(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166909
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】配線回路基板用容器および配線回路基板入り容器
(51)【国際特許分類】
B65D 85/86 20060101AFI20241122BHJP
H05K 7/14 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
B65D85/86 400
H05K7/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083334
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003812
【氏名又は名称】弁理士法人いくみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】滝本 顕也
(72)【発明者】
【氏名】町谷 博章
(72)【発明者】
【氏名】樋口 直孝
(72)【発明者】
【氏名】清水 厚志
【テーマコード(参考)】
3E096
5E348
【Fターム(参考)】
3E096AA09
3E096BA17
3E096BB05
3E096CA06
3E096DA01
3E096DA23
3E096EA02X
3E096FA09
3E096GA04
3E096GA05
5E348AA40
5E348CC10
(57)【要約】
【課題】定められた位置に確実に配線回路基板を収容しておくことができる配線回路基板用容器および配線回路基板入り容器を提供する。
【解決手段】
配線回路基板用容器1は、1つの配線回路基板100を収容可能な収容部2Aを備える。収容部2Aは、配線回路基板100の厚み方向において配線回路基板100と向かい合う底壁21と、厚み方向と直交する第1方向において配線回路基板100のエッジE1と向かい合う側壁22Aとを有する。側壁22Aは、底壁21に近づくにつれて配線回路基板100に近づく第1面S1と、第1面S1と底壁21との間に配置され、厚み方向に延びる第2面S2とを有する。第2面S2は、収容部2A内に収容された配線回路基板100が第1方向に移動した場合に配線回路基板100のエッジE1と接触する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線回路基板を収容するための配線回路基板用容器であって、
1つの前記配線回路基板を収容可能な収容部を備え、
前記収容部は、
前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記配線回路基板の厚み方向において前記配線回路基板と向かい合う底壁と、
前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記厚み方向と直交する方向において前記配線回路基板のエッジと向かい合う側壁と
を有し、
前記側壁は、
前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で、前記底壁に近づくにつれて前記配線回路基板に近づく第1面と、
前記第1面と前記底壁との間に配置され、前記厚み方向に延び、前記収容部内に収容された前記配線回路基板が前記厚み方向と直交する方向に移動した場合に前記配線回路基板の前記エッジと接触する第2面と
を有する、配線回路基板用容器。
【請求項2】
前記側壁は、
前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記配線回路基板に向かって突出する突出部を有する、請求項1に記載の配線回路基板用容器。
【請求項3】
前記突出部は、前記第1面と前記第2面とを有する、請求項2に記載の配線回路基板用容器。
【請求項4】
前記底壁の裏面に配置されるリブをさらに有する、請求項1に記載の配線回路基板用容器。
【請求項5】
前記配線回路基板は、金属支持層と、前記金属支持層の上に配置される第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置される配線パターンとを有し、
前記金属支持層は、
前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記厚み方向と直交する方向において前記第1絶縁層のエッジよりも前記側壁に向かって突出する第1突出部を有し、
前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で、前記側壁の前記第2面は、前記第1突出部と向かい合う、請求項1に記載の配線回路基板用容器。
