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特開2024-167096電子デバイス用キーボードアクセサリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167096
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】電子デバイス用キーボードアクセサリ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20241122BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20241122BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/02 440
G06F1/16 312E
G06F1/16 312K
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024081969
(22)【出願日】2024-05-20
(31)【優先権主張番号】63/503,382
(32)【優先日】2023-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/430,375
(32)【優先日】2024-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/430,492
(32)【優先日】2024-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バラジ, サンタナ ケー.
(72)【発明者】
【氏名】チャヴェズ ルイーズ ガルザ, ジャイム ジー.
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル, ブレイク アール.
(72)【発明者】
【氏名】リウ, ロバート ユー.
(72)【発明者】
【氏名】チェン, チェン
(72)【発明者】
【氏名】ラミレス, ラーモン ヴィラー
(72)【発明者】
【氏名】ビアード, ジョナサン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ハウエル, アダム エス.
(72)【発明者】
【氏名】ギルバート, テイラー エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン, アレキサンダー エル.
(72)【発明者】
【氏名】ジ, キジェン
【テーマコード(参考)】
5B020
5E555
【Fターム(参考)】
5B020CC06
5B020CC11
5B020HH14
5E555AA54
5E555BA01
5E555BA04
5E555BB01
5E555BB04
5E555BC02
5E555BE11
5E555CA10
5E555CA44
5E555CB21
5E555CC01
5E555DA01
5E555DD03
5E555EA09
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】入力デバイスと電子通信するコンピューティングデバイスを含むことができるモジュール式電子デバイスシステム。コンピューティングデバイスおよび入力デバイスのいずれかまたは両方に含まれる様々なタイプのセンサが、コンピューティングデバイスと入力デバイスとの間の向きおよびヒンジ角度を決定するために使用される。入力設定は、様々なセンサからのデータに従って変更することができる。入力デバイスはまた、コンピューティングデバイスに取り付けられるように構成された細長いテール部を含むことができる。
【効果】細長いテール部は、使用を容易にするために複数の物理的構成を可能にすることができる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式電子デバイスシステムであって、
第1のセンサ、プロセッサ、およびメモリデバイスを含むコンピューティングデバイスと、
ヒンジにおいて前記コンピューティングデバイスに取り外し可能に接続された入力デバイスであって、第2のセンサを含む入力デバイスと、を有し、
前記メモリデバイスが命令を記憶し、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記第1のセンサからの第1の信号に基づいて、重力方向に対する前記コンピューティングデバイスの角度を決定し、
前記第2のセンサからの第2の信号に基づいて、前記重力方向に対する前記入力デバイスの角度を決定し、
前記コンピューティングデバイスの前記角度および前記入力デバイスの前記角度に基づいて、前記ヒンジにおける前記コンピューティングデバイスと前記入力デバイスとの間のヒンジ角度を決定し、
前記ヒンジ角度を決定することに応じて入力設定を変更する、ようにさせる、モジュール式電子デバイスシステム。
【請求項2】
前記入力設定を変更することが、前記入力デバイスを有効にすること、または前記入力デバイスを無効にすることを含み、
前記プロセッサが、前記ヒンジ角度が第1のヒンジ角度範囲内にあることに基づいて前記入力デバイスを有効にするように構成され、
前記プロセッサが、前記ヒンジ角度が前記第1のヒンジ角度範囲とは異なる第2のヒンジ角度範囲内にあることに基づいて、前記入力デバイスを無効にするように構成される、請求項1に記載のモジュール式電子デバイスシステム。
【請求項3】
前記第1のヒンジ角度範囲が、30度~120度を含み、
前記第2のヒンジ角度範囲が、前記第1のヒンジ角度範囲の外側の角度を含む、請求項2に記載のモジュール式電子デバイスシステム。
【請求項4】
前記プロセッサが、前記ヒンジ角度が前記第1のヒンジ角度範囲または前記第2のヒンジ角度範囲内にあることを示す少なくとも3つの連続するセンササンプルに基づいて、前記入力設定を変更するように構成される、請求項3に記載のモジュール式電子デバイスシステム。
【請求項5】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサが、約10ヘルツ~約15ヘルツのサンプリングレートでセンサ信号を生成するように構成される、請求項1に記載のモジュール式電子デバイスシステム。
【請求項6】
前記入力デバイスが、
第1のホール効果センサと
前記第1のホール効果センサから少なくとも3インチの閾値間隔だけ離間された第2のホール効果センサと、を備える、請求項1に記載のモジュール式電子デバイスシステム。
【請求項7】
前記コンピューティングデバイスが、第1の極性構成を含む第1の磁石対と、前記第1の極性構成とは異なる第2の極性構成を含む第2の磁石対と、を備え、
前記第1のホール効果センサおよび前記第2のホール効果センサが、前記コンピューティングデバイスに当接されたときの前記入力デバイスの配置に応じて、前記第1の極性構成または前記第2の極性構成のうちの1つを識別するように構成されている、
請求項6に記載のモジュール式電子デバイスシステム。
【請求項8】
前記プロセッサが、前記ヒンジ角度に加えて、前記第1のホール効果センサおよび前記第2のホール効果センサからのセンサデータに基づいて前記入力設定を変更するように構成されている、請求項7に記載のモジュール式電子デバイスシステム。
【請求項9】
キーボードであって、
キー機構のセットと、
前記キー機構のセットに隣接するトラックパッドと、
第1のセンサと、
前記第1のセンサから離れて配置された第2のセンサと、
プロセッサと、
命令を記憶するメモリデバイスと、を備え、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに前記第1のセンサおよび前記第2のセンサからのセンサ信号に基づいて前記キーボードのための入力状態を決定させる、キーボード。
【請求項10】
前記入力状態が、前記トラックパッドまたは前記キー機構のセットのキー機構、の少なくとも1つへのユーザ入力に応じて、前記プロセッサがコンピューティングデバイスに信号を送信することを許可する第1の入力状態を含む、請求項9に記載のキーボード。
【請求項11】
前記入力状態が、前記トラックパッドまたは前記キー機構のセットのキー機構、の少なくとも1つへのユーザ入力に応じて、前記プロセッサがコンピューティングデバイスに信号を送信することを許可しない第2の入力状態を含む、請求項9に記載のキーボード。
【請求項12】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサが、コンピューティングデバイスに配置された磁石のセットの極性方向を検出するように構成されている、請求項9に記載のキーボード。
【請求項13】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサが、前記磁石のセットの複数の別個の磁石それぞれの極性を検出するように構成されている、請求項12に記載のキーボード。
【請求項14】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサが、前記トラックパッド内に埋め込まれている、請求項9に記載のキーボード。
【請求項15】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサが、前記トラックパッドの対向する角部に埋め込まれる、請求項14に記載のキーボード。
【請求項16】
プリント回路基板を更に備え、前記第1のセンサ、前記第2のセンサ、および前記トラックパッドに関連付けられた1つ以上の他のセンサが、前記プリント回路基板と電気通信する、請求項9に記載のキーボード。
【請求項17】
コンピューティングデバイスであって、
筐体と、
前記筐体内に形成されたディスプレイ部分と、ここで前記ディスプレイ部分は、第1の入力状態においてユーザ入力のためのオンスクリーンキーボードを提示するように構成され、
前記コンピューティングデバイスのロール角およびピッチ角を少なくとも含む重力データを生成するように構成された少なくとも1つのセンサと、
プロセッサと、
命令を記憶するメモリデバイスと、を備え、前記命令は前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記重力データに基づいて前記ディスプレイ部分またはキーボードの少なくとも1つに信号を送信させ、
前記信号が、前記第1の入力状態と第2の入力状態とを切り替えるためのコンピュータ実行可能命令を含み、前記第2の入力状態が、前記キーボードにおけるユーザ入力のために構成されている、コンピューティングデバイス。
【請求項18】
前記少なくとも1つのセンサが、慣性測定ユニットを含む、請求項17に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項19】
前記プロセッサが、前記キーボードから、少なくともキーボードロール角およびキーボードピッチ角を含む追加の重力データを受信するように構成されている、請求項17に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項20】
前記プロセッサが、前記追加の重力データおよび前記重力データに基づいて、前記信号を前記ディスプレイ部分または前記キーボードのうちの少なくとも1つに送信するように構成されている、請求項19に記載のコンピューティングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2023年5月19日に出願され、「Keyboard Accessory for Electronic Device」と題された米国仮特許出願第63/503,382号の優先権を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
