(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167026
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】バブルコーティング用砂糖混合組成物
(51)【国際特許分類】
A23G 3/54 20060101AFI20241122BHJP
A23G 3/48 20060101ALI20241122BHJP
A23G 3/50 20060101ALI20241122BHJP
A23G 3/52 20060101ALI20241122BHJP
A23G 3/32 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
A23G3/54
A23G3/48
A23G3/50
A23G3/52
A23G3/32
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121059
(22)【出願日】2023-07-25
(31)【優先権主張番号】10-2023-0065048
(32)【優先日】2023-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523161985
【氏名又は名称】ダルコムナラエルリス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ジョン チョルフン
(72)【発明者】
【氏名】キム ソヒャン
【テーマコード(参考)】
4B014
【Fターム(参考)】
4B014GE03
4B014GE08
4B014GG07
4B014GG09
4B014GK08
4B014GK12
4B014GL11
4B014GP12
4B014GP14
4B014GP20
4B014GP23
4B014GP27
4B014GQ02
4B014GQ03
4B014GQ17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】タンフールーの製造者が安全に作業できる改善されたタンフールーコーティングのための砂糖混合組成物および製造されたバブルコーティングタンフールーを提供する。
【解決手段】本発明は、水を追加して加熱すると、小さいバブルがシロップの上部を覆って群集でバブル層を形成するバブルコーティング用砂糖混合組成物であって、前記砂糖混合組成物は、寒天が所定の割合で混合され、かつ、砂糖180重量部に寒天0.1~0.5重量部の割合で混合することを特徴とするバブルコーティング用砂糖混合組成物である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を追加して加熱すると、小さいバブルがシロップの上部を覆って群集でバブル層を形成するバブルコーティング用砂糖混合組成物であって、
前記砂糖混合組成物は、寒天が所定の割合で混合されることを特徴とするバブルコーティング用砂糖混合組成物。
【請求項2】
前記砂糖混合組成物は、砂糖180重量部に寒天0.1~0.5重量部の割合で混合することを特徴とする請求項1に記載のバブルコーティング用砂糖混合組成物。
【請求項3】
前記砂糖混合組成物は、消泡剤0.1~0.5重量部をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のバブルコーティング用砂糖混合組成物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のバブルコーティング用砂糖混合組成物を用いて製造されるバブルコーティングタンフールー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を追加して加熱すると、小さいバブルがシロップの上部を覆って群集でバブル層を形成するバブルコーティング用砂糖混合組成物において、前記砂糖混合組成物は、寒天が所定の割合で混合され、かつ、砂糖180重量部に寒天0.1~0.5重量部の割合で混合することを特徴とするバブルコーティング用砂糖混合組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
中国の五代十国時代と知られているタンフールー(糖葫蘆)の起源は、遼国をたてた契丹族が果物保存のために溶かした砂糖水を塗って凍らせる方法で固めて愛用したと言われ、エピソードとして宋国の光宗時代に皇帝が最も愛した王妃が痛いとき、サンザシの実を用いて完治し、水飴をかけたサンザシの実を中国皇室のおやつにしたことが知られている。
【0003】
ところで、タンフールーは、西洋の「キャンディアップル」と似ており、韓国の伝統食品の正果と似ていたといわれるが、硬化したシロップを噛むときに発生するサクサク音によって最近芸能人などのユーチューブを中心にタンフールーASMR(自律感覚絶頂反応)が大きく流行したことがある。
【0004】
砂糖をシロップ化して果物にコーティングする伝統的タンフールーレシピは、広く知られているが、すなわち白砂糖と水を2:1の割合で混合した後、かき混ぜることなく加熱して、シロップが濃厚になった状態でスプーンでかき出して果物の上に注ぎ、固まるまで紙の上または垂直保持台に刺して硬化させることが知られているが、濃厚という非常に曖昧な基準のため、たいてい失敗に終わる場合が多かった。
【0005】
ユーチューブを通じて国内外に広く知られたいわゆる「絶対失敗なしで作るタンフールーの製造方法」という技術も、白砂糖と水の混合比は、約2:1程度であり、従来レシピとは異なって、加熱してシロップ全体が黄色く褐変したシロップを作って、火を消した状態で生果物の串を浸漬してゆっくり回しながら塗布したり、シロップをスプーンでかき出して生果物に注ぐ方式を使用し、口の中にくっつかないべたつきをなくすには、必ず自然状態で涼しく乾燥しなければならず、冷蔵庫に入れると、シロップが粘っこく固まるため、避けるように勧めている。
【0006】
一方、褐変シロップでコーティングする場合、必然的にカルメ焼きの味(砂糖の焦げた味または苦味)が発生し、これは、主消費者の不満要因であるが、解決策は知られていない。
【0007】
