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特開2024-166715データ収集装置、データ収集システム、データ収集方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166715
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】データ収集装置、データ収集システム、データ収集方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241122BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083014
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】鉄矢 俊一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC20
5L050CC20
(57)【要約】
【課題】アンケートの設問に対応する事項に対して顧客がどの程度の関心を持っているのかを推定する。
【解決手段】設問及び設問に対する選択肢を含むアンケート画像を表示させる表示制御部と、前記アンケート画像に対する操作を取得する取得部と、前記取得部によって取得された操作の履歴に基づいて、前記アンケート画像が表示されてから前記アンケート画像に含まれる設問に対する選択肢を選択する選択操作が完了するまでの経緯を示す経緯情報を抽出し、抽出した前記経緯情報に基づいて、前記アンケート画像に含まれる設問に対応する事項への関心度合を示す関心情報を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記関心情報を出力する出力部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設問及び設問に対する選択肢を含むアンケート画像を表示させる表示制御部と、
前記アンケート画像に対する操作を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された操作の履歴に基づいて、前記アンケート画像が表示されてから前記アンケート画像に含まれる設問に対する選択肢を選択する選択操作が完了するまでの経緯を示す経緯情報を抽出し、抽出した前記経緯情報に基づいて、前記アンケート画像に含まれる設問に対応する事項への関心度合を示す関心情報を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記関心情報を出力する出力部と、
を備えるデータ収集装置。
【請求項2】
前記アンケート画像は、設問を示す第1表示領域と、選択肢を示す第2表示領域とを含み、前記第1表示領域が選択された状態で前記第2表示領域まで移動させるスワイプ操作によって、設問に対する選択肢が選択可能となる画像であり、
前記算出部は、前記選択操作が開始されてから完了するまでに、前記アンケート画像において選択された位置の変化量である操作距離を、前記経緯情報として抽出する、
請求項1に記載のデータ収集装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記選択操作が開始されてから完了するまでの操作時間を、前記経緯情報として抽出する、
請求項1に記載のデータ収集装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記選択操作が行われた操作速度を、前記経緯情報として抽出する、
請求項1に記載のデータ収集装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、タッチパネルディスプレイに、前記アンケート画像を表示させ、
前記取得部は、前記第1表示領域から、前記第2表示領域に至るまでのタッチパネルを介したスワイプ操作を取得する、
請求項2に記載のデータ収集装置。
【請求項6】
前記アンケート画像には、1つの設問に対する選択肢が複数設けられ、
前記表示制御部は、設問から複数の選択肢のそれぞれまでの距離が同等となるように、前記アンケート画像を表示させる、
請求項2に記載のデータ収集装置。
【請求項7】
前記アンケート画像には、1つの設問に対する選択肢が二つ設けられ、
前記アンケート画像は長尺形状であり、
前記表示制御部は、前記アンケート画像の中央に設問を表示させ、前記選択肢のうちの第1選択肢を前記アンケート画像の第1端部に表示させ、前記選択肢のうちの第2選択肢を前記アンケート画像において前記第1端部に対向する第2端部に表示させる、
請求項2に記載のデータ収集装置。
【請求項8】
商品が載置される棚板の長手方向に沿って設置される、長尺形状のタッチパネルディスプレイと、
請求項7に記載のデータ収集装置と、
を備えるデータ収集システム。
【請求項9】
データ収集装置であるコンピュータが行うデータ収集方法であって、
表示制御部が、設問及び設問に対する選択肢を含むアンケート画像を表示させ、
取得部が、前記アンケート画像に対する操作を取得し、
算出部が、前記取得部によって取得された操作の履歴に基づいて、前記アンケート画像が表示されてから前記アンケート画像に含まれる設問に対する選択肢を選択する選択操作が完了するまでの経緯を示す経緯情報を抽出し、抽出した前記経緯情報に基づいて、前記アンケート画像に含まれる設問に対応する事項への関心度合を示す関心情報を算出し、
出力部が、前記算出部によって算出された前記関心情報を出力する、
データ収集方法。
【請求項10】
データ収集装置であるコンピュータに、
設問及び設問に対する選択肢を含むアンケート画像を表示させ、
前記アンケート画像に対する操作を取得させ、