記載の実施形態は、概して、コンピューティングデバイスのための電子アクセサリおよびキーボードに関する。より詳細には、本実施形態は、ポータブルコンピューティングデバイスに対するキーボードポジションを決定し、センサからの信号に基づいて入力設定を変更するためのセンサを含む着脱式キーボードに関する。
【背景技術】
【0003】
ポータブルコンピューティングデバイスは、近年、世界中で人気および普及が高まっている。したがって、タブレットコンピュータおよびスマートフォンなどのポータブルコンピューティングデバイスの利便性および適応性は、多くの目的でのユーザの必要性を満たすことを助長してきた。タブレットコンピュータまたはスマートフォンなどのポータブルコンピューティングデバイスを使用するとき、キーボード、トラックパッド、またはマウスなどの外部入力デバイスを使用することが一般的である。従来の外部入力デバイスは、生産性の向上および入力の容易さのために便利であるが、様々な理由で使用するのに不便であり得る。外部入力デバイスは、タブレットコンピュータの後ろまたは下に収納されているときなど、望ましくないポジションにある間、アクティブのままであり得る。外部入力デバイスはまた、構成を変更するときに取り外され、ポータブルコンピューティングデバイスのための不安定なまたは不確かなポジションを作り出し、または経時的に機能を失う可能性がある。結果として、特にこれらのシステムの関連するケースについて、ポータブルコンピューティングデバイスの改善が絶えず必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の1つ以上の例は、モジュール式電子デバイスシステムに関する。モジュール式電子デバイスシステムは、第1のセンサ、プロセッサ、およびメモリデバイスを含むコンピューティングデバイスと、ヒンジにおいてコンピューティングデバイスに取り外し可能に接続され、第2のセンサを含む入力デバイスと、を含むことができ、メモリデバイスは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、第1のセンサからの第1の信号に基づいて重力方向に対するコンピューティングデバイスの角度を決定させ、第2のセンサからの第2の信号に基づいて重力方向に対する入力デバイスの角度を決定させ、コンピューティングデバイスの角度および入力デバイスの角度に基づいてヒンジにおけるコンピューティングデバイスと入力デバイスとの間のヒンジ角度を決定させ、ヒンジ角度の決定に応じて入力設定を変更させる、命令を記憶する。いくつかの例では、入力設定を変更することは、入力デバイスを有効にすること、または入力デバイスを無効にすることを含み、プロセッサは、ヒンジ角度が第1のヒンジ角度範囲内にあることに基づいて入力デバイスを有効にするように構成され、プロセッサは、ヒンジ角度が第1のヒンジ角度範囲とは異なる第2のヒンジ角度範囲内にあることに基づいて入力デバイスを無効にするように構成される。
【0005】
特定の例では、第1のヒンジ角度範囲は、30度~120度を含み、第2のヒンジ角度範囲は、第1のヒンジ角度範囲外の角度を含む。少なくとも1つの例では、プロセッサは、ヒンジ角度が第1のヒンジ角度範囲内または第2のヒンジ角度範囲内にあることを示す少なくとも3つの連続するセンササンプルに基づいて、入力設定を変更するように構成される。特定の例では、第1のセンサおよび第2のセンサは、約10ヘルツ~約15ヘルツのサンプリングレートでセンサ信号を生成するように構成される。一例では、入力デバイスは、第1のホール効果センサと、少なくとも3インチの閾値間隔だけ第1のホール効果センサから離間された第2のホール効果センサと、を備える。少なくともいくつかの例では、コンピューティングデバイスは、第1の極性構成を含む第1の磁石対と、第1の極性構成とは異なる第2の極性構成を含む第2の磁石対と、を備え、第1のホール効果センサおよび第2のホール効果センサは、コンピューティングデバイスに当接されたときの入力デバイスの配置に応じて、第1の極性構成または第2の極性構成のうちの1つを識別するように構成される。少なくとも1つの例では、プロセッサは、ヒンジ角度に加えて、第1のホール効果センサおよび第2のホール効果センサからのセンサデータに基づいて入力設定を変更するように構成される。
【0006】
本開示は更に、キーボードに関する。キーボードは、キー機構のセットと、キー機構のセットに隣接するトラックパッドと、第1のセンサと、第1のセンサから離れて配置された第2のセンサと、プロセッサと、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、第1のセンサおよび第2のセンサからのセンサ信号に基づいてキーボードの入力状態を決定させる命令を記憶するメモリデバイスと、を含むことができる。少なくとも1つの例では、入力状態は、トラックパッドまたはキー機構のセットのキー機構のうちの少なくとも1つへのユーザ入力に応じてプロセッサがコンピューティングデバイスに信号を送信することを可能にする第1の入力状態を含む。特定の例では、入力状態は、トラックパッドまたはキー機構のセットのキー機構のうちの少なくとも1つへのユーザ入力に応じてプロセッサがコンピューティングデバイスに信号を送信することを許可しない第2の入力状態を含む。一例では、第1のセンサおよび第2のセンサは、コンピューティングデバイス内に配置された磁石のセットの極性方向を検出するように構成される。
【0007】
少なくともいくつかの例では、第1のセンサおよび第2のセンサは、磁石のセット内の別個の磁石の個々の極性を検出するように構成される。1つ以上の例では、第1のセンサおよび第2のセンサは、トラックパッド内に埋め込まれる。少なくとも1つの例では、第1のセンサおよび第2のセンサは、トラックパッドの対向する角部に埋め込まれる。特定の例では、キーボードは、プリント回路基板を更に備え、第1のセンサ、第2のセンサ、およびトラックパッドに関連付けられた1つ以上の他のセンサは、プリント回路基板と電気通信する。
【0008】
本開示は更に、コンピューティングデバイスに関する。コンピューティングデバイスは、筐体と、筐体内に形成され、第1の入力状態でユーザ入力のためのオンスクリーンキーボードを提示するように構成されたディスプレイ部分と、コンピューティングデバイスのロール角およびピッチ角を少なくとも含む重力データを生成するように構成された少なくとも1つのセンサと、プロセッサと、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、重力データに基づいてディスプレイ部分またはキーボードのうちの少なくとも1つに信号を送信させる命令を記憶するメモリデバイスと、を含むことができ、信号は、第1の入力状態と第2の入力状態とを切り替えるためのコンピュータ実行可能命令を含み、第2の入力状態は、キーボードにおけるユーザ入力のために構成される。少なくとも1つの例では、少なくとも1つのセンサは慣性測定ユニットを含む。特定の例では、プロセッサは、キーボードから、少なくともキーボードロール角およびキーボードピッチ角を含む追加の重力データを受信するように構成される。一例では、プロセッサは、追加の重力データおよび重力データに基づいて、ディスプレイ部分またはキーボードのうちの少なくとも1つに信号を送信するように更に構成される。
【0009】
本開示は更に、キーボードの別の例に関する。キーボードは、周縁部のセットを含む筐体と、筐体内に配置されたキーアセンブリのセットと、筐体の幅方向に沿って広がる細長いテール部であって、コンピューティングデバイスと取り外し可能に接続するように構成された取付け部分を含む、細長いテール部と、可撓性部分の第1の端部から第1の端部と対向する可撓性部分の第2の端部まで筐体に接続された可撓性部分と、を含むことができる。本明細書で使用される場合、細長いテール部、保持要素、および接続部材という用語は、細長いテール部を指す。可撓性部分は、内層と、外層と、内層と外層との間に埋め込まれたフレックス回路と、を含むことができ、可撓性部分は、第1の端部と第2の端部との間に表面不整(surface aberration)のない均一な平滑性を有する。1つ以上の例では、フレックスフィラー層は、内層と外層との間でフレックス回路に横方向に隣接して配置され、フレックスカバー層は、フレックスフィラー層およびフレックス回路の上に配置され、フレックスカバー層は、内層と外層との間に更に配置される。
【0010】
特定の例では、内層は第1の内面を含み、フレックスカバー層は天面および底面を含み、天面は第1の内面に接着され、底面はフレックス回路およびフレックスフィラー層の上側に接着される。一例では、外層は第2の内面を含み、フレックス回路の底側およびフレックスフィラー層は第2の内面に接着される。少なくともいくつかの例では、フレックス回路およびフレックスフィラー層は、キスカットされて、フレックス回路とフレックスフィラー層との間のフレックス回路の各側に所定の間隙を形成する。1つ以上の例では、フレックス回路は、可撓性部分を人間の裸眼で外部から見たときに知覚できない色および知覚できない形状を含む。少なくとも1つの例では、均一な平滑性は、第1の端部から第2の端部まで、内層および外層の外面間がほぼ一定の距離であることによって規定される。特定の例では、表面不整は、内層または外層のうちの少なくとも1つの外面に対して内側に突出するか外側に突出するかにかかわらず、しわまたは折り目を含む。一例では、キーボードがコンピューティングデバイスから取り外されるとき、可撓性部分は、少なくとも後方から見る視点から取付け部分を覆い隠すように、取付け部分の背面部分の周りで湾曲し、取付け部分の背面部分に取り付けられる。
【0011】
本開示は更に、キーボードの別の例に関する。キーボードは、キーボード本体と、キーボード本体内に配置された入力キーのセットと、コンピューティングデバイスと取り外し可能に接続するように構成された嵌合部分と、キーボード本体に接続された調整可能部分と、を含む保持要素であって、調整可能部分は、電気導管と、電気導管に横方向に隣接して配置されたフィラー層と、を含み、電気導管およびフィラー層は、キスカットされて、電気導管とフィラー層との間に所定の間隙を形成する、保持要素と、を含むことができる。いくつかの例では、内側ファブリック層および外側ファブリック層は、電気導管およびフィラー層を取り囲む。1つ以上の例では、所定の間隙は、内側ファブリック層または外側ファブリック層のうちの少なくとも1つの収縮に対応するようなサイズを有する。特定の例では、電気導管およびフィラー層は同じ厚さを有する。一例では、所定の間隙は0.1mm~0.5mmである。
【0012】
本開示は更に、キーボードの別の例に関する。キーボードは、キーボードフレーム幅を画定する周縁部を備えるキーボードフレームと、キーボードフレームによって支持されるキー機構のセットと、接続部材と、を含むことができる。接続部材は、キーボードフレームの周縁部の長さ方向に延在する剛性バーであって、コンピューティングデバイスに取り外し可能に接続するように構成された電気コネクタと、周縁部の長さ方向に広がる前側と、周縁部の長さ方向に広がり、前側に対向する後側と、を備える剛性バーと、剛性バーおよびキーボードフレームに取り付けられた柔軟なフラップであって、第1の端部から第2の端部まで連続しており、剛性バーの後側に少なくとも部分的に巻き付いて接続するように構成された柔軟なフラップと、を含むことができる。
【0013】
いくつかの例では、柔軟なフラップは、キーボードフレームへの第1の取付け点と、剛性バーへの第2の取付け点と、を備え、第1の取付け点と第2の取付け点との間の距離が、キーボードがコンピューティングデバイスに取り付けられた状態を維持しながらコンピューティングデバイスに対して180度回転することを可能にする。1つ以上の例では、第1のキーボード構成において、柔軟なフラップは、キーボードの少なくとも1つ以上の視野角において剛性バーを少なくとも部分的に覆い隠し、第2のキーボード構成において、柔軟なフラップは、キーボードの少なくとも1つ以上の視野角において剛性バーを少なくとも部分的に露出させる。特定の例では、第1のキーボード構成は、閉モード構成またはタイピングモード構成を含み、第2のキーボード構成は、180度のヒンジ角度を画定するキーボードとコンピューティングデバイスとの間の相対配置を含む。一例では、柔軟なフラップは、キーボードが0度~180度の範囲のヒンジ角度でコンピューティングデバイスに取り付けられたままであることを可能にする規定の剛性を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
