(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166663
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】有脚構造体、空気調和装置、及び有脚構造体製造方法
(51)【国際特許分類】
F25B 43/00 20060101AFI20241122BHJP
F28F 9/00 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
F25B43/00 C
F28F9/00 321
F25B43/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082897
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】岩原 朱里
(72)【発明者】
【氏名】谷本 将貴
【テーマコード(参考)】
3L065
【Fターム(参考)】
3L065AA04
(57)【要約】
【課題】本体部の外周面への支持脚の位置決めを簡単に行える有脚構造体、空気調和装置、及び有脚構造体製造方法を提供する。
【解決手段】有脚構造体300は、本体部100と、本体部100を支持する複数の支持脚200とを備える。本体部100は、本体部100を通る仮想中心軸線VLまわりの周方向に延在する外周面131を有する。複数の支持脚200は、周方向に間隔をあけて外周面131に取り付けられている。本体部100の、外周面131に取り付けられる各々の支持脚200と対向する箇所に、嵌合部132が形成されている。各々の支持脚200には、嵌合部132と嵌合する被嵌合部が形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、前記本体部を支持する複数の支持脚と、を備え、前記本体部は、前記本体部を通る仮想中心軸線まわりの周方向に延在する外周面を有し、複数の前記支持脚は、前記周方向に間隔をあけて前記外周面に取り付けられている有脚構造体であって、
前記本体部の、前記外周面に取り付けられる各々の前記支持脚と対向する箇所に、嵌合部が形成されており、
各々の前記支持脚には、前記嵌合部と嵌合する被嵌合部が形成されている、
有脚構造体。
【請求項2】
前記嵌合部と前記被嵌合部との一方は、前記周方向に直角な径方向に突出した突出部であり、他方は、前記突出部と嵌合する切り欠き部である、
請求項1に記載の有脚構造体。
【請求項3】
各々の前記支持脚は、
前記仮想中心軸線と平行な高さ方向に延在する背板部と、
前記背板部の、前記高さ方向に直角な幅方向の両側から立ち上がっており、互いに前記幅方向に対面している一対の側板部と、
を有する、請求項1に記載の有脚構造体。
【請求項4】
各々の前記支持脚において、前記被嵌合部は、前記背板部に形成されており、
各々の前記支持脚は、前記背板部の、一対の前記側板部が立ち上がっている表面とは反対側の裏面が前記外周面に接している態様で、前記外周面に取り付けられている、
請求項3に記載の有脚構造体。
【請求項5】
各々の前記支持脚は、
前記背板部の、前記高さ方向の下端部において前記背板部と一対の前記側板部とにつながっている底板部であって、前記支持脚を介して前記本体部の荷重を受ける土台面に固定される底板部、
をさらに有する、請求項4に記載の有脚構造体。
【請求項6】
各々の前記支持脚において、前記被嵌合部は、前記側板部に形成されており、
各々の前記支持脚は、一対の前記側板部が前記外周面に接している態様で、前記外周面に取り付けられている、
請求項3に記載の有脚構造体。
【請求項7】
各々の前記支持脚は、
前記背板部の、前記高さ方向の下端部において、前記背板部から、一対の前記側板部が立ち上がっている方向とは反対の方向に延び出ている底板部であって、前記支持脚を介して前記本体部の荷重を受ける土台面に固定される底板部、
をさらに有する、請求項6に記載の有脚構造体。
【請求項8】
本体部と、前記本体部を支持する複数の支持脚と、を備え、前記本体部は、前記本体部を通る仮想中心軸線まわりの周方向に延在する外周面を有し、複数の前記支持脚は、前記周方向に間隔をあけて前記外周面に取り付けられている有脚構造体であって、
前記本体部の、前記外周面に取り付けられる各々の前記支持脚と対向する箇所に、その箇所への前記支持脚の位置決めのためのマーキングが付されている、
有脚構造体。
【請求項9】
各々の前記支持脚には、
位置を前記マーキングの位置と合わせる位置合わせ部、
が形成されている、
請求項8に記載の有脚構造体。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の有脚構造体で構成されたアキュムレータ、
を備える、空気調和装置。
【請求項11】
本体部と、前記本体部を支持する複数の支持脚と、を備え、前記本体部は、前記本体部を通る仮想中心軸線まわりの周方向に延在する外周面を有し、複数の前記支持脚は、前記周方向に間隔をあけて前記外周面に取り付けられている有脚構造体、を製造する有脚構造体製造方法であって、
前記本体部の、前記外周面に取り付けられる各々の前記支持脚と対向する箇所に、嵌合部を形成する嵌合部形成工程と、
各々の前記支持脚に、前記嵌合部と嵌合する被嵌合部を形成する被嵌合部形成工程と、
前記嵌合部と前記被嵌合部とを嵌合させる位置決め工程と、
前記嵌合部に前記被嵌合部が嵌合した状態の前記支持脚を、前記外周面に溶接する支持脚溶接工程と、
を含む、有脚構造体製造方法。
【請求項12】
本体部と、前記本体部を支持する複数の支持脚と、を備え、前記本体部は、前記本体部を通る仮想中心軸線まわりの周方向に延在する外周面を有し、複数の前記支持脚は、前記周方向に間隔をあけて前記外周面に取り付けられている有脚構造体、を製造する有脚構造体製造方法であって、
