(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166802
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】塵芥収集車及び塵芥収集装置
(51)【国際特許分類】
B65F 3/00 20060101AFI20241122BHJP
B60P 3/00 20060101ALI20241122BHJP
B60R 1/26 20220101ALI20241122BHJP
【FI】
B65F3/00 L
B60P3/00 Q
B60R1/26 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083150
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】岡野 啓一
(72)【発明者】
【氏名】秋山 優二
(72)【発明者】
【氏名】今岡 大策
(72)【発明者】
【氏名】柏原 一仁
(72)【発明者】
【氏名】木原 柊平
【テーマコード(参考)】
3E024
【Fターム(参考)】
3E024AA04
3E024BA02
3E024CA05
3E024HB03
3E024HD05
3E024HE01
(57)【要約】
【課題】塵芥投入口の近傍と車両の後方を監視することが可能であり、且つ故障が少ない塵芥収集車を提供することを課題とする。
【解決手段】車体と、車体に搭載された塵芥収集装置11によって構成される塵芥収集車であって、塵芥収集装置11は、塵芥を収納する塵芥収容箱12と、積込装置18と、塵芥投入口17を有し、積込装置18は、塵芥投入口17から投入された物を前記塵芥収容箱12に送り込む積み込み動作を実施する。第一撮影手段40と、第二撮影手段42と、撮影手段を支持する支持部材43とを有し、支持部材43は、塵芥収集装置11から突出し、第一撮影手段40は塵芥投入口17の近傍を撮影エリアとするものであり、第二撮影手段42は、車体の後方を撮影エリアとする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、車体に搭載された塵芥収集装置によって構成される塵芥収集車であって、前記塵芥収集装置は、塵芥を収納する塵芥収容箱と、積込装置と、塵芥投入口を有し、前記積込装置は、前記塵芥投入口から投入された物を前記塵芥収容箱に送り込む積み込み動作を実施するものであり、
第一撮影手段と、第二撮影手段と、前記撮影手段を支持する支持部材とを有し、前記支持部材は、前記塵芥収集装置から突出し、
前記第一撮影手段は前記塵芥投入口の近傍を撮影エリアとするものであり、前記第二撮影手段は、車体の後方を撮影エリアとするものであることを特徴とする塵芥収集車。
【請求項2】
前記塵芥収集装置は、天面壁と側面壁と後面壁を有し、前記支持部材は前記後面壁に設けられていて当該後面壁から斜め上方に突出するものであって、前記支持部材の後端側に略水平姿勢となる水平部があり、前記水平部に前記第一撮影手段が設けられており、前記支持部材の後端に第二撮影手段が設けられており、
前記第一撮影手段は光軸を略下方向に向けた姿勢で取り付けられており、前記第二撮影手段は、光軸を略水平方向に向けた姿勢で取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の塵芥収集車。
【請求項3】
前記第一撮影手段で撮影された第一画像及び/又は前記第二撮影手段で撮影された第二画像を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1に記載の塵芥収集車。
【請求項4】
前記第一撮影手段で撮影された第一画像及び前記第二撮影手段で撮影された第二画像を表示する表示手段を有し、状況に応じて当該表示手段の表示が前記第一画像と前記第二画像のいずれかに切り替わることを特徴とする請求項1に記載の塵芥収集車。
【請求項5】
少なくとも前記積込装置が動作中には前記表示手段に前記第一画像が表示されることを特徴とする請求項4に記載の塵芥収集車。
【請求項6】
第一撮影手段のレンズ焦点距離と、第二撮影手段のレンズ焦点距離が異なることを特徴とする請求項1に記載の塵芥収集車。
【請求項7】
車体に搭載される塵芥収集装置であって、塵芥を収納する塵芥収容箱と、積込装置と、塵芥投入口を有し、前記積込装置は、前記塵芥投入口から投入された物を前記塵芥収容箱に送り込む積み込み動作を実施するものであり、
第一撮影手段と、第二撮影手段と、前記撮影手段を支持する支持部材とを有し、前記支持部材は、前記塵芥収集装置から突出し、
前記第一撮影手段は前記塵芥投入口の近傍を撮影エリアとするものであり、前記第二撮影手段は、車体の後方を撮影エリアとするものであることを特徴とする塵芥収集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵芥等を収集して運搬する塵芥収集車に関するものである。また本発明は、塵芥収集車の主要構成たる塵芥収集装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭から排出される一般ごみや、飲食店等から排出される生ゴミ等を収集する装置として、塵芥収集車が知られている。