【請求項6】
前記第1絶縁層は、
前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で、前記厚み方向と直交する方向において前記金属支持層のエッジよりも前記側壁に向かって突出する第2突出部を有し、
前記第1突出部が前記第2面と接触した状態、および、前記第1突出部が前記第2面から離れた状態の両方において、前記第2突出部は、前記側壁から離れて配置される、請求項5に記載の配線回路基板用容器。
【請求項7】
前記厚み方向における前記第2面の長さは、前記配線回路基板の厚みの半分以上である、請求項1に記載の配線回路基板用容器。
【請求項8】
1つの配線回路基板を収容可能な収容部を有する配線回路基板用容器と、
前記収容部に収容された配線回路基板と
を備え、
前記収容部は、
前記配線回路基板の厚み方向において前記配線回路基板と向かい合う底壁と、
前記厚み方向と直交する方向において前記配線回路基板のエッジと向かい合う側壁と
を有し、
前記側壁は、
前記底壁に近づくにつれて前記配線回路基板に近づく第1面と、
前記第1面と前記底壁との間に配置され、前記厚み方向に延び、前記配線回路基板が前記厚み方向と直交する方向に移動した場合に前記配線回路基板の前記エッジと接触する第2面と
を有する、配線回路基板入り容器。
【請求項9】
前記側壁は、
前記配線回路基板に向かって突出する突出部を有する、請求項8に記載の配線回路基板入り容器。
【請求項10】
前記突出部は、前記第1面と前記第2面とを有する、請求項9に記載の配線回路基板入り容器。
【請求項11】
前記底壁の裏面に配置されるリブをさらに有する、請求項8に記載の配線回路基板入り容器。
【請求項12】
前記配線回路基板は、金属支持層と、前記金属支持層の上に配置される第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置される配線パターンとを有し、
前記金属支持層は、
前記厚み方向と直交する方向において前記第1絶縁層のエッジよりも前記側壁に向かって突出する第1突出部を有し、
前記側壁の前記第2面は、前記第1突出部と向かい合う、請求項8に記載の配線回路基板入り容器。
【請求項13】
前記第1絶縁層は、
前記厚み方向と直交する方向において前記金属支持層のエッジよりも前記側壁に向かって突出する第2突出部を有し、
前記第1突出部が前記第2面と接触した状態、および、前記第1突出部が前記第2面から離れた状態の両方において、前記第2突出部は、前記側壁から離れて配置される、請求項12に記載の配線回路基板入り容器。
【請求項14】
前記厚み方向における前記第2面の長さは、前記配線回路基板の厚みの半分以上である、請求項8に記載の配線回路基板入り容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線回路基板用容器および配線回路基板入り容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配線回路基板用容器は、1つの配線回路基板を収容可能な収容部と、配線回路基板が収容部内に収容された状態で配線回路基板のエッジと向かい合う突起とを有する。突起は、配線回路基板をガイドする傾斜面を有している(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される配線回路基板用容器では、傾斜面が、収容部の底面と連続している。
【0005】
そのため、収容部内の配線回路基板が傾斜面の上に乗り上げてしまい、定められた位置と異なる位置に、配線回路基板が収容されてしまう可能性がある。
【0006】
その結果、電子デバイスの製造装置が収容部内の配線回路基板をピックアップしようとしたときに、ピックアップを失敗してしまう可能性がある。
【0007】
本発明は、定められた位置に確実に配線回路基板を収容しておくことができる配線回路基板用容器および配線回路基板入り容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明[1]は、配線回路基板を収容するための配線回路基板用容器であって、1つの前記配線回路基板を収容可能な収容部を備え、前記収容部が、前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記配線回路基板の厚み方向において前記配線回路基板と向かい合う底壁と、前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記厚み方向と直交する面方向において前記配線回路基板のエッジと向かい合う側壁とを有し、前記側壁が、前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で、前記底壁に近づくにつれて前記配線回路基板に近づく第1面と、前記第1面と前記底壁との間に配置され、前記厚み方向に延び、前記収容部内に収容された前記配線回路基板が前記厚み方向と直交する方向に移動した場合に前記配線回路基板の前記エッジと接触する第2面とを有する、配線回路基板用容器を含む。
