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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166967
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/14 20060101AFI20241122BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20241122BHJP
   B60W 40/08 20120101ALI20241122BHJP
   B62J 27/00 20200101ALI20241122BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20241122BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
B60W30/14
B60W40/04
B60W40/08
B62J27/00
B62J45/00
G08G1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083417
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】滝井 博将
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA02
3D241BA08
3D241BA60
3D241BB06
3D241CA12
3D241CC01
3D241CC08
3D241CE01
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB01Z
3D241DB05Z
3D241DB09Z
3D241DB13Z
3D241DB15Z
3D241DB16Z
3D241DB32Z
3D241DB42Z
3D241DC02Z
3D241DC03Z
3D241DC28Z
3D241DC41Z
3D241DC51Z
3D241DD02Z
3D241DD14Z
5H181AA05
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181EE12
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF10
5H181LL09
5H181MB02
(57)【要約】
【課題】本発明は、鞍乗り型車両の安全性を向上させることができる制御装置及び制御方法を得るものである。
【解決手段】本発明に係る制御装置及び制御方法では、制御装置の実行部が、自車両のライダーによる加減速操作によらずに自車両の速度を自動で制御する速度制御動作を実行し、実行部は、自車両以外の鞍乗り型車両である複数の他車両において実行される速度制御動作での他車両のライダーの操作情報と位置情報とが関連付けられている統計データ(3)に基づいて、自車両において実行される速度制御動作での自車両の加速を抑制する動作である加速抑制動作を実行する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗り型車両(1)の挙動を制御する制御装置(20)であって、
自車両(1)のライダーによる加減速操作によらずに前記自車両(1)の速度を自動で制御する速度制御動作を実行する実行部(22)を備え、
前記実行部(22)は、前記自車両(1)以外の鞍乗り型車両(1)である複数の他車両において実行される前記速度制御動作での前記他車両のライダーの操作情報と位置情報とが関連付けられている統計データ(3)に基づいて、前記自車両(1)において実行される前記速度制御動作での前記自車両(1)の加速を抑制する動作である加速抑制動作を実行する、
制御装置。
【請求項2】
前記操作情報は、前記速度制御動作を解除する、又は、変化させる操作の情報を含む、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記操作情報は、車体挙動を変化させる操作の情報を含む、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記統計データ(3)において、前記操作情報には、前記位置情報に加えて、環境情報がさらに関連付けられている、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記統計データ(3)において、前記操作情報には、前記位置情報に加えて、車両情報がさらに関連付けられている、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記統計データ(3)において、前記操作情報には、前記位置情報に加えて、搭乗者情報及び積載物情報の少なくとも一方がさらに関連付けられている、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記統計データ(3)において、前記操作情報には、前記位置情報に加えて、前記速度制御動作の設定情報がさらに関連付けられている、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
前記統計データ(3)において、前記操作情報には、前記位置情報に加えて、前記ライダーの運転特性情報がさらに関連付けられている、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記加速抑制動作は、前記自車両(1)に生じる加速度を、前記加速抑制動作が不要であると判定される場合よりも低くする動作である、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項10】
前記加速抑制動作は、前記自車両(1)に生じる加速度変化率を、前記加速抑制動作が不要であると判定される場合よりも低くする動作である、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項11】
前記速度制御動作は、前記自車両(1)と対象との位置関係が目標位置関係に近づくように前記自車両(1)の速度を自動で制御する動作である、
請求項1~10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
鞍乗り型車両(1)の挙動を制御する制御装置(20)であって、
自車両(1)のライダーによる加減速操作によらずに前記自車両(1)の速度を自動で制御する速度制御動作を実行する実行部(22)を備え、
さらに、前記自車両(1)以外の鞍乗り型車両(1)である他車両において実行される前記速度制御動作での前記他車両の加速を抑制する動作である加速抑制動作に用いられる統計データ(3)において位置情報と関連付けられる情報としての、前記自車両(1)において実行される前記速度制御動作での前記自車両(1)のライダーの操作情報を出力する出力部(21)を備える、
制御装置。
【請求項13】
鞍乗り型車両(1)の挙動を制御する制御方法であって、
制御装置(20)の実行部(22)が、自車両のライダーによる加減速操作によらずに前記自車両の速度を自動で制御する速度制御動作を実行し、
前記実行部(22)は、前記自車両(1)以外の鞍乗り型車両(1)である複数の他車両において実行される前記速度制御動作での前記他車両のライダーの操作情報と位置情報とが関連付けられている統計データ(3)に基づいて、前記自車両(1)において実行される前記速度制御動作での前記自車両(1)の加速を抑制する動作である加速抑制動作を実行する、