前記本体部の、前記外周面に取り付けられる各々の前記支持脚と対向する箇所に、マーキングを付すマーキング工程と、
前記マーキングを用いて、前記支持脚を前記外周面に対して位置決めする位置決め工程と、
前記外周面に対して位置決めされた状態の前記支持脚を、前記外周面に溶接する支持脚溶接工程と、
を含む、有脚構造体製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、有脚構造体、空気調和装置、及び有脚構造体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、液体の冷媒と気体の冷媒との分離を行う本体部と、その本体部を支持する複数の支持脚とを備える、有脚構造体としてのアキュムレータが知られている。本体部は、円筒状に形成された円筒部を有する。複数の支持脚は、円筒部の外周面に、その外周面の周方向に間隔をあけて溶接されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、各々の支持脚を円筒部の外周面に溶接する際に、その支持脚を外周面に対して位置決めするための治具を必要としており、支持脚の位置決めに手間がかかっていた。そこで、支持脚の位置決めをより簡単に行える技術が望まれる。
【0005】
本開示の目的は、本体部の外周面への支持脚の位置決めを簡単に行える有脚構造体、空気調和装置、及び有脚構造体製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る有脚構造体は、
本体部と、前記本体部を支持する複数の支持脚と、を備え、前記本体部は、前記本体部を通る仮想中心軸線まわりの周方向に延在する外周面を有し、複数の前記支持脚は、前記周方向に間隔をあけて前記外周面に取り付けられている有脚構造体であって、
前記本体部の、前記外周面に取り付けられる各々の前記支持脚と対向する箇所に、嵌合部が形成されており、
各々の前記支持脚には、前記嵌合部と嵌合する被嵌合部が形成されている。
【発明の効果】
【0007】
上記構成によれば、支持脚の被嵌合部を本体部の嵌合部と嵌合させることにより、本体部の外周面への支持脚の位置決めを簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係るアキュムレータの使用時の外観を示す斜視図
【
図2】実施の形態1に係るアキュムレータの一部を拡大して示す拡大図
【
図4】実施の形態1に係る円環状ブラケットの斜視図
【
図5】実施の形態1に係るアキュムレータ製造方法のフローチャート
【
図6】実施の形態1に係る円環状フランジ成形体の斜視図
【
図8】実施の形態2に係る円環状ブラケットの斜視図
【
図9】実施の形態3に係る支持脚の取り付けの態様を示す斜視図
【
図10】実施の形態3に係る円環状ブラケットの要部を示す斜視図
【
図12】実施の形態3に係るアキュムレータの平面図
【
図14】実施の形態4に係る円環状ブラケットの要部を示す斜視図
【
図15】実施の形態4に係る支持脚の取り付けの態様を示す斜視図
【
図16】実施の形態5に係る支持脚の取り付けの態様を示す斜視図
【
図17】実施の形態5に係るアキュムレータ製造方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、有脚構造体の一例として、実施の形態に係るアキュムレータについて説明する。図中、同一又は対応する部分に同一の符号を付す。
【0010】
[実施の形態1]
図1に示すように、本実施の形態に係るアキュムレータ300は、タンク状の本体部100と、本体部100を支持する複数の支持脚200とを備える。
【0011】
本体部100は、液体の冷媒と気体の冷媒との分離(以下、気液分離という。)を行う気液分離機能部110を有する。気液分離機能部110には、冷媒が導入される導入管110aと、冷媒を導出する導出管110bとが接続されている。
【0012】
図示せぬ蒸発器によって蒸発された冷媒が、導入管110aを通じて、気液分離機能部110に取り込まれる。気液分離機能部110は、導入管110aを通じて取り込まれた冷媒から液体の冷媒を分離させ、気体の冷媒を、導出管110bを通じて図示せぬ圧縮機に供給する。気液分離機能部110は、気液分離が行われる使用時において上下方向に延在した姿勢で立設される竪型の構成を有する。
【0013】
以下の説明を容易にするために、気液分離機能部110の高さ方向に延在し、かつ気液分離機能部110の、高さ方向に垂直な横断面の中心を通る仮想中心軸線VLを定義する。ここで“気液分離機能部110の高さ方向”は、気液分離が行われる使用時においては上下方向に一致する。以下では、高さ方向に関して、使用時における上方に位置する端部を上端部といい、使用時における下方に位置する端部を下端部という。
【0014】
本体部100は、それぞれ気液分離機能部110に固定された上端蓋部120及び円環状ブラケット130も有する。上端蓋部120は、気液分離機能部110の上端部に固定されている。円環状ブラケット130は、気液分離機能部110の下端部に固定されている。上端蓋部120及び円環状ブラケット130は、それぞれ溶接によって気液分離機能部110に固定されている。
【0015】
気液分離機能部110は、仮想中心軸線VLまわりの周方向に延在する外周面111を有する。その外周面111に、円環状ブラケット130が全周にわたって密接している。
【0016】
円環状ブラケット130も、仮想中心軸線VLまわりの周方向に延在する外周面131を有する。そして、その円環状ブラケット130の外周面131に、複数の支持脚200が取り付けられている。即ち、本実施の形態では、円環状ブラケット130の外周面131が、本開示に係る外周面の一例である。
