(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166863
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20241122BHJP
【FI】
G06Q30/0241 444
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083250
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】實原 弘亮
(72)【発明者】
【氏名】江島 昇太
(72)【発明者】
【氏名】安部 斉志
(72)【発明者】
【氏名】土屋 一輝
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 良希
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】広告配信に関する最適化を支援することができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本開示の情報処理装置は、受付部と、最適化部とを備える。受付部は、広告対象に関連する時系列の複数のユーザアクションが定義されたカスタマージャーニーの設定を受け付ける。最適化部は、受付部によって設定が受け付けられたカスタマージャーニーに基づいて、カスタマージャーニーでの広告配信に関する最適化の処理を行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告対象に関連する時系列の複数のユーザアクションが定義されたカスタマージャーニーの設定を受け付ける受付部と、
前記受付部によって設定が受け付けられた前記カスタマージャーニーに基づいて、前記カスタマージャーニーでの広告配信に関する最適化の処理を行う最適化部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部は、
前記広告対象に関連する複数のユーザアクション部品が時系列に配置され且つ前記複数のユーザアクション部品のうちの少なくとも1つに広告の情報が設定された情報の設定を前記カスタマージャーニーの設定として受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数のユーザアクション部品の各々は、
ユーザアクションライブラリに含まれる複数種類のユーザアクション部品の中から選択されたユーザアクション部品である
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付部は、
前記カスタマージャーニーにおける配信情報の設定を受け付け、
前記最適化部は、
前記受付部によって設定が受け付けられた前記カスタマージャーニーと前記配信情報とに基づいて、前記広告配信に関する最適化を行う
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記配信情報には、
広告予算の情報が含まれており、
前記最適化部は、
前記広告予算に基づいて、前記カスタマージャーニーに含まれる前記複数のユーザアクションのうち最適化の対象となるユーザアクションを決定する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記最適化部による最適化に関する処理の結果を示す情報を含む最適化関連情報を提供する提供部を備える
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受付部によって設定が受け付けられた前記カスタマージャーニーの経路でのユーザの行動変遷を特定する特定部を備え、
前記提供部は、
前記特定部による特定結果を示す情報を提供する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
広告対象に関連する時系列の複数のユーザアクションが定義されたカスタマージャーニーの設定を受け付ける受付工程と、
前記受付工程によって設定が受け付けられた前記カスタマージャーニーに基づいて、前記カスタマージャーニーでの広告配信に関する最適化の処理を行う最適化工程と、を含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
広告対象に関連する時系列の複数のユーザアクションが定義されたカスタマージャーニーの設定を受け付ける受付手順と、
前記受付手順によって設定が受け付けられた前記カスタマージャーニーに基づいて、前記カスタマージャーニーでの広告配信に関する最適化の処理を行う最適化手順と、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの飛躍的な普及に伴い、インターネットを介した広告配信が盛んに行われている。このような広告配信の一例として、過去の入札実績に基づいて広告枠に対する入札額を制御することで、広告利益を最大化する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが広告対象の商品やサービスを認知してから購入するまでのプロセス全体(以下、フルファネルと記載する場合がある)において、モニタリングすべきユーザアクションが多様化しており、フルファネルの少なくとも一部において広告配信に関する最適化が望まれる。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、広告配信に関する最適化を支援することができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の情報処理装置は、受付部と、最適化部とを備える。受付部は、広告対象に関連する時系列の複数のユーザアクションが定義されたカスタマージャーニーの設定を受け付ける。最適化部は、受付部によって設定が受け付けられたカスタマージャーニーに基づいて、カスタマージャーニーでの広告配信に関する最適化の処理を行う。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、広告配信に関する最適化を支援することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置のユーザ情報記憶部に記憶されるユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理装置の提供部によって提供されたカスタマージャーニー設定用情報に基づいて端末装置に表示されるカスタマージャーニー設定画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置の提供部によって提供され端末装置に表示された最適化関連情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置の提供部によって提供され端末装置に表示された最適化関連情報の他の例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る端末装置に表示されるカスタマージャーニー設定画面に含まれるカスタマージャーニー設定領域の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る情報処理装置の提供部によって提供され端末装置に表示された運用状況情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図であり、情報処理装置1によって実行される。
【0011】
図1に示す情報処理装置1は、広告対象に関連する時系列の複数のユーザアクションが定義されたカスタマージャーニーの設定を受け付け、設定を受け付けたカスタマージャーニーに基づいて、カスタマージャーニーでの広告配信に関する最適化の処理を行う。これにより、情報処理装置1は、広告配信に関する最適化を支援することができる。以下、情報処理装置1が実行する情報処理について具体的に説明する。
【0012】
図1に示すように、情報処理装置1は、作業者Oの端末装置2に対して、カスタマージャーニー設定用情報を提供する(ステップS1)。作業者Oは、例えば、広告の対象(以下において、「広告対象」と記載する場合がある)に関する広告の配信を希望する広告主または広告対象に関する広告の配信設定を委託された事業者などである。
【0013】
広告は、例えば、広告対象を広告するためのコンテンツであり、広告コンテンツとも呼ばれる。かかる広告は、例えば、バナー広告、リスティング広告、ネイティブ広告、ソーシャルメディア広告、動画広告などであるが、かかる例に限定されない。
【0014】
カスタマージャーニー設定用情報は、作業者Oが端末装置2を用いてカスタマージャーニーを設定するための情報である。例えば、端末装置2にウェブブラウザがインストールされている場合、カスタマージャーニー設定用情報は、例えば、ウェブブラウザで用いられる情報である。
【0015】
カスタマージャーニー設定用情報がウェブブラウザで用いられる情報である場合、カスタマージャーニー設定用情報は、例えば、HTML(HyperText Markup Language)、CSS(Cascading Style Sheets)、スプリクト(例えば、Javascript(登録商標))などを用いて記述された情報を含む。
【0016】
また、端末装置2に専用のアプリケーションプログラムであるカスタマージャーニー設定アプリがインストールされている場合、カスタマージャーニー設定用情報は、例えば、カスタマージャーニー設定アプリで用いられる情報である。
【0017】
カスタマージャーニー設定用情報がカスタマージャーニー設定アプリで用いられる情報である場合、カスタマージャーニー設定用情報は、例えば、JSON(JavaScript Object Notation)、XML(eXtension Markup Language)などのデータ構造を表す形式を用いて記述された情報を含む。
【0018】
端末装置2は、カスタマージャーニー設定アプリの処理によって、例えば、API(Application Programming Interface)などのインターフェイスを介して情報処理装置1に対してカスタマージャーニー設定用情報を要求する。端末装置2は、要求に応じて情報処理装置1から送信されるカスタマージャーニー設定用情報を取得する。
【0019】
端末装置2は、情報処理装置1から提供されたカスタマージャーニー設定用情報に基づいて、広告対象に関連する時系列の複数のユーザアクションが定義されたカスタマージャーニーを設定する画面であるカスタマージャーニー設定画面を表示する(ステップS2)。
【0020】
カスタマージャーニー設定画面において、作業者Oは、端末装置2を操作することによって、カスタマージャーニーや配信情報などを設定することができる。作業者Oは、例えば、広告対象に関連する複数のユーザアクション部品を選択しこれら複数のユーザアクション部品を時系列に配置し、これら複数のユーザアクション部品のうちの少なくとも1つに広告情報を設定することによって、広告対象に関連するカスタマージャーニーの設定を行う。
【0021】
カスタマージャーニー設定画面には、例えば、ユーザアクションライブラリ領域、カスタマージャーニー設定領域、配信プロパティ設定領域、最適化ボタン、動向可視化ボタンなどが含まれる。
【0022】