制御方法。
【請求項14】
鞍乗り型車両(1)の挙動を制御する制御方法であって、
制御装置(20)の実行部(22)が、自車両(1)のライダーによる加減速操作によらずに前記自車両(1)の速度を自動で制御する速度制御動作を実行し、
さらに、前記制御装置(20)の出力部(21)が、前記自車両(1)以外の鞍乗り型車両(1)である他車両において実行される前記速度制御動作での前記他車両の加速を抑制する動作である加速抑制動作に用いられる統計データ(3)において位置情報と関連付けられる情報としての、前記自車両(1)において実行される前記速度制御動作での前記自車両(1)のライダーの操作情報を出力する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、鞍乗り型車両の安全性を向上させることができる制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータサイクル等の鞍乗り型車両のライダーによる運転を支援する種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1では、走行方向又は実質的に走行方向にある障害物を検出するセンサ装置により検出された情報に基づいて、不適切に障害物に接近していることをモータサイクルのライダーへ警告する運転者支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-116882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の運転を支援するための技術として、車両の運転者による加減速操作によらずに車両の速度を自動で制御する速度制御動作がある。そして、上記の速度制御動作を鞍乗り型車両に適用することが考えられる。ここで、鞍乗り型車両では、四輪の自動車等と比べて車体挙動が不安定であり機敏に変化しやすい。ゆえに、速度制御動作によって鞍乗り型車両の速度が自動で制御されている状況下において、安全性を向上させることが特に望まれる。
【0005】
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、鞍乗り型車両の安全性を向上させることができる制御装置及び制御方法を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る制御装置は、鞍乗り型車両の挙動を制御する制御装置であって、自車両のライダーによる加減速操作によらずに前記自車両の速度を自動で制御する速度制御動作を実行する実行部を備え、前記実行部は、前記自車両以外の鞍乗り型車両である複数の他車両において実行される前記速度制御動作での前記他車両のライダーの操作情報と位置情報とが関連付けられている統計データに基づいて、前記自車両において実行される前記速度制御動作での前記自車両の加速を抑制する動作である加速抑制動作を実行する。
【0007】
本発明に係る制御装置は、鞍乗り型車両の挙動を制御する制御装置であって、自車両のライダーによる加減速操作によらずに前記自車両の速度を自動で制御する速度制御動作を実行する実行部を備え、さらに、前記自車両以外の鞍乗り型車両である他車両において実行される前記速度制御動作での前記他車両の加速を抑制する動作である加速抑制動作に用いられる統計データにおいて位置情報と関連付けられる情報としての、前記自車両において実行される前記速度制御動作での前記自車両のライダーの操作情報を出力する出力部を備える。
【0008】
本発明に係る制御方法は、鞍乗り型車両の挙動を制御する制御方法であって、制御装置の実行部が、自車両のライダーによる加減速操作によらずに前記自車両の速度を自動で制御する速度制御動作を実行し、前記実行部は、前記自車両以外の鞍乗り型車両である複数の他車両において実行される前記速度制御動作での前記他車両のライダーの操作情報と位置情報とが関連付けられている統計データに基づいて、前記自車両において実行される前記速度制御動作での前記自車両の加速を抑制する動作である加速抑制動作を実行する。
【0009】
本発明に係る制御方法は、鞍乗り型車両の挙動を制御する制御方法であって、制御装置の実行部が、自車両のライダーによる加減速操作によらずに前記自車両の速度を自動で制御する速度制御動作を実行し、さらに、前記制御装置の出力部が、前記自車両以外の鞍乗り型車両である他車両において実行される前記速度制御動作での前記他車両の加速を抑制する動作である加速抑制動作に用いられる統計データにおいて位置情報と関連付けられる情報としての、前記自車両において実行される前記速度制御動作での前記自車両のライダーの操作情報を出力する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る制御装置及び制御方法では、制御装置の実行部が、自車両のライダーによる加減速操作によらずに自車両の速度を自動で制御する速度制御動作を実行し、実行部は、自車両以外の鞍乗り型車両である複数の他車両において実行される速度制御動作での他車両のライダーの操作情報と位置情報とが関連付けられている統計データに基づいて、自車両において実行される速度制御動作での自車両の加速を抑制する動作である加速抑制動作を実行する。それにより、速度制御動作を利用して走行する他車両のライダーが各地点で行った操作を加味して、速度制御動作での自車両の加速を抑制することができる。ゆえに、速度制御動作での自車両の加速に起因する安全性の低下を抑制できる。よって、鞍乗り型車両の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る鞍乗り型車両の概略構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る制御装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態に係るサーバに記憶される統計データの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る制御装置及び制御方法について、図面を用いて説明する。
【0013】
なお、以下では、二輪のモータサイクルに用いられる制御装置について説明しているが(図1中の鞍乗り型車両1を参照)、本発明に係る制御装置の制御対象となる車両は、二輪のモータサイクル以外の他の鞍乗り型車両であってもよい。鞍乗り型車両は、ライダーが跨って乗車する車両を意味する。鞍乗り型車両には、例えば、モータサイクル(自動二輪車、自動三輪車)、自転車、バギー等が含まれる。モータサイクルには、エンジンを動力源とする車両、電気モータを動力源とする車両等が含まれる。モータサイクルには、例えば、オートバイ、スクーター、電動スクーター等が含まれる。自転車は、ペダルに付与されるライダーの踏力によって路上を推進することが可能な車両を意味する。自転車には、普通自転車、電動アシスト自転車、電動自転車等が含まれる。
【0014】
また、以下では、駆動輪を駆動するための動力を出力可能な駆動源としてエンジン(具体的には、後述される図1中のエンジン11)が搭載されている場合を説明しているが、駆動源としてエンジン以外の他の駆動源(例えば、電気モータ)が搭載されていてもよく、複数の駆動源が搭載されていてもよい。
【0015】
また、以下では、車輪に生じる制動力の制御ユニットとして、ブレーキ液の液圧を制御する制御ユニット(具体的には、後述される図1中の液圧制御ユニット12)が採用される場合を説明しているが、車輪に生じる制動力の制御ユニットとして、車輪の制動部自体の位置を電気的信号によって制御する制御ユニット(いわゆるブレーキ・バイ・ワイヤ)が採用されてもよい。
