(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166818
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】床構造
(51)【国際特許分類】
E04B 5/02 20060101AFI20241122BHJP
【FI】
E04B5/02 Z
E04B5/02 G
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083188
(22)【出願日】2023-05-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2022年度日本建築学会大会学術講演梗概集、第463頁から第466頁、令和4年7月20日発行、一般社団法人日本建築学会
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】杉田 朋哉
(72)【発明者】
【氏名】小林 礼奈
(57)【要約】
【課題】施工を容易にしつつ、床振動連動効果を向上することで振動を抑制可能な床構造を提供する。
【解決手段】床構造100は、梁11と、梁11に支持されており、上面121と側面122との角に面取りされた端面123を有しており、側面122同士が対向して位置する複数の床パネル12と、隣接する床パネル12の端面123に支持された目地部材13と、複数の床パネル12の上面121および目地部材13に支持された床下地材14と、床下地材14を床パネル12に固定するビス15と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁と、
上記梁に支持されており、上面と側面との角に面取りされた端面を有しており、上記側面同士が対向して位置する複数の床パネルと、
隣接する上記床パネルの上記端面に支持された目地部材と、
複数の上記床パネルの上記上面および上記目地部材に支持された床下地材と、
上記床下地材を上記床パネルに固定するビスと、を備える床構造。
【請求項2】
上記目地部材の剛性は、上記床下地材の剛性よりも大きい請求項1に記載の床構造。
【請求項3】
上記目地部材は、隣接する上記床パネルの上記端面にそれぞれ当接するアングル材である請求項1に記載の床構造。
【請求項4】
上記目地部材は、隣接する上記床パネルの上記端面にそれぞれ当接する外面を有する断面形状が三角形の棒体である請求項1に記載の床構造。
【請求項5】
上記目地部材は、帯材が螺旋状に巻回されたものである請求項1に記載の床構造。
【請求項6】
上記床パネルは、平面視の外形が長方形であり、
上記端面は、上記長方形の長辺に沿って延びており、
上記目地部材は、上記端面において、上記長辺に沿った方向の中央近傍にある請求項2から5のいずれかに記載の床構造。
【請求項7】
上記床下地材は、平面視の外形が長方形であって上記床パネルよりも外形が大きく、
上記床下地材は、上記床パネルの上記長方形の長辺と、上記床下地材の上記長方形の長辺と、が直交するように配置されている請求項6に記載の床構造。
【請求項8】
梁と、
上記梁に支持されており、上面と側面との角に面取りされた端面を有しており、上記側面同士が対向して位置する複数の床パネルと、
隣接する上記床パネルの上記側面に沿って延び、上記端面に支持された目地部材と、
複数の上記床パネルの上記上面および上記目地部材に支持された床下地材と、
上記床下地材を上記床パネルに固定するビスと、を備えており、
上記ビスは、
水平方向においてマトリクス状に位置する第1ビスと、
上記目地部材の延伸方向に交差する方向であり、上記目地部材から視て一方において、上記目地部材と上記第1ビスとの間隔よりも上記目地部材に近接している第2ビスと、を備えている床構造。
【請求項9】
上記目地部材は、上記目地部材の延伸方向に交差する方向において、一対の上記ビスに挟まれており、
一対の上記ビスの一方は、上記目地部材と上記ビスの他方との間隔に合わせて上記目地部材から離間して位置する請求項8に記載の床構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床パネル乾式構法によって施工される床パネルを有する床構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、水平方向に複数並べられたALCパネルである床パネルの上面に床下地材を固定した床構造が知られている。床パネルの接合方法として、隣接する床パネルの間の目地の溝に鉄筋を敷設した上で、モルタルを充填することで床パネルを固定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された接合方法では、床パネル同士を連結するので、歩行等に伴う床パネルの上下方向の床振動に対する連動効果が向上するという利点がある。床振動連動効果が向上することにより、床パネル全体の振動が抑制される。一方で、モルタルを用いずに、取付金具を用いて、梁に床パネルを固定する構法がある。取付金具を用いる方法では、モルタルを用いる場合に比べ、施工が容易であるという利点がある。取付金具を用いる方法において、床振動連動効果を向上できれば好ましい。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、施工を容易にしつつ、床振動連動効果を向上することで振動を抑制可能な床構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係る床構造は、梁と、上記梁に支持されており、上面と側面との角に面取りされた端面を有しており、上記側面同士が対向して位置する複数の床パネルと、隣接する上記床パネルの上記端面に支持された目地部材と、複数の上記床パネルの上記上面および上記目地部材に支持された床下地材と、上記床下地材を上記床パネルに固定するビスと、を備える。