【0009】
このような構成によれば、側壁が第1面と第2面とを有する。
【0010】
そのため、配線回路基板用容器の収容部内に配線回路基板を収容する場合、側壁の第1面によって、配線回路基板を収容部内の定められた位置に案内できる。
【0011】
そして、配線回路基板が収容部内の定められた位置に収容された状態で、側壁の第2面が配線回路基板のエッジと向かい合う。第2面は、配線回路基板の厚み方向に延びる。
【0012】
これにより、収容部内の配線回路基板が厚み方向と直交する方向に移動したとしても、配線回路基板は、第2面と接触して、第1面とは接触しない。
【0013】
そのため、収容部内の配線回路基板が第1面の上に乗り上げてしまうことを抑制できる。
【0014】
その結果、配線回路基板を、収容部内の定められた位置に確実に収容しておくことができる。
【0015】
本発明[2]は、前記側壁が、前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記配線回路基板に向かって突出する突出部を有する、上記[1]の配線回路基板用容器を含む。
【0016】
本発明[3]は、前記突出部が、前記第1面と前記第2面とを有する、上記[2]の配線回路基板用容器を含む。
【0017】
本発明[4]は、前記底壁の裏面に配置されるリブをさらに有する、上記[1]~[3]のいずれか1つの配線回路基板用容器を含む。
【0018】
このような構成によれば、収容部が湾曲することを抑制できる。
【0019】
そのため、配線回路基板を収容部内で安定に配置できる。
【0020】
本発明[5]は、前記配線回路基板が、金属支持層と、前記金属支持層の上に配置される第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置される配線パターンとを有し、前記金属支持層が、前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記厚み方向と直交する方向において前記第1絶縁層のエッジよりも前記側壁に向かって突出する第1突出部を有し、前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で、前記側壁の前記第2面は、前記第1突出部と向かい合う、上記[1]~[4]のいずれか1つの配線回路基板用容器を含む。
【0021】
このような構成によれば、収容部内の配線回路基板が厚み方向と直交する方向に移動した場合、金属支持層を側壁の第2面に接触させることができる。
【0022】
そのため、側壁の第2面と接触した配線回路基板のエッジが破損してしまうことを、金属支持層の剛性を利用して抑制できる。
【0023】
本発明[6]は、前記第1絶縁層が、前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で、前記厚み方向と直交する方向において前記金属支持層のエッジよりも前記側壁に向かって突出する第2突出部を有し、前記第1突出部が前記第2面と接触した状態、および、前記第1突出部が前記第2面から離れた状態の両方において、前記第2突出部は、前記側壁から離れて配置される、上記[5]の配線回路基板用容器を含む。
【0024】
このような構成によれば、収容部内の配線回路基板が厚み方向と直交する方向に移動した場合に、第1絶縁層の第2突出部が側壁に接触することを抑制できる。
【0025】
これにより、側壁との接触によって第1絶縁層の第2突出部が破損してしまうことを抑制できる。
【0026】
本発明[7]は、前記厚み方向における前記第2面の長さが、前記配線回路基板の厚みの半分以上である、上記[1]~[6]のいずれか1つの配線回路基板用容器を含む。
【0027】
このような構成によれば、収容部内の配線回路基板が第1面の上に乗り上げてしまうことを、より抑制できる。
【0028】
本発明[8]は、1つの配線回路基板を収容可能な収容部を有する配線回路基板用容器と、前記収容部に収容された配線回路基板とを備え、前記収容部が、前記配線回路基板の厚み方向において前記配線回路基板と向かい合う底壁と、前記厚み方向と直交する面方向において前記配線回路基板のエッジと向かい合う側壁とを有し、前記側壁が、前記底壁に近づくにつれて前記配線回路基板に近づく第1面と、前記第1面と前記底壁との間に配置され、前記厚み方向に延び、前記配線回路基板が前記厚み方向と直交する方向に移動した場合に前記配線回路基板の前記エッジと接触する第2面とを有する、配線回路基板入り容器を含む。