ユーザアクションライブラリ領域には、複数種類のユーザアクション部品や複数種類の接続部品を含むユーザアクションライブラリが配置される。作業者Oは、端末装置2を操作することによって、ユーザアクションライブラリから必要なユーザアクション部品や接続部品を選択し、選択したユーザアクション部品や接続部品をカスタマージャーニー設定領域に配置することができる。
【0023】
カスタマージャーニー設定用情報には、広告対象の種別に応じたユーザアクションライブラリが含まれており、作業者Oは、広告の種別または広告対象の種別に応じたユーザアクションライブラリを用いることができる。広告対象の種別は、例えば、コンバージョンの種別またはコンバージョンの対象の種別である。広告の種別または広告対象の種別に応じたユーザアクションライブラリは、作業者Oが設定した広告の種別または広告対象の種別に基づいて情報処理装置1によって選択されるが、複数のユーザアクションライブラリから作業者Oが選択することもできる。
【0024】
ユーザアクションライブラリに含まれる複数種類のユーザアクション部品には、クリックアクション部品、ビューアクション部品、サーチアクション部品、動画再生アクション部品、動画クリックアクション部品、マイクロコンバージョン部品、コンバージョン部品などが含まれるが、かかる例に限定されず、種々の部品を含むことができる。
【0025】
各種のユーザアクション部品は、例えば、GUI(Graphical User Interface)部品であり、作業者Oは、端末装置2への操作によってユーザアクション部品を選択することで、ユーザアクションに関する情報を設定するためのプロパティウィンドウを端末装置2に表示させることができる。
【0026】
作業者Oは、端末装置2への操作によってプロパティウィンドウにユーザアクションに関する情報を設定することができる。プロパティウィンドウでは、例えば、複数のプロパティ項目の各々の内容を設定するためのUI(User Interface)が配置されている。作業者Oは、端末装置2への操作によってUIを操作することで、プロパティウィンドウにおいてプロパティ項目の内容を設定することができる。
【0027】
プロパティ項目の内容は、例えば、ユーザアクションの詳細を示す情報、ユーザアクションの検出条件を示す情報、ユーザアクションの価値を示す情報などであるが、かかる例に限定されない。
【0028】
複数のプロパティ項目の各々の内容を設定するためのUIは、例えば、プロパティグリッドであるが、かかる例に限定されない。例えば、プロパティ項目の内容を設定するためのUIは、例えば、入力枠、コンボボックス、チェックボックス、チェックリストボックスなどであってもよく、その他のUIであってもよい。
【0029】
また、複数の定義項目の各々の内容を設定するためのUIは、例えば、プロパティ項目を設定するためのUIであって設定例などが文字例や音声で示されるUIをプロパティ項目毎に切り替えていくUIであってもよい。
【0030】
クリックアクション部品は、例えば、ユーザアクションが動画広告以外の広告へのクリックであることを示す部品である。クリックアクション部品におけるプロパティウィンドウに設定されるプロパティ項目の内容は、例えば、クリックの対象となる広告を特定する情報、広告のターゲットとなるユーザの属性を示す情報、ユーザアクションの価値を示す情報などである。広告を特定する情報は、広告のクリエイティブ情報を含むが、かかる例に限定されない。なお、クリックアクション部品において、ユーザアクションの検出条件を示す情報として「クリック」の情報が予め設定されている。
【0031】
ビューアクション部品は、例えば、ユーザアクションが閲覧であることを示す部品である。ビューアクション部品におけるプロパティウィンドウに設定されるプロパティ項目の内容は、例えば、ユーザアクションの価値を示す情報、ユーザの端末装置での最小表示時間を示す情報、ビューアクションの対象を特定する情報などである。ビューアクションの対象は、例えば、特定の広告、特定のウェブサイト、または特定のウェブページであるが、かかる例に限定されない。
【0032】
サーチアクション部品は、例えば、ユーザアクションがサーチであることを示す部品である。サーチは、例えば、ウェブサイトやウェブページの検索(ウェブ検索)であるが、かかる例に限定されず、例えば、自然言語モデルを用いたサーチなどであってもよい。
【0033】
サーチアクション部品におけるプロパティウィンドウに設定されるプロパティ項目の内容は、例えば、1以上の検索キーワードを示す情報、ユーザアクションの価値を示す情報などである。1以上の検索キーワードを示す情報は、ユーザアクションの検出条件を示す情報の一例である。
【0034】
動画再生アクション部品は、例えば、ユーザアクションが動画広告の再生動作であることを示す部品である。動画再生アクション部品におけるプロパティウィンドウに設定されるプロパティ項目の内容は、例えば、再生対象となる動画広告を特定する情報、再生時間を示す情報、広告のターゲットとなるユーザの属性を示す情報、ユーザアクションの価値を示す情報などである。動画再生アクション部品において、ユーザアクションの検出条件を示す情報として「動画広告の再生動作」の情報が予め設定されているが、かかる例に限定されない。
【0035】
動画クリックアクション部品は、ユーザアクションが動画広告へのクリックであることを示す部品である。動画クリックアクション部品におけるプロパティウィンドウに設定されるプロパティ項目の内容は、例えば、クリック対象となる動画広告を特定する情報、ユーザアクションの価値を示す情報などである。動画クリックアクション部品において、ユーザアクションの検出条件を示す情報として「動画広告へのクリック」の情報が予め設定されているが、かかる例に限定されない。
【0036】
マイクロコンバージョン部品は、ユーザアクションがマイクロコンバージョンであることを示す部品である。マイクロコンバージョンとは、最終的なコンバージョンにつながる可能性が高いアクションであり、例えば、広告対象が商品やサービスなどの取引対象である場合、取引対象ページの閲覧、取引対象のカートイン(取引対象をショッピングカートにいれること)などである。
【0037】
マイクロコンバージョン部品におけるプロパティウィンドウに設定されるプロパティ項目の内容は、例えば、マイクロコンバージョンの種別を特定する情報、ユーザアクションの価値を示す情報、ユーザアクションの検出条件を示す情報などである。ユーザアクションの検出条件を示す情報は、例えば、マイクロコンバージョンの種別に対応する対象の情報が設定される。対象は、例えば、特定の広告、特定のウェブサイト、または特定のウェブページであるが、かかる例に限定されない。
【0038】
コンバージョン部品は、ユーザアクションがコンバージョンであることを示す部品である。コンバージョンは、例えば、広告対象となる取引対象の購入、広告対象となる取引対象の利用、広告対象となる会員サービスへの登録、または広告対象となるサイトの閲覧(表示)などであるが、かかる例に限定されない。取引対象は、例えば、商品やサービスなどである。
【0039】
例えば、コンバージョンは、広告対象となるメール配信への登録、広告対象となるオンラインサービスへのアカウント登録、広告対象となる資料の請求、広告対象となる実店舗への訪問、または広告対象となるSNS(Social Network Service)などでのシェアなどであってもよく、その他の行動であってもよい。
【0040】
コンバージョン部品におけるプロパティウィンドウに設定されるプロパティ項目の内容は、例えば、ユーザアクションであるコンバージョンの価値を示す情報、ユーザアクションであるコンバージョンの種別を示す情報、ユーザアクションの検出条件を示す情報などである。コンバージョンの価値を示す情報は、1つのコンバージョン当たりの価値(以下において、CV価値と記載する場合がある)であり、例えば、ターゲットCPA(Cost Per Action)である。ユーザアクションの検出条件を示す情報は、例えば、コンバージョンの対象を特定する情報などである。
【0041】
また、作業者Oは、端末装置2を操作することで、複数のコンバージョン部品をグループ化することができる。この場合、グループ化された複数のコンバージョン部品に対して一つのプロパティウィンドウが割り当てられる。かかる一つのプロパティウィンドウに設定されるプロパティ項目の内容は、例えば、コンバージョングループを特定する情報、ユーザアクションであるコンバージョンの価値を示す情報、ユーザアクションであるコンバージョンの種別を示す情報などである。
【0042】
カスタマージャーニー設定用情報には、広告の種別または広告対象の種別に応じたカスタマージャーニーのテンプレートが含まれており、作業者Oは、広告の種別または広告対象の種別に応じたカスタマージャーニーのテンプレートを用いることができる。
【0043】
広告の種別または広告対象の種別に応じたカスタマージャーニーのテンプレートは、作業者Oが設定または入力した広告の情報または広告対象の情報に基づいて情報処理装置1によって選択されるが、複数のテンプレートから作業者Oが選択することもできる。カスタマージャーニー設定用情報において、広告対象の種別に応じたカスタマージャーニーのテンプレートは、複数種類含まれていてもよい。
【0044】
作業者Oは、端末装置2を操作することで、設定したいカスタマージャーニーに含まれる複数のユーザアクションの各々に対応するユーザアクション部品をカスタマージャーニー設定領域に配置する。以下において、作業者Oが設定したいカスタマージャーニーを対象カスタマージャーニーと記載する場合がある。
【0045】
具体的には、作業者Oは、ユーザアクションライブラリに含まれる複数種類のユーザアクション部品の中から、対象カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションに対応するユーザアクション部品を選択し、カスタマージャーニー設定領域に配置する。
【0046】
作業者Oは、かかる処理を対象カスタマージャーニーに含まれるすべてのユーザアクションに関して行う。これにより、対象カスタマージャーニーに対応するすべてのユーザアクション部品がカスタマージャーニー設定領域に配置される。作業者Oは、端末装置2を操作することで、カスタマージャーニー設定領域に配置された複数のユーザアクション部品をグルーピングすることもできる。
【0047】
その後、作業者Oは、端末装置2を操作することで、カスタマージャーニー設定領域に配置されている2以上のユーザアクション部品間を接続部品で接続する。接続部品は、ユーザアクション部品における時系列の位置を決定する部品であり、例えば、矢印の形状を有する。
【0048】
接続部品は、例えば、始点と終点とがそれぞれ1つの矢印の形状を有する部品であるが、1つの始点から2以上の終端に分かれる矢印の形状を有する部品などを含んでいてもよい。接続部品において、矢印の形状における終端側に接続されたユーザアクション部品のユーザアクションは、矢印の形状における始点側に接続されたユーザアクション部品のユーザアクションよりも後のユーザアクションになる。
【0049】
図1に示す例では、カスタマージャーニー設定領域において、クリックアクション部品、サーチアクション部品、マイクロコンバージョン部品、グループ化された2つのコンバージョン部品が順に時系列に接続部品で接続されている。
