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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166876
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】梱包トレイ
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/48 20060101AFI20241122BHJP
【FI】
B65D85/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083270
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】木本 一裕
【テーマコード(参考)】
3E096
【Fターム(参考)】
3E096AA01
3E096BA20
3E096BA24
3E096BB05
3E096CA06
3E096CB02
3E096CC02
3E096DA03
3E096DA17
3E096DA23
3E096DB06
3E096DC01
3E096DC04
3E096EA02X
3E096EA02Y
3E096EA03Y
3E096EA08Y
3E096FA09
3E096GA05
3E096GA07
3E096GA11
(57)【要約】
【課題】搬送時の梱包トレイに加わる振動や衝撃により、梱包トレイに梱包された被収納物が破損することを抑制する。
【解決手段】梱包トレイは、ガラス板材を含む平板状の被収納材を収納する収納部と、被収納材と収納部とを被覆して、被収納材を収納部とは異なる方向から保持する保持部20と、保持部20に設けられ、収納部に向けて突出し、被収納材のそれぞれの側面ごとに、側面が延びる延伸方向AR1に沿って延びる複数の保持突出部202が形成される。保持突出部202は、延伸方向AR1における端面である保持端面204と中央との間の第1領域R1と、第1領域R1とは異なる第2領域R2とを有する。第1領域R1における保持突出部202の形状は、第2領域R2における保持突出部202の形状とは異なる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板材を含む平板状の被収納材を収納する収納部と、
前記被収納材と前記収納部とを被覆して、前記被収納材を前記収納部とは異なる方向から保持する保持部と、
前記保持部に設けられ、前記収納部に向けて突出し、前記被収納材のそれぞれの側面ごとに、前記側面が延びる延伸方向に沿って延びる複数の突出部と、を備え、
前記突出部は、前記延伸方向における端面と中央との間の第1領域と、前記第1領域とは異なる第2領域とを有し、
前記第1領域における前記突出部の形状は、前記第2領域における前記突出部の形状とは異なる、梱包トレイ。
【請求項2】
請求項1に記載の梱包トレイにおいて、
前記突出部は、前記延伸方向に沿って前記被収納材の前記側面と接触して前記被収納材を保持するテーパ状の保持側面を有し、
前記延伸方向において、前記保持側面の長さは、前記被収納材の前記側面の長さよりも短く、
前記第1領域における前記保持側面は、前記延伸方向の端部に近づく程、前記被収納材の前記側面から離間する、梱包トレイ。
【請求項3】
請求項2に記載の梱包トレイにおいて、
前記第2領域における前記保持側面は、前記保持側面の前記延伸方向における中央である、梱包トレイ。
【請求項4】
請求項1に記載の梱包トレイにおいて、
前記保持部は、前記被収納材を保持する際に、前記被収納材の表面と対向する保持底面を有し、
前記第1領域において、前記保持底面に対して前記突出部が突出する角度は、前記延伸方向の端部に近づくほど小さい、梱包トレイ。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載の梱包トレイにおいて、
前記突出部は、前記被収納材の第1側面に沿って延伸する第1延伸部と、前記被収納材の前記第1側面と交差する第2側面に沿って延伸する第2延伸部とを有し、
前記第1延伸部の一方側の端部は、前記第2延伸部の一方側の端部と連接し、
前記第1延伸部の他方側の端部及び前記第2延伸部の他方側の端部は、前記第1延伸部の一方側の端部及び前記第2延伸部の一方側の端部とは形状が異なる、梱包トレイ。
【請求項6】
ガラス板材を含む平板状の被収納材を収納する収納部と、
前記被収納材と前記収納部とを被覆して、前記被収納材を前記収納部とは異なる方向から保持する保持部と、
前記保持部に設けられ、前記収納部に向けて突出し、前記被収納材のそれぞれの側面ごとに、前記側面が延びる延伸方向に沿って延びる複数の突出部と、を備え、
前記突出部は、前記延伸方向における端面と中央との間の第1領域と、前記第1領域とは異なる第2領域とを有し、
前記第1領域における前記突出部は、前記第2領域における前記突出部よりも低い剛性を有する、梱包トレイ。
【請求項7】
請求項6に記載の梱包トレイにおいて、
前記突出部は、前記延伸方向に沿って、前記被収納材の前記側面と接触して保持するテーパ状の保持側面を有し、
前記延伸方向において、前記保持側面の長さは、前記被収納材の前記側面の長さよりも短く、
前記第1領域における前記保持側面の肉厚は、前記第2領域における前記保持側面の肉厚よりも小さい、梱包トレイ。
【請求項8】
請求項6に記載の梱包トレイにおいて、
前記突出部は、前記延伸方向に沿って、前記被収納材の前記側面と接触して保持するテーパ状の保持側面を有し、
前記延伸方向において、前記保持側面の長さは、前記被収納材の前記側面の長さよりも短く、
前記第1領域における前記保持側面には、複数のスリットが形成される、梱包トレイ。
【請求項9】
請求項6に記載の梱包トレイにおいて、
前記突出部は、前記延伸方向に沿って、前記被収納材の前記側面と接触して保持するテーパ状の保持側面を有し、
前記延伸方向において、前記保持側面の長さは、前記被収納材の前記側面の長さよりも短く、
