(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166747
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】接合構造、半導体装置、および接合方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20241122BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
H01L21/52 B
H01L21/52 E
H01L21/60 311Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083067
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 央至
(72)【発明者】
【氏名】志水 哲也
【テーマコード(参考)】
5F044
5F047
【Fターム(参考)】
5F044KK04
5F044KK13
5F044LL13
5F044QQ06
5F047AA17
5F047BA14
5F047BA15
5F047BB01
5F047CA00
(57)【要約】
【課題】第1部材と第2部材との位置ずれを抑制して固相接合させることが可能な接合方法、当該接合方法による接合構造、および、当該接合構造を備えている半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置A1において、第1部材(支持基板3)と、第1部材の厚さ方向zに配置され、かつ、第1部材に固相接合されている第2部材(接合部材29)と、第1部材と第2部材との間に介在する粘着部材77とを備えた。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と、
前記第1部材の厚さ方向に配置され、かつ、前記第1部材に固相接合されている第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材との間に介在する粘着部材と、
を備えている、
接合構造。
【請求項2】
前記粘着部材の前記厚さ方向の寸法は、5μm以下である、
請求項1に記載の接合構造。
【請求項3】
前記粘着部材の軟化点は、300℃以上である、
請求項1に記載の接合構造。
【請求項4】
前記第1部材は、前記第2部材に対向する第1接合面を備え、
前記粘着部材は、前記第1接合面の周縁部分に配置されている、
請求項1に記載の接合構造。
【請求項5】
前記粘着部材は、前記厚さ方向に見て、前記第2部材に重ならない部分を含んでいる、
請求項1に記載の接合構造。
【請求項6】
前記第1部材は、前記第2部材に対向する第1接合面を含む第1層を備え、
前記第2部材は、前記第1部材に対向する第2接合面を含む第2層を備え、
前記第1層および前記第2層の構成材料はAgである、
請求項1に記載の接合構造。
【請求項7】
前記第1部材は、前記第2部材に対向する第1接合面を含む第1層を備え、
前記第2部材は、前記第1部材に対向する第2接合面を含む第2層を備え、
前記第1層の構成材料はAgであり、
前記第2層の構成材料はCuである、
請求項1に記載の接合構造。
【請求項8】
前記第1部材は、前記第2部材に対向する第1接合面と、前記第1接合面から前記厚さ方向に凹む凹部と、を備え、
前記粘着部材は、前記凹部に配置されている、
請求項1に記載の接合構造。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の接合構造と、
半導体素子と、
を備えている、
半導体装置。
【請求項10】
前記第1部材としての導電基板と、
前記第2部材としての第1接合部材と、
を備え、
前記半導体素子は、前記第1接合部材を介して、前記導電基板に導通接合されている、
請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1接合部材は、前記厚さ方向における両端にAgを含む層を備えた金属箔である、
請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1部材としての支持基板と、
前記第2部材としての第2接合部材と、
を備え、
前記半導体素子は、前記第2接合部材を介して、前記支持基板に搭載されている、
請求項9に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記厚さ方向において前記第2接合部材に対して前記支持基板とは反対側に配置され、かつ、前記第2接合部材に固相接合されている導電基板と、
前記第2接合部材と前記導電基板との間に介在する第2粘着部材と、
をさらに備え、
前記粘着部材と前記第2粘着部材とは、前記厚さ方向に見て重ならない。
請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記支持基板は、前記第2接合部材に対向する支持面と、前記支持面に開口した第1開口部と、を備え、
前記導電基板は、前記第2接合部材に対向する導電基板裏面と、前記導電基板裏面に開口した第2開口部と、を備え、
前記粘着部材は、前記厚さ方向に見て前記第2開口部に重なり、
前記第2粘着部材は、前記厚さ方向に見て前記第1開口部に重なる、
請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1部材としてのヒートシンクと、
前記第2部材としての第3接合部材と、
を備え、
前記半導体素子が発する熱は、前記第3接合部材を介して、前記ヒートシンクに伝えられる、
請求項9に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記厚さ方向に見て、前記粘着部材は、前記半導体素子に重ならない。
請求項9に記載の半導体装置。
【請求項17】
第1部材の第1接合面と第2部材の第2接合面とを、間に粘着材料を介在させて仮固定する工程と、
前記第1部材の前記第1接合面と前記第2部材の前記第2接合面とを固相接合する工程と、
を備えている、
接合方法。
【請求項18】
前記第1部材の厚さ方向における前記粘着材料の厚さ寸法は、25μm以下である、
請求項17に記載の接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、接合構造、半導体装置、および接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を備えた半導体装置は、様々な構成が提案されている。特許文献1には、従来の半導体装置の一例が開示されている。同文献に開示された半導体装置は、半導体素子、導電部材、支持部材、および封止樹脂を備えている。半導体素子は、導電部材の主面に接合されている。導電部材の裏面にはAg(銀)を含む第2金属層が配置されている。支持部材の支持面にはAg(銀)を含む第1金属層が配置されている。導電部材と支持部材とは、第1金属層と第2金属層とが固相拡散接合されることで接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導電部材と支持部材とを接合するために、導電部材を載置した支持部材を加圧装置に搬送する際に、位置ずれが生じる場合がある。この問題は、導電部材と支持部材との間だけでなく、任意の第1部材と第2部材とを固相接合する際にも生じる。
【0005】
本開示は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、第1部材と第2部材との位置ずれを抑制して固相接合させることが可能な接合方法、当該接合方法による接合構造、および、当該接合構造を備えている半導体装置を提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の側面によって提供される接合構造は、第1部材と、前記第1部材の厚さ方向に配置され、かつ、前記第1部材に固相接合されている第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との間に介在する粘着部材と、を備えている。
【0007】
本開示の第2の側面によって提供される半導体装置は、第1の側面によって提供される接合構造と、半導体素子と、を備えている。
【0008】
本開示の第3の側面によって提供される接合方法は、第1部材の第1接合面と第2部材の第2接合面とを、間に粘着材料を介在させて仮固定する工程と、前記第1部材の前記第1接合面と前記第2部材の前記第2接合面とを固相接合する工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本開示の接合方法によれば、第1部材と第2部材との位置ずれを抑制して固相接合させることが可能である。
【0010】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の第1実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の斜視図において、封止樹脂を省略した図である。
【
図3】
図3は、
図2の斜視図において、第1導通部材を省略した図である。
【
図4】
図4は、本開示の第1実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
【
図5】
図5は、
図4の平面図において、封止樹脂を想像線で示した図である。
【
図6】
図6は、
図5の一部を拡大した部分拡大図であって、封止樹脂を省略している。
【
図7】
図7は、
図5の平面図において、封止樹脂および第1導通部材を省略し、第2導通部材を想像線で示した図である。
【
図8】
図8は、本開示の第1実施形態に係る半導体装置を示す底面図である。
【
図16】
図16は、本開示の第1実施形態に係る半導体装置の接合構造を説明するための模式図である。
【
図18】
図18は、本開示の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例の一工程を示す平面図の模式図である。
【
図22】
図22は、本開示の第1実施形態に係る半導体装置を備えた半導体装置アッセンブリの一例を示す断面図である。
【
図23】
図23は、本開示の第1実施形態に係る半導体装置が搭載された車両の概要図である。
【
図24】
図24は、第1実施形態の第1変形例に係る半導体装置の接合構造を説明するための模式図である。
【
図25】
図25は、第1実施形態の第2変形例に係る半導体装置の接合構造を説明するための模式図である。
【
図26】
図26は、第1実施形態の第3変形例に係る半導体装置の接合構造を説明するための模式図である。
【
図27】
図27は、第1実施形態の第4変形例に係る半導体装置の接合構造を説明するための模式図である。
【
図28】
図28は、第1実施形態の第5変形例に係る半導体装置の接合構造を説明するための模式図である。
【
図29】
図29は、本開示の第2実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図30】
図30は、本開示の第2実施形態に係る半導体装置の接合構造を説明するための正面図の拡大模式図である。
【
図31】
図31は、本開示の第3実施形態に係る半導体装置の接合構造を説明するための正面図の拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0013】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたも のであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0014】
本開示において、「ある物Aがある物Bに形成されている」および「ある物Aがある物B上に形成されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接形成されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに形成されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物Bに配置されている」および「ある物Aがある物B上に配置されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接配置されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに配置されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物B上に位置している」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに接して、ある物Aがある物B上に位置していること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物が介在しつつ、ある物Aがある物B上に位置していること」を含む。また、「ある物Aがある物Bにある方向に見て重なる」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bのすべてに重なること」、および、「ある物Aがある物Bの一部に重なること」を含む。また、本開示において「ある面Aが方向B(の一方側または他方側)を向く」とは、面Aの方向Bに対する角度が90°である場合に限定されず、面Aが方向Bに対して傾いている場合を含む。
