃吸収部材30Rのドアトリム20に対する向きを合わせ、取付壁部36の貫通孔38を立上部22に近づけて取付孔部37に立上部22を挿通させるとともに、係止片39の先端部に爪部23を係止させる。
【0034】
この取り付け作業時、係止片39は、爪部23が車室内側から押し当てられることにより、支持片40から離れる方向に弾性変形する。そして立上部22が取付孔部37の奥方まで挿入されて爪部23が係止片39を越えると、係止片39は弾性変形が解除されて元の位置に戻るため、爪部23が係止片39の先端面に係止される。これにより、取付孔部37から爪部23を引き抜くことが困難となる。
【0035】
この取り付け状態において、被取付部21の内側支持リブ24Bの突出端面24B1は、取付壁部36の車室内面36Bを車室内側から支持している(図6参照)。また、ドアトリム20の車室外面20Aと取付壁部36との間は、周壁42により塞がれている。
【0036】
また、上述した取付部側検知リブ43は、図3に示すように、車両前方かつ上方に配された取付壁部36に設けられており、図7に示すように、内側支持リブ24Bの側面24B2と平行に配された状態とされ、内側支持リブ24Bとは干渉しない。従って、衝撃吸収部材30Rをドアトリム20に対して正規の姿勢で取り付けることができる。
【0037】
一方、右側の衝撃吸収部材30Rと鏡面構造とされた左側の衝撃吸収部材30Lを誤って右側のドアトリム20に取り付けようとした場合は、以下の状態となる。左側の衝撃吸収部材30Lを取り付けようとすると、図8に示すように、取付部側検知リブ43が設けられた取付部35(取付壁部36)は、トリム側検知リブ25が設けられた車両後方かつ上方の被取付部21に配置される。
【0038】
従って、この状態で取付壁部36の取付孔部37に立上部22を挿通させようとすると、図9に示すように、取付部側検知リブ43がトリム側検知リブ25と干渉することとなり、被取付部21の爪部23を取付孔部37の奥方まで、すなわち、係止片39の先端を乗り越える位置まで挿通させることができない。つまり、左側の衝撃吸収部材30Lを右側のドアトリム20に対して取り付けることができず、もって作業者は、誤った衝撃吸収部材30Lを取り付けようとしていたことを認識することができる。
【0039】
このような検知機構を、作業者が目視可能な取付部35の外周部に設ける構成も考えられる。しかし、例えば取付部35の外周部に突出する形で、誤組付けの際に互いに干渉する検知部を設ける構成とした場合、ドアトリム20のうち取付部35が配置される部分の周囲に検知部を設けるためのスペースを確保しなければならないため、周辺部品の配置や設計に影響を及ぼしたり、衝撃吸収部材30自体の大型化、見た目の悪化に繋がる。また、取付部35(周壁42)の外周部に突出する形状の検知部は、部品搬送時等に検知部に折れが生じ易く、そのような折れが生じた場合、検知部としての機能を果たせなくなる。つまり、作業者が気づかないまま誤組付けが行われ、品質不良の製品が供給される虞がある。
【0040】
これに対して本実施形態の取付部側検知リブ43は、取付壁部36の車室内面36B側に設けられ、しかも、周壁42の内側に配置される構成とされているから、衝撃吸収部材30の搬送時に折れが生じ難く、また、ドアトリム20に取り付けた際にも取付部35の外側に突出しない構成とされているから、周辺部品の配置や設計に影響を及ぼすことがない。
【0041】
次に、本実施形態に係る構成の作用及び効果について説明する。本実施形態は、車両の左右両側方に設けられて互いに対向する2つのサイドドア11の車室内面を構成する各ドアトリム20において、それらの車室外面20Aにそれぞれ取り付けられる2つの衝撃吸収部材30R、30Lの誤組付け防止構造であって、2つの衝撃吸収部材30R、30Lは互いに対称な鏡面構造とされ、各衝撃吸収部材30R、30Lは、ドアトリム20の車室外面20Aと対向配置される対向壁部31と、対向壁部31から車室内側に向けて延びる複数の脚部33と、各脚部33の先端側に設けられてドアトリム20の車室外面20Aに取り付けるための取付部35と、を備え、取付部35は、ドアトリム20の車室外面20Aと対向配置される取付壁部36と、取付壁部36を貫通する取付孔部37(貫通孔38)とを備えて構成されており、ドアトリム20は、その車室外面20Aから立ち上がる立上部22と、立上部22の先端側に設けられ、取付孔部37の縁部(係止片39の先端)に係止する爪部23と、立上部22の基端側において立上部22の立ち上がり状態を支持する支持リブ24と、を有する複数の被取付部21を備え、複数の取付壁部36の1つに車室内側に向けて突出する取付部側検知リブ43が設けられ、複数の被取付部21の1つに、左右の衝撃吸収部材30が正しく取り付けられた場合には取付部側検知リブ43と干渉せず、誤って取り付けられた場合に取付部側検知リブ43と干渉して爪部23が取付孔部37の縁部(係止片39の先端部)と係止不可能とすることで誤組付けが検知可能なトリム側検知リブ25が設けられている。
