(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166808
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241122BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083165
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】308019922
【氏名又は名称】株式会社レスキューナウ
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 一昌
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC20
5L050CC20
(57)【要約】
【課題】集団に対してアンケートに回答することになるユーザが集団の変更に伴って行う必要がある手続の負担軽減を図る。
【解決手段】ユーザが属する集団に関する第1情報及び第1情報よりも秘匿性の高いユーザが属する集団に関する第2情報を取得し(S101)、予め定められた条件を満たすときに、第1情報と第2情報の少なくともいずれか一方に対して回答するアンケートをユーザに送信するアンケート送信し(S105)、ユーザの第1情報に対する回答を受信した場合に回答を第1情報に送信し、第2情報に対する回答を受信した場合に回答を第2情報に送信する(S109)、情報処理装置である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが属する集団に関する第1情報及び当該第1情報よりも秘匿性の高い当該ユーザが属する集団に関する第2情報を取得する取得手段と、
予め定められた条件を満たすときに、前記第1情報と前記第2情報の少なくともいずれか一方に対して回答するアンケートを前記ユーザに送信するアンケート送信手段と、
前記ユーザの前記第1情報に対する回答を受信した場合に当該回答を当該第1情報に送信し、前記第2情報に対する回答を受信した場合に当該回答を当該第2情報に送信する回答送信手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記アンケート送信手段は、前記第1情報と前記第2情報の両方に対して回答するアンケートを前記ユーザに送信し、
前記回答送信手段は、前記第1情報及び前記第2情報に対する回答を受信した場合に当該回答を当該第1情報及び当該第2情報に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1情報は、ユーザが属する複数の会社及び/又は当該会社の役職を含む情報である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置に、
ユーザが属する集団に関する第1情報及び当該第1情報よりも秘匿性の高い当該ユーザが属する集団に関する第2情報を取得する取得機能と、
予め定められた条件を満たすときに、前記第1情報と前記第2情報の少なくともいずれか一方に対して回答するアンケートを前記ユーザに送信するアンケート送信機能と、
前記ユーザの前記第1情報に対する回答を受信した場合に当該回答を当該第1情報に送信し、前記第2情報に対する回答を受信した場合に当該回答を当該第2情報に送信する回答送信機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
安否確認調査票等のアンケートを送信してその回答を受信する種々のシステムがある。下記の特許文献1に記載の技術は、被確認者が安否の状況を報告するための被確認者端末と、被確認者端末から状況報告の入力を受け付けると共に、確認者と被確認者との対応が登録された対応情報に基づいて、被確認者の安否情報を被確認者と関連付けられた確認者に提供する管理装置と、確認者が安否情報を確認するための確認者端末とを備え、対応情報は一の被確認者に複数の確認者を関連付けた対応を含み、管理装置は一の被確認者から得られた安否情報を複数の確認者に提供することを特徴とする安否確認システムである。
また、下記の特許文献2に記載の技術は、情報処理装置より災害による被害状況を示す被害情報を受信して被害情報管理手段に記録する被害情報受信手順と、複数の安否確認システムのいずれかより災害による被害状況に関する問い合わせを受信する問い合わせ受信手順と、問い合わせ受信手順で受信した問い合わせに含まれるコードと、被害情報管理手段に記録した被害情報に含まれるコードとに、同じコードが有るかを判定する判定手順と、判定手順で同じコードが含まれると判定すると、問い合わせに対し、被害情報に基づく回答を返信する回答手順と、をコンピュータが実行する被害情報処理方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-91570号公報
【特許文献2】特開2010-93629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、集団に属するユーザに対してアンケートを送信しその回答を受信するシステムを集団が利用する場合において、あるユーザが属する集団ごとにシステムが異なる場合を考える。かかる場合、ユーザが集団から脱退したり他の集団に加入したりすることで属する集団に変更があったときには、各システムにアクセスしてアンケート送信先等についての手続を行う必要があると、ユーザにとって煩雑である。
