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特開2024-167008水素皮膚浸透装置およびそれを用いた水素皮膚浸透方法
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  • 特開-水素皮膚浸透装置およびそれを用いた水素皮膚浸透方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167008
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】水素皮膚浸透装置およびそれを用いた水素皮膚浸透方法
(51)【国際特許分類】
   A61H 33/14 20060101AFI20241122BHJP
   A61M 35/00 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
A61H33/14 A
A61H33/14 B
A61M35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083514
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】515307102
【氏名又は名称】永井 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100147740
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 俊
(72)【発明者】
【氏名】永井 秀明
【テーマコード(参考)】
4C094
4C267
【Fターム(参考)】
4C094AA02
4C094AA04
4C094DD01
4C094EE01
4C094GG03
4C094GG06
4C267AA67
4C267CC05
(57)【要約】
【課題】皮膚を通して水素を浸透する手段を提供する。
【解決手段】本発明は、水素発生装置および水素吹き出し装置を有する水素皮膚浸透装置であって、前記水素吹き出し装置から出る水素は前記水素発生装置で発生した水素であり、前記水素吹き出し装置は水素吹き出し口および水素吹き出し口の周囲に皮膚接触部を有し、前記皮膚接触部を皮膚に当てて水素吹き出し口から出る水素を皮膚に吹き付けて、水素を皮膚に浸透させることを特徴とする水素皮膚浸透装置であり、前記水素発生装置から出る水素を通し前記水素吹き出し装置に水素を導入する水素導入管を有し、前記水素吹き出し装置の皮膚接触部を皮膚に当てたときに、前記水素吹き出し装置の水素吹き出し口と皮膚との間は密閉状態となっており、前記水素吹き出し装置の皮膚接触部を皮膚に当てたときに皮膚にかかる水素の圧力は、2~4気圧であることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素発生装置および水素吹き出し装置を有する水素皮膚浸透装置であって、前記水素吹き出し装置から出る水素は前記水素発生装置で発生した水素であり、前記水素吹き出し装置は水素吹き出し口および水素吹き出し口の周囲に皮膚接触部を有し、前記皮膚接触部を皮膚に当てて水素吹き出し口から出る水素を皮膚に吹き付けて、水素を皮膚に浸透させることを特徴とする水素皮膚浸透装置。
【請求項2】
前記水素発生装置から出る水素を通し前記水素吹き出し装置に水素を導入する水素導入管を有することを特徴とする請求項1に記載の水素皮膚浸透装置。
【請求項3】
前記水素吹き出し装置の皮膚接触部を皮膚に当てたときに、前記水素吹き出し装置の水素吹き出し口と皮膚との間は密閉状態となっていることを特徴とする、請求項1に記載の水素皮膚浸透装置。
【請求項4】
前記水素吹き出し装置の皮膚接触部を皮膚に当てたときに皮膚にかかる水素の圧力は、2~4気圧であることを特徴とする、請求項1に記載の水素皮膚浸透装置。
【請求項5】
前記水素発生装置は、水素発生剤を水中に入れて水素を発生させる装置であることを特徴とする、請求項1に記載の水素皮膚浸透装置。
【請求項6】
前記水素発生装置は、水素を充填した水素ボンベであることを特徴とする、請求項1に記載の水素皮膚浸透装置。
【請求項7】
前記水素吹き出し装置の皮膚接触部はプラスチック製またはゴム製であることを特徴とする、請求項1に記載の水素皮膚浸透装置。
【請求項8】
前記皮膚接触部または前記皮膚接触部が接触する皮膚にジェルを付着した後に、前記皮膚接触部を皮膚に当てて前記水素吹き出し口から出る水素を皮膚に吹き付けて皮膚に浸透させることを特徴とする、請求項1に記載の水素皮膚浸透装置。