【0015】
<第1実施形態>
図1~
図17は、本開示の第1実施形態に係る半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A1は、複数の第1半導体素子10A、複数の第2半導体素子10B、導電基板2、支持基板3、接合部材19,29、粘着部材75~77、第1端子41、第2端子42、複数の第3端子43、第4端子44、複数の制御端子45、制御端子支持体48、第1導通部材5、第2導通部材6および封止樹脂8を備えている。
【0016】
図1は、半導体装置A1を示す斜視図である。
図2は、
図1の斜視図において、封止樹脂8を省略した図である。
図3は、
図2の斜視図において、第1導通部材5を省略した図である。
図4は、半導体装置A1を示す平面図である。
図5は、
図4の平面図において、封止樹脂8を想像線で示した図である。
図6は、
図5の一部を拡大した部分拡大図であって、封止樹脂8を省略している。
図7は、
図5の平面図において、封止樹脂8および第1導通部材5を省略し、第2導通部材6を想像線で示した図である。
図8は、半導体装置A1の底面図である。
図9は、
図5のIX-IX線に沿う断面図である。
図10は、
図5のX-X線に沿う断面図である。
図11および
図12は、
図10の一部を拡大した部分拡大図である。
図13は、
図5のXIII-XIII線に沿う断面図である。
図14は、
図5のXIV-XIV線に沿う断面図である。
図15は、
図5のXV-XV線に沿う断面図である。
図16は、
図1~
図15に示す半導体装置の接合構造を説明するための模式図である。
図16(a)は、平面図の模式図であり、封止樹脂8などを省略している。
図16(b)は
図16(a)の模式図から各半導体素子10A,10B、各接合部材19および導電基板2を省略した模式図である。
図16(c)は、正面図の模式図であり、封止樹脂8などを省略している。
図17は、
図16(c)に示す模式図の拡大図である。
【0017】
これらの図において、本開示の厚さ方向を「厚さ方向z」と定義する。厚さ方向zに対して直交する方向は、「第1方向x」と呼ぶ。厚さ方向zおよび第1方向xの双方に対して直交する方向は、「第2方向y」と呼ぶ。第1方向xの一方側を「第1方向xのx1側」と呼び、第1方向xの他方側を「第1方向xのx2側」と呼ぶ。第2方向yの一方側を「第2方向yのy1側」と呼び、第2方向yの他方側を「第2方向yのy2側」と呼ぶ。厚さ方向zの一方側を「厚さ方向zのz1側」と呼び、厚さ方向zの他方側を「厚さ方向zのz2側」と呼ぶ。以下の説明において、「平面視」とは、厚さ方向zに見たときをいう。また、厚さ方向zのz1側を上、厚さ方向zのz2側を下という場合がある。
【0018】
複数の第1半導体素子10Aおよび複数の第2半導体素子10Bはそれぞれ、半導体装置A1の機能中枢となる電子部品であり、本開示の「半導体素子」の一例である。各第1半導体素子10Aおよび各第2半導体素子10Bの構成材料は、たとえばSiC(炭化ケ イ素)を主とする半導体材料である。この半導体材料は、SiCに限定されず、Si(シリコン)、GaN(窒化ガリウム)あるいはC(ダイヤモンド)などであってもよい。各第1半導体素子10Aおよび各第2半導体素子10Bは、たとえば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などのスイッチング機能を有するパワー半導体チップである。本実施形態においては、第1半導体素子10Aおよび第2半導体素子10BがMOSFETである場合を示すが、これに限定されず、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor;絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)などの他のトランジスタであってもよい。各第1半導体素子10Aおよび各第2半導体素子10Bは、いずれも同一素子である。各第1半導体素子10Aおよび各第2半導体素子10Bは、たとえばnチャネル型のMOSFETであるが、pチャネル型のMOSFETであってもよい。
【0019】
第1半導体素子10Aおよび第2半導体素子10Bはそれぞれ、
図11、
図12に示すように、素子主面101および素子裏面102を有する。各第1半導体素子10Aおよび各第2半導体素子10Bにおいて、素子主面101と素子裏面102とは厚さ方向zに離隔する。素子主面101は、厚さ方向zのz1側を向き、素子裏面102は、厚さ方向zのz2側を向く。
【0020】
本実施形態では、半導体装置A1は、4つの第1半導体素子10Aと4つの第2半導体素子10Bとを備えているが、第1半導体素子10Aの数および第2半導体素子10Bの数は、本構成に限定されず、半導体装置A1に要求される性能に応じて適宜変更される。
図7の例では、第1半導体素子10Aおよび第2半導体素子10Bがそれぞれ4個ずつ配置される。第1半導体素子10Aおよび第2半導体素子10Bの数は、それぞれ2個または3個でもよく、それぞれ5個以上でもよい。第1半導体素子10Aの数と第2半導体素子10Bの数とは、等しくてもよく、異なってもよい。第1半導体素子10Aおよび第2半導体素子10Bの数は、半導体装置A1が取り扱う電流容量によって決定される。
【0021】
半導体装置A1は、たとえばハーフブリッジ型のスイッチング回路として構成される。この場合、複数の第2半導体素子10Bは、半導体装置A1の上アーム回路を構成し、複数の第1半導体素子10Aは、下アーム回路を構成する。上アーム回路において、複数の第2半導体素子10Bは互いに並列に接続され、下アーム回路において、複数の第1半導体素子10Aは互いに並列に接続される。各第2半導体素子10Bと各第1半導体素子10Aとは、直列に接続され、ブリッジ層を構成する。
【0022】
複数の第1半導体素子10Aはそれぞれ、
図7および
図14などに示すように、導電基板2に搭載されている。
図7に示す例では、複数の第1半導体素子10Aは、たとえば第2方向yに並んでおり、互いに離隔している。各第1半導体素子10Aは、接合部材19を介して、導電基板2(後述の第1導電部2A)に導通接合されている。各第1半導体素子10Aは、第1導電部2Aに接合された際、素子裏面102が第1導電部2Aに対向する。
【0023】
複数の第2半導体素子10Bはそれぞれ、
図7および
図15などに示すように、導電基板2に搭載されている。
図7に示す例では、複数の第2半導体素子10Bは、たとえば第2方向yに並んでおり、互いに離隔している。各第2半導体素子10Bは、接合部材19を介して、導電基板2(後述の第2導電部2B)に導通接合されている。各第2半導体素子10Bは、第2導電部2Bに接合された際、素子裏面102が第2導電部2Bに対向する。
図7から理解されるように、第1方向xに見て、複数の第1半導体素子10Aと複数の第2半導体素子10Bとは、重なっているが、重なっていなくてもよい。
【0024】
複数の第1半導体素子10Aおよび複数の第2半導体素子10Bはそれぞれ、第1主面電極11、第2主面電極12、第3主面電極13および裏面電極15を有する。以下で説 明する第1主面電極11、第2主面電極12、第3主面電極13および裏面電極15の構成は、各第1半導体素子10Aおよび各第2半導体素子10Bにおいて共通する。第1主面電極11、第2主面電極12および第3主面電極13は、素子主面101に設けられている。第1主面電極11、第2主面電極12および第3主面電極13は、図示しない絶縁膜により絶縁されている。裏面電極15は、素子裏面102に設けられている。
【0025】
第1主面電極11は、たとえばゲート電極であって、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)を駆動させるための駆動信号(たとえばゲート電圧)が入力される。第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)において、第2主面電極12は、たとえばソース電極であって、ソース電流が流れる。第3主面電極13は、たとえばソースセンス電極であって、ソース電流が流れる。裏面電極15は、たとえばドレイン電極であって、ドレイン電流が流れる。裏面電極15は、素子裏面102の略全域を覆っている。裏面電極15は、Ag(銀)スパッタにより構成される。
【0026】
各第1半導体素子10A(各第2半導体素子10B)は、第1主面電極11(ゲート電極)に駆動信号(ゲート電圧)が入力されると、この駆動信号に応じて、導通状態と遮断状態とが切り替わる。導通状態では、裏面電極15(ドレイン電極)から第2主面電極12(ソース電極)に電流が流れ、遮断状態では、この電流が流れない。各第1半導体素子10A(各第2半導体素子10B)は、スイッチング動作を行う。半導体装置A1は、複数の第1半導体素子10Aおよび複数の第2半導体素子10Bのスイッチング機能により、1つの第4端子44と2つの第1端子41および第2端子42との間に入力される直流電圧をたとえば交流電圧に変換して、第3端子43から交流電圧を出力する。
【0027】
半導体装置A1では、
図5、
図7などに示すように、サーミスタ17を備える。サーミスタ17は、温度検出用センサとして用いられる。
【0028】
導電基板2は、複数の第1半導体素子10Aおよび複数の第2半導体素子10Bを支持する。導電基板2は、支持基板3上に接合部材29を介して導通接合されている。導電基板2は、第1導電部2Aおよび第2導電部2Bを含む。第1導電部2Aおよび第2導電部2Bはそれぞれ、平面視矩形状の板状部材である。第1導電部2Aおよび第2導電部2Bは、第1端子41、第2端子42、複数の第3端子43、第4端子44、第1導通部材5、および第2導通部材6とともに、複数の第1半導体素子10Aおよび複数の第2半導体素子10Bへの、主回路電流の導通経路を構成している。第1導電部2Aおよび第2導電部2Bはそれぞれが、
図9~
図15に示すように、接合部材29を介して支持基板3上に導通接合されている。第1導電部2Aには、接合部材19を介して複数の第1半導体素子10Aがそれぞれ導通接合されている。第2導電部2Bには、接合部材19を介して複数の第2半導体素子10Bがそれぞれ導通接合されている。第1導電部2Aおよび第2導電部2Bは、
図3、
図7、
図9および
図10に示すように、第1方向xに離隔する。これらの図に示す例では、第1導電部2Aは、第2導電部2Bよりも第1方向xのx1側に位置する。第1導電部2Aおよび第2導電部2Bは、第1方向xに見て重なる。第1導電部2Aおよび第2導電部2Bはそれぞれ、たとえば第1方向xの寸法が15mm~25mmであり、たとえば第2方向yの寸法が30mm~40mmであり、厚さ方向zの寸法が1.0mm~5.0mm(好ましくは2.0mm程度)である。
【0029】
導電基板2は、
図17に示すように、本体部21と金属層22,23とを備えている。本体部21は、導電基板2の本体部分であり、構成材料がたとえばCu(銅)あるいはCu合金である。金属層22は、本体部21の厚さ方向zのz1側を向く面に接して配置され、当該面の全体を覆っている。なお、金属層22は、当該面の一部のみ、たとえば第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)が配置される領域のみに配置されてもよい。金属層23は、本体部21の厚さ方向zのz2側を向く面に接して配置され、当該面の全体を覆っている。なお、金属層23は、当該面の一部のみに配置されてもよい。本実施形態では、金属層22,23は、Ag(銀)めっきにより構成される。なお、金属層22,23は、複数の種類の金属層が積層されていてもよい。
【0030】
導電基板2は、主面201および裏面202を有する。主面201および裏面202は、
図9、
図10、
図13~
図15、および
図17に示すように、厚さ方向zに離隔する。主面201は、厚さ方向zのz1側を向き、裏面202は、厚さ方向zのz2側を向く。主面201は、第1導電部2A(の金属層22)の上面と第2導電部2B(の金属層22)の上面とを合わせたものである。裏面202は、第1導電部2A(の金属層23)の下面と第2導電部2B(の金属層23)の下面とを合わせたものである。裏面202は、支持基板3に対向するように、接合部材29を介して支持基板3に導通接合されている。
【0031】
支持基板3は、導電基板2を支持する。支持基板3は、たとえばAMB(Active Metal Brazing)基板で構成される。支持基板3は、絶縁層31、第1金属層32および第2金属層33を含む。
【0032】
絶縁層31は、たとえば熱伝導性の優れたセラミックスである。このようなセラミックスとしては、たとえばSiN(窒化ケイ素)がある。絶縁層31は、セラミックスに限定されず、絶縁樹脂シートなどであってもよい。絶縁層31は、たとえば平面視矩形状である。