【0007】
荷重による振動を受けた床パネルは、水平方向に隣接する床パネルに対して下方に沈むように変位する。下方に変位する床パネルは、ビスによって下向きの力を床下地材に与える。目地部材は、ビスによる力により変形する床下地材に対して上向きの力を与える。床下地材におけるビスと目地部材との間には、力に起因するせん断力が生じる。上向きの力が与えられる位置は、目地部材が無い場合に隣接する床パネルにより与えられる位置に比べ、ビスに近い。2つの力の位置が近いほど、床下地材の剛性が大きくなるので、床下地材の撓みが小さくなる。撓みを小さくすることで振動を抑制できる。
【0008】
(2)上記目地部材の剛性は、上記床下地材の剛性よりも大きいのが好ましい。
【0009】
(3) 上記目地部材は、隣接する上記床パネルの上記端面にそれぞれ当接するアングル材であるのが好ましい。
【0010】
(4) 上記目地部材は、隣接する上記床パネルの上記端面にそれぞれ当接する外面を有する断面形状が三角形の棒体であるのが好ましい。
【0011】
目地部材を棒体とすることで、同じ材質のアングル材に比べて変形に対する目地部材の強度を向上することができる。
【0012】
(5) 上記目地部材は、帯材が螺旋状に巻回されたものであるのが好ましい。
【0013】
隣接する床パネルの端面に角度等の寸法誤差があったとしても、目地部材において誤差を吸収することで、目地部材を容易に位置させられる。
【0014】
(6) 上記床パネルは、平面視の外形が長方形であり、上記端面は、上記長方形の長辺に沿って延びており、上記目地部材は、上記端面において、上記長辺に沿った方向の中央近傍にあるのが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、床パネルのうち、比較的変位の大きい位置に目地部材を位置できる。変位の大きい位置の振動を抑制できるので、床振動連動効果を向上して振動を抑制できる。
【0016】
(7) 上記床下地材は、平面視の外形が長方形であって上記床パネルよりも外形が大きく、上記床下地材は、上記床パネルの上記長方形の長辺と、上記床下地材の上記長方形の長辺と、が直交するように配置されているのが好ましい。
【0017】
(8) 本発明に係る床構造は、梁と、上記梁に支持されており、上面と側面との角に面取りされた端面を有しており、上記側面同士が対向して位置する複数の床パネルと、隣接する上記床パネルの上記側面に沿って延び、上記端面に支持された目地部材と、複数の上記床パネルの上記上面および上記目地部材に支持された床下地材と、上記床下地材を上記床パネルに固定するビスと、を備えており、上記ビスは、水平方向においてマトリクス状に位置する第1ビスと、上記目地部材の延伸方向に交差する方向であり、上記目地部材から視て一方において、上記目地部材と上記第1ビスとの間隔よりも上記目地部材に近接している第2ビスと、を備えている。
【0018】
上記構成によれば、荷重による振動を受けた床パネルは、水平方向に隣接する床パネルに対して下方に沈むように変位する。下方に変位する床パネルは、ビスによって下向きの力を床下地材に与える。目地部材は、ビスによる力により変形する床下地材に対して上向きの力を与える。床下地材におけるビスと目地部材との間には、力に起因するせん断力が生じる。第1ビスに加えて、第2ビスが位置することで、第1ビスのみの場合に比べ、目地部材とビスとの距離が小さくなる。距離が小さくなることで床下地材の撓みが小さくなるので、床振動連動効果を向上して、振動を抑制できる。
【0019】
(9) 上記目地部材は、上記目地部材の延伸方向に交差する方向において、一対の上記ビスに挟まれており、一対の上記ビスの一方は、上記目地部材と上記ビスの他方との間隔に合わせて上記目地部材から離間して位置するのが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、目地部材を挟んで一対のビスによって目地部材が床下パネルに固定されているので、隣接する床パネルのいずれか一方が沈むように変位したとしても、床振動連動効果を向上して、振動を抑制できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る床構造によれば、施工を容易にしつつ、床振動連動効果を向上することで振動を抑制可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】
