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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166640
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/104 20220101AFI20241122BHJP
   F24H 15/196 20220101ALI20241122BHJP
   F24H 15/238 20220101ALI20241122BHJP
   F24H 15/20 20220101ALI20241122BHJP
   F24H 15/32 20220101ALI20241122BHJP
   F24H 15/395 20220101ALI20241122BHJP
   F24H 15/45 20220101ALI20241122BHJP
   A47K 3/00 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
F24H15/104
F24H15/196 301L
F24H15/238
F24H15/20
F24H15/32
F24H15/395
F24H15/45 101
A47K3/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082856
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 章孝
(72)【発明者】
【氏名】井上 清晴
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 直人
(72)【発明者】
【氏名】弘中 睦己
【テーマコード(参考)】
3L024
【Fターム(参考)】
3L024CC30
3L024DD06
3L024DD13
3L024DD14
3L024DD17
3L024DD27
3L024DD35
3L024EE03
3L024FF11
3L024FF16
3L024GG22
3L024GG45
3L024GG50
3L024HH38
3L024HH58
(57)【要約】
【課題】除菌効果を有する機能水による配管洗浄運転機能を有する給湯装置において、機能水の生成を停止できなくなる故障に適切に対応する。
【解決手段】給湯回路から浴槽への注湯経路内に配置された機能水生成ユニット35は、作動時に、ふろ注湯弁13の開放によって給湯回路より供給された湯水から機能水を生成する。三方弁32は、注湯経路内において機能水生成ユニット35を通過しない第1経路P1と、機能水生成装置を通過する第2経路P2とを選択する。コントローラ12は、機能水生成ユニット35のオン故障を検知すると、ふろ注湯弁13を閉止するとともに第1経路P1を選択するように三方弁32を制御し、そのオン故障が解消されるまで三方弁32による第2経路P2の選択を禁止する一方で、三方弁32が第1経路P1を選択する下でのふろ注湯弁13の開放を許容する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯先に浴槽を含む給湯装置であって、
湯水を供給する給湯回路と、
前記給湯回路からの湯水を前記浴槽に対して供給するための注湯経路と、
前記給湯回路及び前記注湯経路の間に配置された開閉弁と、
前記注湯経路内に配置されて、作動時に前記湯水から機能水を生成する機能水生成装置と、
前記注湯経路内に配置されて、前記湯水が前記機能水生成装置を通過しない第1経路と、前記湯水が前記機能水生成装置を通過する第2経路とを選択するための切替弁と、
前記機能水による配管洗浄運転の期間において、前記開閉弁を開放するとともに前記第2経路を選択するように前記切替弁を制御し、かつ、前記機能水生成装置に作動を指示する制御回路とを備え、
前記制御回路は、前記機能水生成装置に作動を指示していない期間において前記機能水生成装置が作動しているオン故障を検知すると、前記開閉弁を閉止するとともに前記第1経路が選択されるように前記切替弁を制御し、さらに、
前記オン故障の検知後において、前記オン故障が解消されるまで前記切替弁による前記第2経路の選択を禁止する一方で、前記切替弁が前記第1経路を選択する下での前記開閉弁の開放を許容する、給湯装置。
【請求項2】
前記注湯経路に配設された流量センサをさらに備え、
前記注湯経路は、前記開閉弁の開放に伴って生じる流量が前記第1経路及び前記第2経路の間で異なるように構成され、
前記制御回路は、前記機能水による配管洗浄運転の開始前に、前記切替弁が前記第1経路及び前記第2経路の選択を切替えたときの前記流量センサの検出流量に基づく前記切替弁の動作試験を実行する、請求項1記載の給湯装置。
【請求項3】
前記機能水生成装置は、前記作動時には前記湯水を電気分解することによって機能水を生成するように構成され、
前記給湯装置は、
前記機能水生成装置による前記湯水の通電電流を検出する電流センサをさらに備え、
前記制御回路は、前記機能水生成装置に作動を指示していない期間において、前記電流センサによる検出電流が予め定められた判定電流を超えると、前記機能水生成装置の前記オン故障を検知する、請求項1又は2に記載の給湯装置。
【請求項4】
前記制御回路が前記オン故障を検知したときに、前記機能水生成装置の前記オン故障をユーザに報知するための報知部をさらに備える、請求項3記載の給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン水等の除菌効果を有する機能水による配管洗浄運転機能を有する給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オゾン水を用いた浴室清掃装置が、特開平11-9481号公報(特許文献1)等に記載されている。