本発明は、集団に対してアンケートに回答することになるユーザが集団の変更に伴って行う必要がある手続の負担軽減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成する本発明の情報処理装置は、ユーザが属する集団に関する第1情報及び当該第1情報よりも秘匿性の高い当該ユーザが属する集団に関する第2情報を取得する取得手段と、予め定められた条件を満たすときに、前記第1情報と前記第2情報の少なくともいずれか一方に対して回答するアンケートを前記ユーザに送信するアンケート送信手段と、前記ユーザの前記第1情報に対する回答を受信した場合に当該回答を当該第1情報に送信し、前記第2情報に対する回答を受信した場合に当該回答を当該第2情報に送信する回答送信手段と、を備える。
より好ましくは、前記アンケート送信手段は、前記第1情報と前記第2情報の両方に対して回答するアンケートを前記ユーザに送信し、前記回答送信手段は、前記第1情報及び前記第2情報に対する回答を受信した場合に当該回答を当該第1情報及び当該第2情報に送信する、ことを特徴とする。また、前記第1情報は、ユーザが属する複数の会社及び/又は当該会社の役職を含む情報である、ことを特徴とする。
上記の目的を達成する他の本発明のプログラムは、情報処理装置に、ユーザが属する集団に関する第1情報及び当該第1情報よりも秘匿性の高い当該ユーザが属する集団に関する第2情報を取得する取得機能と、予め定められた条件を満たすときに、前記第1情報と前記第2情報の少なくともいずれか一方に対して回答するアンケートを前記ユーザに送信するアンケート送信機能と、前記ユーザの前記第1情報に対する回答を受信した場合に当該回答を当該第1情報に送信し、前記第2情報に対する回答を受信した場合に当該回答を当該第2情報に送信する回答送信機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、集団に対してアンケートに回答することになるユーザが集団の変更に伴って行う必要がある手続の負担軽減を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施の形態によるアンケートシステムの構成例を示す図である。
【
図2】アンケート実施サーバの機能構成を示す図である。
【
図3】アンケート実施サーバにおける処理手順例を示すフローチャートである。
【
図4】ユーザが属する集団の変動例を説明する第1態様の図であり、(a)は、変動要素と不変要素を説明する図であり、(b)は、変動要素と不変要素の各情報を説明する図である。
【
図5】ユーザが属する集団の変動例を説明する第2態様の図であり、(a)は、変動要素と不変要素を説明する図であり、(b)は、変動要素と不変要素の各情報を説明する図である。
【
図6】ユーザが属する集団の変動例を説明する第3態様の図であり、(a)は、変動要素と不変要素を説明する図であり、(b)は、変動要素と不変要素の各情報を説明する図である。
【
図7】第1具体例のアンケートを説明する図であり、(a)はユーザへのアンケートメール、(b)は、ウェブアンケートを示す。
【
図8】第1具体例のアンケート回答を説明する図である。
【
図9】第1具体例の報告メールを説明する図であり、(a)はA社向け、(b)はB社向けである。
【
図10】第2具体例を説明する図であり、(a)はウェブアンケート、(b)は家族向けの報告メールを示す。
【
図11】第3具体例を説明する図であり、(a)は家族向けのウェブアンケート、(b)はユーザ向けの報告メールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<システム構成>
図1は、本実施の形態によるアンケートシステム10の構成例を示す図である。
かかるアンケートシステム10は、例えば災害発生等の予め設定されている条件であるアンケート実施条件を満たすと、アンケート実施条件に応じたアンケートを実施する。すなわち、アンケートシステム10は、災害や事故、事故等が発生すると、予め定められている者(アンケート実施対象者)のうち災害や事故に直面している可能性のある被災者ないし被害者(以下、特定者という)に対する被災状況に関するアンケートを作成し、その特定者に送信する。アンケートの回答を受信すると、その所属先である会社に送信する。
さらに説明すると、アンケートの回答は、その特定者の所属先が複数ある場合には、各会社に送信されるほか、予め定められている家族等にもその一部または全部が送信される。
【0009】
このようなアンケートシステム10は、情報取得装置100と、アンケート実施サーバ200と、回答者端末装置300と、第1端末装置400及び第2端末装置500とを備える。情報取得装置100とアンケート実施サーバ200、回答者端末装置300とアンケート実施サーバ200、第1端末装置400及び第2端末装置500とアンケート実施サーバ200とは、それぞれネットワーク600を介して接続されている。
ここにいう回答者端末装置300は特定者の端末である。第1端末装置400は、特定者が所属する会社の端末であり、第2端末装置500は、特定者の家族の端末である。
【0010】