図2は、床パネルおよび目地部材の位置関係を示す平面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態における床パネルと目地部材との位置関係を示す平面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態における床パネルの動きに対する床下地材および目地部材の関係を示すA-A線断面図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態における床パネルと目地部材との位置関係を示す平面図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態における床パネルの動きに対する床下地材および目地部材の関係を示すB-B線断面図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態における床パネルと目地部材との位置関係を示す平面図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態における床パネルの動きに対する床下地材および目地部材の関係を示すC-C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具現化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0024】
また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。床構造100に関する方向として、上下方向23、第1方向24、及び第2方向25が与えられている。第1方向24及び第2方向25は、共に、上下方向23に直交する横方向であって、相互に直交している。第1方向24は、詳しくは後述する床パネル12の長方形の外形の長辺方向である。第2方向25は、詳しくは後述する床パネル12の長方形の外形の短辺方向である。
【0025】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る床構造100について説明する。床構造100は、例えば、図示しない鉄骨構造の建築物において、上階に用いられる構造物である。床構造100は、
図1から
図3に示されるように、梁11と、床パネル12と、目地部材13と、床下地材14と、ビス15と、を備える。
【0026】
梁11は、例えば、格子状に組み合わされた鉄骨梁である。梁11は、第2方向25に沿って延びる複数の第1鉄骨梁111と、第1方向24に沿って延びる図示しない複数の第2鉄骨梁と、を備える。第1鉄骨梁111および第2鉄骨梁は、共にH型鋼である。第1鉄骨梁111および第2鉄骨梁は、周知の連結構造により相互に連結されたり、鉄骨柱に連結されたりする。
【0027】
床パネル12は、例えば、ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)パネルである。
図4に示されるように、床パネル12は、平面視の外形が長方形であり、直方体形状である。床パネル12は、上面121と側面122との角に面取りされた端面123を有している。具体的には、床パネル12は、上面121と、長辺方向(長辺127)に沿って延びる側面122との角に面取りされた端面123を有している。
図1から
図3に示されるように、床パネル12は、第1方向24に長辺方向を向けて互いに隣接して位置する。具体的には、床パネル12は、側面122同士を互いに隣接させて位置している。床パネル12は、第1方向24および第2方向25のそれぞれに沿って、複数位置している。床パネル12の下面124(
図1,
図4参照)は、梁11に支持される。第2方向25に隣接する床パネル12の両端に位置する床パネル12は、例えば、第2鉄骨梁に支持される。
【0028】
図5および
図6に示されるように、目地部材13は、例えば、断面L字形状のアングル材である。目地部材13は、例えば、鋼鉄またはステンレス製である。目地部材13は、例えば、平面視の外形が長方形の板材を短辺方向中央で長辺方向に沿って屈曲した形状である。目地部材13の剛性は、後述する床下地材14の剛性よりも大きい。具体的には、床下地材14が上方を向く力(せん断力)を受けて撓む、面外撓みの撓み量に対して、目地部材13が下方を向く荷重を受けて下方に向けて圧縮される圧縮量よりも小さい。
【0029】
図1から
図3に示されるように、目地部材13は、隣接する床パネル12の間に位置する。具体的には、目地部材13は、第2方向25で隣接する床パネル12(以下、一方の床パネルを12a、他方の床パネルを12bとする)の間に位置する。目地部材13の第1方向24に沿った長さは、床パネル12の長辺127よりも短い。目地部材13は、例えば、床パネル12における長方形の外形の長辺127に沿った方向の中央近傍に位置している。
【0030】
図6および
図7に示されるように、目地部材13の屈曲している角部131は、床パネル12a,12bの対向する側面122a,122bの位置に下方を凸にして位置している。目地部材13の角部131を挟んで一対に位置しており、下方を向く二つの面(第1面132、第2面133)のそれぞれは、床パネル12の端面123a,123bにそれぞれ当接する。目地部材13は、隣接する床パネル12a,12bの端面123により支持される。第2方向25において、目地部材13の角部131から上端134までの幅W1は、床パネル12の端面123の幅W2と同じまたはより小さい(W1<=W2)。目地部材13の角部131における屈曲角度は、直角または鈍角である。