前記取得された操作の履歴に基づいて、前記アンケート画像が表示されてから前記アンケート画像に含まれる設問に対する選択肢を選択する選択操作が完了するまでの経緯を示す経緯情報を抽出し、抽出した前記経緯情報に基づいて、前記アンケート画像に含まれる設問に対応する事項への関心度合を示す関心情報を算出させ、
前記算出された前記関心情報を出力させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ収集装置、データ収集システム、データ収集方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の紙媒体を用いたアンケートに代えて、タッチパネルを内蔵したディスプレイを用いてディスプレイに表示された選択肢の何れかを、顧客がタッチパネル操作をして選択することによってアンケートに回答する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/172412号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、設問に対する回答を収集することは可能であるが、顧客がどの様な経緯でその回答に至ったのかが判らない。例えば、アンケートの設問が顧客にとって日頃からの関心事項であるために迷わず即答したものであるか、そうではないのか等といった情報を得ることができない。このため、アンケートに対する回答のみでは設問に対応する商品等に対して顧客がどの程度の関心を持っているのかを推定することが困難であった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、アンケートの設問に対応する事項に対して顧客がどの程度の関心を持っているのかを推定することができるデータ収集装置、データ収集システム、データ収集方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のデータ収集装置は、設問及び設問に対する選択肢を含むアンケート画像を表示させる表示制御部と、前記アンケート画像に対する操作を取得する取得部と、前記取得部によって取得された操作の履歴に基づいて、前記アンケート画像が表示されてから前記アンケート画像に含まれる設問に対する選択肢を選択する選択操作が完了するまでの経緯を示す経緯情報を抽出し、抽出した前記経緯情報に基づいて、前記アンケート画像に含まれる設問に対応する事項への関心度合を示す関心情報を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記関心情報を出力する出力部と、を備える。
【0007】
本発明のデータ収集システムは、商品が載置される棚板の長手方向に沿って設置される、長尺形状のタッチパネルディスプレイと、上記に記載のデータ収集装置と、を備える。
【0008】
本発明のデータ収集方法は、データ収集装置であるコンピュータが行うデータ収集方法であって、表示制御部が、設問及び設問に対する選択肢を含むアンケート画像を表示させ、取得部が、前記アンケート画像に対する操作を取得し、算出部が、前記取得部によって取得された操作の履歴に基づいて、前記アンケート画像が表示されてから前記アンケート画像に含まれる設問に対する選択肢を選択する選択操作が完了するまでの経緯を示す経緯情報を抽出し、抽出した前記経緯情報に基づいて、前記アンケート画像に含まれる設問に対応する事項への関心度合を示す関心情報を算出し、出力部が、前記算出部によって算出された前記関心情報を出力する。
【0009】
本発明のプログラムは、データ収集装置であるコンピュータに、設問及び設問に対する選択肢を含むアンケート画像を表示させ、前記アンケート画像に対する操作を取得させ、前記取得された操作の履歴に基づいて、前記アンケート画像が表示されてから前記アンケート画像に含まれる設問に対する選択肢を選択する選択操作が完了するまでの経緯を示す経緯情報を抽出し、抽出した前記経緯情報に基づいて、前記アンケート画像に含まれる設問に対応する事項への関心度合を示す関心情報を算出させ、前記算出された前記関心情報を出力させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アンケートの設問に対応する事項に対して顧客がどの程度の関心を持っているのかを推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態におけるデータ収集システム1の構成例を示すブロック図である。
図2】実施形態におけるデータ収集装置10の構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態におけるアンケート画像Gの例を示す図である。
図4】実施形態におけるアンケート画像Gの例を示す図である。
図5】実施形態における経緯情報の例を示す図である。
図6】実施形態における経緯情報の例を示す図である。
図7】実施形態における関心情報の例を示す図である。
図8】実施形態におけるデータ収集装置10が行う処理の流れを説明するフローチャートである。
図9】実施形態におけるデータ収集システム1が適用される例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、タッチパネルに対する操作、例えば、タッチ操作やスワイプ操作などに基づいてデータを収集する場合を例示して説明するが、これに限定されない。タッチパネルに対する操作に代えて、または、タッチパネルに対する操作と共に、マウス、キーボード、スタイラス、或いは、操作ボタンなど入力装置を介した操作に基づいてデータを収集するケースに適用することができる。
【0013】
(データ収集システム1について)
まず、データ収集システム1について説明する。データ収集システム1は、データを収取するシステムである。データ収集システム1が収集するデータは、アンケートに対する回答に関するデータを例示して説明するが、これに限定されない。データ収集システム1が収集するデータは、少なくとも、画像に対するユーザUの操作(後述するスワイプ操作)に対応づけられた情報であればよい。
