(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166834
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】作業装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/44 20230101AFI20241122BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
C02F1/44 A
C02F1/44 H
B08B3/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083210
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【弁理士】
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 広太
【テーマコード(参考)】
3B201
4D006
【Fターム(参考)】
3B201AA46
3B201AB52
3B201BB22
3B201BB62
3B201BB92
4D006GA03
4D006JA53A
4D006JA62A
4D006JA63A
4D006JA65A
4D006KA02
4D006KA72
4D006KB04
4D006KB14
4D006KE09Q
4D006PA01
4D006PB02
4D006PC53
4D006PC80
(57)【要約】
【課題】1つのポンプによって濾過と吐出との2つの機能を実現できる作業装置を提供する。
【解決手段】作業装置は、供給された液体を吐出流路25に吐出するように駆動するポンプ20と、ポンプ20から吐出流路25に吐出された液体が流通される第1流路21及び第2流路22と、第1流路21に接続され、第1流路21を流通した液体を濾過する濾過装置30と、第2流路22に接続され、第2流路22を流通した液体を吐出すると吐出装置40と、を備え、第1流路21及び第2流路22は、ポンプ20から吐出された液体の流路として、択一的にいずれかが選択されるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に空間が形成されるように構成されたフレーム構造体(10)と、
前記フレーム構造体(10)の内側に配置され、供給された液体を吐出流路(25)に吐出するように駆動するポンプ(20)と、
前記ポンプ(20)から前記吐出流路(25)に吐出された前記液体が流通される第1流路(21)及び第2流路(22)と、
前記第1流路(21)に接続され、前記第1流路(21)を流通した前記液体を濾過する濾過装置(30)と、
前記第2流路(22)に接続され、前記第2流路(22)を流通した前記液体を吐出すると吐出装置(40)と、を備え、
前記第1流路(21)及び前記第2流路(22)は、前記ポンプ(20)から吐出された前記液体の流路として、択一的にいずれかが選択されるように構成されている、作業装置。
【請求項2】
前記吐出流路(25)は、前記吐出流路(25)を流通する前記液体の流路を第1流路(21)と第2流路(22)とのいずれかに切り替える切替装置(27)を有する、請求項1に記載の作業装置。
【請求項3】
前記濾過装置(30)は、前記フレーム構造体(10)に対して着脱可能に設けられている、請求項1に記載の作業装置。
【請求項4】
前記フレーム構造体(10)に着脱可能に設けられ、前記フレーム構造体(10)の一部を側方から覆う壁体(50)をさらに備え、
前記濾過装置(30)は、前記壁体(50)に固定されている、請求項3に記載の作業装置。
【請求項5】
前記フレーム構造体(10)は、複数のフレーム構成部材(11,12)が固定部材(19)によって互いに固定されることによって構成されており、
前記壁体(50)は、前記固定部材(19)に係合可能であることにより、前記フレーム構造体(10)に対して着脱可能となっている、請求項4に記載の作業装置。
【請求項6】
前記フレーム構造体(10)には、前記フレーム構造体(10)を移動させるための車輪(16a,16b)が設けられており、
前記濾過装置(30)は、前記壁体(50)の上下方向の中心位置よりも下の位置で前記壁体(50)に固定されている、請求項4に記載の作業装置。
【請求項7】
前記第1流路(21)と前記濾過装置(30)とは、それぞれに設けられたワンタッチカプラ(21a,36a)を介して互いに接続されており、
