(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166823
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H03F 3/195 20060101AFI20241122BHJP
H03F 1/02 20060101ALI20241122BHJP
H03F 3/68 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
H03F3/195
H03F1/02 188
H03F3/68 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083195
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004370
【氏名又は名称】弁理士法人片山特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲塚▼島 光路
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA21
5J500AA41
5J500AA63
5J500AA64
5J500AA65
5J500AC36
5J500AC52
5J500AC92
5J500AF12
5J500AF15
5J500AF16
5J500AH10
5J500AH12
5J500AH25
5J500AH29
5J500AH32
5J500AH33
5J500AK12
5J500AK29
5J500AK66
5J500AM08
5J500AQ02
5J500AQ03
5J500AQ04
5J500AQ06
5J500AS14
5J500AT01
5J500CK06
5J500CK07
5J500LV07
5J500LV08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】信号の干渉を抑制し小型化可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置102は、アンプ50aが出力した第1高周波信号を出力する出力パッド23aを有する半導体チップ22a、第1高周波信号が入力するアンプ51aを有する半導体チップ26a、アンプ50bが出力した第2高周波信号を出力する出力パッド23bを有する半導体チップ22b、第2高周波信号が入力するアンプ51bを有する半導体チップ26b、X方向において半導体チップ22aと22b、26aと26bに挟まれ、アンプ50aと51aに接続された整合回路52a、アンプ50bと51bに接続された整合回路52b及び出力パッド23aに接続された入力パッド11aと出力パッド23bに接続された入力パッド11bとを備える受動素子チップ10を備える。X方向に交差するY方向における入力パッド11aと11bとの距離は、出力パッド23aと23bとの距離より短い。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アンプと、前記第1アンプが出力した第1高周波信号を出力する第1出力パッドと、を有する第1半導体チップと、
前記第1高周波信号が入力する第2アンプを有する第2半導体チップと、
第3アンプと、前記第3アンプが出力した第2高周波信号を出力する第2出力パッドと、を有する第3半導体チップと、
前記第2高周波信号が入力する第4アンプを有する第4半導体チップと、
第1方向において、前記第1半導体チップおよび前記第3半導体チップと、前記第2半導体チップおよび前記第4半導体チップと、に挟まれ、
前記第1アンプと前記第2アンプとの間に接続された第1整合回路と、
前記第3アンプと前記第4アンプとの間に接続された第2整合回路と、
を備え、
前記第1出力パッドに電気的に接続された第1入力パッドと、
前記第2出力パッドに電気的に接続された第2入力パッドと、
を備える受動素子チップと、
を備え、
前記第1方向に交差する第2方向における前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの距離は、前記第2方向における前記第1出力パッドと前記第2出力パッドとの距離より短い半導体装置。
【請求項2】
前記受動素子チップは、前記第2アンプに前記第1高周波信号を出力する第3出力パッドと、前記第4アンプに前記第2高周波信号を出力する第4出力パッドと、を備え、
前記第1入力パッドは、前記第3出力パッドの前記第2方向における中心を通り前記第1方向に延伸する第1直線より前記第2整合回路に近い領域に配置され、
前記第2入力パッドは、前記第4出力パッドの前記第2方向における中心を通り前記第1方向に延伸する第2直線より前記第1整合回路に近い領域に配置されている請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記受動素子チップは、
前記第1アンプおよび前記第2アンプの少なくとも1つに供給される第1バイアス電圧が供給され、前記受動素子チップの前記第2方向における第1端部に配置された第1バイアスパッドと、
前記第3アンプおよび前記第4アンプの少なくとも1つに供給される第2バイアス電圧が供給され、前記受動素子チップの前記第2方向における第2端部に配置された第2バイアスパッドと、
を備える請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1バイアスパッドは前記受動素子チップの、前記第1方向における中心線より前記第1半導体チップに近い領域に配置され、
前記第2バイアスパッドは、前記中心線より前記第3半導体チップに近い領域に配置される請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1出力パッドと前記第1入力パッドとを電気的に接続する第1ボンディングワイヤと、
前記第2出力パッドと前記第2入力パッドとを電気的に接続する第2ボンディングワイヤと、
前記第1ボンディングワイヤと前記第2ボンディングワイヤとの間に設けられ、第1端が基準電位に電気的に接続された第3ボンディングワイヤと、
を備え、
前記受動素子チップは、前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの間に設けられ、前記第3ボンディングワイヤの第2端が接続された基準電位パッドを備える請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
第1アンプと、前記第1アンプが出力した第1高周波信号を出力する第1出力パッドと、を有する第1半導体チップと、
前記第1高周波信号が入力する第2アンプを有する第2半導体チップと、
第3アンプと、前記第3アンプが出力した第2高周波信号を出力する第2出力パッドと、を有する第3半導体チップと、
前記第2高周波信号が入力する第4アンプを有する第4半導体チップと、
第1方向において、前記第1半導体チップおよび前記第3半導体チップと、前記第2半導体チップおよび前記第4半導体チップと、に挟まれ、
前記第1アンプと前記第2アンプとの間に接続された第1整合回路と、
前記第3アンプと前記第4アンプとの間に接続された第2整合回路と、
を備え、
前記第1出力パッドに電気的に接続された第1入力パッドと、
前記第2出力パッドに電気的に接続された第2入力パッドと、
前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの間に設けられ、基準電位が供給される基準電位パッドと、
を備える受動素子チップと、
前記第1出力パッドと前記第1入力パッドとを電気的に接続する第1ボンディングワイヤと、
前記第2出力パッドと前記第2入力パッドとを電気的に接続する第2ボンディングワイヤと、
前記第1ボンディングワイヤと前記第2ボンディングワイヤとの間に設けられ、第1端が前記基準電位に電気的に接続され、第2端が前記基準電位パッドに電気的に接続された第3ボンディングワイヤと、
を備える半導体装置。
【請求項7】
