(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001666
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】表示装置および表示方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/431 20110101AFI20231227BHJP
H04N 21/44 20110101ALI20231227BHJP
H04N 5/66 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
H04N21/431
H04N21/44
H04N5/66 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100476
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機・ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100155608
【弁理士】
【氏名又は名称】大日方 崇
(72)【発明者】
【氏名】森田 好美
(72)【発明者】
【氏名】片木 章
【テーマコード(参考)】
5C058
5C164
【Fターム(参考)】
5C058BA35
5C164FA04
5C164GA05
5C164MA06S
5C164PA31
5C164UB01P
5C164UB82P
5C164UB88P
(57)【要約】
【課題】画像判別にかかる処理の遅延を抑制しながら情報画像を視認しやすくすることが可能な表示装置および表示方法を提供する。
【解決手段】この表示装置100は、受信部1と、表示部4と、制御部2とを備え、制御部2は、メインチャンネルにおける第1画質の放送による放送番組の受信中に、放送番組の第1全体画像10のうち情報画像30が配置される第1部分画像領域11を特定し、放送番組が、メインチャンネルにおける第1画質の放送から、サブチャンネルにおける第2画質の放送に変更された場合に、表示部4に表示された放送番組の第2全体画像20のうち、特定した第1部分画像領域11に基づいて第1部分画像領域11の位置に対応する第2部分画像領域21を特定して、第2部分画像領域21の情報画像30の視認性を向上させる処理を行うように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送番組を受信する受信部と、
受信した前記放送番組を表示する表示部と、
前記放送番組の表示画質の調整の制御を行う制御部とを備え、
前記放送番組は、メインチャンネルおよびサブチャンネルを含む特定の周波数帯域を有するチャンネルにおいて放送され、
前記制御部は、
前記メインチャンネルにおける第1画質の放送による前記放送番組の受信中に、前記放送番組の第1全体画像のうち文字画像または図形画像を含む情報画像が配置される第1部分画像領域を特定し、
前記放送番組が、前記メインチャンネルにおける前記第1画質の放送から、前記サブチャンネルにおける前記第1画質よりも画質の低い第2画質の放送に変更された場合に、前記表示部に表示された前記放送番組の第2全体画像のうち、特定した前記第1部分画像領域に基づいて前記第1部分画像領域の位置に対応する第2部分画像領域を特定して、前記第2部分画像領域の前記情報画像の視認性を向上させる処理を行うように構成されている、表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記放送番組が前記第1画質により表示された前記メインチャンネルから前記放送番組が前記第2画質により表示された前記サブチャンネルへのユーザによるチャンネル切り替えが行われたことに基づいて、前記第2部分画像領域における前記情報画像の視認性を向上させる前記処理を行うように構成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、複数の前記第1全体画像における前記情報画像に基づいて、前記第1部分画像領域を特定するように構成されている、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、複数の前記第1全体画像の各々において複数の分割領域に分割するとともに、複数の前記第1全体画像の前記分割領域における前記情報画像に基づいて、前記第1部分画像領域を特定するように構成されている、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、複数の前記第1全体画像の前記分割領域に対して前記情報画像が配置される第1情報画像領域であるか否かを判定するとともに、複数の前記第1全体画像において同一の位置に配置された複数の前記分割領域に対する前記第1情報画像領域の割合が、予め設定された閾値以上である前記分割領域を、前記第1部分画像領域として特定するように構成されている、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2部分画像領域の特定後の所定のタイミングにおいて、複数の前記第2全体画像の前記第2部分画像領域に対して前記情報画像が配置されているか否かを判定するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、複数の前記第2全体画像の前記第2部分画像領域に対して前記情報画像が配置されている第2情報画像領域とは異なる自然画像領域と判定された場合に、前記自然画像領域と判定された前記第2部分画像領域における前記処理を中断するように構成されている、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
メインチャンネルおよびサブチャンネルを含む特定の周波数帯域を有するチャンネルの前記メインチャンネルにおける第1画質の放送による放送番組の受信中に、前記放送番組の第1全体画像のうち文字画像または図形画像を含む情報画像が配置される第1部分画像領域を特定するステップと、
前記放送番組が、前記メインチャンネルにおける前記第1画質の放送から、前記サブチャンネルにおける前記第1画質よりも画質の低い第2画質の放送に変更された場合に、表示された前記放送番組の第2全体画像のうち、特定した前記第1部分画像領域に基づいて前記第1部分画像領域の位置に対応する第2部分画像領域を特定して、前記第2部分画像領域の前記情報画像の視認性を向上させる処理を行うステップとを備える、表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および表示方法に関し、特に、表示画質の調整の制御を行う制御部を備える表示装置および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置における画質補正を行う画質補正装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、表示機器(表示装置)において、同一映像内の自然画像と文字画像とを判別するとともに、画像の種類に応じた画質補正を行う画質補正装置が開示されている。上記特許文献1には、画素と隣接する一つ前の画素との二画素間の輝度変動量を算出するとともに、映像における輝度変動量の累積和に基づいて、同一映像内の自然画像と文字画像とを判別することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には開示されていないが、地上デジタル放送、BSデジタル放送およびCSデジタル放送などのデジタル放送では、スポーツ中継番組など様々なジャンルの番組が放送されている。スポーツ中継番組などは、試合が長引いたことや試合の延長などにより予定された放送時間帯を超えて試合が行われる場合がある。このような場合、予定された放送時間帯以降において、メインチャンネルにて放送されていたスポーツ中継番組が、サブチャンネルに変更されて、延長して放送されることがある。このとき、メインチャンネルでのHD(High Definition:高画質)画像による放送から、サブチャンネルでのSD(Standard Definition:低画質/標準画質)画像による放送に変更される。SD画像への変更により、視認したい文字画像または図形画像を含む情報画像がぼやけた表示となるため、ユーザは情報画像を視認しにくくなる場合がある。
