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特開2024-166650AP設置場所候補・現地調査候補提示装置、及びAP設置場所候補・現地調査候補提示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166650
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】AP設置場所候補・現地調査候補提示装置、及びAP設置場所候補・現地調査候補提示方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/18 20090101AFI20241122BHJP
   G06F 30/13 20200101ALI20241122BHJP
【FI】
H04W16/18
G06F30/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082873
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000233295
【氏名又は名称】株式会社日立情報通信エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】増田 千絵
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 誠由
(72)【発明者】
【氏名】岡本 学
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 務
【テーマコード(参考)】
5B146
5K067
【Fターム(参考)】
5B146AA04
5B146AA21
5B146EC09
5B146FA02
5K067AA22
(57)【要約】
【課題】アクセスポイントの設置場所を決定するための作業工数を低減し、作業時間を短縮する。
【解決手段】AP設置場所候補・現地調査候補提示装置であって、演算処理を実行する演算部と、前記演算部がアクセス可能な記憶部とを有する計算機によって構成され、前記演算部が、部屋の図面の入力を受ける入力部と、前記演算部が、前記入力された図面から遮蔽物を抽出する遮蔽物抽出部と、前記演算部が、前記遮蔽物からの距離に基づいて、画像中の点の属性を判定する特徴抽出部と、前記演算部が、属性が同じ点を統合して部屋の形状を推測するエリアレコメンド部とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AP設置場所候補・現地調査候補提示装置であって、
演算処理を実行する演算部と、前記演算部がアクセス可能な記憶部とを有する計算機によって構成され、
前記演算部が、部屋の図面の入力を受ける入力部と、
前記演算部が、前記入力された図面から遮蔽物を抽出する遮蔽物抽出部と、
前記演算部が、前記遮蔽物からの距離に基づいて、画像中の点の属性を判定する特徴抽出部と、
前記演算部が、属性が同じ点を統合して部屋の形状を推測するエリアレコメンド部とを備えることを特徴とするAP設置場所候補・現地調査候補提示装置。
【請求項2】
請求項1に記載のAP設置場所候補・現地調査候補提示装置であって、
前記演算部が前記画像中の点の属性から計測点を選択する計測点レコメンド部を備えることを特徴とするAP設置場所候補・現地調査候補提示装置。
【請求項3】
請求項2に記載のAP設置場所候補・現地調査候補提示装置であって、
前記計測点レコメンド部は、前記画像中の点の属性と、所定の計測点レコメンドルールとを照合し、前記計測点レコメンドルールに合致する計測点を選択することを特徴とするAP設置場所候補・現地調査候補提示装置。
【請求項4】
請求項3に記載のAP設置場所候補・現地調査候補提示装置であって、
前記計測点レコメンド部は、前記画像中の点を所定数間隔で間引いた点の属性と、所定の計測点レコメンドルールとを優先度が高い順に照合し、前記計測点レコメンドルールに合致する計測点を選択することを特徴とするAP設置場所候補・現地調査候補提示装置。
【請求項5】
請求項1に記載のAP設置場所候補・現地調査候補提示装置であって、
前記特徴抽出部は、前記画像中の点から座標軸と平行に線を伸ばし、最初に当接した遮蔽物との距離を計算し、前記最初に当接した遮蔽物の位置が所定の条件に一致する属性を判定することを特徴とするAP設置場所候補・現地調査候補提示装置。
【請求項6】
請求項1に記載のAP設置場所候補・現地調査候補提示装置であって、
前記エリアレコメンド部は、前記画像中の属性が同じ隣接点を同じエリアに統合し、同じエリアに属する全ての点を含む矩形を計算して、部屋の形状を推測することを特徴とするAP設置場所候補・現地調査候補提示装置。
【請求項7】
計算機が実行するAP設置場所候補・現地調査候補提示方法であって、
前記計算機は、演算処理を実行する演算部と、前記演算部がアクセス可能な記憶部とを有し、
前記AP設置場所候補・現地調査候補提示方法は、