【0029】
このような構成によれば、側壁が第1面と第2面とを有する。
【0030】
そのため、配線回路基板用容器の収容部内に配線回路基板を収容する場合、側壁の第1面によって、配線回路基板を収容部内の定められた位置に案内できる。
【0031】
そして、配線回路基板が収容部内の定められた位置に収容された状態で、側壁の第2面が配線回路基板のエッジと向かい合う。第2面は、配線回路基板の厚み方向に延びる。
【0032】
これにより、収容部内の配線回路基板が厚み方向と直交する方向に移動したとしても、配線回路基板は、第2面と接触して、第1面とは接触しない。
【0033】
そのため、収容部内の配線回路基板が第1面の上に乗り上げてしまうことを抑制できる。
【0034】
その結果、配線回路基板を、収容部内の定められた位置に確実に収容しておくことができる。
【0035】
本発明[9]は、前記側壁が、前記配線回路基板に向かって突出する突出部を有する、上記[8]の配線回路基板入り容器を含む。
【0036】
本発明[10]は、前記突出部が、前記第1面と前記第2面とを有する、上記[9]の配線回路基板入り容器を含む。
【0037】
本発明[11]は、前記底壁の裏面に配置されるリブをさらに有する、上記[8]~[10]のいずれか1つの配線回路基板入り容器を含む。
【0038】
このような構成によれば、収容部が湾曲することを抑制できる。
【0039】
そのため、配線回路基板を収容部内で安定に配置できる。
【0040】
本発明[12]は、前記配線回路基板が、金属支持層と、前記金属支持層の上に配置される第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置される配線パターンとを有し、前記金属支持層が、前記厚み方向と直交する方向において前記第1絶縁層のエッジよりも前記側壁に向かって突出する第1突出部を有し、前記側壁の前記第2面が、前記第1突出部と向かい合う、上記[8]~[11]のいずれか1つの配線回路基板入り容器を含む。
【0041】
このような構成によれば、収容部内の配線回路基板が厚み方向と直交する方向に移動した場合、金属支持層を側壁の第2面に接触させることができる。
【0042】
そのため、側壁の第2面と接触した配線回路基板のエッジが破損してしまうことを、金属支持層の剛性を利用して抑制できる。
【0043】
本発明[13]は、前記第1絶縁層が、前記厚み方向と直交する方向において前記金属支持層のエッジよりも前記側壁に向かって突出する第2突出部を有し、前記第1突出部が前記第2面と接触した状態、および、前記第1突出部が前記第2面から離れた状態の両方において、前記第2突出部が、前記側壁から離れて配置される、上記[12]の配線回路基板入り容器を含む。
【0044】
このような構成によれば、収容部内の配線回路基板が厚み方向と直交する方向に移動した場合に、第1絶縁層の第2突出部が側壁の第2面に接触することを抑制できる。
【0045】
これにより、側壁の第2面との接触によって第1絶縁層の第2突出部が破損してしまうことを抑制できる。
【0046】
本発明[14]は、前記厚み方向における前記第2面の長さが、前記配線回路基板の厚みの半分以上である、上記[8]~[13]のいずれか1つの配線回路基板入り容器を含む。
【0047】
このような構成によれば、収容部内の配線回路基板が第1面の上に乗り上げてしまうことを、より抑制できる。
【発明の効果】
【0048】
本発明の配線回路基板用容器および配線回路基板入り容器によれば、定められた位置に確実に配線回路基板を収容しておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態としての配線回路基板用容器の平面図である。
【
図2】
図2Aは、
図1に示す配線回路基板容器および配線回路基板(すなわち、配線回路基板入り容器)のA-A断面図である。
図2Bは、
図2Aに示す配線回路基板入り容器をスタックした状態を説明するための説明図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す配線回路基板用容器の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
1.配線回路基板用容器
図1および
図2Aに示すように、配線回路基板用容器1は、少なくとも1つの収容部2と、リブ3と、複数の突起4A,4B,4C,4D(
図3参照)とを備える。
【0051】
