特開 2024-166912 冷却装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024166912

(43)【公開日】2024-11-29

(54)【発明の名称】冷却装置

(51)【国際特許分類】

   F25D 17/06 20060101AFI20241122BHJP

   F25D 25/00 20060101ALI20241122BHJP

   F25D 19/00 20060101ALI20241122BHJP

   F25D 23/06 20060101ALI20241122BHJP

【ＦＩ】

F25D17/06 304

F25D25/00 M

F25D19/00 520Z

F25D23/06 S

【審査請求】未請求

【請求項の数】6

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023083338

(22)【出願日】2023-05-19

(71)【出願人】

【識別番号】391001457

【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100140486

【弁理士】

【氏名又は名称】鎌田 徹

(74)【代理人】

【識別番号】100079108

【弁理士】

【氏名又は名称】稲葉 良幸

(74)【代理人】

【識別番号】100137947

【弁理士】

【氏名又は名称】石井 貴文

(72)【発明者】

【氏名】平田 岳大

【テーマコード（参考）】

3L102

3L345

【Ｆターム（参考）】

3L102JA01

3L102KA01

3L102KE07

3L102LB20

3L345AA02

3L345AA14

3L345BB02

3L345CC01

3L345DD11

3L345DD21

3L345DD33

3L345DD55

3L345KK04

(57)【要約】

【課題】冷却装置を提供する。
【解決手段】本発明の冷却装置は、前面に開口を有する箱状の本体と、左右方向の一方側に設けられた連結具により前記本体と連結され、前記本体の前記開口を覆う状態と開放する状態とで開閉可能な扉と、前記本体の内部の前記開口部から見て奥側の面に設けられ、前記本体の内部に吸気口及び排気口を有し、前記吸気口から前記排気口に連通するよう形成されたダクトと、前記ダクト内に設けられ、気化時に周囲の温度を低下させ冷気を生成する冷却器と、前記ダクト内に設けられ、前記吸気口から前記排気口に向かう気体の流れを生成するファンと、を備え、前記ダクトは、前記連結具が配置された側に偏在するよう配置される。
【選択図】図５

【特許請求の範囲】

【請求項1】

前面に開口部を有する箱状の本体と、
左右方向の一方側に設けられた連結具により前記本体と連結され、前記本体の前記開口を覆う状態と開放する状態とで開閉可能な扉と、
前記本体の内部の前記開口部から見て奥側の面に設けられ、前記本体の内部に吸気口及び排気口を有し、前記吸気口から前記排気口に連通するよう形成されたダクトと、
前記ダクト内に設けられ、気化時に周囲の温度を低下させ冷気を生成する冷却器と、
前記ダクト内に設けられ、前記吸気口から前記排気口に向かう気体の流れを生成するファンと、を備え、
前記ダクトは、前記連結具が配置された側に偏在するよう配置される、
冷却装置。

【請求項2】

前記ダクトは、上部ダクトと、前記上部ダクトより下側に配置された下部ダクトとを含み、
前記上部ダクトは、前記連結具が配置された側に偏在するよう配置され、
前記下部ダクトは、前記本体の左右方向のほぼ全幅にわたって配置され、
前記ファンは前記上部ダクト内に設けられ、
前記冷却器は前記下部ダクト内に設けられる、
請求項１に記載の冷却装置。

【請求項3】

前記本体の内部に配置され、前記開口部から前方に向かって引き出し可能に配置された引き出しをさらに備え、
前記引き出しは、前記ダクトに対応する位置に凹部を有する形状である、
請求項１に記載の冷却装置。

【請求項4】

前記本体の内部に配置され、前記本体の内部空間を上下方向に仕切るよう設けられた仕切り棚をさらに備え、
前記仕切り棚は、前記ダクトに対応する位置に凹部を有する形状である、
請求項１に記載の冷却装置。

【請求項5】

前記本体の上面は、平面状に形成され、前記扉の上側の端面を覆うよう設けられる、
請求項１に記載の冷却装置。

【請求項6】

高さが７００ｍｍ以上１０００ｍｍ以下である、
請求項１に記載の冷却装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明の一態様は、冷凍庫または冷蔵庫などの冷却装置に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、冷気循環流路による気体の循環によって冷蔵庫内の冷却を行うよう構成された、１枚扉型の冷蔵庫があった。例えば、特許文献１に記載の冷蔵庫は、庫内に十分な奥行きを確保することなどを目的に、背面側のほぼ全幅にわたって、冷気通路（冷気循環流路）が形成された構成となっている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１９－１１７０３６号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

