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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166659
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/68 20060101AFI20241122BHJP
   F24C 7/02 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
H05B6/68 330Z
H05B6/68 320Z
H05B6/68 310Z
F24C7/02 355H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082891
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】岸本 卓士
【テーマコード(参考)】
3K086
3L086
【Fターム(参考)】
3K086AA05
3K086BA08
3K086CA09
3K086CB20
3L086AA01
3L086CB20
3L086DA01
(57)【要約】
【課題】導波管内での放電を検出できる加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器100は、加熱庫10と、導波管22と、受光部31とを備える。加熱庫10は、収容された被加熱物をマイクロ波によって加熱する。導波管22は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生装置20から加熱庫10に向けてマイクロ波を導く。受光部31は、導波管22を間に介して加熱庫10に対向し、光を検出する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容された被加熱物をマイクロ波によって加熱する加熱庫と、
マイクロ波を発生するマイクロ波発生装置から前記加熱庫に向けて前記マイクロ波を導く導波管と、
前記導波管を間に介して前記加熱庫に対向し、光を検出する受光部と
を備える、加熱調理器。
【請求項2】
前記導波管を間に介して前記加熱庫に対向し、光を発光する発光部をさらに備える、請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記加熱庫は、
前記マイクロ波を攪拌するアンテナと、
前記アンテナを収容する収容部と
を有し、
前記発光部と前記受光部は、前記導波管を間に介して前記アンテナに対向する、請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記導波管は、
前記発光部から発光され、前記アンテナに向かう光が通過する第1開口と、
前記アンテナに反射され、前記受光部に向かう光が通過する前記第1開口とは異なる第2開口と
を有する、請求項3に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記導波管は、
前記アンテナに対向する第1壁部に複数の第3開口を有し、
前記受光部に対向する第2壁部に複数の第4開口を有し、
前記複数の第3開口は、前記複数の第4開口よりも数が多い、請求項3に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記受光部が受光した前記光が反射光であるか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記判定部は、前記受光部が受光した前記光の光強度が閾値を越える場合、前記受光部が受光した前記光が放電に起因する光であると判定する、請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記受光部は、前記導波管に固定される、請求項1に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、加熱庫であるチャンバ内に照射するマイクロ波を発生するマイクロ波発生器の一例が開示される。特許文献1の加熱調理器は、チャンバ内において放電の発生が検出された場合、マイクロ波の照射を停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3923809号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される加熱調理器では、チャンバ以外で発生する放電を検出できない。
【0005】
