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特開2024-166689監視制御システム、監視制御方法、および監視制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166689
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】監視制御システム、監視制御方法、および監視制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20241122BHJP
   G06Q 50/16 20240101ALI20241122BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
G05B23/02 301Z
G06Q50/16
H04Q9/00 301C
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082976
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】小寺 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】青木 敦子
【テーマコード(参考)】
3C223
5K048
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C223AA17
3C223AA21
3C223AA23
3C223BA03
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB01
3C223FF01
3C223FF13
3C223FF15
3C223FF16
3C223FF22
3C223FF26
3C223GG01
3C223HH03
3C223HH04
3C223HH08
5K048BA51
5K048FB05
5K048FB08
5L049CC29
5L050CC29
(57)【要約】
【課題】監視対象の状況を把握するために有用なデータを容易に表示させることができる監視制御システムを得ること。
【解決手段】監視制御システムは、監視対象である設備に関わる信号が入力されることにより、監視データを取得する監視データ取得部25と、設備、信号、設備属性情報、および信号属性情報の各々を表すノードの少なくとも1つを有するネットワークモデルを端末13に表示させるネットワークモデル表示処理部30と、端末13への操作によって指定されたノードに関わる監視データ、または、端末13への操作によって指定されたノードに関わる監視データの分析によって得られるデータである分析データを端末13に表示させるデータ表示処理部31と、端末13への操作によって指定されたノードに基づいて、端末13に表示させるデータである監視データまたは分析データの選択を支援する処理を実行するデータ表示支援処理部29と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象である設備に関わる信号が入力されることにより、前記信号により表現されるデータである監視データを取得する監視データ取得部と、
前記設備、前記信号、前記設備の属性を示す設備属性情報、および前記信号の属性を示す信号属性情報の各々を表すノードの少なくとも1つを有し互いに関連があるノード間をつないだネットワークモデルを端末に表示させるネットワークモデル表示処理部と、
前記端末への操作によって指定された前記ノードに関わる前記監視データ、または、前記端末への操作によって指定された前記ノードに関わる前記監視データの分析によって得られるデータである分析データを前記端末に表示させるデータ表示処理部と、
前記端末への操作によって指定された前記ノードに基づいて、前記端末に表示させるデータである前記監視データまたは前記分析データの選択を支援する処理を実行するデータ表示支援処理部と、を備える
ことを特徴とする監視制御システム。
【請求項2】
前記データ表示処理部は、前記端末への操作によって指定された前記ノードである第1のノードに関わるデータである第1のデータを前記端末に表示させ、かつ、前記第1のノード以外の前記ノードであって前記端末への操作によって指定された第2のノードに関わるデータである第2のデータを前記第1のデータと併せて前記端末に表示させ、
前記データ表示支援処理部は、前記第2のノードの候補とする1つ以上の前記ノードを前記第1のノードに基づいて抽出する処理を、前記選択を支援する処理として実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項3】
前記データ表示支援処理部は、前記ネットワークモデルに含まれるノード同士について、前記ノード同士の関連の強さを表す関連度を求め、前記関連度に基づいて、前記第2のノードの候補とする1つ以上の前記ノードを抽出する
ことを特徴とする請求項2に記載の監視制御システム。
【請求項4】
前記データ表示支援処理部は、前記ネットワークモデルに含まれるノード同士について、前記ノード同士のうちの1つが前記第1のノードに指定される場合において前記ノード同士のうちの他の1つが前記第2のノードに指定される確率を求め、前記確率に基づいて、前記第2のノードの候補とする1つ以上の前記ノードを抽出する
ことを特徴とする請求項2に記載の監視制御システム。
【請求項5】
前記データ表示支援処理部は、前記ネットワークモデルの各前記ノードについて前記端末に表示させるデータの分析軸を各前記ノードにつながれている前記ノードに基づいて作成する処理を、前記選択を支援する処理として実行し、
前記データ表示処理部は、前記端末への操作によって指定された前記ノードに関わる前記監視データまたは前記分析データの表示に前記分析軸を適用する
ことを特徴とする請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項6】
前記データ表示支援処理部は、前記ネットワークモデルの各前記ノードに関わる前記監視データの分析方法を各前記ノードにつながれている前記ノードに基づいて策定する処理を、前記選択を支援する処理として実行し、
前記データ表示処理部は、前記分析方法を適用して得られた前記分析データを表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項7】
前記データ表示支援処理部は、前記ネットワークモデルの各前記ノードについて前記端末におけるデータの表示に適用されるフォーマットの候補を各前記ノードにつながれている前記ノードに基づいて決定する処理を、前記選択を支援する処理として実行し、
前記データ表示処理部は、決定された前記候補の中から前記端末への操作によって選択された前記フォーマットを使用してデータを表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項8】
前記設備属性情報を含む設備台帳データと前記信号属性情報を含む信号台帳データとを取得する台帳データ取得部を備え、
前記ネットワークモデル表示処理部は、前記設備台帳データに含まれる前記設備属性情報を表す前記ノードと前記信号台帳データに含まれる前記信号属性情報を表す前記ノードとを有する前記ネットワークモデルを前記端末に表示させる
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の監視制御システム。
【請求項9】
前記設備台帳データと前記信号台帳データとに基づいて前記ネットワークモデルを生成するネットワークモデル生成部を備え、
前記ネットワークモデル表示処理部は、生成された前記ネットワークモデルを前記端末に表示させる
ことを特徴とする請求項8に記載の監視制御システム。
【請求項10】
コンピュータにより設備の監視および制御を行う監視制御方法であって、
前記設備に関わる信号を受信し、前記信号により表現されるデータである監視データを取得するステップと、
前記設備、前記信号、前記設備の属性を示す設備属性情報、および前記信号の属性を示す信号属性情報の各々を表すノードの少なくとも1つを有し互いに関連があるノード間をつないだネットワークモデルを端末に表示させるステップと、
前記端末への操作によって指定された前記ノードに関わる前記監視データ、または、前記端末への操作によって指定された前記ノードに関わる前記監視データの分析によって得られるデータである分析データを前記端末に表示させるステップと、
前記端末への操作によって指定された前記ノードに基づいて、前記端末に表示させるデータである前記監視データまたは前記分析データの選択を支援する処理を実行するステップと、を含む
ことを特徴とする監視制御方法。
【請求項11】
前記監視データまたは前記分析データを前記端末に表示させる前記ステップでは、前記端末への操作によって指定された前記ノードである第1のノードに関わるデータである第1のデータを前記端末に表示させ、
前記選択を支援する処理を実行する前記ステップでは、前記第1のノード以外の前記ノードであって前記端末への操作によって指定される第2のノードの候補とする1つ以上の前記ノードを前記第1のノードに基づいて抽出する処理を、前記選択を支援する処理として実行し、
前記第2のノードに関わるデータである第2のデータを前記第1のデータと併せて前記端末に表示させる
ことを特徴とする請求項10に記載の監視制御方法。
【請求項12】
前記選択を支援する処理を実行する前記ステップでは、前記ネットワークモデルに含まれるノード同士について、前記ノード同士の関連の強さを表す関連度を求め、前記関連度に基づいて、前記第2のノードの候補とする1つ以上の前記ノードを抽出する
ことを特徴とする請求項11に記載の監視制御方法。
【請求項13】
前記選択を支援する処理を実行する前記ステップでは、前記ネットワークモデルに含まれるノード同士について、前記ノード同士のうちの1つが前記第1のノードに指定される場合において前記ノード同士のうちの他の1つが前記第2のノードに指定される確率を求め、前記確率に基づいて、前記第2のノードの候補とする1つ以上の前記ノードを抽出する
ことを特徴とする請求項11に記載の監視制御方法。
【請求項14】
前記選択を支援する処理を実行する前記ステップでは、前記ネットワークモデルの各前記ノードについて前記端末に表示させるデータの分析軸を各前記ノードにつながれている前記ノードに基づいて作成する処理を、前記選択を支援する処理として実行し、
前記端末への操作によって指定された前記ノードに関わる前記監視データまたは前記分析データの表示に前記分析軸を適用する
ことを特徴とする請求項10に記載の監視制御方法。
【請求項15】
前記選択を支援する処理を実行する前記ステップでは、前記ネットワークモデルの各前記ノードに関わる前記監視データの分析方法を各前記ノードにつながれている前記ノードに基づいて策定する処理を、前記選択を支援する処理として実行し、
前記分析方法を適用して得られた前記分析データを前記端末に表示させる