近年、冷凍食品の需要が拡大し、既に設置されている冷蔵庫に加え、２台目の冷凍庫を設置することに対する需要が増大している。このような２台目の冷凍庫は、既に設置されている冷蔵庫と比較して、狭いスペースでも配置可能な小型のものが好まれる。そのため、２台目の冷凍庫は、設置スペースを小さくするために幅が小さいもの、または奥行の寸法が小さいものが好まれ、普及してきている。

【0005】

しかしながら、上記のように奥行の寸法が小さい冷凍庫を構成する場合、上記特許文献１に記載のように、背面側のほぼ全幅にわたって冷気通路（冷気循環流路）を形成する従来の構成では、冷凍庫内の奥行が小さくなり過ぎてしまい、庫内に十分な収納スペースを取りづらくなってしまうという課題があった。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明は、上記課題を解決するために次のような手段を提供する。

【0007】

本発明の一態様の冷却装置は、前面に開口部を有する箱状の本体と、
左右方向の一方側に設けられた連結具により前記本体と連結され、前記本体の前記開口を覆う状態と開放する状態とで開閉可能な扉と、
前記本体の内部の前記開口部から見て奥側の面に設けられ、前記本体の内部に吸気口及び排気口を有し、前記吸気口から前記排気口に連通するよう形成されたダクトと、
前記ダクト内に設けられ、気化時に周囲の温度を低下させ冷気を生成する冷却器と、
前記ダクト内に設けられ、前記吸気口から前記排気口に向かう気体の流れを生成するファンと、を備え、
前記ダクトは、前記連結具が配置された側に偏在するよう配置される。

【0008】

上記のような冷却装置によれば、扉を開いたときにユーザがアクセスしやすい、ヒンジなどの連結具が配置された側とは逆側の本体内部の貯蔵庫内に、比較的広めの奥行を有するスペースを確保することができる。そのため、ユーザは、扉を開いた状態で、貯蔵庫内に貯蔵対象物を収納しやすくなり、ユーザの利便性を向上させた冷却装置を提供できる。

【0009】

上記冷却装置において好ましくは、前記ダクトは、上部ダクトと、前記上部ダクトより下側に配置された下部ダクトとを含み、
前記上部ダクトは、前記連結具が配置された側に偏在するよう配置され、
前記下部ダクトは、前記本体の左右方向のほぼ全幅にわたって配置され、
前記ファンは前記上部ダクト内に設けられ、
前記冷却器は前記下部ダクト内に設けられる。

【0010】

上記のような冷却装置によれば、冷却器をダクト内に広い面積で配置することができるため、高い冷却効率を有する冷蔵装置にすることができる。

【0011】

上記冷却装置において好ましくは、前記本体の内部に配置され、前記開口部から前方に向かって引き出し可能に配置された引き出しをさらに備え、
前記引き出しは、前記ダクトに対応する位置に凹部を有する形状である。

【0012】

上記のような冷却装置によれば、引き出しの凹部が、ヒンジなどの連結具が配置された側の奥に形成される。そのため、連結具とは逆側の、ユーザがアクセスしやすい場所に広いスペースを有する引き出しを備えた構成にすることができる。

【0013】

上記冷却装置において好ましくは、前記本体の内部に配置され、前記本体の内部空間を上下方向に仕切るよう設けられた仕切り棚をさらに備え、
前記仕切り棚は、前記ダクトに対応する位置に凹部を有する形状である

【0014】

上記のような冷却装置によれば、仕切り棚の凹部が、ヒンジなどの連結具が配置された側の奥に形成される。そのため、連結具とは逆側の、ユーザがアクセスしやすい場所に広いスペースを有する仕切り棚を備えた構成にすることができる。

【0015】

上記冷却装置において好ましくは、前記本体の上面は、平面状に形成され、前記扉の上側の端面を覆うよう設けられる。

【0016】

上記のような冷却装置によれば、装置を上側から見たときの美観を向上させることができる。また、キッチン以外の場所に冷却装置が配置されたとしても、インテリアとして部屋の景観になじみやすい構成にすることができる。さらに、冷却装置の上面に物を置きやすい構成となる。

【0017】

上記冷却装置において好ましくは、高さが７００ｍｍ以上１０００ｍｍ以下である。

【0018】

上記のような冷却装置によれば、キッチン以外の、カウンターテーブルの下、またはダイニングテーブルの下などに設置しやすい構成にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【0019】

