(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166627
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】一軸多段遠心形流体機械
(51)【国際特許分類】
F04D 29/44 20060101AFI20241122BHJP
F04D 29/46 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
F04D29/44 P
F04D29/46 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082834
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】319007240
【氏名又は名称】株式会社日立インダストリアルプロダクツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】平舘 澄賢
(72)【発明者】
【氏名】橋本 竜一
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AB27
3H130AB46
3H130AB62
3H130AB65
3H130AB69
3H130AC01
3H130BA66A
3H130CA02
3H130CA03
3H130DA02Z
3H130DB01Z
3H130DB13Z
3H130DG09Z
3H130EA06A
3H130EA07A
3H130EB03A
(57)【要約】
【課題】信頼性の高い構成で定格流量運転と小流量運転とを切り替え可能で、圧縮機効率も改善する。
【解決手段】一軸多段遠心形流体機械は、回転軸と、複数の遠心羽根車と、ケーシングと、ケーシングに設けられ初段の遠心羽根車に流体を導入する導入ノズルと、最終段の遠心羽根車から吐出された流体を吐出する吐出ノズルとを備える。前記導入ノズルは、定格流量運転時に使用される第1導入ノズルと、小流量運転時に使用される第2導入ノズルを備え、第1導入ノズルから初段の前記遠心羽根車に流入する第1吸込流路と、第2導入ノズルから初段の前記遠心羽根車に流入する第2吸込流路を有し、第2吸込流路は初段の遠心羽根車に流入させる流れに旋回成分を与える構成として、前記導入ノズルに導入する流体を、第1吸込流路と第2吸込流路の何れに流入させるかを切り替える切替え装置を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、この回転軸に取付けられた複数の遠心羽根車と、これら複数の遠心羽根車を収容するケーシングと、このケーシングに設けられ複数の前記遠心羽根車のうちの初段の遠心羽根車に流体を導入するための導入ノズルと、前記ケーシングに設けられ複数の前記遠心羽根車のうちの最終段の遠心羽根車から吐出された流体を吐出するための吐出ノズルとを備えた一軸多段遠心形流体機械であって、
前記導入ノズルは、定格流量運転時に使用される第1導入ノズルと、定格流量より少ない小流量運転時に使用される第2導入ノズルを備え、
前記第1導入ノズルから初段の前記遠心羽根車に流入する第1吸込流路と、前記第2導入ノズルから初段の前記遠心羽根車に流入する第2吸込流路を有し、
前記第2吸込流路は、前記初段の遠心羽根車に流入させる流れに旋回成分を与える構成とし、
前記導入ノズルに導入する流体を、前記第1吸込流路と前記第2吸込流路の何れに流入させるかを切り替える切替え装置を備えていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項2】
請求項1に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第1吸込流路は、前記第2吸込流路よりも少ない旋回成分の流れとして初段の前記遠心羽根車に流入させる構成としていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項3】
請求項2に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第1吸込流路は旋回成分を与えない流れとして初段の前記遠心羽根車に流入させることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項4】
請求項1に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第1吸込流路及び前記第2吸込流路は、それぞれ前記回転軸の周囲に環状に設けられ前記流体を周方向に回り込ませるための環状流路部と、前記環状流路部の内周側に設けられ前記環状流路部を通過した流れを半径方向内向きから前記回転軸の下流側方向へ転向させて初段の前記遠心羽根車に導くL字状ベンド流路部を備えている構成としている一軸多段遠心形流体機械。
【請求項5】
