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特開2024-167025シロップの厚さが薄く、べたつきのないタンフールーの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167025
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】シロップの厚さが薄く、べたつきのないタンフールーの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23G 3/54 20060101AFI20241122BHJP
   A23G 3/48 20060101ALI20241122BHJP
   A23G 3/56 20060101ALI20241122BHJP
   A23G 3/32 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
A23G3/54
A23G3/48
A23G3/56
A23G3/32
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121058
(22)【出願日】2023-07-25
(31)【優先権主張番号】10-2023-0065034
(32)【優先日】2023-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523161985
【氏名又は名称】ダルコムナラエルリス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ジョン チョルフン
(72)【発明者】
【氏名】キム ソヒャン
【テーマコード(参考)】
4B014
【Fターム(参考)】
4B014GE03
4B014GE08
4B014GG07
4B014GG09
4B014GP14
4B014GP20
4B014GP23
4B014GQ02
4B014GQ03
4B014GQ17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シロップの厚さが薄く、べたつきのないタンフールーの製造方法を提供する。
【解決手段】食材を温度1℃~-3℃の貯蔵庫に所定時間保管し;食材は、コーティング作業の直前に取り出して串に刺し、かつ、串は、ハンドルの確保後、串の末端の尖鋭部が食材を貫通して所定の長さで露出するように準備し;温度145℃~163℃のシロップの表面に食材の表面を接触したまま、素早く回転し、一次コーティングし;前記一次コーティングした串の末端の尖鋭部をシロップから離隔し、容器の内側に支持したまま、素早く回転し、シロップを振り落として、二次コーティングするタンフールー製造技術である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シロップの厚さが薄く、べたつきのないタンフールーの製造方法において、前記方法は、
食材を温度1℃~-3℃の貯蔵庫に所定時間保管し(S1);
前記食材は、コーティング作業の直前に取り出して串に刺し、かつ、串は、ハンドルの確保後、串の末端の尖鋭部が食材を貫通して所定の長さで露出するように準備し(S2);
温度145℃~163℃のシロップの表面に食材の表面を接触したまま、素早く回転し、一次コーティングし(S3);
前記一次コーティングした串の末端の尖鋭部をシロップから離隔して、容器の内側に支持したまま、素早く回転し、シロップを振り落として、二次コーティングする(S4)ことを特徴とするシロップの厚さが薄く、べたつきのないタンフールーの製造方法。
【請求項2】
前記シロップは、砂糖120重量部、水飴1重量部および水100重量部を混合した組成物を半球状容器に投入し、均等に広げた後、撹拌せずに強火で加熱し、かつ;
シロップ温度130℃で火を中火にして続いて加熱し;
その後、シロップ温度140℃で容器を傾けて続いて加熱し;
その後、シロップ全体塩度143~145℃で火を弱火にして続いて加熱し、かつ、シロップ温度145℃~163℃を維持しつつ食材をコーティングすることを特徴とする請求項1に記載のシロップの厚さが薄く、べたつきのないタンフールーの製造方法。
【請求項3】
前記コーティングした食材は、盆ざるの上に載せた後、
扇風機の風を用いて2分~5分間乾燥した後、
1℃~3℃の貯蔵庫に続いて保管することを特徴とする請求項1に記載のシロップの厚さが薄く、べたつきのないタンフールーの製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の製造方法で製造した、シロップの厚さが薄く、べたつきのないタンフールー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シロップの厚さが薄く、べたつきのないタンフールーの製造方法であり、食材を温度1℃~-3℃の貯蔵庫に所定時間保管し;食材は、コーティング作業の直前に取り出して串に刺し、串は、ハンドルの確保後、串の末端の尖鋭部が食材を貫通し、所定の長さで露出するように準備し;温度145℃~163℃のシロップの表面に食材の表面を接触したまま、素早く回転し、一次コーティングし;前記一次コーティングした串の末端の尖鋭部をシロップから離隔し、容器の内側に支持したまま、素早く回転し、シロップを振り落として、二次コーティングするタンフールー製造技術である。