【0014】
図1は、実施形態におけるデータ収集システム1の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、データ収集システム1は、例えば、データ収集装置10と、検出用制御ボード20と、表示装置30とを備える。
【0015】
データ収集装置10と検出用制御ボード20、及び、データ収集装置10と表示装置30は、ケーブル等を介して、又は、ブルートゥース(登録商標)又は赤外線通信などの近距離無線通信方式、或いはインターネットなどの通信回線を介して、通信可能に接続される。
【0016】
データ収集装置10は、データを収集するコンピュータである。データ収集装置10は、アンケート画像Gを表示装置30に表示させる。データ収集装置10は、アンケート画像Gに対する操作内容を、検出用制御ボード20を介して取得する。データ収集装置10は、検出用制御ボード20を介して取得したアンケート画像Gに対する操作内容に基づいて、アンケートに対する回答に関するデータを収集する。
【0017】
検出用制御ボード20は、入力された情報を、特定のアルゴリズムに基づいて出力信号に変換する電子回路を備えるコンピュータである。検出用制御ボード20は、データ収集装置10と表示装置30とを接続させるインターフェースとして機能する。例えば、表示装置30に表示された画像に対する操作内容を、アンケートに対する回答を示す検出信号に変換する。検出用制御ボード20は、検出信号をデータ収集装置10に出力する。
【0018】
表示装置30は、画像を表示するコンピュータである。表示装置30は、データ収集装置10からの制御にしたがい、アンケート画像Gを表示する。表示装置30は、アンケート画像Gに対して、タッチパネルを介して操作された操作内容を、検出用制御ボード20に出力する。
【0019】
表示装置30として、タッチパネルを備えたディスプレイを適用することができる。この場合、表示装置30には、例えば、ディスプレイの表示画面に重ねるようにして重畳させた入力手段としてのタッチパネルが設けられる。タッチパネルは、少なくとも左右方向に沿った1次元で形成される領域に対して行われた操作が検出可能なものであればよい。すなわち、タッチパネルは、後述するスワイプ操作に伴う左右方向へのスライド操作が検出できればよい。なお、タッチパネルとして、上下左右方向に対応する2次元で形成される領域への操作が検出可能なものを、用いてもよい。タッチパネルが操作を検出する方法として、任意の方法が採用されてよく、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式、投影型静電容量方式、超音波表面弾性波、光学方式、電磁誘導方式などを採用することができる。本実施形態では、ユーザUが指を用いてアンケート画像Gを直接操作することを想定していることから、人間の指による操作が検出可能であることが好ましい。また、表示装置30として、ディスプレイ装置の内部にタッチパネルが組み込まれたインセルディスプレイを用いてもよい。
【0020】
ここで、データ収集システム1で用いられるアンケート画像Gについて説明する。図1には、表示装置30にアンケート画像Gが表示された様子が示されている。アンケート画像Gは、設問Qと複数の選択肢SEL(選択肢SEL1及びSEL2)を含む画像である。
【0021】
本実施形態では、アンケート画像Gにおいて、複数の設問を順次行うことを想定している。この場合において、複数の設問のそれぞれにおいて、設問の難易度、例えば、設問に用いた文字数や、設問に用いた難解な用語の数などが、極端に異なると、後述する操作時間に影響する可能性がある。操作時間には、難易度ではなく、後述する設問に対応する事項に対する関心の度合が反映されることが望ましい。このため、複数の設問のそれぞれにおいて、設問の難易度が同程度に設定されるほうがよい。
【0022】
本実施形態では、アンケート画像Gにスワイプ操作がなされることによって、設問Qに対する回答が行われる。スワイプ操作は、画像における特定の領域を選択した状態で、特定の方向に移動させる操作である。例えば、ユーザUが、設問Qを選択した状態で、選択肢SEL1が表示された領域の方向に移動させるスワイプ操作を行った場合、設問Qに対する回答が選択肢1であることを示している。一方、ユーザUが、設問Qを選択した状態で、選択肢SEL2表示された領域の方向に移動させるスワイプ操作を行った場合、設問Qに対する回答が選択肢2であることを示している。
【0023】
この図の例では、設問Qとして、「Q1好きなラーメンの味は」とする文言が示されている。また、設問Qの文言を囲むようにして、左右両方を示す両側矢印の画像が示されている。両側矢印の画像が指し示す方向に対応して、アンケート画像Gの左側には選択肢SEL1として「あっさり」との文言が示されている。アンケート画像Gの右側には選択肢SEL2として「こってり」との文言が示されている。ユーザUは、表示装置30に表示されたアンケート画像Gを視認し、アンケート画像Gにおける設問Qが表示された領域を選択し、選択肢SEL1、SEL2の何れかの方向に移動させるスワイプ操作を行うことによって、アンケートに回答をする。
【0024】
また、アンケート画像Gでは、ユーザUがどの様な経緯でアンケートに回答したのか、その経緯を把握できるような指標が設定される。
【0025】
例えば、この図の例に示すように、スワイプ操作において選択された領域が移動した距離に応じて、「左5」、「左3」、「右3」及び、「右5」などの指標が設定される。ここで、「左5」は、回答する際に行われたスワイプ操作において、選択肢SEL1の方向に、比較的長い距離を移動させる操作がなされたことを示す指標である。一方、「左3」は、回答する際に行われたスワイプ操作において、選択肢SEL1の方向に、比較的短い距離を移動させる操作がなされたことを示す指標である。移動させる方向が異なる点を除けば、「右5」及び「右3」のそれぞれ指標は、「左5」及び「左3」と同等である。