【0050】
また、
図1に示す例では、クリックアクション部品には、クリックの対象となる広告を特定する情報として、広告Aの情報が設定されている。また、
図1に示す例では、サーチアクション部品には、検索キーワードを示す情報として「用語X」が設定されている。「用語X」は、例えば、広告対象を特定するための用語(例えば、広告対象の名称やメーカ名などの用語)である。
【0051】
また、
図1に示す例では、マイクロコンバージョン部品には、マイクロコンバージョンの種別を特定する情報として「サイト訪問」が設定されている。また、
図1に示す例では、グループ化された2つのコンバージョン部品には、コンバージョングループを特定する情報として「グループ1」が設定され、ユーザアクションであるコンバージョンの価値を示す情報として「1000円」が設定され、ユーザアクションであるコンバージョンの種別を示す情報として「決済」が設定されている。
【0052】
なお、
図1に示す例では、ユーザアクションの検出設定の情報が示されていないが、各ユーザアクション部品には、ユーザアクションの検出設定の情報が設定されている。また、広告の情報が設定されるユーザアクション部品(例えば、クリックアクション部品など)には、広告のターゲットとなるユーザ属性の情報が含まれていてもよい。
【0053】
上述した例では、ユーザアクション部品の各プロパティ項目は、不図示のプロパティウィンドウに含まれるが、かかる例に限定されず、例えば、各プロパティ項目の内容をナビゲーションによって順次作業者Oに設定させるようにナビゲーションウィンドウを設けてもよい。
【0054】
また、作業者Oは、端末装置2を操作することで、対象カスタマージャーニーにおける配信情報を配信プロパティ設定領域に設定することができる。配信情報は、例えば、広告の予算(以下において、「広告予算」と記載する場合がある)の情報、広告の配信期間の情報、最終コンバージョン価値の情報などであるが、かかる例に限定されない。
【0055】
図1に示す例では、広告の予算として「200,000円」が設定され、広告の配信期間として「30日」が設定され、最終コンバージョン価値として、「1,000円」が設定されている。
【0056】
作業者Oは、対象カスタマージャーニーの設定および配信情報の設定をおこなった後、端末装置2を操作することによって最適化ボタンを押下した場合、設定情報を含む最適化関連要求が端末装置2から情報処理装置1に送信される(ステップS3)。最適化関連要求に含まれる設定情報は、例えば、対象カスタマージャーニーの設定を示す情報と配信情報の設定を示す情報とを含む。以下において、設定された対象カスタマージャーニーを設定カスタマージャーニーと記載する場合がある。
【0057】
情報処理装置1は、端末装置2から送信された最適化関連要求を受け付ける。このように、情報処理装置1は、広告対象に関連する時系列の複数のユーザアクションが定義されたカスタマージャーニーの設定を受け付ける。
【0058】
情報処理装置1は、受け付けた最適化関連要求に含まれる設定情報に基づいて、設定カスタマージャーニーでの広告配信に関する最適化の処理である最適化関連処理を実行する(ステップS4)。
【0059】
最適化関連処理は、例えば、設定カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションに対する最適化の方針を決定する処理や設定カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションに対する最適化を行う処理などであるが、かかる例に限定されない。以下において、設定カスタマージャーニーでの広告配信に関する最適化は、設定カスタマージャーニーの運用方針の最適化という場合もある。
【0060】
ステップS4において、情報処理装置1は、例えば、設定情報に含まれる配信情報で示される広告予算に基づいて、設定カスタマージャーニーでの広告配信に関する最適化を行う。
【0061】
例えば、情報処理装置1は、配信情報で示される広告予算に基づいて、設定カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションに対する最適化の方針を決定する。最適化の方針は、例えば、設定カスタマージャーニーに含まれる複数のユーザアクションのうち最適化の対象となるユーザアクションがどのユーザアクションにするのかの方針である。
【0062】
情報処理装置1は、配信情報で示される広告予算が基準額未満である場合、配信情報で示される配信期間においてコンバージョンの最大化戦略またはマイクロコンバージョンの最大化戦略を設定する。
【0063】
コンバージョンの最大化戦略は、コンバージョンが最大化するようにターゲティングを最適化する戦略を含む。ターゲティングの最適化は、例えば、コンバージョンを向上させるユーザ種別を予測することによって行われる。
【0064】
ユーザ種別は、例えば、ユーザ属性で示される種別、ユーザ行動で示される種別、またはユーザ属性とユーザ行動との組み合わせによって示される種別などである。ユーザ属性は、ユーザの1以上の属性項目の組み合わせであり、例えば、属性項目が性別と年齢の組み合わせである場合、20代女性、20代男性、30代女性、・・・などであるが、属性項目はこれらに限定されず、例えば、ユーザの職業、所在地、年収などを含んでいてもよく、その他の属性項目を含んでいてもよい。
【0065】
ユーザ行動は、例えば、ユーザによる過去の広告のクリックの数、ユーザによる過去のビューの数、ユーザによる過去のマイクロコンバージョンの数などであるが、ビューは、例えば、広告対象に関するウェブサイトやウェブページの閲覧であり、マイクロコンバージョンは、広告対象に関するマイクロコンバージョンである。
【0066】
情報処理装置1は、例えば、ターゲットCPA(CV価値)が設定されている場合、コンバージョンを最大化するユーザ種別を予測する。例えば、情報処理装置1は、ターゲットCPA(最終CV価値)を示す情報、コンバージョンの種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報などに基づいて、例えば、コンバージョンが最大化するユーザ種別を予測することができる。
【0067】
情報処理装置1は、例えば、ターゲットCPAを示す情報、コンバージョンの種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報を特徴量として入力し、ユーザ種別毎のコンバージョン数を出力する予測モデルを用いて、コンバージョン数を最大化するユーザ種別を予測することができる。
【0068】
コンバージョンの種別は、例えば、取引対象の購入のための決済、アカウント登録、メールマガジン登録、ダウンロード、イベント登録などであるが、かかる例に限定されない。広告のクリエイティブ情報は、例えば、広告のクリエイティブの情報であり、例えば、広告のデザイン、テキストなどから得られる特徴量である。
【0069】
予測モデルは、例えば、回帰モデル、決定木モデル、ランダムフォレスト、GBDT(Gradient Boosting Decision Tree)、ニューラルネットワークなどであるが、かかる例に限定されない。
【0070】
また、予測モデルは、ターゲットCPAの範囲毎の予測モデルであってもよい。この場合、予測モデルは、例えば、コンバージョンの種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報を特徴量として入力し、ユーザ種別毎のコンバージョン数を出力するモデルである。
【0071】
また、予測モデルは、ターゲットCPAの範囲毎にコンバージョン数を予測するモデルであってもよい。かかる予測モデルは、例えば、ユーザ種別の情報、コンバージョンの種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報などを特徴量として入力し、コンバージョン数を出力とするモデルであってもよい。
【0072】
この場合、情報処理装置1は、予測モデルに入力するユーザ種別の行動の情報を変えながら、予測モデルから出力されるコンバージョン数の予測値が最大化する特徴量に含まれるユーザ種別の情報を、コンバージョン数が最大化するユーザ種別の情報として予測することができる。
【0073】
また、上述した例では、予測モデルに入力される特徴量は、広告の種別を示す情報などが含まれてもよい。広告の種別は、バナー広告、リスティング広告、ネイティブ広告、ソーシャルメディア広告、動画広告などであるが、かかる例に限定されない。
【0074】
また、上述した予測モデルは、カスタマージャーニー毎の予測モデルのうち、設定カスタマージャーニーの経路を通って至るコンバージョン数を予測する予測モデルであるが、カスタマージャーニー間で共通のモデルであってもよい。
【0075】
なお、コンバージョンが最大化するユーザ種別などの予測は、上述した予測モデルを用いた予測に限定されず、情報処理装置1は、例えば、統計処理によって得られた統計量や統計分布などから予測することもできる。
【0076】
次に、マイクロコンバージョンの最大化戦略について説明する。マイクロコンバージョンの最大化戦略は、マイクロコンバージョンが最大化するようにターゲティングを最適化する戦略を含む。ターゲティングの最適化は、マイクロコンバージョン率を向上させるユーザ種別を予測することによって行われる。
【0077】
例えば、情報処理装置1は、マイクロコンバージョンの種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報などに基づいて、例えば、マイクロコンバージョン率が最大化するユーザ種別を予測することができる。マイクロコンバージョンの種別は、例えば、サイト訪問、動画広告の閲覧、ウィッシュリストへの追加、ソーシャルメディアへのシェア、カートインなどであるが、かかる例に限定されない。
【0078】
情報処理装置1は、例えば、マイクロコンバージョンの種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報を特徴量として入力し、ユーザ種別毎のマイクロコンバージョン率を出力する予測モデルを用いて、マイクロコンバージョン率を最大化するユーザ種別を予測することができる。かかる予測モデルは、例えば、回帰モデル、決定木モデル、ランダムフォレスト、GBDT、ニューラルネットワークなどであるが、かかる例に限定されない。
【0079】
また、かかる予測モデルに入力される特徴量は、広告の種別を示す情報などが含まれてもよい。広告の種別は、バナー広告、リスティング広告、ネイティブ広告、ソーシャルメディア広告、動画広告などであるが、かかる例に限定されない。
【0080】
また、予測モデルは、例えば、ユーザ種別の情報、コンバージョンの種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報などを特徴量として入力し、マイクロコンバージョン率の予測値を出力するモデルであってもよい。
【0081】
この場合、情報処理装置1は、予測モデルに入力するユーザ種別の情報を変えながら、予測モデルから出力されるマイクロコンバージョン率の予測値が最大化する特徴量に含まれるユーザ種別の情報を、マイクロコンバージョン率が最大化するユーザ種別の情報として予測することができる。
【0082】