最近、若年層を対象にタンフールー商品市長が急速に大きくなるに伴い、韓国の食品会社は、家庭で簡単に加熱し、シロップを作るいわゆるタンフールー専用の「果物キャンディ専用クッキングシロップ」を販売した。製品の成分としては、砂糖、精製水、オリゴ糖、水飴、イソマルトおよびビートレッド色素を添加したものであり、ユーチューブ公開の使用法によれば、液状体製品を加熱すると、赤色のビートレッド色素が消え、シロップ色が褐変し、この際、コーティングするように案内しているが、褐変過程を同様に経るという点から、これも、カルメ焼きの砂糖の焦げた味が発生すると推定される。
【0008】
なお、「果物キャンディ専用クッキングシロップ」の市販会社が特許出願して登録を受けた韓国登録特許第10-2333400号には、「タンフールー専用料理糖および製造方法」は、砂糖、精製水、イオン水飴および米水飴オリゴ糖を含む原料を加熱撹拌タンクに投入する段階と、投入した原料を90~110℃で加熱した後、加熱しない状態で1~10時間撹拌し、タンフールー専用料理糖を得る段階と、前記タンフールー専用料理糖を密封包装し、製品出荷する段階と、を含むタンフールー専用料理糖の製造方法を開示し、また、この会社の他の登録特許である第10-2502079号は、キャンディコーティング専用シロップ「果物コーティング液および製造方法」を開示し、砂糖、精製水、イオン水飴および米水飴とオリゴ糖混合物を含む料理糖原料を加熱撹拌タンクに注入し、投入原料を90~110℃で加熱した後、加熱しない状態で1~10時間撹拌し、料理糖を製造する料理糖製造段階(S100)と、前記加熱撹拌タンクにイソマルトおよびトレハロースを投入し、料理糖を40~60℃で加熱して混合することによって、第1果物コーティング液を製造する第1果物コーティング液製造段階(S200)を含み、これに加えて、ビート色素を投入する第2果物コーティング液製造段階(S300)を含むタンフールー用果物コーティング液製造方法を公知し、特にトレハロースの機能として細胞膜保護、水分蒸発防止、細胞表面ガラス膜が形成されると主張した。
【0009】
しかしながら、これらの2つの登録特許技術は、いずれも、110℃を上限で加熱し、かつ、加熱しない状態で1時間~10時間撹拌し、専用料理糖を製造すし、タンフールー製造関連生産性、生果物コーティング時の問題、シロップのコーティング程度などは言及がなかった。
【0010】
また、最近出願公開された韓国公開特許第10-2020-0130898号は、イチゴタンフールーの製造方法を開示するが、イチゴを洗って、15~17分間常温乾燥し、水気を除去して準備し、砂糖100重量部、水飴72~77重量部、イソマルト0.8~1.2重量部を入れ、ガス火の温度850~1300℃で9~10分間、連続して650~720℃で9~10分間、連続して350~400℃で9~10分間沸かしてシロップを準備し、ガス火の温度を85~110℃に調整した後、2~3分後に、完成されたシロップにイチゴを入れ、回しながら、表面に3~4回塗布し、紙の上に10~12分間常温乾燥する技術を公開したが、これは、出願当時に広く知られたタンフールーレシピと変わらないといって、最終拒絶決定された。
【0011】
その他にも、タンフールーコーティングシロップについて多くのレシピが市中に知られているが、代表的には、シロップを冷水に落としたとき、広がらないこと、皿に落としたとき、流れないことなど特定の物性で判断するだけで、実際には失敗する場合が多く、インターネットブログなどには、インターネット注文して配達された冷凍タンフールーの場合、包装紙を開封時に砂糖水がこぼされたか、砂糖まみれであったという意見が多かったが、これは、流通過程で果汁の流出、シロップ融解が繰り返される過程で発生する。
【0012】
また、店舗で販売するタンフールー商品の場合にも、果汁が急速に流出し、べたつくため、タンフールーは、買ってすぐ食べなければならないという不満が多く、某芸能人のユーチューブASMR映像では、手作りタンフールーのべたつきに起因して摂食過程でインプラントした奥歯が抜ける不運な目に遭ったことがある。
【0013】
また、青少年層に人気の多いタンフールー商品に対して、多くの親は、カロリーがとても高いことを心配しており、成人消費者の場合にも、カロリー摂取に対する負担感を吐露している。
【0014】
韓国のタンフールー関連商品は、最近ホットなフランチャイズ事業アイテムとして脚光を浴び始めるに伴い、雨後の筍のように多くのフランチャイズが発生し、加盟本部が最近2~3年の間に大きく増加したが、本発明者が運営する株式会社ダルコムナラアリスは、今まで「王家タンフールー」の商品は、使用感想を見ても、消費者の評価が最も良いことが確認され、これは、べたつきが少なく、シロップの厚さが薄い高品質の商品を提供するためである。
【0015】
なお、寒天は、テングサなどを凍結脱水したり、圧搾脱水して乾燥させた食品であり、今まで多くの食品分野において多様に応用されてきたが、タンフールーにを用いようとした試みがなかったと推定される。寒天は、凝固力が強く、凝固したものは、比較的溶融点が高く、あまり腐敗しない特性があり、水との親和性が強くて、水分を一定の形態で維持する能力が大きいので、ジェリーやジャムなど菓子とアイスクリーム、醸造時にかすを沈めるなどの用途に用いられてきた。
【0016】
また、寒天は、カロリーがほとんどない植物性素材であり、消化がうまくいかない性質があり、水分15%、タンパク質2%、灰分3.5%、脂肪0.5%以下であり、大部分は、多糖類からなり、多糖類は、中性多糖類のアガロース70%、酸性多糖類のアガロペクチン30%からなる。
【0017】
しかしながら、タンフールーを作る製造者の立場から、熱いシロップの表面まで串を把持した手を移動させて作業しなければならなかったため、安全問題が常に最も大きな関心事であり、完成されたタンフールーから果汁が流出する問題も完ぺきに解決できない困難があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2333400号公報(2021年12月2日公告)
【特許文献2】韓国登録特許第10-2502079号公報(2023年2月21日公告)
【特許文献3】韓国公開特許第10-2020-0130898号公報(2020年11月23日公開)
【特許文献4】韓国公開特許第10-2013-0137575号公報(2013年12月17日公開)
【特許文献5】韓国公開特許第10-2015-0059966号公報(2015年06月03日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、タンフールーの製造者が安全に作業できる改善されたタンフールーコーティング機術を提案しようとする。