本開示の目的は、導波管内での放電を検出できる加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の加熱調理器は、加熱庫と、導波管と、受光部とを備える。加熱庫は、収容された被加熱物をマイクロ波によって加熱する。前記導波管は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生装置から前記加熱庫に向けて前記マイクロ波を導く。前記受光部は、前記導波管を間に介して前記加熱庫に対向し、光を検出する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の加熱調理器によれば、導波管内での放電を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態に係る加熱調理器の斜視図である。
図2図1のII-II線断面図である。
図3図1のIII-III線断面図である。
図4】アンテナと導波管の側面図である。
図5】アンテナと導波管の平面図である。
図6】本開示の一実施形態に係る加熱調理器の構成を示すブロック図である。
図7】本開示の一実施形態に係る制御部の受光処理におけるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本開示に係る加熱調理器100の実施形態について説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
図1及び図2を参照して、本実施形態に係る加熱調理器100について説明する。図1は、本実施形態における加熱調理器100の斜視図である。図2は、図1のII-II線断面図である。
【0011】
加熱調理器100は、被加熱物を加熱調理する。被加熱物は、例えば、食品である。図1に示すように、加熱調理器100は、加熱庫10と、筐体11と、操作パネル部13とを備える。
【0012】
本実施形態では、加熱調理器100の正面に立ったユーザーから視て、加熱調理器100の操作パネル部13が配置される側を前方X1とし、その反対側を後方X2と規定する。また、加熱調理器100を前方X1から見たときの左側を左方Y1とし、その反対側を右方Y2と規定する。また、加熱調理器100の前後方向X及び左右方向Yと直交する上下方向Zにおいて、操作パネル部13が配置される側を上方Z1とし、その反対側を下方Z2と規定する。なお、これらの向きは、本発明の加熱調理器100の使用時の向きを限定するものではない。
【0013】
筐体11は、加熱庫10を収容する。筐体11は、前方X1が開口した直方体状物である。筐体11は、扉12によって閉じられる。扉12は、左方Y1側端部が鉛直軸回りに回転自在に支持される。図1に示すように、筐体11は、上壁111、左壁112、右壁113、底壁114、前壁115及び後壁116を有する。
【0014】
加熱庫10は、加熱調理器100の収容空間を形成する。加熱庫10は、箱状部材である。加熱庫10は、加熱室101を内部に有する。加熱室101には、被加熱物が収容される。加熱庫10は、収容された被加熱物をマイクロ波によって加熱する。
【0015】
本実施形態では、加熱調理器100は、例えば、加熱調理モードとして、レンジ加熱モード及びオーブン加熱モードを有する。レンジ加熱モードは、主として、加熱室101内にマイクロ波を放射することによって、被加熱物を加熱調理するモードである。オーブン加熱モードは、主として、加熱室101内の空気の温度を一定に保つことによって、被加熱物を加熱調理するモードである。なお、加熱調理器100は、全ての調理モードを有する必要はなく、少なくとも、レンジ加熱モードを有すれば良い。
【0016】
操作パネル部13は、ユーザーからの操作を受け付ける。操作パネル部13は、加熱室101よりも前方X1に配置される。つまり、操作パネル部13は、加熱庫10の前方X1に配置されている。操作パネル部13は、加熱調理器100の上方Z1側部分に位置する。
【0017】
図2に示すように、加熱庫10は、上壁10A、左壁10B、右壁10C、底壁10D及び後壁10Eを有する。加熱庫10は、第1収容部102を内部に有する。第1収容部102は、底壁10Dの下方Z2側に配置される。第1収容部102には、アンテナ21が収容される。換言すれば、加熱庫10は、アンテナ21を有する。第1収容部102は、「アンテナを収容する収容部」の一例に相当する。
【0018】
底壁10Dは、凹部10D1を有する。凹部10D1は、底壁10Dの中央部分に配置される。凹部10D1は、上部が開放された、有底円筒材に構成される。凹部10D1は、底部10D2と、側部10D3とを有する。凹部10D1の上方Z1側の開口は、トレイ24により塞がれる。換言すれば、加熱室101の底面は、底壁10Dの一部と、トレイ24とにより構成される。