同様の参照番号が同様の構造的要素を指定する添付図面と併せて、以下の詳細な説明によって開示が容易に理解されよう。
【0015】
図1】例示的なモジュール式電子デバイスシステムを示す。
【0016】
図2】コンピューティングデバイスがセンサからの信号の変化に応じて入力状態を更新する例示的なモジュール式電子デバイスシステムを示す。
【0017】
図3】入力設定を更新する方法を示す。
【0018】
図4】例示的な入力デバイスの上面図を示す。
【0019】
図5】別の例示的な入力デバイスの上面図を示す。
【0020】
図6】例示的なコンピューティングデバイスの正面図を示す。
【0021】
図7】例示的なコンピューティングデバイスの側面図を示す。
【0022】
図8】例示的なキーボードの上面図を示す。
【0023】
図9】例示的なキーボードにおける電気接続の上面図を示す。
【0024】
図10】柔軟なフラップおよび入力デバイスの取付け部分の拡大図を示す。
【0025】
図11】複数の構成における例示的なモジュール式電子デバイスシステムを示す。
【0026】
図12】フレキシブルプリント回路を含む柔軟なフラップの断面図を示す。
【0027】
図13】フレキシブルプリント回路を含む柔軟なフラップを製造するための製造プロセスを示す。
【0028】
図14】トラックパッドの断面図を示す。
【0029】
図15】本開示の1つ以上の態様を実装するように構成されたコンピュータシステムの概念的なブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここで、添付図面に図示される代表的な実施形態が詳細に説明される。以下の説明は、これらの実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。反対に、以下の説明は、本明細書および添付の特許請求の範囲により定義される記載された実施形態の趣旨および範疇に含むことができるような、代替形態、修正形態および均等物を包含することを意図している。
【0031】
以下の開示は、様々な電気コネクタ、センサ、材料の構成、および機能構成要素(例えば、磁石)を実装することができるモジュール式電子デバイスシステムに関する。そのような要素は、無数の異なるデバイス対話およびユーザエクスペリエンスを提供するために使用され得る。
【0032】
本開示の態様は、コンピューティングデバイスおよび入力デバイスを含み、それらの各々は、様々なタイプのセンサ(例えば、ホール効果センサ、磁力計、加速度計、指紋スキャナなど)を含むことができる。これらのセンサは、コンピューティングデバイスに対する入力デバイスの向きを識別するためにコンピューティングデバイスによって解釈される信号を生成することができる。コンピューティングデバイスおよび入力デバイスに含まれるセンサによって生成された信号の解釈に基づいて、コンピューティングデバイスは、入力デバイスの1つ以上の入力設定を変更することができる。例えば、入力設定は、入力デバイスを有効にすることまたは入力デバイスを無効にすること、入力デバイスの機能を変更すること、入力デバイスの照明部分を変更すること、同様の機能、およびこれらの組み合わせを含むことができる。例示すると、タッチスクリーンタブレットコンピューティングデバイスなどの多くのコンピューティングデバイスは、他の位置構成に加えて、コンピューティングデバイスが直立し、入力デバイスがコンピューティングデバイスの前に実質的に水平に配置される「タイピング」モード、コンピューティングデバイスのディスプレイ部分が入力デバイスの反対側を向く(例えば、入力デバイスがディスプレイ部分の後ろに配置される)「反転」モード、およびコンピューティングデバイスが使用されず、入力デバイスがコンピューティングデバイスのディスプレイを覆う「閉」モードなどのいくつかの位置構成で使用することができる。ユーザは、コンピューティングデバイスの機能を支援するためにキーボードなどの入力デバイスを使用することができる。コンピューティングデバイスに対する入力デバイスの向きを検出するための構成要素がない場合、コンピューティングデバイスは、入力デバイスがタブレットコンピュータの後ろまたは下に収納されているときなど、特定のポジションにあるときに(意図されていないまたは望まれていないときであっても)アクティブなままであり得るため、特定の機能に関して制限されることが多く、それによってバッテリの消耗、意図されていない入力、および他の望ましくない効果につながる。
【0033】
本開示はまた、コンピューティングデバイスに取り付け可能であり、ユーザによって所望され得るような様々な入力構成が可能である細長いテール部を含む入力デバイスに関する。細長いテール部は、入力デバイスの機能性、可撓性、および運動に影響を及ぼす様々な物理的特性の材料を含む可撓性部分を含むことができる。入力デバイスの細長いテール部は、入力デバイスが様々な位置構成でコンピューティングデバイスに接続されたままであることを可能にすることができる。他のシステムは、1つの位置構成から別の位置構成に移行するときに取り付けられなくなる場合があり、入力デバイスの機能を低下させる。細長いテール部はまた、コンピューティングデバイスと入力デバイスとの間の電気接続を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、電気接続はまた、細長いテール部の可撓性部分内にフレックス回路を含むことができる。細長いテール部の可撓性部分内のフレックス回路は、人間の裸眼では知覚できない可能性がある。場合によっては、テール部の構造は、テール部内のフレックス回路または他の内部構成要素の存在および外観を隠す一方で、入力デバイスの入力領域および接続されたコンピューティングデバイスの本体に対する複数の異なる向きへのテール部の撓みを依然として可能にするように構成されてもよい。本明細書で説明される製造プロセスはまた、モジュール式電子デバイスシステムの機能性および寿命の増加を可能にすることができる。
【0034】
これらの実施形態および他の実施形態について、図1図15を参照して以下に説明する。しかしながら、当業者であれば、これらの図を参照して本明細書により与えられている詳細な説明は、例示目的のみであり、限定するものとして解釈されるべきではないことが容易に理解されよう。更に、本明細書で使用される場合、第1の選択範囲、第2の選択範囲、または第3の選択範囲のうちの少なくとも1つを含むシステム、方法、物品、構成要素、特徴、またはサブ特徴は、各列挙された選択範囲のうちの1つ(例えば、第1の選択範囲のうちの1つのみ、第2の選択範囲のうちの1つのみ、または第3の選択範囲のうちの1つのみ)、単一の列挙された選択範囲のうちの複数(例えば、第1の選択範囲のうちの2つ以上)、同時に2つの選択範囲(例えば、第1の選択範囲のうちの1つおよび第2の選択範囲のうちの1つ)、またはそれらの組み合わせ(例えば、第1の選択範囲のうちの2つおよび第2の選択範囲のうちの1つ)を含むことができるシステム、方法、物品、構成要素、特徴、またはサブ特徴を指すものとして理解されるべきである。
【0035】
図1は、本開示の1つ以上の例によるモジュール式電子デバイスシステム100を示す。示されるように、モジュール式電子デバイスシステム100は、コンピューティングデバイス102を含む。特定の実装形態では、コンピューティングデバイス102はタブレットコンピューティングデバイスを含む。コンピューティングデバイス102は、少なくとも1つのセンサ、プロセッサ、およびメモリデバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、モジュール式電子デバイスシステム100は、入力デバイス104も含む。入力デバイス104は、接続106を介してコンピューティングデバイス102に取り外し可能に接続することができ、少なくとも1つのセンサを含むことができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス102および入力デバイス104に含まれるセンサは、ホール効果センサ、慣性測定ユニット、加速度計、または基準方向に対する(例えば、重力方向に対する)コンピューティングデバイスの向きを検出するために使用可能な他のデバイスであり得る。本明細書で使用される場合、「重力方向」という用語は、地球の表面に向かう重力引力の地球の方向を指す。更に、重力引力は一方向であるが、重力方向は、いずれかの方向(地球の表面に向かう方向であろうと、地球の表面から離れる方向であろうと)に延在する直線軸として解釈することもできる。関連して、「重力データ」という用語は、空間的な向きまたはポジションを表す情報を指す。重力データは、重力方向に対する相対的な向きを含むことができる。追加または代替として、重力データは、高度計、ジャイロスコープ、加速度計、慣性測定ユニット(IMU)、同様のデバイス、およびそれらの組み合わせからのデータなどの位置データを含むことができる。本明細書で使用される場合、慣性測定ユニット(IMU)は、3次元空間における物体の力、角速度、および/または向きを測定することが可能な電子デバイスを指す。IMUは、具体的には、3つの垂直な回転軸の周りのIMUの回転および/またはそれらの軸に沿ったIMUの変位を検出するために、加速度計、ジャイロスコープ、および場合によっては磁力計の組み合わせを含むことができる。特定の実装形態では、重力データは、基準面(例えば、重力方向に実質的に垂直な地面)に対するロール、ピッチ、およびヨーを含むことができる。モジュール式電子デバイスシステム100はまた、(双方向矢印108によって示されるように)コンピューティングデバイス102と入力デバイス104との間で信号を送信および/または受信するように構成された接続106を含むことができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス102に含まれるプロセッサは、コンピューティングデバイス102に含まれる(例えば、コンピューティングデバイス102の筐体または本体構造の中または上に配置された)センサから信号を取得することによって、重力方向に対するコンピューティングデバイス102の角度を決定することができる。コンピューティングデバイス102に含まれるプロセッサはまた、入力デバイス104に含まれるセンサから受信した信号を取得することによって、重力方向に対する入力デバイス104の角度を決定することができる。コンピューティングデバイス102および入力デバイス104に含まれるセンサを通して取得されたこれらの2つの計算された角度を使用して、プロセッサは、コンピューティングデバイス102と入力デバイス104との間のヒンジ角度を決定することができる。本明細書で使用される場合、「ヒンジ角度」という用語は、コンピューティングデバイスと入力デバイスとの間の1つ以上の角度を指す。例えば、ヒンジ角度は、コンピューティングデバイスの1つの軸(または平面)と入力デバイスの1つの軸(または平面)との間の物理的角度であり得る。接続106は、コンピューティングデバイス102を入力デバイス104に接続し、デバイス102、104をヒンジ角度で一緒に保持するヒンジ構造(例えば、弾性テール構造)を含むことができる。いくつかの例では、第1のヒンジ角度は、コンピューティングデバイスの1つの軸と入力デバイスの1つの軸との間に画定することができ、第2のヒンジ角度は、コンピューティングデバイスおよび入力デバイスの第1の軸とは異なるように配置されたコンピューティングデバイスの第2の軸と入力デバイスの第2の軸との間に画定することができる。計算されたヒンジ角度の検出または測定に応じて、コンピューティングデバイス102は、接続106を介して入力デバイス104に信号108を送信し、それによって入力デバイス104の入力設定を変更することができる。
