(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166714
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】光学シート、面光源装置および表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 5/00 20060101AFI20241122BHJP
F21V 9/08 20180101ALI20241122BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241122BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20241122BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241122BHJP
【FI】
G02B5/00 B
F21V9/08 400
F21S2/00 431
G02F1/13357
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083013
(22)【出願日】2023-05-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】高畑 聡
(72)【発明者】
【氏名】小川 一信
(72)【発明者】
【氏名】笹原 一紘
【テーマコード(参考)】
2H042
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H042AA10
2H391AA15
2H391AB02
2H391AB03
2H391AB04
2H391AB21
2H391AB40
2H391AC13
2H391AC25
2H391AC30
2H391AC32
2H391AD37
2H391EA13
3K244AA01
3K244BA16
3K244BA48
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA12
3K244GA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】上下方向および左右方向の映像光の出射を制御することが可能な表示装置が得られる光学シートを提供する。
【解決手段】基材層と、上記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、を備える光学シートであって、上記光学シートは、平面視において、第1方向に延びる一対の第1辺と、第2方向に延びる一対の第2辺と、を有する矩形形状を有し、上記光学機能層は、所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部と、隣り合う上記光透過部の間に形成される光吸収部と、を有し、上記光透過部の上記所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされる、光学シート。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層と、前記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、を備える光学シートであって、
前記光学シートは、平面視において、第1方向に延びる一対の第1辺と、第2方向に延びる一対の第2辺と、を有する矩形形状を有し、
前記光学機能層は、所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部と、隣り合う前記光透過部の間に形成される光吸収部と、を有し、
前記光透過部の前記所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされ、
前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向における光の透過率を100%としたときの、前記第3方向に対して前記第1方向側に±30°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率が、1%以下であり、
前記光透過部の延在方向が、前記第2方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する、光学シート。
【請求項2】
基材層と、前記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、を備える光学シートであって、
前記光学シートは、平面視において、第1方向に延びる一対の第1辺と、第2方向に延びる一対の第2辺と、を有する矩形形状を有し、
前記光学機能層は、所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部と、隣り合う前記光透過部の間に形成される光吸収部と、を有し、
前記光透過部の前記所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされ、
前記光学シートは、車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートであり、
前記光透過部の延在方向が、前記第2方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する、光学シート。
【請求項3】
前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向における光の透過率を100%としたときの、前記第3方向に対して前記第1方向側に±30°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率が、1%以下である、請求項2に記載の光学シート。
【請求項4】
前記光透過部と前記光吸収部との界面が、前記光学機能層の層面の法線に対して成す角度が、4.5°以上である、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の光学シート。
【請求項5】
前記光学機能層の入光側開口率が、35%以下である、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の光学シート。
【請求項6】
前記光吸収部の高さが、120μm以上である、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の光学シート。
【請求項7】
前記光吸収部のOD値が、3.5以上である、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の光学シート。
【請求項8】
前記光透過部の屈折率Ntと前記光吸収部の屈折率Nrとの差Nt-Nrが、0.05以下である、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の光学シート。
【請求項9】
前記光学シートが、車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートである、請求項1に記載の光学シート。
【請求項10】
請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の光学シートと、
前記光学シートに入射する光を射出する光源と、を備える、面光源装置。
【請求項11】
請求項10に記載の面光源装置と、
前記面光源装置に積層された表示パネルと、を備える、表示装置。
【請求項12】
光学シートを含む面光源装置と、前記面光源装置に積層された表示パネルと、を備える、表示装置であって、
前記光学シートは、基材層と、前記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、を備え、
前記光学機能層は、
所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部と、隣り合う前記光透過部の間に形成される光吸収部と、を有し、
前記光透過部の前記所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされ、
前記光学シートは、前記表示装置が設置された場合に、
前記光学シートの主面の法線方向における光の透過率を100%としたときに、前記法線方向から左右方向に±30°傾斜した方向における光の透過率の割合である相対透過率が1%以下であり、
前記法線方向から見た前記光透過部の延在方向が、鉛直方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する、表示装置。
【請求項13】
光学シートを含む面光源装置と、前記面光源装置に積層された表示パネルと、を備え、車の助手席前方に配置される表示装置であって、
前記光学シートは、基材層と、前記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、を備える光学シートであって、
前記光学機能層は、
所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部と、隣り合う前記光透過部の間に形成される光吸収部と、を有し、
前記光透過部の前記所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされ、
前記光学シートは、前記表示装置が車の助手席前方に設置された場合に、
前記光学シートの主面の法線方向から見た前記光透過部の延在方向が、鉛直方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する、表示装置。
【請求項14】
前記光学シートは、前記表示装置が車の助手席前方に設置された場合に、
前記光学シートの主面の法線方向における光の透過率を100%としたときの、前記法線方向から左右方向に±30°傾斜した方向における光の透過率の割合である相対透過率が1%以下である、請求項13に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学シート、面光源装置および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ、パソコンのモニター等の表示装置は、表示すべき映像を出射する映像源を備えるとともに、映像光の質を高めて観察者側に提供する光学シートが備えられている(例えば、特許文献1~特許文献3)。
【0003】
映像光の出射方向は正面、及び正面から上下左右の所定の角度の視野角とされることが多く、これにより正面のみでなくある程度角度を有する位置からも画面に映し出された映像を視認することができる。一方で、覗き見防止等、必要に応じて正面方向を主要な出射方向とし、視野角を制限することも行われており、そのための光学シートとして例えば特許文献4が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-080198号公報
【特許文献2】特開2015-014681号公報
