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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166970
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】特装車
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/28 20060101AFI20241122BHJP
【FI】
B60P1/28 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083420
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】弁理士法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 政登
(57)【要約】      (修正有)
【課題】サブフレームの左・右縦桁で挟まれた空間スペースが、架装体傾動用の枢軸(左・右ピン)のために減ぜられるのを回避可能として、その空間スペースでの設計自由度を高める。
【解決手段】架装体の下方に配置されてシャシフレーム1上に搭載され且つ架装体を枢軸を介して後方傾動可能に支持するサブフレーム10を備えた特装車において、前記枢軸は、サブフレーム10の右縦桁12の後部に基部が固定され且つ先部が右側方に延出する右ピンP2と、右ピンP2と同一軸線上に配置されてサブフレームの左縦桁11の後部に基部が固定され且つ先部が左側方に延出する左ピンP1とから分割構成される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
架装体(2)と、その架装体(2)の下方に配置されてシャシフレーム(1)上に搭載され且つ前記架装体(2)を枢軸(P1,P2)を介して後方傾動可能に支持するサブフレーム(10)と、このサブフレーム(10)と前記架装体(2)間に介設されて前記後方傾動を強制的に行わせる駆動装置(CY)とを備え、前記サブフレーム(10)が、左右方向に互いに間隔をおいて前後方向に各々延びる左・右縦桁(11,12)を含む特装車において、
前記枢軸は、前記右縦桁(12)の後部に基部(Pb)が固定され且つ先部(Pa)が右側方に延出する右ピン(P2)と、その右ピン(P2)と同一軸線上に配置されて前記左縦桁(11)の後部に基部(Pb)が固定され且つ先部(Pa)が左側方に延出する左ピン(P1)とから分割構成されることを特徴とする特装車。
【請求項2】
前記左・右縦桁(11,12)間には、車載付属品(L3,L4)が前記左・右ピン(P1,P2)と側面視で少なくとも一部がオーバラップするように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の特装車。
【請求項3】
前記サブフレーム(10)には、前記架装体(2)の重量を受け止め可能な複数のロードセル(L1~L4)が連結され、
前記付属品は、少なくとも一部のロードセル(L3,L4)であることを特徴とする、請求項2に記載の特装車。
【請求項4】
前記右ピン(P2)は、前記右縦桁(12)に固着した円筒状の右支持ボス(15)に、また前記左ピン(P1)は、前記左縦桁(11)に固着した円筒状の左支持ボス(14)にそれぞれ挿着されることを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載の特装車。
【請求項5】
前記右支持ボス(15)は、前記右縦桁(12)に係合する外向きの外側段差部(s1)と、前記右ピン(P2)の外周フランジ部(Pf)に係合する内側段差部(s2)とを有し、また前記左支持ボス(14)は、前記左縦桁(11)に係合する外向きの外側段差部(s1)と、前記左ピン(P1)の外周フランジ部(Pf)に係合する内側段差部(s2)とを有することを特徴とする、請求項4に記載の特装車。
【請求項6】
前記サブフレーム(10)の後部には、前前記左・右ピン(P1,P2)間に介在する前記ロードセル(L3,L4)を覆うカバー(18)が支持されることを特徴とする、請求項3に記載の特装車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特装車、特に架装体と、その架装体の下方に配置されてシャシフレーム上に搭載され且つ架装体を枢軸を介して後方傾動可能に支持するサブフレームと、このサブフレームと架装体間に介設されて架装体の後方傾動を強制的に行わせる駆動装置とを備え、サブフレームが、左右方向に互いに間隔をおいて前後方向に各々延びる左・右縦桁を含む特装車に関する。
【背景技術】
【0002】
架装体を枢軸を介して後方傾動可能に支持するシャシフレームと、架装体の後方傾動を強制的に行わせる駆動装置とを備え、シャシフレームが、左右方向に互いに間隔をおいて前後方向に各々延びる左・右縦桁を有している特装車は、例えば下記の特許文献1に開示されるように従来公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭50-87620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の特装車では、シャシフレームの左・右縦桁に両端支持されてシャシフレームを横切る長い1本の枢軸により架装体が傾動可能に支持されている。そのため、その左・右縦桁間に挟まれた、上記枢軸が横切る車体空間には、車載付属品を配備できず、それだけ付属品の配置自由度が狭くなる問題がある。そして、この問題は、シャシフレーム上に搭載されるサブフレームに架装体を傾動可能に軸支させる特装車においても、同様に発生する。
【0005】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、従来構造の課題を解決可能として特装車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、架装体と、その架装体の下方に配置されてシャシフレーム上に搭載され且つ前記架装体を枢軸を介して後方傾動可能に支持するサブフレームと、このサブフレームと前記架装体間に介設されて前記後方傾動を強制的に行わせる駆動装置とを備え、前記サブフレームが、左右方向に互いに間隔をおいて前後方向に各々延びる左・右縦桁を含む特装車において、前記枢軸は、前記右縦桁の後部に基部が固定され且つ先部が右側方に延出する右ピンと、その右ピンと同一軸線上に配置されて前記左縦桁の後部に基部が固定され且つ先部が左側方に延出する左ピンとから分割構成されることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記左・右縦桁間には、車載付属品が前記左・右ピンと側面視で少なくとも一部がオーバラップするように配置されることを第2の特徴とする。
【0008】
また本発明は、第2の特徴に加えて、前記サブフレームには、前記架装体の重量を受け止め可能な複数のロードセルが連結され、前記付属品は、少なくとも一部のロードセルであることを第3の特徴とする。
【0009】
また本発明は、第1~第3の何れかの特徴に加えて、前記右ピンは、前記右縦桁に固着した円筒状の右支持ボスに、また前記左ピンは、前記左縦桁に固着した円筒状の左支持ボスにそれぞれ挿着されることを第4の特徴とする。
【0010】
また本発明は、第4の特徴に加えて、前記右支持ボスは、前記右縦桁に係合する外向きの外側段差部と、前記右ピンの外周フランジ部に係合する内側段差部とを有し、また前記左支持ボスは、前記左縦桁に係合する外向きの外側段差部と、前記左ピンの外周フランジ部に係合する内側段差部とを有することを第5の特徴とする。
【0011】