前記受動素子チップは、前記第3ボンディングワイヤとは別に前記基準電位パッドを前記基準電位に電気的に接続する経路を備える請求項5または6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記受動素子チップは、第1端が前記基準電位パッドに電気的に接続され、第2端が前記第3ボンディングワイヤとは別の経路を介し前記基準電位に電気的に接続されたキャパシタを備える請求項5または6に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第3ボンディングワイヤと前記キャパシタとの共振周波数は、前記第1アンプおよび前記第3アンプの動作帯域内に位置する請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記受動素子チップは、前記基準電位パッドと前記基準電位との間において前記キャパシタと直列接続された抵抗を備える請求項8に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1アンプおよび前記第2アンプは、ドハティ増幅器のメインアンプを含み、前記第3アンプおよび前記第4アンプは、前記ドハティ増幅器のピークアンプを含む請求項1、請求項2、請求項5および請求項6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波等の高周波信号を増幅する増幅器としてドハティ増幅器等の並列に2つのアンプが設けられた増幅器が知られている。並列に接続された2つのアンプを各々2段とすることが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2022/0123693号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2段のアンプの段間には整合回路およびバイアス回路が設けられる。並列接続された2つのアンプの段間の整合回路およびバイアス回路の受動素子を1つの集積型受動デバイス(IPD:Integrated Passive Device)とすることで、増幅器を小型化できる。しかしながら、小型化は十分ではない。また、並列接続された2つのアンプの信号が干渉することがある。
【0005】
本開示は、上記課題に鑑みなされたものであり、小型化することまたは信号の干渉を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、第1アンプと、前記第1アンプが出力した第1高周波信号を出力する第1出力パッドと、を有する第1半導体チップと、前記第1高周波信号が入力する第2アンプを有する第2半導体チップと、第3アンプと、前記第3アンプが出力した第2高周波信号を出力する第2出力パッドと、を有する第3半導体チップと、前記第2高周波信号が入力する第4アンプを有する第4半導体チップと、第1方向において、前記第1半導体チップおよび前記第3半導体チップと、前記第2半導体チップおよび前記第4半導体チップと、に挟まれ、前記第1アンプと前記第2アンプとの間に接続された第1整合回路と、前記第3アンプと前記第4アンプとの間に接続された第2整合回路と、を備え、前記第1出力パッドに電気的に接続された第1入力パッドと、前記第2出力パッドに電気的に接続された第2入力パッドと、を備える受動素子チップと、を備え、前記第1方向に交差する第2方向における前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの距離は、前記第2方向における前記第1出力パッドと前記第2出力パッドとの距離より短い半導体装置である。
【0007】
本開示の一実施形態は、第1アンプと、前記第1アンプが出力した第1高周波信号を出力する第1出力パッドと、を有する第1半導体チップと、前記第1高周波信号が入力する第2アンプを有する第2半導体チップと、第3アンプと、前記第3アンプが出力した第2高周波信号を出力する第2出力パッドと、を有する第3半導体チップと、前記第2高周波信号が入力する第4アンプを有する第4半導体チップと、第1方向において、前記第1半導体チップおよび前記第3半導体チップと、前記第2半導体チップおよび前記第4半導体チップと、に挟まれ、前記第1アンプと前記第2アンプとの間に接続された第1整合回路と、前記第3アンプと前記第4アンプとの間に接続された第2整合回路と、を備え、前記第1出力パッドに電気的に接続された第1入力パッドと、前記第2出力パッドに電気的に接続された第2入力パッドと、前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの間に設けられ、基準電位が供給される基準電位パッドと、を備える受動素子チップと、前記第1出力パッドと前記第1入力パッドとを電気的に接続する第1ボンディングワイヤと、前記第2出力パッドと前記第2入力パッドとを電気的に接続する第2ボンディングワイヤと、前記第1ボンディングワイヤと前記第2ボンディングワイヤとの間に設けられ、第1端が前記基準電位に電気的に接続され、第2端が前記基準電位パッドに電気的に接続された第3ボンディングワイヤと、を備える半導体装置である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、小型化することまたは信号の干渉を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施例1における増幅回路の回路図である。
【
図2】
図2は、実施例1に係る半導体装置の平面図である。
【
図3】
図3は、実施例1に係る半導体装置の断面図である。
【
図4】
図4は、比較例1に係る半導体装置の平面図である。
【
図5】
図5は、実施例2に係る半導体装置の平面図である。
【
図6】
図6は、実施例2における回路の例を示す平面図である。
【
図7】
図7は、実施例2における回路の例を示す平面図である。
【
図8】
図8は、実施例2における回路の例を示す平面図である。
【
図9】
図9は、実施例2における回路の例を示す平面図である。
【
図10】
図10は、実施例2の変形例1におけるIPD付近の平面図である。
【
図11】
図11は、実施例3に係る半導体装置の平面図である。
【
図12】
図12は、実施例3におけるIPDの一部の平面図である。
【
図13】
図13は、実施例3におけるIPDの一部の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態は、第1アンプと、前記第1アンプが出力した第1高周波信号を出力する第1出力パッドと、を有する第1半導体チップと、前記第1高周波信号が入力する第2アンプを有する第2半導体チップと、第3アンプと、前記第3アンプが出力した第2高周波信号を出力する第2出力パッドと、を有する第3半導体チップと、前記第2高周波信号が入力する第4アンプを有する第4半導体チップと、第1方向において、前記第1半導体チップおよび前記第3半導体チップと、前記第2半導体チップおよび前記第4半導体チップと、に挟まれ、前記第1アンプと前記第2アンプとの間に接続された第1整合回路と、前記第3アンプと前記第4アンプとの間に接続された第2整合回路と、を備え、前記第1出力パッドに電気的に接続された第1入力パッドと、前記第2出力パッドに電気的に接続された第2入力パッドと、を備える受動素子チップと、を備え、前記第1方向に交差する第2方向における前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの距離は、前記第2方向における前記第1出力パッドと前記第2出力パッドとの距離より短い半導体装置である。これにより、受動素子チップの第2方向における幅を小さくでき、かつ半導体装置の第1方向の幅を小さくできる。よって、半導体装置を小型化できる。
(2)上記(1)において、前記受動素子チップは、前記第2アンプに前記第1高周波信号を出力する第3出力パッドと、前記第4アンプに前記第2高周波信号を出力する第4出力パッドと、を備え、前記第1入力パッドは、前記第3出力パッドの前記第2方向における中心を通り前記第1方向に延伸する第1直線より前記第2整合回路に近い領域に配置され、前記第2入力パッドは、前記第4出力パッドの前記第2方向における中心を通り前記第1方向に延伸する第2直線より前記第1整合回路に近い領域に配置されていてもよい。これにより、受動素子チップの第2方向における幅を小さくできる。
(3)上記(1)または(2)において、前記受動素子チップは、前記第1アンプおよび前記第2アンプの少なくとも1つに供給される第1バイアス電圧が供給され、前記受動素子チップの前記第2方向における第1端部に配置された第1バイアスパッドと、前記第3アンプおよび前記第4アンプの少なくとも1つに供給される第2バイアス電圧が供給され、前記受動素子チップの前記第2方向における第2端部に配置された第2バイアスパッドと、を備えていてもよい。これにより、受動素子チップの第2方向における幅を小さくできる。
(4)上記(3)において、前記第1バイアスパッドは前記受動素子チップの、前記第1方向における中心線より前記第1半導体チップに近い領域に配置され、前記第2バイアスパッドは、前記中心線より前記第3半導体チップに近い領域に配置されていてもよい。これにより、受動素子チップの第2方向における幅を小さくできる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記第1出力パッドと前記第1入力パッドとを電気的に接続する第1ボンディングワイヤと、前記第2出力パッドと前記第2入力パッドとを電気的に接続する第2ボンディングワイヤと、前記第1ボンディングワイヤと前記第2ボンディングワイヤとの間に設けられ、第1端が基準電位に電気的に接続された第3ボンディングワイヤと、を備え、前記受動素子チップは、前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの間に設けられ、前記第3ボンディングワイヤの第2端が接続された基準電位パッドを備えていてもよい。これにより、第1入力パッドおよび第1ボンディングワイヤと、第2入力パッドおよび第2ボンディングワイヤと、の間の信号の干渉を抑制でき、アイソレーション特性を向上できる。