図3に示されるように、目地部材13は、目地部材13の延伸方向(第1方向24)に交差する方向(第2方向25)において、後述する一対のビス15に挟まれている。
【0031】
床下地材14は、平面視の外形が長方形の板体である。床下地材14は、例えば、パーティクルボードである。
図1および
図3に示されるように、床下地材14の外形は、床パネル12よりも大きい。床下地材14は、複数の床パネル12および目地部材13の上方に重ねられ、複数の床パネル12および目地部材13によって下面141が支持されている。床下地材14は、床パネル12における長方形の外形の長辺127と、床下地材14における長方形の外形の長辺143とが直交するように配置されている。具体的には、床下地材14の長辺143は、例えば、第2方向25に沿って位置している。床下地材14の短辺144は、例えば、第1方向24に沿って位置している。
【0032】
図1、
図3、
図6に示されるように、ビス15は、床下地材14の上面142から下方に向けて打ち込まれている。ビス15は、床下地材14を床パネル12に固定している。ビス15は、目地部材13の延伸方向(第1方向24)に交差する方向(例えば、第2方向25)において、目地部材13を挟んで一対に位置している。目地部材13を挟む一対のビス15の一方は、目地部材13とビス15の他方との間隔に合わせて目地部材13から離間して位置している。具体的には、
図3に示されるように、目地部材13を挟む一対のビス15の一方から目地部材13までの距離R3は、目地部材13を挟む一対のビス15の他方から目地部材13までの距離R3と等しい。ビス15は、第1ビス151と、第2ビス152と、を有する。
【0033】
第1ビス151は、水平方向においてマトリクス状に位置する。第1ビス151は、例えば、
図3に示されるように、床下地材14における長方形の外形の各辺に沿う方向に複数打込まれている。第1ビス151は、例えば、床下地材14の上面142に対して、予め定められた位置に打込まれている。具体的には、第1ビス151は、平面視において、第1方向24および第2方向25に沿って、複数が一定間隔で位置している。第1ビス151は、例えば、床下地材14における平面視において、長辺143の方向に沿って6行、短辺144の方向に沿って4列位置している。
【0034】
第2ビス152は、第1ビス151に加えて打込まれているビスである。第2ビス152は、目地部材13の位置に対応して打込まれている。第2ビス152は、例えば、目地部材13の延伸方向(第1方向24)に交差する方向であり、目地部材13から視て一方において、目地部材13と第1ビス151との間隔よりも目地部材13に近接して位置している。すなわち、第2ビス152は、第2方向25において、目地部材13から視て一方において、第1ビス151よりも近接して位置している。具体的には、
図3に示されるように、目地部材13から視て、第2方向25の一方における目地部材13から第1ビス151までの距離R1は、目地部材13から第2ビス152までの距離R2よりも大きい(R1>R2)。
【0035】
図3において、第2ビス152は、第2方向25において、目地部材13を挟んで位置する2つのビス15のうち、少なくとも一方のビスである。第2ビス152は、目地部材13の延伸方向に交差する方向(第2方向25)において、一対で目地部材13を挟むか、第1ビス151とで目地部材13を挟むかのいずれかの態様で位置している。具体的には、
図3に示すように、一対のビス15cで示されるように、2つの第2ビス152で目地部材13を挟む態様、または一対のビス15dで示されるように、1つの第1ビス151と1つの第2ビス152とで挟む態様のいずれかで位置している。
【0036】
(床パネル12の沈み込みに対する床下地材14および目地部材13の動き)
次に、床パネル12の沈み込みに対する床下地材14および目地部材13の動きについて説明する。なお、
図5から
図7では、隣接する2つの床パネル12a,12bに打込まれているビスのそれぞれが、ビス15a,15bとして示される。
図7に示されるように、隣接する床パネル12a,12bの一方の床パネル12aが荷重により沈むように変位すると、一方の床パネル12aに打込まれているビス15aも一方の床パネル12aの変位に合わせて下方に変位する。ビス15aの下方への変位により、床下地材14も床パネル12aの変位に合わせて変位する。このとき、床下地材14には、ビス15aから下方に向く方向の力F1が与えられる。
【0037】
目地部材13は、一方の床パネル12aとともに移動しようとする床下地材14の下面141から、下方に向く荷重(力f0)を受ける。具体的には、目地部材13は、第2方向25において、一方の床パネル12a側に突出している上端134において、床下地材14の下面141から下方に向く荷重(力f0)を受ける。目地部材13の角部131が直角または鈍角の角度を有するアングル材であることで、目地部材13の上端134にかかる荷重(力f0)は、