【特許文献3】特開2017-215440号公報
【特許文献4】特開2006-171701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、自動車等の車両の助手席前方に、助手席に座る人の娯楽等を目的とした表示装置が配置される場合がある。このような助手席用表示装置においては、運転手による運転を妨げないように運転手側への映像光の出射を制御する事が求められる。しかしながら、従来の光学シートを助手席用表示装置に搭載した場合、正面における光の透過率(%)を100%としたときに、正面から左右方向に±30°傾斜した方向の光の透過率(%)の割合である相対透過率が10%程度となり、運転手側に出光が視認される。なお、左ハンドルの車両の場合、助手席用表示装置は、一般的には、運転手の正面方向に対して右方向に少なくとも30°程度傾斜した方向に配置される。同様に、右ハンドルの車両の場合、助手席用表示装置は、一般的には、運転手の正面方向に対して左方向に少なくとも30°程度傾斜した方向に配置される。
【0006】
図9(a)に、従来の光学シートの概略斜視図を示す。
図9(a)に示す光学シート90は、例えば、シートの一つの辺方向(
図9(a)においては第2方向D2)に沿って延在し、光を透過する部分(光透過部33)と光を吸収する部分(光吸収部34)とがシート面に沿って交互に並列された層(光学機能層32)を有する。このような光学シートは、光透過部33および光吸収部34の延在方向(
図9(a)においては第2方向D2)に対して直交する方向(
図9(a)においては第1方向D1)のみの視野角制御となり、平行方向(
図9(a)においては第2方向D2)の視野角制御が困難であった。そのため、
図9(b)に示すように、光学シート90を助手席用表示装置100に使用した場合に、車のフロントガラスに映像光が移りこむ場合がある。そのために、フロントガラスへの映り込みも制御(上下方向)することが求められる。なお、
図9(b)においては、表示装置100の光学シート以外の部材に関しては省略している。
【0007】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上下方向および左右方向の映像光の出射を制御することが可能な表示装置が得られる光学シートを提供すること、ひいては、車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートとして用いた場合に、運転手側への映像光の出射を制御することが可能であり、かつ、フロントガラスへの映像光の映り込みを制御することが可能な表示装置が得られる光学シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施形態は、基材層と、上記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、を備える光学シートであって、上記光学シートは、平面視において、第1方向に延びる一対の第1辺と、第2方向に延びる一対の第2辺と、を有する矩形形状を有し、上記光学機能層は、所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部と、隣り合う上記光透過部の間に形成される光吸収部と、を有し、上記光透過部の上記所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされ、上記第1方向および上記第2方向に直交する第3方向における光の透過率を100%としたときの、上記第3方向に対して上記第1方向側に±30°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率が、1%以下であり、上記光透過部の延在方向が、上記第2方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する、光学シートである。
【0009】
本開示の一実施形態は、基材層と、上記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、を備える光学シートであって、上記光学シートは、平面視において、第1方向に延びる一対の第1辺と、第2方向に延びる一対の第2辺と、を有する矩形形状を有し、上記光学機能層は、所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部と、隣り合う上記光透過部の間に形成される光吸収部と、を有し、上記光透過部の上記所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされ、上記光学シートは、車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートであり、上記光透過部の延在方向が、上記第2方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する、光学シートである。
【0010】
本開示の一実施形態は、上述の光学シートと、上記光学シートに入射する光を射出する光源と、を備える、面光源装置である。
【0011】
本開示の一実施形態は、上述の面光源装置と、上記面光源装置に積層された表示パネルと、を備える、表示装置である。
【0012】
本開示の一実施形態は、光学シートを含む面光源装置と、上記面光源装置に積層された表示パネルと、を備える、表示装置であって、上記光学シートは、基材層と、上記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、を備え、上記光学機能層は、所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部と、隣り合う上記光透過部の間に形成される光吸収部と、を有し、上記光透過部の上記所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされ、上記光学シートは、上記表示装置が設置された場合に、上記光学シートの主面の法線方向における光の透過率を100%としたときの、上記法線方向から左右方向に±30°傾斜した方向における光の透過率の割合である相対透過率が1%以下であり、上記法線方向から見た上記光透過部の延在方向が、鉛直方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する、表示装置である。
【0013】
本開示の一実施形態は、光学シートを含む面光源装置と、上記面光源装置に積層された表示パネルと、を備え、車の助手席前方に配置される表示装置であって、上記光学シートは、基材層と、上記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、を備える光学シートであって、上記光学機能層は、所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部と、隣り合う上記光透過部の間に形成される光吸収部と、を有し、上記光透過部の上記所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされ、上記光学シートは、上記表示装置が車の助手席前方に設置された場合に、上記光学シートの主面の法線方向から見た上記光透過部の延在方向が、鉛直方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する、表示装置である。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、上下方向および左右方向の映像光の出射を制御することが可能な表示装置が得られる光学シートを提供することができる。さらに、車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートとして用いた場合に、運転手側への映像光の出射を制御することが可能であり、かつ、フロントガラスへの映像光の映り込みを制御することが可能な表示装置が得られる光学シート等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の光学シートの一例を示す概略斜視図である。
【
図2】本開示の光学シートの一例を示す概略断面図である。
【
図3】本開示の光学シートの一例を示す概略平面図である。
【
図4】本開示の光学シートの一例を示す概略断面図である
【
図5】本開示の表示装置の一例を示す分解斜視図である。
【
図6】本開示の表示装置の一例を示す分解断面図の一部である。
【
図7】本開示の表示装置の一例を示す分解断面図の一部である。
【
図8】本開示の表示装置を、助手席用表示装置として配置した車内前方の概略図および表示装置の正面図である。
【
図9】従来の光学シートの概略斜視図および助手席用表示装置として配置した車内前方の概略図である。
【
図10】実施例4および比較例8の光学シートの相対透過率(左右方向)を測定した結果、および実施例4および比較例8の光学シートを含む表示装置の観察図である。
【
図11】実施例4および比較例8の光学シートの相対透過率(上下方向)を測定した結果、および実施例4および比較例8の光学シートを含む表示装置の観察図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0017】
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」、あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面側に」または「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
【0018】
以下、本開示の光学シート、面光源装置および表示装置について、詳細に説明する。
【0019】
A-1.光学シート(第1実施形態)
本実施形態の光学シートは、基材層と、上記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、を備える光学シートであって、上記光学シートは、平面視において、第1方向に延びる一対の第1辺と、第2方向に延びる一対の第2辺と、を有する矩形形状を有し、上記光学機能層は、所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部と、隣り合う上記光透過部の間に形成される光吸収部と、を有し、上記光透過部の上記所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされ、上記第1方向および上記第2方向に直交する第3方向における光の透過率を100%としたときの、上記第3方向に対して上記第1方向側に±30°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率が、1%以下であり、上記光透過部の延在方向が、上記第2方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する、光学シートである。
【0020】
本実施形態の光学シートについて、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態の光学シートの一例を示す概略斜視図である。また、
