IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

特開2024-166710仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム
<>
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図1
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図2
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図3
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図4
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図5
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図6
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図7
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図8
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図9
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図10
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図11
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図12
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図13
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図14
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図15
  • 特開-仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166710
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20241122BHJP
【FI】
G06T19/00 300A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083004
(22)【出願日】2023-05-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】岡田 亮
(72)【発明者】
【氏名】大野 森太郎
(72)【発明者】
【氏名】小泉 香織
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA09
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA26
5B050FA02
(57)【要約】
【課題】仮想空間に配置されるオブジェクトが有する世界観にユーザが没入しやすい環境を提供できるようにする。
【解決手段】仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御部を備えて仮想空間制御装置を構成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御部
を備える仮想空間制御装置。
【請求項2】
前記仮想空間制御部は、前記拡張状態として、前記オブジェクトが所定の平面方向にて延伸していく平面拡張の状態を再生する
請求項1に記載の仮想空間制御装置。
【請求項3】
前記仮想空間において、前記平面拡張が行われるオブジェクトに対して、前記平面拡張が可能なオブジェクトであることを示す拡張状態標示が設けられる
請求項2に記載の仮想空間制御装置。
【請求項4】
前記仮想空間制御部は、前記拡張状態として、拡張するオブジェクトが所定形状のオブジェクト拡張空間の内壁を延伸していく空間内壁拡張の状態を再生する
請求項1に記載の仮想空間制御装置。
【請求項5】
前記仮想空間において、前記空間内壁拡張が行われるオブジェクトに対して、前記空間内壁拡張が可能なオブジェクトであることを示す拡張状態標示が設けられる
請求項4に記載の仮想空間制御装置。
【請求項6】
前記仮想空間制御部は、前記仮想空間において存在するアバターが、拡張対象のオブジェクトに対応して定められた前記仮想空間における所定のトリガ領域に到達したことに応じて、前記拡張状態の再生を開始する
請求項1から5のいずれか一項に記載の仮想空間制御装置。
【請求項7】
前記仮想空間制御部は、前記オブジェクトが前記拡張状態にあるもとで、拡張されるオブジェクトに対する視点の変更が可能とされる
請求項1から5のいずれか一項に記載の仮想空間制御装置。
【請求項8】
前記仮想空間制御部は、拡張前のオブジェクトの全体または一部を起点として拡張された内容を有する拡張オブジェクトのデータを利用して、前記拡張状態を再生する
請求項1から5のいずれか一項に記載の仮想空間制御装置。
【請求項9】
前記拡張オブジェクトのデータは、拡張前のオブジェクトの入力に応じて、入力されたオブジェクトを拡張した拡張オブジェクトを生成するように学習させた学習済みモデルを利用して生成される
請求項8に記載の仮想空間制御装置。
【請求項10】
仮想空間制御装置における仮想空間制御方法であって、
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御ステップ