【背景技術】
【0002】
中国の五代十国時代と知られているタンフールー(糖葫蘆)の起源は、遼国をたてた契丹族が果物保存のために溶かした砂糖水を塗って凍らせる方法で固めて愛用したと言われ、エピソードとして宋国の光宗時代に皇帝が最も愛した王妃が痛いとき、サンザシの実を用いて完治し、水飴をかけたサンザシの実を中国皇室のおやつにしたことが知られている。
【0003】
ところで、タンフールーは、西洋の「キャンディアップル」と似ており、韓国の伝統食品の正果と似ていたといわれるが、硬化したシロップを噛むときに発生するサクサク音によって最近芸能人などのユーチューブを中心にタンフールーASMR(自律感覚絶頂反応)が大きく流行したことがある。
【0004】
砂糖をシロップ化して果物にコーティングする伝統的タンフールーレシピは、広く知られているが、すなわち白砂糖と水を2:1の割合で混合した後、かき混ぜることなく加熱して、シロップが濃厚になった状態でスプーンでかき出して果物の上に注ぎ、固まるまで紙の上または垂直保持台に刺して硬化させることが知られているが、濃厚という曖昧な基準のため、たいてい失敗に終わる場合が多い。
【0005】
ユーチューブ映像を通じて国内外に広く知られたいわゆる「絶対失敗なしで作るタンフールーの製造方法」の技術も、白砂糖と水の混合比は、約2:1程度であり、従来レシピとは異なって、加熱してシロップ全体が黄色く褐変したシロップを作って、火を消した状態で生果物の串を浸漬してゆっくり回しながら塗布したり、シロップをスプーンでかき出して生果物に注ぐ方式を使用し、口の中にくっつかないべたつきをなくすには、必ず自然状態で涼しく乾燥しなければならず、冷蔵庫に入れると、粘っこくシロップが固まるため、避けるようにしている。
【0006】
一方、褐変シロップでタンフールーをコーティングする場合、必然的にカルメ焼きの味(砂糖の焦げ味または苦味)が発生し、主消費者の不満要因であるが、解決策は知られていない。
【0007】
若年層を中心に最近タンフールー市長が急速に大きくなるに伴い、韓国の食品会社は、家庭で簡単に加熱し、シロップを作るいわゆるタンフールー専用の「果物キャンディ専用クッキングシロップ」を販売している。製品の成分としては、砂糖、精製水、オリゴ糖、水飴、イソマルトおよびビートレッド色素を添加したものであり、ユーチューブ公開映像によれば、液状体製品を加熱すると、赤色のビートレッド色素が消え、シロップ色が褐変し、この際、コーティングするように案内していて、褐変過程を経るという点から、これも、カルメ焼き味、すなわち砂糖の焦げ味が発生すると推定される。
【0008】
なお、「果物キャンディ専用クッキングシロップ」の市販会社が特許出願して登録を受けた韓国登録特許第10-2333400号には、「タンフールー専用料理糖および製造方法」は、砂糖、精製水、イオン水飴および米水飴オリゴ糖を含む原料を加熱撹拌タンクに投入する段階と、投入した原料を90~110℃で加熱した後、加熱しない状態で1~10時間撹拌し、タンフールー専用料理糖を得る段階と、前記タンフールー専用料理糖を密封包装し、製品出荷する段階と、を含むタンフールー専用料理糖の製造方法を開示し、また、この会社の他の登録特許第10-2502079号は、キャンディコーティング専用シロップ「果物コーティング液および製造方法」を開示し、砂糖、精製水、イオン水飴および米水飴とオリゴ糖混合物を含む料理糖原料を加熱撹拌タンクに注入し、投入原料を90~110℃で加熱した後、加熱しない状態で1~10時間撹拌し、料理糖を製造する料理糖製造段階(S100)と、前記加熱撹拌タンクにイソマルトおよびトレハロースを投入し、料理糖を40~60℃で加熱して混合することによって、第1果物コーティング液を製造する第1果物コーティング液製造段階(S200)と、を含み、これに加えて、ビート色素を投入する第2果物コーティング液製造段階(S300)を含むタンフールー用果物コーティング液の製造方法を公知し、特にトレハロースの機能として細胞膜保護、水分蒸発防止、細胞表面ガラス膜が形成されると主張する。
【0009】
しかしながら、これらの登録特許技術は、いずれも、110℃を上限として加熱し、かつ、加熱しない状態で1時間~10時間撹拌し、専用料理糖を製造するので、生産費用が相当高いと推定され、店舗でのタンフールー製造関連生産性、生果物コーティング時の問題、シロップのコーティング程度などは言及がない。
【0010】
