(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166983
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】マウステープ
(51)【国際特許分類】
A61F 5/56 20060101AFI20241122BHJP
【FI】
A61F5/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083461
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】522004128
【氏名又は名称】▲桑▼原 絵梨花
(71)【出願人】
【識別番号】522267930
【氏名又は名称】藤本 亜矢子
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】弁理士法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(74)【代理人】
【識別番号】100158377
【弁理士】
【氏名又は名称】三谷 祥子
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼原 絵梨花
(72)【発明者】
【氏名】藤本 亜矢子
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA10
4C098BB15
(57)【要約】
【課題】
口をふさぐというもののために呼吸ができなくなることから窒息するのではといった恐怖心から解放されつつ、鼻呼吸を促進するマウステープを提供する。
【解決手段】
マウステープは、口を塞ぐシート本体と、シート本体は、開口する開口部と、を有するというものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口を塞ぐシート本体と、
前記シート本体は、開口する開口部と、を有するマウステープ。
【請求項2】
口を塞ぐシート本体と、
前記シート本体は、開口する開口部と、を有し、
前記開口部を複数有するマウステープ。
【請求項3】
口を塞ぐシート本体と、
前記シート本体は、開口する開口部と、を有し、
前記開口部を3か所有するマウステープ。
【請求項4】
口を塞ぐシート本体と、
前記シート本体は、開口部群と、を有し、
前記開口部群は、開口する開口部分を複数有するマウステープ。
【請求項5】
口を塞ぐシート本体と、
前記シート本体は、3か所の開口部群と、を有し、
前記開口部群は、開口する開口部分を複数有するマウステープ。
【請求項6】
前記開口部は、当該開口部を塞ぐ蓋部を有し、前記蓋部は前記開口部に対し取り外し可能に構成されている請求項1から3のいずれかに記載のマウステープ。
【請求項7】
前記開口部分は、当該開口部分を塞ぐ蓋部を有し、前記蓋部は前記開口部分に対し取り外し可能に構成されている請求項4または5記載のマウステープ。
【請求項8】
前記開口部は、当該開口部を塞ぐ蓋部を有し、前記蓋部は前記開口部に対し取り外し可能に構成され、前記開口部の孔径は、5ミリメートル以下である請求項1から3のいずれかに記載のマウステープ。
【請求項9】
前記開口部分は、当該開口部分を塞ぐ蓋部を有し、前記蓋部は前記開口部分に対し取り外し可能に構成され、前記開口部分の孔径は、2ミリメートル以下である請求項4または5記載のマウステープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は口呼吸を防止するためのマウステープに関するものである。
【背景技術】
【0002】
睡眠時の口呼吸(口を介した呼吸)は、鼾、歯ぎしり、寝言、不眠、口腔内乾燥などの原因の一つと考えられている。そこで、口呼吸を防止し鼻呼吸(鼻を介した呼吸)を促すマウステープが提案されている。
【0003】
しかしながら、マウステープは、口をふさぐというもののために呼吸ができなくなることから窒息するのではといった恐怖心から、使用をためらってしまう場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、例えば特許文献1に記載されているように、基材層と、粘着剤層と、剥離材層と、を含む口閉じ具であって、鼻側貼付け部と、顎側貼付け部と、唇当て部と、を含み、前記基材層と前記粘着剤層との間に、弾性材層を含み、前記唇当て部における前記弾性材層が復元力を有することによって、無意識の開口の抑制と意識的な開口の許容ができる口閉じ具が開示されている。