ことを特徴とする請求項10に記載の監視制御方法。
【請求項16】
前記選択を支援する処理を実行する前記ステップでは、前記ネットワークモデルの各前記ノードについて前記端末におけるデータの表示に適用されるフォーマットの候補を各前記ノードにつながれている前記ノードに基づいて決定する処理を、前記選択を支援する処理として実行し、
決定された前記候補の中から前記端末への操作によって選択された前記フォーマットを使用して前記端末にデータを表示させる
ことを特徴とする請求項10に記載の監視制御方法。
【請求項17】
前記設備属性情報を含む設備台帳データと前記信号属性情報を含む信号台帳データとを取得するステップを含み、
前記ネットワークモデルを前記端末に表示させる前記ステップでは、前記設備台帳データに含まれる前記設備属性情報を表す前記ノードと前記信号台帳データに含まれる前記信号属性情報を表す前記ノードとを有する前記ネットワークモデルを前記端末に表示させる
ことを特徴とする請求項10から16のいずれか1つに記載の監視制御方法。
【請求項18】
前記設備台帳データと前記信号台帳データとに基づいて前記ネットワークモデルを生成するステップを含み、
前記ネットワークモデルを前記端末に表示させる前記ステップでは、生成された前記ネットワークモデルを前記端末に表示させる
ことを特徴とする請求項17に記載の監視制御方法。
【請求項19】
監視対象である設備に関わる信号を受信し、前記信号により表現されるデータである監視データを取得するステップと、
前記設備、前記信号、前記設備の属性を示す設備属性情報、および前記信号の属性を示す信号属性情報の各々を表すノードの少なくとも1つを有し互いに関連があるノード間をつないだネットワークモデルを端末に表示させるステップと、
前記端末への操作によって指定された前記ノードに関わる前記監視データ、または、前記端末への操作によって指定された前記ノードに関わる前記監視データの分析によって得られるデータである分析データを前記端末に表示させるステップと、
前記端末への操作によって指定された前記ノードに基づいて、前記端末に表示させるデータである前記監視データまたは前記分析データの選択を支援する処理を実行するステップと、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする監視制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、設備の監視および制御を行う監視制御システム、監視制御方法、および監視制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビル等の建物に備えられている複数の設備、例えば、電力設備、エレベーター、および空調設備といった設備について、各設備の状態を表す信号を取得して各設備の状態を一括して監視する監視制御システムが知られている。監視制御システムは、各設備へ指令を送信することによって各設備の制御も行う。このような監視制御システムでは、設備ごとの信号から各設備の状態を監視するだけでなく、複数の信号の各々から得られるデータ同士の関連の有無をあらかじめ把握しておき、監視において異常が検出された場合における異常の原因究明に役立てる試みが行われている。
【0003】
特許文献1には、対処法を示す情報を対処法データベースに蓄積し、監視対象であるプラントにおける異常の発生を示すアラーム、または、プラントの状態または状態変化を表すイベントがプラントから発せられた場合に、対処法を示す情報を検索して提示するシステムが開示されている。特許文献1のシステムにおいて、対処法データベースは、グラフ構造を備えたグラフデータベースである。特許文献1のシステムは、対処法データベースが記憶されているWebサーバからユーザ端末へ、対処法データベースの検索、閲覧、および登録といった機能を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-117231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
監視制御システムは、設備に関わる信号により表現されるデータである監視データと、監視データの分析によって得られるデータである分析データとが取得される場合に、監視対象の状況を把握するために有用なデータを選択して表示可能であることが望まれる。従来、表示するデータを監視制御システムのユーザの操作によって選択する機能を備える監視制御システムが知られている。ただし、監視制御システムにおいて取得される監視データおよび分析データの中からデータをユーザが選択することとなると、有用なデータに辿り着くまでにユーザによる試行錯誤が繰り返される場合がある。ユーザによる試行錯誤が繰り返されることで、有用なデータを表示させることが困難となる。上記特許文献1に開示されている技術においても、設備の状態を分析する際において、当該設備と当該設備以外の設備との関係性を分析するために有用なデータを表示させることが困難であった。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、監視対象の状況を把握するために有用なデータを容易に表示させることができる監視制御システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる監視制御システムは、監視対象である設備に関わる信号が入力されることにより、信号により表現されるデータである監視データを取得する監視データ取得部と、設備、信号、設備の属性を示す設備属性情報、および信号の属性を示す信号属性情報の各々を表すノードの少なくとも1つを有し互いに関連があるノード間をつないだネットワークモデルを端末に表示させるネットワークモデル表示処理部と、端末への操作によって指定されたノードに関わる監視データ、または、端末への操作によって指定されたノードに関わる監視データの分析によって得られるデータである分析データを端末に表示させるデータ表示処理部と、端末への操作によって指定されたノードに基づいて、端末に表示させるデータである監視データまたは分析データの選択を支援する処理を実行するデータ表示支援処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかる監視制御システムは、監視対象の状況を把握するために有用なデータを容易に表示させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1にかかる監視制御システムの構成例を示す図
図2】実施の形態1にかかる監視制御システムが有する監視制御装置の構成例を示す図
図3】実施の形態1にかかる監視制御システムが有する監視制御装置に保存される設備台帳データの例を示す図
図4】実施の形態1にかかる監視制御システムが有する監視制御装置に保存される信号台帳データの例を示す図
図5】実施の形態1にかかる監視制御システムにより表示されるネットワークモデルの例を示す図
図6】実施の形態1にかかる監視制御システムによりデータを表示する例を示す第1の図
図7】実施の形態1にかかる監視制御システムが有するデータ表示支援処理部により実行される処理について説明するための図
図8】実施の形態1にかかる監視制御システムによりデータを表示する例を示す第2の図
図9】実施の形態1にかかる監視制御システムが有する監視制御装置の動作手順の例を示すフローチャート
図10】実施の形態2にかかる監視制御システムが有するデータ表示支援処理部により実行される処理について説明するための図
図11】実施の形態3にかかる監視制御システムが有するデータ表示支援処理部により実行される処理について説明するための図
図12】実施の形態3にかかる監視制御システムが有するデータ表示支援処理部により作成される分析軸について説明するための図
図13】実施の形態3にかかる監視制御システムが有するデータ表示支援処理部により作成された分析軸を用いる表示例を示す図
図14】実施の形態5にかかる監視制御システムが有するデータ表示支援処理部による処理について説明するための第1の図
図15】実施の形態5にかかる監視制御システムが有するデータ表示支援処理部による処理について説明するための第2の図
図16】実施の形態5にかかる監視制御システムが有するデータ表示支援処理部による処理について説明するための第3の図
図17】実施の形態1から5にかかる監視制御装置のハードウェア構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態にかかる監視制御システム、監視制御方法、および監視制御プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる監視制御システム10の構成例を示す図である。監視制御システム10は、監視制御装置11により複数の設備12の各々の監視および制御を行うシステムである。実施の形態1において、監視制御装置11による監視および制御の対象である複数の設備12は、ビル等の建物に備えられた設備である。複数の設備12には、例えば、電力設備、エレベーター、または空調設備などが含まれる。監視制御装置11による監視および制御の対象である設備12の数は任意であるものとする。
【0012】
監視制御装置11は、例えば、1つ以上のクラウドサーバによって構成される。クラウドサーバは、クラウドサービスプラットフォームにおいて提供されるコンピュータ資源を含むクラウド環境に構築されるサーバである。なお、監視制御装置11は、クラウドサーバ以外のサーバであってもよく、例えば、オンプレミスのサーバであっても良い。
【0013】
監視制御装置11および端末13は、監視制御システム10を構成する。端末13は、監視制御システム10のユーザによって使用される端末装置である。ユーザは、監視制御システム10を使用して各設備12の監視制御業務を行う者である。監視制御装置11に接続される端末13の数は任意であるものとする。
【0014】
端末13は、ユーザの入力操作により情報が入力される入力機器と、情報を表示する表示機器とを備えるコンピュータである。端末13の内部構成については図示を省略する。端末13は、ネットワークを介して監視制御装置11に通信可能に接続されており、監視制御装置11との間で情報の送受信を行う。ネットワークは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)であるが、LAN(Local Area Network)であっても良い。
【0015】
記憶装置14は、監視制御システム10の外部の装置である。記憶装置14は、例えば、設備12を所有する事業者の装置である。実施の形態1では、設備12を所有する事業者は、設備12が設置されている建物の所有者以外の者とする。記憶装置14は、ネットワークを介して監視制御装置11に通信可能に接続されている。記憶装置14は、監視制御装置11からの要求に応じて、記憶装置14に保存されている台帳データを監視制御装置11へ送信する。台帳データについては後述する。
【0016】