塵芥収集車は車体に塵芥収集装置が搭載されたものである。塵芥収集装置は、塵芥等を収容する塵芥収容箱と塵芥等を塵芥収容箱に押し入れる積込装置を有している。
塵芥収集装置の後端には塵芥投入口があり、作業者によって塵芥投入口から塵芥等が投入される。そして積込装置によって塵芥等が塵芥収容箱に押し入れられる。
【0003】
積込装置は、塵芥等を掻き入れるものであるため、作業者が巻き込まれる懸念がある。特許文献1に開示された塵芥収集車では、作業者が積込装置に巻き込まれることを防止するための監視カメラが搭載されている。
即ち監視カメラで塵芥投入口の近傍を監視し、作業者が過度に塵芥投入口に近づくと、積込装置が停止する。
【0004】
特許文献1に開示された塵芥収集車は、後方を確認するためのバックカメラを利用して塵芥投入口の近傍を監視する構成が開示されている。
即ち特許文献1に開示された塵芥収集車では、塵芥投入口の扉とカメラの間がワイヤ等で繋がれており、塵芥投入口の扉の開閉に伴ってカメラの向きが変わる。
具体的には、塵芥投入口の扉を開くとカメラが下向き姿勢となり、主として塵芥投入口の近傍を監視する。塵芥投入口の扉を閉じるとカメラが水平姿勢となり主として車体の後方を監視する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された塵芥収集車は、カメラの姿勢を変更して塵芥投入口の近傍と車体の後方の双方を監視する。
しかしながら特許文献1に開示された塵芥収集車は、カメラ自体が動くので、カメラが姿勢変更する途中で何らかの物に引っ掛かりを起こす懸念がある。
塵芥収集車は例えば木の枝等の長い物や、段ボール箱の様なかさばる物を押し入れる場合がある。そのため木の枝等や段ボールがカメラの移動軌跡に挟まってしまう懸念がある。また塵芥投入口の周囲に塵芥が浮遊していることもある。そのため浮遊する塵芥がカメラの移動軌跡に挟まってしまうこともある。
このような理由から、特許文献1に開示された塵芥収集車は、故障しやすいという問題がある。
【0007】
本発明は、従来技術の上記した問題を解決するものであり、塵芥投入口の近傍と車体の後方を監視することが可能であり、且つ故障が少ない塵芥収集車及び塵芥収集装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するための態様は、車体と、車体に搭載された塵芥収集装置によって構成される塵芥収集車であって、前記塵芥収集装置は、塵芥を収納する塵芥収容箱と、積込装置と、塵芥投入口を有し、前記積込装置は、前記塵芥投入口から投入された物を前記塵芥収容箱に送り込む積み込み動作を実施するものであり、第一撮影手段と、第二撮影手段と、前記撮影手段を支持する支持部材とを有し、前記支持部材は、前記塵芥収集装置から突出し、前記第一撮影手段は前記塵芥投入口の近傍を撮影エリアとするものであり、前記第二撮影手段は、車体の後方を撮影エリアとするものであることを特徴とする塵芥収集車である。
【0009】
本態様の塵芥収集車は、塵芥投入口の近傍を監視する撮影手段と、車体の後方を監視する撮影手段を個別に有している。本態様の塵芥収集車では、撮影手段を動かす必要が無いので、故障が少ない。
【0010】
上記した態様において、前記塵芥収集装置は、天面壁と側面壁と後面壁を有し、前記支持部材は前記後面壁に設けられていて当該後面壁から斜め上方に突出するものであって、前記支持部材の後端側に略水平姿勢となる水平部があり、前記水平部に前記第一撮影手段が設けられており、前記支持部材の後端に第二撮影手段が設けられており、前記第一撮影手段は光軸を略下方向に向けた姿勢で取り付けられており、前記第二撮影手段は、光軸を略水平方向に向けた姿勢で取り付けられていることが望ましい。
【0011】
本態様の塵芥収集車では、支持部材が後面壁に設けられていて後面壁から斜め上方に突出している。支持部材には略水平姿勢となる水平部があり、水平部に塵芥投入口の近傍を監視する第一撮影手段が設けられている。また支持部材の後端に車体の後方を監視する第二撮影手段が設けられている。
塵芥投入口の近傍を監視する第一撮影手段は光軸を略下方向に向けた姿勢で取り付けられており、車体の後方を監視する第二撮影手段は、光軸を略水平方向に向けた姿勢で取り付けられている。
第二撮影手段の光軸は、略水平方向に向いているが、第二撮影手段自体が支持部材の後端に取り付けられているので第一撮影手段が第二撮影手段の視野に入りにくい。そのため、第一撮影手段は、第二撮影手段の撮影に対して邪魔になりにくい。
第一撮影手段は、第二撮影手段よりも前方にあるが、第一撮影手段は光軸を略下方向に向けた姿勢で取り付けられているので、第二撮影手段が第一撮影手段の視野に入りにくい。そのため、第二撮影手段は、第一撮影手段の撮影に対して邪魔になりにくい。
【0012】
上記した各態様において、前記第一撮影手段で撮影された第一画像及び/又は前記第二撮影手段で撮影された第二画像を表示する表示手段を有することが望ましい。