【0006】
この口閉じ具は、上記唇当て部の一部を貫通する進出口を設けたものが開示されている。この進出口は、例えば、ストローを使用して飲料水を飲むためのものであるが、口から呼吸することを妨げるものではない。したがって、完全に口をふさぐというものではなく、窒息するのではといった恐怖心から解放させる場合がある。
【0007】
しかしながら、上記口とじ具は、進出口が常時開放されているので口呼吸を必ずしも防止するものではなく、鼻呼吸の効果を促進させるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記の実情に鑑みてなされたもので、その課題は、口をふさぐというもののために呼吸ができなくなることから窒息するのではといった恐怖心から解放されつつ、鼻呼吸を促進するマウステープを提供することである。
【0009】
前記の課題を解決するため、第1観点におけるマウステープは、口を塞ぐシート本体と、シート本体は、開口する開口部と、を有するというものである。
【0010】
前記の課題を解決するため、第2観点におけるマウステープは、口を塞ぐシート本体と、シート本体は、開口する開口部と、を有し、開口部を複数有するというものである。
【0011】
前記の課題を解決するため、第3観点におけるマウステープは、口を塞ぐシート本体と、シート本体は、開口する開口部と、を有し、開口部を3か所有するというものである。
【0012】
前記の課題を解決するため、第4観点におけるマウステープは、口を塞ぐシート本体と、シート本体は、開口部群と、を有し、開口部群は、開口する開口部分を複数有するというものである。
【0013】
前記の課題を解決するため、第5観点におけるマウステープは、口を塞ぐシート本体と、シート本体は、3か所の開口部群と、を有し、開口部群は、開口する開口部分を複数有するというものである。
【0014】
前記の課題を解決するため、第6観点におけるマウステープは、第1観点から第3観点において、開口部は、当該開口部を塞ぐ蓋部を有し、蓋部は開口部に対し取り外し可能に構成されているというものである。
【0015】
前記の課題を解決するため、第7観点におけるマウステープは、第4観点または第5観点において、開口部分は、当該開口部分を塞ぐ蓋部を有し、蓋部は開口部分に対し取り外し可能に構成されているというものである。
【0016】
前記の課題を解決するため、第8観点におけるマウステープは、第1観点から第3観点において、開口部は、当該開口部を塞ぐ蓋部を有し、蓋部は開口部に対し取り外し可能に構成され、開口部の孔径は、5ミリメートル以下であるというものである。
【0017】
前記の課題を解決するため、第9観点におけるマウステープは、第4観点または第5観点において、開口部分は、当該開口部分を塞ぐ蓋部を有し、蓋部は開口部分に対し取り外し可能に構成され、開口部分の孔径は、2ミリメートル以下であるというものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、口をふさぐというもののために呼吸ができなくなることから窒息するのではといった恐怖心から解放されつつ、鼻呼吸を促進するマウステープを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】Aは、第1実施例のマウステープの全部の開口部を開けた状態の正面図である。Bは、第2実施例のマウステープの全部の開口部群における開口部分を開けた状態の正面図である。
【
図4】Aは、第1実施例のマウステープの2か所の開口部を開けた状態の正面図である。Bは、第2実施例のマウステープの2か所の開口部群における開口部分を開けた状態の正面図である。
【
図5】Aは、第1実施例のマウステープの1か所の開口部を開けた状態の正面図である。Bは、第2実施例のマウステープの1か所の開口部群における開口部分を開けた状態の正面図である。
【