ネットワーク600は、各装置の間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば、その種類は特に限定されず、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等として良い。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用しても良い。また、ゲートウェイ装置やルータ等の中継装置を用い、複数のネットワークや通信回線を介して各装置を接続するように構成しても良い。
【0011】
なお、
図1に示す構成例では情報取得装置100が直接、ネットワーク600を介してアンケート実施サーバ200と接続されているが、いわゆるエッジサーバ等の中継サーバを介在させ、この中継サーバにより各情報取得装置100で取得した情報を収集し、アンケート実施サーバ200に送信する構成としても良い。この場合、検知しようとする事象に関連する位置情報を中継サーバに保持しておき、中継サーバが、情報取得装置100により取得した情報と共に、アンケート実施サーバ200へ送信するようにしても良い。
【0012】
<情報取得装置の構成>
情報取得装置100は、アンケート実施サーバ200がアンケート実施を行うのに必要な情報を取得する装置である。
すなわち、情報取得装置100は、ネットワーク600を介して接続されている他のサーバの情報を検索し、検索結果の情報を取得する。気象災害、地震、噴火等の自然災害が発生した場合を説明すると、例えば、気象庁のサイトで新たな気象災害情報が掲載されたときには、地震情報や津波情報、気象情報等として掲載情報を取得する。また、列車事故、航空事故等の人為的災害が発生した場合を説明すると、鉄道会社のサイトで鉄道情報が更新されたりしたときは、交通情報として掲載情報を取得する。
なお、かかる掲載情報には、災害の種類や程度、災害発生の場所や時間を示す情報が含まれる。
【0013】
情報取得装置100は、各種のセンサ、カメラ、マイクロフォン等の機器が接続され、災害に関して予め定められた特定の事象が発生したかどうかを判断するための情報を取得するようにしてもよい。また、情報取得装置100は、例えばSNSでトレンド分析により急上昇した情報を、事件事故の情報等として取得するようにしてもよい。
【0014】
<アンケート実施サーバ>
ここで、例えば地震が発生したときに会社が、安否確認システムを利用して社員等に対してアンケートで安否確認する場合がある。複数の会社ごとに安否確認が行われると、複数のアンケートを受信し、それぞれの回答を返信することになり、煩雑である。地震の揺れが激しかったエリアにいる社員では、被災状態によってはすべてのアンケートに対応する時間や手間を確保することが難しかったり、通信環境が不安定になってすべてに返信することが困難になったりするおそれがある。また、家族に安否連絡する前に、複数の会社からのアンケートに対応する必要がある場合には、家族の不安をなかなか解消することができなくなる。
その一方で、所属する会社を辞めて他の会社に新たに所属するようになったり所属する会社の数が増減したりすると、会社ごとの安否確認システムにアンケート宛先情報等を登録することになる。かかる安否確認システムが会社ごとに異なる場合には、煩雑である。
【0015】
そこで、本実施の形態では、アンケートの宛先情報を、脱退や加入により変動する複数の会社に関する情報と、会社の場合よりも変動し難い家族に関する情報とに分けた上で、単一のアンケートの送受を通じて、複数の会社と家族への安否情報を提供するアンケート実施サーバ200を備える。アンケート実施サーバ200は、情報処理装置の一例である。
【0016】
<アンケート実施サーバの構成>
アンケート実施サーバ200は、情報取得装置100から取得したイベント情報に応じてアンケートの実施を行うサーバであり、取得した情報を基に、アンケートの内容や送信先を特定することでアンケートを作成する。また、アンケート実施サーバ200は、特定者からのアンケートの回答を受信すると、その回答を、特定者が属する会社や家族等の集団に転送報告する。
【0017】
図2は、アンケート実施サーバ200の機能構成を示す図である。
アンケート実施サーバ200は、送受信部201と、特定者抽出部202と、アンケートデータ作成部203と、報告先決定部204と、報告データ作成部205と、データベース保持部206とを備える。
送受信部201は、取得手段の一例でありアンケート送信手段の一例であり、回答送信手段の一例である。
【0018】
送受信部201は、ネットワーク600を介して情報取得装置100、回答者端末装置300、第1端末装置400及び第2端末装置500と接続し、データ交換を行うネットワーク・インターフェイスである。送受信部201は、情報取得装置100から情報を受信し、回答者端末装置300からアンケート回答を受信する。また、送受信部201は、アンケート回答を第1端末装置400及び第2端末装置500に送信する。
【0019】
特定者抽出部202は、情報取得装置100から取得したイベント情報を基に、アンケートを実施する特定者を抽出する特定者抽出処理を行う。かかる特定者抽出処理は、例えば、イベント情報を解析することで、発生した災害等で影響を受ける地域を定め、その地域に在住ないし在勤の者を特定することで、災害や事故に直面している可能性のある特定者を抽出する。
【0020】
より詳細には、情報取得装置100からのイベント情報には、イベントの種類、時間、地域、程度等を示す情報が含まれている。例えば、地震が発生した場合のイベント情報には、イベントの種類として地震が発生したことを示す情報、イベントの時間として発生時刻を示す情報、イベントの地域として震源地を示す情報が含まれる。さらに、イベント情報には、イベントの程度として、マグニチュード及び震源の深さを示す情報のほか、各地の震度を示す情報が含まれる。