【0013】
本態様によると、作業者が、塵芥投入口の近傍や、車体の後方を監視することができる。ここで、第一画像を表示する表示手段と、第二画像を表示する表示手段が別のものであってもよい。また第一画像と第二画像が同じ表示手段に表示されてもよい。
【0014】
上記した各態様において、前記第一撮影手段で撮影された第一画像及び前記第二撮影手段で撮影された第二画像を表示する表示手段を有し、状況に応じて当該表示手段の表示が前記第一画像と前記第二画像のいずれかに切り替わることが望ましい。
【0015】
上記した各態様において、少なくとも前記積込装置が動作中には前記表示手段に前記第一画像が表示されることが望ましい。
【0016】
本態様の塵芥収集車では、少なくとも積込装置が動作中には表示手段に塵芥投入口の近傍を監視する第一画像が表示される。そのため本態様の塵芥収集車は、安全性が高い。
【0017】
第一撮影手段のレンズ焦点距離と、第二撮影手段のレンズ焦点距離が異なることが望ましい。
【0018】
第一撮影手段のレンズ焦点距離よりも第二撮影手段のレンズ焦点距離の方が短いことが推奨される。第一撮影手段は、塵芥投入口の近傍を撮影エリアとするものであり、撮影範囲が限られている。本態様によると、第一撮影手段のレンズが標準レンズまたはそれに近いレンズであるため画像が歪みにくい。これに対して第二撮影手段は広角レンズが装着されている。そのため車体の後方を広く撮影することができる。
【0019】
同様の課題を解決するためのもう一つの態様は、車体に搭載される塵芥収集装置であって、塵芥を収納する塵芥収容箱と、積込装置と、塵芥投入口を有し、前記積込装置は、前記塵芥投入口から投入された物を前記塵芥収容箱に送り込む積み込み動作を実施するものであり、第一撮影手段と、第二撮影手段と、前記撮影手段を支持する支持部材とを有し、前記支持部材は、前記塵芥収集装置から突出し、前記第一撮影手段は前記塵芥投入口の近傍を撮影エリアとするものであり、前記第二撮影手段は、車体の後方を撮影エリアとするものであることを特徴とする塵芥収集装置である。
【0020】
本態様の塵芥収集装置は、塵芥投入口の近傍を監視する撮影手段と、車体の後方を監視する撮影手段を個別に有している。本態様の塵芥収集装置では、撮影手段を動かす必要が無いので、故障が少ない。
【発明の効果】
【0021】
本発明の塵芥収集車及び塵芥収集装置は、塵芥投入口の近傍と車体の後方を監視することができるので安全性が高い。また本発明の塵芥収集車及び塵芥収集装置は、故障が少ない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態の塵芥収集車の側面図であり、(a)は、塵芥収容箱の塵芥排出口を塵芥投入箱で塞いだ状態を示し、(b)は、塵芥投入箱を揺動させて塵芥収容箱の塵芥排出口を開いた状態を示す。
【
図2】
図1の塵芥収集装置を後方から観察した背面図である。
【
図3】本発明の塵芥投入箱の断面図であり、(a)は回転板が準備姿勢であり、且つ押し込み板の下端側が後端側に退避している状態を示し、(b)は回転板が回転して塵芥をすくい上げ、押し込み板の下端側が後端側に退避している状態を示し、(c)は、押し込み板の下端側が前方に移動して塵芥を塵芥収容箱側に押し込んだ状態を示す。
【
図4】
図1の塵芥収集装置の支持部材の斜視図である。
【
図5】
図1の塵芥収集装置の後端部分の拡大図である。
【
図6】
図1の塵芥収集装置の制御装置と表示装置の組合せを説明する説明図である。
【
図7】制御装置の一例(ケース1)を示すブロック図である。
【
図8】表示装置の表示画面であり(a)は、巻き込まれ防止カメラで撮影された映像(第一画像)であり、(b)は、後方確認カメラで撮影された映像(第二画像)である。
【
図10】制御装置の一例(ケース2)を示すブロック図である。
【
図11】制御装置の一例(ケース3)を示すブロック図である。
【
図12】制御装置の一例(ケース4)を示すブロック図である。
【
図13】本発明の他の実施形態の塵芥収集装置の後端部分の拡大図である。
【
図14】
図13の塵芥収集装置を後方から観察した背面図である。
【
図17】本発明の他の実施形態の塵芥投入箱の断面図であり、(a)はスライド板を降下した状態を示し、(b)はスライド板を塵芥投入空間に差し入れて押し込み板を回動し塵芥をすくった状態を示し、(c)はスライド板を引き上げて塵芥を塵芥収容箱側に押し込んだ状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお以下の説明において、前後の関係は、車体の前後に合わせ、運転席2が前であり、塵芥収集装置11側が後ろである。
本実施形態の塵芥収集車1の基本構成は、従来技術と同様であり、
図1の様に、車体10に塵芥収集装置11が搭載されたものである。塵芥収集装置11は、塵芥を収容する塵芥収容箱12と、塵芥投入箱13によって構成されている。
塵芥収容箱12は、後端側が開口した箱である。塵芥収容箱12の中に塵芥収納空間16が形成されている。塵芥収容箱12の後端には、大きな塵芥排出口15がある。
【0024】
塵芥投入箱13は、
