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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016700
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】CO2排出量調整方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/08 20060101AFI20240131BHJP
   C04B 7/19 20060101ALI20240131BHJP
   C04B 14/28 20060101ALI20240131BHJP
   C04B 18/14 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
C04B28/08 ZAB
C04B7/19
C04B14/28
C04B18/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119007
(22)【出願日】2022-07-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)ウェブサイトの掲載年月日:令和4年4月15日 ウェブサイトのアドレス(URL):https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20220415_1.html (2)発行者:株式会社 化学工業日報社 刊行物名:化学工業日報 2022年7月25日 発行年月日:令和4年7月25日 (3)発行者:一般社団法人 日本建築学会 刊行物名:2022年度大会(北海道)学術講演梗概集、建築デザイン発表梗概集 発行年月日:令和4年7月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神代 泰道
(72)【発明者】
【氏名】田中 寛人
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕太
(72)【発明者】
【氏名】並木 憲司
【テーマコード(参考)】
4G112
【Fターム(参考)】
4G112PA10
4G112PA29
4G112PC02
4G112PC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】水硬性組成物の製造時におけるCO排出量を調整する方法を提供する。
【解決手段】水と、製造時にCOを排出するCO排出材と、製造時にCOを吸収するCO吸収材と、を含む水硬性組成物の、当該水硬性組成物に含まれる各材料の配合割合を調整して前記水硬性組成物を製造することによりCO排出量を調整し、前記水硬性組成物の分散性能と保持性能を担保する化学混和剤を混合して、前記水硬性組成物のワーカビリティーを調整する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と、
製造時にCOを排出するCO排出材と、
製造時にCOを吸収するCO吸収材と、を含む水硬性組成物の、当該水硬性組成物に含まれる各材料の配合割合を調整して前記水硬性組成物を製造することによりCO排出量を調整し、
前記水硬性組成物の分散性能と保持性能を担保する化学混和剤を混合して、前記水硬性組成物のワーカビリティーを調整することを特徴とするCO排出量調整方法。
【請求項2】
請求項1に記載のCO排出量調整方法であって、
前記水硬性組成物は、粉体としてセメント、高炉スラグ微粉末、又は、炭酸塩の何れか1つ以上を含み、
前記CO排出材と前記CO吸収材の総粉体量に対して、前記化学混和剤の添加率を設定することを特徴とするCO排出量調整方法。
【請求項3】
請求項2に記載のCO排出量調整方法であって、
前記化学混和剤の添加率は、前記化学混和剤の質量が、前記粉体の質量の0.9%より大きく2.1%以下であることを特徴とするCO排出量調整方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のCO排出量調整方法であって、
前記水硬性組成物のCO排出量と、前記CO吸収材を含まない比較水硬性組成物のCO排出量と、を比較してCO削減量を評価することを特徴とするCO排出量調整方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のCO排出量調整方法であって、
前記CO排出材は、高炉スラグ微粉末を含み、
前記高炉スラグ微粉末の一部または全部を前記CO吸収材と置換することを特徴とするCO排出量調整方法。
【請求項6】
請求項5に記載のCO排出量調整方法であって、
前記CO吸収材は、炭酸塩を0~185kg/mとし、前記高炉スラグ微粉末を81~266kg/mとすることを特徴とするCO排出量調整方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のCO排出量調整方法であって、
前記水硬性組成物は、細骨材を含み、