【図1】図１は、実施形態の冷凍庫の外観斜視図である。

【図2】図２は、実施形態の冷凍庫の扉を取り外した状態の斜視図である。

【図3】図３は、実施形態の冷凍庫の扉を取り外した状態の正面図である。

【図4】図４は、実施形態の冷凍庫において全ての引き出しを取り外した状態の斜視図である。

【図5】図５は、実施形態の冷凍庫において全ての引き出しを取り外した状態の正面図である。

【図6】図６は、実施形態の冷凍庫を上面側から見た平面図である。

【図7】図７は、図３のＡ－Ａの位置における断面図である。

【図8】図８は、図３のＢ－Ｂの位置における断面図である。

【図9】図９は、図３のＣ－Ｃの位置における断面図である。

【図10】図１０は、変形例１の冷蔵庫において、仕切り棚の一部を取り外した状態の斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0020】

以下、本発明の冷却装置の一実施形態である冷凍庫について、図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下で説明する実施形態はあくまで本発明の一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定的に解釈させるものではない。以下では一例として冷凍庫の実施形態について説明するが、冷蔵庫にも同様に適用可能である。なお、各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。

【0021】

本明細書では、冷凍庫１を鉛直方向に対して垂直な平面に載置するものとして説明する。冷凍庫１の開口部の設けられた側を前面側といい、その逆側であって冷凍庫１の本体２の奥側を背面側という。冷凍庫１に向かったときの右側及び左側を、それぞれ右側及び左側という。前面から背面に向かう方向を奥行方向ということがあり、左右方向を幅方向ということがあり、上下方向を高さ方向ということがある。

【0022】

［冷凍庫の全体構成］
図１は、冷凍庫１の外観斜視図である。図２及び図３は、それぞれ扉３を取り外した状態の冷凍庫１の斜視図及び正面図である。図４は、さらに引き出し４１～４４を取り外した状態の冷凍庫１の斜視図である。図５は、引き出しを取り外した状態の冷凍庫１の正面図である。図６は、冷凍庫１を上面側から見た平面図である。図７～図９は、図３のＡ－Ａ、Ｂ－Ｂ、及びＣ－Ｃのそれぞれの箇所における断面図である。

【0023】

これらの図１～図９に示されるように、冷凍庫１は、本体２、扉３、引き出し４１～４４、ダクト６、冷却器７、ファン８、及びコンプレッサー９を含んで構成される。

【0024】

［本体２］
本体２は、前方に開口を有する箱状の（直方体状の）形状を有し、冷凍庫１の筐体を形成する。本体２は、上面壁２１、側面壁２２及び２３、背面壁２４、並びに底面壁２６を含む。向かって右側の側面壁２２には、ヒンジ（図示省略）が取り付けられ、このヒンジを介して側面壁２２に扉３が連結される。本体２は、扉３が閉じられることで、本体２と扉３とで冷凍庫１の内部空間を形成する。この内部空間が冷凍庫１の収容空間となる。この冷凍庫１の内部空間を、本体２の内部、冷凍庫内、または収容空間ということがある。本体２を形成する各面の壁は、真空断熱材、またはその他の断熱材を含んで構成され、冷凍庫１の外部と収容空間との間の熱の移動を制限する。断熱材は、小型であるにもかかわらず、比較的広い内部のスペースを有する構成とするため、真空断熱材を有する構成とすることが好ましい。

【0025】

本体２は、後述の引き出し４１～４４と仕切り棚５１～５３を支持する支持凸部２２ａ～２２ｆを有する。図５に示されるように、支持凸部２２ａ～２２ｆは、側面壁２２及び２３の内側の面から内部（冷凍庫１内）に向かって突出し、前面から背面に向かって直線状に延びるよう形成される。

【0026】

本体２の上面壁２１は、上側となる外側の面が平面状の平板により形成される。上面壁２１は、図６に示されるように、扉３が閉じられた状態で、本体２の上側２５と扉３の上側の端面とを覆うよう設けられる。すなわち、上面壁２１の前面に扉３が設けられる構成ではない。ただし、必ずしも扉３の全体を覆うように設けられなくてもよく、扉３の上側の端面の５０％以上を覆うように設けられてもよい。このような上面壁２１を有する構成とすることで、冷凍庫１を上側から見たときの美観を向上させることができる。また、キッチン以外の場所に冷凍庫１が配置されたとしても、インテリアとして部屋の景観になじみやすい構成にすることができる。さらに、冷凍庫１の上面壁２１の上に物を置きやすい構成となる。