【0026】
より具体的に、ユーザUが、設問Qについて、迷うことなく即答をする場合、選択肢SELを選択する操作は素早く行われる。例えば、ユーザUは、設問Qを選択すると、回答に対応する選択肢SELがある方向に、素早く少しだけ移動させるスワイプ操作を行う。この場合、スワイプ操作は短い距離を移動させる操作となり、例えば、「左3」に対応する位置まで移動させる操作となる。
【0027】
一方、設問Qに対して何れの選択肢を選択するか迷いながら回答がなされた場合、選択肢SELを選択する操作はゆっくりと行われる。例えば、ユーザUは、設問Qを選択すると、迷いながら、回答に対応する選択肢SELがある方向にゆっくりと長く移動させるスワイプ操作を行う。この場合、スワイプ操作は長い距離を移動させる操作となり、例えば、「左5」に対応する位置まで移動させる操作となる。このように、ユーザUが設問Qについて迷うことなく即答をしたのか、迷いながら回答をしたのかを把握できるようにするために、「左5」などの指標が、回答の経緯を把握できるような指標として設定される。
【0028】
(データ収集装置10について)
ここで、データ収集装置10について説明する。図2は、本実施形態におけるデータ収集装置10の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、データ収集装置10は、例えば、表示制御部11と、取得部12と、算出部13と、出力部14と、記憶部15とを備える。
【0029】
表示制御部11は、表示装置30にアンケート画像Gを表示させる。表示制御部11は、ユーザUがどの様な経緯でアンケートに回答したのか、その経緯を把握できるようにアンケート画像Gを表示させる。
【0030】
例えば、表示制御部11は、アンケート画像において、設問Qと選択肢SELとを、互いに離れた位置に表示させる。
【0031】
また、1つの設問Qに対して複数の選択肢SELが設定される場合、表示制御部11は、設問から複数の選択肢のそれぞれまでの距離が同等となるように、アンケート画像Gを表示させる。例えば、表示制御部11は、アンケート画像Gにおいて、画像の中央に設問Qを表示させ、アンケート画像における互いに異なる端部に、複数の選択肢をそれぞれ表示させる。より具体的には、図1の例に示すように、1つの設問Qに対して2つの選択肢SELがある場合、表示制御部11は、アンケート画像Gにおいて、画像の中央に設問Qを表示させ、アンケート画像における一方、例えば右の端部に選択肢SEL1を表示させ、選択肢SEL1を表示させた端部に対向する端部、例えば、右側に選択肢SEL1を表示させた場合には左側の端部、に選択肢SEL2を表示させる。
【0032】
これにより、回答するため行われるスワイプ操作が、選択肢SELに依らず、同じ操作となるようにする。具体的には、図1の例に示すように、選択肢SELが選択するスワイプ操作において移動した距離に応じて、「左5」、及び「左3」などの複数の指標に対応するスワイプ操作の経緯を示す情報が、選択肢SELに依らずに、得られるようにする。
【0033】
取得部12は、アンケート画像Gに対する操作を取得する。取得部12は、アンケート画像Gの回答に対応するスワイプ操作を示す情報を、検出用制御ボード20を介して取得する。取得部12は、スワイプ操作を示す情報として、例えば、アンケート画像Gに対して操作が行われた位置座標、及び操作が行われた時刻を示す情報を取得する。取得部12は、定期的に、スワイプ操作を示す情報を取得し、取得した情報を記憶部15に記憶させる。
【0034】
算出部13は、取得部によって取得された操作の履歴に基づいて、経緯情報を抽出する。経緯情報は、アンケート画像が表示されてから、そのアンケート画像に含まれる設問に対する選択肢を選択する選択操作、例えばスワイプ操作が完了するまでの経緯を示す情報である。算出部13は、例えば、記憶部15を参照し、アンケート画像に対して行われたスワイプ操作の時系列変化を示す情報を抽出する。算出部13は、抽出した情報から、アンケート画像が表示された時刻、選択操作が開始された時刻、及び選択操作が完了した時刻を特定する。例えば、算出部13は、アンケート画像Gが表示された後、アンケート画像Gにおいて設問Qが表示された表示領域を選択する操作が行われた時刻を、選択操作が開始された時刻として特定する。また、算出部13は、選択操作が開始された後、選択された位置が移動して選択肢SELが表示された表示領域に到達した時刻を、選択操作が完了した時刻として特定する。算出部13は、アンケート画像が表示されてから、選択操作が完了するまでのスワイプ操作によって選択された位置の時系列変化を示す情報を、経緯情報とする。
【0035】
また、算出部13は、経緯情報に基づいて、関心情報を算出する。関心情報は、アンケート画像Gに含まれる設問Qに対応する事項、例えば商品やサービスなどへの関心度合を示す情報である。設問Qに対応する事項とは、少なくとも設問Qにおいて示唆されている事項であればよい。例えば、「Q1好きなラーメンの味は」という設問Qについて回答した経緯に基づいて推測される、ラーメンの味、或いは、ラーメンそのものに対する関心の大きさを示す情報が、関心情報である。
【0036】
ここで、算出部13は、ユーザUが設問Qについて迷うことなく即答をし、例えば、ごく短時間で回答する、或いは短い距離を素早く操作して回答するような場合には、設問Qに対応する事項への関心が高いとして、関心度合が大きくなるように関心情報を算出する。
【0037】