を備える仮想空間制御方法。
【請求項11】
コンピュータを、
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間制御装置、仮想空間制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
3D画像による美術品を展示するバーチャル美術館を3D画像により構築するようにされた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-296587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮想空間において美術品等の作品としてのオブジェクトを展示するにあたっては、ユーザが美術品の有する世界観、雰囲気といったものに没入できる環境が整えられれば、鑑賞の面白みも増して好ましい。
【0005】
本発明は、上記した課題を考慮して、仮想空間に配置されるオブジェクトが有する世界観にユーザが没入しやすい環境を提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御部を備える仮想空間制御装置である。
【0007】
本発明の一態様は、仮想空間制御装置における仮想空間制御方法であって、仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御ステップを備える仮想空間制御方法である。
【0008】
本発明の一態様は、コンピュータを、仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、仮想空間に配置されるオブジェクトが有する世界観にユーザが没入しやすい環境を提供できるようになるとの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態における仮想空間制御システムの全体的な構成例を示す図である。
図2】本実施形態における平面拡張の態様例を示す図である。
図3】本実施形態における平面拡張の態様例を示す図である。
図4】本実施形態における平面拡張の態様例を示す図である。
図5】本実施形態における平面拡張の態様例を示す図である。
図6】本実施形態における空間内壁拡張の態様例を示す図である。
図7】本実施形態における空間内壁拡張の態様例を示す図である。
図8】本実施形態における空間内壁拡張の態様例を示す図である。
図9】本実施形態における空間内壁拡張の態様例を示す図である。
図10】本実施形態における空間内壁拡張の態様例を示す図である。
図11】本実施形態における空間内壁拡張の態様例を示す図である。
図12】本実施形態における空間内壁拡張の態様例を示す図である。
図13】本実施形態における仮想空間制御装置の機能構成例を示す図である。
図14】本実施形態における原オブジェクトデータの構造例を示す図である。
図15】本実施形態における拡張オブジェクトデータの構造例を示す図である。
図16】本実施形態における仮想空間制御装置が、美術品オブジェクトの拡張に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
[仮想空間制御システムの全体的な構成例]
図1は、本実施形態における仮想空間制御システムの全体的な構成例を示している。本実施形態の仮想空間制御システムは、仮想空間制御装置100と1以上のユーザ端末200とを備える。
仮想空間制御装置100とユーザ端末200とはネットワーク経由で通信可能に接続される。
【0012】
仮想空間制御装置100は、美術品を再現した3次元による美術品オブジェクトを配置した3次元の仮想空間(メタバース)を構築する。このような仮想空間は、例えば、美術品が展示された実在もしくは仮想の美術館を再現したものであってよい。
仮想空間制御装置100は、仮想空間においてユーザ端末200に対応するユーザのアバターを存在させることで、仮想空間による美術館(仮想美術館)にてアバターが美術品を鑑賞する環境を提供する。
【0013】
また、ユーザは、ユーザ端末200により、仮想空間内に存在する対応のアバターの行動を指示するなど、対応のアバターに関する各種操作を行うことも可能とされる。
【0014】
仮想空間制御装置100は、ネットワーク上に存在する単一のサーバ等の装置として設けられてもよいし、ネットワーク上において複数に分散されて各々が所定の機能を有するサーバ等の装置間で連携して処理を実行することにより実現されてもよい。
【0015】
ユーザ端末200は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルVR端末等であってよい。
【0016】
[美術品オブジェクト拡張の概要]
ユーザは、ユーザ端末200を操作して、仮想美術館内にてアバターに美術品を鑑賞させるように行動させることができる。ユーザは、ユーザ端末200にて表示される仮想美術館の映像により、自身に対応するアバターが仮想美術館にて美術品を鑑賞している様子を通じて、自身も仮想美術館内の美術品を鑑賞することになる。
【0017】
本実施形態においては、アバターが仮想美術館にて1つの美術品としてのオブジェクト美術品を鑑賞するにあたり、当該美術品としてのオブジェクトが仮想美術館内で時間経過に応じて拡張されていくようにして変化が与えられる。
【0018】
本実施形態において美術品としてのオブジェクトが拡張される態様(拡張状態)として、平面拡張と空間内壁拡張との2例を挙げる。
平面拡張は、例えば絵画としての平面的なオブジェクトが時間経過に応じて平面方向に沿って拡張していくようにされる拡張状態である。
空間内壁拡張は、仮想美術館において設定された所定形状の三次元空間の内壁に沿って二次元的な絵画としてのオブジェクトが時間経過に応じて三次元的に拡張していくようにされる拡張状態である。