【0027】

［扉３］
扉３は、本体２に向かって右側（図１の右側）に設けられたヒンジによって本体２と連結される。扉３は、本体２の前方に設けられ、本体２の開口を覆う状態と開放する状態とで開閉可能である。扉３は、ヒンジの軸を中心に回動可能であり、回動により冷凍庫１の前面を覆う閉状態と、冷凍庫１の前面を開放する閉状態とを切り替えることができる。扉３は、真空断熱材またはその他の断熱材を含んで構成される。なお、ヒンジは本体２に向かって左側に設けられてもよく、この場合、以下で説明するダクト及びファンなどの位置が左右逆になる。

【0028】

［引き出し４１～４４］
引き出し４１～４４は、本体２の内部に配置され、本体２の側面壁２２及び２３に形成された支持凸部２２ａ～２２ｆに、左右の端部が支持されるよう配置される。なお、引き出し４１を支持する支持凸部は図示が省略されている。引き出し４１～４４は、扉３を開放した状態の本体２の開口部から、前方に向かって引き出し可能に配置される。引き出し４１～４４は、上側が開放された箱状であり、内部に被収容物を収容可能である。引き出し４１～４３は、前面側の下側に、ユーザが把持するための凹部を有する。同様に引き出し４４は、前面側の上側に、ユーザが把持するための凹部を有する。

【0029】

引き出し４１～４４は、ダクト６の形状に合わせ、ダクト６に対応する位置に凹部を有する。具体的には、引き出し４１及び４２は、図４及び図７に示されるように、ファン８を覆うよう形成されたダクト６（上部ダクト６１）に対応する位置である、右背面側の位置に凹部を有する。引き出し４３は、図４及び図８に示されるように、冷却器７を覆うよう形成されたダクト６（下部ダクト６２）に対応する位置である背面側に凹部を有する。引き出し４３は、凹部を有する構成ではなく、奥行方向の長さがダクト６の分だけ短い形状であるということもできる。引き出し４４は、図４及び図９に示されるように、コンプレッサー９が形成された背面側よりも前面側に配置される大きさで形成される。

【0030】

このように、引き出し４１及び４２が、ダクト６に対応する位置に凹部を有する構成とすることで、この凹部が、ヒンジが配置された側の奥側（背面側）に形成される。そのため、引き出し４１及び４２が、連結具とは逆側の、ユーザがアクセスしやすい場所に広いスペースを有する構成にすることができる。

【0031】

［ダクト６］
ダクト６は、上部ダクト６１と下部ダクト６２とを含んで構成される。下部ダクト６２は、上部ダクト６１よりも下側に形成される。ダクト６は、本体２の内部の、開口部から見て奥側の面である背面壁２４の内部側に設けられ、本体２の内部に吸気口６３及び排気口６４ａ～６４ｄを有する（図５参照）。吸気口６３は本体２の上下方向の中央より下側に位置し、排気口６４ａ～６４ｄは本体２の上下方向の中央より上側に位置する。吸気口６３と排気口６４ａ～６４ｄとは、ダクト６内で連通する。すなわち、ダクト６は、吸気口６３から排気口６４ａ～６４ｄに向かって、下から上に向かって、空気（気体）を通流させるための流路を形成する。この流路はダクト６の内部、すなわち本体２の背面壁２４の内部側の面とダクト６の外殻との間に形成される。

【0032】

上部ダクト６１は、左右方向において、ヒンジが配置された本体２の右側の端部から、中央部のやや右側の位置までにわたって形成される。すなわち、上部ダクト６１は、右側に偏在するよう配置される。上部ダクト６１の内部には、ファン８が配置される。上部ダクト６１は、さらに右側に偏在して配置されてもよいし、これよりもやや左側に広がっていてもよい。

【0033】

下部ダクト６２は、左右方向のほぼ全幅にわたって配置される。下部ダクト６２の内部には、冷却器７が配置される。なお、下部ダクト６２は、好ましくは左右方向の９０％以上の幅にわたって配置されるが、左右方向の８０以上の幅にわたって形成されてもよい。