【0033】
第2金属層33は、絶縁層31の上面(厚さ方向zのz1側を向く面)に形成されている。第2金属層33は、
図17に示すように、第2金属第1層331と第2金属第2層332とを備えている。第2金属第1層331は、絶縁層31に接して配置されている。第2金属第1層331の構成材料は、たとえばCuを含む。当該構成材料はCuではなくAl(アルミニウム)を含んでいてもよい。第2金属第2層332は、第2金属第1層331に接して配置されている。第2金属第2層332は、Ag(銀)めっきにより構成される。なお、第2金属層33は、第2金属第1層331と第2金属第2層332との間にさらに金属層を備えていてもよい。第2金属層33は、第1部分33Aおよび第2部分33Bを含む。第1部分33Aおよび第2部分33Bは、第1方向xに離隔する。第1部分33Aは、第2部分33Bの第1方向xのx1側に位置する。第1部分33Aは、接合部材29を介して第1導電部2Aが導通接合され、第1導電部2Aを支持する。第2部分33Bは、接合部材29を介して第2導電部2Bが導通接合され、第2導電部2Bを支持する。第1部分33Aおよび第2部分33Bはそれぞれ、たとえば平面視矩形状である。
【0034】
第1金属層32は、絶縁層31の下面(厚さ方向zのz2側を向く面)に形成されている。第1金属層32の構成材料は、第2金属第1層331の構成材料と同じである。第1金属層32の下面(後述の底面302)は、
図8に示すように、封止樹脂8から露出する。第1金属層32は、平面視において、第1部分33Aおよび第2部分33Bの双方に重なる。なお、第1金属層32は、複数の種類の金属層が積層されていてもよい。
【0035】
支持基板3は、
図9~
図15、および
図17に示すように、支持面301および底面302を有する。支持面301と底面302とは、厚さ方向zに離隔する。支持面301は、厚さ方向zのz1側を向き、底面302は、厚さ方向zのz2側を向く。底面302は、
図8に示すように、封止樹脂8から露出する。より具体的には、第2金属層33の第2金属第2層332が支持面301を有し、第1金属層32が底面302を有する。支持面301は、第2金属層33の第1部分33A(の第2金属第2層332)の上面と第2部分33B(の第2金属第2層332)の上面とをあわせたものである。支持面301は、導電基板2に対向し、接合部材29を介して導電基板2が導通接合されている。底面302は、第1金属層32の下面である。底面302には、図示しないヒートシンクなどの放熱部材が取り付け可能である。支持基板3の厚さ方向zの寸法(支持面301から底面302までの厚さ方向zに沿う距離)は、たとえば0.7mm~2.0mmである。
【0036】
接合部材19は、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)と導電基板2の第1導電部2A(第2導電部2B)との間に介在し、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)と第1導電部2A(第2導電部2B)とを導通接合する。接合部材19と第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)とは固相接合されており、接合部材19と第1導電部2A(第2導電部2B)とは固相接合されている。接合部材29は、導電基板2の第1導電部2A(第2導電部2B)と支持基板3の第2金属層33の第1部分33A(第2部分33B)との間に介在し、第1導電部2A(第2導電部2B)と第1部分33A(第2部分33B)とを導通接合する。接合部材29と第1導電部2A(第2導電部2B)とは固相接合されており、接合部材29と第1部分33A(第2部分33B)とは固相接合されている。本実施形態では、接合部材19および接合部材29は、厚さ寸法(厚さ方向zの寸法)が100μm程度の金属箔である。
【0037】
接合部材19および接合部材29は、
図17に示すように、本体層191、表面層192、裏面層193、および中間層194,195を備えている。本体層191は、接合部材19,29の本体部分であり、構成材料がたとえばAl(アルミニウム)あるいはAl合金である。中間層194は、本体層191の厚さ方向zのz1側を向く面に接して配置されている。中間層194は、本体層191に接するNi層194a、および、Ni層194aに接するCu層194bを備えている。表面層192は、中間層194の厚さ方向zのz1側を向く面に接して配置され、接合部材19,29の最もz1側に位置する。表面層192の構成材料はAgである。中間層195は、本体層191の厚さ方向zのz2側を向く面に接して配置されている。中間層195は、本体層191に接するNi層195a、および、Ni層195aに接するCu層195bを備えている。裏面層193は、中間層195の厚さ方向zのz2側を向く面に接して配置され、接合部材19,29の最もz2側に位置する。裏面層193の構成材料はAgである。つまり、接合部材19,29の厚さ方向zにおける両端には、Agからなる表面層192および裏面層193が配置されている。中間層194,195は、本体層191にたとえばめっき処理を行うことで形成されている。表面層192は、中間層194にたとえばめっき処理を行うことで形成されている。裏面層193は、中間層195にたとえばめっき処理を行うことで形成されている。なお、接合部材19,29の形成方法は限定されない。また、本体層191および中間層194,195の構成材料は限定されない。
【0038】
接合部材19は、主面19aおよび裏面19bを有する。主面19aおよび裏面19bは、
図17に示すように、厚さ方向zに離隔する。主面19aは、厚さ方向zのz1側を向き、裏面19bは、厚さ方向zのz2側を向く。主面19aは、表面層192の厚さ方向zのz1側を向く面であり、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)に対向している。裏面19bは、裏面層193の厚さ方向zのz2側を向く面であり、導電基板2に対向している。接合部材29は、主面29aおよび裏面29bを有する。主面29aおよび裏面29bは、
図17に示すように、厚さ方向zに離隔する。主面29aは、厚さ方向zのz1側を向き、裏面29bは、厚さ方向zのz2側を向く。主面29aは、表面層192の厚さ方向zのz1側を向く面であり、導電基板2に対向している。裏面29bは、裏面層193の厚さ方向zのz2側を向く面であり、支持基板3に対向している。
【0039】
接合部材19の表面層192(主面19a)は、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)の裏面電極15と固相接合されている。接合部材19の裏面層193(裏面19b)は、導電基板2の金属層22(主面201)と固相接合されている。接合部材29の表面層192(主面29a)は、導電基板2の金属層23(裏面202)と固相接合されている。接合部材29の裏面層193(裏面29b)は、支持基板3の第2金属層33の第2金属第2層332(支持面301)と固相接合されている。支持基板3、接合部材29、導電基板2、接合部材19、および第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)は、この順で厚さ方向zに載置され、固相接合を行う加圧装置まで搬送され、一度の加圧処理で、各構成部材の間の固相接合が行われる。
【0040】
接合部材19の裏面層193(裏面19b)と、導電基板2の金属層22(主面201)との間には、粘着部材75が介在している。接合部材29の表面層192(主面29a)と、導電基板2の金属層23(裏面202)との間には、粘着部材76が介在している。接合部材29の裏面層193(裏面29b)と、支持基板3の第2金属層33の第2金属第2層332(支持面301)との間には、粘着部材77が介在している。
【0041】
粘着部材75~77は、粘着材料70が圧力により押しつぶされたものである。粘着材料70は、固相接合を行う加圧装置まで搬送され加圧処理されるまでに、各構成部材の位置ずれが生じないように、仮固定のために配置されたものである。粘着材料70は、たとえばいわゆる基材レスの両面テープが用いられる。基材レスの両面テープは、薄膜状に形成された粘着材料70の両面に剥離紙が配置されたものであり、一方の剥離紙を剥がして貼り付けられ、他方の剥離紙を剥がすことで、粘着材料70のみが配置される。なお、粘着材料70の構成材料は、たとえばアクリル系粘着剤であるが、限定されない。粘着材料70は、たとえば、薄膜状の基材と、基材の両面に配置された粘着剤とを含むいわゆる基材ありの両面テープであってもよい。粘着材料70は、固相接合の妨げになることを抑制するために、厚さ方向zの寸法が25μm以下のものが採用される。粘着部材75~77は、固相接合のための加圧処理により押しつぶされて、厚さ方向zの寸法がより小さくなっており、たとえば5μm以下である。また、粘着材料70は、固相接合のための加圧処理時の加熱によって揮発したり軟化して広がったりしないように、軟化点が加圧処理時の加熱の温度より高いものが採用される。粘着材料70は軟化点がたとえば300℃以上のものが採用され、粘着材料70が変形した粘着部材75~77も同様に軟化点が300℃以上である。なお、粘着材料70および粘着部材75~77の厚さ方向zの寸法および軟化点は、限定されない。
【0042】
粘着部材75~77は、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)の放熱の妨げにならない位置、すなわち、厚さ方向zに見て、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)に重ならない位置に配置されている。粘着部材75は、
図16(a)および
図17に示すように、厚さ方向zに見て、接合部材19の裏面19bの周縁部分(図の例では、第2方向yのy1側とy2側の端部)に配置されており、接合部材19に重ならない部分(はみ出した部分)を含んでいる。粘着部材76は、
図16(a)、(b)および
図17に示すように、厚さ方向zに見て、第1導電部2A(第2導電部2B)の裏面202の周縁部分に配置されている。また、粘着部材76は、厚さ方向zに見て、接合部材29の主面29aの周縁部分に配置されているとも言える。図の例では、1個の粘着部材76が、第1導電部2Aの裏面202(接合部材29の主面29a)の第1方向xのx1側で第2方向yのy2側の角部に配置されている。また、別の1個の粘着部材76が、第2導電部2Bの裏面202(接合部材29の主面29a)の第1方向xのx2側で第2方向yのy2側の角部に配置されている。粘着部材77は、
図16(b)および
図17に示すように、厚さ方向zに見て、支持基板3の第1部分33A(第2部分33B)の支持面301の周縁部分に配置されている。また、粘着部材77は、厚さ方向zに見て、接合部材29の裏面29bの周縁部分に配置されているとも言える。図の例では、1個の粘着部材77が、支持基板3の第1部分33Aの支持面301(接合部材29の裏面29b)の第1方向xのx1側で第2方向yのy1側の角部に配置されている。また、別の1個の粘着部材77が、支持基板3の第2部分33Bの支持面301(接合部材29の裏面29b)の第1方向xのx2側で第2方向yのy1側の角部に配置されている。また、
図16に示すように、粘着部材75~77は、厚さ方向zに見て、互いに重ならない。なお、粘着部材75~77のそれぞれの配置位置は、限定されない。
【0043】
第1端子41、第2端子42、複数の第3端子43、および第4端子44はそれぞれ、板状の金属板からなる。この金属板の構成材料は、たとえばCuまたはCu合金である。
図1~
図5、
図7および
図8に示す例では、半導体装置A1は、1つずつの第1端子41、第2端子42および第4端子44と、2つの第3端子43とを備えている。
【0044】
第1端子41、第2端子42および第4端子44には、電力変換対象となる直流電圧が入力される。第4端子44は正極(P端子)であり、第1端子41および第2端子42はそれぞれ負極(N端子)である。複数の第3端子43から、第1半導体素子10Aおよび第2半導体素子10Bにより電力変換された交流電圧が出力される。第1端子41、第2端子42、複数の第3端子43、および第4端子44はそれぞれ、封止樹脂8に覆われた部分と封止樹脂8から露出した部分とを含む。
【0045】
第4端子44は、
図10に示すように、第2導電部2Bと一体的に形成されている。本構成と異なり、第4端子44は、第2導電部2Bと分離され、第2導電部2Bに導通接合されていてもよい。第4端子44は、
図7などに示すように、複数の第2半導体素子10Bおよび第2導電部2B(導電基板2)に対して、第1方向xのx2側に位置する。第4端子44は、第2導電部2Bに導通し、且つ、第2導電部2Bを介して、各第2半導体素子10Bの裏面電極15(ドレイン電極)に導通する。
【0046】
第1端子41および第2端子42はそれぞれ、
