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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166973
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】積載重量の計量機能付き特装車
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/12 20060101AFI20241122BHJP
【FI】
G01G19/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083423
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】弁理士法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡野 啓一
(72)【発明者】
【氏名】山内 正輝
(72)【発明者】
【氏名】平田 裕起
(72)【発明者】
【氏名】早川 千鶴
(72)【発明者】
【氏名】四方 慶明
(57)【要約】
【課題】架装体の下方でシャシフレーム上に支持されるサブフレームと、サブフレームと架装体間に介設されるロードセルとを備えた特装車において、サブフレーム上に立設したサポート壁にロードセルの基部をボルトで固定するに際して、ボルト挿脱のための作業スペースを、従来技術のように架装体下方で且つロードセルの上方側に広く確保する必要を無くし、架装体の搭載高さを抑制可能とする。
【解決手段】サブフレーム10のサポート壁51に、ロードセルL1~L4の基部41を嵌合させる貫通孔51hが、孔軸線を略水平方向に向け且つサポート壁51の側面51sに開口するよう形成され、サポート壁51の前記側面51sには、ロードセルL1~L4の外周面に設けた係合溝40gに係合して前記基部41をサポート壁51に固定する固定板53が、前記側面51sの外側方側からボルト54で結合、固定される。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載物を積載可能な架装体(2)と、その架装体(2)の下方に配置されてシャシフレーム(1)上に固定されるサブフレーム(10)と、そのサブフレーム(10)上に立設したサポート壁(51)に基部(41)が片持ち支持され且つ先部(42)が前記架装体(2)の下部に連結されるロードセル(L1~L4)とを備えた、積載重量の計量機能付き特装車において、
前記サポート壁(51)には、前記ロードセル(L1~L4)の基部(41)を嵌合させる貫通孔(51h)が、孔軸線を略水平方向に向け且つ該サポート壁(51)の側面(51s)に開口するよう形成され、
前記サポート壁(51)の前記側面(51s)には、前記ロードセル(L1~L4)の外周面に設けた係合溝(40g)に係合して前記基部(41)を前記サポート壁(51)に固定する固定板(53)が、前記側面(51s)の外側方側からボルト(54)で結合、固定されることを特徴とする、積載重量の計量機能付き特装車。
【請求項2】
前記ロードセル(L1~L4)の先部(42)には、該先部(42)を前記架装体(2)の下部に首振り可能に連結する球面軸受(55)の内輪(55i)が挿入され、前記球面軸受(55)の外輪(55o)が前記架装体(2)の下部に装着されることを特徴とする、請求項1に記載の積載重量の計量機能付き特装車。
【請求項3】
前記架装体(2)の底面には、前後方向に延びる縦桁(5)が固着され、その縦桁(5)には、これを横切るように形成した支持孔(5Bh)に前記外輪(55o)が挿着されることを特徴とする、請求項2に記載の積載重量の計量機能付き特装車。
【請求項4】
積載物を積載可能な架装体(2)と、その架装体(2)の下方に配置されてシャシフレーム(1)上に支持されるサブフレーム(10)と、そのサブフレーム(10)上に立設したサポート壁(51′)に球面軸受(55′)を介して基部(41′)が首振り可能に連結され且つ先部(42′)が前記架装体(2)の下部に片持ち支持されるロードセル(L1′~L4′)とを備えた、積載重量の計量機能付き特装車であって、
前記サポート壁(51′)には、前記球面軸受(55′)の外輪(55o′)を嵌合、保持する貫通孔(51h′)が、孔軸線を略水平方向に向けて設けられると共に、前記球面軸受(55′)の内輪(55i′)に前記ロードセル(L1′~L4′)の基部(41′)が挿入され、
前記内輪(55i′)の側面(55is)には、前記ロードセル(L1′~L4′)の外周面に設けた係合溝(40g′)に係合して該内輪(55i′)を該ロードセル(L1′~L4′)の前記基部(41′)に固定する固定板(53′)が、前記側面(55s)の外側方側からボルト(54′)で前記内輪(55i′)に結合、固定されることを特徴とする、積載重量の計量機能付き特装車。
【請求項5】
前記架装体(2)の底面には、前後方向に延びる縦桁(5)が固着され、その縦桁(5)には、これを横切るように形成した支持孔(5Bh)に前記ロードセル(L1′~L4′)の先部(42′)が挿着されることを特徴とする、請求項4に記載の積載重量の計量機能付き特装車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特装車、特に積載物を積載可能な架装体と、その架装体の下方に配置されてシャシフレーム上に固定されるサブフレームと、そのサブフレームと架装体間に介設されるロードセルとを備え、積載重量の計量機能付き特装車に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した積載重量の計量機能付き特装車は、例えば下記の特許文献1に開示されるように従来公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-74540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の計量機能付き特装車では、サブフレームとしての取付ベース15上に上向きに突設したライナ(サポート壁15-1)の上部にロードセル11を載せ、その上方からねじ込まれるボルト11-1により、ロードセル11をライナ15-1を介して取付ベース15に固定している。
