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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166769
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】換気扇及び取付部材
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/10 20060101AFI20241122BHJP
   F24F 13/32 20060101ALI20241122BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
F24F7/10 101B
F24F13/32
F24F13/20 205
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083100
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】細川 祐次郎
(57)【要約】
【課題】ダクト接続部材の傾きを抑制して、換気扇本体をダクト接続部材に確実に取り付けることができる換気扇を得ること。
【解決手段】換気扇100は、箱状の筐体と、筐体の内部に配置されたファン11とを有する換気扇本体1と、筐体の側面に取り付けられて、ダクトが接続されるダクト接続部材2と、換気扇本体1が内周側に挿入される枠状の取付部材3と、を備える。ダクト接続部材2は、取付部材3に下端部が固定されて取付部材3から上方に向かって延び、筐体の側面に取り付けられる縦壁と、縦壁から換気扇本体1と離れる方向に延びてダクトが接続される接続部と、を有する。取付部材3の内周縁には、上方に向かって延びて縦壁に対向する第1切起部が設けられている。第1切起部には、縦壁に突き当たって該縦壁を筐体の側面に向かって押し付ける保持部が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に形成された設置孔に嵌め込まれて前記天井に設置される換気扇であって、
室内の空気を吸気する吸気口が形成されるとともに吸気した空気を排気する排気口が側面に形成された箱状の筐体と、前記筐体の内部に配置されたファンとを有する換気扇本体と、
前記排気口に連通するように前記筐体の側面に取り付けられて、ダクトが接続されるダクト接続部材と、
前記設置孔の開口縁に沿って配置されて、前記換気扇本体が内周側に挿入される枠状の取付部材と、
を備え、
前記ダクト接続部材は、
前記取付部材に下端部が固定されて前記取付部材から上方に向かって延び、前記筐体の側面に取り付けられる縦壁と、前記縦壁から前記換気扇本体と離れる方向に延びてダクトが接続される接続部と、を有し、
前記取付部材の内周縁には、上方に向かって延びて前記縦壁に対向する第1切起部が設けられ、
前記第1切起部には、前記縦壁に突き当たって該縦壁を前記筐体の前記側面に向かって押し付ける保持部が設けられていることを特徴とする換気扇。
【請求項2】
前記天井の上方に形成された天井裏に吊り下げられたアンカーボルトと前記取付部材とを連結する連結部材を、更に備え、
前記取付部材は、平面視が四角形の枠状とされ、
前記取付部材の4辺の内周縁のうち、前記縦壁が取り付けられる1つの辺に前記第1切起部が設けられ、
前記取付部材の4辺の内周縁のうち、前記第1切起部が設けられた辺と隣り合う2つの辺に第2切起部が設けられており、
前記第2切起部には、前記連結部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の換気扇。
【請求項3】
前記第1切起部は、前記保持部が挿入されるねじ孔が形成されており、
前記保持部は、ねじ部材で構成され、前記ねじ孔に挿入された締結状態が調整されることで、前記縦壁を押し付ける強さを調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の換気扇。
【請求項4】
前記筐体の上面には、突起部が設けられ、
前記ダクト接続部材には、前記突起部に嵌る嵌合部が設けられており、
前記ダクト接続部材は、前記取付部材の内周側に挿入された前記換気扇本体の前記嵌合部が前記突起部に嵌め合わされて、前記筐体の側面に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の換気扇。
【請求項5】
箱状の筐体と前記筐体の内部に配置されたファンとを有する換気扇本体が内周側に挿入されると共に、前記筐体の側面に取り付けられる縦壁とダクトが接続される接続部とを有するダクト接続部材が取り付けられる枠状の取付部材であって、
枠状の内周縁に形成され、上方に向かって延びて前記縦壁に対向する第1切起部と、
前記縦壁に突き当たって該縦壁を前記筐体の前記側面に向かって押し付ける保持部と、を有することを特徴とする取付部材。
【請求項6】
平面視が四角形の枠状とされ、
4辺の内周縁のうち、1つの辺に前記第1切起部が設けられ、
前記取付部材の4辺の内周縁のうち、前記第1切起部が設けられた辺と直交する2つの辺に第2切起部がそれぞれ設けられており、
前記第2切起部には、天井構造から吊り下げられたアンカーボルトに取り付けられた連結部材が固定されることを特徴とする請求項5に記載の取付部材。
【請求項7】
前記第1切起部は、前記保持部が挿入されるねじ孔が形成されており、