前記濾過装置(30)が前記第1流路(21)から取り外されている状態において、前記第1流路(21)を構成するワンタッチカプラ(21a)は下方を向いて開口している、請求項1に記載の作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、高圧洗浄機を開示している。この高圧洗浄機は、外側全体をキャビネットで覆い底部に車輪を取付けた本体と、本体の内部に設けられ、給水口を具えた樹脂タンクと、タンクに隣設して、モータで駆動される高圧ポンプと、高圧ポンプの吸込側に接続された吸水ストレーナと、高圧ポンプの吐出側に接続されたスプレーガンとを備える。
【0003】
特許文献2は、浄水ユニットを開示している。この浄水ユニットは、浄水手段と、エンジン発電機と、浄水手段およびエンジン発電機を収めるコンテナとを備える。浄水手段は、原水を取水する取水ポンプと、原水を貯留する原水槽と、原水を浄化する浄水装置と、浄水を貯留する浄水槽とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5-52272号公報
【特許文献2】特開2013-212470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、供給された液体を濾過する浄水機能と供給された液体を吐出する吐出機能との2つの機能が1つのポンプに基づいて動作する作業装置は知られていない。
【0006】
本開示は、1つのポンプによって濾過と吐出との2つの機能を実現できる作業装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一例の作業装置は、内側に空間が形成されるように構成されたフレーム構造体(10)と、フレーム構造体(10)の内側に配置され、供給された液体を吐出流路(25)に吐出するように駆動するポンプ(20)と、ポンプ(20)から吐出流路(25)に吐出された液体が流通される第1流路(21)及び第2流路(22)と、第1流路(21)に接続され、第1流路(21)を流通した液体を濾過する濾過装置(30)と、第2流路(22)に接続され、第2流路(22)を流通した液体を吐出すると吐出装置(40)と、を備え、第1流路(21)及び第2流路(22)は、ポンプ(20)から吐出された液体の流路として、択一的にいずれかが選択されるように構成されている。
【0008】
上記作業装置では、ポンプ(20)から吐出された液体の流路として第1流路(21)が選択された状態において、液体を濾過する濾過装置として機能し、ポンプ(20)から吐出された液体の流路として第2流路(22)が選択された状態において、液体を吐出する吐出装置(洗浄装置)として機能する。このように、第1流路(21)と第2流路(22)とが択一的に選択される構成を有することにより、1つのポンプ(20)によって濾過と吐出との2つの機能を実現できる。
【0009】
吐出流路(25)は、吐出流路(25)を流通する液体の流路を第1流路(21)と第2流路(22)とのいずれかに切り替える切替装置(27)を有してもよい。この構成では、第1流路(21)と第2流路(22)との切替え操作を簡便に実行することが可能となる。
【0010】
濾過装置(30)は、フレーム構造体(10)に対して着脱可能に設けられていてもよい。例えば、作業装置は、平時において主として吐出機能が利用され、災害時などの特別なときに濾過機能が利用され得る。上記構成では、平時において濾過装置(30)を取り外しておくことで、濾過装置(30)の汚染、損傷などが抑制される。
【0011】
作業装置は、フレーム構造体(10)に着脱可能でありフレーム構造体(10)の一部を側方から覆う壁体(50)をさらに備え、濾過装置(30)は、壁体(50)に固定されてもよい。この構成では、フレーム構造体(10)に対する壁体(50)の着脱によって、濾過装置(30)の着脱がなされる。壁体(50)がフレーム構造体(10)の側壁を形成するため、濾過装置(30)から水漏れがあったとしても、フレーム構造体(10)内に水が浸入することが抑制される。
【0012】
フレーム構造体(10)は、複数のフレーム構成部材(11,12)が固定部材(19)によって互いに固定されることによって構成されており、壁体(50)は、固定部材(19)に係合可能であることにより、フレーム構造体(10)に対して着脱可能となっていてよい。この構成では、フレーム構造体(10)を構成する部材と壁体(50)を固定する部材とを共用できるため、部品点数を削減することができる。
【0013】
フレーム構造体(10)には、フレーム構造体(10)を移動させるための車輪(16a,16b)が設けられており、濾過装置(30)は、壁体(50)の上下方向の中心位置よりも下の位置で壁体(50)に固定されていてよい。この構成では、濾過装置(30)がフレーム構造体(10)に固定されている状態でフレーム構造体(10)を移動させる際に、重心位置が低くなることで、安定して移動させることができる。