【0003】
特許文献1に記載された浴槽清掃装置では、浴室内に設けられた噴出ノズル又はシャワーに対して供給される水道水について、オゾン水生成装置を経由する経路と、オゾン水生成装置を経由しない経路とを選択するための切換弁が配置される。
【0004】
さらに、特許文献1では、人体検知センサによって使用者が浴室から退出したことを検知するのに応じて、水道水がオゾン水生成装置を経由する経路が選択されるように切換弁を制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-9481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
給湯装置の一態様として、給湯先に浴槽を含む機種があり、当該機種では、給湯装置から浴槽への湯張りを行うことができる。さらに、浴槽からの排水検知時には、湯張り時と同等の経路に給湯装置から湯水を供給することで、配管等の洗浄運転を実行することが可能である。
【0007】
このような給湯装置に対して、特許文献1と同様のオゾン水生成装置を適用すると、除菌効果を有する配管洗浄を実行することが可能となる。一方で、上述した様に、浴槽への湯張り時と、配管洗浄時とで、給湯装置から浴槽への給水経路が同じであると、オゾン水生成装置の異常時、特に、オゾン水の生成を停止できなくなる異常の際に、湯張り運転等のために給湯装置から浴槽へ給水できなくなることで、ユーザの利便性低下による商品性の低下が懸念される。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、除菌効果を有する機能水による配管洗浄運転機能を有する給湯装置において、機能水の生成を停止できなくなる故障に適切に対応することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある局面では、給湯先に浴槽を含む給湯装置が提供される。給湯装置は、湯水を供給する給湯回路と、給湯回路からの湯水を浴槽に対して供給するための注湯経路と、給湯回路及び注湯経路の間に配置された開閉弁と、注湯経路内に配置される機能水生成装置及び切替弁と、制御回路とを備える。機能水生成装置は、作動時に湯水から機能水を生成するように構成される。切替弁は、湯水が機能水生成装置を通過しない第1経路と、湯水が機能水生成装置を通過する第2経路とを選択する。制御回路は、機能水による配管洗浄運転の期間において、開閉弁を開放するとともに第2経路を選択するように切替弁を制御し、かつ、機能水生成装置に作動を指示する。さらに、制御回路は、機能水生成装置に作動を指示していない期間において機能水生成装置が作動しているオン故障を検知すると、開閉弁を閉止するとともに第1経路が選択されるように切替弁を制御する。制御回路は、オン故障の検知後において、オン故障が解消されるまで切替弁による第2経路の選択を禁止する一方で、切替弁が第1経路を選択する下での開閉弁の開放を許容する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、除菌効果を有する機能水による配管洗浄運転機能を有する給湯装置において、機能水が浴槽へ継続的に出力されることを回避した上で、浴槽へ湯水を供給する運転を許容する制御を実現することで、機能水の生成を停止できなくなる故障に適切に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施の形態に係る給湯装置の構成例を説明する概略図である。
図2図1の給湯装置100中の配管洗浄運転に係る構成を説明するブロック図である。
図3】本実施の形態に係る給湯装置による配管洗浄運転を説明するフローチャートである。
図4】本実施の形態に係る給湯装置による機能水生成ユニットのオン故障に対応するための制御処理を説明するフローチャートである。
図5】本実施の形態に係る給湯装置による三方弁の動作確認試験の制御処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお以下では、図中の同一又は相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る給湯装置の構成例を説明する概略図である。
【0014】
図1を参照して、本実施の形態に係る給湯装置100は、図示しない給湯栓等に加えて、浴室200に設置された浴槽20を給湯先に含む。
【0015】
給湯装置100は、筐体1、バーナ2、ファン3、熱交換器4、入水配管5、給湯配管6、バイパス弁7、バイパス配管7a、循環路8、温度センサ9,18,19、循環ポンプ10、水位センサ11、コントローラ12、ふろ注湯弁13、電気配線14、流量センサ15,16、リモコン40,50、三方弁32、機能水生成ユニット35、及び、定流量弁36を備える。
【0016】
筐体1は、筐体1の内部及び外部が連通するように設けられ、燃焼ガスを排気するための排気口1aを有している。筐体1は、バーナ2、ファン3、熱交換器4、入水配管5、給湯配管6、バイパス弁7、バイパス配管7a、温度センサ9,18,19、流量センサ15,16、循環ポンプ10、水位センサ11、コントローラ12、ふろ注湯弁13、三方弁32、機能水生成ユニット35、及び、定流量弁36を収容可能に構成されている。又、筐体1は、追焚運転用の循環路8の一部を収容する。
【0017】
バーナ2は、図示しない燃料供給系から燃料ガスの供給を受けて燃焼動作するように構成される。バーナ2は、燃焼ガスを熱交換器4に供給する。バーナ2は、給湯用のバーナ2aと、追焚用のバーナ2bとを有する。