また本発明は、第3の特徴に加えて、前記サブフレームの後部には、前記左・右ピン間に介在する前記ロードセルを覆うカバーが支持されることを第6の特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1の特徴によれば、架装体の下方に配置されて架装体を枢軸を介して後方傾動可能に支持するサブフレームを備え、サブフレームが、左右方向に互いに間隔をおいて前後方向に各々延びる左・右縦桁を含む特装車において、枢軸は、右縦桁の後部に基部が固定され且つ先部が右側方に延出する右ピンと、その右ピンと同一軸線上に配置されて左縦桁の後部に基部が固定され且つ先部が左側方に延出する左ピンとから分割構成されるので、サブフレームの左・右縦桁で挟まれた空間スペースが、架装体傾動用の枢軸(左・右ピン)のために減ぜられるのを回避可能とし、これにより、その空間スペースでの設計自由度を高めることができる。
【0013】
また第2の特徴によれば、左・右縦桁間には、車載付属品が左・右ピンと側面視で少なくとも一部がオーバラップするように配置されるので、サブフレームの左・右縦桁で挟まれた空間の、特に左・右ピンに対応する空間領域を、車載付属品の設置スペースとして有効活用できる。
【0014】
また第3の特徴によれば、サブフレームには、架装体の重量を受け止め可能な複数のロードセルが連結され、付属品は、少なくとも一部のロードセルであるので、サブフレームの左・右縦桁で挟まれた空間スペースの、特に左・右ピンに対応する空間領域を、ロードセルの設置スペースとして有効活用できる。
【0015】
また第4の特徴によれば、右ピンは、右縦桁に固着した円筒状の右支持ボスに、また左ピンは、左縦桁に固着した円筒状の左支持ボスにそれぞれ挿着されるので、左・右支持ボスを介して左・右ピンを左・右縦桁にそれぞれ強固に支持させることができる。
【0016】
また第5の特徴によれば、右支持ボスは、右縦桁に係合する外向きの外側段差部と、右ピンの外周フランジ部に係合する内側段差部とを有し、また左支持ボスは、左縦桁に係合する外向きの外側段差部と、左ピンの外周フランジ部に係合する内側段差部とを有するので、架装体の傾動時に架装体からの大きな傾動荷重で左・右ピンが外側方に抜け出すのを、上記した第1,第2内・外側段差部により強固に阻止することができる。
【0017】
また第6の特徴によれば、サブフレームの後部には、左・右ピン間に介在するロードセルを覆うカバーが支持されるので、そのロードセルが架装体の傾動支点近く(従って後端寄り)に配置されても、そこに飛散する異物からロードセルを効果的に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態に係る計量機能付き塵芥収集車の概要を示す全体側面図
図2】上記塵芥収集車の要部拡大側面図
図3】上記塵芥収集車におけるサブフレーム単品を示す平面図及び部分拡大縦断面図
図4】上記サブフレームの右側の湾曲部及びその周辺部を、補強板19の一部を切欠いて示す部分拡大平面図(図3の4X矢視部の一部切欠拡大平面図)
図5】上記サブフレームをサポートフレームを挟んでシャシフレーム上に重ね合わせた組立状態を示す平面図
図6】サポートフレーム単品を示す平面図
図7】シャシフレーム、サポートフレーム及びサブフレーム相互の関係を示す分解側面図
図8図2の8X矢視部の拡大側面図
図9図2の9X-9X線より見た拡大断面図
図10図8の10X-10X線より見た拡大断面図
図11図10の11X-11X線より見た断面図
図12】第2の実施形態に係る計量機能付き塵芥収集車を示す要部側面図(図2対応図)
図13】第2の実施形態に係るサブフレーム単品を示す平面図(図3対応図)
図14】第2の実施形態に係る左前部のロードセルL1のサブフレームへの取付状態を示す一部破断拡大平面図(図13の14X矢視部の拡大図)
図15図14の15X-15X線より見た断面図
図16図12の16X-16X線より見た拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1の実施形態を、添付図面により以下に具体的に説明する。
【0020】
この第1の実施形態は、本発明に係る特装車を塵芥収集車に実施した一例である。即ち、図1図2及び図8において、特装車としての塵芥収集車Vは、シャシフレーム1上に搭載、連結されたサブフレーム10と、サブフレーム10上に架装された架装体としての塵芥収集装置2とを備える。
【0021】
そして、塵芥収集装置2は、サブフレーム10の後端部に枢軸(後述する左・右ピンP1,P2)を介して支持されて前上がりの傾動位置とサブフレーム10上の伏倒位置(図1図2に示す位置)との間を揺動可能な塵芥収容箱3と、塵芥収容箱3を伏倒位置から傾動位置まで強制傾動させる駆動装置としのダンプシリンダCYと、その塵芥収容箱3の後端上部に左右一対のヒンジ軸P3を介して後上がりに傾動駆動可能に支持されて塵芥収容箱3の開放後端を開閉可能な塵芥投入箱4と、その塵芥投入箱4内に配設されて塵芥投入箱4内への投入塵芥を塵芥収容箱3内に積み込み可能な従来周知の塵芥積込装置(図示せず)とを有する。
【0022】
塵芥投入箱4の後面には、図示はしないが、扉で開閉可能な投入口が設けられており、その投入口から塵芥投入箱4内に廃棄物が作業員により投入される。尚、塵芥収集装置2の上記した構成及び機能は従来周知であるので、これ以上の説明は省略する。
【0023】
図3図7も併せて参照して、塵芥収容箱3の底部には、左右に間隔をおいて並んで前後方向に延びる左右の縦桁5が固着(例えば溶接)され、その左右の縦桁5の下面は、塵芥収容箱3が伏倒位置にあるときにサブフレーム10の後述する左右の縦フレーム11,12上に対向、近接する。縦フレーム11,12の上面適所には、塵芥収容箱3を前記傾動位置から伏倒位置に揺動させて塵芥収容箱3底部の縦桁5を縦フレーム11,12上に載置させる際の衝撃を吸収する硬質ゴムを主成分とする帯板状の前・後載置板161 ,162 が適当な固定手段(例えば接着、ボルト結合等)固定される。
【0024】
シャシフレーム1は、図5図7で明らかなように、左右に間隔をおいて並んで前後方向に延びる左右の縦杆1L,1Rと、その両縦杆1L,1R間を一体的に結合する複数のクロスメンバ1Cとを備える。その左右の縦杆1L,1R上には、サブフレーム10の縦フレーム11,12直下に位置するサポートフレーム20が、ゴムシート17を介して載置され且つ複数のUボルトub1で着脱可能に固定される。またサポートフレーム20とサブフレーム10との間には、前後左右に相互に間隔をおいて分散配置される第1~第4ロードセルL1~L4が介設される。
【0025】
第1の実施形態において、特に前側の左右の第1,第2ロードセルL1,L2は各々の軸線が左右方向に配置され、また後側の左右の第3,第4ロードセルL3,L4は各々の軸線が前後方向に配置される。そして、何れのロードセルL1~L4も、後述するように、セルケース40が前記サポートフレーム20(従ってシャシフレーム1)に前後左右の第1~第4ブラケットB1~B4を介して両持ち支持され、且つセルケース40の軸方向中間部がサブフレーム10に前後左右の第1~第4連結支持体J1~J4を介して連結支持されることで、その軸方向中間部に塵芥収集装置2の総重量を剪断荷重として作用させて重量検出を行うものであって、従来周知のシャフト型ロードセル(例えば特開2009-35426号公報参照)と同型式である。
【0026】
第1~第4ロードセルL1~L4は、サブフレーム10(従って塵芥収容箱3)と、サポートフレーム20(従ってシャシフレーム1)との間を連結して塵芥収容箱3からの重量を分散して受け止め可能に配置されるものであって、塵芥収集装置2(具体的には塵芥収容箱3)内の積載重量を検出するために用いられる。この場合、塵芥収集装置2の空重量(即ち塵芥収容箱3内が廃棄物の非積載状態にあるときの全体重量)を予め計測、記憶しておき、それを、ロードセルL1~L4による実際の検出重量より差し引くことで正味の積載重量が計測可能である。
【0027】
尚、この演算処理の手法は、従来周知であり、車載の制御装置(図示せず)に内蔵されるマイコンにて自動的に行われる。
【0028】
而して、廃棄物の収集を終えた塵芥収集車Vが廃棄物処理施設又は廃棄物集積場所まで到着すると、先ず、第1~第4ロードセルL1~L4の検出値に基づいて積載重量が演算され、その演算された積載重量は、前記制御装置による廃棄処理費用の算定や廃棄処理実績の分析等に利用される。その重量計量後は、例えば塵芥投入箱4を上方揺動させて塵芥収容箱3の後端開口を開くと共に、サブフレーム10(従ってシャシフレーム1)に対し前上がりにダンプさせることで、塵芥収容箱3内の廃棄物が廃棄物処理施設等の廃棄物投入場所に排出可能となる。