前記細骨材の一部または全部を前記CO吸収材と置換することを特徴とするCO排出量調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水硬性組成物の製造時におけるCO排出量調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に建設資材からのCO排出量削減は社会的課題である。例えばセメントが混練されるコンクリートなどの水硬性組成物は、その製造工程において二酸化炭素(CO)排出量が多いことは知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-160986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
出願人は、高炉スラグ微粉末などを用いることでCOの排出量を大幅に削減した水硬性組成物を実用化している。しかしながら、カーボンニュートラルやカーボンネガティブを実現するために、更なるCO排出量の削減が求められている。また、水硬性組成物には、CO排出量を削減しつつ良好なワーカビリティーと硬化後の高い強度も求められる。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、COの排出量削減を図るとともに、より優れたワーカビリティーと強度とを備えることを可能とするCO排出量調整方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために本発明のCO排出量調整方法は、水と、製造時にCOを排出するCO排出材と、製造時にCOを吸収するCO吸収材と、を含む水硬性組成物の、当該水硬性組成物に含まれる各材料の配合割合を調整して前記水硬性組成物を製造することによりCO排出量を調整し、前記水硬性組成物の分散性能と保持性能を担保する化学混和剤を混合して、前記水硬性組成物のワーカビリティーを調整することを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書および添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、COの排出量削減を図るとともにワーカビリティーを備えることを可能とするCO排出量調整方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
態様1のCO排出量調整方法は、水と、製造時にCOを排出するCO排出材と、製造時にCOを吸収するCO吸収材と、を含む水硬性組成物の、当該水硬性組成物に含まれる各材料の配合割合を調整して前記水硬性組成物を製造することによりCO排出量を調整し、前記水硬性組成物の分散性能と保持性能を担保する化学混和剤を混合して、前記水硬性組成物のワーカビリティーを調整することを特徴とする。
【0009】
このようなCO排出量調整方法によれば、水硬性組成物に含まれるCO排出材とCO吸収材との配合割合を調整することによりCO排出量を調整して、COの排出量削減を図ことが可能であり、また、水硬性組成物の分散性能と保持性能を担保する化学混和剤を混合することによりワーカビリティーを調整することが可能である。このため、COの排出量削減を図るとともにワーカビリティーを備えたコンクリートを製造することが可能となる。
【0010】
態様2のCO排出量調整方法は、態様1に記載のCO排出量調整方法であって、前記水硬性組成物は、粉体としてセメント、高炉スラグ微粉末、又は、炭酸塩の何れか1つ以上を含み、前記CO排出材と前記CO吸収材の総粉体量に対して、前記化学混和剤の添加率を設定することを特徴とする。
【0011】
このようなCO排出量調整方法によれば、CO排出材とCO吸収材の総粉体量に対して、化学混和剤の添加率を設定することにより、COの排出量削減を図るとともに、ワーカビリティーを備えたコンクリートを製造することが可能となる。
【0012】
態様3のCO排出量調整方法は、態様2に記載のCO排出量調整方法であって、前記化学混和剤の添加率は、前記化学混和剤の質量が、前記粉体の質量の0.9%より大きく2.1%以下であることを特徴とする。
【0013】
このようなCO排出量調整方法によれば、水硬性組成物に混合する化学混和剤の質量を、セメント、高炉スラグ微粉末、又は、炭酸カルシウム等、水硬性組成物に含まれる粉体の質量の0.9%より大きく2.1%以下とすることにより、良好な性状のフレッシュコンクリートを得ることが可能である。
【0014】
態様4のCO排出量調整方法は、態様1乃至態様3のいずれかに記載のCO排出量調整方法であって、前記水硬性組成物のCO排出量と、前記CO吸収材を含まない比較水硬性組成物のCO排出量と、を比較してCO削減量を評価することを特徴とする。
【0015】
このようなCO排出量調整方法によれば、CO排出量を調整した水硬性組成物のCO排出量は、CO吸収材を含まない比較水硬性組成物のCO排出量と、を比較してCO削減量を評価するので、水硬性組成物のCO排出量を比較水硬性組成物のCO排出量よりも確実に低減し、また、CO吸収量を高めることが可能である。
