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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166754
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】端子カバー及び配線器具
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/02 20060101AFI20241122BHJP
【FI】
H01H9/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083075
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(72)【発明者】
【氏名】山中 佑太
【テーマコード(参考)】
5G052
【Fターム(参考)】
5G052AA32
5G052HA02
5G052HA12
5G052HC08
(57)【要約】
【課題】ハウジングを取り付ける方向に関わらず適切に配線させることができる端子カバー及び配線器具を提供する。
【解決手段】
端子カバーは、電線を挿入可能な少なくとも1つの電線挿入口が設けられ、電線を保持可能な少なくとも1つの端子部を収容するハウジングに取り付け可能な端子カバーであって、電線を挿通可能な空間を形成し、電線挿入口の少なくとも一部を覆う被覆部を備え、被覆部には、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口可能であり、それぞれ電線を挿通可能な少なくとも2つの開口部が設けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線を挿入可能な少なくとも1つの電線挿入口が設けられ、前記電線を保持可能な少なくとも1つの端子部を収容するハウジングに取り付け可能な端子カバーであって、
電線を挿通可能な空間を形成し、前記電線挿入口の少なくとも一部を覆う被覆部を備え、
前記被覆部には、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口可能であり、それぞれ前記電線を挿通可能な少なくとも2つの開口部が設けられる、
端子カバー。
【請求項2】
造営材及び台座に対して取り付け可能な前記ハウジングに取り付けられる、請求項1に記載の端子カバー。
【請求項3】
前記少なくとも2つの開口部は、前記少なくとも1つの電線挿入口が開口している方向において前記少なくとも1つの電線挿入口から離間した位置に設けられる、
を備える、請求項1又は2に記載の端子カバー。
【請求項4】
前記少なくとも2つの開口部のうち、少なくとも1つの開口部の少なくとも一部を閉塞するように前記被覆部に設けられ、前記被覆部から取り外し可能な閉塞部を更に備える、請求項1又は2に記載の端子カバー。
【請求項5】
前記少なくとも2つの開口部のうち、少なくとも1つの開口部の開口度合いを調整可能な調整部を更に備える、請求項1又は2に記載の端子カバー。
【請求項6】
電線を挿入可能な少なくとも1つの電線挿入口が設けられ、前記電線を保持可能な少なくとも1つの端子部を収容するハウジングと、
前記ハウジングに取り付け可能な端子カバーと、
を備え、
前記端子カバーは、電線を挿通可能な空間を形成し、前記少なくとも1つの電線挿入口の少なくとも一部を覆う被覆部を有し、
前記被覆部には、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口し、それぞれ前記電線を挿通可能な少なくとも2つの開口部が設けられる、
配線器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子カバー及び配線器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、造営材にセンサを設ける際に用いられる配線器具が知られている。特許文献1に記載の光学式センサ装置は、ボディを有するハウジングと、端子カバーと、を備える。ハウジングのボディには、回路ブロックの端子を露出させるための端子孔が形成されている。端子カバーは、端子孔を覆うように、ボディに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-006251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配線器具の端子カバーは、電線が端子と接続する端子部を保護するために設けられる。特許文献1に記載の光学式センサ装置において、端子部に配線される電線は、端子カバーに設けられている1つの開口から挿入される。このとき、ハウジングは、電線を適切に配線させるために、端子カバーに設けられている1つの開口を塞がないように設ける必要がある。このため、ハウジングを取り付ける向きが限定されてしまい、ハウジングを様々な部材に取り付けることが難しい可能性があった。
【0005】
本開示は、ハウジングを取り付ける方向に関わらず適切に配線させることができる端子カバー及び配線器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る端子カバーは、電線を挿入可能な少なくとも1つの電線挿入口が設けられ、電線を保持可能な少なくとも1つの端子部を収容するハウジングに取り付け可能な端子カバーであって、電線を挿通可能な空間を形成し、少なくとも1つの電線挿入口が開口している方向において少なくとも1つの電線挿入口から離間した位置に設けられる、電線挿入口の少なくとも一部を覆う被覆部を備え、被覆部には、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口可能であり、それぞれ電線を挿通可能な少なくとも2つの開口部が設けられる。
【0007】
この端子カバーは、被覆部を備える。被覆部は、少なくとも1つの電線挿入口の少なくとも一部を覆うことができるため、少なくとも1つの電線挿入口の少なくとも一部を適切に保護することができる。被覆部には少なくとも2つの開口部が設けられる。このため、電線は、少なくとも2つの開口部のうち、1つの開口部から被覆部内の空間に挿通され、少なくとも1つの電線挿入口に挿入される。ここで、少なくとも2つの開口部は、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口可能である。ハウジングが他の部材に取り付けられる等、1つの開口部の少なくとも一部が閉塞された場合であっても、電線は、当該1つの開口部とは開口している向きが異なる他の開口部に挿通可能である。また、ハウジングに対する電線の延在方向を適切に選択できるため、配線器具に対する効率的な配線を実現できる。したがって、この端子カバーは、ハウジングを取り付ける方向に関わらず適切に配線させることができる。
【0008】
一実施形態に係る端子カバーは、造営材及び台座に対して取り付け可能なハウジングに取り付けられてもよい。この場合、ハウジングが造営材及び台座に取り付けられる場合、ハウジングの取り付け向きが異なる可能性がある。端子カバーの被覆部には、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口している開口部が設けられているため、ハウジングが造営材及び台座の双方にそれぞれ取り付けられる場合であっても、少なくとも1つの電線挿入口に向けて電線を挿通可能な少なくとも1つの開口部を確保することができる。この端子カバーは、造営材及び台座に取り付けられるハウジングにおいて、電線を適切に配線させることができる。