図2は、
図1にI-Iで示した線に沿って切断した光学シートの断面図を示す。
図3は、
図1に示した光学シートを、基材層1から光学機能層2へ向かう方向(-D3方向)に沿って見た平面図である。
図4は、
図2に示した光学シートの拡大断面図である。なお、第3方向D3のうち、光学機能層2から基材層1へ向かう方向を+D3方向とし、基材層1から光学機能層2へ向かう方向を-D3方向とする。
図1~
図3には、光学シートが表示装置に使用された際の、表示装置が設置された姿勢における向き(鉛直方向および水平方向)を併せて表示しているが、設置姿勢はこれに限定されない。例えば、光学シートが表示装置に使用された際、
図1に示すように、表示装置は第2方向D2が鉛直方向となるような姿勢で配置されることが好ましいが、この姿勢に限定されない。以下、各部材について説明する。
【0021】
図1~
図4に示すように、本実施形態の光学シート10Aは、シート状に形成された基材層1と、基材層1の一方の面に設けられた光学機能層2と、を備えている。基材層1および光学機能層2は、第3方向D3に沿って積層されている。また、
図3に示すように、本実施形態における光学シート10Aは、平面視において、第1方向に延びる一対の第1辺L1と、第2方向に延びる一対の第2辺L2と、を有する矩形形状を有している。
【0022】
光学機能層2は、所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部3と、隣り合う光透過部3の間に形成される光吸収部4と、を有している。
図2に示すように、D1-D3面で切断した光透過部3の断面は台形であり、短い上底が入光側(光源側)とされる。本実施形態においては、
図2に示すように、第3方向D3における光の透過率を100%としたときに、第3方向D3に対して第1方向側に±30°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率が、1%以下である。さらに、
図3に示すように、光透過部3の延在方向が、第2方向に対して、5°以上、20°以下の角度θを有している。
【0023】
本実施形態の光学シート10Aによれば、第3方向D3における光の透過率を100%としたときに、第3方向D3に対して第1方向側に±30°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率が、所定の値以下であるため、第1方向D1の出光角を制御することが可能となる。さらに、第1方向D1の出光角が制御されている状態において、光透過部3の延在方向が、第2方向D2に対して、5°以上、20°以下の角度θを有していることにより、第2方向D2の出光角の制御が可能となる。これは、D1方向の視野角が非常に狭い特性をもっており、かつ、その状態を維持したまま5°以上、20°以下の角度θを付けた場合は、D2方向の光の透過率が急激に減少するためである。
【0024】
従って、本実施形態の光学シートを表示装置に用いた場合に、表示装置の左右方向および上下方向への出光角を制御することができる。より具体的には、車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートとして用いた場合に、運転手側への映像光の出射を制御することが可能であり、かつ、フロントガラスへの映像光の映り込みを制御することが可能となる。
【0025】
例えば、
図9に示した従来の光学シート90を、2枚直交する方向で重ねて用いることにより、第1方向D1の出光角の制御をしつつ、第2方向D2の出光角の制御をすることが考えられる。しかしながら、この手法では、光透過率が低下し、表示装置の輝度が低下してしまう。
【0026】
これに対し、本実施形態の光学シート10Aによれば、1枚で第1方向D1の出光角の制御をしつつ、第2方向D2の出光角の制御が可能となるため、光透過率の低減を抑制することができる。
【0027】
1.光学機能層
本実施形態における光学シートは、基材層と、基材層の一方の面に積層された光学機能層と、を備える。光学シートを表示装置に用いた場合に、光学機能層が光源側となり、基材層が観察者側となるように配置される。
【0028】
図1に示すように、光学機能層2は、基材層1の一方の面に積層された層で、層面に沿って第1方向に光透過部3と光吸収部4とが交互に配列されている。
図2に示される断面において、光学機能層2は、略台形である光透過部3と、隣り合う2つの光透過部3の間に形成された断面が略台形の光吸収部4と、を具備している。光学シート10Aに入光した光は、光学機能層2に入光面Pinから入光し、そのうちの一部を除いて出光面Poutから出光する。
【0029】
図4は、
図2に示す断面図の拡大図である。
図4に示すように、光学機能層2の光透過部3の部分に入射角0°で垂直に入光した光Laは、光透過部3の内部を直進して通過し、出光面Poutから出光される。なお、図示はしないが、光学機能層2の光吸収部4の部分に入射角0°で垂直に入光した光は、光吸収部4で吸収され、光学機能層2によって遮断される。光学機能層2の光透過部3の部分に入射角が0°より大きく斜めに入光した光のうち、光吸収部4との境界付近に入光した光Lbは、光透過部3の内部を斜めに進行して、前記光吸収部4に隣接する光吸収部4によって遮られることなく、出光面Poutから出光される。したがって、この光Lbの入射角よりも大きい角度で光透過部3に入光する光は、光吸収部4によって遮られる結果、光学機能層2に入光する光全体としては制御される。
【0030】
光学機能層2の光透過部3の部分に入射角が0°より大きく斜めに入光した光のうち、光透過部3の内部を斜めに進行して、光吸収部4の側面に到達する光Lcの少なくとも一部は、光吸収部4の側面で反射されて、進行方向を正面方向側に変えて集光され、光透過部3を通過する。このとき、光吸収部4の屈折率が、光透過部3の屈折率よりも小さく設定されていると、光吸収部4の側面に臨界角以上の入射角で到達した光Lcは、光吸収部4で吸収されることなく、全反射される。このため、全反射作用によって、光線透過率が向上する。
【0031】
光学機能層2の光透過部3の部分に入射角が0°より大きく斜めに入光した光のうち、光透過部3の内部を斜めに進行して光吸収部4の側面に光Lcよりも該側面に対する入射角を小さくして到達した光Ldは、光吸収部4の側面で反射するにしても一部で、残りは光吸収部4で吸収される。
【0032】
光透過部3は光を透過させることを主要の機能とする部位であり、
図2に示すように、断面において、基材層1側に長い下底、その反対側に短い上底を有する略台形の断面形状を有する要素である。光透過部3は、基材層1の層面に沿って当該断面を維持して、一方向(第2方向に対して角度θをなす方向)に延びるとともに、この延びる方向とは異なる方向(第1方向)に所定の間隔で配列される。
【0033】
本実施形態における光学シートは、第3方向における光の透過率を100%としたときの、第3方向に対して第1方向側に±30°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率が、1%以下である。上記光の相対透過率は、好ましくは、0.6%以下であり、より好ましくは、0.4%以下である。光の透過率の測定方法としては、以下の通りである。なお、-30°傾斜した方向の光の相対透過率および+30°傾斜した方向の光の相対透過率の平均値を「±30°傾斜した方向の光の相対透過率」とする。
【0034】
(測定方法)
まず、光学シートを配置せず、面光源(LEDを光源とするエッジライト型の面光源)単体の第3方向D3の光の輝度を、視野角測定装置(例えば、ELDIM社製のEZ Contrast XL80)により測定する。次に、光学シートの裏面側(光学機能層側)に面光源(LEDを光源とするエッジライト型の面光源)を配置し、光学シートの第3方向D3に透過する光の輝度、第3方向に対して第1方向側に±30°傾斜した方向に透過する光の輝度を、表面側(基材層側)で視野角測定装置(例えば、ELDIM社製のEZ Contrast XL80)により測定する。次に、光学シートの第3方向D3に透過する光の輝度の、面光源単体のD3方向の光の輝度に対する割合を、光学シートの第3方向D3に透過する光の透過率として算出する。同様に、第3方向に対して第1方向側に±30°傾斜した方向に透過する光の輝度の、面光源単体のD3方向の光の輝度に対する割合を、第3方向に対して第1方向側に±30°傾斜した方向に透過する光の透過率として算出する。最後に、光学シートの第3方向D3に透過する光の透過率を100%としたときの、第3方向に対して第1方向側に±30°傾斜した方向に透過する光の透過率の割合である相対透過率を、算出する。
【0035】
・光学シートの第3方向D3に透過する光の透過率T0(%)={(光学シートからD3方向に出射した光の輝度)/(面光源のD3方向の光の輝度)}×100(%)
・第3方向に対して第1方向側に±30°傾斜した方向に透過する光の透過率T30((%)={(光学シートから、D3方向に対して第1方向側に±30°傾斜した方向に出射した光の輝度)/(面光源のD3方向の光の輝度)}×100(%)
・相対透過率(%)=(T30/T0)×100(%)
【0036】
このような光学特性を有する光学シートは、光吸収部および光透過部の断面形状、光吸収部および光透過部の屈折率、入光側開口率、光吸収部の高さ、光吸収部のOD値等のいずれか1以上を調整することにより、得ることができる。
【0037】
本実施形態における光学シートは、第3方向における光の透過率を100%としたときの、第3方向に対して第1方向側に±20°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率が、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。
【0038】
また、本実施形態の光学シートによれば、第3方向における光の透過率を100%としたときの、第3方向に対して第2方向側に±30°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率を、32%以下とすることができ、30%以下とすることもでき、25%以下とすることもできる。
【0039】
本実施形態において、光透過部3の延在方向が、平面視において、第2方向D2に対して、5°以上、20°以下の角度を有する(角度θ)。角度θは、5°以上であり、10°以上であってもよい。一方、角度θは、20°以下であり、15°以下であってもよい。角度θが上記範囲であることにより、第2方向における出光角の制御が可能となる。なお、
図1に示すような姿勢で表示装置が設置された場合、観察者から見て右側が+D1方向、左側が-D1方向とすることができる。なお、
図1および
図3においては、光透過部3は、第2方向D2に対して、右側(+D1側)に角度θを有している。この場合、左側(-D1側)が運転席側となることが好ましい。一方、光透過部3は、第2方向D2に対して、左側(-D1側)に角度θを有していても良い。この場合、右側(+D1側)が運転席側となることが好ましい。