【0016】
また、以下で説明する構成及び動作等は一例であり、本発明に係る制御装置及び制御方法は、そのような構成及び動作等である場合に限定されない。
【0017】
また、以下では、同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省略している。また、各図において、同一の又は類似する部材又は部分については、符号を付すことを省略しているか、又は同一の符号を付している。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。
【0018】
<鞍乗り型車両の構成>
図1図3を参照して、本発明の実施形態に係る鞍乗り型車両1の構成について説明する。
【0019】
図1は、鞍乗り型車両1の概略構成を示す模式図である。鞍乗り型車両1は、本発明に係る鞍乗り型車両の一例に相当する二輪のモータサイクルである。図1に示されるように、鞍乗り型車両1は、エンジン11と、液圧制御ユニット12と、入力装置13と、ナビゲーション装置14と、慣性計測装置(IMU)15と、周囲環境センサ16と、前輪車輪速センサ17と、後輪車輪速センサ18と、制御装置(ECU)20とを備える。
【0020】
鞍乗り型車両1は、無線の通信ネットワークN1を介して、サーバ2と互いに無線通信可能になっている。なお、図1では、理解を容易にするために1つの鞍乗り型車両1が示されているが、実際には、複数の鞍乗り型車両1が通信ネットワークN1を介してサーバ2と並行して通信可能になっている。なお、本明細書では、複数の鞍乗り型車両1のうちの特定の1つの鞍乗り型車両1を自車両1とも呼ぶ。
【0021】
エンジン11は、鞍乗り型車両1の駆動源の一例に相当し、駆動輪(具体的には、後輪)を駆動するための動力を出力可能である。例えば、エンジン11には、内部に燃焼室が形成される1又は複数の気筒と、燃焼室に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁と、点火プラグとが設けられている。燃料噴射弁から燃料が噴射されることにより燃焼室内に空気及び燃料を含む混合気が形成され、当該混合気が点火プラグにより点火されて燃焼する。それにより、気筒内に設けられたピストンが往復運動し、クランクシャフトが回転するようになっている。また、エンジン11の吸気管には、スロットル弁が設けられており、スロットル弁の開度であるスロットル開度に応じて燃焼室への吸気量が変化するようになっている。
【0022】
液圧制御ユニット12は、車輪に生じる制動力を制御する機能を担うユニットである。例えば、液圧制御ユニット12は、マスタシリンダとホイールシリンダとを接続する油路上に設けられ、ホイールシリンダのブレーキ液圧を制御するためのコンポーネント(例えば、制御弁及びポンプ)を含む。液圧制御ユニット12のコンポーネントの動作が制御されることによって、車輪に生じる制動力が制御される。なお、液圧制御ユニット12は、前輪及び後輪の双方に生じる制動力をそれぞれ制御するものであってもよく、前輪及び後輪の一方に生じる制動力のみを制御するものであってもよい。
【0023】
入力装置13は、ライダーによる各種操作を受け付ける。入力装置13は、例えば、ハンドルに設けられ、ライダーの操作に利用される押しボタン等を含む。入力装置13を用いたライダーの操作に関する情報は、制御装置20に出力される。
【0024】
ナビゲーション装置14は、鞍乗り型車両1の現在位置からライダーが所望する目的地までのルートを案内する装置である。ナビゲーション装置14は、ルート案内に関する各種情報(例えば、鞍乗り型車両1の現在位置、案内の対象となる走行ルート、目的地の位置、鞍乗り型車両1の現在位置から目的地までの走行ルート上での距離、及び、目的地までの到達時間等)を表示する。また、ナビゲーション装置14は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される情報に基づいて、鞍乗り型車両1の位置情報を取得できる。
【0025】
慣性計測装置15は、3軸のジャイロセンサ及び3方向の加速度センサを備えており、鞍乗り型車両1の姿勢を検出する。慣性計測装置15は、例えば、鞍乗り型車両1の胴体に設けられている。例えば、慣性計測装置15は、鞍乗り型車両1のピッチ角を検出し、検出結果を出力する。慣性計測装置15が、鞍乗り型車両1のピッチ角に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。ピッチ角は、水平方向に対する鞍乗り型車両1の車体(具体的には、胴体)の縦方向の傾きを表す角度に相当する。換言すると、鞍乗り型車両1のピッチ角は、車両左右方向の軸を中心とする回転方向であるピッチ方向において、鞍乗り型車両1の車体が水平方向に対してどの程度回転したかを表す角度に相当する。また、例えば、慣性計測装置15は、鞍乗り型車両1のリーン角を検出し、検出結果を出力する。慣性計測装置15が、鞍乗り型車両1のリーン角に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。リーン角は、鉛直上方向に対する鞍乗り型車両1の車体(具体的には、胴体)のロール方向の傾きを表す角度に相当する。
【0026】
周囲環境センサ16は、鞍乗り型車両1の周囲の環境に関する周囲環境情報を検出する。具体的には、周囲環境センサ16は、鞍乗り型車両1の前部に設けられており、鞍乗り型車両1の前方の周囲環境情報を検出する。周囲環境センサ16により検出された周囲環境情報は、制御装置20に出力される。
【0027】
周囲環境センサ16により検出される周囲環境情報は、鞍乗り型車両1の周辺に位置する被検体までの距離又は方位に関連する情報(例えば、相対位置、相対距離、相対速度、相対加速度等)であってもよく、また、鞍乗り型車両1の周辺に位置する被検体の特徴(例えば、被検体の種別、被検体自体の形状、被検体に付されているマーク等)であってもよい。周囲環境センサ16は、例えば、レーダー、Lidarセンサ、超音波センサ、カメラ等である。
【0028】
なお、周囲環境情報は、他車両に搭載される周囲環境センサ、又は、インフラストラクチャ設備によっても検出され得る。つまり、制御装置20は、他車両又はインフラストラクチャ設備との無線通信を介して、周囲環境情報を取得することもできる。
【0029】
前輪車輪速センサ17は、前輪の車輪速(例えば、前輪の単位時間当たりの回転数[rpm]又は単位時間当たりの移動距離[km/h]等)を検出する車輪速センサであり、検出結果を出力する。前輪車輪速センサ17が、前輪の車輪速に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。前輪車輪速センサ17は、前輪に設けられている。
【0030】
後輪車輪速センサ18は、後輪の車輪速(例えば、後輪の単位時間当たりの回転数[rpm]又は単位時間当たりの移動距離[km/h]等)を検出する車輪速センサであり、検出結果を出力する。後輪車輪速センサ18が、後輪の車輪速に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。後輪車輪速センサ18は、後輪に設けられている。
【0031】
制御装置20は、鞍乗り型車両1の挙動を制御する。例えば、制御装置20の一部又は全ては、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されている。また、例えば、制御装置20の一部又は全ては、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。制御装置20は、例えば、1つであってもよく、また、複数に分かれていてもよい。