前記第1領域における前記保持側面は、前記第2領域における前記保持側面を形成する材料よりも柔らかい部材により形成される、梱包トレイ。
【請求項10】
請求項9に記載の梱包トレイにおいて、
前記第1領域における前記保持側面に形成された開口部に、前記柔らかい部材が取り付けられた、梱包トレイ。
【請求項11】
請求項6から10までの何れか一項に記載の梱包トレイにおいて、
前記突出部は、前記被収納材の第1側面に沿って延伸する第1延伸部と、前記被収納材の前記第1側面と交差する第2側面に沿って延伸する第2延伸部とを有し、
前記第1延伸部の一方側の端部は、前記第2延伸部の一方側の端部と連接し、
前記第1延伸部の他方側の端部及び前記第2延伸部の他方側の端部は、前記第1延伸部の一方側の端部及び前記第2延伸部の一方側の端部よりも剛性が低い、梱包トレイ。
【請求項12】
ガラス板材を含む平板状の被収納材を収納する収納部と、
前記被収納材と前記収納部とを被覆して、前記被収納材を前記収納部とは異なる方向から保持する保持部と、
前記保持部に設けられ、前記収納部に向けて突出し、前記被収納材のそれぞれの側面の外周の全範囲を取り囲む突出部と、を備え、
前記突出部は、前記被収納材の側面と接触して保持するテーパ状の保持側面を有する、梱包トレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、梱包トレイに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネル等の平板状の物品を搬送する際には、梱包トレイが使用される。特許文献1には、平板状の物品である被収納物を保持して脱落を防止する周側部が設けられた梱包トレイが開示されている。周側部には上面側に向かって傾斜するテーパ状の突起部が設けられている。この突起部のテーパ面に被収納物が当接されることにより、被収納物が梱包トレイ内で位置決めされて収納されている。被収納物が収納された梱包トレイを複数枚重ね合わせた状態で、被収納物が搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-100743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、搬送時の梱包トレイに加わる振動や衝撃により、梱包トレイに梱包された被収納物が破損するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、ガラス板材を含む平板状の被収納材を収納する収納部と、前記被収納材と前記収納部とを被覆して、前記被収納材を前記収納部とは異なる方向から保持する保持部と、前記保持部に設けられ、前記収納部に向けて突出し、前記被収納材のそれぞれの側面ごとに、前記側面が延びる延伸方向に沿って延びる複数の突出部と、を備える梱包トレイである。前記突出部は、前記延伸方向における端面と中央との間の第1領域と、前記第1領域とは異なる第2領域とを有する。前記第1領域における前記突出部の形状は、前記第2領域における前記突出部の形状とは異なる。
【0006】
また、本発明の他の一態様は、ガラス板材を含む平板状の被収納材を収納する収納部と、前記被収納材と前記収納部とを被覆して、前記被収納材を前記収納部とは異なる方向から保持する保持部と、前記保持部に設けられ、前記収納部に向けて突出し、前記被収納材のそれぞれの側面ごとに、前記側面が延びる延伸方向に沿って延びる複数の突出部と、を備える梱包トレイである。前記突出部は、前記延伸方向における端面と中央との間の第1領域と、前記第1領域とは異なる第2領域とを有する。前記第1領域における前記突出部は、前記第2領域における前記突出部よりも低い剛性を有する。
【0007】
また、本発明の他の一態様は、ガラス板材を含む平板状の被収納材を収納する収納部と、前記被収納材と前記収納部とを被覆して、前記被収納材を前記収納部とは異なる方向から保持する保持部と、前記保持部に設けられ、前記収納部に向けて突出し、前記被収納材のそれぞれの側面の外周の全範囲を取り囲む突出部と、を備える梱包トレイである。前記突出部は、前記被収納材の側面と接触して保持するテーパ状の保持側面を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態の梱包トレイの外観図である。
図2】梱包トレイの断面図である。
図3】第1の実施形態の梱包トレイの保持部の外観図である。
図4】第1の実施形態の梱包トレイの保持部の断面図である。
図5】第2の実施形態の梱包トレイの保持部の外観図である。
図6】第3の実施形態の梱包トレイの保持部の外観図である。
図7】第3の実施形態の梱包トレイの保持部の断面図である。
図8】第4の実施形態の梱包トレイの保持部の外観図である。
図9】第5の実施形態の梱包トレイの保持部の外観図である。
図10】第6の実施形態の梱包トレイの保持部の外観図である。
図11】第7の実施形態の梱包トレイの保持部の外観図である。
図12】第8の実施形態の梱包トレイの保持部の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。尚、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に示される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
<第1の実施形態>
以下に図面を参照して、第1の実施形態の梱包トレイについて説明する。梱包トレイは、例えばカバーガラス、液晶パネル、バックプレーン基板、液晶ディスプレイ用に用いられるTFT(薄膜トランジスタ)基板、X線センサ基板等に用いられる板状のガラス基板、もしくはガラス単板等、ガラス板材を含む平板状の製品を被収納材として収納し、搬送する作業工程時に用いられる。具体的には、矩形平板状のガラス板材を含む被収納材は、梱包トレイの内部に収納された状態で、梱包トレイごと搬送される。
【0011】