また、上述した予測モデルは、カスタマージャーニー毎の予測モデルのうち、設定カスタマージャーニーの経路を通って至るマイクロコンバージョン率を予測する予測モデルであるが、カスタマージャーニー間で共通のモデルであってもよい。
【0083】
情報処理装置1は、マイクロコンバージョン後のコンバージョンの割合を予測し、予測したコンバージョンの割合とターゲットCPAの情報とに基づいて、マイクロコンバージョンの価値を予測する。以下、マイクロコンバージョン後のコンバージョンの割合の予測値を、pCVR(MicroCV)と記載する場合がある。
【0084】
例えば、情報処理装置1は、マイクロコンバージョンの種別を示す情報、ユーザ種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報などに基づいてマイクロコンバージョン後のコンバージョンの割合を予測する予測モデルを用いて、pCVR(MicroCV)を特定することができる。そして、情報処理装置1は、ターゲットCPAにpCVR(MicroCV)を乗算した結果をマイクロコンバージョンの価値として予測する。
【0085】
情報処理装置1は、配信情報で示される広告予算が基準額以上である場合、設定カスタマージャーニーにおけるマイクロコンバージョンよりも前のユーザアクションの最大化戦略が設定される。
【0086】
例えば、
図1に示す例では、設定カスタマージャーニーにおけるサーチの最大化戦略が設定される。最大化戦略は、サーチが最大化するように、ターゲティングの最適化などを含む。
【0087】
この場合、情報処理装置1は、例えば、サーチが最大化するユーザ種別を予測することができる。例えば、情報処理装置1は、サーチ率を予測する予測モデルを用いて、サーチが最大化するユーザ種別を予測することができる。かかる予測モデルは、例えば、回帰モデル、決定木モデル、ランダムフォレスト、GBDT、ニューラルネットワークなどであるが、かかる例に限定されない。
【0088】
サーチ率を予測する予測モデルに入力される特徴量は、例えば、サーチに用いられる検索キーワードの情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報などの情報であるが、かかる例に限定されない。特徴量として用いられる検索キーワードの情報は、例えば、検索キーワードのカテゴリを示す情報、検索キーワードをベクトル化した情報などであるが、かかる例に限定されない。
【0089】
情報処理装置1は、サーチ後のマイクロコンバージョンの割合を予測し、予測したマイクロコンバージョンの割合とpCVR(MicroCV)とに基づいて、サーチの価値を予測する。以下、サーチ後のマイクロコンバージョンの割合の予測値を、pMicroCVR(Search)と記載する場合がある。
【0090】
例えば、情報処理装置1は、サーチに用いられる検索キーワードの情報、ユーザ種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報などに基づいてサーチ後のマイクロコンバージョンの割合を予測する予測モデルを用いて、pMicroCVR(Search)を特定することができる。
【0091】
そして、情報処理装置1は、ターゲットCPAにpCVR(MicroCV)を乗算した結果をマイクロコンバージョンの価値として予測し、予測したマイクロコンバージョンの価値にpMicroCVR(Search)を乗算した結果をサーチの価値として予測する。
【0092】
なお、マイクロコンバージョンよりも前のユーザアクションの最大化戦略は、サーチの最大化に限定されず、クリックの最大化であってもよく、その他のユーザアクションの最大化であってもよい。例えば、情報処理装置1は、設定カスタマージャーニーにおいてマイクロコンバージョンよりも前のユーザアクションとして、ビューが設定されている場合、最適化の対象としてビューの最大化を行う。
【0093】
また、上述した基準額は、予め設定された固定額であるが、広告のクリエイティブの特徴、コンバージョンの種別、配信期間、およびコンバージョン価値などのうちの1以上に応じて変動する変動額であってもよい。
【0094】
なお、ステップS4の最適化関連処理は、設定カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションに対する最適化の方針を決定する処理と設定カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションに対する最適化を行う処理とを含む複数の処理のうちの1つであってもよい。
【0095】
例えば、情報処理装置1は、設定情報に含まれる対象カスタマージャーニーの設定を示す情報に広告のターゲットとなるユーザ種別を示す情報が含まれている場合、設定カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションに対する最適化の方針を決定する処理だけを行うことができる。
【0096】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS4で行った最適化関連処理の結果を含む最適化関連情報を端末装置2に送信する(ステップS5)。最適化関連情報は、例えば、最大化の対象である最大化対象を示す情報を含む最大化対象情報、最大化対象を最大化する方針を示す情報を含む最大化方針情報などを含む。
【0097】
最大化対象情報は、例えば、マイクロコンバージョンの最大化戦略の場合、マイクロコンバージョンを示す情報であり、コンバージョンの最大化戦略の場合、コンバージョンを示す情報であり、サーチの最大化戦略の場合、サーチを示す情報である。
【0098】
最大化方針情報は、例えば、コンバージョンの最大化戦略の場合、コンバージョンを最大化するユーザ種別の情報を含む。最大化方針情報は、例えば、マイクロコンバージョンの最大化戦略の場合、マイクロコンバージョンを最大化するユーザ種別の情報やマイクロコンバージョンの価値の情報などを含む。
【0099】
また、最大化方針情報は、サーチの最大化戦略の場合、例えば、サーチを最大化するユーザ種別の情報、サーチの価値の情報、およびマイクロコンバージョンの価値の情報などを含む。また、最大化方針情報は、ビューの最大化戦略の場合、例えば、ビューを最大化するユーザ種別の情報、ビューの価値の情報、およびマイクロコンバージョンの価値の情報などを含む。
【0100】
端末装置2は、情報処理装置1から送信された最適化関連情報を受信した場合、受信した最適化関連情報を表示する。例えば、端末装置2は、情報処理装置1から送信された最適化関連情報をカスタマージャーニー設定領域に表示することができる。これにより、作業者Oは、設定カスタマージャーニーにおける最適化を図ることができる。
【0101】
つぎに、作業者Oが最適化ボタンを押下した場合について説明する。設定カスタマージャーニーで設定された広告の提供が開始された後において、作業者Oが端末装置2を操作することによって動向可視化ボタンを押下した場合、設定情報を含む動向可視化要求が端末装置2から情報処理装置1に送信される(ステップS6)。動向可視化要求に含まれる設定情報は、例えば、設定カスタマージャーニーを示す情報を含む。
【0102】
情報処理装置1は、端末装置2から送信された動向可視化要求を受け付けると、かかる動向可視化要求に含まれる設定情報に基づいて、広告の提供が開始された設定カスタマージャーニーにおける運用状況(以下、設定カスタマージャーニー運用状況と記載する場合がある)を示す特定する動向特定処理を行う(ステップS7)。
【0103】
情報処理装置1は、例えば、設定カスタマージャーニーにおいて設定された広告が提供されたユーザの行動履歴の情報に基づいて、設定カスタマージャーニーにおいて設定された広告が提供されたユーザの設定カスタマージャーニーの経路での行動変遷を設定カスタマージャーニー運用状況として特定する。
【0104】
例えば、
図1に示す例では、設定カスタマージャーニーの経路は、広告Aのクリック、用語Xのサーチ、サイト訪問のマイクロコンバージョン、コンバージョングループに含まれるコンバージョンの順の経路である。
【0105】
この場合、設定カスタマージャーニー運用状況は、広告Aがクリックされた数、広告Aがクリックされた後に用語Xのサーチが行われた数、用語Xのサーチが行われた後にサイト訪問のマイクロコンバージョンが行われた数、サイト訪問のマイクロコンバージョンが行われた後にコンバージョングループに含まれるコンバージョンが行われた数などの情報を含む。
【0106】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS7で特定した設定カスタマージャーニー運用状況を示す情報である運用状況情報を端末装置2に送信することで、運用状況情報を作業者Oに提供する(ステップS8)。
【0107】
端末装置2は、情報処理装置1から送信された運用状況情報を受信した場合、受信した運用状況情報を表示する。例えば、端末装置2は、情報処理装置1から送信された運用状況情報をカスタマージャーニー設定領域に表示することができる。作業者Oは、運用状況情報に基づいて、設定カスタマージャーニー運用状況を容易に把握できる。
【0108】
このように、情報処理装置1は、広告対象に関連する時系列の複数のユーザアクションが定義されたカスタマージャーニーの設定を受け付け、受け付けたカスタマージャーニーに基づいて、カスタマージャーニーでの広告配信に関する最適化を行う。これにより、情報処理装置1は、広告配信に関する最適化を支援することができる。
【0109】
以下、このような処理を行う情報処理装置1を含む情報処理システムの構成などについて、詳細に説明する。
【0110】
〔2.情報処理システムの構成〕
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置1と、端末装置2と、複数の端末装置3とを含む。
【0111】
端末装置2は、作業者Oによって用いられる。複数の端末装置3は、互いに異なるユーザUによって用いられる。各端末装置2,3は、例えば、ノートPC(Personal Computer)、デスクトップPC、スマートフォン、タブレットPC、ウェアラブルデバイスである。ウェアラブルデバイスは、例えば、スマートグラス、またはスマートウォッチなどであるが、かかる例に限定されない。ユーザUは、上述したユーザアクションを行うオンラインサービスのユーザである。
【0112】
情報処理装置1、端末装置2、および端末装置3の各々は、ネットワークNを介して、有線または無線により互いに通信可能に接続される。なお、
図2に示す情報処理システム100には、情報処理装置1などが複数含まれてもよい。
【0113】
ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)およびLTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの移動体通信網などを含む。
【0114】
各端末装置2,3は、移動体通信網、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報処理装置1と通信することができる。
【0115】
〔3.情報処理装置1の構成〕
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置1は、通信部10と、記憶部11と、処理部12とを有する。