【請求項9】
水素発生装置と水素吹き出し装置との間に水素水発生装置を配置したことを特徴とする、請求項1に記載の水素皮膚浸透装置。
【請求項10】
水素発生装置、水素吹き出し装置および前記水素吹き出し装置は水素吹き出し口および水素吹き出し口の周囲に皮膚接触部を有する水素皮膚浸透装置を使用して、前記皮膚接触部を皮膚に当てて、前記水素発生装置で発生し前記水素吹き出し装置から出る水素を皮膚に吹き付けて水素を皮膚中に浸透させることを特徴とする水素皮膚浸透方法。
【請求項11】
前記皮膚接触部または前記皮膚接触部が当たる皮膚の部位にジェルを塗布または付着した後に、前記皮膚接触部を皮膚に当てて水素吹き出し口から出る水素を皮膚に吹き付けて水素を皮膚中に浸透させることを特徴とする、請求項10に記載の水素皮膚浸透方法。
【請求項12】
皮膚に水素を吹き付けた後に、ジェルから水素気泡が出る程度に前記皮膚接触部を皮膚に当てることを特徴とする、請求項11に記載の水素皮膚浸透方法。
【請求項13】
前記水素発生装置から出る水素を通し前記水素吹き出し装置に水素を導入する水素導入管を有することを特徴とする、請求項10に記載の水素皮膚浸透方法。
【請求項14】
前記水素吹き出し装置の皮膚接触部を皮膚に当てたときに、前記水素吹き出し装置の水素吹き出し口と皮膚との間は密閉状態となっていることを特徴とする、請求項10に記載の水素皮膚浸透方法。
【請求項15】
前記水素吹き出し装置の皮膚接触部を皮膚に当てたときに皮膚にかかる水素の圧力は、2~4気圧であることを特徴とする、請求項10に記載の水素皮膚浸透方法。
【請求項16】
前記水素発生装置は、水素発生剤を水中に入れて水素を発生させる装置であることを特徴とする、請求項10に記載の水素皮膚浸透方法。
【請求項17】
前記水素発生装置は、水素を充填した水素ボンベであることを特徴とする、請求項10に記載の水素皮膚浸透方法。
【請求項18】
前記水素吹き出し装置の皮膚接触部はプラスチック製またはゴム製であることを特徴とする、請求項10に記載の水素皮膚浸透方法。
【請求項19】
水素発生装置と水素吹き出し装置との間に水素水発生装置を配置したことを特徴とする、請求項10に記載の水素皮膚浸透方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素ガスを用いた健康システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年水素は水素自動車の燃料として注目されているが、水素を水に溶かした水素水が健康増進に有用であることが報告されている。たとえば、水素水を日常的に飲料すると細胞が若返るなどエイジングケアなどとして美容への効果だけでなく、様々な疾患への改善効果が認められ、一部の病院では治療の一環として水素の摂取等が取り入れられている。また、水素単独で、あるいは水素に霧を混合して口や鼻から吸引して健康増進をはかることも行われている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-086857
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人間は、いつまでも若々しい状態を維持したいと思っているが、年齢をとるにつれて、皮膚にシミ、小ジワ、くすみなどが目立ってくる。また、紫外線や環境の刺激によって皮膚にシミ、小ジワ、くすみが発生するので、若い人でもこれらが増える場合がある。この対策として、美溶剤や皮膚クリームを肌に塗布しているが、シミ等の原因は皮膚表面ではなく皮膚中であるから、余り効果がない。すなわち、シミ、小ジワ、くすみなどの原因は、皮膚中の基底層にあるメラノサイトで生成されるメラニンの過剰生成とターンオーバー(肌の生まれ変わり)が原因と言われている。メラニンの過剰生産やターンオーバーを引き起こす主な原因として、身体中の活性酸素が考えられている。水素は身体中の活性酸素を抑制する効果があるが、水素を肌に吹きかけたり、水素水を肌に塗布したりしても水素が皮膚中に入っていく量はわずかであるから、活性酸素を抑制するまでの効果は少ない。これまで、水素単独であるいは他の気体や霧を混合して口や鼻から吸引して呼吸器系から水素を吸引することも行われているが、皮膚から直接水素を身体へ注入することは行われていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、水素を直接、皮膚を通して体内に取り込む手段および方法を提供することであり、具体的には以下の特徴を有する。