【0032】
図2は、制御装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示されるように、制御装置20は、例えば、通信部21と、実行部22とを備える。なお、制御装置20は、入力装置13、ナビゲーション装置14、慣性計測装置15、周囲環境センサ16、前輪車輪速センサ17及び後輪車輪速センサ18から情報を取得でき、エンジン11及び液圧制御ユニット12に制御指令を出力できる。なお、本明細書において、情報の取得には、情報の抽出又は生成(例えば、演算)等が含まれ得る。
【0033】
通信部21は、通信ネットワークN1を介してサーバ2と無線通信する。通信部21は、情報を出力する出力部の一例に相当する。
【0034】
実行部22は、鞍乗り型車両1の各装置の動作を制御することによって、各種制御を実行する。実行部22は、例えば、エンジン11及び液圧制御ユニット12の動作を制御する。
【0035】
特に、実行部22は、速度制御動作を実行することができる。速度制御動作は、自車両1のライダーによる加減速操作(つまり、アクセル操作及びブレーキ操作)によらずに自車両1の速度を自動で制御する動作である。
【0036】
以下では、速度制御動作として、自車両1と対象との位置関係が目標位置関係に近づくように自車両1の速度を自動で制御する動作であるアダプティブクルーズコントロールが実行される例を説明する。なお、上記の対象は、車両のみならず、信号機等であってもよい。
【0037】
ただし、実行部22により実行される速度制御動作は、アダプティブクルーズコントロールに限定されない。例えば、実行部22は、自車両1と対象との位置関係が目標位置関係に近づくように自車両1の速度を自動で制御する動作として、アダプティブクルーズコントロール以外の動作(例えば、ライダーによるアクセル操作が行われても解除されず、アクセル操作の操作量に応じて目標位置関係が変化する動作)を実行してもよい。また、実行部22は、速度制御動作として、クルーズコントロールモードを実行してもよい。実行部22は、クルーズコントロールモードにおいて、鞍乗り型車両1の速度を、予め設定されている目標速度に近づくように制御する。
【0038】
実行部22は、例えば、入力装置13を用いたライダーによる操作をトリガとしてアダプティブクルーズコントロールを開始する。アダプティブクルーズコントロールでは、実行部22は、ライダーによる加減速操作によらずに自車両1の速度を自動で制御する。実行部22は、例えば、前輪の車輪速、及び、後輪の車輪速に基づいて取得される自車両1の速度の情報に基づいて、自車両1の速度を制御することができる。実行部22は、自車両1の速度の制御において、例えば、エンジン11の動作を制御することによって、自車両1に自動で加速度を生じさせ、液圧制御ユニット12の動作を制御することによって、自車両1に自動で減速度を生じさせることができる。なお、アダプティブクルーズコントロールは、ライダーによるブレーキ操作等の特定の操作が行われた場合に解除される。
【0039】
アダプティブクルーズコントロールでは、例えば、自車両1と先行車両との車間距離の目標値である目標車間距離が設定されており、実行部22は、自車両1と先行車両との車間距離が目標車間距離に維持されるように、自車両1の速度を制御する。つまり、自車両1と先行車両との車間距離が目標車間距離になる位置関係が目標位置関係に相当する。なお、車間距離は、車線(具体的には、自車両1が走行するレーン)に沿う方向の距離を意味してもよく、直線距離を意味してもよい。例えば、制御装置20は、自車両1の周囲環境情報に基づいて自車両1と先行車両との車間距離を取得し、実行部22は、そのように取得される車間距離に基づいて、上記のように自車両1の速度を制御することができる。
【0040】
ただし、アダプティブクルーズコントロールでは、例えば、通過時間差(具体的には、現時点から自車両1が先行車両の現在位置を通過するまでにかかる時間)の目標値である目標通過時間差が設定されており、実行部22は、通過時間差が目標通過時間差に維持されるように、自車両1の速度を制御してもよい。この場合、通過時間差が目標通過時間差になる位置関係が目標位置関係に相当する。例えば、制御装置20は、自車両1の周囲環境情報に基づいて通過時間差を取得し、実行部22は、そのように取得される通過時間差に基づいて、上記のように自車両1の速度を制御することができる。
【0041】
図1中のサーバ2は、複数の鞍乗り型車両1から情報を収集して管理し、鞍乗り型車両1のアダプティブクルーズコントロールに用いられる情報を各鞍乗り型車両1に送信する。例えば、サーバ2の一部又は全ては、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されている。また、例えば、サーバ2の一部又は全ては、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。サーバ2は、例えば、1つであってもよく、また、複数に分かれていてもよい。
【0042】
図3は、サーバ2の機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示されるように、サーバ2は、例えば、通信部2aと、生成部2bと、記憶部2cとを備える。
【0043】
通信部2aは、通信ネットワークN1を介して各鞍乗り型車両1と通信する。具体的には、通信部2aは、各鞍乗り型車両1の制御装置20と通信する。
【0044】
生成部2bは、複数の鞍乗り型車両1から収集した情報に基づいて、鞍乗り型車両1のアダプティブクルーズコントロールに用いられる統計データ(後述される図5の統計データ3を参照)を生成する。なお、統計データの詳細については後述する。
【0045】
記憶部2cは、各種情報を記憶する。例えば、記憶部2cは、通信部2aが受信した情報を記憶する。生成部2bによる統計データの生成は、記憶部2cにより記憶される情報に基づいて行われる。また、記憶部2cは、生成部2bが生成した統計データを記憶する。
【0046】
<制御装置の動作>
図4及び図5を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置20の動作について説明する。
【0047】
上記のように、本実施形態に係る制御装置20の実行部22は、アダプティブクルーズコントロールを実行する。ここで、鞍乗り型車両1では、四輪の自動車等と比べて車体挙動が不安定であり機敏に変化しやすい。そこで、本実施形態では、アダプティブクルーズコントロールによって鞍乗り型車両1の速度が自動で制御されている状況下において、安全性を向上させるために、実行部22は、加速抑制動作を実行可能となっている。加速抑制動作は、後述されるように、自車両1において実行されるアダプティブクルーズコントロールでの自車両1の加速を抑制する動作である。以下、制御装置20が行う加速抑制動作に関する処理について説明する。
【0048】
図4は、制御装置20が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。図4に示される制御フローは、アダプティブクルーズコントロールが実行されている場合に開始する。図4におけるステップS101は、図4に示される制御フローの開始に対応する。
【0049】
図4に示される制御フローが開始されると、ステップS102において、実行部22は、アダプティブクルーズコントロールでの自車両1の加速を抑制することが推奨される地点である加速抑制地点の情報をサーバ2から受信する。
