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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166728
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】コンテナの通気構造
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/74 20060101AFI20241122BHJP
   F26B 25/08 20060101ALI20241122BHJP
   F26B 3/06 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
B65D88/74
F26B25/08 Z
F26B3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083031
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】則武 宏昭
(72)【発明者】
【氏名】前川 亘
【テーマコード(参考)】
3E170
3L113
【Fターム(参考)】
3E170AA21
3E170AB11
3E170CB06
3E170EA08
3E170EB02
3E170QA11
3E170VA20
3L113AA01
3L113AB03
3L113AC04
3L113AC49
3L113AC69
3L113AC71
3L113BA05
3L113CB03
3L113CB24
3L113DA07
3L113DA15
(57)【要約】
【課題】簡単な構造でコンテナの内部と外部とを通気できるコンテナの通気構造を提供する。
【解決手段】乾燥対象物Xを少なくとも投入する際に用いられる投入口である開口2aが上部に形成される箱状のコンテナ2と、前記コンテナ2の内部と外部とを通気させる通気部材3と、前記通気部材3により前記コンテナ2の内部と外部とを通気させた状態で前記投入口を塞ぐ閉塞部材4と、を備え、前記通気部材3は、前記コンテナ2に対して着脱可能に取り付けられている、コンテナの通気構造1である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥対象物を少なくとも投入する際に用いられる投入口が上部に形成される箱状のコンテナと、
前記コンテナの内部と外部とを通気させる通気部材と、
前記通気部材により前記コンテナの内部と外部とを通気させた状態で前記投入口を塞ぐ閉塞部材と、を備え、
前記通気部材は、前記コンテナに対して着脱可能に取り付けられている、コンテナの通気構造。
【請求項2】
前記通気部材は、前記コンテナの外部に向けて配置される外側通気口を有し、
前記外側通気口が側方又は下方に向けて開口している、請求項1に記載のコンテナの通気構造。
【請求項3】
前記コンテナは、底壁部と、該底壁部から上方に起立して前記投入口を規定する周壁部とを備え、
前記通気部材は、前記周壁部に対して係合可能な係合部を備え、
前記係合部が前記周壁部に係合することにより、前記通気部材が前記コンテナに対して着脱可能に取り付けられる、請求項1に記載のコンテナの通気構造。
【請求項4】
前記コンテナは、底壁部と、該底壁部から上方に起立して前記投入口を規定する周壁部と、前記コンテナの内部と外部とを連通し、前記コンテナの下部に開口した送風口とを備え、
熱源から供給される熱により温風を発生させる温風発生装置であって、前記送風口を介して前記コンテナの内部に前記温風を送風する温風発生装置を備える、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のコンテナの通気構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナの上部の開口を塞いだ際に、コンテナの内部と外部とを通気するためのコンテナの通気構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、特許文献1に記載のコンテナが存在している。このコンテナは、上面に開口部を有する箱状体である。また、このコンテナは、該コンテナの上面開口を覆う天蓋を備え、該天蓋は、前記コンテナの左右両側壁の上端縁に設けられた開閉機構により、前記コンテナの上面開口を開閉自在に構成されている。
【0003】
例えば、前記コンテナは内部に収容する乾燥対象物を乾燥させるために用いられることがある。この場合、前記コンテナ内には、底部よりも上側に乾燥対象物よりも小径の貫通孔が多数設けられた多孔板が設けられると共に、前記底部と前記多孔板との間にコンテナ内外を連通する送風口が設けられる。そして、前記天蓋を開放状態にし、前記上面開口を介して前記多孔板よりも上方に前記乾燥対象物を収容した後、前記送風口を介して外部に設けられた送風装置から供給された温風をコンテナ内に流す。コンテナ内に流れた温風は、前記貫通孔を介して前記乾燥対象物に当たって該乾燥対象物を乾燥させるとともに、前記上面開口を介して外部に流れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4322711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記天蓋を開放状態にしていると、雨が降った場合には前記上面開口から雨がコンテナ内に入って該コンテナ内の前記乾燥対象物が濡れてしまう。そのため、前記天蓋で前記上面開口を閉塞する必要がある。しかし、前記天蓋で前記上面開口を閉塞すると、前記乾燥対象物から蒸発した水蒸気を含んだ温風をコンテナ外に排出しづらくなる。一方で、雨が降った場合でも温風をコンテナ外に排出し易い構造を前記コンテナに設けると、前記コンテナの構造が複雑になってしまう、という問題が生じる。
【0006】
なお、このような問題は、前記乾燥対象物を乾燥させるべく、前記送風装置を用いてコンテナ内に風を送り込む場合に限らず、前記乾燥対象物を乾燥させるためにコンテナ内外を通気させる場合全般において生じていた。
【0007】