【0009】
一実施形態に係る端子カバーにおいて、少なくとも2つの開口部は、少なくとも1つの電線挿入口が開口している方向において少なくとも1つの電線挿入口から離間した位置に設けられてもよい。この場合、少なくとも2つの開口部を通じて、例えば、電線以外の異物が少なくとも1つの電線挿入口に入る等の不具合が生じる可能性をさらに低減することができる。
【0010】
一実施形態に係る端子カバーは、少なくとも2つの開口部のうち、少なくとも1つの開口部の少なくとも一部を閉塞するように被覆部に設けられ、被覆部から取り外し可能な閉塞部を更に備えてもよい。この場合、ハウジングの取り付け向きに応じて少なくとも1つの開口部を開口するか否かを選択することができる。このため、例えば、電線が挿通されない開口部について閉塞部により閉塞したままとすることで、当該開口部を通じて例えば電線以外の異物が少なくとも1つの電線挿入口に入る等の不具合が生じる可能性をさらに低減することができる。また、電線の配線時に、必要に応じて閉塞部を被覆部から取り外すことで閉塞部が設けられていた開口部に電線を挿通させて配線することができる。
【0011】
一実施形態に係る端子カバーは、少なくとも2つの開口部のうち、少なくとも1つの開口部の開口度合いを調整可能な調整部を更に備えてもよい。この場合、ハウジングの取り付け向きに応じて少なくとも1つの開口部の開口度合いを調整することができる。このため、例えば、電線が挿通されない開口部の開口度合いを小さくすることで、当該開口部を通じて例えば電線以外の異物が少なくとも1つの電線挿入口に入る等の不具合が生じる可能性をさらに低減することができる。
【0012】
本開示の他の側面に係る配線器具は、電線を挿入可能な少なくとも1つの電線挿入口が設けられ、電線を保持可能な少なくとも1つの端子部を収容するハウジングと、
ハウジングに取り付け可能な端子カバーと、を備え、端子カバーは、電線を挿通可能な空間を形成し、少なくとも1つの電線挿入口の少なくとも一部を覆う被覆部を有し、被覆部には、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口し、それぞれ電線を挿通可能な少なくとも2つの開口部が設けられる。
【0013】
この配線器具の端子カバーは、被覆部を有する。被覆部は、少なくとも1つの電線挿入口の少なくとも一部を覆うことができるため、少なくとも1つの電線挿入口の少なくとも一部を適切に保護することができる。被覆部には少なくとも2つの開口部が設けられる。このため、電線は、少なくとも2つの開口部のうち、1つの開口部から被覆部内の空間に挿通され、少なくとも1つの電線挿入口に挿入される。ここで、少なくとも2つの開口部は、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口可能である。ハウジングが他の部材に取り付けられることで1つの開口部の少なくとも一部が閉塞された場合であっても、電線は、当該開口部とは開口している向きが異なる他の開口部に挿通可能である。したがって、この配線器具は、ハウジングを取り付ける方向に関わらず適切に配線させることができる。また、この配線器具は、様々な部材に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示に係る端子カバー及び配線器具によれば、ハウジングを取り付ける方向に関わらず適切に配線させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る端子カバー及び配線器具の一例を示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係る端子カバー及び配線器具の一例を示す斜視図である。
図3】第1実施形態に係る端子カバー及び配線器具の一例を示す斜視拡大図である。
図4】第1実施形態に係る端子カバー及び配線器具の一例を示す分解斜視図である。
図5図3のV-V線に沿った端子カバー及び配線器具の断面斜視図である。
図6】第2実施形態に係る端子カバー及び配線器具の一部の一例を示す斜視図である。
図7】変形例に係る閉塞部を備える端子カバーの一例を示す斜視図である。
図8】変形例に係る閉塞部を備える端子カバーの一例を示す斜視図である。
図9】変形例に係る他の閉塞部を備える端子カバーの一例を示す斜視図である。
図10】変形例に係る他の閉塞部を備える端子カバーの一例を示す斜視図である。
図11】変形例に係る調整部を備える端子カバーの一例を示す斜視図である。
図12】変形例に係る調整部を備える端子カバーの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本開示の第1実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。「上」「下」「左」「右」「前」「背」「背後」等の語は、図示する状態に基づくものであり、便宜的なものである。
【0017】
図1及び図2は、第1実施形態に係る端子カバー及び配線器具の一例を示す斜視図である。図中のX軸方向及びY軸方向が水平方向であり、Z軸方向が垂直方向である。X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、3次元空間の直交座標系における互いに直交する軸方向である。以下では、XY平面に沿った方向を水平方向、Z軸方向を上下方向ともいう。
【0018】
図1及び図2に示す配線器具1は、造営材及び台座に取り付け可能な器具である。配線器具1は、例えば、造営材100に取り付けられる。造営材100は、例えば、水平方向に延在する天井の部材である。造営材100には、配線器具1を設置するために設けられる取付孔101が形成されている(図2参照)。配線器具1は、造営材100の取付孔101に埋め込まれて造営材100に取り付けられる。造営材100の取付孔101は、一例として、円形状の孔である。
【0019】
配線器具1は、例えば、人感センサ装置である。配線器具1は、人体を検知する不図示のセンサを有する。このセンサは、例えば、赤外線センサである。配線器具1は、このセンサにより対象領域内の人の存否を検出し、検出結果に応じて負荷装置を制御する。負荷装置は、例えば、照明、エアコン等を含む。負荷装置が照明である場合、配線器具1は、例えば、対象領域内に人の存在を検出するときに点灯するように照明を制御する。負荷装置が照明である場合、配線器具1は、例えば、対象領域内に人の存在が検出されないときに消灯するように照明を制御する。配線器具1は、例えば、照度センサ装置であってもよい。この場合、配線器具1は、周囲の明るさを感知する照度センサを有していてもよい。
【0020】
配線器具1は、ハウジング10と、端子カバー50とを備える。配線器具1は、少なくとも1つの端子部40を備えていてもよい。配線器具1は、ハウジング10を造営材100に取り付ける取付ベース20を備えていてもよい。配線器具1は、フランジカバー22を備えていてもよい。配線器具1は、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換する不図示の電源ユニット、センサを制御する不図示の制御基板等を備えていてもよい。