地震により影響を受ける地域を定める方法として、予め定められている値以上の震度が観測された地域に応じて定めるやり方を採用してもよく、また、震源地、マグニチュード及び震源の深さ等を基にして定めるやり方を採用してもよい。
【0021】
特定者抽出部202による特定者抽出処理は、回答者端末装置300や第1端末装置400、第2端末装置500から送受信部201を介して取得した情報を基にアンケート実施対象者の情報が更新されたデータベースを用いて行われる。
かかるデータベースは、データベース保持部206が保持する。すなわち、データベース保持部206は、特定者の所属する会社や役職等が変更された場合に更新する。
【0022】
特定者抽出部202による特定者抽出処理としてはこれに限られない。他の特定者抽出処理としては、イベント情報を解析することで、アンケートを実施すべきかどうかを決定するための条件であるアンケート実施条件を具備するかどうかを判断し、アンケート実施条件を具備する場合、アンケートを実施する特定者を抽出する。例えば、地震が発生した場合、マグニチュードや最大震度が予め定められている値以上であることがアンケート実施条件であり、アンケート実施条件を具備する場合に特定者を抽出する一方で、具備しない場合には特定者を抽出しない。
【0023】
また、他の特定者抽出処理として、情報取得装置100から取得したイベント情報による情報から特定者を直接抽出してもよい。すなわち、アンケート実施対象者の群に含まれる者の各々に対して個別にアンケート実施条件が予め設定され、イベント情報の解析により得た情報により特定者を抽出する。したがって、特定者抽出処理を行っても、特定者が抽出されない場合がある。
【0024】
アンケートデータ作成部203は、特定者に対するアンケートデータを作成する。アンケートデータの文面は、予め定められているものから選択される。例えばイベントの種類ごとに定型文が予め定められていたり、また、特定者が属する会社の役職ごとに定型文が予め定められていたりしてもよい。なお、アンケートデータの文面をイベント情報の解析により得た情報を用いて文書をプログラムにより作成してもよい。
なお、アンケートデータの文面は、回答し易いように選択肢を提示する形式であってもよく、また、自由記述の形式であってもよく、両者が含まれる形式であってもよい。
【0025】
また、アンケートデータ作成部203は、特定者の送信先をアンケート宛先情報として管理し、特定者に対応する送信先をアンケートデータに含ませて作成する。アンケート宛先情報は、所属会社の端末である第1端末装置400から取得してもよく、また、アンケートを回答する回答者端末装置300から取得してもよい。
アンケートデータは、メールの文面にアンケートを表示する形式の他、メール文面に、クリックすることでサーバ装置(不図示)にアクセスしてアンケートを見ることができるURL(Uniform Resource Locator)を表示する形式であってもよい。
アンケート宛先情報の管理は、アンケート実施対象者と、アンケート実施対象者が属する集団(アンケート実施対象者の群)とを互いに対応付けすることで行われる。
【0026】
報告先決定部204は、特定者から送信されたアンケートの回答を報告する報告先を決定する。すなわち、特定者が属する会社を特定し、各会社を報告先として決定する。また、特定者の家族を特定し、各家族を報告先として決定する。
【0027】
報告先決定部204は、特定者と会社とを互いに対応付ける情報、及び特定者と家族とを互いに対応付ける情報を予め保有している。さらに説明すると、報告先決定部204は、特定者と対応付けられた会社や家族のすべてを報告先として決定する場合のほか、その一部を報告先として決定する場合もある。
なお、報告先を決定する時期は、特定者からアンケート回答を受信した後に行う場合の他、アンケートを特定者に送信する前に行う場合も考えられる。
【0028】
報告データ作成部205は、報告先決定部204により決定された報告先に報告する報告データを作成する。報告データは、特定者から送信されたアンケート回答を基に行われる。
かかる報告データは、報告先に応じて作成される。例えば、報告先に複数の会社が存在する場合、複数の会社の報告データが互いに同じであったり、会社の役職の有無等の理由により会社ごとに報告データが異なったりすることが考えられる。また、会社と家族とで報告データが同じであったり異なったりすることも考えられる。
【0029】
なお、上述したアンケート実施サーバ200の機能構成は、演算装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、作業メモリとして用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えて構成される制御部により実現される。
【0030】
<端末装置の構成>
回答者端末装置300、第1端末装置400及び第2端末装置500(
図1参照)は、例えば、ネットワーク600に接続可能なパーソナル・コンピュータ(PC)、いわゆるタブレット型端末装置、スマートフォン、その他の情報端末装置により実現される。なお、回答者端末装置300、第1端末装置400及び第2端末装置500は、ネットワーク600に単数が接続されているが、各々を複数台としてもよい。
