(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166641
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/90 20190101AFI20241122BHJP
【FI】
G06F16/90 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082857
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪田 宜昭
(72)【発明者】
【氏名】鍜治 伸裕
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175EA01
(57)【要約】
【課題】より良いサービスを提供することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、受付部と、推定部と、取得部と、提供部とを備える。受付部は、ユーザの所定言語の発話を受け付ける。推定部は、受け付けた発話に基づいて、ユーザの所定言語の習熟レベルを推定する。取得部は、入力された情報に対する応答となる応答テキストを出力するモデルに対して、発話を示す発話情報と、習熟レベルに応じた応答を要求する要求テキストとを入力し、モデルから出力された応答を示す応答テキストを取得する。提供部は、取得した応答テキストに基づくコンテンツをユーザへ提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの所定言語の発話を受け付ける受付部と、
受け付けた前記発話に基づいて、前記ユーザの前記所定言語の習熟レベルを推定する推定部と、
入力された情報に対する応答となる応答テキストを出力するモデルに対して、前記発話を示す発話情報と、前記習熟レベルに応じた応答を要求する要求テキストとを入力し、前記モデルから出力された当該応答を示す応答テキストを取得する取得部と、
取得した前記応答テキストに基づくコンテンツを前記ユーザへ提供する提供部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、
前記発話に対する回答を前記応答として要求する要求テキストを入力し、前記回答を示す前記応答テキストを取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、
前記発話における言語能力の評価を前記応答として要求する要求テキストを入力し、前記評価を示す前記応答テキストを取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記言語能力を構成する複数の能力要素のうち、指定された前記能力要素に関する前記評価を前記応答として要求する要求テキストを入力し、前記評価を示す前記応答テキストを取得する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記評価に関する前記要求テキストは、
前記発話における言語の誤りの指摘を要求する内容のテキストである
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提供部は、
前記モデルから出力された前記指摘に関するコンテンツを提供する場合、提供する指摘の量を、前記ユーザとの会話内容に応じて変える
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定部は、
前記所定言語の能力要素毎に前記習熟レベルを推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記提供部は、
前記応答テキストを音声変換した音声コンテンツを提供する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記提供部は、
前記ユーザから指定された言語特徴に基づいて音声変換する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザの所定言語の発話を受け付ける受付工程と、
受け付けた前記発話に基づいて、前記ユーザの前記所定言語の習熟レベルを推定する推定工程と、
入力された情報に対する応答となる応答テキストを出力するモデルに対して、前記発話を示す発話情報と、前記習熟レベルに応じた応答を要求する要求テキストとを入力し、前記モデルから出力された当該応答を示す応答テキストを取得する取得工程と、
取得した前記応答テキストに基づくコンテンツを前記ユーザへ提供する提供工程と
を含む情報処理方法。
【請求項11】
ユーザの所定言語の発話を受け付ける受付手順と、
受け付けた前記発話に基づいて、前記ユーザの前記所定言語の習熟レベルを推定する推定手順と、
入力された情報に対する応答となる応答テキストを出力するモデルに対して、前記発話を示す発話情報と、前記習熟レベルに応じた応答を要求する要求テキストとを入力し、前記モデルから出力された当該応答を示す応答テキストを取得する取得手順と、
取得した前記応答テキストに基づくコンテンツを前記ユーザへ提供する提供手順と