図1の様に、塵芥収容箱12の後端にヒンジ8によって取り付けられており、シリンダ20によって、
図1(a)の様な塵芥排出口15を蓋した姿勢と、
図1(b)の様な塵芥排出口15を開放する姿勢をとることができる。
【0025】
本実施形態で採用する塵芥投入箱13は、
図3、
図5の様に後端に塵芥投入口17があり、
図3の様に、作業者の手によって塵芥投入口17から塵芥投入箱13に塵芥その他の物が投入される。
塵芥投入口17には開閉可能な蓋21があり、塵芥投入口17は常時、蓋21で封鎖されている。
【0026】
塵芥投入箱13には積込装置18が収容されている。積込装置18は、塵芥投入口17から投入された物を塵芥収容箱12に送り込む積み込み動作を実施するものである。
本実施形態で採用する積込装置18は、回転板式積込装置と称されるものであり、
図3の様に揺動式の押し込み板30と、回転板31とが組み合わされた構造のものである。
即ち積込装置18では、塵芥投入空間32内に回転板31がある。当該回転板31は、水平軸35を中心として回転する。
また押し込み板30は、回転板31の上部であって、塵芥投入箱13の後端側に設けられている。押し込み板30は、水平軸35を中心として、車体10の前後方向に揺動する。
【0027】
積込装置18では、
図3(a)の様に回転板31を回転させることによって、
図3(b)の様に塵芥投入空間32に投入された塵芥100を一定の高さにすくい上げる。そして
図3(c)の様に押し込み板30を揺動させ、押し込み板30の先端で回転板31の表面を拭い、塵芥100を塵芥収容箱12内の塵芥収納空間16内に押し入れて、塵芥投入口17から投入された物を塵芥収容箱12に送り込む。
【0028】
本実施形態では、
図2の様に、塵芥収容箱12の後部にスイッチボックス22があり、当該スイッチボックスに起動スイッチ23と停止スイッチ25が設けられている。起動スイッチ23を操作することによって積込装置18が駆動して積み込み動作が実施される。また停止スイッチ25を操作することによって積込装置18が停止して積み込み動作が止まる。
【0029】
本実施形態の塵芥収集車1は、特徴的構成として、
図4の様に巻き込まれ防止カメラ(第一撮影手段)40と、後方確認カメラ(第二撮影手段)42を有している。また巻き込まれ防止カメラ40と後方確認カメラ42は、支持部材43に支持されている。さらに本実施形態の塵芥収集車1は、制御装置7と、ディスプレイ(表示手段)5を有している。
巻き込まれ防止カメラ40と後方確認カメラ42は、いずれもレンズ45、46と、図示しない撮像素子とを有している。撮像素子は例えば、公知のCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等であり、撮影された画像データを出力する。本実施形態では撮像素子によって動画が撮影される。
【0030】
巻き込まれ防止カメラ40のレンズ45は、標準レンズである。後方確認カメラ42のレンズ46は、広角レンズである。
即ち、巻き込まれ防止カメラ40のレンズ45の焦点距離と、後方確認カメラ42のレンズ46の焦点距離が相違し、巻き込まれ防止カメラ40のレンズ45の焦点距離は、後方確認カメラ42のレンズ46の焦点距離よりも長い。
【0031】
支持部材43は、
図4の様に本体部50と、支脚部51と、カバー部材52を有している。本体部50は、二本のアーム部材53a、53bを有し、その基端部と先端部及び中間部が板状の接続部材55a、55b、55cで接続されたものである。
本体部50の側面形状は二つの直線が繋がれた山形であり、中央で折れ曲がった形状となっている。即ち本体部50は、基端側直線部60と、先端側直線部61があり、両者の間には角度がある。
本体部50の基端には取付板62が設けられている。取付板62には取付孔63が設けられている。
【0032】
支脚部51は、本体部50の先端側直線部61に図示しないヒンジで取り付けられたものである。支脚部51は、二本の鋼材を有し、当該二本の鋼材にランプ取付板65が設けられたものである。支脚部51の基端には取付板66が設けらせている。取付板66には取付孔67が設けられている。
【0033】
ランプ取付板65には、報知手段27が設けられている。報知手段27は発光したときの色が異なる複数のランプ68a、68b、68cを有し、発光するランプによって作業者等の安全についての報知を行う。例えば、作業者が作業エリアにおける安全エリア(積込装置18等への巻き込み事故が発生し難いエリア)で作業しているときには、報知手段27の第一のランプ68aが緑色に発光し、危険エリア(積込装置18等への巻き込み事故が発生する可能性の高いエリア)に接近したときには、第二のランプ68bが黄色に発光し、緊急危険エリアに進入したときには、第三のランプ68cが赤色に発光する。報知手段27の発光態様は、連続発光であってもよいし、点滅であってもよい。
なお、報知手段27は、ランプ68a~68cに加えて、またはランプに代えて音(ブザー又は音声)により危険を知らせてもよい。
【0034】