【0029】
前記したサポートフレーム20は、シャシフレーム1上に固定されて各ロードセルL1~L4を前記ブラケットB1~B4を介して下側から支えるための機能部品である。またサブフレーム10は、架装体としての塵芥収集装置2(直接的には塵芥収容箱3)を下方から支持し且つシャシフレーム1上に搭載するための機能部品であって、塵芥収容箱3が伏倒位置にある状態で塵芥収集装置2の全重量を前後左右の前記連結支持体J1~J4を介して各ロードセルL1~L4に分散して伝達可能である。
【0030】
次に図3図7を主として参照して、サブフレーム10及びサポートフレーム20の具体的構造を、それらフレーム10,20と各ロードセルL1~L4との連結構造を絡めながら順次説明する。
【0031】
先ず、サブフレーム10であるが、これは、シャシフレーム1の左右の縦杆1L,1R上にそれぞれ搭載、支持されて縦杆1L,1Rに沿って延びる左右の縦フレーム11,12と、その両縦フレーム11,12間を一体的に接続すべく前後方向に間隔をおいて配列される複数のクロスメンバC1~C4とを備えており、全体として梯子型に形成される。尚、第1の実施形態では、サブフレーム10がシャシフレーム1上に直接は支持されず、サポートフレーム20及び各ロードセルL1~L4を介して支持されている。
【0032】
左右の縦フレーム11,12は、これらの前部において、平面視で車幅方向内方側に凹んだ湾曲部11m,12mを有していて、その湾曲部11m,12mの凹状空間Oに左右前側の第1,第2ロードセルL1,L2が配置される。
【0033】
また左右の縦フレーム11,12は、湾曲部11m,12mとは別々に製造され且つ湾曲部11m,12mの少なくとも後端部(図示例は前・後端部)に嵌合、連結(例えば溶接)されて各々直線状に延びる前後の直線部11f,11r;12f,12rを有している。
【0034】
左右の湾曲部11m,12mは、図9で明らかなように、上板7t,下板7b,左右側板7s,7sを相互に結合(例えば溶接)することで、概略矩形状の角筒体で構成される。この場合、下板7b及び左右側板7s,7sは、湾曲部11m,12mの湾曲形状に略沿った帯板状で構成されるが、特に後述する嵌合部11K,12Kよりも後側部分は、図3図4でも明らかなように後方に延長されている。その延長部7be,7se,7seは、対応する直線部11r,12rの底面及び左右側面にそれぞれ結合(例えば溶接)されている。
【0035】
また湾曲部11m,12mの、車幅方向内方側に最も凹んだ前後中央部の外側の側板7sは、図3図5でも明らかなように、シャシフレーム1の内側端よりも内方側に位置している。そして、湾曲部11m,12mは、各々の左右方向幅が全体において略同一(従って前後中央部における左右側板7s,7sの相互間隔w1は、前後両端部における左右側板7s,7sの相互間隔w2と略同一)となるように製作されている。
【0036】
また上板7tは、図3図4図9で明らかなように、上記湾曲形状に略沿う上板本体部7taに、前記凹状空間Oを上方より覆うカバー板とロードセルL1,L2の上側取付板を兼ねる補強板19が一体的に形成される。その補強板19には、凹状空間Oの左右方向開放面に沿うようにして前後方向に延びる上向きの折曲げ部19aが形成される。尚、補強板19は、上板7tの上記上板本体部7taとは別々に製造されて後付けで上板本体部7taや側板7sに結合(例えば溶接)してもよい。
【0037】
これに対し、左右の湾曲部11m,12mの前・後端部に嵌合、連結されて直線状に延びる左右の前側直線部11f,12f及び左右の後側直線部11r,12rは、図10でも明らかなように、左右一対のチャンネル枠8s,9s相互を結合(例えば溶接)することで、前後方向に長く且つ概略矩形状をなす角筒体で構成される。
【0038】
ところで右側の湾曲部12mと、同湾曲部12mの後端部に連結される右側の直線部12rとの相互の隣接端部12me,12reは、その何れか一方の隣接端部12meの内周部に他方の隣接端部12reの外周部が嵌合されると共に、その嵌合部12Kの前後で湾曲部12m及び直線部12rは、上面が略同一高さの中間部12ma,12raを有している。そして、上記他方の隣接端部12reの外周部上面と、該他方の隣接端部12reに連なる中間部12raの上面との間が、嵌合部12Kから遠ざかるにつれて上方に傾斜した上り傾斜部12rsを介して一体に接続される。
【0039】
一方、左側の湾曲部11mと、同湾曲部11mの後端部に連結される左側の直線部11rとの相互の隣接端部11me,11reは、その何れか一方の隣接端部11meの内周部に他方の隣接端部11reの外周部が嵌合されると共に、その嵌合部11Kの前後で湾曲部11m及び直線部11rは、上面が略同一高さの中間部11ma,11raを有している。そして、上記他方の隣接端部11reの外周部上面と、該他方の隣接端部11reに連なる中間部11raの上面との間は、嵌合部11Kから遠ざかるにつれて下方に傾斜した後下りの傾斜部11rs1と、その傾斜部11rs1の下端に一端が連なり且つ略水平に延びる水平部11rhと、その水平部11rhの他端に連なり且つ嵌合部11Kから遠ざかるにつれて上方に傾斜した後上りの傾斜部11rs2とを介して一体に接続されている。
【0040】
また第1,第2ロードセルL1,L2をサブフレーム10の前部に連結、支持するための左右前側の第1,第2連結支持体J1,J2は、前記した左右の補強板19と、左右の補強板19の下面にそれぞれ固定される左右の支持枠80とを有していて、サブフレーム10の左右の縦フレーム11,12にそれぞれ固定される。左右の各支持枠80は、補強板19の下面に重合され且つ複数のボルトナットbn1で結合されるベース板81と、そのベース板81の下面に一体的に垂設される左右一対の支持板82,83と、その両支持板82,83に横架、固定(例えば溶接)される支持ボス84とを備える。
【0041】
第1,第2ロードセルL1,L2は、何れも段付き円筒状をなすセルケース40を有しており、セルケース40の基部41及び先部42が後述するサポートフレーム20で両持ちで固定、支持される。また第1,第2ロードセルL1,L2は、セルケース40の軸方向中間部43が上記支持ボス84内周に嵌合することで、その中間部43に塵芥収集装置2の自重及び積載重量による剪断荷重を受けるようになっており、その剪断荷重を受けたセルケース40の変形歪を電気的に計測することで、前述の制御装置での積載重量の演算が可能となる。
【0042】
ところで図10図11で明らかなように、サブフレーム10の左右の縦フレーム11,12(特に後側直線部11r,12r)の後端部には、相互が左右方向に離間配置され且つ同一軸線上に配列される左・右ピンP1,P2の各基部Pbが固定されており、その左・右ピンP1,P2の各先部Paは、左・右外側方に延出している。その先部Paには、塵芥収容箱3底部の左右の縦桁5より一体的に延びるヒンジブラケット5bが回転自在に嵌合され、その嵌合部回りに塵芥収容箱3がサブフレーム10に対し前上がりに傾動可能となる。
【0043】
そして、サブフレーム10の左右の縦フレーム11,12間には、車載付属品の一例である左右後部の第3,第4ロードセルL3,L4が、左・右ピンP1,P2と側面視で少なくとも一部がオーバラップするように配置される。第3,第4ロードセルL3,L4をサブフレーム10に連結、支持するための左右後側の第3,第4連結支持体J3,J4は、第1の実施形態ではサブフレーム10の後端部に位置して左右の縦フレーム11,12の内側面に両端が結合される最後方のクロスメンバC4を主要部としている。
【0044】
そのクロスメンバC4は、各々の左右両端が左右の縦フレーム11,12の内側面にそれぞれ突き合わせ溶接される前後一対の主板47と、その両主板47の上部間を結合(例えば溶接)する上板48と、両主板47間を横架、連結(例えば溶接)される前後方向の支持ボス49とを備える。この支持ボス49の内周面には、後述するように第3,第4ロードセルL3,L4の軸方向中間部43が嵌合、支持される。