監視制御装置11には、互いに異なる設備12についての台帳データが保存されている複数の記憶装置14が接続されても良い。監視制御装置11に接続される記憶装置14の数は任意であるものとする。なお、設備12を所有する事業者は、建物の所有者と同一であっても良い。上記説明では、記憶装置14は監視制御システム10の外部の装置としたが、記憶装置14は監視制御システム10の内部の装置であっても良い。
【0017】
監視制御装置11は、監視対象である設備12に関わる信号を受信し、かかる信号により表現されるデータである監視データを収集する。監視制御装置11は、監視データ、または、監視データの分析によって得られるデータである分析データを表示するための処理を実行し、表示のためのデータを端末13へ送信する。端末13は、監視制御装置11から送信されるデータを受信し、受信したデータを表示する。また、監視制御装置11は、ユーザによる端末13への入力操作に従って指令を生成し、各設備12へ指令を送信する。監視制御装置11は、各設備12へ指令を送信することによって各設備12を制御する。
【0018】
図2は、実施の形態1にかかる監視制御システム10が有する監視制御装置11の構成例を示す図である。図2には、監視制御装置11と、監視制御装置11に接続されている端末13と、監視制御装置11に接続されている記憶装置14とを示す。
【0019】
監視制御装置11は、監視制御装置11の外部の装置との通信を行う通信部21と、各種処理を行う処理部22と、情報を記憶する記憶部23とを備える。処理部22は、台帳データ取得部24と、監視データ取得部25と、ネットワークモデル生成部26と、分析処理部27と、表示処理部28と、データ表示支援処理部29とを備える。表示処理部28は、ネットワークモデル表示処理部30とデータ表示処理部31とを備える。
【0020】
通信部21は、監視制御装置11による監視対象である各設備12から、設備12に関わる信号を受信する。設備12に関わる信号には、例えば、設備12から出力される信号と、設備12の状態を検出するセンサから出力される信号とが含まれる。設備12の状態を検出するセンサは、設備12の内部に設置されているセンサと、設備12の外部に設置されているセンサとのいずれであっても良い。通信部21は、設備12に関わる信号を逐次受信する。
【0021】
なお、設備12に関わる信号には、設備12を制御するコントローラの状態を示す信号が含まれても良い。例えば、空調設備については、空調設備のオンまたはオフの状態を示す信号、設定温度を示す信号、運転モードを示す信号などが含まれる。設備12に関わる信号には、設備12が設置されている場所の環境の状態を示す信号、例えば、温度または湿度を示す信号が含まれても良い。
【0022】
通信部21は、設備12に関わる信号を受信すると、受信した信号を監視データ取得部25へ出力する。監視データ取得部25は、監視対象である設備12に関わる信号が入力されることにより、信号により表現されるデータである監視データを取得する。監視データ取得部25は、取得された監視データを記憶部23に保存する。保存される監視データには、例えば、監視制御装置11が監視データを取得した日時情報であるタイムスタンプと、信号名と、信号により示される値とが含まれる。信号により示される値は、数値、または、信号のオンまたはオフの状態を示す情報である。
【0023】
記憶装置14に保存される台帳データには、設備台帳データと信号台帳データとが含まれる。設備台帳データは、設備12の所有者が、建物に設置された設備12の施工のためにまとめたデータベースである。設備台帳データには、設備12の属性を示す設備属性情報が含まれる。信号台帳データは、設備12に関わる信号についての情報がまとめられたデータベースである。信号台帳データには、信号の属性を示す信号属性情報が含まれる。通信部21は、記憶装置14から台帳データを受信する。
【0024】
通信部21は、受信した台帳データを台帳データ取得部24へ出力する。これにより、台帳データ取得部24は、設備台帳データと信号台帳データとを含む台帳データを取得する。台帳データ取得部24は、取得された台帳データを記憶部23に保存する。なお、台帳データ取得部24は、記憶装置14に保存されるデータベースのうちの一部を台帳データとして取得しても良い。台帳データ取得部24は、記憶装置14に保存されるデータベースのうち、実施の形態1にて説明する処理に必要なデータのみを台帳データとして取得しても良い。
【0025】
ネットワークモデル生成部26は、設備台帳データと信号台帳データとを記憶部23から読み出し、設備台帳データと信号台帳データとに基づいてネットワークモデルを生成する。実施の形態1において、ネットワークモデルは、設備12、設備12にかかる信号、設備属性情報、および信号属性情報の各々を表すノードの少なくとも1つを有し、互いに関連があるノード間をつないだモデルである。ネットワークモデル生成部26は、生成されたネットワークモデルを記憶部23に保存する。
【0026】
分析処理部27は、監視データを記憶部23から読み出し、監視データの分析処理を実行する。分析処理部27は、分析処理の結果である分析データを記憶部23に保存する。分析処理部27は、記憶部23から分析データを読み出して、読み出された分析データの分析処理を実行することとしても良い。
【0027】
表示処理部28は、端末13での情報の表示のための処理を実行する。ネットワークモデル表示処理部30は、ネットワークモデルを端末13に表示させる。ネットワークモデル表示処理部30は、ネットワークモデルを記憶部23から読み出し、ネットワークモデルを端末13に表示させるための処理を実行する。ネットワークモデル表示処理部30は、ネットワークモデルのデータを通信部21へ出力する。通信部21は、ネットワークモデルのデータを端末13へ送信する。端末13は、ネットワークモデルのデータを受信すると、ネットワークモデルを表示する。
【0028】
ユーザは、端末13に表示されているネットワークモデルの中から、データを表示させるノードを指定する操作を行う。ユーザは、設備12、信号、設備属性情報、および信号属性情報の各ノードを、データを表示させるノードとして指定し得る。端末13は、端末13への操作によって指定されたノードを示す情報を監視制御装置11へ送信する。通信部21は、指定されたノードを示す情報を受信すると、受信された情報をデータ表示処理部31へ出力する。
【0029】
データ表示処理部31は、端末13への操作によって指定されたノードに関わる監視データ、または、端末13への操作によって指定されたノードに関わる監視データの分析によって得られるデータである分析データを端末13に表示させる。
【0030】
指定されたノードに関わる監視データには、指定されたノードの監視データと、指定されたノードとの関連がネットワークモデルに示されているノードの監視データとが含まれる。指定されたノードの監視データとは、指定されたノードが信号を示すノードである場合において、指定されたノードである信号により示される監視データである。指定されたノードとの関連がネットワークモデルに示されているノードの監視データとは、指定されたノードとの関連がネットワークモデルに示されているノードのうち信号を示すノードの監視データである。
【0031】
データ表示処理部31は、端末13に表示させるデータである監視データまたは分析データを通信部21へ出力する。通信部21は、端末13に表示させるデータを端末13へ送信する。端末13は、データを受信すると、受信されたデータである監視データまたは分析データを表示する。
【0032】
データ表示支援処理部29は、端末13への操作によって指定されたノードに基づいて、端末13に表示させるデータである監視データまたは分析データの選択を支援する処理を実行する。実施の形態1では、データ表示支援処理部29は、1つのノードが指定されることによってあるデータが表示されているときに、表示されているデータとの比較対象とするデータの選択を支援する処理を実行する。
【0033】
なお、上記説明では、監視制御装置11にネットワークモデル生成部26が備えられる例を説明したが、監視制御装置11にはネットワークモデル生成部26が備えられていなくても良い。監視制御装置11は、監視制御装置11の外部の装置により生成されたネットワークモデルを取得することとしても良い。この場合、監視制御装置11は、通信部21によりネットワークモデルを受信する。また、処理部22には、通信部21により受信されたネットワークモデルを記憶部23に保存する機能が備えられる。
【0034】
監視データの分析は、監視制御装置11の外部の装置によって実施されても良い。この場合、監視制御装置11は、監視制御装置11の外部の装置により送信される分析データを通信部21により受信する。また、処理部22には、通信部21により受信された分析データを記憶部23に保存する機能が備えられる。さらに、この場合、監視制御装置11には分析処理部27が備えられていなくても良い。
【0035】
上記説明では、監視制御装置11が記憶装置14から信号台帳データを取得することとしたが、信号台帳データは、監視制御装置11の内部で保存および管理される台帳データであっても良い。信号台帳データは、監視制御装置11が複数の設備12から入力される信号を管理するために、監視制御装置11の内部で保存および管理されるデータベースであっても良い。
【0036】
次に、監視制御装置11に保存される設備台帳データについて説明する。図3は、実施の形態1にかかる監視制御システム10が有する監視制御装置11に保存される設備台帳データの例を示す図である。
【0037】
設備台帳データには、少なくとも、設備12の名称である設備名と、設備12の識別子である設備ID(IDentifier)とが含まれる。図3に示す例では、設備台帳データには、設備12の種別を示す情報と、設備12が設置されているフロアを示すフロア名と、設備12へ電力を供給する分電盤の識別子である分電盤IDと、収集プロトコルの情報とが含まれる。収集プロトコルの情報は、信号を収集するための通信規格についての情報である。設備台帳データに含まれるこれらの情報のうち設備名以外の各情報は、設備属性情報である。
【0038】
なお、設備台帳データに含まれる情報は、図3に例示する情報に限られない。設備台帳データには、図3に例示する情報以外の情報が含まれていても良い。また、図3に例示する情報のうち、設備名および設備ID以外の情報のうちの少なくとも1つが、設備台帳データから除外されても良い。データを比較する際の分析軸として採用し得る項目は、設備属性情報の項目に含まれていることが望ましい。設備台帳データは、設備12の入れ替えといったメンテナンスに応じて更新されても良い。
【0039】
次に、監視制御装置11に保存される信号台帳データについて説明する。図4は、実施の形態1にかかる監視制御システム10が有する監視制御装置11に保存される信号台帳データの例を示す図である。
【0040】