【0040】
隣り合う光透過部3の間には、略台形断面を有する間隔(溝)が形成されている。従って、当該間隔(溝)は、光透過部3の上底側(基材層1側とは反対側)に長い下底を有し、光透過部3の下底側(基材層1側)に短い上底を有する台形断面を有し、後述する必要な材料が充填されることにより光吸収部4が形成される。なお、
図1~
図4において、隣り合う光透過部3は長い下底側でシート状の連結部2aで連結されている。
【0041】
光透過部3は屈折率がNtとされている。このような光透過部3は、光透過部構成組成物を硬化させることにより形成することができる。詳しくは後で説明する。屈折率Ntの値は特に限定されることはないが、例えば、1.50以上であり、1.54以上であることが好ましい。一方、例えば、1.65以下であり、1.60以下であることが好ましい。後述する光吸収部との屈折率差が得られやすいためである。
【0042】
光吸収部4は、隣り合う光透過部3の間に形成された上記した間隔(溝)に形成される間部として機能し、間隔の断面形状と同様の断面形状となる。従って短い上底が基材層1側を向き、長い下底が基材層1とは反対側となる。光吸収部は、短い上底の方を出光面Pout側とすることで、光吸収部の側面、具体的には光吸収部と光透過部との界面に、光透過部の内部を進行して到達する光の一部を反射させて正面方向に集光し、光線透過率を向上させることができる。
【0043】
光吸収部4は、屈折率がNrとされるとともに、光を吸収することができるように構成されている。具体的には屈折率がNrである透明樹脂に光吸収粒子が分散される。屈折率Nrは、光透過部3の屈折率Ntよりも小さいことが好ましい。このように、光吸収部4の屈折率を光透過部3の屈折率より小さくすることにより、所定の条件で光透過部3に入射した光を光吸収部4との界面で適切に全反射させることができる。また、全反射条件を満たさない場合にも一部の光は当該界面で反射する。
【0044】
屈折率Nrの値は、特に限定されることはなく、例えば、1.47以上であり、1.51以上であることが好ましい。一方、例えば、1.65以下であり、1.57以下であることが好ましい。後述する光透過部との屈折率差が得られやすいためである。
【0045】
光透過部3の屈折率Ntと光吸収部4の屈折率Nrとの屈折率の差Nt-Nrは特に限定されるものではないが、0.05以下が好ましく、0.03以下がより好ましい。屈折率の差Nt-Nrは、例えば、0以上である。屈折率差を小さくすることにより、全反射を適度に抑制し、第1方向(車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートとして用いた場合に、左右方向)における視野角を制御することができる。
【0046】
図4には、光透過部3と光吸収部4との界面が光学機能層2の層面の法線に対して成す角θ
11、θ
12を示した。θ
11は、光透過部3と光吸収部4との界面のうち、光学シート10が、基材層側を観察者側として配置された際に光吸収部4の右側となる界面4aと、光学機能層2の層面の法線と、のなす角である。θ
12は、同姿勢で光透過部3及び光吸収部4の界面のうち光吸収部4の左側となる界面4bと、光学機能層2の層面の法線と、のなす角である。
【0047】
θ11及びθ12(すなわち台形断面における脚部傾斜角)は、特に限定されないが、例えば、4.0°以上であり、4.5°以上であることが好ましい。θ11及びθ12が上記範囲であることにより、第1方向(車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートとして用いた場合に、左右方向)における視野角の制御が容易となる。一方、θ11及びθ12は、例えば、6.5°以下であり、5.5°以下であることが好ましい。
【0048】
本実施形態において、入光側開口率は、例えば、40%以下であり、35%以下であることが好ましい。入光側開口率が上記範囲であることにより、第1方向(車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートとして用いた場合に、左右方向)における視野角の制御が容易となる。一方、入光側開口率は、例えば、25%以上であり、30%以上であることが好ましい。入光側開口率が上記範囲であることにより、表示装置の輝度低下を抑制することができる。上記入光側開口率とは、
図4に示すように、基材層1側とは反対側の面における、隣接する光吸収部4の中心間の距離Paに対する、光吸収部4の間に存在する光透過部3の幅Waの割合(Wa/Pa)である。
【0049】
光吸収部の高さDaは、特に限定されないが、例えば、110μm以上であり、120μm以上であることが好ましい。光吸収部の高さDaが上記範囲であることにより、第1方向(車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートとして用いた場合に、左右方向)における視野角の制御が容易となる。一方、光吸収部の高さDaは、光学機能層の厚さ以下であり、例えば、140μm以下ある。
【0050】
光吸収部のOD値(optical density value)は、特に限定されないが、例えば、3.5以上であり、4.0以上であることが好ましい。一方、光吸収部のODは、例えば、5.0以下であり、4.5以下であることが好ましい。
上記光吸収部のOD値の測定方法は、以下の通りである。まず、光吸収部を構成する組成物を厚さ60μmで易接着PETフィルム上に塗布し、未処理PETでラミネートし、その片面をUV硬化させる。その後、もう一方の面からもUV硬化をさせて測定用サンプルを作製する。この光吸収層の透過率を透過濃度計により測定し、OD値を算出する。
【0051】
図1~
図4では光透過部3と光吸収部4との界面が断面において一直線状となる例を示したが、これに限らず当該界面が折れ線状、凸である曲面状、凹である曲面状等であってもよい。また、複数の光透過部3及び光吸収部4で断面形状が同じであってもよいし、所定の規則性を有して異なる断面形状であってもよい。
【0052】
2.基材層
本実施形態における基材層は、光学機能層を支持する平板状のシート状部材である。基材層をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることができる。これには例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。この中でも、後述する面光源装置20と下偏光板14との組み合わせを考慮して複屈折(リタデーション)の少ないTAC、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。さらには、車載用途などのように高い耐熱性が求められる用途では、ガラス転移点が高いポリカーボネート樹脂が望ましい。具体的にはポリカーボネート樹脂のガラス転移点は143℃であり、一般に105℃での耐久性が求められる車載用途に適している。
【0053】
3.他の層
本開示における光学シートは、上記基材層および上記光学機能層以外の他の層を有していてもよい。他の層としては、例えば、粗面を有するハードコート層が挙げられる。このような粗面を有するハードコート層は、例えば、表面がJIS B0601:1994年版による算術平均粗さRaが0.1μm以上の粗面を呈する硬質な塗工層である。本開示において、ハードコート層の算術平均粗さRaは、好ましくは、0.2μm以上、0.4μm以下である。ハードコート層は、その表面の粗面によって、光学シートが、表示装置に組み込まれたときに、隣接する他の光学部材との接触によって傷付き難くすると共に、その表面の粗面によって光学密着を防止し、ひいては、光学密着による干渉縞の発生を抑制し、光学性能が低下し難いようにすることができる。粗面を有するハードコート層は、基材層の光学機能層側とは反対側(出光側)の面に配置されていてもよいし、光学機能層の基材層側とは反対側(入光側)の面に配置されていてもよい。
【0054】
4.作製方法
本開示の光学シートは、例えば次のように作製できる。はじめに、基材層に光透過部を形成する。これは、光透過部の形状を転写できる形状を表面に有する金型ロールと、これに対向するように配置されたニップロールとの間に、基材層となる基材シートを挿入する。このとき、基材シートと金型ロールとの間に光透過部を構成する組成物を供給しながら金型ロール及びニップロールを回転させる。これにより金型ロールの表面に形成された光透過部に対応する溝(光透過部形状を反転した形状)に光透過部を構成する組成物が充填され、該組成物が金型ロールの表面形状に沿ったものとなる。
【0055】
ここで、光透過部を構成する組成物としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等の電離放射線硬化型の樹脂を挙げることができる。
【0056】
金型ロールと基材シートとの間に挟まれ、ここに充填された光透過部を構成する組成物に対し、基材シート側から光照射装置により硬化させるための光を照射する。これにより、組成物を硬化させ、その形状を固定させることができる。そして、離型ロールにより金型ロールから基材層および成形された光透過部を離型する。
【0057】
次に光吸収部を形成する。光吸収部を形成するには、まず、上記形成した光透過部間の間隔に光吸収部を構成する組成物を充填する。その後、余剰分の当該組成物をドクターブレード等で掻き落とす。そして、残った組成物に光透過部3側から硬化させ、光吸収部を形成することができる。硬化方法としては、紫外線照射による硬化、加熱による硬化等が挙げられる。
【0058】
光吸収部として用いられる材料は特に限定されないが、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびブタジエン(メタ)アクリレート等の光硬化型樹脂の中に着色された光吸収粒子が分散されている組成物を挙げることができる。また、熱硬化性樹脂の中に着色された光吸収粒子が分散されている組成物も使用することができる。
【0059】
また光吸収粒子を分散させる代わりに顔料や染料により光吸収部全体を着色することもできる。光吸収粒子を用いる場合には、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。着色粒子の平均粒子径は1.0μm以上20μm以下であることが好ましく、1.0μm以上10μm以下であることがより好ましく、1.0μm以上4.0μm以下であることがさらに好ましい。ここで「平均粒子径」とは、光吸収粒子を100個電子顕微鏡で観察してその直径を計り、算術平均した直径を意味する。
【0060】
5.光学シート
本実施形態における光学シートは、平面視において、第1方向に延びる一対の第1辺L1と、第2方向に延びる一対の第2辺L2と、を有する矩形形状を有している。第1辺L1は、第2辺L2よりも長くてもよく、短くてもよく、同じであってもよい。第1方向、第2方向および第3方向は、通常、互いに直交している。
図1においては、第1辺L1が第2辺L2よりも長い。
【0061】
本実施形態における光学シートの用途としては、特に限定されないが、例えば、表示装置の面発光源装置に用いられる。中でも、車載表示装置の面発光源装置に用いられることが好ましく、車の助手席前方に配置される表示装置の面発光源装置に用いられることがより好ましい。