【0018】
ファン3は、バーナ2に燃焼用の空気を供給する。ファン3は、バーナ2aに燃焼用の空気を供給するファン3aと、バーナ2bに燃焼用の空気を供給するファン3bとを有する。ファン3a,3bの各々は、羽根と、羽根を回転させるためのモータとを有する。モータに電流が印加されることにより羽根が回転して燃焼用の空気を供給するように構成されている。ファン3a,3bは、それぞれ、給湯装置100の高さ方向においてバーナ2a,2bの下方に配置されている。尚、ファン3について、図1では、バーナ2a及び2bのそれぞれに1個ずつファン3a及び3bを備える構成を例示したが、複数のバーナ2a,2bに対して、1個のファンを共通に備える構成とすることも可能である。
【0019】
熱交換器4は、給湯用の熱交換器4aと、追焚用の熱交換器4bとを有する。熱交換器4a,4bは、それぞれ、給湯装置100の高さ方向においてバーナ2a,2bよりも上方に配置されている。熱交換器4a,4bは、排気口1aの近傍に配置されている。
【0020】
熱交換器4aは、バーナ2aによって供給された燃焼ガスの熱を回収する。熱交換器4bは、バーナ2bによって供給された燃焼ガスの熱を回収する。熱交換器4a,4bの各々は、バーナ2の燃焼ガスの顕熱(燃焼熱)により入水を熱交換によって加熱する、一次熱交換器と、バーナ2からの燃焼排ガスの潜熱によって通流された水を熱交換によって加熱する、二次熱交換器とを含んでいてもよい。
【0021】
入水配管5は、入水口5aにおいて、水道配管と接続される。給湯栓の開栓時、及び/又は、ふろ注湯弁13の開放時に、水道水の供給圧力によって、入水口5aから給湯装置100へ低温水が導入される。入水配管5に設けられた温度センサ18は、入水口5aから導入された入水温度Twを検出する。
【0022】
入水配管5は、バイパス弁7を介して、缶体配管5bと、バイパス配管7aとに分岐される。缶体配管5bは、熱交換器4aの一方端と接続される。バイパス弁7の開度によって、入水配管5の全体流量に対する、バイパス配管7a及び缶体配管5bの流量比が制御される。
【0023】
熱交換器4aの他方端は、給湯配管6の一方端と接続される。入水配管5から缶体配管5bに供給された低温水は、熱交換器4aによって所定温度まで加熱されて、給湯配管6へ出力される。缶体配管5bには、流量センサ15が配置される。流量センサ15により、熱交換器4aの流量(缶体流量)を検出することができる。
【0024】
一方で、バイパス配管7aは、熱交換器4aをバイパスして給湯配管6と接続される。従って、入水配管5からバイパス配管7aへ供給された低温水は、熱交換器4aで加熱されることなく、給湯配管6へ出力される。このように、給湯装置100では、熱交換器4aから出力された高温水と、バイパス配管7aを通過した低温水とを混合して、設定温度に従った適温の湯を、給湯配管6から出力することができる。
【0025】
給湯配管6の他方端は、給湯栓(図示せず)等と接続された出湯口6aと接続される。従って、給湯栓の開放に応じて、設定温度に制御された適温の湯が、出湯口6aを経由して、給湯装置100から給湯栓へ供給される。
【0026】
給湯配管6は、浴槽20へ至る注湯配管13aと更に接続される。給湯配管6及び注湯配管13aの間には、ふろ注湯弁13が接続される。ふろ注湯弁13は、例えば、開閉制御可能な電磁弁によって構成することができる。ふろ注湯弁13を開放することにより、給湯配管6から浴槽20へ湯水が出力される経路を形成することができる。これにより、給湯装置100は、給湯栓等に加えて、給湯先に浴槽20を含むことができる。
【0027】
本明細書では、給湯装置100から浴槽20への給湯については「注湯」と称して、出湯口6a(給湯栓等)への給湯と区別することとする。注湯配管13aには、流量センサ16が設けられる。流量センサ16により、給湯装置100から浴槽20への注湯流量を検出することができる。尚、本実施の形態では、給湯配管6での出湯温度に関わらず、ふろ注湯弁13の開放により、湯又は水が、注湯配管13aを経由して浴槽20へ供給される動作を「注湯」と称する。また、ふろ注湯弁13の開放によって形成される、給湯配管6から浴槽20へ湯水が出力される経路を「注湯経路」と称する。
【0028】
即ち、給湯装置100のうちの、バーナ2a、ファン3a、熱交換器4a、入水配管5、缶体配管5b、給湯配管6、バイパス弁7、及び、バイパス配管7aによって、「給湯回路」の一実施例を構成することができる。また、ふろ注湯弁13は、上記給湯回路及び注湯経路の間に配置された「開閉弁」に相当する。
【0029】
循環路8は、浴槽20の湯水21(以下、浴槽水21とも称する)を給湯装置100内で循環するためのものであり、戻り配管8a及び往き配管8bと、循環ポンプ10とを有する。戻り配管8aの一方端は、浴槽20内の循環アダプタ25と接続され、他端は、熱交換器4bの入力側と接続される。往き配管8bの一端は、熱交換器4bの出力側と接続され、他端は循環アダプタ25と接続される。
【0030】
循環ポンプ10の作動により、循環アダプタ25から吸入された浴槽水21が、戻り配管8a、熱交換器4b、及び、往き配管8bを経由して、循環アダプタ25から吐出される経路(追焚循環経路)が形成される。追焚循環経路の形成時に、バーナ2bの燃焼動作をオンすると、戻り配管8aから導入された浴槽水21を熱交換器4bで加熱するとともに、加熱後の浴槽水21が往き配管8bによって浴槽20へ供給されることにより、浴槽水21の温度を上昇する追焚運転を行うことができる。
【0031】