図7に示されるように、第1面132に沿う方向の分力f1と、板面に垂直な方向の分力f2に分けられる。分力f1は、分力f2と等しいまたはより大きくなる(f1>=f2)。分力f1により、端面123bと目地部材13との間に摩擦力が働く。また、目地部材13の上端134と床下地材14の下面141とが接することで、目地部材13は、端面123bに接触した状態で移動しない。
【0038】
一方で、目地部材13の第1面132は、隣接する床パネル12aの一方の端面123aとの接触から解除される。床下地材14に接触する目地部材13の上端のうち、第2方向25において一方の床パネル12a側に突出している上端134を起点として、床下地材14は、下方に撓む。このとき、撓みの起点となっている上端134の位置には、目地部材13から床下地材14に対して上方を向く力F2が与えられる。
【0039】
目地部材13の剛性が床下地材14の剛性よりも大きいことで、床下地材14の変形に対して、目地部材13の変形は小さい。具体的には、床下地材14が上方を向く力F2(せん断力)を受けて撓む、面外撓みの撓み量に対して、目地部材13が下方を向く荷重(力f0)を受けて下方に向けて圧縮される圧縮量よりも小さい。したがって、目地部材13の第2面133は、変形せずに、他方の床パネル12bの端面123bに当接した状態に維持される。
【0040】
目地部材13が隣接する床パネル12a,12bの間に位置していることで、床下地材14の撓む区間の長さL1は、ビス15aから側面122aまでの距離Aと、第2方向25における側面122の位置から床パネル12の一方側に突出する目地部材13の上端134までの長さCとの差となる。これに対し、目地部材13がない場合、他方の床パネル12bの端面123bの上端126が、一方の床パネル12aに最も近く、床下地材14の下面141に接触する位置となる。床下地材14は、他方の床パネル12bの端面123の上端126を起点に下方に撓む。したがって、床下地材14の撓む区間の長さL2は、ビス15aから側面122aまでの距離Aと、第2方向25における側面122aの位置から床パネル12bの上端126までの長さCとの和となる。
【0041】
床下地材14の面外撓みに対する剛性は、床下地材14の撓む区間の長さの三乗に反比例する。したがって、撓む区間が短いほど、床下地材14の面外撓みに対する剛性が高くなる。目地部材13が位置することで、床下地材14の面外撓みに対する剛性が高まるので、床パネル12a,12b同士の追従性が向上する。床パネル12a,12b同士の追従性の向上により、床振動連動効果が向上する。ここで床振動連動効果とは、荷重に対して床パネル12が単体で振動する場合に比べ、隣接する複数の床パネル12が同位相且つ減少した加速度で振動することにより、床振動を抑制することをいう。
【0042】
(床構造100の施工方法)
図2に示されるように、複数の床パネル12は、長方形の外形の長辺127を第1方向24に向けて、第1方向24および第2方向25に複数配置される。複数の床パネル12は、第2方向25に沿って延びる第1鉄骨梁111と、第1方向24に沿って延びる第2鉄骨梁とに重ねて配置される。
【0043】
目地部材13は、第1方向24に長手方向を向けて隣接する床パネル12の間に配置される。目地部材13は、第1方向24に延びる床パネル12の平面視における長方形の外形の長辺127に沿って配置される。目地部材13は、床パネル12の平面視における長方形の長辺127の中央近傍に配置される。
【0044】
図3に示されるように、床パネル12および目地部材13の上方から、床下地材14が配置される。床下地材14は、平面視における長方形の外形の長辺127を第2方向25に沿わせて配置される。床下地材14は、例えば、第1方向24において隣接する床下地材14の短辺144同士を第2方向25において互い違いにずらして配置される。床下地材14の平面視における長方形の外形の短辺144は、上下方向23において、目地部材13に重ならない位置に配置される。すなわち、床下地材14の下面141は、目地部材13の上端134に当接するように配置される。
【0045】
図6に示されるように、第1ビス151は、床下地材14の上面142から打込まれる。第1ビス151は、床下地材14の平面視における長方形の外形に合わせて、予め定められた位置にマトリクス状に打込まれる(
図3参照)。第2ビス152は、目地部材13の位置に合わせて、第1ビス151に加えて打込まれる。第2ビス152は、第2方向25において、第1ビス151よりも目地部材13に近接させて打込まれる。第2ビス152は、1つの目地部材13に対して、目地部材13を挟んで一対に打込まれる場合と、第1ビス151との間で目地部材13を挟むように1つ打込まれる場合とがある。一対に打込まれる場合、第2ビス152は、例えば、第2方向25に沿って、目地部材13を挟んで等距離で一対に打込まれる。第2ビス152が1つ打込まれる場合、第2ビス152は、例えば、第2方向25に沿って、目地部材13から視て最も近接する目地部材13から第1ビス151までの間隔と等しくなるように、目地部材13から視て当該第1ビス151とは反対側に間隔を開けて打込まれる。第1ビス151および第2ビス152が打込まれることで、床構造100が構成される。
【0046】
(第1実施形態の作用効果)