【0021】
ハウジング10は、例えば、電気絶縁性を有する合成樹脂材料等により構成されている。ハウジング10は、上下方向に延在し、略直方体の有底筒状を呈する。ハウジング10は、端子部40の少なくとも一部を収容する。ハウジング10は、不図示の電源ユニット、制御基板等を収容する。ハウジング10は、端子カバー50の後述の第2係合部59と係合可能な一対の第1係合部15を有する。一対の第1係合部15は、ハウジング10のY軸方向の両側面に設けられ、ハウジング10の内部に向かって一部凹んだ形状を有する。
【0022】
取付ベース20は、フランジ25と、取付構造30と、を備える。フランジ25は、造営材100の下方に設けられる。フランジ25は、ハウジング10の下端部を覆うように設けられ、ハウジング10より水平方向の外側に延在している。ハウジング10は、フランジ25の上面に対して固定される。フランジ25は、例えば、略円板状を呈する。
【0023】
取付構造30は、ハウジング10を造営材100に取り付けるための部材である。取付構造30は、例えば、造営材100に形成された取付孔101に挿通されると共に、造営材100を上下方向から挟んで造営材100に取り付けられる。作業者は、ハウジング10を取付ベース20に固定した後に、取付構造30によって取付ベース20を造営材100に取り付ける。これにより、造営材100に配線器具1を取り付けることができる。具体的には、取付構造30は、ハウジングを挟持可能であって上下方向に延在する延在部32を有する。ハウジング10は、延在部32により挟持される位置に設けられる。
【0024】
フランジカバー22は、例えば、有底円筒状を呈する。フランジカバー22は、フランジ25の側面及び下面の少なくとも一部を覆う。フランジカバー22の内径は、フランジ25の外径と略同じ寸法である。フランジカバー22は、例えば、溝部と爪部を用いた係合構造によってフランジ25に取り付け可能である。フランジカバー22の中央領域には、不図示のレンズが設けられている。レンズは、不図示のセンサの受光部の下方に配置されている。
【0025】
以下、ハウジング10内の端子部40と、端子カバー50との詳細について説明する。図3は、第1実施形態に係る端子カバー及び配線器具の一例を示す斜視拡大図である。図4は、第1実施形態に係る端子カバー及び配線器具の一例を示す分解斜視図である。図5は、図3のV-V線に沿った端子カバー及び配線器具の断面斜視図である。図3図5に示すように、配線器具1は、少なくとも1つの端子部40として、3組の端子部40を有する。各端子部40は、電線Lを保持可能な構成を有する。各端子部40の少なくとも一部は、ハウジング10に収容される。各端子部40は、略直方体状の筐体41を有する。筐体41は、ハウジング10のY軸方向の正方向側の端部(前端部)かつ上端部に設けられている。筐体41の上面41aは、ハウジング10から露出している。
【0026】
各端子部40は、ハウジング10内に収容されている電源系統基板43(図4参照)に隣接して設けられている。各端子部40は、例えば、電源系統基板43のY軸方向の正方向側(前側)に設けられる。電源系統基板43は、Y軸方向及びZ軸方向に延在している。電源系統基板43は、不図示のセンサ基板及び制御系統基板に接続され、電線Lを介して供給された電力をセンサ基板及び制御系統基板に供給することで、センサによる検出及び検出結果に基づく制御を可能とする。
【0027】
各端子部40には、電線Lを挿入可能な少なくとも1つの電線挿入口42が設けられている。各端子部40には、例えば、2つの電線挿入口42が設けられている。各電線挿入口42は、筐体41の上面41aに設けられている。各電線挿入口42は、例えば、上下方向に貫通している。電線Lは、各電線挿入口42に挿入され、各端子部40内で保持される。
【0028】
各端子部40における電線Lを保持可能な構成とは、電線Lが挿入されるときに電線Lを保持する構成を有することを指す。各端子部40は、例えば、速結端子を含む。各端子部40は、例えば、端子部40内に設けられた一対の端子板の間に挿入された電線Lを一対のばね部材の弾性力によって挟み込むことで固定する構成を含む。端子部40における電線挿入口42は、電線Lの保持状態を解除するための治具を挿通可能であってもよい。例えば、マイナスドライバ等の治具の先端部が各電線挿入口42に差し込まれることにより、ばね部材を押圧して電線の保持状態を解除するためのボタンを押圧することができる。なお、各端子部40において、2つの電線挿入口42とは別に、電線Lの保持状態を解除するための治具を挿通可能な解除孔が設けられてもよい。
【0029】
端子カバー50は、ハウジング10に取り付け可能な構成である。端子カバー50は、例えば、電気絶縁性を有する合成樹脂材料等により構成されている。端子カバー50は、被覆部51を備える。被覆部51は、電線Lを挿通可能な空間51aを形成し、電線挿入口42の少なくとも一部を覆う。被覆部51は、ハウジング10の上端部、特に端子部40を覆う形状を有する。被覆部51は、各電線挿入口42の直上を覆う蓋部52、各電線挿入口42から最も近い側面である前面側を遮蔽する前壁部53、複数の電線挿入口42が並んでいる方向に位置し、前壁部53からY軸方向の負方向側(背後側)に向かって延在する一対の側壁部54、背後側を遮蔽する一対の後壁部55、及び、複数の傾斜部56を有する。
【0030】
蓋部52は、各端子部40の直上からの異物の侵入を抑制し、各端子部40を保護する。蓋部52は、各筐体41の上面41a(各電線挿入口42)に対向する位置に設けられている。蓋部52は、水平方向に延在している。蓋部52は、ハウジング10の状端面及び端子部40の筐体41の上面41aから上下方向に離間している。
【0031】
前壁部53は、各端子部40の前側からの異物の侵入を抑制し、各端子部40を保護する。前壁部53は、X軸方向及びZ軸方向に沿って延在している。前壁部53は、ハウジング10のX軸方向及びZ軸方向に沿って延在している前側の面と面一に設けられる。前壁部53は、各筐体41の上面41a(各電線挿入口42)の延在方向に直交する方向に延在する。例えば、前壁部53は、少なくとも各筐体41の上面41aより下方の位置から当該上面41aより上方に向かって延在している。前壁部53は、筐体41の前側の面に対向する位置に設けられる。
【0032】
一対の側壁部54は、各端子部40のX軸方向からの異物の侵入を抑制し、各端子部40を保護する。一対の側壁部54は、Y軸方向及びZ軸方向に沿って延在している。一対の側壁部54は、ハウジング10のY軸方向及びZ軸方向に沿って延在している各面と面一に設けられる。一対の側壁部54は、各筐体41の上面41a(各電線挿入口42)の延在方向に直交する方向に延在する。
【0033】
一対の後壁部55は、各端子部40の背後側からの異物の侵入を抑制し、各端子部40を保護する。一対の後壁部55は、X軸方向及びZ軸方向に沿って延在している。一対の後壁部55は、ハウジング10のX軸方向及びZ軸方向に沿って延在している背後側の面と面一に設けられる。一対の後壁部55は、各筐体41の上面41a(各電線挿入口42)の延在方向に直交する方向に延在する。一対の後壁部55は、各電線挿入口42が開口している方向において各電線挿入口42から離間した位置に設けられる。各電線挿入口42が開口している方向とは、各電線挿入口42の広がっている方向であり、例えば、水平方向である。各電線挿入口42が開口している方向とは、各電線挿入口42に対する電線Lの挿入方向に直交している方向である。図3及び図5の例では、一対の後壁部55は、Y軸方向において各電線挿入口42から離間した位置に設けられる。
