(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166770
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】天然有機物の搾汁残渣、抽出残渣の再利用技術
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20241122BHJP
A23L 19/00 20160101ALI20241122BHJP
A23L 27/60 20160101ALI20241122BHJP
A21D 2/36 20060101ALI20241122BHJP
A21D 13/80 20170101ALI20241122BHJP
A23G 3/36 20060101ALI20241122BHJP
A23G 3/34 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
A23L5/00 Z
A23L19/00 Z
A23L19/00 A
A23L27/60 A
A21D2/36
A21D13/80
A23G3/36
A23G3/34 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083101
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】598005661
【氏名又は名称】日新化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078813
【弁理士】
【氏名又は名称】上代 哲司
(74)【代理人】
【識別番号】100094477
【弁理士】
【氏名又は名称】神野 直美
(74)【代理人】
【識別番号】100099933
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 敏
(72)【発明者】
【氏名】坂本 浩
(72)【発明者】
【氏名】駒居 邦男
【テーマコード(参考)】
4B014
4B016
4B032
4B035
4B047
【Fターム(参考)】
4B014GG09
4B014GL11
4B016LC04
4B016LE02
4B016LE03
4B016LE04
4B016LG02
4B016LG05
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4B035LC16
4B035LE01
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4B047LB09
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4B047LG11
4B047LG27
4B047LG38
4B047LP07
4B047LP08
(57)【要約】
【課題】天然有機物の搾汁残渣や抽出残渣を、より安価に、また、より簡便に、さらに、より効率的に、経口用材料として有効利用する技術を提供する。
【解決手段】液状成分および固形成分を含有する天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を用いて、経口用材料ペーストを製造する経口用材料ペーストの製造方法であって、天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を、湿式で解砕して、固形成分を整粒することにより、経口用材料ペーストを製造する経口用材料ペーストの製造方法。前記経口用材料ペーストに、吸水性乾燥粉末および/または吸油性乾燥粉末を添加、混合して、経口用材料パウダーを製造する経口用材料パウダーの製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状成分および固形成分を含有する天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を用いて、経口用材料ペーストを製造する経口用材料ペーストの製造方法であって、
前記天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を、湿式で解砕して、前記固形成分を整粒することにより、経口用材料ペーストを製造することを特徴とする経口用材料ペーストの製造方法。
【請求項2】
前記搾汁残渣あるいは抽出残渣を、粒子径サイズ200μ以下に解砕、整粒することを特徴とする請求項1に記載の経口用材料ペーストの製造方法。
【請求項3】
前記解砕および整粒を、石臼式解砕整粒機を用いて行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の経口用材料ペーストの製造方法。
【請求項4】
前記石臼式解砕整粒機における下部回転グラインダーの外周速度が、10~65m/secであることを特徴とする請求項3に記載の経口用材料ペーストの製造方法。
【請求項5】