荷重による振動を受けた床パネル12aは、水平方向に隣接する床パネル12bに対して下方に沈むように変位する。下方に変位する床パネル12aは、ビス15aによって下向きの力f0を床下地材14に与える。目地部材13は、ビス15aによる力により変形する床下地材14に対して上向きの力F2を与える。床下地材14におけるビス15aと目地部材13との間には、力f0,F2に起因するせん断力が生じる。上向きの力F2が与えられる位置は、目地部材13が無い場合に隣接する床パネル12bにより与えられる位置に比べ、床パネル12aに打込まれているビス15aに近い。2つの力f0,F2の位置が近いほど、床下地材14の面外撓みに対する剛性が大きくなるので、床下地材14の撓みが小さくなる。これにより、隣接する床パネル12a,12b間の振動連動効果が向上する。振動連動効果の向上により、床構造100全体の振動の抑制を図ることができる。
【0047】
目地部材13が隣接する床パネル12a,12bの端面123にそれぞれ当接することで、隣接する床パネル12a,12bのいずれに荷重がかかった場合であっても、連動振動効果を向上することができる。連動振動効果の向上により振動の抑制を図ることができる。
【0048】
床パネル12の比較的変位の大きい位置に目地部材13を位置できる。変位の大きい位置の振動を抑制できるので、振動連動効果を向上して振動を抑制できる。
【0049】
荷重による振動を受けた床パネル12aは、水平方向に隣接する床パネル12bに対して下方に沈むように変位する。下方に変位する床パネル12は、ビス15aによって下向きの力F1を床下地材14に与える。目地部材13は、ビス15aによる力により変形する床下地材14に対して上向きの力F2を与える。床下地材14におけるビス15aと目地部材13との間には、力f0,F2に起因するせん断力が生じる。第1ビス151に加えて、第2ビス152が位置することで、第1ビス151のみの場合に比べ、目地部材13とビス15との距離が小さくなる。距離が小さくなることで床下地材14の面外撓みが小さくなるので、床振動連動効果を向上して、振動を抑制できる。
【0050】
目地部材13を挟んで一対のビス15によって目地部材13が床パネル12に固定されているので、隣接する床パネル12a,12bのいずれか一方が沈むように変位したとしても、床振動連動効果を向上して、振動を抑制できる。
【0051】
(第1実施形態の変形例)
上記実施形態において、床パネル12における長方形の外形の長辺127に沿った方向の中央近傍に目地部材13が位置しているとしたが、これに限定されない。目地部材13は、中央よりも端に近い位置に位置していてもよい。目地部材13は、床パネル12における長方形の外形の長辺127に沿って複数位置していてもよい。目地部材13は、床パネル12における長方形の外形の長辺127の長さに合わせた長さであってもよい。床パネル12の端面123は、床パネル12における長方形の外形の短辺128(
図1参照)の位置にもあってよい。目地部材13は、床パネル12における長方形の外形の短辺の位置にも位置してよい。この場合、床パネル12の平面視における長方形の外形の短辺128は、面取りされて端面123と同様の端面が形成される(
図1から
図4参照)。
【0052】
上記実施形態において、目地部材13は、鋼鉄またはステンレス製としたが、これに限定されない。目地部材13は、他の金属製またはゴムなどの弾性体などであってよい。上記実施形態において、目地部材13は、床下地材14の剛性よりも大きいとしたが、これに限定されない。目地部材13は、床下地材14から受ける力f0に対して破壊されない強度(靭性)を有していればよい。目地部材13が力f0によって、床下地材14の撓み量よりも大きく圧縮されたとしても、目地部材13の上端134の位置は、他方の床パネル12bの端面123bの上端126の位置よりもビス15aに近い。床下地材14の撓む区間の長さL1は、ビス15aから床パネル12の端面123bの上端までの長さL2よりも短くなる。したがって、床下地材14の面外撓みに対する剛性が高まり、床パネル12同士の追従性が向上する。
【0053】
上記実施形態において、床パネル12における長方形の外形の長辺127と、床下地材14における長方形の外形の長辺143とが直交するとしたが、これに限定されない。床パネル12における長方形の外形の長辺127と、床下地材14における長方形の外形の長辺143とが並行であってもよい。
【0054】
[第2実施形態]
第2実施形態では、
図8および
図9に示されるように、アングル材である目地部材13に代えて、棒体である目地部材13が説明される。
目地部材13は、例えば、鋼鉄またはステンレス製である。目地部材13は、断面形状が三角形状の棒体である。目地部材13における三角形状の断面において、それぞれの角部は、面取りされている。目地部材13の長手方向に交差する方向の外面は、長手方向に延び、平面視の外形が長方形である第1面135、第2面136、および第3面137によって構成される。目地部材13の剛性は、床下地材14の剛性よりも大きい。具体的には、床下地材14が上方を向く力(せん断力)を受けて撓む、面外撓みの撓み量に対して、目地部材13が下方を向く荷重を受けて下方に向けて圧縮される圧縮量よりも小さい。