【0019】
[平面拡張の態様例]
図2図5を参照して、平面拡張の一態様例について説明する。
図2においては、仮想美術館内にてある1つの絵画としての美術品オブジェクトOBJが壁に掛けられた状態で展示されており、当該美術品オブジェクトOBJに向かってアバターAVTが近づいている様子の映像が示されている。また、図2においては、美術品オブジェクトOBJの手前から所定の距離を隔てた床の位置にて、拡張トリガエリアAR(トリガ領域、拡張状態標示の一例)が示されている。
【0020】
ユーザは、図2の仮想美術館にて展示されている美術品オブジェクトOBJを拡張させたい場合には、ユーザ端末200を操作して、アバターAVTが拡張トリガエリアARに位置するように移動させる。拡張トリガエリアARは、対応の美術品オブジェクトOBJについて平面拡張が可能であることを示すとともに、平面拡張のトリガを発生させる位置であることを示す。
【0021】
アバターAVTが拡張トリガエリアARに位置したことに応じて、図2に示されるオリジナルの美術品オブジェクトOBJの状態を起点として、美術品オブジェクトOBJが拡張を開始する。
図3は、美術品オブジェクトOBJが拡張を開始して或る時間を経過したときの様子を示している。同図における矢印A~Dは、美術品オブジェクトOBJが拡張される方向を示している。
同図に示されるように、美術品オブジェクトOBJは、展示されている壁面に沿って、図2の初期状態からさらに上下左右の各方向に拡張されている。つまり、美術品オブジェクトOBJは、壁に対応する平面方向に沿って拡張されている。
【0022】
同図に示される美術品オブジェクトOBJの拡張としては、図2に示した初期状態の絵画を拡大させていくのではなく、初期状態の絵画につながる描写部分が新たに描画されていくようにして延伸されていくものとなる。
【0023】
図4は、図3の状態に対応するときから或る時間を経過したことに応じて、美術品オブジェクトOBJがさらに図3の状態から拡張された状態を示している。
同図においては、美術品オブジェクトOBJは、図3の状態からさらに上下左右の各方向に拡張されている。そのうえで、下方向への拡張部分については、矢印Bにより示されるように、床に対応する位置にまで拡張されると、さらに床に沿って手前に延伸していくようにしてさらに拡張していくようにされている。
【0024】
図5は、図4の状態からさらに或る時間を経過して、美術品オブジェクトOBJの拡張が完了した段階の様子を示している。
同図における美術品オブジェクトOBJは、図4の状態からさらに各方向に拡張されており、床部分においては、アバターAVTが位置していた拡張トリガエリアARまでも含む程度にまで延伸されている。
このような状態では、アバターAVTが絵画により表される環境内にて存在しているような状態となることから、同図の映像をユーザ端末200により鑑賞しているユーザも、同様に絵画により表される環境内にて存在しているかのような感覚を有することができる。つまり、美術品オブジェクトOBJが拡張されることで、仮想美術館にて展示される美術品オブジェクトOBJとしての絵画が有する世界観にユーザが没入しやすい環境が得られる。
【0025】
また、美術品オブジェクトOBJが拡張を開始した後は、拡張トリガエリアARの外にアバターAVTが移動しても美術品オブジェクトOBJの拡張が継続されてよい。この場合、ユーザは、仮想美術館内の床にて拡張されている美術品オブジェクトOBJの上でアバターAVTを移動させつつ視点も移動させながら鑑賞することも可能とされる。これにより、ユーザは、アバターAVTの行動を通じて、自分も拡張された美術品オブジェクトOBJを目の前にして鑑賞しているかのような感覚を得ることができる。
【0026】
なお、拡張の対象とされた美術品オブジェクトOBJの周囲に、拡張トリガエリアARに到達して美術品オブジェクトOBJの拡張を開始させたアバターAVT以外のアバターも存在している場合がある。
この場合において、拡張されている美術品オブジェクトOBJの様子は、アバターAVT以外のアバターに対応するユーザのユーザ端末200においても同様に表示されてよい。あるいは、逆に、アバターAVT以外のアバターに対応するユーザのユーザ端末200においては反映されずに、美術品オブジェクトOBJが拡張されていない様子が表示されるようにしてもよい。
【0027】
なお、美術品オブジェクトOBJの鑑賞を終えたユーザが、アバターAVTを拡張された美術品オブジェクトOBJの外に移動させる操作を行うことで、美術品オブジェクトOBJが拡張前の図2の状態に戻るようにされてよい。
【0028】
なお、美術品オブジェクトOBJが拡張している途中において、アバターAVTが美術品オブジェクトOBJから所定以上の距離となるまで移動したことに応じて、美術品オブジェクトOBJが拡張を中断して拡張前の図2の状態に戻るようにされてもよい。
【0029】
[空間内壁拡張の態様例]
次に、図6図12を参照して、空間内壁拡張の一態様例について説明する。
図6は、仮想美術館にて展示される美術品オブジェクトOBJのうち、空間内壁拡張が可能な或る1つの美術品オブジェクトOBJの近傍にまでアバターAVTが位置した状態を示している。
同図における美術品オブジェクトOBJは、絵画とされて、仮想美術館内の壁に掛けられた状態で展示されている。また、この場合の美術品オブジェクトOBJの周囲は、例えば、当該美術品オブジェクトOBJとしての絵画の内容が渦巻き状に動かされている状態(拡張状態標示の一例)となっていることで、当該美術品オブジェクトOBJについては空間内壁拡張が可能であることが表されている。
【0030】
