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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166748
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】絶縁部材、取付部材、及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/00 20060101AFI20241122BHJP
   F21S 8/00 20060101ALI20241122BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20241122BHJP
   F21V 21/02 20060101ALI20241122BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241122BHJP
【FI】
F21V21/00 110
F21S8/00 100
F21V31/00 100
F21V21/02 300
F21V31/00 400
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083068
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】山田 尚之
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014NA06
(57)【要約】
【課題】取付部材から脱落することを抑制できる絶縁部材を提供する。
【解決手段】絶縁部材100は、照明器具が取り付けられる取付部材に用いられる。前記絶縁部材は、筒部と、鍔部と、第1突出部とを備える。前記筒部は、取付部材の貫通孔に挿通可能である。前記鍔部は、前記筒部の一方側の第1端部から前記筒部の径方向外側に延びる。前記第1突出部は、前記鍔部から離隔し、前記筒部から前記筒部の径方向外側に突出する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具が取り付けられる取付部材に用いられる絶縁部材であって、
取付部材の貫通孔に挿通可能な筒部と、
前記筒部の一方側の第1端部から前記筒部の径方向外側に延びる鍔部と、
前記鍔部から離隔し、前記筒部から前記筒部の径方向外側に突出する第1突出部と
を備える、絶縁部材。
【請求項2】
前記筒部の直径は、前記貫通孔の直径より小さく、
前記第1突出部の長さと前記筒部の直径との合計は、前記貫通孔の直径より大きい、請求項1に記載の絶縁部材。
【請求項3】
前記第1突出部は、前記筒部の他方側の第2端部から前記筒部の径方向外側に突出する、請求項1または請求項2に記載の絶縁部材。
【請求項4】
前記鍔部と前記第1突出部との間に位置し、前記筒部の外周面から前記筒部の径方向外側に突出する第2突出部を更に備える、請求項3に記載の絶縁部材。
【請求項5】
前記筒部の内周面から前記筒部の径方向内側に突出する第3突出部を更に備える、請求項4に記載の絶縁部材。
【請求項6】
前記第3突出部は、前記第2端部側に位置し、
前記第3突出部の形状は、前記第1突出部の形状、及び、前記第2突出部の形状と異なる、請求項5に記載の絶縁部材。
【請求項7】
前記第1突出部と前記第2突出部は、前記筒部の外周面に沿う環形状を有する、請求項6に記載の絶縁部材。
【請求項8】
断面視において、前記第2突出部から前記筒部の内縁までの長さは、5mm以上である、請求項7に記載の絶縁部材。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の絶縁部材と、
前記筒部が挿通可能な貫通孔を有する本体部と
を備える、取付部材。
【請求項10】
前記本体部は、前記鍔部と対向する対向面を有し、
前記貫通孔は、前記対向面を貫通し、
前記鍔部は、前記対向面と接触する接触面を有する、請求項9に記載の取付部材。
【請求項11】
請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の取付部材と、
光を出射する光源と
を備える、照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁部材、取付部材、及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の照明器具は、LED基板、基板取付ネジ、及び、ブッシュを備える。LED基板は、光源であるLEDが実装される。基板取付ネジは、LED基板を固定する。ブッシュは、絶縁材により形成される。ブッシュは、基板取付ネジの一部を覆って、基板取付ネジの絶縁(絶縁距離)を確保する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5773810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の照明装置では、ブッシュのような絶縁部材がLED基板のような取付部材から脱落することを抑制できない。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、絶縁部材が取付部材から脱落することを抑制できる絶縁部材、取付部材、及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する絶縁部材は、照明器具が取り付けられる取付部材に用いられる。前記絶縁部材は、筒部と、鍔部と、第1突出部とを備える。前記筒部は、取付部材の貫通孔に挿通可能である。前記鍔部は、前記筒部の一方側の第1端部から前記筒部の径方向外側に延びる。前記第1突出部は、前記鍔部から離隔し、前記筒部から前記筒部の径方向外側に突出する。
【0007】
本願に開示する絶縁部材の前記筒部の直径は、前記貫通孔の直径より小さいことが好ましい。前記第1突出部の長さと前記筒部の直径との合計は、前記貫通孔の直径より大きいことが好ましい。
【0008】
本願に開示する絶縁部材の前記第1突出部は、前記筒部の他方側の第2端部から前記筒部の径方向外側に突出することが好ましい。