前記解砕および整粒に先立つ工程として、前記搾汁残渣あるいは抽出残渣を粗砕した後に、アルコール含有溶液に浸漬する工程が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の経口用材料ペーストの製造方法。
【請求項6】
前記アルコール含有溶液が、エタノール、泡盛、焼酎から選択された1種以上に、増粘剤が添加、溶解された溶液であることを特徴とする請求項5に記載の経口用材料ペーストの製造方法。
【請求項7】
前記増粘剤が、厚生労働省によって使用が認められている医薬品添加剤、食品添加剤、賦形剤から選択された1種以上の増粘剤であることを特徴とする請求項6に記載の経口用材料ペーストの製造方法。
【請求項8】
前記増粘剤が、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、デキストリン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、PVAコポリマー、キサンタンガムから選択された1種以上の増粘剤であることを特徴とする請求項6に記載の経口用材料ペーストの製造方法。
【請求項9】
前記増粘剤に加えて、さらに、食品添加用の界面活性剤を添加することを特徴とする請求項6に記載の経口用材料ペーストの製造方法。
【請求項10】
液状成分および固形成分を含有する天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を用いて、経口用材料パウダーを製造する経口用材料パウダーの製造方法であって、
請求項1または請求項2に記載の経口用材料ペーストの製造方法により得られた経口用材料ペーストに、吸水性乾燥粉末および/または吸油性乾燥粉末を添加、混合して、経口用材料パウダーを製造することを特徴とする経口用材料パウダーの製造方法。
【請求項11】
前記吸水性乾燥粉末および/または吸油性乾燥粉末の添加量が、前記経口用材料ペーストの20~90質量%であることを特徴とする請求項10に記載の経口用材料パウダーの製造方法。
【請求項12】
前記吸水性乾燥粉末または吸油性乾燥粉末が、厚生労働省によって使用が認められている医薬品添加剤、食品添加剤、賦形剤の内、澱粉、部分α化澱粉、結晶セルロース、崩壊剤から選択された1種以上であることを特徴とする請求項10に記載の経口用材料パウダーの製造方法。
【請求項13】
前記吸水性乾燥粉末または吸油性乾燥粉末が、結晶セルロースであることを特徴とする請求項10に記載の経口用材料パウダーの製造方法。
【請求項14】
前記吸水性乾燥粉末および/または吸油性乾燥粉末の添加、混合により形成された塊状粒子を、解砕、整粒する工程が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の経口用材料パウダーの製造方法。
【請求項15】
液状成分および固形成分を含有する天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を用いて、経口用粒体を製造する経口用粒体の製造方法であって、
請求項10に記載の経口用材料パウダーの製造方法により得られた経口用材料パウダーに、滑沢剤を添加した後、乾式直打することにより経口用粒体を製造することを特徴とする経口用粒体の製造方法。
【請求項16】
前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウムから選択された1種以上の滑沢剤であることを特徴とする請求項15に記載の経口用粒体の製造方法。
【請求項17】
前記滑沢剤の添加に加えて、厚生労働省によって使用が認められている粉末状食品添加剤粒子を、経口用材料パウダーの5~50質量%、添加することを特徴とする請求項15に記載の経口用粒体の製造方法。
【請求項18】
液状成分および固形成分を含有する天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を用いて、焼き菓子を製造する焼き菓子の製造方法であって、
請求項10に記載の経口用材料パウダーの製造方法により得られた経口用材料パウダーに、厚生労働省によって使用が認められている粉末状食品添加剤粒子を、経口用材料パウダーの5~50質量%添加した後、成形、焼成して焼き菓子を製造することを特徴とする焼き菓子の製造方法。
【請求項19】
液状成分および固形成分を含有する天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を用いて、ドレッシングを製造するドレッシングの製造方法であって、
請求項1または請求項2に記載の経口用材料ペーストの製造方法により得られた経口用材料ペーストに、界面活性剤および/または食用油を添加して、ドレッシングを製造することを特徴とするドレッシングの製造方法。
【請求項20】