ユーザは、同図の美術品オブジェクトOBJについて空間内壁拡張された様子を鑑賞しようとする場合には、ユーザは、美術品オブジェクトOBJが収められた額縁の中にアバターAVTを入り込ませるようなイメージでアバターAVTを移動させる操作(空間入場操作)をユーザ端末200により行う。空間入場操作が行われたことに応じて、アバターAVTは、空間内壁拡張が行われる三次元空間であるオブジェクト拡張空間(トリガ領域の一例)内に入場する。
【0031】
なお、オブジェクト拡張空間への入場の態様は、上記の例に限定されない。オブジェクト拡張空間への入場の態様は、例えば仮想美術館内に設けられた所定形状の室内に入場するといった態様であってもよい。また、仮想美術館の美術品オブジェクトOBJの近傍に設けられた入場ボタンをユーザ(あるいはユーザ端末200に対するユーザ操作に応じて行動するアバターAVT)が操作することに応じて、アバターAVTがオブジェクト拡張空間に入場可能となるようにされてもよい。
【0032】
図7は、アバターAVTがオブジェクト拡張空間内に入場したときの状態が示されている。同図では、オブジェクト拡張空間が半球による天面と平らな底面とによる形状とされた例を示している。同図に示されるように、オブジェクト拡張空間内では、図6において示されていたオリジナル(拡張前)の美術品オブジェクトOBJの状態を起点として、オブジェクト拡張空間の内壁に沿って延伸するようにして拡張されていく。
なお、オブジェクト拡張空間は、半球による天面と平らな底面とによる形状に限定されない。オブジェクト拡張空間は、例えば直方体、立方体、三角錐、円錐、球面以外の曲面を有する形状等であってよい。
【0033】
図8は、図7の状態から或る時間を経過したときの拡張途中のオブジェクト拡張空間内の様子を示している。
図9は、図7の状態からさらに或る時間を経過したときの拡張途中のオブジェクト拡張空間内の様子を示している。
図10は、図8の状態からさらに或る時間を経過したときの拡張途中のオブジェクト拡張空間内の様子を示している。
図7図10に示されるように、美術品オブジェクトOBJは、オブジェクト拡張空間の半天球面と内壁の底面とに沿って時間経過に応じて延伸していくようにして拡張される。
【0034】
図11図12は、美術品オブジェクトOBJの拡張が完了した状態のオブジェクト拡張空間内の様子を示している。
図11図12に示されるように、美術品オブジェクトOBJが拡張されたオブジェクト拡張空間内ではアバターAVTが移動したり視点を変更したりすること可能とされている。オブジェクト拡張空間内にてアバターAVTが移動することに応じて、オブジェクト拡張空間内を観察する視点も変更されることから、図11図12とでは、観察される美術品オブジェクトOBJとしての風景の視野が異なっている。
【0035】
ユーザ端末200には、上記のような図6図12に示される態様の映像が表示される。このように表示される映像を視ることで、ユーザは、平空間において360度方向で美術品オブジェクトOBJとしての絵画が有する世界観、イメージを体験することができる。このため、空間内壁拡張によってもユーザが没入しやすい環境が得られる。
【0036】
オブジェクト拡張空間においては、アバターAVTがオブジェクト拡張空間から退出して仮想美術館のフロアに戻るための出口が設けられてよい。アバターAVTが出口から仮想美術館のフロアに戻ることに応じて、空間内壁拡張空間における美術品オブジェクトOBJの拡張が解除されてよい。
【0037】
なお、例えばアバターAVTとともに、他のアバターも一緒に行動しているような場合において、アバターAVTの後から他のアバターがオブジェクト拡張空間に入場してきたときには、既に入場しているアバターAVTのユーザに見えているのと同じように拡張されている美術品オブジェクトOBJの状態が他のアバターのユーザにも見えるようにされてよい。
あるいは、アバターAVTの後から他のアバターがオブジェクト拡張空間に入場してきた場合には、アバターAVTとは無関係に、美術品オブジェクトOBJの拡張が開始される様子が他のアバターのユーザに見えるようにされてよい。
【0038】
[仮想空間制御装置の機能構成例]
図13は、仮想空間制御装置100の機能構成例を示している。同図に示される仮想空間制御装置100としての機能は、仮想空間制御装置100としてのハードウェアが有するCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
同図の仮想空間制御装置100は、通信部101、制御部102、および記憶部103を備える。
【0039】
通信部101は、ネットワーク経由でユーザ端末200と通信可能に接続する。
【0040】
制御部102は、仮想空間制御装置100における各種の制御を実行する。制御部102は、拡張オブジェクトデータ生成部121と仮想空間制御部122とを備える。
【0041】
拡張オブジェクトデータ生成部121は、仮想美術館において展示される美術品オブジェクトOBJに対応する拡張オブジェクトデータを生成する。
拡張オブジェクトデータは、図2図10に示したように、美術品オブジェクトOBJを拡張させたデータである。拡張オブジェクトデータ生成部121は、オリジナルの美術品オブジェクトのデータ(原オブジェクトデータ)を利用して、拡張オブジェクトデータを生成してよい。
【0042】
拡張オブジェクトデータ生成部121は、原オブジェクトデータの入力に応じて、原オブジェクトデータが示す絵画の内容を拡張させるようにされた学習済みモデルを利用して拡張オブジェクトデータを生成してよい。このような学習済みモデルは、例えば具体的には、入力された原オブジェクトが示すオリジナルの絵画の内容に基づいて、当該絵画の内容に対して自然につながる態様の周辺のオブジェクトのデータを生成するように学習モデルを学習させることにより構築されてよい。
拡張オブジェクトデータ生成部121が生成した拡張オブジェクトデータは、拡張オブジェクトデータ記憶部133が記憶する。
【0043】