最近出願公開された韓国公開特許第10-2020-0130898号は、イチゴタンフールーの製造方法を開示するが、イチゴを洗って、15~17分間常温乾燥し、水気を除去して準備し、砂糖100重量部、水飴72~77重量部、イソマルト0.8~1.2重量部を入れ、ガス火の温度850~1300℃で9~10分間、連続して650~720℃で9~10分間、連続して350~400℃で9~10分間沸かしてシロップを準備し、ガス火の温度を85~110℃に調整した後、2~3分後に、完成されたシロップにイチゴを入れ、回しながら、表面に3~4回塗布し、紙の上に10~12分間常温乾燥する技術を公開したが、これは、出願当時に広く知られたタンフールーレシピと変わらないといって、韓国特許庁から最終拒絶決定されたことがある。
【0011】
その他にも、タンフールーコーティングシロップについて多くのレシピが市中に知られているが、代表的には、シロップを冷水に落としたとき、広がらないこと、皿に落としたとき、流れないことなど特定の物性で判断するだけで、実際には失敗する場合が多く、インターネットブログなどによれば、インターネット注文して配達された冷凍タンフールーの包装紙を開封時に砂糖水がこぼされたか、砂糖まみれであったという意見も多かったが、これは、流通過程で果汁の流出、シロップ融解が繰り返されたためと見える。
【0012】
また、オフライン店舗で販売するタンフールーの場合にも、果汁が急速に流出し、べたつくため、タンフールーは、買ってすぐ食べなければならないという不満が多く、某芸能人は、ユーチューブASMR映像で手作りタンフールーの摂食過程でシロップのべたつきに起因してインプラントした奥歯が抜ける不運な目に遭ったことがある。
【0013】
青少年層に人気の多いタンフールー商品に対して、多くの親は、カロリーがとても高いことを心配しており、成人消費者の場合には、カロリー摂取に対する負担感を吐露する問題点があった。
【0014】
韓国のタンフールー関連商品は、最近ホットなフランチャイズ事業アイテムとして脚光を浴び始めるに伴い、雨後の筍のように多くのフランチャイズが発生し、加盟本部が最近2~3年の間に大きく増加したが、本発明者が運営する株式会社ダルコムナラアリスの「王家タンフールー」の商品は、使用感想を見ると、消費者の評価が最も良いフランチャイズと確認され、これは、シロップの厚さが薄く、べたつきのない高品質の商品を提供するためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2333400号公報(2021年12月2日公告)
【特許文献2】韓国登録特許第10-2502079号公報(2023年2月21日公告)
【特許文献3】韓国公開特許第10-2020-0130898号公報(2020年 11月23日公開)
【特許文献4】韓国公開特許第10-2013-0137575号公報(2013年 12月17日公開)
【特許文献5】韓国公開特許第10-2015-0059966号公報(2015年 06月03日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、べたつきのないタンフールーの製造方法を提供しようとする。これを通じて、噛むときに歯にくっつかず、手にあまりくっつかない高品質のタンフールーを提供しようとする。
【0017】
また、本発明は、シロップの厚さが薄いタンフールーの製造方法を提供しようとする。これを通じて、噛むときにあまり固くなく、鋭くなく、さらにサクサクするタンフールーを提供しようとする。
【0018】
また、本発明は、単位当たりのカロリーが少ないダイエットタンフールーを提供しようとする。
【0019】
また、本発明は、果汁の流出が少ないため、購買後に長時間安全に食べることができ、店舗で長時間保管できるタンフールーの製造方法を提供しようとする。
【0020】
また、本発明は、褐変ないシロップでコーティングし、砂糖の焦げた味のない高品質のタンフールーを提供しようとする。
【0021】
また、本発明は、原材料の生産コストが節減されたタンフールーの製造方法を提供しようとする。これを通じて、加盟店主の利益を最大で確保するように支援しようとする。
【0022】
また、本発明は、作業速度が改善されたタンフールーの製造方法を提供しようとする。これを通じて、製造者の作業効率性と収益性を改善しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
このような問題を解決するために、本発明は、シロップの厚さが薄く、べたつきのないタンフールーの製造方法であって、前記方法は、食材を温度1℃~-3℃の貯蔵庫に所定時間保管し(S1);前記食材は、コーティング作業の直前に取り出して串に刺し、かつ、串は、ハンドルの確保後、串の末端の尖鋭部が食材を貫通して所定の長さで露出するように準備し(S2);温度145℃~163℃のシロップの表面に食材の表面を接触したまま、素早く回転し、一次コーティングし(S3);前記一次コーティングした串の末端の尖鋭部をシロップから離隔して、容器の内側に支持したまま、素早く回転し、シロップを振り落として、二次コーティングする(S4)ことを特徴とする、シロップの厚さが薄く、べたつきのないタンフールーの製造方法を提供する。
【0024】