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、自然言語処理モデルを用いて、ユーザが発した文章に対して応答を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、より良いサービスを提供する点で更なる改善の余地があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、より良いサービスを提供することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、受付部と、推定部と、取得部と、提供部とを備える。前記受付部は、ユーザの所定言語の発話を受け付ける。前記推定部は、受け付けた前記発話に基づいて、前記ユーザの前記所定言語の習熟レベルを推定する。前記取得部は、入力された情報に対する応答となる応答テキストを出力するモデルに対して、前記発話を示す発話情報と、前記習熟レベルに応じた応答を要求する要求テキストとを入力し、前記モデルから出力された当該応答を示す応答テキストを取得する。前記提供部は、取得した前記応答テキストに基づくコンテンツを前記ユーザへ提供する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、より良いサービスを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、トピック情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。なお、
図1では、実施形態に係る情報処理装置1を含む情報処理システムSの動作例を示している。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、ユーザ端末100とを含む。ユーザ端末100を利用するユーザは、所定言語における語学力向上を目的として情報処理装置1が提供するサービスを利用する。以下では、所定言語は、母国語以外の言語(例えば、英語等)である場合を例に挙げるが、所定言語は、母国語であってもよい。
【0012】
図1において、実施形態に係る情報処理システムSは、ユーザの所定言語の発話を受け付け、受け付けた発話に基づいて、ユーザの所定言語の習熟レベルを推定し、発話を示す発話情報と、習熟レベルに応じた応答を要求する要求テキストとをモデルへ入力し、当該モデルから出力された当該応答を示す応答テキストに基づくコンテンツをユーザへ提供する。なお、上記モデルとは、自然言語処理モデルであり、入力された情報(テキスト、音声、画像等)に対する応答となる応答テキストを出力するように学習されたモデルである。このモデルは、情報処理を行う情報処理装置1内にあり、情報処理装置1を管理する事業者が独自に作成したものである。なお、入力された情報は、新たな回答として利用されないような学習を行うことで、入力された個人情報等の情報を秘匿するものが望ましい。
【0013】
まず、情報処理装置1は、ユーザ端末100から言語指定およびトピックを受け付ける(ステップS1)。例えば、情報処理装置1は、指定可能な言語の一覧リストを表示し、一覧リストへのユーザの操作によって言語指定を受け付ける。また、情報処理装置1は、指定可能なトピックの一覧リストを表示し、一覧リストへのユーザの操作によってトピック指定を受け付ける。トピックは、特定の対象(商品や、サービス、時事等)や、特定のシチュエーション(ホテルのお客の役または従業員の役、目的地への行き方を尋ねる人の役や尋ねられる人の役等)等である。なお、時事とは、例えば、ニュース記事等である。
【0014】
つづいて、情報処理装置1は、指定された言語(指定言語)およびトピックを設定する(ステップS2)。例えば、情報処理装置1は、上記した一覧リストにおいてユーザが選択した言語(例えば、英語)およびトピック(例えば、レストランの従業員の役)を設定する。
【0015】
つづいて、情報処理装置1は、ユーザ端末100からユーザの指定言語による発話を受け付ける(ステップS3)。具体的には、情報処理装置1は、ユーザ端末100が有する不図示のマイクで集音したユーザの発話音声を受け付ける。
【0016】
つづいて、情報処理装置1は、受け付けた発話(音声)を指定言語のテキストに変換する(ステップS4)。例えば、情報処理装置1は、音声をテキストに変換する変換アプリケーションを用いて、音声をテキストへ変換する。
【0017】
つづいて、情報処理装置1は、発話音声および指定言語のテキスト(発話テキスト)からユーザの指定言語に対する習熟レベルを推定する(ステップS5)。具体的には、情報処理装置1は、発話音声に基づく単語の発音およびイントネーションと、基準(例えば、ネイティブスピーカ)の発音およびイントネーションとの比較により習熟レベルを推定する。また、情報処理装置1は、発話テキストに基づく文章の文法および使用した単語と、基準(例えば、ネイティブスピーカ)の文法および使用した単語との比較により習熟レベルを推定する。習熟レベルは、発話全体(音声およびテキスト全体)における総合的な習熟レベルであってもよく、スピーキングや文法力、語彙力といった能力要素毎の習熟レベル、設定したトピックにおける習熟レベルであってもよい。
【0018】
つづいて、情報処理装置1は、習熟レベルに応じた評価要求、発話に対する回答要求および発話テキストをモデルへ入力することで、モデルの出力を取得する(ステップS6)。評価要求とは、発話における言語の誤りの指摘を要求することである。情報処理装置1は、習熟レベルに基づいて指摘する内容を決定し、決定した内容の指摘を要求する評価要求を示すテキストをモデルへ入力する。例えば、情報処理装置1は、習熟レベルが所定値未満の能力要素を指摘する内容として決定する。また、情報処理装置1は、上記した総合的な習熟レベルの場合、発話全体において習熟レベルの低下への寄与度が上位の内容(文章や能力要素)を指摘する内容として決定する。また、回答要求は、発話に対する回答を要求することである。情報処理装置1は、トピックおよび発話に基づいて回答要求を示すテキストをモデルへ入力する。例えば、情報処理装置1は、設定されたトピックがレストランの従業員の役である場合、「レストランの従業員として〇〇に対する回答」といったテキストをモデルへ入力する。なお、上記「〇〇」は、ユーザの発話テキストである。また、情報処理装置1は、評価要求が言語の誤りの指摘の要求に限らず、発話音声および発話テキストの言語的な評価(スピーキングや文法力、語彙力、トピックでの使用適切度)を評価要求としてもよい。