【0020】
また、本発明は、完成されたタンフールーから果汁の流出が画期的に減少するタンフールー製造技術を提供しようとする。
【0021】
本発明は、べたつきのないタンフールーの製造方法を提供しようとする。これを通じて、噛むときに歯にくっつかず、手にあまりくっつかない高品質のタンフールーを提供しようとする。
【0022】
また、本発明は、シロップの厚さが薄いタンフールーの製造方法を提供しようとする。これを通じて、噛むときにあまり固くなく、鋭くなく、さらにサクサクするタンフールーを提供しようとする。
【0023】
また、本発明は、単位当たりのカロリーが少ないダイエットタンフールーを提供しようとする。
【0024】
また、本発明は、果汁の流出が少ないため、購買後に長時間安全に食べることができ、店舗で長時間保管できるタンフールーの製造方法を提供しようとする。
【0025】
また、本発明は、褐変ないシロップでコーティングし、砂糖の焦げた味のない高品質のタンフールーを提供しようとする。
【0026】
また、本発明は、原材料の生産コストが節減されたタンフールーの製造方法を提供しようとする。これを通じて、加盟店主の利益を最大で確保するように支援しようとする。
【0027】
また、本発明は、作業速度が改善されたタンフールーの製造方法を提供しようとする。これを通じて、製造者の作業効率性と収益性を改善しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
このような問題を解決するために、本発明は、水を追加して加熱すれば、小さいバブルがシロップの上部を覆って群集でバブル層を形成するバブルコーティング用砂糖混合組成物において、前記砂糖混合組成物は、寒天が所定の割合で混合されることを特徴とする、バブルコーティング用砂糖混合組成物を提供する。
【0029】
また、本発明において砂糖混合組成物は、砂糖180重量部に寒天0.1~0.5重量部の割合で混合し、消泡剤0.1~0.5重量部をさらに含んでもよいし、このようなバブルコーティング用砂糖混合組成物を用いて製造されるバブルコーティングタンフールーを提供する。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、タンフールーの製造者が安全に作業することができるようにバブル層が形成されるシロップでコーティングする技術を提供する。
【0031】
また、本発明は、寒天を用いてタンフールー果汁の流出を画期的に改善したタンフールー製造技術を提供する。
【0032】
本発明は、寒天を用いたべたつきのないタンフールーの製造技術を提供する。これを通じて、噛むときに歯にくっつかず、手にあまりくっつかない高品質のタンフールーを提供する。
【0033】
また、本発明は、シロップの厚さが薄いタンフールーの製造方法を提供する。これを通じて、噛むときにあまり固くなく、鋭くなく、さらにサクサクするタンフールーを提供する。
【0034】
また、本発明は、単位当たりのカロリーの少ないダイエット タンフールーを提供する。
【0035】
また、本発明は、寒天をシロップに使用してさらに光沢のあるタンフールーを提供する。
【0036】
また、本発明は、果汁の流出が少なく、購買後に長時間安全に食べることができ、店舗で長時間保管できるタンフールーの製造方法を提供する。
【0037】
また、本発明は、褐変ないシロップでコーティングし、砂糖の焦げた味のない高品質のタンフールーを提供する。
【0038】
また、本発明は、原材料の生産コストが節減されたタンフールーの製造方法を提供する。これを通じて、加盟店主の利益を最大で確保するように支援する。
【0039】
また、本発明は、作業速度が改善されたタンフールーの製造方法を提供する。これを通じて、製造者の作業効率性と収益性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は、本発明の全体タンフールー製造過程を図式化した図である。
【
図2】
図2は、本発明の一次および二次シロップコーティング処理方法を図式化した図である。
【
図3】
図3は、タンフールーの購買時に考慮する消費者の購買要因を分析した図である。
【
図4】
図4は、公知技術(A)と本発明(B)の完成されたシロップ色を比較した写真である。
【
図5】
図5は、発明者が使用した完成されたシロップで改善前(A)と改善後(B)を比較した図である。
【
図6】
図6は、本発明の完成シロップで一次コーティングおよび二次コーティング処理する写真である。
【
図7】
図7は、コーティングされるシロップの量を重量基準(g)と全体重さに対するシロップ重さの比(%)で比較した。
【
図8】
図8は、公知技術(A)および本発明(B)を用いたタンフールーの製造後2時間経過写真である。
【
図9】
図9は、公知技術(A)および本発明(B)を用いたタンフールーの製造後5時間経過写真である。
【
図10】
図10は、コーティングされるシロップの量に基づく単位当たりの生産能力を推定した図である。
【
図11】
図11は、合計4個の串のコーティング所要時間、すなわち作業時間を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、本発明の全体的な処理方法を説明したものであり、まず、食材を温度1℃~3℃の貯蔵庫に所定時間保管する(S1)。また、砂糖180重量部、水100重量部、寒天0.1重量部を混合した組成物を半球状容器に投入し、均等に広げた後、撹拌せずに強火で加熱し(S2)、シロップ温度130℃で火を中火にして続いて加熱し(S3)、その後、シロップ温度140℃で容器を前面に傾けて続いて加熱し(S4)、その後、シロップ全体温度143℃~145℃で火を弱火にして続いて加熱することによって(S5)、温度145~163℃のシロップを完成、維持し、食材をコーティングする(S6)。コーティングした食材は、風で2分~5分間乾燥し(S7)、乾燥したタンフールーは、1℃~3℃の貯蔵庫に保管する(S8)。
【0042】
本発明においてバブルコーティングとは、寒天が含まれた砂糖シロップを加熱する過程でシロップの表面に
図4~
図6の写真のように所定高さのバブルが群集形態で小さいバブルのバブル層を形成し、これを用いてシロップをコーティングすることをいう。
【0043】