【0006】
上記特許文献1には開示されていないが、サブチャンネルでのSD画像による放送において、上記特許文献1に開示された技術を用いて自然画像と文字画像とを判別して文字画像に対して画質補正を行う場合、所定領域ごとに輝度変動量を算出するとともに輝度変動量を累積した累積和の算出結果を利用して自然画像と文字画像とを判別して画質補正を行うため、算出処理に起因する画像判別にかかる処理の遅延が発生すると考えられる。これらのため、メインチャンネルでのHD画像による放送からサブチャンネルでのSD画像による放送に変更された場合において、画像判別にかかる処理の遅延を抑制しながら情報画像を視認しやすくすることが望まれている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、メインチャンネルでの高画質画像による放送からサブチャンネルでの低画質画像による放送に変更された場合において、画像判別にかかる処理の遅延を抑制しながら情報画像を視認しやすくすることが可能な表示装置および表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による表示装置は、放送番組を受信する受信部と、受信した放送番組を表示する表示部と、放送番組の表示画質の調整の制御を行う制御部とを備え、放送番組は、メインチャンネルおよびサブチャンネルを含む特定の周波数帯域を有するチャンネルにおいて放送され、制御部は、メインチャンネルにおける第1画質の放送による放送番組の受信中に、放送番組の第1全体画像のうち文字画像または図形画像を含む情報画像が配置される第1部分画像領域を特定し、放送番組が、メインチャンネルにおける第1画質の放送から、サブチャンネルにおける第1画質より画質の低い第2画質の放送に変更された場合に、表示部に表示された放送番組の第2全体画像のうち、特定した第1部分画像領域に基づいて第1部分画像領域の位置に対応する第2部分画像領域を特定して、第2部分画像領域の情報画像の視認性を向上させる処理を行うように構成されている。
【0009】
この発明の第1の局面による表示装置では、上記のように構成されていることにより、メインチャンネルでの放送において第1部分画像領域を特定することにより、変更されたサブチャンネルでの放送において、特定した第1部分画像領域に基づいて第1部分画像領域の位置に対応する第2全体画像のうちの第2部分画像領域を特定することができる。そのため、変更されたサブチャンネルでの放送における制御部による第2部分画像領域を特定するための処理を軽減することができるため、サブチャンネルでの放送の視聴において画像判別にかかる処理の遅延を抑制することができる。また、サブチャンネルでの第2画質による放送において、第2部分画像領域の情報画像の視認性を向上させる処理を行うため、第2画質による放送に起因して情報画像がぼやけて表示されることを抑制することができる。そのため、ユーザに対して情報画像を視認しやすくすることができる。これらの理由から、メインチャンネルでの高画質画像(第1画質の画像)による放送からサブチャンネルでの低画質画像(第2画質の画像)による放送に変更された場合において、画像判別にかかる処理の遅延を抑制しながら情報画像を視認しやすくすることができる。
【0010】
この場合、好ましくは、制御部は、放送番組が第1画質により表示されたメインチャンネルから放送番組が第2画質により表示されたサブチャンネルへのユーザによるチャンネル切り替えが行われたことに基づいて、第2部分画像領域における情報画像の視認性を向上させる処理を行うように構成されている。このように構成すれば、第1画質によるメインチャンネルにおいての放送では視認性向上の処理を行わずに、ユーザにより第2画質により表示されたサブチャンネルへチャンネル切り替えが行われたことに基づいて、情報画像の視認性を向上させる処理を行うことができる。
【0011】
この場合、好ましくは、制御部は、複数の第1全体画像における情報画像に基づいて、第1部分画像領域を特定するように構成されている。ここで、複数の第1全体画像に含まれる文字画像または図形画像を含む情報画像は、一定時間表示部に表示されている有用性の高い情報画像であるといえる。したがって、複数の第1全体画像を用いて第1部分画像領域を特定するように構成すれば、一定時間表示部に表示されている有用性の高い情報画像に基づいて、第1部分画像領域を特定することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、制御部は、複数の第1全体画像の各々において複数の分割領域に分割するとともに、複数の第1全体画像の分割領域における情報画像に基づいて、第1部分画像領域を特定するように構成されている。このように構成すれば、複数の第1全体画像の分割領域における情報画像に基づいて第1部分画像領域が特定されるため、視認性向上処理の実行が必要でない分割領域に対する視認性向上処理の実行を抑制することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、制御部は、複数の第1全体画像の分割領域に対して情報画像が配置される第1情報画像領域であるか否かを判定するとともに、複数の第1全体画像において同一の位置に配置された複数の分割領域に対する第1情報画像領域の割合が、予め設定された閾値以上である分割領域を、第1部分画像領域として特定するように構成されている。ここで、第1情報画像領域の割合が予め設定された閾値以上である分割領域に含まれる情報画像は、一定の長時間表示部に表示されている有用性の高い情報画像であるといえる。これに対して、第1情報画像領域の割合が予め設定された閾値未満である分割領域に含まれる情報画像は、表示部に表示されている時間が短い有用性の低い情報画像であるといえる。したがって、第1情報画像領域の割合が予め設定された閾値以上である分割領域を第1部分画像領域として特定するように構成すれば、第1情報画像領域の割合が閾値以上の分割領域である第1部分画像領域に含まれる有用性の高い情報画像に対する視認性向上処理を実行しながら、第1情報画像領域の割合が閾値未満の分割領域に含まれる有用性の低い情報画像に対する視認性向上処理の実行を抑制することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、制御部は、第2部分画像領域の特定後の所定のタイミングにおいて、複数の第2全体画像の第2部分画像領域に対して情報画像が配置されているか否かを判定するように構成されている。このように構成すれば、メインチャンネルでの第1画質による放送において特定された第1部分画像領域に基づく第2部分画像領域に対して、サブチャンネルにおいても情報画像が配置されているか否かについて再度判定することができる。
【0015】
この場合、好ましくは、制御部は、複数の第2全体画像の第2部分画像領域に対して情報画像が配置されている第2情報画像領域とは異なる自然画像領域と判定された場合に、自然画像領域と判定された第2部分画像領域における処理を中断するように構成されている。このように構成すれば、視認性向上処理が不要である、サブチャンネルによる放送により情報画像が配置されている第2情報画像領域とは異なる自然画像領域となった領域に対する視認性向上処理の実行を中断することができる。
【0016】
この発明の第2の局面による表示方法は、メインチャンネルおよびサブチャンネルを含む特定の周波数帯域を有するチャンネルのメインチャンネルにおける第1画質の放送による放送番組の受信中に、放送番組の第1全体画像のうち文字画像または図形画像を含む情報画像が配置される第1部分画像領域を特定するステップと、放送番組が、メインチャンネルにおける第1画質の放送から、サブチャンネルにおける第1画質よりも画質の低い第2画質の放送に変更された場合に、表示された放送番組の第2全体画像のうち、特定した第1部分画像領域に基づいて第1部分画像領域の位置に対応する第2部分画像領域を特定して、第2部分画像領域の情報画像の視認性を向上させる処理を行うステップとを備える。
【0017】