【0005】
ところがこのようなロードセルの固定構造では、上記ボルト11-1の挿脱(回動操作)のための作業スペースが、架装体の下方でロードセルの上方側に少なからず必要であり、これが架装体の搭載高さを高くする要因となる。
【0006】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、従来構造の課題を解決可能とした、積載重量の計量機能付き特装車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、積載物を積載可能な架装体と、その架装体の下方に配置されてシャシフレーム上に支持されるサブフレームと、そのサブフレーム上に立設したサポート壁に基部が片持ち支持され且つ先部が前記架装体の下部に連結されるロードセルとを備えた、積載重量の計量機能付き特装車において、前記サポート壁には、前記ロードセルの基部を嵌合させる貫通孔が、孔軸線を略水平方向に向け且つ該サポート壁の側面に開口するよう形成され、前記サポート壁の前記側面には、前記ロードセルの外周面に設けた係合溝に係合して前記基部を前記サポート壁に固定する固定板が、前記側面の外側方側からボルトで結合、固定されることを第1の特徴とする。
【0008】
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記ロードセルの先部には、該先部を前記架装体の下部に首振り可能に連結する球面軸受の内輪が挿入され、前記球面軸受の外輪が前記架装体の下部に装着されることを第2の特徴とする。
【0009】
また本発明は、第2の特徴に加えて、前記架装体の底面には、前後方向に延びる縦桁が固着され、その縦桁には、これを横切るように形成した支持孔に前記外輪が挿着されることを第3の特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記目的を達成するために、積載物を積載可能な架装体と、その架装体の下方に配置されてシャシフレーム上に支持されるサブフレームと、そのサブフレーム上に立設したサポート壁に球面軸受を介して基部が首振り可能に連結され且つ先部が前記架装体の下部に片持ち支持されるロードセルとを備えた、積載重量の計量機能付き特装車であって、前記サポート壁には、前記球面軸受の外輪を嵌合、保持する貫通孔が、孔軸線を略水平方向に向けて設けられると共に、前記球面軸受の内輪に前記ロードセルの基部が挿入され、前記内輪の側面には、前記ロードセルの外周面に設けた係合溝に係合して該内輪を該ロードセルの前記基部に固定する固定板が、前記側面の外側方側からボルトで前記内輪に結合、固定されることを第4の特徴とする。
【0011】
また本発明は、第4の特徴に加えて、前記架装体の底面には、前後方向に延びる縦桁が固着され、その縦桁には、これを横切るように形成した支持孔に前記ロードセルの先部が挿着されることを第5の特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1の特徴によれば、サブフレーム上に立設したサポート壁には、ロードセルの基部を嵌合させる貫通孔が、孔軸線を略水平方向に向け且つサポート壁の側面に開口するよう形成され、サポート壁の側面には、ロードセルの外周面に設けた係合溝に係合して基部をサポート壁に固定する固定板が、前記側面の外側方側からボルトで結合、固定されるので、ロードセルの基部を固定板を介してサポート壁側面にボルトで固定するに際して、ボルト挿脱のための作業スペースを、従来技術のように架装体下方で且つロードセルの上方側に広く確保する必要はなくなり、これにより、架装体の搭載高さを抑制する上で有利となる。
【0013】
また第2の特徴によれば、ロードセルの先部には球面軸受の内輪が挿入され、球面軸受の外輪が架装体の下部に装着されるので、ロードセル先部と架装体間に球面軸受を介装することで、ロードセル先部と架装体間の連結部の負荷軽減が図られ、ロードセルの耐久性及び作動精度の向上に寄与することができる。
【0014】
また第3の特徴によれば、架装体の底面には、前後方向に延びる縦桁が固着され、その縦桁には、これを横切るように形成した支持孔に外輪が挿着されるので、架装体底面の縦桁が、球面軸受を支持する部材に兼用でき、従って、構造簡素化、延いてはコスト節減に寄与することができる。
【0015】
また第4の特徴によれば、サポート壁には、球面軸受の外輪を嵌合、保持する貫通孔が、孔軸線を略水平方向に向けて設けられると共に、球面軸受の内輪にロードセルの基部が挿入され、内輪の側面には、ロードセルの外周面に設けた係合溝に係合して内輪をロードセルの基部に固定する固定板が、側面の外側方側からボルトで内輪に結合、固定されるので、ロードセルの基部を球面軸受の内輪に固定板を介してボルトで固定するに際して、ボルト挿脱のための作業スペースを、架装体下方で且つロードセルの上方側に広く確保する必要はなくなり、これにより、架装体の搭載高さを抑制する上で有利となる。しかも、ロードセルの基部とサポート壁間に球面軸受を介装することで、基部とサポート壁間の連結部の負荷軽減が図られるから、ロードセルの耐久性及び作動精度の向上に寄与することができる。