【0014】
第1流路(21)と濾過装置(30)とは、それぞれに設けられたワンタッチカプラ(21a,36a)を介して互いに接続されており、濾過装置(30)が第1流路(21)から取り外されている状態において、第1流路(21)を構成するワンタッチカプラ(21a)は下方を向いて開口していてよい。この構成では、第1流路(21)のワンタッチカプラ(21a)の内側に埃などの異物が入ることが抑制される。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、1つのポンプによって濾過と吐出との2つの機能を実現できる作業装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施形態に係る液体吐出装置の配管系統を示す概略図である。
【
図2】一実施形態に係る液体吐出装置の分解斜視図である。
【
図3】一実施形態に係る液体吐出装置の側面図である。
【
図4】一実施形態に係る液体吐出装置の側面図である。
【
図5】
図2の部分拡大図であり、壁体の係合部を示す。
【
図6】フレームに対する壁体の係合方法を説明するための断面図である。
【
図7】フレームに対する壁体の係合方法の他の例を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本実施形態に係る液体吐出装置(作業装置)1について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。本明細書において「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」等の方向を示す語は、水平面上に作業装置を設置した状態において、当該作業装置の通常の前進方向を前方と定めた状態を基準としている。
【0018】
図1は、液体吐出装置の配管系統を示す概略図である。
図2は、液体吐出装置の分解斜視図である。
図3及び
図4は、液体吐出装置の側面図である。本明細書では、図面に記載されたXYZ座標系のX軸方向の正側の向きを液体吐出吐出装置の通常の前進方向としており、
図3は前進方向に向かって左から見た側面図であり、
図4は前進方向に向かって右から見た側面図である。一例の液体吐出装置1は、供給された液体を高圧で吐出する吐出装置(洗浄装置)としての機能と、供給された液体を濾過する濾過装置としての機能とを有する。例えば、液体吐出装置1は、フレーム構造体10と、ポンプ20と、第1流路21と、第2流路22と、濾過装置30と、吐出装置40とを備える。
【0019】
ポンプ20は、たとえばプランジャポンプ(往復動ポンプ)であり、原動機23により駆動されて、吸水口から液体(たとえば水または洗浄液等)を吸水し、吐出口から液体を吐出する。原動機23は、モータ、エンジン等であってよい。ポンプ20の吸水口は供給流路24に接続されており、ポンプ20の吐出口は吐出流路25に接続されている。すなわち、ポンプ20は、供給流路24から供給された液体を吐出流路25に吐出するように駆動する。供給流路24の先端には、水源Sの水に含まれるゴミがポンプ20に吸入されることを抑制するフィルタ26Aが設けられていてよい。
【0020】
また、供給流路24には、フィルタ26Aで取り除くことができなかったゴミがポンプ20に吸入されることを抑制するフィルタ26B及びフィルタ26Cが設けられている。フィルタ26B,26Cは、有底筒状のカートリッジハウジングと、カートリッジハウジングの内側に収容され、交換可能に構成されたカートリッジフィルタとによって構成されていてよい。例えば、供給流路24を流通する液体がカートリッジハウジングの内側を通過することにより、カートリッジフィルタのメッシュサイズに応じた異物が除去される。フィルタ26Cはフィルタ26Bの下流に配置されており、フィルタ26Bよりも小さいメッシュサイズを有している。
【0021】
吐出流路25には、流通する液体の流路を第1流路21と第2流路22とのいずれかに切り替える切替装置が設けられている。例えば、切替装置は、三方コック27(三方切替弁)であってよい。三方コック27は、吐出流路25に接続されるとともに、第1流路21及び第2流路22に接続されている。三方コック27の操作により、ポンプ20から吐出された液体の流路として、第1流路21及び第2流路22のいずれかが択一的に選択される。
【0022】
濾過装置30は、第1流路21に接続され、第1流路21を流通した液体を濾過する。