【0019】
なお、情報処理装置1は、受け付けた発話がユーザ端末100(設定されたトピックの役)に対してではなく、他のユーザ(トピックにおける他の役の人)に向けた発話である場合には、評価要求および回答要求のうち、評価要求のみモデルへ入力する。
【0020】
つづいて、情報処理装置1は、モデルの出力であるテキスト(回答テキストおよび評価テキストまたは評価テキストのみ)を音声変換し(ステップS7)、ユーザ端末100へ提供する(ステップS8)。例えば、情報処理装置1は、ユーザから指定された言語特徴(アメリカ英語やイギリス英語、ネイティブスピーカ、ノンネイティブスピーカ、性別等)となるように音声変換する。また、情報処理装置1は、回答テキスト(回答要求に対する出力)および評価テキスト(評価要求に対する出力)のうち、回答テキストのみ音声変換し、評価テキストをテキスト形式で提供してもよい。また、情報処理装置1は、評価テキストが言語の誤りを指摘する場合において、指摘量が多いとき(閾値以上のとき)には、ユーザへ提供する量を調整してもよい。例えば、情報処理装置1は、指摘量が多い時には、所定割合(例えば、50%)の指摘量をユーザへ提供する。また、情報処理装置1は、ユーザとの会話履歴に基づいて提供する指摘量を決定してもよい。例えば、情報処理装置1は、会話がひと段落したタイミング(例えば、「ありがとう」とか「了解」といった会話のまとまりが終わる言葉があったタイミング)である場合には、提供する指摘量を多くし、会話の途中のタイミングである場合には、提供する指摘量を少なくする。これにより、ユーザとの会話の流れを邪魔しない程度に誤りの指摘を行うことができる。
【0021】
このように、実施形態に係る情報処理装置1によれば、ユーザの習熟度レベルに応じた応答(回答または評価)を行うことで、ユーザの言語における習熟レベル向上に寄与することができる。すなわち、実施形態に係る情報処理装置1によればよりよいサービスを提供することができる。
【0022】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムSの構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、ユーザ端末100とがネットワークNに対して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0023】
情報処理装置1は、実施形態に係る情報処理方法を実行するサーバ装置である。情報処理装置1は、ユーザの所定言語の発話を受け付け、受け付けた発話に基づいて、ユーザの所定言語の習熟レベルを推定し、発話を示す発話情報と、習熟レベルに応じた応答を要求する要求テキストとをモデルへ入力し、当該モデルから出力された当該応答を示す応答テキストに基づくコンテンツをユーザへ提供する。
【0024】
また、情報処理装置1は、ユーザ端末100と連携し、ユーザ端末100に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0025】
また、情報処理装置1は、ユーザ端末100に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、情報処理装置1は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報、アプリ等のサービスを提供してもよい。実際には、情報処理装置1は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0026】
ユーザ端末100は、所定言語の語学力を向上させたいユーザが使用する端末装置である。ユーザ端末100は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC、AR(Augmented Reality)端末、VR(Virtual Reality)端末等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。ユーザ端末100は、情報処理装置1等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1等から提供される情報を受信したりする。
【0027】
次に、
図3を参照して、情報処理装置1の構成例について説明する。
【0028】
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す図である。
図3に示されるように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。制御部3は、受付部31と、推定部32と、取得部33と、提供部34とを備える。記憶部4は、ユーザ情報41と、モデル情報42と、トピック情報43とを記憶する。
【0029】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。
【0030】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0031】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0032】
ユーザ情報41は、ユーザに関する情報である。
図4は、ユーザ情報41の一例を示す図である。