前記食用油が、オリーブ油、ゴマ油、大豆油、トウモロコシ油、菜種油から選択される1種以上であることを特徴とする請求項19に記載のドレッシングの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然有機物の搾汁残渣、抽出残渣の再利用技術に関し、より詳しくは、天然有機物の搾汁残渣や抽出残渣を加工して、主として健康食品・サプリメント用経口用材料として有効利用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
果実類、薬草類、根菜類、野菜類などの農産物、あるいは、魚介類などの海産物のような、液状成分および固形成分を有する天然有機物を搾汁、抽出して、ジュースや、食品エキス、薬品などとして利用することが、従来より一般的になされているが、大量の搾汁残渣、抽出残渣(以下、単に「残渣」ともいう)が発生することが避けられない。
【0003】
現状、これらの残渣は、一部が飼料として利用される他は、大部分が廃棄もしくは焼却処理されている。しかしながら、これの残渣には、未だ、略40~65質量%の固形成分が残っており、多量の有用成分も含有されている。例えば、果実類の搾汁残渣である果皮には、果汁に比較し1.0~1.5倍程度の有用成分が残存している。
【0004】
そこで、近年の省資源に対する意識の高まりとも相俟って、これら残渣に残る有用成分を再利用して、例えば、食品を含む健康食品・サプリメント用経口用材料とし、有効利用することが検討されている。そして、このような有用成分の有効活用は、地場産業を活性化する方策としても重要であり、繁忙期に冷蔵または冷凍保存しておいた残渣を、農閑期に処理することで、年間を通じた作業とすることができるため、地場産業の活性化のみならず、経口用材料やそれを用いた製品の製造コストの低減にも、大きく寄与することができると考えられる。
【0005】
このような経口用材料には、食感の好ましさや消化のし易さ、有用成分の吸収し易さなどが要求されるが、残渣の形状は、通常、塊状であるため、このような要求に応えるためには、残渣を適切な形態に加工する必要があり、そのための技術が種々提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、リンゴの搾汁残渣を乾燥した食品組成物が提案されている。そして、特許文献2には、シークァーサーの搾汁カスおよび/または果実をミキシング・煮沸して、ペースト化することが提案されている。また、特許文献3には、野菜や果物・果菜などを細破砕し、圧搾した後の野菜搾汁残渣または果物・果菜搾汁残渣とアルコール含有残渣との混合物から得られる植物繊維を再生食品原料として活用することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭61-260846号公報
【特許文献2】特開2010-161993号公報
【特許文献3】特開2002-325547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記した各技術は、残渣の加工に際して、使用エネルギーの増加、作業の煩雑さ、装置の大型化など、種々の課題を有しており、新たな技術の提案が望まれている。
【0009】
即ち、特許文献1に示された技術の場合には、搾汁残渣の乾燥のために、乾燥機器と乾燥工程とが必要となり、使用エネルギーの増加、作業の煩雑さ、装置の大型化が避けられない。そして、特許文献2に示された技術の場合にも、煮沸のために、煮沸機器と煮沸工程とが必要となり、使用エネルギーの増加、作業の煩雑さ、装置の大型化が避けられない。さらに、特許文献3に示された技術の場合には、野菜などを細破砕した後、アルコール含有残渣を配合するため、作業の煩雑さに加えて、高価になり用途も制限される。
【0010】
そこで、本発明は、天然有機物の搾汁残渣や抽出残渣を、より安価に、また、より簡便に、さらに、より効率的に、経口用材料として有効利用する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題の解決について鋭意検討を行い、以下に記載する発明により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
請求項1に記載の発明は、
液状成分および固形成分を含有する天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を用いて、経口用材料ペーストを製造する経口用材料ペーストの製造方法であって、
前記天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を、湿式で解砕して、前記固形成分を整粒することにより、経口用材料ペーストを製造することを特徴とする経口用材料ペーストの製造方法である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、
前記搾汁残渣あるいは抽出残渣を、粒子径サイズ200μ以下に解砕、整粒することを特徴とする請求項1に記載の経口用材料ペーストの製造方法である。
【0014】
請求項3に記載の発明は、
前記解砕および整粒を、石臼式解砕整粒機を用いて行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の経口用材料ペーストの製造方法である。