請求項4に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第2吸込流路のL字状ベンド流路部には、周方向に間隔をあけて環状に複数配置され、流れに旋回成分を与える固定流体ガイドを設けていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項6】
請求項1に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記切替え装置は、前記第1導入ノズルに流体を導く主配管と、この配管に設けられた第1の弁と、前記主配管における前記第1の弁の上流側から分岐して前記第2導入ノズルに流体を導く副配管と、この副配管に設けられた第2の弁を備えることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項7】
請求項1に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第1導入ノズルは前記回転軸の方向に向かって配置され、前記第2導入ノズルは、前記回転軸の方向からずれた方向に配置されると共に、前記第1導入ノズルに対し前記回転軸の回転方向に先行する方向の位置に配置されていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項8】
請求項4に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第1吸込流路における前記環状流路部の断面形状は、前記回転軸の円周方向に沿って略一定の形状に構成されていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項9】
請求項4に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第2吸込流路における前記環状流路部の断面形状は、この環状流路と前記第2導入ノズルとの合流部から前記回転軸の円周方向に沿って徐々に流路断面積が狭くなる渦巻形の形状に構成されていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項10】
請求項4に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第2吸込流路における前記環状流路部の断面形状は、前記回転軸の円周方向に沿って略一定の形状に構成されていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項11】
請求項4に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第1導入ノズルと前記第2導入ノズルは共に前記回転軸の方向に向かって配置され、前記第2導入ノズルからの流れは環状流路部の接線方向に向かうように構成されていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項12】
請求項11に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第1吸込流路及び前記第2吸込流路は、それぞれ前記回転軸の周囲に環状に設けられ前記流体を周方向に回り込ませるための環状流路部と、前記環状流路部の内周側に設けられ前記環状流路部を通過した流れを半径方向内向きから前記回転軸の下流側方向へ転向させて初段の前記遠心羽根車に導くL字状ベンド流路部を備え、
前記第2吸込流路のL字状ベンド流路部には、周方向に間隔をあけて環状に複数配置され、流れに旋回成分を与える固定流体ガイドを設け、
前記第2吸込流路における前記第2導入ノズルと前記環状流路部の合流部から反回転方向に設けられている前記固定流体ガイドの形状は、外径側でほぼ半径方向を向き、内径側では周方向に寝ており、それらの中間部を滑らかな曲線で結んだ形状であることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項13】
請求項1に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第1吸込流路が前記第2吸込流路より、軸方向の上流側に配置されていることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項14】
請求項1に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
前記第2導入ノズルは前記第1導入ノズルよりもノズルサイズが小さいことを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【請求項15】
請求項1に記載の一軸多段遠心形流体機械であって、