(1)本発明は、水素発生装置および水素吹き出し装置を有する水素皮膚浸透装置であって、前記水素吹き出し装置から出る水素は前記水素発生装置で発生した水素であり、前記水素吹き出し装置は水素吹き出し口および水素吹き出し口の周囲に皮膚接触部を有し、前記皮膚接触部を皮膚に当てて水素吹き出し口から出る水素を皮膚に吹き付けて、水素を皮膚に浸透させることを特徴とする水素皮膚浸透装置であり、前記水素発生装置から出る水素を通し前記水素吹き出し装置に水素を導入する水素導入管を有し、前記水素吹き出し装置の皮膚接触部を皮膚に当てたときに、前記水素吹き出し装置の水素吹き出し口と皮膚との間は密閉状態となっており、前記水素吹き出し装置の皮膚接触部を皮膚に当てたときに皮膚にかかる水素の圧力は、2~4気圧であることを特徴とする。
【0006】
(2)本発明は、(1)に加えて、前記水素発生装置は、水素発生剤を水中に入れて水素を発生させる装置であり、または前記水素発生装置は、水素を充填した水素ボンベであり、前記水素吹き出し装置の皮膚接触部はプラスチック製またはゴム製であり、前記皮膚接触部または前記皮膚接触部が接触する皮膚にジェルを付着した後に、前記皮膚接触部を皮膚に当てて前記水素吹き出し口から出る水素を皮膚に吹き付けて皮膚に浸透させることを特徴とし、水素発生装置と水素吹き出し装置との間に水素水発生装置を配置したことを特徴とする。
【0007】
(3)本発明は、水素発生装置、水素吹き出し装置および前記水素吹き出し装置は水素吹き出し口および水素吹き出し口の周囲に皮膚接触部を有する水素皮膚浸透装置を使用して、前記皮膚接触部を皮膚に当てて、前記水素発生装置で発生し前記水素吹き出し装置から出る水素を皮膚に吹き付けて水素を皮膚中に浸透させることを特徴とする水素皮膚浸透方法であり、前記皮膚接触部または前記皮膚接触部が当たる皮膚の部位にジェルを塗布または付着した後に、前記皮膚接触部を皮膚に当てて水素吹き出し口から出る水素を皮膚に吹き付けて水素を皮膚中に浸透させ、また皮膚に水素を吹き付けた後に、ジェルから水素気泡が出る程度に前記皮膚接触部を皮膚に当てることを特徴とする。
【0008】
(4)本発明は、(3)に加えて、前記水素発生装置から出る水素を通し前記水素吹き出し装置に水素を導入する水素導入管を有し、前記水素吹き出し装置の皮膚接触部を皮膚に当てたときに、前記水素吹き出し装置の水素吹き出し口と皮膚との間は密閉状態となっており、前記水素吹き出し装置の皮膚接触部を皮膚に当てたときに皮膚にかかる水素の圧力は、2~4気圧であり、前記水素発生装置は、水素発生剤を水中に入れて水素を発生させる装置であり、または前記水素発生装置は水素を充填した水素ボンベであり、前記水素吹き出し装置の皮膚接触部はプラスチック製またはゴム製であり、また水素発生装置と水素吹き出し装置との間に水素水発生装置を配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の水素皮膚浸透装置は水素発生装置で発生した水素を水素吹き出し装置を用いて皮膚中に水素を浸透させることができる。本発明の水素皮膚浸透装置から皮膚中へ浸透した水素は皮膚中のシミ等の原因となる活性酸素を無害化するなどして皮膚の老化を抑制する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の水素を皮膚内に取り込む水素皮膚浸透装置の一例を示す図である。
図2図2は、本発明の水素吹き出し装置の水素吹き出し部の皮膚接触部を皮膚に当接する状態を示す図である。
図3図3は、本発明の水素皮膚浸透装置の水素吹き出し装置を顔の皮膚に当てて、皮膚中への水素浸透をしている状態を示す模式図である。
図4図4は、本発明の水素皮膚浸透装置における水素吹き出し装置の水素吹き出し部の皮膚接触部を皮膚表面(肌)に当てて、水素(H2)を皮膚中に浸透させた状態における水素挙動を模式的に示した図である。
図5図5は、本発明の水素皮膚浸透装置の別の実施形態を示す図で、水素発生装置と水素吹き出し装置の間に水素水生成装置を配置した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、水素を、皮膚を通して身体に取り込む装置および手段および方法に関するものである。この装置を本明細書および本発明では、水素皮膚浸透装置と言う。図1は、本発明の水素を皮膚内に取り込む水素皮膚浸透装置の一例を示す図である。本発明の水素皮膚浸透装置10は、水素発生装置9、水素吹き出し装置50、水素発生装置9から出る水素を通して水素吹き出し装置50へ導く水素導入管(第1の水素導入管)15から構成される。