(6)本開示の一実施形態は、第1アンプと、前記第1アンプが出力した第1高周波信号を出力する第1出力パッドと、を有する第1半導体チップと、前記第1高周波信号が入力する第2アンプを有する第2半導体チップと、第3アンプと、前記第3アンプが出力した第2高周波信号を出力する第2出力パッドと、を有する第3半導体チップと、前記第2高周波信号が入力する第4アンプを有する第4半導体チップと、第1方向において、前記第1半導体チップおよび前記第3半導体チップと、前記第2半導体チップおよび前記第4半導体チップと、に挟まれ、前記第1アンプと前記第2アンプとの間に接続された第1整合回路と、前記第3アンプと前記第4アンプとの間に接続された第2整合回路と、を備え、前記第1出力パッドに電気的に接続された第1入力パッドと、前記第2出力パッドに電気的に接続された第2入力パッドと、前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの間に設けられ、基準電位が供給される基準電位パッドと、を備える受動素子チップと、前記第1出力パッドと前記第1入力パッドとを電気的に接続する第1ボンディングワイヤと、前記第2出力パッドと前記第2入力パッドとを電気的に接続する第2ボンディングワイヤと、前記第1ボンディングワイヤと前記第2ボンディングワイヤとの間に設けられ、第1端が前記基準電位に電気的に接続され、第2端が前記基準電位パッドに電気的に接続された第3ボンディングワイヤと、を備える半導体装置である。これにより、第1入力パッドおよび第1ボンディングワイヤと、第2入力パッドおよび第2ボンディングワイヤと、の間の信号の干渉を抑制できる。
(7)上記(5)または(6)において、前記受動素子チップは、前記第3ボンディングワイヤとは別に前記基準電位パッドを前記基準電位に電気的に接続する経路を備えてもよい。これにより、信号の干渉をより抑制できる。
(8)上記(5)または(6)において、前記受動素子チップは、第1端が前記基準電位パッドに電気的に接続され、第2端が前記第3ボンディングワイヤとは別の経路を介し前記基準電位に電気的に接続されたキャパシタを備えてもよい。これにより、信号の干渉をより抑制できる。
(9)上記(8)において、前記第3ボンディングワイヤと前記キャパシタとの共振周波数は、前記第1アンプおよび前記第3アンプの動作帯域内に位置してもよい。これにより、信号の干渉をより抑制できる。
(10)上記(8)または(9)において、前記受動素子チップは、前記基準電位パッドと前記基準電位との間において前記キャパシタと直列接続された抵抗を備えてもよい。これにより、信号の干渉をより抑制できる。
(11)上記(1)から(10)のいずれかにおいて、前記第1アンプおよび前記第2アンプは、ドハティ増幅器のメインアンプを含み、前記第3アンプおよび前記第4アンプは、前記ドハティ増幅器のピークアンプを含んでもよい。これにより、ドハティ増幅器を小型化することまたは信号の干渉を抑制することができる。
【0011】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態にかかる半導体装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0012】
[実施例1]
半導体装置として、ドハティ増幅器に用いられる半導体装置を例に説明する。
図1は、実施例1における増幅回路の回路図である。
図1に示すように、実施例1の増幅回路100では、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、アンプ50aおよび51aと、アンプ50bおよび51bとが並列に接続されている。ピークアンプは、アンプ50aおよび51aの2段アンプであり、メインアンプは、アンプ50bおよび51bの2段アンプである。アンプ50aおよびアンプ50bはドライバアンプであり、アンプ51aおよび51bはパワーアンプである。増幅回路100が移動体通信の基地局に用いられる場合、入力端子Tinに入力する高周波信号の周波数は、例えば0.5GHzから10GHzである。
【0013】
分配器59は、入力端子Tinに入力された入力信号Siを信号S1aおよびS1bに分配する。アンプ50aは、整合回路53aを介して入力された信号S1aを増幅し、増幅した信号を信号S2aとして出力する。整合回路53aは、分配器59から整合回路53aを見たインピーダンスと整合回路53aからアンプ50aを見たインピーダンスとを整合させる。アンプ51aは、整合回路52aを介して入力された信号S2aを増幅し、増幅した信号を信号S3aとして出力する。整合回路52aは、アンプ50aから整合回路52aを見たインピーダンスと整合回路52aからアンプ51aを見たインピーダンスとを整合させる。信号S3aは整合回路54aを介し合成器60に入力される。整合回路54aは、アンプ51aから整合回路54aを見たインピーダンスと整合回路54aから合成器60を見たインピーダンスとを整合させる。
【0014】
アンプ50bは、整合回路53bを介して入力された信号S1bを増幅し、増幅した信号を信号S2bとして出力する。整合回路53bは、分配器59から整合回路53bを見たインピーダンスと整合回路53bからアンプ50bを見たインピーダンスとを整合させる。アンプ51bは、整合回路52bを介して入力された信号S2bを増幅し、増幅した信号を信号S3bとして出力する。整合回路52bは、アンプ50bから整合回路52bを見たインピーダンスと整合回路52bからアンプ51bを見たインピーダンスとを整合させる。信号S3bは整合回路54bを介し合成器60に入力される。整合回路54bは、アンプ51bから整合回路54bを見たインピーダンスと整合回路54bから合成器60を見たインピーダンスとを整合させる。合成器60は、信号S3aとS3bとを合成し、合成した信号を出力信号Soとして出力端子Toutに出力する。
【0015】
アンプ50a、50b、51aおよび51bは、トランジスタQ1a、Q1b、Q2aおよびQ2bをそれぞれ含む。トランジスタQ1a、Q1b、Q2aおよびQ2bは例えばFET(Field Effect Transistor)であり、例えばGaN HEMT(Gallium Nitride High Electron Mobility Transistor)またはLDMOS(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor)である。トランジスタQ1a、Q1b、Q2aおよびQ2bのソースSは、グランド等の基準電位に各々接続されている。トランジスタQ1a、Q1b、Q2aおよびQ2bのゲートGには、信号S1a、S1b、S2aおよびS2bがそれぞれ入力する。トランジスタQ1a、Q1b、Q2aおよびQ2bのドレインDからは、信号S2a、S2b、S3aおよびS3bがそれぞれ出力する。
【0016】
バイアス回路57aおよび57bは、アンプ50aおよび50bにバイアス電圧VG1aおよびVG1b(ゲートバイアス電圧)をそれぞれ供給し、信号S1aおよびS1bがバイアス端子に漏洩することをそれぞれ抑制する。バイアス回路55aおよび55bは、アンプ50aおよび50bにバイアス電圧VD1aおよびVD1b(ドレインバイアス電圧)をそれぞれ供給し、信号S2aおよびS2bがバイアス端子に漏洩することをそれぞれ抑制する。バイアス回路56aおよび56bは、アンプ51aおよび51bにバイアス電圧VG2aおよびVG2b(ゲートバイアス電圧)をそれぞれ供給し、信号S2aおよびS2bがバイアス端子に漏洩することをそれぞれ抑制する。バイアス回路58aおよび58bは、アンプ51aおよび51bにバイアス電圧VD2aおよびVD2b(ドレインバイアス電圧)をそれぞれ供給し、信号S3aおよびS3bがバイアス端子に漏洩することをそれぞれ抑制する。
【0017】
整合回路52a、52b、バイアス回路55a、55b、56aおよび56bは、IPD10に設けられている。
【0018】
アンプ51aは、C級動作し、アンプ51bは、AB級またはB級動作する。入力信号Siの入力電力が小さいときにはアンプ51bが主に入力信号Siを増幅する。入力電力が大きくなると、アンプ51bに加え、アンプ51aが入力信号Siのピークを増幅する。アンプ51aと51bとの大きさ(例えばゲート幅)は同じでもよいし、アンプ51aは51bより大きくてもよい。
【0019】
図2は、実施例1に係る半導体装置の平面図である。
図3は、実施例1に係る半導体装置の断面図であり、
図2のA-A断面図である。ベース20の法線方向をZ方向とし、半導体チップ22aおよび22bと半導体チップ26aおよび26bの配列方向をX方向(第1方向)とし、半導体チップ22aと22bとの配列方向および半導体チップ26aと26bとの配列方向をY方向(第1方向に交差する第2方向)とする。X方向とY方向とは直交していなくても交差していればよい。
【0020】
図2および