図6】Aは、第1実施例のマウステープのすべての開口部を開けない状態の正面図である。Bは、第2実施例のマウステープのすべての開口部群における開口部分を開けない状態の正面図である。
【
図10】第6実施例のマウステープの正面図である。
【
図11】第7実施例のマウステープの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
第1実施例のマウステープ10は、口呼吸を防止し、鼻呼吸を促進するためのものであり、使用者の唇を覆うように口周りに貼り付けるというものである。マウステープ10は、シート本体20と、そのシート本体20に配置されて開口部30を有する。なお、開口部30を複数有することも好ましい。
【0021】
シート本体20は、人の唇あるいは口周りの皮膚に損傷を与えることなく追従し、長時間に渡って唇及び口周りの皮膚と隙間なく密着することができるシートであれば、材質や構造、製法は限定されない。また、シート本体20は、一般的には、基材と粘着剤とからなる救急絆創膏類や医療用フィルム、ドレッシングフィルムと呼ばれる皮膚保護材を使用することができる。
【0022】
また、開口部30は、蓋となる蓋部35を有し、その蓋部35は、開口部30に開口可能に取り付けられている。また開口部30の孔径は、例えば、5ミリメートル以下が好ましくまた2ミリメートルでも好ましい。このサイズであれば使用者の鼻の径よりも小であり、口呼吸から鼻呼吸へより促進することができるからである。
【0023】
また、シート本体20は、典型的には、合成高分子及び/又は天然高分子を主成分とするドレッシングフィルムである。ドレッシングフィルムは日本褥瘡学会によって「創における湿潤環境形成を目的とした近代的な創傷被覆材をいい、従来のガーゼは除く」と定義されている材料である。現在は、ドレッシングフィルムの適用先は治療が必要な患者だけでなく、皮膚の保護を必要とする日常生活者や労働者にも広がっている。第1実施例において、そのシート本体20に使用するドレッシングフィルムはその適用先に関わらず、従来のガーゼを除く、被覆する皮膚に湿潤環境を形成することができるシートあるいはフィルムを意味する。
【0024】
ドレッシングフィルムは、救急絆創膏や一般的な医療用フィルムに比べて接着性、柔軟性、防水性、耐油性(耐皮脂性)に優れる。このため、ドレッシングフィルム製マウステープ10を用いた場合には、マウステープ10を就寝中の長時間使うことができる、風呂やシャワー使用時にもマウステープ10が剥がれにくい、といった利点がある。
【0025】
上記合成高分子又は天然高分子としては、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、キチン、ハイドロコロイド、ハイドロジェル、セルロース、及びこれらの誘導体を用いることができる。上記合成高分子又は天然高分子は発泡されたものであってもよい。マウステープ10に上記合成高分子又は天然高分子から選ばれる複数の高分子材料が含まれていてもよい。また、マウステープ10は、上述の高分子からなる複数の層を含む積層体であってもよい。
【0026】
また、シート本体20は、安定剤、着色剤、充填剤、撥水剤、防汚剤から選ばれる1種以上を配合することができる。これらは、高分子材料を主成分とするフィルムまたはシートに配合する添加剤として一般的なものであれば、制限されない。上記安定剤には、紫外線吸収剤、光安定剤、耐候性安定剤、熱安定剤、及びこれらの混合物が含まれる。上記着色剤は、無機系着色剤、有機系着色剤のいずれであってもよい。上記充填剤は、強化剤あるいはフィラーと同義である。上記充填剤としては、高分子成形物用で一般的な無機化合物あるいは有機化合物からなる球状、針状、繊維状、あるいは不定形の粒子が用いられる。
【0027】
シート本体20の裏面には、使用者の唇に貼り付けるために粘着するの粘着剤が塗布されている。また、使用者が洗顔や入浴してもシート本体20を有するマウステープ10が剥がれないように、さらに、屋外環境においてもマウステープ10の性能を維持するために、上記シート本体20に水やホコリなどの付着を防止する添加剤(一般的に、撥水剤あるいは防汚材と呼ばれているもの)を配合することができる。撥水剤あるいは防汚材としては、高分子成形品に一般的配合されているものであれば制限されない。例えば、フッ素系撥水剤、シリコン系撥水剤などが用いることが好ましい。