図1は、第1の実施形態の上記の被収納材2と、被収納材2が収納される梱包トレイ1の一部を拡大して示す斜視図である。図2は、梱包トレイ1に被収納材2が収納された状態のときに、図1に矢印Qで示される方向から見た場合の断面図である。尚、図1図2は、矩形板状の梱包トレイ1及び被収納材2が有する4か所の角部のうちの1つの角部近傍を拡大して示している。
【0012】
梱包トレイ1は、収納部10と、保持部20とを有する。収納部10は、例えば樹脂材で形成されたトレイであり、被収納材2が載置される。保持部20は、例えば樹脂材で形成されたトレイであり、被収納材2と、被収納材2が収納された収納部10とを被覆する。尚、以下の説明では、収納部10が設けられる側を下方、保持部20が設けられる側を上方と呼ぶことがある。
【0013】
<収納部10>
収納部10は、被収納材2を下方側から保持する。収納部10は、収納底面100と、取付凹部101と、取付突出部102とを有する。収納底面100は、被収納材2が載置された際に、被収納材2の下方側の表面(下面)26と対向する面である。取付凹部101は、収納底面100に対して、被収納材2が載置される方向とは逆方向(すなわち下方)に向けて突出する。取付凹部101は、収納底面100上に載置される矩形平板上の被収納材2の4個の側面28のそれぞれの外周に形成され、被収納材2のそれぞれの側面28が延びる延伸方向に沿って延びる。尚、延伸方向において、取付凹部101の長さは、被収納材2の側面28の長さよりも短い。複数の取付凹部101に囲まれる収納底面100上の領域R内に被収納材2が載置される。取付突出部102は、取付凹部101の外周に形成され、収納底面100に対して上方に向けて突出する。
【0014】
<保持部20>
保持部20は、被収納材2と、被収納材2が収納された収納部10との上部に配置されることにより、被収納材2と収納部10とを上方から被覆する。これにより、保持部20は、被収納材2を収納部10とは異なる方向から保持する。保持部20は、保持底面200と、保持凹部201と、保持突出部202とを有する。保持底面200は、保持部20が被収納材2及び収納部10の上方に配置された際に、被収納材2の上方側の表面(上面)27と対向する面である。
【0015】
<保持凹部201>
保持凹部201は、収納部10上に配置された際に、保持底面200に対して、収納部10及び被収納材2と対向する方向とは逆方向(すなわち上方)に向けて突出する。このため、保持凹部201は、保持部20を下面から見た場合に、上方に向けて凹んでいる。保持凹部201は、収納部10の取付突出部102が形成された位置に対応する位置に形成される。すなわち、保持凹部201は、保持部20の外周の全領域に沿って形成される。このため、収納部10の上部に保持部20が配置されると、図2に示されるように、収納部10の取付突出部102が保持部20の保持凹部201内に収容される。
【0016】
尚、図1においては、取付突出部102が収納部10の外周の全領域に沿って形成され、保持凹部201が保持部20の外周の全領域に沿って形成されている場合が示されている。しかし、取付突出部102が収納部10の外周の一部に形成され、保持凹部201が保持部20の外周の一部に形成されてもよい。
【0017】
<保持突出部202>
保持突出部202は、収納部10上に配置された際に、保持底面200に対して、収納部10及び被収納材2に向けて下方に突出する突出部である。保持突出部202は、収納部10の取付凹部101が形成された位置に対応する位置に形成される。具体的には、保持突出部202は、矩形平板上の被収納材2の4個の側面28のそれぞれの外周に形成され、被収納材2のそれぞれの側面が延びる延伸方向に沿って延びる。すなわち、保持部20には、複数の保持突出部202が設けられる。保持突出部202が延伸方向に沿って延びる長さは、収納部10の取付凹部101が延伸方向に沿って延びる長さ以下である。これにより、保持部20が収納部10の上部に配置されると、保持突出部202は、収納部10の取付凹部101に収容される。
【0018】
以下、保持突出部202について詳細に説明する。
図2は保持部20の下面側の外観図であり、図3(a)は保持部20の全体を示し、図3(b)は図3(a)に示される範囲Pを拡大して示す。また、図4は保持部20の断面図であり、図4(a)は図3(b)に示されるA-A線での断面であり、図4(b)は図3(b)に示されるB-B線での断面である。尚、図4には、保持部20が配置される収納部10と、収納部10に収納された被収納材2とが併せて示される。また、図3(a)には、被収納材2の4個の側面28のぞれぞれの外周に1個ずつの保持突出部202が形成された場合が示されている。しかし、被収納材2の4個の側面28の長さに応じて、4個の側面28のそれぞれの外周に複数の保持突出部202が形成されてもよい。
【0019】
保持突出部202は、保持側面203と、保持端面204と、保持頂部205とを有する。保持側面203は、保持底面200と連接し、上下方向に対して非平行な傾斜を有するテーパ状に形成された保持突出部202の側面である。このため、保持側面203も保持突出部202が延びる延伸方向AR1に沿った長辺を有している。保持側面203は、収納部10に収納された被収納材2の側面28と対向する面である。また、保持突出部202のテーパ形状は、上方側ほど、延伸方向AR1と交差する交差方向AR2に沿って、被収納材2の側面28に向けて突出するように形成されている。このため、保持側面203が被収納材2の側面28の上端と上面27が連接するエッジ部と接触可能な状態で、保持部20が収納部10の上部に配置される(図4(b)参照)。すなわち、保持部20が収納部10の上部に配置された際に、保持側面203が被収納材2のエッジ部と接触する状態、又は保持側面203が被収納材2のエッジ部と接触せず隙間が生じる状態の何れかとなる。
【0020】