【0016】
また第5の特徴によれば、架装体の底面には、前後方向に延びる縦桁が固着され、その縦桁には、これを横切るように形成した支持孔にロードセルの先部が挿着されるので、架装体底面の縦桁が、球面軸受を支持する部材に兼用でき、従って、構造簡素化、延いてはコスト節減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態に係る計量機能付き塵芥収集車の概要を示す全体側面図
図2】上記塵芥収集車の要部拡大側面図
図3】上記塵芥収集車におけるサブフレーム及びこれに支持されるロードセルのみを示す全体平面図及び部分拡大図
図4図3の4X-4X線に沿う拡大縦断面図及び部分横断面図
図5】左前部のロードセルL1のサブフレームへの取付状態を示す一部破断拡大平面図、及びロードセルL1のサポート壁に対する固定構造を示す前面図
図6図5の6X-6X線に沿う、ロードセルL1及びその周辺部を示す縦断面図
図7】左後部のロードセルL3及びその周辺部を示す横断面図(図2の7X-7X線に沿う断面図)、及びロードセルL3のサポート壁に対する固定構造を示す左側面図
図8】サブフレームを前フレーム、中フレーム及び後フレームに分解して示す分解平面図
図9】第2の実施形態に係る左後部のロードセルL3及びその周辺部を示す横断面図、及びロードセルL3のサポート壁に対する固定構造を示す左側面図(図7対応図)
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1の実施形態を、添付図面により以下に具体的に説明する。
【0019】
この第1の実施形態は、本発明に係る特装車を塵芥収集車に実施した一例である。即ち、図1及び図2において、特装車としての塵芥収集車Vは、シャシフレーム1上に搭載、連結されたサブフレーム6と、サブフレーム6上に架装された架装体としての塵芥収集装置2とを備える。
【0020】
そして、塵芥収集装置2は、サブフレーム6に複数のロードセルL1~L4を介して支持される塵芥収容箱3と、その塵芥収容箱3の後端上部に左右一対のヒンジ軸Pを介して後上がりに傾動駆動可能に支持されて塵芥収容箱3の開放後端を開閉可能な塵芥投入箱4と、その塵芥投入箱4内に配設されて塵芥投入箱4内への投入塵芥を塵芥収容箱3内に積み込み可能な従来周知の塵芥積込装置(図示せず)と、塵芥収容箱3の前部に配置されて塵芥収容箱3内に収容、積載した廃棄物を塵芥収容箱3の開放後端を通して外部に強制排出し得る強制排出装置(図示せず)とを有する。
【0021】
塵芥投入箱4の後面には、図示はしないが、扉で開閉可能な投入口が設けられており、その投入口から塵芥投入箱4内に廃棄物が作業員により投入される。尚、塵芥収集装置2の上記した各構成要素の構造および機能は従来周知であるので、これ以上の説明は省略する。
【0022】
図3図8も併せて参照して、塵芥収容箱3の底部には、左右に間隔をおいて並んで前後方向に延びる左右の縦桁5が固着(例えば溶接)され、その左右の縦桁5の下面は、サブフレーム6の後述する左右の縦フレーム61上に上下方向で空隙を挟んで対向、近接している。
【0023】
シャシフレーム1は、図2で明らかなように、左右に間隔をおいて並んで前後方向に延びる左右の縦杆1L,1Rと、その両縦杆1L,1R間を一体的に結合する複数のクロスメンバ1Cとを備えて、梯子状に構成される。その左右の縦杆1L,1R上には、サブフレーム6の左右の縦フレーム61,61が、ゴムシート17を介して載置され且つ複数のUボルトub1でそれぞれ着脱可能に固定される。
【0024】
そして、サブフレーム6と塵芥収容箱3の底部との間には、前後左右に相互に間隔をおいて分散配置される第1~第4ロードセルL1~L4が介設される。特に前側の左右の第1,第2ロードセルL1,L2(即ち前部ロードセル)は、各々の軸線が前後方向に配置され、また後側の左右の第3,第4ロードセルL3,L4(即ち後部ロードセル)は各々の軸線が左右方向に配置される。
【0025】
その何れのロードセルL1~L4も、後述するようにセルケース40の基部41がサブフレーム6に前後左右の第1~第4ブラケットB1~B4を介して片持ち支持され、且つセルケース40の先部42が塵芥収容箱3の縦桁5に首振り可能に連結支持されることで、セルケース40の軸方向中間部に対し塵芥収集装置2の総重量を曲げ荷重として作用させて重量検出を行うものであって、従来周知のビーム型ロードセル(例えば特開2004-299847 号公報参照)と同型式である。
【0026】
而して、第1~第4ロードセルL1~L4は、サブフレーム6と塵芥収容箱3との間を連結して塵芥収容箱3からの重量を分散して受け止め可能に配置されるものであって、塵芥収集装置2(具体的には塵芥収容箱3)内の積載重量を検出するために用いられる。この場合、塵芥収集装置2の空重量(即ち塵芥収容箱3内が廃棄物の非積載状態にあるときの全体重量)を予め計測、記憶しておき、それを、ロードセルL1~L4による実際の検出重量より差し引くことで正味の積載重量が計測可能である。
【0027】
尚、この演算処理の手法は、従来周知であり、車載の制御装置(図示せず)に内蔵されるマイコンにて自動的に行われる。
【0028】
而して、廃棄物の収集を終えた塵芥収集車Vが廃棄物処理施設又は廃棄物集積場所まで到着すると、先ず、第1~第4ロードセルL1~L4の検出値に基づいて積載重量が演算され、その演算された積載重量は、前記制御装置による廃棄処理費用の算定や廃棄処理実績の分析等に利用される。その重量計量後は、例えば塵芥投入箱4を上方揺動させて塵芥収容箱3の後端開口を開くと共に、塵芥収容箱3内の前述の強制排出装置(図示せず)を作動させることで、塵芥収容箱3内の廃棄物が廃棄物処理施設等の廃棄物投入場所に排出可能となる。