【0055】
図8に示されるように、目地部材13は、床パネル12における長方形の外形の長辺127に沿って長手方向を向けて位置している。
図9に示されるように、目地部材13の第1面135は、一方の床パネル12aの端面123aに当接する。目地部材13の第2面136は、目地部材13の外周方向において第1面135に隣接する。目地部材13の第2面136は、他方の床パネル12bの端面123bに当接する。第1面135と第2面136とのなす角度は、隣接する床パネル12a,12bの端面123a,123bのなす角度と同じである。第1面135と第2面136のなす角度は、例えば、鈍角である。第1面135の幅W3は、一方の床パネル12aの端面123aの幅W4と同じまたはより小さい(W3<=W4)。第2面136の幅W5は、他方の床パネル12bの端面123bの幅W6と同じまたはより小さい(W5<=W6)。
【0056】
目地部材13の第3面137は、目地部材13の外周において第1面135および第2面136に隣接する。目地部材13の第3面137は、上方を向き、床下地材14の下面141に対向する。目地部材13の第3面137は、床下地材14の下面141に当接する。
【0057】
(床パネル12の沈み込みに対する床下地材14および目地部材13の動き)
次に、床パネル12の沈み込みに対する床下地材14および目地部材13の動きについて説明する。
図10に示されるように、隣接する床パネル12a,12bの一方が荷重により沈むように変位すると、一方の床パネル12aに打込まれているビス15aも一方の床パネル12aの変位に合わせて下方に変位する。ビス15aの下方への変位により、床下地材14も床パネル12aの変位に合わせて変位する。このとき、床下地材14には、ビス15aから下方に向く方向の力F1が与えられる。
【0058】
目地部材13は、一方の床パネル12aとともに移動しようとする床下地材14の下面141から、下方に向く荷重を受ける。具体的には、目地部材13は、第2方向25において、一方の床パネル12a側に突出している上端134において、床下地材14の下面141から下方に向く荷重を受ける。目地部材13の第1面135および第2面136のなす角度が直角または鈍角であることで、目地部材13にかかる荷重(力f0)は、
図10に示されるように、第1面135に沿う方向の分力f1と、第1面135の板面に垂直な方向の分力f2に分けられる。分力f1は、分力f2と等しいまたはより大きくなる(f1>=f2)。分力f1により、端面123bと目地部材13(第2面136)との間に摩擦力が働く。また、目地部材13の上端134と床下地材14の下面141とが接することで、目地部材13は、端面123bに接触した状態で移動しない。
【0059】
一方で、目地部材13の第1面135は、隣接する床パネル12aの一方の端面123aとの接触から解除される。床下地材14に接触する目地部材13の上端のうち、第2方向25において一方の床パネル12側に突出している上端134を起点として、床下地材14は、下方に撓む。このとき、撓みの起点となっている上端134の位置には、目地部材13から床下地材14に対して上方を向く力F2が与えられる。
【0060】
目地部材13の剛性が床下地材14の剛性よりも大きいことで、床下地材14の変形に対して、目地部材13の変形は小さい。具体的には、床下地材14が上方を向く力F2(せん断力)を受けて撓む、面外撓みの撓み量に対して、目地部材13が下方を向く荷重(力f0)を受けて下方に向けて圧縮される圧縮量よりも小さい。したがって、目地部材13の第2面136は、他方の床パネル12bの端面123bに形状を変形せずに当接した状態に維持される。
【0061】
目地部材13が隣接する床パネル12a,12bの間に位置していることで、床下地材14の撓む区間の長さL1は、ビス15aから側面122までの距離Aと、第2方向25における側面122の位置から目地部材13の第3面137における一方の床パネル12a側の端縁までの長さCとの差となる。一方、目地部材13がない場合、他方の床パネル12bの端面123bの上端126が、一方の床パネル12aに最も近く、目地部材13の下面141に接触する位置となる。そのため、床下地材14は、他方の床パネル12bの端面123bの上端を起点に下方に撓む。したがって、床下地材14の撓む区間の長さL2は、第2方向25におけるビス15aから側面122までの距離Aと、側面122の位置から床パネル12の端面123bの上端までの長さCとの和となる。
【0062】
床下地材14の面外撓みに対する剛性は、床下地材14の撓む区間の長さの三乗に反比例する。したがって、撓む区間が短いほど、床下地材14の面外撓みに対する剛性が高くなる。目地部材13が位置することで、床下地材14の面外撓みに対する剛性が高まり、床パネル12同士の追従性が向上する。
【0063】
(第2実施形態の作用効果)
目地部材13を棒体とすることで、同じ材質のアングル材に比べて変形に対する目地部材13の強度を向上することができる。
【0064】
(第2実施形態の変形例)