そこで、本発明は、簡単な構造でコンテナの内部と外部とを通気できるコンテナの通気構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、乾燥対象物を少なくとも投入する際に用いられる投入口が上部に形成される箱状のコンテナと、前記コンテナの内部と外部とを通気させる通気部材と、前記通気部材により前記コンテナの内部と外部とを通気させた状態で前記投入口を塞ぐ閉塞部材と、を備え、前記通気部材は、前記コンテナに対して着脱可能に取り付けられている、コンテナの通気構造である。
【0009】
前記構成によれば、雨水が前記投入口から前記コンテナの内部に入って前記乾燥対象物が濡れることを前記閉塞部材で防止しながら、例えば、前記通気部材を介して前記コンテナの内部の空気を外部に流すことができ、また、前記通気部材を前記コンテナに取り付ければ、前記閉塞部材で前記投入口を塞いだ状態でも前記コンテナの内部と外部との通気を行うことができるため、簡単な構造で前記コンテナの内部と外部とを通気できる。
【0010】
また、本発明では、前記通気部材は、前記コンテナの外部に向けて配置される外側通気口を有し、前記外側通気口が側方又は下方に向けて開口していてもよい。
【0011】
前記構成によれば、前記外側通気口を介して前記コンテナの内部と外部とを通気でき、また、前記外側通気口を介して雨水が前記コンテナの内部に入ることを抑制できる。
【0012】
また、本発明では、前記コンテナは、底壁部と、該底壁部から上方に起立して前記投入口を規定する周壁部とを備え、前記通気部材は、前記周壁部に対して係合可能な係合部を備え、前記係合部が前記周壁部に係合することにより、前記通気部材が前記コンテナに対して着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0013】
前記構成によれば、前記係合部が前記周壁部に係合することにより、前記通気部材が前記コンテナに対して着脱可能に取り付けられるため、前記通気部材を前記コンテナに対して簡単に取り付けることができる。
【0014】
また、本発明では、前記コンテナは、底壁部と、該底壁部から上方に起立して前記投入口を規定する周壁部と、前記コンテナの内部と外部とを連通し、前記コンテナの下部に開口した送風口とを備え、熱源から供給される熱により温風を発生させる温風発生装置であって、前記送風口を介して前記コンテナの内部に前記温風を送風する温風発生装置を備えていてもよい。
【0015】
前記構成によれば、前記温風発生装置から前記温風を前記コンテナの内部に送風することにより、前記コンテナの内部の前記乾燥対象物を乾燥でき、前記乾燥対象物の乾燥に伴って発生した水蒸気を前記温風と共に、前記通気部材を介して前記コンテナの外部に排出することにより、前記乾燥対象物の乾燥効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上、本発明によれば、前記通気部材を前記コンテナに取り付ければ、前記閉塞部材で前記投入口を塞いだ状態でも前記コンテナの内部と外部との通気を行うことができるため、簡単な構造で前記コンテナの内部と外部とを通気できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、バイオマス乾燥システムを示す概略図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るコンテナの通気構造を示す側面図である。
図3図3は、図2におけるIII-III断面図であって、通気部材を外形で示す図である。
図4図4は、図3における領域IVの拡大図である。
図5図5は、本発明の別形態に係るコンテナの通気構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係るコンテナの通気構造1について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0019】
なお、コンテナの通気構造1を説明するに際しては、説明の都合上、上下、左右の表現は、図3の紙面における方向を基準とする。そして、前後の表現は、図2の紙面における左右の方向を基準とし、図2の左方を前側とし、右方を後側とする。さらに、内側及び外側とは、コンテナ2を基準とした内側及び外側を指す。
【0020】
本実施形態のコンテナの通気構造1は、バイオマス乾燥システムAの一構成要素であるコンテナ2に適用される。そのため、まず初めに、バイオマス乾燥システムAの全体概要について説明する。なお、「バイオマス」とは、動植物に由来する物質であり、一定の形態を有する固体であって、乾燥して含有水分量を減少させることで燃焼可能な材料である。例えば木材(廃材、おがくず等)、植物残渣(わら、除去された雑草等)、可燃性の廃棄物(食品廃棄物等)、動物の排泄物、下水汚泥である。本実施形態では、木材(間伐材、剪定された樹木、建築廃材等)をチップ状にした木質チップを用いる。なお、以下の「乾燥対象物X」と「燃料」は、含有水分量が異なるが、物としては同じである。
【0021】
図1に示すように、バイオマス乾燥システムAは、温水を作るボイラ設備Bと、ボイラ設備Bによって作られた温水が供給される熱交換器Cであって、温水の熱エネルギーを空気に伝達する熱交換器Cと、ボイラ設備Bと熱交換器Cとに接続され、流体を流通させる流路を構成する配管構造Dと、熱交換器Cによって温められた空気を送る送風設備Eと、コンテナ2とを備える。
【0022】
本実施形態のバイオマス乾燥システムAは、コンテナ2の重量を測定するロードセル6を備える。このロードセル6は、コンテナ2に収容された収容物である後述する乾燥対象物Xの重量(具体的には、乾燥対象物Xを収容したコンテナ2の全体重量)を測定することにより、乾燥対象物Xの乾燥度合を計測するためのものである。図1に示すように、バイオマス乾燥システムAにおいて、ロードセル6には、コンテナ2が載置されている。
【0023】
本実施形態のバイオマス乾燥システムAでは、ボイラ設備B、熱交換器C、配管構造D、送風設備Eによって、コンテナ2の内部に温風を送風するための温風発生装置5が構成されている。
【0024】