濾過装置30は、濾過装置本体としてのRO(Reverse Osmosis)装置31を含む。RO装置31は、例えば、筒状の筐体(ベッセル)と、筐体内に設けられた逆浸透膜とを有しており、供給口から供給された原水に圧力がかけられることで、逆浸透膜を通過した浄水と原水が濃縮された濃縮水とに原水を分けて排出する。浄水が流通する浄水流路32には、例えば、紫外線モジュール等によって構成される滅菌装置33が配置されてもよい。また、濃縮水が流通する濃縮水流路34には調圧機構35(調圧バルブニードルバルブ等)が設けられてもよい。濃縮水は、濾過装置30の外部に廃棄されてよい。浄水は、例えば、災害時などに利用され得る。濾過装置30に原水を供給するためのホース36の基端と第1流路21の先端とには、それぞれ互いに対応するワンタッチカプラ21a,36aが設けられている。すなわち、濾過装置30に設けられたホースの基端と第1流路21の先端とは、ワンタッチカプラ21a,36aを介して着脱可能に接続されていてよい。
【0023】
吐出装置40は、第2流路22に接続され、第2流路22を流通した液体を吐出する。一例において、吐出装置40は、液体を高圧で吐出するための洗浄ノズル41(ノズルガン)を含んでいてよい。洗浄ノズル41に接続されたホース42の基端と第2流路22の先端とには、それぞれ互いに対応するワンタッチカプラ42a,22aが設けられている。すなわち、吐出装置40に設けられたホース42の基端と第2流路22の先端とは、ワンタッチカプラ42a,22aを介して着脱可能に接続されていてよい。第2流路22には、調圧機構45が設けられていてもよい。調圧機構45に設けられた余水流路45aは、例えばポンプ20に接続されていてもよい。
【0024】
以下、液体吐出装置1の具体的な構造の一例について説明する。
図2に示すように、液体吐出装置1は、内側に空間が形成されるように構成されたフレーム構造体10を有している。一例のフレーム構造体10は、直方体形状をなしていてもよい。図示例のフレーム構造体10は、一対の略矩形状のフレーム11と、一対のフレーム11同士を互いに接続する複数の接続部材とを含む。構成部品であるフレーム11及び接続部材は、例えばボルト19(固定部材)によって互いに固定されている。
【0025】
フレーム11は、上下方向に延在する一対の縦パイプ11a,11bと、一対の縦パイプ11a,11b同士を上端及び下端で互いに接続する一対の横パイプ11c,11dと、を含む。一例において、接続部材は、一対のフレーム11における前部を構成する縦パイプ11a同士を接続する横パイプ12aと、一対のフレーム11における後部を構成する縦パイプ11b同士を接続する横パイプ12bと、一対のフレーム11における上部を構成する横パイプ11c同士を接続する横パイプ13と、一対のフレーム11における下部を構成する横パイプ11d同士を接続する床板14と、一対のフレーム11における上部を構成する横パイプ11c同士を接続する天板15とを有する。横パイプ12aと横パイプ12bとを区別せずに説明する場合、これらを横パイプ12と呼ぶ。原動機23及びポンプ20は、フレーム構造体10の内側の空間において床板14に固定されていてもよい。フィルタ26B及びフィルタ26Cは、フレーム構造体10の内側の空間に配置されるように、天板15に固定されていてもよい。
【0026】
フレーム構造体10には、フレーム構造体10を前後方向に移動させるための車輪が設けられている。車輪は、一対の前輪16aと一対の後輪16bとを含む。前輪16a及び後輪16bの回転軸は、フレーム構造体10よりも下側に設けられていてよい。
【0027】
濾過装置30は、壁体50に固定された状態で、フレーム構造体10に対して着脱可能に設けられている。壁体50は、フレーム構造体10に着脱可能に設けられ、フレーム構造体10の一部を側方から覆う。一例の壁体50は、矩形板状をなす金属板であり、前端及び後端の縁部がフレーム構造体10に向けて折曲された折曲げ部51,52を構成している。また、上端の縁部もフレーム構造体10に向けて折曲されており、折曲げ部53を構成している。折曲げ部51,52間の距離は、フレーム構造体10の前後方向の長さと略同じであり、折曲げ部51,52は、縦パイプ11a,11bに沿うように配置される。
【0028】
壁体50の外面には、RO装置31を固定するためのバンド部材54が固定されているとともに、滅菌装置33を固定するためのバンド部材55が固定されている。濾過装置30を構成するRO装置31は、壁体50の上下方向の中心位置(中心線C)よりも下の位置になるように、壁体50にバンド部材54で固定されている。また、壁体50がフレーム構造体10に固定されている状態では、RO装置31は、フレーム構造体10の上下方向の中心位置よりも下の位置に配置されている。
【0029】