【0015】
請求項4に記載の発明は、
前記石臼式解砕整粒機における下部回転グラインダーの外周速度が、10~65m/secであることを特徴とする請求項3に記載の経口用材料ペーストの製造方法である。
【0016】
請求項5に記載の発明は、
前記解砕および整粒に先立つ工程として、前記搾汁残渣あるいは抽出残渣を粗砕した後に、アルコール含有溶液に浸漬する工程が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の経口用材料ペーストの製造方法である。
【0017】
請求項6に記載の発明は、
前記アルコール含有溶液が、エタノール、泡盛、焼酎から選択された1種以上に、増粘剤が添加、溶解された溶液であることを特徴とする請求項5に記載の経口用材料ペーストの製造方法である。
【0018】
請求項7に記載の発明は、
前記増粘剤が、厚生労働省によって使用が認められている医薬品添加剤、食品添加剤、賦形剤から選択された1種以上の増粘剤であることを特徴とする請求項6に記載の経口用材料ペーストの製造方法である。
【0019】
請求項8に記載の発明は、
前記増粘剤が、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、デキストリン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、PVAコポリマー、キサンタンガムから選択された1種以上の増粘剤であることを特徴とする請求項6に記載の経口用材料ペーストの製造方法である。
【0020】
請求項9に記載の発明は、
前記増粘剤に加えて、さらに、食品添加用の界面活性剤を添加することを特徴とする請求項6に記載の経口用材料ペーストの製造方法である。
【0021】
請求項10に記載の発明は、
液状成分および固形成分を含有する天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を用いて、経口用材料パウダーを製造する経口用材料パウダーの製造方法であって、
請求項1または請求項2に記載の経口用材料ペーストの製造方法により得られた経口用材料ペーストに、吸水性乾燥粉末および/または吸油性乾燥粉末を添加、混合して、経口用材料パウダーを製造することを特徴とする経口用材料パウダーの製造方法である。
【0022】
請求項11に記載の発明は、
前記吸水性乾燥粉末および/または吸油性乾燥粉末の添加量が、前記経口用材料ペーストの20~90質量%であることを特徴とする請求項10に記載の経口用材料パウダーの製造方法である。
【0023】
請求項12に記載の発明は、
前記吸水性乾燥粉末または吸油性乾燥粉末が、厚生労働省によって使用が認められている医薬品添加剤、食品添加剤、賦形剤の内、澱粉、部分α化澱粉、結晶セルロース、崩壊剤から選択された1種以上であることを特徴とする請求項10に記載の経口用材料パウダーの製造方法である。
【0024】
請求項13に記載の発明は、
前記吸水性乾燥粉末または吸油性乾燥粉末が、結晶セルロースであることを特徴とする請求項10に記載の経口用材料パウダーの製造方法である。
【0025】
請求項14に記載の発明は、
前記吸水性乾燥粉末および/または吸油性乾燥粉末の添加、混合により形成された塊状粒子を、解砕、整粒する工程が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の経口用材料パウダーの製造方法である。
【0026】
請求項15に記載の発明は、
液状成分および固形成分を含有する天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を用いて、経口用粒体を製造する経口用粒体の製造方法であって、
請求項10に記載の経口用材料パウダーの製造方法により得られた経口用材料パウダーに、滑沢剤を添加した後、乾式直打することにより経口用粒体を製造することを特徴とする経口用粒体の製造方法である。
【0027】
請求項16に記載の発明は、
前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウムから選択された1種以上の滑沢剤であることを特徴とする請求項15に記載の経口用粒体の製造方法である。
【0028】
請求項17に記載の発明は、
前記滑沢剤の添加に加えて、厚生労働省によって使用が認められている粉末状食品添加剤粒子を、経口用材料パウダーの5~50質量%、添加することを特徴とする請求項15に記載の経口用粒体の製造方法である。
【0029】
請求項18に記載の発明は、
液状成分および固形成分を含有する天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を用いて、焼き菓子を製造する焼き菓子の製造方法であって、
請求項10に記載の経口用材料パウダーの製造方法により得られた経口用材料パウダーに、厚生労働省によって使用が認められている粉末状食品添加剤粒子を、経口用材料パウダーの5~50質量%添加した後、成形、焼成して焼き菓子を製造することを特徴とする焼き菓子の製造方法である。