ボイラ設備Bは、筐体B1と、筐体B1の内部に設けられ、バイオマスからなる燃料(具体的には、後述するボイラB30で燃焼される燃料)を貯留する燃料庫B2と、筐体B1の内部(具体的には、筐体B1の内部において燃料庫B2に隣接するように形成されているボイラ庫B3)に設けられ、燃料庫B2から供給される燃料を燃焼させるボイラB30と、筐体B1の内部(具体的には、ボイラ庫B3)においてボイラB30から離れた位置に設けられ、ボイラB30で燃料を燃焼させることによって発生させた熱で温められる水を貯える水タンクB31と、燃料庫B2の外部から燃料庫B2の内部に燃料を移送する燃料移送装置B4と、燃料庫B2の内部の燃料をボイラB30に供給する燃料供給装置(図示しない)と、を備える。
【0025】
筐体B1の内部は、仕切壁部B5によって2つの空間に分けられ、一方の空間が燃料を収容する燃料庫B2として使用され、他方の空間がボイラB30と水タンクB31とが収容されるボイラ庫B3として使用されている。
【0026】
ボイラB30は、燃料を着火する着火部(具体的には、バーナー)と、後述する燃料供給装置により燃料庫B2から燃料が供給され、且つ着火部によって燃料を燃焼させるための空間である燃焼室と、燃料の燃焼により生じた熱を利用して温められる流体(本実施形態では、水)を通過させる加熱路とを有する。加熱路は、管状部材であり、管軸方向の一部が燃焼室の内部に配置されている。
【0027】
水タンクB31には、水が貯められている。この水タンクB31は、加熱路の始端部と終端部とに接続されている。そのため、水タンクB31に貯められた水は加熱路を流れる。よって、水タンクB31から始端部を介して加熱路に流れた水は、燃焼室の内部を通過する際に燃焼室の内部の熱を利用して温められてから、再び水タンクB31に戻る。なお、本実施形態では、水は約80℃まで温められる。また、本実施形態では、複数(具体的には、2つ)の水タンクB31,B31がボイラ庫B3の内部に配置されている。そして、複数の水タンクB31,B31は、加熱路を介して互いに流体的に接続されている。
【0028】
燃料移送装置B4は、燃料を投入可能に構成され、且つ投入された燃料を搬送する投入側搬送装置B40と、投入側搬送装置B40から燃料を受け取るように構成され、且つ投入側搬送装置B40から受け取った燃料を燃料庫B2の内部に搬送する庫側搬送装置B41とを有する。本実施形態の燃料移送装置B4は、燃料庫B2の外部に配置されている。そして、本実施形態の燃料移送装置B4は、スクリュー搬送を行う投入側搬送装置B40によって横方向での搬送を行い、エア搬送を行う庫側搬送装置B41によって上下方向での搬送を行うことによって、燃料を燃料庫B2の外部から燃料庫B2の内部に搬送できるように構成されている。
【0029】
燃料供給装置は、燃料庫B2の内部と燃料庫B2の外部(具体的には、ボイラ庫B3の内部)とに亘って配置されている。燃料供給装置は、例えば、ベルト搬送により燃料を搬送するように構成されていればよい。
【0030】
熱交換器Cは、供給された温水の熱を空気に伝達するためのものである。本実施形態の熱交換器Cは、温水と空気との熱交換を行うことで、一例として約80℃の温水を用いて空気を約70℃まで温める。また、本実施形態の熱交換器Cは、筐体B1の外側に設けられている。なお、熱交換器Cは、水タンクB31から送り出された温水が流通する取水部(図示しない)と、取水部に接続される流路部(図示しない)と、流路部を通過して水タンクB31に送り出される水が通過する吐出部(図示しない)と、外部から空気を取り入れる空気取り入れ口(図示しない)とを有する。
【0031】
配管構造Dは、水タンクB31から熱交換器Cに送る熱媒体(具体的には、温水)を流通させる第1流路D2と、熱交換器Cから水タンクB31に送る熱媒体(具体的には、水)を流通させる第2流路D1と、を有する。
【0032】
送風設備Eは、熱交換器Cにより温められた空気から温風を発生させる。送風設備Eは、筐体B1の外側に配置されている。送風設備Eは、空気を送り出す送風機E1と、熱交換器Cと送風機E1とに連結され、熱交換器Cで温められた空気を送風機E1に流入するよう構成される連結管E2と、送風機E1とコンテナ2とに連結される送風管E3と、を備える。
【0033】
即ち、温風発生装置5は、熱源であるボイラ設備Bから供給される温水の熱により温められた空気を送風機E1で送り出すことで温風を発生させる。
【0034】
コンテナ2は、バイオマス乾燥システムAにおいて、収容した乾燥対象物Xを乾燥させるために用いられる。そのため、本実施形態のコンテナ2は乾燥コンテナである。また、このコンテナ2は、屋外に設置されている。
【0035】
ここで、乾燥対象物Xは、外面に水分が付着し、或いは組織内に水分を含むものである。本実施形態の乾燥対象物Xは木質チップである。この木質チップは、外面に付着した水分や木材組織内に含まれた水分が蒸発することで乾燥し、乾燥した木質チップは、例えば木質バイオマス発電に用いられる。なお、木質チップは、乾燥することによって発電時の燃焼がしやすくなり、かつ、水分が抜けた分だけ軽量化されるため、例えば運搬時において有利である。
【0036】
コンテナの通気構造1は、例えば雨天時において、屋外に設置されているコンテナ2の内部に収容される乾燥対象物Xの乾燥効率の低下を抑えるためのものである。図2に示すように、このコンテナの通気構造1は、コンテナ構造体と、上述した温風発生装置5とを備える。また、本実施形態のコンテナの通気構造1は、上記に加えて、上述したロードセル6を備える。
【0037】
図2に示すように、コンテナ構造体は、乾燥対象物Xを収容するコンテナ2と、コンテナ2の内部と外部とを通気させる通気部材3と、コンテナ2の上部の開口2aを塞ぐ閉塞部材4とを備える。
【0038】
図3に示すように、本実施形態のコンテナ2は、上部に開口2aが形成される箱状のコンテナ本体20と、コンテナ本体20内に設けられる支持体21と、コンテナ本体20内の空間を上下方向において複数(具体的には、2つ)の空間に仕切るデッキ22とを備える。
【0039】
図2に示すように、コンテナ本体20は、コンテナ本体20内で底を構成する底壁部20aと、底壁部20aから上方に起立する周壁部20bとを備える。
【0040】
底壁部20aは、コンテナ本体20の下部に設けられている。本実施形態の底壁部20aは、平面視矩形状である。具体的に、底壁部20aは、前後方向に長い長方形状である。
【0041】
