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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166617
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】ゴルフスイングの解析システム
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20241122BHJP
   A63B 60/46 20150101ALI20241122BHJP
【FI】
A63B69/36 541P
A63B60/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082822
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】395023118
【氏名又は名称】株式会社テクノクラフト
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【弁理士】
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100129263
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 洋之
(72)【発明者】
【氏名】栂坂 昌業
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来よりも精度の高いスイング解析データを取得することを目的として、ゴルフスイングの解析システムが開示される。
【解決手段】少なくとも2つ以上のデバイスによってゴルフスイングの解析を行う方法において、腕の角速度を測定する第一のデバイス1と、腰の角速度を測定する第二のデバイス2とを有し、第一のデバイスで測定された腕の角速度の情報は、無線通信を介して、第二のデバイスに送信され、第二のデバイスは、測定した腰の角速度の情報と、第一のデバイスから受信した情報を基に、腕の角速度を検出し、腰の回転を計算することで、スイングの解析を行うようになっており、第二のデバイスに、スイングの解析結果を表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データをサーバーに送受信して、解析を行うスイング解析システムであって、
センサが感知することで、第一のデバイスが腕の角速度を含むデータを、
第二のデバイスが腰の角速度を含むデータを測定し、
上記第一のデバイスで測定されたデータは、無線通信を介して、上記第二のデバイスに送信されることで、上記第二のデバイスは、当該測定したデータと、上記第一のデバイスから受信したデータを基にスイングの解析を行い、
上記第一のデバイスで測定されたデータを、少なくとも3つ以上を合成することで、腕の移動スピートを判定し、
当該合成値が、所定のしきい値を超えた場合は、インパクトと判定することで、スイングの解析を行うようになっており、
上記第二のデバイスに、スイングの解析結果を表示する
ゴルフスイングの解析システム。
【請求項2】
スイングの解析結果を記憶しておき、
記憶してあるスイングの解析結果が上記第二のデバイスで比較可能になっていることを特徴とする、
請求項1に記載のゴルフスイングの解析システム。
【請求項3】
記憶してあるスイングの解析結果が上記第二のデバイスで削除可能になっていることを特徴とする、
請求項2に記載のゴルフスイングの解析システム。
【請求項4】
記憶してあるスイングの解析結果に上記第二のデバイスでマーキングすることが可能になっていることを特徴とする
請求項2に記載のゴルフスイングの解析システム。
【請求項5】
記憶してあるスイングの解析結果に上記第二のデバイスで名称をつけることが可能になっていることを特徴とする
請求項2に記載のゴルフスイングの解析システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフスイングの解析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、腕時計型端末や携帯端末に組み込まれた加速度計測部を利用して、ゴルフのプレイヤーが実際にゴルフクラブをスイングしたときの手首や腰の加速度および角速度を計測する一方で、プレイヤーがゴルフクラブで打ったボールの飛距離を飛距離算出部で算出して、これらの手首や腰の加速度および角速度と、ボールの飛距離との関係を、携帯端末に組み込んだ解析部で解析するゴルフクラブのスイング解析システムを、本件特許出願人が日本特許第6938030号で既に提案している。
【0003】
上記日本特許に開示されるスイング解析システムでは、解析部が、手首の加速度のピークと腰の加速度のピークの時間差からタメの時間を算出し、手首の加速度および角速度に基づいて手首の速度および手首の傾きを算出し、腰の加速度および角速度に基づいて腰の速度および腰の傾きを算出する。そして、記憶部にて、飛距離が最も長かった時のスイングのタメの時間、手首の加速度、腰の加速度、手首の速度、腰の速度、手首の傾き、および、腰の傾きを、プレイヤーのベストスイングとして記憶する。
【0004】
ところで、上記日本特許に開示された技術では、スイングバランス(バックスイング時間、ヒップターンタイミング、ダウンスイング時間)や腰のスピード(ヒップスピード)、腰のキレ(ヒップタイム)、腰の角度(腰捻転角度)を計算することで、より精度の高いスイング解析データを取得することができなかった。また、使用者が所有しているスマートフォンに、解析データを表示されることも考えられていなかった。
【発明の概要】
【0005】
本開示のある態様によれば、従来よりも精度の高いスイング解析データを取得することを目的として、ゴルフスイングの解析システムが開示される。本開示で開示される例は、それぞれ、他の開示された例のいずれかと関連付けて説明される1以上の特徴を含む。
【0006】