図3に示すように、実施例1の半導体装置102では、ベース20上にIPD10、半導体チップ22a、22b、26aおよび26bが搭載されている。ベース20の少なくとも上面は導電体層である。
【0021】
IPD10は、基板73を備えている。基板73上に、整合回路52a、52b、バイアス回路55a、55b、56aおよび56bが設けられている。整合回路52a、52b、バイアス回路55a、55b、56aおよび56bは、インダクタ18a、18b、16a、16b、17aおよび17bをそれぞれ有している。IPD10の上面に、入力パッド11a、11b、出力パッド15a、15b、バイアスパッド13a、13b、14aおよび14bが設けられている。基板73の下面に電極74が設けられている。
【0022】
半導体チップ22aおよび22bは、基板71を備えている。半導体チップ22aの基板71の上面に出力パッド23aおよび入力パッド24aが設けられている。半導体チップ22aにはアンプ50aが設けられている。半導体チップ22bの基板71の上面に出力パッド23bおよび入力パッド24bが設けられている。半導体チップ22bにはアンプ50bが設けられている。基板71の下面には電極72が設けられている。
【0023】
半導体チップ26aおよび26bは、基板75を備えている。半導体チップ26aの基板75の上面に出力パッド27aおよび入力パッド28aが設けられている。半導体チップ26aにはアンプ51aが設けられている。半導体チップ26bの基板75の上面に出力パッド27bおよび入力パッド28bが設けられている。半導体チップ26bにはアンプ51bが設けられている。基板75の下面に電極76が設けられている。
【0024】
IPD10の電極74、半導体チップ22aおよび22bの電極72、半導体チップ26aおよび26bの電極76は、ベース20の上面に金属ペーストまたはロウ材等の接合層78により接合されている。
【0025】
ボンディングワイヤ40aは出力パッド23aと入力パッド11aとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ40bは出力パッド23bと入力パッド11bとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ42aは、バイアスパッド13aとバイアス電圧VD1aを供給する端子(不図示)とを電気的に接続する。ボンディングワイヤ42bは、バイアスパッド13bとバイアス電圧VD1bを供給する端子(不図示)とを電気的に接続する。ボンディングワイヤ43aは、バイアスパッド14aとバイアス電圧VG2aを供給する端子(不図示)とを電気的に接続する。ボンディングワイヤ43bは、バイアスパッド14bとバイアス電圧VG2bを供給する端子(不図示)とを電気的に接続する。
【0026】
ボンディングワイヤ44aは出力パッド15aと入力パッド28aとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ44bは出力パッド15bと入力パッド28bとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ45aは、入力パッド24aと信号S1aを出力する端子(不図示)とを電気的に接続する。ボンディングワイヤ45bは、入力パッド24bと信号S1bを出力する端子(不図示)とを電気的に接続する。ボンディングワイヤ46aは、出力パッド27aと信号S3aが入力する端子(不図示)とを電気的に接続する。ボンディングワイヤ46bは、出力パッド27bと信号S3bが入力する端子(不図示)とを電気的に接続する。
【0027】
以上のように、半導体装置102では、半導体チップ22a(第1半導体チップ)は、アンプ50a(第1アンプ)と、アンプ50aが出力した信号S2a(第1高周波信号)を出力する出力パッド23a(第1出力パッド)と、を有する。半導体チップ26a(第2半導体チップ)は、信号S2a(第1高周波信号)が入力するアンプ51a(第2アンプ)を有する。半導体チップ22b(第3半導体チップ)は、アンプ50b(第3アンプ)と、アンプ50bが出力した信号S2b(第2高周波信号)を出力する出力パッド23b(第2出力パッド)と、を有する。半導体チップ26b(第4半導体チップ)は、信号S2b(第2高周波信号)が入力するアンプ51b(第4アンプ)を有する。なお、第1半導体チップ22aと第3半導体チップ22bとは一体とした1個の半導体チップでもよく、第2半導体チップ26aと第4半導体チップ26bとは一体とした1個の半導体チップでもよい。
【0028】
単一のIPD10(受動素子チップ)は、X方向において、半導体チップ22aおよび22bと、半導体チップ26aおよび26bと、に挟まれている。IPD10は、アンプ50aと51aとの間に接続された整合回路52a(第1整合回路)と、アンプ50bと51bとの間に接続された整合回路52b(第2整合回路)と、を備える。さらに、IPD10は、出力パッド23aにボンディングワイヤ40aを介し電気的に接続された入力パッド11a(第1入力パッド)と、出力パッド23bにボンディングワイヤ40bを介し電気的に接続された入力パッド11b(第2入力パッド)と、を備える。
【0029】
IPD10は、出力パッド15a(第3出力パッド)、出力パッド15b(第4出力パッド)、バイアスパッド13aおよび14a(第1バイアスパッド)およびバイアスパッド13bおよび14b(第2バイアスパッド)を備える。出力パッド15aは、アンプ51aに電気的に接続される。出力パッド15bは、アンプ51bに電気的に接続される。バイアスパッド13aおよび14aには、アンプ50aおよび51aに供給されるバイアス電圧(第1バイアス電圧)が供給される。バイアスパッド13bおよび14bには、アンプ50bおよび51bに供給されるバイアス電圧(第2バイアス電圧)が供給される。
【0030】
出力パッド15aおよび15bのY方向における中心を通りX方向に延伸する直線を61aおよび61bとする。X方向におけるIPD10の中心線を直線62とする。出力パッド23aと23bとの距離をD1とし、入力パッド11aと11bとの距離をD2とする。ボンディングワイヤ40aおよび40bの長さをそれぞれD3aおよびD3bとする。実施例1では、距離D2は距離D1より短い。
【0031】
IPD10の基板73は、例えばシリコン基板、アルミナ基板等の半導体基板または絶縁体基板である。キャパシタ、インダクタ、抵抗、配線およびパッド等の受動素子は基板71に設けられている。トランジスタQ1a、Q1b、Q2aおよびQ2bがGaN HEMTの場合、半導体チップ22a、22bの基板71並びに半導体チップ26aおよび26bの基板75は、例えば炭化シリコン(SiC)基板、サファイア基板、窒化ガリウム(GaN)基板である。トランジスタQ1a、Q1b、Q2aおよびQ2bがLDMOSの場合、基板71および75は、シリコン基板である。ボンディングワイヤ40a、40b、42a、42b、43a、43b、44a、44b、45a、45bは、例えばアルミニウムワイヤまたは金ワイヤである。ベース20の上面は、銅等の導電体層である。
【0032】
[比較例1]
図4は、比較例1に係る半導体装置の平面図である。
図4に示すように、比較例1の半導体装置110では、距離D1とD2とはほぼ等しい。出力パッド23a、入力パッド11aおよび出力パッド15aは、ほぼ直線61a上に位置する。出力パッド23b、入力パッド11bおよび出力パッド15bは、ほぼ直線61b上に位置する。その他の構成は実施例1と同じである。
【0033】
[IPDにおける各素子の配置]
実施例1および比較例1におけるIPD10の配置について説明する。並列接続された2つのアンプでは、信号の方向は同じでありX方向である。このため、IPD10の上面において、入力パッド11aおよび11bは、IPD10のX方向における-辺近傍に設けられ、出力パッド15aおよび15bは、IPD10のX方向における+辺近傍に設けられる。例えば、入力パッド11aおよび11bとIPD10のX方向における-辺との間には、他のパッドおよび素子(キャパシタ、インダクタ、抵抗およびビア)は設けられていない。出力パッド15aおよび15bとIPD10のX方向における+辺との間には、他のパッドおよび素子(キャパシタ、インダクタ、抵抗およびビア)は設けられていない。アンプ50aおよび51aへのバイアス電圧の供給はY方向における+方向から行われ、アンプ50bおよび51bへのバイアス電圧の供給はY方向における-方向から行われる。このため、バイアスパッド13aおよび14aは、IPD10のY方向における+辺近傍に設けられ、バイアスパッド13bおよび14bは、IPD10のY方向における-辺近傍に設けられる。
【0034】
整合回路52aのうち、アンプ50aおよび50bの出力インピーダンスを整合させる部分は、入力パッド11aおよび11bの近傍にそれぞれ設けられる。例えばインダクタ18aおよび18bは、入力パッド11aおよび11bの近傍にそれぞれ設けられる。アンプ51aおよび51bの入力インピーダンスを整合させる部分は、出力パッド15aおよび15bの近傍にそれぞれ設けられる。アンプ51aおよび51bの入力整合回路は面積が大きくなる。このため、IPD10のうち直線62より出力パッド15aおよび15bに近い領域のほとんどは、整合回路52aにより占められる。