図7に示すように、第2導電部2Bから離隔している。第1端子41および第2端子42はそれぞれ、
図5および
図6に示すように、第1導通部材5が接合されている。第1端子41および第2端子42はそれぞれ、
図5、
図7などに示すように、複数の第2半導体素子10Bおよび第2導電部2B(導電基板2)に対して、第1方向xのx2側に位置する。第1端子41および第2端子42はそれぞれ、第1導通部材5に導通し、且つ、第1導通部材5を介して、各第1半導体素子10Aの第2主面電極12(ソース電極)に導通する。
【0047】
図1~
図5および
図8などに示すように、第1端子41、第2端子42および第4端子44はそれぞれ、半導体装置A1において、封止樹脂8から第1方向xのx2側に突き出ている。第1端子41、第2端子42および第4端子44は、互いに離隔している。第1端子41および第2端子42は、第2方向yにおいて第4端子44を挟んで互いに反対側に位置する。第1端子41は、第4端子44の第2方向yのy2側に位置し、第2端子42は、第4端子44の第2方向yのy1側に位置する。第1端子41、第2端子42および第4端子44は、第2方向yに見て互いに重なる。
【0048】
2つの第3端子43はそれぞれ、
図7および
図9から理解されるように、第1導電部2Aと一体的に形成されている。本構成と異なり、第3端子43は、第1導電部2Aと分離され、第1導電部2Aに導通接合されていてもよい。2つの第3端子43はそれぞれ、
図7などに示すように、複数の第1半導体素子10Aおよび第1導電部2A(導電基板2) に対して、第1方向xのx1側に位置する。各第3端子43は、第1導電部2Aに導通し、且つ、第1導電部2Aを介して、各第1半導体素子10Aの裏面電極15(ドレイン電極)に導通する。なお、第3端子43の数は、2つに限定されず、たとえば1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。たとえば、第3端子43が1つである場合、第1導電部2Aの第2方向yにおける中央部分につながっていることが望ましい。
【0049】
複数の制御端子45はそれぞれ、各第1半導体素子10Aおよび各第2半導体素子10Bを制御するためのピン状の端子である。複数の制御端子45は、複数の第1制御端子46A~46Dおよび複数の第2制御端子47A~47Eを含む。複数の第1制御端子46A~46Dは、各第1半導体素子10Aの制御などに用いられる。複数の第2制御端子47A~47Eは、各第2半導体素子10Bの制御などに用いられる。
【0050】
複数の第1制御端子46A~46Dは、第2方向yに間隔を隔てて配置されている。各第1制御端子46A~46Dは、
図7および
図10などに示すように、制御端子支持体48(後述の第1支持部48A)を介して、第1導電部2Aに支持される。各第1制御端子46A~46Dは、
図5および
図7に示すように、第1方向xにおいて、複数の第1半導体素子10Aと2つの第3端子43との間に位置する。
【0051】
第1制御端子46Aは、複数の第1半導体素子10Aの駆動信号入力用の端子(ゲート端子)である。第1制御端子46Aには、複数の第1半導体素子10Aを駆動させるための駆動信号が入力される(たとえばゲート電圧が印加される)。
【0052】
第1制御端子46Bは、複数の第1半導体素子10Aのソース信号検出用の端子(ソースセンス端子)である。第1制御端子46Bから、複数の第1半導体素子10Aの各第2主面電極12(ソース電極)に印加される電圧(ソース電流に対応した電圧)が検出される。
【0053】
第1制御端子46Cおよび第1制御端子46Dは、サーミスタ17に導通する端子である。
【0054】
複数の第2制御端子47A~47Eは、第2方向yに間隔を隔てて配置されている。各第2制御端子47A~47Eは、
図7および
図10などに示すように、制御端子支持体48(後述の第2支持部48B)を介して、第2導電部2Bに支持される。各第2制御端子47A~47Eは、
図5および
図7に示すように、第1方向x向において、複数の第2半導体素子10Bと、第1端子41、第2端子42および第4端子44との間に位置する。
【0055】
第2制御端子47Aは、複数の第2半導体素子10Bの駆動信号入力用の端子(ゲート端子)である。第2制御端子47Aには、複数の第2半導体素子10Bを駆動させるための駆動信号が入力される(たとえばゲート電圧が印加される)。第2制御端子47Bは、複数の第2半導体素子10Bのソース信号検出用の端子(ソースセンス端子)である。第2制御端子47Bから、複数の第2半導体素子10Bの各第2主面電極12(ソース電極)に印加される電圧(ソース電流に対応した電圧)が検出される。第2制御端子47Cおよび第2制御端子47Dは、サーミスタ17に導通する端子である。第2制御端子47Eは、複数の第2半導体素子10Bのドレイン信号検出用の端子(ドレインセンス端子)である。第2制御端子47Eから、複数の第2半導体素子10Bの各裏面電極15(ドレイン電極)に印加される電圧(ドレイン電流に対応した電圧)が検出される。
【0056】
複数の制御端子45(複数の第1制御端子46A~46Dおよび複数の第2制御端子47A~47E)はそれぞれ、ホルダ451および金属ピン452を含む。
【0057】
ホルダ451は、導電性材料からなる。ホルダ451は、
図11、
図12に示すように、導電性接合材459を介して、制御端子支持体48(後述の第1金属層482)に接合されている。導電性接合材459の構成材料は特に限定されず、たとえばはんだ、金属ペースト材、あるいは、焼結金属などである。ホルダ451は、筒状部、上端鍔部および下端鍔部を含む。上端鍔部は、筒状部の上方につながり、下端鍔部は、筒状部の下方につながる。ホルダ451のうちの少なくとも上端鍔部および筒状部に、金属ピン452が挿通されている。ホルダ451は、その大部分が封止樹脂8に覆われている。図示した例では、各ホルダ451の上端面だけが封止樹脂8から露出している。
【0058】
金属ピン452は、厚さ方向zに延びる棒状部材である。金属ピン452は、ホルダ451に圧入されることで支持されている。金属ピン452は、少なくともホルダ451を介して、制御端子支持体48(後述の第1金属層482)に導通する。
図11、
図12に示す例のように、金属ピン452の下端(厚さ方向zのz2側の端部)がホルダ451の挿通孔内で導電性接合材459に接している場合には、金属ピン452は、導電性接合材459を介して、制御端子支持体48に導通する。なお、金属ピン452の厚さ方向zの長さは、図示した例に限定されず、適宜選択可能である。
【0059】
制御端子支持体48は、複数の制御端子45を支持する。制御端子支持体48は、厚さ方向zにおいて、主面201(導電基板2)と複数の制御端子45との間に介在する。
【0060】
制御端子支持体48は、第1支持部48Aおよび第2支持部48Bを含む。第1支持部48Aは、導電基板2の第1導電部2A上に配置され、複数の制御端子45のうちの複数の第1制御端子46A~46Dを支持する。第1支持部48Aは、
図11に示すように、接合材49を介して、第1導電部2Aに接合されている。接合材49は、導電性でも絶縁性でもよいが、たとえばはんだが用いられる。第2支持部48Bは、導電基板2の第2導電部2B上に配置され、複数の制御端子45のうちの複数の第2制御端子47A~47Eを支持する。第2支持部48Bは、
図12に示すように、接合材49を介して、第2導電部2Bに接合されている。
【0061】
制御端子支持体48(第1支持部48Aおよび第2支持部48Bのそれぞれ)は、たとえばDBC(Direct Bonded Copper)基板で構成される。制御端子支持体48は、互いに積層された絶縁層481、第1金属層482および第2金属層483を有する。
【0062】
絶縁層481は、たとえばセラミックスからなる。絶縁層481は、たとえば平面視矩形状である。
【0063】
第1金属層482は、
図11、
図12などに示すように、絶縁層481の上面に形成されている。各制御端子45は、第1金属層482上に立設されている。第1金属層482は、たとえばCuまたはCu合金である。
図7などに示すように、第1金属層482は、第1部分482A、第2部分482B、第3部分482C、第4部分482D、第5部分482Eおよび第6部分482Fを含む。第1部分482A、第2部分482B、第3部分482C、第4部分482D、第5部分482Eおよび第6部分482Fは、互いに離隔し、絶縁されている。
【0064】
第1部分482Aは、複数のワイヤ71が接合され、各ワイヤ71を介して、各第1半導体素子10A(各第2半導体素子10B)の第1主面電極11(ゲート電極)に導通する。第1部分482Aと第6部分482Fとは、複数のワイヤ73が接続されている。これにより、第6部分482Fは、ワイヤ73およびワイヤ71を介して、各第1半導体素子10A(各第2半導体素子10B)の第1主面電極11(ゲート電極)に導通する。
図7に示すように、第1支持部48Aの第6部分482Fには、第1制御端子46Aが接合されており、第2支持部48Bの第6部分482Fには、第2制御端子47Aが接合され ている。
【0065】
第2部分482Bは、複数のワイヤ72が接合され、各ワイヤ72を介して、各第1半導体素子10A(各第2半導体素子10B)の第2主面電極12(ソース電極)に導通する。
図7に示すように、第1支持部48Aの第2部分482Bには、第1制御端子46Bが接合されており、第2支持部48Bの第2部分482Bには、第2制御端子47Bが接合されている。
【0066】
第3部分482Cおよび第4部分482Dは、サーミスタ17が接合されている。
図7に示すように、第1支持部48Aの第3部分482Cおよび第4部分482Dには、第1制御端子46C,46Dが接合されており、第2支持部48Bの第3部分482Cおよび第4部分482Dには、第2制御端子47C,47Dが接合されている。
【0067】
第1支持部48Aの第5部分482Eは、他の構成部位とは導通していない。第2支持部48Bの第5部分482Eは、ワイヤ74が接合され、ワイヤ74を介して、第2導電部2Bに導通する。
図7に示すように、第2支持部48Bの第5部分482Eには、第2制御端子47Eが接合されている。上記の各ワイヤ71~74は、たとえばボンディングワイヤである。各ワイヤ71~74の構成材料は特に限定されず、たとえばAu(金)、AlあるいはCuのいずれかを含む。
【0068】
第2金属層483は、
図11、
図12などに示すように、絶縁層481の下面に形成されている。第1支持部48Aの第2金属層483は、
図11に示すように、接合材49を介して、第1導電部2Aに接合される。第2支持部48Bの第2金属層483は、
図12に示すように、接合材49を介して、第2導電部2Bに接合される。
【0069】
第1導通部材5および第2導通部材6は、導電基板2とともに、複数の第1半導体素子10Aおよび複数の第2半導体素子10Bによってスイッチングされる主回路電流の経路を構成する。第1導通部材5および第2導通部材6は、主面201(導電基板2)から厚さ方向zのz1側に離隔し、且つ、平面視において主面201に重なる。本実施形態では、第1導通部材5および第2導通部材6はそれぞれ、金属製の板材により構成される。当該金属は、たとえばCuまたはCu合金である。具体的には、第1導通部材5および第2導通部材6は、適宜折り曲げられた金属製の板材である。
【0070】
第1導通部材5は、各第1半導体素子10Aの第2主面電極12(ソース電極)と、第1端子41および第2端子42とに接続され、各第1半導体素子10Aの第2主面電極12と第1端子41および第2端子42とを導通させる。第1導通部材5は、複数の第1半導体素子10Aによってスイッチングされる主回路電流の経路を構成する。第1導通部材5は、第1方向xの最大寸法がたとえば25mm~40mmであり、第2方向yの最大寸法がたとえば30mm~45mmである。第1導通部材5は、
図6および
図7に示すように、第1配線部51、第2配線部52、第3配線部53、第4配線部54および第5配線部55を含む。
【0071】
第1配線部51は、第1端部511、第2端部512および複数の開口513を有する。第1端部511は、第1端子41に接続される。第1端部511と第1端子41とは、導電性接合材59により接合される。導電性接合材59の構成材料は特に限定されず、たとえばはんだ、金属ペースト材、あるいは、焼結金属などである。第1配線部51は、平面視において、全体として第1方向xに延びる帯状の部位である。第1配線部51は、平面視において、第2導電部2Bおよび第1導電部2Aの双方と重なる。
【0072】
第2端部512は、第1端部511に対して第1方向xに離れている。
図6などに示すように、第2端部512は、第1端部511に対して、第1方向xのx1側に位置する。
【0073】