前記保持部は、ねじ部材で構成され、前記ねじ孔に挿入された締結状態が調整されることで、前記縦壁を押し付ける強さを調整可能に構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の取付部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建物の天井に設置される換気扇及び取付部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井に形成された設置孔に嵌め込んで天井に設置され、室内の空気を吸い込みダクトを通じて室外又は別の室内空間に向かって排気する換気扇が知られている。例えば特許文献1には、換気装置本体と、ダクト接続枠と、補助枠と、を有する構成が開示されている。換気装置本体は、室内の空気を吸気する吸気口が形成されるとともに吸気した空気を排気する排気口が側面に形成された構成である。ダクト接続枠は、排気口が形成された換気装置本体の側面に取り付けられる縦壁と、ダクトが接続される筒状の接続部と、を有している。補助枠は、天井の設置孔の開口縁に沿って配置されて天井に固定され、換気装置本体が内周側に挿入される枠状の取付部材である。換気装置本体の内部には、吸気口からダクト接続枠に向かう排気流を形成する送風機が組込まれている。
【0003】
特許文献1の換気扇を建物の天井に設置するには、天井の設置孔の周縁に沿って補助枠を配置して固定し、該補助枠にダクト接続枠を取り付けることによって行われる。ダクト接続枠は、縦壁の下端部を取付部材である補助枠に固定することにより、補助枠に取り付けられる。そして、補助枠の内周側に換気装置本体を挿入し、換気装置本体の側面とダクト接続枠の縦壁とを接続すると共に、換気装置本体を補助枠に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-4187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された換気扇のように、ダクト接続枠の接続部にダクトが接続される構成では、接続部とダクトとのラップ代が必要であるため、ラップ代の分だけ接続部の長さを長くする必要がある。また、例えば接続部の内部には、風圧によって開閉するシャッタが設置される場合がある。そのため、ダクト接続枠の縦壁の下端部を補助枠に取り付けると、接続部及びシャッタの重量で、ダクト接続枠が下端部を基点としてダクト接続側に大きく傾いてしまうおそれがある。ダクト接続枠の傾きが大きいと、縦壁が目標の位置からずれた位置に配置されるため、補助枠の内周側に挿入した換気装置本体の側面とダクト接続枠との接続作業が困難となる。換気装置本体とダクト接続枠との接続が不十分であると、風漏れによって換気風量が不足したり、天井へ湿気漏れしたりするおそれがある。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、取付部材に取り付けたダクト接続部材の傾きを抑制することができる換気扇を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる換気扇は、天井に形成された設置孔に嵌め込まれて天井に設置される換気扇である。換気扇は、室内の空気を吸気する吸気口が形成されるとともに吸気した空気を排気する排気口が側面に形成された箱状の筐体と、筐体の内部に配置されたファンとを有する換気扇本体と、排気口に連通するように筐体の側面に取り付けられて、ダクトが接続されるダクト接続部材と、設置孔の開口縁に沿って配置されて、換気扇本体が内周側に挿入される枠状の取付部材と、を備える。ダクト接続部材は、取付部材に下端部が固定されて取付部材から上方に向かって延び、筐体の側面に取り付けられる縦壁と、縦壁から換気扇本体と離れる方向に延びてダクトが接続される接続部と、を有する。取付部材の内周縁には、上方に向かって延びて縦壁に対向する第1切起部が設けられている。第1切起部には、縦壁に突き当たって該縦壁を筐体の側面に向かって押し付ける保持部が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかる換気扇は、取付部材に取り付けたダクト接続部材の傾きを抑制することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態にかかる換気扇を分解して示した斜視図
図2】実施の形態にかかる換気扇の斜視図であって、換気扇本体とダクト接続部材と化粧グリルを取り外した状態を示した斜視図
図3】実施の形態にかかる換気扇を示した縦断面図
図4】実施の形態における換気扇本体を示した斜視図
図5】実施の形態にかかる換気扇を室内側から見た状態であって、化粧グリルを取り外した状態を示した底面図
図6】実施の形態における換気扇を天井裏側から見た斜視図
図7図3に示したVII部であって、ダクト接続部材を換気扇本体に取り付ける様子を模式的に示した説明図
図8】実施の形態における取付部材に連結部材を取り付けた状態を示した斜視図
図9】実施の形態における連結部材を示した斜視図
図10】実施の形態にかかる換気扇であって、第1切起部に保持部を設ける様子を示した要部拡大図
図11】実施の形態にかかる換気扇であって、第1切起部に保持部を設けた状態を示した要部拡大図
図12】実施の形態にかかる換気扇であって、保持部の作用を模式的に示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態にかかる換気扇及び取付部材を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態.