また、本発明のバブルコーティングは、寒天が含まれた砂糖混合組成物に水を混合して加熱したシロップの上部に所定高さのバブル層が形成されると、あらかじめ串に刺した食材をバブル層の上層部の表面に接触してシロップをコーティングするように支援する。すなわち本発明は、
図6のようにシロップの上部における所定高さのバブル層の上層部の表面のシロップで食材をコーティングする。
【0044】
より具体的には、本発明においてコーティング作業は、串のハンドルを親指と人差し指で把持し、バブル層の上層部の表面に食材の表面を接触させた状態で、親指と人差し指を素早くこすって摩擦回転することによって、食材にシロップが塗布されるように一次コーティングし、連続して串の末端の尖鋭部を半球状容器の内側に支持したまま、親指と人差し指をさらに素早く摩擦回転させて、塗布されていたシロップの一部を振り落として二次コーティングする。
【0045】
本発明においてコーティングが完成されたタンフールーは、敷紙を敷いた盆ざるの上に載置し、扇風機の風で2分間乾燥し、温度1℃~3℃の貯蔵庫に入れて保管しつつ、続いて観察した。
【0046】
本発明の一例として、本発明は、水を追加して加熱すると、小さいバブルがシロップの上部を覆って群集でバブル層を形成するバブルコーティング用砂糖混合組成物において、前記砂糖混合組成物は、寒天が所定の割合で混合されることを特徴とするバブルコーティング用砂糖混合組成物を提供する。また、前記砂糖混合組成物は、砂糖180重量部に寒天0.1~0.5重量部の割合で混合し、前記砂糖混合組成物は、消泡剤0.1~0.5重量部をさらに含むバブルコーティング用砂糖混合組成物およびバブルコーティング用砂糖混合組成物を用いて製造されるバブルコーティングタンフールーを提供することができる。
【0047】
本発明の他の実施形態として、本発明は、砂糖180重量部および寒天粉末0.1~0.5重量部を含む砂糖混合組成物を半球状容器に投入して加熱することによって、145℃~163℃のシロップを製造し;食材は、コーティング前に1℃~3℃の貯蔵庫に所定時間保管し、かつ、コーティング直前に串に刺して準備し;前記製造されたシロップの上部に群集して形成される小さいバブルを用いて串に刺した食材をコーティングすることを特徴とする、バブルコーティングタンフールーの製造方法を提供することができる。また、前記コーティングは、シロップバブル層の上層部の表面に串に刺した食材の表面を接触したまま、素早く回転させて、シロップを一次コーティングし、一次コーティングした串を容器の内側に支持したまま、素早く回転させて、シロップを振り落として、二次コーティングするバブルコーティングタンフールーの製造方法およびこのような方法で製造される長時間溶けず、べたつきのないバブルコーティングタンフールーを提供することができる。
【0048】
本発明の他の実施形態として、本発明は、砂糖180重量部、水100重量部および寒天粉末0.1~0.5重量部を混合した組成物を撹拌せずに強火で加熱することによって、シロップの上部にバブル層が所定高さで形成されるようにコーティングシロップを製造し;前記所定高さのバブル層の上層部の表面に串に刺した食材の表面を接触したまま、素早く回転させて、シロップを一次コーティングし、前記一次コーティング串を容器の内側に支持したまま、素早く回転させて、シロップを振り落として、二次コーティングする、シロップの厚さが薄く、歯にくっつかないタンフールーの製造方法を提供することができる。また、前記一次コーティングは、前記所定高さのバブル層の温度が145℃~163℃のとき、コーティングするシロップの厚さが薄く、歯にくっつかないタンフールーの製造方法を提供し、このような方法で製造したシロップの厚さが薄く、歯にくっつかないタンフールーを提供することができる。
【0049】
本発明のさらに他の実施形態として、本発明は、砂糖180重量部、寒天粉末0.1~0.5重量部および消泡剤0.1~0.5重量部を半球状容器に投入し、撹拌せずに強火で130℃まで加熱してシロップを製造し;前記シロップ温度130℃に到達したとき、火を中火にして続いて加熱し;その後、シロップ温度140℃に到達したとき、容器を全面に傾けたまま継続加熱し;その後、シロップの前体温度が143℃~145℃に到達したとき、火を弱火にして加熱することによって、温度が145~163℃で安定したシロップを完成することを特徴とする、バブルコーティング用タンフールーコーティングシロップを提供することができる。また、食材の表面に前記バブルコーティング用タンフールーコーティングシロップを薄くコーティングしたことを特徴とする、長時間べたつきのないバブルコーティングタンフールーを提供することができる。
【0050】
本発明において一次および二次シロップコーティング処理方法をさらに細分化すると、まず、温度1℃~3℃の貯蔵庫に食材を所定時間保管し(S1); コーティング作業の直前に食材を取り出して串に刺し、かつ、串は、ハンドルの確保後、串の末端の尖鋭部が食材を貫通して所定の長さで露出するように準備し(S2); 温度145℃~163℃のシロップの上部に形成されたバブル層の上層部の表面に食材の表面を接触したまま、素早く回転し、一次コーティング(S3); 前記一次コーティングした串の末端の尖鋭部をシロップから離隔して、容器の内側に支持したまま、素早く回転し、シロップを振り落として、二次コーティング(S4)するように行われる。
【0051】
タンフールー店舗でコーティングに使用する食材は、通常季節の果物であり、代表的には、イチゴ、ミカン、ブドウなどが挙げられるが、これらに限らない。
【0052】
本発明は、食材を水が氷る温度である0℃内外に保管し、さらには1℃~3℃で保管する。これを通じて、組織破壊を予防し、食材含有果汁のエネルギーを最低レベルに維持させることによって、加工過程で食材の劣化速度および程度を最小化させるように実験を経て設計した。このために、本発明は、食材の保管温度を1℃~3℃とし、状況に合わせて所定時間保管する。
【0053】
一方、温度が-3℃を越えてさらに低い場合、果物の果汁が凍結し、食材の内部および表面組織を損傷し始める。そのため、温度は、必ず-3℃以上を遵守しなければならないが、本発明は、寒天を用いて0℃以下でなく、0℃以上で保管時にも、コーティング過程の食材の物性の差異が殆どないことが確認される。そのため、相対的に低い温度1℃~3℃で保管しても、所定の目的を十分に達成するので、本発明は、材料の保管費用を大きく節減できる。
【0054】