なお、拡張オブジェクトデータ生成部121としての機能は仮想空間制御装置100以外の外部の装置が備えてよい。この場合には、拡張オブジェクトデータ生成部121としての機能を有する外部の装置が生成した拡張オブジェクトデータが、所定の伝送経路で仮想空間制御装置100に伝送され、仮想空間制御装置100が伝送されたデータを拡張オブジェクトデータ記憶部133に記憶させてよい。
【0044】
仮想空間制御部122は、本実施形態の仮想美術館を構築し、構築された仮想美術館内でアバターAVTを行動させる制御を行う。また、仮想空間制御部122は、美術品オブジェクトOBJを拡張させる制御を行う。
【0045】
記憶部103は、仮想空間制御装置100に対応する各種の情報を記憶する。記憶部103は、仮想空間データ記憶部131、原オブジェクトデータ記憶部132、および拡張オブジェクトデータ記憶部133を備える。
【0046】
仮想空間データ記憶部131は、仮想空間制御部122が仮想美術館としての仮想空間を構築するのに用いるデータ(仮想空間データ)を記憶する。仮想空間構築データは、仮想美術館としての構造物を構築するデータを含む。また、仮想美術館の映像とともに出力される音を再現するオーディオデータも含まれてよい。
【0047】
原オブジェクトデータ記憶部132は、原オブジェクトデータを記憶する。原オブジェクトデータは、仮想美術館において展示される、拡張されていないオリジナルの美術品オブジェクトOBJを再現するオブジェクトデータである。
仮想空間制御部122は、原オブジェクトデータを利用して仮想美術館において展示する拡張前の状態の美術品オブジェクトOBJを再現する。
【0048】
図14は、原オブジェクトデータ記憶部132が1つの美術品オブジェクトOBJに対応して記憶する原オブジェクトデータの構造例を示している。同図に示されるように、1つの美術品オブジェクトOBJに対応する原オブジェクトデータは、対応の美術品オブジェクトOBJを一意に示すオブジェクトIDが対応付けられる構造を有する。
【0049】
説明を図13に戻す。拡張オブジェクトデータ記憶部133は、拡張オブジェクトデータ生成部121が生成した拡張オブジェクトデータを記憶する。
【0050】
図15は、拡張オブジェクトデータ記憶部133が1つの美術品オブジェクトOBJに対応して記憶する拡張オブジェクトデータの構造例を示している。
同図に示されるように、1つの原オブジェクトに対応する拡張オブジェクトデータは、対応の美術品オブジェクトOBJを一意に示すオブジェクトIDが対応付けられる構造を有する。
同図の拡張オブジェクトデータのフィールドに格納される拡張オブジェクトデータは、対応の美術品オブジェクトOBJが平面拡張するものとされている場合には、対応の美術品オブジェクトOBJの平面拡張を再生する平面拡張オブジェクトデータとなり、空間内拡張するものとされている場合には、美術品オブジェクトOBJの空間内壁拡張を再生する空間内拡張オブジェクトデータとなる。
【0051】
図14および図15から理解されるように、本実施形態においては、同じ美術品オブジェクトOBJに対応する原オブジェクトデータと拡張オブジェクトデータとに対して、対応の美術品オブジェクトOBJに付与されたオブジェクトIDを対応付けて記憶するようにしている。これにより、同じ美術品オブジェクトOBJに対応する原オブジェクトデータと拡張オブジェクトデータとを対応付けることができる。
【0052】
なお、仮想美術館において展示される全ての美術品オブジェクトOBJが拡張可能とされなくともよく、仮想美術館において展示される一部の美術品オブジェクトOBJが拡張可能とされてもよい。この場合、拡張オブジェクトデータ記憶部133は、原オブジェクトデータ記憶部132に記憶される全ての原オブジェクトデータのうち、対応の美術品オブジェクトOBJについて拡張可能とされた原オブジェクトデータに対応する拡張オブジェクトデータを記憶してよい。
【0053】
[処理手順例]
図16のフローチャートを参照して、本実施形態の仮想空間制御装置100が、美術品オブジェクトOBJの拡張に関連して実行する処理手順例について説明する。同図の処理は、平面拡張と空間内壁拡張とで共通とされてよい。
【0054】
ステップS100:仮想空間制御装置100において仮想空間制御部122は、拡張トリガが発生するのを待機する。
拡張トリガは、対象の美術品オブジェクトOBJが平面拡張するものである場合には、アバターAVTが拡張トリガエリアAR内に到達したことに応じて発生される。また、拡張トリガは、対象の美術品オブジェクトOBJが空間内壁拡張するものである場合には、仮想空間制御部122が、ユーザ端末200に対して行われた空間入場操作を受け付けたことに応じて発生される。
【0055】
ステップS102:拡張トリガが発生すると、仮想空間制御部122は、対象の美術品オブジェクトOBJのオブジェクトIDに対応付けられた拡張オブジェクトデータを、拡張オブジェクトデータ記憶部133から取得する。
【0056】
ステップS104:仮想空間制御部122は、取得した拡張オブジェクトデータを再生することで、平面拡張または空間内壁拡張により美術品オブジェクトOBJを拡張させる。
【0057】
ステップS106:仮想空間制御部122は、美術品オブジェクトOBJが拡張されている状態において、拡張範囲内にてアバターAVTを移動させる操作が行われたか否かを判定する。
ここでの拡張範囲は、平面拡張の場合には、例えば仮想美術館の床にて拡張されている美術品オブジェクトOBJの範囲であってよい。また、拡張範囲は、空間内壁拡張の場合には、オブジェクト拡張空間内とされてよい。
【0058】
ステップS108:拡張範囲内にてアバターAVTを移動させる操作が行われたことに応じて、仮想空間制御部122は、操作に応じた方向、速度で拡張範囲内にてアバターAVTを移動させる。
【0059】