前記した様に、巻き込まれ防止カメラ(第一撮影手段)40と後方確認カメラ(第二撮影手段)42は、支持部材43に支持されている。後方確認カメラ42は、
図4の様に、本体部50の先端(後端)に取り付けられている。巻き込まれ防止カメラ40は、
図4の様に、本体部50の先端側直線部61の下面に取り付けられている。
後方確認カメラ42は、ブラケット57を介して本体部50の先端(後端)に取り付けられている。ブラケット57又は支持部材43の本体部50には図示しない長孔等があり、後方確認カメラ42は、姿勢や向きを微調整した後に支持部材43の本体部50に一体的に固定される。具体的には後方確認カメラ42のレンズ光軸の車両前後方向の角度と、幅方向の角度とを変更し、後方の所定範囲が撮影されるように姿勢や向きを微調整する。
巻き込まれ防止カメラ40は、ブラケット58を介して本体部50の先端側直線部61の下面に取り付けられている。ブラケット58又は支持部材43の本体部50には図示しない長孔等があり、巻き込まれ防止カメラ40は、姿勢や向きを微調整した後に支持部材43の本体部50に一体的に固定される。具体的には巻き込まれ確認カメラ40のレンズ光軸の車両前後方向の角度と、幅方向の角度とを変更し、塵芥投入口17とその周囲(特に塵芥投入口17の後方)が撮影されるように姿勢や向きを微調整する。
【0035】
カバー部材52は、塵芥収集車1の走行中等に飛んでくるゴミ等から巻き込まれ防止カメラ40と後方確認カメラを保護等するために本体部50の周囲に配置されている板状の部材である。
【0036】
図1、
図2、
図3、
図5の様に、支持部材43は、塵芥投入箱13の後面であって、塵芥投入口17の上に、図示しないネジによって取り付けられている。
支持部材43の取り付け位置は、塵芥収集装置11の後端部である。即ち塵芥収集装置11は、全体的に天面壁70と側面壁71と後面壁72があり、支持部材43は、後面壁72に取り付けられている。また後面壁72は、上部が緩い傾斜部73となっており、下部側は強い傾斜部75となっている。また支持部材43は、塵芥収集装置11の幅方向には中心に設置されている。従って、支持部材43は、塵芥投入口17の真上の位置にある。
【0037】
図5の様に、支持部材43は、緩い傾斜部73に取り付けられており、本体部50は、斜め上方向に片持ち状に突出している。
支持部材43の本体部50は、基端側直線部60と、先端側直線部61があり、支持部材43が塵芥投入箱13に取り付けられた状態においては、先端側直線部61は水平に近い姿勢となる。
従って
図5の様に、後方確認カメラ42は、光軸が水平に近い姿勢となる。後方確認カメラ42の撮影エリアWは、車体10の後方である。
【0038】
また
図5の様に、巻き込まれ防止カメラ40は、斜め下方向に向く。支持部材43は、塵芥投入口17の上にあって、本体部50は、斜め上方向に片持ち状に突出するものであるから、巻き込まれ防止カメラ40は、塵芥投入口17の近傍を上からのぞき込む様な位置及び姿勢となっている。そのため、巻き込まれ防止カメラ40は、視野の中心が塵芥投入口17の近傍にあり、塵芥投入口17の近傍を監視することができる。即ち巻き込まれ防止カメラ40は、塵芥投入口17の近傍を撮影エリアNとするものである。
また巻き込まれ防止カメラ40のレンズ45は、標準レンズであるから、塵芥投入口17の近傍の映像が歪まない。一方、後方確認カメラ42のレンズ46は、広角レンズであるから、視野が広い。
【0039】
本実施形態の塵芥収集車1では、支持部材43が後面壁72に設けられていて後面壁72から斜め上方に突出している。支持部材43には先端側直線部61があり、当該先端側直線部61は取り付けられた姿勢が水略水平姿勢となる水平部である。本実施形態では、水平部に塵芥投入口17の近傍を撮影エリアNとし、塵芥投入口17の近傍を監視する巻き込まれ防止カメラ40が設けられている。また支持部材43の後端に車体10の後方を撮影エリアWとし、車体10の後方を監視する後方確認カメラ42が設けられている。
巻き込まれ防止カメラ40は光軸を略下方向に向けた姿勢で取り付けられており、後方確認カメラ42は、光軸を略水平方向に向けた姿勢で取り付けられている。
【0040】
後方確認カメラ42の光軸は、略水平方向に向いているが、後方確認カメラ42自体が支持部材43の後端に取り付けられているので、
図5の様に巻き込まれ防止カメラ40が後方確認カメラ42の視野に入りにくい。そのため、巻き込まれ防止カメラ40は、後方確認カメラ42の撮影に対して邪魔になりにくい。
巻き込まれ防止カメラ40は、後方確認カメラ42よりも前方にあるが、巻き込まれ防止カメラ40は光軸を略下方向に向けた姿勢で取り付けられているので、
図5の様に後方確認カメラ42が巻き込まれ防止カメラ40の視野に入りにくい。そのため、後方確認カメラ42は、巻き込まれ防止カメラ40の撮影に対して邪魔になりにくい。
【0041】
次に、制御装置7と、ディスプレイ(表示手段)5の組合せについて説明する。
支持部材43及びこれに取り付けられた各部材は、工場で塵芥収集車1を組み立てる段階で取り付けられる場合がある。また工場から出荷後に支持部材43及びこれに取り付けられた各部材が後付けされる場合がある。さらに需要者の好みや予算によって部品が変わる。