保持端面204は、保持底面200及び保持側面203の延伸方向AR1の端部と連接する面である。保持頂部205は、保持側面203の下方側端部と保持端面204の下方側端部とに連接する面である。
【0021】
図3(a),3(b)に示されるように、保持突出部202は、延伸方向AR1における両端部を含む第1領域R1と、第1領域R1とは異なる第2領域R2とを有する。具体的には、第1領域R1は、延伸方向AR1における端面である保持端面204と中央との間の領域である。第2領域R2は、延伸方向AR1における中央を含む領域である。第1領域R1における保持突出部202の形状は、第2領域R2における保持突出部202の形状とは異なる。
【0022】
具体的には、第1領域R1における保持突出部202の保持頂部205では、被収納材2の側面28と対向する側が延伸方向AR1と非平行であり、保持部20の外周に向けて円弧状に形成されている。すなわち、第1領域R1における保持頂部205は、被収納材2の側面28から離間する形状に形成されている。より特定的には、第1領域R1における保持頂部205は、延伸方向AR1の端部(保持端面204)に近づくほど、被収納材2の側面28から離間する離間距離が大きくなる。尚、保持頂部205の円弧状に形成された部分のアールの大きさと、第1領域R1の範囲の大きさとは、保持突出部202の延伸方向AR1に沿った長さや、被収納材2の大きさ等に応じて、適宜好ましい値が採用されるとよい。例えば、第1領域R1における保持頂部205は、少なくとも一部が300mm~900mmのアールを有するなだらかな円弧状に形成されており、本第1の実施形態においては、アールは、例えば600mm近傍の値となっている。これに対して、被収納材2の側面から離間しない形状を有する保持頂部が形成された比較例の場合、保持端面の近傍における保持頂部のアールの値は20mm~30mm程度の値となる。したがって、第1の実施形態の保持突出部202は、比較例の保持突出部と比べて、なだらかな円弧状に形成された保持頂部205を有している、と言うことができる。
【0023】
第1領域R1における保持頂部205が上記の形状を有するため、保持頂部205と連接する保持側面203は、第1領域R1において、被収納材2の側面28から離間している。そして、保持側面203は、延伸方向AR1の端部に近づくほど、被収納材2の側面28から離間する距離が大きくなる。このため、図4(a)に示されるように、梱包トレイ1に振動や衝撃が加わっていない場合(通常状態)には、保持側面203の第1領域R1と被収納材2の側面28とは接触していない。
【0024】
第2領域R2における保持頂部205では、被収納材2の側面28と対向する側が延伸方向AR1と略平行である。すなわち、第2領域R2における保持頂部205は、被収納材2の側面28と略平行である。このため、第2領域R2における保持頂部205の交差方向AR2に沿った長さは、第1領域R1における保持頂部205の交差方向AR2に沿った長さよりも長くなる。第2領域R2における保持頂部205が上記の形状を有するため、保持頂部205と連接する保持側面203は、第2領域R2において、図4(b)に示されるように、被収納材2の側面28と接触している。すなわち、被収納材2は、第2領域R2における保持側面203にて保持されている。
【0025】
第1領域R1における保持突出部202は、保持側面203、保持端面204及び保持頂部205の3個の面が連接して形成されている。このため、保持側面203及び保持頂部205の2個の面が連接して形成された第2領域R2における保持突出部202と比較して、第1領域R1の保持突出部202は固く剛性が高い。第1の実施形態の場合とは異なり、第1領域R1が上記の形状に形成されず、保持側面203が被収納材2の側面28から離間しない形状の場合、第1領域R1においても保持側面203と被収納材2の側面28とが接触する。この状態で、梱包トレイ1に振動や衝撃が加わった場合(衝撃状態)、保持側面203の第1領域R1にて接触する被収納材2に局所的な応力が作用したり被収納材2が変形したりすることとなり、被収納材2が破損する虞がある。
【0026】
これに対して、第1の実施形態では、通常状態のときには、第1領域R1では保持側面203と被収納材2の側面28とは接触していない。そして、衝撃状態のときに、衝撃力により撓み等が生じた被収納材2の側面28がごく短期間だけ第1領域R1の保持側面203と接触する。このため、衝撃状態のときに被収納材2に局所的な応力が作用されたり、被収納材2が変形したりすることが緩和され、被収納材2に破損が発生することが抑制される。
【0027】
上述した第1の実施形態によれば、以下の作用効果のうちの少なくとも1つが得られる。
(1)第1領域R1における保持突出部202の形状は、第2領域R2における保持突出部202の形状とは異なる。これにより、保持突出部202の端部である保持端面204の近傍では、保持側面203と被収納材2の側面28とが常に接触している状態ではなくなる。この結果、衝撃状態のときに被収納材2に局所的な応力が作用したり被収納材2が変形したりすることが緩和され、被収納材2に破損が発生することが抑制される。
【0028】
(2)第1領域R1における保持側面203は、延伸方向AR1の端部に近づくほど、被収納材2の側面28から離間する。これにより、通常状態のときに、第1領域R1において保持突出部202が被収納材2の側面28と接触しない形状が得られる。この結果、衝撃状態のときに被収納材2に局所的な応力が作用されにくくなり、被収納材2が変形しにくくなるため、被収納材2の破損の原因を低減することが可能となる。
【0029】
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態の梱包トレイについて説明する。以下の説明では、第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施形態と同様である。
【0030】