ある例においては、少なくとも2つ以上のデバイスによって、ゴルフスイングの解析システムにおいて、腕の角速度を測定する第一のデバイスと、腰の角速度を測定する第二のデバイスと、を有し、上記第一のデバイスで測定された腕の角速度の情報は、無線通信を介して、上記第二のデバイスに送信され、上記第二のデバイスは、測定した腰の角速度の情報と、上記第一のデバイスから受信した情報を基に、腕の角速度を検出し、腰の回転を計算することで、スイングの解析を行うようになっており、上記第二のデバイスに、スイングの解析結果を表示するゴルフスイングの解析システムが提供される。
【0007】
本開示の他の態様によれば、アドレスからフィニッシュまでの角速度を、インパクトのタイミングに基づいて、波形で表示することで、ゴルフスイングの解析システムにおいて、当該波形に表示された情報は、角速度の動き出しを測定したものを含み、当該角速度の動き出しは、波形上で、符号反転する点を、回転方向が逆になる点として判定し、複数の角速度の情報から、腕の始動あるいは腰の始動のいずれかを始動位置として判定し、これら腰の角速度、回転方向が逆になる点、および、判定された位置から、スイングパラメータを計算することで、スイングの解析を行う、ゴルフスイングの解析システムが提供される。
【0008】
本開示のさらに他の態様によれば、データをサーバーに送受信して、解析を行うスイング解析システムであって、センサが感知することで、第一のデバイスが腕の角速度を含むデータを、第二のデバイスが腰の角速度を含むデータを測定し、上記第一のデバイスで測定されたデータは、無線通信を介して、上記第二のデバイスに送信されることで、上記第二のデバイスは、当該測定したデータと、上記第一のデバイスから受信したデータを基にスイングの解析を行い、上記第一のデバイスで測定されたデータを、少なくとも3つ以上を合成することで、腕の移動スピートを判定し、当該合成値が、所定のしきい値を超えた場合は、インパクトと判定することで、スイングの解析を行う、ゴルフスイングの解析システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態となるゴルフスイングの解析システムの概要を示す説明図である。
図2】スイング動作を行う使用者の正面を示す図である。
図3】スイング動作を行う使用者の背面を示す図である。
図4】スマートウォッチの平面図である。
図5】スマートウォッチの電気的構成を示すブロック図である。
図6】スマートフォンの平面図である。
図7】スマートフォンの電気的構成を示すブロック図である。
図8】頭部の測定器、および足部の測定器の電気的構成を示すブロック図である。
図9】本開示の一実施形態となるゴルフスイングの解析方法を示す処理フロー図である。
図10】腕の加速度と角速度の波形、および腰の角速度の波形を示す図である。
図11】腕の加速度と角速度の波形を示す図である。
図12】腕の加速度の波形、および腰の角速度の波形を示す図である。
図13】解析データ1における、腕の加速度と角速度の波形、および腰の角速度の波形を示す図である。
図14】解析データ2における、腕の加速度と角速度の波形、および腰の角速度の波形を示す図である。
図15】解析データ3における、腕の加速度と角速度の波形、および腰の角速度の波形を示す図である。
図16】スマートフォンの表示部に表示される本アプリの表示例を示す図である。
図17】本アプリを起動した際の初期画面の一例を示す図である。
図18】スイング分析ボタンがタッチされた際の画面の一例を示す図である。
図19】解析データが表示された画面の一例を示す図である。
図20】解析データが表示された画面の一例を示す図である。
図21】解析データが表示された画面の一例を示す図である。
図22】解析データが表示された画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明における好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【0011】
<ゴルフスイングの解析システム100>
本開示の実施形態において、図1に示すゴルフスイングの解析システム100は、ゴルフ場で使用者7が実際のラウンド中に装着するスマートウォッチ1およびスマートフォン2と、スマートフォン2との間に通信手段3を経由して各種データのやり取りを可能にするサーバー4と、使用者7が操作入力や表示閲覧が可能であり、サーバー4との間に通信手段5を経由して各種データのやり取りを可能にするプレイ表示端末6とを主な構成要素とする。
【0012】
本開示の実施形態に係るゴルフスイングの解析システム100は、センサが感知することで、スマートウォッチ1が使用者7の腕の角速度を含むデータを、スマートフォン2が使用者7の腰63の角速度を含むデータを測定し、スマートウォッチ1で測定されたデータは、無線通信を介して、スマートフォン2に送信されることで、スマートフォン2は、当該測定したデータと、スマートウォッチ1から受信したデータを基にスイングの解析を行い、スマートウォッチ1で測定されたデータを、少なくとも3つ以上を合成することで、腕の移動スピートを判定し、当該合成値が、所定のしきい値を超えた場合は、インパクトと判定することで、スイングの解析を行うものである。
【0013】
スマートウォッチ1は、使用者7の腕、具体的には、手首に装着される。本実施形態では、図2に示すように、スマートウォッチ1を右打ちの使用者7の左手首8に装着している。スマートウォッチ1は、左打ちの使用者7が使用することもでき、スマートウォッチ1を右手首9に装着することもできる。
【0014】
スマートフォン2は、使用者7のズボン後方のポケットに収納される。本実施形態では、図3に示すように、スマートフォン2を使用者7のズボン後方の右側のポケット10に収納しているが、ズボン後方の左側のポケット11に収納することもできる。
【0015】
本実施形態では、スマートウォッチ1およびスマートフォン2の他、使用者7の頭部12に測定器13を装着するとともに、使用者7の足部14に測定器15を装着することができる。測定器13は、本実施形態では、使用者7のキャップ16に装着している。測定器15は、本実施形態では、使用者7の膝17に装着しているが、使用者7の靴18に装着することもできる。