【0017】
なお、
図1には、2つの支持脚200のみが現れているが、本実施の形態に係るアキュムレータ300は、支持脚200を3つ備える。但し、アキュムレータ300は、支持脚200を4つ以上備えてもよい。
【0018】
複数の支持脚200の各々は、仮想中心軸線VLと平行な高さ方向に延在する。複数の支持脚200が、仮想中心軸線VLまわりの周方向に等間隔をあけて、外周面131に溶接されている。外周面131には、各々の支持脚200の上端部が溶接されている。
【0019】
図2に示すように、各々の支持脚200の下端部は、土台面BSに固定される。複数の支持脚200によって、本体部100が土台面BSよりも上方に持ち上げられている。土台面BSは、各々の支持脚200を介して、本体部100の荷重を受ける。
【0020】
なお、複数の支持脚200は、気液分離が行われる使用時に本体部100を支持する役割のみならず、アキュムレータ300の輸送時に本体部100を支持する役割も果たす。土台面BSとは、気液分離が行われる使用時においては、アキュムレータ300を含む室外機が設置される設置場所を指し、アキュムレータ300の輸送時においては、貨物車両その他の輸送手段にアキュムレータ300を固定するための固定具を指す。
【0021】
図3を参照し、各々の支持脚200の構造を説明する。各々の支持脚200は、短冊状の背板部210を有する。背板部210は、
図1に示す仮想中心軸線VLと平行な高さ方向に延在している。
【0022】
また、各々の支持脚200は、背板部210の、高さ方向に直角な幅方向の両側から立ち上がった一対の側板部220を有する。一対の側板部220は、互いに、背板部210の幅方向に対面している。即ち、各々の支持脚200の、高さ方向に直角な横断面は、コ字状をなしている。
【0023】
また、各々の支持脚200は、背板部210の、高さ方向の下端部から、側板部220と同じ向きに立ち上がった底板部230を有する。底板部230は、背板部210と一対の側板部220とにつながっている。
【0024】
底板部230が、
図2に示した土台面BSに固定される。具体的には、底板部230には、貫通孔231が形成されている。その貫通孔231に挿通される、図示せぬねじによって、底板部230が、
図2に示した土台面BSに固定される。
【0025】
図1に示すように、以上説明した各々の支持脚200は、背板部210の、一対の側板部220が立ち上がっている表面210aとは反対側の裏面210bが外周面131に接している態様で、外周面131に溶接されている。背板部210の裏面210bの上端部が、外周面131の高さ方向の全高にわたって、外周面131に接している。
【0026】
なお、各々の支持脚200を外周面131に溶接するためには、まず、外周面131における周方向の正しい位置に、その支持脚200を位置決めする必要がある。従来は、支持脚200を外周面131に対して位置決めするために治具を必要としており、支持脚200の位置決めに手間がかかっていた。
【0027】
そこで、本実施の形態に係るアキュムレータ300は、治具を必要とせず簡単に、外周面131に対する支持脚200の位置決めを行える構成を採った。以下、その構成について説明する。
【0028】
図4を参照し、まず、円環状ブラケット130の構成を述べる。円環状ブラケット130には、複数の突出部132が形成されている。各々の突出部132は、外周面131に溶接される、
図1に示す各々の支持脚200と対向する箇所に形成されている。各々の突出部132は、本開示に係る嵌合部の一例である。
【0029】
具体的には、各々の突出部132は、
図1に示す仮想中心軸線VLと平行な高さ方向に延在する筒状の円環状ブラケット130の本体の、高さ方向の一方、具体的には上方の端面に形成されている。各々の突出部132は、外周面131よりも、外周面131の周方向に直角な径方向外方に突出している。複数の突出部132は、外周面131の周方向に、等間隔をあけて均等に分布している。
【0030】
図3を再び参照し、次に、支持脚200の構成を述べる。各々の支持脚200の背板部210には、切り欠き部211が形成されている。切り欠き部211は、背板部210の、高さ方向の上端部の縁に形成されている。
【0031】
切り欠き部211は、
図4に示した突出部132と嵌合する被嵌合部の一例である。即ち、切り欠き部211に、
図4に示した突出部132を嵌めることで、外周面131に対する支持脚200の位置決めが実現される。このため、治具を必要とせず簡単に、外周面131に対する支持脚200の位置決めを行える。
【0032】
切り欠き部211の、高さ方向に直角な幅方向の寸法である幅は、
図4に示す突出部132の幅以上である。但し、切り欠き部211の幅と、
図4に示す突出部132の幅との差は、支持脚200を位置決めした際に、
図4に示す突出部132が切り欠き部211に嵌った状態の支持脚200のがたつきが抑えられる程度に小さいことが好ましい。
【0033】
また、切り欠き部211の、高さ方向の寸法である深さは、
図4に示す突出部132の厚さ以上であることが好ましい。これにより、切り欠き部211と
図4に示す突出部132との嵌合が解除されにくい。また、切り欠き部211の深さは、
図4に示す突出部132の厚さの3倍未満であることが好ましい。これにより、切り欠き部211の形成に起因する背板部210の強度の低下を抑えることができる。
【0034】
また、切り欠き部211は、背板部210の幅方向の中央に配置されていることが好ましい。即ち、切り欠き部211の幅方向の中心位置は、背板部210の幅方向の中心位置と一致していることが好ましい。これにより、支持脚200の位置決めの際に、