【0050】
図5は、サーバ2に記憶される統計データ3の一例を示す模式図である。上述したように、サーバ2は、アダプティブクルーズコントロールに用いられる統計データ3を記憶している。ステップS102では、例えば、実行部22は、加速抑制地点の情報の送信要求、及び、自車両1の位置情報をサーバ2に送信する。そして、当該送信要求を受信したサーバ2は、自車両1の現在位置を含む所定範囲内に存在する加速抑制地点を統計データ3に基づいて決定し、加速抑制地点の情報を制御装置20に対して送信する。例えば、サーバ2は、自車両1の現在位置から目的地までの走行ルートを含む領域内に存在する加速抑制地点を制御装置20に対して送信する。なお、サーバ2は、自車両1の位置が変化する度に、自車両1の現在位置を中心とする領域内に存在する加速抑制地点を制御装置20に対して都度送信してもよい。
【0051】
図5の例では、統計データ3は、各行において各列の情報が対応付けられているデータテーブル形式のデータ構造を有する。ただし、統計データ3は、データテーブル形式以外の形式の構造を有していてもよい。
【0052】
統計データ3は、アダプティブクルーズコントロールを実行している各鞍乗り型車両1から送信された各種情報に対して統計処理を施して得られるデータである。統計データ3中の各行の情報は、ある鞍乗り型車両1からあるタイミングで送信された1つの情報群である。つまり、統計データ3中の1つの行の情報は、アダプティブクルーズコントロールを実行している1つの鞍乗り型車両1によってアダプティブクルーズコントロールの実行中に取得された互いに関連付けられている情報の集合である。以下、統計データ3において同じ行に纏められている情報の集合をデータ行とも呼ぶ。
【0053】
各鞍乗り型車両1は、例えば、アダプティブクルーズコントロールの実行中に取得した情報をサーバ2に随時送信する。例えば、各鞍乗り型車両1は、所定時間間隔で、1行分のデータ行をサーバ2に送信する。なお、各鞍乗り型車両1は、アダプティブクルーズコントロールの実行中に取得した情報を、走行終了時にサーバ2に纏めて送信してもよい。サーバ2は、新たに受信した1行分の情報であるデータ行を統計データ3に組み込むことで、統計データ3の更新を行う。
【0054】
統計データ3中の列A1の情報は、位置情報である。各鞍乗り型車両1において、制御装置20は、例えば、ナビゲーション装置14を用いて位置情報を取得できる。図5に示されるように、統計データ3では、各行において、列A1の位置情報に対して、列B1、列B2、列C1、列C2、列C3、列C4及び列C5の各種情報が関連付けられている。
【0055】
列B1及び列B2の情報は、ライダーの操作情報である。このように、統計データ3では、位置情報に対してライダーの操作情報が関連付けられている。つまり、統計データ3は、どの地点でどのような操作が行われたのかを示す情報を含んでいる。なお、列C1、列C2、列C3、列C4及び列C5の情報は、ライダーの操作情報以外の付加的な情報である。
【0056】
統計データ3中の列B1の情報は、アダプティブクルーズコントロールを解除する操作の情報である。各鞍乗り型車両1において、制御装置20は、例えば、入力装置13を用いてアダプティブクルーズコントロールを解除する操作が行われた場合、又は、アダプティブクルーズコントロールを解除するためのブレーキ操作が行われた場合、アダプティブクルーズコントロールを解除する操作が行われたと判断する。
【0057】
統計データ3中の列B2の情報は、車体挙動を変化させる操作の情報である。各鞍乗り型車両1において、制御装置20は、例えば、慣性計測装置15の検出結果に基づいて、鞍乗り型車両1のピッチ角又はリーン角が大きく変化したと判断した場合に、車体挙動を変化させる操作が行われたと判断する。また、制御装置20は、鞍乗り型車両1に大きな減速度が生じたと判断した場合に、車体挙動を変化させる操作としてのブレーキ操作が行われたと判断してもよい。
【0058】
統計データ3中の列C1の情報は、環境情報である。環境情報は、鞍乗り型車両1の外部環境に関する情報である。環境情報は、例えば、天候情報、季節情報、時間帯情報、明るさ情報、気温情報、湿度情報、路面情報等を含み得る。時間帯情報としては、例えば、朝方の時間帯であるか、昼の時間帯であるか、夕方の時間帯であるか、夜の時間帯であるかを示す情報が挙げられる。明るさ情報としては、例えば、鞍乗り型車両1の周辺の輝度を示す情報が挙げられる。路面情報としては、例えば、路面のクラックに関する情報、路面の窪みに関する情報、路面上の障害物(例えば、木の枝、又は、葉っぱ等)に関する情報等が挙げられる。各鞍乗り型車両1において、制御装置20は、例えば、インフラストラクチャ設備から受信する情報、又は、慣性計測装置15の検出結果に基づいて、環境情報を取得し得る。
【0059】
統計データ3中の列C2の情報は、車両情報である。車両情報は、鞍乗り型車両1自体に関する情報である。車両情報は、例えば、車種情報、タイヤ情報、排気量情報等を含み得る。タイヤ情報としては、鞍乗り型車両1に装着されるタイヤの種類の情報、タイヤ交換を行ってからの経過時間に関する情報等が挙げられる。各鞍乗り型車両1において、制御装置20は、例えば、車両情報を予め記憶している。
【0060】
統計データ3中の列C3の情報は、搭乗者情報及び積載物情報の少なくとも一方である。搭乗者情報は、鞍乗り型車両1に搭乗している搭乗者に関する情報である。搭乗者情報としては、搭乗者の人数を示す情報、搭乗者の体重を示す情報等が挙げられる。積載物情報は、鞍乗り型車両1に搭載されている荷物に関する情報である。積載物情報としては、荷物の有無を示す情報、荷物の数を示す情報、荷物の重量を示す情報等が挙げられる。各鞍乗り型車両1において、制御装置20は、例えば、着座センサ等の各種センサの検出結果に基づいて、搭乗者情報及び積載物情報を取得し得る。
【0061】
統計データ3中の列C4の情報は、アダプティブクルーズコントロールの設定情報である。例えば、アダプティブクルーズコントロールには、複数のモードが用意されており、モードによって、アンチロックブレーキ制御の実行されやすさ、又は、アンチロックブレーキ制御の効き具合等の制御の特性が異なる。アダプティブクルーズコントロールの設定情報としては、例えば、アダプティブクルーズコントロールのモードの設定に関する情報等が挙げられる。各鞍乗り型車両1において、制御装置20は、例えば、アダプティブクルーズコントロールの設定情報を記憶している。
【0062】
統計データ3中の列C5の情報は、ライダーの運転特性情報である。ライダーの運転特性情報は、ライダーの運転特性に関する種々の情報を含み得る。ライダーの運転特性情報としては、例えば、ライダーの熟練度を示す評価値、当該熟練度の程度が数段階で表現されたラフな情報、ライダーによる急加速及び急減速の頻度に関する情報等が挙げられる。各鞍乗り型車両1において、制御装置20は、例えば、ライダーがどのような運転を行ったかの履歴を示す情報に基づいて、ライダーの運転特性情報を随時更新し、記憶している。
【0063】
ステップS102では、上述したように、サーバ2は、統計データ3に基づいて、アダプティブクルーズコントロールでの自車両1の加速を抑制することが推奨される地点である加速抑制地点を決定する。そして、サーバ2は、加速抑制地点の情報を制御装置20に対して送信する。
【0064】