図1は、実施の形態にかかる換気扇を分解して示した斜視図である。図2は、実施の形態にかかる換気扇の斜視図であって、換気扇本体とダクト接続部材と化粧グリルを取り外した状態を示した斜視図である。図1及び図2では、天井200の紙面上側が天井裏202を示し、天井200の紙面下側が室内201を示している。また、図1及び図2では、天井200の一部を切り欠いて状態を示している。図3は、実施の形態にかかる換気扇を示した縦断面図である。図3では、取付部材3及び連結部材4を省略している。図4は、実施の形態における換気扇本体を示した斜視図である。図5は、実施の形態にかかる換気扇を室内側から見た状態であって、化粧グリルを取り外した状態を示した底面図である。図6は、実施の形態における換気扇を天井裏側から見た斜視図である。図6では、取付部材3及び連結部材4を省略して示している。図7は、図3に示したVII部であって、ダクト接続部材を換気扇本体に取り付ける様子を模式的に示した説明図である。
【0012】
図1図3に示すように、本実施の形態にかかる換気扇100は、天井200に形成された設置孔200aに嵌め込まれて天井200に設置され、室内201の空気を吸い込みダクト300を通じて室外又は別の室内空間に向かって排気する装置である。換気扇100は、ダクト300が室外に繋がる場合には、室内201の空気を室外に排気する排気用の換気扇として機能する。この場合、ダクト300は、室外まで延びて建物の外壁に備え付けられたフード(図示省略)などと連結し、建物内の空気を換気する換気風路を形成する。換気扇100は、ダクト300が別の室内空間に繋がる場合には、室内201で空気を循環させる循環用換気扇として機能する。
【0013】
天井200に形成された設置孔200aは、室内201と天井裏202とを連通するものである。設置孔200aは、一例として四角形状である場合を示しているが、その他の形状でもよい。天井裏202は、天井200と上階スラブ(図示省略)との間に形成された空間である。換気扇100は、設置孔200aから天井裏202に亘って設置される。図1及び図2に示すように、天井裏202には、複数本のアンカーボルト203が上階スラブから吊り下げられている。
【0014】
換気扇100は、図1図3に示すように、換気扇本体1と、ダクト接続部材2と、取付部材3と、連結部材4と、化粧グリル5とを備えている。換気扇本体1は、図1図4に示すように、箱状の筐体10と、筐体10の内部に配置されたファン11とを有している。
【0015】
図1図4に示すように、筐体10は、直方体形状とされ、天面10aと、4つの側面10bとを有している。筐体10は、天面10aと対向する底面が吸気口10cとして開口している。吸気口10cの周縁には、吸気口10cの中心から離れる方向に張り出す取付フランジ部10dが設けられている。取付フランジ部10dには、取付部材3を取り付けるためのねじ等の固定部材8を挿入する固定孔10hが形成されている。
【0016】
筐体10は、吸気口10cを室内201に向けて設置されている。天面10aの周縁には、上方へ突き出す突起部10fが設けられている。突起部10fは、筐体10の側面10bにダクト接続部材2を取り付けるために設けられている。なお、突起部10fは、天面10aの周縁に沿って形成される構成に限定されず、天面10aの一部にのみ設けてもよい。
【0017】
図1及び図4に示すように、4つの側面10bのうちの1つの側面10bには、吸気した空気を排気する排気口10eが形成されている。また、4つの側面10bのうち、排気口10eが形成された側面10bと隣合う2つの側面10bには、弾性を有する仮固定ばね10gが間隔を開けて2つずつ設けられている。仮固定ばね10gは、一例として板ばねにナットが溶接された構成とされ、筐体10の内側からねじ固定されている。仮固定ばね10gは、板ばねが取付部材3の外周側に向かって斜め下方に延びるように設けられている。仮固定ばね10gは、図1に示すように、取付部材3の内周側に換気扇本体1を挿入して取り付ける際に、換気扇本体1と取付部材3とを仮固定させるために設けられている。
【0018】
ファン11は、筐体10の内部に設置されて、吸気口10cから筐体10の内部に流入して排気口10eから流出する空気流を生成する機器である。ファン11は、ファンケーシング12と、モータ13と、羽根14とを有している。
【0019】
図3及び図5に示すように、ファンケーシング12には、吸気口10cから筐体10の内部に流入した空気を吸い込む吸込口12aと、ファンケーシング12の内部の空気を排気口10eに向けて流出する流出口12bと、が形成されている。ファンケーシング12は、吸込口12aを吸気口10cに向け、流出口12bを排気口10eに向けて設置されている。ファンケーシング12は、ねじ等の固定部材(図示省略)によって筐体10の天面10aに固定されている。図3に示すように、ファンケーシング12のうち吸込口12aが形成された面には、スプリング固定部品12cがねじ又は係止めによって取り付けられている。スプリング固定部品12cは、ファンケーシング12に化粧グリル5を取り付けるために設けられている。
【0020】