一方、算出部13は、ユーザUが設問Qについて迷いながら回答をし、例えば、回答するまでに要した時間が長い、或いは、設問Qを選択する操作をしたもののすぐに選択肢の方向に移動させずに、別の方向に移動させたり行ったり来たりする操作が行われたような場合には、設問Qに対応する事項への関心が低いとして、関心度合が小さくなるように関心情報を算出する。
【0038】
例えば、算出部13は、操作距離を、経緯情報として抽出する。操作距離は、選択操作が開始されてから完了するまでに、アンケート画像Gにおいて選択された位置の変化量である。この場合、算出部13は、スワイプ操作の時系列変化に基づいて、位置が変化する荼毘にその移動量を算出し、算出した移動量を積分することによって操作距離を算出する。算出部13は、例えば、操作距離が小さい程、設問Qに対応する事項への関心が高いとして、関心度合が大きくなるように関心情報を算出する。一方、算出部13は、操作距離が大きい程、設問Qに対応する事項への関心が低いとして、関心度合が小さくなるように関心情報を算出する。
【0039】
或いは、算出部13は、選択操作が開始されてから完了するまでの操作時間を、経緯情報として抽出するようにしてもよい。この場合、算出部13は、経緯情報を抽出する際に特定した、選択操作が開始された時刻、及び選択操作が完了した時刻を用いて、選択操作が開始された時刻から選択操作が完了した時刻までに要した時間を、操作時間とする。算出部13は、例えば、操作時間が小さい程、設問Qに対応する事項への関心が高いとして、関心度合が大きくなるように関心情報を算出する。一方、算出部13は、操作時間が大きい程、設問Qに対応する事項への関心が低いとして、関心度合が小さくなるように関心情報を算出する。
【0040】
また、算出部13は、選択操作が行われた操作速度を、経緯情報として抽出するようにしてもよい。この場合、算出部13は、例えば、操作距離を、操作時間で除算することによって、操作速度を算出する。算出部13は、例えば、操作速度が大きい程、設問Qに対応する事項への関心が高いとして、関心度合が大きくなるように関心情報を算出する。一方、算出部13は、操作時間が小さい程、設問Qに対応する事項への関心が低いとして、関心度合が小さくなるように関心情報を算出する。
【0041】
出力部14は、算出部13によって算出された関心情報を出力する。例えば、出力部14は、表示装置30に関心情報を出力することによって、関心情報に対応する画像を表示させる。或いは、出力部14は、表示装置30とは異なる表示装置、例えば、アンケートを実施した企業が管理するサーバ装置の表示画面などに、関心情報に対応する画像を表示させるようにしてもよい。また、出力部14は、アンケートを実施した企業が管理するサーバ装置などに、関心情報を出力することによって、関心情報をデータベースに記憶させるようにしてもよい。出力部14は、データ収集装置10が備える記憶領域(例えば、記憶部15)に、関心情報を記憶させてもよい。
【0042】
記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)などの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。記憶部15は、データ収集装置10の機能を実現するための各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0043】
また、記憶部15は、例えば、経緯情報、関心情報を記憶する。経緯情報は、アンケート画像が表示されてから、そのアンケート画像に含まれる設問に対する選択肢を選択する選択操作、例えばスワイプ操作が完了するまでの経緯を示す情報である。経緯情報は、算出部13によって、アンケート画像Gに対する操作履歴から抽出された情報である。関心情報は、アンケート画像Gに含まれる設問Qに対応する事項、例えば商品やサービスなどへの関心度合を示す情報である。関心情報は、算出部13によって、経緯情報に基づいて算出された情報である。
【0044】
また、データ収集装置10が備える機能部(表示制御部11、取得部12、算出部13、及び出力部14)は、データ収集装置10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)、及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0045】
(アンケート画像Gのバリエーションについて)
ここで、アンケート画像Gのバリエーションについて、図3及び図4を用いて説明する。図3及び図4は、実施形態におけるアンケート画像Gの例を示す図である。
【0046】
図3には、中央に括弧を示す記号(「<」、及び、「>」)で囲まれた設問Qが表示され、左端に選択肢SEL1、右端に選択肢SEL2が、それぞれ表示されたアンケート画像Gの例が示されている。括弧を示す記号により、設問Qを、左右何れかの選択肢SELが表示された領域までスワイプ操作することで、回答できることを示している。例えば、ユーザUは、アンケート画像Gにおける設問Qが表示された領域を選択する操作を行い、選択した状態を維持したまま左右何れかの方向に移動させる操作をする。ユーザUは、左右何れかの方向にある適当な領域まで移動させると、選択操作を解除する。これにより、アンケートに対する回答が行われる。
【0047】
図4には、スライドスイッチSWを有するスライドバーBERを用いたアンケート画像Gの例が示されている。例えば、ユーザUは、スライドスイッチSWを選択する操作を行い、選択した状態を維持したまま、スライドバーBERに沿って左右何れかの方向に移動させる操作をする。ユーザUは、左右何れかの方向にある適当な選択肢までスライドスイッチSW移動させると、選択操作を解除する。これにより、アンケートに対する回答が行われる。図4に示すような、スライドバーBERを用いたアンケート画像Gを用いる場合であっても、選択距離、選択時間、及び、選択速度などの経緯情報を用いて、関心情報を算出することが可能である。
【0048】
(経緯情報について)