【0116】
〔3.1.通信部10〕
通信部10は、例えば、通信モジュールやNIC(Network Interface Card)などによって実現される。そして、通信部10は、ネットワークNと有線または無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部10は、端末装置2,3との間でネットワークNを介して情報の送受信を行う。
【0117】
〔3.2.記憶部11〕
記憶部11は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部11は、ユーザ情報記憶部20と、最適化関連情報記憶部21とを有する。
【0118】
〔3.2.1.ユーザ情報記憶部20〕
ユーザ情報記憶部20は、ユーザUに関する各種の情報を記憶する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置1のユーザ情報記憶部20に記憶されるユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【0119】
図4に示す例では、ユーザ情報記憶部20に記憶されるユーザ情報テーブルは、「ユーザID(Identifier)」、「属性情報」および「履歴情報」といった項目の情報を含む。「ユーザID」は、ユーザUを識別する識別子であり、ユーザU毎に付される情報である。
【0120】
「属性情報」は、「ユーザID」に対応付けられたユーザUの属性を示す属性情報である。ユーザUの属性は、例えば、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性などである。デモグラフィック属性は、人口統計学的属性であり、例えば、年齢、性別、職業、居住地、年収、家族構成などの複数の属性項目を含む。
【0121】
サイコグラフィック属性は、心理学的属性であり、例えば、ライフスタイル、価値観、興味関心などに関する複数の属性項目を含む。例えば、サイコグラフィック属性における複数の属性項目の各々は、車、服、旅行、ゲーム、キャンプ、バイク、電車、家電、またはパソコンなどといったユーザUの興味関心を有する対象である。
【0122】
「履歴情報」は、「ユーザID」に対応付けられたユーザUの行動履歴の情報を含む。ユーザUの行動履歴は、例えば、ユーザUのオンラインサービスにおける行動履歴の情報を含む。ユーザUのオンラインサービスにおける行動履歴の情報は、ユーザUのオンラインサービスにおけるアクションであるユーザアクションの情報であり、例えば、検索履歴情報、閲覧履歴情報、配信履歴情報、および取引履歴情報などを含む。
【0123】
ユーザUの検索履歴情報は、例えば、ウェブ検索サービスにおけるユーザUによる検索履歴の情報などを含む。ユーザUの閲覧履歴情報は、例えば、オンラインサービスにおけるユーザUによるコンテンツの閲覧履歴の情報などを含む。
【0124】
配信履歴情報は、ユーザUの端末装置2に配信された配信コンテンツの配信履歴の情報、ユーザUの端末装置2に配信された広告の配信履歴、ユーザUの端末装置2に配信された広告へのユーザUのアクション(例えば、クリック)の履歴などを含む。取引履歴情報は、オンラインサービスにおけるユーザUによる商品の取引履歴の情報などを含む。
【0125】
〔3.2.2.最適化関連情報記憶部21〕
最適化関連情報記憶部21は、ユーザアクション関連の種々の情報を記憶する。例えば、最適化関連情報記憶部21は、上述したユーザアクションライブラリの情報などを含むカスタマージャーニー設定用情報を記憶する。ユーザアクションライブラリには複数のユーザアクション部品が含まれる。
【0126】
また、最適化関連情報記憶部21は、ユーザアクションライブラリ以外のカスタマージャーニー設定用情報に含まれる情報なども記憶する。また、最適化関連情報記憶部21は、作業者Oが設定した設定カスタマージャーニーの情報や配信情報なども記憶することができる。
【0127】
〔3.3.処理部12〕
処理部12は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0128】
処理部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により一部または全部が実現されてもよい。
【0129】
図3に示すように、処理部12は、取得部30と、受付部31と、最適化部32と、特定部33と、提供部34とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、処理部12の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0130】
〔3.3.1.取得部30〕
取得部30は、外部の情報処理装置、端末装置2、または端末装置3などから通信部10を介して種々の情報を取得し、取得した情報を記憶部11に記憶させる。
【0131】
例えば、取得部30は、外部の情報処理装置または端末装置2などから通信部10を介してユーザUの情報であるユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報をユーザ情報記憶部20のユーザ情報テーブルに追加する。
【0132】
また、取得部30は、記憶部11から各種の情報を取得する。例えば、取得部30は、ユーザUの情報であるユーザ情報をユーザ情報記憶部20などから取得する。取得部30によって取得されるユーザ情報は、例えば、上述した属性情報および履歴情報のうちの少なくとも1つ以上の情報の一部または全部を含む。
【0133】
また、取得部30は、ユーザアクション関連の種々の情報を最適化関連情報記憶部21などから取得する。この場合、取得部30によって取得される情報は、例えば、ユーザアクションライブラリの情報またはカスタマージャーニー設定用情報などであるが、かかる例に限定されない。
【0134】
〔3.3.2.受付部31〕
受付部31は、通信部10を介して端末装置2や端末装置3から各種の要求や情報などを受け付ける。
【0135】
例えば、受付部31によって受け付けられる要求は、端末装置2から送信される最適化関連要求や動向可視化要求、端末装置3から送信される広告要求などであるが、かかる例に限定されない。
【0136】
最適化関連要求には、設定カスタマージャーニーの情報や配信情報などが含まれており、受付部31は、最適化関連要求を受け付けることによって、設定カスタマージャーニーの情報や配信情報などを受け付ける。
【0137】
受付部31は、設定カスタマージャーニーの情報を受け付けることによって、広告対象に関連する時系列の複数のユーザアクションが定義されたカスタマージャーニーの設定を受け付ける。
【0138】
受付部31は、広告対象に関連する複数のユーザアクション部品が時系列に配置され且つ複数のユーザアクション部品のうちの少なくとも1つに広告の情報が設定された情報の設定をカスタマージャーニーの設定として受け付ける。複数のユーザアクション部品の各々は、ユーザアクションライブラリに含まれる複数種類のユーザアクション部品の中から作業者Oなどによって選択されたユーザアクション部品である。
【0139】
受付部31は、例えば、端末装置2から送信される最適化関連要求を受け付けた場合、最適化関連要求に含まれる設定カスタマージャーニーの情報や配信情報などを最適化関連情報記憶部21に記憶させる。
【0140】
〔3.3.3.最適化部32〕
最適化部32は、受付部31によって設定が受け付けられたカスタマージャーニーである設定カスタマージャーニーに基づいて、かかる設定カスタマージャーニーでの広告配信に関する最適化の処理である最適化関連処理を行う。
【0141】
例えば、最適化部32は、端末装置2から送信された最適化関連要求が受付部31によって受け付けられた場合、最適化関連要求に含まれる設定カスタマージャーニーの情報や配信情報などに基づいて、設定カスタマージャーニーでの広告配信に関する最適化の処理である最適化関連処理を実行する。
【0142】
最適化関連処理は、例えば、設定カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションに対する最適化の方針を決定する処理や設定カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションに対する最適化を行う処理などであるが、かかる例に限定されない。
【0143】
最適化部32は、例えば、設定情報に含まれる配信情報で示される広告予算に基づいて、設定カスタマージャーニーでの広告配信に関する最適化を行う。例えば、最適化部32は、配信情報で示される広告予算に基づいて、設定カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションに対する最適化の方針を決定する。最適化の方針は、例えば、設定カスタマージャーニーに含まれる複数のユーザアクションのうち最適化の対象となるユーザアクションがどのユーザアクションにするのかの方針である。
【0144】
最適化部32は、配信情報で示される広告予算が基準額未満である場合、配信情報で示される配信期間においてコンバージョンの最大化戦略またはマイクロコンバージョンの最大化戦略を設定する。
【0145】
例えば、最適化部32は、配信情報で示される広告予算が基準額未満であって且つ予め設定された閾値よりも広告予算が低い場合、コンバージョンの最大化戦略を設定し、そうでない場合、マイクロコンバージョンの最大化戦略を設定する。
【0146】
また、最適化部32は、広告予算が基準額未満である場合において、広告予算が低いほど、コンバージョンの最大化戦略を設定する確率を高くし、広告予算が高いほど、マイクロコンバージョンの最大化戦略を設定する確率を高くすることもできる。
【0147】
コンバージョンの最大化戦略は、コンバージョンが最大化するようにターゲティングを最適化する戦略を含む。ターゲティングの最適化は、例えば、コンバージョンを向上させるユーザ種別を予測することによって行われる。
【0148】
ユーザ種別は、例えば、ユーザ属性で示される種別、ユーザ行動で示される種別、またはユーザ属性とユーザ行動との組み合わせによって示される種別などである。ユーザ属性は、ユーザUの1以上の属性項目の組み合わせであり、例えば、属性項目が性別と年齢の組み合わせである場合、20代女性、20代男性、30代女性、・・・などであるが、属性項目はこれらに限定されず、例えば、ユーザの職業、所在地、年収などを含んでいてもよく、その他の属性項目を含んでいてもよい。
【0149】
ユーザ行動は、例えば、ユーザUによる過去の広告のクリックの数、ユーザUによる過去のビューの数、ユーザUによる過去のマイクロコンバージョンの数などであるが、ビューは、例えば、広告対象に関するウェブサイトやウェブページの閲覧であり、マイクロコンバージョンは、広告対象に関するマイクロコンバージョンである。
【0150】
最適化部32は、例えば、ターゲットCPA(CV価値)が設定されている場合、コンバージョンを最大化するユーザ種別を予測する。例えば、最適化部32は、ターゲットCPA(最終CV価値)を示す情報、コンバージョンの種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報などに基づいて、例えば、コンバージョンが最大化するユーザ種別を予測することができる。