【0012】
水素発生装置9において、たとえば、酸化カルシウム剤(CaO)およびアルミニウム(Al)を入れた(これらは粉末状になっている)水素発生剤ホルダー12を水素発生容器11に入れた後、水素発生容器11内に水31を入れると、アルミニウム(Al)が水素発生反応促進剤になり水素(H2)が発生する。その化学反応式は、CaO+Al+5H2O→Ca(OH)+Al(OH)+2H2である。水素発生容器11はキャップ13で蓋がされている。水素(H2)が発生すると水素は、多数の気泡21となり水素発生容器11において水31の上方に上がって、水素発生容器11の上部である蓋(キャップ)13の下部の空間22に集まり、水素発生容器11のキャップ13の下部の空間の圧力が高まる。キャップ13には気体出口14が形成されており、水素発生容器11内の水素は気体出口14から押し出される。気体出口14には水素導入管15が接続されているので、気体出口14から押し出された水素は水素導入管15を通る。水素導入管15はステンレス製、銅製、アルミニウム製などの金属管、ウレタン、プロピレン、ポリテトラフルオロエチレンなどのプラスチックチューブ、ゴムチューブ、シリコーンチューブなどで作製できる。水素発生容器11は、鉄、銅、ステンレス等の金属製容器、アクリル、PET、ポリプロピレンなどのプラスチック、セラミック、ガラスなどの容器である。プラスチックやガラスなどの場合は、容器の中が見える透明容器とすることもできる。水素発生装置9は、水素を高圧(たとえば、10気圧以上)につめた水素ボンベであっても良い。この場合、水素ボンベの出口または水素導入管15の途中に圧力調整器(レギュレータ)を配置して、水素導入管15に接続して、圧力を調整して(たとえば、圧力を2~4気圧に減圧)水素を水素導入管15に接続しても良い。
【0013】
水素吹き出し装置50は、手で持つ部分である把持部47、水素吹き出し部51、把持部47に内蔵された水素を通す水素導入管(第2の水素導入管)48を含む。水素吹き出し装置50は、水素を排出する装置なので、水素排出装置や水素吹き出し器または水素吹き付け装置や水素吹き付け器と言っても良い。水素導入管(第2の水素導入管)48において、その入口49は水素導入管(第1の水素導入管)15の出口に接続し、その出口54は水素吹き出し部51の入口に接続する。水素導入管(第2の水素導入管)48は、ステンレス製、銅製、アルミニウム製などの金属管、ウレタン、プロピレン、ポリテトラフルオロエチレンなどのプラスチックチューブ、ゴムチューブ、シリコーンチューブなどで作製できる。水素吹き出し部51は水素を通す穴53が空いており、その出口(穴、空間)55から水素が吹き出す。水素吹き出し部51の出口55を取り囲む部分は皮膚接触部52であり、皮膚に皮膚接触部52を当てて皮膚に水素を吹き出すようになっている。水素吹き出し部51が筒状の管(チューブ)の場合は、管の出口の穴が上記の出口であり、管壁の出口の所が皮膚接触部52となる。皮膚接触部52は皮膚に接触する所なので、接触具合が良くなるように柔らかい素材やソフト形状にすることもできる。把持部47は片手で握って持てるような形状になっている。把持部47は種々のプラスチックや金属で作製できる。把持部47に水素導入管(第2の水素導入管)48を通す空間(空洞)が存在しても良いし、把持部47の内部空間(空洞)が水素を通す空間(管)となっていても良い。水素導入管(第2の水素導入管)48および水素吹き出し部51の水素を通す穴53は一体となっていても良い。さらに、水素導入管(第1の水素導入管)15および水素導入管(第2の水素導入管)48も一体となっていても良い。
【0014】
図2は、本発明の水素吹き出し装置50の水素吹き出し部51の皮膚接触部52を皮膚57に当接する状態を示す図である。ここでは、皮膚接触部52を皮膚57に当てる(当接する)前に、その皮膚57の接触部にジェル58を塗っておき、その後で皮膚接触部52を皮膚57に押し付けるように当てる(たとえば、押し当てる)。ジェル(gel)とは、ゲルとも言い、ゼリー状の粘着性のある液体状のものであり、人体(特に皮膚)に有害でないものであれば本発明に使用できる。たとえば、弱酸性ジェル(成分:水、ブタジオール、カルボマー、水酸化カリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、水溶性コラーゲン、エタノール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、メチルパラペン、他)である。