一軸多段遠心形流体機械は、アンモニアまたはメタノールを合成する合成用の一軸多段遠心圧縮機であることを特徴とする一軸多段遠心形流体機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一の軸に多数の遠心羽根車が取り付けられた一軸多段遠心形流体機械に関し、特にそれらの吸込流路形状に関するものである。また、本発明は、特に一軸多段遠心圧縮機に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
各種プラントでは、プロセスガスを昇圧するため、一つの回転軸に複数枚の遠心羽根車を多段に設けた一軸多段遠心圧縮機が用いられている。この一軸多段遠心圧縮機は、吸込流路を形成する吸込ノズルからプロセスガスを吸入して環状流路部に導入した後、回転軸に多段に設けた遠心羽根車により順次圧縮、昇圧し、その後吐出ノズルから排出するように構成されている。
【0003】
このような一軸多段遠心圧縮機としては、特開2007-309154号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この特許文献1記載の一軸多段遠心圧縮機では、初段羽根車の上流に、取り付け角が可変の可動式入口案内羽根を設置しており、一軸多段遠心圧縮機における上流側の第1グループの圧縮段の流量を、前記可動式入口案内羽根を制御することにより調整している。また、前記一軸多段遠心圧縮機の下流側の第2グループの圧縮段においては、羽根車に流入する流れに予旋回を与える予旋回手段を羽根車の上流側に設けている。この予旋回手段は、外部からガスを導入ノズルに導入する導入流路部と、この導入流路部の下流側であって周方向に間隔を置いて配置された複数の固定案内羽根を有する案内羽根流路部とにより構成され、導入流路部から案内羽根流路部を経た流れと、吸込みノズルから吸込まれたガスの流れとを混合して、前記第2グループの羽根車の吸込み流れに予旋回を付与して流量を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
設置する一軸多段遠心圧縮機に対し、プラントの種類によっては、定格吐出圧力を維持しつつ、定格流量運転と、定格流量よりも小さい流量での小流量運転とを、例えば毎日繰り返して切り替えることが要求される場合がある。この場合、定格流量運転時には圧縮機には予旋回なしの状態で作動流体を導入する一方、小流量での運転が要求される小流量運転時には圧縮機に予旋回を付与した状態で作動流体を導入する。この予旋回なしの状態での運転と予旋回ありの状態での運転とを日々切り替える必要がある。
【0006】
上述した特許文献1に記載の一軸多段遠心圧縮機では、初段羽根車の上流に、取り付け角が可変の可動式入口案内羽根を設置し、これを駆動させることで初段羽根車に予旋回を付与して、初段を含む上流側圧縮段の流量制御を可能としている。しかし、流量制御行うには入口案内羽根を繰り返し駆動させる必要があり、入口案内羽根を毎日繰り返し駆動させることにより、予旋回なしと予旋回ありの状態を切り替えている。このように可動式入口案内羽根の駆動頻度の高い運転を求められる場合でも、高い信頼性を確保することについて十分に考慮されていない。
【0007】
また、特許文献1に記載の一軸多段遠心圧縮機では、外部からガスを導入する導入流路部と、この導入流路部の下流側であって周方向に間隔を置いて配置された複数の固定案内羽根を有する案内羽根流路部により構成された予旋回手段を任意の中間段の羽根車の上流側に設置している。一方、吸込ノズルから吸い込まれて初段羽根車を含む上流側圧縮段を通過した流れは、前記中間段の羽根車のすぐ上流側の戻り流路において、周方向に間隔を置いて配置された複数のリターンベーン(翼)を通過させて旋回成分が除去された作動流体の流れとしている。この旋回成分を除去した作動流体に、前記予旋回手段で予旋回を付与した流れを、前記中間段の羽根車の入口側で混合させることにより、可動式の案内羽根なしに中間段羽根車への流入流れの予旋回量を調整し、流量制御を行うようにしている。
【0008】
しかし、中間段の羽根車上流に予旋回手段を設けているので、流量制御はこの中間段羽根車より下流側の圧縮段でしか行えず、圧縮機全体での小流量運転ができない。また、前記リターンベーンで旋回成分が除去された流れと、予旋回手段により旋回成分が付与された流れとが、前記中間段の羽根車の入口において合流するので、この合流する際の混合損失が大きくなり、圧縮機効率が低下する課題もある。
【0009】