【0037】
図1に示す特徴、構成要素、部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、他の図に示されるデバイス、特徴、構成要素、および部品の他の例のいずれにも含まれ得る。同様に、他の図を参照して示され、説明された特徴、構成要素、および/または部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、図1に示すデバイス、特徴、構成要素、および部品の例に含まれ得る。
【0038】
図2は、モジュール式電子デバイスシステム100の第1の入力状態202および第2の入力状態204を示す。本明細書で使用される場合、「入力状態」または「入力設定」という用語は、入力デバイス104へのユーザ入力の特徴付け、変更、または処理を指す。いくつかの実施形態では、入力状態(または入力設定)を変更することは、入力デバイス104を有効にすることまたは入力デバイス104を無効にすることを含む。入力デバイス104は、電源(例えば、コンピューティングデバイス102内)から入力デバイス104に電力を供給することによって有効にされてもよく、電源から入力デバイス104への電力を遮断することによって無効にされてもよい。
【0039】
更に示されるように、コンピューティングデバイス102は、少なくとも1つのセンサ206を含むことができる。本明細書で使用される場合、「センサ」という用語は、特定の特性(例えば、光若しくは他の電磁放射の色若しくは強度、磁場の大きさ若しくは方向、電圧、抵抗、運動、振動、同様の物理的特性、またはそれらの組み合わせなど)を感知、検出、捕捉、測定、または推定するように構成されたデバイスを指す。したがって、センサは、検出された特性に基づいて、センサデータまたはセンサ信号を生成することができる(例えば、センサは、電気信号を出力することができるか、またはその電気特性を変化させることによって物理的特性の変化に反応することができ、コントローラまたは他の電子デバイスは、出力信号または電気特性の変化を検出することができる)。センサの例は、カメラ、画像センサ、光検出器、光学トランスデューサ、光起電力センサ(例えば、太陽電池)、フォトレジスタ、フォトトランジスタ、フォトダイオード、光検出器、焦電検出器などを含むことができる。センサの更なる例は、周囲光センサ、光度計、光計、照度計、放射計、オプトメータ、データロガー、ルクス計、色度計、分光計、分光光度計、分光放射計、電荷結合デバイス、アクティブピクセルセンサなどを含む。センサの更なる他の例は、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、傾斜計、気圧計、赤外線センサ、全地球測位システムセンサ、ホール効果センサなどの異なる検知装置を含む。
【0040】
これらの例または他の例では、センサ206は、様々な方法でセンサ信号208を生成することができる。少なくとも1つの例では、センサ206は、重力方向に対するコンピューティングデバイス102の特定の位置構成を検出したことに応じて、センサ信号208を生成する。例えば、コンピューティングデバイス102内の加速度計、ジャイロスコープ、またはIMUなどのセンサは、地面に対するまたは重力方向に対するコンピューティングデバイス102のロールポジション、ヨーポジション、および/またはピッチポジションのうちの少なくとも1つを表すセンサ信号を生成することができる。
【0041】
同様に、入力デバイス104は、センサ信号212を生成することができるセンサ210を含むことができる。1つ以上の例では、センサ210は、重力方向に対する入力デバイス104の特定の位置構成を検出したことに応じて、センサ信号212を生成する。例えば、入力デバイス104内の加速度計、ジャイロスコープ、またはIMUなどのセンサは、地面に対するまたは重力方向に対する入力デバイス104のロールポジション、ヨーポジション、および/またはピッチポジションのうちの少なくとも1つを表すセンサ信号を生成することができる。
【0042】
センサ信号208、212の組み合わせに基づいて、コンピューティングデバイスは、第1の入力状態202から第2の入力状態204に切り替える(または現在の入力状態を維持する)ことによって応答することができる。例えば、センサ信号208、212に基づいて、コンピューティングデバイス102内のプロセッサは、入力デバイス104が、第1の入力状態202から第2の入力状態204に切り替える基準を満たす位置構成にあると決定することができる。ヒンジ角度などのそのような基準は、図3に関して以下で更に説明される。入力状態は、入力デバイスを入力に対して完全に有効にさせること、入力に対して部分的に有効かつ部分的に無効にさせること、または入力に対して完全に無効にさせることを含み得る。更に、入力設定は、例えば、決定されたヒンジ角度の値および重力方向に対するコンピューティングデバイス102の配置に応じて、バックライト出力設定(例えば、オンまたはオフ)または色/色相(例えば、赤色または白色)を変更することなど、入力デバイスの視覚的外観のための異なる設定を含むことができる。いくつかの実施形態では、入力状態は、入力デバイスのキーボード上のキーまたはボタンが第1の機能セットを実行する(例えば、文字および数字をタイプする)タイピングモード、同じキーまたはボタンが第2の機能セットを実行する(例えば、カーソル、コンピュータゲーム機能、またはGUIオブジェクトを制御する)アプリケーション固有入力モード、ブックライクモード(コンピューティングデバイスのディスプレイが縦向きであり、入力デバイスへの入力がユーザの90度回転したシステム100の視点に対応するように再構成される)、トラックパッド専用モード(例えば入力デバイスのトラックパッドまたはトラックパッド部分のみが有効にされ、キーまたはボタンは無効にされる)、キーボード専用モード(例えば入力デバイスのキーボードまたはキー部分のみが有効にされる)、または別のアプリケーション若しくは設定ベースの入力モードなどの異なる入力モードを含んでもよい。
【0043】
図2に示す特徴、構成要素、部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、他の図に示されるデバイス、特徴、構成要素、および部品の他の例のいずれにも含まれ得る。同様に、他の図を参照して示され、説明された特徴、構成要素、および/または部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、図2に示すデバイス、特徴、構成要素、および部品の例に含まれ得る。
【0044】
図3は、本開示の1つ以上の例による、入力設定320を更新するコンピューティングデバイス102を示す。具体的には、図3は、上述したように、1つ以上のセンサから取得された信号208および信号212に応じて入力設定320を更新するコンピューティングデバイス102を示す。
【0045】
以下は、1つの例示的な実装形態を提供する。具体的には、センサ206、210は、ホール効果センサ、慣性測定ユニット、および加速度計を含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス102は、コンピューティングデバイス重力データ302を含むセンサ信号208を生成する少なくとも1つの慣性測定ユニット(または他のセンサ206)を含むことができる。入力デバイス104は、入力デバイス重力データ310を含むセンサ信号212を生成する少なくとも別の慣性測定ユニット(または他のセンサ210)を含むことができる。コンピューティングデバイス重力データ302および入力デバイス重力データ310は、重力方向に対するコンピューティングデバイス102および入力デバイス104の相対的な向きを含むことができる。コンピューティングデバイス102と入力デバイス104との間のヒンジ角度318は、コンピューティングデバイス102および入力デバイス104内に含まれる慣性測定ユニットによって提供される重力データ302、310に基づいて決定され得る。ヒンジ角度が、ヒンジ角度318の範囲内に入るなど、所定の条件のセットを満たす場合、コンピューティングデバイスは、入力設定320を更新する(またはそうでなければ現在の入力設定を維持する)ことを決定することができる。他の実施形態では、コンピューティングデバイス102に含まれる少なくとも1つの加速度計および入力デバイス104に含まれる少なくとも1つの加速度計は、上述のように、ヒンジ角度318を決定し、入力設定320を変更する際に使用されるコンピューティングデバイス重力データ302および入力デバイス重力データ310を含むセンサ信号208、212を生成することができる。
【0046】
これらまたは他の例では、センサ206、210は、様々なサンプリングレートで重力データ(すなわち、重力データ302、310)を表すそれぞれのセンサ信号を生成することができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス102および入力デバイス104に含まれるセンサ206、210のサンプリングレートは、約10ヘルツ~約15ヘルツである。少なくともいくつかの例では、前述のサンプリングレートは、相対的デバイス運動の改善された精度を提供することができるが、より低いサンプリングレートは、場合によっては、入力状態の変更の遅延(または不正確な結果)につながる可能性がある。加えて、または代替として、前述のサンプリングレートは、最適化された電力ドローを提供することができるが、より高いレートでのサンプリングは、ある場合には、典型的なモバイルコンピューティングデバイスにとってあまりにも多くの電力を消費する可能性がある。もちろん、他のサンプリングレートを利用することもできる。例えば、他の例では、サンプルレートは、より低い(例えば、約5ヘルツ~約10ヘルツの間)またはより高い(例えば、約15ヘルツ~約80ヘルツの間)。「約」という用語は、所与の値の最大+/-10パーセント、または場合によっては、所与の値の最大+/-20パーセントを包含すると解釈することができる。
【0047】
図3に示すように、重力データ302は、コンピューティングデバイス102のロール角304、ピッチ角306、およびヨー角308を含むことができる。同様に、重力データ310は、入力デバイス104のロール角312、ピッチ角314、およびヨー角316を含むことができる。したがって、重力データは、直交座標系のX軸、Y軸、およびZ軸に対するなど、3つの垂直座標軸に対するコンピューティングデバイス102の角度を含むことができる。本明細書で使用される場合、ロール角は、(参考のために図7に示すように)モジュール式電子デバイスシステム100の前面から背面に延在する軸(例えば、X軸)の周りの回転変位の角度を指す、X軸の周りの回転変位の角度を指す。これに関連して、ピッチ角は、(参考のために図7に示すように)モジュール式電子デバイスシステム100の左端から右端まで延在し、ロール角が計算される軸(例えば、Y軸)に垂直な軸の周りの回転変位の角度を指す。更に、本明細書で使用される場合、ヨー角は、(参考のために図7に示すように)モジュール式電子デバイスシステム100を通って実質的に垂直に延在し、ロール角が計算される軸およびピッチ角が計算される軸の両方に対して垂直である軸(例えば、Z軸)の周りの回転変位の角度を指す。
【0048】
図3に破線で示すように、ヨー角308、316は任意であってもよい。いくつかの実施形態では、ヨー角308、316は、垂直軸を中心としたコンピューティングデバイスと入力デバイスとの間の回転変位を識別するのに役立ち得る。これは更に、入力設定320を変更するためにコンピューティングデバイス102によって使用され得る。更に、いくつかの実施形態では、ロール角304、312は任意であってもよい。