図4に示す突出部132が切り欠き部211に嵌った状態の支持脚200にがたつきが生じにくく、溶接後においては、支持脚200に加わる負荷に偏りが生じにくい。
【0035】
なお、
図4において、各々の突出部132の、外周面131よりも径方向外方への突出量は、本実施の形態では、
図3に示す背板部210の厚さ以上である。但し、その突出量は、
図3に示す背板部210の厚さ未満であってもよい。
【0036】
以下、
図5を参照し、本実施の形態に係るアキュムレータ300を製造するアキュムレータ製造方法について述べる。なお、以下に述べるアキュムレータ製造方法は、本開示に係る有脚構造体製造方法の一例である。
【0037】
図5に示すように、まず、複数の突出部132が形成された円環状ブラケット130を製造する(ステップS11)。突出部132は、プレス加工で形成することができる。以下、具体的に説明する。
【0038】
図6は、円環状ブラケット130の元となる円環状フランジ成形体130Aを示す。円環状フランジ成形体130Aは、既述の外周面131を構成している筒部130A1と、筒部130A1の、高さ方向の一端から、外周面131よりも径方向外方に鍔状に張り出したフランジ部130A2とを有する。
【0039】
ステップS11では、まず、円環状フランジ成形体130Aを製造する。円環状フランジ成形体130Aは、板金をプレス成型することにより得ることができる。次に、フランジ部130A2の、
図4に示す各々の突出部132となる部分以外の部分(以下、余剰部分という。)を除去する除去加工を行う。除去加工は、プレス加工による打ち抜きによって実現することができる。除去加工によって、
図4に示す複数の突出部132が残された円環状ブラケット130が得られる。
【0040】
図5に戻り、説明を続ける。以上のようにして複数の突出部132が形成された円環状ブラケット130を製造した後、その円環状ブラケット130を、
図1に示す気液分離機能部110の外周面111に溶接する(ステップS12)。また、ステップS12は、
図1に示す気液分離機能部110への、上端蓋部120、導入管110a、導出管110b等の取り付けも含まれるものとする。
【0041】
以上説明したステップS11及びS12は、
図1に示す本体部100の、外周面131に取り付けられる各々の支持脚200と対向する箇所に、嵌合部としての突出部132を形成する嵌合部形成工程の一例である。
【0042】
次に、各々切り欠き部211が形成された複数の支持脚200を製造する(ステップS13)。
図3に示す背板部210への切り欠き部211の形成には、レーザ加工、プレス加工による打ち抜き等を用いることができる。本ステップS13は、各々の支持脚200に、既述の突出部132と嵌合する被嵌合部としての切り欠き部211を形成する被嵌合部形成工程の一例である。
【0043】
次に、本体部100の、突出部132が形成された箇所に支持脚200をあてがい、支持脚200の切り欠き部211に、本体部100の突出部132を嵌合させる(ステップS14)。このとき、
図1に示すように、支持脚200の背板部210の裏面210bが、円環状ブラケット130の外周面131に接している。本ステップS14は、切り欠き部211と突出部132とを嵌合させることにより、支持脚200を外周面131に対して位置決めする位置決め工程の一例である。
【0044】
次に、突出部132に切り欠き部211が嵌合した状態、即ち、円環状ブラケット130の外周面131に対して位置決めされた状態の支持脚200を、その外周面131に溶接する(ステップS15)。本ステップS15は、支持脚200の外周面131に溶接する支持脚溶接工程の一例である。ステップS14及びS15に示した要領で、すべての支持脚200を外周面131に溶接することにより、アキュムレータ300が完成する。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態によれば、支持脚200の切り欠き部211を本体部100の突出部132と嵌合させることにより、外周面131への支持脚200の位置決めを簡単に行える。即ち、従来必須とされていた治具を用いずとも、溶接に先立って、各々の支持脚200を外周面131の周方向の正しい位置に配置することができる。このため、アキュムレータ300を能率的に製造することができる。
【0046】
なお、本実施の形態によれば、以上説明したアキュムレータ300を備える空気調和装置も提供される。空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒を凝縮される凝縮器と、凝縮された冷媒を膨張させる膨張器と、膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発器を経た冷媒から液体の冷媒を分離させて気体の冷媒だけを圧縮機に戻すアキュムレータ300とを備える。
【0047】
膨張器と蒸発器との一方は、屋外の空気と冷媒とを熱交換させる室外熱交換器であり、他方は、屋内の空気と冷媒とを熱交換させる室内熱交換器である。
【0048】
また、空気調和装置は、室外熱交換器における熱交換を促進させる室外ファン、室内熱交換器における熱交換を促進させる室内ファンも備える。室外ファン、圧縮機、室外熱交換器、膨張器、及びアキュムレータ300は、室外機を構成する。室内ファン及び室内熱交換器は、室内機を構成する。
【0049】
[実施の形態2]
上記実施の形態1では、本体部100の嵌合部を突出部132によって実現し、支持脚200の被嵌合部を切り欠き部211によって実現した構成を例示した。本体部100の嵌合部を切り欠き部によって実現し、支持脚200の被嵌合部を突出部によって実現してもよい。以下、その具体例を述べる。