また、本発明においてシロップは、砂糖120重量部、水飴1重量部および水100重量部を混合した組成物を半球状容器に投入し、均等に広げた後、撹拌せずに強火で加熱し、かつ;シロップ温度130℃で火を中火にして続いて加熱し;その後、シロップ温度140℃で容器を傾けて続いて加熱し;その後、シロップ全体塩度143~145℃で火を弱火にして続いて加熱し、かつ、シロップ温度145℃~163℃を維持しつつ、食材をコーティングするように支援し、コーティングした食材は、盆ざるの上に載せた後、扇風機の風を用いて2分~5分間乾燥した後、1℃~3℃の貯蔵庫に続いて保管するように支援する。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、べたつきのないタンフールーの製造方法を提供し、これを通じて、顧客満足度を向上し、噛むときに歯にくっつかず、手にあまりくっつかないタンフールーを提供する。
【0026】
また、本発明は、シロップの厚さが薄いタンフールーの製造方法を提供する。
【0027】
また、本発明は、噛むときにあまり固くなく、鋭くなく、さらにサクサクするタンフールーを提供することができる。
【0028】
また、本発明は、単位当たりのカロリーが少ないダイエットタンフールーを提供することができる。
【0029】
また、本発明は、果汁の流出が少ないため、購買後に長時間安全に食べることができ、店舗で長時間保管できるタンフールーの製造方法を提供することができる。
【0030】
また、本発明は、褐変ないシロップを使用して砂糖の焦げた味のない高品質のタンフールーを提供することができる。
【0031】
また、本発明は、原材料の生産コストが節減されたタンフールーの製造方法を提供することができる。これを通じて、加盟店主の利益を最大で確保するように支援することができる。
【0032】
また、本発明は、作業速度を改善したタンフールーの製造方法を提供することができる。これを通じて、製造者の作業効率性と収益性を改善するように支援する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明の全体タンフールー製造過程を図式化した図である。
図2図2は、本発明のシロップコーティング処理方法を図式化した図である。
図3図3は、タンフールー購買時に考慮する消費者の購買要因を分析した図である。
図4図4は、公知技術(A)と本発明(B)の完成シロップの色を比較した写真である。
図5図5は、コーティングしたシロップ量を重量基準(g)と全体重さ中のシロップの重さの割合(%)で比較した。
図6図6は、公知技術(A)および本発明(B)利用タンフールーの製造後2時間経過写真である。
図7図7は、コーティングされるシロップの量に基づく単位当たりの生産能力を推定した図である。
図8図8は、串4個のコーティング所要時間、すなわち作業時間を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、実験を通じて消費者の不満を最小化させたタンフールーの製造方法であって、本発明の実施例と比較するための技術としては、現在ユーチューブで最も多い照会数を記録したいわゆる絶対失敗しないタンフールーの製造方法を用いた。
【0035】
実施例と比較例の実験は、食材のうち生果物を用い、かつ、イチゴと皮除去ミカンの切れを串に刺して比較するものの、株式会社ダルコムナラアリスで公式使用する前面ハンドルがあり、下へ膨らんだ半球状容器を用いて効果的にコーティングすることができるように進めた。
【0036】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0037】
本発明は、シロップの厚さが薄く、べたつきのないタンフールーの製造方法であって、まず、食材は、温度1℃~-3℃の貯蔵庫に所定時間保管し(S1);前記食材は、コーティング作業の直前に取り出して串に刺し、かつ、串は、ハンドルの確保後、串の末端の尖鋭部が食材を貫通して所定の長さで露出するように準備し(S2);温度145℃~163℃のシロップの表面に食材の表面を接触したまま、素早く回転し、一次コーティングし(S3);前記一次コーティングした串の末端の尖鋭部をシロップから離隔して、容器の内側に支持したまま、素早く回転し、シロップを振り落として、二次コーティングする(S4)ことを特徴とする、シロップの厚さが薄く、べたつきのないタンフールーの製造方法である。
【0038】
タンフールー店舗では、たいてい食材として季節の果物を使用し、代表的にイチゴ、ミカン、ブドウなどが挙げられる。
【0039】
本発明は、食材を水が氷る温度である0℃内外、-3℃以上の温度に保管した点に特徴がある。これを通じて、組織破壊を予防し、食材含有果汁のエネルギーを最低レベルに維持させることによって、加工過程で食材の劣化速度および程度を最小化させるように数多くの実験を通じて設計した。このために、本発明は、食材の保管温度を1℃~-3℃とし、状況によって所定時間保管する。
【0040】
試験で確認したところ、保管温度-3℃を超過し、温度がさらに低い場合、果物での果汁が凍って食材の内部および表面の組織が損傷し始めた。このため、保管温度は、必ず1℃~-3℃を遵守しなければならない。
【0041】