図5は、第2の実施形態の梱包トレイ1が有する保持部20を下方側の一部を拡大して示す外観図である。第2の実施形態の保持部20が有する保持突出部202では、第1の実施形態と同様に、第1領域R1における保持突出部202の形状は、第2領域R2における保持突出部202の形状とは異なる。具体的には、第1領域R1における保持側面203は、通常状態では被収納材2の側面28と接触しない形状を有する。すなわち、保持側面203は、第1領域R1において、延伸方向AR1の端部に近づくほど、被収納材2の側面28から離間する離間距離が大きくなる。また、第2の実施形態においても、第1領域R1における保持頂部205は、なだらかな円弧状に形成されている。具体的には、円弧状に形成された保持頂部205では、少なくとも一部のアールの値は、第1の実施形態の場合のアールの値よりも大きく、一例として、1500mm近傍の値が採用されている。すなわち、上述したアールの値が20mm~30mm程度の値となる比較例と比べて、第2の実施形態の保持突出部202は、なだらかな円弧状に形成された保持頂部205を有している、と言うことができる。
【0031】
ただし、第2の実施形態では、第1領域R1は、延伸方向AR1に沿って、保持突出部202の中心から端部(保持端面204)までの範囲である。換言すると、延伸方向AR1における保持突出部202の中心部が第2領域R2となる。このため、被収納材2の側面28は、通常状態のときには、保持側面203の中心部のみと接触する。そして、衝撃状態のときに、衝撃力により撓み等が生じた被収納材2の側面28がごく短期間だけ第1領域R1の保持側面203と接触する。このため、第1の実施形態の場合と同様に、衝撃状態のときに被収納材2への局所的な応力の緩和や被収納材2の変形の緩和が可能となり、被収納材2に破損が発生することが抑制される。
【0032】
上述した第2の実施形態によれば、第2領域R2における保持側面203は、保持側面203の延伸方向AR1の中央部であるので、通常状態のときには、保持側面203の中心部のみと接触する。この結果、上述した第1の実施形態により得られる作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0033】
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態の梱包トレイについて説明する。以下の説明では、第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施形態と同様である。
【0034】
図6は、第3の実施形態の梱包トレイ1が有する保持部20の下方側の一部を拡大して示す外観図である。図7は、図6に示される保持突出部202の断面図である。図7(a)は図6のC-C線における断面図であり、図7(b)は図6のD-D線における断面図であり、図7(c)は図6のE-E線における断面図である。
【0035】
第3の実施形態での保持部20が有する保持突出部202では、第1の実施形態と同様に、第1領域R1における保持突出部202の形状は、第2領域R2における保持突出部202の形状とは異なる。具体的には、テーパ状に形成された保持突出部202は、第1領域R1において、延伸方向AR1に沿って異なる位置ごとに保持側面203の傾斜が異なる。より特定的には、保持部20の保持底面200と保持側面203とがなす角度は、第1領域R1と第2領域R2との境界付近から、延伸方向AR1に沿って第1領域R1の端部(保持端面204)に近づくに従って、徐々に小さくなる。すなわち、保持突出部202が保持底面200に対して突出する角度は、延伸方向AR1の端部に近づくほど小さい。
【0036】
図7(a)に示されるように、第2領域R2との境界付近では、保持底面200と保持側面203とがなす角度θ1は、例えば60°である。図7(c)に示されるように、第1領域R1の端部付近では、保持底面200と保持側面203とがなす角度θ3は、例えば45°である。そして、図7(b)に示されるように、第2領域R2との境界付近と、第1領域R1の端部付近との中間位置の近傍では、保持底面200と保持側面203とがなす角度θ2は、例えば52°である。尚、上述した角度θ1,θ2,θ3のそれぞれの値は一例であり、保持突出部202の延伸方向AR1に沿った長さ等に応じて、適宜好ましい値が採用されるとよい。
【0037】
第1領域R1においては、保持底面200と保持側面203とがなす角度が延伸方向AR1に沿って異なる位置ごとに異なるため、保持側面203と連接する保持頂部205の被収納材2の側面28と対向する側が、円弧状となる。すなわち、第1領域R1においては、第3の実施形態の保持頂部205は、第1の実施形態の保持頂部205の第1領域R1における形状と同様の形状となる。
【0038】
このため、第3の実施形態においても、通常状態のときには、第1領域R1の保持側面203と被収納材2の側面28とは接触していない。そして、衝撃状態のときに、衝撃力により撓み等が生じた被収納材2の側面28がごく短期間だけ第1領域R1の保持側面203と接触する。このため、衝撃状態のときに被収納材2への局所的な応力の集中が緩和され、被収納材2の変形が緩和されるので、被収納材2に破損が発生することが抑制される。
【0039】
上述した第3の実施形態によれば、保持突出部202が保持底面200に対して突出する角度は、延伸方向AR1の端部に近づくほど小さいので、通常状態のときには、第1領域R1において保持突出部202が被収納材2の側面28と接触しない形状が得られる。この結果、上述した第1の実施形態により得られる作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0040】
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態の梱包トレイについて説明する。以下の説明では、第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施形態と同様である。
【0041】