本実施形態では、配線回路基板用容器1は、複数の収容部2を有する。配線回路基板用容器1の材料として、例えば、樹脂、金属、セラミックス、および、カーボンが挙げられる。配線回路基板用容器1は、好ましくは、樹脂から作られる。配線回路基板用容器1は、第1方向および第2方向に延びるトレイである。第2方向は、第1方向と直交する。第1方向および第2方向は、上下方向と直交する。
【0052】
(1)収容部
図1に示すように、複数の収容部2は、第1方向および第2方向に並ぶ。複数の収容部2のそれぞれは、1つの配線回路基板100を収容可能である。つまり、配線回路基板用容器1は、複数の配線回路基板100を収容可能である。配線回路基板用容器1と、配線回路基板用容器1内の配線回路基板100とは、配線回路基板入り容器Cを構成する。言い換えると、配線回路基板入り容器Cは、配線回路基板用容器1と、配線回路基板用容器1の収容部2に収容された配線回路基板100とを備える。
【0053】
図1に示すように、本実施形態では、配線回路基板100は、矩形状を有する。配線回路基板100は、複数のエッジE1,E2,E3,E4を有する。配線回路基板100が収容部2Aに収容された状態で、エッジE1は、第1方向における配線回路基板100の一端部に配置される。エッジE1は、第2方向に延びる。配線回路基板100が収容部2Aに収容された状態で、エッジE2は、第1方向における配線回路基板100の他端部に配置される。エッジE2は、第2方向に延びる。配線回路基板100が収容部2Aに収容された状態で、エッジE3は、第2方向における配線回路基板100の一端部に配置される。エッジE3は、第1方向に延びる。配線回路基板100が収容部2Aに収容された状態で、エッジE4は、第2方向における配線回路基板100の他端部に配置される。エッジE4は、第1方向に延びる。
【0054】
図2Aに示すように、配線回路基板100は、金属支持層101と、第1絶縁層102と、配線パターン103と、第2絶縁層104とを有する。なお、配線回路基板100の形状および構造は、限定されない。
【0055】
金属支持層101は、第1絶縁層102と、配線パターン103と、第2絶縁層104とを支持する。金属支持層101の材料として、例えば、銅、銅合金、ステンレス、ニッケル、チタン、および42アロイが挙げられる。金属支持層101の材料として、好ましくは、銅合金が挙げられる。
【0056】
第1絶縁層102は、金属支持層101の上に配置される。第1絶縁層102は、配線パターン103を金属支持層101から絶縁する。第1絶縁層102は、樹脂から作られる。樹脂として、例えば、ポリイミド、マレイミド、エポキシ樹脂、ポリベンゾオキサゾール、および、ポリエステルが挙げられる。
【0057】
配線パターン103は、第1絶縁層102の上に配置される。配線パターン103の材料として、金属が挙げられる。金属として、例えば、銅、銀、金、鉄、アルミニウム、クロム、および、それらの合金が挙げられる。良好な電気特性を得る観点から、好ましくは、銅が挙げられる。
【0058】
第2絶縁層104は、第1絶縁層102の上に配置される。第2絶縁層104は、配線パターンを覆う。第2絶縁層104は、例えば、第1絶縁層102と同じ樹脂から作られる。第2絶縁層104は、第1絶縁層102と異なる樹脂から作られてもよい。
【0059】
図2Aに示すように、配線回路基板100が収容部2に収容された状態で、配線回路基板100は、上下方向に厚みを有する。つまり、配線回路基板100が収容部2に収容された状態で、第1方向および第2方向は、配線回路基板100の厚み方向と直交する。なお、
図2Bに示すように、複数の配線回路基板用容器1は、配線回路基板100が収容部2に収容された状態で、スタック可能である。言い換えると、複数の配線回路基板入り容器Cは、スタック可能である。
【0060】
以下、複数の収容部2のうちの1つの収容部2Aを例に挙げて説明する。
【0061】
図1に示すように、収容部2Aは、配線回路基板100の形状に応じた形状を有する。本実施形態では、収容部2Aは、矩形状を有する。なお、収容部2Aの形状は、限定されない。収容部2Aは、底壁21と、複数の側壁22A,22B,22C,22Dとを有する。
【0062】
(1-1)底壁
図2Aに示すように、底壁21は、収容部2Aの下端部に配置される。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、配線回路基板100の厚み方向において、底壁21は、配線回路基板100と向かい合う。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、底壁21は、配線回路基板100と接触する。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、底壁21は、配線回路基板100を支持する。底壁21は、第1方向および第2方向に延びる。