【0029】
次に図2図6図8を主として参照して、サブフレーム6の具体的構造を、それと各ロードセルL1~L4との連結構造を絡めながら順次説明する。
【0030】
即ち、サブフレーム6は、シャシフレーム1の前部に支持されて前部ロードセルとしての第1,第2L1,L2が連結可能な前フレーム6Fと、シャシフレーム1の後部に支持されて後部ロードセルとしての第3,第4ロードセルL3,L4が連結可能な後フレーム6Rと、前フレーム6Fに前端部が結合され且つ後フレーム6Rに後端部が結合される、サブフレーム6の前後長調節用の中フレーム6Mとを備える。
【0031】
而して、塵芥収集車Vの車長に応じてサブフレーム6の最適な前後長が変わるが、特に実施形態では、後述するように中フレーム6Mの長さを適宜に選定することで、ロードセルL1~L4を連結可能な前フレーム6F及び後フレーム6Rを変更しないで、サブフレーム6の前後長を容易に変更可能としている。次に、前フレーム6F、中フレーム6M及び後フレーム6Rの具体例を順に説明する。
【0032】
前フレーム6Fは、左右に間隔をおいて並び且つ前後方向に延びる左右の前縦フレーム61F,61Fと、その両前縦フレーム61F,61F間を一体的に接続する複数のクロスメンバCF,CF′とを備える。各々のクロスメンバCF,CF′は、それの左右両端部が左右の前縦フレーム61Fにそれぞれ複数のボルトナットbn1を介して結合される。尚、前縦フレーム61Fは、複数の板材を枠組みして複雑な立体形状に構成されるが、その構成については後で具体的に説明する。
【0033】
また中フレーム6Mは、左右に間隔をおいて並び且つ前後方向に直線状に延びる左右の中縦フレーム61M,61Mと、その両中縦フレーム61M,61M間を一体的に接続する複数のクロスメンバCMとを備える。各々のクロスメンバCMは、それの左右両端部が左右の中縦フレーム61Mにそれぞれ複数のボルトナットbn2を介して結合される。また中縦フレーム61Mは、上下に扁平な横断面矩形状に形成され、その内方側面には、クロスメンバCMの端部と重合してボルトナットbn2で結合される取付片61Maが固定(例えば溶接)される。
【0034】
また後フレーム6Rは、左右に間隔をおいて並び且つ全体が1枚の剛性板で形成される左右の後縦フレーム61R,61Rと、その両後縦フレーム61R,61R間を一体的に接続するクロスメンバCRとを備える。クロスメンバCRは、それの左右両端部が左右の後縦フレーム61Rにそれぞれ複数のボルトナットbn3を介して結合される。また後縦フレーム61Rは、前後方向に延びる後縦フレーム本体61Rmと、後縦フレーム本体61Rmの内側縁に連設されて内方に延びる取付片61Raとを一体に有して平面視で概略T字状に形成され、その取付片61RaにクロスメンバCRの端部が重合してボルトナットbn3で結合される。
【0035】
ところで左右の前縦フレーム61Fは、図3図5で明らかなように、上板7t,下板7b,左右側板7s,7s′を相互に結合(例えば溶接)することで、横断面が概略矩形状の角筒体で構成される。しかもその角筒体は、それの大部分が平面視で車幅方向内方側に凹んだ湾曲部61Fwを有しており、この湾曲部61Fwの凹状空間Oに左右前側の第1,第2ロードセルL1,L2が配置される。
【0036】
また特に下板7bは、図3図4図9で明らかなように、上記湾曲形状に略沿う下板本体部7baに、前記凹状空間Oを下方より覆うカバー板とロードセルL1,L2の支持板を兼ねる補強板19が一体的に形成される。即ち、補強板19は、前フレーム61Fにおいて、第1,第2ロードセルL1,L2を下側から支持する受け部を構成する。
【0037】
尚、補強板19は、下板7bの上記下板本体部7baとは別々に製造されて後付けで下板本体部7baに結合(例えば溶接)してもよい。
【0038】
また上記した左右側板7s,7s′の後半部の相互間には、前後方向に延びて上板7t及び下板7b間を一体的に接続、結合(溶接)する縦板7mが配設され、この縦板7m、上板7t,下板7b及び一方の側板7sで形成される角筒部7Kには、図3図4で明らかなように、中縦フレーム61Mの角筒状の前端部61Mfが嵌合する。尚、他方の側板7s′の後端は、フランジ状に折り曲げ形成されて縦板7mの側面に突き合わせ溶接される。また上板7tは、下板7bよりも後方に延出しており、その延出部7teは、これの下面に重なり合う中縦フレーム61Mに複数のボルトb1で結合される。
【0039】
また中縦フレーム61Mの後端部61Mrには、図3図4で明らかなように、前後方向に延びる帯板状の連結板65が嵌挿され且つ複数のボルトb2で結合される。その連結板65は、中縦フレーム61Mよりも後方に延出しており、その延出部65eは、これの下面に重なり合う後縦フレーム本体61Rmに複数のボルトb3で結合される。
【0040】
また前フレーム6Fの左右の前縦フレーム61Fは、これの、中縦フレーム61Mとの結合部に連続して延びるフレーム部分61Faの上壁(即ち上板7t)が、中フレーム6Mより離れるにつれて高さが漸増する上り傾斜部7tsを有している。更に左右の前縦フレーム61Fの上壁(即ち上板7t)は、前記上り傾斜部7tsの前端に連続して前後方向に水平に延びる頂上部7ttと、その頂上部7ttの前端に連続して前下りに傾斜した下り傾斜部7tkと、その下り傾斜部7tkの前端から前方に直線状に延びる水平部7tfとを有している。
【0041】
而して、頂上部7ttは、前記湾曲部61Fwにおいて中縦フレーム61Mの延長軸線と略平行な直線部分に対応し、また上り傾斜部7ts及び下り傾斜部7tkは、同湾曲部61Fwにおいて上記直線部分から車幅方向内方側に折り曲げられた部分に対応する。