信号台帳データには、少なくとも、信号の名称である信号名と、信号のデータ型を示す情報とが含まれる。図4に示す例では、信号台帳データには、設備12の種別を示す情報と、フロア名と、分電盤IDと、設備IDと、備考とが含まれる。備考には、信号に関する補足情報が記載される。補足情報は、信号独自の取り決めについての情報、または、信号によって監視している対象についての情報などである。信号台帳データに含まれるこれらの情報のうち信号名以外の各情報は、信号属性情報である。
【0041】
なお、信号台帳データに含まれる情報は、図4に例示する情報に限られない。信号台帳データには、図4に例示する情報以外の情報が含まれていても良い。また、図4に例示する情報のうち、信号名および信号のデータ型を示す情報以外の情報のうちの少なくとも1つが、信号台帳データから除外されても良い。データを比較する際の分析軸として採用し得る項目は、信号属性情報の項目に含まれていることが望ましい。
【0042】
次に、ネットワークモデル生成部26によって生成されるネットワークモデルについて説明する。ネットワークモデル生成部26は、設備台帳データに設備名が示されている設備12について、設備12を示すノードと、設備台帳データに示されている設備属性情報を示すノードとを設定する。設備12と当該設備12の設備属性情報とは、互いに関連しているといえる。ネットワークモデル生成部26は、設備12を示すノードと当該設備12の設備属性情報を示すノードとをつなぐ。設備12と当該設備12の設備属性情報との関連については、設備台帳データに明示されているものといえる。
【0043】
ネットワークモデル生成部26は、信号台帳データに信号名が示されている信号について、信号を示すノードと、信号台帳に示されている信号属性情報を示すノードとを設定する。信号と当該信号の信号属性情報とは、互いに関連しているといえる。ネットワークモデル生成部26は、信号を示すノードと当該信号の信号属性情報を示すノードとをつなぐ。信号と当該信号の信号属性情報との関連については、信号台帳データに明示されているものといえる。
【0044】
ネットワークモデル生成部26は、設備12と設備属性情報との関連、および信号と信号属性情報との関連のみならず、設備12同士の関連、設備12と信号との関連、信号同士の関連、設備属性情報同士の関連、信号属性情報同士の関連、および、設備属性情報と信号属性情報との関連についても、ノード間同士をつなぐ。ネットワークモデル生成部26は、設備台帳データに示されている全ての設備12と、各設備12についての設備属性情報と、信号台帳データに示されている全ての信号と、各信号についての信号属性情報とについて、互いに関連があるノード同士を連鎖的につなぎ合わせていく。このようにして、ネットワークモデル生成部26は、監視の対象である全ての設備12と各設備12に関わる信号との関係を表すネットワークモデルを生成する。
【0045】
監視制御システム10は、ネットワークモデルを生成することにより、設備12同士の関連、設備12と信号との関連、および信号同士の関連を分かり易く示すことができる。また、設備属性情報と信号属性情報とがネットワークモデルに含まれることで、設備12同士の関連、設備12および信号の関連、または信号同士の関連についての詳細をネットワークモデルから把握することが可能となる。また、設備属性情報と信号属性情報とがネットワークモデルに含まれることで、後述する相関関係についての判定が妥当か否かを判断し易くなる。
【0046】
なお、ネットワークモデル生成部26は、信号同士の相関関係を学習し、相関関係を有する信号同士のノードを、互いに関連するノード同士と扱うこととしても良い。相関関係とは、一方の信号の変化に連動して他方の信号が変化する関係である。ネットワークモデル生成部26が学習する相関関係は、設備台帳データおよび信号台帳データの各々には明示されていない相関関係である。
【0047】
一例として、ネットワークモデル生成部26は、信号同士の相関度を求め、相関度に基づいて相関関係の有無を判断する。相関度は、信号同士の変化の態様が類似しているか否かを数値によって表したものであって、一方の信号の変化に対する他方の信号の変化の傾向を表す指標である。相関度の値は、一方の信号が変化したときにおける他方の信号の変化の有無、および、一方の信号値の変動幅に対する他方の信号値の変動幅の違いなどが加味された値とされる。ネットワークモデル生成部26は、監視制御装置11で取得される複数の信号に含まれる信号同士について、監視データと信号台帳データとに従って、一方の信号の変化に対する他方の信号の変化を学習する。ネットワークモデル生成部26は、学習により、相関度を計算するためのモデルを生成する。ネットワークモデル生成部26は、生成されたモデルを用いて、監視データと信号台帳データとに基づいて信号同士の相関度を計算する。
【0048】
なお、信号同士の相関関係の有無を判定する方法は、上記の学習による方法に限られないものとする。監視制御装置11の外部の装置により生成されたネットワークモデルを取得する場合は、例えば、処理部22のうちネットワークモデルを取得する機能部によって、信号同士の相関関係の有無を判定することとしても良い。
【0049】
次に、ネットワークモデル表示処理部30によりネットワークモデルを表示する例について説明する。図5は、実施の形態1にかかる監視制御システム10により表示されるネットワークモデルの例を示す図である。図5には、設備台帳データに示される各設備12および信号台帳データに示される各信号のうちフロア名「B1階」に関連するデータのみを絞り込んで画面に表示した例を示す。このように、端末13では、ユーザの操作により、ネットワークモデルのうち任意のデータのみを絞り込んで表示することができる。図5に示される複数の楕円の各々はノードを表す。ノードとノードとをつなぐ直線は、ノード同士が互いに関連することを表す。
【0050】
図5に示す例では、ノードとノードとをつなぐ直線には「フロア名」または「種別」などといった文字列が付されている。ノードとノードとをつなぐ直線に付されている文字列は、ノードで示される情報の項目を表す。かかる項目は、設備台帳データの項目または信号台帳データの項目である。項目を表す文字列がネットワークモデルに付されていることで、ユーザは、ノードで示される情報がいずれの項目を表す情報であるかを容易に認識することができる。
【0051】
例えば、信号「a11」と信号「a12」とは、図4に示すように、信号台帳データにおいて共通の信号属性情報であるフロア名「B1階」に紐付けられている。図5に示すネットワークモデルにおいて、各信号「a11」、「a12」のノードは、フロア名「B1階」のノードにつながれている。また、信号「a11」のノードには、信号「a11」について信号台帳データに示されている、データ型「integer」、種別「受配電」、設備ID「F-001」、および備考「1:ON 0:OFF」の各ノードがつながれている。信号「a12」のノードには、信号「a12」について信号台帳データに示されている、データ型「boolean」、種別「受配電」、および設備ID「F-001」の各ノードがつながれている。また、例えば設備ID「F-001」のノードには、設備「A1」について設備台帳データに示されている収集プロトコル「TCP/IP」のノードがつながれている。
【0052】
なお、実施の形態1において、ネットワークモデルは、設備12を表すノードと、信号を表すノードと、設備属性情報を表すノードと、信号属性情報を表すノードとの全てを有するものに限られない。ネットワークモデルは、設備12、信号、設備属性情報、および信号属性情報の各々を表すノードの少なくとも1つを有するものであれば良いものとする。
【0053】
次に、データ表示処理部31により監視データまたは分析データであるデータを表示する例について説明する。図6は、実施の形態1にかかる監視制御システム10によりデータを表示する例を示す第1の図である。図6に示す例では、図5と同様にネットワークモデルが画面に表示されており、当該画面の中にデータを表示する領域32が設けられている。図6に示す例では、領域32には、信号「a11」のデータである監視データの時系列グラフが表示されている。
【0054】
ユーザは、端末13の操作によって、データを表示するノードを指定する。ユーザは、例えば、ネットワークモデルのうちデータを表示するノードをクリックすることによって、データを表示するノードを指定する。図6に示す例では、ユーザにより信号「a11」のノードが指定されることによって、信号「a11」の監視データが領域32に表示される。図6に示す例では、ある期間における信号「a11」の推移を表すグラフが領域32に表示される。また、ノードが指定されることによって、指定されたノードの表示色が、ノードの標準の色とは異なる色へ変化する。データを表すグラフの表示色を、指定されたノードの表示色と同じとしても良い。なお、監視データを表示するグラフの種類と、グラフにおいて時間軸により示される期間の長さとは、ユーザの操作によって任意に変更することができる。
【0055】
上記説明では、ネットワークモデルが表示される画面に、指定されたノードについてのデータを表示することとした。指定されたノードについてのデータは、ネットワークモデルが表示される画面とは別の画面に表示しても良い。例えば、ノードが指定されることによって、指定されたノードについてのデータを表示するポップアップ画面が現れるようにしても良い。または、端末13は、ノードが指定されることによって、ネットワークモデルが表示される画面から、指定されたノードについてのデータを表示する画面への切り替えを行うこととしても良い。または、画面を2分割し、分割された一方にネットワークモデルを表示し、指定されたノードについてのデータを他方に表示することとしても良い。
【0056】
なお、ここでは、信号を表すノードが指定されることによって、当該信号の監視データを表示する例を説明した。設備12、信号、設備属性情報、および信号属性情報の各ノードのいずれかが指定された際に、指定されたノードに関わる監視データの分析によって得られる分析データを表示しても良い。信号を表すノードが指定された際に、監視データと分析データとのいずれを表示するかをユーザが選択できるようにしても良い。
【0057】
分析データの第1の例は、監視データの統計による分析結果であって、例えば、代表値である。代表値は、最大値、最小値、平均値、中央値、最頻度、または範囲などである。監視データの統計による分析結果である分析データは、範囲、分散、標準偏差、歪度、および尖度などといった散布度であっても良い。
【0058】
分析データの第2の例は、人工知能(Artificial Intelligence:AI)を用いた機械学習等による分析結果である。機械学習等による分析結果には、信号により示されるデータについて、正常または異常などを判定した結果が含まれる。あるいは、機械学習等による分析結果には、信号により示されるデータに基づく予測または推定の結果などが含まれる。予測または推定の結果としては、例えば、データの将来の傾向を予測した結果、データの近似式またはデータの波形を推定した結果、または、設備12を構成する機器の状態をデータから推定した結果などが含まれる。機器の状態には、例えば、正常に運転している状態、異常が生じている状態、または、故障が生じている状態などが含まれる。