【0009】
本願に開示する絶縁部材は、第2突出部を更に備えることが好ましい。前記第2突出部は、前記鍔部と前記第1突出部との間に位置し、前記筒部の外周面から前記筒部の径方向外側に突出することが好ましい。
【0010】
本願に開示する絶縁部材は、第3突出部を更に備えることが好ましい。前記第3突出部は、前記筒部の内周面から前記筒部の径方向内側に突出することが好ましい。
【0011】
本願に開示する絶縁部材において、前記第3突出部は、前記第2端部側に位置することが好ましい。前記第3突出部の形状は、前記第1突出部の形状、及び、前記第2突出部の形状と異なることが好ましい。
【0012】
本願に開示する絶縁部材において、前記第1突出部と前記第2突出部は、前記筒部の外周面に沿う環形状を有することが好ましい。
【0013】
本願に開示する絶縁部材の断面視において、前記第2突出部から前記筒部の内縁までの長さは、5mm以上であることが好ましい。
【0014】
本願に開示する取付部材は、絶縁部材と、本体部とを備えることが好ましい。前記本体部は、前記筒部が挿通可能な貫通孔を有することが好ましい。
【0015】
本願に開示する取付部材において、前記本体部は、前記鍔部と対向する対向面を有することが好ましい。前記貫通孔は、前記対向面を貫通することが好ましい。前記鍔部は、前記対向面と接触する接触面を有することが好ましい。
【0016】
本願に開示する照明器具は、取付部材と、光源とを備えることが好ましい。前記光源は、光を出射することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の絶縁部材、取付部材、及び照明器具によれば、絶縁部材が取付部材から脱落することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る照明器具を示す側面図である。
図2】本発明の実施形態に係る照明器具の取付部材と第1絶縁部材と第2絶縁部材とを示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る照明器具の取付部材と第1絶縁部材と第2絶縁部材とを示す別の図である。
図4】本実施形態に係る照明器具の第1絶縁部材を示す図である。
図5】本実施形態に係る照明器具の第1絶縁部材の断面を模式的に示す図である。
図6】本実施形態に係る照明器具の第1絶縁部材を取付部材の第1取付部に取り付けた状態を示す図である。
図7】本実施形態に係る照明器具の第2絶縁部材を示す図である。
図8】本実施形態に係る照明器具の第2絶縁部材の断面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。図1を参照して、本発明の実施形態に係る照明器具1について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る照明器具1を示す側面図である。
【0020】
図1に示すように、照明器具1は、器具本体3と、取付部材10と、板状パッキン5とを備える。器具本体3、取付部材10、及び板状パッキン5は、X方向に沿ってこの順に配置される。より詳しくは、器具本体3、取付部材10、及び板状パッキン5は、X2側からX1側に向かってこの順に並ぶ。器具本体3は、取付部材10に取り付けられる。取付部材10は、板状パッキン5を介して壁wに固定される。板状パッキン5は、壁wに配置される。本実施形態において、板状パッキン5は、板状である。
【0021】
板状パッキン5は、取付部材10と壁wとの間に配置される。その結果、壁wを伝って流れる雨滴等の液体が照明器具1の内部に侵入し難くなる。板状パッキン5は、例えばシリコーンゴムのような樹脂によって構成される。
【0022】
取付部材10は、照明器具1が取り付けられる。また、取付部材10は、照明器具1を壁wに取り付ける。具体的には、取付部材10は、器具本体3が取り付けられる。また、取付部材10は、器具本体3を壁wに固定する。取付部材10は、ネジB1とネジB2とによって壁wに固定される。ネジB1とネジB2とは、例えば、木用のタッピングネジである。
【0023】
引き続き、図1を参照して、器具本体3を説明する。器具本体3は、光を出射する。より具体的には、器具本体3は、第1カバー部材4と、光源ユニット2と、光源取付部材7と、第2カバー部材6とを有する。
【0024】
第1カバー部材4は、X1側(裏側)の面が開放された箱状部材である。光源ユニット2及び光源取付部材7は、第1カバー部材4の内側に配置される。したがって、第1カバー部材4は、光源ユニット2を覆う。
【0025】
第1カバー部材4は、光を透過する。第1カバー部材4は、例えば、セードである。第1カバー部材4は、無色透明であってもよい。第1カバー部材4の材料は、光を透過する材料である限り、特に限定されない。第1カバー部材4は、例えば樹脂製である。
【0026】
第2カバー部材6は、第1カバー部材4のX1側に配置されて、第1カバー部材4の開放面(X1側の面)を閉塞する。本実施形態において、第2カバー部材6は、矩形の板状である。第2カバー部材6は、第1カバー部材4に取り付けられる。
【0027】
光源ユニット2は、光を発生させる。本実施形態において、光源ユニット2は、光源部21と、端子部(図示せず)とを含む。
【0028】
光源部21は、光を発生させる。光源部21は、例えばLED(Light Emitting Diode)素子や有機エレクトロルミネッセンス素子のような発光素子を含む。光源部21から発生した光が、第1カバー部材4から外部に出射される。なお、光源部21の種類は特に限定されない。光源部21は、光源取付部材7に対して着脱自在であってもよく、着脱自在でなくてもよい。例えば、光源部21は、日本産業規格に規定されたGX53形の口金部を有するランプ部材であってもよい。光源部21が、口金部を有するランプ部材である場合、光源取付部材7は、ランプ部材の口金部が着脱自在に装着されるソケット部を含んでもよい。
【0029】