【0030】
請求項19に記載の発明は、
液状成分および固形成分を含有する天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を用いて、ドレッシングを製造するドレッシングの製造方法であって、
請求項1または請求項2に記載の経口用材料ペーストの製造方法により得られた経口用材料ペーストに、界面活性剤および/または食用油を添加して、ドレッシングを製造することを特徴とするドレッシングの製造方法である。
【0031】
請求項20に記載の発明は、
前記食用油が、オリーブ油、ゴマ油、大豆油、トウモロコシ油、菜種油から選択される1種以上であることを特徴とする請求項19に記載のドレッシングの製造方法である。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、天然有機物の搾汁残渣や抽出残渣を、より安価に、また、より簡便に、さらに、より効率的に、経口用材料として有効利用する技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、天然の搾汁残渣や抽出残渣を再利用するにあたって、まず、残渣をペースト化し、さらにパウダー化することにより製造された経口用材料を用いて、経口用粒体や、焼き菓子、ドレッシングなどの製品を製造するものであり、以下、残渣のペースト化、パウダー化、製品への展開の順に、具体的な実施の形態として説明する。
【0034】
[1]第1の実施の形態
本実施の形態では、液状成分および固形成分を含有する天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を用いて、経口用材料ペーストを製造する。
【0035】
具体的には、天然有機物の搾汁残渣あるいは抽出残渣を、湿式で解砕して、前記固形成分を整粒することにより、経口用材料ペーストを製造する。
【0036】
前記したように、従来の技術では、塊状の残渣に対して、予め、乾燥や加熱などの処理を施し、その後、粉砕処理を行っていたが、乾燥後の残渣には油分や糖蜜類等も含有されているため、粉砕中に油分や糖蜜類が滲み出して粘着性を発現し、装置内の壁面や装置部品に固着する場合があった。そして、固着の程度によっては、粉砕機が停止し操作不能となる恐れもあるため、粉砕作業中であっても、装置内の壁面や装置の部品を頻繁に清掃する必要があり、作業が煩雑とならざるを得なかった。また、製造コストが上昇することも避けられない。
【0037】
そして、粉砕処理は、ハンマーミルやピンミルなど大きな出力の粉砕機を用いて、素材に強い衝撃力、せん断力を加えて粉砕する処理であるため、粉砕に伴って発熱する恐れがあり、その発熱により有用成分が変質する恐れもある。そして、所望するサイズを超えて粉砕(過粉砕)される恐れがある。また、粉砕処理を乾式で行った場合には、粉砕された粉末が、衝撃力や静電気帯電に起因する着火源により粉塵爆発を起こす懸念もある。
【0038】
粉砕処理の具体的な一例として、回転数が8000~12000rpm(周速:約80~120m/sec)の粉砕機を用いて、乾燥ヨモギの粉砕を行う場合、ふわふわのもぐさ状になるが、高速であるため、発熱が避けられず、場合によっては、強い衝撃力や静電気帯電に起因する着火源により粉塵爆発する懸念がある、また、過粉砕により、50μm以下の微粒子が生成することもあり、このような微粒子は、流動性が悪く、二次凝集しやすいため、色むら、斑点の生成を招く恐れがある。
【0039】
これに対して、本実施の形態においては、乾燥や加熱処理することなく、残渣をそのまま湿式によって解砕、整粒しているため、上記したような問題が発生することがなく、残渣を、より安価に、また、より簡便に、さらに、より効率的に、経口用材料ペーストを製造することができ、後述する経口用粒体や、焼き菓子、ドレッシングの原料として好ましく使用することができる。特に、本発明方法によれば、乾燥工程(乾燥設備)を省略することができるため、製造コストに占める割合が最も高いエネルギーが削減でき、製造コストの削減が可能となる。
【0040】
即ち、解砕整粒処理は、素材に弱い衝撃力、せん断力、押しつぶし、摺りつぶし、あるいは摩擦力などを加えて大きな粒子を所望するサイズにまでほぐして(解砕)、整粒する操作であるため、大きな出力の装置を必要としない。この結果、大きな発熱の発生を抑えることができ、有用成分の変質を招くこともない。また、必要以上に粉砕(過粉砕)されることがないため、所望するサイズに揃えられた、即ち、整粒された解砕物を、効率的に得ることができる。
【0041】
解砕整粒処理に使用される具体的な機械・装置としては、例えば、石臼式解砕整粒機や擂潰機などの摩砕機、インペラー型解砕整粒機(コーミル)などを挙げることができるが、前記した食感の好ましさや消化のし易さ、有用成分の吸収し易さなど、経口用材料に要求される特性を考慮すると、これらの機械の内でも、「スーパーマスコロイダー」(増幸産業株式会社製)などの石臼式解砕整粒機を使用することが好ましい。また、解砕、整粒された残渣のサイズ(粒径)は、200μm以下であることが好ましい。