【0059】
分析データは、上記の第1の例または第2の例に限られない。例えば、分析データは、ある信号の監視データと他の信号の監視データとの相関度を求めた結果などであっても良い。相関度は、例えば、相互相関関数(Cross-Correlations Function:CCF)を用いて算出される。
【0060】
データ表示処理部31は、データを表示する画面において、1つのノードに関わるデータと当該ノード以外のノードに関わるデータとを表示させることができる。データ表示処理部31は、端末13への操作によって指定されたノードである第1のノードに関わるデータである第1のデータを端末13に表示させ、かつ、第1のノード以外のノードであって端末13への操作によって指定された第2のノードに関わるデータである第2のデータを第1のデータと併せて端末13に表示させることができる。ユーザは、第1のデータと併せて第2のデータが表示されることによって、第1のデータと第2のデータとの比較分析を容易に行うことができる。
【0061】
次に、データ表示支援処理部29により実行される処理について説明する。実施の形態1において、データ表示支援処理部29は、第2のノードの候補とする1つ以上のノードを第1のノードに基づいて抽出する処理を、選択を支援する処理として実行する。第2のノードの候補とする1つ以上のノードとは、第1のノードに関わる第1のデータとの比較対象として監視制御システム10が推薦するノードであるものといえる。
【0062】
データ表示支援処理部29は、ユーザの操作により第1のノードが指定されて第1のデータが表示された際に、指定された第1のノードに基づいて、第1のデータと併せて端末13にデータを表示させる第2のノードの候補を抽出する。ユーザは、抽出された候補であるノードについて、当該ノードに関わるデータを表示するか否かを決定する。データ表示支援処理部29は、第2のノードの候補を抽出することで、ユーザによる第2のノードの選択を支援する。
【0063】
図7は、実施の形態1にかかる監視制御システム10が有するデータ表示支援処理部29により実行される処理について説明するための図である。
【0064】
図7には、図6に示すように信号「a11」のノードについてのデータが表示されている状態において、信号「a11」のノードについてのデータとの比較対象とするデータの候補が表示されている様子を示す。図7に示す例では、信号「a11」のノードが第1のノードであって、信号「a12」のノードが、第2のノードの候補として抽出されたノードである。図7に示す例では、データ表示支援処理部29は、信号「a11」に関わるデータとの比較対象として、信号「a12」に関わるデータを推薦した、ともいえる。
【0065】
データ表示支援処理部29は、例えば、第1のノードに関連するノードとの関連が示されているノードの中から、候補とするノードを抽出する。データ表示支援処理部29は、学習といった方法により、第2のノードの候補とするノードを抽出することとしても良い。ネットワークモデルの複数のノードのうち第1のノード以外のノードの中から第2のノードの候補とするノードを抽出する方法の例については、実施の形態2において説明する。
【0066】
図7に示す例では、第2のノードの候補として抽出された信号「a12」のノードについて、ノードの輪郭が他のノードの輪郭に比べて太くされる強調表示が行われる。また、第2のノードの候補として抽出された信号「a12」のノードには、「比較対象候補」の文言が付される。ノードの強調表示と「比較対象候補」の文言の表示との各々は、第2のノードの候補として抽出されたノードを示す表示の例である。データ表示支援処理部29は、第2のノードの候補として抽出されたノードを端末13に表示させることによって、第2のノードの候補として抽出されたノードをユーザに提示する。
【0067】
ユーザは、データ表示支援処理部29によって抽出されたノードを画面から確認し、信号「a12」のノードを第2のノードとして指定するか否かを決定する。なお、第2のノードの候補として抽出されたノードの表示態様は、上記の強調表示と上記の「比較対象候補」の文言の表示とに限られず、任意であるものとする。また、ここでは、第2のノードの候補として1つのノードを抽出する例を示したが、データ表示支援処理部29は、第2のノードの候補として2つ以上のノードを抽出しても良い。2つ以上のノードが抽出される場合、ユーザは、抽出されたノードの中から第2のノードとするノードを選択することができる。
【0068】
図8は、実施の形態1にかかる監視制御システム10によりデータを表示する例を示す第2の図である。図8には、図7に示す状態から、ユーザによって信号「a12」のノードが第2のノードとして指定されたときの様子を示す。
【0069】
ユーザは、端末13の操作によって、第2のノードとするノードを指定する。図8に示す例では、データ表示支援処理部29によって推薦された信号「a12」のノードが指定されたとする。信号「a12」のノードが指定されることによって、図8に示すように、信号「a11」のデータを表すグラフに、信号「a12」のデータを表すグラフが重畳して表示される。また、信号「a12」のノードが指定されることによって、信号「a12」のノードの表示色が、ノードの標準の色とは異なる色へ変化する。信号「a12」のノードの表示色は、信号「a11」のノードの表示色とは異なる色であるものとする。信号「a12」のデータを表すグラフの表示色を、信号「a12」のノードの表示色としても良い。
【0070】
このようにして、監視制御システム10は、図8に例示するように、信号「a11」に関わるデータと信号「a12」に関わるデータとの比較分析のための画面を表示する。ユーザは、かかる画面から、信号「a11」に関わるデータと信号「a12」に関わるデータとの比較分析を容易に行うことができる。また、ユーザは、第2のノードの候補が監視制御システム10によって推薦されることで、信号「a11」に関わるデータとの比較分析に有用なデータを容易に選択して表示させることができる。
【0071】
なお、上記説明では、2つのデータの各グラフを重畳表示することとしたが、2つのデータの各グラフを表示する態様は任意であるものとする。例えば、監視制御システム10は、領域32において各グラフを並べて表示することとしても良い。また、第1のデータとの比較対象である第2データは1つに限られず複数であっても良い。すなわち、監視制御システム10は、3つ以上のデータの各グラフを表示することとしても良い。
【0072】
次に、監視制御装置11の動作について説明する。図9は、実施の形態1にかかる監視制御システム10が有する監視制御装置11の動作手順の例を示すフローチャートである。監視データ取得部25は、設備12に関わる信号を随時受信することによって、監視データを取得する。監視データ取得部25は、取得された監視データを記憶部23に保存する。
【0073】
ステップS1において、台帳データ取得部24は、設備台帳データと信号台帳データとを取得する。台帳データ取得部24は、取得された設備台帳データと取得された信号台帳データとを記憶部23に保存する。
【0074】
ネットワークモデル生成部26は、設備台帳データと信号台帳データとを記憶部23から読み出す。ステップS2において、ネットワークモデル生成部26は、設備台帳データと信号台帳データとに基づいてネットワークモデルを生成する。ネットワークモデル生成部26は、設備台帳データおよび信号台帳データの各々には明示されていない相関関係を含めたネットワークモデルを生成することとしても良い。ネットワークモデル生成部26は、生成されたネットワークモデルを記憶部23に保存する。
【0075】
ネットワークモデル表示処理部30は、記憶部23からネットワークモデルを読み出す。ステップS3において、ネットワークモデル表示処理部30は、ネットワークモデルを端末13に表示させる。
【0076】
ユーザによる端末13の操作によって、データを表示させるノードが指定されると、ステップS4において、データ表示処理部31は、指定されたノードに関わるデータを端末13に表示させる。すなわち、データ表示処理部31は、端末13への操作によって指定された第1のノードに関わる第1のデータを端末13に表示させる。データ表示処理部31は、第1のノードに関わる監視データ、または、第1のノードに関わる監視データの分析によって得られる分析データを、端末13に表示させる。
【0077】
ステップS5において、データ表示支援処理部29は、ステップS4において表示させたデータとの比較対象の候補とするノードを抽出し、抽出されたノードを端末13に提示させる。データ表示支援処理部29は、第2のノードの候補とするノードを第1のノードに基づいて抽出する処理を実行する。データ表示支援処理部29は、第2のノードの候補として抽出されたノードを端末13に表示させることによって、第2のノードの候補として抽出されたノードをユーザに提示する。これにより、データ表示支援処理部29は、第1のノードに基づいて、第1のデータと併せて端末13に表示させる第2のデータの選択を支援する処理を実行する。
【0078】
ユーザによる端末13の操作によって、比較対象とするノードが指定されると、ステップS6において、データ表示処理部31は、比較対象として指定されたノードに関わるデータを端末13に表示させる。すなわち、データ表示処理部31は、端末13への操作によって指定された第2のノードに関わる第2のデータを端末13に表示させる。データ表示処理部31は、第2のノードに関わる監視データ、または、第2のノードに関わる監視データの分析によって得られる分析データを、端末13に表示させる。以上により、監視制御装置11は、図9に示す手順による動作を終了する。
【0079】
実施の形態1によると、データ表示支援処理部29は、端末13への操作によって指定されたノードに基づいて、端末13に表示させるデータの選択を支援する処理を実行する。データ表示支援処理部29は、第2のノードの候補とする1つ以上のノードを第1のノードに基づいて抽出する処理を、選択を支援する処理として実行する。
【0080】
例えば、1つの信号についてのデータに異常が確認された場合に、異常の原因を知るためには、データに異常が確認された信号と関係が深い信号または設備12のデータを確認することとなる。監視制御システム10は、表示されているデータと関係が深いデータを比較対象として推薦することで、異常の原因を知るための比較分析に有用なデータが表示されるまでにおけるユーザによるデータ選択の作業負担を軽減させることができる。データ分析についての高い知識を有しないユーザであっても、有用なデータに辿り着くまでの試行錯誤を少なくすることができ、分かり易いデータ分析が可能となる。以上により、監視制御システム10は、監視対象の状況を把握するために有用なデータを容易に表示させることができるという効果を奏する。
【0081】
実施の形態2.