周壁部20bは、底壁部20aの端縁部の全周から上方に設けられている。そのため、周壁部20bは、底壁部20aよりも上方の空間を囲うことにより、コンテナ本体20内の空間を規定している。ここで、上述の通り、本実施形態の底壁部20aは平面視略矩形状である。そのため、本実施形態の周壁部20bは、平面視矩形枠状に構成されている。また、周壁部20bは上部を上下方向に開放している。そのため、周壁部20bは、コンテナ2の上部に形成される開口2aを規定している。この開口2aは、少なくともコンテナ本体20内に乾燥対象物Xを投入する際に用いられる。よって、この開口2aは、乾燥対象物Xを投入するための投入口として機能する。本実施形態の周壁部20bは、前側と後側それぞれに位置する前側壁部200及び後側壁部201と、右側と左側それぞれに位置する右側壁部202及び左側壁部203とを備える。
【0042】
前側壁部200は、底壁部20aの前側端縁部から立設されているものであり、コンテナ本体20の前側に設けられる壁体である。
【0043】
後側壁部201は、コンテナ本体20の後側に設けられる壁体である。図3に示すように、本実施形態の後側壁部201は、該後側壁部201を開くように構成される扉(具体的には、右扉201a及び左扉201b)と、コンテナ2の内部と外部とを連通する送風口2Aが形成される送風口部201Aとを備える。なお、扉は、ヒンジを介して支柱に連結されており、且つ支柱を軸心として回動可能に構成される。そのため、右扉201aと左扉201bは、右側と左側それぞれで支柱に連結しており、且つ開閉可能に構成されている。よって、右扉201aと左扉201bとを回動させて後側壁部201を開放することにより、例えばコンテナ本体20内から乾燥した木質チップを取り出すことができる。取り出した木質チップは、例えば燃料として投入側搬送装置B40に投入され、庫側搬送装置B41を介して燃料庫B2に貯留させることができる。
【0044】
右扉201aと左扉201bとは、左右対称に構成されている。右扉201aと左扉201bは、上下方向に長い縦長の長方形状で、且つ左右方向の内側の下側部分が角形に切り欠かれた形状の板状部材で構成される。
【0045】
図3に示すように、送風口部201Aは、後側壁部201の下部で左右方向中央の位置に配置されている。そのため、送風口部201Aに形成される送風口2Aは、コンテナ2の下部に設けられている。図2に示すように、この送風口2Aは、コンテナ本体20内外を連通するべく内外方向に開口している。また、送風口2Aは、コンテナ本体20の底壁部20aの上面と後述するデッキ22の下面との間へ送風するように設けられている。本実施形態では、大容量の気流(温風)を導入するために、コンテナ本体20の底壁部20aの上面と後述するデッキ22の下面との上下方向の距離に比べ、送風口2Aの上下寸法が大きく設定されている。このため、コンテナ本体20内には高さ寸法を調整し、且つコンテナ本体20内の乾燥対象物Xが送風口2Aに入らないようにする送風ガイド部(図2参照)が設けられている。したがって、図2に示すように、送風口2Aからコンテナ本体20内に導入された温風(図2の矢印参照)は、送風ガイド部によって底壁部20aの上面とデッキ22の下面との間に流れた後、デッキ22の複数の貫通孔(図2参照)を通して乾燥対象物Xに供給される。
【0046】
図3に示すように、右側壁部202と左側壁部203とは、コンテナ本体20の右側と左側それぞれに設けられる壁体である。そのため、右側壁部202と左側壁部203とは、底壁部20aの右側端縁部と左側端縁部それぞれから立設されている。また、右側壁部202と左側壁部203とは、前側で前側壁部200に連結し、後側で後側壁部201に連結している。なお、右側壁部202と左側壁部203の前後方向の長さは、前側壁部200と後側壁部201の左右方向の長さよりも長い。
【0047】
図4に示すように、周壁部20bは、内周面を構成する内壁面204と、外周面を構成する外壁面206とを備える。ここで、上述の通り、本実施形態の周壁部20bは、前側壁部200、後側壁部201、右側壁部202及び左側壁部203を備える。そのため、前側壁部200、後側壁部201、右側壁部202及び左側壁部203それぞれが、内壁面204、外壁面206を備えている。本実施形態では、内壁面204と外壁面206の上側部205,207は、上下方向に沿う垂直板状に構成されている。
【0048】
外壁面206の上側部207の上端には、略コの字状の補強枠208が設けられている。この補強枠208の上面208aは、内外方向に沿う平面状に構成されている。また、補強枠208の外面208bは、上下方向に沿う平面状に構成されている。
【0049】
図4に示すように、周壁部20bには、後述する閉塞部材4をコンテナ本体20に取り付ける際に利用される被取付部209が設けられている。本実施形態の被取付部209は、フック状部材である。この被取付部209は、周壁部20bの外壁面206(具体的には、外壁面206の上側部207)に設けられている。また、図2に示すように、本実施形態では、被取付部209は、周壁部20bの外壁面206に複数設けられている。具体的に、被取付部209は、前側壁部200、後側壁部201、右側壁部202及び左側壁部203それぞれにおいて、上下方向と直交する面方向に複数配置されている。
【0050】
図3に示すように、支持体21は、コンテナ本体20内で後述するデッキ22を支持するためのものである。この支持体21は、底壁部20aの上方に設けられている。また、支持体21は、底壁部20aにおける外縁部分に設けられる外縁支持体210と、底壁部20aにおける左右方向の中途部分に設けられる左右支持体213とを備える。
【0051】
図3に示すように、外縁支持体210は、断面L字状である。外縁支持体210は、底壁部20aの外縁部分において上向きに立設される足部211と、底壁部20aと平行に延設される延設板部212とを備える。足部211と延設板部212とは、垂直になるように連結されている。図3に示すように、右側壁部202及び左側壁部203に沿って設けられる外縁支持体210では、延設板部212は、足部211の上端から外方へと延設され且つ右側壁部202及び左側壁部203それぞれに連結されている。
【0052】