この発明の第2の局面による表示方法では、上記のように構成されていることにより、メインチャンネルでの放送において第1部分画像領域を特定することにより、変更されたサブチャンネルでの放送において、特定した第1部分画像領域に基づいて第1部分画像領域の位置に対応する第2全体画像のうちの第2部分画像領域を特定することができる。そのため、変更されたサブチャンネルでの放送における制御部による第2部分画像領域を特定するための処理を軽減することができるため、サブチャンネルでの放送の視聴において画像判別にかかる処理の遅延を抑制することができる。また、サブチャンネルでの第2画質による放送において、第2部分画像領域の情報画像の視認性を向上させる処理を行うため、第2画質による放送に起因して情報画像がぼやけて表示されることを抑制することができる。そのため、ユーザに対して情報画像を視認しやすくすることができる。これらの理由から、メインチャンネルでの高画質画像(第1画質の画像)による放送からサブチャンネルでの低画質画像(第2画質の画像)による放送に変更された場合において、画像判別にかかる処理の遅延を抑制しながら情報画像を視認しやすくすることが可能な表示方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上記のように、メインチャンネルでの高画質画像による放送からサブチャンネルでの低画質画像による放送に変更された場合において、画像判別にかかる処理の遅延を抑制しながら情報画像を視認しやすくすることが可能な表示装置および表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態による表示装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態による第1部分画像領域の特定を説明するための第1の説明模式図である。
【
図3】一実施形態による第1部分画像領域の特定を説明するための第2の説明模式図である。
【
図4】一実施形態による第1部分画像領域の特定を説明するための第3の説明模式図である。
【
図5】一実施形態による第1部分画像領域の特定を説明するための第4の説明模式図である。
【
図6】一実施形態による第1部分画像領域の特定を説明するための第5の説明模式図である。
【
図7】一実施形態による第1部分画像領域の特定を説明するための第6の説明模式図である。
【
図8】一実施形態による第2部分画像領域の特定および視認性向上処理を説明するための第1の説明模式図である。
【
図9】一実施形態による第2部分画像領域の特定および視認性向上処理を説明するための第2の説明模式図である。
【
図10】一実施形態による第2部分画像領域の特定および視認性向上処理を説明するための第3の説明模式図である。
【
図11】一実施形態による第2部分画像領域の特定および視認性向上処理を説明するための第4の説明模式図である。
【
図12】一実施形態による第2部分画像領域に対する視認性向上処理の中断を説明するための第1の説明模式図である。
【
図13】一実施形態による第2部分画像領域に対する視認性向上処理の中断を説明するための第2の説明模式図である。
【
図14】一実施形態による第2部分画像領域に対する視認性向上処理の中断を説明するための第3の説明模式図である。
【
図15】一実施形態による第2部分画像領域に対する視認性向上処理の中断を説明するための第4の説明模式図である。
【
図16】一実施形態による第2部分画像領域21の視認性向上処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
(表示装置100の構成)
図1を参照して、一実施形態による表示装置100の構成について説明する。
【0022】
図1に示すように、表示装置100は、受信部1と、制御部2と、出力部3と、表示部4と、リモコン受信部5と、記憶部6とを備える。表示装置100は、たとえば、テレビジョン装置である。
【0023】
デジタル放送では、1つの物理チャンネルにおいて、複数の論理チャンネルを放送することができる。たとえば、チャンネルAには、チャンネルA1、チャンネルA2およびチャンネルA3が含まれる。また、放送画像には、副走査1024本のHD画像と、副走査480本のSD画像とがある。たとえば、HD画像による放送番組を放送する場合は、チャンネルを3つまたは2つ占有し、SD画像による放送番組を放送する場合は、チャンネルを1つ占有する。なお、HD画像の放送は、特許請求の範囲の「第1画質の放送」の一例である。また、SD画像の放送は、特許請求の範囲の「第2画質の放送」の一例である。
【0024】
受信部1は、放送局から送信される放送波により配信される放送番組を受信するように構成されている。受信部1には、アンテナ8が接続されている。受信部1は、放送局から放送される放送番組を、アンテナ8を介して受信する。受信部1は、チューナーである。
【0025】
制御部2は、放送番組の表示画質の調整の制御を行うように構成されている。制御部2は、放送番組がメインチャンネルでのHD放送からサブチャンネルでのSD放送に変更された場合に、第2部分画像領域21の情報画像30(
図8参照)の視認性を向上させる処理を行うように構成されている。なお、情報画像30は、後述する情報画像30a、情報画像30bおよび情報画像30cを含む。情報画像30a、情報画像30bおよび情報画像30cを総称して示す場合には、情報画像30という。制御部2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含む。
【0026】
出力部3は、制御部2の制御により、受信した放送波の信号に基づいて、表示部4に画像を表示させるための信号を出力するように構成されている。
【0027】
表示部4は、出力部3から出力された信号に基づいて、画像を表示するように構成されている。表示部4は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイや、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイである。
【0028】
リモコン受信部5は、ユーザからのチャンネル切り替え操作を含む表示装置100に対する入力操作を、リモコン7を介して受け付ける。
【0029】
記憶部6は、第1全体画像10における第1部分画像領域11(
図6参照)が記憶されるように構成されている。また、記憶部6は、制御部2により実行される各種プログラム(不図示)が記憶されるように構成されている。記憶部6は、たとえば、不揮発性のメモリ、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)、または、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive)などを含む。
【0030】
放送番組について説明する。一例として、プロ野球中継番組が、予定された放送時間帯において、チャンネルAにより放送されるとする。チャンネルAは、メインチャンネルである。予定された放送時間帯では、チャンネルのチャンネルA1、チャンネルA2およびチャンネルA3を占有してHD放送が行われる。
【0031】
試合が長引いたことや試合の延長などにより予定された放送時間帯を超えて試合が行われる場合、予定された放送時間帯の終了後において、プロ野球中継番組がメインチャンネルからサブチャンネルに変更されて放送される場合がある。この場合、メインチャンネルでは、プロ野球中継番組とは異なる予定されていた放送番組が、チャンネルA1およびチャンネルA2を占有したHD画像で放送される。また、サブチャンネルでは、プロ野球中継番組が、チャンネルA3を占有したSD画像で放送される。
【0032】
サブチャンネルにおいてプロ野球中継番組が延長して放送される場合、サブチャンネルへのチャンネル切り替え前にメインチャンネルにおいて、メインチャンネルでのプロ野球中継番組の放送終了の告知、サブチャンネルでのプロ野球中継番組の放送開始の告知、および、サブチャンネルへのチャンネル切り替え操作方法の案内が表示される。プロ野球中継番組の視聴を続けたいユーザは、チャンネル切り替え操作方法に従って、サブチャンネルへのチャンネル切り替え操作(リモコン操作)を行う。サブチャンネルへのチャンネル切り替え操作後、ユーザは、サブチャンネルでのSD画像にてプロ野球中継番組を視聴する。