【0042】
ところで図5及び図6で明らかなように、左右の前縦フレーム61Fで第1,第2ロードセルL1,L2の受け部となる前記補強板19には、左右の前下部ブラケットB1,B2が複数のボルトナットbn5で固定される。左右の前下部ブラケットB1,B2は、補強板19上に結合されるベース板50と、ベース板50上に立設、固定されるサポート壁51とを有する。このサポート壁51には、第1,第2ロードセルL1,L2の概略円筒状をなすセルケース40の基部41を嵌合させる貫通孔51hが、孔軸線を略水平方向に向け且つサポート壁51の前側の側面51sに開口するよう形成される。
【0043】
サポート壁51の側面51sには、セルケース40の基部41をサポート壁51に固定する一対の固定板53が、該側面51sの外側方側から複数のボルト54で結合、固定される。そして、ボルト54は、固定板53を貫通してサポート壁51に螺挿される。
【0044】
この固定板53は、上記側面51sに隣接してセルケース40の基部41の外周面に設けた一対の係合溝40gに係合することで、セルケース40のサポート壁51に対する相対回転及び軸方向移動を規制する。これにより、セルケース40の基部41が、固定板53及びボルト54によりサポート壁51(従って前縦フレーム61F)に固着される。
【0045】
この場合、実施形態のボルト54は、図5で明らかなように、ボルト頭部に連なる大径軸部54aと、大径軸部54aの先端に連なる小径ねじ軸部54bとを有したリーマボルトとされる。而して、大径軸部54aは、固定板53のボルト挿通孔53hにそれぞれガタなく嵌合するため、そのガタに起因してロードセルL1,L2がサポート壁51に斜めに固定される不都合が効果的に防止可能である。
【0046】
また第1,第2ロードセルL1,L2のセルケース40の先部42には、球面軸受55の内輪55iが挿入される。その内輪55iは、これの軸方向一端がセルケース40の外周面に設けたストッパ突起40tに係合され、且つその軸方向他端が、先部42の外周面に係止した止め輪58(例えばサークリップ)に係合されることで、先部42外周に保持される。
【0047】
また球面軸受55の外輪55oは、塵芥収容箱3底部の左右の縦桁5に左右の前上部ブラケットB1′,B2′を介して固定される。その前上部ブラケットB1′,B2′は、縦桁5の下面にボルトナットbn6で結合されるベース板56と、ベース板56に下向きに突設、固定(例えば溶接)されるサポート壁57とを有している。このサポート壁57には、外輪55oを嵌合させる貫通孔57hが設けられ、その貫通孔57hに嵌合した外輪55oが、貫通孔57hの内周面に係止した止め輪58(例えばサークリップ)に係合することで、外輪55oがサポート壁57、延いては縦桁5に保持される。
【0048】
ところで図7で明らかなように、左右の後縦フレーム61Rで第3,第4ロードセルL3,L4の受け部となる後縦フレーム本体61Rmは、左右の後下部ブラケットB3,B4のベース板を兼ねるものであって、これの上面にはサポート壁51が立設、固定(溶接)される。サポート壁51には、第3,第4ロードセルL3,L4の概略円筒状のセルケース40の基部41を嵌合させる貫通孔51hが、孔軸線を略水平方向(特に外側方)に向け且つサポート壁51の外方の側面51sに開口するよう形成される。
【0049】
サポート壁51の側面51sには、セルケース40の基部41をサポート壁51に固定する一対の固定板53が、該側面51sの外側方側からボルト54で結合、固定される。この固定板53は、セルケース40の基部41の外周面に設けた一対の係合溝40gに係合することで、セルケース40のサポート壁51に対する相対回転及び軸方向移動を規制する。これにより、セルケース40の基部41が、固定板53及びボルト54によりサポート壁51(従って後縦フレーム61R)に固着される。尚、このボルト54についても、前述の前下部ブラケットB1,B2で使用されるボルト54と同様、リーマボルトが用いられる。
【0050】
また第3,第4ロードセルL3,L4のセルケース40の先部42には、球面軸受55の内輪55iが挿入される。その内輪55iは、これの軸方向一端がセルケース40の外周面に設けたストッパ突起40tに係合され、且つその軸方向他端が先部42の外周面に係止した止め輪58(例えばサークリップ)に係合されることで、先部42外周に保持される。
【0051】
また上記球面軸受55の外輪55oは、塵芥収容箱3底部の縦桁5に直接固定される。縦桁5は、塵芥収容箱3の底面に一体的に接合(例えば溶接)されて、塵芥収容箱3の略全域に亘り前後方向に延びている。そして、この縦桁5の後部は、屈曲板状の上部縦桁5Aと、その上部縦桁5Aの外側面よりも車幅方向内方側で上部縦桁5Aの下面に下向きに突設、固定(溶接)した下部縦桁5Bとを備える。縦桁5は、前記上部縦桁5Aに一体的に形成又は結合され且つ上部縦桁5Aの外側面と面一に連続して前方に延びる前部縦桁5Cを有しており、前部縦桁5Cの下端は下部縦桁5Bの下端と略同一高さにある。
【0052】
また前部縦桁5Cの後端部は、車幅方向内方側に折り曲げられ、その折り曲げ部5Caの上端部及び内端部が上部縦桁5Aの下端面及び下部縦桁5Bの外側面にそれぞれ固定(例えば溶接)される。かくして、縦桁5は、これの後部において、前部縦桁5Cの折り曲げ部5Caと上部縦桁5Aと下部縦桁5Bとにより形成されて外側方及び下方が開放した凹状空間O′を有する。而して、この凹状空間O′に後部のロードセルL3,L4が配置される。
【0053】