図3及び図5に示すように、筐体10の内部には、外部電源(図示省略)と接続される電源接続装置15が設けられている。電源接続装置15は、ファンケーシング12の外面と筐体10の内面とで囲まれた収容スペースに配置されている。図3に示すように、電源接続装置15は、吸気口10cと対向する部分が、ファンケーシング12に取り付けられた端子カバー16によって覆われている。端子カバー16は、電源接続装置15へ埃及び湿気などの侵入を抑制するために設けられている。端子カバー16は、ファンケーシング12に設けられた支持部12dに、回転軸16aを介して回動可能に取り付けられている。端子カバー16は、回転軸16aを中心に回動させることで開閉させることができる。また、端子カバー16は、ファンケーシング12に設けられた保護壁12eによって周囲が取り囲まれている。また、端子カバー16には、端子カバー16を開閉させる際に、作業者が指を掛けるための指引掛部16bが設けられている。
【0021】
図5に示すように、端子カバー16が開いているときには、電源接続装置15へのアクセスが可能となるため、外部電源(図示省略)と電源接続装置15とを接続する外部電源電線(図示省略)を電源接続装置15に室内201から接続可能となる。一方、図3に示すように、端子カバー16が閉じているときには、端子カバー16と保護壁12eとにより電源接続装置15を収容するスペースの密閉度を向上させることができる。
【0022】
モータ13は、羽根14を回転させるものである。図3に示すように、モータ13は、筐体10の天面10aに固定されている。羽根14は、モータ13のシャフト13aに取り付けられて、ファンケーシング12の内部に配置されている。
【0023】
モータ13と電源接続装置15とは、モータ電線17によって電気的に接続されている。図6に示すように、モータ電線17は、筐体10の天面10aに沿って配線されており、天面10aに設けられたブッシュ18を通じて筐体10の内部に引き込まれている。外部電源(図示省略)から供給された電力は、電源接続装置15及びモータ電線17を介して、モータ13に伝わる。電気エネルギーがモータ13のシャフト13aの回転運動に変換されることにより、モータ13の回転運動が羽根14に伝達されて、羽根14が回転する。羽根14が回転することにより、ファンケーシング12で形成された風路内に、吸気口10cから排気口10eに向かう気流が生成される。
【0024】
ダクト接続部材2は、排気口10eが形成された筐体10の側面10bに着脱可能に取り付けられ、ダクト300が接続される部材である。図2図3及び図6に示すように、ダクト接続部材2は、排気口10eが形成された筐体10の側面10bに取り付けられる平板状の縦壁20と、縦壁20の壁面から突き出してダクト300が接続される筒状の接続部21とを有している。
【0025】
縦壁20は、排気口10eが形成された筐体10の側面10bに壁面を対向させて配置されている。縦壁20には、排気口10eと、筒状の接続部21とを連通させる開口が形成されている。縦壁20は、図3及び図7に示すように、筐体10の側面10bに対向する一方の壁面に、筐体10の天面10aの突起部10fへ嵌め込まれる嵌合部20aが設けられ、他方の壁面に接続部21が設けられている。嵌合部20aは、一例として縦壁20の壁面から突起部10fに向かって突き出し、突起部10fが嵌め込まれるように凹状とした構成である。また、図3及び図6に示すように、縦壁20の下端縁には、接続部21を設けた側に突き出すフランジ部20bが形成されている。フランジ部20bは、ねじ等の固定部材9が挿入される固定孔20cが、縦壁20の下端縁に沿って複数形成されている。
【0026】
接続部21は、筐体10の排気口10eとダクト300とを連通する。接続部21は、吸気側から排気側に向かって四角筒状の部分と円筒状の部分とが連なった形状である。四角筒状の部分は、縦壁20に接続される部分である。円筒状の部分は、四角筒状の部分から排気側に向かって突き出してダクト300が接続される部分である。円筒状の部分は、吸気側から排気側に向かって外径を段階的に小さくした構成とされている。本実施の形態では、円筒状の部分が大径部分と小径部分とを有し、外径の異なる2つの円筒で構成されている。これにより、内径の異なる複数のダクト300を選択的に接続部21に接続可能である。また、円筒状の部分のうち、大径部分と小径部分との間に段差があるため、接続部21にダクト300を固定するためのテープを巻き付ける範囲が明確となり、当該巻き付け作業が容易になる。なお、接続部21の形状は、上記構成に限定されず、円筒状の部分のみで構成してもよいし、その他の形状でもよい。また、円筒状の部分は、外径の異なる3つ以上の円筒で構成してもよいし、外径が単一の円筒で構成してもよい。
【0027】
また、図3に示すように、接続部21の内部には、風圧によって開閉するシャッタ6が設置されている。シャッタ6は、換気扇100の運転時には風圧で開き、換気扇100の停止時にはシャッタ6の自重で接続部21の内部を閉鎖する。接続部21の内部にシャッタ6が設置されることにより、例えば、ダクト300が室外に繋がる場合には、換気扇100の停止時に外気がダクト300を通じて室内201に侵入することを防止できる。
【0028】
次に、本実施の形態の取付部材3及び連結部材4について、図1及び図2を参照しつつ、図8図12を参照して詳細に説明する。図8は、実施の形態における取付部材に連結部材を取り付けた状態を示した斜視図である。図9は、実施の形態における連結部材を示した斜視図である。図10は、実施の形態にかかる換気扇であって、第1切起部に保持部を設ける様子を示した要部拡大図である。図11は、実施の形態にかかる換気扇であって、第1切起部に保持部を設けた状態を示した要部拡大図である。図12は、実施の形態にかかる換気扇であって、保持部の作用を模式的に示した説明図である。図12(A)は保持部を設ける前の状態を示し、図12(B)は保持部を設けた状態を示している。