本発明の目的は、信頼性の高い構成で定格流量運転と定格流量よりも少ない小流量運転とを切り替えることが可能で、予旋回を付与する時でも圧縮機効率を改善することのできる一軸多段遠心形流体機械を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、回転軸と、この回転軸に取付けられた複数の遠心羽根車と、これら複数の遠心羽根車を収容するケーシングと、このケーシングに設けられ複数の前記遠心羽根車のうちの初段の遠心羽根車に流体を導入するための導入ノズルと、前記ケーシングに設けられ複数の前記遠心羽根車のうちの最終段の遠心羽根車から吐出された流体を吐出するための吐出ノズルとを備えた一軸多段遠心形流体機械であって、前記導入ノズルは、定格流量運転時に使用される第1導入ノズルと、定格流量より少ない小流量運転時に使用される第2導入ノズルを備え、前記第1導入ノズルから初段の前記遠心羽根車に流入する第1吸込流路と、前記第2導入ノズルから初段の前記遠心羽根車に流入する第2吸込流路を有し、前記第2吸込流路は、前記初段の遠心羽根車に流入させる流れに旋回成分を与える構成とし、前記導入ノズルに導入する流体を、前記第1吸込流路と前記第2吸込流路の何れに流入させるかを切り替える切替え装置を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、信頼性の高い構成で定格流量運転と定格流量よりも少ない小流量運転とを切り替えることが可能で、予旋回を付与する時でも圧縮機効率を改善することのできる一軸多段遠心形流体機械を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一軸多段遠心形流体機械の実施例1を示す縦断面図。
【
図5】本発明の実施例1の変形例を示す図で、
図1に相当する図。
【
図7】本発明の一軸多段遠心形流体機械の実施例2を示す図で、
図2に相当する図。
【
図8】
図7の実施例2における第2吸込流路の流路形状を示す断面図で、
図4に相当する図。
【
図9】本発明の実施例2の変形例を示す図で、
図8に相当する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一軸多段遠心形流体機械の具体的実施例を図面に基づいて説明する。各図において同一符号を付した部分は同一或いは相当する分部を示している。また、以下説明する実施例では、一軸多段遠心形流体機械として一軸多段遠心圧縮機を例に説明するが、本発明は一軸多段遠心ポンプなどにも同様に適用可能である。
【実施例0014】
本発明の一軸多段遠心形流体機械の具体的実施例1を
図1~
図4を用いて説明する。
図1は本実施例1の一軸多段遠心形流体機械としての一軸多段遠心圧縮機を示す縦断面図、
図2は
図1のII-II線矢視図、
図3は
図1のIII-III線矢視断面図、
図4は
図1のIV-IV線矢視断面図である。
【0015】
図1に示すように、一軸多段遠心形流体機械としての本実施例の一軸多段遠心圧縮機100は、1本の回転軸2に複数の遠心羽根車(以下、単に羽根車ともいう)1が多段に取り付けられている。前記回転軸2の両端部は、軸受ケース3a内に設けられている軸受3bで回転自在に支承されている。4は複数の前記遠心羽根車1を収容する円筒状のケーシングで、このケーシング4には、複数の前記遠心羽根車1のうちの初段の遠心羽根車に流体(以下、作動流体や作動ガスともいう)を導入するための導入ノズル5と、前記ケーシング4に設けられ複数の前記遠心羽根車1のうちの最終段の遠心羽根車から吐出された流体を吐出するための吐出ノズル6とを備えている。
【0016】
前記導入ノズル5は、定格流量運転時に使用される第1導入ノズル5aと、定格流量より少ない小流量運転時に使用される第2導入ノズル5bにより構成されている。また、5aaは第1導入ノズル5aの入口フランジ部、5baは第2導入ノズル5bの入口フランジ部である。7は前記第1導入ノズル5aから吸い込まれた流体を初段の前記遠心羽根車1に流入させる第1吸込流路、8は前記第2導入ノズル5bから吸い込まれた流体を初段の前記遠心羽根車1に流入させる第2吸込流路である。
【0017】
前記第1吸込流路7は、前記第1導入ノズル5a内に形成された流路であるノズル流路部7a、前記回転軸2の周囲に環状に設けられ作動流体を周方向に回り込ませるための環状流路部7b及び前記環状流路部7bの内周側に設けられ前記環状流路部7bを通過した流れを半径方向内向きから回転軸2の下流側方向へ転向させて初段の遠心羽根車1に導くL字状ベンド流路部7cを備えている。
【0018】
前記第2吸込流路8も同様に、前記第2導入ノズル5b内に形成された流路であるノズル流路部8a、前記回転軸2の周囲に環状に設けられ作動流体を周方向に回り込ませるための環状流路部8b及び前記環状流路部8bの内周側に設けられ前記環状流路部8bを通過した流れを半径方向内向きから回転軸2の下流側方向へ転向させて初段の遠心羽根車1に導くL字状ベンド流路部8cを備えている。
【0019】
前記第2吸込流路8は、前記初段の遠心羽根車1に流入させる流れに旋回成分を与える構成としている。また、前記第1吸込流路7は、前記第2吸込流路8よりも少ない旋回成分の流れとして初段の前記遠心羽根車1に流入させる、或いは旋回成分を与えない流れとして初段の前記遠心羽根車1に流入させる構成としている。
【0020】