戻り配管8aには、温度センサ9及び水位センサ11が接続されている。温度センサ9により、浴槽水21の温度(浴槽水温度Tbt)を検出することができる。水位センサ11は、例えば、圧力センサによって構成されて、浴槽水21の水圧に基づいて、浴槽20内での浴槽水21の水位(以下、単に「浴槽水位」とも称する)を検知する。温度センサ9及び水位センサ11は、循環ポンプ10の停止時においても、戻り配管8a内で浴槽水21が浸入する領域に配置される。
【0032】
戻り配管8aは、更に、接続点8cにおいて、注湯配管13aと接続される。例えば、接続点8cは、循環ポンプ10に設けることができる。この結果、給湯装置100から注湯すると、注湯配管13aから、接続点8c(循環ポンプ10)及び戻り配管8aを経由して浴槽20へ至る経路と、注湯配管13aから、接続点8c(循環ポンプ10)、戻り配管8a、熱交換器4b、及び、往き配管8bを経由して浴槽20へ至る経路とを含んで注湯経路を形成することができる。これにより、給湯装置100からの注湯によるふろ湯張り運転を行うことができる。
【0033】
この様に、給湯装置100(注湯回路)からの湯水は、循環路8を含む注湯経路を介して、浴槽20へ供給される。浴槽20には、排水栓26が設けられる。排水栓26は、ユーザの手動操作によって開閉される「手動排水栓」、及び、コントローラ12からの操作指令に応じた自動的な開閉操作についても可能な「自動排水栓」のいずれで構成することも可能である。
【0034】
図1に例示した排水構造では、排水栓26からの排水は、浴室200内の床面に設けられた排水口210からの排水と排水トラップで合流して、排水管220から排出される。浴室200には、ミストシャワー250がさらに配置されてもよい。
【0035】
本実施の形態に係る給湯装置100では、注湯経路内、より具体的には、ふろ注湯弁13及び接続点8cとの間に、機能水による配管洗浄運転のための機器である、三方弁32、機能水生成ユニット35、及び、定流量弁36が配置される。後程詳細に説明する様に、給湯回路からの湯水は、三方弁32によって、機能水生成ユニット35を経由する経路と、機能水生成ユニット35を経由しない経路とを選択して、接続点8cに対して供給される。
【0036】
コントローラ12は、例えば、マイクロコンピュータを含んで構成することができる。コントローラ12は、バーナ2a,2b、ファン3a,3b、温度センサ9,18,19、循環ポンプ10、水位センサ11、ふろ注湯弁13、電気配線14、三方弁32、及び、機能水生成ユニット35と電気的に接続されている。電気配線14は、図示しない電源に接続されることにより、コントローラ12に電力を供給するように構成されている。コントローラ12は「制御回路」の一実施例に対応する。
【0037】
コントローラ12には、流量センサ15,16、温度センサ9,18,19による検出値が入力される。流量センサ15,16は、例えば、羽根車式の流量計によって構成することができる。温度センサ9,18,19は、例えば、サーミスタによって構成することができる。
【0038】
コントローラ12は、温度センサ18の検出値から入水温度Twを取得し、温度センサ19の検出値から出湯温度Thを取得し、温度センサ9の検出値から浴槽水温度を取得することができる。又、コントローラ12は、流量センサ16によって検出された流量(注湯流量)の積算によって、浴槽20への注湯水量(体積)を算出することができる。
【0039】
更に、コントローラ12は、リモコン40及びリモコン50と通信可能に接続されている。尚、これらの機器間の通信は、公知のいかなる規格に従ったものであってもよく、又、有線であっても無線であってもよい。
【0040】
リモコン40は、浴室200の壁面に設置されており、給湯装置100を操作するためのものである。リモコン40は、情報を表示するための表示部41と、ユーザ或いは施行者等の入力設定操作を受け付けるための操作部42と、音声出力可能なスピーカ43とを含む。表示部41は、代表的には、液晶パネルによって構成されており、浴槽設定水位及び、給湯設定温度、ふろ設定温度等を表示可能に構成されている。操作部42は、代表的には、プッシュボタンやタッチボタンによって構成されており、少なくとも、浴槽水位及び温度に関する設定操作を受け付け可能に構成されている。
【0041】
リモコン50は、浴室200の外部に設置されており、給湯装置100を操作するためのものである。リモコン50は、代表的には台所の壁面に設置されている。リモコン50は、情報を表示するための表示部51と、ユーザ等の入力設定操作を受け付けるための操作部52と、音声出力可能なスピーカ53とを含む。
【0042】
表示部51は、代表的には、液晶パネルによって構成されており、給湯設定温度、及び、ふろ設定温度等を表示可能に構成されている。操作部52は、代表的には、プッシュボタンやタッチボタンによって構成されており、給湯装置100の運転に関する設定操作を受け付け可能に構成されている。
【0043】
コントローラ12は、リモコン40,50からのユーザ等の入力設定操作に基づき、給湯装置100が入力された指示内容に従って運転されるように、給湯装置100の動作を制御する。
【0044】
当該制御の一例として、コントローラ12は、リモコン40,50の操作により、ふろ自動運転が指示されると、ふろ湯張り運転を実行する。ふろ湯張り運転は、給湯装置100からの注湯により、浴槽20において、浴槽水位が設定水位に達し、かつ、温度センサ9によって検出される浴槽水温度がふろ設定温度に達すると終了される。
【0045】