【0049】
例示のために、前述の角度は、コンピューティングデバイス102と入力デバイス104との間のヒンジ角度318を決定するために使用され得る。ヒンジ角度318は、コンピューティングデバイス102のロール角304、ピッチ角306、またはヨー角308と、入力デバイス104の対応するロール角312、ピッチ角314、またはヨー角316との間の差である。例えば、コンピューティングデバイス102が水平に対して115度のピッチ角306を有し、入力デバイスが水平に対して10度のピッチ角314を有する場合、ヒンジ角度318は105度であると決定される。次いで、コンピューティングデバイス102は、このヒンジ角度に基づいて入力設定320を変更することができる(またはそうでなければ現在の入力設定を維持する)。コンピューティングデバイス102のロール角304またはヨー角308および入力デバイス104のロール角3012またはヨー角316に基づいてヒンジ角度を決定するために、同様の減算プロセスを使用することができる。一部の実施形態では、ヒンジ角度は、コンピューティングデバイス102および入力デバイス104のロール角、ピッチ角、およびヨー角の差に基づく複数の角度を含むことができる。これらの実施形態では、ロール角、ピッチ角、およびヨー角の差のうちの1つ以上は、コンピューティングデバイスが入力設定を変更することを可能にするいくつかの基準を満たさなければならない。いくつかの実施形態では、この基準は、図3に関して以下で更に説明されるような角度のセットであり得る。
【0050】
例えば、コンピューティングデバイス102はタブレットコンピューティングデバイス102を含むことができ、入力デバイス104はキーボードを含むことができる。計算されたヒンジ角度318は、3つの方向におけるコンピューティングデバイス102に対する入力デバイスの向きに応じて変化し得る。タブレットコンピューティングデバイス102とキーボード104との間のヒンジ角度318を様々な方向で計算することは、少なくとも1つの入力設定320がこの向きに従って変更されることを可能にする。いくつかの実施形態では、入力設定を変更することは、入力デバイス104を有効にすること、または入力デバイス104を無効にすることを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、ヒンジ角度318が第1のセットのヒンジ角度または第2のセットのヒンジ角度のうちの1つの範囲内にあるとき、入力設定320を変更することができる。第1のセットのヒンジ角度は、30度~120度を含むことができる。第2のヒンジ角度範囲は、第1のヒンジ角度範囲の外側の角度を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のセットのヒンジ角度は、ユーザが入力デバイス104を使用することが予想または意図される角度の範囲を表すことができる。したがって、入力デバイス104は、ヒンジ角度318が第1のセットヒンジ角度の内にあるとき、入力設定320を介して有効にすることができる。入力デバイス104は、ヒンジ角度318が第2のヒンジ角度範囲内にあるときに無効にされ得る。これにより、ユーザは、メディアを見ているときなど、入力デバイス104からの偶発的な入力なしにコンピューティングデバイス102を使用することができる。
【0052】
入力設定320を変更するために、上述したものとは異なるヒンジ角度を含む、多種多様なヒンジ角度を実装することができることが理解されよう。いくつかの例では、入力設定320を変更するために使用されるヒンジ角度範囲は、コンピューティングデバイス102が垂直ポジションにある(例えば、地面に対して実質的に垂直である、またはそのポジションの角度の約20度の範囲内にある)ことに依存する。例えば、コンピューティングデバイス102が垂直に配置され、入力デバイス104がコンピューティングデバイス102に当接するときの0度のヒンジ角度において、入力デバイス104は無効にされ得る。しかしながら、入力デバイス104がコンピューティングデバイス102に対して垂直ポジションから引き離されると、入力デバイス104は、使用のために(例えば、入力デバイス104がコンピューティングデバイス102から90度に配置され得る場所をタイピングするために)起動またはアクティブ化され得る。コンピューティングデバイス102が依然として垂直ポジションにある間の特定の時点において、入力デバイス104は、入力デバイス104が0のヒンジ角度から更に遠くに(例えば入力デバイス104がコンピューティングデバイス102と垂直に位置合わせされる180度のヒンジ角度まで)引かれるときに非アクティブ化され得る。入力デバイス104は、入力デバイス104がコンピューティングデバイス102の背面に当接するように反転されるとき、更に大きいヒンジ角度で非アクティブ化されたままであり得る。
【0053】
別の例では、入力設定320を変更するために使用されるヒンジ角度範囲は、コンピューティングデバイス102が「スクリーンアップ」構成で配置されていることに依存する(例えば、ディスプレイ部分が上向きの状態で地面に対して実質的に水平若しくは平行であるか、またはそのポジションの約20度の角度範囲内である)。例えば、コンピューティングデバイス102がスクリーンアップで配置され、入力デバイス104がコンピューティングデバイス102に当接するときの0度のヒンジ角度において、入力デバイス104は無効にされ得る。しかしながら、入力デバイス104がコンピューティングデバイス102に対して水平ポジションから上向きに引き離されると、入力デバイス104は、使用のために起動またはアクティブ化され得る。コンピューティングデバイス102が依然としてスクリーンアップポジションにある間の特定の時点において、入力デバイス104は、入力デバイス104が0のヒンジ角度から更に遠くに(例えば入力デバイス104がコンピューティングデバイス102に対して垂直に配置される270度のヒンジ角度まで)引かれるときに非アクティブ化され得る。入力デバイス104は、入力デバイス104が向きを下にしてコンピューティングデバイス102の背面に当接するように反転されるとき更に大きいヒンジ角度で非アクティブ化されたままであり得る。
【0054】
更に別の例では、入力設定320を変更するために使用されるヒンジ角度範囲は、コンピューティングデバイス102が「スクリーンダウン」構成で配置されていることに依存する(例えば、ディスプレイ部分が下向きで地面に対して実質的に水平または平行であるか、またはそのポジションに対して約20度の角度範囲内である)。例えば、コンピューティングデバイス102がスクリーンダウンで配置され、入力デバイス104がコンピューティングデバイス102に当接するときの0度のヒンジ角度では、入力デバイス104は無効にされ得る。しかしながら、入力デバイス104がコンピューティングデバイス102に対して水平ポジションから下向きに引き離されると、入力デバイス104は、使用のために起動またはアクティブ化され得る。コンピューティングデバイス102が依然としてスクリーンダウンポジションにある間の特定の時点において、入力デバイス104は、入力デバイス104が0のヒンジ角度から更に遠くに(例えば入力デバイス104がコンピューティングデバイス102と水平に位置合わせされる180度のヒンジ角度まで)引かれるときに非アクティブ化され得る。入力デバイス104は、入力デバイス104が向きを上にしてコンピューティングデバイス102の背面に当接するように反転されるとき、更に大きいヒンジ角度で非アクティブ化されたままであり得る。
【0055】
1つ以上の例では、コンピューティングデバイス102は、精度を改善させるのに役立ち得る方法で入力設定320を変更することができる。例えば、コンピューティングデバイス102のプロセッサは、ヒンジ角度318が第1のヒンジ角度範囲または第2のヒンジ角度範囲内にあることを示す連続するセンサ読み取り値(例えば、少なくとも3つの連続センササンプル)の閾値数に基づいて、入力設定320を変更することができる。いくつかの例では、この方法は、コンピューティングデバイス102が、望ましくないときに入力デバイス104を有効にするまたは無効にすることによって入力設定320を変更しないように、センサ206、210からの誤った/雑音の多い読み取り値に対処するのに役立つ。
【0056】
図3に示す特徴、構成要素、部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、他の図に示されるデバイス、特徴、構成要素、および部品の他の例のいずれにも含まれ得る。同様に、他の図を参照して示され、説明された特徴、構成要素、および/または部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、図3に示すデバイス、特徴、構成要素、および部品の例に含まれ得る。
【0057】
図4は、本開示の1つ以上の例に係るキーボード400を示す。図示のように、キーボード400は、キーボードフレーム402、キー機構404、およびキー機構404に隣接するトラックパッド406を含むことができる。フレーム402は、場合によっては、キーボード400の他の構成要素のための筐体またはエンクロージャであってもよい。したがって、本明細書で使用する場合、「キーボードフレーム」および「筐体」という用語は、他の要素が配置され含まれるキーボードの部分を指す。例えば、キーボードフレームは、金属、プラスチック、または他の材料で作製することができ、キーボードに構造的完全性を提供するとともに、トラックパッド、キー機構、または他の要素を内部に配置するための空間を提供する。本明細書で使用される場合、「キー機構」という用語は、ユーザによって押されるように設計されたキーボード上に配置された任意の物理的機構を含むことができる。いくつかの例では、キー機構は、入力デバイスの文字、数字、記号、または機能の表現を作り出すように動作可能であり得る。
【0058】
キーボード400はまた、一対のホール効果センサ408と、プリント回路基板(PCB)410と、少なくとも1つの他のセンサ412と、を含むことができる。プリント回路基板410は、プリント回路基板410に結合されたプロセッサおよびメモリデバイスを含むことができる。メモリデバイスは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、第1のホール効果センサ408および第2のホール効果センサ408からの信号に基づいてキーボード400の入力設定を変更させる命令を記憶することができる。場合によっては、プロセッサは、識別されたヒンジ角度(上述)に加えて、第1のホール効果センサ408および第2のホール効果センサ408からの信号に基づいて、キーボード400の入力設定を変更することもできる。少なくとも1つの他のセンサ412は、加速度計または慣性測定ユニットを含むことができ、センサ210の一実施形態であってもよい。少なくとも1つの他のセンサ412は、重力データをプロセッサに提供することができ、プロセッサは、図2図3に示すように、重力データを使用してヒンジ角度を決定する。ここでは図4に示されていないが、コンピューティングデバイス102は、図6に関して以下で説明される対応する磁石対を備えることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、一対のホール効果センサ408は離間している。これは、様々な位置構成および間隔で達成することができる。いくつかの実施形態では、第1のホール効果センサ408は、少なくとも3インチの閾値間隔だけ第2のホール効果センサ408から離間される。ホール効果センサ408は、(例えば、磁石を有するヘッドフォンケースなどの外部デバイスに起因する)センサ408の偶発的なトリガに対する保護を助けるために、冗長的に離間されている。したがって、一対のホール効果センサを離間させることによって、偶発的なトリガ(および関連する入力状態の変化)を回避することができる。特定の実装形態では、両方のホール効果センサ408に影響を及ぼし、入力設定の望ましくない変化をもたらす偶発的なトリガイベントの可能性は、ホール効果センサ408を少なくとも3インチの閾値間隔だけ離間させることによって大幅に低減される。両方のホール効果センサ408が、一対のホール効果センサ408に隣接して対応して配置されたコンピューティングデバイス磁石に基づいて真のトリガイベントを経験するとき、入力設定は、メモリデバイス上に記憶された命令に従ってプロセッサによって変更され得る。