ステップS110:ステップS106にてアバターAVTを移動させる操作は行われていないと判定された場合、あるいはステップS108の処理の後、仮想空間制御部122は、ユーザ端末200に対して視点を変更する操作(視点変更操作)が行われたか否かを判定する。視点変更操作により変更される視点は、アバターAVTの視線の方向として指定されてもよいし、アバターAVTとは無関係に任意に指定されてもよい。
【0060】
ステップS112:視点変更操作が行われた場合、仮想空間制御部122は、視点移動操作により指定された視点に変更する。
【0061】
ステップS106~ステップS112の処理により、アバターAVTが拡張範囲内に存在しているときに、ユーザがユーザ端末200を操作することにより、アバターAVTの移動、視点の変更が可能とされる。
【0062】
ステップS114:ステップS110にて視点変更操作が行われないと判定された場合、あるいはステップS112の処理の後、仮想空間制御部122は、アバターAVTが拡張範囲外に移動したか否かを判定する。
アバターAVTが拡張範囲外に移動していないと判定した場合には、ステップS106に処理が戻される。
【0063】
ステップS116:アバターAVTが拡張範囲外に移動すると、仮想空間制御部122は、これまでの美術品オブジェクトOBJの拡張を解除する。
【0064】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。以下の変形例は、適宜組み合わされてよい。
【0065】
例えば風景が描写されている絵画等の美術品オブジェクトOBJを拡張している際には、例えば、風により草木、人物の髪や衣類等がなびいていたり、雲が動いていたりする様子などが表されるようにしてよい。この場合には、拡張された美術品オブジェクトOBJに動きを与えるように生成された拡張オブジェクトデータが利用されてよい。
さらには、拡張オブジェクトデータに音のデータも含めることで、美術品オブジェクトOBJの内容に応じて、例えば周囲において聞こえる人、動物、風、川の流れ、雨等の音がユーザ端末200にて出力されるようにしてよい。
【0066】
例えば、屋外の様子が描写された絵画等の美術品オブジェクトOBJを拡張している際に、現在における現実の天候が反映されるようにしてよい。
具体的には、美術品オブジェクトOBJが拡張されている空間範囲の様子として、現在の天候が晴天であれば、例えば日なたと日陰が明確となって晴天であることが分かる様子が描写され、現在の天候が雨なのであれば、美術品オブジェクトOBJが拡張されている空間範囲においても雨が降っている状態が表現されるようにしてよい。
このように現実の天候に応じて拡大された美術品オブジェクトOBJにおける表現を変更するには、例えば拡張オブジェクトデータ生成部121が、通信部101経由で気象情報を提供するウェブサイト等から現在の天候を取得し、取得した天候を反映させた拡張オブジェクトデータを生成してよい。仮想空間制御部122が生成された拡張オブジェクトデータを再生することで、現在の天候が反映された描写が付与されるようにして美術品オブジェクトOBJが拡張される。
【0067】
上記実施形態においては、オリジナルの美術品オブジェクトOBJの全体を起点とするようにして拡張するようにされていたが、オリジナルの美術品オブジェクトOBJにおける所定の一部を起点として拡張が行われるようにされてよい。また、仮想美術館において展示されるオリジナルの状態の美術品オブジェクトOBJは、全体が展示されてもよいし、所定の一部が展示されていてもよい。
【0068】
本実施形態において拡張の対象とされる美術品オブジェクトは、絵画に限定されるものではなく、例えば彫刻、写真、彫刻、書道、陶芸、工芸品等の美術品を再現するものであってよい。また、拡張の対象とされるオブジェクトは美術品に限定されるものではなく、例えば写真、幼児等が描いた絵、花や果物等をはじめとする各種植物、仮想空間における住宅に備えられる所定の物品等であってもよい。
【0069】
なお、上述の仮想空間制御装置100およびユーザ端末200等としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の仮想空間制御装置100およびユーザ端末200等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるHDD、SSD等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0070】
<付記>
(1)本実施形態の一態様は、仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御部を備える仮想空間制御装置である。
【0071】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の仮想空間制御装置であって、前記仮想空間制御部は、前記拡張状態として、前記オブジェクトが所定の平面方向にて延伸していく平面拡張の状態を再生してよい。
【0072】
(3)本実施形態の一態様は、(2)に記載の仮想空間制御装置であって、前記仮想空間において、前記平面拡張が行われるオブジェクトに対して、前記平面拡張が可能なオブジェクトであることを示す拡張状態標示が設けられてよい。
【0073】
(4)本実施形態の一態様は、(1)または(2)に記載の仮想空間制御装置であって、前記仮想空間制御部は、前記拡張状態として、拡張するオブジェクトが所定形状のオブジェクト拡張空間の内壁を延伸していく空間内壁拡張の状態を再生してよい。
【0074】
(5)本実施形態の一態様は、(4)に記載の仮想空間制御装置であって、前記仮想空間において、前記空間内壁拡張が行われるオブジェクトに対して、前記空間内壁拡張が可能なオブジェクトであることを示す拡張状態標示が設けられてよい。