【0062】
B-1.面光源装置(第1実施形態)
本開示における面光源装置は、上述した第1実施形態の光学シートと、光学シートに入射する光を射出する光源と、を備える。面光源装置は、通常、表示装置に用いられる。
図5は、本開示における光学シートを含む面光源装置を備える表示装置を例示する分解斜視図である。また、
図6には
図5にII-IIで示した線に沿って切断した表示装置の分解断面図の一部、
図7には
図5にIII-IIIで示した線に沿って切断した表示装置の分解断面図の一部を表した。
図5~
図7に示す表示装置は、液晶表示装置である。
【0063】
図5~
図7に示すように、本実施形態における表示装置50Aは、液晶パネル15、面光源装置20、及び機能フィルム40を備えている。
図5~
図7には、表示装置が設置された姿勢における向きを併せて表示しているが、設置姿勢はこれに限定されない。例えば、
図5に示すように、
図1~
図4における第2方向D2が鉛直方向となるような姿勢で配置されることが好ましいが、この姿勢に限定されない。以下、各部材について説明する。
【0064】
図5~
図7における面光源装置20は、上述した光学シート10Aを有し、液晶パネル15より観察者側とは反対側に配置され、液晶パネル15に対して面状の光を出射する照明装置である。また、
図5~
図7における面光源装置20は、エッジライト型の面光源装置として構成され、導光板21、光源25、光拡散板26、プリズム層27、反射型偏光板28、光学シート10A及び反射シート39を有している。
図5~
図7に示すように、面光源装置20において、光学シート10Aは、光学機能層2に対して基材層1が観察者側となるように配置される。
【0065】
導光板21は、
図5~
図7に示されるように、基部22及び裏面光学要素23を有している。導光板21は透光性を有する材料により形成された全体として板状の部材である。
図5~
図7に示されるように、導光板21の観察者側となる一方の板面側は平滑面とされ、これとは反対側である他方の板面側は裏面とされ、当該裏面に複数の裏面光学要素23が配列されている。
【0066】
基部22、裏面光学要素23をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることができる。これには例えば脂環式構造を有する重合体樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体、メタクリル酸メチル-スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)等を挙げることができる。
【0067】
基部22は、その内部を光が導光されるとともに、裏面光学要素23のベースとなる部位で、所定の厚さを有する板状である。
【0068】
裏面光学要素23は、基部22の裏面側に形成される突出した要素であり、
図5~
図7では三角柱状である。裏面光学要素23は、突出した頂部の稜線が水平方向に延びる柱状であり、複数の裏面光学要素23が当該延びる方向に直交する方向(鉛直方向)に所定のピッチで配列されている。
図5~
図7の裏面光学要素23は断面が三角形であるがこれに限定されることはなく、多角形、半球状、球の一部、レンズ形状等いずれの形状の断面であってもよい。
【0069】
複数の裏面光学要素23の配列方向は導光方向であることが好ましい。すなわち、光源25から離隔する方向に配列され、光源25が配列される方向、又は1つの長い光源であれば該光源が延びる方向に平行に各裏面光学要素23の稜線が延びている。
【0070】
なお、本件明細書における「三角形形状」とは、厳密な意味での三角形形状のみでなく、製造技術における限界や成型時の誤差等を含む略三角形形状を含む。また同様に、本件明細書において用いる、その他の形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」、「楕円」、「円」等の用語も、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差を含めて解釈することとする。
【0071】
このような構成を有する導光板21は、押し出し成型により、又は、基部22上に裏面光学要素23を賦型することにより製造することができる。なお、押し出し成型で製造された導光板21においては、基部22、及び裏面光学要素23が一体的に形成され得る。また、賦型によって導光板21を製造する場合、裏面光学要素23が、基部22と同一の樹脂材料であっても、異なる材料であってもよい。
【0072】
光源25は、導光板21の基部22が有する側面(端面)のうち、裏面光学要素23が配列される方向の一方側の側面(端面)に配置される。光源の種類は特に限定されるものではないが、線状の冷陰極管等の蛍光灯、点状のLED(発光ダイオード)、又は白熱電球等の種々の態様で構成できる。
図5~
図7においては、光源25は複数のLEDからなり、不図示の制御装置により各LEDの点灯および消灯、並びに/又は、各LEDの点灯時の明るさを個別に独立して調節できるように構成されている。
なお、
図5~
図7では、上記のように光源25は一方側の側面(端面)に配置される例を示したが、さらにこの側面(端面)とは反対側となる側面(端面)にも光源が配置される形態であってもよい。なお、この場合には裏面光学要素の形状も公知の例に倣って形成する。
【0073】
次に光拡散板26について説明する。光拡散板26は、導光板21の出光側に配置され、ここに入射した光を拡散させて出射する機能を有する層である。これにより、導光板21から出射した光の均一性をさらに高め、導光板21に存在する傷を目立たなくすることができる。光拡散板の具体的態様は、公知の光拡散板を用いることができ、例えば母材の中に光拡散剤を分散させた形態を挙げることができる。光拡散板26は、
図5~
図7のようにプリズム層27の支持板として用いることができる。また、導光板21の出光面が平滑の場合には、光拡散板26を導光板21に貼り合わせて一体としてもよい。
【0074】
プリズム層27は、
図5~
図7よりわかるように、光拡散板26よりも液晶パネル15側に設けられ、該液晶パネル15側に向けて凸である単位プリズム27aを具備する層である。
図5~
図7では、単位プリズム27aは、所定の断面を有して導光板21の導光方向(本形態では鉛直方向)に延びる形態を有している。そして、複数の単位プリズム27aが導光方向とは異なる方向(本形態では平面視で導光方向に直交する方向、水平方向)に配列されている。
このようなプリズム層の単位プリズムの断面形状は、必要とする機能に応じて公知の形状を適用することができる。当該形状により光をさらに拡散させることもできるし、集光させることもできる。
また、単位プリズムが延びる方向及び配列される方向は上記形態に限定されることなく他の形態であってもよい。例えば単位プリズムが所定の断面を有して導光板21の導光方向とは直交する方向に延び、複数の単位プリズムが導光方向に配列される形態であってもよい。
【0075】
反射型偏光板28は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、P波)を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向(反射軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、S波)を反射する機能を有している。このような反射型偏光板の構造は公知のものを適用することができる。
【0076】
面光源装置20の反射シート39について説明する。反射シート39は、導光板21の裏面から出射した光を反射して、再び導光板21内に光を入射させるための部材である。反射シート39は、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等のいわゆる鏡面反射を可能とするものを好ましく適用することができる。
【0077】
C-1.表示装置(第1実施形態)
本開示においては、上述の面光源装置と、上記面光源装置に積層された表示パネルと、を備える、表示装置を提供する。表示装置は、例えば動画、静止画、文字情報、或いはこれらの組み合わせで構成された映像を表示パネルに表示する装置である。本実施形態の表示装置によれば、上下方向および左右方向の映像光の出射を制御することが可能となる。特に、車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートとして用いた場合に、運転手側への映像光の出射を制御することが可能であり、かつ、フロントガラスへの映像光の映り込みを制御することが可能となる。
【0078】
図5~
図7は、本実施形態の表示装置の一例を示す概略平面図および断面図である。なお、
図5~
図7については、上記「B-1.面光源装置(第1実施形態)」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
【0079】
1.面光源装置
面光源装置としては、上記「B-1.面光源装置(第1実施形態)」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
【0080】
2.表示パネル
表示パネルは、例えば、液晶パネルである。
図5~7に示す液晶パネル15は、観察者側に配置された上偏光板13と、面光源装置20側に配置された下偏光板14と、上偏光板13と下偏光板14との間に配置された液晶層12と、を有している。上偏光板13、下偏光板14は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、P波)を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸に平行な方向)の偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
【0081】
液晶層12は、複数の画素が層面に沿った方向に縦横に配列されており、一つの画素を形成する領域毎に電界印加できる。そして電界印加された画素の配向が変化する。これにより、面光源装置20側(すなわち入光側)に配置された下偏光板14を透過した透過軸に平行な偏光成分(例えばP波)は、電界印加された画素を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されていない画素を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、画素への電界印加の有無によって、下偏光板14を透過した偏光成分(例えばP波)が、出光側に配置された上偏光板13をさらに透過するか、あるいは、上偏光板13で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
【0082】
このようにして液晶パネル15は、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御して映像を表現する構造を有している。
【0083】