壁体50は、フレーム11と接続部材(一例では、横パイプ12)とを互いに固定するボルト19に係合可能であることにより、フレーム構造体10に対して着脱可能となっている。一例の壁体50は、一対の係止部59を有する。一対の係止部59の位置は、フレーム11と横パイプ12とを接続するボルト19の位置に対応している。
図5は、係止部59を拡大して示す斜視図である。
図6は、フレーム構造体10に対する壁体50の係合方法を説明するための断面図である。係止部59は、壁体50に形成された円形の孔59aと、当該孔59aの上部から上向きに延在する切欠状部分59bとを有する。孔59aの径L1は、ボルト19の頭部19a及び座金18の径よりも大きくなっている。切欠状部分59bの幅L2(前後方向の幅)は、ボルト19の頭部19a及び座金18の径よりも小さく、ボルト19の軸19bの径よりも大きくなっている。緩められているボルト19の軸19bに切欠状部分59bが引っかけられ、その状態でボルト19が締結されることにより、壁体50がフレーム構造体10に固定される。なお、図示例では、ボルト19は、横パイプ12の開口に固定されたジョイント121に対して固定されている。
【0030】
以上説明したように、一例の液体吐出装置1は、内側に空間が形成されるように構成されたフレーム構造体10と、フレーム構造体10の内側に配置され、供給された液体を吐出流路25に吐出するように駆動するポンプ20と、ポンプ20から吐出流路25に吐出された液体が流通される第1流路21及び第2流路22と、第1流路21に接続され、第1流路21を流通した液体を濾過する濾過装置30と、第2流路22に接続され、第2流路22を流通した液体を吐出すると吐出装置40と、を備えている。第1流路21及び第2流路22は、ポンプ20から吐出された液体の流路として、択一的にいずれかが選択されるように構成されている。
【0031】
上記液体吐出装置1では、ポンプ20から吐出された液体の流路として第1流路21が選択された状態において、液体を濾過する濾過装置として機能し、ポンプ20から吐出された液体の流路として第2流路22が選択された状態において、液体を吐出する吐出装置(洗浄装置)として機能する。このように、第1流路21と第2流路22とが択一的に選択される構成を有することにより、1つのポンプ20によって濾過と吐出との2つの機能を実現できる。
【0032】
吐出流路25は、吐出流路25を流通する液体の流路を第1流路21と第2流路22とのいずれかに切り替える三方コック27(切替装置)を有してもよい。この構成では、第1流路21と第2流路22との切替え操作を簡便に実行することが可能となる。
【0033】
濾過装置30は、フレーム構造体10に対して着脱可能に設けられていてもよい。例えば、液体吐出装置1は、平時において主として吐出機能が利用され、災害時などの特別なときに濾過機能が利用され得る。上記構成では、平時において濾過装置30を取り外しておくことで、濾過装置30の汚染、損傷などが抑制される。
【0034】
液体吐出装置1は、フレーム構造体10に着脱可能に設けられ、フレーム構造体10の一部を側方から覆う壁体50を備えていてもよく、濾過装置30は、壁体50に固定されていてもよい。この構成では、フレーム構造体10に対する壁体50の着脱によって、濾過装置30の着脱がなされる。壁体50がフレーム構造体10の側壁を形成するため、濾過装置30から水漏れがあったとしても、フレーム構造体10内に水が浸入することが抑制される。
【0035】
フレーム構造体10は、複数のフレーム構成部材(一例では、横パイプ12)がボルト19によって互いに固定されることによって構成されていてもよい。壁体50は、ボルト19に係合可能であることにより、フレーム構造体10に対して着脱可能となっていてよい。この構成では、フレーム構造体10を構成するボルト19と壁体50を固定するボルト19とを共用できるため、部品点数を削減することができる。なお、作業者は、壁体50に形成された折曲げ部53を支持することで、壁体50の取付作業時に壁体50を安定して保持できる。
【0036】
フレーム構造体10には、フレーム構造体10を移動させるための車輪(前輪16a、後輪16b)が設けられていてよい。濾過装置30は、壁体50の上下方向の中心位置よりも下の位置で壁体50に固定されていてよい。この構成では、濾過装置30がフレーム構造体10に固定されている状態でフレーム構造体10を移動させる際に、重心位置が低くなることで、安定して移動させることができる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。
【0038】
図7は、上記実施形態とは異なる方法で壁体が固定されている例を示す断面図である。