ここで、経緯情報について、図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6は、実施形態における経緯情報の例を示す図である。図5及び図6には、3人のユーザUのそれぞれに対して、2つの設問Q1及びQ2を行った場合の経緯情報の例が示されている。
【0049】
図5には、経緯情報として、ユーザU(顧客)ごとに、回答に至るまでの経緯をまとめた情報の例が示されている。例えば、経緯情報は、図5の例に示すように、顧客番号(顧客No)、設問番号(設問No)、選択肢、回答までの時間、指の移動距離、指の移動時間、指の移動速度のそれぞれの項目に対応する情報が記憶される。顧客番号は、アンケートに回答したユーザUを特定する識別情報である。設問番号は、設問Qを特定する識別情報である。選択肢は、設問番号にて特定される設問Qに対して選択された選択肢を示す番号である。回答までの時間は、設問番号にて特定される設問Qに回答するまでに要した時間であり、アンケート画像Gが表示されてから選択操作が完了するまでに要した時間である。指の移動距離、指の移動時間、指の移動速度のそれぞれは、選択距離、操作時間、選択操作のそれぞれに対応する。
【0050】
図6には、経緯情報として、設問ごとに、回答に至るまでの経緯をまとめた情報の例が示されている。例えば、経緯情報は、図6の例に示すように、設問番号(設問No)、選択肢1回答顧客数、選択肢1平均移動距離、選択肢2回答顧客数、選択肢2平均移動距離のそれぞれの項目に対応する情報が記憶される。設問番号は、設問Qを特定する識別情報である。選択肢1回答顧客数は、設問番号にて特定される設問Qに対して選択肢1を選択したユーザUの人数である。選択肢1平均移動距離は、設問番号にて特定される設問Qに対して選択肢1を選択したユーザUのそれぞれが回答する際に操作した操作距離の平均である。選択肢2回答顧客数は、設問番号にて特定される設問Qに対して選択肢2を選択したユーザUの人数である。選択肢2平均移動距離は、設問番号にて特定される設問Qに対して選択肢2を選択したユーザUのそれぞれが回答する際に操作した操作距離の平均である。
【0051】
図5に示すように、ユーザU(顧客)ごとに、回答に至るまでの経緯をまとめることによって、個々のユーザUのそれぞれが、設問Qに対応する事項について、どの程度関心を持っているかを把握することが可能となる。一方、図6に示すように、設問ごとに、回答に至るまでの経緯をまとめることによって、設問Q及び設問Qに対応する事項のそれぞれについて、不特定のユーザUどの程度関心を持っているかを把握することが可能となる。
【0052】
(関心情報について)
ここで、関心情報について、図7を用いて説明する。図7は、実施形態における関心情報の例を示す図である。図7には、3人のユーザUのそれぞれに対して、2つの設問Q1及びQ2の何れに関心があるか否かを判定した結果が、その判定の根拠として経緯情報と共に示されている。
【0053】
図7に示すように、関心情報は、例えば、顧客番号(顧客No)、項目K1~項目K4のそれぞれに対応する情報が記憶される。項目K1~K4は以下に示す通りである。
【0054】
項目K1:とても関心がある設問番号(設問No)(回答時間に基づく)
項目K2:とても関心がある設問番号(設問No)(移動速度に基づく)
項目K3:あまり関心がない設問番号(設問No)(回答時間に基づく)
項目K3:あまり関心がない設問番号(設問No)(移動速度に基づく)
【0055】
項目K1には、回答時間、つまり経緯情報として操作時間を用いて算出した関心情報において、関心度合が大きいと判定された選択肢が示されている。項目K2には、移動速度、つまり経緯情報として操作速度を用いて算出した関心情報において、関心度合が大きいと判定された選択肢が示されている。項目K3には、回答時間、つまり経緯情報として操作時間を用いて算出した関心情報において、関心度合が小さいと判定された選択肢が示されている。項目K3には、移動速度、つまり経緯情報として操作速度を用いて算出した関心情報において、関心度合が小さいと判定された選択肢が示されている。
【0056】
図7に示すような関心情報を用いることによって、データ収集システム1では、設問Qに対応する事項について、ユーザUが関心を有しているか否かに応じた重みづけを行うなどして、ユーザUにとって関心が高い事項に関連する商品やサービスの情報を多く提供することが可能となる。
【0057】
(データ収集装置10が行う処理の流れ)
ここで、データ収集装置10が行う処理の流れについて説明する。図8は、実施形態におけるデータ収集装置10が行う処理の流れを説明するフローチャートである。まず、データ収集装置10は、表示装置30にアンケート画像Gを表示する(ステップS10)。次に、データ収集装置10は、検出用制御ボード20を介して、アンケート画像Gに対する操作を取得する(ステップS11)。データ収集装置10は、取得した操作から、経緯情報を抽出する(ステップS12)。データ収集装置10は、例えば、設問Qに対して回答する操作の履歴から、回答する操作に要した操作距離、操作時間、及び操作速度を示す情報を、経緯情報として抽出する。データ収集装置10は、経緯情報を用いて関心情報を生成する(ステップS13)。データ収集装置10は、経緯情報に基づいて、ユーザUが設問に対して迷うことなく即答したと判定できる場合、設問Qに対応する事項への関心が高いとして、関心度合が大きくなるように関心情報を算出する。一方、データ収集装置10は、経緯情報に基づいて、ユーザUが設問に対して即答しなかった、迷いながら回答したと判定できる場合、設問Qに対応する事項への関心が低いとして、関心度合が小さくなるように関心情報を算出する。データ収集装置10は、関心情報を、出力する(ステップS14)。データ収集装置10は、関心情報を記憶させる(ステップS15)。
【0058】