給湯装置100では、ふろ湯張り運転の終了後、浴槽水21の温度及び水位を維持する自動モードを設定することが可能である。当該自動モードの選択時には、温度センサ9によって検出された浴槽水温度が、ふろ設定温度に対応されて設定された基準温度(例えば、ふろ設定温度よりも2~3℃低く設定)よりも低下すると、保温制御のために追焚運転が自動的に起動される。更に、水位センサ11によって検出された浴槽水位が設定水位よりも低下すると、給湯装置100から浴槽20へ追加的に注湯する足し湯運転が自動的に起動される。
【0046】
本実施の形態に係る給湯装置では、浴槽20の排水後において、給湯装置100からの注湯による配管洗浄運転によって、循環路8を含む配管内を洗浄することができる。ユーザは、リモコン40,50の操作によって、浴槽20の排水に連動した自動的な配管洗浄運転のオン/オフを選択することができる。
【0047】
さらに、本実施の形態による配管洗浄運転は、除菌効果を有する機能水を循環路8へ供給する「機能水洗浄モード」を有する。例えば、機能水としては、注湯回路から供給された湯水を電気分解することで得られる、オゾンを混入した湯水(以下、「オゾン水」と称する)を用いることができる。以下では、オゾン水を機能水として用いる配管洗浄運転の例を説明するが、同様に電気分解で得られる次亜塩素酸等を混入した湯水を「機能水」とすることも可能である。
【0048】
配管洗浄運転の内容についても、リモコン40,50に対するユーザ操作によって設定することができる。例えば、(1)機能水洗浄モードをオフした、給湯回路の湯水による配管洗浄(以下、湯水洗浄)のみのモードと、(2)機能水洗浄モードをオンして機能水による配管洗浄を行うモードとを、ユーザが選択可能である。機能水洗浄モードでは、機能水による洗浄の前あるいは後、又は、その前後両方にて、湯水洗浄を更に組み合わせてもよい。
【0049】
図2は、図1の給湯装置100中の配管洗浄運転に係る構成を説明するブロック図である。
【0050】
図2に示される様に、三方弁32は、ふろ注湯弁13(注湯回路)と接続点8c(循環ポンプ10)との間に配置される。
【0051】
三方弁32は、コントローラ12からの指令に応じて、ふろ注湯弁13の開放時に注湯回路からの湯水が接続点8cに至る経路を、機能水生成ユニット35を通過しない第1経路P1と、機能水生成ユニット35を通過する第2経路P2の一方に選択するように動作する。同様に、ふろ注湯弁13は、コントローラ12からの指令に応じて、開閉制御される。
【0052】
機能水生成ユニット35の作動及び停止(非作動)は、電源基板38及びサブ基板39を介して、コントローラ12からの指令に従って制御される。サブ基板39は、コントローラ12から機能水生成ユニット35の作動指令が生成される期間において、電気分解のための電流を供給するように電源基板38を制御する。
【0053】
これにより、機能水生成ユニット35は、作動時には、電源基板38からの電力によって、第2経路P2を通過する湯水に通電する。これによって、湯水が電気分解されることで、機能水生成ユニット35は、除菌効果を有するオゾン水を生成することができる。
【0054】
一方で、サブ基板39は、コントローラ12から機能水生成ユニット35の作動指令が生成されていない期間では、電気分解のための通電電流の供給を停止するように電源基板38を制御する。したがって、機能水生成ユニット35の非作動時(非通電時)にはオゾン水(機能水)は生成されず、機能水生成ユニット35は、給湯回路から供給された湯水をそのまま出力する。
【0055】
機能水生成ユニット35には、上記通電電流を検出するための電流センサ37が配置される。電流センサ37による通電電流の検出値Iozは、電源基板38及びサブ基板39を経由して、コントローラ12に入力される。電流センサ37は、電源基板38上に配置されて、機能水生成ユニット35へ供給される電流を測定することで、通電電流を検出してもよい。
【0056】
なお、機能水生成ユニット35では、湯水の温度が高いとオゾンの生成効率が低下する。このため、コントローラ12は、機能水生成ユニット35の通電時には、非加熱の水が注湯回路から機能水生成ユニット35へ供給されるように、バーナ2aの燃焼を停止することが好ましい。
【0057】
定流量弁36は、機能水生成ユニット35の流量調整手段として、第2経路P2に配置される。当該調整手段として定流量弁36を配置すると、機能水生成ユニット35を通過する流量Q2は、定流量弁36のスペックに依存した一定流量に制御される。例えば、流量Q2は、機能水生成ユニット35のスペック(電気分解の能力等)に対応させて、オゾン水中のオゾン濃度を確保するために調整される。なお、定流量弁36に代えてサーボ弁等を配置することで、流量Q2を可変に調整することも可能である。
【0058】
これに対して、機能水生成ユニット35を通過しない第1経路P1の流量Q1は、ふろ注湯弁13を開放した際の、入水配管5への入水圧と、入水配管5から浴槽20までの経路の圧損とに依存して決まる。通常、流量Q2は、流量Q1よりも小さくなる。なお、上述の流量Q1,Q2の各々は、図1の流量センサ16によって検出することができる(流量検出値Q)。また、コントローラ12は、定流量弁36のスペック値、又は、上記サーボ弁の制御指令に基づき、第2経路P2の形成時における流量Q2を予め知ることができる。
【0059】
コントローラ12は、配管洗浄運転に関連する機能として、ふろ注湯弁13の開閉指令、三方弁32の指令(第1経路P1及び第2経路P2の選択)、及び、機能水生成ユニット35の作動指令(オンオフ指令)を生成する。コントローラ12は、タイマー12tを内蔵しており、任意のタイミングからの経過時間を計測可能である。また、コントローラ12には、流量センサ16の検出値(流量検出値Q)、温度センサ18の検出値(入水温度Tw)、及び、温度センサ19の検出値(出湯温度Th)、電流センサ37による検出値Ioz(通電電流)等が入力される。