図8は、第4の実施形態の梱包トレイ1が有する保持部20の下方側の一部を拡大して示す外観図である。第4の実施形態の保持部20が有する保持突出部202aは、第1領域R1においても、被収納材2の側面と接触する保持側面203aを有している。具体的には、保持突出部202aの保持頂部205aが被収納材2の側面28と対向する側は、第1~第3の実施形態とは異なり、第1領域R1において、円弧状に形成されておらず、延伸方向AR1と略平行に延びている。このため、通常状態であっても衝撃状態であっても、被収納材2の側面28と保持側面203aとが接触している。
【0042】
ただし、第1領域R1における保持側面203aの肉厚は、第2領域R2における保持側面203aの肉厚よりも薄い(小さい)。すなわち、第1領域R1における保持突出部202aは、第2領域R2における保持突出部202aよりも柔らかい(剛性が低い)。このため、衝撃状態のときに保持突出部202aの第1領域R1に応力が集中することが抑制される。これにより、衝撃状態のときに被収納材2に局所的な応力が集中することが緩和され、被収納材2の変形が緩和されるので、被収納材2に破損が発生することが抑制される。
【0043】
上述した第4の実施形態によれば、以下の作用効果のうちの少なくとも1つが得られる。
(3)第1領域R1における保持突出部202aは、第2領域R2における保持突出部202aよりも低い剛性を有する。これにより、衝撃状態のときに保持突出部202aの第1領域R1に応力が集中することが抑制される。この結果、被収納材2への応力の緩和、被収納材2の変形の緩和が可能となり、被収納材2の破損が抑えられる。
【0044】
(4)第1領域R1での保持側面203aの肉厚は、第2領域R2における保持側面203aの肉厚よりも薄い。これにより、第1領域R1における保持突出部202aの剛性が第2領域R2における保持突出部202aの剛性よりも低い状態を実現することができる。この結果、衝撃状態のときに被収納材2への応力の緩和、被収納材2の変形の緩和が可能となり、被収納材2の破損の原因を低減することが可能となる。
【0045】
<第5の実施形態>
以下、第5の実施形態の梱包トレイについて説明する。以下の説明では、第4の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第4の実施形態と同様である。
【0046】
図9(a)は、第5の実施形態の梱包トレイ1が有する保持部20の下方側の一部を拡大して示す外観図である。第5の実施形態の保持部20が有する保持突出部202aは、第4の実施形態の場合と同様に、第1領域R1においても、被収納材2の側面28と接触する保持側面203aを有している。また、第4の実施形態とは異なり、第1領域R1及び第2領域R2における保持側面203aの肉厚は略同一である。
【0047】
第5の実施形態の保持部20が有する保持突出部202aでは、第4の実施形態と同様に、第1領域R1における保持突出部202aの剛性は、第2領域R2における保持突出部202aよりも低い。具体的には、第1領域R1において、保持側面203aには、複数のスリット状の開口部210が形成される。個々の開口部210は、保持側面203aの内外を貫通し、延伸方向AR1と交差する方向(上下方向)に延びている。上記形状を有する複数の開口部210が延伸方向AR1に沿って並んで形成される。尚、開口部210は、延伸方向AR1に沿って延びてもよい。この場合、複数の開口部210は、上下方向に並んで形成されてもよい。
【0048】
上述した第5の実施形態によれば、複数の開口部210が第1領域R1に形成されることにより、第1領域R1における保持側面203aの剛性が低くなり、衝撃状態のときに保持突出部202aの第1領域R1に応力が集中することが抑制される。これにより、上述した第4の実施形態により得られる作用効果(3)と同様に、衝撃状態のときに被収納材2への応力の緩和、被収納材2の変形の緩和が可能となり、被収納材2に破損が発生することが抑制される。
【0049】
<第6の実施形態>
以下、第6の実施形態の梱包トレイについて説明する。以下の説明では、第4の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第4の実施形態と同様である。
【0050】
図10(a)は、第6の実施形態の梱包トレイ1が有する保持部20の下方側の一部を拡大して示す外観図である。第6の実施形態の保持部20が有する保持突出部202aは、第4の実施形態の場合と同様に、第1領域R1においても、被収納材2の側面と接触する保持側面203aを有している。また、第4の実施形態とは異なり、第1領域R1及び第2領域R2における保持側面203aの肉厚は略同一である。
【0051】
第6の実施形態の保持部20が有する保持突出部202aでは、第4の実施形態と同様に、第1領域R1における保持突出部202aの剛性は、第2領域R2における保持突出部202aよりも低い。具体的には、第1領域R1の保持側面203aには、例えば矩形状の取付開口部211が形成される。取付開口部211は、保持部20とは材質の異なる緩衝部材212が取り付けられるための開口部である。緩衝部材212は、例えば発泡ウレタンや不織布等の、保持部20を形成する材料よりも柔らかい(剛性が低い)材料を用いて製造されたものである。緩衝部材212は、接着等により取付開口部211に接着固定される。このとき、緩衝部材212は、保持側面203aと略同一面となるように、すなわち、緩衝部材212が保持側面203aよりも被収納材2の側面28に向けて突出しないように取り付けられるとよい。
【0052】
上述した第6の実施形態によれば、第1領域R1の保持側面203aに形成された取付開口部211に緩衝部材212が設けられることにより、第1領域R1における保持側面203aの剛性が低くなる。このため、衝撃状態のときに保持突出部202aの第1領域R1に応力が集中することが抑制される。これにより、上述した第4の実施形態により得られる作用効果(3)と同様に、衝撃状態のときに被収納材2への応力の緩和、被収納材2の変形の緩和が可能となり、被収納材2に破損が発生することが抑制される。