【0042】
即ち、石臼式解砕整粒機は、接触面に目が刻み込まれた上下一組の円形の石(グラインダー)で構成され、上部の固定グラインダーの投入口から投入された原料が、下部回転グラインダー接触面を円周の外側に向かって進みながら、大きさが不揃いの原料粒子中大きな粒子から優先的にせん断力や摩擦力を受けて解砕されるため、必要以上に粉砕(過粉砕)されることがなく、所望するサイズ(粒径)、好ましくは、200μm以下の粒径に整粒された解砕を、効率的に行うことができる。
【0043】
このとき、回転する下部グラインダーの外周速度は、10~65m/secであることが好ましく、強い衝撃力のハンマーミルやピンミル(外周速度=80~120m/sec)に比較して低速であり、このような適度な外周速度とすることにより、解砕や整粒に際しての発熱を適切に抑制できるため、発熱に伴う匂いの発生や有用成分の変質などを防止でき、風味が損なわれることもなく、品質の安定化を図ることができる。
【0044】
そして、本実施の形態においては、解砕および整粒を湿式で行っているため、解砕や整粒に際しての発熱をさらに抑制することができると共に、解砕整粒物による粉塵爆発などの危険性を回避することができる。なお、必要に応じて、得られる経口用材料ペーストのかたさ調整のために、適宜、解砕整粒時、水を追加してもよい。
【0045】
残渣の内には、有用成分としてクルクミンを含む生ウコン残渣のように、吸収率の悪い有用成分を含有する残渣もある。また、天然有機物の残渣は、環境やシーズンによって有用成分の組成がばらつく場合がある。このような残渣に対しては、解砕に先立って、残渣を粗砕し、さらに、アルコール含有溶液に浸漬する。これにより、有用成分の組成の均質化を図ることができると共に、吸収率の悪い有用成分をアルコール含有溶液中に溶出させることができるため、有用成分の吸収率の向上が期待できる。
【0046】
具体的なアルコール含有溶液としては、エタノール、泡盛、焼酎などに、厚生労働省によって使用が認められている医薬品添加剤、食品添加剤、賦形剤などが増粘剤として添加、溶解されたアルコール含有溶液であり、例えばヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、デキストリン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、PVAコポリマー、キサンタンガムから選択された1種以上の増粘剤が添加、溶解されたアルコール含有溶液を挙げることができる。なお、必要に応じて、ショ糖脂肪酸エステルやレシチンなど、食品添加用の界面活性剤を、残渣に対して20%以下、さらに添加してもよく、これにより、有用成分の表面改質を図って組成のさらなる均質化が行われると共に、吸収率のさらなる向上が期待できる。
【0047】
アルコール含有溶液へ浸漬する時間は、残渣に残る有用成分の含有量や溶出率に対応して、適宜、決定することになるが、通常は、30分~数か月間である。
【0048】
[2]第2の実施の形態
本実施の形態では、第1の実施の形態において得られた経口用材料ペーストを用いて、経口用材料パウダーを製造する。
【0049】
具体的には、経口用材料ペーストに、吸水性乾燥粉末および/または吸油性乾燥粉末を添加、混合して、経口用材料パウダーを製造する。
【0050】
吸水性乾燥粉末や吸油性乾燥粉末を添加、混合することにより、液状の経口用材料ペーストに含まれる水分や油分がこれらの乾燥粉末に吸収されて粉体化するため、粉体化のための乾燥が不要となるとともに、適度な水分や油分が含有された経口用材料パウダーを得ることができ、残渣を、より安価に、また、より簡便に、さらに、より効率的に処理することができる。
【0051】
このとき、吸水機能や吸油機能が低い乾燥粉末を使用すると、粉体化のために大量の乾燥粉末が必要となり、得られた経口用材料パウダーにおける有用成分含有量が少なくなり、残渣の有効利用の妨げとなるため、吸水機能や吸油機能が高い乾燥粉末を用いることが好ましい。
【0052】
本実施の形態において、吸水性乾燥粉末や吸油性乾燥粉末の添加量は、経口用材料ペーストに含有される水分量や油分量を考慮して、適宜決定すればよいが、通常は、経口用材料ペーストの20~90質量%であることが好ましく、これにより、成形(打錠)に適した水分である、1.0~5.0%の水分量、油分量の経口用材料パウダーとすることができる。
【0053】
具体的な吸水性乾燥粉末や吸油性乾燥粉末としては、澱粉、部分α化澱粉、結晶セルロース、崩壊剤など、厚生労働省によって使用が認められている医薬品添加剤または食品添加剤、賦形剤が好ましく使用でき、これらの内でも、結晶セルロースが特に好ましい。
【0054】
得られた経口用材料パウダーのサイズ(粒径)が、200μm超であると、最終製品における食感の好ましさや消化のし易さ、有用成分の吸収し易さなどに問題があるため、吸水性乾燥粉末や吸油性乾燥粉末混合後の経口用材料パウダーが200μm超のサイズ(粒径)の塊状粒子となった場合には、さらに、解砕、整粒することが好ましい。