そうすると、皮膚57と皮膚接触部52との間にジェル58が介在する。また、ジェル58は粘着性もあるので、皮膚57と皮膚接触部52との間の空間(出口穴55)の密閉性も高まり、水素の圧力が皮膚に直接かかり、水素が皮膚中に浸透しやすくなる。ここで、水素吹き出し装置50の水素出口55から水素を吹き出すと、一部の水素は、分子が小さいので皮膚表面から皮膚中へ浸透する。また皮膚に当たる水素の圧力(水素圧)を2~4気圧に高めて水素を吹き出すと、水素は皮膚中の深い部分(たとえば、皮膚の基底層部分)まで早期に到達して、メラノサイト部分の老化を抑える効果を発揮できる。また、圧力も高く、密閉空間に水素が貯まるので、一部(皮膚中に浸透する水素の残りの)は、ジェル58から水素の気泡となって出て来る。このとき、プスと音がすることでも分かる。気泡が出てくれば、水素が当たっている皮膚部分の水素圧力が2~4気圧になり、皮膚中の深い部分(たとえば、皮膚の基底層部分)まで水素が到達したことが分かる。すなわち、ジェル58は水素圧のバロメータまたは水素が適度な深さまで浸透していることの証拠を示すもの(インジケータ)としての役割を果たしている。尚、2気圧以下の水素圧でも皮膚中へ水素は浸透するが、その深さと速度は極めて遅くなり、水素浸透による皮膚の老化防止効果には長い時間がかかり、効率が良くない。(尚、水素圧力が2気圧以下でも長時間(たとえば、10分以上)当てていれば水素皮膚浸透の効果が出て来る。)また、2気圧以下の水素圧の場合でも、皮膚57と皮膚接触部52との密閉性が良ければ(皮膚接触部52を皮膚に押し付ければ、ほぼ密閉状態になる)、水素がどんどん押し出されて来るので、水素吹き出し部51の出口55において皮膚を押す水素圧は高まり2気圧を超える状態を作り出すこともできる。
【0015】
図3は、本発明の水素皮膚浸透装置10の水素吹き出し装置50を顔の皮膚(肌)に当てて、皮膚中への水素浸透をしている状態を示す模式図である。気になる顔のシミ付近に本発明の水素皮膚浸透装置10の水素吹き出し装置50における水素吹き出し部51の皮膚接触部52を当てて、水素(ガス)を顔肌の皮膚内に浸透させることによって、老化を抑えて、またシミを目立たなくしたり消失させたりすることができる。一度限りでは余り効果は良く分からないが、日常的に繰り返して水素浸透を行なえば、目立った効果が出て来る。
【0016】
図4は、本発明の水素皮膚浸透装置10における水素吹き出し装置50の水素吹き出し部51の皮膚接触部52を皮膚表面(肌)に当てて、水素(H2)を皮膚中に浸透させた状態における水素挙動を模式的に示した図である。皮膚は、表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」と3層状に分かれている。厚さは部位によって0.6mm~3mmと異なっていて均一ではないが、平均すると2mm程度である。その中で、表皮は0.2mm~0.3mm程度である。その表皮60は、角質層、顆粒層、有棘層および基底層から構成される。皮膚がんの一種であるメラノーマは基底層のメラノサイト(色素産生細胞)にできやすい。
【0017】
本発明の水素皮膚浸透装置10の皮膚接触部52を皮膚(表皮)60の表面に当接して(押し当てて)、水素を皮膚に吹き出す(吹き付ける)と、皮膚に水素圧がかかり、また水素は分子が小さいので、皮膚60の内部に浸透する。皮膚接触部52において水素圧力が2~3気圧で、水素は基底層部分まで透過できる。そこで、皮膚接触部52を皮膚60の表面に当接して(押し当てて)図4に示すように2~4気圧の圧力をかけて水素を皮膚60の中に浸透すれば、水素はメラノーマができやすい基底層に達して、メラノーマ発生の原因である活性酸素を無害化して、メラノーマができるメラノサイトの老化を抑えることができ、ひいてはメラノーマができにくい皮膚組織とすることができる。また、シミのもとになるメラニンもメラノサイトでつくり出されるので、水素をこの部分に注入することによって、メラニンが皮膚の中に滞留するのを抑えてシミのできにくい皮膚組織とすることができる。
【0018】
本発明の水素皮膚浸透装置は、水素発生装置と水素吹き出し装置の間に水素水生成装置42を配置することもできる。図5は、本発明の水素皮膚浸透装置40の別の実施形態を示す図で、水素発生装置9と水素吹き出し装置50の間に水素水生成装置42を配置した図である。水素発生装置9の気体出口14には水素導入管41が接続されているので、気体出口14から押し出された水素は水素導入管(第3の水素導入管)41を通る。水素導入管41はステンレス製、銅製、アルミニウム製などの金属管、ウレタン、プロピレン、ポリテトラフルオロエチレンなどのプラスチックチューブ、ゴムチューブ、シリコーンチューブなどで作製できる。水素発生装置11で発生した水素は、水素導入管(第3の水素導入管)41を通して、水素水発生装置の水素水容器17に導入される。