サーバ2は、例えば、アダプティブクルーズコントロールを解除する操作が多く行われる地点(つまり、アダプティブクルーズコントロールが頻繁に解除される地点)を加速抑制地点として決定する。例えば、ETC(Electronic Toll Collection System)ゲートの近傍、又は、多くの葉っぱが堆積している路面等において、アダプティブクルーズコントロールを解除する操作が多く行われる。このような地点では、アダプティブクルーズコントロールでの自車両1の加速が、自車両1のライダーにとって不意な加速になりやすい。
【0065】
上述したように、統計データ3では、列B1のアダプティブクルーズコントロールを解除する操作の情報と列A1の位置情報とが関連付けられている。よって、サーバ2は、統計データ3中の列B1のアダプティブクルーズコントロールを解除する操作の情報を参照して、アダプティブクルーズコントロールを解除する操作が多く行われる地点を加速抑制地点として決定することができる。例えば、サーバ2は、ある地点を示す位置情報が列A1に格納されている全てのデータ行を抽出し、抽出した全てのデータ行のうち、アダプティブクルーズコントロールを解除する操作が行われたことを示す情報が列B1に格納されているデータ行の割合が閾値を上回る場合、その地点を加速抑制地点として決定する。サーバ2は、このような処理を各地点に対して繰り返し行う。
【0066】
また、サーバ2は、例えば、車体挙動を変化させる操作が多く行われる地点(つまり、鞍乗り型車両1の車体挙動の変化が大きい地点)を加速抑制地点として決定する。例えば、未舗装路等の荒れた路面において、車体挙動を変化させる操作が多く行われる。このような地点では、アダプティブクルーズコントロールでの自車両1の加速が、自車両1のライダーにとって不意な加速になりやすい。
【0067】
上述したように、統計データ3では、列B2の車体挙動を変化させる操作の情報と列A1の位置情報とが関連付けられている。よって、サーバ2は、統計データ3中の列B2の車体挙動を変化させる操作の情報を参照して、車体挙動を変化させる操作が多く行われる地点を加速抑制地点として決定することができる。例えば、サーバ2は、ある地点を示す位置情報が列A1に格納されている全てのデータ行を抽出し、抽出した全てのデータ行のうち、車体挙動を変化させる操作が行われたことを示す情報が列B2に格納されているデータ行の割合が閾値を上回る場合、その地点を加速抑制地点として決定する。サーバ2は、このような処理を各地点に対して繰り返し行う。
【0068】
なお、サーバ2は、アダプティブクルーズコントロールを解除する操作が多く行われる地点、及び、車体挙動を変化させる操作が多く行われる地点の両方を加速抑制地点として決定してもよく、それらの地点の一方のみを加速抑制地点として決定してもよい。
【0069】
ここで、統計データ3では、上述したように、列B1及び列B2のライダーの操作情報には、列A1の位置情報に加えて、列C1、列C2、列C3、列C4及び列C5の付加的な情報がさらに関連付けられている。ゆえに、サーバ2は、列C1、列C2、列C3、列C4及び列C5の付加的な情報を参照して、自車両1の現在の状況に適合する情報を統計データ3から抽出した上で、加速抑制地点を決定することができる。
【0070】
例えば、サーバ2は、列C1の環境情報を参照して、自車両1の現在の外部環境に適合する情報を統計データ3から抽出した上で、加速抑制地点を決定してもよい。例えば、現在の天候が雨である場合、サーバ2は、天候が雨であることを示す情報が列C1に格納されているデータ行のみを抽出し、抽出したデータ行のみを用いて、上記のように加速抑制地点を決定してもよい。
【0071】
また、例えば、サーバ2は、列C2の車両情報を参照して、自車両1の車両情報に適合する情報を統計データ3から抽出した上で、加速抑制地点を決定してもよい。例えば、サーバ2は、自車両1の車種と同一の車種を示す情報が列C2に格納されているデータ行のみを抽出し、抽出したデータ行のみを用いて、上記のように加速抑制地点を決定してもよい。
【0072】
また、例えば、サーバ2は、列C3の搭乗者情報又は積載物情報を参照して、自車両1の搭乗者又は積載物の情報に適合する情報を統計データ3から抽出した上で、加速抑制地点を決定してもよい。例えば、自車両1に同乗者が搭乗していない場合、サーバ2は、同乗者が搭乗していないことを示す情報が列C3に格納されているデータ行のみを抽出し、抽出したデータ行のみを用いて、上記のように加速抑制地点を決定してもよい。
【0073】
また、例えば、サーバ2は、列C4のアダプティブクルーズコントロールの設定情報を参照して、自車両1のアダプティブクルーズコントロールの設定に適合する情報を統計データ3から抽出した上で、加速抑制地点を決定してもよい。例えば、サーバ2は、自車両1において現在設定されているアダプティブクルーズコントロールのモードと同一のモードを示す情報が列C4に格納されているデータ行のみを抽出し、抽出したデータ行のみを用いて、上記のように加速抑制地点を決定してもよい。
【0074】
また、例えば、サーバ2は、列C5のライダーの運転特性情報を参照して、自車両1のライダーの運転特性に適合する情報を統計データ3から抽出した上で、加速抑制地点を決定してもよい。例えば、サーバ2は、熟練度を示す評価値が自車両1のライダーの熟練度と近い値であることを示す情報が列C5に格納されているデータ行のみを抽出し、抽出したデータ行のみを用いて、上記のように加速抑制地点を決定してもよい。
【0075】
なお、サーバ2は、加速抑制地点を決定する際に、列C1、列C2、列C3、列C4及び列C5の付加的な情報のうちの任意の複数種類の情報を参照して、自車両1のライダーの運転特性に適合する情報を統計データ3から抽出してもよい。
【0076】
上記では、図5を参照して統計データ3について説明したが、図5の例はあくまでも一例である。統計データ3では、少なくともライダーの操作情報と位置情報とが関連付けられていればよく、統計データ3は図5の例に限定されない。
【0077】
例えば、図5の例に対して、列B1のアダプティブクルーズコントロールを解除する操作の情報、及び、列B2の車体挙動を変化させる操作の情報のうちの一方が省略されてもよい。また、例えば、図5の例に対して、列C1、列C2、列C3、列C4及び列C5の付加的な情報のうちの任意の一部、又は、全部が省略されてもよい。また、例えば、図5の例に対して、他の種類の情報が格納された列が追加されてもよい。
【0078】
また、例えば、列B1に格納される情報として、アダプティブクルーズコントロールを解除する操作の情報に替えて又は加えて、アダプティブクルーズコントロールを変化させる操作の情報が採用されてもよい。アダプティブクルーズコントロールを変化させる操作の情報は、ライダーの操作情報の一例に相当する。アダプティブクルーズコントロールを変化させる操作としては、例えば、アダプティブクルーズコントロールにおける加速度上限値及び加速度変化率上限値の少なくとも一方を低減する操作等が挙げられる。この場合、サーバ2は、例えば、アダプティブクルーズコントロールを変化させる操作が多く行われる地点を加速抑制地点として決定してもよい。
【0079】
図4のステップS102の次に、ステップS103において、実行部22は、自車両1が加速抑制地点を含む領域に進入したか否かを判定する。
【0080】
ステップS103では、実行部22は、例えば、加速抑制地点を中心とする所定距離以内の範囲の領域を設定する。そして、自車両1が上記の領域に進入したか否かを判定する。つまり、自車両1が上記の領域に進入したことは、自車両1が加速抑制地点に対して上記の所定距離だけ手前に位置することに相当する。
【0081】
自車両1が加速抑制地点を含む領域に進入していないと判定された場合(ステップS103/NO)、ステップS103が繰り返される。一方、自車両1が加速抑制地点を含む領域に進入したと判定された場合(ステップS103/YES)、ステップS104に進む。