【0055】
具体的には、経口用材料ペーストの製造の場合と同じ石臼式解砕整粒機を用いて、適切な運転条件の下、解砕、整粒することにより、サイズ(粒径)180μm程度、水分量1.0~5.0%の経口用材料パウダーを得ることができる。
【0056】
なお、残渣の固形成分に油分や糖蜜類等が含有されて粉砕中に油分や糖蜜類が滲み出す恐れがある場合には、吸水性や吸油性に優れた添加剤粒子を添加、混合して、固形成分の表面に1回以上被覆させることが好ましい。これにより、油分や糖蜜類の滲み出しを適切に抑制して、装置内の壁面や装置部品への固着の発生を適切に抑制することができる。
【0057】
[3]第3の実施の形態
本実施の形態では、第2の実施の形態において得られた経口用材料パウダーを原料として、最終製品として、経口用粒体、焼き菓子類、および、ドレッシング類を製造する。
【0058】
1.経口用粒体
経口サプリメントなど、錠剤形状の経口用粒体は、第2の実施の形態において得られた経口用材料パウダーに、滑沢剤を添加した後、打錠機を用いて乾式直打すること(錠剤化)により得ることができる。
【0059】
具体的な滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウムなどを挙げることができ、これらから選択された1種以上を使用する。また、厚生労働省によって使用が認められている粉末状食品添加剤粒子を、経口用材料パウダーに対して5~50質量%、添加してもよい。
【0060】
このとき、経口用材料パウダーのサイズ(粒径)は、適度に整粒されているため、消化のし易さや有用成分の吸収し易さなどが十分に確保された経口用粒体を、安価に提供することができる。
【0061】
なお、必要に応じて、その他の経口用機能性材料を添加して、複合経口用粒体としてもよい。
【0062】
2.焼き菓子
ビスケットやクッキー、せんべい、あられなどの焼き菓子は、第2の実施の形態において得られた経口用材料パウダーを、通常の製菓材料に添加し、成形、焼成する
【0063】
具体的には、第2の実施の形態において得られた経口用材料パウダーに、厚生労働省によって使用が認められている粉末状食品添加剤粒子を、経口用材料パウダーの5~50質量%、添加した後、成形、焼成して焼き菓子を製造する。
【0064】
このとき、経口用材料パウダーのサイズ(粒径)は、前記したように、200μm以下に整粒されているため、食感の良さや消化のし易さなどが十分に確保された焼き菓子を、安価に提供することができる。
【0065】
3.ドレッシング
ドレッシングは、第1の実施の形態において得られた経口用材料ペーストに、食用油等の通常のドレッシング材料を添加することにより得ることができる。
【0066】
具体的には、第1の実施の形態において得られた経口用材料ペーストに、界面活性剤および/または食用油を添加、混合して、ドレッシングを製造する。
【0067】
食用油としては、通常のドレッシングにも使用されているオリーブ油、ゴマ油、大豆油、トウモロコシ油、菜種油から選択される1種以上を使用することが好ましい。また、風味を向上させるため、蜂蜜などの甘味料、泡盛、焼酎、醸造酒などのアルコール飲料、および醸造酢などを適量添加混合してもよい。
【0068】
このとき、経口用材料パウダーのサイズ(粒径)は、前記したように、200μm以下に整粒されているため、食感の良さや消化のし易さなどが十分に確保されたドレッシングを、安価に提供することができる。
【実施例0069】
[1]実施例1
本実施例は、柑橘類の搾汁残渣から経口用材料ペーストおよび経口用材料パウダーを製造する実施例である。
【0070】
1.経口用材料ペースト
柚子を搾汁した後の残渣(水分量:約75質量%)6.0kgに、約2.7kgの水を加えて、石臼式解砕整粒機(増幸産業株式会社製の「スーパーマスコロイダー」:MKZ10-20JMαIV-PH型)を用いて、下部回転グラインダー外周部の周速を39.88m/secにして、湿式で、10分間、解砕、整粒し、粒子径100μmに整粒された経口用材料ペースト8.7kgを得た(水分量:約82.8質量%)。
【0071】
2.経口用材料パウダー
上記1で得られた経口用材料ペースト8.7kgに、吸水性乾燥粉末として、旭ケミカル株式会社製の部分α化澱粉4.8kgを添加混合して、水分量が約53.3質量%となるようにした後、乾燥させて、水分量約6.0%の経口用材料パウダー6.7kgを得た。
【0072】
得られた経口用材料パウダーは、塊状粒子も含有されていたため、解砕整粒機を用いて、下部回転グラインダー周速47.85m/secで5分間、解砕、整粒し、粒子径約105μmに整粒されたサラサラ状粉末(水分量:約4.9質量%)の経口用材料パウダー6.7kgを得た。
【0073】
[2]実施例2
本実施例は、塊状粒子を有するウコン(根茎)の搾汁残渣から経口用材料ペーストおよび経口用材料パウダーを製造する実施例である。
【0074】
1.経口用材料ペースト