【0050】
図7に示すように、本実施の形態では、支持脚200に、被嵌合部としての突出部240が形成されている。突出部240は、背板部210の上端縁から、背板部210の裏面210bよりも、外方に突出している。
【0051】
つまり、突出部240の突出の向きは、側板部220が立ち上がっている向きとは逆である。なお、支持脚200を円環状ブラケット130の外周面131に位置決めした状態においては、突出部240の突出の向きは、外周面131の周方向に直角な径方向内方と一致する。
【0052】
突出部240は、
図3に示した切り欠き部211と同様、背板部210の幅方向の中央に配置されている。なお、突出部240は、プレス加工で形成することができる。
【0053】
図8は、本実施の形態に係る円環状ブラケット130を示す。本実施の形態では、円環状ブラケット130に、嵌合部としての切り欠き部133が複数形成されている。切り欠き部133は、
図3に示した切り欠き部211と同様、レーザ加工によって形成することができる。
【0054】
本実施の形態に係る円環状ブラケット130は、外周面131を構成している筒状体の、高さ方向の上端縁に、高さ方向に延在する切り欠き部133が複数形成された形状を有する。このため、本実施の形態に係る円環状ブラケット130を製造する過程で、
図6に示したフランジ部130A2を形成する必要がない。従って、円環状ブラケット130の製造に必要な工程数を削減でき、円環状ブラケット130の歩留まりの向上が期待される。
【0055】
各々の切り欠き部133は、
図4に示した突出部132と同様、外周面131に溶接される、
図7に示す支持脚200と対向する箇所に配置されている。即ち、本実施の形態では、
図7に示す支持脚200の突出部240を切り欠き部133と嵌合させることにより、外周面131への支持脚200の位置決めが行われる。治具を用いず簡単に支持脚200の位置決めを行える点は、実施の形態1と同じである。
【0056】
なお、切り欠き部133の、高さ方向の寸法である深さは、
図7に示す突出部240の厚さ以上であることが好ましい。これにより、切り欠き部133と突出部240との嵌合が解除されにくい。また、切り欠き部133の深さは、
図7に示す突出部240の厚さの3倍未満であることが好ましい。これにより、切り欠き部133の形成に起因する円環状ブラケット130の強度の低下を抑えることができる。
【0057】
[実施の形態3]
上記実施の形態1及び2では、支持脚200の背板部210の裏面210bが円環状ブラケット130の外周面131に接している構成を例示した。支持脚200の背板部210の表面210aを円環状ブラケット130の外周面131に対向させてもよい。以下、その具体例を述べる。
【0058】
図9に示すように、本実施の形態では、各々の支持脚200が、一対の側板部220が円環状ブラケット130の外周面131に接している態様で、その外周面131に取り付けられている。
【0059】
図10に示すように、本実施の形態に係る円環状ブラケット130は、突出部134を有する。この突出部134は、
図4に示した突出部132と同様、本開示に係る嵌合部としての役割を果たす。
【0060】
各々の突出部134の周方向の位置及び個数は、
図4に示した各々の突出部132の周方向の位置及び個数と同じである。また、各々の突出部134が、円環状ブラケット130の本体の上端面から、外周面131よりも径方向外方に突出している点も、
図4に示した突出部132と同様である。従って、本実施の形態に係る突出部134も、
図4に示した突出部132と同様の手法で形成することができる。
【0061】
但し、各々の突出部134の周方向の長さは、
図4に示した各々の突出部132の周方向の長さよりも長い。具体的には、各々の突出部134の周方向の長さは、
図9に示す支持脚200の、一方の側板部220における他方の側板部220と対面する内面と、他方の側板部220における一方の側板部220と対面する内面との間の距離以上である。
【0062】
図11は、本実施の形態に係る支持脚200を示す。本実施の形態では、支持脚200の一対の側板部220の各々に、被嵌合部としての切り欠き部250が形成されている。切り欠き部250は、
図3に示した切り欠き部211と同様、レーザ加工によって形成することができる。
【0063】
以下では、各々の支持脚200において、一対の側板部220が背板部210から立ち上がっている方向、即ち、背板部210に対する法線の方向を“立ち上がり方向”と呼ぶことにする。
【0064】
切り欠き部250は、各々の側板部220の、高さ方向に関して底板部230から遠い方の端部である上端部における、立ち上がり方向に関して背板部210から遠い方の端部である先端部の位置に、形成されている。
【0065】
図9に示すように、本実施の形態では、1つの支持脚200の一対の切り欠き部250を、1つの突出部134と嵌合させることにより、その支持脚200の外周面131への位置決めが行われる。治具を用いず簡単に支持脚200の位置決めを行える点は、実施の形態1と同じである。
【0066】
1つの支持脚200における一対の切り欠き部250の一方から他方にわたって、1つの突出部134が周方向にかけ渡された状態で、一対の切り欠き部250と1つの突出部134とが嵌合する。
【0067】
突出部134の周方向の長さは、その突出部134が一対の切り欠き部250にかけ渡される条件を満たせば任意である。従って、突出部134の周方向の長さを長尺化する設計変更が行われても、支持脚200の幅方向の寸法を設計変更する必要がない。
【0068】
図11に戻り、各々の切り欠き部250の寸法について説明する。切り欠き部250の、高さ方向の寸法である深さHは、