保管時間において、本発明は、少量の食材である場合、3時間~5時間保管で所定の目的を達成することができ、ボックス単位の大量処理時には、洗浄および積載後24時間、最大48時間以内に限定することが好ましい。特に48時間以上-3℃以下の温度に長時間暴露される場合、食材の細胞組織損傷の発生可能性が高い。
【0055】
例えば、夏や大量積載など条件で保管時間が短すぎる場合、十分な冷却過程を経ることができず、洗浄後に積載された食材から水分が十分に乾燥した状態にならず、コーティング時に問題が発生するおそれがあり、48時間以上経過する場合には、イチゴなど果物が長時間低温に暴露されて軟弱細胞組織の破壊可能性が高くなり、果汁が蒸発し、サイズが減る問題がある。
【0056】
本発明は、コーティング作業の直前に貯蔵庫から食材を取り出して、末端に鋭い尖鋭部が設けられた串に刺して準備し、かつ、ハンドルを除いて適切な個数を刺して準備する。一方、串刺しは、必要に応じて貯蔵庫保管過程であらかじめ準備することもできる。
【0057】
コーティング直前に食材を貯蔵庫から取り出すことは、食材の全体温度をあらかじめ低く処理することによって、コーティング過程で145℃以上高温に暴露される接面部以外の組織の損傷を最小化することができるためである。
【0058】
また、シロップ素材の砂糖は、白砂糖を主に用い、シロップ化過程で続いて高温加熱時に砂糖がカラメル化が進行し、いわゆるカルメ焼きのような性質を帯びるが、これは、糖類の酸化および分解産物の重合現象によるものである。約100℃程度で溶け始める砂糖は、165℃程度まで色と香りの変化が殆どなく、そのため、本発明は、色と香りの変化がないシロップ温度を145℃~163℃に設定し、バブルコーティングに用いる。
【0059】
参考までに、
図4(A)は、本発明の比較例に使用した公知技術で完成されたシロップの写真であり、
図5(A)は、本発明者が本発明を開発する前まで事業場で使用してきたシロップの写真であり、これらは、両方とも、本発明の写真である
図4(B)および
図5(B)と明確に差異がある。
【0060】
本発明は、また、
図6のように、寒天を含むシロップの上部に形成された小さいバブルの群集、バブル層をコーティングに用いる特徴がある。すなわち本発明は、シロップのバブル層の上層部の表面に食材の表面を接触させた状態で串ハンドルを素早く回転し、一次コーティングするが、写真のように、親指と人差し指で串ハンドルを把持し、半球状容器の前面に串を保持したまま、ハンドルを押してこすれば、保持された串によって重くない状態で串が容易にかつ素早く回転し、この際、串に刺した食材をバブル層の上層部の表面に接したまま、約1秒以内にシロップを塗布してコーティングを完了する。
【0061】
一次コーティングに連続して、
図6(B)のように、串のシロップが固まる前にこれを振り落とす二次コーティングをするが、すなわち串の末端の鋭い尖鋭部を半球状容器の内側の一地点に支持したまま、ハンドルを素早く押してこすれば、回転する串から厚く塗布れされていたシロップが遠心力で食材の表面を流れ出て外に飛んでしまい、この過程で食材の表面にはさらに薄く、均一なコーティング層が形成され、すぐに乾燥する。
【0062】
一次および二次コーティングを経て、さらに薄く、均一なコーティングが完成されたタンフールーは、その後、さらに素早くシロップが乾燥し、コーティング層に残留していた水分もさらに確実に除去されることによって、シロップの厚さが薄く、べたつきのない高品質のタンフールー製品を提供できる。
【0063】
これと同時に、二次コーティング段階で振り落とされたシロップは、沸くシロップでさらにリサイクルされ、砂糖の原材料コストを節減するように支援する。
【0064】
また、本発明は、バブル層の上層部の表面の粘性シロップをコーティングに用いるので、作業者にとって、高温で沸いているシロップを見ないで作業することができるように、心理的安定感を提供するだけでなく、実際作業位置上のコーティング部位は、シロップから上部に非常に離隔したところであるから、作業者の安全事故の危険を大きく低減する。
【0065】
以下には、より具体的な本発明組成物およびこれを用いたシロップ製造方法を説明する。
【0066】
本発明は、水を付加して加熱するとき、群集形態の小さいバブルがシロップの上部に所定高さで形成されるバブルコーティングシロップ用砂糖混合組成物において、前記砂糖混合組成物は、砂糖に寒天を所定の割合で混合したことを特徴とする、バブルコーティングシロップ用砂糖混合組成物を提供する。
【0067】
また、本発明において砂糖混合組成物は、砂糖180重量部に寒天0.1~0.5重量部を混合し、これに消泡剤0.1~0.5重量部をさらに混合することが好ましい。
【0068】
一例として、本発明は、砂糖180重量部および寒天0.1重量部を混合した砂糖混合組成物に水100重量部を追加して加熱することによって、バブルコーティングシロップを製造することができ、他の例として、砂糖1000重量部および寒天5重量部、消泡剤3重量部を水400重量部に混合して加熱することによって、バブルコーティングシロップを製造することもできる。
【0069】
また、砂糖は、透明なタンフールーを提供するために白砂糖を用いなければならず、必要に応じて黒砂糖など多様な砂糖を使用することができ、さらに多様な色を提供するために食用色素を添加することもできる。
【0070】
また、本発明において寒天は、粉末、液体または、固体状態の製品を全部使用することができるが、加熱前に混合および計量が便利に粉末状態を用いることが好ましい
【0071】
一方、砂糖180重量部を基準として寒天が0.1重量部未満で添加されると、目的とするバブル層が所定高さで形成されない問題が発生することがあり、0.5重量部を超えると、過度なバブルに起因してコーティング作業が難しくなることがある。
【0072】
そのため、本発明は、砂糖180重量部を基準として寒天0.1~0.5重量部を設定して使用し、これを通じて、シロップの上部に形成される群集形態のバブル層の高さをシロップの上部から約2cm~10cmで形成させることができる。また、バブル層は、高さが2cm未満の場合には、作業者は、高温の沸くシロップにコーティングするのと大きな差がなく、10cmを超える場合、バブルの制御が難しく、粘性など物性が変わって、最適コーティングが困難になる。
【0073】
参考までに、全く寒天を添加しない砂糖組成物は、130℃以上高温加熱によって