複数の開口513の各々は、平面視において部分的に切除された部位である。複数の開口513は、第1方向xにおいて互いに離隔する。図示された例では、第1配線部51は、3つの開口513を有する。第1方向xのx2側の開口513および第1方向xにおける中央の開口513は、平面視において第2導電部2B(導電基板2)の主面201に重なり、且つ、平面視において複数の第2半導体素子10Bに重ならない位置にある。第1方向xのx1側の開口513は、平面視において第1導電部2A(導電基板2)の主面201に重なり、且つ、平面視において複数の第1半導体素子10Aに重ならない位置にある。各開口513は、平面視において、第2導電部2B(第1導電部2A)の第2方向yのy2側寄りに設けられている。本実施形態において、開口513は、第1配線部51において第2方向yのy1側の端から第2方向yのy2側に凹む円弧状の切欠きである。なお、開口513の平面形状は限定されず、本実施形態のように切欠きであってもよく、本実施形態とは異なり孔であってもよい。
【0074】
第2配線部52は、第3端部521、第4端部522および複数の開口523を有する。第3端部521は、第2端子42に接続される。第3端部521と第2端子42とは、導電性接合材59により接合される。第2配線部52は、平面視において、全体として第1方向xに延びる帯状の部位である。第2配線部52は、第1配線部51に対して第2方向yに離れて配置されている。第2配線部52は、第1配線部51に対して第2方向yのy1側に位置する。第2配線部52は、平面視において、第2導電部2Bおよび第1導電部2Aの双方と重なる。
【0075】
第4端部522は、第3端部521に対して第1方向xに離れている。
図6などに示すように、第4端部522は、第3端部521に対して、第1方向xのx1側に位置する。
【0076】
複数の開口523の各々は、平面視において部分的に切除された部位である。複数の開口523は、第1方向xにおいて互いに離隔する。図示された例では、第2配線部52は、3つの開口523を有する。第1方向xのx2側の開口523および第1方向xにおける中央の開口523は、平面視において第2導電部2B(導電基板2)の主面201に重なり、且つ、平面視において複数の第2半導体素子10Bに重ならない位置にある。第1方向xのx1側の開口523は、平面視において第1導電部2A(導電基板2)の主面201に重なり、且つ、平面視において複数の第1半導体素子10Aに重ならない位置にある。各開口523は、平面視において、第2導電部2B(第1導電部2A)の第2方向yのy1側寄りに設けられている。本実施形態において、開口523は、第2配線部52において第2方向yのy2側の端から第2方向yのy1側に凹む円弧状の切欠きである。なお、開口523の平面形状は限定されず、本実施形態のように切欠きであってもよく、本実施形態とは異なり孔であってもよい。
【0077】
第3配線部53は、第1配線部51(第2端部512)および第2配線部52(第4端部522)の双方に連結される。第3配線部53は、平面視において第2方向yに延びる帯状の部位である。
図6などから理解されるように、第3配線部53は、平面視において複数の第1半導体素子10Aに重なる。第3配線部53は、
図14に示すように、各第1半導体素子10Aに接続される。
【0078】
第3配線部53は、複数の凹状領域531を有する。各凹状領域531は、
図14などに示すように、第3配線部53の他の部位よりも厚さ方向zのz2側に突き出た形状である。複数の凹状領域531の各々は、複数の第1半導体素子10Aのいずれかと接合されている。第3配線部53の各凹状領域531と各第1半導体素子10Aの第2主面電極12とは、導電性接合材59を介して接合される。本実施形態 において、各凹状領域531には、開口531aが形成されている。各開口531aは、平面視において第1半導体素子10Aの中央部に重なって形成されることが好ましい。開口531aは、たとえば第3配線部53の各凹状領域531に形成された貫通孔である。開口531aは、たとえば導電基板2に対して第1導通部材5を位置決めする際に使用される。開口531aの平面形状は真円であってもよく、楕円形、矩形などの他の形状であってもよい。
【0079】
第4配線部54は、第1配線部51および第2配線部52の双方に連結される。第4配線部54は、平面視において、第2方向yに延びる帯状の部位である。第4配線部54は、第1端部511と第2端部512との間において第1配線部51に連結されており、第3端部521と第4端部522との間において第2配線部52に連結されている。第4配線部54は、第3配線部53に対して第1方向xに離れている。
図6などに示すように、第4配線部54は、第3配線部53に対して、第1方向xのx2側に位置する。第4配線部54は、平面視において複数の第2半導体素子10Bに重なる。
【0080】
第4配線部54は、複数の凸状領域541を有する。各凸状領域541は、
図15などに示すように、第4配線部54の他の部位よりも厚さ方向zのz1側に突き出た形状である。
図6、
図15などに示すように、複数の凸状領域541と複数の第2半導体素子10Bとは、平面視において互いに重なる。本実施形態では、
図6などから理解されるように、第3配線部53における複数の凹状領域531と、複数の凸状領域541とは、第2方向yにおける位置が互いに等しい。
【0081】
第5配線部55は、第3配線部53および第4配線部54の双方に連結される。第5配線部55は、平面視において、第1方向xに延びる帯状の部位である。本実施形態では、第1導通部材5は、複数(3つ)の第5配線部55を備える。複数の第5配線部55は、第2方向yにおいて第1配線部51および第2配線部52の間に位置し、第2方向yに間隔を隔てて配置される。複数の第5配線部55は、略平行に配置されている。複数の第5配線部55それぞれの第1方向xのx1側の端は、第3配線部53のうち第2方向yに隣接する2つの凹状領域531の間に連結されている。複数の第5配線部55それぞれの第1方向xのx2側の端は、第4配線部54のうち第2方向yに隣接する2つの凸状領域541の間に連結されている。
【0082】
第2導通部材6は、各第2半導体素子10Bの第2主面電極12(ソース電極)と第1導電部2Aとに接続され、各第2半導体素子10Bの第2主面電極12と第1導電部2Aとを導通させる。第2導通部材6は、複数の第2半導体素子10Bによってスイッチングされる主回路電流の経路を構成する。第2導通部材6は、
図6および
図7に示すように、主部61、複数の第1接続端部62および複数の第2接続端部63を含む。
【0083】
主部61は、第1方向xにおいて、複数の第2半導体素子10Bと第1導電部2Aとの間に位置し、平面視において第2方向yに延びる帯状の部位である。
図13などに示すように、主部61は、第1導通部材5の第5配線部55に対して厚さ方向zのz2側に位置し、第5配線部55よりも主面201(導電基板2)に近接する位置にある。主部61は、平面視において、複数の第5配線部55と重なる。本実施形態では、
図6、
図7、
図10などに示すように、主部61には、複数の開口611が形成される。複数の開口611はそれぞれ、たとえば厚さ方向zに貫通する貫通孔である。複数の開口611は、第2方向yに間隔を隔てて並ぶ。各開口611は、平面視において、第5配線部55に重ならない。複数の開口611は、封止樹脂8を形成するために流動性の樹脂材料を注入する際に、主部61(第2導通部材6)の付近において上側(厚さ方向zのz1側)と下側(厚さ方向zのz2側)との間で樹脂材料を流動しやすくするために形成される。主部61(第2導通部材6)の形状は、本構成に限定されず、たとえば開口611が形成されていなくてもよい。
【0084】
複数の第1接続端部62および複数の第2接続端部63はそれぞれ、主部61につながっており、複数の第2半導体素子10Bに対応して配置される。
図10、
図15などに示すように、各第1接続端部62とこれに対応するいずれかの第2半導体素子10Bの第2主面電極12と、および、各第2接続端部63と第1導電部2Aとは、それぞれ導電性接合材69を介して接合される。導電性接合材69の構成材料は特に限定されず、たとえばはんだ、金属ペースト材、あるいは、焼結金属などである。なお、本実施形態において、各第1接続端部62には開口621が形成される。各開口621は、平面視において第2半導体素子10Bの中央部に重なって形成されることが好ましい。開口621は、たとえば厚さ方向zに貫通する貫通孔である。開口621は、たとえば導電基板2に対して第2導通部材6を位置決めする際に使用される。開口621の平面形状は真円であってもよく、楕円形、矩形などの他の形状であってもよい。
【0085】
封止樹脂8は、複数の第1半導体素子10Aと、複数の第2半導体素子10Bと、導電基板2と、支持基板3(底面302を除く)と、第1端子41、第2端子42、複数の第3端子43、および第4端子44の一部ずつと、複数の制御端子45の一部ずつと、制御端子支持体48と、第1導通部材5と、第2導通部材6と、複数のワイヤ71~ワイヤ74と、をそれぞれ覆っている。封止樹脂8は、たとえば黒色のエポキシ樹脂で構成される。封止樹脂8は、たとえばモールド成形により形成される。封止樹脂8は、たとえば第1方向xの寸法が35mm~60mm程度であり、たとえば第2方向yの寸法が35mm~50mm程度であり、たとえば厚さ方向zの寸法が4mm~15mm程度である。これらの寸法は、各方向に沿う最大部分の大きさである。本実施形態において、封止樹脂8は、樹脂主面81、樹脂裏面82および複数の樹脂側面831~834を有する。
【0086】
樹脂主面81と樹脂裏面82とは、
図9および
図14などに示すように、厚さ方向zに離隔する。樹脂主面81は、厚さ方向zのz1側を向く。樹脂主面81から複数の制御端子45(複数の第1制御端子46A~46Dおよび複数の第2制御端子47A~47E)が突き出ている。樹脂裏面82は、厚さ方向zのz2側を向く。樹脂裏面82は、
図8に示すように、厚さ方向zに見て支持基板3(第1金属層32)の底面302を囲む枠状である。支持基板3の底面302は、樹脂裏面82から露出し、たとえば樹脂裏面82と面一である。
【0087】
複数の樹脂側面831~834はそれぞれ、樹脂主面81および樹脂裏面82の双方につながり、且つ、厚さ方向zにおいてこれらに挟まれている。
図4などに示すように、樹脂側面831と樹脂側面832とは第1方向xに離隔する。樹脂側面831は第1方向xのx1側を向き、樹脂側面832は、第1方向xのx2側を向く。樹脂側面831から2つの第3端子43が突き出ており、樹脂側面832から第1端子41、第2端子42および第4端子44が突き出ている。
図4などに示すように、樹脂側面833と樹脂側面834とは、第2方向yに離隔する。樹脂側面833は、第2方向yのy1側を向き、樹脂側面834は、第2方向yのy2側を向く。
【0088】
樹脂側面832には、
図4に示すように、複数の凹部832aが形成されている。各凹部832aは、平面視において第1方向xに窪んだ部位である。複数の凹部832aは、平面視において第1端子41と第4端子44との間に形成されたものと、第2端子42と第4端子44との間に形成されたものとがある。複数の凹部832aは、第1端子41と第4端子44との樹脂側面832に沿う沿面距離、および、第2端子42と第4端子44との樹脂側面832に沿う沿面距離を大きくするために設けられている。
【0089】
封止樹脂8は、
図9および
図10などに示すように、複数の突出部85、および樹脂空隙部86を有する。
【0090】
複数の突出部85はそれぞれ、樹脂主面81から厚さ方向zに突出している。複数の突出部85は、平面視において封止樹脂8の四隅付近に配置されている。各突出部85の先端(厚さ方向zのz1側の端部)には、突出端面85aが形成されている。複数の突出部85における各突出端面85aは、樹脂主面81と略平行であり、且つ、互いに同一平面(x-y平面)上にある。各突出部85は、たとえば有底中空の円錐台状である。複数の突出部85は、半導体装置A1によって生成された電源を利用する機器において、その機器が有する制御用の回路基板などに半導体装置A1が搭載される際に、スペーサーとして利用される。複数の突出部85は、それぞれ、凹部85bと、当該凹部85bに形成された内壁面85cとを有する。各突出部85の形状は柱状であればよく、円柱状であることが好ましい。凹部85bの形状は円柱状であって、平面視において内壁面85cは単一の真円状であることが好ましい。
【0091】
半導体装置A1は、制御用の回路基板などに対して、ねじ止めなどの方法によって機械的に固定される場合がある。この場合には、複数の突出部85における凹部85bの内壁面85cに、めねじのねじ山を形成することができる。複数の突出部85における凹部85bにインサートナットを埋め込んでもよい。
【0092】
樹脂空隙部86は、
図9に示すように、厚さ方向zにおいて、樹脂主面81から、導電基板2の主面201に通じる。樹脂空隙部86は、樹脂主面81から主面201に向かう(厚さ方向zのz2側に向かう)につれて断面積が小さくなるテーパー状に形成されている。樹脂空隙部86は、封止樹脂8のモールド成形時に形成され、当該モールド成形時に封止樹脂8が形成されない部分である。
【0093】