【0045】
しかも上記第3,第4連結支持体J3,J4は、クロスメンバC4の両端部上縁と左右の縦フレーム11,12の上面・外側面・下面とに渡って被覆、固定(例えば溶接)される左右一対のカバー板46をそれぞれ有している。その両カバー板46の特設によって、左右の各縦フレーム11,12とクロスメンバC4の各端部との間の結合強度がそれぞれ高められる。
【0046】
また図10では左ピンP1の取付構造しか図示しないが、左・右ピンP1,P2の取付構造は左右対称に配置されるものであって、基本的な機能は同一である。即ち、左ピンP1は、左縦フレーム11に固着した円筒状の左支持ボス14に、また右ピンP2は、右縦フレーム12に固着した円筒状の右支持ボス15にそれぞれ挿着される。
【0047】
左支持ボス14は、これの外端近くに位置して左側の縦フレーム11に係合する外向きの外側段差部s1と、内端近くに位置して左ピンP1の外周フランジ部Pfに係合する内向きの内側段差部s2とを有する。また右支持ボス15は、これの外端近くに位置して右側の縦フレーム12に係合する外向きの外側段差部s1と、内端近くに位置して右ピンP2の外周フランジ部Pfに係合する内向きの内側段差部s2とを有する。
【0048】
また左・右ピンP1,P2の内端にはクロスメンバC4(特に主板47)の外端が当接しており、その当接により、左・右ピンP1,P2の内方への抜け出しが確実に阻止される。
【0049】
更にサブフレーム10の後端部には、左・右ピンP1,P2間に介在する第3,第4ロードセルL3,L4を後方から広範囲に被覆、保護すべく横長に形成された、可撓性材料(例えばゴム、布等)よりなるカバー18の上部固定端が、片持ち支持形態で着脱可能に装着(例えばボルト18bで結合)される。カバー18の下半部は、シャシフレーム1の左右の縦杆1L,1Rの後端部に着脱可能に被着される横長の傾斜カバー板13に略沿うように配置される。
【0050】
次にサポートフレーム20の具体例を、主として図5図7を参照して説明する。サポートフレーム20は、各々が別々に製造されてシャシフレーム1上で前後方向に縦列配置される前フレーム21及び後フレーム22を備えると共に、前フレーム21の後端部と後フレーム22の前端部との相互間が一体的に接合される。上記した前・後フレーム21,22は、厚肉の金属板を所定形状に切断すると共に曲げ成型し、更に所定形態とすべく各部を溶接する等の複数工程を含む製缶加工で互いに独立して製造される。
【0051】
前フレーム21及び後フレーム22の各々は、前後方向にそれぞれ延び且つシャシフレーム1上に載置、固定される左・右側枠Sf,Sf;Sr,Srと、その左・右側枠Sf,Sf;Sr,Sr間を一体的に結合する少なくとも1本(図示例は4本)のクロスメンバCf,Cf′,Cr,Cr′とを備える。
【0052】
前フレーム21は、シャシフレーム1上に載置、固定される前側の左・右側枠Sfと、その前側の左・右側枠Sfの後端部間を一体的に結合(実施形態では溶接)する第1のクロスメンバとしての前部クロスメンバCfとを備える。そして、前側の左・右側枠Sfは、車載の前寄りの付属品(図示例では第1,第2ロードセルL1,L2)を下側から支持する受け部21aを各々有している。
【0053】
一方、後フレーム22は、シャシフレーム1上に載置、固定される後側の左・右側枠Srと、その後側の左・右側枠Srの前端部間を一体的に結合(実施形態では溶接)する第2のクロスメンバとしての後部クロスメンバCrとを備える。そして、後側の左・右側枠Srは、車載の後寄りの付属品(図示例では第3,第4ロードセルL3,L4)を下側から支持する受け部22aを有している。
【0054】
前フレーム21の後端部と後フレーム22の前端部との相対向する接合面(より具体的には、前・後部クロスメンバCf,Crの相対向する接合面)の何れか一方には、平面視で前後方向の凹部21oが、またその何れか他方には、凹部21oに係合する平面視で前後方向の凸部22tがそれぞれ形成される。
【0055】
前側の左・右側枠Sfの受け部21aには、前部ロードセルとしての第1,第2ロードセルL1,L2を前フレーム21にそれぞれ取付けるための前部ブラケットとしての第1,第2ブラケットB1,B2が、また後側の左・右側枠Srの受け部22aには、後部ロードセルとしての第3,第4ロードセルL3,L4を後フレーム22に取付けるための後部ブラケットとしての第3,第4ブラケットB3,B4がそれぞれボルトナットbn2を以て着脱可能に且つ位置調節可能に後付け結合される。
【0056】
前部ブラケットとしての第1,第2ブラケットB1,B2の各々は、対応する受け部21a上に載置、固定されるベース板60と、そのベース板60上に間隔をおいて溶接されて起立する一対のロードセル支持用サポート壁61,62とを備える。これらサポート壁61,62は、対応するロードセルL1,L2のセルケース40の基部41及び先部42をそれぞれ嵌合、支持する円形の貫通孔を有する。
【0057】
また後部ブラケットとしての第3,第4ブラケットB3,B4の各々は、対応する受け部22a上に載置、固定されるベース板70と、そのベース板70上に間隔をおいて溶接されて起立する一対のロードセル支持用サポート壁71,72とを備える。これらサポート壁71,72は、対応するロードセルL3,L4のセルケース40の基部41及び先部42をそれぞれ嵌合、支持する円形の貫通孔を有する。
【0058】
尚、前述の位置調節を可能とする構造例としては、例えば受け部21a,22a又はベース板60,70に設けたボルト挿通孔を、図示例のように長孔とするか、或いはボルト軸径より若干大きめのばか孔とする例でもよい。
【0059】
第1,第2ブラケットB1の各一方のサポート壁61の側面61sには、対応するロードセルL1,L2のセルケース40の外周面に設けた切欠状の溝部40cに係合してセルケース40をサポート壁61に固定するためのL字状の固定板65が複数のボルトb2で着脱可能に固着される。この固定板65は、セルケース40の前記した溝部40cに一部が挿入された状態でサポート壁61にボルトb2で固定されることで、対応するロードセルL1,L2のセルケース40の回転及び軸方向移動を確実に規制する。尚、第3,第4ブラケットB3,B4の各一方のサポート壁71の側面71sにも、上記固定板65と同様の固定機能を有した固定板75が複数のボルトb2で着脱可能に固着される。
【0060】
また前側の第1,第2ブラケットB1,B2(より具体的には左右のベース板60)には、その相互間を接続する第3のクロスメンバCf′の両端部が複数組のボルトナットbn3を以て着脱可能に結合される。また後側の第3,第4ブラケットB3,B4(より具体的には左右のベース板70)には、その相互間を接続する第4のクロスメンバCr′の両端部が複数組のボルトナットbn4を以て着脱可能に結合される。
【0061】
かくして、前フレーム21の左・右側枠Sf,Sf間は、左右の前部ブラケットB1,B2及びボルトナットbn3を介して第3のクロスメンバCf′の両端部が結合され、また後フレーム22の左・右側枠Sr,Sr間は、左右の後部ブラケットB3,B4及びボルトナットbn4を介して第4のクロスメンバCr′の両端部が結合される。
【0062】
ところで前フレーム21及び後フレーム22の各々の左・右側枠Sf;Srは、前後方向に長い帯板状をなす左・右側枠本体Sfb;Srbと、その左・右側枠本体Sfb;Srbの上面に部分的に重ねられ且つ前後方向に広範囲に溶接される少なくとも1枚の帯板状の上板部Sft1,Sft2;Srtとを備えた積層板構造とされる。この場合、上板部Sft1,Sft2;Srtの左・右側枠本体Sfb;Srbへの溶接作業は、前記した前・後部クロスメンバCf,Crの、左・右側枠本体Sfb;Srbへの溶接作業後に実行される。
【0063】
而して、前フレーム21の左・右側枠本体Sfbは、その上に重なる前後の上板部Sft1,Sft2の相互間に露出する左右方向幅広部が前記受け部21aとして機能する。また後フレーム22の左・右側枠本体Srbは、その上に重なる上板部Srtより後側に露出して延びる左右方向幅広部が前記受け部22aとして機能する。