図10に示す突出部134の厚さ以上であることが好ましい。これにより、切り欠き部250と突出部134との嵌合が解除されにくい。また、切り欠き部250の深さHは、
図10に示す突出部134の厚さの3倍未満であることが好ましい。これにより、切り欠き部250の形成に起因する支持脚200の強度の低下を抑えることができる。
【0069】
また、切り欠き部250の、立ち上がり方向の寸法である奥行Dは、
図10に示す突出部134の、外周面131からの径方向外方への突出量以上である。これにより、
図11に示す側板部220の、立ち上がり方向に関して先端の端面を、
図10に示す外周面131に面接触させた状態で、支持脚200を位置決めすることができる。
【0070】
次に、
図11を参照したまま、本実施の形態に係る支持脚200の底板部230について説明する。本実施の形態に係る底板部230は、背板部210の、高さ方向の下端部において、背板部210から、一対の側板部220が立ち上がっている方向とは反対の方向に延び出ている。
【0071】
なお、底板部230に貫通孔231が形成されていて、その貫通孔231に挿通されるねじによって、底板部230が、
図2に示した土台面BSに固定される点は、実施の形態1と同じである。
【0072】
図12は、本実施の形態に係るアキュムレータ300の平面図である。第1仮想外接円VC1は、平面視において、仮想中心軸線VLから、本実施の形態に係る任意の1つの底板部230の縁までの最大距離を半径とする仮想的な円である。
【0073】
一方、第2仮想外接円VC2は、平面視において、仮想中心軸線VLから、
図1に示した実施の形態1に係る任意の支持脚200における底板部230の縁までの最大距離を半径とする仮想的な円である。
【0074】
既述のとおり、本実施の形態では、底板部230が径方向外方に延び出ているため、第1仮想外接円VC1の直径は、第2仮想外接円VC2の直径よりも大きい。従って、アキュムレータ300が占有する領域の省スペース化を図る観点からは、
図1に示した実施の形態1に係る支持脚200の構成の方が有利である。一方、アキュムレータ300を、
図2に示す土台面BSに固定する際の作業の容易性という観点からは、底板部230が径方向外方に延び出ている構成の方が有利である。
【0075】
[実施の形態4]
上記実施の形態3では、本体部100の嵌合部を突出部134によって実現し、支持脚200の被嵌合部を切り欠き部250によって実現した構成を例示した。本体部100の嵌合部を切り欠き部によって実現し、支持脚200の被嵌合部を突出部によって実現してもよい。以下、その具体例を述べる。
【0076】
図13に示すように、本実施の形態では、各々の支持脚200の一対の側板部220の各々に、被嵌合部としての突出部260が形成されている。
【0077】
突出部260は、各々の側板部220の、高さ方向に関して底板部230から遠い方の端部である上端部における、立ち上がり方向に関して背板部210から遠い方の端部である先端部の位置に、形成されている。突出部260は、立ち上がり方向に関して、側板部220よりも外方に突出している。
【0078】
図14は、本実施の形態に係る円環状ブラケット130を示す。本実施の形態では、円環状ブラケット130に、嵌合部としての切り欠き部135が複数形成されている。本実施の形態に係る円環状ブラケット130も、
図8に示した円環状ブラケット130と同様の手法で製造することができる。
【0079】
但し、各々の切り欠き部135の周方向の長さは、
図8に示した各々の切り欠き部133の周方向の長さよりも長い。具体的には、各々の切り欠き部135の周方向の長さは、
図13に示す支持脚200の、一方の突出部260における他方の突出部260と対面する内面とは反対側の外面と、他方の突出部260における一方の突出部260と対面する内面とは反対側の外面との間の距離に等しい。
【0080】
図15に示すように、本実施の形態では、支持脚200の一対の突出部260を、円環状ブラケット130の切り欠き部135と嵌合させることにより、外周面131への支持脚200の位置決めが行われる。治具を用いず簡単に支持脚200の位置決めを行える点は、他の実施の形態と同じである。
【0081】
図13に戻り、各々の突出部260の寸法について説明する。突出部260の、立ち上がり方向の寸法である突出量Lは、
図14に示す円環状ブラケット130の、径方向の寸法である厚さ以下である。
【0082】
このため、支持脚200が、
図14に示す円環状ブラケット130の外周面131に対して位置決めされた状態においては、各々の支持脚200の一対の側板部220が、
図14に示す外周面131に接する。この点は、実施の形態3と同じである。
【0083】
[実施の形態5]
以上説明した実施の形態1-4では、本体部100の、各々の支持脚200と対向する箇所に嵌合部が形成された構成を示した。本体部100の、各々の支持脚200と対向する箇所には、嵌合部に代えて、マーキングを付してもよい。以下、その具体例を述べる。
【0084】
図16に示すように、本実施の形態では、円環状ブラケット130の外周面131の、各々の支持脚200が溶接される箇所に、その箇所への支持脚200の位置決めのためのマーキング136が付されている。各々のマーキング136は、
図1に示す仮想中心軸線VLに平行な高さ方向に、線状に延在している。
【0085】
一方、支持脚200の背板部210には、スリット270が形成されている。スリット270も、マーキング136と同様、高さ方向に延在している。スリット270は、背板部210の、高さ方向に関して上端部の位置であって、高さ方向に直角な幅方向に関しては中央の位置に形成されている。
【0086】