【0034】

［冷却器７］
冷却器７は、コンプレッサー９、並びに図示しない放熱器及びキャプラリーチューブなどと、図示しない冷媒配管を介して接続され、蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成する。この冷凍サイクルについては既知の技術であるため詳細な説明は省略する。冷却器７は、液体が気化する気化時に周囲から熱を奪って気体の温度を低下させることで、冷気を生成する。

【0035】

上記のとおり、冷却器７は下部ダクト６２の内部に、左右方向のほぼ全幅にわたって設けられる。このように冷却器７が左右方向に広い領域で設けられることで、冷却器７と気体（空気）との接触面積が広くなり、高い冷却効率を有する構成にすることができる。

【0036】

［ファン８］
ファン８は、上部ダクト６１の内部に設けられる。ファン８は、図示しないモータが作動することで回動し、吸気口６３から排気口６４ａ～６４ｄに向かう、ダクト６内における気体の流れを生成する。

【0037】

ファン８は、上部ダクト６１の内部に設けられるため、上部ダクト６１の内部に収容可能なように、本体２の背面壁２４の左右方向における長さの１／２以下の直径を有する。本実施形態では、１つのファン８を備える構成を例示しているが、ファン８の数、及び配置方法は任意に決定してよい。

【0038】

［コンプレッサー９］
コンプレッサー９は、背面壁２４の下側に位置する断熱壁２４ａの奥側（背面側）であって、冷凍庫１の底面壁２６の上に設けられる。断熱壁２４ａは、本体２の内部では背面壁２４と連続する内部側の面を有する。

【0039】

コンプレッサー９は、冷媒を取り込んで圧縮する。コンプレッサー９は、上記のように冷却器７を含む構成とともに冷凍サイクルを構成するが、その詳細な機能及び作用は既知のものであるため説明を省略する。

【0040】

［冷凍庫１のサイズ］
図３に示されるように、本実施形態の冷凍庫１の、下端となる載置面への当接部から、上端となる本体２の上面壁２１までの距離、すなわち高さＨは、好ましくは６００ｍｍ以下１０００ｍｍ以下とし、より好ましくは７００ｍｍ以上１０００ｍｍ以下とし、さらに好ましくは８００ｍｍ以下とする。高さＨは、典型的には８００ｍｍである。このような高さの冷凍庫１によれば、キッチン以外の、カウンターテーブルの下、またはダイニングテーブルの下などに設置しやすい構成にすることができる。

【0041】

図６に示されるように、本実施形態の冷凍庫１の奥行きの長さＤは、好ましくは３００ｍｍ以上５００ｍｍ以下とし、より好ましくは３００ｍｍ以上４００ｍｍ以下とする。

【0042】

図６に示されるように、本実施形態の冷凍庫１の左右方向の長さ、すなわち幅Ｗは、好ましくは４００ｍｍ以上７００ｍｍ以下とし、より好ましくは４５０ｍｍ以上６５０ｍｍ以下とし。さらに好ましくは５００ｍｍ以上６００ｍｍ以下とする。

【0043】

冷凍庫１をこのようなサイズにすることで、ダイニング、リビング、または寝室などの配置する場合でも、邪魔になりづらい構成にできる。

【0044】

［変形例１（冷蔵庫）］
図１０は、変形例１の冷蔵庫１０の斜視図である。冷蔵庫１０は、実施形態の冷凍庫１と異なり、引き出し４１～４４に代えて、仕切り棚５１～５３を備える。図１０は、仕切り棚部材５３ａを取り外した状態の冷蔵庫１０を示している。図１及び図５は、本変形例でも実施形態と共通である。以下では、実施形態の変形例の一例として冷蔵庫の例について説明する。なお、各図面において、前述の冷凍庫１と同一の構成要素には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。

【0045】

これらの図１０及び図５に示されるように、冷蔵庫１０は、本体２、扉３、仕切り棚５１～５３、ダクト６、冷却器７、ファン８、及びコンプレッサー９を含んで構成される。

【0046】

［仕切り棚５１～５３］
仕切り棚５１～５３は、本体２の内部に、内部空間を上下方向に４つに仕切るよう設けられる。仕切り棚５１～５３は、本体２の側面壁２２及び２３に形成された支持凸部２２ａ～２２ｆに、左右の端部が支持されるよう配置される。具体的には、仕切り棚５１は支持凸部２２ａ及び２２ｂに、仕切り棚５２は支持凸部２２ｃ及び２２ｄに、仕切り棚５３は支持凸部２２ｅ及び２２ｆに、それぞれ支持される。仕切り棚５１～５３のそれぞれの上面は鉛直方向に対して垂直な平面状であり、食品等の被収容物を載置可能である。