前記演算部が、部屋の図面の入力を受ける入力手順と、
前記演算部が、前記入力された図面から遮蔽物を抽出する遮蔽物抽出手順と、
前記演算部が、前記遮蔽物からの距離に基づいて、画像中の点の属性を判定する特徴抽出手順と、
前記演算部が、属性が同じ点を統合して部屋の形状を推測するエリアレコメンド手順とを備えることを特徴とするAP設置場所候補・現地調査候補提示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセスポイント設置場所候補・現地調査候補を提示するAP設置場所候補・現地調査候補提示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
急速にネットワーク構築の複雑さが増大している昨今、ネットワーク設計の品質を保持し、設計者が設計構築に関する知識を短時間で効率的かつ適切な無線ネットワーク設計が求められる。例えば屋内などの限られたエリア内での無線ネットワーク設計では、端末の移動範囲に無線基地局(以下、アクセスポイント、APと省略して記載することがある)を効率よく配置することが望まれており、そのために、APの設置場所検討に必要となる情報提示、現地調査の計測ポイントの検討に必要となる情報を提供する必要がある。
【0003】
この分野の背景技術として、特許文献1(特開2020-113826公報)がある。特許文献1には、第一無線装置の設置場所の候補である1ヶ所以上の設置候補と、前記第一無線装置と無線通信する1台以上の第二無線装置それぞれを設置する対象の建物とが含まれるエリアの平面の地図を示す平面地図データを用いて、前記設置候補毎に、前記設置候補から見通しのある前記建物の輪郭の範囲を抽出する見通し抽出過程と、前記エリアを計測して得られた3次元の地図を示す3次元地図データを用いて、前記設置候補毎に、前記見通し抽出過程により抽出された前記輪郭の範囲に対応した壁面において前記設置候補から見通しがある面積を算出する算出過程と、前記設置候補ごとに、前記エリアに含まれる前記建物について前記算出過程により算出された前記面積の総計を算出する総計算出過程と、前記総計算出過程により算出された前記総計に基づいて前記設置候補の中から選択した設置候補を提示する提示過程と、を有する設置候補提示方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-113826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無線基地局(アクセスポイント)の設置場所を決定するために、設計者は、現地調査に基づいて壁、窓、ドアなどの遮蔽物を入力してフロア情報を作成する必要があり、フロア情報の作成に工数が必要である。また、設計者は、顧客からの抽象的な要件や要望に基づいて、図面上で適切なアクセスポイントの設置場所を検討する必要があり、設計に時間がかかっている。さらに、設計者が、現地にてアクセスポイントの設置場所を決定するために、現地にて多くの点で計測が必要であり、作業工数が多く、現場作業の時間がかかった。一方で計測すべきポイントの抽出は困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、AP設置場所候補・現地調査候補提示装置であって、演算処理を実行する演算部と、前記演算部がアクセス可能な記憶部とを有する計算機によって構成され、前記演算部が、部屋の図面の入力を受ける入力部と、前記演算部が、前記入力された図面から遮蔽物を抽出する遮蔽物抽出部と、前記演算部が、前記遮蔽物からの距離に基づいて、画像中の点の属性を判定する特徴抽出部と、前記演算部が、属性が同じ点を統合して部屋の形状を推測するエリアレコメンド部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、アクセスポイントの設置場所を決定するための作業工数を低減でき、作業時間を短縮できる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例のAP設置場所候補・現地調査候補提示装置の構成例を示す図である。
図2】本発明の実施例のAP設置場所候補・現地調査候補提示装置が実行する処理のフローチャートである。
図3】本発明の実施例の遮蔽物情報抽出処理のフローチャートである。
図4】本発明の実施例の遮蔽物情報テーブルの構成例を示す図である。
図5】本発明の実施例のロケーション特徴データ作成処理のフローチャートである。
図6】本発明の実施例のロケーション特徴データ作成処理の説明図である。
図7】本発明の実施例のロケーション特徴ルールテーブルの構成例を示す図である。
図8】本発明の実施例のロケーション特徴テーブルの構成例を示す図である。
図9】本発明の実施例のエリアレコメンド処理のフローチャートである。
図10】本発明の実施例のエリアテーブルの構成例を示す図である。
図11】本発明の実施例の計測点レコメンド処理のフローチャートである。