例えば、光源部21は、LEDモジュール基板と、LEDモジュールカバーとを含んでもよい。LEDモジュール基板にはLED素子が配置される。LEDモジュールカバーは、LEDモジュール基板のうち、LED素子が配置される側の主面を覆う。LEDモジュール基板とLEDモジュールカバーとを有する光源部21は、光源取付部材7に固定される。
【0030】
端子部(図示せず)には、壁裏から引き出された電源線が接続される。電源線は、電力を伝送する。端子部(図示せず)に電源線が接続されることで、電源線から光源部21への電力の供給が可能となる。例えば、端子部(図示せず)は、速結端子である。
【0031】
次に図1図3を参照して、照明器具1を更に詳しく説明する。図1に示すように、照明器具1は、第1絶縁部材100と、第2絶縁部材200とを更に備える。第1絶縁部材100と第2絶縁部材200とは、「絶縁部材」の一例に相当する。
【0032】
図2は、照明器具1の取付部材10と第1絶縁部材100と第2絶縁部材200とを示す図である。図2では、取付部材10の第1面15Aを示している。図3は、照明器具1の取付部材10と第1絶縁部材100と第2絶縁部材200とを示す別の図である。図3では、取付部材10の第2面15Bを示している。
【0033】
取付部材10は、本体部15と、一対の壁部16と、第1取付部11と、第1壁部12と、第2取付部13と、第2壁部14と、第1ボルトB10と、第2ボルトB20とを含む。
【0034】
本体部15は、第1面15Aと、第2面15Bと、貫通孔H1とを有する。本体部15は、矩形形状を有する。本体部15は、薄い平板である。第1面15Aは、図1に示すように、電源部8と対向する。第2面15Bは、図1に示すように、壁wと対向する。第2面15Bは、壁wと接触する。
【0035】
貫通孔H1は、電源部8から壁wに向かう方向に貫通する。貫通孔H1は、外部電源の配線が挿通される。外部電源の配線は配線ダクトから延びる。貫通孔H1は、第1取付部11と第2取付部13との間に位置する。また、貫通孔H1は、第1ボルトB10と第2ボルトB20との間に位置する。
【0036】
一対の壁部16は、本体部15の端部から電源部8の方向へ延びる。一対の壁部16は、本体部15に対して、90度屈曲する。
【0037】
図2に示すように、第1取付部11は、第1絶縁部材100が取り付けられる。第1取付部11は、本体部15よりも電源部8側に位置する。第1取付部11は、第1取付面11Aと、第2取付面11Bとを有する。第1取付面11Aは、電源部8側の面である。第1取付面11Aは、平面形状を有する。第1取付面11Aは、「対向面」の一例に相当する。第1取付面11Aは、後述する第1絶縁部材100の鍔部102と接触する。第2取付面11Bは、壁w側の面である。第2取付面11Bは、平面である。
【0038】
図3に示すように、第1取付部11は、貫通孔H2を更に有する。貫通孔H2は、第1取付面11Aから第2取付面11Bを貫通する。貫通孔H2は、楕円形状を有する。つまり、貫通孔H2は、長孔である。よって、貫通孔H2は、第1方向の径と第2方向の径とが異なる。例えば、貫通孔H2は、水平方向Xの径と水平方向Yの径とが異なる。水平方向Yは、水平方向Xと鉛直方向Zとに交差する。水平方向Yは、第3水平方向Y1と、第4水平方向Y2とを含む。本実施形態では、第3水平方向Y1は、第1ボルトB10から第2ボルトB20に向かう方向を示す。第4水平方向Y2は、第3水平方向Y1とは逆の方向を示す。
【0039】
貫通孔H2の第1ボルトB10から第2ボルトB20に向かう方向の長さは、長さW1である。貫通孔H2の第1取付部11から第2取付部13に向かう方向の長さは、長さW11である。長さW11は、長さW1よりも長い。第1取付部11から第2取付部13に向かう方向は、第2鉛直方向Z2に沿う方向を示す。
【0040】
第1壁部12は、第1取付部11と本体部15とを接続する。第1壁部12は、電源部8の方向へ延びる。第1壁部12は、第1取付部11から本体部15まで延びる。第1壁部12は、壁w12Aと、壁w12Bとを有する。壁w12Aは、電源部8側の面である。壁w12Bは、壁w側の面である。
【0041】
図2に示すように、第2取付部13は、第2絶縁部材200が取り付けられる。第2取付部13は、本体部15よりも電源部8側に位置する。第2取付部13は、第3取付面13Aと、第4取付面13Bとを有する。第3取付面13Aは、電源部8側の面である。第4取付面13Bは、壁w側の面である。
【0042】
図3に示すように、第2取付部13は、貫通孔H3と貫通孔H4とを更に有する。貫通孔H3と貫通孔H4とは、第3取付面13Aから第4取付面13Bを貫通する。貫通孔H3と貫通孔H4は、長孔である。具体的には、貫通孔H3と貫通孔H4とは、第1ボルトB10から第2ボルトB20に向かう方向に長い長孔である。
【0043】
貫通孔H3の第1取付部11から第2取付部13に向かう方向の長さは、長さW1である。貫通孔H3の第1ボルトB10から第2ボルトB20に向かう方向の長さは、長さW11である。貫通孔H4の第1取付部11から第2取付部13に向かう方向の長さは、長さW1である。貫通孔H4の第1ボルトB10から第2ボルトB20に向かう方向の長さは、長さW11である。
【0044】
第2壁部14は、第2取付部13と本体部15とを接続する。第2壁部14は、電源部8の方向へ延びる。第2壁部14は、第2取付部13から本体部15まで延びる。第2壁部14は、壁w14Aと、壁w14Bとを有する。壁w14Aは、電源部8側の面である。壁w14Bは、壁w側の面である。
【0045】
第1ボルトB10は、本体部15に光源ユニット2と光源取付部材7とを固定する。第2ボルトB20は、本体部15に光源ユニット2と光源取付部材7とを固定する。
【0046】
第1絶縁部材100と第2絶縁部材200とは、取付部材10に用いられる。第1絶縁部材100と第2絶縁部材200は、漏電を抑制する。具体的には、第1絶縁部材100と第2絶縁部材200は、ネジB1とネジB2とのうちのいずれかが壁wに埋め込まれた導電物質に接触して、漏電することを抑制する。導電物質は、例えば、壁wの鉄骨である。また、例えば、第1絶縁部材100と第2絶縁部材200は、導電物質とネジB1とを経由した外部からの電流が電源部8の出力にノイズを重畳することを抑制する。