そのため、制御装置7とディスプレイ5は
図6の様に複数の組合せがある。
【0042】
ケース1は、制御装置7aとディスプレイ5aがそれぞれ一台のパターンである。ディスプレイ5aは、公知の液晶画面や、プラズマ画面、有機EL画面等であり、動画を表示することができるものである。ディスプレイ5aは、カーナビゲーション装置等の他の装置のディスプレイと共用であってもよい。
【0043】
制御装置7aは、CPUやメモリーを有し、所定の動作を実行するコンピュータプログラムが格納されている。
ケース1では、巻き込まれ防止カメラ40の信号と、後方確認カメラ42の信号が、同じ制御装置7aに入力される。また制御装置7aには接続されているディスプレイ5aは一台である。
ケース1は、ディスプレイ5aが一台であるから、所定の操作や信号によって
図8(a)(b)の様に画面の表示が巻き込まれ防止カメラ40の映像(第一画像)と、後方確認カメラ42の映像(第二画像)との間で切り替わる。
あるいは
図9の様に、画面が二分割されて双方の映像が同時に表示される。
【0044】
ケース2は、制御装置7bが共通であり、ディスプレイ5a、5bが2台のパターンである。ケース2では、巻き込まれ防止カメラ40の信号と、後方確認カメラ42の信号が、同じ制御装置7bに入力される。また制御装置7bには接続されているディスプレイ5a、5bは2台であり、第一ディスプレイ5aは、後方確認カメラ42の映像(第二画像)を表示し、第二ディスプレイ5bは、巻き込まれ防止カメラ40の映像(第一画像)を表示する。
【0045】
ケース3は、巻き込まれ防止カメラ40の制御装置7d及びディスプレイ5bと、後方確認カメラ42の制御装置7c及びディスプレイ5aが独立しているパターンである。ケース3では、巻き込まれ防止カメラ40の信号が第二制御装置7dに入力され、当該第二制御装置7dから第二ディスプレイ5bに画像信号が送られる。また後方確認カメラ42の信号が第一制御装置7cに入力され、当該第一制御装置7cから第一ディスプレイ5aに画像信号が送られる。
【0046】
ケース4は、巻き込まれ防止カメラ40の制御装置7fと、後方確認カメラ42の制御装置7eが独立しており、ディスプレイ5aが共通のパターンである。ケース4では、巻き込まれ防止カメラ40の信号が第二制御装置7fに入力される。また後方確認カメラ42の信号が第一制御装置7eに入力される。ディスプレイ5aには、第一制御装置7eと第二制御装置7fの信号が入力される。
ケース4は、ディスプレイ5aが一台であるから、所定の操作や信号によって画面の表示が巻き込まれ防止カメラ40の映像と、後方確認カメラ42の映像との間で切り替わる。
あるいは画面が二分割されて双方の映像が同時に表示される。
【0047】
以下、各ケースについて説明する。
(ケース1)
図7は、前記したケース1の制御装置7aのブロック図である。即ち、ケース1は、制御装置7aとディスプレイ5aがそれぞれ一台のパターンである。
制御装置7aは、
図7の様に、画像処理手段76、人識別手段77、危険判定手段78、画像切換え手段80として機能する。
【0048】
制御装置7aには、巻き込まれ防止カメラ40の信号と、後方確認カメラ42の信号が入力される。制御装置7aには、さらに起動スイッチ23と停止スイッチ25が接続されている。また本実施形態では、車体10から状態信号が入力される。
状態信号は、特定するものでないが、車体10の走行の現状を知るための信号である。即ち、車体10が走行しているか、走行する準備にあるといった状態を直接的に、また間接的に知ることができる信号である。また状態信号は、車体10が停車中であることを直接的に、また間接的に知ることができる信号である。
【0049】
状態信号には例えば次のものがある。
(1)速度計で計測された車体10の速度
(2)オートマチック車である場合には、パーキング、ニュートラル、バック、走行等のレンジ
(3)アクセルの踏み込み具合
(4)ブレーキの踏み込み具合
(5)パーキングブレーキ
制御装置7aの出力側は、積込装置18、ディスプレイ5a、報知手段27に接続されている。
【0050】
制御装置7aの画像処理手段76は、巻き込まれ防止カメラ40及び後方確認カメラ42の信号に対して公知の画像処理ロジックを実行するものである。
人識別手段77は、巻き込まれ防止カメラ40の映像を解析して、人と物を区別するものである。例えば人の頭、肩、腕等の特徴的な形状や動きを記憶し、巻き込まれ防止カメラ40の映像から人を切り出す。
【0051】
危険判定手段78は、人識別手段77で特定された人と塵芥投入口17の位置関係から、作業者が積込装置18に巻き込まれる危険度合いを判定するものである。
例えば、巻き込まれ防止カメラ40の撮影範囲に人がいない場合は、安全である。
巻き込まれ防止カメラ40に人が写っているものの、当該人が塵芥投入口17から離れた位置におり、手を伸ばしても塵芥投入口17に届かない場合は、危険度は低い。巻き込まれ防止カメラ40に人が写っており、当該人の位置は塵芥投入口17から離れているものの手を伸ばすと塵芥投入口17に届く場合は、やや危険である。