【0016】
本実施形態では、スマートウォッチ1が「第一のデバイス」に相当し、スマートフォン2が「第二のデバイス」に相当し、測定器13が「第三のデバイス」に相当し、測定器15が「第四のデバイス」に相当する。
【0017】
以下、図1図8を参照しつつ、本開示の実施形態に係るゴルフスイングの解析システム100の各構成要素について説明する。
【0018】
<スマートウォッチ1>
図4に示すスマートウォッチ1は、図5に示すように、制御手段19と、第一慣性計測部20と、GPS(Global Positioning System:地球測位システム)受信部21と、気圧計測部22と、気温計測部23と、高度計測部24と、集音部25と、送受信部26と、記憶部27と、表示部28と、操作部29と、報知部30と、振動子31とを備えている。
【0019】
制御手段19は、CPU(中央演算装置)を含んで構成され、記憶部27に記憶されたプログラム32に基づいてスマートウォッチ1の全体を制御する。このCPUがプログラム32にしたがって演算処理を実行することにより、スマートウォッチ1の各機能が実現される。プログラム32には、使用者7がゴルフクラブ33をスイング動作して打ち当てたボール34の飛距離を補正するための飛距離補正プログラムや、使用者7がゴルフクラブ33をスイング動作したときの左手首8の加速度や角速度の波形データを、スマートフォン2に送り出すためのデータ送出プログラム等が含まれる。
【0020】
第一慣性計測部20は、使用者7の動きを検知するための検知手段として、いずれも慣性センサーとなる加速度センサー35およびジャイロセンサー36が組み込まれている。加速度センサー35は、使用者7の左手首8における直交三軸方向の加速度を計測することができ、ジャイロセンサー36は、使用者7の左手首8における直交三軸の各軸回りの角速度を計測することができる。第一慣性計測部20は、スマートウォッチ1を装着した使用者7の一連のスイング動作時における左手首8の加速度や角速度を計測する。第一慣性計測部20により計測された加速度情報や角速度情報は、使用者7のスイング動作時における左手首8の加速度波形や角速度波形として、制御手段19に送出されるとともに、送受信部26にて、スマートフォン2やサーバー4に送信される。
【0021】
GPS受信部21は、スマートウォッチ1の現在位置を取得する位置計測部を構成し、複数の人工衛星37からの電波を無線で受信することで、スマートウォッチ1やスマートウォッチ1を装着する使用者7の三次元位置(経度、緯度および高度)を計測し、その位置情報を制御手段19に送出するものである。なお、スマートウォッチ1の現在位置を検出できるものであれば、GPS受信部21以外の位置検出装置を利用することもできる。また、人工衛星37には原子時計が搭載されている。この人工衛星37からは特定の周波数にて極めて正確な時刻信号波が発信されており、これをGPS受信部21により受信することで、スマートウォッチ1の時間軸が規定される。GPS受信部21および人工衛星37が位置計測部として機能する。
【0022】
気圧計測部22は、圧力センサー38が組み込まれており、この圧力センサー38を使用して気圧を計測する、計測された気圧情報は、制御手段19に送出される。
【0023】
気温計測部23は、サーミスタ(図示せず)を利用した温度センサー39が組み込まれており、この温度センサー39により気温を計測する。計測された気温情報は、制御手段19に送出される。
【0024】
高度計測部24は、気圧計測部22に組み込まれた圧力センサー38を使用して、この圧力センサー38で計測した気圧の変化量を基に現在位置の海抜高度(標高)(以下、「高度」という。)を計算し、現在位置の高度情報として制御手段19に送出する。高度計測部24は、気圧変化を変換して相対的な高度を算出するものであり、気圧が気象条件により変化すると、計測値の高度も変化する。そのため、正確な高度がわかる場所で高度計測部24の高度を合わせることで、より正確な高度を計測することができる。例えば、ラウンド前にゴルフ場内の正確な高度がわかる場所で高度を合わせることで、その後のプレイ中により正確な高度を計測することができる。なお、使用者7の現在位置における高度は、GPS受信部21が受信した使用者7の三次元位置(経度、緯度および高度)の高度を用いてもよい。
【0025】
集音部25は、外部の音を集め音声情報として制御手段19に送出するものであり、例えば、マイクである。本実施形態の集音部25は、使用者7の音声を集音することを想定しており、人間の音声が集音可能であればよい。
【0026】
送受信部26は、無線の通信手段を介して他の機器、例えば、スマートフォン2との双方向通信を可能にするものである。そのため、スマートウォッチ1は、スマートフォン2等と各種情報を送受信することができる。
【0027】
記憶部27は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの各種記憶装置を用いて構成され、第一慣性計測部20により計測された加速度情報および角速度情報を含んだプレイデータ、GPS受信部21が受信したスマートウォッチ1の位置情報、気圧計測部22により計測された気圧情報、気温計測部23により計測された気温情報、高度計測部24により計測された高度情報、集音部25から入力された音声情報等の各種情報を書き込みおよび読み出し可能となっている。また、記憶部27には、予め、ゴルフ場のコースの地図情報40が記憶されている。地図情報40は、位置座標情報を含む二次元地図又は三次元地図であり、変更・追加・削除等の更新が可能である。
【0028】
表示部28は、制御手段19からの表示制御信号を受け、スマートウォッチ1の現在位置等の様々な表示を行なうものである。図4に示すように、表示部28は、スマートウォッチ1の本体正面に露出して設けられる液晶モジュールや液晶パネルにより構成されている。
【0029】
操作部29は、複数のボタン41,42,43,44を備えるとともに、表示部28がタッチパネル45となっており、表示部28の表面部も操作部29として機能する。ボタン41,42,43,44の数は、一例であり、増減可能である。
【0030】