【0033】
制御部2について、詳細に説明する。制御部2は、メインチャンネルにおいて放送番組が視聴されているときに、放送番組の第1全体画像10における第1部分画像領域11(
図7参照)を特定するように構成されている。第1全体画像10は、表示部4に表示されているHD画像全体の画像である。第1全体画像10は、1フレームの画像である。第1部分画像領域11は、第1全体画像10のうち情報画像30が配置されている領域である。なお、「情報画像30が配置されている」とは、「情報画像30が含まれている」ことを意味する。情報画像30は、文字画像または図形画像を含む。制御部2は、複数の第1全体画像10における情報画像30に基づいて、第1部分画像領域11を特定するように構成されている。
【0034】
また、制御部2は、放送番組がメインチャンネルでの放送からサブチャンネルでの放送に変更された場合に、放送番組の第2全体画像20のうち、第2部分画像領域21(
図8参照)を特定するように構成されている。放送番組は、メインチャンネルでのHD画像からサブチャンネルでのSD放送に変更され、放送されている。第2全体画像20は、表示部4に表示されているSD画像全体の画像である。第2全体画像20は、1フレームの画像である。第2部分画像領域21は、第2全体画像20のうち、特定した第1部分画像領域11に基づく第1部分画像領域11の位置に対応する領域である。制御部2は、特定した第2部分画像領域21の情報画像30(
図8参照)の視認性を向上させる処理を行うように構成されている。
【0035】
また、制御部2は、複数の第2全体画像20の各々の第2部分画像領域21(
図12参照)に対して、情報画像30が配置されているか否かを判定するように構成されている。情報画像30が配置されているか否かの判定は、第2部分画像領域21の特定後の所定のタイミングにおいて行われる。制御部2は、情報画像30が配置されているか否かの判定に基づいて、自然画像領域(自然画像よりの画像N)の視認性を向上させる処理を中断するように構成されている。
【0036】
制御部2による、第1部分画像領域11の特定の制御と、第2部分画像領域21の特定および視認性向上処理の制御と、第2部分画像領域21に対する視認性向上処理の中断の制御と、について説明する。
【0037】
(第1部分画像領域11の特定)
制御部2(
図1参照)による第1部分画像領域11の特定の制御について、
図2~
図7を参照して説明する。
【0038】
制御部2は、複数の第1全体画像10の各々において複数の分割領域12(
図3参照)に分割するとともに、複数の第1全体画像10の分割領域12における情報画像30に基づいて、第1部分画像領域11(
図6参照)を特定するように構成されている。詳細には、制御部2は、複数の第1全体画像10の各々の複数の分割領域12に対して情報画像30が配置される第1情報画像領域(情報画像よりの画像M)であるか否かを判定する。本明細書において、「情報画像よりの画像M」とは、画像が、文字画像または図形画像を含む情報画像30であるとみなし得る画像であり、情報画像30に近い画像であることを意味する。なお、「情報画像よりの画像M」は、特許請求の範囲の「第1情報画像領域」の一例である。
【0039】
そして、制御部2は、複数の第1全体画像10において同一の位置に配置された複数の分割領域12に対する第1情報画像領域(情報画像よりの画像M)の割合が、予め設定された閾値以上である分割領域12を、第1部分画像領域11として特定するように構成されている。すなわち、制御部2は、分割領域12に一定の長時間に亘って情報画像30が表示されていると判断した場合にこの分割領域12を第1部分画像領域11として特定し、分割領域12に一定の長時間に亘って情報画像30が表示されていないと判断した場合にこの分割領域12を第1部分画像領域11として特定しないように構成されている。
【0040】
図2には、表示部4において、受信部1(
図1参照)により受信された放送番組が表示されている。放送番組の一例として、プロ野球中継番組が表示部4に表示されている。ユーザ(不図示)は、表示部4に表示されたプロ野球中継番組を視聴している。プロ野球中継番組は、チャンネルAのメインチャンネルにて放送されている。プロ野球中継番組は、HD画像により放送されている。
【0041】
表示部4には、プロ野球中継番組の第1全体画像10が表示されている。また、表示部4には、情報画像30a、情報画像30bおよび情報画像30cが表示されている。なお、情報画像30a、情報画像30bおよび情報画像30cは、分割領域12(
図3参照)に一定の長時間に亘って表示されている画像である。
【0042】
情報画像30aは、スコア、ボールカウント、アウト数およびランナーの有無などに関する情報を表示する画像である。情報画像30bは、現在の投手名、現在の打者名および次の打者名などに関する情報を表示する画像である。
【0043】
また、情報画像30cは、メインチャンネルでのプロ野球中継番組の放送終了の告知、サブチャンネルでのプロ野球中継番組の放送開始の告知、および、サブチャンネルへのチャンネル切り替え操作方法の案内などに関する情報を表示する画像である。図面において、説明の便宜上、情報画像30cを「XXX」と図示している。なお、情報画像30cは、試合の延長などにより予定された放送時間帯の終了後にサブチャンネルにてプロ野球中継番組が放送される場合に、メインチャンネルでの放送終了時刻までの一定時間表示される情報画像30である。
【0044】
また、表示部4には、他の画像31も表示されている。他の画像31は、野球場のバックネット近傍に固定的に設けられた広告などの画像である。固定的に設けられた広告などの他の画像31は、カメラの撮影範囲の変更やカメラの切り替えなどにより、表示部4に一定時間表示されない画像である。そのため、他の画像31は、分割領域12(
図3参照)に一定の長時間に亘って表示されていない画像である。
【0045】
図3に示すように、メインチャンネルでのプロ野球中継番組の放送が表示部4に表示されているときに、制御部2は、複数の第1全体画像10を取得する。
図3は、説明の便宜上、情報画像30a、情報画像30b、情報画像30cおよび他の画像31のみを図示している。制御部2は、一定の時間間隔にて第1全体画像10を取得する。制御部2は、一例として、1分毎に1フレームの第1全体画像10を取得する。なお、制御部2による1フレームの第1全体画像10の取得における時間間隔は、1分毎に限定されない。制御部2による第1全体画像10の取得における時間間隔は、5秒毎でも良いし、30秒毎でも良いし、2分毎でも良い。
【0046】
制御部2は、取得した第1全体画像10を複数の矩形形状の分割領域12に分割する。「複数の分割領域に分割する」とは、その領域の画素の単位をまとまりとして扱うことを意味する。制御部2は、一例として、第1全体画像10を横16×縦9に分割する。第1全体画像10は、144の分割領域12の画像に分割される。第1全体画像10は、一例として、横1920ドット×縦1080ドットの画像である。そのため、1つの分割領域12の画像は、横120ドット×縦120ドットである。制御部2は、取得した複数の第1全体画像10の各々に対して、144の分割領域12の画像に分割する。なお、第1全体画像10の解像度、分割領域12の数および分割領域12の解像度は、特に限定されない。
【0047】
図4に示すように、制御部2は、第1全体画像10の144の分割領域12の画像の各々に対して、情報画像よりの画像Mであるか、自然画像よりの画像Nであるかを判定する。制御部2は、取得した複数の第1全体画像10の各々の144の分割領域12の画像に対して、情報画像よりの画像Mであるか、自然画像よりの画像Nであるかを判定する。本明細書において、「自然画像よりの画像N」とは、画像が、文字画像または図形画像以外の画像であって、試合の風景などが映った画像であるとみなし得る画像であり、文字画像および図形画像以外の自然画像に近い画像であることを意味する。
【0048】