【0029】
図1及び図2に示すように、取付部材3は、設置孔200aの開口縁に沿って配置され、連結部材4を介してアンカーボルト203に取り付けられると共に、内周側に換気扇本体1が挿入される枠状の部材である。図8に示すように、取付部材3の形状は、一例として天井200の設置孔200aの形状に合わせて四角枠状である。取付部材3は、四角枠状を形成する平坦部30と、平坦部30の外周縁に沿って下方に屈曲させて形成されたフランジ部31と、平坦部30の内周縁の一部を上方に切り起こして形成された第1切起部32、第2切起部33及び第3切起部34とを有している。
【0030】
図1及び図8に示すように、平坦部30には、固定部材8を挿入する固定孔30aが、取付部材3の周方向に沿って間隔をあけて複数形成されている。平坦部30は、取付部材3の内周側に換気扇本体1が挿入された状態において、取付フランジ部10dの上面に載置され、取付フランジ部10dに固定部材8で固定される。これにより、取付部材3に換気扇本体1が取り付けられる。
【0031】
図1及び図2に示すように、4辺の平坦部30のうち、1辺の平坦部30には、ダクト接続部材2が取り付けられる。図11に示すように、平坦部30には、ねじ等の固定部材9を挿入する固定孔30bが形成されている。図11及び図12に示すように、ダクト接続部材2は、フランジ部20bの上面を平坦部30の下面に当接させて重ね合わせ、平坦部30の固定孔30bとフランジ部20bの固定孔20cとに固定部材9を挿入して、平坦部30とフランジ部20bとを接合することで、取付部材3に取り付けられる。
【0032】
また、図2及び図8に示すように、4辺の平坦部30のうち、ダクト接続部材2が取り付けられない平坦部30には、固定金具35が設けられている。固定金具35は、天井裏202に設けられた軽量鉄筋400に取付部材3を固定されるために設けられている。固定金具35には、ボルト等の固定部材(図示省略)を通すための長孔35aが形成されている。取付部材3は、固定部材(図示省略)で固定金具35を軽量鉄筋400に取り付けることで、軽量鉄筋400に固定される。これにより、換気扇100の運転時の振動を抑制することができる。
【0033】
フランジ部31は、取付部材3が設置孔200aの開口縁に沿って配置され、取付部材3の枠内に換気扇本体1が挿入された状態において、外周面が設置孔200aの内面に当接し、内周面が取付フランジ部10dの外周面に当接する。
【0034】
図8に示すように、第1切起部32は、取付部材3の4辺の内周縁のうち、ダクト接続部材2が取り付けられる平坦部30に形成されている。第2切起部33は、取付部材の4辺の内周縁のうち、第1切起部32が設けられた辺と隣り合う2つの辺を形成する平坦部30に設けられている。第3切起部34は、取付部材3の4辺の内周縁のうち、第1切起部32が設けられた辺と対向する辺を形成する平坦部30に設けられている。
【0035】
図8図10図12に示すように、第1切起部32は、ダクト接続部材2の縦壁20の壁面に対向するように設けられている。第1切起部32には、縦壁20に突き当たって該縦壁20を押し付ける保持部7が挿入されるねじ孔32aが形成されている。ねじ孔32aは、一例として、取付部材3の周方向に沿って間隔をあけて複数の位置に形成されている。保持部7は、一例としてねじ部材である。縦壁20は、ねじ孔32aに挿入された保持部7の先端部が突き当たることによって、筐体10の側面10b側に押し付けられる。なお、ねじ孔32aは、1つでもよいし、取付部材3の周方向に沿って複数形成してもよい。ねじ孔32aを複数形成した場合には、すべてのねじ孔32aに保持部7を挿入してもよいし、一部のねじ孔32aにのみ保持部7を挿入してもよい。また、保持部7は、ねじ部材が好適であるが、第1切起部32の一部が縦壁20に向かって突き出す凸部とした構成でもよいし、第1切起部32に凸状となる部材を取り付けた構成でもよい。要するに、保持部7は、縦壁20に突き当たって該縦壁20を筐体10の側面10bに向かって押し付けることができれば、どのような形態でもよい。
【0036】
図8に示すように、第2切起部33は、連結部材4が固定される部分である。第2切起部33は、筐体10の側面10bに対向させて形成されている。第2切起部33には、ねじ等の固定部材43で連結部材4を固定させるための固定孔(図示省略)が形成されている。また、第2切起部33には、連結部材4を掛け止める引掛け部33aが形成されている。図8に示すように、引掛け部33aは、第1切起部32にも形成されているが、必ずしも第1切起部32に形成する必要はない。引掛け部33aは、一例として第2切起部33の上端縁の一部を凹状に切り欠いた部分に、倒立L字状として形成された構成である。また、この切り欠いた部分の一部は、筐体10の側面10bに取り付けられた仮固定ばね10gを支持する支持部33bとして機能する。取付部材3の内周側に挿入された換気扇本体1は、仮固定ばね10gが凹状の支持部33bに引っ掛かることで、取付部材3に支持される。これにより、換気扇本体1が傾いたり、ガタついたりした際にも落下することがない。また、換気扇本体1の取付フランジ部10dと取付部材3の平坦部30とを固定部材8で固定する作業が容易となる。
【0037】
連結部材4は、図1及び図2に示すように、天井裏202に吊り下げられたアンカーボルト203と取付部材3とを連結する金属製の部材である。図8に示すように、連結部材4は、第2切起部33の外周面に取り付けられる。連結部材4は、細長い平板をL字状に形成した構成とされ、第1壁体40と、第2壁体41とを有している。