そして、縦桁5の後部(より具体的には下部縦桁5B)には、球面軸受55の外輪55oを嵌合させる横向きの支持孔5Bhが設けられ、その支持孔5Bhに嵌合した外輪55oが、支持孔5Bhの内周面に係止した止め輪58(例えばサークリップ)に係合することで、外輪55oが下部縦桁5B(従って縦桁5)に保持される。
【0054】
以上説明した補強板19に設けられたボルトナットbn5用ボルト挿通孔や、中縦フレーム61Mの前部及び後部ならびに後縦フレーム61Rにそれぞれ設けられたボルトb1~b3用ボルト挿通孔は、図面では明示しないが何れも前後方向にやや長い長孔に形成されることが望ましい。従って、その長孔の遊びの範囲で、補強板19に対する前下部ブラケットB1,B2の固定位置を前後方向に多少、位置調節可能となり、また中縦フレーム61Mに対する前縦フレーム61Fおよび後縦フレーム61Rの各固定位置も前後方向に多少、位置調節可能となる。
【0055】
尚、それらボルト挿通孔の少なくとも一部を長孔に代えて、ボルト軸径より若干大きめのばか孔に置換することで前後・左右に位置調節可能としてもよく、或いはまた、ボルトとの間に遊びが殆どない円孔に置換してもよい。
【0056】
以上説明した第1の実施形態、並びに後述する第2の実施形態において、サブフレーム6と塵芥収容箱3との間には、その相互間を連結するロードセルL1~L4とは別個独立に構成されて塵芥収容箱3のサブフレーム6に対する前後・左右方向への過度の相対移動を規制する従来周知のストッパ機構(図示せず)が介設される。
【0057】
次に第1の実施形態の作用を説明する。図1及び図2には塵芥収集車Vが走行・塵芥収集可能な状態を示しており、このとき、シャシフレーム1上に固定したサブフレーム6には、前後左右のロードセルL1~L4を介して塵芥収容箱3(従って架装体として塵芥収集装置2)が連結、支持される。この状態で、塵芥収集装置2の全重量が前後左右のロードセルL1~L4に分散して伝わり、それに伴い各ロードセルL1~L4ではセルケース40に生じる変形歪が電気信号に変換されるため、不図示の制御が前述の手法で正味の積載重量を演算可能である。
【0058】
ところで第1の実施形態において、サブフレーム6上に立設したサポート壁51には、ロードセルL1~L4の基部41を嵌合させる貫通孔51hが、孔軸線を略水平方向に向け且つサポート壁51の側面51sに開口するよう形成され、サポート壁51の側面51sには、ロードセルL1~L4の外周面に設けた係合溝40gに係合して基部41をサポート壁51に固定する固定板53が、側面51sの外側方側からボルト54で結合、固定される。これにより、ロードセルL1~L4の基部41を固定板53を介してサポート壁51の側面51sにボルト54で固定するに際して、ボルト挿脱のための作業スペースを、従来技術のように塵芥収容箱3(架装体)下方で且つロードセルL1~L4の上方側に広く確保する必要はなくなるため、サブフレーム6上での塵芥収容箱3の搭載高さを抑制する上で有利となる。
【0059】
また特にロードセルL1~L4の先部42には球面軸受55の内輪55iが挿入され、球面軸受55の外輪55oが塵芥収容箱3の下部に装着される。このようにロードセルL1~L4の先部42と塵芥収容箱3との相互間に球面軸受55を介装することで、その相互間の連結部に作用する負荷を軽減でき、ロードセルの耐久性及び作動精度の向上に寄与することができる。
【0060】
しかも塵芥収容箱3の底面には、前後方向に延びる縦桁5(具体的には下部縦桁5B)が固着され、その下部縦桁5Bには、これを横切るように形成した支持孔5Bhに外輪55oが挿着されている。これにより、塵芥収容箱3底面の縦桁5が、上記球面軸受55(延いてはロードセルL3,L4)を支持する部材に兼用できるため、構造簡素化やコスト節減が図られる。
【0061】
ところで第1の実施形態では、前後左右に分散配置される第1~第4ロードセルL1~L4が連結されるサブフレーム6が、シャシフレーム1の前部に支持されて前部ロードセルとしての第1,第2ロードセルL1,L2が連結される前フレーム6Fと、シャシフレーム1の後部に支持されて後部ロードセルとしての第3,第4ロードセルL3,L4が連結される後フレーム6Rと、前フレーム6Fに前端部が結合され且つ後フレーム6Rに後端部が結合される、サブフレーム6の前後長調節用の中フレーム6Mとを備える。
【0062】
このようなサブフレーム構造を用いて、サブフレーム6の前後長を前・後フレーム6F,6Rの長さ変更無しで設定する手法は、例えば、
車両全長に応じて決まるサブフレーム6の前後長の設定を可能とする所望長さの中フレーム6Mを用意する第1工程と、
その用意された中フレーム6Mを介して前フレーム6F及び後フレーム6R間を結合する第2工程とを含む。
【0063】
この場合、上記第1工程において、車両全長に応じて決まるサブフレーム6の前後長を、前・後フレーム6F,6Rの長さ変更無しで設定するに当たり、例えば、前後長の異なる複数種類の中フレーム6Mを予め用意しておき、車両全長に応じて決まるサブフレーム6の前後長を、複数種類の中フレーム6Mのうちから所望長さの中フレーム6Mを選定すればよい。そして、第2工程では、第1工程で選定した中フレーム6Mを介して前・後フレーム6F,6R間を結合することで、サブフレーム6の前後長を、車長に応じた長さに設定すればよい。
【0064】
尚、第1工程における中フレームの調達手法は、上記実施形態に限定されない。例えば、サブフレーム6の製造組立現場で、設定に必要な所望長さの中フレーム6Mを随時に加工・作成してもよい。或いはまた、長さ調節機構(例えばターンバックル)を有した中フレーム6Mを用意して、その中フレーム6Mの長さを、サブフレーム6の製造組立現場で所望長さに調整、設定してもよい。また前・後フレーム6F,6Rと中フレーム6Mとの相互の各嵌合量を変更することで、サブフレーム6の前後長を、車長に応じた長さに設定してもよい。