図示説明は省略するが、樹脂空隙部86は、たとえば封止樹脂8のモールド成形の際、押さえ部材が占めていたことによって流動性の樹脂材料が充填されなかったことで形成される。当該押さえ部材は、モールド成形の際に導電基板2の主面201へ押圧力を与えるものであり、第1導通部材5の各開口513および各開口523に挿通される。これにより、第1導通部材5に干渉することなく上記の押さえ部材により導電基板2を押さえることができ、導電基板2が接合される支持基板3の反りを抑制することができる。
【0094】
本実施形態において、
図9に示すように、半導体装置A1は、樹脂充填部88を備える。樹脂充填部88は、樹脂空隙部86を埋めるように、樹脂空隙部86に充填されている。樹脂充填部88は、たとえば封止樹脂8と同様にエポキシ樹脂からなるが、封止樹脂8と異なる材料であってもよい。
【0095】
次に、半導体装置A1の製造方法における、支持基板3、導電基板2、第1半導体素子10A、および第2半導体素子10Bの接合方法の一例について、
図18~
図21を参照しつつ、以下に説明する。
図18~
図21はそれぞれ、半導体装置A1の製造方法の一工程を示す平面図の模式図であり、
図16(a)、(b)に対応するものである。
【0096】
まず、
図18に示すように、支持基板3の第2金属層33の第1部分33Aおよび第2部分33Bの支持面301に、粘着材料70を配置する。粘着材料70は、第1部分33Aの支持面301の第1方向xのx1側で第2方向yのy1側の角部、および、第2部分33Bの支持面301の第1方向xのx2側で第2方向yのy1側の角部に配置される。なお、各粘着材料70の配置位置は限定されず、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)に重ならない位置であればよく、各支持面301の周縁部分が望ましい。
【0097】
次に、支持基板3上に、接合部材29を載置する。接合部材29は、裏面29bを支持基板3の第2金属層33の第1部分33Aの支持面301に対向させて載置される。また、別の接合部材29は、裏面29bを支持基板3の第2金属層33の第2部分33Bの支持面301に対向させて載置される。各接合部材29はそれぞれ、粘着材料70によって、支持基板3に仮固定される。
【0098】
次に、
図19に示すように、各接合部材29の主面29aに、粘着材料70を配置する。粘着材料70は、第1部分33Aに仮固定された接合部材29の主面29aの第1方向xのx1側で第2方向yのy2側の角部、および、第2部分33Bに仮固定された接合部材29の主面29aの第1方向xのx2側で第2方向yのy2側の角部に配置される。なお、各粘着材料70の配置位置は限定されず、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)に重ならない位置であればよく、各主面29aの周縁部分が望ましい。また、支持基板3に配置された各粘着材料70に重ならない位置が望ましい。
【0099】
次に、各接合部材29上に、導電基板2を載置する。導電基板2は、裏面202を接合部材29の主面29aに対向させて載置される。より具体的には、第1導電部2Aが、裏面202を、第1部分33Aに仮固定された接合部材29の主面29aに対向させて載置される。また、第2導電部2Bが、裏面202を、第2部分33Bに仮固定された接合部材29の主面29aに対向させて載置される。第1導電部2Aおよび第2導電部2Bはそれぞれ、粘着材料70によって、対応する接合部材29に仮固定される。
【0100】
次に、
図20に示すように、第1導電部2Aおよび第2導電部2Bの各主面201に、粘着材料70を配置する。粘着材料70は、各接合部材19が載置される位置に配置される。各粘着部材79は、各接合部材19の第2方向yのy1側の端部とy2側の端部に位置する領域に配置される。なお、各粘着材料70の配置位置は限定されず、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)に重ならない位置であればよく、各接合部材19の周縁部分に相当する位置が望ましい。また、他の粘着材料70に重ならない位置が望ましい。
【0101】
次に、
図21に示すように、第1導電部2Aおよび第2導電部2B上に、接合部材19を載置する。接合部材19は、裏面19bを第1導電部2Aまたは第2導電部2Bの主面201に対向させて載置される。各接合部材19は、第2方向yのy1側の端部とy2側の端部とがそれぞれ粘着材料70に重なるように配置される。各接合部材19はそれぞれ、粘着材料70によって、第1導電部2Aおよび第2導電部2Bに仮固定される。
【0102】
次に、各接合部材19の主面19aに、第1半導体素子10Aまたは第2半導体素子10Bを載置する。各第1半導体素子10Aは、素子裏面102を第1導電部2A上に載置されたいずれかの接合部材19の主面19aに対向させて載置される。各第2半導体素子10Bは、素子裏面102を第2導電部2B上に載置されたいずれかの接合部材19の主面19aに対向させて載置される。第1半導体素子10Aおよび第2半導体素子10Bの仮固定の方法は限定されない。
【0103】
次に、仮固定された支持基板3、接合部材29、導電基板2、接合部材19、第1半導体素子10Aおよび第2半導体素子10Bを、一体として加圧装置にセットする。そして、加圧装置が圧力と熱を加えながら振動を付加することで、各部材の対向する面同士を直接接触させて、固相接合させる。接合部材19,29が金属箔で柔軟性があるので、粘着材料70が配置された領域以外の部分で、各部材の対向する面同士が直接接触して、固相接合される。各粘着材料70は、加圧処理により押しつぶされて、厚さ方向zの寸法が小さくなり、厚さ方向zに見た各寸法が大きくなって、粘着部材75~77になる。なお、加圧装置は、これに限られず、熱を加えなくてもよいし、振動を付加しなくてもよく、各部材の対向する面同士を固相接合できればよい。
【0104】
次に、
図22および
図23に基づき、半導体装置A1の使用例について説明する。
【0105】
図22は、半導体装置A1を備えて構成された半導体装置アッセンブリB1を示している。
図22は、半導体装置アッセンブリB1を示す要部断面図である。半導体装置アッセンブリB1は、半導体装置A1およびヒートシンク90を備えている。
【0106】
図22に示すように、ヒートシンク90は、半導体装置A1(支持基板3)の底面302に対向配置されている。ヒートシンク90は、接合層909を介して底面302に接合されている。ヒートシンク90は、半導体装置A1が発する熱を伝えられて、放熱する放熱部材である。ヒートシンク90の構成材料は特に限定されず、たとえばAl(アルミニウム)、Cu(銅)、あるいはこれらの合金である。
【0107】
接合層909は、ヒートシンク90の上面(厚さ方向zのz1側を向く面)と支持基板3の底面302とを接合する。接合層909の構成材料は特に限定されず、たとえば焼結金属である。接合層909は、たとえばAg(銀)焼結層である。この場合、接合層909の厚さ(厚さ方向zの寸法)は比較的小さく、たとえば50~500μmである。
【0108】
図23は、半導体装置A1が搭載された車両B2の概要図である。車両B2は、たとえば電気自動車(EV)である。
【0109】
図23に示すように、車両B2は、車載充電器94、蓄電池95および駆動系統93を備える。車載充電器94には、屋外に設置された給電施設(図示略)から無線により電力が供給される。この他、給電施設から車載充電器94への電力の供給手段は、有線でもよい。車載充電器94には、昇圧型のDC-DCコンバータが構成されている。車載充電器94に供給された電力の電圧は、当該コンバータにより昇圧された後、蓄電池95に給電される。昇圧された電圧は、たとえば600Vである。
【0110】
駆動系統93は、車両B2を駆動する。駆動系統93は、インバータ931および駆動源932を有する。半導体装置A1は、インバータ931の一部を構成する。蓄電池95に蓄えられた電力は、インバータ931に給電される。蓄電池95からインバータ931に給電される電力は、直流電力である。この他、
図23に示す駆動系統93とは異なり、蓄電池95とインバータ931との間に昇圧型のDC-DCコンバータをさらに設けてもよい。インバータ931は、直流電力を交流電力に変換する。半導体装置A1を含めたインバータ931は、駆動源932に導通している。駆動源932は、交流モータおよび変速機を有する。インバータ931によって変換された交流電力が駆動源932に供給されると、交流モータが回転するとともに、その回転が変速機に伝達される。変速機は、交流モータから伝達された回転数を適宜減じた上で、車両B2の駆動軸を回転させる。これにより、車両B2が駆動する。車両B2の駆動にあたっては、アクセルペダルの変動量などの情報に基づき交流モータの回転数を自在に操作する必要がある。そこで、インバータ931における半導体装置A1は、要求される交流モータの回転数に対応させるべく、周波数が適宜変化された交流電力を出力するために必要である。
【0111】
次に、半導体装置A1の作用について説明する。
【0112】
本実施形態によると、接合部材19は、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)と導電基板2との間に介在して、それぞれとの間で固相接合されている。したがって、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)と導電基板2とは、大きな熱を加えることなく強固に接合される。接合部材29は、導電基板2と支持基板3との間に介在して、それぞれとの間で固相接合されている。したがって、導電基板2と支持基板3とは、大きな熱を加えることなく強固に接合される。
【0113】
また、本実施形態によると、支持基板3、接合部材29、導電基板2、接合部材19、および第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)は、この順で厚さ方向zに載置され、固相接合を行う加圧装置まで搬送され、一度の加圧処理で各構成部材の間の固相接合が行われる。接合部材19と導電基板2との間、接合部材29と導電基板2との間、接合部材29と支持基板3との間には、それぞれ粘着材料70が配置される。これにより、各構成部材が仮固定されるので、半導体装置A1は、製造時における各構成部材間の位置ずれを抑制して固相接合させることが可能である。
【0114】
また、本実施形態によると、粘着部材75~77は、厚さ方向zに見て第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)に重ならない位置に配置されている。厚さ方向zに見て固相接合されない部分が、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)に重ならないので、半導体装置A1は、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)の放熱を妨げることを抑制できる。また、本実施形態によると、粘着部材76と粘着部材77とは、厚さ方向zに見て互いに重ならない。したがって、粘着部材76と粘着部材77とが重なる場合と比較して、接合部材29が支持基板3および導電基板2と接触する面積を広くできる。これにより、半導体装置A1は、固相接合された面積を広くできるので、放熱効果を向上できる。
【0115】
なお、本実施形態では、接合部材19,29が金属箔である場合について説明したが、これに限られない。接合部材19,29は、粘着材料70が配置された領域以外の部分で、各部材の対向する面同士が直接接触できる程度の柔軟性を有していればよく、たとえば薄い(厚さ方向zの寸法が小さい)金属板であってもよい。
【0116】
また、本実施形態では、接合部材19が第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)と導電基板2とを接合し、接合部材29が導電基板2と支持基板3とを接合する場合について説明したが、これに限られない。半導体装置A1は、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)と導電基板2とが、たとえばはんだ、金属ペースト材、あるいは、焼結金属などによって接合されてもよい。または、半導体装置A1は、導電基板2と支持基板3とが、たとえばはんだ、金属ペースト材、あるいは、焼結金属などによって接合されてもよい。
【0117】
また、本実施形態では、制御端子支持体48が、接合材49(たとえばはんだ)を介して導電基板2に接合される場合について説明したが、これに限られない。制御端子支持体48は、第1半導体素子10Aおよび第2半導体素子10Bと同様に、接合部材19を介して導電基板2に接合されてもよい。この場合、制御端子支持体48の第2金属層483にAgめっきにより構成された層を配置すればよい。
【0118】
図24~
図28は、本開示の変形例を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、重複する説明を省略する。また、各変形例における各部の構成は、技術的な矛盾を生じない範囲において相互に適宜組み合わせ可能である。
【0119】
<第1変形例>