【0064】
上記したように前部クロスメンバCfの前端が前フレーム21の左右の側枠部Sf,Sfの後端に突き合わせ溶接され、また後部クロスメンバCrの後端が後フレーム22の左右の側枠部Sr,Srの前端に突き合わせ溶接された状態で、前・後フレーム21,22を前後に縦列配置して前・後部クロスメンバCf,Cr相互を凹凸係合させると、前・後部クロスメンバCf,Crの上面と、前フレーム21の前記上板部Sft2の後端面と、後フレーム22の前記上板部Srtの前端面とによって、平面視矩形状の浅い係合溝25が形成される。この係合溝25内には、前・後部クロスメンバCf,Crの上面に跨がって重なり且つ係合溝25の平面形状と略同一の連結板26がガタなく嵌合可能となっている。
【0065】
従って、この連結板26を複数のボルトb1で前・後部クロスメンバCf,Crの雌ねじ孔に螺挿することで、連結板26及びボルトb1を介して前・後部クロスメンバCf,Cr相互を緊密、一体に結合可能である。
【0066】
尚、この連結板26及びボルトb1による前・後部クロスメンバCf,Cr間(従って前・後フレーム21,22間)結合作業は、別々に製造組立てられた前・後フレーム21,22をゴムシート17を挟んでシャシフレーム1の左右の縦杆1L,1R上に位置決め、載置された状態で実行され、その後にサポートフレーム20がUボルトub1でシャシフレーム1に固定される。
【0067】
尚、以上説明した第1の実施形態において、サブフレーム10とシャシフレーム1との間には、その相互間を連結するロードセルL1~L4とは別個独立に構成されて、サブフレーム10のシャシフレーム1に対する前後・左右方向への過度の相対移動を規制する従来周知のストッパ機構(図示せず)が介設されている。
【0068】
次に第1の実施形態の作用を説明する。図1及び図2は、塵芥収容箱3(従って塵芥収集装置2)をサブフレーム10上に伏倒させた状態、即ち、塵芥収集車Vが走行・塵芥収集可能な状態を示しており、このとき、シャシフレーム1上に固定したサポートフレーム20には、前後左右のロードセルL1~L4を介してサブフレーム10(従って塵芥収容箱3)が連結、支持される。この状態で、塵芥収集装置2の全重量が前後左右のロードセルL1~L4に分散して伝わり、それに伴い各ロードセルL1~L4ではセルケース40に生じる変形歪が電気信号に変換されるため、不図示の制御が前述の手法で正味の積載重量を演算可能である。
【0069】
また塵芥収容箱3を廃棄物排出のために後方ダンプさせる場合は、サポートフレーム20上にロードセルL1~L4を介して連結支持されたサブフレーム10は、伏倒姿勢を維持し続け、塵芥収容箱3だけが後方ダンプ(即ち前上がりに傾動)する。
【0070】
ところで第1の実施形態のサブフレーム10は、シャシフレーム1の左右の縦杆1L,1R上に搭載されて縦杆1L,1Rに沿って延びる左右の縦フレーム11,12を主要部としており、各々の縦フレーム11,12は、平面視で車幅方向内方側に凹んだ湾曲部11m,12mを前端寄りの中間部に有していて、その湾曲部11m,12mの凹状空間Oには第1,第2ロードセルL1,L2がそれぞれ配置される。これにより、サブフレーム10(縦フレーム11,12)における湾曲部11m,12mの凹状空間OをロードセルL1,L2の配置空間として利用できて、ロードセルL1,L2を側面視でサブフレーム10とオーバラップさせることができるため、架装体として塵芥収集装置2の搭載高さを抑制する上で有利となる。
【0071】
その上、左右の縦フレーム11,12は、湾曲部11m,12mとは別々に製造され且つ湾曲部11m,12mの少なくとも後端部(図示例は前・後端部)に嵌合、連結(例えば溶接)されて各々直線状に延びる前後の直線部11f,11r;12f,12rを有している。これにより、縦フレーム11,12に湾曲部11m,12mが含まれていても、縦フレーム11,12の製造(加工、組立)が容易となる。
【0072】
また第1の実施形態のサポートフレーム20の縦フレーム11,12では、左右一方(図示例は右方)の湾曲部12mと、同湾曲部12mの後端部に連結される右側の直線部12rとの相互の隣接端部12me,12reは、その何れか一方の隣接端部12meの内周部に他方の隣接端部12reの外周部が嵌合されると共に、その嵌合部12Kの前後で湾曲部12m及び直線部12rは、上面が略同一高さの中間部12ma,12raを有している。そして、上記他方の隣接端部12reの外周部上面と、該他方の隣接端部12reに連なる中間部12raの上面との間が、嵌合部12Kから遠ざかるにつれて上方に傾斜した後上り傾斜部12rsを介して一体に接続される。
【0073】
これにより、湾曲部12m及び直線部12rの隣接端部12me,12re相互が上記嵌合部12Kで結合可能となり、その隣接端部12me,12re相互を突き合わせ溶接する場合と比べ、結合強度アップを図る上で有利となる。また嵌合部12Kの前後で湾曲部12m及び直線部12rは、これらと上面が略同一高さの中間部12ma,12raを有していても、上記傾斜部12rsの特設により、嵌合部12K周辺での急激な断面変化を抑制できるため、嵌合部12K周辺の強度アップが図られる。
【0074】
また左右他方(図示例は左方)の湾曲部11mと、同湾曲部11mの後端部に連結される左側の直線部11rとの相互の隣接端部11me,11reは、その何れか一方の隣接端部11meの内周部に他方の隣接端部11reの外周部が嵌合されると共に、その嵌合部11Kの前後で湾曲部11m及び直線部11rは、上面が略同一高さの中間部11ma,11raを有している。そして、上記他方の隣接端部11reの外周部上面と、該他方の隣接端部11reに連なる中間部11raの上面との間は、嵌合部11Kから遠ざかるにつれて下方に傾斜した後下り傾斜部11rs1と、その後下り傾斜部11rs1の下端に一端が連なり且つ略水平に延びる水平部11rhと、その水平部11rhの他端に連なり且つ嵌合部11Kから遠ざかるにつれて上方に傾斜した後上り傾斜部11rs2とを介して一体に接続される。
【0075】
これにより、湾曲部11m及び直線部11rの隣接端部11me,11re相互が上記嵌合部11Kで結合可能となり、その隣接端部11me,11re相互を突き合わせ溶接する場合と比べ、結合強度アップを図る上で有利となる。しかも上記した後下り傾斜部11rs1・水平部11rh・上り傾斜部11rs2により、上記嵌合部11K周辺での急激な断面変化を抑制しながら凹所を形成でき、その凹所を各種配管又は配線の通り道に利用可能となる。
【0076】
また第1の実施形態の左右の湾曲部11m,12mには、凹状空間Oを上方より覆う補強板19が一体に形成されるか或いは後付けで結合されている。この補強板19の特設によれば、湾曲部11m,12mが効果的に補強可能となる。
【0077】
しかも実施形態の左右の湾曲部11m,12mの凹状空間Oに配置される第1,第2ロードセルL1,L2は、補強板19及び前側の連結支持体J1,J2を介して縦フレーム11,12に連結される。これにより、縦フレーム11,12の湾曲部11m,12mを補強する補強板19をロードセルL1,L2の取付板に兼用でき、それだけ構造簡素化が図られる。
【0078】
さらに第1の実施形態の補強板19には、凹状空間Oの左右方向開放面に沿うようにして前後方向に延びる上向きの折曲げ部19aが形成されているため、簡単な構造で補強板19の強度(従ってロードセルL1,L2に対する縦フレーム11,12の支持剛性)を効果的に高めることができる。
【0079】
ところで塵芥収容箱3の傾動支点となる枢軸は、右側の縦フレーム12の後部に基部Pbが固定され且つ先部Paが右側方に延出する右ピンP2と、その右ピンP2と同一軸線上に配置されて左側の縦フレーム11の後部に基部Pbが固定され且つ先部Paが左側方に延出する左ピンP1とから分割構成される。これにより、サブフレーム10の左・右縦フレーム11,12で挟まれた空間スペースが、架装体としての塵芥収集装置2傾動用の枢軸(左・右ピンP1,P2)のために減ぜられるのを回避可能となるため、その空間スペースでの設計自由度を高めることができる。