図5(A)のようにシロップ状態になるが、寒天を適量添加する場合には、
図5(B)のように液状体シロップの上部に小さいバブルがコンパクトに発生したバブル層が形成される。この際、制御されない過度に高いバブル層は、コーティングを妨害するだけでなく、コーティング後に硬化したシロップで所定の機能を期待できないので、バブルの形成およびサイズ、高さを調節するために、本発明は、適量の消泡剤を使用することが好ましい。
【0074】
また、消泡剤の添加量において、寒天に比べて少なすぎると、効果的なバブルの制御が困難であり、多すぎる添加は、所定高さでバブル層が形成されないので、本発明は、寒天0.1~0.5重量部に対して消泡剤0.1~0.5重量部が最適であることを試験で確認し、設計した。
【0075】
以下では、コーティングシロップの準備を含む本発明の全体的なタンフールー製造過程を説明する。
【0076】
まず、寒天が含まれた砂糖混合組成物をタンフールー専用半球状容器に均等に広げた後、適量の水を追加した後、撹拌せずに強火で前記組成物を加熱し、かつ;シロップ温度130℃で火を中火にした後、続いて加熱する。
【0077】
参考までに、本発明者が試験で確認したところ、温度130℃未満で砂糖混合組成物を加熱するとき、シロップから完全に水分が除去されないので、これをシロップに用いると、固まってしまったシロップは、水分が作用してべたつきがすぐに発生し、噛むときに歯にくっつく問題も多く発生した。これより、本発明は、シロップの製造時、加熱温度を続いて増加させて、130℃まで強火で加熱し、それ以上で加熱するように設計した。
【0078】
また、シロップは、全体温度が145℃~163℃を安定的に維持するまで続いて加熱するが、具体的には、シロップ温度140℃確認時にコーティング準備をするように、容器を前面に傾けた状態で続いて加熱し;その後、シロップ全体温度が143~145℃のとき、火は、最も弱い弱火にして続いて加熱する。この過程でシロップは、安定的に全体塩度145℃~163℃に到達し、この際、はじめてコーティングシロップが完成される。
【0079】
コーティングは、前記完成された状態の温度範囲のシロップを用い、かつ、液状体シロップは見えないほどシロップの上部に群集形態のバブル、すなわちバブル層が十分に充填された状態で
図6のようにバブル層の上層部の表面に食材の表面を接したまま作業する。
【0080】
一方、本発明において小さいバブルが群集形態で形成されたバブル層は、寒天を含む砂糖混合組成物の加熱初期から形成され、145℃~163℃のシロップまで続いて維持される。これを通じて、シロップから水分が完全に蒸発するが、寒天の成分はそのまま残っていて、食材の表面にシロップをコーティングするとき、寒天が持つ固有機能を提供することができる。
【0081】
また、コーティングが完了した食材タンフールーは、敷紙を敷いた盆ざるの上に並んで載置したり、支持台に垂直に刺して乾燥するが、この際、風で乾燥することが好ましい。一例として、盆ざるの上部には、扇風機の風を提供することができる。
【0082】
また、本発明は、薄いコーティング層が形成されるので、常温乾燥の場合、2分程度が好ましく、コーティングが少し厚い場合にも、5分で十分である。
【0083】
本発明において常温乾燥後には、1℃~3℃の貯蔵庫にタンフールーを保管することが好ましく、最小5分が経過した後に販売することができる。これは、販売されるタンフールー製品を噛むとき、サクサクや甘さは、冷たい状態でもっと大きく感じることができるためである。
【0084】
以下では、コーティング食材のうちタンフールーに主に使用する代表的な生果物であるイチゴとミカンを用いた試験であり、本発明の技術的含意をより詳細に説明する。
【0085】
本発明の実施例および比較例は、2023年5月に(株)ダルコムナラアリスで実施したものである。
【0086】
1.実施例および比較例
イ.実施例
新鮮なイチゴとミカンを購入後、きれいに洗浄後、ボックス状態で常温で10分間保持して水気を一部除去し、温度1℃~-3℃の貯蔵庫に積み重ねて24時間保管した。その後、コーティング直前に取り出して、ミカンは皮を除去した7個の切れ、イチゴは4個をそれぞれ串に刺して準備した。串は、把持できるハンドルを確保した状態で、串の末端の尖鋭部に果物を刺し、果物貫通後に所定の長さで串の末端の尖鋭部が露出するように準備した。
【0087】
火口は、本発明者が運営するフランチャイズ用業務用ガスバーナー三重火口を用い、かつ、3つの火口を全部開放する強火、2の火口を開放する中火および中心部の1つの火口のみを使用する弱火で制御する。
【0088】
本発明においてバブルコーティングシロップは、次のように準備した。
【0089】
まず、白砂糖(第一製糖社製白砂糖)1.8kgに水1kg、寒天粉末1g、消泡剤1gを混合した組成物を半球状容器に投入し、均等に広げた後、撹拌せずに強火で加熱し、かつ、シロップ温度を赤外線温度計で続いて測定しつつ加熱し、シロップ温度130℃で火を中火にした後、続いて加熱し、その後、シロップ温度140℃で容器を前面に傾けたまま、続いて加熱し、その後、シロップ全体塩度143℃~145℃で火を弱火にして加熱することによって、温度145~163℃のバブルコーティングシロップを完成した。
【0090】
また、145~163℃に維持し、
図6のようにシロップの上部におけるバブル層の上層部の表面のシロップを食材コーティングに用いた。
【0091】
コーティングは、串ハンドルを親指と人差し指で把持し、バブル層の上層部の表面に食材の表面を接触させた状態で、親指と人差し指を素早くこすって摩擦回転することによって、食材にシロップが塗布されるように一次コーティングし、連続して串の末端の尖鋭部を半球状容器内側に支持したまま、親指と人差し指を再び素早く摩擦回転させて、くっついていたシロップの一部を振り落とす二次コーティングする。
【0092】
前記過程で完成したタンフールーは、きれいな敷紙を敷いた盆ざるの上に載置し、扇風機の風で2分間乾燥し、温度1℃~3の貯蔵庫に入れて保管しつつ、続いて観察した。
【0093】
ロ.比較例
購読者86万人のユーチューブ「SEODAM」チャネル(https://youtu.be/JjMOtdhI7i4)には、合計4,273万回照会された「失敗なしでさらに完ぺきなタンフールーの作り方」のレシピを公知しているが、本発明の比較のためにこれを公知技術として特定し、実施した。