【0075】
(6)本実施形態の一態様は、(1)から(5)のいずれか1つに記載の仮想空間制御装置であって、前記仮想空間制御部は、前記仮想空間において存在するアバターが、拡張対象のオブジェクトに対応して定められた前記仮想空間における所定のトリガ領域に到達したことに応じて、前記拡張状態の再生を開始してよい。
【0076】
(7)本実施形態の一態様は、(1)から(6)のいずれか1つに記載の仮想空間制御装置であって、前記仮想空間制御部は、前記オブジェクトが前記拡張状態にあるもとで、拡張されるオブジェクトに対する視点の変更が可能とされてよい。
【0077】
(8)本実施形態の一態様は、(1)から(7)のいずれか1つに記載の仮想空間制御装置であって、前記仮想空間制御部は、拡張前のオブジェクトの全体または一部を起点として拡張された内容を有する拡張オブジェクトのデータを利用して、前記拡張状態を再生してよい。
【0078】
(9)本実施形態の一態様は、(8)に記載の仮想空間制御装置であって、前記拡張オブジェクトのデータは、拡張前のオブジェクトの入力に応じて、入力されたオブジェクトを拡張した拡張オブジェクトを生成するように学習させた学習済みモデルを利用して生成されるものであってよい。
【0079】
(10)本実施形態の一態様は、仮想空間制御装置における仮想空間制御方法であって、仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御ステップを備える仮想空間制御方法である。
【0080】
(11)本実施形態の一態様は、コンピュータを、仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御部として機能させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0081】
100 仮想空間制御装置、101 通信部、102 制御部、103 記憶部、121 拡張オブジェクトデータ生成部、122 仮想空間制御部、131 仮想空間データ記憶部、132 原オブジェクトデータ記憶部、133 拡張オブジェクトデータ記憶部、200 ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが時間経過に応じて所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御部
を備える仮想空間制御装置。
【請求項2】
前記仮想空間制御部は、前記拡張状態として、前記オブジェクトが所定の平面方向にて延伸していく平面拡張の状態を再生する
請求項1に記載の仮想空間制御装置。
【請求項3】
前記仮想空間において、前記平面拡張が行われるオブジェクトに対して、前記平面拡張が可能なオブジェクトであることを示す拡張状態標示が設けられる
請求項2に記載の仮想空間制御装置。
【請求項4】
前記仮想空間制御部は、前記拡張状態として、拡張するオブジェクトが所定形状のオブジェクト拡張空間の内壁を延伸していく空間内壁拡張の状態を再生する
請求項1に記載の仮想空間制御装置。
【請求項5】
前記仮想空間において、前記空間内壁拡張が行われるオブジェクトに対して、前記空間内壁拡張が可能なオブジェクトであることを示す拡張状態標示が設けられる
請求項4に記載の仮想空間制御装置。
【請求項6】
前記仮想空間制御部は、前記仮想空間において存在するアバターが、拡張対象のオブジェクトに対応して定められた前記仮想空間における所定のトリガ領域に到達したことに応じて、前記拡張状態の再生を開始する
請求項1から5のいずれか一項に記載の仮想空間制御装置。
【請求項7】
前記仮想空間制御部は、前記オブジェクトが前記拡張状態にあるもとで、拡張されるオブジェクトに対する視点の変更が可能とされる
請求項1から5のいずれか一項に記載の仮想空間制御装置。
【請求項8】
前記仮想空間制御部は、拡張前のオブジェクトの全体または一部を起点として拡張された内容を有する拡張オブジェクトのデータを利用して、前記拡張状態を再生する
請求項1から5のいずれか一項に記載の仮想空間制御装置。
【請求項9】
前記拡張オブジェクトのデータは、拡張前のオブジェクトの入力に応じて、入力されたオブジェクトを拡張した拡張オブジェクトを生成するように学習させた学習済みモデルを利用して生成される
請求項8に記載の仮想空間制御装置。
【請求項10】
仮想空間制御装置における仮想空間制御方法であって、
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが時間経過に応じて所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御ステップ
を備える仮想空間制御方法。
【請求項11】
コンピュータを、
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが時間経過に応じて所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御部
として機能させるためのプログラム。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが時間経過に応じて所定の態様で拡張していく拡張状態として、前記オブジェクトが所定の平面方向にて延伸していく平面拡張の状態を再生する仮想空間制御部を備え
前記仮想空間において、前記平面拡張が行われるオブジェクトに対して、前記平面拡張が可能なオブジェクトであることを示す拡張状態標示が設けられる
仮想空間制御装置。
【請求項2】
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが時間経過に応じて所定の態様で拡張していく拡張状態として、拡張するオブジェクトが所定形状のオブジェクト拡張空間の内壁を延伸していく空間内壁拡張の状態を再生する仮想空間制御部