【0151】
最適化部32は、例えば、ターゲットCPAを示す情報、コンバージョンの種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報を特徴量として入力し、ユーザ種別毎のコンバージョン数を出力する予測モデルを用いて、コンバージョン数を最大化するユーザ種別を予測することができる。
【0152】
コンバージョンの種別は、例えば、取引対象の購入のための決済、アカウント登録、メールマガジン登録、ダウンロード、イベント登録などであるが、かかる例に限定されない。広告のクリエイティブ情報は、例えば、広告のクリエイティブの情報であり、例えば、広告のデザイン、テキストなどから得られる特徴量である。
【0153】
予測モデルは、例えば、回帰モデル、決定木モデル、ランダムフォレスト、GBDT、ニューラルネットワークなどであるが、かかる例に限定されない。
【0154】
また、予測モデルは、ターゲットCPAの範囲毎の予測モデルであってもよい。この場合、予測モデルは、例えば、コンバージョンの種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報を特徴量として入力し、ユーザ種別毎のコンバージョン数を出力するモデルである。
【0155】
また、予測モデルは、ターゲットCPAの範囲毎にコンバージョン数を予測するモデルであってもよい。かかる予測モデルは、例えば、ユーザ種別の情報、コンバージョンの種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報などを特徴量として入力し、コンバージョン数を出力とするモデルであってもよい。
【0156】
この場合、最適化部32は、予測モデルに入力するユーザ種別の行動の情報を変えながら、予測モデルから出力されるコンバージョン数の予測値が最大化する特徴量に含まれるユーザ種別の情報を、コンバージョン数が最大化するユーザ種別の情報として予測することができる。
【0157】
また、上述した例では、予測モデルに入力される特徴量は、広告の種別を示す情報などが含まれてもよい。広告の種別は、バナー広告、リスティング広告、ネイティブ広告、ソーシャルメディア広告、動画広告などであるが、かかる例に限定されない。
【0158】
また、上述した予測モデルは、カスタマージャーニー毎の予測モデルのうち、設定カスタマージャーニーの経路を通って至るコンバージョン数を予測する予測モデルであるが、カスタマージャーニー間で共通のモデルであってもよい。
【0159】
なお、コンバージョンが最大化するユーザ種別などの予測は、上述した予測モデルを用いた予測に限定されず、最適化部32は、例えば、統計処理によって得られた統計量や統計分布などから予測することもできる。
【0160】
次に、マイクロコンバージョンの最大化戦略について説明する。マイクロコンバージョンの最大化戦略は、マイクロコンバージョンが最大化するようにターゲティングを最適化する戦略を含む。ターゲティングの最適化は、マイクロコンバージョン率を向上させるユーザ種別を予測することによって行われる。
【0161】
例えば、最適化部32は、マイクロコンバージョンの種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報などに基づいて、例えば、マイクロコンバージョン率が最大化するユーザ種別を予測することができる。マイクロコンバージョンの種別は、例えば、サイト訪問、動画広告の閲覧、ウィッシュリストへの追加、ソーシャルメディアへのシェア、カートインなどであるが、かかる例に限定されない。
【0162】
最適化部32は、例えば、マイクロコンバージョンの種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報を特徴量として入力し、ユーザ種別毎のマイクロコンバージョン率を出力する予測モデルを用いて、マイクロコンバージョン率を最大化するユーザ種別を予測することができる。かかる予測モデルは、例えば、回帰モデル、決定木モデル、ランダムフォレスト、GBDT、ニューラルネットワークなどであるが、かかる例に限定されない。
【0163】
また、かかる予測モデルに入力される特徴量は、広告の種別を示す情報などが含まれてもよい。広告の種別は、バナー広告、リスティング広告、ネイティブ広告、ソーシャルメディア広告、動画広告などであるが、かかる例に限定されない。
【0164】
また、予測モデルは、例えば、ユーザ種別の情報、コンバージョンの種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報などを特徴量として入力し、マイクロコンバージョン率の予測値を出力するモデルであってもよい。
【0165】
この場合、最適化部32は、予測モデルに入力するユーザ種別の情報を変えながら、予測モデルから出力されるマイクロコンバージョン率の予測値が最大化する特徴量に含まれるユーザ種別の情報を、マイクロコンバージョン率が最大化するユーザ種別の情報として予測することができる。
【0166】
また、上述した予測モデルは、カスタマージャーニー毎の予測モデルのうち、設定カスタマージャーニーの経路を通って至るマイクロコンバージョン率を予測する予測モデルであるが、カスタマージャーニー間で共通のモデルであってもよい。
【0167】
最適化部32は、マイクロコンバージョン後のコンバージョンの割合を予測し、予測したコンバージョンの割合とターゲットCPAの情報とに基づいて、マイクロコンバージョンの価値を予測する。
【0168】
例えば、最適化部32は、マイクロコンバージョンの種別を示す情報、ユーザ種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報などに基づいてマイクロコンバージョン後のコンバージョンの割合を予測する予測モデルを用いて、pCVR(MicroCV)を特定することができる。そして、最適化部32は、ターゲットCPAにpCVR(MicroCV)を乗算した結果をマイクロコンバージョンの価値として予測する。
【0169】
最適化部32は、配信情報で示される広告予算が基準額以上である場合、設定カスタマージャーニーにおけるマイクロコンバージョンよりも前のユーザアクションの最大化戦略が設定される。
【0170】
この場合、最適化部32は、例えば、サーチが最大化するユーザ種別を予測することができる。例えば、最適化部32は、サーチ率を予測する予測モデルを用いて、サーチが最大化するユーザ種別を予測することができる。かかる予測モデルは、例えば、回帰モデル、決定木モデル、ランダムフォレスト、GBDT、ニューラルネットワークなどであるが、かかる例に限定されない。
【0171】
サーチ率を予測する予測モデルに入力される特徴量は、例えば、サーチに用いられる検索キーワードの情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報などの情報であるが、かかる例に限定されない。特徴量として用いられる検索キーワードの情報は、例えば、検索キーワードのカテゴリを示す情報、検索キーワードをベクトル化した情報などであるが、かかる例に限定されない。
【0172】
最適化部32は、サーチ後のマイクロコンバージョンの割合を予測し、予測したマイクロコンバージョンの割合とpCVR(MicroCV)とに基づいて、サーチの価値を予測する。
【0173】
例えば、最適化部32は、サーチに用いられる検索キーワードの情報、ユーザ種別を示す情報、広告の配信期間を示す情報、および広告のクリエイティブ情報などに基づいてサーチ後のマイクロコンバージョンの割合を予測する予測モデルを用いて、pMicroCVR(Search)を特定することができる。
【0174】
そして、最適化部32は、ターゲットCPAにpCVR(MicroCV)を乗算した結果をマイクロコンバージョンの価値として予測し、予測したマイクロコンバージョンの価値にpMicroCVR(Search)を乗算した結果をサーチの価値として予測する。
【0175】
なお、マイクロコンバージョンよりも前のユーザアクションの最大化戦略は、サーチの最大化に限定されず、クリックの最大化であってもよく、その他のユーザアクションの最大化であってもよい。例えば、最適化部32は、設定カスタマージャーニーにおいてマイクロコンバージョンよりも前のユーザアクションとして、ビューが設定されている場合、最適化の対象としてビューの最大化を行う。
【0176】
また、上述した基準額は、予め設定された固定額であるが、広告のクリエイティブの特徴、コンバージョンの種別、配信期間、およびコンバージョン価値などのうちの1以上に応じて変動する変動額であってもよい。
【0177】
なお、最適化部32が行う最適化関連処理は、設定カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションに対する最適化の方針を決定する処理と設定カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションに対する最適化を行う処理とを含む複数の処理のうちの1つであってもよい。
【0178】
例えば、最適化部32は、設定情報に含まれる対象カスタマージャーニーの設定を示す情報に広告のターゲットとなるユーザ種別を示す情報が含まれている場合、設定カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションに対する最適化の方針を決定する処理だけを行うことができる。
【0179】
また、最適化部32は、設定情報に含まれる対象カスタマージャーニーの設定を示す情報に広告のターゲットとなるユーザ種別を示す情報が含まれていない場合、設定カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションに対する最適化の方針を決定する処理と設定カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションに対する最適化を行う処理とを含む複数の処理を行う。
【0180】
〔3.3.4.特定部33〕
特定部33は、受付部31によって設定が受け付けられたカスタマージャーニーである設定カスタマージャーニーの経路でのユーザUの行動変遷を特定する。例えば、特定部33は、受付部31によって動向可視化要求が受け付けられた場合に設定カスタマージャーニーの経路でのユーザUの行動変遷を設定カスタマージャーニー運用状況として特定する。
【0181】
特定部33は、例えば、設定カスタマージャーニーにおいて設定された広告が提供されたユーザUの行動履歴の情報に基づいて、設定カスタマージャーニーにおいて設定された広告が提供されたユーザUの設定カスタマージャーニーの経路での行動変遷を設定カスタマージャーニー運用状況として特定する。設定カスタマージャーニーにおいて設定された広告が提供されたユーザUの行動履歴の情報は、例えば、取得部30によってユーザ情報記憶部20から取得される。
【0182】
設定カスタマージャーニー運用状況は、例えば、設定カスタマージャーニーにおける各ユーザアクションを行ったユーザUの数などの情報を含む。設定カスタマージャーニー運用状況は、例えば、設定カスタマージャーニーにおける各ユーザアクションを行ったユーザUの数の単位期間当たりの情報であってもよく、広告の配信期間の開始時点から最新の時点までのユーザUの数の情報であってもよい。