【0019】
図2に示すように、加熱調理器100は、マイクロ波供給部20と、検出部30とを有する。
【0020】
マイクロ波供給部20は、マイクロ波を発生し、マイクロ波を加熱庫10に供給する。図2に示すように、マイクロ波供給部20は、アンテナ21と、導波管22と、マグネトロン23とを有する。
【0021】
アンテナ21は、マイクロ波を攪拌する。アンテナ21は、加熱庫10に向けて均一なマイクロ波を放射する。アンテナ21の上部には、トレイ24が配置される。マイクロ波の透過性を考慮して、トレイ24は、セラミックスまたはガラスを含む。
【0022】
導波管22は、マイクロ波を加熱庫10の底壁10Dの中央部に導く。加熱庫10の底壁10Dの中央部には、例えば、給電孔部(図示略)が配置される。給電孔部は、アンテナ21に向かって開口する。導波管22は、マイクロ波を発生するマグネトロン23から加熱庫10に向けてマイクロ波を導く。
【0023】
マグネトロン23は、高周波のマイクロ波を発生する。マグネトロン23は、「マイクロ波発生装置」の一例に相当する。
【0024】
検出部30は、光を受光して物体の有無、或いは光の発生を検出するセンサである。検出部30は、導波管22の下方Z2側端部に配置される。検出部30は、受光部31を有する。
【0025】
図2に示すように、受光部31は、光を受光する。具体的には、受光部31は、受光素子である。受光部31は、導波管22を間に介して加熱庫10に対向する。受光部31は、加熱庫10側から入射する光を検出する。その結果、受光部31は、導波管22内での放電を検出できる。これにより、加熱調理器100は、加熱庫10以外で発生した放電に対応した制御を実行できる。
【0026】
次に、図3を参照して、加熱庫10についてさらに説明する。図3は、図1のIII-III線断面図である。
【0027】
図3に示すように、加熱庫10は、第2収容部103を内部に有する。第2収容部103は、後壁10Eよりも後方X2側に配置される。第2収容部103は、周壁10E1と、後壁10E2とを有する。後壁10E2は、後壁10Eと略平行である。周壁10E1は、後壁10Eと、後壁10E2とを連結する。第2収容部103内には、ヒータ41a及びヒータ41bと、第1遠心ファン42とが配置される。後壁10E2の後方X2には、第1通電部51と、第1駆動部52とが配置される。
【0028】
後壁10Eは、孔10pと、孔10qと、孔10rとを有する。孔10pは、例えば、後壁10Eの中央部分に複数形成される。孔10qは、例えば、後壁10Eの上方Z1側部分に、例えば、複数形成される。孔10rは、後壁10Eの下方Z2側部分に複数形成される。孔10qの数と孔10rの数は、略同じであり、孔10pの数は、孔10qまたは孔10rの数よりも多い。
【0029】
後壁10E2は、孔10sと、孔10tとを有する。孔10sは、後壁10E2の上方Z1側部分に、例えば、複数形成される。孔10tは、後壁10E2下方Z2側部分に、例えば、複数形成される。
【0030】
ヒータ41aは、周壁10E1の上方Z1側端部に配置される。ヒータ41bは、周壁10E1の下方Z2側端部に配置される。第1通電部51は、ヒータ41a及びヒータ41bを通電する。通電されたヒータ41a及びヒータ41bは、第2収容部103内の空気を加熱する。ヒータ41a及びヒータ41bを総称して、ヒータ41と称することがある。
【0031】
第1駆動部52は、第1遠心ファン42を駆動する。駆動された第1遠心ファン42は、複数の孔10pを介して、加熱室101内の空気を第2収容部103内に吸い込む。駆動された第1遠心ファン42は、複数の孔10q及び複数の孔10rを介して、第2収容部103内の空気を加熱室101に吹き出す。
【0032】
加熱庫10と筐体11との間にダクト14が配置される。ダクト14は、外部の空気を加熱調理器100の内部に取り込む。図3に示すように、ダクト14は、第1ダクト141と、第2ダクト142とを有する。
【0033】
第1ダクト141は、底壁10Dと底壁114との間に形成される。第1ダクト141は、空気を前後方向Xに沿って流す。第1ダクト141は、第2遠心ファン43と、フィルタ44と、第2駆動部53とを有する。
【0034】
フィルタ44は、底壁10Dの前方X1側端部と底壁114の前方X1側端部との間を閉塞する。第2遠心ファン43は、フィルタ44の後方X2に配置される。第2駆動部53は、第2遠心ファン43を駆動する。駆動された第2遠心ファン43は、フィルタ44を介して、外部の空気を第1ダクト141内に吸い込む。
【0035】