【0080】
また特に第1の実施形態では、サブフレーム10の左右の縦フレーム11,12間に、車載付属品の一例である左右後方の第3,第4ロードセルL3,L4が、左・右ピンP1,P2と側面視で少なくとも一部がオーバラップするように配置される。これにより、左・右縦フレーム11,12で挟まれた空間、特に左・右ピンP1,P2に対応する空間領域を、車載付属品(図示例は第3,第4ロードセルL3,L4)の設置スペースとして有効活用できる。
【0081】
また実施形態において、右ピンP2は、右側の縦フレーム12に固着した円筒状の右支持ボス15に、また左ピンP1は、左縦フレーム11に固着した円筒状の左支持ボス14にそれぞれ挿着される。これにより、左・右支持ボス14,15を介して左・右ピンP1,P2を左・右縦フレーム11,12にそれぞれ強固に支持させることができる。
【0082】
しかも左・右支持ボス14,15は、これの外端近くに位置して左・右の縦フレーム11,12に係合する外向きの外側段差部s1と、内端近くに位置して左・右ピンP1,P2の外周フランジ部Pfに係合する内側段差部s2とを有している。これにより、塵芥収容箱3の傾動時に塵芥収容箱3からの大きな傾動荷重で左・右ピンP1,P2が外側方に抜け出すのを、上記した外側・内側段差部s1,s2により強固に阻止可能となる。
【0083】
またサブフレーム10の後端部には、左・右ピンP1,P2間に介在する第3,第4ロードセルL3,L4を被覆、保護するための可撓性のカバー18の上部固定端が支持されている、これにより、それらロードセルL3,L4が塵芥収容箱3の傾動支点近く(従って後端寄り)に配置されても、そこに飛散する異物(塵芥収集時や塵芥投入箱4の傾動時に塵芥投入箱4及びその周辺から飛散する塵埃、粉塵等)からロードセルL3,L4を効果的に被覆、保護できる。
【0084】
ところで第1の実施形態のサポートフレーム20は、各々が別々に製造されてシャシフレーム1上で前後方向に縦列配置される前フレーム21及び後フレーム22を備えると共に、前フレーム21の後端部と後フレーム22の前端部との相互間が一体的に接合される。そして、車載付属品としての第1,第2ロードセルL1,L2を下側から支える受け部21a,22aは、前フレーム21及び後フレーム22に設けられる。これにより、前・後フレーム21,22は、サポートフレーム20の全長と比べ大幅に短縮化されるため、前・後フレーム21,22は、各々の製造段階(前述の製缶加工)での加工・組立誤差に因り生じる反りや変形を効果的に低減可能となって、その前・後フレーム21,22をシャシフレーム1上にガタの発生を抑制しつつ的確に固定できる。しかも、固定後の左・右側枠Sf,Srにおける残留応力の発生も抑制できるから、その応力に因る受け部21a,22aの歪みや変形も抑制可能となり、それらの結果、左・右側枠Sf,Srの受け部21a,22aに設置される付属品(図示例では第1~第4ロードセルL1~L4)の取付精度を高めることができる。
【0085】
また第1の実施形態では、前フレーム21の後端部と後フレーム22の前端部との相対向する接合面の何れか一方には凹部21oが、またその何れか他方には、凹部21oに係合する凸部22tがそれぞれ形成されているため、前・後フレーム21,22間の接合強度が効果的に高められる。
【0086】
しかも実施形態の前フレーム21及び後フレーム22の各々は、前後方向にそれぞれ延び且つシャシフレーム1上に載置、固定される左・右側枠Sf,Sf;Sr,Srと、その左・右側枠Sf,Sf;Sr,Sr間を一体的に結合する第1,第2のクロスメンバとしての前・後部クロスメンバCf,Cf′,Cr,Cr′とを備えている。これにより、サポートフレーム20を前・後フレーム21,22に分割構成したことで個々のフレーム21,22が短くなっても、前・後フレーム21,22は、その何れもが左・右側枠Sf,Sf;Sr,Sr間をクロスメンバCf,Crで結合した簡単な構造で容易に製造可能であり、しかもそのクロスメンバCf,Crが、前・後フレーム21,22の各々を一定形状に保形する手段と、補強手段とを兼ねることで更なる構造簡素化が図られる。
【0087】
また第1の実施形態の前フレーム21は、シャシフレーム1上に載置、固定される前側の左・右側枠Sfと、その前側の左・右側枠Sfの後端部間を一体的に結合する前部クロスメンバCfとを備える一方、後フレーム22は、シャシフレーム1上に載置、固定される後側の左・右側枠Srと、その後側の左・右側枠Srの前端部間を一体的に結合する後部クロスメンバCrとを備えていて、その両クロスメンバCf,Cr相互が一体的に接合される。これにより、前側の左・右側枠Sf,Sfの後端部間を結合、補強する第1のクロスメンバとしての前部クロスメンバCfと、後側の左・右側枠Sr,Srの前端部間を結合、補強する第2のクロスメンバとしての後部クロスメンバCrとが直接接合されることで、前・後フレーム21,22間の接合強度が、両クロスメンバCf,Crを活用して効果的に高められる。
【0088】
その上、第1の実施形態の前・後クロスメンバCf,Crの相対向する接合面の何れか一方には凹部21oが、またその何れか他方には、凹部21oに係合する凸部22tがそれぞれ形成されている。これにより、その凹部21o・凸部22t相互の係合により、前・後フレーム21,22間の接合強度をさらに効果的に高めることができる。しかも左・右側枠Sf,Srと比べ小型部品である前・後クロスメンバCf,Crに、上記した凹部21o・凸部22tが設けられるので、凹部21o・凸部22tの加工が比較的容易となり、作業効率を高めることができる。
【0089】
更に第1の実施形態では、前側の左・右側枠Sfの受け部21aには、左右の前部ロードセルL1,L2を前フレーム21にそれぞれ取付けるための左右の前部ブラケットB1,B2が、また後側の左・右側枠Srの受け部22aには、左右の後部ロードセルL3,L4を後フレーム22に取付けるための左右の後部ブラケットB3,B4がそれぞれ後付けで且つ位置調節可能に結合される。これにより、前・後部ブラケットB1~B4を受け部21a,22a(従って前・後フレーム21,22の左・右側枠Sf,Sr)とは別個独立して容易に製造可能となり、またその前・後部ブラケットB1~B4の製造後は、それらを対応する左・右側枠Sf,Srの受け部21a,22aに位置調整しつつ精度よく取付けることができる。
【0090】
しかも前・後部ブラケットB1~B4の各々は、対応する受け部21a,22a上に載置、固定されるベース板60,70と、そのベース板60,70上に間隔をおいて溶接されて起立する一対のロードセル支持用サポート壁61,62;71,72とを有している。これにより、比較的複雑形態である前・後部ブラケットB1~B4は、これらを前・後フレーム21,22から別個独立して(従ってサポート壁61,62;71,72の溶接熱が前・後フレーム21,22に及ぼす影響に特段配慮しなくても)容易且つ的確に製造できるため、それら前・後部ブラケットB1~B4を左・右側枠Sf,Srの受け部21a,22aに後付けで精度よく取付け可能となる。
【0091】
更に第1の実施形態では、左右の前部ブラケットB1,B2相互が第3のクロスメンバCf′で結合され、また左右の後部ブラケットB3,B4相互が第4のクロスメンバCr′で結合されている。これにより、その第3,第4のクロスメンバCf′,Cr′による結合効果により、左右前部の第1,第2ブラケットB1,B2が相互に補強されると共に、左右後部の第3,第4ブラケットB3,B4が相互に補強されるため、全体としてサポートフレーム20による前・後部ブラケットB1~B4の支持剛性を効果的に高めることができる。
【0092】
また実施形態の前フレーム21及び後フレーム22の各々の左・右側枠Sf;Srは、前後方向に長い左・右側枠本体Sfb;Srbと、その左・右側枠本体Sfb;Srbの上面に部分的に重ねられ且つ溶接される少なくとも1枚の上板部Sft1,Sft2;Srtとを備えて積層板構造とされる。これにより、左・右側枠本体Sfb;Srbの上面に部分的に上板部Sft1,Sft2;Srtを重ね合わせて溶接するだけで、左・右側枠本体Sfb;Srbの上面に凹凸部や段部(従って比較的低位の受け部21a,22a)を容易に、しかも歩留りよく形成可能となる。