【0028】
また、シート本体20は、透明、半透明、有色のいずれであってもよい。ある程度の透明性を有する有色のシートであってもよい。例えば、ドレッシングフィルムに用いられる樹脂材料を肌の色に近い色調、例えば、着色剤によって使用者の肌の色に近い色、すなわち一般に「オークル」あるいは「ベージュ」と呼ばれる色調に着色されている樹脂組成物からなるマウステープ10を用いることができる。また、シート本体20は、有色の場合において、内側から外側に向けて徐々にその色が薄くなくグラデーションとなるように構成することも好ましい。
【0029】
シート本体20の厚みは、人の唇及び口周りの被覆に支障がない範囲であれば、制限されない。上記厚みは一般的には10μm以上1000μm以下、好ましくは20μm以上500μm以下、より好ましくは50μm以上200μm以下である。
【0030】
マウステープ10におけるシート本体20は典型的には長方形であり、使用者の唇を覆うように構成されている。この場合、長方形状のシート本体20は、シート本体20の上端が使用者の鼻と上唇の間に位置決めされ、長方形状のシート本体20の下端が使用者の下唇の下側(使用者の顎)に位置決めされる。この場合、シート本体20の短辺(縦)の長さは、一般的には1cm以上5cm以下、好ましくは2cm以上4cm以下であり、シート本体20の長辺(横)の長さは、一般的には3cm以上10cm以下、好ましくは5cm以上7cm以下である。また、特に好ましいシート本体20の短辺(縦)の長さは2.5cmであり、シート本体20の長辺(横)の長さは、5cmである。
【0031】
開口部30は、シート本体20を貫通する孔となるものであって、口呼吸するための通気口となるものである。その開口部30は複数配置することが好ましく、第1実施例においてはこの開口部30を3か所配置している。もっとも、4か所以上有することも好ましい。また、開口部30は、その開口部30を塞ぐ蓋となる蓋部35をそれぞれ有する。蓋部35は、例えば、切り取り線36によって、開口部30に、取り外し可能に取り付けられており、使用者の必要に応じて任意の蓋部35を取り外すことができる。第1実施例のマウステープ10において、その開口部30は、シート本体20の長手方向の中央部分おいてその長手方向に沿うように一列に配置している。なお、後述するように開口部30を1か所のみ有する場合でもよい。また、開口部30の孔径は、例えば、5ミリメートル以下が好ましく、また2ミリメートルでも好ましい。もっとも、0.5ミリメートル以上であってもよい。なお、女性の鼻の孔の平均の大きさは9ミリメートルと言われており、2個の鼻の孔の合計の面積よりも、3個有する開口部30の場合にその径を5ミリメートルとすることで、3個有する開口部30の合計の面積を小とすることができる。このサイズであれば使用者の2個の鼻の孔の合計の面積よりも小であり、より口呼吸から鼻呼吸に促進することができるからである。
【0032】
上述するようにシート本体20の裏面には、使用者の唇に貼り付けるために粘着する粘着剤が塗布され、その粘着剤が塗布された粘着部を保護するために、その粘着部における皮膚に接する側の面に、剥離可能な、剥離シート40を配置することができる。剥離シート40の仕様は、救急絆創膏類や医療用フィルム、ドレッシングフィルムと呼ばれる皮膚保護材に設けられた剥離シートと同様である。一般的には剥離シート40は、シリコン化合物による加工を施したポリプロピレンやポリエステルなどのプラスチックシートからなる。
【0033】
剥離シート40をマウステープ10から除去しやすいように、剥離シート40を分割することができる。分割線は剥離シート40を二等分する位置にあってもよく、剥離シート40を大小の2区域に分割する位置にあってもよい(図示しない)。
【0034】
[使用法]
最初に、口をふさぐというもののために呼吸ができなくなることから窒息するのではといった恐怖心から、使用をためらってしまう使用者が、第1実施例のマウステープ10を使用する場合について説明する。なお第1実施例のマウステープ10が、開口部30を3個有する場合について説明する。
【0035】