図24は、第1実施形態の第1変形例に係る半導体装置A11を示している。
図24は、半導体装置A11の接合構造を説明するための模式図であり、
図16(b)に対応する図である。半導体装置A11は、粘着部材76,77の配置位置が半導体装置A1とは異なる。半導体装置A11では、各粘着部材76,77が第2方向yにおける中央に配置されている。
【0120】
<第2変形例>
図25は、第1実施形態の第2変形例に係る半導体装置A12を示している。
図25は、半導体装置A12の接合構造を説明するための模式図であり、
図16(b)に対応する図である。半導体装置A12は、粘着部材76,77の配置数が半導体装置A1とは異なる。半導体装置A12では、1個の接合部材29に対して各粘着部材76,77が2個ずつ配置されている。
【0121】
<第3変形例>
図26は、第1実施形態の第3変形例に係る半導体装置A13を示している。
図26は、半導体装置A13の接合構造を説明するための模式図であり、
図16(a)に対応する図である。半導体装置A13は、粘着部材75の配置位置が半導体装置A1とは異なる。半導体装置A13では、各粘着部材75が、接合部材19の裏面19bの第1方向xのx1側とx2側の端部に配置されている。
【0122】
第1~3変形例から理解されるように、粘着部材75~77のそれぞれの配置位置および配置個数は限定されず、様々なバリエーションが考えられる。ただし、粘着部材75~77は、厚さ方向zに見て互いに重ならないのが望ましく、また、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)に重ならないのが望ましい。
【0123】
<第4変形例>
図27は、第1実施形態の第4変形例に係る半導体装置A14を示している。
図27は、半導体装置A14の接合構造を説明するための模式図である。
図27(a)は、平面図の模式図であり、
図16(a)に対応する図である。
図27(b)は、
図27(a)の模式図から各半導体素子10A,10B、各接合部材19、導電基板2、および各接合部材29を省略した模式図である。
図27(b)は、
図27(a)のXXVII-XXVII線に沿う断面図である。半導体装置A14は、粘着部材76,77が凹部に配置されている点で、半導体装置A1とは異なる。
【0124】
半導体装置A14では、導電基板2(第1導電部2Aおよび第2導電部2B)が裏面202から厚さ方向zのz1側に凹む凹部203を備えている。粘着部材76は、凹部203に配置されている。粘着部材76は、裏面202に直接配置されている場合と比較して、裏面202より厚さ方向zのz2側に突出する寸法が小さくなる。これにより、接合部材29が導電基板2と接触する面積を広くできるので、半導体装置A14は放熱効果を向上できる。また、支持基板3(第1部分33Aおよび第2部分33B)が支持面301から厚さ方向zのz2側に凹む凹部303を備えている。粘着部材77は、凹部303に配置されている。粘着部材77は、支持面301に直接配置されている場合と比較して、支持面301より厚さ方向zのz1側に突出する寸法が小さくなる。これにより、接合部材29が支持基板3と接触する面積を広くできるので、半導体装置A14は放熱効果を向上できる。
【0125】
<第5変形例>
図28は、第1実施形態の第5変形例に係る半導体装置A15を示している。
図28は、半導体装置A15の接合構造を説明するための模式図である。
図28(a)は、平面図の模式図であり、
図16(a)に対応する図である。
図28(b)は、
図28(a)の模式図から各半導体素子10A,10B、各接合部材19、導電基板2、および各接合部材29を省略した模式図である。
図28(b)は、
図28(a)のXXVIII-XXVIII線に沿う断面図である。半導体装置A15は、厚さ方向zに見て粘着部材76,77に重なる位置に開口部が配置されている点で、半導体装置A1とは異なる。
【0126】
半導体装置A15では、支持基板3の第2金属層33(第1部分33Aおよび第2部分33B)が支持面301に開口した開口部304を備えている。本実施形態では、開口部304は、第2金属層33を貫通して絶縁層31まで達し、また、第2金属層33の第2方向yのy2側の端縁まで達した切り欠きである。なお、開口部304は、支持面301に開口していればよく、第2金属層33を貫通していなくてもよいし、第2金属層33の端縁まで達していなくてもよい。粘着部材76は、厚さ方向zに見て開口部304に重なるように配置されている。したがって、接合部材29の粘着部材76に重なる部分が、開口部304から厚さ方向zのz2側に陥没するように変形できる(
図28(c)参照)。これにより、接合部材29が導電基板2および支持基板3と接触する面積を広くできるので、半導体装置A15は放熱効果を向上できる。また、導電基板2(第1導電部2Aおよび第2導電部2B)が裏面202に開口した開口部204を備えている。本実施形態では、開口部204は、主面201まで貫通し、また、導電基板2の第2方向yのy1側の端縁まで達した切り欠きである。なお、開口部204は、裏面202に開口していればよく、貫通していなくてもよいし、導電基板2の端縁まで達していなくてもよい。粘着部材77は、厚さ方向zに見て開口部204に重なるように配置されている。したがって、接合部材29の粘着部材77に重なる部分が、開口部204から厚さ方向zのz1側に陥没するように変形できる。これにより、接合部材29が導電基板2および支持基板3と接触する面積を広くできるので、半導体装置A15は放熱効果を向上できる。
【0127】
図29~
図31は、本開示の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、重複する説明を省略する。また、各実施形態における各部の構成は、技術的な矛盾を生じない範囲において相互に適宜組み合わせ可能である。
【0128】
<第2実施形態>
図29~
図30は、本開示の第2実施形態に係る半導体装置A2を示している。
図29は、半導体装置A2の断面図であり、
図10に対応する図である。
図30は、半導体装置A2の接合構造を説明するための正面図の拡大模式図であり、
図17に対応する図である。半導体装置A2は、ヒートシンク90を備え、ヒートシンク90の一部も封止樹脂8で覆われている点で、半導体装置A1とは異なる。本実施形態の他の部分の構成および動作は、第1実施形態と同様である。なお、上記の第1実施形態および各変形例の各部が任意に組み合わせられてもよい。
【0129】
半導体装置A2は、ヒートシンク90、接合部材39、および粘着部材78,79をさらに備えている。
【0130】
ヒートシンク90は、接合部材39を介して支持基板3に接合されている。ヒートシンク90は、
図30に示すように、本体部91と金属層92とを備えている。本体部91は、ヒートシンク90の本体部分であり、構成材料がたとえばCu(銅)、Al(アルミニウム)、あるいはこれらの合金である。金属層92は、本体部91の厚さ方向zのz1側を向く面に接して配置され、当該面の全体を覆っている。なお、金属層92は、当該面の一部のみ、たとえば支持基板3が接合される領域のみに配置されてもよい。金属層92は、Ag(銀)めっきにより構成される。なお、金属層92は、複数の種類の金属層が積層されていてもよい。
【0131】
ヒートシンク90は、主面901および裏面902を有する。主面901および裏面902は、厚さ方向zに離隔する。主面901は、厚さ方向zのz1側を向き、裏面902は、厚さ方向zのz2側を向く。主面901は、金属層92の上面である。主面901は、支持基板3に対向し、接合部材39を介して支持基板3に接合されている。裏面902は、本体部91の下面である。
【0132】
本実施形態では、支持基板3の第1金属層32は、第1金属第1層321と第1金属第2層322とを備えている。第1金属第1層321は、絶縁層31に接して配置されている。第1金属第1層321の構成材料は、第2金属第1層331の構成材料と同じである。第1金属第2層322は、第1金属第1層321に接して配置されている。第1金属第2層322は、Ag(銀)めっきにより構成される。なお、第1金属層32は、第1金属第1層321と第1金属第2層322との間にさらに金属層を備えていてもよい。本実施形態では、底面302は、第1金属第2層322の下面である。底面302には、ヒートシンク90が接合されている。
【0133】
接合部材39は、支持基板3の第1金属層32とヒートシンク90の金属層92との間に介在し、支持基板3とヒートシンク90とを接合する。接合部材39と第1金属層32とは固相接合されており、接合部材39と金属層92とは固相接合されている。
図30に示すように、接合部材39の構成は、接合部材19,29と同様であり、本体層191、表面層192、裏面層193、および中間層194,195を備えている。接合部材39は、主面39aおよび裏面39bを有する。主面39aおよび裏面39bは、厚さ方向zに離隔する。主面39aは、厚さ方向zのz1側を向き、裏面39bは、厚さ方向zのz2側を向く。主面39aは、表面層192の厚さ方向zのz1側を向く面であり、支持基板3に対向している。裏面39bは、裏面層193の厚さ方向zのz2側を向く面であり、ヒートシンク90に対向している。接合部材39の表面層192(主面39a)は、支持基板3の第1金属層32の第1金属第2層322(底面302)と固相接合されている。接合部材39の裏面層193(裏面39b)は、ヒートシンク90の金属層92と固相接合されている。
【0134】
本実施形態では、接合部材39およびヒートシンク90も合わせて、一度の加圧処理で、各構成部材の間の固相接合が行われる。すなわち、ヒートシンク90、接合部材39、支持基板3、接合部材29、導電基板2、接合部材19、および第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)は、この順で厚さ方向zに載置され、固相接合を行う加圧装置まで搬送され、一度に各構成部材の間の固相接合が行われる。
【0135】
接合部材39の表面層192(主面39a)と、支持基板3の第1金属層32の第1金属第2層322(底面302)との間には、粘着部材78が介在している。接合部材39の裏面層193(裏面39b)と、ヒートシンク90の金属層92(主面901)との間には、粘着部材79が介在している。
【0136】
粘着部材78,79は、粘着部材75~77と同様、粘着材料70が圧力により押しつぶされたものである。粘着部材78,79も、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)の放熱の妨げにならない位置、すなわち、厚さ方向zに見て、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)に重ならない位置に配置されている。粘着部材78は、厚さ方向zに見て、支持基板3の第1金属層32の底面302の周縁部分に配置されている。また、粘着部材78は、厚さ方向zに見て、接合部材39の主面39aの周縁部分に配置されているとも言える。粘着部材79は、厚さ方向zに見て、ヒートシンク90の主面901の周縁部分に配置されている。また、粘着部材79は、厚さ方向zに見て、接合部材39の裏面39bの周縁部分に配置されているとも言える。本実施形態では、粘着部材78と粘着部材79とは、厚さ方向zに見て、互いに重ならない位置に配置されている。なお、粘着部材78,79のそれぞれの配置位置は、限定されない。
【0137】
本実施形態では、
図29に示すように、封止樹脂8は、ヒートシンク90の一部および接合部材39も覆っている。
【0138】
本実施形態においても、接合部材19は、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)と導電基板2との間に介在して、それぞれとの間で固相接合されている。したがって、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)と導電基板2とは、大きな熱を加えることなく強固に接合される。接合部材29は、導電基板2と支持基板3との間に介在して、それぞれとの間で固相接合されている。したがって、導電基板2と支持基板3とは、大きな熱を加えることなく強固に接合される。さらに、本実施形態によると、接合部材39は、支持基板3とヒートシンク90との間に介在して、それぞれとの間で固相接合されている。したがって、支持基板3とヒートシンク90とは、大きな熱を加えることなく強固に接合される。
【0139】
また、本実施形態によると、ヒートシンク90、接合部材39、支持基板3、接合部材29、導電基板2、接合部材19、および第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)は、この順で厚さ方向zに載置され、固相接合を行う加圧装置まで搬送され、一度に各構成部材の間の固相接合が行われる。接合部材19と導電基板2との間、接合部材29と導電基板2との間、接合部材29と支持基板3との間、接合部材39と支持基板3との間、および、接合部材39とヒートシンク90との間には、それぞれ粘着材料70が配置される。これにより、各構成部材が仮固定されるので、半導体装置A2は、製造時における各構成部材間の位置ずれを抑制して固相接合させることが可能である。