各段の遠心羽根車1の半径方向外径側には、各段羽根車から吐出された作動ガスの流路となるディフューザ部9がほぼ径方向に形成されている。本実施例では、前記ディフューザ部9は、周方向に間隔を置いて配置された複数の翼9aを有する羽根付ディフューザとして構成されている。なお、ディフューザ部9に翼を全く備えていない羽根なしディフューザが用いられることもある。
【0021】
ディフューザ部9の下流側は、次段の遠心羽根車1への吸込流路を形成するために、作動ガスの流れを半径方向外向き流れから半径方向内向き流れにするリターンチャンネル10が設けられている。このリターンチャンネル10には、作動ガスの流れを整流するためにリターンベーン10aが周方向に間隔をおいて配置されている。前記ディフューザ部9及び前記リターンチャンネル10は静止流路11を形成している。
【0022】
最終段の遠心羽根車1の下流側であって半径方向外側には、スクロール12が形成されており、最終段の遠心羽根車1から流出する高圧の作動ガスを集めて吐出ノズル6から機外へと吐出するように構成されている。
【0023】
ディフューザ部9とリターンチャンネル10との間の回転軸2とケーシング4との間の隙間をシールする軸封部13が設けられている。この軸封部13は、本実施例ではラビリンスシールで構成されており、ラビリンスシールはケーシング4の軸貫通部内周面に取り付けられて、回転軸2と間に僅かな隙間をもって配置されている。この軸封部13により、前段の遠心羽根車1から吐出された作動ガスが前記隙間を通って後段の遠心羽根車1に流入するのを防止している。
【0024】
また、初段の遠心羽根車1と軸受3bとの間の軸貫通部と、最終段の遠心羽根車1と軸受3bとの間の軸貫通部にもラビリンスシールで構成された軸封部14,15が設けられている。前記軸封部14は、機外の空気などが初段の遠心羽根車1に流入するのを防止し、前記軸封部15は、最終段の遠心羽根車1から吐出された作動ガスが、スクロール12に流入することなく直接機外に漏洩するのを防止するために設けられている。
なお、前記軸受ケース3aはケーシング4と一体に設けられるか、或いは取付台を別に設けて前記軸受ケース3aを取り付けている。
【0025】
複数の遠心羽根車1及び回転軸2を収容する円筒状のケーシング4における初段の遠心羽根車1側の端部に吸込流路が形成されており、本実施例では前記吸込流路は、前述した第1吸込流路7と、第1吸込流路7よりも初段の遠心羽根車1の側に設置された第2吸込流路8で構成されている。これら第1吸込流路7及び第2吸込流路8は、一軸多段遠心圧縮機100の外部から作動ガスを圧縮機内部へと導入するための流路となっており、径方向から初段の遠心羽根車1に流入する流れを軸方向吸込み流れにするように構成されている。
【0026】
前記ケーシング4における吸込側の円筒外周面には前記第1導入ノズル5aと前記第2導入ノズル5bが設けられ、それらの入口部は入口フランジ部5aa,5baとなっている。これらの入口フランジ部5aa,5baの断面形状は円形となっており、各導入ノズル5a,5bは内径側に行くにしたがって断面形状が、
図1に示す圧縮機中心断面に対して面対称となるオーバル形(より扁平が大きくなる形状)に構成されている。
【0027】
第1導入ノズル5aまたは第2導入ノズル5bから吸い込まれた作動ガスは、前記第1吸込流路または前記第2吸込流路を介して半径方向内側に導かれ、初段の遠心羽根車1の吸込口1aに流入する。ここで、第1導入ノズル5aの入口フランジ部5aaから、初段の遠心羽根車1の吸込口1aまでの間の流路が前記第1吸込流路であり、第2導入ノズル5bの入口フランジ部5baから、初段の遠心羽根車1の吸込口1aまでの間の流路が前記第2吸込流路である。
【0028】
各吸込流路7,8は、上述したように、ノズル流路部7a,8a、環状流路部7b,8b及びL字状ベンド流路部7c,8cから構成されており、前記環状流路部7b,8bはノズル流路部7a,8aの内径側に接続され、各導入ノズル5a,5bから導入された流れを円周方向へと回り込ませる。前記L字状ベンド流路部7c,8cは前記環状流路部7b,8bの内径側7ba,8baに接続され、作動ガスを半径方向内向きから回転軸2の軸線Xの下流側方向へと転向させる。
【0029】
前記第2吸込流路8のL字状ベンド流路部8cには、周方向に間隔を置いて環状に配置した複数の固定流体ガイド17が設置されている。この固定流体ガイド17は第2吸込流路8を流れる流体に安定した均一な旋回流を与えるためのものである。
【0030】
また、前記第1吸込流路7と前記第2吸込流路8は、ケーシング4の一部を構成する隔壁18により隔てられており、隔壁18の内径側先端部18aの下流側で、L字状ベンド流路部7cとL字状ベンド流路部8cは合流し、初段の遠心羽根車1の吸込口1aへ繋がるように構成されている。
【0031】
本実施例では、前記導入ノズル5に導入する流体を、前記第1吸込流路7と前記第2吸込流路8の何れに流入させるかを切り替える切替え装置(流入制御装置)を備えている。この切替え装置について以下説明する。