支持脚200のスリット270がマーキング136の位置に配置されたとき、即ち、スリット270の位置にマーキング136が現れたとき、その支持脚200が外周面131に対して位置決めされた状態となる。つまり、スリット270は、位置をマーキング136の位置と合わせる位置合わせ部としての役割を果たす。
【0087】
このようにして、本実施の形態によれば、スリット270の位置とマーキング136の位置とを一致させることにより、実施の形態1-4の場合と同様、治具を用いず簡単に支持脚200の位置決めを行える。
【0088】
以下、
図17を参照し、本実施の形態に係るアキュムレータ製造方法について述べる。以下に述べるアキュムレータ製造方法は、本開示に係る有脚構造体製造方法の一例である。
【0089】
図17に示すように、まず、複数のマーキングが付された円環状ブラケット130を製造する(ステップS21)。本実施の形態に係る円環状ブラケット130は、外周面131を構成している筒状体に複数のマーキング136が付された構成を有する。
【0090】
筒状体にマーキング136を付す手法としては、レーザ光を用いるレーザマーキング法の他、工具によって筒状体の表面を削る切削法、筒状体の表面に塗料を塗布する塗布法等が例示される。
【0091】
なお、レーザマーキング法、切削法等によって筒状体の表面の一部を局所的に除去することによりマーキング136を構成する場合、その除去の深さは、視認性を高める観点から円環状ブラケット130の厚さの1割以上であることが好ましく、円環状ブラケット130の強度の低下を抑える観点から3割未満であることが好ましい。
【0092】
次に、複数のマーキング136が付された円環状ブラケット130を、
図1に示す気液分離機能部110の外周面111に溶接する(ステップS22)。なお、ステップS22は、
図1に示す気液分離機能部110への、上端蓋部120、導入管110a、導出管110b等の取り付けも含まれるものとする。
【0093】
以上説明したステップS21及びS22は、
図1に示す本体部100の、各々の支持脚200と対向する箇所に、その箇所への支持脚200の位置決めのためのマーキング136を付すマーキング工程の一例である。
【0094】
次に、各々スリット270が形成された複数の支持脚200を製造する(ステップS23)。本ステップS23は、各々の支持脚200に、位置をマーキング136の位置と合わせる位置合わせ部を形成する位置合わせ部形成工程の一例である。
【0095】
次に、円環状ブラケット130の外周面131に支持脚200をあてがい、支持脚200のスリット270の位置を、外周面131のマーキング136の位置と一致させる(ステップS24)。このとき、支持脚200の背板部210の裏面210bが、円環状ブラケット130の外周面131に接する。本ステップS24は、マーキング136を用いて、支持脚200を外周面131に対して位置決めする位置決め工程の一例である。
【0096】
次に、外周面131に対して位置決めされた状態の支持脚200を、その外周面131に溶接する(ステップS25)。本ステップS25は、支持脚200を外周面131に溶接する支持脚溶接工程の一例である。ステップS24及びS25に示した要領で、すべての支持脚200を外周面131に溶接することにより、アキュムレータ300が完成する。
【0097】
以上、実施の形態1-5について説明した。以下に述べる変形も可能である。
【0098】
図15には、1つの切り欠き部135に、周方向に対向する2つの突出部260が嵌合する構成を例示した。1つの切り欠き部135の周方向の長さを、1つの突出部260の周方向の厚さの程度に短尺化し、
図1に示した構成と同様に、1つの突出部260が1つの切り欠き部135と嵌合する構成としてもよい。この場合、1つの支持脚200における一対の突出部260の各々が別々の切り欠き部135と嵌合してもよいし、1つの支持脚200が有する突出部260の数を1つに減らし、その1つの突出部260が1つの切り欠き部135と嵌合してもよい。
【0099】
図5において、ステップS11及びS12で構成される嵌合部形成工程と、ステップS13で構成される被嵌合部形成工程との順番は任意である。被嵌合部形成工程の後に嵌合部形成工程が行われてもよいし、嵌合部形成工程と被嵌合部形成工程とを並行して行ってもよい。
【0100】
図17において、ステップS21及びS22で構成されるマーキング工程と、ステップS23で構成される位置合わせ部形成工程との順番は任意である。位置合わせ部形成工程の後にマーキング工程が行われてもよいし、マーキング工程と位置合わせ部形成工程とを並行して行ってもよい。
【0101】
図16には、マーキング136の位置をスリット270の位置と一致させた構成を例示した。マーキング136の位置を、支持脚200におけるスリット270以外の位置、例えば、側板部220の位置、背板部210の裏面210bにおける幅方向中央の位置等と一致させることとしてもよい。その場合は、スリット270を省略することができる。
【0102】
図1において、円環状ブラケット130を含む本体部100の素材、及び支持脚200の素材は任意である。円環状ブラケット130を含む本体部100及び支持脚200の少なくともいずれかの部材の素材として、鋼、銅合金、アルミニウム合金、ステンレス等の金属を用いてもよい。
【0103】
図12には、平面視での外形(以下、単に外形という。)が、仮想中心軸線VLの位置を中心とする円形の本体部100を例示した。本体部100の外形は、必ずしも円形でなくてもよく、仮想中心軸線VLを取り囲む楕円形、仮想中心軸線VLを取り囲む閉じた曲線であって直線を一部に含み得る形状等であってもよい。本明細書においては、本体部100の断面が円形でない場合であっても、本体部100を通る仮想中心軸線VLから外周面131に向かう方向を“径方向”と呼び、その径方向及び仮想中心軸線VLに直角でかつ外周面131に接する方向を“周方向”と呼ぶ。