【0060】
図3は、本実施の形態に係る給湯装置による配管洗浄運転を説明するフローチャートである。図3に示された処理は、ユーザが浴槽20の排水に連動した自動的な配管洗浄運転をオンしているときに、コントローラ12によって繰り返し実行される。
【0061】
図3を参照して、コントローラ12は、ステップ(以下、単に「S」と表記する)110により、自動的な配管洗浄運転が選択されている下で浴槽20の排水が検出されると(S110のYES判定時)、S120により、配管洗浄運転を開始する。例えば、S110の判定では、ふろ湯張り運転の終了後、水位センサ11によって、循環アダプタ25が露出するレベルまで浴槽水位が低下したことが検出されると、排水を検知することができる。
【0062】
或いは、排水栓26が自動排水栓で構成される場合には、排水栓26の開放指令後に所定時間が経過したことに応じて、排水を検知することも可能である。この様に、浴槽20の排水検知については、特に限定されることなく任意の手法を用いることができる。
【0063】
コントローラ12は、S120では、配管洗浄運転の開始時に、ユーザ設定に従って、配管洗浄運転の内容を決定する。ここでは、一例として、湯水による配管洗浄(プレ洗浄)後に、機能水による配管洗浄(機能水洗浄)が実行され、その後、再び湯水による配管洗浄(ポスト洗浄)が実行されるパターンが設定されるものとする。
【0064】
コントローラ12は、S130では、S120で設定された内容(パターン)に従って、機能水洗浄が開始されるタイミングであるか否かを判定する。上述の例では、配管洗浄運転の開始後には、まず湯水によるポスト洗浄が実行されるので、S130はNO判定とされる。
【0065】
コントローラ12は、湯水洗浄が開始されると(S130のNO判定時)には、S170に処理を進めて、三方弁32を制御する。例えば、プレ洗浄の際には、S170において、ふろ注湯弁13が閉状態の下で、第1経路P1を選択するように三方弁32が制御される。さらに、コントローラ12は、S175により、ふろ注湯弁13を開放するとともに、S177により、機能水生成ユニット35を非作動(通電停止)に維持する。これにより、給湯回路から供給された湯水が、機能水生成ユニット35によって通電されることなく浴槽20まで通流されることで配管洗浄が実行される。
【0066】
コントローラ12は、S180により、S170~S177による湯水洗浄の終了条件が成立するか否かを判定する。例えば、タイマー12tによって計時される湯水洗浄の時間、又は、流量センサ16の検出流量の積算値に基づく湯水の量(体積)と、予め定められた判定値との比較によって、S180の判定を実行することができる。
【0067】
コントローラ12は、湯水洗浄の終了条件が成立すると(S180のYES判定時)、S185により、ふろ注湯弁13を閉弁する。これにより、湯水洗浄が終了される。
【0068】
さらに、コントローラ12は、S190により、S120で設定された配管洗浄の終了条件が成立したか否かを判定する。今回の例では、上述のプレ洗浄、機能水洗浄、及び、ポスト洗浄の全てが終了するとS190はYES判定とされる。したがって、プレ洗浄の終了時点では、S190はNO判定とされて、処理は、S130へ戻される。そして、プレ洗浄の次に機能水洗浄を行うために、S130がYES判定とされる。
【0069】
コントローラ12は、機能水洗浄が開始されると(S130のYES判定時)、S140により、ふろ注湯弁13が閉状態の下で、第2経路P2を選択するように三方弁32を制御する。さらに、S145により、ふろ注湯弁13が開放されることにより、給湯回路から供給された湯水が、機能水生成ユニット35を通過する。コントローラ12は、S150により、機能水生成ユニット35の作動指令を生成する。これにより、機能水生成ユニット35が、給湯回路からの湯水に通電することで、機能水(オゾン水)が、循環路8を含む注湯経路に出力される。これにより、除菌効果を有する機能水による配管洗浄が行われる。
【0070】
コントローラ12は、S160により、S140~S150による機能水洗浄の終了条件が成立するか否かを判定する。S160の判定についても、S180と同様に、タイマー12tによる計時等に基づいて実行することができる。
【0071】
コントローラ12は、機能水洗浄の終了条件が成立すると(S160のYES判定時)、機能水生成ユニット35を非作動として通電を停止するとともに、S185により、ふろ注湯弁13を閉弁する。これにより、機能水洗浄が終了される。
【0072】
さらに、コントローラ12は、再びS190を実行して、S120で設定された配管洗浄の終了条件が成立したか否かを判定する。今回の例では、機能水洗浄の終了時点では、S190はNO判定とされて、処理は、S130へ戻される。そして、機能水洗浄の次にポスト洗浄を行うために、S130がNO判定とされる。
【0073】
コントローラ12は、湯水洗浄が開始されると(S130のNO判定時)、S170に処理を進める。例えば、ポスト洗浄の際には、配管内に残留する機能水(オゾン水)を除去するために、S170において、ふろ注湯弁13が閉状態の下で、第2経路P2を選択するように三方弁32が制御される。
【0074】
さらに、コントローラ12は、S175,S177により、ふろ注湯弁13を開放するとともに、機能水生成ユニット35を非作動(通電停止)に維持する。これにより、給湯回路から供給された湯水が、機能水生成ユニット35によって通電されることなく浴槽20まで通流されることで配管洗浄が実行される。特に、第2経路P2を選択した湯水洗浄を行うことで、機能水(オゾン水)の残留による配管の腐食を抑制することができる。このように、湯水洗浄は、三方弁32による第1経路P1及び第2経路P2のいずれによっても実行することができる。