図12】本発明の実施例の計測点レコメンドルールテーブルの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の実施例のAP設置場所候補・現地調査候補提示装置100の構成例を示す図である。
【0010】
本実施例のAP設置場所候補・現地調査候補提示装置100は、機能部110、記憶部120、入力部130、及び表示部140を有する計算機によって構成される。
【0011】
機能部110は、プロセッサ(CPU)及びメモリを有する。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行する演算装置である。プロセッサが、各種プログラムを実行することによって、AP設置場所候補・現地調査候補提示装置100の各機能部(例えば、遮蔽物自動抽出部111、ロケーション特徴抽出部112、エリアレコメンド指示部113、計測点レコメンド指示部114)による機能が実現される。なお、プロセッサがプログラムを実行して行う処理の一部を、他の演算装置(例えば、ASIC、FPGA等のハードウェア)で実行してもよい。
【0012】
メモリは、不揮発性の記憶素子であるROM及び揮発性の記憶素子であるRAMを含む。ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS)などを格納する。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶素子であり、プロセッサが実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを一時的に格納する。
【0013】
遮蔽物自動抽出部111は、入力された図面から遮蔽物情報を抽出し、遮蔽物情報テーブル122に保存する。遮蔽物自動抽出部111が実行する遮蔽物自動抽出処理の詳細は、図3を参照して後述する。ロケーション特徴抽出部112は、遮蔽物情報からロケーション特徴データ生成し、ロケーション特徴テーブル124に保存する。ロケーション特徴抽出部112が実行するロケーション特徴データ作成処理の詳細は、図5を参照して後述する。エリアレコメンド指示部113は、ロケーション特徴データからエリアを特定し、エリアテーブル125に保存する。エリアレコメンド指示部113が実行する、エリアレコメンド処理の詳細は、図9を参照して後述する。計測点レコメンド指示部114は、ロケーション特徴データから計測点を導出する。計測点レコメンド指示部114が実行する計測点レコメンド処理の詳細は、図11を参照して後述する。
【0014】
記憶部120は、例えば、磁気記憶装置(HDD)、フラッシュメモリ(SSD)等の大容量かつ不揮発性の記憶装置で構成される。また、記憶部120は、機能部110がプログラムの実行時に使用するデータ、及び機能部110が実行するプログラムを格納する。すなわち、プログラムは、記憶部120から読み出されて、機能部110のメモリにロードされて、機能部110のプロセッサによって実行されることによって、AP設置場所候補・現地調査候補提示装置100の機能を実現する。記憶部120は、プロセッサがプログラムの実行時に使用するデータとして、平面図テーブル121、遮蔽物情報テーブル122、ロケーション特徴ルールテーブル123、ロケーション特徴テーブル124、エリアテーブル125、及び計測点レコメンドルールテーブル126を格納する。
【0015】
平面図テーブル121は、入力部130が入力を受け付けた、アクセスポイントを設置しようとする部屋の平面図を保存する。遮蔽物情報テーブル122は、図面に含まれる遮蔽物の情報を保存し、その詳細は図4を参照して説明する。ロケーション特徴ルールテーブル123は、定められた遮蔽物の位置及び当該遮蔽物によって規定される空間の特徴を保存し、その詳細は図7を参照して説明する。ロケーション特徴テーブル124は、画像中の点(座標)毎に定められる属性(遮蔽物の情報、特徴ラベル)を保存し、その詳細は図8を参照して説明する。エリアテーブル125は、エリアの情報を保存し、その詳細は図10を参照して説明する。計測点レコメンドルールテーブル126は、計測点の情報を保存し、その詳細は図12を参照して説明する。これらの情報はテーブル以外の形式で保存されてもよい。
【0016】
入力部130は、キーボードやマウスなどの入力装置が接続され、オペレータからの入力を受けるインターフェースである。入力部130は、シリアル又はパラレルのデータインターフェースを有し、記憶媒体からのデータの入力を受けてもよい。
【0017】
表示部140は、ディスプレイ装置やプリンタなどの出力装置が接続され、プログラムの実行結果をオペレータが視認可能な形式で出力するインターフェースである。表示部140は、ネットワークを介して接続される端末にプログラムの実行結果の表示データを出力するインターフェースでもよい。
【0018】
AP設置場所候補・現地調査候補提示装置100は、通信インターフェースを有してもよい。通信インターフェースは、所定のプロトコルに従って、他の装置との通信を制御するネットワークインターフェース装置である。