報知部30は、記憶部27に記憶された情報等を音声により使用者7に報知するものであり、例えば、スピーカーである。報知部30は、スイング情報を音声や振動で提示する際に、出力部として機能する。この場合の出力部は、例えば、音声を出力するスピーカーおよび/又は振動を発生するバイブレーターで構成される。
【0031】
振動子31は、決められた周期で生成されたクロック信号を、制御手段19に送出するもので、例えば、シリコン振動子や、セラミック振動子や、水晶振動子などにより構成される。
【0032】
制御手段19は、飛距離算出部46と、補正飛距離算出部47と、用語判定部48と、用語辞書部49とを備えている。
【0033】
飛距離算出部46は、使用者7がゴルフクラブ33をスイング動作したときに、ゴルフクラブ33のヘッドに打ち当てたボール34の実際の飛距離を算出するものである。補正飛距離算出部47は、使用者7の打ったボール34の実際の飛距離から、高度、気温、気圧、およびショット地点の状態を考慮した補正飛距離を算出するものである。用語判定部48は、集音部21から送出された音声情報を判定するものである。用語辞書部49は、予め登録された用語を記憶させておくものである。
【0034】
<スマートフォン2>
図6に示すスマートフォン2は、図7に示すように、制御手段51と、第二慣性計測部52と、GPS受信部53と、送受信部54と、記憶部55と、表示部56と、操作部57と、報知部58と、振動子59とを備えている。
【0035】
制御手段51は、CPUを含んで構成され、記憶部55に記憶されたプログラム60に基づいてスマートフォン2の全体を制御する。このCPUがプログラム60にしたがって演算処理を実行することにより、スマートフォン2の各機能が実現される。
【0036】
第二慣性計測部52は、使用者7の動きを検知するための検知手段として、いずれも慣性センサーとなる加速度センサー61およびジャイロセンサー62が組み込まれている。加速度センサー61は、直交三軸方向の加速度を計測することができ、ジャイロセンサー62は、直交三軸の各軸回りの角速度を計測することができる。第二慣性計測部52は、スマートフォン2が右ポケット10(図3参照)に収納された状態で使用者7がスイング動作を行なうことで、使用者7の腰63の加速度や角速度を計測する。
【0037】
GPS受信部53は、スマートフォン2の現在位置を取得する位置計測手段を構成し、複数の人工衛星37からの電波を無線で受信することで、スマートフォン2の三次元位置(経度、緯度および高度)を計測し、その位置情報を制御手段51に送出するものである。
【0038】
送受信部54は、有線や無線の近距離通信手段を介して、スマートウォッチ1とスマートフォン2との間と、測定器13,15とスマートフォン2との間の双方向通信を可能にするものである。
【0039】
記憶部55は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの各種記憶装置を用いて構成され、GPS受信部53が受信したスマートフォン2の位置情報の他に、スマートウォッチ1、スマートフォン2、測定器13,15から、それぞれ取得したプレイデータ等の各種情報を書き込みおよび読み出し可能となっている。
【0040】
表示部56は、スマートフォン2の本体正面に露出して設けられる液晶モジュールや液晶パネルにより構成されている。
【0041】
操作部57は、使用者7による操作を受けて、電気的な操作信号を制御手段51に送出するものである。本実施形態では、表示部56がタッチパネルとなっており、表示部56の表面部が操作部57として機能する。
【0042】
報知部58は、スマートウォッチ1の報知部30と同様に、スイング情報を音声や振動で提示する際に、出力部として機能する。出力部は、例えば音声を出力するスピーカーおよび/又は振動を発生するバイブレーターで構成される。
【0043】
振動子59は、決められた周期で生成されたクロック信号を、制御手段51に送出するもので、例えば、シリコン振動子や、セラミック振動子や、水晶振動子などにより構成される。
【0044】
制御手段51は、解析部64を備えている。解析部64は、スマートウォッチ1からの腕の加速度や角速度の波形データや、第二慣性計測部52からの腰63の加速度や角速度の波形データを取り込んで使用者7のスイングを解析するものである。解析部64にて解析されたスイングデータは、記憶部55に記憶させるとともに、送受信部54からサーバー4に送信される。
【0045】
<測定器13>
図1に示す測定器13は、図8に示すように、制御手段65と、第三慣性計測部66と、送受信部67と、記憶部68と、振動子69とを備えている。
【0046】
制御手段65は、CPUを含んで構成され、記憶部68に記憶されたプログラム70に基づいて測定器13の全体を制御する。このCPUがプログラム70にしたがって演算処理を実行することにより、測定器13の各機能が実現される。
【0047】
第三慣性計測部66は、使用者7の動きを検知するための検知手段として、いずれも慣性センサーとなる加速度センサー71およびジャイロセンサー72が組み込まれている。加速度センサー71は、直交三軸方向の加速度を計測することができ、ジャイロセンサー72は、直交三軸の各軸回りの角速度を計測することができる。第三慣性計測部66は、使用者7がスイング動作を行なうことで、使用者7の頭部12の加速度や角速度を計測する。頭部12の動きのデータは、記憶部68に記憶させるとともに、送受信部67から、スマートフォン2やサーバー4に送信される。
【0048】
送受信部67は、無線の通信手段を介して、スマートフォン2やサーバー4との双方向通信を可能にするものである。
【0049】
記憶部68は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの各種記憶装置を用いて構成され、第三慣性計測部66により計測された加速度情報および角速度情報を含んだプレイデータ等の各種情報を書き込みおよび読み出し可能となっている。
【0050】
振動子69は、決められた周期で生成されたクロック信号を、制御手段65に送出するもので、例えば、シリコン振動子や、セラミック振動子や、水晶振動子などにより構成される。