まず、使用者はマウステープ10における3個の蓋部35をすべて取り去り、開口部30を開放しつつ、剥離シート40を除去し、長方形状を呈するマウステープ10を、唇全体を覆うように横に貼り付けることができる。この場合においても蓋部35がすべて取り外され、開口部30′が開口している。よって、口呼吸を許容するものであるので、その恐怖心を和らげることができる(第1段階)。なお、第1段階において使用者の唇全体にマウステープ10を貼り付けるが、開口部30′がすべて解放されているので、口呼吸を許容するために、その使用者の呼気によってマウステープ10がはがれるように作用することを可及的に軽減することができる。なお、第1実施例のマウステープ10を使用する場合の説明において、蓋部35を有する開口部は開口部30とし、蓋部35を取り外した開口部を開口部30′と示す。
【0036】
上述の第1段階を経ることによって、使用者は唇全体を覆うように横に貼り付けるそのマウステープ10の使用に慣れる。その場合、また新しいマウステープ10における蓋部35を2個取り去りつつ、剥離シート40を除去し、長方形状を呈するマウステープ10を、唇全体を覆うように横に貼り付けることができる(第2段階)。この段階において使用者は、マウステープ10の使用に慣れ、徐々に口呼吸から鼻呼吸に移行することができる。この段階において、使用者はマウステープ10における2個の蓋部35を取り去り、2個の開口部30′と1個の開口部30が配置されている。
【0037】
上述の第2段階を経ることによって、使用者は唇全体を覆うように横に貼り付けるそのマウステープ10の使用にさらに慣れる。その場合、また新しいマウステープ10における複数の蓋部35を1個取り去り、剥離シート40を除去し、長方形状を呈するマウステープ10を、唇全体を覆うように横に貼り付けることができる(第3段階)。この段階において、使用者はマウステープ10における1個の蓋部35を取り去り、1個の開口部30′と2個の開口部30が配置されている。また、この段階において使用者は、マウステープ10の使用にさらに慣れ、さらに口呼吸から鼻呼吸に移行することができる。
【0038】
上述の第3段階を経ることによって、使用者は唇全体を覆うように横に貼り付けるそのマウステープ10の使用にさらに慣れる。その場合、また新しいマウステープ10における複数の蓋部35を取り去ることなく、剥離シート40を除去し、長方形状を呈するマウステープ10を、唇全体を覆うように横に貼り付けることができる(第4段階)。この段階において、使用者はマウステープ10における3個の開口部30が配置されているが、蓋部35によって、その開口部30が塞がれている。この段階において使用者は、マウステープ10の使用にさらに慣れ、口呼吸から鼻呼吸に完全に移行することができる。
【0039】
このように使用者は、第1段階から徐々に第4段階を経ることによって、従来のマウステープが口をふさぐというもののために呼吸ができなくなることから窒息するのではといった恐怖心から、使用をためらってしまう使用者が、第1実施例のマウステープ10を使用することで容易に口呼吸から鼻呼吸に移行することができる。なお第1実施例のマウステープ10においては開口部30を横一列に3か所設けているが、この開口部30を増加することも好ましい。開口部30の数が増えればさらに上述の段階を細かく設定することができる。
【0040】
このように、第1段階から徐々に第4段階を経ることによって就寝期間中を通してマウステープ10で口呼吸を徐々に阻止し鼻呼吸に移行することができる。また、マウステープ10を救急絆創膏類や医療用フィルム、ドレッシングフィルムと呼ばれる皮膚保護材で形成した場合には、そのマウステープ10に水や汗が付着してもが剥がれ難い。また、長時間使用による皮膚や唇への悪影響を懸念することなく、美容効果を期待してマウステープ10を使用することができる。なお、マウステープが、開口部30を1か所のみ有する場合においても、その1か所の開口部30の蓋部35を取り除いた段階と、開口部30の蓋部35を取り除かない段階と、の2段階を経ることができるので、従来のマウステープが口をふさぐというもののために呼吸ができなくなることから窒息するのではといった恐怖心から、使用をためらってしまうその使用者が、開口部30が1個のマウステープを使用することによっても容易に口呼吸から鼻呼吸に移行することができる(図示せず)。