図4に示すように、ユーザ情報41は、「ユーザID」、「属性情報」、「購入履歴」等の項目を含む。
【0033】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報である。「属性情報」は、ユーザの属性に関する情報である。属性情報は、例えば、サイコグラフィック属性や、デモグラフィック属性等を含む。「習熟レベル」は、ユーザの所定言語における習熟レベルを示す情報であり、後述する推定部32によって推定される情報である。
【0034】
モデル情報42は、自然言語処理モデルに関する情報である。
図5は、モデル情報42の一例を示す図である。
図5に示すように、モデル情報42は、「モデルID」、「モデル情報」等の項目を含む。
【0035】
「モデルID」は、モデルを識別する識別情報である。「モデル情報」は、モデルに関する情報であり、例えば、関数等が含まれる。なお、モデルは、トピック毎、ユーザ毎にそれぞれ専用モデルが生成されてもよい。
【0036】
トピック情報43は、トピックに関する情報である。
図6は、トピック情報43の一例を示す図である。
図6に示すように、トピック情報43は、「トピックID」、「トピック情報」等の項目を含む。
【0037】
「トピックID」は、トピックを識別する識別情報である。「トピック情報」は、トピックに関する情報であり、例えば、トピックに合わせた設定内容が含まれる。なお、トピック情報の詳細については後述する。
【0038】
次に、情報処理装置1の制御部3の各機能(受付部31、推定部32、取得部33および提供部34)について説明する。
【0039】
受付部31は、各種情報を受け付ける。受付部31は、ユーザ端末100から言語指定およびトピックを受け付ける。例えば、受付部31は、指定可能な言語の一覧リストを表示し、一覧リストへのユーザの操作によって言語指定を受け付ける。また、受付部31は、指定可能なトピックの一覧リストを表示し、一覧リストへのユーザの操作によってトピック指定を受け付ける。トピックは、特定の対象(商品や、サービス、時事等)や、特定のシチュエーション(ホテルのお客の役または従業員の役、目的地への行き方を尋ねる人の役や尋ねられる人の役等)等である。
【0040】
受付部31は、指定された言語(指定言語)およびトピックを設定する。例えば、受付部31は、上記した一覧リストにおいてユーザが選択した言語(例えば、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、中国語、韓国語等)およびトピック(例えば、レストランの従業員の役)を設定する。
【0041】
受付部31は、ユーザ端末100からユーザの指定言語による発話を受け付ける。具体的には、情報処理装置1は、ユーザ端末100が有する不図示のマイクで集音したユーザの発話音声を受け付ける。
【0042】
推定部32は、受け付けた発話に基づいて、ユーザの所定言語の習熟レベルを推定する。受け付けた発話(音声)を指定言語のテキストに変換する。例えば、推定部32は、音声をテキストに変換する変換アプリケーションを用いて、音声をテキストへ変換する。
【0043】
推定部32は、発話音声および指定言語のテキスト(発話テキスト)からユーザの指定言語に対する習熟レベルを推定する。具体的には、推定部32は、発話音声に基づく単語の発音およびイントネーションと、基準(例えば、ネイティブスピーカ)の発音およびイントネーションとの比較により習熟レベルを推定する。また、情報処理装置1は、発話テキストに基づく文章の文法および使用した単語と、基準(例えば、ネイティブスピーカ)の文法および使用した単語との比較により習熟レベルを推定する。習熟レベルは、発話全体(音声およびテキスト全体)における総合的な習熟レベルであってもよく、スピーキングや文法力、語彙力といった能力要素毎の習熟レベル、設定したトピックにおける習熟レベルであってもよい。
【0044】
取得部33は、入力された情報に対する応答となる応答テキストを出力するモデルに対して、発話を示す発話情報(発話音声および発話テキスト)と、習熟レベルに応じた応答を要求する要求テキスト(評価要求のテキストと回答要求のテキスト)とを入力し、モデルから出力された応答を示す応答テキストを取得する。取得部33は、習熟レベルに応じた評価要求、発話に対する回答要求および発話テキストをモデルへ入力することで、モデルの出力を取得する。評価要求とは、発話における言語の誤りの指摘を要求することである。情報処理装置1は、習熟レベルに基づいて指摘する内容を決定し、決定した内容の指摘を要求する評価要求を示すテキストをモデルへ入力する。例えば、取得部33は、習熟レベルが所定値未満の能力要素を指摘する内容として決定する。また、取得部33は、は、上記した総合的な習熟レベルの場合、発話全体において習熟レベルの低下への寄与度が上位の内容(文章や能力要素)を指摘する内容として決定する。また、回答要求は、発話に対する回答を要求することである。取得部33は、トピックおよび発話に基づいて回答要求を示すテキストをモデルへ入力する。例えば、情報処理装置1は、設定されたトピックがレストランの従業員の役である場合、「レストランの従業員として〇〇に対する回答」といったテキストをモデルへ入力する。なお、上記「〇〇」は、ユーザの発話テキストである。また、取得部33は、評価要求が言語の誤りの指摘の要求に限らず、発話音声および発話テキストの言語的な評価(スピーキングや文法力、語彙力、トピックでの使用適切度)を評価要求としてもよい。
【0045】
なお、取得部33は、受け付けた発話がユーザ端末100(設定されたトピックの役)に対してではなく、他のユーザ(トピックにおける他の役の人)に向けた発話である場合には、評価要求および回答要求のうち、評価要求のみモデルへ入力する。