【0038】
図8に示すように、第1壁体40は、下端部が取付部材3の第2切起部33に固定部材43によって取り付けられ、上方に向かって延びた部分である。図9に示すように、第1壁体40には、固定部材43が挿入される固定孔40bと、第2切起部33に形成された引掛け部33aに引っ掛けられる掛止部40cと、が形成されている。掛止部40cは、一例として、第1壁体40の縦縁辺の一部を取付部材3の内周側に向かって窪ませた構成である。図8に示すように、連結部材4は、第2切起部33の引掛け部33aに掛止部40cを引っ掛け、固定部材43で第2切起部33に固定することで、取付部材3の外周面に取り付けられる。なお、掛止部40cは、図示した構成に限定されず、第2切起部33の引掛け部33aを引っ掛けることができれば、他の形態でもよい。また、図9に示すように、第1壁体40には、取付部材3の外周側に向かって突出する絞り部40aが設けられている。絞り部40aは、第1壁体40の強度を高めるために設けられている。絞り部40aは、一例として第1壁体40の下端部から上方に向けた一定の領域に設けられている。なお、第1壁体40は、筐体10の側面10bに固定させる構成を有していてもよい。
【0039】
図8及び図9に示すように、第2壁体41は、第1壁体40の上端部から換気扇本体1と離れる方向に延びている。第2壁体41には、アンカーボルト203が挿入される連結孔41aが形成されている。図8及び図9に示すように、連結孔41aは、第2壁体41の先端部から第1壁体40に向かってU字状に切り欠いて形成されている。また、第2壁体41の先端部には、下方に向かって曲げられたストッパ部41bが形成されている。
【0040】
図1及び図2に示すように、各アンカーボルト203には、2つのナット42が上下に並べて取り付けられている。連結部材4は、2つのナット42の間に第2壁体41が配置されるように、連結孔41aにアンカーボルト203が挿入される。連結部材4は、ナット42が締め付けられることで、2つのナット42の間に第2壁体41が挟み込まれて、アンカーボルト203に取り付けられる。
【0041】
ストッパ部41bは、ナット42の締結状態が緩み、アンカーボルト203と連結部材4とが水平方向に相対的に移動した際に、上側のナット42に接触して連結孔41aからアンカーボルト203が抜けることを抑制する役割を果たしている。なお、ストッパ部41bは、第2壁体41の先端部から上方に向かって曲げられた構成でもよい。この場合には、ストッパ部41bは、上側のナット42に接触可能となる。
【0042】
図1に示すように、化粧グリル5は、設置孔200aを室内201側から覆うように配置される。化粧グリル5は、筐体10の内部に配置されたファン11などの内部部品が室内201から見えないように隠すための意匠部品である。これにより、室内201側から換気扇100を見たときの見栄えが損なわれない。図2に示すように、化粧グリル5は、室内201の空気が通過可能な格子部50と、格子部50の周縁に取り付けられたフレーム部51と、ファンケーシング12に固定させるためのスプリング52とを有している。図3に示すように、化粧グリル5は、ファンケーシング12に取り付けられているスプリング固定部品12cにスプリング52を引っ掛けることにより、ファンケーシング12に固定される。
【0043】
次に、本実施の形態にかかる換気扇100を天井200に設置する施工手順について説明する。先ず、図8に示すように、取付部材3の第2切起部33に連結部材4を取り付ける。連結部材4は、第2切起部33の引掛け部33aに掛止部40cを引っ掛け、第2切起部33の固定孔(図示省略)と固定孔40bとに挿入した固定部材43で第2切起部33に固定することで、取付部材3に取り付けられる。
【0044】
次に、図1に示すように、設置孔200aの開口縁に沿って取付部材3を配置し、天井裏202から吊り下げられたアンカーボルト203に連結部材4を取り付ける。連結部材4は、2つのナット42の間に第2壁体41が配置されるように、連結孔41aにアンカーボルト203が挿入される。連結部材4は、緩めに締め付けた2つのナット42に第2壁体41が挟み込まれることで、アンカーボルト203に仮固定される。そして、図2に示すように、天井裏202に設置した軽量鉄筋400に取付部材3を固定させる。取付部材3は、固定部材(図示省略)で固定金具35を軽量鉄筋400に取り付けることで、軽量鉄筋400に固定される。取付部材3を軽量鉄筋400に固定させた後、2つのナット42をきつく締め付けて、連結部材4をアンカーボルト203に本固定する。
【0045】
次に、取付部材3にダクト接続部材2を取り付ける。図11及び図12に示すように、ダクト接続部材2は、縦壁20のフランジ部20bの上面を平坦部30の下面に当接させて重ね合わせ、平坦部30の固定孔30bとフランジ部20bの固定孔20cとに固定部材9を挿入して、平坦部30とフランジ部20bとを接合することで、取付部材3に取り付けられる。
【0046】