【0016】
態様5のCO排出量調整方法は、態様1乃至態様3のいずれかに記載のCO排出量調整方法であって、前記CO排出材は、高炉スラグ微粉末を含み、前記高炉スラグ微粉末の一部または全部を前記CO吸収材と置換することを特徴とする。
【0017】
このようなCO排出量調整方法によれば、CO排出材である高炉スラグ微粉末の一部または全部をCO吸収材と置換するので、CO排出材の配合割合が低減し、CO吸収材の配合割合が増加する。このため、より効率よくCO排出量を削減することが可能となる。
【0018】
態様6のCO排出量調整方法は、態様5に記載のCO排出量調整方法であって、前記CO吸収材は、炭酸塩を0~185kg/mとし、前記高炉スラグ微粉末を81~266kg/mとすることを特徴とする。
【0019】
このようなCO排出量調整方法によれば、CO吸収材として用いる炭酸塩を0~185kg/mとし、高炉スラグ微粉末を81~266kg/mとすることにより、COの排出量をより確実に削減することが可能となる。
【0020】
態様7のCO排出量調整方法は、態様1乃至態様3のいずれかに記載のCO排出量調整方法であって、前記水硬性組成物は、細骨材を含み、前記細骨材の一部または全部を前記CO吸収材と置換することを特徴とする。
【0021】
このようなCO排出量調整方法によれば、CO排出材の細骨材の一部または全部をCO吸収材と置換するので、CO排出材の配合割合が低減し、CO吸収材の配合割合が増加する。このため、より効率よくCO排出量を削減することが可能となる。
===本実施の形態について===
本実施の形態について、以下において、さらに詳しく説明する。
【0022】
本実施の形態においては、水硬性組成物として、CO排出量を低減させた低炭素型コンクリートであるクリーンクリート(株式会社大林組の登録商標)に含まれる各材料の配合割合を調整して排出されるCO削減量を、CO吸収材を含まない比較水硬性組成物としての一般的なコンクリート(以下、通常コンクリートという)と比較して評価し、また、互いに配合割合の異なる複数種類のコンクリートにおいて、ワーカビリティーを示すフレッシュ性状、及び、圧縮強度について試験を実施した結果について説明する。
【0023】
クリーンクリートは、セメントの一部をCO排出量の少ない高炉スラグ微粉末やフライアッシュなどの産業副産物に置換することでCO排出量を低減させるコンクリートである。本実施形態では、セメントの一部を高炉スラグ微粉末と置換したクリーンクリートを用いている。
【0024】
そして、フレッシュ性状、及び、圧縮強度の試験については、クリーンクリートに含まれる高炉スラグ微粉末の一部とCO吸収材との配合割合を調整して排出されるCO排出量を削減し、さらにCO吸収材の配合割合を高めることによるフレッシュ性状の変化を抑制して良好なワーカビリティーを実現すべく、コンクリートの分散性能と保持性能を担保する化学混和剤を混合して製造した、複数水準のコンクリートについて実施する。ここで、セメント及び高炉スラグ微粉末がCO排出材に相当する。
【0025】
本実施形態においては、CO吸収材として、炭酸カルシウムを用いた。ここで扱う炭酸カルシウムは、スラッジ水に炭酸ガスが主成分の排気ガスを吹きかけて製造したものである。なお、上記以外には、炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど)や脱水ケーキを乾燥させた乾燥スラッジなどが挙げられる。
【0026】
本実施形態においては、高炉スラグ微粉末と炭酸カルシウムとの配合割合を調整して、通常コンクリートよりもCO排出量が低減されたコンクリートを、配合割合に応じて4水準設定し、各水準のコンクリートのCO排出量を算出すると共に、各コンクリートのフレッシュ性状が目標値を満足する化学混和剤の混合量を確認する。
【0027】
また、化学混和剤として、コンクリート中でセメント粒子を高い分散力で分散させる高性能AE減水剤と、コンクリート中に多くの独立した微細な空気泡を一様に連行するAE剤を用いる。また、フレッシュ性状及び圧縮強度の目標値は、目標スランプ21±2.0cm、目標空気量4.5±1.5%、目標圧縮強度20N/mmとした。
【0028】
評価する4水準のコンクリートを、コンクリート1~4と称する。コンクリート1(水準1)は、炭酸カルシウムCCを含まないクリーンクリート(低炭素型コンクリート)であり、コンクリート2(水準2)~コンクリート4(水準4)は、いずれもコンクリート1(水準1)に対して、炭酸カルシウムCCを高炉スラグ微粉末BSの一部と置換して混入したコンクリートである。
【0029】
表1に、通常コンクリートの使用材料を示し、表2に、評価対象となる4水準のコンクリートの使用材料を示しており、表3に、各コンクリートの配合割合を示す。
【0030】
【0031】
表1、表2の記号は、表3の記号と対応している。
【0032】
【0033】
表4は、日本建築学会が2017年に刊行された「高炉セメントまたは高炉スラグ微粉末を用いた鉄筋コンクリート造の設計・施工指針(案)・同解説」に記載されている、各材料におけるCO排出量、CO固定量を示すインベントリデータである。