【0047】
第1絶縁部材100と第2絶縁部材200とは、ポリプロピレンで形成される。ポリプロピレンは、引張強度、衝撃強度、圧縮強度といった機械的強度に優れ、耐摩耗性にも優れる。このため、ネジB1、ネジB2、及び、工具などの接触によって、第1絶縁部材100と第2絶縁部材200とが破断することを抑制できる。
【0048】
次に図1図6を参照して、第1絶縁部材100を詳しく説明する。図4は、本実施形態に係る照明器具1の第1絶縁部材100を示す図である。図5は、本実施形態に係る照明器具1の第1絶縁部材100の断面を模式的に示す図である。図6は、第1絶縁部材100を取付部材10の第1取付部11に取り付けた状態を示す図である。
【0049】
第1絶縁部材100は、第1取付部11に取り付けられる。第1絶縁部材100は、第1筒部101と、鍔部102と、第1突起部104と、第2突起部103と、第3突起部105とを有する。第1突起部104は、「第1突出部」の一例に相当する。第2突起部103は、「第2突出部」の一例に相当する。第3突起部105は、「第3突出部」の一例に相当する。
【0050】
図2及び図3に示すように、第1筒部101は、取付部材10の貫通孔H2に挿通可能である。具体的には、第1筒部101は、第1取付部11の貫通孔H2に挿通可能である。第1筒部101は、円筒形状である。
【0051】
第1取付部11の貫通孔H2が第1取付部11から第2取付部13に向かう方向に長い長孔であるため、取付部材10を壁wにネジB1で固定する際に、第1取付部11から第2取付部13に向かう方向に沿う方向に取付部材10の位置を調整できる。この結果、取付部材10の位置を使用者が望む位置に取り付けることが容易となる。
【0052】
図4に示すように、第1筒部101は、外周面111と、内周面114と、貫通孔H101とを有する。外周面111は、貫通孔H2と対向する。外周面111は、第1外周面113と、第2外周面112とを有する。第1外周面113は、第1突起部104と第2突起部103との間に位置する。第2外周面112は、第2突起部103と鍔部102との間に位置する。
【0053】
貫通孔H101は、鍔部102から第1突起部104に向かって貫通する。貫通孔H101は、図6に示すように、ネジB1が挿通される。また、図5に示す第1筒部101の直径W2は、図3に示す貫通孔H2の直径W1より小さい。
【0054】
鍔部102は、第1筒部101の一方側の第1端部から第1筒部101の径方向外側に延びる。具体的には、鍔部102は、第1筒部101の径方向外側に向かう外側方向D1に延びる。第1筒部101の一方側は、第1筒部101が延びる方向のうち一方側に向かう第1延伸方向D3である。本実施形態において、第1延伸方向D3は、第2水平方向X2と同じ方向である。つまり、第1筒部101の一方側の第1端部は、第2水平方向X2の側の端部を示す。鍔部102は、略円形状である。鍔部102の直径は、ネジB1の頭部の直径よりも大きい。このため、ネジB1が取付部材10に接触しない。
【0055】
鍔部102は、第1主面102Aと、第2主面102Bと、側面102Cとを有する。第1主面102Aは、ネジB1の頭部と接触する。第1主面102Aは、第1延伸方向D3側の面である。第1主面102Aは、平坦面と面取り面とを有する。平坦面は、貫通孔H101から面取り面にむかって広がる面である。面取り面は、平坦面と側面102Cとの間の面である。側面102Cは、第1主面102Aと第2主面102Bとを接続する。側面102Cは、第1延伸方向D3に沿う方向に延びる。
【0056】
第2主面102Bは、取付部材10の第1取付面11Aと接触する。第2主面102Bは、「接触面」の一例に相当する。第2主面102Bは、第2延伸方向D4側の面である。第2延伸方向D4は、第1延伸方向D3の反対方向である。
【0057】
第2主面102Bは、平面である。よって、ネジB1が壁wに締結されることで、第2主面102Bの平面と、第1取付面11Aの平面とが接触し、第2主面102Bと第1取付面11Aとが密着する。したがって、第2主面102Bと第1取付面11Aとの間の間隙が減少する。この結果、貫通孔H2から水が浸入することを抑制できる。
【0058】
第1突起部104は、鍔部102から離隔し、第1筒部101から第1筒部101の径方向外側に突出する。したがって、第1絶縁部材100を取付部材10に取り付けた際に、第1突起部104と鍔部102との間に取付部材10が位置する。つまり、第1突起部104と鍔部102とによって取付部材10の移動を抑制できる。この結果、第1絶縁部材100が取付部材10から脱落することを抑制できる。
【0059】
図5に示すように、第1筒部101の径方向外側に沿う第1突起部104の長さW3と第1筒部101の直径W2の合計W4は、貫通孔H2の直径W1より大きい。したがって、第1絶縁部材100を取付部材10の貫通孔H2に取り付けた際に、第1突起部104を超えて、取付部材10が第2延伸方向D4へ移動することを抑制できる。この結果、第1絶縁部材100が取付部材10から脱落することを更に抑制できる。
【0060】
また、図4に示すように、第1突起部104は、外側方向D1に延びる。具体的には、第1突起部104は、第1筒部101の外周面111から第1筒部101の径方向外側に突出する。更に具体的には、第1突起部104は、第1筒部101の他方側の第2端部から第1筒部101の径方向外側に突出する。第1筒部101の他方側は、第1筒部101が延びる方向のうち他方側に向かう第2延伸方向D4である。本実施形態において、第2延伸方向D4は、第1水平方向X1と同じ方向である。
【0061】
つまり、第1筒部101の他方側の第2端部は、第1水平方向X1の側の端部を示す。したがって、第1端部の鍔部102と第2端部の第1突起部104との間に取付部材10を位置させることがきる。この結果、取付部材10から第1絶縁部材100が脱落することを更に抑制できる。
【0062】
また、取付部材10に第1絶縁部材100を取り付けた状態で、取付部材10を使用者に提供できる。つまり、使用者が取付部材10に第1絶縁部材100を取り付ける手間を軽減できる。更に、取付部材10に第1絶縁部材100が固定されるため、使用者が第1絶縁部材100を紛失することを抑制できる。