【0060】
図4に示されるその配置および構成を含む特徴、構成要素、部品のいずれも、単独で、または任意の組み合わせで、他の図に示されるデバイス、特徴、構成要素、および部品の他の例のいずれかに含まれ得る。同様に、他の図を参照して示され、説明された特徴、構成要素、および/または部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、図4に示すデバイス、特徴、構成要素、および部品の例に含まれ得る。
【0061】
図5は、本開示の1つ以上の例に係るキーボード500の別の実施形態を示す。図5に示すように、キーボード500は、図4のキーボード400に関して上述したものと同様の要素を含む。キーボード500は、キーボードフレーム502、キー機構504、およびキー機構504に隣接するトラックパッド506を含むことができる。キーボード500はまた、一対のホール効果センサ508、メモリデバイス、および1つ以上の他のセンサ512を含むことができる。図5に示される要素は、図4に関して上述されたものと同一または同様である。
【0062】
しかしながら、図5は、一対のホール効果センサ508の異なる位置構成を示す。図示のように、ホール効果センサ508は、トラックパッド506内に配置される。一対のホール効果センサ508は、トラックパッド506に対して異なるロケーションに配置することができる。特定の実施形態では、一対のホール効果センサ508は、上述した理由によりセンサ508間の距離を最大化するために、トラックパッド510の角部(例えば、対向する角部)に配置される。
【0063】
上述のように、離間したセンサは、冗長なトリガ保護を提供することができる。更に、図5の実装形態では、一対のホール効果センサ508は、プリント回路基板510に結合された電気配線を効率的に使用することができる。加えて、センサ408または508がそれぞれの支持構造(すなわち、402または510)の対向する角部に配置されることにより、センサ408、508の配置は、図6のデバイス600内の磁石608、610に関連して議論されるように、コンピューティングデバイスの磁気要素に対してより容易に決定され得る。
【0064】
図5に示す特徴、構成要素、部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、他の図に示されるデバイス、特徴、構成要素、および部品の他の例のいずれにも含まれ得る。同様に、他の図を参照して示され、説明された特徴、構成要素、および/または部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、図5に示すデバイス、特徴、構成要素、および部品の例に含まれ得る。
【0065】
図6は、筐体604と、筐体内に形成されたディスプレイ部分602と、を含むコンピューティングデバイス600を示す。本明細書で使用される場合、「ディスプレイ部分」は、スクリーンまたは他のユーザインタフェース部分を指す。ディスプレイの例示的なタイプは、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、量子LED(QLED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、デジタル光処理ディスプレイ、プラズマパネルディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、マイクロディスプレイなどを含む。ディスプレイ部分は、容量性タッチ機能を含むことができる。
【0066】
図6に見られるように、コンピューティングデバイス600は、コンピューティングデバイス600内に埋め込まれた磁石対608、610を含むことができる。これらの磁石は、異なる極性構成を含むことができる。例えば、図6に示される構成の対向する角部における磁石は、反対の極性を有することができる。
【0067】
磁石対608、610の固有の極性(または極性構成)に基づいて、キーボードセンサ(例えば、ホール効果センサ508)は、入力デバイス(例えば、500)に対するコンピューティングデバイス600の特定の位置関係を識別することができる。例えば、磁石608および/または610の第1の極性構成を検出するキーボードのホール効果センサに基づいて、(コンピューティングデバイスまたはキーボード内の)プロセッサは、図3に関連して説明した方法を補足するか、または代替的に入力設定を変更または維持することを決定することができる。同様に、ホール効果センサが第2の極性構成を検出することに基づいて、(コンピューティングデバイスまたはキーボード内の)プロセッサは、入力設定を変更または維持することを決定することができる。検出される極性構成は、どの磁石対(磁石対608または磁石対610のいずれか)がキーボードのホール効果センサに近接して配置されるかに依存することが理解されるであろう。したがって、一構成では、ホール効果センサは、(例えば、トラックパッド506が磁石608およびディスプレイ部分602の前方にあるとき)第1の磁石対608と近接してもよく、第2の構成では、ホール効果センサは、(例えば、トラックパッド506が磁石610およびディスプレイ部分602の後方にあるとき)第2の磁石対610と近接してもよい。各磁石対608、610は、異なる極性構成を有してもよく(例えば、一方の対608は、前方を向くN極を有し、他方の対610は、前方を向くS極を有する)、したがって、ホール効果センサ508によって感知される磁場の極性は、トラックパッド506がディスプレイ部分602の前方に配置されているか後方に配置されているかを決定するために使用されてもよい。更に、入力デバイス400がコンピューティングデバイスと共に使用されるときなどのいくつかの実施形態では、ホール効果センサ408は、トラックパッド406の外側に配置されてもよく、コンピューティングデバイスの磁石は、コンピューティングデバイスの筐体の対応する外側角部にあってもよい。
【0068】
センサ(例えば、408/508)および磁石(例えば、608)は、決定されたヒンジ角度318と共に使用されて、システム(例えば、100)の入力設定320を制御または変更することができる。例えば、いくつかの構成では、コンピューティングデバイス重力データ302は、ピッチ角306が垂直である(例えば、水平面に対して90度である、または重力方向に平行である)ことを示し得、入力デバイス重力データ310は、ピッチ角314も垂直であることを示し得る。その場合、コンピューティングデバイスのディスプレイの前面に対する入力デバイス104のポジションは、不定であり得る。例えば、入力デバイス104は、ディスプレイ部分の前面を覆うことができ、またはコンピューティングデバイス102の背後に配置され、ディスプレイ部分を覆わなくてもよい。したがって、システム100のセンサおよび磁石は、入力デバイス104が閉じられた/ディスプレイを覆うポジションにあるか、または反転された/ディスプレイの後ろのポジションにあるかを決定することを支援するために参照され得る。閉ポジションでは、コンピューティングデバイス102の入力設定は、第1の状態に設定されてもよく(例えば、ディスプレイが覆われてアクセス不可能であるため、ディスプレイが無効にされてもよい)、反転ポジションでは、コンピューティングデバイス102の入力設定は、第2の状態に設定されてもよい(例えば、ディスプレイが有効にされてもよい)。
【0069】
入力状態に基づいて、ディスプレイ部分は異なるグラフィック表現を提示することができる。例えば、コンピューティングデバイス600は、ディスプレイ部分602に、第1の入力状態のためのオンスクリーンキーボードを表示させることができる。別の例として、コンピューティングデバイス600は、ディスプレイ部分602に、第2の入力状態(例えば、キーボードがアクティブであるとき)のためのオンスクリーンキーボードを取り外させることができる。
【0070】
図6に更に示すように、コンピューティングデバイス600は、上述したのと同じまたは同様の方法でコンピューティングデバイス600の重力データを生成することができる少なくとも1つのセンサ606を含む。コンピューティングデバイス600はまた、プロセッサおよびメモリデバイスを含むことができる。メモリデバイスは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、重力データに基づいてディスプレイ部分またはキーボードのうちの少なくとも1つに信号を送信させる命令を記憶することができる。信号は、第1の入力状態と第2の入力状態との間で変化するコンピュータ実行可能命令を含むことができ、第2の入力状態は、キーボードにおけるユーザ入力のために構成される。いくつかの実施形態では、重力データ生成センサ606は慣性測定ユニットであり得る。プロセッサはまた、キーボードから、キーボードロール角、キーボードピッチ角、およびキーボードヨー角を含む追加の重力データを受信するように構成され得る。
【0071】
重力データを生成するためのセンサ606は、磁石対608、610を検出するように動作可能なキーボードのホール効果センサと連携して動作することができる。したがって、重力データとホール効果センサデータとの組み合わせに基づいて、(コンピューティングデバイスまたはキーボード内の)プロセッサは、入力設定を変更することを決定することができる。
【0072】
図6に示す特徴、構成要素、部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、他の図に示されるデバイス、特徴、構成要素、および部品の他の例のいずれにも含まれ得る。同様に、他の図を参照して示され、説明された特徴、構成要素、および/または部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、図6に示すデバイス、特徴、構成要素、および部品の例に含まれ得る。
【0073】
図7は、本開示の1つ以上の例に係るモジュール式電子デバイスシステム700を示す。システム700は、システム100の同等の特徴を含んでもよい。示されるように、モジュール式電子デバイスシステム700は、コンピューティングデバイス702と入力デバイス704との間にヒンジ角度706を含むことができる。先に説明したように、このヒンジ角度706は、入力設定を変更するために使用される。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス702は、ヒンジ角度706がヒンジ角度範囲内にあるときに入力設定を変更することができる。例えば、入力デバイス704は、ヒンジ角度706が40度と120度との間であるときに、第1の入力設定を有することができる(例えば、タイピング(または入力デバイス704への他の入力)を可能にすることができる)。ヒンジ角度範囲の他の例は、45度~135度、30度~150度、または50度~140度のヒンジ角度706を含むが、それらに限定されない。ヒンジ角度706がこのヒンジ角度範囲外であるとき、入力デバイス704は、第2の入力設定を有することができる(例えば、コンピューティングデバイス702によって無効にされる)。
【0074】