分割領域12の画像が情報画像よりの画像Mであるか自然画像よりの画像Nであるかの判定は、分割領域12の画像における画素間の輝度変動量の総和に基づいて行われる。情報画像30は、情報画像30の境界部分において輝度変化が大きく、かつ、輝度変化の部分も多いので、輝度変動量の総和が大きくなる。これに対して、自然画像は、情報画像30と比べると、輝度変化が小さく、かつ、輝度変化の部分も少ないので、情報画像30と比べると、輝度変動量の総和は小さくなる。そのため、分割領域12の画像における画素間の輝度変動量の総和が閾値を超える場合、この分割領域12の画像は、「情報画像よりの画像M」と判定される。また、この分割領域12の画像における画素間の輝度変動量の総和が閾値以下の場合、この分割領域12の画像は、「自然画像よりの画像N」と判定される。
【0049】
具体的には、制御部2は、分割領域12の画像において、所定の画素の輝度データ値と、この画素の1つ前(左隣)の画素の輝度データ値との差を絶対値として算出し、算出した絶対値を輝度変動量として取得する。たとえば、情報画像30の画素の輝度データ値と、情報画像30の画素の1つ前(左隣)の画素であって、かつ、情報画像30が含まれていない画素の輝度データ値との差分の絶対値は、情報画像30が含まれていない画素同士の輝度データ値の差分の絶対値よりも大きいといえる。制御部2は、分割領域12の画像において、すべての画素毎の輝度変動量を取得する。制御部2は、すべての画素毎の輝度変動量を合計し、1つの分割領域12の画像における輝度変動量の総和を取得する。
【0050】
制御部2は、輝度変動量の総和において、想定最大値の10%を超える場合に「情報画像よりの画像M」と判定し、想定最大値の10%以下の場合に「自然画像よりの画像N」と判定する。想定最大値とは、たとえば、輝度値が256諧調であり、上述したように分割領域12の画像が横120ドット×縦120ドットである場合、想定最大値は3686400(256諧調×横120ドット×縦120ドット)となる。想定最大値の10%を閾値として、輝度変動量の総和が0以上368640以下を「自然画像よりの画像N」と判定し、輝度変動量の総和が368641以上3686400以下を「情報画像よりの画像M」と判定する。なお、想定最大値の閾値は10%に限定されず、適宜設定することができる。
【0051】
制御部2は、第1全体画像10のすべての分割領域12の画像において、情報画像よりの画像Mであるか、自然画像よりの画像Nであるかを判定する。また、制御部2は、複数の第1全体画像10のすべての分割領域12の画像において、「情報画像よりの画像M」であるか、「自然画像よりの画像N」であるかを判定する。
【0052】
制御部2により、分割領域12が、情報画像30a、情報画像30bおよび情報画像30cを含む場合には、輝度変動量の総和が大きいため、「情報画像よりの画像M」であると判定される。また、制御部2により、分割領域12が、他の画像31を含む場合にも、輝度変動量の総和が大きいため、「情報画像よりの画像M」であると判定される。
【0053】
図5に示すように、制御部2は、取得した複数の第1全体画像10において同一の位置に配置された複数の分割領域12毎の「情報画像よりの画像M」の割合を算出する。制御部2は、すべての分割領域12における、同一の位置に配置された分割領域12毎の「情報画像よりの画像M」の割合を算出する。制御部2は、同一の位置に配置された分割領域12毎の「情報画像よりの画像M」の割合が、予め設定された閾値以上である場合に、この分割領域12を特定分割領域13と判定する。制御部2は、たとえば、同一の位置に配置された分割領域12毎の「情報画像よりの画像M」の割合が50%以上である場合に、この分割領域12を特定分割領域13と判定する。なお、
図5において、説明の便宜上、特定分割領域13はハッチングにより示されている。なお、閾値は50%に限定されず、適宜設定することができる。
【0054】
たとえば、取得した複数の第1全体画像10の縦8横15に位置する分割領域12毎の「情報画像よりの画像M」の割合は、50%以上であるとする。すなわち、縦8横15に位置する分割領域12は、一定の長時間に亘って情報画像30aが表示されている分割領域である。この場合、制御部2は、第1全体画像10の縦8横15に位置する分割領域12を、第1全体画像10における特定分割領域13であると判定する。
【0055】
これに対して、取得した複数の第1全体画像10の縦8横4に位置する分割領域12毎の「情報画像よりの画像M」の割合は、50%未満であるとする。すなわち、縦8横4に位置する分割領域12は、一定の長時間に亘って情報画像30aが表示されていない分割領域である。この場合、制御部2は、第1全体画像10の縦8横4位置する分割領域12を、第1全体画像10における特定分割領域13と判定しない。
【0056】
また、取得した複数の第1全体画像10の縦5横5に位置する分割領域12毎の「情報画像よりの画像M」の割合は、50%未満であるとする。すなわち、縦5横5に位置する分割領域12は、カメラの撮影範囲の変更やカメラの切り替えなどにより、一定の長時間に亘って文字画像などが表示されていない分割領域である。この場合、制御部2は、第1全体画像10の縦5横5位置する分割領域12を、第1全体画像10における特定分割領域13と判定しない。
【0057】
制御部2により、情報画像30a、情報画像30bおよび情報画像30cを含む分割領域12は、特定分割領域13であると判定される。また、制御部2により、他の画像31を含む分割領域12は、特定分割領域13であると判定されない。
【0058】
図6に示すように、制御部2は、第1全体画像10において、隣接する特定分割領域13同士を連結する。制御部2は、連結した特定分割領域13が矩形形状に収まる最小の範囲を、第1部分画像領域11として特定する。すなわち、制御部2は、連結した特定分割領域13の外形形状における横方向の最長長さおよび縦方向の最長長さを有する矩形形状を、第1部分画像領域11として特定する。
図6において、説明の便宜上、第1部分画像領域11は黒太線にて囲まれた領域として示されている。なお、連結した特定分割領域13が矩形形状に収まる最小の範囲には、特定分割領域13以外の領域も含まれ得る。
【0059】
制御部2により、情報画像30a、情報画像30bおよび情報画像30cを含む分割領域12は、第1部分画像領域11であると特定される。第1全体画像10において、第1部分画像領域11は3つ含まれる。また、制御部2により、他の画像31を含む分割領域12は、第1部分画像領域11であると特定されない。なお、第1全体画像10における特定された第1部分画像領域11の位置は、記憶部6に記憶される。
【0060】
図7は、第1全体画像10における情報画像30と第1部分画像領域11との位置関係を示す説明図である。
図7において、説明の便宜上、第1部分画像領域11は黒太線にて囲まれた領域として示されている。
【0061】
(第2部分画像領域21の特定および視認性向上処理)
制御部2(
図1参照)による第2部分画像領域21の特定および視認性向上処理の制御について、
図8~
図11を参照して説明する。
【0062】
制御部2は、メインチャンネルにおけるHD画像の放送から、サブチャンネルにおけるSD画像に変更された場合に、表示部4に表示された放送番組の第2全体画像20のうち第2部分画像領域21の情報画像30(
図8参照)の視認性を向上させる処理を行うように構成されている。第2部分画像領域21は、特定した第1部分画像領域11の位置に対応する領域である。すなわち、第2部分画像領域21は、特定した第1部分画像領域11と同一座標に配置されている領域である。制御部2は、メインチャンネルからサブチャンネルへのユーザによるチャンネル切り替え操作(リモコン操作)が行われたことに基づいて、第2部分画像領域21における情報画像30の視認性を向上させる処理を行うように構成されている。
【0063】
図8に示す一例において、表示部4(
図1参照)には、第2全体画像20が表示されている。第2全体画像20には、情報画像30a、情報画像30bおよび他の画像31が含まれている。情報画像30cは、サブチャンネルでのプロ野球中継番組の放送開始の告知やサブチャンネルへのチャンネル切り替え操作方法の案内などに関する情報であるため、サブチャンネルでの放送においては第2全体画像20に含まれていない。なお、サブチャンネルではSD放送であるため、メインチャンネルでのHD放送(