【0051】
<測定器15>
図1に示す測定器15は、図8に示すように、制御手段74と、第四慣性計測部75と、送受信部76と、記憶部77と、振動子78とを備えている。
【0052】
制御手段74は、CPUを含んで構成され、記憶部77に記憶されたプログラム79に基づいて測定器15の全体を制御する。このCPUがプログラム79にしたがって演算処理を実行することにより、測定器15の各機能が実現される。
【0053】
第四慣性計測部75は、使用者7の動きを検知するための検知手段として、いずれも慣性センサーとなる加速度センサー80およびジャイロセンサー81が組み込まれている。加速度センサー80は、直交三軸方向の加速度を計測することができ、ジャイロセンサー81は、直交三軸の各軸回りの角速度を計測することができる。第四慣性計測部75は、使用者7がスイング動作を行なうことで、使用者7の足部14の加速度や角速度を計測する。足部14の動きのデータは、記憶部77に記憶させるとともに、送受信部76から、スマートフォン2やサーバー4に送信される。
【0054】
送受信部76は、無線の通信手段を介して、スマートフォン2やサーバー4との双方向通信を可能にするものである。
【0055】
記憶部77は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの各種記憶装置を用いて構成され、第四慣性計測部75により計測された加速度情報および角速度情報を含んだプレイデータ等の各種情報を書き込みおよび読み出し可能となっている。
【0056】
振動子78は、決められた周期で生成されたクロック信号を、制御手段74に送出するもので、例えば、シリコン振動子や、セラミック振動子や、水晶振動子などにより構成される。
【0057】
<ゴルフスイングの解析方法>
つぎに、図9を参照して、本開示の実施形態に係るゴルフスイングの解析システム100によるゴルフスイングの解析の処理フロー(解析方法)について説明する。
【0058】
スマートウォッチ1は、スマートフォン2に対し、「センサーON要求」を行い、加速度センサー61やジャイロセンサー62等を動作させる(S1)。上記「センサーON要求」は、例えば、図4に示す表示部28のゴルフクラブ選択ボタン83を押すことにより行う。
【0059】
スマートフォン2は、スマートウォッチ1とスマートフォン2の時間を同期させ(S2)、スマートウォッチ1は、時間を同期させるため、スマートウォッチ1とスマートフォン2の内部時間を確認する(S3)。
【0060】
スマートフォン2は、ジャイロセンサー62にて、スマートフォン2の向きを検知する(S4)。その結果、スマートフォン2が、使用者7のポケット10又はポケット11に横向きに収納されている場合、スマートウォッチ1に警告表示する(S5)。スマートフォン2が横向きのままの場合、スマートフォン2は、上記警告を繰り返す。
【0061】
スマートフォン2は、スマートウォッチ1に対し、「センサーON」を行い、加速度センサー35やジャイロセンサー36等を動作させる(S6)。
【0062】
スマートウォッチ1が、加速度センサー35やジャイロセンサー36にて腕の加速度や角速度を測定し、スマートフォン2が、加速度センサー61やジャイロセンサー62にて腰63の加速度や角速度を測定する。
【0063】
図10に示す波形において、波形の左端がアドレスを示し、波形の右端がフィニッシュを示す。波形に表示された情報は、腕や腰63の角速度の動き出しを測定したものを含んでいる。上記角速度の動き出しは、波形上で符号反転する点を、回転方向が逆になる点として判定し、複数の角速度の情報から、腕の始動あるいは腰63の始動のいずれか始動位置として判定し、これら腰63の角速度、回転方向が逆になる点、および、判定された位置から、スイングパラメータを計算する。
【0064】
図10に示すように、上記波形に表示された情報に腕の加速度の情報を追加し、腕の角速度がアドレスの際の数値に戻った、一定地点をインパクトとして上記波形上で設定し、当該インパクト地点から所定の時間以内の腕の加速度の最大位置を、上記波形上で求める。
【0065】
上記インパクト地点は、下記(1)~(4)の方法で定める。
(1)腕三軸合成加速度のピーク位置を求める(しきい値は70m/s2)。
(2)上記(1)における、しきい値の前後1秒以内に腰gyroYの絶対値最大位置がしきい値(100deg/s)を超えるか確認する。
(3)上記(1)における、しきい値の前後2秒内の腕gyroZのゼロ交点位置を求める。なお、インパクト周辺は値がばらつくので、前後2コマ(1コマは10mm/s)を含んだ移動平均で確認する。
(4)上記(1)における、しきい値の前後の腕gyroZ交点のうち、位置を求め、上記(1)における、しきい値に時間が近い方をインパクトとする。なお、上記(1)における、しきい値からの時間が前後ともに同じ場合は、後ろをインパクトとする。
【0066】
上記腕の加速度の最大位置は、インパクト地点前(インパクト地点以前0.5秒以内)の腕加速度の最大位置を求めることにより検出する。
【0067】
上記波形上で腕の複数の加速度の情報を合成させることで、腕の加速度のピーク位置を求め、当該ピーク位置の周辺において、腰63の移動スピード、腰63の切り返し(図12)、腕の切り返し(図11)、ダウンスイングのいずれかを、さらに角速度の情報を求めることで、スイングの解析を行う。
【0068】
図11に示す波形上で、腕の切り返し位置、腕の始動位置、および、フィニッシュ位置を推定する。腕の切り返し位置は、腕の加速度の最大位置以前で5回連続(50ms)同符号以前の腕gz符号反転位置とする。腕の始動位置は、上記腕の切り返し位置以前で1rps以前の腕gz符号反転位置とする。フィニッシュ位置は、インパクト以後で10回連続(100ms)同符号以前の腕gz符号反転位置とする。
【0069】
図12に示す波形上で、腰63の切り返し位置、腰63の始動位置を求め、腰63の回転開始位置を推定する。腰63の切り返し位置は、中間点以前で5回連続(50ms)同符号以前の腰gy符号反転位置とする。腰63の始動位置は、腰63の切り返し位置以前で、0.5rps以前の腰gy符号反転位置とする。