実施の形態2では、データ表示支援処理部29により、比較対象として推薦するノードを抽出する方法の具体例について説明する。実施の形態2にかかる監視制御システム10は、実施の形態1にかかる監視制御システム10と同様の構成を備える。実施の形態2において、データ表示支援処理部29は、比較対象として推薦するノード、すなわち、第2のノードの候補とする1つ以上のノードを抽出する処理を、端末13に表示させるデータの選択を支援する処理として実行する。
【0082】
ここでは、第2のノードの候補とする1つ以上のノードを抽出する方法の2つの例について説明する。第1の例にかかる方法では、データ表示支援処理部29は、ネットワークモデルに含まれるノード同士について、ノード同士の関連の強さを表す関連度を求め、関連度に基づいて、第2のノードの候補とする1つ以上のノードを抽出する。第2の例にかかる方法では、データ表示支援処理部29は、ネットワークモデルに含まれるノード同士について、ノード同士のうちの1つが第1のノードに指定される場合においてノード同士のうちの他の1つが第2のノードに指定される確率を求め、確率に基づいて、第2のノードの候補とする1つ以上のノードを抽出する。
【0083】
図10は、実施の形態2にかかる監視制御システム10が有するデータ表示支援処理部29により実行される処理について説明するための図である。図10には、図5に示すネットワークモデルと同様のネットワークモデルを示している。また、図10には、第1の例にかかる方法により、信号「a11」のノードと信号「a12」のノードとの関連度を求めた結果の例を示している。ここでは、0から1.0までの範囲に含まれる数値により関連度を表すこととし、関連度の数値が1.0に近いほどノード同士の関連が強いものとする。
【0084】
データ表示支援処理部29は、設備台帳データまたは信号台帳データに関連が明示されているノード同士については、関連度は1.0と算出する。データ表示支援処理部29は、設備台帳データおよび信号台帳データの各々において関連が明示されていないノード同士については、相関関係を示す相関度を関連度として算出するものとする。データ表示支援処理部29により関連度として算出される相関度は、実施の形態1にて説明した相関度と同様であるものとする。なお、以下の説明では、設備属性情報と信号属性情報とを区別せずに、属性情報と称することがある。
【0085】
実施の形態2において、ノード同士の相関関係には、信号同士の相関関係と、設備12同士の相関関係と、設備12と信号との相関関係とが含まれるものとする。信号同士の相関関係とは、一方の信号の変化に連動して他方の信号が変化する関係である。設備12同士の相関関係とは、一方の設備12に関わる信号の変化に連動して、他方の設備12に関わる信号が変化する関係である。設備12と信号との相関関係とは、設備12に関わる信号の変化に連動して、信号が変化する関係である。データ表示支援処理部29は、ネットワークモデルに含まれるノード同士について、ノード同士の相関関係を学習し、関連度を計算するためのモデルを生成する。
【0086】
データ表示支援処理部29は、ノード同士のうちの1つのノードと他の1つのノードとの各々について、ノードに関連する属性情報と、信号により表現される監視データまたは設備12に関わる信号により表現される監視データとを含む訓練データセットを、状態変数として観測する。データ表示支援処理部29は、ネットワークモデルに含まれるノード同士について、訓練データセットに従って、信号の変化の傾向を学習する。データ表示支援処理部29は、学習により、信号の変化の傾向を表す指標である関連度を計算するためのモデルを生成する。データ表示支援処理部29は、生成されたモデルを保持する。データ表示支援処理部29は、生成されたモデルを記憶部23に保存することとしても良い。
【0087】
データ表示支援処理部29が用いる学習アルゴリズムはどのようなものを用いても良い。一例として、データ表示支援処理部29が用いる学習アルゴリズムに強化学習(Reinforcement Learning)を適用する場合について説明する。強化学習は、ある環境内におけるエージェントである行動主体が、現在の状態を観測し、取るべき行動を決定する、というものである。エージェントは行動を選択することで環境から報酬を得て、一連の行動を通じて報酬が最も多く得られるような方策を学習する。強化学習の代表的な手法として、Q学習(Q-Learning)およびTD学習(TD-Learning)などが知られている。
【0088】
データ表示支援処理部29は、例えば、スパースモデリングの手法を用いて学習を行っても良い。データ表示支援処理部29が用いる学習アルゴリズムには、強化学習以外の学習が適用されても良い。学習アルゴリズムには、教師あり学習または半教師あり学習といった学習が適用されても良い。データ表示支援処理部29は、例えば、深層学習(Deep Learning)、ニューラルネットワーク、遺伝的プログラミング、帰納論理プログラミングまたはサポートベクターマシンといった学習アルゴリズムを用いて機械学習を実行しても良い。
【0089】
データ表示支援処理部29は、ノード同士のうちの1つのノードと他の1つのノードとの各々について、ノードに関連する属性情報をモデルへ入力することによって、ノード同士の関連度を算出する。データ表示支援処理部29は、算出された関連度に基づいて、第2のノードの候補とする1つ以上のノードを抽出する。図10には、信号「a11」のノードと信号「a12」のノードとの関連度を求めた結果が「0.8」であることを示している。信号「a11」のノードと信号「a12」のノードとの間の両矢印は、関連度を求めた対象であるノード同士を表している。
【0090】
一例として、データ表示支援処理部29は、ユーザの操作により第1のノードが指定されて第1のデータが表示された際に、第1のノードと第1のノード以外のノードとの関連度を算出する。データ表示支援処理部29は、算出された関連度が最も大きい1つのノードを、第2のノードの候補として抽出する。データ表示支援処理部29は、第2のノードの候補として抽出されたノードを端末13に表示させることによって、第2のノードの候補として抽出されたノードをユーザに提示する。その際に、データ表示支援処理部29は、図10に示すように、関連度を求めた結果を端末13に表示させることとしても良い。
【0091】
データ表示支援処理部29は、算出された関連度が最も大きい2つ以上のノードを、第2のノードの候補として抽出することとしても良い。データ表示支援処理部29は、関連度が大きいほど順位が高くなるように2つ以上のノードの各々に順位を付与して、2つ以上のノードを提示することとしても良い。この場合、ユーザは、順位を参考として、2つ以上のノードの中から第2のノードとするノードを選択することができる。
【0092】
次に、第2のノードの候補とする1つ以上のノードを抽出する方法の第2の例について説明する。データ表示支援処理部29は、1つのノードに関わるデータが表示された際に他の1つのノードに関わるデータが比較対象として選択される確率を、端末13の操作履歴に基づいて算出する。データ表示支援処理部29は、算出された確率が最も大きい1つのノードを、第2のノードの候補として抽出する。データ表示支援処理部29は、算出された確率が最も大きい2つ以上のノードを、第2のノードの候補として抽出しても良い。データ表示支援処理部29は、確率が大きいほど順位が高くなるような順位を2つ以上のノードの各々に付与して、2つ以上のノードを提示することとしても良い。
【0093】
実施の形態2によると、データ表示支援処理部29は、ノード同士の関連度を求め、関連度に基づいて、第2のノードの候補とする1つ以上のノードを抽出する。または、データ表示支援処理部29は、ノード同士のうちの1つが第1のノードに指定される場合においてノード同士のうちの他の1つが第2のノードに指定される確率を求め、確率に基づいて、第2のノードの候補とする1つ以上のノードを抽出する。これにより、監視制御システム10は、第2のノードの候補とする1つ以上のノードを第1のノードに基づいて抽出することができ、端末13に表示させるデータの選択を支援する処理を実行できる。
【0094】
なお、データ表示支援処理部29により第2のノードの候補とするノードを抽出する方法は、上記の方法に限られないものとする。データ表示支援処理部29は、上記の方法以外の方法により、第2のノードの候補とするノードを抽出することとしても良い。例えば、データ表示支援処理部29は、ノード同士について、信号名である文字列の類似度を求め、求めた類似度に基づいて、第2のノードの候補とするノードを抽出することとしても良い。
【0095】
実施の形態3.