【0093】
また実施形態の前フレーム21及び後フレーム22の各々は、前後方向にそれぞれ延び且つシャシフレーム1上に載置、固定される左・右側枠Sf,Sf;Sr,Srと、その左・右側枠Sf,Sf;Sr,Sr間を接続する第3,第4のクロスメンバCf′,Cr′との相互間が、ボルトナットbn3,bn4でそれぞれ結合されている。これにより、前・後フレーム21,22の各々の製造段階での加工・組立誤差(即ち製缶誤差)に因り左・右側枠Sf,Sf;Sr,Srが多少の相対的位置ずれを生じたとしても、例えば第1~第4ブラケットB1~B4のボルト挿通孔を長孔或いは、ばか孔とすることで、クロスメンバCf′,Cr′の両端部を左・右側枠Sf,Sf;Sr,Srに無理なく結合可能となる。
【0094】
ところで図12図16には、第2の実施形態が示される。先の第1の実施形態では、塵芥収容箱3(架装体)がダンプ可能な塵芥収集車を前提としていて、シャシフレーム1上に支持されてロードセルL1~L4を下側から支持するサポートフレーム20と、塵芥収容箱3をダンプ可能に搭載するサブフレーム10とが別個独立に構成され、且つその両フレーム20,10の相互間がロードセルL1~L4を介して連結される例を示した。これに対し、第2の実施形態では、塵芥収容箱3がダンプしない塵芥収集車を前提としていて、サポートフレームを兼ねるサブフレーム10と、塵芥収容箱3底部の縦桁5との間をロードセルL1~L4を介して連結している。
【0095】
而して、第2の実施形態のロードセルL1~L4は、セルケース40の基部41がサブフレーム10にブラケットB1~B4を介して片持ちで固定支持され且つ先部42が塵芥収容箱3底部の縦桁5に球面軸受55を介して首振り可能に連結されることで、セルケース40が塵芥収集装置2の重量から曲げ荷重を受けて重量検出を行うものであって、従来周知のビーム型ロードセル(例えば特開2004-299847 号公報参照)と同型式である。
【0096】
尚、この第2の実施形態において、セルケース40の先部42と塵芥収容箱3底部の縦桁5との相互間は、球面軸受55を介さずに直接連結してもよく、或いはピボット軸を介して相対揺動可能に連結してもよい。
【0097】
第2の実施形態において、サポートフレームを兼ねるサブフレーム10は、前後方向に延びる左右の縦フレーム11,12間を前後に並ぶ複数のクロスメンバを介して結合して、全体として梯子状に構成される。その左右の縦フレーム11,12は、図12図15で明らかなように、前部ロードセルL1,L2を配置する凹状空間Oを有して車幅方向内方側に湾曲した湾曲部11m,12mと、その湾曲部11m,12mの後端部に嵌合、連結される直線部11r,12rとを備える。
【0098】
各々の湾曲部11m,12mは、上板7t,左右側板7s,7s′及び下板7b相互を溶接した矩形断面の枠体で構成される。また各々の直線部11r,12rは、前半部11rf,12rfが横断面が上下に扁平な矩形状の筒体で構成され、またその前半部11rf,12rfにボルト結合される後半部11rr,12rrが左右後側のブラケットB3,B4を兼ねる板体で構成される。
【0099】
そして、左右の湾曲部11m,12mの下板7bには、凹状空間Oの下方を覆い且つ第1,第2ロードセルL1,L2を下側から支持する取付板を兼ねる補強板19が一体に形成されるか或いは後付けで結合される。補強板19には左右前側のブラケットB1,B2が着脱可能に結合され、そのブラケットB1,B2のベース板上に立設されるサポート壁51の貫通孔51hには、セルケース40の基部41が嵌合され且つ固定板53及びボルト54で固着される。
【0100】
また第1,第2ロードセルL1,L2のセルケース40の先部42には、球面軸受55の内輪55iが挿着される。また球面軸受55の外輪55oは、塵芥収容箱3底部の左右の縦桁5下面にボルト結合した左右の前上部ブラケットB1′,B2′を介して縦桁5に固定される。その前上部ブラケットB1′,B2′の下向きのサポート壁51′には貫通孔51h′が設けられ、その貫通孔51h′には外輪55oが嵌合され且つ止め輪(例えばサークリップ)で係止、保持される。
【0101】
一方、左右後側のブラケットB3,B4は、第3,第4ロードセルL3,L4のセルケース40の基部41を嵌合、固定するサポート壁51を有しており、その基部41のサポート壁51への固定手段(即ち固定板53,ボルト54等)は、左右前側のブラケットB1,B2のサポート壁51と同様であるので、これ以上の説明を省略する。
【0102】
また第2の実施形態において、第3,第4ロードセルL3,L4のセルケース40の先部42を支持する球面軸受55の外輪55oは、塵芥収容箱3底部の縦桁5に直接固定される。縦桁5は、塵芥収容箱3の底面に一体的に接合(例えば溶接)されて、塵芥収容箱3の略全域に亘り前後方向に延びている。そして、この縦桁5の後部は、屈曲板状の上部縦桁5Aと、その上部縦桁5Aの外側面よりも車幅方向内方側で上部縦桁5Aの下面に下向きに突設、固定(溶接)した下部縦桁5Bとを備える。また縦桁5は、前記上部縦桁5Aに一体的に形成又は結合され且つ上部縦桁5Aの外側面と面一に連続して前方に延びる前部縦桁5Cを有しており、前部縦桁5Cの下端は下部縦桁5Bの下端と略同一高さに位置している。
【0103】
そして、前部縦桁5Cの後端部は、車幅方向内方側に折り曲げられ、その折り曲げ部5Caの上端部及び内端部が上部縦桁5Aの下端面及び下部縦桁5Bの外側面にそれぞれ固定(例えば溶接)される。かくして、縦桁5は、これの後部において、前部縦桁5Cの折り曲げ部5Caと上部縦桁5Aと下部縦桁5Bとにより形成されて外側方及び下方が開放した凹状空間O′を有しており、この凹状空間O′に後部のロードセルL3,L4が配置される。そして、下部縦桁5Bには横向きの支持孔5Bhが設けられ、その支持孔5Bhには、後部のロードセルL3,L4の先部42を支持する球面軸受55の外輪55oが嵌合され且つ止め輪(例えばサークリップ)で係止、保持される。
【0104】
ところで左右の縦フレーム11,12の湾曲部11m,12mにおいて、左右側板7s,7s′の後半部の相互間には、前後方向に延びて上板7t及び下板7b間を一体的に接続、結合(溶接)する縦板7mが配設され、この縦板7m、上板7t,下板7b及び一方の側板7sで形成される角筒部に前記直線部11r,12rの前端部が嵌合連結される。また他方の側板7s′の後端は、フランジ状に折り曲げ形成されて縦板7mの側面に突き合わせ溶接される。
【0105】
また湾曲部11m,12mの上壁となる上板7tは、直線部11r,12r(換言すれば直線部11r,12rと湾曲部11m,12mとの嵌合連結部)より前側に離れるにつれて高さが漸増する上り傾斜部7tsと、その上り傾斜部7tsの前端に連続して前後方向に水平に延びる頂上部7ttと、その頂上部7ttの前端に連続して前下りに傾斜した下り傾斜部7tkと、その下り傾斜部7tkの前端から前方に直線状に延びる水平部7tfとを有している。そして、頂上部7ttは、左右の縦フレーム11,12の湾曲部11m,12mにおいて直線部11r,12rの延長軸線と略平行な直線部分に対応し、また上り傾斜部7ts及び下り傾斜部7tkは、同湾曲部11m,12mにおいて上記直線部分から車幅方向内方側に折り曲げられた部分に対応する。かくして、湾曲部11m,12mは、これの前後方向中間部が中高となって、その高剛性化が図られる。
【0106】
尚、第2の実施形態の各構成要素には、図1図11に示す第1の実施形態の対応する(即ち基本的機能な同様である)構成要素と同じ参照符号を付している。
【0107】
而して、第2の実施形態においても、サブフレーム10の縦フレーム11,12が、前部ロードセルL1,L2を配置する凹状空間Oを有して車幅方向内方側に湾曲した湾曲部11m,12mと、湾曲部11m,12mの後端部に嵌合、連結される直線部11r,12rとを備え、湾曲部11m,12mに、凹状空間Oを覆い且つロードセルL1,L2の取付板を兼ねる補強板19が一体に形成又は結合される点では、第1の実施形態と共通する。従って、それらの点に基づく第1の実施形態の前記効果と同等の効果を第2の実施形態も達成可能である。