【0183】
特定部33は、受付部31によって受け付けられた設定カスタマージャーニーの情報に含まれるユーザアクションの検出条件を示す情報に基づいて、ユーザアクションを検出するタグなどをユーザアクションに対応するウェブサイトやウェブページなどに設定することで、ユーザUの設定カスタマージャーニーの経路での行動を取得することもできる。
【0184】
〔3.3.5.提供部34〕
提供部34は、通信部10を介して各種の情報を提供する。例えば、提供部34は、端末装置2から送信される要求に応じた情報を端末装置2に送信することによって、要求に応じた情報を作業者Oに提供する。
【0185】
例えば、提供部34は、受付部31によって端末装置2からの所定のアクセスが受け付けられた場合、カスタマージャーニー設定用情報を端末装置2に送信することによって、カスタマージャーニー設定用情報を作業者Oに提供する。
【0186】
端末装置2は、提供部34から提供されたカスタマージャーニー設定用情報に基づいて、広告対象に関連する時系列の複数のユーザアクションが定義されたカスタマージャーニーを設定する画面であるカスタマージャーニー設定画面を表示する。
【0187】
図5は、実施形態に係る情報処理装置1の提供部34によって提供されたカスタマージャーニー設定用情報に基づいて端末装置2に表示されるカスタマージャーニー設定画面の一例を示す図である。
【0188】
図5に示すカスタマージャーニー設定画面50は、ユーザアクションライブラリ領域51、カスタマージャーニー設定領域52、配信プロパティ設定領域53、最適化ボタン54、動向可視化ボタン55などが含まれている。
【0189】
ユーザアクションライブラリ領域51には、複数種類のユーザアクション部品や複数種類の接続部品を含むユーザアクションライブラリが配置される。例えば、ユーザアクションライブラリ領域51には広告の種別または広告対象の種別に応じたユーザアクションライブラリが配置される。
【0190】
提供部34は、作業者Oが設定または入力した広告の種別または広告対象の種別に基づいて、広告の種別または広告対象の種別に応じたユーザアクションライブラリをカスタマージャーニー設定用情報に含めることができる。
【0191】
カスタマージャーニー設定領域52は、ユーザアクションライブラリに含まれる複数種類のユーザアクション部品の中から作業者Oによって選択されたユーザアクション部品や接続部品などが配置されて作業者Oが所望するカスタマージャーニーが設定される。
【0192】
図5に示すカスタマージャーニー設定領域52では、クリックアクション部品、サーチアクション部品、マイクロコンバージョン部品、グループ化された2つのコンバージョン部品が順に時系列に接続部品で接続されてカスタマージャーニーが設定される。
【0193】
配信プロパティ設定領域53には、作業者Oが所望するカスタマージャーニーにおける配信情報が設定される。
図5に示す例では、広告の予算として「200,000円」を、広告の配信期間として「30日」を、最終コンバージョン価値として、「1,000円」を含む配信情報が設定されている。
【0194】
最適化ボタン54は、情報処理装置1に対して最適化関連要求を送信するためのボタンであり、動向可視化ボタン55は、情報処理装置1に対して動向可視化要求を送信するためのボタンである。
【0195】
提供部34は、受付部31によって最適化関連要求が受け付けられた場合、最適化部32による最適化に関する処理の結果を示す情報を含む最適化関連情報を端末装置2に送信することによって、最適化関連情報を作業者Oに提供する。
【0196】
最適化関連情報は、例えば、最大化の対象である最大化対象を示す情報を含む最大化対象情報、最大化対象を最大化する方針を示す情報を含む最大化方針情報などを含む。最大化対象情報は、例えば、マイクロコンバージョンの最大化戦略の場合、マイクロコンバージョンを示す情報であり、コンバージョンの最大化戦略の場合、コンバージョンを示す情報であり、サーチの最大化戦略の場合、サーチを示す情報である。
【0197】
最大化方針情報は、例えば、コンバージョンの最大化戦略の場合、コンバージョンを最大化するユーザ種別の情報を含む。最大化方針情報は、例えば、マイクロコンバージョンの最大化戦略の場合、マイクロコンバージョンを最大化するユーザ種別の情報やマイクロコンバージョンの価値の情報などを含む。
【0198】
また、最大化方針情報は、サーチの最大化戦略の場合、例えば、サーチを最大化するユーザ種別の情報、サーチの価値の情報、およびマイクロコンバージョンの価値の情報などを含む。また、最大化方針情報は、ビューの最大化戦略の場合、例えば、ビューを最大化するユーザ種別の情報、ビューの価値の情報、およびマイクロコンバージョンの価値の情報などを含む。
【0199】
端末装置2は、情報処理装置1から送信された最適化関連情報を受信した場合、受信した最適化関連情報を表示する。例えば、端末装置2は、情報処理装置1から送信された最適化関連情報をカスタマージャーニー設定領域に表示することができる。これにより、作業者Oは、設定カスタマージャーニーにおける最適化を図ることができる。
【0200】
図6は、実施形態に係る情報処理装置1の提供部34によって提供され端末装置2に表示された最適化関連情報の一例を示す図である。
図6に示す例では、最適化の対象となるユーザアクションが「サーチ」であることを示す情報である対象情報61と、「サーチ」を最大化するターゲティングであるユーザ種別が「20代男性」であることを示すターゲティング情報62とが最適化関連情報としてカスタマージャーニー設定領域52に表示されている。
【0201】
なお、カスタマージャーニー設定領域52にターゲティングの情報が作業者Oに設定された後に最適化関連要求が受付部31によって受け付けられた場合、提供部34から提供される最適化関連情報には、ターゲティング情報62は含まれなくてもよい。
【0202】
提供部34は、受付部31によって動向可視化要求が受け付けられた場合、特定部33によって特定された設定カスタマージャーニー運用状況を示す情報である運用状況情報を端末装置2に送信することによって、運用状況情報を作業者Oに提供する。運用状況情報は、特定部33による特定結果の一例である。
【0203】
端末装置2は、提供部34から送信された運用状況情報を受信した場合、受信した運用状況情報を表示する。例えば、端末装置2は、提供部34から送信された運用状況情報をカスタマージャーニー設定領域52に表示することができる。
【0204】
図7は、実施形態に係る情報処理装置1の提供部34によって提供され端末装置2に表示された最適化関連情報の他の例を示す図である。
図7に示す例では、カスタマージャーニー設定領域52において、動画再生アクション部品、動画クリックアクション部品、コンバージョン部品が時系列に配置され、設定カスタマージャーニーのユーザアクションが動画再生、動画クリック、コンバージョンの順である。設定カスタマージャーニーの動画再生および動画クリックには、10秒の動画広告である広告Bが設定されている。
【0205】
図7に示す例では、最適化の対象となるユーザアクションが「動画クリック」であることを示す情報である対象情報61と、「動画クリック」を最大化するターゲティングであるユーザ種別が「10代女性」であることを示すターゲティング情報62とが最適化関連情報としてカスタマージャーニー設定領域52に表示されている。
【0206】
設定カスタマージャーニーにおいては、コンバージョンがユーザアクションに含まれなくてもよい。
図8は、実施形態に係る端末装置2に表示されるカスタマージャーニー設定画面50に含まれるカスタマージャーニー設定領域52の一例を示す図である。
【0207】
図8に示すカスタマージャーニー設定領域52で示される設定カスタマージャーニーには、最終のユーザアクションとして、「ビュー」が設定され、最終のユーザアクションとして、「サーチ」が設定される。これにより、例えば、コンバージョンが取得できない他のアドテックやメディアと連携する場合であっても、設定カスタマージャーニーに含まれるユーザアクションの最大化を図ることができる。
【0208】
ユーザアクション「ビュー」には、広告Cが設定され、ユーザアクション「サーチ」には、検索キーワードとして「用語Y」と「用語Z」とが設定されている。「用語Y」および「用語Z」は、例えば、広告対象を特定するための用語(例えば、広告対象の名称やメーカ名などの用語)である。
【0209】
この場合、最適化部32では、ユーザアクション「サーチ」およびユーザアクション「ビュー」のいずれかを最大化するためのユーザ種別などが予測される。最適化部32は、ユーザアクション「サーチ」およびユーザアクション「ビュー」のいずれを最大化するかを、広告予算が基準額未満であるか否かで決定することができ、また、コンバージョンアクションの対象となる他のアドテクメディアの種別などによって決定することができる。
【0210】
図9は、実施形態に係る情報処理装置1の提供部34によって提供され端末装置2に表示された運用状況情報の一例を示す図である。
図9に示す例では、運用状況情報は、カスタマージャーニー設定領域52に表示されている。
【0211】
具体的には、
図9に示すカスタマージャーニー設定領域52に表示される運用状況情報には、広告Aがクリックされた数「1000」、広告Aがクリックされた後に用語Xのサーチが行われた数「100」、用語Xのサーチが行われた後にサイト訪問のマイクロコンバージョンが行われた数「50」、サイト訪問のマイクロコンバージョンが行われた後にコンバージョングループに含まれるコンバージョンが行われた数「7」などの情報を含む。
【0212】
また、カスタマージャーニー設定領域52に表示される運用状況情報には、コンバージョングループに含まれるコンバージョン1が行われた数「5」およびコンバージョングループに含まれるコンバージョン2が行われた数「2」の情報なども含まれる。
【0213】
提供部34は、広告対象の種別に応じたカスタマージャーニーのテンプレートを提供することもできる。広告対象の種別は、例えば、コンバージョンの種別であるが、かかる例に限定されない。カスタマージャーニーのテンプレートは、広告対象に関連する時系列の複数のユーザアクション部品が1以上の接続部品で接続された状態の部品群である。
【0214】
また、提供部34は、広告の種別に応じたカスタマージャーニーのテンプレートを提供することもできる。広告の種別は、例えば、バナー広告、リスティング広告、ネイティブ広告、ソーシャルメディア広告、動画広告などであるが、かかる例に限定されない。例えば、広告の種別は、広告のクリエイティブ情報(広告のデザインやテキストの内容)に基づいて分類される種別であってもよい。
【0215】
上述した例では、最適化部32は、設定カスタマージャーニーで設定された広告の提供が開始された前に最適化関連処理を行うが、設定カスタマージャーニーで設定された広告の提供が開始された後に最適化関連処理を行うこともできる。
【0216】
例えば、最適化部32は、設定カスタマージャーニー運用状況でのコンバージョン率が予め定められた条件を満たさない場合に、最適化関連処理を行う。予め定められた条件は、例えば、設定カスタマージャーニーで設定された広告の提供が開始された前に最適化関連処理で予測されたCVRよりもn%(nは、例えば整数)以下となるといった条件である。
【0217】