第2ダクト142は、後壁10E2と後壁116との間に形成される。第2ダクト142の下方Z2側端部は、第1ダクト141の後方X2側端部に連なる。第2ダクト142は、空気を上下方向Zに沿って流す。駆動された第1遠心ファン42は、複数の孔10s及び複数の孔10tを介して、第2ダクト142の空気を第2収容部103内に吸い込む。
【0036】
次に、図4及び図5を参照して、マイクロ波供給部20及び検出部30についてさらに説明する。図4は、アンテナ21と導波管22の側面図である。図5は、アンテナ21と導波管22の平面図である。
【0037】
図5に示すように、アンテナ21は、開口21A1、開口21A2及び開口21A3を有する。開口21A1、開口21A2及び開口21A3は、アンテナ21を上下方向Zに貫通し、周方向に均等間隔に配置される。なお、以下の説明において、開口21A1、開口21A2及び開口21A3を総称して、開口21Aと称することがある。
【0038】
図4及び図5に示すように、導波管22は、上板221と、左板222と、右板223と、底板224と、前板225と、後板226とを有する。右板223は、マグネトロン23を支持する。
【0039】
図4に示すように、上板221は、左方Y1領域に複数の導光孔25を有する。具体的には、複数の導光孔25が、アンテナ21の下方Z2に対応して配置される。本実施形態では、複数の導光孔25は、左方Y1に向かって配置された導光孔251から導光孔254を一例としている。なお、以下の説明において、導光孔251から導光孔254を総称して、導光孔25と称することがある。
【0040】
底板224は、左方Y1領域に導光孔26を有する。具体的には、複数の導光孔26が、アンテナ21の下方Z2に対応する領域に配置される。本実施形態では、複数の導光孔26は、左方Y1に向かって配置された導光孔261及び導光孔262を一例としている。なお、以下の説明において、導光孔261及び導光孔262を総称して、導光孔26と称することがある。図4に示すように、底板224は、検出部30を支持する。
【0041】
検出部30は、受光部31と、発光部32とを有する。検出部30は、例えば、反射型のフォトインタラプターである。フォトインタラプターは、一組の発光器と受光器を用いて光によって、物体の有無や位置を検出する機能を有する。
【0042】
受光部31は、例えば、発光部32の左方Y1に配置される。受光部31は、受光素子である。
【0043】
発光部32は、発光素子である。発光素子は、例えば、発光ダイオードである。発光部32は、導波管22を間に介して加熱庫10に対向する。従って、受光部31は、発光部32が発光した光の反射光を検出でき、導波管22内で発生した放電を検出できる。その結果、2つの検出対象を1つの受光部31で検出することができる。なお、外乱を考慮して、発光素子は、赤外線発光ダイオードが好ましい。
【0044】
受光部31は、例えば、フォトダイオードである。発光部32と受光部31は、導波管22を間に介してアンテナ21に対向する。従って、受光部31は、アンテナ21の作動と、導波管22内の放電とを検出できる。
【0045】
図4に示すように、発光部32から照射された検知光L1は、例えば、導光孔261から導波管22に進入し、直進した後、導光孔251を通過して導波管22から退出する。検知光L1は、アンテナ21に衝突する。アンテナ21から反射した検知光L1は、導光孔252から導波管22に進入する。導波管22に進入した検知光L1は、直進した後、導光孔262を通過して受光部31に受光される。
【0046】
検知光L1が開口21Aを通過した場合、検知光L1は、トレイ24に衝突し、下方Z2に反射される。トレイ24から反射した検知光L1は、導光孔25及び導光孔26を通過して受光部31に受光される。トレイ24から反射した検知光L1は、アンテナ21から反射した検知光L1よりも光強度が弱い。アンテナ21の回転動作は、光強度の変化に基づき判定される。
【0047】
以上のように、導波管22は、発光部32から発光され、アンテナ21に向かう光が通過する導光孔261及び導光孔251を有する。また、導波管22は、アンテナ21に反射され、受光部31に向かう光が通過する導光孔261及び導光孔251とは異なる導光孔252及び導光孔262を有する。従って、アンテナ21に向かう光と受光部31に向かう光との干渉を回避できる。その結果、受光部31の検出精度を高くできる。導光孔261及び導光孔251は、「第1開口」の一例に相当し、導光孔252及び導光孔262は、「第2開口」の一例に相当する。
【0048】