【0063】
第1突起部104は、環形状を有する。したがって、第1突起部104は、第1筒部101の周方向に沿って形成される。具体的には、第1突起部104は、第1筒部101の外周面111に沿う環形状を有する。したがって、貫通孔H2に第1絶縁部材100の第1筒部101が挿通された状態で、第1絶縁部材100が回転しても、貫通孔H2と第1突起部104とは接触する。つまり、貫通孔H2が長孔であっても第1突起部104の一部が貫通孔H2の縁と接触する。この結果、取付部材10から第1絶縁部材100が脱落することを更に抑制できる。
【0064】
図5図6とに示すように、第1突起部104は、対向面104a、側面104b、及び、傾斜面104cを有する。
【0065】
対向面104aは、鍔部102の第2主面102Bと対向する。具体的には、図5に示すように、取付部材10に第1絶縁部材100が取り付けられる前において、対向面104aは、鍔部102の第2主面102Bと対向する。
【0066】
また、図6に示すように、対向面104aは、第2取付面11Bと対向する。対向面104aは、平面である。対向面104aは、第2取付面11Bに略平行である。よって、取付部材10が移動しても、対向面104aの平面部分と第2取付面11Bの平面部分とが接触する。つまり、対向面104aは、取付部材10の抜け止めとして機能する。この結果、対向面104aは、取付部材10が対向面104aを超えて、傾斜面104c側へ移動することを抑制できる。
【0067】
側面104bは、対向面104aと傾斜面104cとを接続する。側面104bは、対向面104aに対して、直交する。側面104bは、側面102cと平行な面である。
【0068】
傾斜面104cは、対向面104a及び側面104bに交差する。傾斜面104cは、側面104bの端部から第1筒部101の径方向内側にむかって傾斜する。第1筒部101の径方向内側は、内側方向D2である。傾斜面104cは、第3突起部105側から取付部材10を取り付ける際に、貫通孔H2の内周面と接触する。傾斜面104cに沿って取付部材10を鍔部102側へ移動させることで、対向面104aと第2主面102Bとの間に取付部材10が位置する。傾斜面104cによって、取付部材10を対向面104aと鍔部102との間に位置させることが容易となる。
【0069】
また、第1突起部104が対向面104aと傾斜面104cとを有することで、取付部材10に第1絶縁部材100を取り付けることが容易となり、取付部材10から第1絶縁部材100が脱落することを抑制できる。
【0070】
第2突起部103は、鍔部102と第1突起部104との間に位置する。第2突起部103は、第1筒部101の外周面111から第1筒部101の径方向外側に突出する。
【0071】
貫通孔H2に第1筒部101が挿通されることで、第2突起部103が、貫通孔H2の内面または貫通孔H2の内縁と接触する。例えば、第2突起部103が貫通孔H2の内面と接触する場合、第2突起部103と貫通孔H2の内面との間に摩擦が生じる。この結果、第1絶縁部材100が取付部材10から脱落することを抑制できる。
【0072】
また、図6に示すように、第2外周面112と貫通孔H2の内周面とが対向し、第2突起部103と貫通孔H2の内縁とが接触する場合、鍔部102と第2突起部103とで取付部材10とを挟む。この結果、取付部材10に対して、第1絶縁部材100が過剰に移動して脱落することを抑制できる。
【0073】
第2突起部103は、環形状を有する。第2突起部103は、第1筒部101の周方向に沿って形成される。具体的には、第2突起部103は、第1筒部101の外周面111に沿う環形状を有する。したがって、貫通孔H2に第1絶縁部材100の第1筒部101が挿通された状態で、第1絶縁部材100が回転しても、貫通孔H2と第2突起部103とは接触する。つまり、貫通孔H2が長孔であっても第2突起部103の一部が貫通孔H2の縁、または、貫通孔H2の内面と接触する。この結果、取付部材10から第1絶縁部材100が脱落することを更に抑制できる。
【0074】
図5に示すように、第2突起部103は、径方向外側に凸となる円弧形状を有する。第2突起部103は、弧状の円弧面103aを有する。円弧面103aは、取付部材10の貫通孔H2の内周面と接触する。また、円弧面103aが貫通孔H2の内周面と対向する場合、貫通孔H2の内周面に第2突起部103が径方向内側に押圧される。よって、第1筒部101のうち第2突起部103の周辺が径方向内側に撓む。つまり、取付部材10が第2突起部103を容易に乗り越えて移動できる。また、取付部材10が第2突起部103を乗り越えて、鍔部102側へ移動した場合、第2突起部103が径方向外側に移動する。つまり、第2突起部103は、もとの位置に復帰する。この結果、取付部材10が第1突起部104側へ移動することを第2突起部103が抑制できる。
【0075】
第3突起部105は、第1筒部101の内周面114から第1筒部101の径方向内側に突出する。つまり、第3突起部105は、内側方向D2に突出する。
【0076】
したがって、第3突起部105は、第1筒部101の貫通孔H101に挿通されたネジB1と接触する。具体的には、ネジB1のネジ山とネジ山との間に第3突起部105が位置する。つまり、第3突起部105により、ネジB1を締め付ける方向またはネジB1を緩める方向に回転させない限りは、ネジB1の水平方向Xへの移動を抑制できる。この結果、貫通孔H101からネジB1が脱落することを抑制できる。例えば、照明器具1のメンテナンスの際に壁wから照明器具1を取り外す際に、貫通孔H101からネジB1が脱落しない。よって、照明器具1の取り外しに係る作業を容易にできる。また、壁wに照明器具1を取り付ける際に、貫通孔H101からネジB1が脱落しない。よって、照明器具1を壁wの取り付けに係る作業を容易にできる。
【0077】
また、第1絶縁部材100にネジB1を取り付けた状態で、第1絶縁部材100を使用者に提供できる。つまり、使用者が取付部材10に第1絶縁部材100を取り付ける手間を軽減できる。更に、取付部材10に第1絶縁部材100が固定されるため、使用者が第1絶縁部材100を紛失することを抑制できる。