【0075】
コントローラ12は、上述のS180により、S170~S177による湯水洗浄(ポスト洗浄)の終了条件が成立するか否かを判定する。コントローラ12は、湯水洗浄(ポスト洗浄)の終了条件が成立すると(S180のYES判定時)、S185により、ふろ注湯弁13を閉弁する。
【0076】
さらに、コントローラ12は、再びS190を実行して、S120で設定された配管洗浄パターンの終了条件が成立したか否かを判定する。今回の例では、ポスト洗浄の終了時点において、S190はYES判定とされ、S200に処理が進められて、配管洗浄運転が終了される。配管洗浄運転の終了時点において、ふろ注湯弁13は閉状態とされる。
【0077】
機能水生成ユニット35の故障の一態様として、電源基板38内の回路短絡等に起因して、作動指令が生成されていない非作動期間において通電を停止できない故障(以下、「オン故障」とも称する)、即ち、機能水の生成を停止できなくなる故障が想定される。当該オン故障の発生により、機能水(オゾン水)が継続的に浴槽20へ出力されるケースが発生してしまうと、浴室200内の大気中の、除菌効果を有する物質(例えば、オゾン)の濃度が過上昇することが懸念される。したがって、本実施の形態に係る給湯装置では、当該オン故障に適切に対応することを可能とした上で、上述の機能水洗浄を含む配管洗浄運転を実現する。
【0078】
図4は、本実施の形態に係る給湯装置による機能水生成ユニットのオン故障に対応するための制御処理を説明するフローチャートである。図4に示された処理は、コントローラ12によって繰り返し実行される。
【0079】
図4を参照して、コントローラ12は、給湯装置100の電源オン期間を通じて、S300により、機能水生成ユニット35のオン故障の検知処理を実行する。S300は、S310、S315、及び、S320を有する。
【0080】
コントローラ12は、S310により、機能水生成ユニット35の非作動(非通電)期間であるか否かを判定する。S310は、コントローラ12が機能水生成ユニット35の作動指令を生成している期間ではNO判定とされる一方で、そうでない期間、即ち、当該作動指令が生成されていないときにはYES判定とされる。
【0081】
コントローラ12は、機能水生成ユニット35の非作動期間では(S310のYES判定時)、S315により、電流センサ37(図2)による通電電流の検出値Iozに基づいて、機能水生成ユニット35に通電が生じているか否かを判定する。例えば、検出値Iozが、予め定められた判定値εよりも大きい状態が一定時間継続すると、S315はYES判定とされる。
【0082】
コントローラ12は、機能水生成ユニット35の非作動期間において、機能水生成ユニット35に通電が生じているときに(S315のYES判定時)、S320に処理を進めて、機能水生成ユニット35のオン故障を検知する。この際に、コントローラ12により、所定のエラーコードが設定される。当該エラーコードは、機能水生成ユニット35の故障修理が完了したときに、サービスマン等が予め定められた特殊入力を行うことで解除される。したがって、当該特殊入力が行われるまで、当該エラーコードは維持される。
【0083】
これに対して、機能水生成ユニットの作動期間(S310のNO判定時)、又は、機能水生成ユニット35での通電が発生していないとき(S315のNO判定時)には、S380により、オン故障は検知されない。
【0084】
コントローラ12は、機能水生成ユニット35のオン故障を検知すると、S330により、ユーザに対して、機能水生成ユニット35のオン故障の発生を報知する。例えば、リモコン40,50の表示部41,51及び/又はスピーカ43,53を「報知部」として用いることで、視覚又は聴覚によるユーザへのメッセージの報知を行うことができる。この際には、機能水生成ユニット35の故障を解消するためにサービスステーション等へ修理を依頼することを促すメッセージが出力される。
【0085】
コントローラ12は、S340では、ふろ注湯弁13を閉状態とする。当該時点でふろ注湯弁13が開状態である場合には、当該閉状態が維持される。一方で、ふろ注湯弁13が開状態の下で、機能水生成ユニット35のオン故障が検知されると、S340では、ふろ注湯弁13が閉弁される。これにより、機能水生成ユニット35のオン故障が検知されると、ふろ注湯弁13は、一旦、確実に閉状態とされる。
【0086】
さらに、コントローラ12は、S350により、第1経路P1を選択するように三方弁32を制御する。そして、S360により、機能水生成ユニット35のオン故障が解消されたか否かが判定される。S360による判定は、上述した、S320で設定されるエラーコードの解除有無に基づいて実行することができる。
【0087】
コントローラ12は、機能水生成ユニット35のオン故障が解消されるまでの間(S360のNO判定時)、第1経路P1の選択が固定されるように三方弁32を制御する(S350)。これにより、三方弁32は、第2経路P2の選択を禁止された状態とされる。
【0088】
機能水生成ユニット35のオン故障が解消されると(S360のYES判定時)、S370により、第1経路P1の固定的な選択(S350)が解除されて、三方弁32は第1経路P1及び第2経路P2の両方を選択可能な状態となる。これに対して、ふろ注湯弁13は、S340によって一旦閉状態となったことが確認されると、以降では、機能水生成ユニット35のオン故障が解消されたか否かに依存することなく、ふろ湯張り運転等のために、ふろ注湯弁13を開放することは許容される。