なお、各端末装置300~500は、表示制御部の制御により各種の画面を表示するものであり、例えば、液晶ディスプレイ等で実現される。また、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等のユーザが操作するための操作デバイスを備える。
【0031】
図3は、アンケート実施サーバにおける処理手順例を示すフローチャートである。
アンケート実施サーバ200において、送受信部201が情報取得装置100からのイベント情報を取得すると(ステップ101)、特定者抽出部202は、イベント情報を基に、特定者抽出処理を行い(ステップ102)、抽出された特定者がいるかどうかを判定する(ステップ103)。
【0032】
抽出された特定者がいる場合(ステップ103でYes)、アンケートデータ作成部203は、アンケートデータを作成し(ステップ104)、特定者に対するアンケートを送信する(ステップ105)。なお、特定者がいない場合(ステップ103でNo)、処理を終了する。
【0033】
送受信部201が特定者からのアンケート回答を受信すると(ステップ106)、報告先決定部204が、受信したアンケート回答を報告する報告先を決定する(ステップ107)。報告データ作成部205が、アンケート回答及び決定した報告先を基に、転送先に応じた報告データを作成し(ステップ108)、作成した報告データを送信する(ステップ109)。
【0034】
<アンケート実施対象者が属する集団の異同について>
ここで、アンケート実施対象者が属する集団が時間の経過に伴って変わったり変わらなかったりする状況について説明する。なお、アンケート実施対象者は、会社に対してアンケートに回答することになるユーザであり、以下、ユーザということがある。
図4~6は、ユーザが属する集団の変動例を説明する図であり、
図4は第1態様、
図5は第1態様から変動した第2態様、
図6は第2態様からさらに変動した第3態様である。
図4~
図6の各(a)は、変動要素と不変要素を説明する図であり、各(b)は、変動要素と不変要素の各情報を説明する図である。
【0035】
図4~
図6の各(a)に示すように、ユーザが属する集団が、変動要素と不変要素に大別されている。ここにいう変動要素は、ユーザが所属する組織例えば会社等の集団に関するものであり、ここにいう不変要素は、変動要素よりも個人的な要素が強い例えば家族等の集団に関するものである。
【0036】
不変要素には、ユーザの家族等のプライバシーに関わる情報を含むことから、変動要素よりも秘匿性の高いものである。会社や家族は、ユーザが属する集団の一例であり、変動要素に関する情報は、第1情報の一例であり、不変要素に関する情報は、第2情報の一例である。
なお、プライバシーとは、個人や家庭内の私事・私生活をいい、不特定多数に知らせる必要性がない乃至その必要性に乏しい個人の秘密事項である。この個人の秘密事項は、本人を識別できる個人情報に限られない。
【0037】
<第1態様>
図4に示す第1態様では、ユーザはA社に所属し、A社ではスタッフであり業務管理者でもある。また、ユーザは、副業としてB社に所属している。すなわち、第1態様の変動要素は、同図(a)に示すように、A社のスタッフ、A社の業務管理者及びB社の3つである。
また、ユーザは、同居する家族のほか、離れて暮らす家族例えば、ユーザの親や子供(大学生)がいる場合、第1態様の不変要素は、同居家族の家族1、別居親の家族2及び別居子の家族3の3つである。
【0038】
このため、データベース保持部206は、ユーザの変動要素の情報としては、
図4(b)に示すように、A社スタッフについての情報11と、A社業務管理者についての情報12と、副業としてのB社の情報13を保持する。
また、データベース保持部206は、ユーザの不動要素の情報として、家族1についての情報21と、家族2についての情報22と、家族3についての情報23を保持する。これらの不動要素の情報は、A社やB社が必ずしも把握していない家族等の情報を含む個人ベース環境を示す情報である。なお、かかる個人ベース環境は、変動要素についての情報と分けて管理されるものである。例えば個人ベース環境は、家族認証により管理されるものであり、招待制や相互承認により情報が追加される。
【0039】
上述したように、第1態様におけるユーザは、A社のスタッフであると共にA社で業務管理者のポジションを持ち、さらにB社の副業を行うことにより、3つの変動要素を持つ。このように、ユーザは、一人で複数の立場、所属を持つ。
【0040】
ここで、安否確認用のアンケートシステムを備える会社では、地震が発生すると、地震の揺れが激しいエリアにいる各ユーザに対して、安否確認のアンケートを送信する。A社及びB社それぞれがアンケートシステムを備える場合を考える。ユーザが震度の大きいエリアにいる場合、ユーザは特定者となることから、A社及びB社からの安否確認のアンケートがそれぞれ送信される。
アンケートを受信したユーザは、無事であればその旨をA社のアンケートで回答し、また、B社のアンケートでも無事であることを回答する必要がある。さらに、ユーザは、A社に対し、アンケートによる無事報告とは別に、A社の業務管理者としてのポジションで求められる対応、例えば自社工場の被災状況を知らせる必要がある。
【0041】
また、ユーザは、自身の家族に安否を早く知らせたいと考える場合、A社やB社のアンケート回答よりも家族への安否連絡を早くしようとすると、A社やB社のアンケート回答の時期が遅くなる。その一方で、A社やB社のアンケート回答を優先すると、家族への安否連絡が遅くなり、家族に不要な心配をかけてしまうことも想定される。