【0035】
このため、バイアスパッド13a、13b、14aおよび14bは、直線62より入力パッド11aおよび11bに近い領域に設けられる。バイアスパッド13a、13b、14aおよび14bの近傍にバイアス回路55a、55b、56aおよび56bをそれぞれ設ける。このため、入力パッド11aおよび11bは、IPD10のY方向における両端の辺から比較的遠くに配置することになる。アンプ50aと50bとの電磁界干渉の抑制、アンプ51aと51bとの電磁界干渉を抑制するため、半導体チップ22aと22bとの距離、半導体チップ26aと26bとの距離は、ある程度確保する。
【0036】
上記のような制約において、比較例1の半導体装置110では、距離D1とD2とをほぼ等しくする。入力パッド11aおよび11bとIPD10のY方向における両端の辺との距離D4aおよびD4bをそれぞれ確保すると、IPD10のY方向における幅が広くなり、半導体装置110が大型化する。
【0037】
また、ボンディングワイヤ40aおよび40bは、それぞれ半導体チップ22aおよび22bにおけるアンプ50aおよび50bの出力インピーダンスの整合のための整合回路の一部として機能する場合がある。この場合、ボンディングワイヤ40aの長さD3aおよびボンディングワイヤ40bの長さD3bは、一定の長さとなる。長さD3aおよびD3bを確保しようとすると、半導体チップ22aおよび22bとIPD10との間の距離D5aおよびD5bをそれぞれ確保する。このため、半導体装置110が大型化する。
【0038】
[実施例1について]
実施例1によれば、Y方向における入力パッド11aと11bとの距離D2は、Y方向における出力パッド23aと23bとの距離D1より短い。これにより、
図2のように、Y方向において整合回路52aおよび52bを近づけることができ、Y方向におけるIPD10の幅を小さくできる。また、比較例1とボンディングワイヤ40aおよび40bの長さD3aおよびD3bを同じとし、かつ半導体チップ22aおよび22bとIDP10とのそれぞれの距離D5aおよびD5bを比較例1より短くできる。これにより、半導体装置102を小型化できる。距離D2は、距離D1の0.7倍以下とすることができる。距離D1が長すぎると、半導体装置が大型化する。この観点から、距離D2は、距離D1の0.1倍以上とすることがでる。距離D1は、例えば500μm以上2000μm以下であり、距離D2は、例えば200μm以上1000μm以下である。長さD3aおよびD3bは、例えば500μm以上1500μm以下である。
【0039】
また、入力パッド11aは、出力パッド15aのY方向における中心を通りX方向に延伸する直線61a(第1直線)より整合回路52bに近い領域に配置されている。入力パッド11bは、出力パッド15bのY方向における中心を通りX方向に延伸する直線61b(第2直線)より整合回路52aに近い領域に配置さている。これにより、距離D4aおよびD4bを比較例1と同じとしてもIPD10のY方向における幅を小さくできる。距離D4aおよびD4bは、例えば1000μm以上2000μm以下である。
【0040】
バイアスパッド13aおよび14aは、IPD10のY方向における+の第1端部に配置されている。バイアスパッド13bおよび14bは、IPD10のY方向における-の第2端部に配置されている。このように、バイアスパッド13a、14a、13bおよび14bが配置されると、バイアスパッド13a、14a、13bおよび14bにボンディングワイヤ42a、43a、42bおよび43bを接続しやすくなる。しかし、入力パッド11aおよび11bのIPD10のY方向における両辺からの距離D4aおよびD4bを設けることになる。これにより、IPD10のY方向における幅が大きくなりやすい。そこで、距離D2を距離D1より小さくする。これにより、IPD10のY方向における幅を小さくできる。バイアスパッド13aおよび14aの少なくとも1つが第1端部に配置され、バイアスパッド13bおよび14bの少なくとも1つが第2端部に配置されていればよい。なお、パッドがIPD10の端部に設けられているとは、例えばパッドとIPD10の辺との間に他のパッドおよび素子(キャパシタ、インダクタ、抵抗およびビア)が設けられていないことを意味する。
【0041】
バイアスパッド13aおよび14aは、IPD10のX方向における中心線の直線62より半導体チップ22aに近い第1領域に配置され、バイアスパッド13bおよび14bは、直線62より半導体チップ22bに近い第2領域に配置されている。このように、バイアスパッド13a、14a、13bおよび14bが配置されると、整合回路52aおよび52bを出力パッド15aおよび15bの近くに配置できる。しかし、入力パッド11aおよび11bのIPD10のY方向における両辺からの距離D4aおよびD4bを設けることになる。そこで、距離D2を距離D1より小さくする。これにより、IPD10のY方向における幅を小さくできる。バイアスパッド13aおよび14aの少なくとも1つの第1バイアスパッドが第1領域に配置され、バイアスパッド13bおよび14bの少なくとも1つの第1バイアスパッドが第2領域に配置されていればよい。
【0042】
[実施例2]
図5は、実施例2に係る半導体装置の平面図である。
図5に示すように、実施例2の半導体装置104では、IPD10の入力パッド11aと11bとの間に基準電位パッド12が設けられている。ボンディングワイヤ40a(第1ボンディングワイヤ)は、出力パッド23aと入力パッド11aとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ40b(第2ボンディングワイヤ)は、出力パッド23bと入力パッド11bとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ41(第3ボンディングワイヤ)は、ボンディングワイヤ40aと40bとの間に設けられている。ボンディングワイヤ41の第1端はベース20に電気的に接続され、ボンディングワイヤ41の第2端は基準電位パッド12に電気的に接続されている。これにより、基準電位パッド12に基準電位が供給される。IDP10には、基準電位パッド12に電気的に接続される回路25が設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0043】
図6、
図7、
図8および
図9は、実施例2における回路の例を示す平面図である。
図6から
図9では、IPD10の入力パッド11a、11b、基準電位パッド12、回路25、半導体チップ22aおよび22b以外の図示を省略している。
図6から
図9のように、ボンディングワイヤ41の第1端はベース20を介し接地されている。
【0044】
図6の例では、基準電位パッド12は、ボンディングワイヤ41以外の素子には電気的に接続されていない。基準電位パッド12およびボンディングワイヤ41がシールドとして機能するため、入力パッド11aと11bとの距離D2が比較例1より短くなっても、入力パッド11aおよびボンディングワイヤ40aと、入力パッド11bおよびボンディングワイヤ40bと、の間の信号の干渉を抑制でき、アイソレーション特性を向上できる。
【0045】
図7の例では、IPD10内に回路25が設けられている。回路25は、ボンディングワイヤ41とは別に基準電位パッド12を基準電位とに電気的に接続し、短絡させる経路25aを備えている。これにより、基準電位パッド12およびボンディングワイヤ41のシールド機能をより向上させ、信号の干渉をより抑制できる。
【0046】
図8の例では、回路25は、第1端が基準電位パッド12に電気的に接続され、第2端がボンディングワイヤ41とは別の経路を介し基準電位に電気的に接続されたキャパシタC1を備えている。ボンディングワイヤ41とキャパシタC1との共振回路の共振周波数は、アンプ51aおよび51bの動作帯域内に位置する。これにより、入力パッド11aおよびボンディングワイヤ40aから放射される動作帯域内の信号は、ボンディングワイヤ41とキャパシタC1により反射される。入力パッド11bおよびボンディングワイヤ40bから放射される動作帯域内の信号は、ボンディングワイヤ41とキャパシタC1により反射される。よって、入力パッド11aおよびボンディングワイヤ40aと、入力パッド11bおよびボンディングワイヤ40bと、の間の信号の干渉をより抑制できる。
【0047】
図9の例では、回路25は、基準電位パッド12と基準電位との間においてキャパシタC1と直列接続された抵抗R1を備えている。ボンディングワイヤ41およびキャパシタC1の共振によって流れる電流を抵抗R1により減衰させることができる。よって、信号の干渉をより抑制できる。
【0048】
[実施例2の変形例1]
図10は、実施例2の変形例1におけるIPD付近の平面図である。