【0063】
(1-2)側壁
図1に示すように、側壁22Aは、第1方向における収容部2Aの一端部に配置される。側壁22Aは、第2方向および上下方向(
図2A参照)に延びる。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第1方向において、側壁22Aは、配線回路基板100のエッジE1と向かい合う。本実施形態では、側壁22Aは、突出部23を有する。側壁22Aは、突出部23を有さずに、第1面S1および第2面S2を有してもよい。第1面S1および第2面S2については後で説明する。
【0064】
配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、突出部23は、側壁22Aの内面から配線回路基板100に向かって突出する。なお、側壁22Aの内面は、配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第1方向において配線回路基板100のエッジE1と向かい合う。
【0065】
図2Aに示すように、突出部23は、第1面S1と第2面S2とを有する。言い換えると、側壁22Aは、第1面S1と、第2面S2とを有する。
【0066】
配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第1面S1は、底壁21に近づくにつれて配線回路基板100に近づく。第1面S1は、上下方向に対して傾斜する。言い換えると、配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第1面S1は、配線回路基板100の厚み方向に対して傾斜する。また、第1面S1は、底壁21に対して傾斜する。第1面S1は、上下方向において、底壁21から離れて配置される。
【0067】
第2面S2は、第1面S1と底壁21との間に配置される。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第2面S2は、配線回路基板100の厚み方向に延びる。言い換えると、第2面S2は、上下方向に延びる。第2面S2の上端部は、第1面S1と接続される。第2面S2の下端部は、底壁21と接続される。
【0068】
厚み方向における第2面S2の長さLは、配線回路基板100の厚みTの半分(T/2)以上である。厚み方向における第2面S2の長さLは、配線回路基板100の金属支持層101の厚み以上であってもよい。
【0069】
また、厚み方向における第2面S2の長さLは、配線回路基板100の厚みT以下であってもよい。
【0070】
第2面S2と底壁21の上面(言い換えると、収容部2Aの底面)とによって形成される内角θ1は、第1面S1を延長した仮想面と底壁21の上面とによって形成される鈍角θ2よりも小さい。好ましくは、内角θ1は、90°である。言い換えると、第2面S2は、好ましくは、底壁21の上面と直交する。収容部2A内に収容された配線回路基板100が側壁22Aに向かって第1方向に移動した場合、第2面S2は、配線回路基板100のエッジE1と接触する。詳しくは、配線回路基板100の金属支持層101は、第1突出部101Aを有する。
【0071】
第1突出部101Aは、第1絶縁層102のエッジE11よりも突出する。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第1方向において、第1突出部101Aは、第1絶縁層102のエッジE11よりも側壁22Aに向かって突出する。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、側壁22Aの第2面S2は、第1方向において、第1突出部101Aと向かい合う。収容部2A内に収容された配線回路基板100が側壁22Aに向かって第1方向に移動した場合、第2面S2は、配線回路基板100の第1突出部101Aと接触する。
【0072】
図1に示すように、側壁22Bは、第1方向における収容部2Aの他端部に配置される。側壁22Bは、第2方向に延びる。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第1方向において、側壁22Bは、配線回路基板100のエッジE2と向かい合う。本実施形態では、側壁22Bは、配線回路基板100のエッジE2と向かい合う複数の突出部24A,24Bを有する。側壁22Bは、突出部24A,24Bを有さずに、第1面S1および第2面S2を有してもよい。
【0073】