【0140】
また、本実施形態によると、粘着部材75~79は、厚さ方向zに見て第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)に重ならない位置に配置されている。厚さ方向zに見て固相接合されない部分が、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)に重ならないので、半導体装置A2は、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)の放熱を妨げることを抑制できる。また、本実施形態によると、粘着部材76と粘着部材77とは、厚さ方向zに見て互いに重ならない。したがって、粘着部材76と粘着部材77とが重なる場合と比較して、接合部材29が支持基板3および導電基板2と接触する面積を広くできる。これにより、半導体装置A2は、固相接合された面積を広くできるので、放熱効果を向上できる。さらに、本実施形態によると、粘着部材78と粘着部材79とは、厚さ方向zに見て互いに重ならない。したがって、粘着部材78と粘着部材79とが重なる場合と比較して、接合部材39が支持基板3およびヒートシンク90と接触する面積を広くできる。これにより、半導体装置A2は、固相接合された面積を広くできるので、放熱効果を向上できる。
【0141】
<第3実施形態>
図31は、本開示の第3実施形態に係る半導体装置A3を示している。
図31は、半導体装置A3の接合構造を説明するための正面図の拡大模式図であり、
図17に対応する図である。半導体装置A3は、固相接合されている各部材の接合面を有する層の構成材料が互いに異なる点で、半導体装置A1とは異なる。本実施形態の他の部分の構成および動作は、第1実施形態と同様である。なお、上記の第1~2実施形態および各変形例の各部が任意に組み合わせられてもよい。
【0142】
本実施形態では、導電基板2の第1導電部2Aおよび第2導電部2Bは、金属層22,23を備えていない。すなわち、主面201は、構成材料がたとえばCuである本体部21の上面である。本実施形態では、本体部21(主面201)と接合部材19の裏面層193(裏面19b)とが固相接合されている。また、裏面202は、構成材料がたとえばCuである本体部21の下面である。本実施形態では、本体部21(裏面202)と接合部材29の表面層192(主面19a)とが固相接合されている。
【0143】
また、本実施形態では、支持基板3の第2金属層33の第1部分33Aおよび第2部分33Bは、第2金属第2層332を備えていない。すなわち、支持面301は、構成材料がたとえばCuである第2金属第1層331の上面である。本実施形態では、第2金属第1層331(支持面301)と接合部材29の裏面層193(裏面29b)とが固相接合されている。
【0144】
本実施形態においても、接合部材19は、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)と導電基板2との間に介在して、それぞれとの間で固相接合されている。したがって、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)と導電基板2とは、大きな熱を加えることなく強固に接合される。接合部材29は、導電基板2と支持基板3との間に介在して、それぞれとの間で固相接合されている。したがって、導電基板2と支持基板3とは、大きな熱を加えることなく強固に接合される。また、接合部材19と導電基板2との間、接合部材29と導電基板2との間、および、接合部材29と支持基板3との間には、それぞれ粘着材料70が配置される。これにより、各構成部材が仮固定されるので、半導体装置A3は、製造時における各構成部材間の位置ずれを抑制して固相接合させることが可能である。また、粘着部材75~77は、厚さ方向zに見て第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)に重ならない位置に配置されているので、半導体装置A3は、第1半導体素子10A(第2半導体素子10B)の放熱を妨げることを抑制できる。また、粘着部材76と粘着部材77とが厚さ方向zに見て互いに重ならないので、固相接合された面積を広くでき、放熱効果を向上できる。さらに、本実施形態によると、導電基板2の第1導電部2Aおよび第2導電部2Bが金属層22,23を備えておらず、支持基板3の第2金属層33の第1部分33Aおよび第2部分33Bが第2金属第2層332を備えていない。したがって、本体部21に金属層22,23を形成する工程(Agめっき工程)、および、第2金属第1層331に第2金属第2層332を形成する工程(Agめっき工程)が必要ない。これにより、半導体装置A3は、製造工程を簡略化でき、また、材料費を抑制できる。
【0145】
なお、上記第1~3実施形態とは異なる構造の半導体装置においても、当該半導体装置を構成する第1部材と第2部材とが固相接合されている場合、本開示に係る接合構造および接合方法が適用できる。また、半導体装置以外においても、第1部材と第2部材とが固相接合されている場合、本開示に係る接合構造および接合方法が適用できる。
【0146】
本開示に係る接合構造、半導体装置、および接合方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示に係る接合構造および半導体装置の各部の具体的な構成、ならびに、本開示に係る接合方法の各工程の具体的な処理は、種々に設計変更自在である。
【0147】
本開示は、以下の付記に関する構成を含む。
〔付記1〕
第1部材と、
前記第1部材の厚さ方向(z)に配置され、かつ、前記第1部材に固相接合されている第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材との間に介在する粘着部材(75~79)と、
を備えている、
接合構造。
〔付記2〕
前記粘着部材の前記厚さ方向の寸法は、5μm以下である、
付記1に記載の接合構造。
〔付記3〕
前記粘着部材の軟化点は、300℃以上である、
付記1または2に記載の接合構造。
〔付記4〕
前記第1部材は、前記第2部材に対向する第1接合面を備え、
前記粘着部材は、前記第1接合面の周縁部分に配置されている、
付記1ないし3のいずれかに記載の接合構造。
〔付記5〕
前記粘着部材は、前記厚さ方向に見て、前記第2部材に重ならない部分を含んでいる、
付記1ないし4のいずれかに記載の接合構造。
〔付記6〕
前記第1部材は、前記第2部材に対向する第1接合面を含む第1層を備え、
前記第2部材は、前記第1部材に対向する第2接合面を含む第2層を備え、
前記第1層および前記第2層の構成材料はAgである、
付記1ないし5のいずれかに記載の接合構造。
〔付記7、第3実施形態、
図31〕
前記第1部材は、前記第2部材に対向する第1接合面を含む第1層を備え、
前記第2部材は、前記第1部材に対向する第2接合面を含む第2層を備え、
前記第1層の構成材料はAgであり、
前記第2層の構成材料はCuである、
付記1ないし5のいずれかに記載の接合構造。
〔付記8、第1実施形態第4変形例、
図27〕
前記第1部材は、前記第2部材に対向する第1接合面と、前記第1接合面から前記厚さ方向に凹む凹部(203,303)と、を備え、
前記粘着部材は、前記凹部に配置されている、
付記1ないし7のいずれかに記載の接合構造。
〔付記9〕
付記1ないし8のいずれかに記載の接合構造と、
半導体素子(10A,10B)と、
を備えている、
半導体装置(A1)。
〔付記10〕
前記第1部材としての導電基板(2)と、
前記第2部材としての第1接合部材(19)と、
を備え、
前記半導体素子は、前記第1接合部材を介して、前記導電基板に導通接合されている、
付記9に記載の半導体装置。
〔付記11〕
前記第1接合部材は、前記厚さ方向における両端にAgを含む層を備えた金属箔である、
付記10に記載の半導体装置。
〔付記12〕
前記第1部材としての支持基板(3)と、
前記第2部材としての第2接合部材(29)と、
を備え、
前記半導体素子は、前記第2接合部材を介して、前記支持基板に搭載されている、
付記9に記載の半導体装置。
〔付記13、
図16〕
前記厚さ方向において前記第2接合部材に対して前記支持基板とは反対側に配置され、かつ、前記第2接合部材に固相接合されている導電基板(2)と、
前記第2接合部材と前記導電基板との間に介在する第2粘着部材(76)と、
をさらに備え、
前記粘着部材と前記第2粘着部材とは、前記厚さ方向に見て重ならない。
付記12に記載の半導体装置。
〔付記14、第1実施形態第5変形例、
図28〕
前記支持基板は、前記第2接合部材に対向する支持面(301)と、前記支持面に開口した第1開口部(304)と、を備え、
前記導電基板は、前記第2接合部材に対向する導電基板裏面(202)と、前記導電基板裏面に開口した第2開口部(204)と、を備え、
前記粘着部材(77)は、前記厚さ方向に見て前記第2開口部に重なり、
前記第2粘着部材(76)は、前記厚さ方向に見て前記第1開口部に重なる、
付記13に記載の半導体装置。
〔付記15、第2実施形態、
図29、
図30〕
前記第1部材としてのヒートシンク(90)と、
前記第2部材としての第3接合部材(39)と、
を備え、
前記半導体素子が発する熱は、前記第3接合部材を介して、前記ヒートシンクに伝えられる、
付記9に記載の半導体装置。
〔付記16〕
前記厚さ方向に見て、前記粘着部材は、前記半導体素子に重ならない。
付記9ないし15のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記16-1、
図23〕
駆動源(932)と、
付記9ないし16のいずれかに記載の半導体装置と、
を備え、
前記半導体装置は、前記駆動源に導通している、
車両。
〔付記17、
図18~
図21〕
第1部材の第1接合面と第2部材の第2接合面とを、間に粘着材料を介在させて仮固定する工程と、
前記第1部材の前記第1接合面と前記第2部材の前記第2接合面とを固相接合する工程と、
を備えている、
接合方法。
〔付記18〕
前記第1部材の厚さ方向における前記粘着材料の厚さ寸法は、25μm以下である、
付記17に記載の接合方法。
【0148】
A1,A11~A15,A2,A3:半導体装置
10A :第1半導体素子
10B :第2半導体素子
101 :素子主面
102 :素子裏面
11 :第1主面電極
12 :第2主面電極
13 :第3主面電極
15 :裏面電極
17 :サーミスタ
19,29,39:接合部材
191 :本体層
192 :表面層
193 :裏面層
194 :中間層
194a :Ni層
194b :Cu層
195 :中間層
195a :Ni層
195b :Cu層
19a,29a,39a:主面
19b,29b,39b:裏面
2 :導電基板
21 :本体部
22,23:金属層
2A :第1導電部
2B :第2導電部
201 :主面
202 :裏面
203 :凹部
204 :開口部
3 :支持基板
301 :支持面
302 :底面
303 :凹部
304 :開口部
31 :絶縁層
32 :第1金属層
321 :第1金属第1層
322 :第1金属第2層
33 :第2金属層
331 :第2金属第1層
332 :第2金属第2層
33A :第1部分
33B :第2部分
41 :第1端子
42 :第2端子
43 :第3端子
44 :第4端子
45 :制御端子
451 :ホルダ
452 :金属ピン
459 :導電性接合材
46A,46B,46C,46D:第1制御端子
47A,47B,47C,47D,47E:第2制御端子
48 :制御端子支持体
48A :第1支持部
48B :第2支持部
481 :絶縁層
482 :第1金属層
482A :第1部分
482B :第2部分
482C :第3部分
482D :第4部分
482E :第5部分
482F :第6部分
483 :第2金属層
49 :接合材
5 :第1導通部材
51 :第1配線部
511 :第1端部
512 :第2端部
513 :開口
52 :第2配線部
521 :第3端部
522 :第4端部
523 :開口
53 :第3配線部
531 :凹状領域
531a :開口
54 :第4配線部
541 :凸状領域
55 :第5配線部
59 :導電性接合材
6 :第2導通部材
61 :主部
611 :開口
62 :第1接続端部
621 :開口
63 :第2接続端部
69 :導電性接合材
71,72,73,74:ワイヤ
75,76,77,78,79:粘着部材
70 :粘着材料
8 :封止樹脂
81 :樹脂主面
82 :樹脂裏面
831,832:樹脂側面
832a :凹部
833,834:樹脂側面
85 :突出部
85a :突出端面
85b :凹部
85c :内壁面
86 :樹脂空隙部
88 :樹脂充填部
90 :ヒートシンク
91 :本体部
92 :金属層
901 :主面
902 :裏面
909 :接合層
B1 :半導体装置アッセンブリ
B2 :車両
93 :駆動系統
931 :インバータ
932 :駆動源
94 :車載充電器
95 :蓄電池