図10に示すように、出力パッド23aと23bとの距離D1と、入力パッド11aと11bとの距離D2と、はほぼ等しくてもよい。距離D1とD2とがほぼ等しい場合においても、基準電位パッド12およびボンディングワイヤ41を設けることで、入力パッド11aおよびボンディングワイヤ40aと、入力パッド11bおよびボンディングワイヤ40bと、の間の信号の干渉を抑制できる。
図7から
図9の例における回路25を設けてもよい。その他の構成は実施例2と同じであり説明を省略する。
【0049】
実施例1、2およびその変形例では、アンプ50aおよび51aは、ドハティ増幅器のメインアンプを含み、アンプ50bおよび51bは、ドハティ増幅器のピークアンプを含む例を説明した。アンプ50a、50b、51a、51bおよびIPD10は、ドハティ増幅器以外の回路に含まれていてもよい。ドハティ増幅器以外の回路においても、小型化することまたは信号の干渉を抑制することができる。
【0050】
[実施例3]
図11は、実施例3に係る半導体装置の平面図である。
図11に示すように、実施例3の半導体装置106では、基板21上にベース20が設けられている。基板21は、例えばプリント基板等のガラスエポキシ樹脂基板である。ベース20は、基板21の上面に設けられた導電体層であり、例えば銅層である。ベース20上に、半導体チップ22a、22b、26a、26b、IPD10および30が搭載されている。基板21の上面には端子29a、29b、35a、35b、36a、36b、37a、37b、38a、38b、39aおよび39bが設けられている。基板21には、回路34aおよび34bが形成されている。IPD30の上面には、パッド31a、31b、32a、32b、33aおよび33bが設けられている。
【0051】
ボンディングワイヤ42aは、バイアスパッド13aと端子36aとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ42bは、バイアスパッド13bと端子36bとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ43aは、バイアスパッド14aと端子37aとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ43bは、バイアスパッド14bと端子37bとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ45aは、パッド31aと24aとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ45bは、パッド31bと24bとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ46aは、出力パッド27aと端子35aとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ46bは、出力パッド27bと端子35bとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ47aは、パッド32aと端子38aとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ47bは、パッド32bと端子38bとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ48aは、パッド33aと端子29aとを電気的に接続する。ボンディングワイヤ48bは、パッド33bと端子29bとを電気的に接続する。
【0052】
回路34aは、
図1の分配器59を備えている。端子39aから入力した入力信号Siは、回路34aの分配器59により信号S1aおよびS1bに分配される。
【0053】
IPD30は、
図1の整合回路53a、53b、バイアス回路57aおよび57bを備えている。信号S1aは、端子38aからボンディングワイヤ47aを介しIPD30に入力する。信号S1bは、端子38bからボンディングワイヤ47bを介しIPD30に入力する。バイアス電圧VG1aは、端子29aからボンディングワイヤ48aを介しIPD30に供給される。バイアス電圧VG1bは、端子29bからボンディングワイヤ48bを介しIPD30に供給される。整合回路53aを通過した信号S1aは、IPD30からパッド31aおよびボンディングワイヤ45aを介し半導体チップ22aに入力する。整合回路53bを通過した信号S1bは、IPD30からパッド31bおよびボンディングワイヤ45bを介し半導体チップ22bに入力する。
【0054】
回路34bは、
図1の整合回路54a、54b、バイアス回路58a、58bおよび合成器60を備えている。半導体チップ26aから出力された信号S3aは、ボンディングワイヤ46aおよび端子35aを介し回路34bに入力する。半導体チップ26bから出力される信号S3bは、ボンディングワイヤ46bおよび端子35bを介し回路34bに入力する。整合回路54aを通過した信号S3aと整合回路54bを通過した信号S3bとが合成された出力信号Soは端子39bから出力される。
【0055】
半導体チップ22a、22b、26a、26bおよびIPD10の動作は実施例1および2と同じであり説明を省略する。
【0056】
図12は、実施例3におけるIPD10の一部の平面図である。
図13は、実施例3におけるIPDの一部の回路図である。
図12に示すように、IPD10上に、パッド、キャパシタ、インダクタ、抵抗、ビアおよび配線19が設けられている。配線19は、パッド、キャパシタ、インダクタ、抵抗およびビアを電気的に接続する。ビアV1は、パッド19aとIPD10を貫通するビアホール19bとを有する。
図12および
図13に示すように、基準電位パッド12は、キャパシタC1、抵抗R1およびIPD10を貫通するビアV1を介し基準電位に接続される。
【0057】
入力パッド11bと出力パッド15bとの間には、インダクタL11、キャパシタC11、C12およびインダクタL13が直列接続され、キャパシタC13およびC14がビアV11およびV12をそれぞれ介しシャント接続されている。インダクタL13およびキャパシタC14と出力パッド15bとの間にキャパシタC15およびC16が並列接続されている。キャパシタC15とインダクタL13との間のノードにインダクタL14と抵抗R11がビアV13を介しシャント接続されている。キャパシタC16とインダクタL13との間のノードにインダクタL15と抵抗R12がビアV14を介しシャント接続されている。バイアスパッド13bと、インダクタL11とキャパシタC11との間のノードと、の間にインダクタL12が接続されている。バイアスパッド14bと出力パッド15bとの間にインダクタL16が直列接続され、キャパシタC17がビアV15を介しシャント接続されている。
【0058】
回路25は、キャパシタC1および抵抗R1を含む。整合回路52bは、インダクタL11、L13からL15、キャパシタC11からC16、抵抗R11およびR12を含む。バイアス回路55bは、インダクタL12を含む。バイアス回路56bは、インダクタL16およびキャパシタC17を含む。アンプ50a、アンプ50b、アンプ51aおよびアンプ51bの動作帯域は、例えば3.4GHzから4.0GHzである。
【0059】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0060】
10、30 IPD
11a、11b、24a、24b、28a、28b 入力パッド
12 基準電位パッド
13a、13b、14a、14b バイアスパッド
15a、15b、23a、23b、27a、27b 出力パッド
16a、16b、17a、17b、18a、18b インダクタ
19 配線
19a パッド
19b ビアホール
20 ベース
21 基板
22a、22b、26a、26b 半導体チップ
25、34a、34b 回路
25a 経路
29a、29b、35a、35b、36a、36b、37a、37b、38a、38b、39a、39b 端子
31a、31b、32a、32b、33a、33b パッド
40a、40b、41、42a、42b、43a、43b、44a、44b、45a、45b、46a、46b、47a、47b、48a、48b ボンディングワイヤ
50a、50b、51a、51a アンプ
52a、52b、53a、53b、54a、54b 整合回路
55a、55b、56a、56b、57a、57b、58a、58b バイアス回路
59 分配器
60 合成器
61a、61b、62 直線
100 増幅回路
102、104、110 半導体装置
【手続補正書】
【提出日】2024-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アンプと、前記第1アンプが出力した第1高周波信号を出力する第1出力パッドと、を有する第1半導体チップと、
前記第1高周波信号が入力する第2アンプを有する第2半導体チップと、
第3アンプと、前記第3アンプが出力した第2高周波信号を出力する第2出力パッドと、を有する第3半導体チップと、
前記第2高周波信号が入力する第4アンプを有する第4半導体チップと、