突出部24A,24Bは、第2方向に並ぶ。突出部24Bは、第2方向において突出部24Aから離れて配置される。突出部24A,24Bのそれぞれについての説明は、側壁22Aの突出部23の説明と同様である。そのため、突出部24A,24Bのそれぞれについての説明は、省略される。
【0074】
なお、
図2Aに示すように、本実施形態では、第1絶縁層102は、第2突出部102Aを有する。
【0075】
第2突出部102Aは、金属支持層101のエッジE21よりも突出する。エッジE21は、第1突出部101Aと異なる位置に配置される。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第2突出部102Aは、第1方向において、金属支持層101のエッジE21よりも側壁22Bに向かって突出する。
図1に示すように、配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第2突出部102Aは、第2方向において、突出部24Aと突出部24Bとの間に配置される。
【0076】
図2Aに示すように、配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第2突出部102Aは、側壁22Bから離れて配置される。詳しくは、第1突出部101Aが側壁22Aの第2面S2と接触した状態で、第2突出部102Aは、側壁22Bから離れて配置される。また、
図1に示すように、第1突出部101Aが側壁22Aの第2面S2から離れ、側壁22Bの突出部24A,24Bが配線回路基板100のエッジE2と接触した状態でも、第2突出部102Aは、側壁22Bから離れて配置される。
【0077】
側壁22Cは、第2方向における収容部2Aの一端部に配置される。側壁22Cは、第1方向に延びる。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第2方向において、側壁22Cは、配線回路基板100のエッジE3と向かい合う。本実施形態では、側壁22Cは、配線回路基板100のエッジE3と向かい合う複数の突出部25を有する。複数の突出部25のそれぞれについての説明は、側壁22Aの突出部23の説明と同様である。そのため、複数の突出部25のそれぞれについての説明は、省略される。側壁22Cは、複数の突出部25を有さずに、第1面S1および第2面S2を有してもよい。
【0078】
側壁22Dは、第2方向における収容部2Aの他端部に配置される。側壁22Dは、第1方向に延びる。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第2方向において、側壁22Dは、配線回路基板100のエッジE4と向かい合う。本実施形態では、側壁22Dは、配線回路基板100のエッジE4と向かい合う複数の突出部26を有する。複数の突出部26のそれぞれについての説明は、側壁22Aの突出部23の説明と同様である。そのため、複数の突出部26のそれぞれについての説明は、省略される。側壁22Dは、複数の突出部26を有さずに、第1面S1および第2面S2を有してもよい。
【0079】
(2)リブ
図3に示すように、リブ3は、底壁21の裏面に配置される。リブ3は、底壁21の裏面から突出する。リブ3は、収容部2Aを補強する。これにより、収容部2Aが湾曲することを抑制できる。そのため、配線回路基板100を収容部2A内で安定に配置できる。その結果、後述する配線回路基板100の実装において、製造装置は、配線回路基板用容器1内の配線回路基板100を正確にピックアップできる。本実施形態では、リブ3は、十字形状を有する。詳しくは、リブ3は、第1方向に延びる第1リブ3Aと、第2方向に延びる第2リブ3Bとが交差した十字形状を有する。第1リブ3Aは、第2方向における収容部2Aの中央部に配置される。第2リブ3Bは、第1方向における収容部2Aの中央部に配置される。
【0080】
(3)突起
複数の突起4A,4B,4C,4Dは、底壁21の裏面に配置される。突起4Aは、第1方向における収容部2Aの一端部に配置される。突起4Bは、第1方向における収容部2Aの他端部に配置される。突起4Cは、第2方向における収容部2Aの一端部に配置される。突起4Dは、第2方向における収容部2Aの他端部に配置される。
図2Aに示すように、複数の突起4A,4B,4C,4Dは、底壁21の裏面から、リブ3よりも突出する。
【0081】
図2Bに示すように、2つの配線回路基板入り容器C1,C2がスタックされた状態で、上側の配線回路基板用容器1の突起4A,4B,4C,4Dは、上下方向において、下側の配線回路基板用容器1内の配線回路基板100のと向かい合う。
【0082】