【0019】
機能部110が実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワークを介してAP設置場所候補・現地調査候補提示装置100に提供され、非一時的記憶媒体である不揮発性の記憶部120に格納される。このため、AP設置場所候補・現地調査候補提示装置100は、リムーバブルメディアからデータを読み込むインターフェースを有するとよい。
【0020】
AP設置場所候補・現地調査候補提示装置100は、物理的に一つの計算機上で、又は、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で動作してもよい。例えば、遮蔽物自動抽出部111、ロケーション特徴抽出部112、エリアレコメンド指示部113、計測点レコメンド指示部114は、各々別個の物理的又は論理的計算機上で動作するものでも、複数が組み合わされて一つの物理的又は論理的計算機上で動作するものでもよい。
【0021】
図2は、本発明の実施例のAP設置場所候補・現地調査候補提示装置100が実行する処理のフローチャートである。
【0022】
まず、入力部130は、アクセスポイントを設置しようとする部屋の図面(例えば平面図)の入力を受け、平面図テーブル121に保存する(S11)。
【0023】
そして、遮蔽物自動抽出部111は、入力された図面から遮蔽物情報を抽出し、遮蔽物情報テーブル122に保存する遮蔽物情報抽出処理を実行する(S12)。遮蔽物情報抽出処理の詳細は、図3を参照して後述する。
【0024】
そして、ロケーション特徴抽出部112は、遮蔽物情報テーブル122からロケーション特徴データ生成し、ロケーション特徴テーブル124に保存するロケーション特徴データ作成処理を実行する(S13)。ロケーション特徴データ作成処理の詳細は、図5を参照して後述する。
【0025】
そして、エリアレコメンド指示部113は、ロケーション特徴テーブル124からエリアを特定し、エリアテーブル125に保存するエリアレコメンド処理を実行する(S14)。エリアレコメンド処理の詳細は、図9を参照して後述する。
【0026】
そして、計測点レコメンド指示部114は、ロケーション特徴テーブル124から計測点を導出する計測点レコメンド処理を実行する(S15)。計測点レコメンド処理の詳細は、図11を参照して後述する。
【0027】
図3は、本発明の実施例の遮蔽物情報抽出処理S12のフローチャートである。
【0028】
遮蔽物自動抽出部111は、遮蔽物情報テーブル122から図面を読み込む(S121)。
【0029】
そして、遮蔽物自動抽出部111は、読み込んだ図面から線分を抽出する(S122)。例えば、画像データとして保存されている図面は、ハフ変換を用いて画像データから線分を抽出できる。
【0030】
そして、遮蔽物自動抽出部111は、部屋の図面から抽出される線分は遮蔽物である可能性が高いので、抽出した線分に遮蔽物IDを付与し、抽出した線分の始点の座標と終点の座標を決定し、遮蔽物情報テーブル122に保存する(S123)。
【0031】
図4は、本発明の実施例の遮蔽物情報テーブル122の構成例を示す図である。
【0032】
遮蔽物情報テーブル122は、遮蔽物ID、開始点、及び終了点を含むレコードを格納する。遮蔽物IDは、部屋の図面から抽出された線分、すなわち、図面中の遮蔽物に付与される識別情報である。開始点及び終了点は、抽出された線分の端点の画像中の座標である。
【0033】
図5は、本発明の実施例のロケーション特徴データ作成処理S13のフローチャートである。
【0034】
ロケーション特徴抽出部112は、図面に含まれる全ての画素点の座標リストを作成する(S131)。
【0035】
そして、ロケーション特徴抽出部112は、座標リストから未処理の1点(座標x,y)を取得する(S132)。
【0036】
そして、ロケーション特徴抽出部112は、座標x,yの点からX軸と平行に両方向に線を伸ばし、最初に当接した遮蔽物との距離を計算し、X長(左)とX長(右)を定める(S133)。同様に、ロケーション特徴抽出部112は、座標x,yの点からY軸と平行に両方向に線を伸ばし、最初に当接した遮蔽物との距離を計算し、Y長(上)とY長(下)を定める(S134)。ステップS133及びS134によって、図6に示すX長(左)と、X長(右)と、Y長(上)と、Y長(下)が定められ、座標x,yの点が囲まれている遮蔽物が分かり、遮蔽物に囲まれた空間である部屋の形状を推測できる。
【0037】
そして、ロケーション特徴抽出部112は、定められた遮蔽物の位置(X長(左)、X長(右)、Y長(上)、Y長(下))をロケーション特徴テーブル124に保存する(S135)。
【0038】
そして、ロケーション特徴抽出部112は、ロケーション特徴ルールテーブル123を参照し、定められた遮蔽物の位置(X長(左)、X長(右)、Y長(上)、Y長(下))が条件に一致する特徴ラベルを決定し、ロケーション特徴テーブル124に保存する(S136)。ステップS136によって、遮蔽物に囲まれた空間の特徴をロケーション特徴テーブル124に保存できる。