【0042】
上記構成によれば、ドアトリム20に対して鏡面構造を有する左右の衝撃吸収部材30を誤って取り付けようとした場合には、取付部側検知リブ43とトリム側検知リブ25とが干渉して取付壁部36をドアトリム20に対して所定の位置まで近づけることができず、もって、ドアトリム20側の爪部23が取付孔部37の縁部(係止片39の先端部)に係止できないから、作業者は誤組付けを認識することができる。つまり、左右の衝撃吸収部材30が誤って反対側のドアトリム20に対して取り付けられることが回避される。また、取付部側検知リブ43を取付壁部36の車室内面36Bに設ける構成とすることにより、取付壁部36の板面に沿った方向に突出する検知用の突部を設ける構成と比較して、見映えや取り付け時の設計上の自由度が向上するとともに、部品搬送時に検知突部が折れ難い。
【0043】
また、取付部側検知リブ43は、衝撃吸収部材30がドアトリム20に取り付けられた状態において、内側支持リブ24Bの側面24B2と平行に延びるリブ状とされ、トリム側検知リブ25は、内側支持リブ24Bと交差する方向に延びるリブ状とされ、衝撃吸収部材30がドアトリム20に誤って取り付けられた場合に取付部側検知リブ43と干渉する位置に形成されている。
【0044】
また、内側支持リブ24Bは、衝撃吸収部材30がドアトリム20に取り付けられた状態において取付壁部36を車室内側から支持可能とされている。このような構成によれば、トリム側検知リブ25を設ける際に支持リブ24をより利用し易くなる。
【0045】
また、各取付壁部36の外周縁部に、車室内側に向けて立ち上がって取付壁部26とドアトリム20との間の隙間を塞ぐ周壁42が設けられており、取付部側検知リブ43の取付壁部36からの突出寸法は、周壁42の取付壁部36からの立ち上がり寸法の同等以下とされている。
【0046】
上記構成によれば、取付部側検知リブ43は周壁42の内側に配置されるから、部品搬送時等に取付部側検知リブ43に折れを生じ難くすることができる。
【0047】
また、取付孔部37は、取付壁部36の板面を貫通する貫通孔38と、貫通孔38の孔縁部の一部から車室外側に立ち上がる弾性変形可能な係止片39と、貫通孔38の孔縁部のうち係止片39が設けられていない部分から立ち上がる支持片40と、を備えて構成されており、爪部23は、係止片39の先端部に係止されるようになっている。
【0048】
上記構成によれば、省スペースで挿入力が低く、抜き去り力が高い係止構造とすることができる。
【0049】
<実施形態2>
次に、実施形態2を図10から図16によって説明する。なお、以下においては実施形態1と異なる構成についてのみ説明するものとし、実施形態1と同様の構成には同一符号を付すこととし、重複する説明を省略する。
【0050】
本実施形態の衝撃吸収部材の誤組付け防止構造2は、衝撃吸収部材130Rに設けられる検知突部(実施形態1の取付部側検知リブ43)143と、ドアトリム120に設けられるトリム側検知部(実施形態1のトリム側検知リブ25)の構成が上記実施形態1と相違している。
【0051】
まず、トリム側検知部について説明する。本実施形態では、トリム側検知部として内側支持リブ124Bを利用している。内側支持リブ124Bは、上記実施形態1と同様に矩形の板状をなしており、そのドアトリム20からの突出端面124B1が、車室内側から取付壁部36を支持可能としている。
【0052】
図12に示すように、ドアトリム120の車室外面120Aに設けられた4つの被取付部121のうち、車両前方かつ上方に設けられた被取付部121(図12の右上)の2つの内側支持リブ124Bの一方には、切欠部125が設けられている。切欠部125は、内側支持リブ124Bのうち立上部22の反対側に配された先端側の角部(図12の下方の角部)をL字形状に切り欠いた構成とされている(図13参照)。
【0053】
一方、取付部側検知リブ143は、4つの取付壁部36のうち1の取付壁部36の車室内面に設けられており、衝撃吸収部材130Rが正しく取り付けられた場合に、図14に示すように、内側支持リブ124Bの切欠部125に対応する位置において内側支持リブ124Bの延び方向と交差する方向に延びるリブ状の干渉部144と、干渉部144と交差する方向かつ立上部22と反対側に向けて延びて干渉部144とT字形状に連なるとともに周壁42と連なる補強部145とから構成されている。
【0054】
この取付部側検知リブ143の取付壁部36からの突出寸法は、正しい衝撃吸収部材130Rが被取付部121に取り付けられた状態において、当該取付部側検知リブ143が切欠部125によって逃がされ、内側支持リブ124Bと干渉しない寸法とされている。また、この取付部側検知リブ143の取付壁部36からの突出寸法は、上記実施形態1と同様に、周壁42の取付壁部36からの立ち上がり寸法と同等以下とされている。
【0055】