これにより、2つの配線回路基板入り容器C1,C2がスタックされた状態で、下側の配線回路基板用容器1内の配線回路基板100が飛び出すことを、上側の配線回路基板用容器1の複数の突起4A,4B,4C,4Dによって抑制できる。
【0083】
2.作用効果
(1)配線回路基板用容器1および配線回路基板入り容器Cによれば、
図1および
図2Aに示すように、側壁22A,22B,22C,22Dのそれぞれが、第1面S1と第2面S2とを有する突出部(突出部23、突出部24A,24B、突出部25、および、突出部26)を有する。
【0084】
そのため、配線回路基板用容器1の収容部2A内に配線回路基板100が収容される場合、側壁22Aの突出部23、側壁22Bの突出部24A,24B、側壁22Cの複数の突出部25、および、側壁22Dの複数の突出部26のそれぞれの第1面S1(
図2A参照)によって、配線回路基板100を収容部2A内の定められた位置(本実施形態では、収容部2Aの中央部)へ案内される。
【0085】
そして、配線回路基板100が収容部2Aの中央部に収容された状態で、側壁22Aの突出部23、側壁22Bの突出部24A,24B、側壁22Cの複数の突出部25、および、側壁22Dの複数の突出部26のそれぞれの第2面S2(
図2A参照)が配線回路基板100のエッジと向かい合う。
【0086】
図2Aに示すように、第2面S2は、配線回路基板100の厚み方向に延びている。そのため、収容部2Aの配線回路基板100が厚み方向と直交する方向(第1方向および第2方向)に移動したとしても、第2面S2と接触して、第1面S1とは接触しない。そのため、収容部2A内の配線回路基板100が第1面S1の上に乗り上げてしまうことを抑制できる。
【0087】
その結果、配線回路基板100を収容部2Aの中央部に確実に収容しておくことができる。
【0088】
そして、配線回路基板100を電子デバイスに実装する場合、配線回路基板入り容器Cは、配線回路基板用容器1内に配線回路基板100が入った状態で、電子デバイスの製造装置に供給される。
【0089】
このとき、配線回路基板100が収容部2A内の定められた位置に収容されているので、電子デバイスの製造装置によって、配線回路基板用容器1内の配線回路基板100を確実にピックアップできる。
【0090】
(2)配線回路基板用容器1および配線回路基板入り容器Cによれば、
図3に示すように、底壁21の裏面に配置されるリブ3をさらに有する。
【0091】
リブ3により、収容部2Aが湾曲することを抑制できる。
【0092】
そのため、配線回路基板100を収容部2A内で安定に配置できる。
【0093】
(3)配線回路基板用容器1および配線回路基板入り容器Cによれば、
図2Aに示すように、配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、突出部23の第2面S2は、金属支持層101の第1突出部101Aと向かい合う。
【0094】
これにより、収容部2A内の配線回路基板100が側壁22Aに向かって第1方向に移動した場合、金属支持層101を第2面S2に接触させることができる。
【0095】
そのため、第2面S2と接触した配線回路基板100のエッジE1が破損してしまうことを、金属支持層101の剛性を利用して抑制できる。
【0096】
(4)配線回路基板用容器1および配線回路基板入り容器Cによれば、
図2Aに示すように、第1突出部101Aが第2面S2と接触した状態で、第1絶縁層102の第2突出部102Aは、側壁22Bから離れて配置される。また、
図1に示すように、第1突出部101Aが第2面S2から離れた状態でも、第2突出部102Aは、側壁22Bから離れて配置される。
【0097】
そのため、収容部2A内の配線回路基板100が第1方向に移動した場合に、第1絶縁層102の第2突出部102Aが側壁22Bに接触することを抑制できる。
【0098】
これにより、側壁22Bとの接触によって第1絶縁層102の第2突出部102Aが破損してしまうことを抑制できる。
【0099】
(5)配線回路基板用容器1および配線回路基板入り容器Cによれば、
図2Aに示すように、厚み方向における第2面S2の長さLは、配線回路基板100の厚みTの半分以上である。
【0100】
そのため、収容部2A内の配線回路基板100が第1面S1の上に乗り上げてしまうことを、より抑制できる。
【符号の説明】
【0101】
1 配線回路基板用容器
2 収容部
21 底壁
22A 側壁
3 リブ
100 配線回路基板
101 金属支持層
101A 第1突出部
102 第1絶縁層
102A 第2突出部
103 配線パターン
104 第2絶縁層
E1 配線回路基板のエッジ
E11 第1絶縁層のエッジ
E21 金属支持層のエッジ
C 配線回路基板入り容器