左右支持体213は、底壁部20aの左右方向の中途部に設けられている。左右支持体213は、底壁部20aの前後方向に亘って延びるよう立設される一対の左右足部214,214と、該一対の左右足部214,214の上端部分に一対の左右足部214,214の間に亘って設けられる板状の亘板部215とを備える。
【0053】
図2,3に示すように、デッキ22は、平板状に形成されている。このデッキ22には、板厚方向に貫通する貫通孔(図2参照)が形成されている。本実施形態のデッキ22には、複数の円形状の貫通孔が形成されている。なお、貫通孔の孔径は、乾燥対象物Xが通過しないサイズに設定されていればよい。貫通孔の形状は、円形状に限らず、矩形状や線状等の様々な形状であってもよい。
【0054】
図3に示すように、デッキ22は、底壁部20aの上面よりも上側で支持体21(具体的には、外縁支持体210の延設板部212と左右支持体213の亘板部215)によって支持されている。そのため、デッキ22は、コンテナ2の内部で底壁部20aから上側に離隔して設けられている。これにより、コンテナ本体20内の空間は、デッキ22によって上下方向で複数(具体的には、2つ)の空間に仕切られている。そして、コンテナ本体20内において、デッキ22よりも上側の空間は、乾燥対象物Xを収容する収容室20Aとして規定され、デッキ22よりも下側の空間は、送風口2Aを通じて温風発生装置5から温風が送り込まれる送風室20Bとして規定される。なお、温風は、デッキ22の貫通孔を通って、送風室20Bから収容室20Aに流れる。
【0055】
通気部材3は、コンテナ2に対して着脱可能に取り付けられて、コンテナ2の内部と外部とを通気させるためのものである。本実施形態の通気部材3は、コンテナ2の内部の空気を外部に排出するために利用される。図2,3に示すように、通気部材3は、筒状の通気本体部30と、通気本体部30をコンテナ本体20に取り付けるための通気取付部31とを備える。
【0056】
通気本体部30は、コンテナ本体20内外を通気するためのものである。通気本体部30は、管状部材により構成されている。図3に示すように、本実施形態の通気本体部30は、側面視においてL字状に構成されている。また、図4に示すように、本実施形態の通気本体部30は、直管部300と、直管部300に接続される管状のエルボ管部301とを備える。
【0057】
本実施形態の直管部300は、軸線方向が直線となっている管状部材である。この直管部300は、軸線方向の一方側の端部に空気を通すための一方側通気口3aを有する。エルボ管部301は、通気本体部30内の進路を変えるためのものである。このエルボ管部301は、軸線方向が湾曲線となっている管状部材である。エルボ管部301は、直管部300のうち一方側通気口3aとは反対側の端部に接続されている。そのため、直管部300とエルボ管部301とは連通している。エルボ管部301は、直管部300に接続される端部とは反対側の端部に空気を通すための他方側通気口3bを有する。
【0058】
通気取付部31は、通気本体部30に設けられている。本実施形態の通気取付部31は、直管部300の外周面に設けられている。本実施形態の通気取付部31は、直管部300の外周面のうち、直管部300に接続されるエルボ管部301の他方側通気口3bが配置される側に配置されている。
【0059】
本実施形態の通気取付部31は、周壁部20bに対して係合可能な係合部として構成される。具体的に、係合部は、周壁部20bに引掛け可能なフックである。この係合部は、直管部300の外周面から直管部300の径外側に突出する係合突出部310と、係合突出部310と交差するように係合突出部310から延出する係合延出部311とを備える。係合突出部310の突出長さは、補強枠208の上面208aの内外方向の長さよりも長い。本実施形態の係合突出部310は、直管部300の径方向に沿うように直管部300から突出している。そのため、係合突出部310は直管部300の径方向に沿う平板状に構成される。本実施形態の係合延出部311は、係合突出部310の先端部分から直管部300の一方側通気口3aが配置される側に向かって延出している。そして、係合延出部311と直管部300の外周面との距離は、周壁部20bの厚みよりも長い。
【0060】
図3、4に示すように、閉塞部材4は、コンテナ2の開口2aを塞ぐべく、コンテナ本体20の上方に取り付けられるものである。ここで、上述の通り、コンテナ2は、屋外に設置されている。そして、コンテナ本体20の上部には開口2aが形成されている。そのため、乾燥対象物Xを収容したコンテナ2を屋外にしておくと、乾燥対象物Xが例えば野晒しとなり、その結果、乾燥対象物Xの乾燥効率の低下につながる。そこで、コンテナ2の内部に雨水等が浸入することを防止すべく、閉塞部材4は、コンテナ2の上部の開口2aを塞ぐ。図4に示すように、この閉塞部材4は、コンテナ2の開口2aを覆う閉塞本体部40と、閉塞本体部40をコンテナ本体20に取り付ける閉塞取付部41とを備える。
【0061】
閉塞本体部40は、開口2aを覆うことによって雨水がコンテナ2の内部へ浸入することを防止するためのものである。そのため、閉塞本体部40は防水性を有する。本実施形態の閉塞本体部40は、可撓性を有するシート状部材(例えば、樹脂シート)により構成されている。閉塞本体部40の面方向の長さは、開口2aよりも長い。そのため、閉塞本体部40を上方から周壁部20b(具体的には、補強枠208の上面208a)に被せることで、開口2aを覆うことができる。
【0062】
閉塞取付部41は、周壁部20bに取り付けられるものである。本実施形態の閉塞取付部41は、閉塞本体部40の面方向の端縁部に設けられている。具体的に、閉塞取付部41は、閉塞本体部40に縫い付けられた環状部材である。また、本実施形態の閉塞取付部41は、閉塞本体部40の面方向の端縁部に複数設けられている。
【0063】
続いて、コンテナの通気構造1の構築の仕方について説明する。コンテナの通気構造1を構築する場合、閉塞部材4のコンテナ2に対する取り付けと、通気部材3のコンテナ2に対する取り付けと、温風発生装置5のコンテナ2に対する取り付けとを行う。なお、図2に示すように、送風管E3を送風口2Aに接続することにより、温風発生装置5のコンテナ2に対する取り付けが行われる。よって、送風口2Aを介して温風発生装置5からコンテナ2の内部に温風を送風できる。
【0064】