【0089】
これにより、本実施の形態に係る給湯装置では、機能水生成ユニット35による機能水の生成が停止できなくなるオン故障が発生すると、ふろ注湯弁13を一旦確実に閉状態にするとともに、注湯経路において機能水生成ユニット35がバイパスする第1経路P1が選択されるように三方弁32が制御されるので、機能水(オゾン水)が継続的に浴槽20へ出力されることを防止できる。
【0090】
さらに、機能水生成ユニット35のオン故障が解消されるまでの間、三方弁32による第2経路P2の選択を禁止する一方で、ふろ注湯弁13については開放を許容するので、ふろ湯張り運転等の給湯回路からの湯水を浴槽20へ供給する運転を実行することができる。この結果、機能水生成ユニット35のオン故障に適切に対応することができる。
【0091】
さらに、本実施の形態に係る給湯装置では、機能水洗浄を開始する際に、三方弁32による経路切替機能が正常であるか否かの動作確認を実行することが好ましい。
【0092】
図5には、本実施の形態に係る給湯装置による三方弁の動作試験の制御処理を説明するフローチャートが示される。
【0093】
図5を参照して、コントローラ12は、機能水洗浄の開始時(S130のYES判定時)には、S410により、三方弁32の動作試験を実行する。具体的には、三方弁32が、第2経路P2から第1経路P1への切替動作を正常に実行できるか否かの動作試験が実行される。
【0094】
図2で説明した様に、第2経路P2の選択時には、定流量弁36等の流量調整手段によって、流量センサ16による検出流量は既知の値(Q2)となる。したがって、コントローラ12は、三方弁32に対して第2経路P2の選択を指示している下での流量センサ16の流量検出値に基いて、コントローラ12の指示通りに、第2経路P2が選択されているか否かを確認することができる。
【0095】
その後、コントローラ12は、三方弁32に対して第1経路P1への切替を指示するとともに、流量センサ16の流量検出値がQ2から変化するかに基いて、コントローラ12の指示通りに、第1経路P1への切替が正常に実行されたかを確認することができる。
【0096】
このように、S410では、流量センサ16による流量検出値を用いて、三方弁32の動作試験を実行することができる。
【0097】
コントローラ12は、S420では、S410の動作試験の結果に応じて処理を分岐させる。三方弁32の動作が正常であるときには,S420をYES判定として、図3のS140に処理を進めることで、機能水洗浄が実行される。
【0098】
これに対して、三方弁32の動作が異常であるときには,S420をNO判定として、S430により、機能水洗浄が禁止される。さらに、図3のS200に処理を進めることで、配管洗浄運転を一旦中止することが好ましい。この際には、図4のS330と同様に、リモコン40,50等を「報知部」として用いて、三方弁32の故障をユーザに報知することができる。
【0099】
三方弁の動作試験を事前に実行することで、機能水生成ユニット35のオン故障が発生した際に、機能水(オゾン水)が継続的に浴槽20へ出力されるケースの回避効果をさらに高めることができる。
【0100】
なお、本実施の形態では、機能水(オゾン水)による配管洗浄運転を説明したが、同様の構成を、図1に示したミストシャワー250に適用することも可能である。具体的には、図2の構成の接続先を、循環路8との接続点8c(循環ポンプ10)から、ミストシャワー250に変更することで、除菌効果を有する機能水(オゾン水)の噴霧により、浴室200内の除菌運転機能を実現することができる。この場合には、図4及び図5の制御処理を適用することで、機能水生成ユニット35のオン故障時に、機能水(オゾン水)が継続的に浴室200内に出力されることを防止できるとともに、給湯回路からの湯水によるミストシャワー機能については使用可能とすることができる。
【0101】
また、本実施の形態では、燃料ガスの燃焼を熱源とする給湯装置100を例示したが、給湯装置100の熱源は特に限定されるものではない。例えば、ガス以外の燃料の燃焼熱を熱源とする給湯装置、又は、発電ユニット等からの排熱、或いは、ヒートポンプ機構を熱源とすることで、貯湯タンクから給湯及び注湯するタイプの給湯装置であっても、注湯経路及び追焚循環経路を有する構成であれば、本実施で説明した機能水洗浄運転を含む洗浄配管運転を同様に実行することが可能である。
【0102】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0103】
1 筐体、1a 排気口、2,2a,2b バーナ、3,3a,3b ファン、4,4a,4b 熱交換器、5 入水配管、5a 入水口、5b 缶体配管、6 給湯配管、6a 出湯口、7 バイパス弁、7a バイパス配管、8 循環路、8a 戻り配管、8b 往き配管、8c 接続点、9,18,19 温度センサ、10 循環ポンプ、11 水位センサ、12 コントローラ、12t タイマー、13 ふろ注湯弁、13a 注湯配管、14 電気配線、15,16 流量センサ、20 浴槽、21 浴槽水、25 循環アダプタ、26 排水栓、32 三方弁、35 機能水生成ユニット、36 定流量弁、37 電流センサ、38 電源基板、39 サブ基板、40,50 リモコン、41,51 表示部、42,52 操作部、43,53 スピーカ、100 給湯装置、200 浴室、210 排水口、220 排水管、250 ミストシャワー、Ioz 検出値(通電電流)、P1 第1経路、P2 第2経路。
図1
図2
図3
図4
図5