【0041】
次に、第2実施例のマウステープ11は、第1実施例のマウステープ10との相違点のみ記載し、同様の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する場合がある。第2実施例のマウステープ11は、シート本体20と、そのシート本体20に配置された複数の開口部群300を有する。開口部群300は、文字通り開口する複数の開口部分360の集合体であり、第2実施例のマウステープ11においては、例えば、13個の開口する開口部分360を有することが好ましい。また、第2実施例のマウステープ11は、3か所の開口部群350を有する。なお、13個の開口する開口部分360には蓋部365が設けられており、例えば、切り取り線370によって、開口部分360に、取り外し可能に取り付けられており、使用者の必要に応じて任意の蓋部365を取り外すことができる。なお、
図2において煩雑さを回避すべく一部の符号を省略する場合がある。また、開口部分360の孔径は、例えば、5ミリメートル以下が好ましく、また2ミリメートルでも好ましい。また、2ミリメートル以下であるとともに0.5ミリメートル以上であってもよい。また、1.5ミリメートルでもよく、また、開口部分360の孔径は1.1ミリメートルであってもよい。なお、女性の鼻の孔の平均の大きさは9ミリメートルと言われており、2個の鼻の孔の合計の面積よりも、3個有する開口部群300の場合にその開口部分360の径を1ミリメートルとすることで、3個有する開口部群300の開口部分360の合計の面積を小とすることができる。このサイズであれば使用者の鼻の孔の面積よりも小であり、より口呼吸から鼻呼吸に促進することができるからである。
【0042】
また、第2実施例のマウステープ11においても、第1実施例のマウステープ10と同様にシート本体20の裏面には、使用者の唇に貼り付けるために粘着するの粘着剤が塗布され、その粘着部を保護するために、その粘着部における皮膚に接する側の面に、剥離可能な、剥離シート40を配置することができる。なお図示しないが、剥離シート40を分割することができる分割線を有する場合がある。
【0043】
第2実施例のマウステープ11の使用方法については上述とほぼ同様である。したがって、念のため説明すると、まず、第2実施例のマウステープ11において、すべての開口部群300が開口することで、開口部群300'とする(第1段階)。すなわち、開口部群300は、13個の開口する開口部分360を有し、その開口部分360には切り取り線370を介して蓋部365が設けられており、その切り取り線370を切り取り、使用者が全部の蓋部365を取り外すことで、開口部群300'とする。このように、第2実施例のマウステープ11を使用する場合の説明において、蓋部365を取り外さない状態の開口部分360を有する開口部群を開口部群300とし、蓋部365を取り外した状態の開口部分360を有する開口部群を開口部群300’と示す。この段階において、使用者はマウステープ11における3か所の開口部群300における開口部分360のすべての蓋部365を取り去り、3か所の開口部群300’が配置されている。
【0044】
上述の第1段階を経ることによって、使用者は唇全体を覆うように横に貼り付けるそのマウステープ11の使用に慣れる。その場合、また新しいマウステープ11における2か所の開口部群300における多数の蓋部365を取り去り、剥離シート40を除去し、長方形状を呈するマウステープ11を、唇全体を覆うように横に貼り付けることができる(第2段階)。この段階において使用者は、マウステープ11の使用に慣れ、徐々に口呼吸から鼻呼吸に移行することができる。また、この段階において、使用者はマウステープ11における2か所の開口部群300における開口部分360のすべての蓋部365を取り去り、2か所の開口部群300’と1か所の開口部群300が配置されている。
【0045】