図3に示すように、閉塞部材4のコンテナ2に対する取り付けを行う場合には、閉塞本体部40を上方から周壁部20b(具体的には、補強枠208の上面208a)に被せる。ここで、閉塞本体部40の面方向の長さは、開口2aよりも長い。そのため、閉塞本体部40を開口2aに被せることにより、閉塞本体部40でコンテナ2の開口2aを塞ぐことができる。また、閉塞部材4のコンテナ2に対する取り付けを行う場合には、閉塞取付部41をコンテナ本体20に取り付ける。図2,4に示すように、本実施形態では、閉塞本体部40の面方向の端縁部に設けられている閉塞取付部41を周壁部20bの外壁面206(具体的には、被取付部209)に取り付ける。ここで、被取付部209はフック状部材であり、閉塞取付部41は閉塞本体部40に縫い付けられた環状部材である。そのため、環状部材をフック状部材に引掛けることにより、閉塞取付部41をコンテナ本体20に取り付けることができる。さらに、本実施形態では、被取付部209は、周壁部20bの外壁面206に複数設けられ、閉塞取付部41は、閉塞本体部40の面方向の端縁部に複数設けられている。そのため、図2に示すように、本実施形態では、複数の閉塞取付部41を複数の被取付部209に取り付ける。
【0065】
通気部材3のコンテナ2に対する取り付けを行う場合には、通気取付部31を周壁部20bに取り付ける。なお、後述するが、本実施形態では、閉塞本体部40の一部を捲り、開口2aの一部を開放させた状態で、通気取付部31を周壁部20bに取り付ける。ここで、通気取付部31は周壁部20bに対して係合可能な係合部として構成される。そのため、係合部が周壁部20bに係合することにより、通気本体部30をコンテナ本体20に取り付ける。具体的には、係合延出部311と直管部300の外周面との間に補強枠208を位置させ、係合突出部310を補強枠208の上面208aに当接させることで、係合部を周壁部20bに引掛ける。
【0066】
また、通気取付部31を周壁部20bに取り付けることによって、通気本体部30がコンテナ本体20に取り付けられる。図3,4に示すように、本実施形態では、一方側通気口3aがコンテナ本体20の底壁部20a側に向かうように直管部300が開口2aに挿入され、他方側通気口3bが外側(具体的には、側方である右側)に向けて開口するように、エルボ管部301がコンテナ2の外部に配置される。よって、他方側通気口3bは、コンテナ2の外部に向けて配置される外側通気口として構成される。このようにして、通気部材3がコンテナ2に対して取り付けられる。なお、本実施形態では、コンテナ2に一つの通気部材3が取り付けられる。
【0067】
また、本実施形態では、閉塞部材4のコンテナ2に対する取り付けを行った後、通気部材3のコンテナ2に対する取り付けを行う。具体的には、図2に示すように、閉塞取付部41,41同士の間において、開口2aを覆う閉塞本体部40の一部を捲り、開口2aの一部を開放させた状態で、閉塞部材4とコンテナ2との隙間から通気部材3をコンテナ本体20に取り付ける。これによって、通気部材3によりコンテナ2の内部と外部とを通気させた状態において、閉塞部材4で投入口である開口2aを塞ぐ。また、閉塞部材4とコンテナ2との隙間から通気部材3をコンテナ本体20に取り付けることにより、通気部材3は閉塞本体部40に覆われる。具体的には、通気部材3は、コンテナ2に取り付けられた閉塞本体部40によって上側から押さえられる。
【0068】
以上、本実施形態によれば、閉塞部材4でコンテナ2の開口2aを塞ぎながら、通気部材3を介してコンテナ2の内部と外部との通気を行うことができる。そのため、例えば雨水が開口2aからコンテナ2の内部に入って乾燥対象物Xが濡れることを閉塞部材4で防止できる。
【0069】
また、本実施形態では、外側通気口として構成される他方側通気口3bが外側(具体的には、側方である右側)に向かうように配置されている。そのため、他方側通気口3bを介してコンテナ2の内部への雨の侵入を防止できる。また、例えば、コンテナ2の内部の空気を側方からコンテナ2の外部に排出できる。
【0070】
また、本実施形態では、コンテナ2は、複数の貫通孔を有する板状に構成され、且つコンテナ2の内部で底壁部20aから上側に離隔して設けられるデッキ22を備え、送風口2Aは、温風を底壁部20aとデッキ22との間(具体的には、送風室20B)へ送風するように、コンテナ2の内部と外部とに連通している。そのため、送風口2Aからの温風は、底壁部20aとデッキ22との間へ送風されてから、貫通孔を介して上方(具体的には、収容室20A)に流れるため、乾燥対象物Xの乾燥ムラをなくすことができる。
【0071】
また、本実施形態では、一方側通気口3aがコンテナ本体20の底壁部20a側に向かうように直管部300が開口2aに挿入されている。そのため、図4にて矢印で示すように、コンテナ2の内部の温風が一方側通気口3aを介して通気部材3内に流れやすい。なお、図4にて矢印で示すように、温風は、他方側通気口3bからコンテナ2の外部に排出される。
【0072】
また、本実施形態では、送風管E3を送風口2Aに接続することにより、温風発生装置5がコンテナ2に取り付けられている。そのため、温風発生装置5により送られてきた温風によってコンテナ2に収容された乾燥対象物Xを乾燥させ、水蒸気を帯びた温風を通気部材3によって外部に排出できるので、雨の日でも乾燥効率の低下を抑制できる。
【0073】
また、本実施形態では、通気部材3は閉塞本体部40に覆われている。そのため、例えば通気部材3が雨水で濡れることを防止し、水滴が通気部材3の外面を伝うことにより、他方側通気口3bを介してコンテナ2の内部に水滴が浸入することを防止できる。さらに、通気部材3は、コンテナ2に取り付けられた閉塞本体部40によって上側から押さえられている。そのため、通気部材3が外れたり移動したりすることを防止できる。
【0074】