図2参照)と比べて、実際には、情報画像30a、情報画像30bおよび他の画像31がぼやけて表示されている。
【0064】
サブチャンネルでのプロ野球中継番組の放送が表示部4(
図1参照)に表示されているときに、制御部2は、第2全体画像20を取得する。制御部2は、1フレーム毎に第2全体画像20を取得する。制御部2は、取得した第2全体画像20のうち、特定した第1部分画像領域11に基づいて第1部分画像領域11の位置に対応する第2部分画像領域21を特定する。特定した第1部分画像領域11は、記憶部6に記憶されている。制御部2は、メインチャンネルからサブチャンネルへのユーザによるチャンネル切り替えが行われたことに基づいて、第2全体画像20のうち第2部分画像領域21を特定する。
図8において、説明の便宜上、特定した第2部分画像領域21は黒太線にて囲まれた領域として示されている。
【0065】
図9に示すように、制御部2は、取得した第2全体画像20から特定した第2部分画像領域21を抽出する。
【0066】
図10に示すように、制御部2は、抽出した第2部分画像領域21の視認性向上の処理を行う。なお、
図10において、説明の便宜上、視認性向上の処理が行われている領域は、ハッチングにより示されている。また、図示されていないが、抽出した第2部分画像領域21では、実際には、視認性が向上している。
【0067】
ここで、視認性向上の処理について説明する。一般的な表示装置100において、「ブライトネス」、「明るさ」、「コントラスト」、「色の濃さ」、「色合い」、「シャープネス」といった画質調整項目が設けられている。表示装置100において、各画質調整項目における調整値がユーザの好みに応じて設定される機能を有している。たとえば、「シャープネス」は、輪郭の強調感やディテールの再現性を調整するための項目である。「シャープネス」の調整値を増加させると、疑似的に輪郭を強調する調整を行うことができる。たとえば、「シャープネス」の調整値の可変範囲は、0~20である。
【0068】
制御部2は、抽出した第2部分画像領域21に対して、「シャープネス」の調整値を最大値の20に変更する。これにより、抽出した第2部分画像領域21における情報画像30の境界部分を強調することができる。
【0069】
図11に示すように、制御部2は、第2部分画像領域21が抽出された第2全体画像20に対して、「シャープネス」の調整値を、ユーザにより予め設定された調整値または表示装置100において予め設定されている初期調整値とする。
【0070】
そして、制御部2は、「シャープネス」の調整値を最大値に変更した抽出された第2部分画像領域21を、第2部分画像領域21が抽出された第2全体画像20における第2部分画像領域21と差し替えることにより、「シャープネス」の調整値を最大値に変更した抽出された第2部分画像領域21と第2全体画像20とを合成する。制御部2は、取得したフレーム毎に、「シャープネス」の調整値を最大値に変更した抽出された第2部分画像領域21と第2全体画像20とを合成する。なお、
図11において、説明の便宜上、「シャープネス」の調整値を最大値に変更する視認性向上の処理が行われている領域は、ハッチングにより示されている。また、図示されていないが、抽出された第2部分画像領域21では、実際には、視認性が向上している。
【0071】
(第2部分画像領域21に対する視認性向上処理の中断)
制御部2(
図1参照)による第2部分画像領域21に対する視認性向上処理の中断の制御について、
図12~
図15を参照して説明する。
【0072】
制御部2は、第2部分画像領域21の特定後の所定のタイミングにおいて、複数の第2全体画像20の第2部分画像領域21(
図12参照)に対して情報画像30が配置されているか否かを判定するように構成されている。制御部2は、複数の第2全体画像20の第2部分画像領域21に対して情報画像30が配置されている第2情報画像領域(情報画像よりの画像M)とは異なる自然画像領域(自然画像よりの画像N)と判定された場合に、自然画像領域と判定された第2部分画像領域21(
図15参照)における処理を中断するように構成されている。
【0073】
図12に示すように、制御部2は、複数の第2全体画像20を取得する。制御部2は、第2部分画像領域21の特定後に、一定の時間間隔にて複数の第2全体画像20を取得する。制御部2は、一例として、1分毎に1フレームの第2全体画像20を取得する。
【0074】
図13に示すように、制御部2は、取得した複数の第2全体画像20から第2部分画像領域21を抽出する。
【0075】
図14に示すように、制御部2は、抽出した第2部分画像領域21に対して、「情報画像よりの画像M」であるか、「自然画像よりの画像N」であるかを判定する。制御部2は、取得した複数の第2全体画像20の各々において抽出した第2部分画像領域21に対して、「情報画像よりの画像M」であるか、「自然画像よりの画像N」であるかを判定する。第2部分画像領域21に対する情報画像よりの画像Mであるか自然画像よりの画像Nであるかの判定処理は、上述した第1全体画像10の分割領域12に対する情報画像よりの画像Mであるか自然画像よりの画像Nであるかの判定処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。なお、「情報画像よりの画像M」は、特許請求の範囲の「第2情報画像領域」の一例である。「自然画像よりの画像N」は、特許請求の範囲の「自然画像領域」の一例である。
【0076】
図14に示す一例において、制御部2により、情報画像30aに対応する第2部分画像領域21、および、情報画像30bに対応する第2部分画像領域21は、それぞれ、「情報画像よりの画像M」であると判定されている。
【0077】
情報画像30cは、サブチャンネルでのプロ野球中継番組の放送開始の告知やサブチャンネルへのチャンネル切り替え操作方法の案内などに関する情報であるため、サブチャンネルでの放送においては表示部4に表示されない情報画像30である。そのため、制御部2により、情報画像30cに対応する第2部分画像領域21は、「自然画像よりの画像N」であると判定されている。
【0078】
図15に示すように、制御部2は、一定の時間間隔にて取得した複数の第2全体画像20における抽出した第2部分画像領域21に対して、「情報画像よりの画像M」であるか、「自然画像よりの画像N」であるかを判定する。抽出した第2部分画像領域21に対して「自然画像よりの画像N」であるとの判定が一定時間続く場合には、この第2部分画像領域21に対する視認性向上の処理を中断する。
図15に示す一例において、制御部2は、情報画像30cに対応する第2部分画像領域21に対する視認性向上の処理を中断する。なお、一定時間とは、たとえば、10分であり、10フレーム分の第2全体画像20が取得される。なお、
図15において、説明の便宜上、視認性向上の処理が行われている領域は、ハッチングにより示されている。
【0079】
なお、制御部2は、サブチャンネルにおいて放送番組が視聴されている間、第2全体画像20における抽出した第2部分画像領域21に対する「情報画像よりの画像M」であるか「自然画像よりの画像N」であるかの判定を継続して行う。制御部2は、情報画像30cに対応する第2部分画像領域21に対する視認性向上の処理を中断した場合においても、「情報画像よりの画像M」であるか「自然画像よりの画像N」であるかの判定を継続して行う。情報画像30cに対応する第2部分画像領域21に対する視認性向上の処理の中断後に、情報画像30cに対応する第2部分画像領域21に対して「情報画像よりの画像M」であるとの判定が一定時間続く場合には、制御部2は、情報画像30cに対応する第2部分画像領域21に対する視認性向上の処理を再開する。なお、一定時間とは、たとえば、5分であり、5フレーム分の第2全体画像20が取得される。
【0080】
なお、制御部2は、サブチャンネルにおいてプロ野球中継番組が終了した場合に、第2部分画像領域21の情報画像30の視認性を向上させる処理を終了する。サブチャンネルにおけるプロ野球中継番組の終了は、放送局から配信され、受信部1により受信された電子番組情報に基づいて、制御部2により判定される。
【0081】
(視認性向上処理のフロー)