巻き込まれ防止カメラ40に人が写っており、例えば塵芥を投入中であって、塵芥投入口17の上に手がある場合は、危険エリアに作業者が進入しており、危険である。
巻き込まれ防止カメラ40に人が写っており、塵芥投入口17の上に頭がある場合は、緊急危険エリアに作業者が進入しており、極めて危険である。
【0052】
本実施形態では、危険判定手段78によって作業者が積込装置18に巻き込まれる危険度合いを判定し、報知手段27のランプ68a、68b、68cを点灯させて危険を知らせる。また極めて危険な状態であれば、積込装置18を停止する。
【0053】
画像切換え手段80は、ディスプレイ5aの表示を自動的に切り替えるものである。即ち本実施形態では、
図8(a)の様な、巻き込まれ防止カメラ40で撮影された第一画像だけを表示する表示Aと、
図8(b)の様な後方確認カメラ42で撮影された第二画像だけを表示する表示Bを切り替えることができる。表示Aと、表示Bの切換えは、図示しないスイッチを操作することによって行うことができる。また本実施形態では、画像切換え手段80によっても切り替わる。
【0054】
本実施形態では、作業者が塵芥を投入する作業を行っている場合や、当該作業を行う蓋然性が高い場合には、ディスプレイ5の表示が表示Aとなり、塵芥投入口17の近傍の映像(第一画像)が表示される。逆に、作業者が塵芥を投入する作業を行っていない場合や、当該作業を行う蓋然性が低い場合には、ディスプレイ5の表示が表示Bとなり、車体後方の映像(第二画像)が表示される。
【0055】
例えば、起動スイッチ23が操作されて積込装置18が駆動している際には、ディスプレイ5の表示が表示Aとなり、塵芥投入口17の近傍の映像が表示される。
また走行レンジがパーキングである場合や、パーキングブレーキが機能している場合についても、ディスプレイ5の表示が表示Aとなり、塵芥投入口17の近傍の映像が表示される。
【0056】
逆に、停止スイッチ25が操作されて積込装置18が停止し、その状態が一定時間以上継続している場合は、ディスプレイ5の表示が表示Bとなり、車体後方の映像が表示される。また一定以上の速度で走行している場合についてもディスプレイ5の表示が表示Bとなり、車体後方の映像が表示される。
また所定の操作によって、
図9の様に、画面を二分割し、塵芥投入口17の近傍の映像と、車体後方の映像を同時に表示することもできる。
【0057】
(ケース2)
図10は、前記したケース2の制御装置7bのブロック図である。即ち、ケース2は、制御装置7bが一台であり、ディスプレイ5a、5bが2台のパターンである。
制御装置7bは、
図10の様に、画像処理手段76、人識別手段77、危険判定手段78として機能する。ケース2の制御装置7bには画像切換え手段80は無い。
また状態信号は不要である。
制御装置7bには、巻き込まれ防止カメラ40の信号と、後方確認カメラ42の信号が入力される。さらに制御装置7bには、起動スイッチ23と停止スイッチ25が接続されている。
制御装置7bの出力側は、積込装置18、第一ディスプレイ5a、第二ディスプレイ5b及び報知手段27に接続されている。第一ディスプレイ5aには巻き込まれ防止カメラ40で撮影された塵芥投入口17の近傍の映像(第一画像)が表示される。第二ディスプレイ5bには後方確認カメラ42で撮影された車体後方の映像(第二画像)が表示される。
【0058】
(ケース3)
図11は、前記したケース3の制御装置7c、7dのブロック図である。即ち、ケース3は、制御装置7c、7dが2台であり、ディスプレイ5a、5bも2台のパターンである。
ケース3では、第二制御装置7dが前記したケース1、ケース2の制御装置7a、7bと同様の働きをする。一方、第一制御装置7cは、単に後方確認カメラ42の信号を画像信号に変換するだけの機能を持つ。
即ち、第一制御装置7cは、画像処理手段76を有している。第一制御装置7cには、後方確認カメラ42の信号が入力される。第一制御装置7cの出力側には、第一ディスプレイ5aが接続されている。
【0059】
第二制御装置7dには、巻き込まれ防止カメラ40の信号と、起動スイッチ23と停止スイッチ25が接続されている。また本実施形態では、車体10から状態信号が入力される。
第二制御装置7dは、
図11の様に、画像処理手段76、人識別手段77、危険判定手段78として機能する。
第二制御装置7dの出力側は、積込装置18、第二ディスプレイ5b、報知手段27に接続されている。
【0060】
(ケース4)
図12は、前記したケース4の制御装置7e、7fのブロック図である。即ち、ケース4は、制御装置が7e、7fの2台であり、ディスプレイ5aが1台のパターンである。
ケース4では、第二制御装置7fが前記したケース1、ケース2の制御装置7a、7bと同様の働きをし、第一制御装置7eは、単に後方確認カメラ42の信号を画像信号に変換するだけの機能を持つ。
即ち、第一制御装置7eは、画像処理手段76を有している。第一制御装置7eには、後方確認カメラ42の信号が入力される。第一制御装置7eの出力側には、ディスプレイ5aが接続されている。