【0042】
このような場合、本実施の形態のように、1つのアンケートで会社及び家族に対する回答を済ませることができ、ユーザの負担を軽減しつつそれぞれの安否確認を迅速に行うことが可能になる。
【0043】
図5に示す第2態様では、同図(a)に示すように、ユーザはA社及びB社に所属しているものの、異動によりA社の業務管理者ではなく(破線部分を参照)、変動要素は、A社のスタッフ及びB社の2つである。このため、データベース保持部206は、ユーザの変動要素の情報としては、同図(b)に示すように、A社スタッフについての情報11と、副業としてのB社の情報13を保持する。
【0044】
また、第2態様における不動要素は、
図5(a)に示すように、第1態様の場合と同じく、家族1~家族3である。不動要素の情報としては、同図(b)に示すように、第1態様の場合と同じく、家族1についての情報21と、家族2についての情報22と、家族3についての情報23である。
【0045】
図6に示す第3態様では、同図(a)に示すように、ユーザは、A社及びB社を退職し、新たにC社に所属している。すなわち、第3態様の変動要素は、C社のスタッフ1つである。このため、データベース保持部206は、ユーザの変動要素の情報としては、同図(b)に示すように、C社スタッフについての情報13のみを保持する。
【0046】
また、第3態様における不動要素は、第1態様や第2態様の場合と同じく、家族1~家族3であり、その情報としては、家族1についての情報21と、家族2についての情報22と、家族3についての情報23である。
【0047】
変動要素が3つの第1態様から、A社の異動により業務管理者のポジションがなくなることで変動要素が2つの第2態様や、A社及びB社の退職及びC社への転職により変動要素が1つになる第3態様など、ユーザが属する会社が変わる一方で、第1態様、第2態様及び第3態様における不動要素に変わりがない。このように、ユーザが属する集団には、時間の経過と共に移り変わっていく変動要素と、時間が経過しても移り変わり難い不変要素とがある。
【0048】
<アンケートを実施した場合の一例>
次に、アンケートを実施した場合の一例である第1乃至第4具体例として、地震発生に伴ってアンケート実施サーバ200(
図1参照)により行われるアンケート実施を説明する。第1具体例及び第2具体例は、会社起動でアンケートが実施される場合であり、第3具体例は、家族起動でアンケートが実施される場合である。
ここにいう会社起動は、例えば地震が発生した場合に会社のある地域で予め定められている震度が検知された場合に会社からのアンケートという形式で実施されるものである。また、ここにいう家族起動は、地震が発生した場合に会社のある地域では予め定められている震度が検知されなかったものの、ユーザ家族の居住地にある地域で予め定められている震度が検知された場合にユーザ家族へのアンケートという形式で実施されるものである。
予め定められている震度が検知されたことは、予め定められている条件の一例である。
【0049】
また、第1具体例は、会社のみにアンケート回答が送られる場合であり、第2具体例は、会社のほかに家族にアンケート回答が送られる場合であり、第3具体例は、ユーザにアンケート回答が送られる場合である。
なお、第1乃至第3具体例は、ユーザを「◎◎◎◎」とし、また、上述した第1態様(
図4参照)すなわちユーザの変動要素がA社のスタッフとA社の業務管理者とB社であるとして説明する。
【0050】
<第1具体例>
アンケートを実施した場合の第1具体例について
図7、
図8及び
図9を用いて説明する。
図7は、第1具体例のアンケートを説明する図であり、(a)はアンケートメール、(b)は、ウェブアンケートを示す。
図8は、第1具体例のアンケート回答を説明する図である。
図9は、第1具体例の報告メールを説明する図であり、(a)はA社向け、(b)はB社向けである。
【0051】
図7(a)に示すアンケートのメール31は、アンケート実施サーバ200からユーザに送信されるものである。メール31は、「さきほど発生した「地震」に対するA社及びB社のアンケートに御回答ください。」という説明を示す領域31aと、安否確認のための領域31bと、A社へのコメントのための領域31cと、B社へのコメントのための領域31dと、ウェブアンケートを案内する領域31eと、を含んで構成されている。
【0052】
領域31bは、安否確認の選択肢として、「1 無事」、「2 軽度の負傷」及び「3 重度の負傷」を有する。また、領域31cは、選択肢として、A社へのコメント有無を指定する「4 なし」及び「5 あり」を有し、領域31dは、選択肢として、B社へのコメント有無を指定する「6 なし」及び「7 あり」を有する。さらに、領域31cの「5 あり」及び領域31dの「7 あり」については、コメント入力欄が示されている。
【0053】
領域31eは、アンケート回答の方法を案内し、メール返信のほか、ウェブアンケートでも回答できることを示している。また、領域31eは、ウェブアンケートする場合のURLも示している。
【0054】
したがって、アンケート回答をメール返信する場合、例えば、無事であることの「1」、A社へのコメントありの「5」及びコメント内容、B社へのコメントなしの「6」を返信すれば足りる。
【0055】