図7に示す例では、ボルト19の頭部19aとフレーム11との間に円筒状のカラー19cが配置された状態でボルト19が締結されている。すなわち、カラー19cは、頭部19aとフレーム11とによって挟持されている。カラー19cの外径は係止部59の切欠状部分59bの幅L2よりも小さい。そのため、カラー19cに係止部59の切欠状部分59bを引っかけることで、壁体50をフレーム構造体10に掛止することができる。この構成では、壁体50の着脱においてボルト19を緩める必要がない。
【0039】
図8は、第1流路21と濾過装置30との接続部分を説明するための斜視図である。この例では、三方コック27と濾過装置30に原水を供給するためのホース36の基端とがワンタッチカプラを介して互いに接続され得る。この場合、三方コック27に設けられたワンタッチカプラ21aは、第1流路21を構成する。第1流路21を構成するワンタッチカプラ21aは、濾過装置30に原水を供給するためのホース36に設けられたワンタッチカプラ36a(
図2参照)に対応している。第1流路21を構成するワンタッチカプラ21aの吐出開口は、対応する濾過装置30のワンタッチカプラ36aが取り外されている状態において下方を向いて開口している。そのため、濾過装置30が取り外されている状態で、ワンタッチカプラ21aの内側に埃などの異物が入ることが抑制される。
【0040】
ポンプ20から吐出された液体の流路として、第1流路21と第2流路22とが三方コック27によって択一的に選択される例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1流路21及び第2流路22の基端にそれぞれワンタッチカプラを設け、これに対応するワンタッチカプラをポンプの吐出流路25に設けてもよい。この場合、選択したい流路のワンタッチカプラを吐出流路25のワンタッチカプラに対して取付けることで、第1流路21と第2流路22とのいずれかを選択することができる。
【0041】
本開示の形態は、以下のように示され得る。
[1]
内側に空間が形成されるように構成されたフレーム構造体(10)と、
前記フレーム構造体(10)の内側に配置され、供給された液体を吐出流路(25)に吐出するように駆動するポンプ(20)と、
前記ポンプ(20)から前記吐出流路(25)に吐出された前記液体が流通される第1流路(21)及び第2流路(22)と、
前記第1流路(21)に接続され、前記第1流路(21)を流通した前記液体を濾過する濾過装置(30)と、
前記第2流路(22)に接続され、前記第2流路(22)を流通した前記液体を吐出すると吐出装置(40)と、を備え、
前記第1流路(21)及び前記第2流路(22)は、前記ポンプ(20)から吐出された前記液体の流路として、択一的にいずれかが選択されるように構成されている、作業装置。
[2]
前記吐出流路(25)は、前記吐出流路(25)を流通する前記液体の流路を第1流路(21)と第2流路(22)とのいずれかに切り替える切替装置(27)を有する、[1]に記載の作業装置。
[3]
前記濾過装置(30)は、前記フレーム構造体(10)に対して着脱可能に設けられている、[1]又は[2]に記載の作業装置。
[4]
前記フレーム構造体(10)に着脱可能に設けられ、前記フレーム構造体(10)の一部を側方から覆う壁体(50)をさらに備え、
前記濾過装置(30)は、前記壁体(50)に固定されている、[1]~[3]のいずれかに記載の作業装置。
[5]
前記フレーム構造体(10)は、複数のフレーム構成部材(11,12)が固定部材(19)によって互いに固定されることによって構成されており、
前記壁体(50)は、前記固定部材(19)に係合可能であることにより、前記フレーム構造体(10)に対して着脱可能となっている、[4]に記載の作業装置。
[6]
前記フレーム構造体(10)には、前記フレーム構造体(10)を移動させるための車輪(16a,16b)が設けられており、
前記濾過装置(30)は、前記壁体(50)の上下方向の中心位置よりも下の位置で前記壁体(50)に固定されている、[4]又は[5]に記載の作業装置。
[7]
前記第1流路(21)と前記濾過装置(30)とは、それぞれに設けられたワンタッチカプラ(21a,36a)を介して互いに接続されており、
前記濾過装置(30)が前記第1流路(21)から取り外されている状態において、前記第1流路(21)を構成するワンタッチカプラ(21a)は下方を向いて開口している、[1]~[6]のいずれかに記載の作業装置。
【符号の説明】
【0042】
1…液体吐出装置(作業装置)、10…フレーム構造体、20…ポンプ、21…第1流路、22…第2流路、25…吐出流路、27…三方コック(切替装置)、30…濾過装置、31…RO装置(濾過装置)、40…吐出装置。