ここで、本実施の形態にかかる換気扇100のように、ダクト接続部材2の接続部21にダクト300が接続される構成では、接続部21とダクト300とのラップ代が必要であるため、ラップ代の分だけ接続部21の長さを長くする必要がある。また、接続部21の内部には、風圧によって開閉するシャッタ6が設置されている。このため、図12(A)に示すように、ダクト接続部材2の縦壁20の下端部を取付部材3に取り付けると、接続部21及びシャッタ6の重量で、ダクト接続部材2が下端部を基点としてダクト300の接続側に大きく傾いてしまうおそれがある。ダクト接続部材2の傾きが大きいと縦壁20が目標の位置からずれた位置に配置されるため、取付部材3の内周側に挿入した換気扇本体1の側面10bとダクト接続部材2との接続作業が困難となる。換気扇本体1とダクト接続部材2との接続が不十分であると、風漏れによって換気風量が不足したり、天井200へ湿気漏れしたりするおそれがある。
【0047】
そこで、図11及び図12(B)に示すように、本実施の形態にかかる換気扇100では、第1切起部32に形成されたねじ孔32aにねじ部材からなる保持部7を挿入し、保持部7の先端部を縦壁20に突き当てて、縦壁20を筐体10の側面10b側に押し付ける。これにより、ダクト接続部材2の傾きを抑制することができるので、縦壁20を目標の位置に配置することができる。このとき、ねじ孔32aに挿入した保持部7の締結状態を調整することで、縦壁20を押し付ける強さを調整することができる。なお、締結状態を調整するとは、作業者が保持部7の締め付けトルクを変えることで、保持部7をきつく締結したり、緩く締結したりすることをいう。
【0048】
次に、換気扇本体1を天井200まで持ち上げて取付部材3の下方から取付部材3の内周側に挿入する。換気扇本体1がある程度の高さまで挿入されると、天面10aの外周縁に設けられた突起部10fが縦壁20の嵌合部20aに嵌め込まれる。本実施の形態にかかる換気扇100では、保持部7によってダクト接続部材2の傾きが抑制されているので、突起部10fが縦壁20の嵌合部20aに確実に嵌め込まれ、換気扇本体1をダクト接続部材2に容易に取り付けることができる。
【0049】
また、換気扇本体1がある程度の高さまで挿入されると、筐体10の側面10bに取り付けられた仮固定ばね10gが、第2切起部33に形成された凹状の支持部33bに引っ掛かり、換気扇本体1が取付部材3に支持される。これにより、換気扇本体1は、傾いたり、ガタついたりしても落下することがない。
【0050】
次に、換気扇本体1の取付フランジ部10dと取付部材3の平坦部30とを当接させて、取付フランジ部10dと平坦部30とを固定部材8で固定し、換気扇本体1を取付部材3に取り付ける。最後に、設置孔200aを下方から筐体10の吸気口10cを覆うように、天井200に化粧グリル5を設置する。化粧グリル5は、ファンケーシング12に設けられたスプリング固定部品12cにスプリング52を引っ掛けることにより、ファンケーシング12に固定される。
【0051】
以上のように、本実施の形態にかかる換気扇100は、室内201の空気を吸気する吸気口10cが形成されるとともに吸気した空気を排気する排気口10eが側面10bに形成された箱状の筐体10と、筐体10の内部に配置されたファン11とを有する換気扇本体1と、排気口10eに連通するように筐体10の側面10bに取り付けられて、ダクト300が接続されるダクト接続部材2と、設置孔200aの開口縁に沿って配置されて、換気扇本体1が内周側に挿入される枠状の取付部材3と、を備えている。ダクト接続部材2は、取付部材3に下端部が固定されて取付部材3から上方に向かって延び、筐体10の側面10bに取り付けられる縦壁20と、縦壁20から換気扇本体1と離れる方向に延びてダクトが接続される接続部21と、を有している。取付部材3の内周縁には、上方に向かって延びて縦壁20に対向する第1切起部32が設けられている。第1切起部32には、縦壁20に突き当たって該縦壁20を筐体10の側面10bに向かって押し付ける保持部7が設けられている。
【0052】
したがって、本実施の形態にかかる換気扇100は、接続部21及びシャッタ6の重量によってダクト接続部材2が排気口側に傾こうとしても、保持部7によって縦壁20が筐体10の側面10bに向かって押し付けられているので、ダクト接続部材2の傾きを抑制することができる。よって、本実施の形態にかかる換気扇100は、縦壁20を目標の位置に配置することができるので、取付部材3の内周側に挿入した換気扇本体1の側面10bにダクト接続部材2を確実に取り付けることができる。
【0053】
また、本実施の形態にかかる換気扇100は、天井200の上方に形成された天井裏202に吊り下げられたアンカーボルト203と取付部材3とを連結する連結部材4を、更に備えている。取付部材3は、平面視が四角形の枠状とされ、取付部材3の4辺の内周縁のうち、縦壁20が取り付けられる1つの辺に第1切起部32が設けられ、取付部材3の4辺の内周縁のうち、第1切起部32が設けられた辺と隣り合う2つの辺に第2切起部33が設けられている。第2切起部33には、連結部材4が取り付けられている。
【0054】
したがって、本実施の形態にかかる換気扇100は、取付部材3の4辺の内周縁のうち、ダクト接続部材2が取り付けられる1つの辺と隣り合う2つの辺に連結部材4が取り付けられるので、ダクト接続部材2を取り付けた取付部材3をアンカーボルト203にバランスよく安定させて取り付けることができる。
【0055】
また、第1切起部32は、保持部7が挿入されるねじ孔32aが形成されている。保持部7は、ねじ部材で構成され、ねじ孔32aに挿入された締結状態が調整されることで、縦壁20を押し付ける強さを調整可能に構成されている。よって、ダクト接続部材2の傾きが大きくても、縦壁20を押し付ける強さを調整することで、ダクト接続部材2の傾きを確実に抑制することができる。
【0056】