【0034】
図3及び図5に示す例では、蓋部52、前壁部53、側壁部54及び一対の後壁部55は、それぞれ複数の傾斜部56により結合されている。傾斜部56は、蓋部52、前壁部53、側壁部54及び一対の後壁部55と結合する角度が鈍角となるように固定されている。複数の傾斜部56は、それぞれ、蓋部52と前壁部53との間、蓋部52と一対の側壁部54との間、蓋部52と一対の後壁部55との間、前壁部53と一対の側壁部54との間、一対の側壁部54のそれぞれと一対の後壁部55のそれぞれとの間に設けられる。複数の傾斜部56により、端子カバー50の角部が傾斜しているため、作業者が容易に把持することができる。
【0035】
空間51aは、蓋部52とハウジング10との間の空間である。具体的には、空間51aは、蓋部52、前壁部53、側壁部54、一対の後壁部55及び複数の傾斜部56に囲まれている空間である。空間51aは、少なくとも2本の電線Lが挿通可能な空間である。
【0036】
端子カバー50は、一対の第2係合部59をさらに備えていてもよい。一対の第2係合部59は、ハウジング10に設けられた第1係合部15と係合可能である。一対の第1係合部15は、一対の側壁部54の背後側の下端部から下方に向かってそれぞれ延在し、その先端が空間51aに向かうように突出する鈎部を有する。第1係合部15及び第2係合部59によりスナップフィットが実現でき、端子カバー50は、ハウジング10に着脱可能に固定される。
【0037】
端子カバー50には、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口可能であり、それぞれ電線Lを挿通可能な少なくとも2つの開口部60が設けられる。図3図5に示す例では、端子カバー50には、少なくとも2つの開口部60として、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口している第1開口部61、第2開口部62及び第3開口部63の3つの開口部が形成されている。第1開口部61、第2開口部62及び第3開口部63の3つの開口部は、それぞれ少なくとも2本の電線Lの太さ以上の大きさとなっている。第1開口部61、第2開口部62及び第3開口部63は、各電線挿入口42が開口している方向において各電線挿入口42から離間した位置にそれぞれ設けられる。
【0038】
第1開口部61は、蓋部52の背後側に形成されている。第1開口部61は、蓋部52の背後側の端辺の中央部から前側に向かって開口している。第1開口部61により、蓋部52は、X軸方向の背面側に向かって先端部が2つに分かれており、蓋部52は、略U字形状又は馬蹄形状を有する。第1開口部61は、上下方向に貫通しており、X軸方向及びY軸方向に開口している。第1開口部61によって、端子カバー50の上方の空間と空間51aとが連通している。
【0039】
第2開口部62は、一対の後壁部55との間に形成されている。第2開口部62は、Y軸方向に貫通しており、X軸方向及び上下方向に開口している。第2開口部62によって、端子カバー50の背後側の空間と空間51aとが連通している。
【0040】
第3開口部63は、蓋部52と一対の後壁部55との間に設けられた一対の傾斜部56に形成されている。第3開口部63は、X軸方向において、一対の傾斜部56により挟まれた領域である。第3開口部63は、Y軸方向において前側に向かうにしたがって下方に向かう斜めの方向(以下、「第1傾斜方向」と記載する場合がある)に貫通しており、Y軸方向において前側に向かうにしたがって上方に向かう斜めの方向(以下、「第2傾斜方向」と記載する場合がある)及びX軸方向に開口している。第3開口部63によって、端子カバー50の背後側かつ上方の空間と空間51aとが連通している。端子カバー50において、第3開口部63が第1開口部61及び第2開口部62との間に設けられている。このため、第1開口部61、第2開口部62及び第3開口部63が連続した開口部が形成されている。
【0041】
なお、端子カバー50には、第1開口部61、第2開口部62及び第3開口部63以外にも開口が形成されていてもよい。端子カバー50の被覆部51は、各端子部40の少なくとも一部を覆う態様であればよい。被覆部51は、通気用の開口、又は、端子カバー50の重量を減少させるための開口が設けられていてもよい。被覆部51は、例えば、格子状を呈していてもよい。
【0042】
以下、配線器具1において、電線Lを端子部40に接続させるときの電線Lと開口部60との関係について説明する。図3及び図5に示すように、2本の電線Lが端子部40に接続されている状態を一例として説明する。まず、造営材100に配線器具1が設けられる。このとき、造営材100が天井の部材であって、各電線Lを配線器具1に配線する場合には、造営材100の延在方向である水平方向に沿って延在させる必要がある。このため、各電線Lは、Y軸方向に貫通している(X軸方向及び上下方向に開口している)第2開口部62を通じて、端子カバー50内の空間51aに挿通される。空間51a内に挿通された各電線Lは、各端子部40の各電線挿入口42に挿入され、端子部40と電気的に接続する。
【0043】
なお、造営材100の周囲の設置物又は配線状況によっては、Y軸方向に直交する方向に開口している第2開口部62からの各電線Lの挿通が難しい場合がある。このような場合であっても、各電線Lは、上下方向に貫通している第1開口部61、又は、第1傾斜方向に貫通している第3開口部63を通じて、端子カバー50内の空間51aに挿通可能である。
【0044】
以上説明したように、端子カバー50及び配線器具1によれば、被覆部51は、少なくとも1つの電線挿入口42の少なくとも一部を覆うことができるため、少なくとも1つの電線挿入口42の少なくとも一部を適切に保護することができる。被覆部51には少なくとも2つの開口部60が設けられる。第1実施形態では、被覆部51には、第1開口部61、第2開口部62及び第3開口部63が設けられている。このため、電線Lは、少なくとも2つの開口部60のうち、1つの開口部から被覆部51内の空間51aに挿通され、少なくとも1つの電線挿入口42に挿入される。ここで、少なくとも2つの開口部60は、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口可能である。第1実施形態の開口部60は、上下方向に向かって開口している第1開口部61と、Y軸方向に向かって開口している第2開口部62と、第1傾斜方向に向かって開口している第3開口部63とを含む。上下方向、Y軸方向及び第1傾斜方向は、それぞれ交差する方向である。ハウジング10が他の部材に取り付けられるとき、又は、ハウジング10周辺の設置物若しくは配線の状況等、1つの開口部の少なくとも一部が閉塞された場合であっても、電線は、当該1つの開口部とは開口している向きが異なる他の開口部に挿通可能である。また、ハウジング10に対する電線Lの延在方向を適切に選択できるため、配線器具1に対する効率的な配線を実現できる。したがって、この端子カバー50は、ハウジングを取り付ける方向に関わらず適切に配線させることができる。