第1方向において、前記第1半導体チップおよび前記第2半導体チップの間に配置され、前記第1アンプと前記第2アンプとの間に接続された第1整合回路と、
前記第1方向において、前記第3半導体チップおよび前記第4半導体チップの間に配置され、前記第3アンプと前記第4アンプとの間に接続された第2整合回路と、
を備え、
前記第1出力パッドに電気的に接続された第1入力パッドと、
前記第2出力パッドに電気的に接続された第2入力パッドと、
を備える受動素子チップと、
を備え、
前記第1方向に交差する第2方向における前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの距離は、前記第2方向における前記第1出力パッドと前記第2出力パッドとの距離より短い半導体装置。
【請求項2】
前記受動素子チップは、前記第2アンプに前記第1高周波信号を出力する第3出力パッドと、前記第4アンプに前記第2高周波信号を出力する第4出力パッドと、を備え、
前記第1入力パッドは、前記第3出力パッドの前記第2方向における中心を通り前記第1方向に延伸する第1直線より前記第2整合回路に近い領域に配置され、
前記第2入力パッドは、前記第4出力パッドの前記第2方向における中心を通り前記第1方向に延伸する第2直線より前記第1整合回路に近い領域に配置されている請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記受動素子チップは、
前記第1アンプおよび前記第2アンプの少なくとも1つに供給される第1バイアス電圧が供給され、前記受動素子チップの前記第2方向における第1端部に配置された第1バイアスパッドと、
前記第3アンプおよび前記第4アンプの少なくとも1つに供給される第2バイアス電圧が供給され、前記受動素子チップの前記第2方向における第2端部に配置された第2バイアスパッドと、
を備える請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1バイアスパッドは、前記受動素子チップの前記第1方向における中心を通過する中心線より前記第1半導体チップに近い領域に配置され、
前記第2バイアスパッドは、前記中心線より前記第3半導体チップに近い領域に配置される請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1出力パッドと前記第1入力パッドとを電気的に接続する第1ボンディングワイヤと、
前記第2出力パッドと前記第2入力パッドとを電気的に接続する第2ボンディングワイヤと、
前記第1ボンディングワイヤと前記第2ボンディングワイヤとの間に設けられ、第1端が基準電位に電気的に接続された第3ボンディングワイヤと、
を備え、
前記受動素子チップは、前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの間に設けられ、前記第3ボンディングワイヤの第2端が接続された基準電位パッドを備える請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
第1アンプと、前記第1アンプが出力した第1高周波信号を出力する第1出力パッドと、を有する第1半導体チップと、
前記第1高周波信号が入力する第2アンプを有する第2半導体チップと、
第3アンプと、前記第3アンプが出力した第2高周波信号を出力する第2出力パッドと、を有する第3半導体チップと、
前記第2高周波信号が入力する第4アンプを有する第4半導体チップと、
第1方向において、前記第1半導体チップおよび前記第3半導体チップと、前記第2半導体チップおよび前記第4半導体チップと、に挟まれ、
前記第1アンプと前記第2アンプとの間に接続された第1整合回路と、
前記第3アンプと前記第4アンプとの間に接続された第2整合回路と、
を備え、
前記第1出力パッドに電気的に接続された第1入力パッドと、
前記第2出力パッドに電気的に接続された第2入力パッドと、
前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの間に設けられ、基準電位が供給される基準電位パッドと、
を備える受動素子チップと、
前記第1出力パッドと前記第1入力パッドとを電気的に接続する第1ボンディングワイヤと、
前記第2出力パッドと前記第2入力パッドとを電気的に接続する第2ボンディングワイヤと、
前記第1ボンディングワイヤと前記第2ボンディングワイヤとの間に設けられ、第1端が前記基準電位に電気的に接続され、第2端が前記基準電位パッドに電気的に接続された第3ボンディングワイヤと、
を備える半導体装置。
【請求項7】
前記受動素子チップは、前記第3ボンディングワイヤとは別に前記基準電位パッドを前記基準電位に電気的に接続する経路を備える請求項5または6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記受動素子チップは、第1端が前記基準電位パッドに電気的に接続され、第2端が前記第3ボンディングワイヤとは別の経路を介し前記基準電位に電気的に接続されたキャパシタを備える請求項5または6に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第3ボンディングワイヤと前記キャパシタとの共振周波数は、前記第1アンプおよび前記第3アンプの動作帯域内に位置する請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記受動素子チップは、前記基準電位パッドと前記基準電位との間において前記キャパシタと直列接続された抵抗を備える請求項8に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1アンプおよび前記第2アンプは、ドハティ増幅器のメインアンプを含み、前記第3アンプおよび前記第4アンプは、前記ドハティ増幅器のピークアンプを含む請求項1、請求項2、請求項5および請求項6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示の一実施形態は、第1アンプと、前記第1アンプが出力した第1高周波信号を出力する第1出力パッドと、を有する第1半導体チップと、前記第1高周波信号が入力する第2アンプを有する第2半導体チップと、第3アンプと、前記第3アンプが出力した第2高周波信号を出力する第2出力パッドと、を有する第3半導体チップと、前記第2高周波信号が入力する第4アンプを有する第4半導体チップと、第1方向において、前記第1半導体チップおよび前記第2半導体チップの間に配置され、前記第1アンプと前記第2アンプとの間に接続された第1整合回路と、前記第1方向において、前記第3半導体チップおよび前記第4半導体チップの間に配置され、前記第3アンプと前記第4アンプとの間に接続された第2整合回路と、を備え、前記第1出力パッドに電気的に接続された第1入力パッドと、前記第2出力パッドに電気的に接続された第2入力パッドと、を備える受動素子チップと、を備え、前記第1方向に交差する第2方向における前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの距離は、前記第2方向における前記第1出力パッドと前記第2出力パッドとの距離より短い半導体装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本開示の一実施形態は、第1アンプと、前記第1アンプが出力した第1高周波信号を出力する第1出力パッドと、を有する第1半導体チップと、前記第1高周波信号が入力する第2アンプを有する第2半導体チップと、第3アンプと、前記第3アンプが出力した第2高周波信号を出力する第2出力パッドと、を有する第3半導体チップと、前記第2高周波信号が入力する第4アンプを有する第4半導体チップと、第1方向において、前記第1半導体チップおよび前記第2半導体チップの間に配置され、前記第1アンプと前記第2アンプとの間に接続された第1整合回路と、前記第1方向において、前記第3半導体チップおよび前記第4半導体チップの間に配置され、前記第3アンプと前記第4アンプとの間に接続された第2整合回路と、を備え、前記第1出力パッドに電気的に接続された第1入力パッドと、前記第2出力パッドに電気的に接続された第2入力パッドと、前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの間に設けられ、基準電位が供給される基準電位パッドと、を備える受動素子チップと、前記第1出力パッドと前記第1入力パッドとを電気的に接続する第1ボンディングワイヤと、前記第2出力パッドと前記第2入力パッドとを電気的に接続する第2ボンディングワイヤと、前記第1ボンディングワイヤと前記第2ボンディングワイヤとの間に設けられ、第1端が前記基準電位に電気的に接続され、第2端が前記基準電位パッドに電気的に接続された第3ボンディングワイヤと、を備える半導体装置である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態は、第1アンプと、前記第1アンプが出力した第1高周波信号を出力する第1出力パッドと、を有する第1半導体チップと、前記第1高周波信号が入力する第2アンプを有する第2半導体チップと、第3アンプと、前記第3アンプが出力した第2高周波信号を出力する第2出力パッドと、を有する第3半導体チップと、前記第2高周波信号が入力する第4アンプを有する第4半導体チップと、第1方向において、前記第1半導体チップおよび前記第2半導体チップの間に配置され、前記第1アンプと前記第2アンプとの間に接続された第1整合回路と、前記第1方向において、前記第3半導体チップおよび前記第4半導体チップの間に配置され、を備え、前記第1出力パッドに電気的に接続された第1入力パッドと、前記第2出力パッドに電気的に接続された第2入力パッドと、を備える受動素子チップと、を備え、前記第1方向に交差する第2方向における前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの距離は、前記第2方向における前記第1出力パッドと前記第2出力パッドとの距離より短い半導体装置である。これにより、受動素子チップの第2方向における幅を小さくでき、かつ半導体装置の第1方向の幅を小さくできる。よって、半導体装置を小型化できる。