【0104】
実施の形態1-5では、有脚構造体としてアキュムレータ300を例示した。有脚構造体は、アキュムレータ300に限られない。有脚構造体において、支持脚200で支持される部材は、タンクであってもよい。
【0105】
以下、本開示の諸態様を付記する。
【0106】
(付記1)
本体部と、前記本体部を支持する複数の支持脚と、を備え、前記本体部は、前記本体部を通る仮想中心軸線まわりの周方向に延在する外周面を有し、複数の前記支持脚は、前記周方向に間隔をあけて前記外周面に取り付けられている有脚構造体であって、
前記本体部の、前記外周面に取り付けられる各々の前記支持脚と対向する箇所に、嵌合部が形成されており、
各々の前記支持脚には、前記嵌合部と嵌合する被嵌合部が形成されている、
有脚構造体。
【0107】
(付記2)
前記嵌合部と前記被嵌合部との一方は、前記周方向に直角な径方向に突出した突出部であり、他方は、前記突出部と嵌合する切り欠き部である、
付記1に記載の有脚構造体。
【0108】
(付記3)
各々の前記支持脚は、
前記仮想中心軸線と平行な高さ方向に延在する背板部と、
前記背板部の、前記高さ方向に直角な幅方向の両側から立ち上がっており、互いに前記幅方向に対面している一対の側板部と、
を有する、付記1又は2に記載の有脚構造体。
【0109】
(付記4)
各々の前記支持脚において、前記被嵌合部は、前記背板部に形成されており、
各々の前記支持脚は、前記背板部の、一対の前記側板部が立ち上がっている表面とは反対側の裏面が前記外周面に接している態様で、前記外周面に取り付けられている、
付記3に記載の有脚構造体。
【0110】
(付記5)
各々の前記支持脚は、
前記背板部の、前記高さ方向の下端部において前記背板部と一対の前記側板部とにつながっている底板部であって、前記支持脚を介して前記本体部の荷重を受ける土台面に固定される底板部、
をさらに有する、付記4に記載の有脚構造体。
【0111】
(付記6)
各々の前記支持脚において、前記被嵌合部は、前記側板部に形成されており、
各々の前記支持脚は、一対の前記側板部が前記外周面に接している態様で、前記外周面に取り付けられている、
付記3に記載の有脚構造体。
【0112】
(付記7)
各々の前記支持脚は、
前記背板部の、前記高さ方向の下端部において、前記背板部から、一対の前記側板部が立ち上がっている方向とは反対の方向に延び出ている底板部であって、前記支持脚を介して前記本体部の荷重を受ける土台面に固定される底板部、
をさらに有する、付記6に記載の有脚構造体。
【0113】
(付記8)
本体部と、前記本体部を支持する複数の支持脚と、を備え、前記本体部は、前記本体部を通る仮想中心軸線まわりの周方向に延在する外周面を有し、複数の前記支持脚は、前記周方向に間隔をあけて前記外周面に取り付けられている有脚構造体であって、
前記本体部の、前記外周面に取り付けられる各々の前記支持脚と対向する箇所に、その箇所への前記支持脚の位置決めのためのマーキングが付されている、
有脚構造体。
【0114】
(付記9)
各々の前記支持脚には、
位置を前記マーキングの位置と合わせる位置合わせ部、
が形成されている、
付記8に記載の有脚構造体。
【0115】
(付記10)
付記1から9のいずれかに記載の有脚構造体で構成されたアキュムレータ、
を備える、空気調和装置。
【0116】
(付記11)
本体部と、前記本体部を支持する複数の支持脚と、を備え、前記本体部は、前記本体部を通る仮想中心軸線まわりの周方向に延在する外周面を有し、複数の前記支持脚は、前記周方向に間隔をあけて前記外周面に取り付けられている有脚構造体、を製造する有脚構造体製造方法であって、
前記本体部の、前記外周面に取り付けられる各々の前記支持脚と対向する箇所に、嵌合部を形成する嵌合部形成工程と、
各々の前記支持脚に、前記嵌合部と嵌合する被嵌合部を形成する被嵌合部形成工程と、
前記嵌合部と前記被嵌合部とを嵌合させる位置決め工程と、
前記嵌合部に前記被嵌合部が嵌合した状態の前記支持脚を、前記外周面に溶接する支持脚溶接工程と、
を含む、有脚構造体製造方法。
【0117】
(付記12)
本体部と、前記本体部を支持する複数の支持脚と、を備え、前記本体部は、前記本体部を通る仮想中心軸線まわりの周方向に延在する外周面を有し、複数の前記支持脚は、前記周方向に間隔をあけて前記外周面に取り付けられている有脚構造体、を製造する有脚構造体製造方法であって、
前記本体部の、前記外周面に取り付けられる各々の前記支持脚と対向する箇所に、マーキングを付すマーキング工程と、
前記マーキングを用いて、前記支持脚を前記外周面に対して位置決めする位置決め工程と、
前記外周面に対して位置決めされた状態の前記支持脚を、前記外周面に溶接する支持脚溶接工程と、
を含む、有脚構造体製造方法。
【符号の説明】
【0118】
100 本体部、110 気液分離機能部、110a 導入管、110b 導出管、111 外周面、120 上端蓋部、130 円環状ブラケット、130A 円環状フランジ成形体、130A1 筒部、130A2 フランジ部、131 外周面、132 突出部(嵌合部)、133 切り欠き部(嵌合部)、134 突出部(嵌合部)、135 切り欠き部(嵌合部)、136 マーキング、200 支持脚、210 背板部、210a 表面、210b 裏面、211 切り欠き部(被嵌合部)、220 側板部、230 底板部、231 貫通孔、240 突出部(被嵌合部)、250 切り欠き部(被嵌合部)、260 突出部(被嵌合部)、270 スリット、300 アキュムレータ(有脚構造体)、BS 土台面、VL 仮想中心軸線。