図16を参照して、制御部2による第2部分画像領域21の視認性向上処理について説明する。以下に説明する第2部分画像領域21の視認性向上処理は、メインチャンネルにおけるHD画像による放送番組の視聴開始後、サブチャンネルにおけるSD画像による放送番組に変更される前に開始される。
【0082】
ステップS1において、メインチャンネルにおいてHD画像により放送番組が視聴されているときに、制御部2は、放送番組の第1全体画像10における第1部分画像領域11を特定する。その後、処理はステップS2に進む。
【0083】
ステップS2において、制御部2は、メインチャンネルから同一の放送番組がSD画像により放送されているサブチャンネルへのチャンネル切り替え操作が行われたか否かを判定する。サブチャンネルへのチャンネル切り替え操作が行われたと判定した場合(ステップS2においてYes)、処理はステップS3に進み、サブチャンネルへのチャンネル切り替え操作が行われていないと判定した場合(ステップS2においてNo)、処理はステップS2に進む。
【0084】
ステップS3において、サブチャンネルにおいてSD画像により放送番組が視聴されているときに、制御部2は、特定した第1部分画像領域11に基づいて、放送番組の第2全体画像20における第2部分画像領域21を特定する。その後、処理はステップS4に進む。
【0085】
ステップS4において、制御部2は、特定した第2部分画像領域21における情報画像30の視認性を向上させる処理を行う。具体的には、抽出した第2部分画像領域21に対して、「シャープネス」の調整値を最大値に変更するとともに、「シャープネス」の調整値を最大値に変更した抽出された第2部分画像領域21と第2全体画像20とを合成する。その後、処理はステップS5に進む。
【0086】
ステップS5において、制御部2は、複数の第2全体画像20を取得し、複数の第2全体画像20から第2部分画像領域21を抽出する。その後、処理はステップS6に進む。
【0087】
ステップS6において、制御部2は、抽出した第2部分画像領域21に対して「自然画像よりの画像N」であるとの判定が一定時間続くか否かを判定する。「自然画像よりの画像N」であるとの判定が一定時間続くと判定した場合(ステップS6においてYes)、処理はステップS7に進み、「自然画像よりの画像N」であるとの判定が一定時間続いていないと判定した場合(ステップS6においてNo)、処理はステップS8に進む。
【0088】
ステップS7において、制御部2は、「自然画像よりの画像N」であるとの判定が一定時間続いた第2部分画像領域21における情報画像30の視認性を向上させる処理を中断する。その後、処理はステップS5に進む。
【0089】
ステップS8において、制御部2は、第2部分画像領域21における情報画像30の視認性を向上させる処理を継続または再開する。その後、処理はステップS9に進む。
【0090】
ステップS9において、制御部2は、サブチャンネルにおいて放送番組が終了したか否かを判定する。サブチャンネルにおいて放送番組が終了したと判定した場合(ステップS9においてYes)、処理は終了し、サブチャンネルにおいて放送番組が終了していないと判定した場合(ステップS9においてNo)、処理はステップS5に進む。
【0091】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0092】
本実施形態では、上記のように、表示装置100は、放送番組を受信する受信部1と、受信した放送番組を表示する表示部4と、放送番組の表示画質の調整の制御を行う制御部2とを備え、放送番組は、メインチャンネルおよびサブチャンネルを含む特定の周波数帯域を有するチャンネルにおいて放送され、制御部2は、メインチャンネルにおけるHD画像の放送による放送番組の受信中に、放送番組の第1全体画像10のうち文字画像または図形画像を含む情報画像30が配置される第1部分画像領域11を特定し、放送番組が、メインチャンネルにおけるHD画像の放送から、サブチャンネルにおけるHD画像よりも画質の低いSD画像の放送に変更された場合に、表示部4に表示された放送番組の第2全体画像20のうち、特定した第1部分画像領域11に基づいて第1部分画像領域11の位置に対応する第2部分画像領域21を特定して、第2部分画像領域21の情報画像30の視認性を向上させる処理を行うように構成されている。
【0093】
また、本実施形態の表示方法は、上記のように、メインチャンネルおよびサブチャンネルを含む特定の周波数帯域を有するチャンネルのメインチャンネルにおけるHD画像の放送による放送番組の受信中に、放送番組の第1全体画像10のうち文字画像または図形画像を含む情報画像30が配置される第1部分画像領域11を特定するステップと、放送番組が、メインチャンネルにおけるHD画像の放送から、サブチャンネルにおけるHD画像よりも画質の低いSD画像の放送に変更された場合に、表示された放送番組の第2全体画像20のうち、特定した第1部分画像領域11に基づいて第1部分画像領域11の位置に対応する第2部分画像領域21を特定して、第2部分画像領域21の情報画像30の視認性を向上させる処理を行うステップとを備える。
【0094】
本実施形態では、これにより、メインチャンネルでの放送において第1部分画像領域11を特定することにより、変更されたサブチャンネルでの放送において、特定した第1部分画像領域11に基づいて第1部分画像領域11の位置に対応する第2全体画像20のうちの第2部分画像領域21を特定することができる。そのため、変更されたサブチャンネルでの放送における制御部2による第2部分画像領域21を特定するための処理を軽減することができるため、サブチャンネルでの放送の視聴において画像判別にかかる処理の遅延を抑制することができる。また、サブチャンネルでのSD画質による放送において、第2部分画像領域21の情報画像30の視認性を向上させる処理を行うため、SD画質による放送に起因して情報画像30がぼやけて表示されることを抑制することができる。そのため、ユーザに対して情報画像30を視認しやすくすることができる。これらの理由から、メインチャンネルでのHD画像による放送からサブチャンネルでのSD画像による放送に変更された場合において、画像判別にかかる処理の遅延を抑制しながら情報画像30を視認しやすくすることができる。
【0095】
また、本実施形態では、上記のように、制御部2は、放送番組がHD画像により表示されたメインチャンネルから放送番組がSD画像により表示されたサブチャンネルへのユーザによるチャンネル切り替えが行われたことに基づいて、第2部分画像領域21における情報画像30の視認性を向上させる処理を行うように構成されている。これにより、HD画像によるメインチャンネルにおいての放送では視認性向上の処理を行わずに、ユーザによりSD画像により表示されたサブチャンネルへチャンネル切り替えが行われたことに基づいて、情報画像30の視認性を向上させる処理を行うことができる。
【0096】
また、本実施形態では、上記のように、制御部2は、複数の第1全体画像10における情報画像30に基づいて、第1部分画像領域11を特定するように構成されている。ここで、複数の第1全体画像10に含まれる文字画像または図形画像を含む情報画像30は、一定時間表示部4に表示されている有用性の高い情報画像30であるといえる。したがって、複数の第1全体画像10を用いて第1部分画像領域11を特定するように構成すれば、一定時間表示部4に表示されている有用性の高い情報画像30に基づいて、第1部分画像領域11を特定することができる。
【0097】
また、本実施形態では、上記のように、制御部2は、複数の第1全体画像10の各々において複数の分割領域12に分割するとともに、複数の第1全体画像10の分割領域12における情報画像30に基づいて、第1部分画像領域11を特定するように構成されている。これにより、複数の第1全体画像10の分割領域12における情報画像30に基づいて第1部分画像領域11が特定されるため、視認性向上処理の実行が必要でない分割領域12に対する視認性向上処理の実行を抑制することができる。
【0098】