【0032】
図1に示すように本実施例においては、作動流体を一軸多段遠心圧縮機100の第1吸込流路7を構成する第1導入ノズル5aに導くための主配管21と、この主配管21に設けられた開閉弁21aと、前記主配管21における前記開閉弁21aの上流側から分岐して前記第2吸込流路8を構成する第2導入ノズル5bに作動流体を導くための副配管22と、この副配管22に設けられた開閉弁22aを備えている。前記切替え装置は、前記開閉弁21a,22aの開閉を制御することにより、前記主配管21からの作動流体の流れを第1吸込流路7に導くか、或いは第2吸込流路8に導くかを制御する。
【0033】
前記切替え装置として、本実施例では、作動流体の流入を開閉する開閉弁21a,22aで構成する例を説明したが、前記開閉弁21a,22aの代わりに、流入量を調整可能な流量調整弁で構成しても良い。流量調整弁とすれば、作動流体の第1吸込流路7と第2吸込流路8の切替え時に、遠心羽根車1へ流入する流入量の変化を滑らかに制御でき、急激な流量変化となるのを回避できるので、切替える際にも安定した運転が可能となる。
【0034】
次に、本実施例の一軸多段遠心圧縮機100における初段の遠心羽根車1に作動ガスを導入するための導入ノズル5(第1導入ノズル5a,第2導入ノズル5b)及び吸込流路(第1吸込流路7,第2吸込流路8)の構成と、前記吸込流路を通過する作動ガスの流動状態について、
図2~
図4も用いて説明する。
【0035】
図2は
図1のII-II線矢視図で、回転軸2の軸線Xの方向の上流側から一軸多段遠心圧縮機100を見た図であり、この
図2により第1導入ノズル5aと第2導入ノズル5bの配置位置を説明する。
図2に示すように、本実施例における第1吸込流路7を構成する第1導入ノズル5aは、回転軸2の方向に向かって配置されている。一方、第2吸込流路8を構成する第2導入ノズル5bは、回転軸2の方向からずれた方向に向かって配置されている。また、第2吸込流路8を構成する第2導入ノズル5bは、第1吸込流路7を構成する第1導入ノズル5aに対し、回転軸2の上流方向から見て、遠心羽根車1及び回転軸2の回転方向Aに先行する方向の位置に設置されている。
【0036】
図3は
図1のIII-III線矢視断面図で、実施例1における第1吸込流路7の流路形状と作動ガスの流動方向を示す図である。
図4は
図1のIV-IV線矢視断面図で、第2吸込流路8の流路形状と作動ガスの流動方向を示す図である。
【0037】
図3に示すように本実施例においては、第1吸込流路7における環状流路部7bは、その流路断面形状が前記回転軸2の円周方向に沿って略一定の形状となるように構成されている。
図3は、第1吸込流路7の流路形状に加え、
図1,
図2に示す開閉弁21aのみを開き、開閉弁22aは閉じている場合の作動ガスの流れも示している。
【0038】
前記第1導入ノズル5aの入口フランジ部5aaから第1吸込流路7に導入される作動ガスの流れ(流動方向)は矢印Bとして示されている。第1導入ノズル5aの入口フランジ部5aaから第1吸込流路7に導入された作動ガスは、ノズル流路部7aを通過して環状流路部7b内に流入する。この作動ガスは、全周にわたって存在する環状流路部7bを左右に回り込みながら、矢印Bで示すように、各周方向位置において流動方向を回転軸2の軸線Xに向かう方向、即ち旋回成分を有さない流動方向へと流れ込みつつ、左右対称な流れ場を形成してL字状ベンド流路部7cに流入する。L字状ベンド流路部7cに流入した作動ガスは、流動方向を軸線Xの下流側方向へと転向させ、初段の遠心羽根車1の吸込口1aへ流れる。
【0039】
なお本実施例では
図3に示すように、導入ノズル5aが設置されている位置の反対側の第1吸込流路7には、環状流路部7bからL字状ベンド流路部7cの部分にかけての流路内部に、作動ガスの流れの旋回除去と流れの左右対称性の確保を狙い、旋回防止板23が設けられている。
このように、第1吸込流路7は、旋回成分なしに初段の遠心羽根車1の吸込口1aへと作動ガスを導入する吸込流路となっている。
【0040】
一方、
図4に示すように、第2吸込流路8における環状流路部8bは、その流路断面形状が、第2導入ノズル5bのノズル流路部8aと環状流路部8bとの合流部Cから、回転軸2の円周方向に沿って、徐々に流路断面積が狭くなる渦巻状の形状となるように構成されている。
図4は、第2吸込流路8の流路形状に加え、
図1,
図2に示す開閉弁22aのみを開き、開閉弁21aは閉じている場合の作動ガスの流れも示している。
【0041】
前記第2導入ノズル5bの入口フランジ部5baから第2吸込流路8に導入される作動ガスの流れ(流動方向)は、この図でも矢印Bとして示されている。第2導入ノズル5bの入口フランジ部5aaから第1吸込流路7に導入された作動ガスは、ノズル流路部7aを通過して環状流路部8b内に流入する。
【0042】