保管する時間も、食材が少量の場合、3時間~5時間処理しても十分であるが、ボックス単位の大量で処理する場合には、洗浄および積載時に24時間、最大48時間以内に限定することが好ましい。また、48時間以上-3℃に長期暴露時には、食材の組織損傷が発生することがあるので、留意しなければならない。
【0042】
例えば、夏や大量積載など条件で保管時間が短すぎる場合、十分な冷却過程を経ることができず、洗浄後に積載された食材から水分が十分に乾燥した状態にならず、コーティング時に問題が発生するおそれがあり、48時間以上経過する場合には、イチゴなど果物は、長時間低温暴露によって軟弱細胞組織の破壊可能性が高くなり、果汁が蒸発し、サイズが減少する問題がある。
【0043】
本発明は、コーティング作業の直前に前記低温貯蔵食材を貯蔵庫から取り出して、末端に鋭い尖鋭部が設けられた串に刺して準備し、かつ、ハンドルを除いて適切な個数を刺して準備した。コーティング直前に食材を取り出す理由は、食材の表面と内面の温度を同一に低く維持することによって、145℃以上高温暴露時に接面部以外の組織の損傷を最小化することができるためである。串挟み作業は、貯蔵庫への保管中にもあらかじめ串に刺して保管することによって、コーティング作業前の時間を節約することができる。
【0044】
砂糖は、継続して高温で加熱するとき、カラメル化し、いわゆるカルメ焼き状態で物性が変わり、これは、加熱によって糖類が酸化および分解産物重合現象が発生するためである。略100℃で溶け始めた砂糖は、165℃程度までは色と香りに変化がなく、このため、本発明は、色の変化がないシロップ温度145℃~163℃を設定して用いる。
【0045】
また、コーティングは、シロップの表面に食材の表面を接触したまま、ハンドルを把持し、串を素早く回転し、シロップを塗布して一次コーティングする。一例として、直径の小さい串は、親指と人差し指でハンドルを把持した後、摩擦してこする場合、非常に素早く回転させることができる。
【0046】
一次コーティングしたタンフールーは、串の末端の尖鋭部をシロップから離隔して、容器の内側に支持したまま、素早く回転させて、シロップを振り落とす二次コーティングを連続処理する。すなわち、食材を貫通して所定の長さで露出した串の末端の尖鋭部を容器の半球状容器の内側に支持したまま、素早く回転させると、食材の表面に塗布したシロップは、遠心力で食材の表面を流れ出て外に飛んでしまい、これを通じて、表面に均一にコーティングされ、薄くなる効果が発生する。
【0047】
以下では、本発明によるコーティング用シロップの製造方法を説明する。
【0048】
本発明のコーティング用シロップは、砂糖120重量部、水飴1重量部および水100重量部を混合した組成物を用いた。まず、組成物は、タンフールー専用半球状容器に投入し、均等に広げた後、撹拌せずに強火で加熱し、かつ;シロップ温度130℃で火を中火にして続いて加熱した。コーティング用シロップは、水と砂糖が混合された状態で撹拌しつつ加熱する場合、シロップ化しない問題があるので、必ず撹拌しないまま、高温の強火で加熱しなければならない。
【0049】
タンフールーコーティング用シロップは、水分を完全に除去しなければならず、本発明者が経験して確認した調節可能な指標は、シロップ温度130℃内外であり、このときまでは、最も強火で続いて加熱しなければならない。
【0050】
また、シロップ温度130℃に到達したとき、火は、中火にして続いて加熱し、かつ、シロップ温度145℃~163℃を安定的に維持するまで温度を続いて調節する。
【0051】
具体的には、シロップ温度140℃では、作業準備のために容器を傾けた状態で続いて加熱し;その後、シロップ全体塩度143~145℃が確認されると、最も弱い弱火にして続いて加熱すると、安定した温度、145℃~163℃のコーティング用シロップが完成され、この状態を維持しつつ、シロップをコーティングに用いる。
【0052】
また、コーティングが完了した食材は、敷紙を敷いた盆ざるの上に並んで載置し、風で乾燥することが好ましく、一例として、盆ざるの上部に扇風機を設置して用いることができる。また、盆ざる当たりの風は、2分~5分が好ましい。すなわち、本発明は、薄いコーティング層を形成することによって、1つの串に2分程度で十分に乾燥し、コーティング層が厚い場合であっても、5分で十分である。乾燥後には、1℃~3℃の貯蔵庫に続いて保管する。
【0053】
具体的には、コーティング過程を説明すると、準備した串のハンドルを親指と人差し指で把持し、串の末端の尖鋭部は、シロップの表面に食材の表面を接触させた状態で親指と人差し指を摩擦してこする場合、素早く回転し、シロップを塗布する一次コーティングが行われる。すなわち親指と人差し指を用いて厚さが薄い串を素早く摩擦して回転させることによって、略1秒以内に塗布することができる。
【0054】