【0082】
ステップS103でYESと判定された場合、ステップS104において、実行部22は、加速抑制動作を開始する。
【0083】
上述したように、加速抑制動作は、自車両1において実行されるアダプティブクルーズコントロールでの自車両1の加速を抑制する動作である。実行部22は、加速抑制動作において、例えば、エンジン11及び液圧制御ユニット12の動作を制御することによって、自車両1の加速を抑制する。
【0084】
加速抑制動作は、例えば、自車両1に生じる加速度を、加速抑制動作が不要であると判定される場合よりも低くする動作であってもよい。以下、このような動作を第1動作とも呼ぶ。
【0085】
例えば、実行部22は、アダプティブクルーズコントロールにおいて、自車両1に生じる加速度を加速度上限値以下になるように制御する。そして、実行部22は、第1動作において、加速度上限値を、加速抑制動作が不要であると判定される場合と比べて、小さくする。それにより、自車両1に生じる加速度が、加速抑制動作が不要であると判定される場合よりも低くなる。
【0086】
ただし、実行部22は、第1動作において、加速度上限値を低減する以外の方法によって、自車両1に生じる加速度を低くしてもよい。例えば、実行部22は、第1動作において、自車両1に生じる加速度の目標値自体を低減することによって、自車両1に生じる加速度を低くしてもよい。
【0087】
また、加速抑制動作は、例えば、自車両1に生じる加速度変化率を、加速抑制動作が不要であると判定される場合よりも低くする動作であってもよい。以下、このような動作を第2動作とも呼ぶ。
【0088】
例えば、実行部22は、アダプティブクルーズコントロールにおいて、自車両1に生じる加速度変化率を加速度変化率上限値以下になるように制御する。そして、実行部22は、第2動作において、加速度変化率上限値を、加速抑制動作が不要であると判定される場合と比べて、小さくする。それにより、自車両1に生じる加速度変化率が、加速抑制動作が不要であると判定される場合よりも低くなる。
【0089】
ただし、実行部22は、第2動作において、加速度変化率上限値を低減する以外の方法によって、自車両1に生じる加速度変化率を低くしてもよい。例えば、実行部22は、第2動作において、自車両1に生じる加速度変化率の目標値自体を低減することによって、自車両1に生じる加速度変化率を低くしてもよい。
【0090】
なお、実行部22は、上述した第1動作及び第2動作の両方を加速抑制動作として実行してもよく、第1動作及び第2動作の一方を加速抑制動作として実行しなくてもよい。また、実行部22は、第1動作及び第2動作の少なくとも一方に替えて又は加えて、自車両1と対象との目標位置関係を、加速抑制動作が不要であると判定される場合と比べて、自車両1が対象から遠ざかった位置関係にする動作を加速抑制動作として実行してもよい。そのような加速抑制動作としては、例えば、目標車間距離又は目標通過時間差を、加速抑制動作が不要であると判定される場合と比べて長くする動作が挙げられる。
【0091】
ステップS104の次に、ステップS105において、実行部22は、自車両1が加速抑制地点を含む領域から退出したか否かを判定する。
【0092】
上述したように、上記の領域は、例えば、加速抑制地点を中心とする所定距離以内の範囲の領域に設定される。つまり、自車両1が上記の領域から退出したことは、自車両1が加速抑制地点に対して上記の所定距離だけ先に進んだことに相当する。
【0093】
自車両1が加速抑制地点を含む領域から退出していないと判定された場合(ステップS105/NO)、ステップS105が繰り返される。一方、自車両1が加速抑制地点を含む領域から退出したと判定された場合(ステップS105/YES)、ステップS106に進む。
【0094】
ステップS105でYESと判定された場合、ステップS106において、実行部22は、加速抑制動作を終了し、ステップS103に戻る。
【0095】
上記のように、図4のフローチャートでは、ステップS103~ステップS106の処理が繰り返される。ゆえに、自車両1の走行ルート上に加速抑制地点を含む領域が複数存在する場合、各領域において、実行部22は、加速抑制動作を実行する。具体的には、実行部22は、自車両1が加速抑制地点を含む領域内に位置する場合に、加速抑制動作を実行する。
【0096】
以上説明したように、本実施形態では、サーバ2は、複数の鞍乗り型車両1から情報を収集して管理し、アダプティブクルーズコントロールに用いられる情報を各鞍乗り型車両1に送信する。具体的には、サーバ2は、各鞍乗り型車両1から送信された各種情報に基づいて統計データ3を生成し、統計データ3に基づいて加速抑制地点を決定し、加速抑制地点の情報を各鞍乗り型車両1に対して送信する。そして、各鞍乗り型車両1において、実行部22は、加速抑制地点の情報に基づいて、加速抑制動作を実行する。
【0097】
上記のように、本実施形態では、制御装置20の実行部22は、自車両1以外の鞍乗り型車両1である複数の他車両において実行されるアダプティブクルーズコントロールでの他車両のライダーの操作情報と位置情報とが関連付けられている統計データ3に基づいて、自車両1において実行されるアダプティブクルーズコントロールでの自車両1の加速を抑制する動作である加速抑制動作を実行する。それにより、アダプティブクルーズコントロールを利用して走行する他車両のライダーが各地点で行った操作を加味して、アダプティブクルーズコントロールでの自車両1の加速を抑制することができる。ゆえに、アダプティブクルーズコントロールでの自車両1の加速に起因する安全性の低下を抑制できる。よって、鞍乗り型車両1の安全性を向上させることができる。
【0098】
また、上記のように、本実施形態では、制御装置20の出力部(上記の例では、通信部21)は、自車両1以外の鞍乗り型車両1である他車両において実行されるアダプティブクルーズコントロールでの他車両の加速を抑制する動作である加速抑制動作に用いられる統計データ3において位置情報と関連付けられる情報としての、自車両1において実行されるアダプティブクルーズコントロールでの自車両1のライダーの操作情報を出力する。それにより、アダプティブクルーズコントロールを利用して走行する自車両1のライダーが各地点で行った操作を加味して、アダプティブクルーズコントロールでの他車両の加速を抑制することができる。ゆえに、アダプティブクルーズコントロールでの他車両の加速に起因する安全性の低下を抑制できる。よって、鞍乗り型車両1の安全性を向上させることができる。
【0099】
上記では、図4のフローチャートを参照して、制御装置20が行う処理例について説明した。ただし、制御装置20が行う処理は、上記で説明した処理例に対して変更が加えられた処理であってもよい。
【0100】
例えば、上記の例で制御装置20が行っている処理の一部がサーバ2によって行われてもよく、上記の例でサーバ2が行っている処理の一部が制御装置20によって行われてもよい。例えば、サーバ2から制御装置20に統計データ3自体が送信され、制御装置20が、受信した統計データ3に基づいて加速抑制地点を決定してもよい。また、例えば、サーバ2が、加速抑制地点の送信を行わず、統計データ3に基づいて加速抑制動作の制御指令を制御装置20に送信してもよい。
【0101】
<制御装置の効果>
本発明の実施形態に係る制御装置20の効果について説明する。
【0102】