(実施形態の適用例について)
ここで、データ収集システム1が適用される例について、図9を用いて説明する。図9は、実施形態におけるデータ収集システム1が適用される例を示す図である。データ収集システム1は、店舗などにおいてユーザUに適した商品情報を提供するシステムに適用することができる。例えば、図9に示すように、商品P1~P5が載置される棚板Bの長手方向に沿って、長尺形状のタッチパネルディスプレイを表示装置30として配置する。ユーザUは、タッチパネルディスプレイに表示されたアンケート画像Gを視認し、アンケート画像Gを操作してアンケートに回答する。データ収集装置10は、アンケートに回答する際に得られる経緯情報から、関心情報を算出し、ユーザUが商品のどのような特徴について、どの程度関心があるかを判定する。例えば、棚板Bには、あらかじめ、あっさり、ややあっさり、普通、ややこってり、こってり、のそれぞれのタイプの商品P1~P5(この図の例では、カップラーメン)を、順に、載置しておく。この図の例では、商品P1が「あっさり」に対応する。商品P2が「ややあっさり」に対応する。商品P3が「ふつう」に対応する。商品P4が「ややこってり」に対応する。商品P5が「こってり」に対応する。そして、データ収集装置10は、ユーザUが、あっさり、ややあっさり、普通、ややこってり、こってり、のそれぞれのタイプにどの程度関心を持っているのかを判定する。データ収集装置10は、関心情報に基づいて、ユーザUの関心が高い商品を選択し、選択した商品をユーザUが判るように表示させる。データ収集装置10は、例えば、棚板Bに載置された商品の位置に対応する、表示装置30における所定の位置に矢印記号を表示させる。より具体的には、ユーザUが、あっさりタイプのカップラーメンにとても関心があると判定した場合、棚板Bに載置された、あっさりタイプのカップラーメン(例えば、商品P2)の位置を指し示す矢印記号を、表示装置30に表示させる。さらに、「あなたにお勧めする商品はこちらです」などのコメントを表示装置30に表示する。
【0059】
上述した例では、ユーザUに適したカップラーメンをお勧めする場合を例示して説明した。しかしながらこれに限定されることはない。様々なタイプに分けて多種多様に展開され、最初は何を選んだらよいか迷うような商品やサービスに対して、本実施形態を適用することができる。例えば、し好品、衣服、化粧品、装飾品、家電製品、道具、ペットフードなど、多種多様に展開された商品等に対して、本実施形態を適用することができる。本実施形態を適用することによって、ユーザUに適した商品等をお勧めすることができ、ユーザUの購買意欲を高めることが可能である。
【0060】
以上説明したように、実施形態のデータ収集装置10は、表示制御部11と、取得部12と、算出部13と、出力部14とを備える。表示制御部11は、設問Q、及び設問Qに対する選択肢SELを含むアンケート画像Gを表示させる。取得部12は、アンケート画像Gに対する操作を取得する。算出部13は、取得部12によって取得された操作の履歴に基づいて、アンケート画像Gが表示されてから、アンケート画像Gに含まれる設問Qに対する選択肢SELを選択する選択操作が完了するまでの経緯を示す経緯情報を抽出する。算出部13は、抽出した経緯情報に基づいて、アンケート画像Gに含まれる設問Qに対応する事項への関心度合を示す関心情報を算出する。出力部14は、関心情報を出力する。これにより、実施形態のデータ収集システム1では、どの様な経緯でその回答に至ったのかを把握することができる。例えば、アンケートの設問が顧客にとって日頃からの関心事項であるために迷わず即答したものであるか、そうではないのか等といった情報を得ることが可能である。このため、設問に対応する事項に対して顧客がどの程度の関心を持っているのかを推定することができる。したがって、アンケートの設問に対応する事項に対して顧客がどの程度の関心を持っているのかを推定することができる。これにより、例えば、顧客に適した商品やサービスの情報を提供することもできる。
【0061】
また、実施形態のデータ収集装置10では、アンケート画像Gは、設問Qを示す第1表示領域と、選択肢SELを示す第2表示領域とを含む。アンケート画像Gは、第1表示領域が選択された状態で、第2表示領域まで移動させるスワイプ操作によって、設問Qに対する選択肢SELが選択可能となる画像である。算出部13は、スワイプ操作(選択操作の一例)が開始されてから完了するまでに、アンケート画像Gにおいて選択された位置の変化量である操作距離を、経緯情報として抽出する。これにより、実施形態のデータ収集システム1では、操作距離、例えば、スワイプ操作において操作された軌跡の長さ(道のり)に基づいて、ユーザUが、設問Qについて、迷うことなく即答したのかそうでないのかを把握することができる。
【0062】
また、実施形態のデータ収集装置10は、算出部13は、選択操作が開始されてから完了するまでの操作時間を、経緯情報として抽出する。これにより、実施形態のデータ収集システム1では、操作時間、例えば、スワイプ操作において操作された時間の長さに基づいて、ユーザUが、設問Qについて、迷うことなく即答したのかそうでないのかを把握することができる。
【0063】
また、実施形態のデータ収集装置10では、算出部13は、選択操作が行われた操作速度を、経緯情報として抽出する。これにより、実施形態のデータ収集システム1では、操作速度、例えば、素早くスワイプ操作されたのか否かに基づいて、ユーザUが、設問Qについて、迷うことなく即答したのかそうでないのかを把握することができる。
【0064】
また、実施形態のデータ収集装置10では、表示制御部11は、タッチパネルディスプレイに、アンケート画像Gを表示させる。取得部12は、第1表示領域から、第2表示領域に至るまでのタッチパネルを介したスワイプ操作を取得する。これにより、実施形態のデータ収集システム1では、タッチパネルディスプレイに対して行われた操作量を経緯情報として取得することが可能となる。