液晶パネルにはいくつかの種類があるが、その種類は特に限定されることはなく、公知の型の液晶パネルを用いることができる。具体的には例えばTN、STN、VA、MVA、IPS、OCB等が挙げられる。
【0084】
3.他の部材
本実施形態の表示装置は、
図5~
図7に示すように、表示パネル15の出光側に配置される機能性フィルム40を有していてもよい。機能性フィルム40は、映像光の質を向上させたり、表示装置50Aを保護したりする機能を有する層である。これには例えば反射防止フィルム、防眩フィルム、ハードコートフィルム、色調補正フィルム、光拡散フィルム等を挙げることができ、これらが単独又は複数組み合わされて構成されている。
【0085】
次に、以上のような構成を備える表示装置50Aの作用について、光路例を示しつつ説明する。ただし当該光路例は説明のための概念的なものであり、反射や屈折の程度を厳密に表したものではない。
【0086】
まず、
図7に示すように、光源25から出射した光は、導光板21の側面(端面)である入光面から導光板21内に入射する。
図7には、一例として、光源25から導光板21に入射した光L21、L22の光路例が示されている。
【0087】
図7に示すように、導光板21に入射した光L21、L22は、導光板21の出光側面及びその反対側の裏面において、空気との屈折率差による全反射を繰り返し、導光方向(
図7の紙面下方向)へ進んでいく。
【0088】
ただし、導光板21の裏面には裏面光学要素23が配置されている。このため、
図7に示すように、導光板21内を進む光L21、L22は、裏面光学要素23によって進行方向が変わり、全反射臨界角未満の入射角度で出光面、及び裏面に入射することもある。この場合に当該光は、導光板21の出光面及びその反対側の裏面から出射し得る。
【0089】
出光面から出射した光L21、L22は、導光板21の出光側に配置された光拡散板26へと向かう。一方、裏面から出射した光は、導光板21の背面に配置された反射シート39で反射され、再び導光板21内に入射して導光板21内を進むことになる。
【0090】
導光板21内を進行する光と、裏面光学要素23で向きを変えられて全反射臨界角未満の入射角度で出光面に達する光は、導光板21内の導光方向に沿った各区域において生じる。このため、導光板21内を進んでいる光は、少しずつ、出光面から出射するようになる。これにより、導光板21の出光面から出射する光の導光方向に沿った光量分布を均一化させることができる。
【0091】
導光板21から出射した光は、その後、光拡散板26に達し均一性が高められる。そしてプリズム層27により必要に応じて拡散又は集光されプリズム層27を出光した光は反射型偏光板28に達する。ここでは、反射型偏光板28の透過軸に沿った偏光方向の光は反射型偏光板28を透過し光学シート10Aに向かう。
【0092】
一方、反射型偏光板28の反射軸に沿った偏光方向の光は
図7に点線矢印で示したように反射して導光板21側に戻される。戻された光は、導光板21、裏面光学要素23、又は反射シート39で反射して再び反射型偏光板28の側に進行する。この反射の際に一部の光の偏光方向が変化しており、その一部は反射型偏光板28を透過する。他の光は再び導光板側に戻される。このように反射型偏光板28で反射した光も反射を繰り返すことで反射型偏光板28を透過できるようになる。これにより光源25からの光の利用率が高められる。ここで、反射型偏光板28を出射した光は、その偏光方向が下偏光板14の透過軸に沿った方向になっており、下偏光板14を透過する偏光光となっている。
【0093】
反射型偏光板28を出射した光は光学シート10Aに達する。光学シート10Aに入射した光は上述した光路を有して進行する。
【0094】
光学シート10Aを出射した光は、液晶パネル15の下偏光板14に入射する。下偏光板14は、入射光のうち、一方の偏光成分を透過させ、その他の偏光成分を吸収する。下偏光板14を透過した光は、画素毎への電界印加の状態に応じて、選択的に上偏光板13を透過するようになる。このようにして、液晶パネル15によって、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させることにより、液晶表示装置の観察者が、映像を観察することができるようになる。その際、映像光は機能性フィルム40を介して観察者に提供され、映像の質が高められている。
【0095】
4.用途
本実施形態における表示装置は、例えば車両搭載用の表示装置として用いることができるが、特に、車の助手席前方に配置される助手席用表示装置として用いることが好ましい。
【0096】
図5~
図7に示すように、本開示における表示装置50Aにおいて、光学シート10Aにおける基材層1は、光学機能層2に対して観察者側となるように配置されている。
図8(a)は、本実施形態における表示装置50Aを、車の助手席前方に配置した車内前方の概略図である。
図8(b)は、
図8(a)における、表示装置の光学シートの状態を説明する平面図である。
図8(a)および
図8(b)においては、光学シートにおける第1方向D1方向が水平方向(車の左右方向)となるように、第2方向D2が鉛直方向となるように、第3方向D3が水平方向(車の前後方向)となるように配置されている。一方、表示装置の設置姿勢はこれに限定されない。
【0097】
本実施形態における表示装置を車の助手席前方に配置される助手席用表示装置として用いた場合、運転手側への映像光の出射を制御することが可能である。また、フロントガラスへの映像光の映り込みを制御することが可能となり、運転手がフロントガラスへの映り込みを視認することを防ぐことができる。
【0098】
また、本実施形態における表示装置は、室内又は屋外において、広告、プレゼンテーション、テレビジョン映像、各種情報の表示等、様々な用途にも使用され得る。
【0099】
A-2.光学シート(第2実施形態)
図1~
図4は、本実施形態の光学シート一例を示す概略斜視図、断面図および平面図である。本実施形態の光学シート10Bは、基材層1と、基材層1の一方の面に積層された光学機能層2と、を備える。本実施形態の光学シート10Bは、平面視において、第1方向に延びる一対の第1辺L1と、第2方向に延びる一対の第2辺L2と、を有する矩形形状を有する。光学機能層2は、所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部3と、隣り合う上記光透過部の間に形成される光吸収部4と、を有し、光透過部3の所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされる。光学シート10Bは、車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートであり、光透過部3の延在方向が、第2方向D2に対して、5°以上、20°以下の角度を有する。
【0100】
なお、
図1~
図4の詳細については、上記「A-1.光学シート(第1実施形態)」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
【0101】
本実施形態における光学シートは、所定の方向に延在し、所定の断面を有する光透過部および光吸収部を有する光学機能層を含むことにより、第3方向に対して第1方向側に±30°傾斜した方向の光の透過率を低減することができる。具体的には、第3方向における光の透過率を100%としたときに、第3方向に対して第1方向側に±30°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率を、1%以下とすることができる。
【0102】
さらに、第1方向D1の出光角を制御されている状態において、光透過部3の延在方向が、第2方向に対して、5°以上、20°以下の角度θを有していることにより、第2方向D2の出光角の制御が可能となる。
【0103】
従って、本実施形態の光学シートを表示装置に用いた場合に、表示装置の左右方向および上下方向への出光角を制御することができる。より具体的には、車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートとして用いた場合に、運転手側への映像光の出射を制御することが可能であり、かつ、フロントガラスへの映像光の映り込みを制御することが可能となる。
【0104】
本実施形態における光学シートは、車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートである。
【0105】
本実施形態における光学シートの他の特徴は、上述した「A-1.第1実施形態」と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0106】
B-2.面光源装置(第2実施形態)
図5~
図7に示すように、本実施形態の面光源装置20は、上述した第2実施形態の光学シート10Bと、光学シート10Bに入射する光を射出する光源25と、を備える。本実施形態の面光源装置は、助手席用表示装置に用いられる。
【0107】
光源および面光源装置の他の部材については、上記「B-1.面光源装置(第1実施形態)」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
【0108】
C-2.表示装置(第2実施形態)
図5~
図7に示すように、本実施形態における表示装置50Bは、上述の面光源装置20と、上記面光源装置20に積層された表示パネル15と、を備える、を提供する。本実施形態の表示装置によれば、車の助手席前方に配置される表示装置として用いた場合に、運転手側への映像光の出射を制御することが可能であり、かつ、フロントガラスへの映像光の映り込みを制御することが可能となる。
【0109】
図5~
図7は、本実施形態の表示装置の一例を示す概略平面図および断面図である。なお、
図5~
図7については、上記「B-1.面光源装置(第1実施形態)」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
図5~
図7に示すように、本実施形態における表示装置50Bは、光学シート10Bにおける基材層1が光学機能層2に対して観察者(助手席)側となるように配置される。
【0110】
1.面光源装置
面光源装置としては、上記「B-2.面光源装置(第2実施形態)」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
【0111】
2.表示パネルおよび他の部材
表示パネルおよび他の部材としては、上記「C-1.表示装置(第1実施形態)」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
【0112】
3.用途
本実施形態における表示装置は、車の助手席前方に配置される表示装置として用いられる。
図8(a)は、本実施形態における表示装置50Bを、車の助手席前方に配置した車内前方の概略図である。
図8(b)は、
図8(a)における、表示装置50Bの光学シートの状態を説明する平面図である。
図8(a)および