制御装置20は、自車両1のライダーによる加減速操作によらずに自車両1の速度を自動で制御する速度制御動作(上記の例では、アダプティブクルーズコントロール)を実行する実行部22を備える。そして、実行部22は、自車両1以外の鞍乗り型車両1である複数の他車両において実行される速度制御動作での他車両のライダーの操作情報と位置情報とが関連付けられている統計データ3に基づいて、自車両1において実行される速度制御動作での自車両1の加速を抑制する動作である加速抑制動作を実行する。それにより、速度制御動作を利用して走行する他車両のライダーが各地点で行った操作を加味して、速度制御動作での自車両1の加速を抑制することができる。ゆえに、速度制御動作での自車両1の加速に起因する安全性の低下を抑制できる。よって、鞍乗り型車両1の安全性を向上させることができる。
【0103】
好ましくは、制御装置20において、操作情報は、速度制御動作を解除する、又は、変化させる操作の情報を含む。それにより、速度制御動作を利用して走行する他車両のライダーが各地点で行った速度制御動作を解除する、又は、変化させる操作を加味して、速度制御動作での自車両1の加速を抑制することができる。例えば、速度制御動作を解除する、又は、変化させる操作が多く行われる地点の付近において、加速抑制動作を実行し、速度制御動作での自車両1の加速を抑制することができる。ゆえに、鞍乗り型車両1の安全性を向上させることが適切に実現される。
【0104】
好ましくは、制御装置20において、操作情報は、車体挙動を変化させる操作の情報を含む。それにより、速度制御動作を利用して走行する他車両のライダーが各地点で行った車体挙動を変化させる操作を加味して、速度制御動作での自車両1の加速を抑制することができる。例えば、車体挙動を変化させる操作が多く行われる地点の付近において、加速抑制動作を実行し、速度制御動作での自車両1の加速を抑制することができる。ゆえに、鞍乗り型車両1の安全性を向上させることが適切に実現される。
【0105】
好ましくは、制御装置20において、統計データ3において、操作情報には、位置情報に加えて、環境情報がさらに関連付けられている。それにより、自車両1の現在の外部環境に適合する情報を統計データ3から抽出した上で、速度制御動作を利用して走行する他車両のライダーが各地点で行った操作を加味して、速度制御動作での自車両1の加速を抑制することができる。ゆえに、自車両1の現在の外部環境を考慮して、加速抑制動作を実行する地点を適正化できるので、鞍乗り型車両1の安全性をより適切に向上させることができる。
【0106】
好ましくは、制御装置20において、統計データ3において、操作情報には、位置情報に加えて、車両情報がさらに関連付けられている。それにより、自車両1の車両情報に適合する情報を統計データ3から抽出した上で、速度制御動作を利用して走行する他車両のライダーが各地点で行った操作を加味して、速度制御動作での自車両1の加速を抑制することができる。ゆえに、自車両1の車両情報を考慮して、加速抑制動作を実行する地点を適正化できるので、鞍乗り型車両1の安全性をより適切に向上させることができる。
【0107】
好ましくは、制御装置20において、統計データ3において、操作情報には、位置情報に加えて、搭乗者情報及び積載物情報の少なくとも一方がさらに関連付けられている。それにより、自車両1の搭乗者又は積載物の情報に適合する情報を統計データ3から抽出した上で、速度制御動作を利用して走行する他車両のライダーが各地点で行った操作を加味して、速度制御動作での自車両1の加速を抑制することができる。ゆえに、自車両1の搭乗者又は積載物の情報を考慮して、加速抑制動作を実行する地点を適正化できるので、鞍乗り型車両1の安全性をより適切に向上させることができる。
【0108】
好ましくは、制御装置20において、統計データ3において、操作情報には、位置情報に加えて、速度制御動作の設定情報がさらに関連付けられている。それにより、自車両1の速度制御動作の設定に適合する情報を統計データ3から抽出した上で、速度制御動作を利用して走行する他車両のライダーが各地点で行った操作を加味して、速度制御動作での自車両1の加速を抑制することができる。ゆえに、自車両1の速度制御動作の設定を考慮して、加速抑制動作を実行する地点を適正化できるので、鞍乗り型車両1の安全性をより適切に向上させることができる。
【0109】
好ましくは、制御装置20において、統計データ3において、操作情報には、位置情報に加えて、ライダーの運転特性情報がさらに関連付けられている。それにより、自車両1のライダーの運転特性に適合する情報を統計データ3から抽出した上で、速度制御動作を利用して走行する他車両のライダーが各地点で行った操作を加味して、速度制御動作での自車両1の加速を抑制することができる。ゆえに、自車両1のライダーの運転特性を考慮して、加速抑制動作を実行する地点を適正化できるので、鞍乗り型車両1の安全性をより適切に向上させることができる。
【0110】
好ましくは、制御装置20において、加速抑制動作は、自車両1に生じる加速度を、加速抑制動作が不要であると判定される場合よりも低くする動作である。それにより、自車両1において実行される速度制御動作での自車両1の加速を加速抑制動作によって抑制することが適切に実現される。
【0111】
好ましくは、制御装置20において、加速抑制動作は、自車両1に生じる加速度変化率を、加速抑制動作が不要であると判定される場合よりも低くする動作である。それにより、自車両1において実行される速度制御動作での自車両1の加速を加速抑制動作によって抑制することが適切に実現される。
【0112】
好ましくは、制御装置20において、速度制御動作は、自車両1と対象との位置関係が目標位置関係に近づくように自車両1の速度を自動で制御する動作である。それにより、そのような速度制御動作(例えば、アダプティブクルーズコントロール)での自車両1の加速に起因する安全性の低下を抑制できる。よって、自車両1と対象との位置関係が目標位置関係に近づくように自車両1の速度を自動で制御する動作が速度制御動作として実行される場合において、鞍乗り型車両1の安全性を向上させることができる。
【0113】
また、制御装置20は、自車両1のライダーによる加減速操作によらずに自車両1の速度を自動で制御する速度制御動作(上記の例では、アダプティブクルーズコントロール)を実行する実行部22を備える。さらに、制御装置20は、自車両1以外の鞍乗り型車両1である他車両において実行される速度制御動作での他車両の加速を抑制する動作である加速抑制動作に用いられる統計データ3において位置情報と関連付けられる情報としての、自車両1において実行される速度制御動作での自車両1のライダーの操作情報を出力する出力部(上記の例では、通信部21)を備える。それにより、速度制御動作を利用して走行する自車両1のライダーが各地点で行った操作を加味して、速度制御動作での他車両の加速を抑制することができる。ゆえに、速度制御動作での他車両の加速に起因する安全性の低下を抑制できる。よって、鞍乗り型車両1の安全性を向上させることができる。
【0114】
本発明は実施形態の説明に限定されない。例えば、実施形態の一部のみが実施されてもよい。
【符号の説明】
【0115】
1 鞍乗り型車両(自車両)、2 サーバ、2a 通信部、2b 生成部、2c 記憶部、3 統計データ、11 エンジン、12 液圧制御ユニット、13 入力装置、14 ナビゲーション装置、15 慣性計測装置、16 周囲環境センサ、17 前輪車輪速センサ、18 後輪車輪速センサ、20 制御装置、21 通信部(出力部)、22 実行部、A1 列、B1 列、B2 列、C1 列、C2 列、C3 列、C4 列、C5 列、N1 通信ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5