図7(a)に示すアンケートのメール31の領域31eにあるURLをクリックすることで、同図(b)に示すウェブアンケート32を表示できる。かかるウェブアンケート32は、メール31の領域31aに対応する領域32aを含んで構成されている。また、ウェブアンケート32は、安否確認の領域31bと同じ内容の領域32bを含み、また、領域31c、31dと同じ内容の領域32c、32dを含んで構成されている。さらに、ウェブアンケート32は、アンケート回答を送信する送信ボタンが表示される領域32fを含んで構成されている。
【0056】
領域32bの選択肢は、領域31bと同じであるが、数字の代わりに、いずれか1つを選択状態にするためのラジオボタンが配置されている。領域32b、32cの選択肢は、領域31b、31cと同じであるが、数字の代わりに、ラジオボタンが配置された上で、「あり」を選択した場合に文字入力可能な入力欄が配置されている。
【0057】
このように、メール31では、A社のアンケートとB社のアンケートを兼用し、1つのアンケートで、A社及びB社という複数の会社に対して安否確認を行うことができる。
なお、
図7(a)では、メール31にアンケートの内容が含まれているが、これに限られず、領域31b~31eを省略し、領域31e内のURLを表示してウェブアンケート32を案内するようにしてもよい。
【0058】
例えば、
図7(b)に示すウェブアンケート32に対し、ユーザが入力操作することにより、アンケートの回答が行われる。
より詳細には、
図8に示すアンケート回答では、領域32bの「無事」が選択されている。また、領域32cでは、A社へのコメント「あり」が選択された上で、入力欄に「工場は稼働しています」というコメントが入力される。また、領域32dでは、B社へのコメント「なし」が選択されている。そして、領域32fにカーソルCSを合わせてユーザがクリックすることで、アンケート回答が送信される。
【0059】
アンケート実施サーバ200は、
図8のアンケート回答を取得すると、アンケート回答を基に、
図9(a)に示すA社に対する報告メール33及び、同図(b)に示すB社に対する報告メール34が作成される。すなわち、取得したアンケート回答の一部又は全部がアンケート実施サーバ200から報告メールとして転送される。
より詳細には、
図9(a)のA社に対する報告メール33には、「さきほど発生した「地震」による◎◎◎◎様(スタッフ及び業務管理者)の状況は、以下のとおりです。」という説明を示す領域33aと、ウェブアンケート32の領域32bの回答である領域33bと、領域32cの回答である領域33cが含まれる。領域33aには、「スタッフ及び業務管理者」という変動要素の情報が含まれている。
また、
図9(b)のB社に対する報告メール34には、「さきほど発生した「地震」による◎◎◎◎様の状況は、以下のとおりです。」という説明を示す領域34aと、ウェブアンケート32の領域32bの回答である領域34bと、領域32dの回答である領域34dが含まれる。
さらに、報告メール33、34には、アンケート実施サーバ200がアンケート回答を受領した日時である「◇◇月◇◇日◇◇時◇◇分」を示す領域33g、34gが含まれる。
【0060】
このように、ユーザから送信された1つのアンケート回答を基に、A社に報告するユーザの安否確認等を含む報告メール33と、B社に報告する報告メール34が作成される。これにより、ユーザは、A社からのアンケートに回答すると共にB社からのアンケートにも回答するという行為を行わずに、各社に対して安否確認等を済ませることができる。
【0061】
<第2具体例>
アンケートを実施した場合の第2具体例について
図10を用いて説明する。
図10は、アンケート実施サーバ200からユーザに送信されるアンケート及び報告メールを説明する第2具体例の図であり、(a)はウェブアンケート、(b)は家族向けの報告メールを示す。
図10(a)に示すウェブアンケート32は、
図7(b)に示す領域32a~32d、32fに加え、家族への安否連絡の要否を問うための領域32hを含んで構成されている。
領域32hは、選択肢として、家族への安否連絡を「する」と「しない」を有すると共に、各々にラジオボタンが配置されている。このため、ユーザは、家族への安否確認を、今回のアンケートで行うかどうかを選択することができる。
なお、第2具体例の場合のアンケートのメールは、第1具体例の場合(
図7(a))に、上述の領域32hに対応する領域が追加された内容になることから、その図示を省略する。
【0062】
第2具体例の場合にも、上述した第1具体例の場合と同じく、A社に対する報告メール33(
図9(a)参照)及びB社に対する報告メール34(同図(b)参照)が作成され、それぞれが送信される。
【0063】
図10(b)に示すように、ウェブアンケート32の領域32hにおいて「する」が選択された場合には、さらに、家族向けの報告メール35が作成送信されることで、家族への安否連絡が行われる。
より詳細には、報告メール35には、「さきほど発生した「地震」による◎◎◎◎様の状況は、以下のとおりです。」という説明を示す領域35aと、ウェブアンケート32での領域32b(同図(a)参照)の回答である領域35bと、領域33g、34g(
図9(a)、(b)参照)と同じ内容の「◇◇月◇◇日◇◇時◇◇分」を示す領域35gが含まれる。
このように、領域32hの「する」が選択された場合には、ユーザから送信された1つのアンケート回答を基に報告メール33、34(
図9(a)、(b)参照)が作成送信されるほか、