【0094】
コーティング食材としては、前記実施例と同一に、生果物のうち新鮮なイチゴとミカンを洗浄後、表面の水気を除去し、常温で30分~1時間乾燥して使用し、かつ、コーティング直前に、ミカンは皮を除去した7個の切れを、イチゴは4個をそれぞれ串に刺して準備した。
【0095】
また、コーティング用シロップは、白砂糖(第一製糖社製白砂糖)1.2kgに水600gを半球状容器に投入し、均等に広げた後、撹拌せずに弱火~中火で続いて加熱した。
【0096】
加熱によってシロップ化した組成物が非常に濃厚な状態になると、弱火にして容器を傾け、シロップ全体が完全に黄金色に変わるまで続いて加熱後、火を消してコーティングを始めた。
【0097】
コーティングは、準備した串をシロップに漬けて2~3回りゆっくり回す方法で実施し、コーティングが完成されたタンフールーは、敷紙を敷いた盆ざるに載置し、常温で乾燥および保管した。公知技術で明らかにしたように、比較例は、冷蔵庫にタンフールーを保管するとき、粘っこくなりえるので、涼しい常温乾燥を用いた。
【0098】
2.試験結果
イ.完成シロップの色
公知技術のシロップの場合、
図4(A)のように全体的に完成されたシロップ色は、黄金色~褐色であるが、本発明のシロップは、赤外線温度計の測定結果、シロップ温度145℃~163℃であり、
図4(B)のように液状体シロップの上部で群集形態の小さいバブルが透明な所定高さのバブル層を形成し維持することが分かる。これを通じて、本発明は、シロップの上部に所定高さの群集形態で形成されたバブル層タンフールーのコーティング時に提供することができた。
【0099】
ロ.果汁の流出および程度
【0100】
【0101】
公知技術の場合、シロップの全体色が黄金色の褐変状態で火を消してコーティングし、その結果、コーティング20分経過時からイチゴとミカンは、両方とも果汁の流出が始まった。また、40分経過時に果汁の流出が増加し、2時間経過時からは、
図8(A)のように、多くの果汁が流出していて、大きく劣化し、5時間経過後は、
図9(A)のように、完全融解レベルまで進行された。
【0102】
しかしながら、本発明は、
図8(B)、
図9(B)のように5時間経過までコーティングしたイチゴは、全く果汁の流出がなく、ミカンは、二つのうち一つだけに弱い流出が観測され、寒天を含んだシロップのコーティング効果が公知技術と非常に大きな差異を示すことが分かる。
【0103】
これは、寒天の水分保存効果が最大の理由であり、これに加えて、コーティング前の食材の低温保管、短いコーティング作業時間、薄いコーティングおよび迅速な乾燥などを補完的に使用したためと見られる。
【0104】
参考までに、寒天は、室温38~35℃で凝固し、68~84℃で融解するので、常温で水分凝集力を強く提供して果汁の流出を強力に阻止することができる。
【0105】
また、本発明は、コーティング前の食材果物を低温保管するが、すなわち1℃~3℃に食材果物の保管時に果汁内存在するアスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、アスパラギン、スレオニン、ヒスチジン、アラニン、バリン、ロイシンなど多様なアミノ酸と粘性のペクチンを安定させ、この状態でコーティング直前に取り出して串に刺してコーティングする場合、シロップは、食材果物の表面に水分なしにコーティングさせ、果物内部の果汁が非常に安定した状態にコーティングし、コーティング過程においても、本発明は、シロップバブル層の上層部に果物の表面を接触したまま、1秒以内に素早くシロップを塗布し、すぐに振り落とす一次および二次コーティング作業を連続施行することによって、結局、コーティング中に食材果物の損傷の可能性を最小化し、果汁の流出を緻密に取り締まる。
【0106】
コーティング後にも、本発明は、風で2分程度乾燥後、すぐに1℃~3℃の貯蔵庫に保管することによって、コーティングおよび乾燥過程以外には、食材の常温露出を最小化させた。
【0107】
しかしながら、公知技術は、シロップ製造の成功に集中するだけであり、本発明において設定する特定の目的がなく、コーティング前30分~1時間前に果物を洗浄した後、短く常温乾燥するので、果物の表面で十分に水分が乾燥せず、果物内部の果汁も、比較的高温の不安定な状態になる。また、コーティング過程でシロップに漬けて2~3回ゆっくり回転させて、十分にシロップを塗布することによって、高温暴露時間が極めて長くなり、果物損傷の可能性が大きく、乾燥時に常温の涼しい所で乾燥するだけで、本発明に比べて常温でタンフールー劣化速度が極めて速いと予想される。
【0108】
ハ.タンフールーの表面べたつき
【0109】
【0110】
シロップコーティング層のべたつきにおいて、公知技術のタンフールーは、製造直後の5分経過時からべたつきが確認され、40分経過時に続いて増加し、2時間経過時に急速増加した。
【0111】
しかしながら、本発明のタンフールーのうちミカンの場合には、2時間経過時にはじめてべたつきが確認され、5時間が経過した後に若干増加し、イチゴの場合、5時間経過時にも2つのうち一つだけがべたつきが確認される優れた効果があった。
【0112】
コーティング層のべたつきは、果汁の流出程度と密接なものであり、公知技術の場合、コーティング前後の果物状態が安定せず、本発明に比べてさらに素早く果汁の流出が発生するので、これに基づいて素早いべたつきの発生は、当然予想される効果である。
【0113】
一方、本発明の場合、寒天を用いたシロップを通じて効果的な吸湿作用を支援することによって、果汁を効果的に捕集すると見られる。すなわち寒天を使用しない場合、約2時間後にコーティング層が溶けて果汁が流出し、べたつきが発生するが、寒天を使用したシロップコーティング時には、同一条件で5時間後までに果汁の流出がなかった。
【0114】
これに加えて、本発明は、また、洗浄後に自然乾燥で果物表面の水分を除去し、コーティング前に所定時間で1℃~3℃低温保管し、エネルギーが最も低い状態で果物を前処理し、コーティング時にはシロップの上部に形成された群集形態の小さいバブルの上層部の表面のシロップに果物の表面に接したまま、1秒以内に素早くコーティングし、その後、連続的にシロップを迅速に振り落とすことによって、全体的に高温暴露を最小化することができる。また、完成されたタンフールーは、扇風機の風で2分間乾燥後、1℃~3℃低温に保管することによって、長時間果汁の流出を効果的に遮断し、長時間高い商品性を維持し、これを通じて、消費者および製造者に高い満足度を提供する。