【0078】
第3突起部105は、第1突起部104の形状、及び、第2突起部103の形状と異なる。第3突起部105は、第2端部側に位置する。第3突起部105が第2端部側に位置するため、第3突起部105のない第1端部側からネジB1を第1筒部101に挿通させることを使用者に認識させることができる。つまり、第3突起部105が位置する側からネジB1を挿通させるのではないと使用者に認識させることができる。この結果、第3突起部105のない第1端部側からネジB1を第1筒部101に挿通するように使用者に促すことができる。
【0079】
また、第3突起部105は、第1筒部101の内周長よりも短い。つまり、第3突起部105が、第1筒部101の内面の内周に沿って円環形状に配置されない。よって、一方の端部において、外周面に沿う突起と内周面に沿う突起とを有する筒部と比較して、本実施形態の第1筒部101は、弾性変形し易い。したがって、第1筒部101を貫通孔H2に挿通させる際に、第1筒部101は、弾性変形し易い。この結果、第1筒部101を貫通孔H2に挿通させることが容易となる。
【0080】
第3突起部105は、複数の突起を有する。具体的には、第3突起部105は、突起部105aと、突起部105bとを有する。突起部105aと突起部105bとは、対向する。
【0081】
また、図5図6とに示すように、本実施形態の第1絶縁部材100は、取付部材10とネジB1との距離を離隔させる。具体的には、第1絶縁部材100は、取付部材10とネジB1との絶縁距離を確保している。
【0082】
例えば、図6に示すように、取付部材10の第1取付面11A側において、ネジB1から第1取付面11Aまでの距離は、5mm以上離隔する。ネジB1から第1取付面11Aまでの距離は、距離L1、距離L2、及び、距離L3を含む。
【0083】
距離L1は、鉛直方向におけるネジB1から第1主面102Aの平坦面までの長さである。距離L1は、「4mm」である。距離L2は、側面視における第1主面102Aの面取り面の長さである。距離L2は、「2.1mm」である。距離L3は、水平方向Xにおける側面102cの長さである。距離L3は、「1.5mm」である。距離L1と、距離L2と、距離L3との合計は、「7.6mm」である。よって、ネジB1から第1取付面11Aまでの距離を「5mm」より長くできる。このため、取付部材10とネジB1との絶縁距離を確保できる。なお、距離L4は、第1取付面11Aの厚み方向の長さである。距離L4は、「3mm」である。
【0084】
図5に示すように、第2突起部103は、第1筒部101の内縁Eと所定距離だけ離隔する。具体的には、断面視において、第2突起部103から第1筒部101の内縁Eまでの長さは、5mm以上である。したがって、取付部材10に第1絶縁部材100が取り付けられたときに、取付部材10とネジB1と距離を5mm以上離隔させることができる。この結果、取付部材10とネジB1との間の絶縁性を向上させることができる。
【0085】
例えば、第1筒部101の内縁Eは、第1内縁E1と第2内縁E2とを含む。第1内縁E1は、第1筒部101の第1延伸方向D3側の内縁である。第2内縁E2は、第1筒部101の第2延伸方向D4側の内縁である。
【0086】
また、図6に示すように、第2突起部103から第2内縁E2までの距離は、5mm以上となる。つまり、図6に示すように、取付部材10の第2取付面11B側において、ネジB1から第2取付面11Bまでの距離は、5mm以上離隔する。
【0087】
ネジB1から第2取付面11Bまでの距離は、距離L5、距離L6、及び、距離L7を含む。距離L5は、水平方向Xにおける第2取付面11Bから第1突起部104の対向面104aまでの長さである。距離L5は、「3.5mm」である。距離L6は、水平方向Xにおける側面104bの長さである。距離L6は、「0.5mm」である。距離L7は、側面視における傾斜面104cの長さである。距離L7は、「0.7mm」である。距離L8は、鉛直方向Zにおける傾斜面104cから第2内縁E2までの長さである。距離L8は、「0.8mm」である。距離L5と、距離L6と、距離L7と、距離L8との合計は、「5.5mm」である。よって、第2取付面11BからネジB1までの距離を「5mm」より長くできる。このため、取付部材10とネジB1との絶縁距離を確保できる。
【0088】
次に、図1図3図7図8とを参照して、第2絶縁部材200を詳しく説明する。図7は、本実施形態に係る照明器具1の第2絶縁部材200を示す図である。図8は、本実施形態に係る照明器具1の第2絶縁部材200の断面を模式的に示す図である。
【0089】
第2絶縁部材200は、鍔部202の形状が第1絶縁部材100の鍔部102の形状と異なる。また、第2絶縁部材200は、複数の筒部を有する点で、第1絶縁部材100と異なる。以下では、第2絶縁部材200が第1絶縁部材100と異なる点を説明する。
【0090】
第2絶縁部材200は、第2取付部13に取り付けられる。第2絶縁部材200は、第2筒部201と、第3筒部251と、鍔部202と、第4突起部204と、第5突起部203と、第6突起部205と、第7突起部254と、第8突起部253と、第9突起部255とを有する。第4突起部204と第7突起部254とは、「第1突出部」の一例に相当する。第5突起部203と第8突起部253とは、「第2突出部」の一例に相当する。第6突起部205と第9突起部255とは、「第3突出部」の一例に相当する。
【0091】
図2図3とに示すように、第2筒部201は、取付部材10の貫通孔H3に挿通可能である。具体的には、第2筒部201は、第2取付部13の貫通孔H3に挿通可能である。第2筒部201は、円筒形状である。第2筒部201の内縁Eは、第1内縁E1と第2内縁E2とを含む。
【0092】
図5に示すように、第2筒部201は、外周面211と、内周面214と、貫通孔H201とを有する。外周面211は、貫通孔H3と対向する。外周面211は、第1外周面213と、第2外周面212とを有する。第1外周面213は、第4突起部204と第5突起部203との間に位置する。第2外周面212は、第5突起部203と鍔部202との間に位置する。