【0019】
水素水容器17には水32が入っており、(水32は、たとえば、水道水や市販水や蒸留水や純水等の飲料水に適する水である。)その入り口は蓋25で閉じられており、蓋25と水素水容器17内の水32の間には空間24が存在する。水素導入管41は蓋25に形成された水素導入入口18に接続しており、さらに水素導入入口18は水素水容器17内の水素吸入管16に接続して、水素吸入管16は水素水容器17の水中に入っていて、水素は、水中32に入れられた水素吸入管16の出口から多数の気泡23となって水素水容器17の水中32に出ていく。水素水容器17の水中に出た水素気泡23は、水素水容器17の上部の空間24に集まり、水素水容器17の蓋25に形成された出口26から出ていく。水素水容器17の蓋25の出口26には第4の水素導入管43が接続し、この第2の水素導入管43から水素が出ていく。尚。水素導入管41および水素吸入管16は一体となった一つなぎのチューブ(管)でも良い。水素水容器17は、鉄、銅、ステンレス等の金属製容器、アクリル、PET、ポリプロピレンなどのプラスチック、セラミック、ガラスなどの容器である。プラスチックやガラスなどの場合は、容器の中が見える透明容器とすることもできる。水素水容器17内に入った水32には水素が溶け込んでいるので、その水は水素水となり飲料できる。また、水素水容器17はたとえば加熱装置または加熱機構27で暖めることもでき、水素水容器17は常温(加熱する前の水温)以上の温水とすることもできる。この場合は、温水素水として飲料できる。従って、水素水や温水素水による健康増進をはかることもできる。
【0020】
水素導入管(第4の水素導入管)43の出口は、水素吹き出し装置50の水素導入管(第2の水素導入管)48の入口49に接続する。このように水素発生装置9と水素吹き出し装置50との間に水素水発生装置42を配置しても水素水発生装置42の水素発生容器17の空間24の圧力(水素圧)は、水素発生装置9における水素発生容器11の空間22の圧力(水素圧)と同程度に高くなる。従って、水素吹き出し装置50の皮膚接触部52を皮膚に押し当てたときに皮膚に及ぼす圧力は、これらの水素圧と同程度の圧力となるから、水素水発生装置42を配置した場合でも、水素皮膚浸透の効果は水素水発生装置42を配置しない場合と同程度の効果を示す。図5に示す本発明の実施形態では、水素水発生装置9も配置されているので、水素を皮膚に浸透させる健康増進効果だけではなく、水素水や温水素水として飲料もできるので、簡単な装置で二種(二重)の健康増進をはかることができる。
【0021】
以上詳細に説明したように、本発明の水素皮膚浸透装置は水素発生装置で発生した水素を水素吹き出し装置を用いて皮膚中に水素を浸透させる。本発明の水素皮膚浸透装置から皮膚中へ浸透した水素は皮膚中のシミ等の原因となる活性酸素を無害化して皮膚の老化を抑制する効果がある。尚、本明細書において、明細書のある部分に記載し説明した内容について記載しなかった他の部分においても矛盾なく適用できることに関しては、当該他の部分に当該内容を適用できることは言うまでもない。さらに、前記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、本発明の権利範囲が前記実施形態に限定されないことも言うまでもない。
【符号の説明】
【0022】
9水素発生装置、10水素皮膚浸透装置、9水素発生装置、11水素発生容器、
12水素発生剤ホルダー、13キャップ、14気体出口、15(第1の)水素導入管、
16水素吸入管、17水素水容器、18水素導入入口、21気泡、22空間、23気泡、
24空間、25蓋、26出口、27加熱装置、31水、32水、40水素皮膚浸透装置、
41水素導入管(第3の水素導入管)、42水素水発生装置、
43水素導入管(第4の水素導入管)、47把持部、48水素導入管(第2の水素導入管)、
49(水素導入管(第2の水素導入管)の)入口、50水素吹き出し装置、
51水素吹き出し部、52(水素吹き出し部の)皮膚接触部、
53(水素吹き出し部の)穴(空間)、54(水素導入管(第2の水素導入管)の)出口、
55(水素吹き出し部の)出口、
図1
図2
図3
図4
図5