図4に示すように、導波管22内で放電が発生した場合、放電光L2は、導波管22内を反射して進行する。放電光L2は、放電に起因する光であり、放電によって生じる光である。導波管22内を反射する放電光L2は、導光孔262を通過して受光部31に受光される。放電光L2は、アンテナ21から反射した検知光L1よりも光強度が強い。放電の発生は、光強度の変化に基づき判定される。
【0049】
また、第1収容部102内においてアンテナ21の周囲で放電が発生した場合、放電光L2は、導光孔251、導光孔252、導光孔253及び導光孔254のうち何れかの導光孔25から導波管22に進入する。導波管22に進入した放電光L2は、導光孔262を通過して受光部31に受光される。
【0050】
アンテナ21に対向する上板221は、例えば、導光孔251、導光孔252、導光孔253及び導光孔254を有する。受光部31に対向する底板224は、例えば、導光孔261及び導光孔262を有する。導光孔25は、導光孔26よりも数が多い。従って、アンテナ21の周囲で発生した放電を導光孔25を介して導波管22内に取り入れることができる。よって、導波管22内に取り入れた放電を導光孔26を介して受光部31に放出できる。その結果、導波管22内の放電に加え、第1収容部102内で発生した放電を検出できる。なお、上板221は、「第1壁部」の一例に相当し、底板224は、「第2壁部」の一例に相当する。また、導光孔25は、「複数の第3開口」の一例に相当し、導光孔26は、「複数の第4開口」の一例に相当する。
【0051】
検出部30は、導波管22に固定される。図4に示すように、検出部30は、取付部33を介して底板224に取り付けられる。例えば、受光部31は、導光孔262に対向し、発光部32は、導光孔261に対向する。従って、受光部31を導波管22の近くに配置できる。よって、導波管22から放出された放電及び反射光を漏らすことなく受光できる。その結果、検出部30の検出精度を向上できる。
【0052】
次に、図6を参照して、加熱調理器100の構成について、さらに説明する。図6は、本開示の一実施形態における加熱調理器100の構成を示すブロック図である。
【0053】
図6に示すように、加熱調理器100は、制御部60と、記憶部61とをさらに有する。
【0054】
制御部60は、ハードウェア回路である。ハードウェア回路は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部60は、記憶部61に格納された制御プログラムを実行することにより、操作パネル部13、検出部30、第1通電部51、第1駆動部52、第2駆動部53、マイクロ波供給部20、及び記憶部61を制御する。
【0055】
図6に示すように、制御部60は、判定部62を有する。制御部60は、判定部62の判定結果に基づき加熱調理器100を制御する。判定部62は、検出部30の検出結果に基づきマイクロ波供給部20の作動を判定する。
【0056】
判定部62は、例えば、第1閾値K1及び第2閾値K2と受光部31が受光した光の光強度とを比較する。判定部62は、受光した光の光強度が第1閾値K1を下回る周期を演算する。判定部62は、演算で求められた周期が予め設定された目標値ではない場合、アンテナ21の回転速度の異常を判定する。即ち、判定部62は、受光部31が受光した光が反射光であるか否かを判定する。判定部62は、トレイ24からの反射光の周期を判定する。制御部60は、アンテナ21の回転速度の異常判定が継続した場合、例えば、ユーザーに対して報知を行う。
【0057】
判定部62は、例えば、第1閾値K1よりも大きい第2閾値K2と受光部31が受光した光の光強度とを比較する。判定部62は、受光部31が受光した光の光強度が第2閾値K2を超える場合、第1収容部102の内部、または導波管22の内部における放電の発生を判定する。つまり、判定部62は、受光部31が受光した光の光強度が第2閾値K2を越える場合、受光部31が受光した光が放電に起因する光であると判定する。従って、アンテナ21の回転速度の異常と、導波管22内の放電とを識別することができる。制御部60は、放電の発生を継続して判定した場合、例えば、マイクロ波供給部20の作動を停止する。
【0058】
次に、図7を参照して、制御部60が行う受光処理について説明する。図7は、本開示の一実施形態に係る制御部60の受光処理におけるフローチャートである。図7に示すように、制御部60の処理は、ステップS1からステップS10を含む。制御部60のプロセッサーがコンピュータプログラムを実行することによって、ステップS1からステップS10が実行される。
【0059】
図7に示すように、ステップS1において、制御部60は、各種データを読み込む。処理はステップS2に進む。
【0060】