【0108】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施形態を実施可能である。
【0109】
例えば、第1,第2の実施形態では、計量機能付き特装車の一例として塵芥収集車Vを示したが、塵芥収集車以外の計量機能付きの特装車、例えばダンプカー、タンクローリー、コンテナ運搬車等に本発明を適用してもよい。尚、計量機能付きの特装車がタンクローリーである場合は積載物収容タンクが架装体となり、またコンテナ運搬車である場合はコンテナが架装体となり、ダンプカーである場合はダンプする荷箱が架装体となる。
【0110】
また第1,第2の実施形態では、荷箱B直下に4個のロードセルL1~L4を分散配置したものを示したが、ロードセルの設置個数は、実施形態に限定されず、少なくとも3個以上あればよい。
【0111】
また第1の実施形態では、複数のロードセルL1~L4を、シャシフレーム側に両持ち支持されたセルケース40の中間部が積載荷重から剪断荷重を受けるシャフト型のロードセルとしたものを示し、また第2の実施形態では、複数のロードセルL1~L4を、シャシフレーム側にセルケース基部を固定支持し且つ架装体(塵芥収集装置2 )側にセルケース先部を首振り可能に連結してセルケースが積載荷重から曲げ荷重を受けるビーム型ロードセルとしたものを示したが、ロードセルL1~L4の型式は実施形態に限定されない。例えば、第1の実施形態では、少なくとも一部のロードセルをビーム型ロードセル、又は従来周知のバー型ロードセル(特開2008-296622 号公報参照)に置換してもよく、また、第2の実施形態では、少なくとも一部のロードセルをシャフト型ロードセル、又は従来周知のバー型ロードセル(特開2008-296622 号公報参照)に置換してもよい。
【0112】
また第1,第2の実施形態では、サブフレーム10の左右の縦フレーム11,12に設けた湾曲部11m,12mが、平面視で車幅方向内方側に凹んだ湾曲形状であるものを示したが、湾曲部11m,12mの形態は、周辺の車載備品の配置・形態にもよるが、可能であれば、平面視で車幅方向外方側に凹んだ湾曲形状としてもよい。この場合、湾曲部11m,12mの、車幅方向外方側に最も凹んだ前後中央部の内側の側板7sが、シャシフレーム1の外側端よりも外方側に位置するようにすればよい。
【0113】
また第1の実施形態では、シャシフレーム1上に支持されてロードセルL1~L4を下側から支持するサポートフレーム20と、サポートフレーム20上方のサブフレーム10との間にロードセルL1~L4を介設したロードセル支持構造において、特に上側のサブフレーム10の縦フレーム11,12にだけ湾曲部11m,12mを形成したものを示したが、下側のサポートフレーム20(前・後フレーム21,22)の筒状体とした側枠Sf,Srに平面視で内方側に凹んだ湾曲部を形成し、その湾曲部の凹状空間にロードセルの少なくとも一部を配置してもよい。
【0114】
また第1,第2の実施形態では、サブフレーム10の左右の縦フレーム11,12の前部にのみ湾曲部11m,12mを配設したものを示したが、縦フレーム11,12の後部にのみ湾曲部11m,12mを設けて、その凹状空間Oに第3,第4ロードセルL3,L4を配置するようにしてもよい。或いはまた、縦フレーム11,12の前部及び後部の両方に湾曲部11m,12mを設けて、それらの凹状空間Oに第1~第4ロードセルL1~L4を配置するようにしてもよい。
【0115】
また第1の実施形態では、左右の縦フレーム11,12の湾曲部11m,12mの前後にそれぞれ直線部11f,11r;12f,12rを連結したものを示したが、直線部11f,11r;12f,12rは、湾曲部11m,12mの前側、或いは後側にのみ連結してもよく、特に後側にのみ直線部12f,12rを連結した例が第2の実施形態に相当する。
【0116】
また第1の実施形態では、左右一方の縦フレーム12に形成されて嵌合部12Kから遠ざかるにつれて高位となる上り傾斜部12rsを、湾曲部12mの後部に連なる直線部12rに設けたものを示したが、上り傾斜部を第2の実施形態の如く湾曲部12mに設けてもよい。
【0117】
また第1,第2の実施形態では、左右の湾曲部11m,12mを複数の板材(上板7t,下板7b,左右側板7s,7s′)を相互に結合(例えば溶接)してなる角筒体で構成したものを示したが、板材を断面L字アングル状、断面コ字チャンネル状、パイプ状(例えば角パイプ状)に折り曲げて筒状に成型してもよい。この場合、折曲成型における残留ひずみによる歪や変形が生じていたとしても、サポートフレーム20の前・後フレーム21,22に及ぼす影響に特段配慮することなくサブフレーム10の湾曲部11m,12mを容易且つ的確に製造できるため、前・後部ロードセルブラケットB1~B4を左・右側枠Sf,Srの受け部21a,22aに後付けで精度よく取付け可能となる。
【0118】
また第1の実施形態では、湾曲部11m,12mに連設されて凹状空間Oを覆う補強板19に上向きの折曲げ部19aを形成したものを示したが、補強板19に下向きの折曲げ部19a(図示せず)を形成してもよい。また第2の実施形態では、湾曲部11m,12mに連設されて凹状空間Oを覆う補強板19が折曲げ部を有しないが、折曲げ部を設けてもよく、またその向きは上向きで下向きでもよい。
【0119】
また第1の実施形態では、サポートフレーム20の前・後フレーム21,22のクロスメンバCf′,Cr′の両端部を左・右側枠Sf,Sf;Sr,Srに対し、ブラケットB1~B4を介してボルトナットbn3,bn4で結合したものを示したが、不図示の別のクロスメンバの両端部を左・右側枠Sf,Sf;Sr,Srの受け部21a,22a上にボルトナットだけで直接(即ちブラケットB1~B4を介さずに)結合してもよい。この場合は、当該別のクロスメンバが、左・右側枠Sf,Srの受け部21a,22aに支持される車載付属品となる。
【0120】
また第1の実施形態サポートフレーム20では、前・後フレーム21,22の左・右側枠Sf,Srの受け部21a,22aで支持される車載付属品として、ロードセルL1~L4が例示されるが、ロードセル以外の車載付属品としては、上記したクロスメンバの他、例えば、配線装置、電子制御装置、油圧機器等も含まれる。
【0121】
また第1の実施形態では、左・右ピンP1,P2に対応した位置でサブフレーム10の左・右縦フレーム11,12間の空間に配置される車載付属品として後部ロードセルL3,L4を例示したが、その他の車載付属品としては、例えば、架装体としての塵芥収集装置2の一部(例えばダンプシリンダCY、塵芥収容箱3底部の縦桁5の下方張出部等)、塵芥収集車Vのディファレンシャル装置の一部(最大積載時や、不整地走行で跳ね上がった場合等) 、ナンバープレート、灯火器(例えばバックランプ) 、バックカメラ、EV車の走行用モータやバッテリ、その配線装置も含まれる。
【0122】
また特に本発明の第1,第2の特徴は、第1,第2の実施形態のような積載重量の計量機能付き塵芥収集車V(特装車)に限らず、計量機能を持たない特装車(例えばダンプカー、タンクローリー、コンテナ運搬車等)に適用してもよい。
【符号の説明】
【0123】
CY…駆動装置としての伸縮シリンダ、L1~L4…ロードセル(特にL3,L4は付属品としての後部ロードセル)、P2…枢軸としての右ピン、P1…枢軸としての左ピン、Pa…左・右ピンの先部、Pb…左・右ピンの基部、s1…左・右支持ボスの外側段差部、s2…左・右支持ボスの内側段差部、V…特装車としての塵芥収集車、1…シャシフレーム、2…架装体としての塵芥収集装置、10…サブフレーム、11…サブフレームの左縦桁としての縦フレーム、12…サブフレームの右縦桁としての縦フレーム、14…左支持ボス、15…右支持ボス、18…カバー
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