【0065】
また、実施形態のデータ収集装置10では、アンケート画像Gには、1つの設問Qに対する選択肢SELが、複数設けられる。表示制御部11は、設問Qから複数の選択肢SELのそれぞれまでの距離が同等となるように、アンケート画像Gを表示させる。これにより、実施形態のデータ収集システム1では、設問Qに対して、何れの選択肢SELが選択される場合であっても、同程度の距離がスワイプ操作されるようにして、迷いながら回答をしたのか、そうではないのかが定量的に把握できる経緯情報を取得することが可能となる。
【0066】
また、実施形態のデータ収集装置10では、アンケート画像Gには、1つの設問に対する選択肢が、二つ設けられる。アンケート画像Gは長尺形状である。表示制御部11は、アンケート画像Gの中央に設問を表示させる。表示制御部11は、選択肢のうちの第1選択肢を、アンケート画像Gの第1端部(例えば、右端)に表示させる。表示制御部11は、選択肢のうちの第2選択肢を、アンケート画像において第1端部に対向する第2端部(例えば、左端)に表示させる。これにより、実施形態のデータ収集システム1では、設問Qに対する2つの選択肢SELに対して、同程度の距離がスワイプ操作されるようにして、迷いながら回答をしたのか、そうではないのかが定量的に把握できる経緯情報を取得することが可能となる。
【0067】
また、実施形態のデータ収集システム1は、表示装置30とデータ収集装置10とを備える。表示装置30は、商品が載置される棚板の長手方向に沿って設置される、長尺形状のタッチパネルディスプレイである。データ収集装置10は、長尺形状のアンケート画像Gを表示装置30に表示させる。これにより、実施形態のデータ収集システム1では、商品棚に載置された商品に合わせたアンケート画像Gを表示させることができ、ユーザUは商品の実物を視認しながらアンケートに回答することができる。また、商品棚に載置された商品の位置に合わせて、お勧めする商品を指し示すことができる。ユーザUは、関心のある商品を把握することができ、且つ、その商品をすぐ手に取って購入することができる。
【0068】
(実施形態の変形例)
ここで、実施形態の変形例について説明する。本変形例では、機械学習の手法を用いて、関心度合を推定する点において、上述した実施形態と相違する。以下の説明では、上述した実施形態と相違する構成について主に説明し、上述した実施形態と同等の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0069】
算出部13は、学習済モデルを用いて、設問Qに対応する事項にどの程度関心があるかを示す関心度を判定する。ここでの学習済モデルは、学習データセットを学習することによって、学習データセットにおける説明変数としての入力と、目的変数としての出力との対応関係を学習した学習モデルである。
【0070】
ここでの学習データセットは、入力としての学習用の経緯情報に、出力としての学習用の経緯情報に対する関心度、を組(セット)にした情報である。ここでの学習用の経緯情報は、不特定のユーザUがアンケート画像を操作した経緯の実績を示す情報である。学習用の経緯情報に対する関心度は、不特定のユーザUのそれぞれが、設問Qに対応する事項に相当する商品等に関心があるか否かを示す情報である。
【0071】
また、学習モデルとして、任意のモデルが用いられてよく、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、サポートベクタマシン(SVM)、決定木学習、遺伝的プログラミング、及びこれらの組合せなどによるモデルのいずれが採用されてもよい。また、学習に任意の学習手法が用いられてよく、例えば、機械学習、ディープラーニング、量子コンピューティング、及びこれらの組合せた手法等により学習された学習済モデルを用いた予測が行われてもよい。
【0072】
学習モデルは、学習データセットを用いて、学習用の経緯情報とその関心度との対応関係を繰り返し学習する。これによって、未学習の経緯情報と、学習した対応関係とに基づいて、その関心度を予測する。繰返し学習を行うことによって、予測結果と、学習データセットにおける関心度とが、閾値以上の精度にて一致するようになった場合、その学習モデルは、学習済モデルとして適用される。算出部13は、学習済モデルに、ユーザUの経緯情報を入力させることによって、学習済モデルから出力された予測結果を、関心情報として取得する。
【0073】
以上説明したように、実施形態の変形例に係るデータ収集システム1では、算出部13は、学習済モデルを用いて、関心情報を算出する。学習済モデルは、経緯情報に関心度が対応づけられた学習データセットを用いた機械学習を行うことによって生成されたモデルである。学習済モデルは、経緯情報と関心度との対応関係を学習することによって、入力された経緯情報から、その経緯情報における関心度を判定するモデルである。これにより、実施形態の変形例に係るデータ収集システム1では、学習済モデルに経緯情報を入力するだけで、その経緯情報に対応する関心情報を算出することができ、より容易に、関心情報を算出することが可能となる。
【0074】
上述した実施形態におけるデータ収集システム1、及びデータ収集装置10の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0075】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0076】
1…データ収集システム
10…データ収集装置
11…表示制御部
12…取得部
13…算出部
14…出力部
15…記憶部
20…検出用制御ボード
30…表示装置
G…アンケート画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9