【0065】
上記したようなサブフレーム6の三分割構造によれば、前・後フレーム6F,6R間を所望長さの中フレーム6Mを介して結合することで、車長に応じて決まるサブフレーム6の前後長を適宜、容易に変更可能となるため、サブフレーム6の前後長を車長に応じ変更する際には、前・後部ロードセルL1,L2;L3,L4が連結される前・後フレーム6F,6Rは変更無しでそのまま使用し、中フレーム6Mを単に変更使用するだけで対応できて、車長に応じて長さの異なる長尺大型のサブフレーム6を別途製造する必要はなくなる。従って、車長の異なる車両に対し前・後フレーム6F,6Rを各々、共通化することが可能となり、全体としてコスト節減が図られる。
【0066】
しかも前・後フレーム6F,6R間を中フレーム6Mが一体的に接続、連結するため、前・後フレーム6F,6Rの一方に積載重量が偏って作用した場合(例えば塵芥収容箱3内において、積載の偏り等に因り前後の重量バランスが偏る場合)に、その偏った荷重が中フレーム6Mを経由して前・後フレーム6F,6Rの他方まで分散、伝達されることになる。これにより、サブフレーム6は、全体として塵芥収容箱3からの重量をバランスよく受け止め可能となる。
【0067】
また前・後フレーム6F,6Rのうちの少なくとも一方のフレーム、実施形態では前フレーム6Fは、これの中フレーム6Mとの結合部に連続して延びる前縦フレーム部分61Maの上壁、即ち上板7tが、中フレーム6Mより離れるにつれて高さが漸増する上り傾斜部7tsを有している。これにより、その前縦フレーム部分61Maの上壁が、断面係数を稼いで前部のロードセルL1,L2に対する支持剛性を高めるために高位となっても、その高位部分から上記結合部に至るまでの領域の急な断面変化を上り傾斜部7tsの特設によって緩やかにできるため、上記結合部周辺でのサブフレーム6の破損を効果的に防止可能となる。
【0068】
また、第1の実施形態のサブフレーム6では、これの左右の前縦フレーム61F,61Fが、シャシフレーム1の左右の縦杆1L,1R上に搭載されて縦杆1L,1Rに沿って延びているが、各々の前縦フレーム61Fは、平面視で車幅方向内方側に凹んだ湾曲部61Fwを有していて、その湾曲部61Fwの凹状空間Oに第1,第2ロードセルL1,L2がそれぞれ配置される。これにより、図2で明らかなように、サブフレーム6(前縦フレーム61F)における湾曲部61Fwの凹状空間OをロードセルL1,L2の配置空間として利用できて、ロードセルL1,L2を側面視でサブフレーム6とオーバラップさせることができるため、架装体として塵芥収集装置2の、サブフレーム6上での搭載高さを抑制する上で有利となる。
【0069】
また上記した湾曲部61Fwには、凹状空間Oを下方より覆う補強板19が一体に形成されるか或いは後付けで結合されている。この補強板19の特設によれば、湾曲部61F部が効果的に補強可能となる。しかも実施形態の湾曲部61Fwの凹状空間Oに配置される第1,第2ロードセルL1,L2は、補強板19及び前下部ブラケットB1,B2を介して前縦フレーム61Fに連結されるため、前縦フレーム61Fの湾曲部61Fwを補強する補強板19をロードセルL1,L2の取付板に兼用でき、それだけ構造簡素化が図られる。
【0070】
また図9には、第2の実施形態が示される。第1の実施形態では、各ロードセルL1~L4のセルケース40の基部41をサブフレーム6に片持ちで固定支持し、先部42を塵芥収容箱3の縦桁5に首振り可能に連結したものを示したが、第2の実施形態では、各ロードセルL1′~L4′のセルケース40′の基部41′をサブフレーム6に首振り可能に連結し、先部42′を塵芥収容箱3の縦桁5に片持ちで固定支持した点を特徴としている。
【0071】
第2の実施形態における各ロードセルL1′~L4′の支持構造は、基本的に同様であるが、図9では、特に後部ロードセルとしての第3,第4ロードセルL3′,L4′の一方(即ち第3ロードセルL3′)の構造例を示す。この場合、第4ロードセルL4′の取付構造は、第3ロードセルL3′の取付構造と左右対称的に配設される。
【0072】
即ち、後縦フレーム6Rの後縦フレーム本体6Rmには、サポート壁51′が立設、固定(溶接)され、この左サポート壁51′には、孔軸線を略水平方向に向けた貫通孔51h′が形成される。その貫通孔51h′には、球面軸受55′の外輪55o′が嵌合され且つ一対の止め輪59(例えばサークリップ)で保持される。
【0073】
また球面軸受55′の内輪55i′には、セルケース40′の基部41′が挿入される。そして、その基部41′に内輪55i′を固定する固定板53′が内輪55i′に、固定板53′を貫通して内輪55iに螺挿される複数のボルト54′を以て固定される。而して、固定板53′は、セルケース40′の外周面に設けた係合溝40g′に係合して内輪55i′の基部41′に対する相対回転及び軸方向変位を規制する。尚、このボルト54′についても、前述のボルト54と同様、リーマボルトが用いられる。
【0074】
塵芥収容箱3(架装体)の底面には、前後方向に延びる左右の縦桁5が固着され、その縦桁5(より具体的には下部縦桁5B)には、これを横切るように形成した支持孔5Bhにセルケース40′の先部42′が挿着され且つ従来周知の回り止め手段(例えばスプライン溝、キー等)で回り止めされる。
【0075】
セルケース40′の外周面には、下部縦桁5Bに係合してロードセルL3′の縦桁5に対する軸方向一方側への移動を規制するストッパ突起40tが突設され、また先部42′の外周面には、下部縦桁5Bに係合してロードセルL3′の縦桁5に対する軸方向他方側への移動を規制する止め輪58(例えばサークリップ)が係止される。