【0070】
図12に示す波形より、腰63の角速度から、下記(1)~(4)の項目を求める。
(1)腰63の最大移動スピード(ヒップスピード)
腰63の切り返しからインパクト地点までの間で腰gy最大位置を、腰63の最大移動スピードとして求める。
(2)腰63のキレ(ヒップタイム)
腰63の切り返しから上記腰gy最大位置までの時間を、腰63のキレとして求める。
(3)トップ時の腰63の角度
アドレスを基準にして、トップ時の腰63の角速度を求め、これを積分することで、トップ時の腰63の角度を求める。
(4)インパクト時の腰63の角度
アドレスを基準にして、インパクト時の腰63の角速度を求め、これを積分することで、インパクト時の腰63の角度を求める。
【0071】
上記の求めた項目を用いて、腰の最大移動スピード/トップ時の腰63の角度から、腰63の回転効率を求め、(腰63の最大移動スピード-インパクト時の腰63の移動スピード)/腰63の最大移動スピードから、腰63の最大移動スピード減衰率を求める。
【0072】
上記波形上で、腕の始動位置、または、腰63の始動位置のいずれかを算出する。上記波形上で、腰63切り返し、および、腕切り返しの時間を算出する。
【0073】
下記(1)~(4)の項目を求め、スイングバランスを算出する。
(1)バックスイング時間
腕の始動位置、または、腰63の始動位置のいずれか早い方から、腰63の切り返しまでの時間を、「バックスイング時間」として求める。
(2)タメ(ヒップターンタイミング)
腰63の角速度情報によって、腰63の切り返しから、腕の切り返しまでの時間を、「タメ(ヒップターンタイミング)」として求める。
(3)ダウンスイング時間1
腕の角速度情報によって、所定の位置の時間を、腕の切り返し位置として設定し、かつ、腕の加速度情報によって所定の位置(例えば、腕加速最大位置)までの時間を、「ダウンスイング時間1」として求める。
(4)ダウンスイング時間2
上記腕の加速度の所定位置から、インパクトまでの時間を、「ダウンスイング時間2」として求める。
【0074】
以上のスイング解析作業は、所定の条件を満たす場合、停止する。図9に示すように、スマートウォッチ1は、スマートフォン2に対し、「センサーOFF」を指示する(S7)。上記「所定の条件」は、(1)使用者7が20ヤード以上移動した時、(2)ボール34の飛距離の確定時、(3)所定時間の経過を確認したタイミングのいずれかである。
【0075】
図9に示すように、スマートウォッチ1から、インパクトの前後で、所定の時間のみのデータを切り出す。上記「所定の時間」は、インパクトの5秒前から、インパクト2秒後までの時間である。
【0076】
図9に示すように、スマートウォッチ1は、上記切り出したデータを、スマートフォン2に転送する(S9)。上記データが正常なデータの場合は、スマートウォッチ1から、スマートフォン2に対し、データ正常通知を行う(S10)。所定の場合は、上記データが異常なデータと判断し、スマートウォッチ1から、スマートフォン2に対し、データ異常通知を行う(S11)。上記データが正常なデータか否かの判断は、腕の動きを検知して、スイングか否かを判定することにより行う。スイングか否かの判定は、所定のしきい値を超えたか否かによって判定する。
【0077】
<解析データ1~3の比較>
つぎに、図13図15を参照して、本開示の実施形態に係るゴルフスイングの解析システム100による解析データを比較する。
【0078】
図13の波形に基づくスイングの解析データ(解析データ1)は、下記の通りである。
(1)腰の最大移動スピード(ヒップスピード):526°/s
(2)腰のキレ(ヒップタイム):0.27s
(3)トップ時の腰の角度:64.7°
(4)インパクト時の腰の角度:34.3°
【0079】
図14の波形に基づくスイングの解析データ(解析データ2)は、下記の通りである。
(1)腰の最大移動スピード(ヒップスピード):377°/s
(2)腰のキレ(ヒップタイム):0.28s
(3)トップ時の腰の角度:47.7°
(4)インパクト時の腰の角度:42.9°
【0080】
図15の波形に基づくスイングの解析データ(解析データ3)は、下記の通りである。
(1)腰の最大移動スピード(ヒップスピード):627°/s
(2)腰のキレ(ヒップタイム):0.23s
(3)トップ時の腰の角度:7.5°
(4)インパクト時の腰の角度:78.5°
【0081】
腰の最大移動スピードは、男性プロでは、550~600°/s、アマチュアの平均値は、480°/sであり、腰のキレは、男性プロでは、0.2s、アマチュアの平均値は、0.3s以上である。
【0082】
解析データ1は、腰の最大移動スピードが526°/s、腰のキレが0.27sであり、上記男性プロの数値範囲や、上記アマチュアの平均値に近似していることから、比較的理想的なスイングであると言える。
【0083】
一方で、解析データ2は、腰の最大移動スピードが377°/s、腰のキレが0.28sであり、腰のキレは、上記男性プロの数値範囲や、上記アマチュアの平均値に近似している。しかしながら、腰の最大移動スピードは、上記男性プロの数値範囲や、上記アマチュアの平均値を大きく下回っている。したがって、解析データ1と比較して、改善の余地があるスイングであると言える。
【0084】
また、解析データ3は、腰の最大移動スピードが627°/s、腰のキレが0.23s腰のキレは、上記男性プロの数値範囲や、上記アマチュアの平均値に近似している。しかしながら、腰の最大移動スピードは、上記男性プロの数値範囲や、上記アマチュアの平均値から外れている。したがって、解析データ1と比較して、改善の余地があるスイングであると言える。
【0085】
以上の、本開示の実施形態によれば、スイングバランス(バックスイング時間、ヒップターンタイミング、ダウンスイング時間)や腰のスピード(ヒップスピード)、腰のキレ(ヒップタイム)、腰の角度(腰捻転角度)を計算することで、従来よりも精度の高いスイング解析データを取得することが可能となる。
【0086】