を備える仮想空間制御装置。
【請求項3】
前記仮想空間において、前記空間内壁拡張が行われるオブジェクトに対して、前記空間内壁拡張が可能なオブジェクトであることを示す拡張状態標示が設けられる
請求項に記載の仮想空間制御装置。
【請求項4】
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが時間経過に応じて所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御部を備え、
前記仮想空間制御部は、前記仮想空間において存在するアバターが、拡張対象のオブジェクトに対応して定められた前記仮想空間における所定のトリガ領域に到達したことに応じて、前記拡張状態の再生を開始する
仮想空間制御装置。
【請求項5】
前記仮想空間制御部は、前記オブジェクトが前記拡張状態にあるもとで、拡張されるオブジェクトに対する視点の変更が可能とされる
請求項1からのいずれか一項に記載の仮想空間制御装置。
【請求項6】
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが時間経過に応じて所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御部を備え、
前記仮想空間制御部は、拡張前のオブジェクトの全体または一部を起点として拡張された内容を有する拡張オブジェクトのデータを利用して、前記拡張状態を再生する
仮想空間制御装置。
【請求項7】
前記拡張オブジェクトのデータは、拡張前のオブジェクトの入力に応じて、入力されたオブジェクトを拡張した拡張オブジェクトを生成するように学習させた学習済みモデルを利用して生成される
請求項に記載の仮想空間制御装置。
【請求項8】
仮想空間制御装置における仮想空間制御方法であって、
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが時間経過に応じて所定の態様で拡張していく拡張状態として、前記オブジェクトが所定の平面方向にて延伸していく平面拡張の状態を再生する仮想空間制御ステップを備え
前記仮想空間において、前記平面拡張が行われるオブジェクトに対して、前記平面拡張が可能なオブジェクトであることを示す拡張状態標示が設けられる
仮想空間制御方法。
【請求項9】
仮想空間制御装置における仮想空間制御方法であって、
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが時間経過に応じて所定の態様で拡張していく拡張状態として、拡張するオブジェクトが所定形状のオブジェクト拡張空間の内壁を延伸していく空間内壁拡張の状態を再生する仮想空間制御ステップ
を備える仮想空間制御方法。
【請求項10】
仮想空間制御装置における仮想空間制御方法であって、
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが時間経過に応じて所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御ステップを備え、
前記仮想空間制御ステップは、前記仮想空間において存在するアバターが、拡張対象のオブジェクトに対応して定められた前記仮想空間における所定のトリガ領域に到達したことに応じて、前記拡張状態の再生を開始する
仮想空間制御方法。
【請求項11】
仮想空間制御装置における仮想空間制御方法であって、
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが時間経過に応じて所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御ステップを備え、
前記仮想空間制御ステップは、拡張前のオブジェクトの全体または一部を起点として拡張された内容を有する拡張オブジェクトのデータを利用して、前記拡張状態を再生する
仮想空間制御方法。
【請求項12】
コンピュータを、
所定の平面方向にて延伸していく平面拡張が可能であることを示す拡張状態標示がオブジェクトに対して設けられる仮想空間において全体または一部が配置された前記オブジェクトを起点として、前記オブジェクトが時間経過に応じて所定の態様で拡張していく拡張状態として、前記平面拡張の状態を再生する仮想空間制御部
として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
コンピュータを、
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが時間経過に応じて所定の態様で拡張していく拡張状態として、拡張するオブジェクトが所定形状のオブジェクト拡張空間の内壁を延伸していく空間内壁拡張の状態を再生する仮想空間制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが時間経過に応じて所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御部として機能させるためのプログラムであって、
前記仮想空間制御部は、前記仮想空間において存在するアバターが、拡張対象のオブジェクトに対応して定められた前記仮想空間における所定のトリガ領域に到達したことに応じて、前記拡張状態の再生を開始する
プログラム。
【請求項15】
コンピュータを、
仮想空間において全体または一部が配置されたオブジェクトを起点として、前記オブジェクトが時間経過に応じて所定の態様で拡張していく拡張状態を再生する仮想空間制御部として機能させるためのプログラムであって、
前記仮想空間制御部は、拡張前のオブジェクトの全体または一部を起点として拡張された内容を有する拡張オブジェクトのデータを利用して、前記拡張状態を再生する
プログラム。