第2導入ノズル5bの入口フランジ部5baから第2吸込流路8に導入された作動ガスは、矢印Bで示すように、ノズル流路部8aを通過後、環状流路部8b内に流入する。本実施例では、第2導入ノズル5bは、回転軸2の軸心Xの方向からずれた方向で、且つ第1導入ノズル5aに対して回転軸2の回転方向Aに先行する方向に設置されている。
【0043】
従って、環状流路部8b内に流入した作動ガスは、一定の方向、即ち
図4では回転軸2や遠心羽根車1の回転方向Aと同一方向に、旋回しながら前記環状流路部8bを内周側に向かって徐々に流動していき、L字状ベンド流路部8cに流入する。
【0044】
前記環状流路部8b内を流れる作動ガスの体積流量は、第2導入ノズル5bと環状流路部8bの合流部C付近の周方向位置において最も大きく、そこから羽根車の回転方向Aの方向に向かうにつれて徐々に流量が小さくなっていく。本実施例における環状流路部8bは、その流路断面形状が、第2導入ノズル5bと環状流路部8bの合流部Cから、周方向に沿って徐々に流路断面積が狭くなる渦巻状の形状に構成されている。従って、環状流路部8bを流れる作動ガスが、周方向の体積流量分布を有していても、作動ガスの旋回流速を周方向位置によらず一定とすることができ、L字状ベンド流路部8cに流入する際の流れの一様性を高めることができる。
【0045】
また、L字状ベンド流路部8cには、軸線Xを回転中心とした周方向に、一定の間隔を置いて、複数の前記固定流体ガイド17が環状に設置されている。従って、作動ガスは前記固定流体ガイド17により所望の旋回角度となるよう整流される。この固定流体ガイド17は、
図4では翼厚みが一定の直線翼として構成しているが、翼厚み分布を有する反りのある断面形状を有する翼形に構成することもできる。
【0046】
L字状ベンド流路部8cに流入した作動ガスは、旋回しながら流動方向を軸線Xの下流側方向へと転向させ、初段の遠心羽根車1の吸込口1aへ流れる。このように第2吸込流路8は、固定流体ガイド17により、作動ガスの流れに、所望の旋回角度となるように整流された旋回流を付与して初段の遠心羽根車1の吸込口1aへと作動ガスを導入することができる。
【0047】
次に、本実施例の効果を説明する。
本実施例の一軸多段遠心圧縮機100は、上述した構成としたことにより、主配管21に設けた開閉弁21a及び副配管22に設けた開閉弁22aの開閉を切り替えるだけの比較的簡単な構成で、予旋回なしで初段の前記遠心羽根車1に作動流体を流入させる状態と、予旋回を付与して初段の前記遠心羽根車1に作動流体を流入させる状態とを切替えることができる。従って、一軸多段遠心圧縮機100内部に、従来のように可動式入口案内羽根のような何らの流量制御用駆動機構を設置する必要がなくなる。これにより、本実施例によれば、圧縮機の定格流量運転モードと小流量運転モードとを高頻度で切り替えることが求められる場合においても、高い製品信頼性を維持することが可能となる。
【0048】
また、予旋回なしで初段の遠心羽根車1の吸込口1aへ作動ガスを導入する第1吸込流路7については、固定流体ガイドを設けていないため、固定流体ガイド設置に伴う圧力損失の発生を抑制することができる。
【0049】
更に、流量制御のために、予旋回を付与した作動ガスを初段の遠心羽根車1に導入する構成を有するため、一軸多段遠心圧縮機100全体での流量制御ができるという効果もある。また、初段の遠心羽根車1の吸込口1aに予旋回を付与した作動ガスを導入する前記第2吸込流路8は、予旋回なしの作動流体を導入させる前記第1吸込流路7とは別系統の流路としている。このため、予旋回を付与して初段の遠心羽根車1に作動流体を流入させる第2吸込流路8のみから作動ガスを導入する際に、旋回なしの流れと旋回流とが合流することがなくなる。このため混合損失の発生を抑制することができ、予旋回付与時の圧縮機効率を向上することが可能となる。
【0050】
また本実施例では、第1導入ノズル5aは回転軸2の方向に配置され、第2導入ノズル5bは回転軸2の方向からずれた方向で且つ第1導入ノズル5aに対して回転軸2の回転方向Aに先行する方向の位置に設置されている。これにより、第1導入ノズル5aと第2導入ノズル5bは、ケーシング4における設置位置が周方向に互いにずれるため、これら2つの導入ノズル5a,5bを干渉なく設置できる。従って、前記隔壁18の軸方向厚さを大きくして導入ノズル5aと5bの干渉を防止する必要がなくなり、第1吸込流路7と第2吸込流路8の間の軸方向の距離を最小化できる。これにより、回転軸2の両端部に設置した2つの軸受3bの間の軸受間距離を短く保つこともできるので、回転軸2の回転数(圧縮機の回転速度)をより高くすることも可能になる。
【0051】
次に、
図5及び
図6により本発明の実施例1の変形例を説明する。
図5及び
図6はそれぞれ
図1及び
図4に相当する図で、
図5は本変形例の一軸多段遠心圧縮機の縦断面図、
図6は
図5のVI-VI線矢視断面図で、本変形例における第2吸込流路の流路形状と作動ガスの流動方向を示す図である。