【0045】
また、端子カバー50において、少なくとも2つの開口部60は、少なくとも1つの電線挿入口42が開口している方向(水平方向)において少なくとも1つの電線挿入口42から離間した位置に設けられている。この場合、少なくとも2つの開口部60を通じて、例えば、電線L以外の異物が少なくとも1つの電線挿入口42に入る等の不具合が生じる可能性をさらに低減することができる。具体的には、水平方向において各電線挿入口42から離間した位置に開口部60が設けられているため、各電線挿入口42における電線Lの挿入方向に開口部60が設けられていない。このため、各電線挿入口42に対する電線Lの挿入方向からの異物の侵入を抑制し、端子部40内における電線Lを保持する機構の不具合を抑制することができる。
【0046】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る端子カバー及び配線器具について図6を参照しながら説明する。図6は、第2実施形態に係る端子カバー及び配線器具を示す斜視図である。図6に示すように、第2実施形態に係る配線器具1Aは、造営材100ではなく、台座200に設けられている点で第1実施形態に係る配線器具1とは相違する。第2実施形態に係る配線器具1Aは、取付ベース20及びフランジカバー22を備えていない点で、第1実施形態に係る配線器具1とは相違する。以降の説明では、第1実施形態と重複する説明を適宜省略する。上記の第1実施形態と同一の構成及び機能を有する構成については同一の符号が付与される。
【0047】
配線器具1Aは、台座200に設けられている。配線器具1Aは、例えば、不図示の雄ねじ等により台座200に固定されている。台座200に設けられている配線器具1Aは、例えば、制御機器である。台座200は、屈曲した板状を呈する。台座200は、板状の強固な部材である。台座200は、例えば、金属、木材及び樹脂の少なくとも1つの材料で構成されている。台座200は、上記の材料に限定されず、他の材料で構成されていてもよい。台座200における配線器具1Aが設けられている部分は、X軸方向及びZ軸方向に沿って延在している板状の部位である。配線器具1Aは、ハウジング10の背後側の面と、端子カバー50の一対の後壁部55とが、台座200に接触するように設けられる。第2実施形態における第2開口部62は、台座200により閉塞されている。第2実施形態における第3開口部63の少なくとも一部は、台座200により閉塞されている。
【0048】
以下、配線器具1Aにおいて、電線Lを端子部40に接続させるときの電線Lと開口部60との関係について説明する。図6に示すように、2本の電線Lが端子部40に接続されている状態を一例として説明する。まず、台座200に配線器具1が設けられる。このとき、各電線Lを配線器具1Aに配線する場合には、台座200により閉塞されていない開口部を介して外部から端子部40に配線する必要がある。このため、各電線Lは、上下方向に貫通している(X軸方向及びY軸方向に開口している)第1開口部61を通じて、端子カバー50内の空間51aに挿通される。空間51a内に挿通された各電線Lは、各端子部40の各電線挿入口42に挿入され、端子部40と電気的に接続する。
【0049】
以上説明したように、配線器具1Aにおいて、端子カバー50は、造営材100及び台座200に対して取り付け可能なハウジング10に取り付けられる。この場合、ハウジング10が造営材100及び台座200に取り付けられる場合、ハウジング10の取り付け向きが異なる可能性がある。端子カバー50には、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口している開口部60が設けられるため、ハウジング10が造営材100及び台座200の双方にそれぞれ取り付けられる場合であっても、少なくとも1つの電線挿入口42に向けて電線Lを挿通可能な少なくとも1つの開口部60を確保することができる。この配線器具1Aの端子カバー50は、造営材100及び台座200に取り付けられるハウジング10において、電線Lを適切に配線させることができる。
【0050】
[変形例]
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、本開示は、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。例えば、ハウジング10が取り付けられる部材は、造営材100及び台座200に限定されない。また、少なくとも2つの開口部60は、少なくとも1つの電線挿入口42が開口している方向において少なくとも1つの電線挿入口42から離間した位置に設けられなくてもよい。この場合、少なくとも2つの開口部60のうち少なくとも1つの開口部60は、例えば、蓋部52Bのうち電線挿入口42の直上、前壁部53のうち端子部40が隣接する領域、及び、一対の側壁部54のうち端子部40が隣接する領域の何れかに設けられてもよい。このとき、開口部60は、例えば、電線Lを挿通可能であって、作業者の指、他の工具等が挿通不能な大きさであってもよい。これにより、各電線挿入口42に対する電線Lの挿入方向からの電線L以外の異物の侵入を抑制し、端子部40内における電線Lを保持する機構の不具合を抑制することができる。
【0051】
次に、変形例に係る端子カバーについて図7及び図8を参照しながら説明する。図7及び図8は、変形例に係る閉塞部を備える端子カバーの一例を示す斜視図である。図7及び図8に示すように、変形例に係る配線器具1Bにおける端子カバー50Bは、閉塞部70を備える点で第1実施形態に係る配線器具1とは相違する。以降の説明では、第1実施形態及び第2実施形態と重複する説明を適宜省略する。上記の第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成及び機能を有する構成については同一の数字の符号が付与される。
【0052】
被覆部51Bには、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口可能であり、それぞれ前記電線を挿通可能な少なくとも2つの開口部60Bが設けられる。図7及び図8に示す例では、端子カバー50Bには、少なくとも2つの開口部60Bとして、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口している第1開口部61B、第2開口部62及び第3開口部63の3つの開口部が形成されている。
【0053】
蓋部52Bは、基端部52aと一対の腕部52b,52bを有する。一対の腕部52b,52bは、互いから離間しており、基端部52aから背後側まで延在している。一対の腕部52b,52bは、それぞれ一対の傾斜部56に固定されている。第1開口部61Bは、基端部52aの前側、かつ、腕部52bと腕部52bとの間の間隙である。基端部52aは、背後側に向かうにしたがって、上下方向の厚さが小さくなっている。
【0054】
端子カバー50Bは、少なくとも2つの開口部60Bのうち、少なくとも1つの開口部の少なくとも一部を閉塞するように被覆部51に設けられ、被覆部51Bから取り外し可能な閉塞部70を更に備える。図7は、閉塞部70が被覆部51Bから取り外される前の状態を示す図である。図7に示す例では、閉塞部70は、第1開口部61Bの一部を閉塞する。図7に示す第1開口部61Bのように、端子カバー50Bの製品形態として開口しているのみならず、閉塞部70を除去することで開口可能となる領域も、開口部に該当する。