【0039】
そして、ロケーション特徴抽出部112は、全ての点を処理したかを判定する(S137)。未処理の点があれば、ステップS132に戻り、未処理の点の特徴ラベルを決定する。一方、全ての点の処理が終了していれば、ロケーション特徴データ作成処理を終了する。
【0040】
図7は、本発明の実施例のロケーション特徴ルールテーブル123の構成例を示す図である。
【0041】
ロケーション特徴ルールテーブル123は、遮蔽物によって規定される空間の特徴を画像中の点毎に定めるためのルールが保存されるテーブルであり、ルールID、条件、及び特徴ラベルを含むレコードを格納する。ルールIDは、ロケーション特徴ルールテーブル123に保存されるルールに付される識別情報である。条件は、遮蔽物の位置が満たすべき条件である。特徴ラベルは、遮蔽物の位置が条件を満たす場合に画像中の点に付与される特徴ラベルである。
【0042】
例えば、ルール1及び2によると、空間の一方の長さが5メートルを超え、空間の他方の長さが5メートル以下である細長い空間は廊下であると推定される。また、ルール3によると、X長(左)が所定の第1閾値より短かく、かつ、X長(右)が所定の第2閾値より長く、かつ、Y長(上)が所定の第1閾値より短かく、かつY長(下)が所定の第2閾値より長い場合、当該点は空間の四隅にあると推定される。また、ルール4によると、X長(左)が所定の第2閾値より長く、かつ、X長(右)が所定の第1閾値より短く、かつ、Y長(上)が所定の第2閾値より長く、かつY長(下)が所定の第1閾値より短い場合、当該点は空間の四隅にあると推定される。
【0043】
図8は、本発明の実施例のロケーション特徴テーブル124の構成例を示す図である。
【0044】
ロケーション特徴テーブル124は、遮蔽物の位置及び当該遮蔽物によって規定される空間の特徴(すなわち画像中の点の属性)が画像中の点毎に保存されるテーブルであり、番号、座標、遮蔽物の位置、及び特徴ラベルを含むレコードを格納する。番号は、画像中の点(座標)に付与される識別情報である。座標は、当該点の画像中の座標である。この座標は、画像の所定の位置(例えば左上を原点とした直交座標)で表される。遮蔽物の位置は、ロケーション特徴抽出部112によって定められる遮蔽物の位置であり、X長(左)、X長(右)、Y長(上)、Y長(下)を含む。特徴ラベルは、ロケーション特徴ルールテーブル123を参照してロケーション特徴抽出部112が定める空間の特徴であり、例えば、当該点を含む空間が廊下と推定されることや、当該点が空間の四隅に位置することが格納される。
【0045】
図9は、本発明の実施例のエリアレコメンド処理S14のフローチャートである。
【0046】
エリアレコメンド指示部113は、ロケーション特徴テーブル124の一つのレコードを取得し(S141)、隣接点の特徴ラベルを判定し、特徴ラベルが同じ隣接点を同じエリアに統合する(S142)。
【0047】
そして、エリアレコメンド指示部113は、全ての点を処理したかを判定する(S143)。統合するかを判定していない点があれば、ステップS141に戻り、ロケーション特徴テーブル124から未処理の一つのレコードを取得する。全ての点で統合するかを判定していれば、ステップS144に進む。
【0048】
そして、エリアレコメンド指示部113は、同じエリアに属する全ての点を含む矩形を計算する(S144)。例えば、矩形は四つの頂点で定められることから、四つの頂点の位置を計算し、矩形の四つの頂点のうち座標原点に最も近い開始点の座標、矩形の幅(X軸方向の長さ)、矩形の長さ(Y軸方向の長さ)を計算する。
【0049】
そして、エリアレコメンド指示部113は、矩形の面積が大きい順に廊下エリアとして矩形を表示するための表示データを作成し、表示部140に出力する(S145)。
【0050】
そして、エリアレコメンド指示部113は、当該エリアが「廊下」であることの確認を促し、当該エリアが「廊下」であることのユーザによる確認を受け付ける(S146)。
【0051】
ユーザによる確認後、エリアレコメンド指示部113は、確認されたエリアのデータをエリアテーブル125へ保存する(S147)。なお、ステップS145~S146の表示及び確認を省略して、定められた全てのエリアのデータをエリアテーブル125へ保存してもよい。
【0052】
図10は、本発明の実施例のエリアテーブル125の構成例を示す図である。
【0053】
エリアテーブル125は、エリアレコメンド処理S14によって作成されたエリアの情報が保存されるテーブルであり、エリアID、開始点、幅、及び長さを含むレコードを格納する。エリアIDは、エリアに付与される識別情報である。開始点は、当該エリアを定める四つの頂点のうち座標原点に最も近い頂点の座標である。幅は、矩形のX軸方向の長さである。長さは、矩形のY軸方向の長さである。
【0054】
図11は、本発明の実施例の計測点レコメンド処理S15のフローチャートである。