【0052】
図5及び
図6に示す変形例では、第2吸込流路8における環状流路部8bを、その流路断面形状が回転軸2の円周方向に沿って略一定の形状となるように構成したものである。他の構成は上述した
図1~
図4に示す実施例1と同様である。
本変形例の構成とすることにより、環状流路部8bの形状が簡略化されるので、環状流路部8bを製作するコストを低減できる効果がある。
【0053】
なお、上述した実施例1及び変形例では、
図1及び
図5に示すように、第1吸込流路7が第2吸込流路8よりも、回転軸2の長手方向上流側に配置されている。前記固定流体ガイド17を、L字状ベンド流路部8cにおける相対する2つの流路壁面が何れも鉛直方向(軸線Xに対し直角方向)に直線的な平面になっている半径方向領域に形成すれば、最も簡単に固定流体ガイド17を設置することができる。本実施例では、第2吸込流路8を回転軸2の長手方向下流側に配置しているので、上述した簡単に固定流体ガイド17を設置できる領域の半径方向長さを長くすることができる。従って、固定流体ガイド17の半径方向長さを長くすることもできるため、遠心羽根車1への作動ガスの流れが所望の旋回角度を有するようにして、作動ガスの流れを整流することが容易に可能となる。
【0054】
また、上述した実施例1及び変形例における一軸多段遠心圧縮機100では、ガス流量を多くする定格流量運転モードでは第1導入ノズル5aを、ガス流量を少なくする小風量運転モードでは第2導入ノズル5bを、それぞれ作動ガスが通過することになる。従って、第2導入ノズル5bのノズルサイズは、第1導入ノズル5aのノズルサイズよりも小さくすることが好ましい。
【0055】
上述した本実施例に記載の一軸多段遠心圧縮機100は、様々なプラントに適用できるが、特に、定格吐出圧力を維持しつつ、定格流量から小風量側までの幅広い流量範囲において安定した動作が要求される一軸多段の遠心圧縮機に適用すると効果が大きい。このような一軸多段遠心圧縮機としては、アンモニアやメタノール等の合成プラント用のものが挙げられる。これらの合成プラントに用いられる合成ガス圧縮機では、アンモニアやメタノールの合成に必要なガス圧力を維持しながら、所望のガス合成量に合わせ、定格流量から小流量側までの幅広い流量範囲において安定動作することが求められる。特に、合成ガス圧縮機の駆動用電力として太陽光発電由来の電力が利用されるプラントにおいては、昼夜で発電量が大幅に変化するため、それに合わせてガス合成量も、定格流量(昼間)と小風量(夜間)とで切り替える必要がある。
【0056】
従って、このようなプラントで用いる合成ガス圧縮機に本実施例を適用することで、初段の遠心羽根車1に流入させる作動ガスに対し、昼間は第1吸込流路7から予旋回を付与せずに作動ガス(作動流体)を流入させて運転し、夜間には第2吸込流路から予旋回を付与した作動ガスを流入させて運転するように切り替えて運転することができる。これにより、定格流量から小流量側までの幅広い流量範囲において一軸多段遠心圧縮機を安定して運転することができる。
このように構成することにより、固定流体ガイド17(17a,17b)に対し、矢印Bで示す作動ガスの流入方向のずれが小さくなり、固定流体ガイド17(17a,17b)における流れの剥離を抑制し、圧縮機効率の低下を抑制することが可能となる。
なお実施例2においても、上述実施例1と同様に、第1吸込流路7が第2吸込流路8よりも、回転軸2の長手方向上流側に配置されている。また、第2導入ノズル5bのノズルサイズは、第1導入ノズル5aのノズルサイズよりも小さくすることが好ましい。
以上説明した本発明の各実施例によれば、圧縮機内に駆動装置を有さない簡単な構成で、予旋回なしで初段の遠心羽根車に作動流体を流入させる状態と、予旋回を付与して初段の遠心羽根車に作動流体を流入させる状態とを切替可能としているので、高信頼性で圧縮機の定格流量運転と小流量運転とを切り替えることができる。また、予旋回付与時の圧縮機効率を改善することもできる一軸多段の遠心圧縮機を得ることができる。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例では一軸多段遠心圧縮機に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、一軸多段遠心圧縮機に限られるものではなく、一軸多段遠心ポンプなどの一軸多段遠心形流体機械であっても、作動流体を回転軸の径方向から導入して遠心羽根車に流入させる吸込流路を備えるものであれば同様に適用できるものである。また、本発明はアンモニアやメタノール等の合成プラントに用いられる合成ガス圧縮機に限られず、その他の各種プラントの圧縮機として適用可能である。
また、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。更に、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。