次に、スマートフォン2を使用したアプリケーション(以下、本アプリ100Aと称する)の使用例について説明する。図16は、スマートフォン2の表示部56に表示される本アプリ100Aの表示例を示す図である。図17は、本アプリ100Aを起動した際の初期画面の一例を示す図である。図18は、スイング分析ボタン101がタッチされた際の画面の一例を示す図である。図19図22は、解析データが表示された画面の一例を示す図である。図16には、本アプリ100A以外の19個のアプリA1を示している。
【0087】
ゴルフスイングの解析システム100を利用する使用者7は、スマートフォン2にゴルフスイングの解析システム100に本アプリ100Aをインストールしておく。本アプリ100Aがスマートフォン2にインストールされると、図16に示すような本アプリ100Aを示すアイコンがスマートフォン2に表示される。スマートフォン2にインストールされた本アプリ100Aを起動すると、スマートフォン2の表示が図17に示すように切り替わる。図17に示すように、本アプリ100Aのスタート画面には、使用者7の名前、使用者7の会員番号、使用者7によって既に記憶されたスコア保管数(データ保管数)、使用者7によって既に記憶された登録クラブ数、スイング分析ボタン101などが表示される。使用者7は、表示されたスイング分析ボタン101をタッチすることで、ゴルフスイングの解析システム100を利用することが可能になる。
【0088】
スイング分析ボタン101をタッチすると、スマートフォン2の表示が図18に示すように切り替わる。図18に示すように、スマートフォン2の表示画面には、クラブの種類表示102、マーク設定(マーキング)表示103、飛距離入力表示104、スイング名称入力表示105、保存ボタン106A、キャンセルボタン106Bなどが表示される。使用者7は、本画面において、クラブの種類表示102、マーク設定(マーキング)表示103、飛距離入力表示104、スイング名称入力表示105を入力する。飛距離入力表示104や、スイング名称入力表示105を確実に入力する必要はない。クラブの種類表示102を「1W」、マーク設定103を「中間」にし、飛距離入力表示104、及び、スイング名称入力表示105を入力せずに、保存ボタン106Aをタッチすると、スマートフォン2の表示が図19に示すように切り替わる。なお、キャンセルボタン106Bをタッチすると、入力した情報がクリアされる。
【0089】
図19には、図18の入力情報の他、スイングスピード107、スイングスピード107のうち選択されたスイングのスピード表示108、腰捻転角度109、人物モデル表示110、2つのスイングを比べる表示111、第1記憶されているスイング表示112、第2記憶されているスイング表示113、比べるボタン114が表示される。スイングスピード107には、「バックスイング」、「トップ」、「ダウンスイング」、「インパクト」の少なくとも4つが含まれている。図19では、バックスイングが選択された状態を例に示している。そうすると、スピード表示108には、「バックスイング」の際の2つのスイングスピードが表示される。スピード表示108には、2つのスイングスピードの差分も表示される。また、腰捻転角度108には、「バックスイング」の際の2つの腰捻転角度が表示される。2つの腰捻転角度の差分も表示される。
【0090】
人物モデル表示110は、スイングをしている人間のスイング状態をわかりやすく示したものである。スイングスピード107の「バックスイング」、「トップ」、「ダウンスイング」、「インパクト」の解析場所を矢印で示している。また、2つのスイングを比べる表示111には、使用者7に選択されたスイング状態の1つが第1記憶されているスイング表示112に表示され、使用者7に選択されたスイング状態の1つが第2記憶されているスイング表示113に表示される。選択が決まったら、使用者7は、比べるボタン114をタッチする。そうすると、上記のスピード表示108と腰捻転角度108にそれぞれのスイング状態が表示されることになる。
【0091】
図20には、図18の入力情報の他、スイングスピード107、スイングスピード107のうち選択されたスイングのトップ切り返し表示115、人物モデル表示110、2つのスイングを比べる表示111、第1記憶されているスイング表示112、第2記憶されているスイング表示113、比べるボタン114が表示される。図20では、トップが選択された状態を例に示している。そうすると、トップ切り返し表示115には、「トップ」の際の2つの腰のスピードと腕の角速度が表示される。人物モデル表示110は、「トップ」の際の腰のスピードと腕の角速度をイメージ化して図示している。なお、2つのスイングを比べる表示111は、図19と同様である。
【0092】
図21には、図18の入力情報の他、スイングスピード107、スイングスピード107のうち選択されたスイングの第1腕加速表示116、第2腕加速表示117、人物モデル表示110、2つのスイングを比べる表示111、第1記憶されているスイング表示112、第2記憶されているスイング表示113、比べるボタン114が表示される。図21では、ダウンスイングが選択された状態を例に示している。そうすると、第1腕加速表示116には、「ダウンスイング」の際の腕の加速(初速から中間まで)が表示される。第2腕加速表示117には、「ダウンスイング」の際の腕の加速(中間からインパクトまで)が表示される。人物モデル表示110は、「ダウンスイング」の際の2つの腕の加速の計測位置をイメージ化して図示している。なお、2つのスイングを比べる表示111は、図19と同様である。
【0093】
図22には、図18の入力情報の他、スイングスピード107、スイングスピード107のうち選択されたスイングの腰減衰率118、ヒップスピード119、インパクト腰角度120、人物モデル表示110、2つのスイングを比べる表示111、第1記憶されているスイング表示112、第2記憶されているスイング表示113、比べるボタン114が表示される。図22では、インパクトが選択された状態を例に示している。そうすると、腰減衰率118には、「インパクト」の際の腰の減衰率が表示される。ヒップスピード119には、「インパクト」の際のトップスピードが表示される。インパクト腰角度120には、「インパクト」の際の腰の角度が表示される。人物モデル表示110は、「インパクト」の際の腰の角度をイメージ化して図示している。なお、2つのスイングを比べる表示111は、図19と同様である。