また、筐体10の上面には、突起部10fが設けられている。ダクト接続部材2には、突起部10fに嵌る嵌合部20aが設けられている。ダクト接続部材2は、取付部材3の内周側に挿入された換気扇本体1の嵌合部20aが突起部10fに嵌め合わされて、筐体10の側面10bに取り付けられている。したがって、本実施の形態にかかる換気扇100は、取付部材3の内周側に換気扇本体1を挿入するだけで、筐体10の側面10bにダクト接続部材2が取り付けられる。
【0057】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0058】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0059】
(付記1)
天井に形成された設置孔に嵌め込まれて前記天井に設置される換気扇であって、
室内の空気を吸気する吸気口が形成されるとともに吸気した空気を排気する排気口が側面に形成された箱状の筐体と、前記筐体の内部に配置されたファンとを有する換気扇本体と、
前記排気口に連通するように前記筐体の側面に取り付けられて、ダクトが接続されるダクト接続部材と、
前記設置孔の開口縁に沿って配置されて、前記換気扇本体が内周側に挿入される枠状の取付部材と、
を備え、
前記ダクト接続部材は、
前記取付部材に下端部が固定されて前記取付部材から上方に向かって延び、前記筐体の側面に取り付けられる縦壁と、前記縦壁から前記換気扇本体と離れる方向に延びてダクトが接続される接続部と、を有し、
前記取付部材の内周縁には、上方に向かって延びて前記縦壁に対向する第1切起部が設けられ、
前記第1切起部には、前記縦壁に突き当たって該縦壁を前記筐体の前記側面に向かって押し付ける保持部が設けられていることを特徴とする換気扇。
(付記2)
前記天井の上方に形成された天井裏に吊り下げられたアンカーボルトと前記取付部材とを連結する連結部材を、更に備え、
前記取付部材は、平面視が四角形の枠状とされ、
前記取付部材の4辺の内周縁のうち、前記縦壁が取り付けられる1つの辺に前記第1切起部が設けられ、
前記取付部材の4辺の内周縁のうち、前記第1切起部が設けられた辺と隣り合う2つの辺に第2切起部が設けられており、
前記第2切起部には、前記連結部材が取り付けられることを特徴とする付記1に記載の換気扇。
(付記3)
前記第1切起部は、前記保持部が挿入されるねじ孔が形成されており、
前記保持部は、ねじ部材で構成され、前記ねじ孔に挿入された締結状態が調整されることで、前記縦壁を押し付ける強さを調整可能に構成されていることを特徴とする付記1又は2に記載の換気扇。
(付記4)
前記筐体の上面には、突起部が設けられ、
前記ダクト接続部材には、前記突起部に嵌る嵌合部が設けられており、
前記ダクト接続部材は、前記取付部材の内周側に挿入された前記換気扇本体の前記嵌合部が前記突起部に嵌め合わされて、前記筐体の側面に取り付けられていることを特徴とする付記1から3のいずれか一つに記載の換気扇。
(付記5)
箱状の筐体と前記筐体の内部に配置されたファンとを有する換気扇本体が内周側に挿入されると共に、前記筐体の側面に取り付けられる縦壁とダクトが接続される接続部とを有するダクト接続部材が取り付けられる枠状の取付部材であって、
枠状の内周縁に形成され、上方に向かって延びて前記縦壁に対向する第1切起部と、
前記縦壁に突き当たって該縦壁を前記筐体の前記側面に向かって押し付ける保持部と、を有することを特徴とする取付部材。
(付記6)
平面視が四角形の枠状とされ、
4辺の内周縁のうち、1つの辺に前記第1切起部が設けられ、
前記取付部材の4辺の内周縁のうち、前記第1切起部が設けられた辺と直交する2つの辺に第2切起部がそれぞれ設けられており、
前記第2切起部には、天井構造から吊り下げられたアンカーボルトに取り付けられた連結部材が固定されることを特徴とする付記5に記載の取付部材。
(付記7)
前記第1切起部は、前記保持部が挿入されるねじ孔が形成されており、
前記保持部は、ねじ部材で構成され、前記ねじ孔に挿入された締結状態が調整されることで、前記縦壁を押し付ける強さを調整可能に構成されていることを特徴とする付記5又は6に記載の取付部材。
【符号の説明】
【0060】
1 換気扇本体、2 ダクト接続部材、3 取付部材、4 連結部材、5 化粧グリル、6 シャッタ、7 保持部、8,9,43 固定部材、10 筐体、10a 天面、10b 側面、10c 吸気口、10d 取付フランジ部、10e 排気口、10f 突起部、10g 仮固定ばね、10h,20c,30a,30b,40b 固定孔、11 ファン、12 ファンケーシング、12a 吸込口、12b 流出口、12c スプリング固定部品、12d,33b 支持部、12e 保護壁、13 モータ、13a シャフト、14 羽根、15 電源接続装置、16 端子カバー、16a 回転軸、16b 指引掛部、17 モータ電線、18 ブッシュ、20 縦壁、20a 嵌合部、20b,31 フランジ部、21 接続部、30 平坦部、32 第1切起部、32a ねじ孔、33 第2切起部、33a 引掛け部、34 第3切起部、35 固定金具、35a 長孔、40 第1壁体、40a 絞り部、40c 掛止部、41 第2壁体、41a 連結孔、41b ストッパ部、42 ナット、50 格子部、51 フレーム部、52 スプリング、100 換気扇、200 天井、200a 設置孔、201 室内、202 天井裏、203 アンカーボルト、300 ダクト、400 軽量鉄筋。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12