図8(b)においては、光学シートにおける第1方向D1方向が水平方向(車の左右方向)となるように、第2方向D2が鉛直方向となるように、第3方向D3が水平方向(車の前後方向)となるように配置されている。一方、表示装置の設置姿勢はこれに限定されない。
【0113】
C-3.表示装置(第3実施形態)
図5~
図7は、本実施形態の表示装置の一例を示す概略平面図および断面図である。また、
図1~
図4は、本実施形態の表示装置における光学シートの一例を示す概略斜視図、断面図および平面図である。本実施形態の表示装置50Cは、
図5~
図7に示すように、光学シート10Cを含む面光源装置20と、面光源装置20に積層された表示パネル15と、を備える。本実施形態における光学シート10Cは、
図1~
図4に示すように、基材層1と、基材層1の一方の面に積層された光学機能層2と、を備え、光学機能層2は、所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部3と、隣り合う光透過部の間に形成される光吸収部4と、を有し、光透過部の所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされる。
図2に示すように、光学シート10Cは、表示装置50Cが設置された場合に、光学シートの主面Sの法線方向(
図1~
図4においてはD3方向)における光の透過率を100%としたときに、法線方向Nから左右方向に±30°傾斜した方向における光の透過率の割合である相対透過率が1%以下である。また、
図3に示すように、光学シート10Cは、表示装置50Cが設置された場合に、法線方向Nから見た光透過部3の延在方向が、鉛直方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する。
【0114】
なお、
図1~
図4の詳細については、上記「A-1.光学シート(第1実施形態)」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。また、
図5~
図7については、上記「B-1.面光源装置(第1実施形態)」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
【0115】
本実施形態の表示装置50Cは、所定の光学シート10Cを有する。本実施形態における光学シート10Cは、表示装置が設置された場合に、法線方向に対して左右方向に±30°傾斜した方向における光の透過率の割合である相対透過率が所定の値以下であるため、表示装置の左右方向の出光角を制御することが可能となる。さらに、左右方向の出光角を制御されている状態において、法線方向から見た光透過部の延在方向が、鉛直方向に対して、所定の範囲の角度θを有していることにより、表示装置の上下方向の出光角の制御が可能となる。
【0116】
従って、左右方向および上下方向への出光角を制御することが可能な表示装置となる。より具体的には、車の助手席前方に配置した場合に、運転手側への映像光の出射を制御することが可能であり、かつ、フロントガラスへの映像光の映り込みを制御することが可能となる。
【0117】
1.面光源装置
面光源装置は、所定の光学シートを含む。本実施形態における光学シート10Cは、
図1~
図4に示すように、表示装置が設置された場合に、光学シートの主面の法線方向N(
図1~
図4においてはD3方向)における光の透過率を100%としたときに、法線方向Nから左右方向に±30°傾斜した方向における光の透過率の割合である相対透過率が1%以下である。上記光の相対透過率は、好ましくは、0.6%以下であり、より好ましくは、0.4%以下である。
【0118】
本実施形態における光学シートは、法線方向における光の透過率を100%としたときに、法線方向に対して左右方向に±20°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率が、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。
【0119】
さらに、本実施形態における光学シートは、表示装置が設置された場合に、法線方向から見た光透過部の延在方向が、鉛直方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する。角度θは、5°以上であり、10°以上であってもよい。一方、角度θは、20°以下であり、15°以下であってもよい。角度θが上記範囲であることにより、左右方向における出光角の制御が可能となる。なお、
図1および
図3においては、光透過部3は、鉛直方向に対して右側(+D1側)に角度θを有している。この場合、左側(-D1側)が運転席側となることが好ましい。一方、光透過部3は、第2方向D2に対して左側(-D1側)に角度θを有していても良い。この場合、右側(+D1側)が運転席側となることが好ましい。
【0120】
本実施形態における、上記光学特性を有する光学シートの特徴およびその他の特徴は、上述した「A-1.光学シート(第1実施形態)」と同様であるため、ここでの説明は省略する。面光源装置の他の部材としては、上記「B-1.面光源装置(第1実施形態)」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
【0121】
2.表示パネルおよび他の部材
表示パネルおよび他の部材としては、上記「C-1.表示装置(第1実施形態)」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
【0122】
3.用途
本実施形態における表示装置の用途は、上述した「C-1.表示装置(第1実施形態)」と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0123】
C-4.表示装置(第4実施形態)
図5~
図7は、本実施形態の表示装置の一例を示す概略平面図および断面図である。また、
図1~
図4は、本実施形態の表示装置における光学シートの一例を示す概略斜視図、断面図および平面図である。本実施形態における表示装置50Dは、
図5~
図7に示すように、光学シート10Dを含む面光源装置20と、前記面光源装置20に積層された表示パネル15と、を備え、車の助手席前方に配置される助手席用表示装置である。本実施形態における光学シート10Dは、
図1~
図4に示すように、基材層1と、基材層1の一方の面に積層された光学機能層2と、を備え、光学機能層2は、所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部3と、隣り合う光透過部の間に形成される光吸収部4と、を有し、光透過部の前記所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされる。光学シート10Dは、表示装置が車の助手席前方に設置された場合に、光学シート10Dの主面の法線方向N(
図1~
図4においてはD3方向)から見た光透過部3の延在方向が、鉛直方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する。
【0124】
本実施形態における表示装置50Dは、所定の光学シート10Dを有する。本実施形態における光学シート10Dは、所定の方向に延在し、所定の断面を有する光透過部および光吸収部を有する光学機能層を含むことにより、表示装置が車の助手席前方に設置された場合に、法線方向に対して左右方向に±30°傾斜した方向における光の透過率を低減することができる。具体的には、法線方向における光の透過率を100%としたときに、法線方向に対して左右方向側に±30°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率を、1%以下とすることができる。そのため、表示装置の左右方向の出光角を制御することが可能となる。
【0125】
さらに、左右方向の出光角を制御されている状態において、法線方向から見た光透過部の延在方向が、鉛直方向に対して、所定の範囲の角度θを有していることにより、表示装置の上下方向の出光角の制御が可能となる。従って、本実施形態の助手席用表示装置は、運転手側への映像光の出射を制御することが可能であり、かつ、フロントガラスへの映像光の映り込みを制御することが可能となる。
【0126】
1.面光源装置
面光源装置は、所定の光学シートを含む。本実施形態における光学シート10Dは、所定の方向に延在し、所定の断面を有する光透過部および光吸収部を有する光学機能層を含む。これにより、所定の光学シート10Dを有する表示装置50Dが車の助手席前方に設置された場合に、光学シート10Dの主面の法線方向N(
図1~
図4においてはD3方向)における光の透過率を100%としたときに、法線方向Nから左右方向に±30°傾斜した方向における光の透過率の割合である相対透過率を1%以下とすることができる。上記光の相対透過率は、好ましくは、0.6%以下であり、より好ましくは、0.4%以下である。
【0127】
本実施形態における光学シートは、法線方向における光の透過率を100%としたときに、法線方向に対して左右方向に±20°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率が、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。
【0128】
さらに、本実施形態における光学シートは、車の助手席前方に表示装置が設置された場合に、法線方向から見た光透過部の延在方向が、鉛直方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する。角度θは、5°以上であり、10°以上であってもよい。一方、角度θは、20°以下であり、15°以下であってもよい。角度θが上記範囲であることにより、左右方向における出光角の制御が可能となる。なお、
図1および
図3においては、光透過部3は、鉛直方向に対して右側(+D1側)に角度θを有している。この場合、左側(-D1側)が運転席側となることが好ましい。一方、光透過部3は、鉛直方向に対して左側(-D1側)に角度θを有していても良い。この場合、右側(+D1側)が運転席側となることが好ましい。
【0129】
本実施形態における光学シートの他の特徴は、上述した「A-1.光学シート(第1実施形態)」と同様であるため、ここでの説明は省略する。面光源装置の他の部材としては、上記「B-1.面光源装置(第1実施形態)」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
【0130】
2.表示パネルおよび他の部材
表示パネルおよび他の部材としては、上記「C-1.表示装置(第1実施形態)」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
【0131】
3.用途
本実施形態における表示装置は、車の助手席前方に配置される。
図8(a)は、本実施形態における表示装置50Dを車の助手席前方に配置した場合の車内前方の概略図である。
図8(b)は、
図8(a)における、表示装置の光学シートの状態を説明する平面図である。
図8(a)および
図8(b)においては、光学シートにおける左右方向が水平方向(車の左右方向)となるように、上下方向が鉛直方向となるように、厚さ方向が水平方向(車の前後方向)となるように配置されている。一方、表示装置の設置姿勢はこれに限定されない。