【0047】

仕切り棚５１～５３は、ダクト６の形状に合わせ、ダクト６に対応する位置に凹部を有する板状の部材である 。具体的には、仕切り棚５１及び５２は、図４及び図１０に示されるように、ファン８を覆うよう形成されたダクト６（上部ダクト６１）に対応する位置である、右背面側の位置に凹部を有する。仕切り棚５３は、図４及び図１０に示されるように、冷却器７を覆うよう形成されたダクト６（下部ダクト６２）に対応する位置である背面側に凹部を有する。仕切り棚５３は、凹部を有する構成ではなく、奥行方向の長さがダクト６の分だけ短い形状であるということもできる。

【0048】

図１０に示すように、仕切り棚５３は仕切り棚部材５３ａ～５３ｃを含んで構成され、それぞれ個別に、本体２に取り付け及び取り外しをすることができる。このような仕切り棚部材５３ａ～５３ｃは、例えば奥行方向に二分され、図１０のように前面側の仕切り棚部材５３ａだけを取り外し可能とする。このように、前面側の仕切り棚部材５３ａを本体２から取り外すと、本体２の前面側（開口部側）に上下方向に長い（高い）収容スペースを形成することができ、上下方向に長い２Ｌのペットボトルなどを冷凍庫１の前面側に収容可能となる。仕切り棚５１及び５２についても同様の構成としてよい。

【0049】

仕切り棚５１～５３の数、及び冷蔵庫１０の内部空間の仕切り方は任意に決定してよい。

【0050】

このように、仕切り棚５１及び５２が、ダクト６に対応する位置に凹部を有する構成とすることで、この凹部が、ヒンジが配置された側の奥側（背面側）に形成される。そのため、仕切り棚５１及び５２が、連結具とは逆側の、ユーザがアクセスしやすい場所に広いスペースを有する構成にすることができる。

【0051】

なお、本変形例の冷蔵庫１０は、冷凍庫１の引き出し４１～４４に代えて仕切り棚５１～５３を備える構成であったが、引き出しを有する冷蔵庫としてもよい。同様に、引き出し４１～４４に代えて仕切り棚５１～５３を備える冷凍庫としてもよい。

【0052】

［その他の変形例］
本発明の冷却装置は、上記実施形態の冷凍庫１および冷蔵庫１０の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。

【0053】

本体２と扉３とを連結するヒンジは、本体２に対して扉３を開閉自在に連結可能な別の連結具に置き換えてもよい。例えば、本体２と扉３とが回動自在な軸によって連結されてもよい。本明細書において「連結具」はヒンジを含む構成を指す。

【0054】

また、上記ヒンジは、本体２の右側ではなく左側に配置されてもよい。この場合、実施形態で説明した全ての構成は左右が逆に配置されることになる。すなわち、ヒンジは左右方向の一方側に配置され、ダクト６（上部ダクト６１）はヒンジが配置された側に偏在して配置される。このような構成にすることで、扉を開いたときにユーザがアクセスしやすい、ヒンジが配置された側とは逆側の本体内部の貯蔵庫内に、比較的広めの奥行を有するスペースを確保することができる。

【0055】

冷凍庫１は、扉３が１つの１ドアタイプの冷凍庫であるが、扉３を２以上有する構成としてもよい。

【0056】

冷凍庫１が、リビングに配置される冷蔵庫または冷凍庫として採用する場合、高さを３００ｍｍ以上５００ｍｍ以下にすることが好ましい。

【0057】

実施形態では引き出し４１～４４を有する冷凍庫１を、変形例１では仕切り棚５１～５３を有する冷蔵庫１０を例示して説明したが、引き出しと仕切り棚との双方を有する構成の冷凍庫または冷蔵庫を構成可能である。この場合の引き出しと仕切り棚との数及び配置は任意に決定可能である。

【符号の説明】

【0058】

１…冷凍庫
１０…冷蔵庫
２…本体
２１…上面壁
２２、２３…側面壁
２４…背面壁
２６…底面壁
３…扉
４１～４４…引き出し
５１～５３…仕切り棚
６…ダクト
６１…上部ダクト
６２…下部ダクト
６３…吸気口
６４ａ～６４ｄ…排気口
７…冷却器
８…ファン
９…コンプレッサー

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】