また、本実施形態では、通気取付部31を周壁部20bに取り付けることにより、通気部材3がコンテナ2に対して取り付けられている。具体的には、係合延出部311と直管部300の外周面との間に補強枠208を位置させ、係合突出部310を補強枠208の上面208aに当接させることで、係合部を周壁部20bに引掛けている。即ち、係合部が周壁部20bに対して係合されている。したがって、通気部材3をコンテナ2に対して簡単に取り付けることができる。また、係合部が周壁部20bに対して係合されている状態では、係合延出部311と直管部300の外周面との間に補強枠208を位置させているため、通気部材3が内外方向でがたつくことを防止できる。具体的には、係合延出部311と直管部300の外周面との間に補強枠208を位置させた際に、内壁面204の上側部205と直管部300の外周面とが当接し、補強枠208の外面208bと係合延出部311とが当接することにより、通気部材3が内外方向でがたつくことを防止できる。
【0075】
また、本実施形態では、係合突出部310は、直管部300の径方向に沿う平板状であり、補強枠208の上面208aは、内外方向に沿う平面状に構成されている。そのため、図4に示すように、係合突出部310を補強枠208の上面208aに当接させた際には、係合突出部310と補強枠208の上面208aとを安定して当接できる。よって、通気部材3ががたつくことを防止できる。
【0076】
また、本実施形態では、被取付部209は、前側壁部200、後側壁部201、右側壁部202及び左側壁部203それぞれにおいて、上下方向と直交する面方向に複数配置され、閉塞取付部41は、閉塞本体部40の面方向の端縁部に複数設けられている。そして、複数の閉塞取付部41が複数の被取付部209に取り付けられる。そのため、周壁部20bの全周で閉塞取付部41を被取付部209に取り付けることができる。よって、例えば雨天時の突風により、閉塞本体部40の一部が捲れることで開口2aの一部を開放されて、開放された開口2aの一部からコンテナ2の内部に雨水が浸入することを防止できる。
【0077】
また、本実施形態では、補強枠208の上面208aは、内外方向に沿う平面状に構成されている。そのため、閉塞本体部40を上方から周壁部20b(具体的には、補強枠208の上面208a)に被せる際に、閉塞本体部40を上面208aに載せやすい。
【0078】
また、本実施形態のコンテナの通気構造1は、バイオマス乾燥システムAの一構成要素であるコンテナ2に適用される。そのため、例えば新たにコンテナ2を準備する必要がなく、準備の手間を省くことができる。
【0079】
また、本実施形態では、閉塞部材4のコンテナ2に対する取り付けと、通気部材3のコンテナ2に対する取り付けを行うことで、コンテナの通気構造1を構築できるため、例えば、コンテナの通気構造1を使用しない場合には、コンテナ2から通気部材3と閉塞部材4を取り外せばよい。そのため、例えば開口2aから乾燥対象物Xをコンテナ2に収容する際に、通気部材3と閉塞部材4とが収容の妨げになることを防止できる。
【0080】
また、本実施形態のコンテナの通気構造1は、ロードセル6を備える。そして、ロードセル6には、コンテナ2が載置されている。そのため、ロードセル6によって乾燥対象物Xの乾燥度合を計測することで、例えば雨の日でも乾燥が行われていることを確認できる。
【0081】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
【0082】
上記実施形態では、コンテナの通気構造1がバイオマス乾燥システムAの一構成要素であるコンテナ2に適用される場合について説明した。しかし、これに限らず、コンテナの通気構造1は、バイオマス乾燥システムAとは関係がないコンテナ2(具体的には、バイオマスである木質チップ以外の乾燥対象物Xを収容した乾燥コンテナ)に適用されてもよい。また、コンテナ2は、例えばコンテナ荷役車両に積載されるコンテナや、ダンプ車両に搭載される上方が開口した荷箱でもよい。
【0083】
上記実施形態では、乾燥対象物Xが木質チップである場合について説明した。しかし、これに限らず、乾燥対象物Xは、例えば木材(廃材、おがくず等)、植物残渣(わら、除去された雑草等)、可燃性の廃棄物(食品廃棄物等)、動物の排泄物、下水汚泥であってもよい。
【0084】
上記実施形態では、温風発生装置5は、熱源であるボイラ設備Bから供給される温水の熱により温められた空気を送り出すことで温風を発生させていた。しかし、これに限らず、温風発生装置5は、例えば種々の熱源により発熱するヒーターを備え、該ヒーターが発する熱により温められた空気を送り出すことで温風を発生させてもよい。
【0085】
上記実施形態では、コンテナ2に一つの通気部材3が取り付けられている場合について説明したが、これに限らず、複数の通気部材3がコンテナ2に取り付けられていてもよい。これにより、通気効率を高めることができる。
【0086】
上記実施形態では、図2,3に示すように、後側壁部201は、送風口2Aが形成される送風口部201Aを備え、送風口部201Aが後側壁部201の下部で左右方向中央の位置に配置されていた。即ち、上記実施形態では、送風口2Aは、周壁部20bの下方側に形成されていた。しかし、これに限らず、例えば、送風口2Aは、底壁部20aに形成されることにより、コンテナ2の下部に設けられていてもよい。
【0087】
上記実施形態では、外側通気口である他方側通気口3bが外側(具体的には、側方である右側)に向けて開口していた。しかし、これに限らず、例えば、外側通気口が上方や下方に向けて開口していてもよい。外側通気口が上方に向けて開口している場合には、通気本体部30はL字状以外の形状、例えば直線状の管状部材により構成されていてもよい。
【0088】
上記実施形態では、外側通気口である他方側通気口3bが外側(具体的には、側方である右側)に向けて開口していた。しかし、これに限らず、他方側通気口3bが側方である右側に代えて又は加えて、側方である左側や前側、後側に向けて開口していてもよい。この場合、例えば、通気本体部30はT字状に構成されていてもよい。
【0089】
上記実施形態では、係合突出部310が直管部300の外周面から直管部300の径外側に突出することにより、通気取付部31は直管部300の外周面に設けられていた。しかし、これに限らず、通気取付部31がエルボ管部301の外周面に設けられていてもよい。また、図5に示すように、例えばエルボ管部301が周壁部20b(具体的には、上面208a)に載置されることにより、通気部材3がコンテナ2に対して取り付けられてもよい。即ち、通気本体部30の外周面(具体的には、エルボ管部301の外周面)を通気取付部31としてもよい。この場合、エルボ管部301は、直管部300に接続され、且つ直管部300と交差する方向に延びるエルボ接続管部301aと、エルボ接続管部301aに接続され、且つ直管部300と対向するエルボ対向管部301bとを備えていてもよい。そして、通気部材3をコンテナ2に取り付けた場合には、対向する直管部300とエルボ対向管部301bとの間に周壁部20bが配置される。よって、通気部材3をコンテナ2に対して引掛けにより取り付けることができる。さらに、この場合、外側通気口として構成される他方側通気口3bは、側方である左方に向けて配置される。