【0132】
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
【実施例0133】
以下に実施例および比較例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
【0134】
[第1実施形態の光学シート]
(実施例1~12、および比較例1~8)
図1~
図4に示す、基材層および光学機能層を有する光学シートを製造した。この際、光透過部の第2方向に対する角度(バイアス角度θ)、台形断面における脚部傾斜角θ
11およびθ
12、入光側開口率、光吸収部の高さDa、光吸収部のOD値、および光透過部と光吸収部との屈折率差Nt-Nrを、表1および表2に示すように変更した。なお、サンプル群1~サンプル群3において、光透過部の屈折率Ntは、1.57であり、光吸収部の屈折率差Nrは、1.54であった。
【0135】
得られた光学シートについて、以下のように光の輝度を測定し、透過率および相対透過率を算出した。
(測定方法)
まず、光学シートを配置せず、面光源(LEDを光源とするエッジライト型の面光源)単体の第3方向D3の光の輝度を、視野角測定装置(ELDIM社製のEZ Contrast XL80)により測定した。次に、光学シートの裏面側(光学機能層側)に面光源(LEDを光源とするエッジライト型の面光源)を配置し、光学シートの第3方向D3に透過する光の輝度、第3方向に対して第1方向側に±30°傾斜した方向に透過する光の輝度を、表面側(基材層側)で視野角測定装置(ELDIM社製のEZ Contrast XL80)により測定した。そして、光学シートの第3方向D3に透過する光の輝度の、面光源単体の第3方向D3の光の輝度に対する割合を、光学シートの第3方向D3に透過する光の透過率として算出した。同様に、第3方向に対して第1方向側に±30°傾斜した方向に透過する光の輝度の、面光源単体の第3方向D3の光の輝度に対する割合を、第3方向に対して第1方向側に±30°傾斜した方向に透過する光の透過率として算出した。最後に、光学シートの第3方向D3に透過する光の透過率を100%としたときの、第3方向に対して第1方向側に±30°傾斜した方向に透過する光の透過率の割合である相対透過率を、算出した。結果を表1および表2に示す。
【0136】
実施例4および比較例8の光学シートの相対透過率を測定した結果を
図10(a)および
図11(a)に示す。
図10(a)は、横軸が左右方向(第1方向D1方向)視野角、縦軸が視野角0°における光の透過率を100%とした場合の左右方向の各視野角での光透過率の割合(相対透過率)を表している。実施例4の光学シートは、D1方向の視野角±30°で0.5%の相対透過率を得た。一方、比較例8の寸法の光学シートは、D1方向の視野角±30°での相対透過率が17.8%であった。
【0137】
図11(a)は、横軸が上下方向(D2方向)視野角、縦軸が視野角0°における光の透過率を100%とした場合の上下方向の各視野角での光透過率の割合(相対透過率)を表している。実施例4の光学シートは、D2方向視野角±30°で18%の相対透過率を得た。一方、比較例8の光学シートは、D2方向視野角±30°で31.1%の相対透過率を得た。
【0138】
【0139】
【0140】
実施例4および比較例8の光学シートを表示装置に用い、正面から観察した場合と、左右方向視野角が約30°となる位置から斜めに表示装置を観察した。
図10(b)に、表示装置を観察した様子を示す。比較例8では、左右方向視野角が約30°となる位置から映像光が視認されたのに対し、実施例4では、左右方向視野角が約30°となる位置から映像光が視認されないことが確認された。
【0141】
実施例1~12および比較例1~8の光学シートを車載表示装置に用いた場合を想定し、フロントガラスへの映像光の映り込みの有無を観察した。比較例8ではフロントガラスへの映像光の映り込みが観察されたが、実施例4では映り込みが抑制されることが確認された(
図11(b))。また、他の実施例及び比較例の光学シートを用いた場合のフロントガラスへの映り込みの有無を、表1および表2に示した。
【0142】
すなわち、本開示においては、以下の発明を提供できる。
[1]
基材層と、前記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、を備える光学シートであって、
前記光学シートは、平面視において、第1方向に延びる一対の第1辺と、第2方向に延びる一対の第2辺と、を有する矩形形状を有し、
前記光学機能層は、所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部と、隣り合う前記光透過部の間に形成される光吸収部と、を有し、
前記光透過部の前記所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされ、
前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向における光の透過率を100%としたときの、前記第3方向に対して前記第1方向側に±30°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率が、1%以下であり、
前記光透過部の延在方向が、前記第2方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する、光学シート。
【0143】
[2]
基材層と、前記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、を備える光学シートであって、
前記光学シートは、平面視において、第1方向に延びる一対の第1辺と、第2方向に延びる一対の第2辺と、を有する矩形形状を有し、
前記光学機能層は、所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部と、隣り合う前記光透過部の間に形成される光吸収部と、を有し、
前記光透過部の前記所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされ、
前記光学シートは、車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートであり、
前記光透過部の延在方向が、前記第2方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する、光学シート。
【0144】
[3]
前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向における光の透過率を100%としたときの、前記第3方向に対して前記第1方向側に±30°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率が、1%以下である、[2]に記載の光学シート。
【0145】
[4]
前記光透過部と前記光吸収部との界面が、前記光学機能層の層面の法線に対して成す角度が、4.5°以上である、[1]から[3]までのいずれかに記載の光学シート。
【0146】
[5]
前記光学機能層の入光側開口率が、35%以下である、[1]から[4]までのいずれかに記載の光学シート。
【0147】
[6]
前記光吸収部の高さが、120μm以上である、[1]から[5]までのいずれかに記載の光学シート。
【0148】
[7]
前記光吸収部のOD値が、3.5以上である、[1]から[6]までのいずれかに記載の光学シート。
【0149】
[8]
前記光透過部の屈折率Ntと前記光吸収部の屈折率Nrとの差Nt-Nrが、0.05以下である、[1]から[7]までのいずれかに記載の光学シート。
【0150】
[9]
前記光学シートが、車の助手席前方に配置される表示装置用の光学シートである、[1]に記載の光学シート。
【0151】
[10]
[1]から[9]までのいずれかに記載の光学シートと、
前記光学シートに入射する光を射出する光源と、を備える、面光源装置。
【0152】
[11]
[10]に記載の面光源装置と、
前記面光源装置に積層された表示パネルと、を備える、表示装置。
【0153】
[12]
光学シートを含む面光源装置と、前記面光源装置に積層された表示パネルと、を備える、表示装置であって、
前記光学シートは、基材層と、前記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、を備え、
前記光学機能層は、
所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部と、隣り合う前記光透過部の間に形成される光吸収部と、を有し、
前記光透過部の前記所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされ、
前記光学シートは、前記表示装置が設置された場合に、
前記光学シートの主面の法線方向における光の透過率を100%としたときの、前記法線方向から左右方向に±30°傾斜した方向における光の透過率の割合である相対透過率が1%以下であり、
前記法線方向から見た前記光透過部の延在方向が、鉛直方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する、表示装置。
【0154】
[13]
光学シートを含む面光源装置と、前記面光源装置に積層された表示パネルと、を備え、車の助手席前方に配置される助手席用表示装置であって、
前記光学シートは、基材層と、前記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、を備える光学シートであって、
前記光学機能層は、
所定の断面を有して一方向に延在する複数の光透過部と、隣り合う前記光透過部の間に形成される光吸収部と、を有し、
前記光透過部の前記所定の断面が台形であり、短い上底が入光側とされ、
前記光学シートは、前記表示装置が車の助手席前方に設置された場合に、
前記光学シートの主面の法線方向から見た前記光透過部の延在方向が、鉛直方向に対して、5°以上、20°以下の角度を有する、助手席用表示装置。
【0155】
[14]
前記光学シートは、前記表示装置が車の助手席前方に設置された場合に、
前記光学シートの主面の法線方向における光の透過率を100%としたときの、前記法線方向から左右方向に±30°傾斜した方向における光の透過率の割合である相対透過率が1%以下である、[13]に記載の助手席用表示装置。
前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向における光の透過率を100%としたときの、前記第3方向に対して前記第1方向側に±30°傾斜した方向の光の透過率の割合である相対透過率が、1%以下である、請求項2に記載の光学シート。
前記光透過部と前記光吸収部との界面が、前記光学機能層の層面の法線に対して成す角度が、4.5°以上である、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の光学シート。