実施の形態3では、端末13に表示させるデータの選択を支援する処理として、端末13に表示させるデータの分析軸を各ノードにつながれているノードに基づいて作成する例について説明する。実施の形態3にかかる監視制御システム10は、実施の形態1にかかる監視制御システム10と同様の構成を備える。実施の形態3では、実施の形態1または2とは異なる処理について主に説明する。
【0096】
実施の形態3において、データ表示支援処理部29は、ネットワークモデルの各ノードについて端末13に表示させるデータの分析軸を各ノードにつながれているノードに基づいて作成する処理を、端末13に表示させるデータの選択を支援する処理として実行する。データ表示処理部31は、端末13への操作によって指定されたノードに関わる監視データまたは分析データの表示に、データ表示支援処理部29によって作成された分析軸を適用する。実施の形態3において、分析軸とは、データの表し方を定義する事項とする。分析軸とは、データをまとめる際の項目とする事項ともいえる。
【0097】
図11は、実施の形態3にかかる監視制御システム10が有するデータ表示支援処理部29により実行される処理について説明するための図である。図11には、図5に示すネットワークモデルと同様のネットワークモデルを示している。
【0098】
例えば、データ表示支援処理部29は、信号「a11」のノードとの関連がネットワークモデルに示されているノードに基づいて、信号「a11」のノードに関わるデータを表示する際の分析軸を作成する。データ表示支援処理部29は、信号「a11」のノードに関連する複数のノードの中から、分析軸とし得る情報を有するノードを選定する。
【0099】
データ表示支援処理部29は、信号「a11」のノードとの関連がネットワークモデルに示されているフロア名「B1階」、設備ID「F-001」、種別「受配電」、データ型「integer」、および備考「1:ON 0:OFF」の5つのノードのうち、例えば、フロア名「B1階」のノードと種別「受配電」のノードとを選定する。図11において、信号「a11」のノードとフロア名「B1階」のノードとの間の両矢印は、信号「a11」のノードに関わるデータの分析軸とし得る情報を有するノードとしてフロア名「B1階」のノードが選定されたことを表す。信号「a11」のノードと種別「受配電」のノードとの間の両矢印は、信号「a11」のノードに関わるデータの分析軸とし得る情報を有するノードとして種別「受配電」のノードが選定されたことを表す。データ表示支援処理部29は、選定されたノードが有する情報である「B1階」、「フロア名」、「受配電」、および「種別」を、信号「a11」のノードに関わるデータの分析軸として作成する。なお、図11において「関連度=1.0」とは、ノード間の関連が設備台帳データまたは信号台帳データに明示されていることを表す。
【0100】
実施の形態3では、分析軸とし得る情報を有するノードを選定する方法は、特に限定されないものとする。一例として、データ表示支援処理部29は、ノードに関わるデータが表示される際に分析軸として選ばれる情報の傾向を学習し、学習結果に基づいて、ノード、またはノードが有する情報を選定しても良い。この場合、分析軸として有用ではない情報は学習により除外されるため、データ表示支援処理部29は、分析軸として有用な情報を選定して分析軸を作成することができる。または、ネットワークモデルに示されている各ノードについて、分析軸とする情報があらかじめ設定され、データ表示支援処理部29は、設定されている情報から分析軸を作成することとしても良い。
【0101】
データ表示支援処理部29は、ノードに関わるデータの分析軸として複数の分析軸を作成し、作成された分析軸の中からデータの表示に適用する分析軸を選択できるようにしても良い。
【0102】
図12は、実施の形態3にかかる監視制御システム10が有するデータ表示支援処理部29により作成される分析軸について説明するための図である。図13は、実施の形態3にかかる監視制御システム10が有するデータ表示支援処理部29により作成された分析軸を用いる表示例を示す図である。
【0103】
図12には、データ表示支援処理部29により作成された複数の分析軸がプルダウンメニューに表示されている例を示す。プルダウンメニューに示される複数の選択肢の各々は、消費電力量のデータを表示する際に選択可能な分析軸を表す。ユーザは、端末13の操作によって、プルダウンメニューから分析軸を選択することができる。
【0104】
図13には、図12に示すプルダウンメニューのうち、「フロア」の選択肢内の「B1階」と「1階」とが選択された場合におけるデータの表示例を示す。図13に示す例では、「B1階」の消費電力量を示すグラフと「1階」の消費電力量を示すグラフとが互いに重畳されて表示されている。ユーザは、分析軸を適宜選択することによって、所望の分析軸を適用してデータを確認することができる。また、図13に例示するように、選択された分析軸を、データを比較分析する際の分析軸として採用することもできる。
【0105】
実施の形態3によると、データ表示支援処理部29は、ネットワークモデルにおいて各ノードにつながれているノードに基づいて分析軸を作成する処理を、端末13に表示させるデータの選択を支援する処理として実行する。データ表示支援処理部29は、ノード同士の関連の有無を分析軸の作成に反映させることができることから、分析軸として有用な情報を選定して分析軸を作成することができる。データ表示支援処理部29により分析軸が自動で作成されることによって、ユーザの作業によって分析軸を作成する必要がある場合に比べて、ユーザの作業負担を軽減させることができる。また、ユーザは、データ表示支援処理部29によって作成された分析軸が適用されたデータが表示されることによって、分析に有用なデータを容易に確認することが可能となる。以上により、監視制御システム10は、監視対象の状況を把握するために有用なデータを容易に表示させることができるという効果を奏する。
【0106】
実施の形態4.
実施の形態4では、端末13に表示させるデータの選択を支援する処理として、各ノードにつながれているノードに基づいて監視データの分析方法を策定する例について説明する。実施の形態4にかかる監視制御システム10は、実施の形態1にかかる監視制御システム10と同様の構成を備える。実施の形態4では、実施の形態1から3とは異なる処理について主に説明する。
【0107】
実施の形態4において、データ表示支援処理部29は、ネットワークモデルの各ノードに関わる監視データの分析方法を各ノードにつながれているノードに基づいて策定する処理を、端末13に表示させるデータの選択を支援する処理として実行する。データ表示処理部31は、データ表示支援処理部29によって策定された分析方法を適用して得られた分析データを端末13に表示させる。
【0108】
ここでは、各ノードにつながれているノードに基づいて監視データの分析方法を策定する方法の一例として、ノード同士の関連度を求めた結果を用いる例について説明する。データ表示支援処理部29は、実施の形態2の場合と同様に関連度を算出する。なお、実施の形態4では、実施の形態2における説明に使用した図10を適宜参照する。
【0109】
ここで、ノード同士のうちの1つのノードに関わる信号の監視データを第1の監視データとし、ノード同士のうち他の1つのノードに関わる信号の監視データを第2の監視データとする。データ表示支援処理部29は、ノード同士の関連度に基づいて、第1の監視データが第2の監視データの類似データに該当するか否かを判定する。データ表示支援処理部29は、ノード同士の関連度があらかじめ設定された閾値以上である場合に、第1の監視データが第2の監視データの類似データに該当すると判定する。データ表示支援処理部29は、第1の監視データが第2の監視データの類似データに該当するとの判定によって、第2の監視データの分析に適用されている分析方法を第1の監視データの分析にも適用することを決定する。
【0110】
例えば、図10に示す信号「a11」のノードと信号「a12」のノードとの関連度が0.8と算出され、0.8が閾値以上の値であるとする。この場合、信号「a12」により表現される監視データである第1の監視データは、信号「a11」により表現される監視データである第2の監視データの類似データに該当するものと判定される。かかる判定によって、データ表示支援処理部29は、信号「a11」により表現される監視データの分析に適用されている分析方法を、信号「a12」により表現される監視データの分析にも適用することを決定する。このようにして、データ表示支援処理部29は、ノード同士の関連度に基づいて、第1の監視データの分析方法を、信号「a12」のノードにつながれている信号「a11」のノードに基づいて策定する。
【0111】
なお、データ表示支援処理部29により監視データの分析方法を策定する方法は、上記の方法に限られないものとする。データ表示支援処理部29は、上記の方法以外の方法により、各ノードにつながれているノードに基づいて監視データの分析方法を策定することとしても良い。例えば、データ表示支援処理部29は、ノード同士について、信号名である文字列の類似度を求め、求めた類似度に基づいて、監視データの分析方法を策定することとしても良い。この場合、データ表示支援処理部29は、類似度があらかじめ設定された閾値以上である場合に、第1の監視データが第2の監視データの類似データに該当すると判定する。データ表示支援処理部29は、かかる判定によって、第2の監視データの分析に適用されている分析方法を第1の監視データの分析にも適用することを決定する。
【0112】
実施の形態4によると、データ表示支援処理部29は、各ノードにつながれているノードに基づいて監視データの分析方法を策定する処理を、端末13に表示させるデータの選択を支援する処理として実行する。監視制御システム10は、第1の監視データの類似データに該当する第2の監視データの分析方法を第1の監視データにも適用することで、第1の監視データについて、分析に有用な分析データを得ることができる。データ表示支援処理部29により第1の監視データの分析方法が自動で策定されることによって、ユーザの作業によって分析方法を策定する必要がある場合に比べて、ユーザの作業負担を軽減させることができる。また、ユーザは、データ表示支援処理部29によって策定された分析方法によって得られた分析データが表示されることによって、分析に有用なデータを容易に確認することが可能となる。以上により、監視制御システム10は、監視対象の状況を把握するために有用なデータを容易に表示させることができるという効果を奏する。
【0113】
実施の形態5.