このような衝撃吸収部材130Rをドアトリム120(トリムボード12)に取り付ける際は、まず、衝撃吸収部材130Rを脚部33側からドアトリム120の車室外面120Aに近付け、ドアトリム120の被取付部121に取付部35を取り付ける。具体的には、対向壁部31の矢印32が前方を指すように衝撃吸収部材130Rのドアトリム120に対する向きを合わせ、取付壁部36の貫通孔38を立上部22に近づけて取付孔部37に立上部22を挿通させるとともに、係止片39の先端部に爪部23を係止させる。
【0056】
この取付け時、上述した取付部側検知リブ143は、車両前方かつ上方に配された取付壁部36に設けられており、同位置に配置された内側支持リブ124Bの切欠部125により逃がされるようになっているから、内側支持リブ124Bと干渉しない。つまり、衝撃吸収部材130Rをドアトリム120に対して正しい姿勢で取り付けることができる。
【0057】
一方、右側の衝撃吸収部材130Rと鏡面構造とされた左側の衝撃吸収部材130Lを誤って右側のドアトリム120に取り付けようとした場合は、以下の状態となる。左側の衝撃吸収部材130Lを取り付けようとすると、取付部側検知リブ143が設けられた取付部35(取付壁部36)は、切欠部125が設けられていない内側支持リブ24Bと対向配置される。従って、この状態で取付壁部36の取付孔部37に立上部22を挿通させると、取付部側検知リブ143が内側支持リブ24Bと干渉することとなり、被取付部21の爪部23を取付孔部37の奥方まで、すなわち、係止片39の先端を乗り越える位置まで挿通させることができない。つまり、左側の衝撃吸収部材130Lを右側のドアトリム120に対して取り付けることができず、もって作業者は、誤った衝撃吸収部材130Lを取り付けようとしていたことを認識することができる。
【0058】
本実施形態の衝撃吸収部材130の誤組付け防止構造2は、取付部側検知リブ143は、衝撃吸収部材130Rがドアトリム120に取り付けられた状態において内側支持リブ124Bと車室内外方向に対向する位置に設けられており、内側支持リブ124Bがトリム側検知部とされ、内側支持リブ124Bのうち、衝撃吸収部材130Rが正しく取り付けられた場合に取付部側検知リブ143に対応する位置に、取付部側検知リブ143を逃がすことが可能な切欠部125が形成されている。
【0059】
また、切欠部125は、内側支持リブ124Bのうち立上部22と反対側の端部に設けられ、取付部側検知リブ143は、衝撃吸収部材130Rがドアトリム120に正しく取り付けられた状態において切欠部125と対向する位置に設けられ、内側支持リブ124Bの延び方向と交差する方向に延びる干渉部144と、干渉部144と連なって干渉部144の延び方向と交差する方向に延びる補強部145とを備えている。上記構成によれば、取付部側検知リブ143の強度を向上させることができる。
【0060】
<他の実施形態>
本明細書に開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0061】
(1)検知突部とトリム側検知部とを干渉させる構成は上記実施形態に限るものでなく、配置や形状、数は、適宜変更することができる。
【0062】
(2)上記実施形態では、衝撃吸収部材30、130の取付部35に設けた取付孔部37の係止片39にドアトリム20、120の被取付部21、121の爪部23を係止させることにより、衝撃吸収部材30、130をドアトリム20、120に対して取り付ける形態を示したが、取付構造は上記実施形態に限るものでない。例えばボルト締結や、被取付部21の立上部22の先端の爪部23を設けず、立上部22を取付孔部37に挿通させた後、取付孔部37から突出した立上部22を超音波または高周波等による熱カシメ加工を行うこと等により取り付ける形態としてもよい。
【0063】
(3)上記実施形態では、誤組付け防止構造1、2として車両用のドアトリム20、120に対する衝撃吸収部材30、130の取付構造を例示したが、本明細書に開示される技術は車両用のドアトリムに限らず、鉄道、遊具等の乗物において、種々変更して適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1、2:誤組付け防止構造、10:車両(乗物)、20、120:ドアトリム、20A、120A:車室外面、21、121:被取付部、22:立上部、23:爪部、24B:内側支持リブ(支持リブ)、25:トリム側検知リブ(トリム側検知部)、26:取付壁部、30、130:衝撃吸収部材、31:対向壁部、33:脚部、35:取付部、36:取付壁部、37:取付孔部、38:貫通孔、39:係止片、40:支持片(支持壁)、41:スリット、42:周壁、43、143:取付部側検知リブ(検知突部)、125:切欠部(トリム側検知部)、144:干渉部、145:補強部
図1
図2
図3
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図16