ウコン(根茎・未乾燥)2.0kgを粗砕(スライス)して、43度の泡盛1000mlに5時間浸漬した。その後、実施例1と同じ石臼式解砕整粒機を用いて、下部回転グラインダー外周部の周速を47.85m/secとして、湿式で、解砕、整粒し、粒子径約180μmに整粒された経口用材料ペースト2.80kgを得た(水分量:約82.8質量%)。
【0075】
上記1で得られた経口用材料ペースト2.7kgに、別工程で解砕整粒した乾燥ウコン粉末1.0kgを43度泡盛(1000ml)に24時間浸漬した液を、株式会社パウレック社製:VG-25型なる攪拌装置を用い、滴下・撹拌混合した後に、さらに粉末状ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-SL)1.7kgを混合/分散し,その後さらに増幸産業株式会社製石臼式解砕整粒装置「スーパーマスコロイダー」(α-IV-PH型)を用いて均一分散(下部回転グラインダー周速47.85m/secで5分間、解砕、整粒し、粒子径約110μm)の食感や溶解性、打錠性に優れた粒子径約200μm以下の経口用材料ペースト6.2kgを得た。
【0076】
2.経口用材料パウダー
上記1で得られた経口用材料ペースト2.80kgに、部分α化澱粉2.0kgと粉末状ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-SL)1.0kgを軽く混合した。そして、混合班解消のために、さらに「スーパーマスコロイダー」(登録商標)を用い1分間、解砕、整粒することにより、溶解性や打錠性に優れた粒子径約200μm以下に整粒され、水分量約4.0質量%の経口用材料パウダー5.8kgを得た。
【0077】
[3]実施例3
本実施例は、柑橘類の搾汁残渣から経口用材料ペーストおよび経口用材料パウダーを製造する別の実施例である。
【0078】
1.経口用材料ペースト
柚子を搾汁した後のやや団子状の残渣(水分量:約75質量%)6.0kgに、約2.7kgの水を加えて、石臼式解砕整粒機(増幸産業株式会社製の「スーパーマスコロイダー」:MKZ10-20JMαIV-PH型)を用いて、下部回転グラインダー外周部の周速を47.85m/secにして、湿式で、3分間、解砕、整粒し、粒子径200μmに整粒された経口用材料ペースト8.7kgを得た(水分量:約82.8質量%)。
【0079】
2.経口用材料パウダー
上記1で得られた経口用材料ペースト8.7kgに、旭ケミカル株式会社製の部分α化澱粉(PCS)4.8kgを添加混合して、パサパサ状の混合物13.5kgとした後、さらに、部分α化澱粉6.5kgを混合・解砕整粒し、水分量約7.4%の経口用材料パウダー20kgを得た。
【0080】
得られた経口用材料パウダーは、塊状粒子も含有されていたため、同じ解砕整粒機を用いて、グラインダー周速39.88m/secで5分間、解砕、整粒し、水分量約7.4%で粒子径約107μmに整粒されたサラサラ状の経口用材料パウダー20kgを得た。以降は得られた20kgの資料を小分けして使用する。
【0081】
得られた経口用材料パウダー6.8kgに、大同化成工業株式会社製のPVAコポリマー「POVACOAT」(登録商標)1.9kgを添加・混合して、さらに解砕、整粒(下部回転グラインダー周速:47.85m/sec)にして、3分間、解砕、整粒し、粒子径約200μm以下に整粒された経口用材料パウダー8.7kgを得た。
【0082】
3.最終製品
(1)経口用粒体-1
上記2で得られた経口用材料パウダー20kgの内から2.95kgを取り出し、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.05kgを添加した後、株式会社菊水製作所製の打錠機(型番:LEL5型)を用いて、圧力14kNで乾式打錠することにより、硬度48Nの粒状の経口用粒体を得た。
【0083】
(2)経口用粒体-2
上記2で得られた経口用材料パウダー20kgの内から2.95kgを取り出し、滑沢剤としてフマル酸ステアリルナトリウム0.05kgを添加した後、上記(1)と同様に、乾式打錠することにより、硬度50Nの粒状の経口用粒体を得た。
【0084】
(3)ドレッシング
上記1で得られた経口用材料ペースト8.7kgの内から2.5kgを取り出し、油分としてオリーブ油を等量(2.5kg)、界面活性剤としてのポリソルベート80を0.1kg添加、混合して、ドレッシング5.0kgを得た。
【0085】
以上の実施例より、本発明によれば、これまで、大部分を廃棄せざるを得なかった天然の搾汁残渣や抽出残渣を、より安価に、また、より簡便に、さらに、より効率的に再利用して、新たに、経口用粒体や、焼き菓子、ドレッシングなどの原材料として使用することができるため、廃棄ロスの削減などの省資源に対して、大きく寄与することができることが確認できた。
【0086】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。なお、本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。