【0055】
閉塞部70は、例えば、水平方向に沿って延在する板状の部位である。閉塞部70の前端部70aは、前側に向かうにしたがって上下方向の厚さが小さくなっている。閉塞部70の前端部70aは、蓋部52Bの基端部52aの背後側の部分において固定されている。すなわち、閉塞部70と蓋部52Bとの接続箇所は、それぞれの他の部位に比べて厚みが薄くなっている。なお、閉塞部70の前端部70aと、蓋部52Bの基端部52aの背後側の部分とは、厚みが薄くなくてもよい。閉塞部70と蓋部52Bとの接続箇所は、閉塞部70が被覆部51から分離しやすいような形状を有する。
【0056】
以下、電線Lを端子部40に接続させるときの電線Lと開口部60B及び閉塞部70との関係について説明する。配線器具1Bの設置状態又は電線Lの配線によっては、電線Lを端子カバー50Bの上方から挿通させる場合がある。この場合、第1開口部61Bから空間51aに向けて挿通させることで電線Lを効率的に配線器具1Bに配線することができる。ここで、図8は、閉塞部70が被覆部51Bから取り外される状態を示す図である。図8に示すように、閉塞部70は、被覆部51Bから作業者等により取り外される。閉塞部70と蓋部52Bとの接続箇所は、それぞれの他の部位に比べて厚みが薄くなっていることから、当該接続箇所で閉塞部70が被覆部51Bに対して折られることで閉塞部70が被覆部51Bから容易に分離される。具体的には、例えば、閉塞部70の背後側の端部が上方に持ち上げられることで、閉塞部70の前端部70aと、蓋部52Bの基端部52aとの接続箇所に力が加わり、当該接続箇所が破断する。これにより、閉塞部70が被覆部51Bから取り外され、閉塞部70による第1開口部61Bの閉塞が解除される。
【0057】
このように、ハウジング10の取り付け向きに応じて少なくとも1つの開口部の一部(図7及び図8に示す例では第1開口部61Bの一部)を介して電線Lを挿通するか否かを選択することができる。このため、例えば、電線Lの配線を行うまで、又は、電線Lが挿通されない場合に、第1開口部61Bについて閉塞部70により閉塞したままとすることで、当該第1開口部61Bを通じて例えば電線L以外の異物が少なくとも1つの電線挿入口42に入る等の不具合が生じる可能性をさらに低減することができる。
【0058】
また、電線Lの配線時に、必要に応じて閉塞部70が被覆部51から取り外されることで閉塞部70が設けられていた第1開口部61に電線Lを挿通させて配線することができる。したがって、この端子カバー50Bは、ハウジング10を取り付ける方向に関わらず適切に配線させることができる。
【0059】
次に、変形例に係る端子カバーについて図9及び図10を参照しながら説明する。図9及び図10は、変形例に係る他の閉塞部を備える端子カバーの一例を示す斜視図である。図9及び図10に示すように、変形例に係る配線器具1Cにおける端子カバー50Cは、閉塞部80を備える点で変形例に係る配線器具1Bとは相違する。以降の説明では、第1実施形態、第2実施形態及び上述の変形例と重複する説明を適宜省略する。上記の第1実施形態、第2実施形態及び上述の変形例と同一の構成及び機能を有する構成については同一の数字の符号が付与される。
【0060】
被覆部51Cには、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口可能であり、それぞれ前記電線を挿通可能な少なくとも2つの開口部60Cが設けられる。図9及び図10に示す例では、端子カバー50Cには、少なくとも2つの開口部60Cとして、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口している第1開口部61C、第2開口部62C及び第3開口部63Cの3つの開口部が形成されている。
【0061】
端子カバー50Cは、少なくとも2つの開口部60Cのうち、少なくとも1つの開口部の少なくとも一部を閉塞するように被覆部51に設けられ、被覆部51から取り外し可能な閉塞部80を更に備える。図9は、閉塞部80が被覆部51Cから取り外される前の状態を示す図である。図9に示す閉塞部80は、第1開口部61C、第2開口部62Cの一部及び第3開口部63Cを閉塞する。図9に示す第1開口部61C、第2開口部62C及び第3開口部63Cのように、端子カバー50Cの製品形態として開口しているのみならず、閉塞部80を除去することで開口可能となる領域も、開口部に該当する。
【0062】
閉塞部80は、第1板状部81、第2板状部82及び第3板状部83を有する。第1板状部81は、例えば、水平方向に沿って延在する板状の部位である。第1板状部81は、第1開口部61Cを閉塞する。第1板状部81の前端部81aは、前側に向かうにしたがって上下方向の厚さが小さくなっている。第1板状部81の前端部81aは、蓋部52Bの基端部52aの背後側の部分において固定されている。すなわち、閉塞部80と蓋部52Bとの接続箇所は、それぞれの他の部位に比べて厚みが薄くなっている。
【0063】
第2板状部82は、例えば、X軸方向及び上下方向に沿って延在する板状の部位である。第2板状部82は、第2開口部62Cの一部を閉塞する。第3板状部83は、例えば、第2傾斜方向に沿って延在する板状の部位である。第3板状部83は、第3開口部63Cを閉塞する。
【0064】
以下、電線Lを端子部40に接続させるときの電線Lと開口部60C及び閉塞部80との関係について説明する。配線器具1Cの設置状態又は電線Lの配線によっては、第2開口部62Cの開口を大きくして、第2開口部62Cの上方の位置から電線Lを端子カバー50Cの空間51a内に挿通させることで電線Lを効率的に配線器具1Cに配線することができる場合がある。また、配線器具1Cの設置状態によっては、電線Lを端子カバー50Cの上方又は第1傾斜方向から挿通させる場合がある。これらの場合、第1開口部61C又は第3開口部63Cから空間51aに向けて挿通させることで電線Lを効率的に配線器具1Cに配線することができる。
【0065】
ここで、図10は、閉塞部80が被覆部51Cから取り外される状態を示す図である。図10に示すように、閉塞部80は、被覆部51Cから作業者等により取り外される。閉塞部80と蓋部52Cとの接続箇所は、それぞれの他の部位に比べて厚みが薄くなっていることから、当該接続箇所で閉塞部80が被覆部51Cに対して折られることで閉塞部80が被覆部51Cから容易に分離される。具体的には、例えば、閉塞部80の第2板状部82が上方に持ち上げられることで、閉塞部80の第1板状部81の前端部81aと、蓋部52Bの基端部52aとの接続箇所に力が加わり、当該接続箇所が破断する。これにより、閉塞部80が被覆部51Cから取り外され、閉塞部80による第1開口部61C、第2開口部62Cの一部及び第3開口部63Cの閉塞が解除される。
【0066】
このように、ハウジング10の取り付け向きに応じて少なくとも1つの開口部(図9及び図10に示す例では第1開口部61C、第2開口部62Cの一部及び第3開口部63C)を介して電線Lを挿通するか否かを選択することができる。このため、例えば、電線Lの配線を行うまで、又は、電線Lが挿通されない場合に、第1開口部61C、第2開口部62Cの一部及び第3開口部63Cについて閉塞部80により閉塞したままとすることで、当該第1開口部61C、第2開口部62Cの一部及び第3開口部63Cを通じて例えば電線L以外の異物が少なくとも1つの電線挿入口42に入る等の不具合が生じる可能性をさらに低減することができる。