【0115】
処理温度によるシロップのべたつきの有無を確認するために、本発明者は、130℃内外の温度で簡易試験結果、温度135℃まで加熱したシロップは、コーティング直後からべたつきが確認された。参考までに、水に溶けた砂糖を加熱する場合、水分が完全に除去されていないシロップは、べたつきが発生するが、このため、視覚的に濃厚な状態のシロップであっても、正確な温度確認がない場合、水分残留の有無を判別できないので、そのため、べたつきが発生し、噛むときに歯にくっつく問題が発生する。
【0116】
二.コーティングしたシロップ量
【0117】
【0118】
本発明のタンフールーは、全体重さ中のシロップ重さの割合でイチゴが22.4%、ミカンが27.4%に過ぎないが、公知技術は、イチゴおよびミカンそれぞれ32.1%、39.2%であり、本発明に比べて非常に高いことが確認され、串別の重量基準で本発明は、イチゴ平均21.8g、ミカン平均17.8gのシロップがコーティングされるが、公知技術は、イチゴが平均34.1g、ミカンが平均32.2gであり、本発明に比べてイチゴが1.6倍、ミカンが1.8倍多いシロップを含有することが明らかになった。
【0119】
すなわち、1つの串当たり摂取カロリーの観点から、本発明は、公知技術に比べて、イチゴが64%、ミカンが55.2%レベルに過ぎず、主顧客層である子供、青少年の肥満予防に大きい効果があるものと見られる。
【0120】
他の観点、すなわち、製造費用の観点から、本発明は、同量の砂糖を用いてさらに多くのタンフールーを作るので、極めて経済的である。
【0121】
例えば、砂糖1.8kgをシロップ化して使用する場合、本発明は、イチゴ82回、ミカン101回のコーティングを支援できるが、公知技術は、イチゴ52回、ミカン55回に過ぎず、串当たりの砂糖原材料コストは、1/2水準に過ぎず、これによって、加盟店主の利益を大きく高めることができる。
【0122】
ホ.作業者のコーティング時間
【0123】
【0124】
本発明は、実施例および比較例において使用するそれぞれ串4個の総コーティング所要時間において5秒かかり、1個当たり1.2秒の非常に速い作業速度を示した。しかしながら、公知技術は、シロップに漬けて2~3回回してシロップを塗布するので、1個当たり3秒であり、本発明に比べて二倍を超過する時間が必要であった。これを通じて、本発明は、作業者の時間当たりの生産性を大きく高めることができる技術と確認される。
【0125】
4.消費者実験
本発明と公知技術で実施した実施例および比較例を通じて製造されたタンフールーに対して年齢/性別に関係なく、消費者30人を対象にブラインド官能検査を実施した結果、次の通りである。
【0126】
イ.タンフールー購買要因
【0127】
【0128】
図3のようにブログなどタンフールー使用感想で把握した7個の最も重要な購買要因をテキストで提示した後、一つだけ選択するようにした結果、最も多い回答者(9人)は、コーティング厚さを選択し、噛むときに歯にくっつくかどうか、噛むときにサクサクなどを次に選択した。これは、コーティングが厚ければ、噛むことが難しく、破片がより鋭く、 口の傷が生じやすく、噛む過程に粘着性シロップが歯にくっついて弱い歯が壊れたりインプラントが抜けるなど危険を認識しているためと見られる。これを通じて、シロップのコーティング部の厚さが薄く、べたつきのないことが消費者が考える最も重要な購買要因と確認される。
【0129】
ナ.さらに薄くコーティングしたタンフールー
【0130】
【0131】
視覚的に確認されるさらに薄くコーティングしたタンフールー選択質問に対して、すべての回答者は、本発明のタンフールーを選択した。これを通じて、本発明のタンフールーは、公知技術のタンフールーとは異なって、目で直接確認できる確かに薄い状態であることが分かる。
【0132】
また、コーティングシロップの色がさらに褐色であることを選択する質問に対して回答者全員が公知技術を選択した。これを通じて、本発明によるタンフールーは、寒天と処理温度によってシロップがさらに透明かつ褐変しない状態であることを確認することができる。
【0133】
ハ.試食官能検査
【0134】
【0135】
試食後に行われた官能検査でも、すべての回答者は、表7のように噛むときにあまり固くないものとして本発明のタンフールーを選択した。これは、コーティングしたシロップの量がさらに少なく、さらに薄くコーティングした本発明タンフールーの物性に起因すると見ることができる。
【0136】
また、噛むときに鋭くなく、さらにサクサクするものとして、多くの回答者(90%)が本発明タンフールーを選択したが、これも、コーティングがさらに薄く、べたつきのない本発明タンフールーの特性に起因したものであり、優れた品質が官能で確認されたと評価される。
【0137】
噛むときに歯にくっつかないものに対して多くの回答者(93.3%)は、また、本発明のタンフールーを選択したが、これは、公知技術がシロップの温度を知ることができず、シロップの色だけが褐変された状態でコーティングするのに対し、本発明は、寒天を用いてべたつきを補完するように設計し、同時に実験で確認されたべたつきのない砂糖加熱温度135℃を超過し、シロップ全体が145℃~163℃で安定した状態であるときにコーティングし、そのため、寒天とシロップの相乗効果があるためと推定される。
【0138】
カルメ焼き味、いわゆる砂糖の焦げた味や苦味があるものとして、すべての回答者(100%)が公知技術のタンフールーを選択したが、これは、
図4(A)のように、公知技術は、色が全体的に黄金色の褐変状態でコーティングするが、
図4(B)のように、本発明は、過熱しない145℃~163℃で砂糖が焦げなく制御して、焦げた味が発生するおそれがないためである。
【0139】
全体的な選好度において、回答者のほとんど(96.7%)は、本発明のタンフールーを選択し、10点満点で、本発明が9.0点、公知技術が3.0点を付与し、大きな品質の差異を確認することができた。
【0140】
これを総合すると、本発明の寒天シロップを用いたタンフールーは、消費者が感じた今までの問題点をほとんど解消したものであり、タンフールーの固有特性をよく生かすと同時に、カロリー摂取を大きく減らす本格的なダイエットタンフールーを提供し、タンフールー製造者にとってより安全に製造できる技術を提供する。