【0061】
第二制御装置7fには、巻き込まれ防止カメラ40の信号と、起動スイッチ23と停止スイッチ25が接続されている。また本実施形態では、車体10から状態信号が入力される。
第二制御装置7fは、
図12の様に、画像処理手段76、人識別手段77、危険判定手段78、画像切換え手段80として機能する。
第二制御装置7fの出力側は、積込装置18、ディスプレイ5a、報知手段27に接続されている。
【0062】
以上説明した第1実施形態では、巻き込まれ防止カメラ(第一撮影手段)40と後方確認カメラ(第二撮影手段)42が、支持部材43に縦列に配置されている。巻き込まれ防止カメラ40の車両後方に後方確認カメラ42を縦列に配置しているが、後方確認カメラ42を車両前側に、巻き込まれ防止カメラ40を車両後側に縦列に配置されていてもよい。また、巻き込まれ防止カメラ40の車両下方に後退確認カメラを縦列に配置しているが、後方確認カメラ42を車両上側に、巻き込まれ防止カメラ40を車両下側に縦列に配置されていてもよい。巻き込まれ防止カメラ40は、後方確認カメラ42の車両後側かつ車両下側に配置されていてもよい。
【0063】
以上説明した第1実施形態では、巻き込まれ防止カメラ(第一撮影手段)40と後方確認カメラ(第二撮影手段)42が、支持部材43に縦列に配置されているが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、二つのカメラ42、43が横列に配置されていてもよい。
【0064】
図13、
図14に示す第2実施形態の塵芥収集車81では、巻き込まれ防止カメラ(第一撮影手段)40と後方確認カメラ(第二撮影手段)42が、支持部材82に並列的に配置されている。
支持部材82は、略「コ」字状であって、天面83と左右の側面85を有している。支持部材82は、塵芥収集車81の後面壁72に設けられていて後面壁72から斜め上方に突出している。
後方確認カメラ42は、支持部材82の天面83と左右の側面85で囲まれた領域に配置されている。後方確認カメラ42についても図示しない長孔等を介して取り付けられており、姿勢や向きを微調整した後に支持部材82に一体的に固定される。
【0065】
巻き込まれ防止カメラ40は、ブラケット86を介して支持部材82の右側面85に取り付けられている。ブラケット86は、略「L」状であって、カメラ取付面87と、支持部材対向面88を有している。
巻き込まれ防止カメラ40は、ブラケット86のカメラ取付面87に図示しないネジで取り付けられている。
ブラケット86の支持部材対向面88の中心部には孔90が設けられている。一方、支持部材82の右側面85にはネジ孔91が設けられている。
ブラケット86は、ネジ92を使用して支持部材82の右側面85に固定されるが、ネジ92を緩めた状態では、ネジ92を中心としてブラケット86を回動させることができる。
ブラケット86を取り付ける際には、巻き込まれ防止カメラ40の視野に塵芥投入口17が入るようにブラケット86の角度を調節し、その後にネジ92を締めこんでブラケット86を固定する。
【0066】
以上説明した第2実施形態では、巻き込まれ防止カメラ(第一撮影手段)40を車両進行方向右側に、後方確認カメラ(第二撮影手段)42を左側に横列に配置しているが、左右が逆転してもよい。また、上下位置が略一致しているが、上下にオフセットしてもよい。
【0067】
本実施形態の塵芥収集車1は、塵芥投入口17の近傍だけを撮影エリアNとし、塵芥投入口17の近傍だけを撮影する、巻き込まれ防止カメラ(第一撮影手段)40を有している。また本実施形態の塵芥収集車1は、車体10の後方だけを撮影エリアWとし、車体10の後方だけを撮影する後方確認カメラ(第二撮影手段)42を有している。
巻き込まれ防止カメラ40と後方確認カメラ42は、いずれも固定されたカメラであり、可動部分がない。そのため故障が少ない。
また本実施形態では、巻き込まれ防止カメラ40と後方確認カメラ42は、用途に応じたレンズが使用さている。そのため巻き込まれ防止カメラ40で撮影された塵芥投入口17の近傍の映像は、歪みが少ない。また後方確認カメラ42は、車体の後方を広角的に監視することができる。
【0068】
以上説明した実施形態では、積込装置の一つとして回転板式積込装置を例示したが、本発明は、積込装置の構造を限定するものではない。積み込み装置の一つとして、
図17の様な「プレス式積込装置」と称されるものもある。プレス式積込装置は、
図17の様に、スライド板209と、押し込み板251とが組み合わされた構造のものである。
プレス式積込装置を備えた塵芥収集車にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0069】
1、81 塵芥収集車
5 ディスプレイ(表示手段)
7 制御装置
10 車体
11 塵芥収集装置
12 塵芥収容箱
17 塵芥投入口
18 積込装置
27 報知手段
40 巻き込まれ防止カメラ(第一撮影手段)
42 後方確認カメラ(第二撮影手段)
43、82 支持部材
45 レンズ
46 レンズ
72 後面壁