【0046】
提供部34は、モデルの出力であるテキスト(回答テキストおよび評価テキストまたは評価テキストのみ)を音声変換し、ユーザ端末100へ提供する。例えば、提供部34は、ユーザから指定された言語特徴(アメリカ英語やイギリス英語、ネイティブスピーカ、ノンネイティブスピーカ、性別等)となるように音声変換する。また、提供部34は、回答テキスト(回答要求に対する出力)および評価テキスト(評価要求に対する出力)のうち、回答テキストのみ音声変換し、評価テキストをテキスト形式で提供してもよい。また、提供部34は、評価テキストが言語の誤りを指摘する場合において、指摘量が多いとき(閾値以上のとき)には、ユーザへ提供する量を調整してもよい。例えば、提供部34は、指摘量が多い時には、所定割合(例えば、50%)の指摘量をユーザへ提供する。また、提供部34は、ユーザとの会話履歴に基づいて提供する指摘量を決定してもよい。例えば、提供部34は、会話がひと段落したタイミング(例えば、「ありがとう」とか「了解」といった会話のまとまりが終わる言葉があったタイミング)である場合には、提供する指摘量を多くし、会話の途中のタイミングである場合には、提供する指摘量を少なくする。これにより、ユーザとの会話の流れを邪魔しない程度に誤りの指摘を行うことができる。
【0047】
次に、
図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順について説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0048】
図7に示すように、制御部3は、まず、ユーザ端末100から言語指定およびトピックを受け付ける(ステップS101)。
【0049】
つづいて、制御部3は、指定言語の発話をユーザ端末100から受け付ける(ステップS102)。
【0050】
つづいて、制御部3は、発話音声をテキストに変換する(ステップS103)。
【0051】
つづいて、制御部3は、発話音声および発話テキストに基づいて、ユーザの所定言語における習熟レベルを推定する(ステップS104)。
【0052】
つづいて、制御部3は、評価要求、回答要求および発話テキストをモデルへ入力することで、モデルの出力を取得する(ステップS105)。
【0053】
つづいて、制御部3は、モデルの出力を音声に変換し(ステップS106)、ユーザ端末100へ提供し(ステップS107)、処理を終了する。
【0054】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0055】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0056】
例えば、
図3に示した記憶部4の一部又は全部は、各装置によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、各装置は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0057】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0058】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0059】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0060】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0061】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0062】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0063】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。
【0064】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、受付部31と、推定部32と、取得部33と、提供部34とを備える。受付部31は、ユーザの所定言語の発話を受け付ける。推定部32は、受け付けた発話に基づいて、ユーザの所定言語の習熟レベルを推定する。取得部33は、入力された情報に対する応答となる応答テキストを出力するモデルに対して、発話を示す発話情報と、習熟レベルに応じた応答を要求する要求テキストとを入力し、モデルから出力された当該応答を示す応答テキストを取得する。提供部34は、取得した応答テキストに基づくコンテンツをユーザへ提供する。このような構成により、より良いサービスを提供することができる。
【0065】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0066】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0067】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0068】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0069】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部3は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 受付部
32 推定部
33 取得部
34 提供部
41 ユーザ情報
42 モデル情報
43 トピック情報
100 ユーザ端末
S 情報処理システム