また、最適化部32は、設定カスタマージャーニーで設定された広告の提供が開始された後において、予め定められた期間毎に最適化関連処理を行うこともできる。
【0218】
〔4.処理手順〕
次に、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報処理の手順について説明する。
図10は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0219】
図10に示すように、情報処理装置1の処理部12は、端末装置2からの所定のアクセスを受け付けたか否かを判定する(ステップS10)。処理部12は、所定のアクセスがあると判定した場合(ステップS10:Yes)、カスタマージャーニー設定用情報を端末装置2に送信することによって、カスタマージャーニー設定用情報を作業者Oに提供する(ステップS11)。
【0220】
処理部12は、ステップS11の処理が終了した場合、または所定のアクセスを受け付けていないと判定した場合(ステップS10:No)、最適化関連処要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS12)。
【0221】
処理部12は、最適化関連処要求を受け付けたと判定した場合(ステップS12:Yes)、最適化関連処理を行い(ステップS13)、かかる最適化関連処理の結果を含む最適化関連情報を端末装置2に送信することで、最適化関連情報を作業者Oに提供する(ステップS14)。
【0222】
処理部12は、ステップS14の処理が終了した場合、または最適化関連処要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS12:No)、動向可視化要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS15)。
【0223】
処理部12は、動向可視化要求を受け付けたと判定した場合(ステップS15:Yes)、動向特定処理を行い(ステップS16)、かかる動向特定処理の結果を含む運用状況情報を端末装置2に送信することで、運用状況情報を作業者Oに提供する(ステップS17)。
【0224】
処理部12は、ステップS17の処理が終了した場合、または動向可視化要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS15:No)、動作終了タイミングになったか否かを判定する(ステップS18)。処理部12は、例えば、情報処理装置1の電源がオフにされた場合などに動作終了タイミングになったと判定する。
【0225】
処理部12は、動作終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS18:No)、処理をステップS10へ移行し、動作終了タイミングになったと判定した場合(ステップS18:Yes)、
図10に示す処理を終了する。
【0226】
〔5.変形例〕
上述した予測モデルは、広告チャンネルの情報が特徴量として入力されるモデルであってもよい。広告チャンネルは、検索エンジン、ソーシャルメディアプラットフォーム、ディスプレイネットワーク、ビデオホスティングプラットフォーム、電子メールなどであるが、かかる例に限定されない。検索エンジンは、例えば、グーグル(登録商標)やBing(登録商標)などである。
【0227】
ディスプレイネットワークは、例えば、ウェブサイト、ブログ、その他のデジタルプラットフォームである。ビデオホスティングプラットフォームは、例えば、YouTube(登録商標)、TilTok(登録商標)などである。
【0228】
また、最適化部32は、最適化要求にターゲットCPAの情報が含まれていない場合、設定カスタマージャーニーの情報と配信期間の情報とに基づいて、ターゲットCPAが最も小さくなるユーザ種別を予測することができる。この場合、最適化部32は、このように予測したユーザ種別をターゲットとした場合に予測されるCPAをターゲットCPAとして予測する。
【0229】
上述した情報処理装置1の機能の一部または全部は、端末装置2の機能に含まれていてもよい。すなわち、端末装置2は、取得部30、受付部31、最適化部32、特定部33、および提供部34の各々の一部または全部の機能を有していてもよい。
【0230】
〔6.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図11に示すような構成のコンピュータ80によって実現される。
図11は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータ80の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ80は、CPU81、RAM82、ROM(Read Only Memory)83、HDD(Hard Disk Drive)84、通信インターフェイス(I/F)85、入出力インターフェイス(I/F)86、およびメディアインターフェイス(I/F)87を有する。
【0231】
CPU81は、ROM83またはHDD84に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM83は、コンピュータ80の起動時にCPU81によって実行されるブートプログラム、およびコンピュータ80のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0232】
HDD84は、CPU81によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス85は、ネットワークN(
図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU81へ送り、CPU81が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0233】
CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、ディスプレイおよびプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU81は、入出力インターフェイス86を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0234】
メディアインターフェイス87は、記録媒体88に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM82を介してCPU81に提供する。CPU81は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス87を介して記録媒体88からRAM82上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体88は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0235】
例えば、コンピュータ80が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ80のCPU81は、RAM82上にロードされたプログラムを実行することにより、処理部12の機能を実現する。また、HDD84には、記憶部11内のデータが記憶される。コンピュータ80のCPU81は、これらのプログラムを記録媒体88から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0236】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0237】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0238】
例えば、上述した情報処理装置1は、端末装置とサーバコンピュータとで実現してもよく、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホームなどをAPIやネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0239】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0240】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、受付部31と、最適化部32とを備える。受付部31は、広告対象に関連する時系列の複数のユーザアクションが定義されたカスタマージャーニーの設定を受け付ける。最適化部32は、受付部31によって設定が受け付けられたカスタマージャーニーに基づいて、カスタマージャーニーでの広告配信に関する最適化の処理を行う。これにより、情報処理装置1は、広告配信に関する最適化を支援することができる。
【0241】
また、受付部31は、広告対象に関連する複数のユーザアクション部品が時系列に配置され且つ複数のユーザアクション部品のうちの少なくとも1つに広告の情報が設定された情報の設定をカスタマージャーニーの設定として受け付ける。これにより、情報処理装置1は、広告配信に関する最適化をより支援することができる。
【0242】
また、複数のユーザアクション部品の各々は、ユーザアクションライブラリに含まれる複数種類のユーザアクション部品の中から選択されたユーザアクション部品である。これにより、情報処理装置1は、広告配信に関する最適化をより支援することができる。
【0243】
また、受付部31は、カスタマージャーニーにおける配信情報の設定を受け付け、最適化部32は、受付部31によって設定が受け付けられたカスタマージャーニーと配信情報とに基づいて、広告配信に関する最適化を行う。これにより、情報処理装置1は、広告配信に関する最適化をより支援することができる。
【0244】
また、配信情報には、広告予算の情報が含まれており、最適化部32は、広告予算に基づいて、カスタマージャーニーに含まれる複数のユーザアクションのうち最適化の対象となるユーザアクションを決定する。これにより、情報処理装置1は、広告配信に関する最適化をより支援することができる。
【0245】
また、情報処理装置1は、最適化部32による最適化に関する処理の結果を示す情報を含む最適化関連情報を提供する提供部34を備える。これにより、情報処理装置1は、広告配信に関する最適化をより支援することができる。
【0246】
また、情報処理装置1は、受付部31によって設定が受け付けられたカスタマージャーニーの経路でのユーザUの行動変遷を特定する特定部33を備え、提供部34は、特定部33による特定結果を示す情報を提供する。これにより、情報処理装置1は、広告配信に関する最適化をより支援することができる。
【0247】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0248】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0249】
1 情報処理装置
2,3 端末装置
10 通信部
11 記憶部
12 処理部
20 ユーザ情報記憶部
21 最適化関連情報記憶部
30 取得部
31 受付部
32 最適化部
33 特定部
34 提供部
100 情報処理システム
N ネットワーク