また、本発明は、食材の表面に塗布したシロップを固まる前に一回振り落とす。これは、串の末端の尖鋭部を半球状容器内シロップの上部の内側に支持したまま、素早く回転させて、シロップの一部を振り落として、二次コーティング処理するように行われる。すなわち粘性のシロップは、遠心力で離脱する移動過程で食材の表面を素早く移動して薄くなるので、食材の表面には、均一な厚さで薄くコーティング層を形成する。これを通じて、シロップの厚さが薄く、べたつきのないタンフールーを製造し、振り落として離脱するシロップは、さらに容器内に戻され、後続のコーティング作業にリサイクルすることができるように支援する。
【0055】
以下では、食材のうち代表的に知られた生果物である生イチゴと生ミカンを用いた比較試験を通じて、本発明の技術的含意を説明しようとする。
【0056】
本発明の実施例および比較例は、2023年5月に(株)ダルコムナラアリスで実施したものであり、特に公知技術としては、最も広く知られた成功的レシピを反映し、試験を行った。
【0057】
1.実施例および比較例
イ.実施例
新鮮なイチゴとミカンを購入後、きれいに洗浄後、ボックス状態で常温で10分間保持して水気を一部除去し、温度1℃~-3℃の貯蔵庫に積み重ねて24時間保管した。その後、コーティング直前に取り出して、ミカンは皮を除去した7個の切れ、イチゴは4個をそれぞれ串に刺して準備した。串は、把持できるハンドルを確保した状態で、串の末端の尖鋭部に果物を刺し、果物貫通後に所定の長さで串の末端の尖鋭部が露出するように準備した。
【0058】
火口は、本発明者が運営するフランチャイズ用業務用ガスバーナー三重火口を用い、かつ、3つの火口を全部開放する強火、2の火口を開放する中火および中心部の1つの火口のみを使用する弱火で制御する。
【0059】
コーティングシロップは、次のように作った。
【0060】
まず、白砂糖(第一製糖社製白砂糖)1.2kgに水飴10g、水1kgを混合した組成物を半球状容器に投入して均等に広げた後、撹拌せずに強火で加熱し、かつ、シロップ温度を赤外線温度計で続いて測定しつつ加熱し、シロップ温度130℃で火を中火にして続いて加熱し、その後、シロップ温度140℃で容器を前面に傾けたまま、続いて加熱し、その後、シロップ全体塩度143℃~145℃で火を弱火にして加熱することによって、最終的に安定したシロップ温度145~163℃のシロップを完成した。
【0061】
145~163℃に続いて維持するシロップを用いてコーティングした。コーティングは、準備した串のハンドルを親指と人差し指で把持し、シロップの表面に生果物の表面を接触したまま、親指と人差し指を素早く摩擦して回転することによって、シロップを塗布する一次コーティングし、連続して串をシロップから離隔して、半球状容器の内側に支持したまま、もう一度親指と人差し指を素早く摩擦して回転させて、シロップを振り落とすように、二次コーティングした。
【0062】
前記過程で製造したタンフールーは、きれいな敷紙を敷いた盆ざるの上に載置し、扇風機の風で2分乾燥し、温度1℃~3の貯蔵庫に入れ、続いて保管しつつ観察した。
【0063】
ロ.比較例
購読者86万人のユーチューブ「SEODAM」チャネル(https://youtu.be/JjMOtdhI7i4)には、合計4,273万回照会された「失敗なしでさらに完ぺきなタンフールーの作り方」のレシピを公知しているが、本発明の比較のためにこれを公知技術として特定し、実施した。
【0064】
コーティング食材としては、前記実施例と同一に、生果物のうち新鮮なイチゴとミカンを洗浄後、表面の水気を除去し、常温で30分~1時間乾燥して使用し、かつ、コーティング直前に、ミカンは皮を除去した7個の切れを、イチゴは4個をそれぞれ串に刺して準備した。
【0065】
また、コーティング用シロップは、白砂糖(第一製糖社製白砂糖)1.2kgに水600gを半球状容器に投入し、均等に広げた後、撹拌せずに弱火~中火で続いて加熱した。
【0066】
加熱によってシロップ化した組成物が非常に濃厚な状態になると、弱火にして容器を傾け、シロップ全体が完全に黄金色に変わるまで続いて加熱後、火を消してコーティングを始めた。
【0067】
コーティングは、準備した串をシロップに漬けて2~3回りゆっくり回す方法で実施し、コーティングが完成されたタンフールーは、敷紙を敷いた盆ざるに載置し、常温で乾燥および保管した。公知技術で明らかにしたように、比較例は、冷蔵庫にタンフールーを保管するとき、粘っこくなりえるので、涼しい常温乾燥を用いた。
【0068】
2.試験結果
イ.完成されたシロップの色
公知技術のシロップの場合、図4(A)のように、全体的にシロップ色が黄金色~褐色であるが、本発明のシロップは、図4(B)のように、赤外線温度計の測定結果、シロップ温度145℃~163℃の厚くてかつ大きいバブルが生じ、淡黄色の液状体として続いて加熱されて、沸く状態を維持する点から、差異がある。
【0069】
ロ.果汁の流出および程度
【0070】
【表1】
【0071】
公知技術の場合、シロップの全体色が黄金色の褐変状態で火を消してコーティングし、その結果、コーティング後、20分経過時からイチゴとミカンが両方とも果汁の流出が始まり、40分経過時に、果汁の流出が若干さらに増加し、2時間経過時から図6(A)のように店舗で販売しにくいほど劣化した。
【0072】