また、本実施形態では、上記のように、制御部2は、複数の第1全体画像10の分割領域12に対して情報画像30が配置される第1情報画像領域(情報画像よりの画像M)であるか否かを判定するとともに、複数の第1全体画像10において同一の位置に配置された複数の分割領域12に対する第1情報画像領域(情報画像よりの画像M)の割合が、予め設定された閾値以上である分割領域12を、第1部分画像領域11として特定するように構成されている。ここで、第1情報画像領域(情報画像よりの画像M)の割合が予め設定された閾値以上である分割領域12に含まれる情報画像30は、一定の長時間表示部4に表示されている有用性の高い情報画像30であるといえる。これに対して、第1情報画像領域(情報画像よりの画像M)の割合が予め設定された閾値未満である分割領域12に含まれる情報画像30は、表示部4に表示されている時間が短い有用性の低い情報画像30であるといえる。したがって、第1情報画像領域(情報画像よりの画像M)の割合が予め設定された閾値以上である分割領域12を第1部分画像領域11として特定するように構成すれば、第1情報画像領域(情報画像よりの画像M)の割合が閾値以上の分割領域12である第1部分画像領域11に含まれる有用性の高い情報画像30に対する視認性向上処理を実行しながら、第1情報画像領域(情報画像よりの画像M)の割合が閾値未満の分割領域12に含まれる有用性の低い情報画像30に対する視認性向上処理の実行を抑制することができる。
【0099】
また、本実施形態では、上記のように、制御部2は、第2部分画像領域21の特定後の所定のタイミングにおいて、複数の第2全体画像20の第2部分画像領域21に対して情報画像30が配置されているか否かを判定するように構成されている。これにより、メインチャンネルでの第1画質による放送において特定された第1部分画像領域11に基づく第2部分画像領域21に対して、サブチャンネルにおいても情報画像30が配置されているか否かについて再度判定することができる。
【0100】
また、本実施形態では、上記のように、制御部2は、複数の第2全体画像20の第2部分画像領域21に対して情報画像30が配置されている第2情報画像領域(情報画像よりの画像M)とは異なる自然画像領域(自然画像よりの画像N)と判定された場合に、自然画像領域(自然画像よりの画像N)と判定された第2部分画像領域21における処理を中断するように構成されている。これにより、視認性向上処理が不要である、サブチャンネルによる放送により情報画像30が配置されている第2情報画像領域(情報画像よりの画像M)とは異なる自然画像領域(自然画像よりの画像N)となった領域に対する視認性向上処理の実行を中断することができる。
【0101】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0102】
たとえば、上記実施形態では、メインチャンネルにおける第1画質の放送による放送番組の視聴中に、放送番組の第1全体画像のうち第1部分画像領域を特定する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、他のチャンネルによる他の放送番組の視聴中であって、かつ、メインチャンネルにおける第1画質の放送による放送番組の受信中に、制御部は、放送番組の第1全体画像のうち第1部分画像領域を特定するように構成されていても良い。
【0103】
また、上記実施形態では、第2部分画像領域における情報画像の視認性を向上させる処理として、抽出した第2部分画像領域に対して、「シャープネス」の調整値を最大値に変更する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2部分画像領域における情報画像の視認性を向上させる処理は、画像の視認性を向上させる公知の処理であれば、特に限定されない。
【0104】
また、上記実施形態では、制御部は、複数の第1全体画像の各々において複数の分割領域に分割するとともに、複数の第1全体画像の分割領域における情報画像に基づいて、第1部分画像領域を特定するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。また、上記実施形態では、制御部は、複数の第1全体画像の分割領域に対して情報画像が配置される第1情報画像領域であるか否かを判定するとともに、複数の第1全体画像において同一の位置に配置された複数の分割領域に対する第1情報画像領域の割合が、予め設定された閾値以上である分割領域を、第1部分画像領域として特定するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1部分画像領域の特定方法は、第1全体画像のうち文字画像または図形画像を含む情報画像が配置される領域を特定できれば、特に限定されない。
【0105】
また、上記実施形態では、第1部分画像領域は、特定分割領域以外の領域も含まれ得る矩形形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1部分画像領域は、特定分割領域以外の領域を含まない矩形形状以外の形状であっても良い。
【0106】
また、上記実施形態では、制御部は、第2部分画像領域の特定後の所定のタイミングにおいて、複数の第2全体画像の第2部分画像領域に対して情報画像が配置されているか否かを判定するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部は、複数の第2全体画像の第2部分画像領域に対して情報画像が配置されているか否かを判定しなくても良い。
【0107】
また、上記実施形態では、制御部は、第2部分画像領域に対して自然画像領域と判定された場合に視認性向上処理を中断するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部は、第2部分画像領域に対して自然画像領域と判定された場合であっても、視認性向上処理を継続しても良い。
【0108】
また、上記実施形態では、放送番組が第1画質により表示されたメインチャンネルから放送番組が第2画質により表示されたサブチャンネルへのユーザによるチャンネル切り替えが行われたことに基づいて、第2部分画像領域における情報画像の視認性を向上させる処理を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、予め設定されたメインチャンネルからサブチャンネルへのチャンネル切り替えに基づいて、第2部分画像領域における情報画像の視認性を向上させる処理を行うように構成されていても良い。
【0109】
また、上記実施形態では、制御部は、サブチャンネルにおいて放送番組が終了したと判定した場合、視認性向上の処理を終了する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部は、視聴中のサブチャンネルから他のチャンネルへチャンネル切り替えが行われた場合に、第2部分画像領域の情報画像の視認性を向上させる処理を終了しても良い。この場合、制御部は、視聴中のサブチャンネルから他のチャンネルへチャンネル切り替えが行われたあと、他のチャンネルから視聴していたサブチャンネルへ再びチャンネル切り替えが行われた場合に、第2部分画像領域の情報画像の視認性を向上させる処理を再開しても良い。
【0110】
また、たとえば、制御部は、第2部分画像領域の情報画像の視認性を向上させる処理を実行中のサブチャンネルにおいて、コマーシャル放送の間、視認性向上処理を中断しても良い。この場合、制御部は、コマーシャル放送の終了後であって放送番組の再開後に、第2部分画像領域の情報画像の視認性を向上させる処理を再開する。
【0111】
また、上記実施形態では、制御部は、メインチャンネルにおける第1画質の放送による放送番組の視聴中に、放送番組の第1全体画像のうち第1部分画像領域を特定する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部は、放送局から配信された電子番組情報に基づいて、第1部分画像領域を特定する放送番組を選択し、選択した放送番組の第1全体画像のうち第1部分画像領域を特定するように構成されていても良い。
【符号の説明】
【0112】
1 受信部
2 制御部
4 表示部
10 第1全体画像
11 第1部分画像領域
12 分割領域
20 第2全体画像
21 第2部分画像領域
30、30a、30b、30c 情報画像
100 表示装置
M 情報画像よりの画像
N 自然画像よりの画像