【0076】
第2の実施形態においても、基本的には第1の実施形態と同等の効果を発揮可能である。また、ロードセルL1′~L4′の基部41′を球面軸受55′の内輪55i′に固定板53′で固定するに際して、固定用ボルト54′の挿脱(回動操作)のための作業スペースを、塵芥収容箱3下方で且つロードセルL1′~L4′の上方側に広く確保する必要はなくなるため、塵芥収容箱3の搭載高さを抑制する上で有利となる。
【0077】
しかもロードセルL1′~L4′の基部41′とサポート壁51′との相互間に球面軸受55′を介装することで、その相互間の連結部の負荷軽減が図られるから、ロードセルL1′~L4′の耐久性及び作動精度の向上が図られる。
【0078】
その上、前記した下部縦桁5Bには、これを横切るように支持孔5Bhが形成さ、その支持孔5BhにロードセルL3′,L4′の先部42′が挿着されるので、塵芥収容箱3底面の補強用縦桁5が、ロードセルL3′,L4′を支持する部材に兼用でき、それだけ構造簡素化、延いてはコスト節減が図られる。
【0079】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施形態を実施可能である。
【0080】
例えば、第1,第2の実施形態では、計量機能付き特装車の一例として塵芥収集車Vを示したが、塵芥収集車以外の計量機能付きの特装車、例えばダンプカー、タンクローリー、コンテナ運搬車、ミキサー車等に本発明を適用してもよい。尚、計量機能付きの特装車がタンクローリーである場合は積載物収容タンクが架装体となり、またコンテナ運搬車である場合はコンテナが架装体となり、ダンプカーである場合はダンプする荷箱が架装体となり、またミキサー車である場合はミキサードラム及びその駆動装置が架装体となる。
【0081】
また第1,第2の実施形態では、荷箱B直下に4個のロードセルL1~L4を分散配置したものを示したが、ロードセルの設置個数は、実施形態に限定されず、少なくとも3個以上あればよい。
【0082】
また第1,第2の実施形態では、サブフレーム6の左右の縦フレーム61,62に設けた湾曲部61Fwが、平面視で車幅方向内方側に凹んだ湾曲形状であるものを示したが、湾曲部61Fwの形態は、周辺の車載備品の配置・形態にもよるが、可能であれば、平面視で車幅方向外方側に凹んだ湾曲形状としてもよい。
【0083】
また第1,第2の実施形態では、サブフレーム6の左右の縦フレーム61,62の前部にのみ湾曲部61Fwを配設したものを示したが、縦フレーム61,62の後部にのみ湾曲部61Fwを設けて、その凹状空間Oに第3,第4ロードセルL3,L4を配置するようにしてもよい。或いはまた、縦フレーム61,62の前部及び後部の両方に湾曲部61Fwを設けて、それらの凹状空間Oに第1~第4ロードセルL1~L4を配置するようにしてもよい。
【0084】
また第1,第2の実施形態では、左右の湾曲部11m,12mを複数の板材(上板7t,下板7b,左右側板7s,7s′)を相互に結合(例えば溶接)してなる角筒体で構成したものを示したが、板材をパイプ状(例えば角パイプ状)に折り曲げて筒状に成型してもよい。
【0085】
また第1の実施形態では、湾曲部11m,12mに連設されて凹状空間Oを覆う補強板19の外側縁に折曲げフランジ部を有しないものを示したが、補強板19に上向きの折曲げフランジ部を一体に連設して補強板19を更に補強してもよい。
【0086】
また前記実施形態では、架装体としての塵芥収集装置2(従って塵芥収容箱3)がサブフレーム6に対し後方ダンプしないタイプの塵芥収集車Vにおいて、サブフレーム6に複数のロードセルL1~L4;L1′~L4′を介して塵芥収容箱3を連結、支持した例を示したが、本発明を塵芥収集装置2(従って塵芥収容箱3)がサブフレーム6に対し後方ダンプするタイプの塵芥収集車Vに実施してもよく、その場合は、シャシフレーム1又はその上に固定のサポートフレーム(図示せず)に複数のロードセルL1~L4を介してサブフレーム6を連結、支持してもよい。
【0087】
また第1,第2の実施形態では、固定板53,53′をサポート壁51又は内輪55i′に固定するのに用いるボルト54,54′として、リーマボルトを用いたものを示したが、リーマボルトではない通常のボルトを使用してもよい。
【0088】
また前記第1の実施形態では、各ロードセルL1~L4の基部41をサブフレーム6上に起立するサポート壁51に片持ちで固定支持する一方、先部42と塵芥収容箱3の縦桁5との相互間を球面軸受55を介して連結したものを示し、また前記第2の実施形態では、各ロードセルL1′~L4′の先部42を塵芥収容箱3の縦桁5に片持ちで固定支持する一方、基部41′をサブフレーム6上のサポート壁51′との相互間を球面軸受55′を介して連結したものを示したが、第1,第2の実施形態の何れにおいても上記した相互間を、球面軸受55,55′を介さずに直接連結してもよく、或いはピボット軸を介して相対揺動可能に連結してもよい。
【符号の説明】
【0089】
L1~L4;L1′~L4′…ロードセルとしての第1~第4ロードセル、V…特装車としての塵芥収集車、1…シャシフレーム、2…架装体としての塵芥収集装置、5…縦桁、5Bh…支持孔、10…サブフレーム、40g,40g′…係合溝,41,41′…基部,42,42′…先部、51,51′…サポート壁、51s…側面、51h,51h′…貫通孔、53,53′…固定板、54,54′…ボルト、55,55′…球面軸受、55i,55i′…内輪、55o,55o′…外輪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9