しかしながら、本発明は、ミカンだけにおいて40分経過時に果汁の流出が微弱に観測され、イチゴは、図6(B)のように、2時間経過時にはじめて流出が始まるなど果汁の流出機能において大きな差異を示した。
【0073】
これは、本発明においてコーティング前の低温保管、コーティング過程で短いコーティング時間、薄いコーティング処理および迅速な乾燥などを補完的に使用したためと考えられる。
【0074】
すなわち、本発明は、1℃~-3℃の貯蔵庫にあらかじめ果物を保管することによって、果汁に存在するアスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、アスパラギン、スレオニン、ヒスチジン、アラニン、バリン、ロイシンなど多様なアミノ酸と共に、粘性のペクチンを弱く結晶化する効果があり、コーティング直前にすぐに取り出してコーティングすることによって、果物の表面は水分ない状態とし、果物内果汁自体をさらに安定した状態に維持するようにする。
【0075】
また、本発明のコーティング過程は、シロップの表面に果物の表面を接触したまま、1秒内の程度で素早くシロップを塗布した後、引き続いてシロップを振り落とす一次コーティングおよび二次コーティングを連続的に実施することによって、コーティング中の果物の損傷の可能性を最小化するように設計された。
【0076】
コーティング後にも、本発明は、常温で扇風機の風を用いて2分程度乾燥し、すぐに1℃~3℃の貯蔵庫に保管することによって、常温露出を最小化し、最も安定した状態でタンフールー完成品を保管するように設計した。
【0077】
しかしながら、公知技術は、シロップ製造の成功に集中するだけで、本発明において設定する特定の目的がなく、コーティング前30分~1時間前に果物洗浄後、短く常温乾燥するので、果物の表面で十分に水分が乾燥せず、果物内部の果汁も、比較的高温の不安定な状態になる。また、コーティング過程でシロップに漬けて2~3回ゆっくり回転させて、十分にシロップを塗布することによって、高温暴露時間が極めて長くなり、果物の損傷可能性が大きく、乾燥時に常温の涼しい所に乾燥するだけで、本発明に比べて常温でタンフールー劣化速度が極めて速いと予想される。
【0078】
ハ.タンフールーの表面べたつき
【0079】
【表2】
【0080】
シロップコーティング層のべたつきにおいて、公知技術のタンフールーは、製造直後の5分経過時からべたつきが確認され、40分経過時に続いて増加し、2時間経過時に急速に増加した。
【0081】
しかしながら、本発明のタンフールーは、ミカンの場合、40分経過時にべたつきが確認され、2時間経過時に若干増加し、5時間経過時に公知技術のミカンの2時間経過状態と類似の程度で観察され、イチゴの場合には、2時間以内にはべたつきがなかったが、それから5時間経過時まで少量の増加傾向を示した。
【0082】
コーティング層のべたつきは、果汁の流出程度と密接なものであり、公知技術の場合、コーティング前後の果物状態が安定しておらず、本発明に比べてさらに素早く果汁の流出が発生するので、これに基づいて素早いべたつきの発生は、当然予想される効果である。
【0083】
しかしながら、本発明は、洗浄後に自然乾燥して果物表面の水分を除去し、コーティング前に所定時間1℃~-3℃で低温保管することによって、最も低いエネルギー状態で果物を前処理し、コーティング過程では、シロップの表面に果物の表面が接したまま、1秒以内に素早く回転してコーティングし、その後、シロップを連続的に迅速な振り落とすことによって、全体的に高温暴露を最小化することができる。また、完成されたタンフールーは、扇風機の風で2分間乾燥後、1℃~3℃の低温に保管することによって、長時間果汁の流出を効果的に遮断し、長時間高い商品性を維持し、これを通じて、消費者および製造者に高い満足度を提供する。
【0084】
処理温度によるシロップのべたつきの有無を確認するために、本発明者は、130℃内外の温度で簡易試験を行った結果、温度135℃まで加熱したシロップは、コーティング直後からべたつきが確認された。参考までに、水に溶けた砂糖を加熱する場合、水分が完全に除去されていないシロップは、べたつきが発生するが、このため、視覚的に濃厚な状態のシロップであっても、正確な温度の確認がない場合、水分残留の有無を判別できないので、そのため、べたつきが発生し、噛むときに歯にくっつく問題が発生する。
【0085】
二.コーティングしたシロップ量
【0086】
【表3】
【0087】
本発明のタンフールーは、全体重さ中のシロップ重さの割合でイチゴが21.6%、ミカンが24.8%に過ぎないが、公知技術は、イチゴおよびミカンそれぞれ32.1%、39.2%であり、本発明に比べて非常に高いことが確認され、串別の重量基準で本発明は、イチゴ平均20.2g、ミカン平均15.6gのシロップがコーティングされるが、公知技術は、イチゴが平均34.1g、ミカンが平均32.2gであり、本発明に比べてイチゴが1.7倍、ミカンが2.1倍多いシロップを含有することが明らかになった。
【0088】