図10(b)に示す家族向けの報告メール35が作成送信される。
【0064】
なお、
図10(a)に示すウェブアンケート32の領域32hにおいて「しない」が選択された場合には、家族への安否連絡は行われない。すなわち、ユーザから送信された1つのアンケート回答を基に報告メール33、34(
図9(a)、(b)参照)が作成送信されるだけである。
【0065】
ここで、第2具体例の場合、
図10(a)に示すように、ウェブアンケート32は、A社及びB社に対するアンケートと御家族様に対するアンケートとを兼ねるものであり、A社及びB社と御家族様に対して回答するアンケートである。そして、
図10(b)に示すように、ウェブアンケート32の領域32hにおいて家族への安否連絡の「する」が選択された場合には、アンケート回答の一部がA社及びB社に報告メールとして送信されるほか、アンケート回答の他の一部が御家族様に報告メールとして送信される。
【0066】
また、
図10(a)に示すウェブアンケート32において、領域32a、32bを備え、安否確認の領域32bでの回答をA社、B社及び御家族様に対して報告するための報告メールがそれぞれ送信されるようにしてもよい。かかる場合、ウェブアンケート32は、
図10(a)の領域32c、32d、32hを備えないように構成してもよく、領域32bのいずれかが選択されたアンケート回答のすべてをA社、B社及び御家族様に送信するようになる。
【0067】
<第3具体例>
図11は、第3具体例を説明する図であり、(a)は家族向けのウェブアンケート、(b)はユーザ向けの報告メールを示す。
図12(a)に示す第3具体例のウェブアンケート32は、◎◎◎◎様の御家族様が回答するアンケートであり、「さきほど発生した「地震」に対する◎◎◎◎様のアンケートに御回答ください。」という説明を示す領域32aと、安否確認のための領域32bと、を含んで構成されている。
【0068】
図11(b)に示す第3具体例のアンケート回答36は、◎◎◎◎様に送信されるものであり、「さきほど発生した「地震」による◎◎◎◎様の御家族様の状況は、以下のとおりです。」という説明を示す領域36aと、ウェブアンケート32での領域32b(同図(a)参照)の回答である領域36bと、回答受信日時として「◇◇月◇◇日◇◇時◇◇分」を示す領域36gが含まれる。
【0069】
本実施の形態では、ユーザにおける上述の変動要素の情報を不変要素の情報と分けて管理する単一のアンケートシステム10である。そして、アンケートシステム10のアンケート実施サーバ200は、会社や役職等に変更があった場合にも、データベース保持部206のデータベースにおける変動要素の情報を更新することができることから、その時点で必要なアンケートの実施を行うことができる。
【0070】
より詳細には、個人ベース環境(
図4~
図6参照)を基に、所属会社、社内の役割、副業などについて、同一の災害においても複数異なる立場/所在地でのアンケート回答があった場合、その回答には共有できるもの/共有しないものが混在するが、本実施の形態によれば、それに対応したアンケートの実施や回答、報告を行うことができる。なお、個人ベース環境とは、所属する会社や部署等によって変わらないプライベートの居住地、家族等の状況が登録され、それに基づいて災害時の状況共有する機能要素をいう。
【0071】
本実施の形態では、例えば災害時の安否情報についてのアンケートの場合を説明したが、これに限られない。例えば、ユーザ所有の家電情報や、イベント情報、グルメ情報、個人健康情報等についてのアンケートにも適用することができる。
【0072】
より詳細には、ユーザ所有の家電情報をデータベース保持部206(
図2参照)が保持する場合、その家電についてリコールがあったときに該当するユーザにアンケートを実施し、希望する対応方法を回答してもらうようにしてもよい。また、家電製品の製造からの経過期間が長くなり製品が古くなった場合、メーカーから新製品を割引価格で購入できるキャンペーンを実施しているが興味があるかどうかのアンケートを実施するようにしてもよい。
さらに説明すると、個人ベース環境(
図4~
図6参照)を家庭内の物品・食品情報にして、加除できる変動環境の対象をメーカー等にすれば、リコール情報や廃版情報、セールス情報など、個人ベースの一貫した購買関連情報集約環境として活用できる。
【0073】
また、イベントの開催情報をユーザに知らせることで参加したかどうかのアンケートを実施したり、ユーザに最新のグルメ情報を知らせてその情報に興味があるかどうかのアンケートを実施したりすることが考えられる。
【0074】
また、ユーザの転職等により属する健康保険が変わる場合、それまで属していたA健保からB健保に入った場合には、A健保が有するユーザの個人の健康情報はB健保に引き継がれないことから、そのような個人の健康情報をデータベース保持部206(
図2参照)が保持することで、ユーザに対して定期的に健康に関するアンケートを実施することも考えられる。
さらに説明すると、個人ベース環境(
図4~
図6参照)を健康情報にして、加除できる変動環境の対象を健保や医療機関などにすれば、健保の変更や転勤による通院先の変更に関わらず、個人ベースの一貫した健康関連情報集約環境として活用できる。
【符号の説明】
【0075】
200…アンケート実施サーバ、201…送受信部、202…特定者抽出部、203…アンケートデータ作成部、204…報告先決定部、205…報告データ作成部、206…データベース保持部