【0034】
水のCO排出量及びCO固定量は0[kg-CO2/t]とし、炭酸カルシウムのCO固定量は理論値の440[kg-CO2/t]と仮定した。尚、CO吸収材のCO吸収量は、上述したインベントリデータを用いる他、例えば、理論値を用いる、TOCやTG-DTAなどによる測定値を用いる、理論値や測定値からCO吸収材の製造に関わるCO排出量を差し引いたものを用いるなど、いずれの値を用いても構わない。
【0035】
表3の配合表と表4のインベントリデータとに基づいて、各コンクリートの製造時におけるCO総排出量を(式1)に基づいて算出し、CO総吸収量を(式2)により算出し、CO排出量及びCO総吸収量から(式3)により各コンクリートのCO合計を算出する。
【0036】
CO総排出量は、CO排出材(W、C、BS、S、G、SP、AD、AF)のCO排出量の合計である。すなわち、各材料の、コンクリートにおける単位量(1t)あたりの使用量(表3参照)とインベントリデータに基づく単位量(1t)あたりのCO排出量の積により求められる材料毎のCO排出量の総和である。
【0037】
各材料のCO排出量
CO排出量[kg-CO2/m3]=各材料の使用量[kg/m3]×各材料のCO排出量[kg-CO2/t]
・・・(式1)
【0038】
CO固定量は、CO吸収材のCO固定量の合計である。すなわち、本実施形態においては炭酸カルシウム(CC)の、コンクリートにおける単位量(1t)あたりの使用量(表3参照)とインベントリデータに基づく単位量(1t)あたりのCO固定量の積により求められる炭酸カルシウム(CC)のCO固定量である。
【0039】
炭酸カルシウム(CC)のCO固定量(CO総固定量)
CO総固定量[kg-CO2/m3]=CCの使用量[kg/m3]×CCのCO固定量[kg-CO2/t])
・・・(式2)
【0040】
COの合計は、(式1)により算出した材料毎のCO排出量の総和(CO総排出量)から(式2)により算出した炭酸カルシウムCCのCO固定量との和により算出する。
COの合計
COの合計[kg-CO2/m3]=CO総排出量[kg-CO2/m3]+CO総固定量[kg-CO2/m3]
・・・(式3)
【0041】
次に、通常コンクリート及びコンクリート1~4を製造し、フレッシュ性状及び圧縮強度の確認として、表5に示す各試験を実施した。試験及び測定方法については、表5に示すようにJISに基づいて実施している。
【0042】
【0043】
供試体の練混ぜ手順は、細骨材S、炭酸カルシウムCC、セメントCおよび高炉スラグ微粉末BSを入れて10秒間練り混ぜた後、化学混和剤入りの水を投入して60秒間練り混ぜた(試験状況に応じて練混ぜ時間を変更する)。次に、粗骨材Gを投入し、60秒間練り混ぜて排出した。
表6は、各コンクリートにおけるCO総排出量、CO総固定量、COの合計と、各試験における結果を示す。
【0044】
【0045】
本実施形態では、表6に示すように、CO排出量を削減するために、高炉スラグ微粉末BSの一部を炭酸カルシウムCCに置換した。さらに、カーボンニュートラルを実現するレベルまで、高炉スラグ微粉末BSの一部を炭酸カルシウムCCに置換することができることが確認された。
【0046】
本実施形態のCO排出量調整方法によれば、高炉スラグ微粉末BSを用いたコンクリートのCO排出量を、より削減するためには、CO吸収材として用いる炭酸カルシウムである炭酸カルシウムCCを0~185kg/mとし、高炉スラグ微粉末BSを81~266kg/mとすることが必要であった。また、CO排出量を削減しつつも、良好な性状のフレッシュコンクリートを得るためには、さらに、コンクリートに混合する高性能AE減水剤SPの質量を、セメントC、高炉スラグ微粉末BS、又は、炭酸カルシウムCC等、コンクリートに含まれる粉体の質量の0.9%より大きく2.1%以下とすることが必要であった。
【0047】
また、CO排出材である高炉スラグ微粉末BSの一部をCO吸収材である炭酸カルシウムCCと置換するので、CO排出材の配合割合が減少し、CO吸収材の配合割合が増加する。このため、より効率よくCO排出量を削減することが可能となる。
【0048】
また、炭酸カルシウムなどの炭酸塩を混入することでコンクリートの強度が増進する場合は、その増進分に相当する結合材量を減じることが可能である。この場合には、コンクリートのCO排出量をさらに減じることが可能となる。
===その他の実施形態について===
【0049】
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【0050】
上記実施形態においては、高炉スラグ微粉末BSを炭酸カルシウムに置換する例について説明したが、細骨材Sの一部を炭酸カルシウムなどのCO吸収材に置換しても構わない。
【0051】
また、上記実施形態においては、CO吸収材として炭酸カルシウムを用いた例について説明したがこれに限るものではない。例えば、炭酸カルシウム以外の炭酸塩や乾燥スラッジなどを使用しても構わない。