【0053】
尚、第1領域R1の保持側面203aに形成された取付開口部211に緩衝部材212が取り付けられるものに代えて、第1領域R1の保持側面203aが第2領域R2の保持側面203aとは異なる材料により形成されてもよい。このとき、第1領域R1における保持側面203aは、第2領域R2における保持側面203aを形成する材料よりも柔らかい(剛性が低い)材料を用いて形成される。具体的には、第1領域R1の保持側面203aにおいて上記の取付開口部211が形成される位置に、例えば上記の緩衝部材212の材料と同様の材料からなる部材が、例えばインサート成形等によって一体成形される。これにより、衝撃状態のときに被収納材2への応力が緩和され、被収納材2の変形が緩和される。この結果、上述した第4の実施形態の作用効果(3)と同様に、被収納材2に破損が発生することが抑制される。
【0054】
<第7の実施形態>
以下、第7の実施形態の梱包トレイについて説明する。以下の説明では、第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施形態と同様である。
【0055】
図11(a)は、第7の実施形態の梱包トレイ1が有する保持部20及び保持部20に保持された被収納材2の下方側の一部を拡大して示す外観図である。
【0056】
第7の実施形態の保持部20は、被収納材2の4隅のそれぞれの角部近傍に保持突出部302を有する。尚、図11(a)は、被収納材2の4個の角部のうちの1つの角部に近接して設けられる保持部20を示している。
【0057】
保持突出部302は、第1延伸部302aと、第2延伸部302bとを有する。第1延伸部302aは、被収納材2の第1側面280が延伸する第1延伸方向AR3に沿って延びる。第2延伸部302bは、被収納材2の第2側面281が延伸する第2延伸方向AR4に沿って延びる。第1延伸方向AR3及び第2延伸方向AR4は、互いに交差する。より特定的には、第1延伸方向AR3及び第2延伸方向AR4は、直交する。換言すると、第1延伸部302aと第2延伸部302bとは、互いに交差する方向、より特定的には直交する方向に延びる。
【0058】
第1延伸部302aの一方側の端部310aは、第2延伸部302bの一方側の端部311aと連接されている。具体的には、第1延伸部302aの一方側の端部310aは、被収納材2の第1側面280が第2側面281と連接する角部の近傍である。第2延伸部302bの一方側の端部311aは、被収納材2の第2側面281と第1側面280と連接する角部の近傍である。これにより、保持突出部302は、被収納材2の角部近傍における第1側面280と第2側面281に沿って、被収納材2の外周に形成される。
【0059】
第1延伸部302aが第1延伸方向AR3に沿って延びる長さは、被収納材2の第1側面280の長さよりも短い。第1延伸部302aの他方側の端部310bの近傍には、上述した第1の実施形態と同様の第1領域R1が形成されている。具体的には、第1延伸部302aのうち、被収納材2の第1側面280と第2側面281との角部から離間する方向の端部310bでは、保持側面203が被収納材2の第1側面280から離間する。ただし、第1延伸部302aの一方側の端部310aの近傍では、保持側面203は被収納材2の第1側面280と接触している。すなわち、第1延伸部302aの他方側の端部310bは、第1延伸部302aの一方側の端部310aとは形状が異なる。
【0060】
同様に、第2延伸部302bが第2延伸方向AR4に沿って延びる長さは、被収納材2の第2側面281の長さよりも短い。第2延伸部302bの他方側の端部311bの近傍には、上述した第1の実施形態と同様の第1領域R1が形成されている。具体的には、第2延伸部302bのうち、被収納材2の第1側面280と第2側面281との角部から離間する方向の端部311bの近傍では、保持側面203が被収納材2の第2側面281から離間する。ただし、第2延伸部302bの一方側の端部311aの近傍では、保持側面203は被収納材2の第2側面281と接触している。すなわち、第2延伸部302bの他方側の端部311bは、第2延伸部302bの一方側の端部311aとは形状が異なる。
【0061】
また、保持突出部302が被収納材2の4隅のそれぞれの角部近傍に形成されることから、収納部10の取付凹部101も被収納材2の4隅のそれぞれの角部近傍に形成される。これにより、保持部20が収納部10の上部に配置されると、保持突出部302は、収納部10の取付凹部101に収容される。
【0062】
上述した第7の実施形態によれば、保持突出部302が上記の形状を有することにより、梱包トレイ1に振動や衝撃が加わった衝撃状態のときに、被収納材2への応力の集中や、被収納材2の変形の原因となる端部が保持突出部302に形成されていない。このため、衝撃状態のときに被収納材2への応力の緩和、被収納材2の変形の緩和が可能となり、被収納材2に破損が発生することが抑えられる。すなわち、上述した第1の実施形態により得られる作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0063】
尚、第1延伸部302a及び第2延伸部302bの他方側の端部310b,311bの近傍に第1の実施形態と同様の第1領域R1が形成されるものに限定されない。第1延伸部302a及び第2延伸部302bの他方側の端部310b,311bの近傍には、第2または第3の実施形態の第1領域R1と同様の第1領域R1が形成されてもよい。これにより、上述した第2または第3の実施の形態により得られる作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0064】