上述の第2段階を経ることによって、使用者は唇全体を覆うように横に貼り付けるそのマウステープ10の使用にさらに慣れる。その場合、また新しいマウステープ11における3か所の開口部群300のうち、1か所の開口部群300における開口部分360の蓋部365をすべて取り去り、剥離シート40を除去し、長方形状を呈するマウステープ11を、唇全体を覆うように横に貼り付けることができる(第3段階)。この段階において使用者は、マウステープ11の使用にさらに慣れ、さらに口呼吸から鼻呼吸に移行することができる。また、この段階において、使用者はマウステープ11における1か所の開口部群300における開口部分360のすべての蓋部365を取り去り、1か所の開口部群300’と2か所の開口部群300が配置されている。
【0046】
上述の第3段階を経ることによって、使用者は唇全体を覆うように横に貼り付けるそのマウステープ11の使用にさらに慣れる。その場合、また新しいマウステープ11における剥離シート40を除去し、多数の蓋部365を取り去ることなく長方形状を呈するマウステープ11を、唇全体を覆うように横に貼り付けることができる(第3段階)。なお、この段階において、使用者はマウステープ11における開口部群300における開口部分360の蓋部365を取り去ることなく、すべての開口部分360に蓋部365が配置されている3か所の開口部群300が配置されている。この段階において使用者は、マウステープ11の使用にさらに慣れ、さらに口呼吸から鼻呼吸に完全に移行することができる。
【0047】
このように使用者は、第1段階から徐々に第4段階を経ることによって、従来のマウステープが口をふさぐというもののために呼吸ができなくなることから窒息するのではといった恐怖心から、使用をためらってしまう使用者が、第2実施例のマウステープ11を使用することで容易に口呼吸から鼻呼吸に移行することができる。なお第2実施例のマウステープ11においては開口部群300を横一列に3か所設けているが、この開口部群300を増加するすることも好ましい。開口部群30の数が増えればさらに上述の段階を細かく設定することができる。
【0048】
このように、第1段階から徐々に第4段階を経ることによって就寝期間中を通してマウステープ11で口呼吸を徐々に阻止し鼻呼吸に移行することができる。また、マウステープ11を救急絆創膏類や医療用フィルム、ドレッシングフィルムと呼ばれる皮膚保護材で形成した場合には、そのマウステープ11に水や汗が付着してもが剥がれ難い。また、長時間使用による皮膚や唇への悪影響を懸念することなく、美容効果を期待してマウステープ11を使用することができる。
【0049】
上述の第1実施例のマウステープ10は、長方形状呈するものであるが、横長のだ円形状を呈する第3本体23を有する第3実施例のマウステープ12および、小判型形状を呈する第4本体24を有する第4実施例のマウステープ13についても上述と同様の段階を経ることができる。なお、第3実施例のマウステープ12および第4実施例のマウステープ13について、第1実施例のマウステープ10と同様に開口部30と蓋部40を有し、同一の構成については同一の符号を付しその説明は省略する。
【0050】
また、ハートの形状を呈する第5本体25を有する第5実施例のマウステープ14、星の形状を呈する第6本体26を有する第6実施例のマウステープ15、円形状を呈する第7本体27を有する第7実施例のマウステープ16についても、上述の第1実施例のマウステープ10の第1段階から第4段階と同様の段階を経ることができる。第4実施例のマウステープ13、第6実施例のマウステープ15、第7実施例のマウステープ16について、第1実施例のマウステープ10と同様に開口部30と蓋部40を有するので、同一の構成については同一の符号を付しその説明は省略する。また上述の第3本体23、第4本体24、第5本体25、第6本体26、第7本体27は、第1実施例のマウステープ10の本体20と同一の材質であることが好ましい。
【符号の説明】
【0051】
10 第1実施例のマウステープ
11 第2実施例のマウステープ
12 第3実施例のマウステープ
13 第4実施例のマウステープ
14 第5実施例のマウステープ
15 第6実施例のマウステープ
16 第7実施例のマウステープ
20 シート本体
23 第3シート本体
24 第4シート本体
25 第5シート本体
26 第6シート本体
27 第7シート本体
30 開口部
35 蓋部
40 剥離シート
300 開口部群
360 開口部分
365 蓋部