【0093】
貫通孔H201は、鍔部202から第4突起部204に向かって貫通する。貫通孔H201は、ネジB2が挿通可能である。また、第2筒部201の直径は、図5に示す第1筒部101の直径W2と同じである。よって、第2筒部201の直径W2は、図3に示す貫通孔H3の直径W1より小さい。
【0094】
第3筒部251は、取付部材10の貫通孔H4に挿通可能である。具体的には、第3筒部251は、第2取付部13の貫通孔H4に挿通可能である。第3筒部251は、円筒形状である。第3筒部231の内縁Eは、第1内縁E1と第2内縁E2とを含む。
【0095】
第2取付部13の貫通孔H3及び貫通孔H4が第1ボルトB10から第2ボルトB20に向かう方向に長い長孔であるため、取付部材10を壁wにネジB2で固定する際に、第1ボルトB10から第2ボルトB20に向かう方向に沿う方向に取付部材10の位置を調整できる。この結果、取付部材10の位置を使用者が望む位置に取り付けることが容易となる。なお、ネジB2は、第2筒部201または第3筒部251のいずれかに挿通される。
【0096】
図5に示すように、第3筒部251は、外周面261と、内周面264と、貫通孔H251とを有する。外周面261は、貫通孔H4と対向する。外周面261は、第1外周面263と、第2外周面262とを有する。第1外周面263は、第7突起部254と第8突起部253との間に位置する。第2外周面252は、第8突起部253と鍔部202との間に位置する。
【0097】
貫通孔H251は、鍔部202から第7突起部254に向かって貫通する。貫通孔H251は、ネジB2が挿通可能である。また、第3筒部251の直径は、図5に示す第1筒部101の直径W2と同じである。よって、第3筒部251の直径W2は、図3に示す貫通孔H4の直径W1より小さい。
【0098】
鍔部202は、外側方向D1に延びる。具体的には、鍔部202は、第2筒部201の一方側の第1端部から第2筒部201の径方向外側に延びる。また、鍔部202は、第3筒部251の一方側の第1端部から第3筒部251の径方向外側に延びる。第2筒部201の一方側、及び、第3筒部251の一方側は、第1延伸方向D3である。
【0099】
鍔部202は、楕円形状である。第2筒部201と第3筒部251とが並ぶ方向に沿う鍔部102の直径は、ネジB2の頭部の直径よりも大きい。また、第2筒部201と第3筒部251とが並ぶ方向に直交する方向に沿う鍔部102の直径は、ネジB3の頭部の直径よりも大きい。このため、ネジB2が取付部材10に接触しない。
【0100】
鍔部202は、第3主面202Aと、第4主面202Bと、側面202Cとを有する。第3主面202Aは、ネジB2の頭部と接触する。第3主面202Aは、第1延伸方向D3側の面である。側面202Cは、第3主面202Aと第4主面202Bとを接続する。側面202Cは、第1延伸方向D3に沿う方向に延びる。
【0101】
第4主面202Bは、取付部材10の第3取付面13Aと接触する。第4主面202Bは、「接触面」の一例に相当する。第4主面202Bは、第2延伸方向D4側の面である。
【0102】
第4主面202Bは、平面である。よって、ネジB2が壁wに締結されることで、第4主面202Bの平面と、第3取付面13Aの平面とが接触し、第4主面202Bと第3取付面13Aとが密着する。したがって、第4主面202Bと第3取付面13Aとの間の間隙が減少する。この結果、貫通孔H3及び貫通孔H4から水が浸入することを抑制できる。
【0103】
第4突起部204は、鍔部202から離隔し、第2筒部201から第2筒部201の径方向外側に突出する。また、第7突起部254は、鍔部202から離隔し、第3筒部251から第3筒部251の径方向外側に突出する。したがって、第2絶縁部材200を取付部材10に取り付けた際に、第4突起部204と鍔部202との間に取付部材10が位置し、第7突起部254と鍔部202との間に取付部材10が位置する。つまり、第4突起部204と第7突起部254と鍔部202とによって取付部材10の移動を抑制できる。この結果、第2絶縁部材200が取付部材10から脱落することを抑制できる。
【0104】
第4突起部204の長さと第7突起部254の長さとは、第1突起部104の長さW3と同じである。つまり、第4突起部204の長さW3と第2筒部201の直径W2の合計W4は、貫通孔H3の直径W1より大きい。更に、第7突起部254の長さW3と第3筒部251の直径W2の合計W4は、貫通孔H3の直径W1より大きい。したがって、第4突起部204と第7突起部254とを超えて、取付部材10が第2延伸方向D4へ移動することを抑制できる。この結果、第2絶縁部材200が取付部材10から脱落することを更に抑制できる。
【0105】
第4突起部204は、第2筒部201の他方側の第2端部から第2筒部201の径方向外側に突出する。また、第7突起部254は、第3筒部251の他方側の第2端部から第3筒部251の径方向外側に突出する。したがって、第1端部の鍔部202と第2端部の第4突起部204との間と、第1端部の鍔部202と第2端部の第7突起部254との間とに取付部材10を位置させることがきる。この結果、取付部材10から第2絶縁部材200が脱落することを更に抑制できる。
【0106】
第4突起部204は、第2筒部201の外周面211に沿う環形状を有する。図8に示すように、第4突起部204は、対向面204a、側面204b、及び、傾斜面204cを有する。対向面204a、側面204b、傾斜面204cは、図5に示す対向面104a、側面104b、傾斜面104cと同様の説明となるため、説明を省略する。
【0107】
第7突起部254は、第3筒部251の外周面261に沿う環形状を有する。図8に示すように、第7突起部254は、対向面254a、側面254b、及び、傾斜面254cを有する。対向面254a、側面254b、傾斜面254cは、図5に示す対向面104a、側面104b、傾斜面104cと同様の説明となるため、説明を省略する。
【0108】
また、取付部材10に第2絶縁部材200を取り付けた状態で、取付部材10を使用者に提供できる。つまり、使用者が取付部材10に第2絶縁部材200を取り付ける手間を軽減できる。更に、取付部材10に第2絶縁部材200が固定されるため、使用者が第2絶縁部材200を紛失することを抑制できる。