実施の形態5では、端末13に表示させるデータの選択を支援する処理として、各ノードにつながれているノードに基づいてデータの表示に適用されるフォーマットの候補を決定する例について説明する。実施の形態5にかかる監視制御システム10は、実施の形態1にかかる監視制御システム10と同様の構成を備える。実施の形態5では、実施の形態1から4とは異なる処理について主に説明する。
【0114】
実施の形態5において、データ表示支援処理部29は、ネットワークモデルの各ノードについて端末13におけるデータの表示に適用されるフォーマットの候補を各ノードにつながれているノードに基づいて決定する処理を、端末13に表示させるデータの選択を支援する処理として実行する。データ表示処理部31は、データ表示支援処理部29によって決定された候補の中から端末13への操作によって選択されたフォーマットを使用してデータを表示する。
【0115】
実施の形態5において、フォーマットとは、データを表すグラフの表示態様とする。フォーマットには、線グラフまたは棒グラフなどといったグラフの種別が含まれる。また、フォーマットには、例えば線グラフに付されるグラフ名または棒グラフの内訳に付される項目名などといった、グラフとして示したデータについての情報が含まれる。
【0116】
ここでは、各ノードにつながれているノードに基づいてデータの表示に適用されるフォーマットの候補を決定する方法の一例として、信号を示すノードにつながれているノードのうち、信号属性情報を示すノードを参照する例について説明する。なお、実施の形態5では、実施の形態2における説明に使用した図10を適宜参照する。
【0117】
ここで、いずれも信号を示すノード同士について、ノード同士のうちの1つのノードの信号により表現される監視データを第1の信号データとし、ノード同士のうち他の1つのノードの信号により表現される監視データを第2の信号データとする。データ表示支援処理部29は、第1の信号データが第2の信号データの類似データに該当するか否かを判定する。データ表示支援処理部29は、第1の信号データが第2の信号データの類似データに該当するとの判定によって、第2の信号データの表示に適用されているフォーマットを第1の信号データの表示に適用されるフォーマットの候補に決定する。
【0118】
一例として、データ表示支援処理部29は、信号を示すノードにつながれているノードを基に監視データのデータ型を判断し、監視データのデータ型に基づいて類似データに該当するか否かを判定する。
【0119】
例えば、信号「a12」により表現される監視データを第1の信号データとする。図10に示すように、信号「a12」のノードには、データ型「boolean」のノードがつながれている。すなわち、第1の信号データのデータ型は「boolean」である。「boolean」は、「真」および「偽」の2つの値だけを取り得るデータ型である。
【0120】
データ表示支援処理部29は、信号「a12」のノード以外のノードであって、データ型「boolean」のノードがつながれているノードをネットワークモデルから抽出する。抽出された各ノードにより表現される監視データを第2の信号データとすると、第2の信号データのデータ型が第1の信号データのデータ型と共通であることから、データ表示支援処理部29は、第1の信号データが第2の信号データの類似データに該当すると判定する。データ表示支援処理部29は、第2の信号データの表示に適用されているフォーマットを第1の信号データの表示に適用されるフォーマットの候補に決定する。
【0121】
なお、類似データに該当するか否かの判定は、信号を示すノードにつながれているノードのうちデータ型のノードのみによる判定には限られないものとする。例えば、図10に示す信号「a11」のノードには、データ型「integer」のノードがつながれている。すなわち、信号「a11」により表現される監視データのデータ型は「integer」である。「integer」は、整数の値を取るデータ型である。また、図10に示す信号「a11」のノードには、備考「1:ON 0:OFF」のノードがつながれている。信号「a11」により表現される監視データは、データ型は「integer」であるが「0」および「1」の二種類の値だけを取り得るため、表示の際は「boolean」のデータと同等のデータとして扱い得る。この場合、データ表示支援処理部29は、データ型が「boolean」である第1の信号データが、信号「a11」により表現される第2の信号データの類似データに該当するものと判定しても良い。このように、データ表示支援処理部29は、データ型のノード以外のノードにより、類似データに該当するか否かを判定する場合があるものとする。または、データ表示支援処理部29は、類似データに該当するか否かを判定において、過去の監視データを参照することとしても良い。
【0122】
図14は、実施の形態5にかかる監視制御システム10が有するデータ表示支援処理部29による処理について説明するための第1の図である。図14には、データ型が「boolean」である第2の信号データの表示例を示す。図14に示す例において、第2の信号データを示すグラフは線グラフである。第2の信号データの信号名は「X01」であって、グラフ名は「ON/OFF情報」であるものとする。グラフ名「ON/OFF情報」は、図14に示すような「ON」と「OFF」とにおける値の推移を表す矩形波グラフのフォーマットに対応付けられているものとする。すなわち、第2の信号データのグラフ名は、第2の信号データのフォーマットを表すものとする。
【0123】
図15は、実施の形態5にかかる監視制御システム10が有するデータ表示支援処理部29による処理について説明するための第2の図である。図15には、信号「a12」により表現される監視データである第1の信号データの表示に適用されるフォーマットの候補をユーザに提示する際における表示例を示す。
【0124】
データ表示支援処理部29は、第2の信号データの表示に使用されているフォーマットを、第1の信号データの表示に適用されるフォーマットの候補に決定する。データ表示支援処理部29は、候補に決定されたフォーマットを示すグラフ名を端末13に表示させることによって、第1の信号データの表示に適用されるフォーマットの候補をユーザに提示する。ユーザは、端末13の操作によって、提示されたフォーマットの中から第1の信号データの表示に適用するフォーマットのグラフ名を選択する。
【0125】
図15に示す例では、端末13には、複数の第2の信号データにおいて使用されているフォーマットの割合を示す数値が、フォーマットの各候補のグラフ名とともに表示される。複数の第2の信号データにおいて使用されているフォーマットの割合が大きいほど順位が高くなるようにフォーマットの各候補に順位が付与されている。図15に示す例では、グラフ名「ON/OFF情報」のフォーマットが、データ型が「boolean」である第2の信号データの90%で使用されており、フォーマットの各候補の中で1位であることが示されている。ユーザは、フォーマットの割合を示す数値と順位とを参照して、第1の信号データの表示に適用するフォーマットを選択することができる。
【0126】
図16は、実施の形態5にかかる監視制御システム10が有するデータ表示支援処理部29による処理について説明するための第3の図である。図16では、温度を示す信号についての監視データである第1の信号データに適用されるフォーマットの候補をユーザに提示する場合における表示例を示す。
【0127】
図16に示す例では、曲線グラフによりデータが示されるフォーマットが、温度を示す第2の信号データの70%で使用されていることが示されている。当該曲線グラフは、日ごとの温度の推移を表す曲線グラフである。また、図16に示す例では、棒グラフによりデータが示されるフォーマットが、温度を示す第2の信号データの10%で使用されていることが示されている。当該棒グラフは、正常な温度が計測された回数と異常な温度が計測された回数との各割合を日ごとに表した棒グラフである。ユーザは、端末13の操作によって、提示されたフォーマットの中から第1の信号データの表示に適用するフォーマットを選択する。
【0128】
なお、データ表示支援処理部29によりフォーマットの候補を決定する方法は、上記の方法に限られないものとする。データ表示支援処理部29は、上記の方法以外の方法により、各ノードにつながれているノードに基づいてデータの表示に適用されるフォーマットの候補を決定することとしても良い。
【0129】
例えば、データ表示支援処理部29は、ノード同士の関連度を求め、関連度に基づいて、フォーマットの候補を決定することとしても良い。データ表示支援処理部29は、実施の形態2の場合と同様に関連度を算出することができる。ノード同士の関連度に基づいて、ノード同士のうちの1つのノードに関わる信号のデータである第1の信号データが、ノード同士のうち他の1つのノードに関わる信号のデータである第2の信号データの類似データに該当するか否かを判定する。データ表示支援処理部29は、ノード同士の関連度があらかじめ設定された閾値以上である場合に、第1の信号データが第2の信号データの類似データに該当すると判定する。データ表示支援処理部29は、第2の信号データの表示に適用されているフォーマットを第1の信号データの表示に適用されるフォーマットの候補に決定する。または、データ表示支援処理部29は、ノード同士について、信号名である文字列の類似度を求め、求めた類似度に基づいて、フォーマットの候補を決定することとしても良い。
【0130】
実施の形態5によると、データ表示支援処理部29は、ネットワークモデルの各ノードについて端末13におけるデータの表示に適用されるフォーマットの候補を各ノードにつながれているノードに基づいて決定する処理を、端末13に表示させるデータの選択を支援する処理として実行する。監視制御システム10は、第1の信号データの類似データに該当する第2の信号データの表示に適用されるフォーマットを、第1の信号データの表示に適用されるフォーマットの候補に決定する。監視制御システム10は、フォーマットの候補の中から第1の信号データの表示に適用されるフォーマットが選択されることで、監視対象の状況を把握するために有用な表示態様で第1の信号データを表示することができる。データ表示支援処理部29により第1の信号データの表示に適用されるフォーマットの候補が自動で決定されることによって、あらゆるフォーマットの中からユーザがフォーマットを選択する必要がある場合に比べて、ユーザの作業負担を軽減させることができる。以上により、監視制御システム10は、監視対象の状況を把握するために有用なデータを容易に表示させることができるという効果を奏する。
【0131】
次に、実施の形態1から5にかかる監視制御装置11のハードウェア構成について説明する。図17は、実施の形態1から5にかかる監視制御装置11のハードウェア構成例を示す図である。監視制御装置11は、処理回路40と通信装置41とを備えるコンピュータシステムにより実現される。処理回路40は、プロセッサ42およびメモリ43を備える。処理回路40は、プロセッサ42がソフトウェアを実行する回路である。
【0132】
監視制御装置11の処理部22は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ43に格納される。処理回路40では、メモリ43に記憶されたプログラムである監視制御プログラムをプロセッサ42が読み出して実行することにより、処理部22の各機能を実現する。すなわち、処理回路40は、監視制御装置11の処理が結果的に実行されることになる監視制御プログラムを格納するためのメモリ43を備える。また、監視制御プログラムは、監視制御装置11の手順および方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
【0133】
プロセッサ42は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、またはDSP(Digital Signal Processor)である。メモリ43は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクまたはDVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。監視制御装置11の記憶部23は、メモリ43により実現される。監視制御装置11の通信部21は、通信装置41により実現される。なお、監視制御装置11は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいても良い。監視制御プログラムは、CD(Compact Disc)-ROM、DVD-ROMなどの記録媒体に格納され、各実施の形態を実現させるために記録媒体が提供されても良い。
【0134】
監視制御装置11は、2つ以上の装置、例えば、2つ以上のサーバで構成されてもよい。監視制御装置11は、処理サーバと、データサーバとで構成されても良い。監視制御装置11が2以上の装置で構成される場合、2つ以上の装置の各々は、例えば、図17に示すハードウェア構成を有する。なお、2つ以上の装置間の通信は、通信装置41を介して行われる。
【0135】
端末13は、図17に示すハードウェア構成と同様のハードウェア構成により実現される。端末13は、さらに、ユーザによって操作される入力機器と、画面を表示する表示機器とを備える。入力機器は、例えば、キーボード、マウス、キーパッド、またはタッチパネルなどを含む。表示機器は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイである。
【0136】
以上の各実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものである。各実施の形態の構成は、別の公知の技術と組み合わせることが可能である。各実施の形態の構成同士が適宜組み合わせられても良い。本開示の要旨を逸脱しない範囲で、各実施の形態の構成の一部を省略または変更することが可能である。
【符号の説明】
【0137】
10 監視制御システム、11 監視制御装置、12 設備、13 端末、14 記憶装置、21 通信部、22 処理部、23 記憶部、24 台帳データ取得部、25 監視データ取得部、26 ネットワークモデル生成部、27 分析処理部、28 表示処理部、29 データ表示支援処理部、30 ネットワークモデル表示処理部、31 データ表示処理部、32 領域、40 処理回路、41 通信装置、42 プロセッサ、43 メモリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17