(2)上記(1)において、前記受動素子チップは、前記第2アンプに前記第1高周波信号を出力する第3出力パッドと、前記第4アンプに前記第2高周波信号を出力する第4出力パッドと、を備え、前記第1入力パッドは、前記第3出力パッドの前記第2方向における中心を通り前記第1方向に延伸する第1直線より前記第2整合回路に近い領域に配置され、前記第2入力パッドは、前記第4出力パッドの前記第2方向における中心を通り前記第1方向に延伸する第2直線より前記第1整合回路に近い領域に配置されていてもよい。これにより、受動素子チップの第2方向における幅を小さくできる。
(3)上記(1)または(2)において、前記受動素子チップは、前記第1アンプおよび前記第2アンプの少なくとも1つに供給される第1バイアス電圧が供給され、前記受動素子チップの前記第2方向における第1端部に配置された第1バイアスパッドと、前記第3アンプおよび前記第4アンプの少なくとも1つに供給される第2バイアス電圧が供給され、前記受動素子チップの前記第2方向における第2端部に配置された第2バイアスパッドと、を備えていてもよい。これにより、受動素子チップの第2方向における幅を小さくできる。
(4)上記(3)において、前記第1バイアスパッドは、前記受動素子チップの前記第1方向における中心を通過する中心線より前記第1半導体チップに近い領域に配置され、前記第2バイアスパッドは、前記中心線より前記第3半導体チップに近い領域に配置されていてもよい。これにより、受動素子チップの第2方向における幅を小さくできる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記第1出力パッドと前記第1入力パッドとを電気的に接続する第1ボンディングワイヤと、前記第2出力パッドと前記第2入力パッドとを電気的に接続する第2ボンディングワイヤと、前記第1ボンディングワイヤと前記第2ボンディングワイヤとの間に設けられ、第1端が基準電位に電気的に接続された第3ボンディングワイヤと、を備え、前記受動素子チップは、前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの間に設けられ、前記第3ボンディングワイヤの第2端が接続された基準電位パッドを備えていてもよい。これにより、第1入力パッドおよび第1ボンディングワイヤと、第2入力パッドおよび第2ボンディングワイヤと、の間の信号の干渉を抑制でき、アイソレーション特性を向上できる。
(6)本開示の一実施形態は、第1アンプと、前記第1アンプが出力した第1高周波信号を出力する第1出力パッドと、を有する第1半導体チップと、前記第1高周波信号が入力する第2アンプを有する第2半導体チップと、第3アンプと、前記第3アンプが出力した第2高周波信号を出力する第2出力パッドと、を有する第3半導体チップと、前記第2高周波信号が入力する第4アンプを有する第4半導体チップと、第1方向において、前記第1半導体チップおよび前記第2半導体チップの間に配置され、前記第1アンプと前記第2アンプとの間に接続された第1整合回路と、前記第1方向において、前記第3半導体チップおよび前記第4半導体チップの間に配置され、を備え、前記第1出力パッドに電気的に接続された第1入力パッドと、前記第2出力パッドに電気的に接続された第2入力パッドと、前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの間に設けられ、基準電位が供給される基準電位パッドと、を備える受動素子チップと、前記第1出力パッドと前記第1入力パッドとを電気的に接続する第1ボンディングワイヤと、前記第2出力パッドと前記第2入力パッドとを電気的に接続する第2ボンディングワイヤと、前記第1ボンディングワイヤと前記第2ボンディングワイヤとの間に設けられ、第1端が前記基準電位に電気的に接続され、第2端が前記基準電位パッドに電気的に接続された第3ボンディングワイヤと、を備える半導体装置である。これにより、第1入力パッドおよび第1ボンディングワイヤと、第2入力パッドおよび第2ボンディングワイヤと、の間の信号の干渉を抑制できる。
(7)上記(5)または(6)において、前記受動素子チップは、前記第3ボンディングワイヤとは別に前記基準電位パッドを前記基準電位に電気的に接続する経路を備えてもよい。これにより、信号の干渉をより抑制できる。
(8)上記(5)または(6)において、前記受動素子チップは、第1端が前記基準電位パッドに電気的に接続され、第2端が前記第3ボンディングワイヤとは別の経路を介し前記基準電位に電気的に接続されたキャパシタを備えてもよい。これにより、信号の干渉をより抑制できる。
(9)上記(8)において、前記第3ボンディングワイヤと前記キャパシタとの共振周波数は、前記第1アンプおよび前記第3アンプの動作帯域内に位置してもよい。これにより、信号の干渉をより抑制できる。
(10)上記(8)または(9)において、前記受動素子チップは、前記基準電位パッドと前記基準電位との間において前記キャパシタと直列接続された抵抗を備えてもよい。これにより、信号の干渉をより抑制できる。
(11)上記(1)から(10)のいずれかにおいて、前記第1アンプおよび前記第2アンプは、ドハティ増幅器のメインアンプを含み、前記第3アンプおよび前記第4アンプは、前記ドハティ増幅器のピークアンプを含んでもよい。これにより、ドハティ増幅器を小型化することまたは信号の干渉を抑制することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
整合回路52aおよび52bのうち、アンプ50aおよび50bの出力インピーダンスを整合回路52aおよび52bの入力インピーダンスに整合させる部分は、入力パッド11aおよび11bの近傍にそれぞれ設けられる。例えばインダクタ18aおよび18bは、入力パッド11aおよび11bの近傍にそれぞれ設けられる。アンプ51aおよび51bの入力インピーダンスを整合回路52aおよび52bの出力インピーダンスに整合させる部分は、出力パッド15aおよび15bの近傍にそれぞれ設けられる。アンプ51aおよび51bの入力整合回路は面積が大きくなる。このため、IPD10のうち直線62より出力パッド15aおよび15bに近い領域のほとんどは、整合回路52aおよび52bにより占められる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
また、ボンディングワイヤ40aおよび40bは、それぞれ半導体チップ22aおよび22bにおけるアンプ50aおよび50bの出力インピーダンスを整合回路52aおよび52bの入力インピーダンスに整合する整合回路の一部として機能する場合がある。この場合、ボンディングワイヤ40aの長さD3aおよびボンディングワイヤ40bの長さD3bは、一定の長さとなる。長さD3aおよびD3bを確保しようとすると、半導体チップ22aおよび22bとIPD10との間の距離D5aおよびD5bをそれぞれ確保する。このため、半導体装置110が大型化する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
バイアスパッド13aおよび14aは、IPD10のX方向における中心線の直線62より半導体チップ22aに近い第1領域に配置され、バイアスパッド13bおよび14bは、直線62より半導体チップ22bに近い第2領域に配置されている。このように、バイアスパッド13a、14a、13bおよび14bが配置されると、整合回路52aおよび52bを出力パッド15aおよび15bの近くに配置できる。しかし、入力パッド11aおよび11bのIPD10のY方向における両辺からの距離D4aおよびD4bを設けることになる。そこで、距離D2を距離D1より小さくする。これにより、IPD10のY方向における幅を小さくできる。バイアスパッド13aおよび14aの少なくとも1つの第1バイアスパッドが第1領域に配置され、バイアスパッド13bおよび14bの少なくとも1つの第2バイアスパッドが第2領域に配置されていればよい。