また、第1延伸部302a及び第2延伸部302bの他方側の端部310b,311bの近傍には、第4,第5または第6の実施形態の第1領域R1と同様の第1領域R1が形成されてもよい。換言すると、第1延伸部302aの他方側の端部310b及び第2延伸部302bの他方側の端部311bは、第1延伸部302aの一方側の端部310a及び第2延伸部302bの他方側の端部311aよりも剛性が低くてもよい。図11(b)には、一例として、第1延伸部302a及び第2延伸部302bの他方側の端部310b,311bの近傍の肉厚が、第1延伸部302a及び第2延伸部302bの一方側の端部310a,311aの近傍の肉厚よりも薄い場合が示されている。これにより、上述した第4,第5または第6の実施の形態により得られる作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0065】
また、被収納材2の第1側面280と第2側面281の長さに応じて、被収納材2の1つの角部に設けられる保持突出部302と他の角部に設けられる保持突出部302との間に、第1~第6の実施形態にて説明した保持突出部202,202aが形成されてもよい。
【0066】
<第8の実施形態>
以下、第8の実施形態の梱包トレイについて説明する。以下の説明では、第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施形態と同様である。
【0067】
図12は、第8の実施形態の梱包トレイ1が有する保持部20及び保持部20に保持された被収納材2の下方側の外観図である。
【0068】
第8の実施形態の保持部20は、保持突出部402を有する。保持突出部402は、被収納材2の4つの側面(第1側面280,第2側面281,第3側面282,第4側面283)の外周に沿って形成される。保持突出部402は、被収納材2の外周の全範囲を取り囲むように形成されている。
【0069】
具体的には、保持突出部402は、第1突出部402aと、第2突出部402bと、第3突出部402cと、第4突出部402dとを有する。第1突出部402aは、被収納材2の第1側面280に沿って延伸する。第2突出部402bは、被収納材2の第2側面281に沿って延伸する。第3突出部402cは、被収納材2の第3側面282に沿って延伸する。第4突出部402dは、被収納材2の第4側面283に沿って延伸する。
【0070】
第1突出部402aの一方側の端部410aは、第2突出部402bの一方側の端部411aと連接され、第1突出部402aの他方側の端部410bは、第3突出部402cの一方側の端部412aと連接される。第4突出部402dの一方側の端部413aは、第2突出部402bの他方側の端部411bと連接され、第4突出部402dの他方側の端部413bは、第3突出部402cの他方側の端部412bと連接される。換言すると、被収納材2の4隅において、第1突出部402aと第2突出部402bと第3突出部402cと第4突出部402dとが連接されているため、被収納材2の外周は保持突出部402によって囲まれる。
【0071】
尚、第1突出部402aと第2突出部402bと第3突出部402cと第4突出部402dとがそれぞれ有する保持側面403は、上述した各実施形態にて説明した第1領域R1は形成されていない。すなわち、保持側面403は、第1突出部402aと第2突出部402bと第3突出部402cと第4突出部402dとが延伸する全範囲にて被収納材2の側面28と接触する。
【0072】
上述した第8の実施形態によれば、保持突出部402が上記の形状を有することにより、保持側面403と被収納材2の側面28の全領域とが接触している。すなわち、梱包トレイ1に振動や衝撃が加わった衝撃状態のときに、被収納材2への応力の集中や、被収納材2の変形の原因となる端部が保持突出部402に形成されていない。このため、衝撃状態のときに被収納材2への応力の緩和、被収納材2の変形の緩和が可能となり、被収納材2に破損が発生することが抑えられる。
【0073】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0074】
例えば、第5の実施形態にて説明した開口部210が保持側面203aに形成されるものに限定されず、保持端面204aにも開口部210が形成されてもよい。図9(b)は、この場合における保持部20の下方側の一部を拡大して示す。図9(b)に示されるように、保持端面204aに形成された開口部210も、保持側面203aに形成された開口部210と同様に上下方向に延びている。これにより、第1領域R1における保持突出部202aの剛性をより低くすることが可能となる。
【0075】
また、第6の実施形態にて説明した取付開口部211が保持側面203aに形成されるものに限定されず、保持側面203a及び保持端面204aに取付開口部211が形成されてもよい。図10(b)は、この場合における保持部20の下方側の一部を拡大して示す。図10(b)に示されるように、保持側面203aから保持端面204aに亘って取付開口部211が形成されている。これにより、第1領域R1における保持突出部202aの剛性をより低くすることが可能となる。
【符号の説明】
【0076】
1 梱包トレイ、2 被収納材、10 収納部、20 保持部、26 下面、27 上面、28 側面、100 収納底面、101 取付凹部、102 取付突出部、200 保持底面、201 保持凹部、202,202a,302,402 保持突出部、203,203a,403 保持側面、204 保持端面、205 保持頂部、205a 保持頂部、210 開口部、211 取付開口部、212 緩衝部材、280 第1側面、281 第2側面、282 第3側面、283 第4側面、302a 第1延伸部、302b 第2延伸部、310a,310b,311a,311b 端部、402a 第1突出部、402b 第2突出部、402c 第3突出部、402d 第4突出部、AR1 延伸方向、R1 第1領域、R2 第2領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12