【0055】
計測点レコメンド指示部114は、計測点レコメンドルールを優先度が高い順に計測点レコメンドルールテーブル126から取得する(S151)。同じ優先度の計測点レコメンドルールが複数ある場合、複数の計測点レコメンドルールを取得するとよい。
【0056】
そして、計測点レコメンド指示部114は、ロケーション特徴テーブル124に保存された、画像中の点の属性を取得する(S152)。画像中の点の属性は、ロケーション特徴テーブル124に保存された全てを取得しても、ロケーション特徴テーブル124に保存されたもののうち所定数間隔で間引いて取得してもよい。
【0057】
そして、計測点レコメンド指示部114は、取得した計測点レコメンドルールと画像中の点の属性とを照合し、計測点レコメンドルールに合致する点をレコメンドする計測点に選択する(S153)。
【0058】
そして、計測点レコメンド指示部114は、計測点の数が所定の閾値n以上となったかを判定する(S154)。所定の閾値nはレコメンドとして提示する計測点の数である。なお、ユーザが全ての計測点のレコメンドを受けたい場合、所定の値nを入力された図面の画素数に設定するとよい。計測点の数が所定の閾値n以上となれば、計測点レコメンド指示部114は、計測すべき点を表示するための表示データを作成し、表示部140に出力する(S156)。
【0059】
一方、計測点の数が所定の閾値nより小さければ、計測点レコメンド指示部114は、全ての計測点レコメンドルールを照合したかを判定する(S155)。全ての計測点レコメンドルールを照合していれば、計測点レコメンド指示部114は、計測すべき点を表示するための表示データを作成し、表示部140に出力する(S156)。一方、一部の計測点レコメンドルールを照合していなければ、ステップS153に戻り、未照合の計測点レコメンドルールを照合する。
【0060】
図12は、本発明の実施例の計測点レコメンドルールテーブル126の構成例を示す図である。
【0061】
計測点レコメンドルールテーブル126は、計測点レコメンド処理S15によって生成された計測点の情報が保存されるテーブルであり、ルールID、優先度、及び条件を含むレコードを格納する。ルールIDは、計測点レコメンドルールに付与される識別情報である。優先度は、計測点レコメンドルールを照合する順序を示し、より計測の必要性が高いルールには小さい数字の優先度が付与される。条件は、画像中の点の属性と照合される条件であり、複数の条件が記録される場合、記録された複数は論理和によって判定され、記録された複数の条件の一つを満たせば計測点レコメンドルールに合致すると判定される。
【0062】
例えば、ルール1は、優先度が最も高い”1”であり、第1の条件は、画像中の点の特徴ラベルが「四隅」であり、第2の条件は、画像中の当該点の特徴ラベルが「廊下」でなく、隣接する点の特徴ラベルが「廊下」であり、第3の条件は、既設又は設置予定のアクセスポイントとの距離が20メートル以上であることである。第1の条件、第2の条件、第3の条件のいずれかに合致する点は、計測すべき点に選択される。
【0063】
以上に説明したように、本発明の実施例のAP設置場所候補・現地調査候補提示装置100によると、アクセスポイントの設置場所を決定するための作業工数を低減でき、作業時間を短縮できる。すなわち、設計者は、図面からエリア内の遮蔽物を自動的に抽出できるので、遮蔽物の情報を設計者が入力せずに、フロア情報を作成でき、設計に必要なモデル作成の時間を短縮できる。また、図面と遮蔽物データから推測したエリア内の部屋の形状を用いて、アクセスポイントの設置場所の検討に必要な情報を設計者に提示でき、設計時間を短縮できる。また、図面と遮蔽物データから推測したエリア内の部屋の形状を用いて、現場調査時の計測ポイントの情報を設計者に提示するので、作業工数を低減でき、現場作業の時間を短縮できる。
【0064】
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。
【0065】
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
【0066】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
【0067】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【符号の説明】
【0068】
100 現地調査候補提示装置
110 機能部
111 遮蔽物自動抽出部
112 ロケーション特徴抽出部
113 エリアレコメンド指示部
114 計測点レコメンド指示部
120 記憶部
121 平面図テーブル
122 遮蔽物情報テーブル
123 ロケーション特徴ルールテーブル
124 ロケーション特徴テーブル
125 エリアテーブル
126 計測点レコメンドルールテーブル
130 入力部
140 表示部
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