ステップS2において、受光部31が光を受光したか否か制御部60が判定する。例えば、受光部31に発生した光起電力に基づき受光を判定し、光強度を演算する。受光部31が光を受光したと制御部60が判定した場合(ステップS2のYes)、処理はステップS3に進む。受光部31が光を受光していないと制御部60が判定した場合(ステップS2のNo)、処理は終了する。
【0061】
ステップS2でYesの場合、ステップS3において、受光した光の光強度が第1閾値K1よりも大きいか否か判定部62が判定する。光の光強度が第1閾値K1よりも大きくないと判定部62が判定した場合(ステップS3のNo)、処理はステップS8に進む。光の光強度が第1閾値K1よりも大きいと判定部62が判定した場合(ステップS3のYes)、処理はステップS4に進む。
【0062】
ステップS4において、受光した光の光強度が第2閾値K2よりも大きいか否か判定部62が判定する。光の光強度が第2閾値K2よりも大きくないと判定部62が判定した場合(ステップS4のNo)、処理は終了する。光の光強度が第2閾値K2よりも大きいと判定部62が判定した場合(ステップS4のYes)、処理はステップS5に進む。
【0063】
ステップS5において、判定部62は、受光した光が放電に起因する光であると判定する。処理はステップS6に進む。
【0064】
ステップS6において、放電発生の判定が所定期間継続しているか否か判定部62が判定する。放電発生の判定が所定期間継続していない場合(ステップS6のNo)、処理は終了する。放電発生の判定が所定期間継続している場合(ステップS6のYes)、処理はステップS7に進む。
【0065】
ステップS7において、制御部60は、マイクロ波供給部20によるマイクロ波の供給を停止する。処理は終了する。
【0066】
ステップS3でNoの場合、ステップS8において、光強度が第1閾値K1よりも小さい受光した光の周期を判定部62が演算する。処理はステップS9に進む。
【0067】
ステップS9において、演算した受光周期が目標周期と一致するか否か判定部62が判定する。受光周期が目標周期と一致する場合(ステップS9のYes)、処理は終了する。受光周期が目標周期と一致しない場合(ステップS9のNo)、処理はステップS10に進む。
【0068】
ステップS10において、受光周期が目標周期と不一致である不一致期間が所定期間継続するか否か判定部62が判定する。不一致期間が所定期間継続しない場合(ステップS10のNo)、処理は終了する。不一致期間が所定期間継続する場合(ステップS10のYes)、処理はステップS11に進む。
【0069】
ステップS11において、制御部60は、アンテナ21の回転速度の異常を報知する。処理は終了する。
【0070】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0071】
(1)図1図7を参照して説明したように、本実施形態では、加熱調理器100は、受光部31と発光部32とを有するが、本発明はこれに限定されない。本発明における検出部30は、発光部32を省略しても良い。
【0072】
(2)図1図7を参照して説明したように、本実施形態では、受光部31は、フォトダイオードであったが、本発明はこれに限定されない。本発明における受光部31は、少なくとも光を検出できれば良く、フォトレジスタ、またはフォトトランジスタであっても良い。
【0073】
(3)図1図7を参照して説明したように、本実施形態では、加熱調理器100は、レンジ加熱モード及びオーブン加熱モードを有するが、本発明はこれに限定されない。本発明における加熱調理器100は、少なくとも、レンジ加熱モードを有していればよく、オーブン加熱モードを省略できる。また、加熱調理器100は、レンジ加熱モード及びオーブン加熱モードに加え、グリル加熱モードを有するグリルオーブンレンジとしても良い。
【0074】
(4)図1図7を参照して説明したように、本実施形態では、扉12が鉛直軸回りに回転自在に支持された横開きタイプの扉を開示したが、本発明はこれに限定されない。扉12が水平軸回りに回転自在に支持された縦開きタイプの扉であっても良い。また、引き出しタイプの扉であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、例えば、加熱調理器の分野に有用である。
【符号の説明】
【0076】
10 :加熱庫
20 :マイクロ波供給部
21 :アンテナ
22 :導波管
25 :導光孔
26 :導光孔
30 :検出部
31 :受光部
32 :発光部
62 :判定部
100 :加熱調理器
L1 :検知光
L2 :放電光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7