【0090】
また、図5に示す通気部材3において、通気本体部30の外周面を通気取付部31にすることに代えて、上記実施形態と同様、例えば直管部300の外周面に係合突出部310と係合延出部311を備える通気取付部31を設けてもよい。また、通気本体部30の外周面を通気取付部31にすることに加えて、例えば、直管部300又はエルボ管部301の外周面に通気部材3を設けてもよい。これにより、通気本体部30の外周面である通気部材3のコンテナ2に対する取り付けと、直管部300又はエルボ管部301の外周面に設けられた通気部材3のコンテナ2に対する取り付けとを行うことができ、より一層、安定して通気部材3をコンテナ2に対して取り付けることができる。
【0091】
また、図5に示す通気部材3において、外側通気口として構成される他方側通気口3bが内外方向で外壁面206と対向するように、エルボ対向管部301bの管端部が図5の上下方向に沿って延びている。しかし、これに限らず、例えば上側又は下側に進むほど他方側通気口3bがコンテナ2の周壁部20bから離れるように、エルボ対向管部301bの管端部が図5の上下方向に対して傾斜するように構成されていてもよい。これにより、例えば、エルボ対向管部301bの管端部と外壁面206との接触により、他方側通気口3bが塞がれ、その結果、コンテナ2の内部と外部との通気が妨げられるといったことを防止できる。
【0092】
上記実施形態では、閉塞部材4のコンテナ2に対する取り付けを行った後、通気部材3のコンテナ2に対する取り付けを行っていた。しかし、これに限らず、通気部材3のコンテナ2に対する取り付けを行った後、閉塞部材4のコンテナ2に対する取り付けを行ってもよい。これにより、閉塞本体部40の一部を捲って、閉塞部材4とコンテナ2との隙間を形成する必要がなくなり、コンテナ2の内部への雨水の浸入を抑制できる。
【0093】
上記実施形態では、閉塞部材4とコンテナ2との隙間から通気部材3をコンテナ本体20に取り付けることにより、通気部材3は閉塞本体部40に覆われていた。しかし、これに限らず、閉塞本体部40に通気部材3を挿通させるための挿通孔を形成し、該挿通孔に通気部材3を挿通させることにより、通気部材3でコンテナ2の内部と外部とを通気させてもよい。この場合、例えば、通気部材3は、閉塞部材4のみに取り付けられることで、閉塞部材4を介して間接的にコンテナ2に取り付けられていてもよい。
【0094】
上記実施形態では、乾燥対象物Xを乾燥させるために、温風発生装置5が送風した温風を用いる場合について説明したが、これに限らず、温風を用いずに、乾燥対象物Xを自然乾燥させてもよい。この場合、通気部材3は、コンテナ2の内部の空気を外部に排出することに加えて、外部からコンテナ2の内部に空気を取り込むためにも利用される。
【0095】
上記実施形態では、係合部が周壁部20bに係合されることにより、通気部材3がコンテナ2に取り付けられていたが、例えば、通気部材3を磁石や取り外し可能な粘着性部材、面ファスナーによりコンテナ2に取り付けてもよい。即ち、通気取付部31は、例えば磁石や取り外し可能な粘着性部材、面ファスナーであってもよい。
【0096】
上記実施形態では、被取付部209は、前側壁部200、後側壁部201、右側壁部202及び左側壁部203それぞれに配置されていた。しかし、これに限らず、対向する2つの側壁部(例えば、前側壁部200と後側壁部201、又は右側壁部202と左側壁部203)にのみ配置されていてもよい。これにより、被取付部209に対する閉塞取付部41の取り付けの手間を減らしながら、閉塞部材4のコンテナ2に対する取り付けを行うことができる。
【0097】
上記実施形態では、閉塞本体部40が可撓性を有するシート状部材により構成されていた。しかし、閉塞本体部40は、開口2aを覆うように構成されていればよく、例えば硬質の板状部材(例えば、開口2aを覆う蓋)であってもよい。
【0098】
上記実施形態では、閉塞取付部41は、閉塞本体部40に縫い付けられた環状部材であった。しかし、これに限らず、閉塞取付部41である環状部材は、閉塞本体部40に取り付けられていればよく、例えば溶着により取り付けられていてもよい。また、閉塞取付部41は、閉塞本体部40に取り付けられた環状部材以外のものであってもよく、例えば閉塞本体部40の面方向の端縁部に形成された貫通孔であってもよい。
【符号の説明】
【0099】
1:コンテナの通気構造、2:コンテナ、2A:送風口、2a:開口、20:コンテナ本体、20A:収容室、20B:送風室、20a:底壁部、20b:周壁部、200:前側壁部、201:後側壁部、201A:送風口部、201a:右扉、201b:左扉、202:右側壁部、203:左側壁部、204:内壁面、205:上側部、206:外壁面、207:上側部、208:補強枠、208a:上面、208b:外面、209:被取付部、21:支持体、210:外縁支持体、211:足部、212:延設板部、213:左右支持体、214:左右足部、215:亘板部、22:デッキ、3:通気部材、3a:一方側通気口、3b:他方側通気口、30:通気本体部、300:直管部、301:エルボ管部、301a:エルボ接続管部、301b:エルボ対向管部、31:通気取付部、310:係合突出部、311:係合延出部、4:閉塞部材、40:閉塞本体部、41:閉塞取付部、5:温風発生装置、6:ロードセル、A:バイオマス乾燥システム、B:ボイラ設備、B1:筐体、B2:燃料庫、B3:ボイラ庫、B30:ボイラ、B31:水タンク、B4:燃料移送装置、B40:投入側搬送装置、B41:庫側搬送装置、C:熱交換器、D:配管構造、D1:第2流路、D2:第1流路、E:送風設備、E1:送風機、E2:連結管、E3:送風管、X:乾燥対象物
図1
図2
図3
図4
図5