図7に示す特徴、構成要素、部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、他の図に示されるデバイス、特徴、構成要素、および部品の他の例のいずれにも含まれ得る。同様に、他の図を参照して示され、説明された特徴、構成要素、および/または部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、図7に示すデバイス、特徴、構成要素、および部品の例に含まれ得る。
【0075】
図8は、本開示の1つ以上の例に係るキーボード800を示す。キーボード800は、システム100または入力デバイス104、400、および500に関連して上述したものと同じまたは同様の要素を含むことができる。具体的には、キーボード800は、周縁部(例えば、図8に示す長方形の周縁部の1辺に沿って延在する縁部804)のセットを備える筐体802と、トラックパッド808と、筐体802内に配置されたキーアセンブリ806のセットと、を含むことができる。本明細書で使用される場合、「キーアセンブリ」という用語は、キーボード(機械式キーボード、タッチスクリーンキーボードなど)のキーにおけるユーザ入力を受け入れる任意の構成要素を指す。これは、キー機構、キーボードタッチスクリーンディスプレイキー、容量性タッチ要素などを含むことができるが、これらに限定されない。
【0076】
図示されるように、キーボード800は、細長いテール部810も含む。本明細書で使用されるとき、用語「細長いテール部」、「保持要素」、および「接続部材」は、キーボードフレームまたは筐体を越えて延在し、キーボード800のコンピューティングデバイスへの物理的および/または電気接続を提供する入力デバイスの一部分を指す。いくつかの実施形態では、細長いテール部810は、横方向に細長く、フレーム802とその取付け部分812の後端との間で測定されるその長さよりも大きい横方向の側部間幅を有する。
【0077】
細長いテール部810は、その後端に取付け部分812を含むことができる。本明細書で使用される場合、「取付け部分」、「嵌合部分」、および「剛性バー」という用語は、コンピューティングデバイスに取り外し可能に取り付けることができる細長いテール部810の部分を指す。この取付け部分812は、図1に示されるコンピューティングデバイス102などのコンピューティングデバイスに取り外し可能に結合され、電気コネクタ820を介して電気通信を提供するように構成される。本明細書で使用される場合、「電気コネクタ」という用語は、電気コネクタに接続された構成要素間でデータおよび/または電力を伝送するための1つ以上の要素を含むことができる。いくつかの例では、電気コネクタは、電気接点(例えば、電気接点パッドまたはピン)のセット、磁気接点、ピン、ポート、ソケット、カードリーダ、オス-メス接続部材、関連回路(例えば、コンバータまたは保護電子部品)、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。取付け部分812は、細長いテール部の可撓性部分814を介してキーボード筐体802の周縁部804に接続される。
【0078】
本明細書で使用するとき、用語「可撓性部分」、「調整可能部分」、および「柔軟なフラップ」は、可撓性特性を示す細長いテール部の部分を指す。可撓性部分は、剛性、色、耐久性、不透明度などの特定の特性を示す複数の層を含むことができる可撓性部分814は、キーボード筐体802の幅方向に沿って第1の端部916から第2の端部918まで延在することができる。可撓性部分814は、キーボード800とコンピューティングデバイス102との間の可撓性電気接続を提供する。例えば、可撓性部分814は、取付け部分812を介した電気接続を依然として維持しながら、キーボード800およびコンピューティングデバイス102が互いに対して回転することを可能にすることができる。可撓性部分814はまた、付加的または代替機能性を提供することができる。例えば、可撓性部分814は、細長いテール部810がコンピューティングデバイスに取り付けられている間、コンピューティングデバイス102を支える(例えば、支持面から離間したポジションで保持する)か、または特定の視野角を提供するのに十分な所望の剛性を有して構築され得る。別の例として、可撓性部分814は、ユーザがキーボード800を持ち上げ、同時に、キーボード800上のグリップを介して(例えば、ノートブックコンピュータを持ち上げるのと同様の方法で)コンピューティングデバイス102も持ち上げることを可能にする所望の剛性を含むことができる。
【0079】
これらの例または他の例では、細長いテール部810は、(以下で更に説明するように)審美的に心地よいものとすることができ、可撓性部分814は、不透明であり、均一な視覚的外観を有する。例えば、細長いテール部810は、様々な構成要素(例えば、フレックス回路)をその下に隠すことができる滑らかな表面を含むことができる。
【0080】
図8に示す特徴、構成要素、部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、他の図に示されるデバイス、特徴、構成要素、および部品の他の例のいずれにも含まれ得る。同様に、他の図を参照して示され、説明された特徴、構成要素、および/または部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、図8に示すデバイス、特徴、構成要素、および部品の例に含まれ得る。
【0081】
図9は、本開示の1つ以上の例に係るキーボード900を示す。キーボード900は、上述したものと同じまたは同様の要素を含むことができる。キーボード900はまた、キーボード筐体902内に配置されたプリント回路基板924を含むことができる。いくつかの実施形態では、プリント回路基板924は、トラックパッド908の下に配置され得るか、またはトラックパッド908に取り付けられ得る。図示のように、プリント回路基板924はフレックス回路922に接続されている。フレックス回路は、プリント回路基板924から、可撓性部分914を通って、取付け部分912内の電気コネクタ920まで延在することができる。
【0082】
可撓性部分914は、内層と、外層と、内層と外層との間に埋め込まれたフレックス回路と、を含むことができる。フレックス回路は細長いテール部910の可撓性部分914内に収容されるが、可撓性部分914は、第1の端部916と第2の端部918との間に表面不整(surface aberration)のない均一な平滑性を有することができる。不整は、可撓性部分914の外面に対して内側または外側に突出しているかどうかにかかわらず、しわまたは折り目を含むことができる。フレックス回路922は、プリント回路基板924からコンピューティングデバイス102への電気接続として機能する。いくつかの実施形態では、フレックス回路922の存在は、可撓性部分914を人間の裸眼で外部から見たときに知覚できない色および知覚できない形状を含む。これは、細長いテール部910の審美的特性を追加し、滑らかで流線形の外観を作り出す。本明細書で使用される場合、「人間の裸眼(unaided human eye)」は、通常の視覚を有し、レンズ、顕微鏡、カメラ、または自然な人間の目を超える波長を識別するために使用される他のスコープまたは機器によって増強または補完されない平均的な人間の観察者の裸眼である。
【0083】
図9に示す特徴、構成要素、部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、他の図に示されるデバイス、特徴、構成要素、および部品の他の例のいずれにも含まれ得る。同様に、他の図を参照して示され、説明された特徴、構成要素、および/または部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、図9に示すデバイス、特徴、構成要素、および部品の例に含まれ得る。
【0084】
図10は、本開示の1つ以上の例による細長いテール部1000の側面図を示す。細長いテール部1000は、細長いテール部810に関連して上述したものと同じまたは同様の要素を含むことができる。図10に示すように、可撓性部分1006は、第1の取付け点1008においてキーボード筐体1002に接続することができる。可撓性部分1006は、接着接続1012を介して(例えば、第2の取付け点1014において)、取付け部分1010の上側または後側に接続され得る。可撓性部分1006を取付け部分1010の後側に取り付けることによって、テール部1000およびコンピューティングデバイスを後ろから見たとき、またはキーボード筐体1002がコンピューティングデバイスの前面に対して閉ポジションにあるときなど、細長いテール部1000の後側から見たときに取付け部分1010を隠すことができる。このようにして、システムが閉じた構成にあるとき、または後ろから見たときに、テール部1000の滑らかで一貫した後側のみが見えるようにすることができる。これは、多くのユーザによって望まれる滑らかで均一な美観に寄与する。テール部1000の背面の滑らかな湾曲はまた、ハンドルと同様に、システムの持ち運び快適性を向上させ得る。
【0085】
細長いテール部1000は、剛性または可撓性などの異なる特性に寄与し得る、様々な異なる設計要因を備えることが理解されるであろう。設計要因の一例は、第1の取付け点1008と第2の取付け点1014との間の長さ1004を含む。例えば、より長い長さ1004は、可撓性部分1006をより柔軟にすることができる。この増加した可撓性は、可撓性部分1006の後側が、入力デバイスおよびコンピューティングデバイスを支持する表面上に(例えば、それらの下に)載ることを可能にすることができる。対照的に、長さ1004がより短い場合、可撓性部分1006は硬化され得る。その際、コンピューティングデバイス102は、下の面の上に吊り下げられてもよく、および/または特定の視野角を生成してもよい。場合によっては、可撓性部分1006が硬すぎる場合、このサスペンションは、入力デバイスへの入力が抑制されない限り、入力デバイスが使用されている間にコンピューティングデバイス102を跳ね返らせたり動かしたりする可能性がある。このようにして、可撓性部分1006の長さは、コンピューティングデバイス102の安定性が制御されることを可能にする。可撓性部分1006と取付け部分1010との間の接着接続1012も、長さが可変である。接着接続1012の長さはまた、コンピューティングデバイス102(図示せず)に対する取付け部分1010の物理的角度、剛性、および安定性を決定することができる。
【0086】
図10に示す特徴、構成要素、部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、他の図に示されるデバイス、特徴、構成要素、および部品の他の例のいずれにも含まれ得る。同様に、他の図を参照して示され、説明された特徴、構成要素、および/または部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、図10に示すデバイス、特徴、構成要素、および部品の例に含まれ得る。
【0087】
図11は、本開示の1つ以上の例によるモジュール式電子デバイスシステム100のいくつかの例示的な構成を示す。細長いテール部1110は、テール部1000など、上述したものと同じまたは同様の要素を含むことができる。第1の構成1101は、1つの使用可能モード(例えば、タイピングモード)にあるモジュール式電子デバイスシステム100を示す。この構成では、コンピューティングデバイス1106は、キーボード1108の細長いテール部1110の取付け部分1112に取り付けられる(例えば、コンピューティングデバイス1106のディスプレイ部分1116およびキーボード1108のキーアセンブリ1114(突出していてもいなくてもよい)が、開いたクラムシェル構成で配置されている状態である)。上述したように、細長いテール部1110の可撓性部分は、取付け部分1112の後側に取り付けることができ、この構成で後方から見たときに取付け部分1112を隠す。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス1106は、細長いテール部1110のみによって支持され得るが、他の実施形態では、コンピューティングデバイス1106および細長いテール部1110は、テーブルなどの下の表面上に載置され得る。いくつかの例では、コンピューティングデバイス1106を細長いテール部1110上に置くことの利点は、ひいては、下の表面上に置かれることであり、安定性の増加である。加えて、コンピューティングデバイス1106は、テール部1110に加えてコンピューティングデバイス1106を支持するスタンドまたは脚を含んでもよい。