すなわち、1つの串当たりの摂取カロリーの観点から、本発明は、公知技術よりイチゴが59%、ミカンが48.4%レベルに過ぎず、主顧客層である子供、青少年の肥満予防に大きい効果があると予想される。
【0089】
他の観点、すなわち、製造費用の観点から、本発明は、同量の砂糖でさらに多くのタンフールーをコーティングすることができ、経済的である。例えば、砂糖1.2kgを使用するとき、本発明は、イチゴ59回、ミカン77回のコーティングを支援するが、公知技術は、イチゴ35回、ミカン37回に過ぎず、砂糖の原材料コストが1/2水準であり、これにより、加盟店主の利益を大きく高めることができる。
【0090】
ホ.作業者のコーティング時間
【0091】
【表4】
【0092】
本発明は、実施例および比較例において使用するそれぞれ串4個の総コーティング所要時間において6秒であり、1個当たり1.5秒の非常に速い作業速度を示す。しかしながら、公知技術は、シロップに漬けて2~3回回して十分にシロップを塗布するので、1個当たり3秒であり、本発明に比べて二倍程度の作業時間が更に必要とされることが確認される。これを通じて、本発明は、作業者の時間当りの生産性を大きく高めることができる技術と確認される。
【0093】
4.消費者実験
本発明と公知技術で実施した実施例および比較例を通じて製造されたタンフールーに対して年齢/性別に関係なく、消費者30人を対象にブラインド官能検査を実施した結果、次の通りである。
【0094】
イ.タンフールー購買要因
【0095】
【表5】
【0096】
図3のようにブログなど使用感想で把握した7個の最も重要な購買要因をテキストで提示した後、一つだけ選択するようにした結果、最も多い回答者(9人)は、コーティング厚さと噛むときに歯にくっつくかどうかを選択した。これは、コーティングが厚ければ、噛むことが難しく、壊れた破片は、より鋭く口の傷が生じやすく、噛む過程で粘着性シロップが歯にくっついて歯が壊れたりインプラントが抜けるなど危険を認識するためと見られる。これを通じて、シロップのコーティング部の厚さが薄く、べたつきのないことが消費者が考える最も重要な購買要因と確認される。
【0097】
ナ.さらに薄くコーティングしたタンフールー
【0098】
【表6】
【0099】
視覚的にすぐに確認されるさらに薄くコーティングしたタンフールー選択質問に対して、すべての回答者は、本発明のタンフールーを選択した。これを通じて、本発明のタンフールーは、公知技術のタンフールーとは異なって、目で直接確認できる確かに薄い状態であることが分かる。
【0100】
また、コーティングシロップの色がさらに褐色であることを選択する質問に対して1人を除いた29人は、公知技術のタンフールーを選択したが、これを通じて、本発明のタンフールーは、シロップ製造過程で厳格に温度チェックをすることで、さらに透明かつ褐変しないシロップで製造したことを確認することができる。
【0101】
ハ.試食官能検査
【0102】
【表7】
【0103】
試食後に行われた官能検査で、噛むときにあまり固くないものに対する質問に対してすべての回答者は、本発明のタンフールーを選択した。これは、コーティングしたシロップ量がさらに少なく、さらに薄くコーティングした本発明のタンフールーの物性に起因すると見ることができる。
【0104】
また、噛むときに鋭くなく、さらにサクサクするものとして、多くの回答者(86.7%)が本発明のタンフールーを選択したが、これは、コーティングがさらに薄く、べたつきのない本発明のタンフールーの基本特性に起因したものであり、優れた品質が官能で確認されたものである。
【0105】
噛むときに歯にくっつかないものに対して多くの回答者(90%)は、本発明のタンフールーを選択したが、これは、公知技術の場合、シロップ温度を正確に知ることができず、単にシロップの色だけでシロップ完成を判断して用いたためであり、本発明は、べたつきに関する簡易実験結果、確認された135℃超過、145℃~163℃の安定したシロップを用いたためと見られる。
【0106】
カルメ焼き味、いわゆる砂糖の焦げた味または苦味があるものとして、多くの回答者(96.7%)は、公知技術タンフールーを選択したが、これは、図4(A)のように、公知技術のシロップ色が全体褐変状態でコーティングされ得るためであり、これに対し、本発明は、過熱しない145℃~163℃のシロップを安定的に維持しているので、砂糖が焦げることなく制御して、焦げた味の発生のおそれがない。
【0107】
また、全体的な選好度において、回答者のほとんど(96.7%)は、本発明のタンフールーを選択し、10点満点で、本発明は9.2点、公知技術は4.2点を付与し、大きな品質の差異を確認することができた。
【0108】
これを総合すると、本発明のタンフールーは、今まで解決しないタンフールー問題をほとんど解消した高品質のタンフールーの提供を可能にし、主顧客層である青少年のカロリー摂取を大きく減らすダイエットタンフールーとして寄与すると同時に、製造者にとって経済性の高いタンフールーの生産、保管および販売を支援することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8