【0067】
また、電線Lの配線時に、必要に応じて閉塞部80が被覆部51Cから取り外されることで閉塞部80が設けられていた第1開口部61C、第2開口部62Cの一部及び第3開口部63Cに電線Lを挿通させて配線することができる。したがって、この端子カバー50Cは、ハウジング10を取り付ける方向に関わらず適切に配線させることができる。
【0068】
なお、配線器具1Bの閉塞部70及び配線器具1Cの閉塞部80等の閉塞部が閉塞する開口部の数、大きさ及び形状は限定されない。閉塞部は、第1開口部61B,61C、第2開口部62,62C及び第3開口部63,63Cの少なくとも1つの開口部の全部又は一部を閉塞していてもよい。閉塞部は、例えば第1開口部61B,61C、第2開口部62,62C及び第3開口部63,63Cのすべてを閉塞してもよい。閉塞部は、蓋部52Bの基端部52a及び腕部52bの少なくとも1つに固定されていてもよく、被覆部51B,51Cの何れかの部位に固定されていればよい。
【0069】
また、端子カバー50B,50Cにおける閉塞部の数は1つに限定されず、端子カバー50B,50Cは、複数の閉塞部を備えていてもよい。例えば、端子カバー50B,50Cは、電線Lと接続する端子部40の位置、端子部40に接続される電線Lの本数等に応じて、水平方向において閉塞する大きさを選択可能な複数の閉塞部を備えていてもよい。
【0070】
また、閉塞部80の第1板状部81の前端部81aと、蓋部52Bの基端部52aの背後側の部分とは、厚みが薄くなくてもよい。閉塞部80と蓋部52Bとの接続箇所は、閉塞部80が被覆部51から分離しやすいような形状を有する。例えば、閉塞部80と蓋部52Bとの接続箇所は、1つ又は複数の部材により、閉塞部80の一部と蓋部52Bの一部とを接続する形態であってもよい。例えば、閉塞部80と蓋部52Bとの接続箇所は、閉塞部80の材料及び蓋部52の材料より強度の小さい材料で構成されている部材で閉塞部80と蓋部52Bとを接続する形態であってもよい。
【0071】
次に、変形例に係る端子カバーについて図11及び図12を参照しながら説明する。図11及び図12は、変形例に係る調整部を備える端子カバーの一例を示す斜視図である。図11及び図12に示すように、変形例に係る配線器具1Dにおける端子カバー50Dは、調整部90を備える点で変形例に係る配線器具1Cとは相違する。また、変形例に係る配線器具1Dにおける端子カバー50Dは、連結部57を備える点で変形例に係る配線器具1Cとは相違する。以降の説明では、第1実施形態、第2実施形態、上述の変形例と重複する説明を適宜省略する。上記の第1実施形態、第2実施形態及び上述の変形例と同一の構成及び機能を有する構成については同一の数字の符号が付与される。
【0072】
被覆部51Dには、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口可能であり、それぞれ前記電線を挿通可能な少なくとも2つの開口部60Dが設けられる。図11及び図12に示す例では、端子カバー50Dには、少なくとも2つの開口部60Dとして、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口している第1開口部61D、第2開口部62D及び第3開口部63Dの3つの開口部が形成されている。第2開口部62Dは、第1開口部61D及び第3開口部63Dと連続していない。
【0073】
被覆部51Dは、一対の後壁部55を連結する連結部57を有する。連結部57は、X軸方向及び上下方向に沿って延在している。連結部57は、一対の後壁部55の各上部を連結するように、X軸方向に延在している。連結部57の背後側の面は、一対の後壁部55の背後側の各面と面一になるように設けられている。
【0074】
端子カバー50Dは、少なくとも2つの開口部60Dのうち、少なくとも1つの開口部の開口度合いを調整可能な調整部90を更に備える。図11は、調整部90が被覆部51Dにおいて閉状態であることを示す図である。図11に示す調整部90は、第1開口部61D及び第3開口部63Dを閉塞する。調整部90の閉状態とは、調整部90が第1開口部61D及び第3開口部63Dを閉塞している状態を指す。調整部90の閉状態とは、第1開口部61D及び第3開口部63Dに電線Lが挿通されない状態であって、被覆部51と調整部90との間に生じる隙間が電線Lの太さより狭い状態を指す。図11に示す第1開口部61D及び第3開口部63Dのように、端子カバー50Dの製品形態として開口しているのみならず、調整部90が開くことで開口可能となる領域も、開口部に該当する。
【0075】
調整部90は、第1延在部91、第2延在部92、回動軸93及び第3係合部94(図12参照)を有する。第1延在部91は、例えば、水平方向に沿って延在する板状の部位である。調整部90が閉状態であるとき、第1延在部91は、第1開口部61Dを閉塞する。このとき、第1延在部91の上面は、蓋部52Dの上面と面一になるように設けられる。第2延在部92は、例えば、第2傾斜方向及びX軸方向に沿って延在する板状の部位である。調整部90が閉状態であるとき、第2延在部92は、第3開口部63Dを閉塞する。このとき、第2延在部92の傾斜面は、一対の傾斜部56の傾斜面と面一になるように設けられる。
【0076】
回動軸93は、被覆部51に回動可能に設けられる。回動軸93は、例えば、X軸方向に沿って延在している。回動軸93は、第2延在部92の背後側の端部に固定されている。被覆部51の蓋部52Bの一対の腕部52b,52bには、それぞれX軸方向に沿って凹んだ形状の軸受部(不図示)が設けられている。回動軸93は、当該一対の軸受部に挿通されることで、被覆部51に回動可能に軸支される。
【0077】
図12に示す第3係合部94は、蓋部52Bの基端部52aと係合可能である。第3係合部94は、第1延在部91の前側の下端部から下方に向かって延在し、その先端が空間51aに向かうように突出する鈎部を有する。第3係合部94及び蓋部52Dによりスナップフィットが実現でき、調整部90の前端部は、被覆部51に着脱可能に固定される。
【0078】
以下、電線Lを端子部40に接続させるときの電線Lと開口部60D及び調整部90との関係について説明する。配線器具1Dの設置状態又は電線Lの配線によっては、電線Lを端子カバー50Dの上方又は第1傾斜方向から挿通させる場合がある。これらの場合、第1開口部61D又は第3開口部63Dから空間51aに向けて挿通させることで電線Lを効率的に配線器具1Dに配線することができる。
【0079】
ここで、図12は、調整部90が被覆部51Dにおいて開状態であることを示す図である。図12に示す調整部90は、第1開口部61D及び第3開口部63Dにおいて、端子カバー50の外部の空間と被覆部51の内部の空間とを連通させる。調整部90が開状態であるとは、調整部90が第1開口部61D及び第3開口部63Dを閉塞していない状態を指す。開状態とは、第1開口部61D及び第3開口部63Dに電線Lが挿通可能な状態であって、被覆部51と調整部90との間に生じる隙間が電線Lの太さより大きい状態を指す。
【0080】