【0094】
スイングデータは削除可能になっている。また、本アプリ100Aは、スイングができる場所であれば、いつでもどこでも、使用者7のスイングをデータ化して記憶に残すことが可能になっている。そのため、使用者7は、データ化した記憶から2つの記憶を選択して比較することが可能になる。自身の持っているクラブを本アプリ100Aに予め設定されている「所持クラブ設定」から登録することもできる。また、クラブごとの飛距離は、使用者7のおおよその飛距離を入力しておけばよい。上述したように、スイングの測定時においては、スマートフォン2を使用者のポケットに入れておく必要がある。さらに、データ化したスイング情報にマーキングしたり、スイング名称を入力したり、使用者7だけのマイルールを作ることを可能にしておくとよい。スイング名称を予め設定しておき、使用者7に選択させるようにしてもよい。クラブごとにスイングの解析を記憶したり、練習場所ごとにスイングの解析を記憶したり、練習時期ごとにスイングの解析を記憶したり、使用者7の管理のしやすさに応じて保存フォルダを設定できるようにしてもよい。
【0095】
本アプリ100Aの使用例について説明する。
使用者7は、自身のスマートフォン2(第二のデバイス)にインストールした本アプリ100Aを起動する。使用者7は、本アプリ100Aを起動した後、本アプリ100Aの誘導に従って、目的とするページを探す。目的としたページに到達したら、スマートフォン2に表示されるボタンをタッチするなどして設定を完了する。使用者8は、測定スタートボタン(図示省略)をタッチする。そして、使用者7がスマートフォン2をポケットに収納することで、スイングの解析ができる状態になる。使用者7が実際にスイングをする。その後、スマートフォン2をポケットから取り出し、測定ストップボタン(図示省略)をタッチする。今行ったスイングがデータ化され、記憶される。
【0096】
使用者7は記憶したスイングの解析情報を2つ選択して、それらを比較することができる。比較した結果、自身の上達度や自身のコンディションなどを把握することができる。スマートフォン2には、スイングの解析が数値化またはイメージ化されて表示されるため、使用者7は容易に理解することができる。自身の上達度に合わせで、過去のスイングの解析のデータを削除することもできる。また、自身の理想に近いスイングの解析については、マーキングしたり、名称をつけたりすることもできる。
【0097】
本発明の代表的な実施形態の上記説明において、本開示を合理化し、様々な発明の態様のうち一以上の態様を理解する一助とすることを目的として、本発明の様々な特徴が時折単一の実施形態や、図や、その説明においてまとめられることは認識されるであろう。しかしながら、開示されるこの方法は、各請求項に明示的に記載されたものよりもより多くの特徴を必要とする、という意図を反映するものである、と解釈されるべきではない。むしろ、特許請求の範囲が表すように、発明の態様は、単一の、上で開示された実施形態の全ての特徴よりも少ないところにある。したがって、発明の詳細な説明に続く特許請求の範囲は、これにより、この発明の詳細な説明に明示的に組み込まれ、各請求項は、本発明の別個の実施形態として独立に成立するものである。
【0098】
さらに、本開示に記載の実施形態の中には、他の実施形態に含まれる一部の特徴は含むものの他の特徴は含まないものもあるが、当業者であれば理解できるように、異なる実施形態の特徴の組み合わせは本発明の範囲内であり、異なる実施形態を形成することを意味する。例えば、以下の特許請求の範囲において、特許請求の範囲に記載された実施形態はいずれもどのような組み合わせによって用いられてもよい。
【0099】
したがって、ある特定の実施形態が述べられていても、本発明の趣旨を逸脱することなく他の、更に別の改変を加えてもよいことは当業者であれば認識できるであろうし、そのような変更や改変は全て本発明の範囲内のものであるとして権利要求することが意図されている。例えば、ブロック図に機能を追加しても、ブロック図から機能を削除してもよく、機能ブロックの間で操作を入れ替えてもよい。本発明の範囲内で、記載の方法に対してステップを追加しても削除してもよい。上で開示された主題は例示的なものであって限定的なものではないと考えられるべきであり、添付の特許請求の範囲は本開示の真の趣旨および範囲に属する全ての改変、変更、拡張、およびその他の実装形態をカバーすることを意図している。したがって、法律によって認められる最大の範囲で、本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物の可能な限り広範な解釈によって決定され、上述の詳細な説明によって制限又は限定されるものではない。本開示の様々な実装形態を説明したが、当業者にとっては、本開示の範囲内で実施可能なより多くの実装形態があることは明らかであろう。したがって、本開示は添付のクレームとその均等物を除いて制限的なものではない。
【符号の説明】
【0100】
100A 本アプリ
A1 本アプリ以外のアプリ
101 スイング分析ボタン
102 クラブの種類表示
103 マーク設定(マーキング)表示
104 飛距離入力表示
105 スイング名称入力表示
106A 保存ボタン
106B キャンセルボタン
107 スイングスピード
108 選択されたスイングのスピード表示
109 腰捻転角度
110 人物モデル表示
111 2つのスイングを比べる表示
112 第1記憶されているスイング表示
113 第2記憶されているスイング表示
114 比べるボタン
115 選択されたスイングのトップ切り返し表示
116 選択されたスイングの第1腕加速表示
117 選択されたスイングの第2腕加速表示
118 選択されたスイングの腰減衰率
119 ヒップスピード
120 インパクト腰角度

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22