【0109】
第5突起部203は、第2筒部201の外周面211に沿う環形状を有する。したがって、貫通孔H3が長孔であっても第5突起部203の一部が貫通孔H3の縁、または、貫通孔H3の内面と接触する。この結果、貫通孔H3から第2筒部201が脱落することを更に抑制できる。図8に示すように、第5突起部203は、径方向外側に凸となる円弧形状を有する。
【0110】
第8突起部253は、第3筒部251の外周面261に沿う環形状を有する。したがって、貫通孔H4が長孔であっても第8突起部253の一部が貫通孔H4の縁、または、貫通孔H4の内面と接触する。この結果、貫通孔H4から第3筒部251が脱落することを更に抑制できる。図8に示すように、第8突起部253は、径方向外側に凸となる円弧形状を有する。
【0111】
第6突起部205は、第2筒部201の内周面214から第2筒部201の径方向内側に突出する。つまり、第6突起部205は、第2筒部201の径方向内側に向かう内側方向D2に突出する。したがって、第6突起部205は、第2筒部201の貫通孔H201に挿通されたネジB2と接触する。この結果、貫通孔H201からネジB1が脱落することを抑制できる。
【0112】
また、第9突起部255は、第3筒部251の内周面264から第3筒部251の径方向内側に突出する。つまり、第9突起部255は、第3筒部251の径方向内側に向かう内側方向D2に突出する。したがって、第9突起部255は、第3筒部251の貫通孔H251に挿通されたネジB2と接触する。この結果、貫通孔H251からネジB1が脱落することを抑制できる。
【0113】
第6突起部205は、第4突起部204の形状、及び、第5突起部203の形状と異なる。第6突起部205は、第2端部側に位置する。また、第9突起部255は、第7突起部254の形状、及び、第8突起部253の形状と異なる。第9突起部255は、第2端部側に位置する。したがって、第6突起部205が位置する側、及び、第9突起部255が位置する側からネジB2を挿通させるのではないと使用者に認識させることができる。この結果、第6突起部205及び第9突起部255のない第1端部側からネジB2を挿通するように使用者に促すことができる。
【0114】
また、第6突起部205は、第2筒部201の内周長よりも短い。つまり、第6突起部205が、第2筒部201の内面の内周に沿って円環形状に配置されない。第6突起部205は、突起部205aと突起部205bとを含む。
【0115】
また、第9突起部255は、第3筒部251の内周長よりも短い。つまり、第9突起部255が、第3筒部251の内面の内周に沿って円環形状に配置されない。第9突起部255は、突起部255aと突起部255bとを含む。
【0116】
したがって、本実施形態の第2筒部201と第3筒部251とは、弾性変形し易い。この結果、第2筒部201を貫通孔H3に挿通させることが容易であり、第3筒部251を貫通孔H4に挿通させることが容易である。
【0117】
また、本実施形態の第2絶縁部材200は、取付部材10とネジB2との距離を離隔させる。具体的には、第2絶縁部材200は、取付部材10とネジB2との絶縁距離を確保している。
【0118】
例えば、第5突起部203は、第2筒部201の内縁Eと所定距離だけ離隔する。更に、第8突起部253は、第3筒部251の内縁Eと所定距離だけ離隔する。具体的には、断面視において、第5突起部203から第2筒部201の内縁Eまでの長さ、及び、第8突起部253から第3筒部251の内縁Eまでの長さは、5mm以上離隔する。したがって、取付部材10に第2絶縁部材200が取り付けられたときに、取付部材10とネジB2と距離を5mm以上離隔させることができる。この結果、取付部材10とネジB2との間の絶縁性を向上させることができる。
【0119】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の速度、材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0120】
(1)本実施形態の第1絶縁部材100の鍔部102の第1主面102A、及び、第2絶縁部材200の鍔部202の第3主面202Aは、平坦面であったが、これに限らない。第1主面102Aと第3主面202Aとは、例えば、凹凸形状を有してもよい。また、第1主面102Aと第3主面202Aとは、例えば、波形状であってもよい。第1主面102Aと第3主面202Aとが凹凸形状や波形状を有することで、絶縁部材の表面に沿ったネジから取付部材10までの距離を長くできる。よって、ネジから取付部材10に漏電することを抑制できる。
【0121】
(2)本実施形態の第1絶縁部材100は、一対の第3突起部105を有したが、これに限らない。第3突起部105は、2つ以上であってもよい。例えば、第1筒部101の第1端部と第1筒部101の第2端部とに第3突起部105が配置されてもよい。
【0122】
(3)本実施形態の第2絶縁部材200は、一対の第6突起部205と、一対の第9突起部255とを有していたが、これに限らない。第6突起部205と、第9突起部255とは、2つ以上であってもよい。例えば、例えば、第2筒部201の第1端部と第2筒部201の第2端部とに第6突起部205が配置されてもよい。例えば、例えば、第3筒部251の第1端部と第3筒部251の第2端部とに第9突起部255が配置されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、絶縁部材、取付部材、及び照明器具を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0124】
1 :照明器具
10 :取付部材
15 :本体部
21 :光源
102 :鍔部
103 :第2突起部
104 :第1突起部
104a :対向面
105 :第3突起部
105a :突起部
105b :突起部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8