図12に示すように、調整部90の第1延在部91の前端部は、作業者等により回動軸93を中心に背後側かつ上方に向かって回転する。調整部90を開状態とする場合、作業者は、第2開口部62Dを通じて第3係合部94の鈎部を背後側に移動させる。これにより、第3係合部94と蓋部52Dとの係合が解除される。当該係合が解除された状態において第1延在部91又は第2延在部92が作業者により把持されて、第1延在部91又は第2延在部92に対して背後側かつ上方に向かう回転の力が付与されることで、調整部90は、回動軸93を中心に回転する。これにより、調整部90による第1開口部61D及び第3開口部63Dの閉塞が解除される。
【0081】
調整部90を開状態から閉状態とする場合、調整部90の第1延在部91の前端部は、作業者等により回動軸93を中心に前側かつ下方に向かって回転する。調整部90を閉状態とする場合、第1延在部91又は第2延在部92が作業者により把持されて、第1延在部91又は第2延在部92に対して前側かつ下方に向かう回転の力が付与されることで、調整部90は、回動軸93を中心に回転する。これにより、調整部90は、第1開口部61D及び第3開口部63Dを閉塞する。
【0082】
作業者により第1延在部91又は第2延在部92に対して前側かつ下方に向かう回転の力がさらに付与されることで、第3係合部94の鈎部が蓋部52Dの背後側の面に接触し、背後側に撓みながら下方に移動する。第3係合部94の鈎部が蓋部52Dの下方に移動した場合、第3係合部94の鈎部が前側に移動することで、第3係合部94と蓋部52Dとが係合される。これにより、調整部90が回転することが抑制されるため、調整部90の閉状態を容易に維持することができる。
【0083】
このように、ハウジング10の取り付け向きに応じて少なくとも1つの開口部(図11及び図12に示す例では第1開口部61D及び第3開口部63D)を介して電線Lを挿通するか否かを選択することができる。このため、例えば、電線Lの配線を行うまで、又は、電線Lが挿通されない場合に、第1開口部61D及び第3開口部63Dについて調整部90により閉塞したままとすることで、当該第1開口部61D及び第3開口部63Dを通じて例えば電線L以外の異物が少なくとも1つの電線挿入口42に入る等の不具合が生じる可能性をさらに低減することができる。
【0084】
また、電線Lの配線時に、必要に応じて調整部90が回動軸93を中心に回転することで調整部90により閉塞されていた第1開口部61D及び第3開口部63Dに電線Lを挿通させる隙間を形成することができ、電線Lを配線することができる。したがって、この端子カバー50Dは、ハウジング10を取り付ける方向に関わらず適切に配線させることができる。
【0085】
また、調整部90が回転する角度によって、第1開口部61D及び第3開口部63Dの開口度合いが調整される。このため、電線Lを効率的に配線することができると共に、第1開口部61D及び第3開口部63Dの少なくとも一方を通じて例えば電線L以外の異物が少なくとも1つの電線挿入口42に入る等の不具合が生じる可能性をさらに低減することができる。
【0086】
また、調整部90は、開状態及び閉状態を変更することができる。このため、配線器具1Dが設けられる場所及びハウジング10を取り付ける方向等が変更される場合であっても、同一の端子カバー50Dを用いて、電線Lの配線に応じて、第1開口部61D及び第3開口部63Dの開口度合いを何度でも調整できる。したがって、この端子カバー50Dが設けられる配線器具1Dは、高い汎用性及び高い再利用性を発揮する。
【0087】
なお、調整部90が開口度合いを調整する開口部の数、大きさ及び形状は限定されない。調整部90は、例えば、第1開口部61D、第2開口部62D及び第3開口部63Dの何れか1つの開口部の開口度合いを調整してもよい。調整部90は、例えば、第1開口部61D、第2開口部62D及び第3開口部63Dの開口度合いを調整してもよい。端子カバー50Dは、連結部57を備えてなくてもよい。調整部90は、一対の傾斜部56のうち一方に回動可能に固定されていてもよく、被覆部51Dの何れかの部位に回動可能に固定されていればよい。
【0088】
端子カバー50Dにおける調整部90の数は1つに限定されず、端子カバー50Dは、複数の調整部を備えていてもよい。例えば、端子カバー50Dは、電線Lと接続する端子部40の位置、端子部40に接続される電線Lの本数等に応じて、水平方向において閉塞する大きさを選択可能な複数の調整部を備えていてもよい。端子カバー50Dにおいて、調整部90と共に、配線器具1Bの閉塞部70、及び、配線器具1Cの閉塞部80の少なくとも一方が設けられてもよい。
【0089】
ここで、本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下の[形態1]~[形態6]に記載する。
【0090】
[形態1]
電線を挿入可能な少なくとも1つの電線挿入口が設けられ、前記電線を保持可能な少なくとも1つの端子部を収容するハウジングに取り付け可能な端子カバーであって、
電線を挿通可能な空間を形成し、前記電線挿入口の少なくとも一部を覆う被覆部を備え、
前記被覆部には、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口可能であり、それぞれ前記電線を挿通可能な少なくとも2つの開口部が設けられる、
端子カバー。
【0091】
[形態2]
造営材及び台座に対して取り付け可能な前記ハウジングに取り付けられる、[形態1]に記載の端子カバー。
【0092】
[形態3]
前記少なくとも2つの開口部は、前記少なくとも1つの電線挿入口が開口している方向において前記少なくとも1つの電線挿入口から離間した位置に設けられる、
を備える、[形態1]又は[形態2]に記載の端子カバー。
【0093】
[形態4]
前記少なくとも2つの開口部のうち、少なくとも1つの開口部の少なくとも一部を閉塞するように前記被覆部に設けられ、前記被覆部から取り外し可能な閉塞部を更に備える、[形態1]~[形態3]の何れか一項に記載の端子カバー。
【0094】
[形態5]
前記少なくとも2つの開口部のうち、少なくとも1つの開口部の開口度合いを調整可能な調整部を更に備える、[形態1]~[形態4]の何れか一項に記載の端子カバー。
【0095】
[形態6]
電線を挿入可能な少なくとも1つの電線挿入口が設けられ、前記電線を保持可能な少なくとも1つの端子部を収容するハウジングと、
前記ハウジングに取り付け可能な端子カバーと、
を備え、
前記端子カバーは、電線を挿通可能な空間を形成し、前記少なくとも1つの電線挿入口の少なくとも一部を覆う被覆部を有し、
前記被覆部には、それぞれ交差可能な少なくとも二方向に向かって開口し、それぞれ前記電線を挿通可能な少なくとも2つの開口部が設けられる、
配線器具。
【符号の説明】
【0096】
1,1A,1B,1C,1D…配線器具、10…ハウジング、40…端子部、42…電線挿入口、50,50B,50C,50D…端子カバー、51,51B,51C,51D…被覆部、51a…空間、60,60B,60C,60D…開口部、61,61B,61C,61D…第1開口部、62,62C,62D…第2開口部、63,63C,63D…第3開口部、70,80…閉塞部、90…調整部、100…造営材、200…台座、L…電線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12