上記実施形態において、目地部材13は、鋼鉄またはステンレス製としたが、これに限定されない。目地部材13は、他の金属製またはゴムなどの弾性体などであってよい。上記実施形態において、目地部材13は、床下地材14の剛性よりも大きいとしたが、これに限定されない。目地部材13は、床下地材14から受ける力f0に対して破壊されない強度(靭性)を有していればよい。
【0065】
[第3実施形態]
第3実施形態では、
図11および
図12に示されるように、アングル材である目地部材13に代えて、螺旋状に巻回された目地部材13が説明される。
図11に示されるように、目地部材13は、鋼鉄またはステンレス製の帯材が螺旋状に巻回された構造を有している。
図12に示されるように、目地部材13は、例えば、断面楕円形である。目地部材13の剛性は、床下地材14の剛性よりも大きい。具体的には、床下地材14が上方を向く力(せん断力)を受けて撓む、面外撓みの撓み量に対して、目地部材13が下方を向く荷重を受けて下方に向けて圧縮される圧縮量よりも小さい。
【0066】
目地部材13は、床パネル12における長方形の外形の長辺127に長手方向を沿わせて位置している。目地部材13において、帯材の回転面に対して垂直な方向が目地部材13の長手方向である。目地部材13の側面視において、断面楕円形状の長径r1は、例えば、一対の床パネル12の水平方向に沿う。長径r1の長さは、隣接する床パネル12の上面121間の離間距離よりも小さい(r1<d1)。断面楕円形状の短径r2は、上下方向23に沿う。短径r2の長さは、端面123の上下方向23の長さd2よりも小さい(r2<d2)。目地部材13の外面は、2つの床パネル12a,12bのそれぞれの端面123a,123bに当接するとともに、床下地材14の下面141に当接する。
【0067】
(床パネル12の沈み込みに対する床下地材14および目地部材13の動き)
図13に示されるように、隣接する床パネル12a,12bの一方が荷重により沈むように変位すると、一方の床パネル12aに打込まれているビス15aも一方の床パネル12aの変位に合わせて下方に変位する。ビス15aの下方への変位により、床下地材14も床パネル12aの変位に合わせて変位する。このとき、床下地材14には、ビス15aから下方に向く方向の力F1が与えられる。
【0068】
目地部材13は、一方の床パネル12aとともに移動しようとする床下地材14の下面141から、下方に向く荷重を受ける。具体的には、目地部材13は、床下地材14の下面141に当接する上端134から下方に向く荷重を受ける。目地部材13は、上端134から下方に向かう外力を受ける。すなわち、目地部材13の上端134は、床下地材14の下面141に対して上方に向かう力F2を与える。目地部材13の剛性が、床下地材14の剛性よりも大きいことで、床下地材14の変形に対して目地部材13は変形しない。また、目地部材13の上端134と床下地材14の下面141とが接することで、目地部材13は、端面123bに接触した状態で移動しない。目地部材13は、形状を変えずに、他方の床パネル12bの端面123bに当接した状態に維持される。一方で、目地部材13は、隣接する床パネル12aの一方の端面123aとの接触から解除される。
【0069】
床下地材14の撓む区間の長さL1は、ビス15から側面122までの長さA(ビス15から目地部材13の上端までの長さ)と等しくなる。一方、目地部材13が位置していない場合、他方の床パネル12bの端面123bの上端126が、一方の床パネル12aに最も近く、目地部材13の下面141に接触する位置となる。そのため、床下地材14は、他方の床パネル12の端面123の上端126を起点に下方に撓む。したがって、床下地材14の撓む区間の長さL2は、第2方向25におけるビス15aから側面122までの距離Aと、側面122の位置から床パネル12bの端面123bの上端までの距離Cとの和となる。
【0070】
床下地材14の面外撓みに対する剛性は、床下地材14の撓む区間の長さの三乗に反比例する。したがって、撓む区間が短いほど、床下地材14の面外撓みに対する剛性が高くなる。目地部材13が位置することで、床下地材14の面外撓みに対する剛性が高まり、床パネル12同士の追従性が向上する。
【0071】
(第3実施形態の作用効果)
隣接する床パネル12a,12bの端面123a,123bに角度等の寸法誤差があったとしても、目地部材13において誤差を吸収することで、目地部材13を容易に位置させられる。床構造100の施工が容易になる。
【0072】
(第3実施形態の変形例)
目地部材13は、円形断面に構成されていてもよい。目地部材13は、設置時において、床下地材14から床パネル12の端面123に押し付けられることで、楕円断面に変形してもよい。これにより、目地部材13に対する要求精度が低くなるので、製造が容易になる。
【0073】
目地部材13は、鋼鉄またはステンレス製としたが、これに限定されない。目地部材13は、他の金属製またはゴムなどの弾性体などであってよい。上記実施形態において、目地部材13は、床下地材14の剛性よりも大きいとしたが、これに限定されない。目地部材13は、床下地材14から受ける力に対して破壊されない強度(靭性)を有していればよい。
【符号の説明】
【0074】
11 梁
12 床パネル
13 目地部材
14 床下地材
15 ビス
100 床構造
121 上面
122 側面
123 端面
151 第1ビス
152 第2ビス