【0088】
第2の構成1102は、閉状態にあるモジュール式電子デバイスシステム100を示す。この構成では、キーアセンブリ1114は、コンピューティングデバイス1106のディスプレイ部分1116の前面、入力面、または表示面に面し、接触し、または少なくとも部分的に当接する。細長いテール部1110の可撓性部分は、構成にかかわらず、キーボード1108とコンピューティングデバイス1106との間の電気接続を依然として維持しながら、多くのサイクル(例えば、数千サイクル)の開閉に耐えることができることが理解されよう。
【0089】
第3の構成1103は、収納、格納、または後部支持モードと呼ばれるものにおけるモジュール式電子デバイスシステム100を示す。収納モードは、ユーザが、ディスプレイ部分1116を上または外側に向けてコンピューティングデバイス1106を使用し続けることを可能にする。しかしながら、キーボード1108のキーボードアセンブリ1114は、コンピューティングデバイス1106の後側に当接しているか、接触しているか、または面している(例えば、その背面カバー1118に当接している)。この構成は、キーアセンブリ1114、トラックパッド、およびキーボード1108の他の可能な構成要素(例えば、ディスプレイ部分1116のみが利用されているとき)を遮蔽または保護し、それによって、損傷または意図されていない入力を潜在的に制限する。収納モードでは、細長いテール部1110の取付け部分1112は、第2の構成1102の反対方向でコンピューティングデバイス1106に取り付けられ、テール部1110の滑らかな後面は、(背面カバー1108が配置される)後面よりもディスプレイ部分1116の前面により近く(取付け部分1112において)終端する。
【0090】
第4の構成1104は、反転モードのモジュール式電子デバイスシステム100を示す。反転モードは、キーアセンブリ1114を含まないキーボード1108の後側がコンピューティングデバイス1106の後側に当接するかまたは面するように、キーボード1108をコンピューティングデバイス1106の後ろで回転させることを可能にする。構成1104において、キーアセンブリ1114は、外側に配置され、ディスプレイ部分1116と反対方向を向いている。示されるように、細長いテール部1110の可撓性部分は、コンピューティングデバイス1106から分離することなくこの構成を可能にするように曲がる。いくつかの実施形態では、可撓性部分の剛性または長さは、細長いテール部1110が、反転モードに回転されたときにコンピューティングデバイス1106から自動的に取り外すように変更され得る。この剛性は、可撓性部分がコンピューティングデバイス1106に取り付けられたままであることを可能にすることができ、0~180度の範囲内であり得る。少なくともこれらの構成において、細長いテール部1110は、キーボード1108とコンピューティングデバイス1106との間の電気接続および物理的接続の両方を提供することができる。
【0091】
図11に示す特徴、構成要素、部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、他の図に示されるデバイス、特徴、構成要素、および部品の他の例のいずれにも含まれ得る。同様に、他の図を参照して示され、説明された特徴、構成要素、および/または部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、図11に示すデバイス、特徴、構成要素、および部品の例に含まれ得る。
【0092】
図12は、本開示の1つ以上の例による細長いテール部1004の可撓性部分1200の端部に面する断面を示す。断面は、可撓性部分914内で図9のページを横切って延在する水平断面線に沿って、フレックス回路922におけるテール部910を通るものであってもよい。細長いテール部1004は、上述したものと同じまたは同様の要素を含むことができる。可撓性部分1200は、内層1202と、外層1210と、内層1202と外層1210との間に埋め込まれたフレックス回路1206と、を含むことができる。内層1202および外層1210は、特定の不透明度、色、および質感(所望に応じて)を有するファブリック地材料を含むことができる。ファブリック地材料は、可撓性であり、テール部と共に屈曲可能であってもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、フィラー層1208は、フレックス回路1206に隣接して配置することができ、内層1202と外層1210との間は、フレックス回路と同じ厚さの別の材料によって占有することができる。フレックス回路1206に隣接して配置されたフィラー層1208は、内層1202および外層1210が、フレックス回路1206に隣接する空隙を充填するために材料が潰れたときに形成され得るしわまたは折り目などの表面不整を形成することを防止するのに役立ち得る。加えて、フィラー層1208は、可撓性部分の機能に影響を及ぼす剛性および不透明度などの材料特性を示すことができる。フィラー層1208の材料特性は、他の層および/またはフレックス回路1206と異なることができる。例えば、剛性フィラー層1208は、反転モードに置かれたときにコンピューティングデバイスから取り外すように細長いテール部を構成することができる。いくつかの実施形態では、フィラー層1208は、厚さ、色、透明度/不透明度、および平滑性が、内層1202または外層1204を通して裸眼で区別できないように、フレックス回路の材料特性に適合することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、可撓性部分1200は、フレックス回路1206と外層1210との間にカバー層1204を含むことができる。カバー層1204は、フレックス回路1206が人間の裸眼で見えないようにする内層とすることができる。これらの実施形態では、カバー層1204は、審美的に心地よい設計を作り出すために、様々な色および仕上げとすることができる。
【0095】
可撓性部分がモジュール式電子デバイスシステム100の異なる構成を循環するとき、内側ファブリック層1202または外側ファブリック層1204が収縮することが可能である。これは、フィラー層1208を移動させ、フレックス回路と重複させ、可撓性部分の第1の端部から可撓性部分の第2の端部までの一定の厚さを破壊する可能性がある。収縮の影響を防止するのを助けるために、1つ以上の層は、互いに対して所定の間隙を含むことができる。例えば、フレックス回路1206とフィラー層1208との間に所定の間隙が存在する。いくつかの実施形態では、この間隙は、0.1mm~0.5mmであり得る。無数の異なる製造方法を使用して、この所定の間隙を得ることができる。少なくともいくつかの実装形態では、キスカットプロセスが使用され、これは図13に関して以下で説明される。
【0096】
図12に示す特徴、構成要素、部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、他の図に示されるデバイス、特徴、構成要素、および部品の他の例のいずれにも含まれ得る。同様に、他の図を参照して示され、説明された特徴、構成要素、および/または部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、図12に示すデバイス、特徴、構成要素、および部品の例に含まれ得る。
【0097】
図13は、本開示の1つ以上の例による可撓性部分を製造するプロセスを示す。ステップ1300Aにおいて、フレックス回路1302は、可撓性部分の内層1304とフィラー層1306との間に配置される。ステップ1300Bは、フィラー層1306およびフレックス回路1302を切断する準備をしている切断ツール1308を示す。ステップ1300Cに示すように、切断ツール1308は、フレックス回路1302の両側でフィラー層1306およびフレックス回路1302の両方を切断し、それによってフレックス回路1302の外縁の一部を除去する。この材料を切断することによって、切断ツール1308は、フレックス回路1302とフィラー層1306との間に所定の間隙1312を生成する。ステップ1300Dにおいて、フィラー層1306およびフレックス回路1302の余剰部分1310は、その後、切断ツール1308によって抽出されて排出される。
【0098】
ステップ1300Eにおいて、フィラー層1306は、所定の間隙1312を維持しながら、フレックス回路1302に隣接して配置されるように示されている。本明細書で使用される場合、「所定の間隙」という用語は、設計範囲内に収まる要素間の空間を指す。例えば、所定の間隙は、2つの要素間の1ミリメートル~5ミリメートルの空間とすることができる。他の例では、所定の間隙は、2ミリメートル~7ミリメートルの空間とすることができる。図13に示すプロセスは、様々な範囲の所定の間隙を有する構成要素を製造することができる。ステップ1300Fは、いくつかの実施形態において、カバー層1308がフィラー層1306の上部にどのように追加され得るかを示す。ステップ1300Gは、外層1314がカバー層1308の上部にどのように適用され得るかを示す。層は、各ステップにおいて接着剤で取り付けることができる。いくつかの実施形態では、接着剤は、可撓性部分の物理的特性および美観の両方に影響を及ぼし得る、剛性または不透明度などの物理的特性を有してもよい。
【0099】
図13に示す特徴、構成要素、部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、他の図に示されるデバイス、特徴、構成要素、および部品の他の例のいずれにも含まれ得る。同様に、他の図を参照して示され、説明された特徴、構成要素、および/または部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、図13に示すデバイス、特徴、構成要素、および部品の例に含まれ得る。
【0100】
図14は、本開示の1つ以上の例によるキーボードの例示的なトラックパッドアセンブリ1400の断面を示す。キーボードは、ガラス層1402およびプリント回路を含むトラックパッドアセンブリ1400を含むことができる。いくつかの実施形態において、プリント回路基板1404は、トラックパッドのガラス層1402の下に配置することができる。ユーザがキーボードのトラックパッド上に点荷重をかけると、プリント回路基板1404、特にプリント回路基板1404の下に取り付けられた電気部品1405は、歪みを受ける可能性がある。この歪みは、電気部品1405を直ちにまたは経時的に損傷させる可能性がある。電気部品1405が受ける応力/歪みの量を軽減するのを助けるために、いくつかの実施形態は、電気部品1405の底側に1つ以上の補強材1406を含むことができる。いくつかの実施形態では、補強材1406は剛性材料を含むことができる。例えば、補強材1406は、ステンレス鋼材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、補強材1406は、接着剤を介してプリント回路基板1404に取り付けることができる。接着剤はまた、電気部品1405が受ける応力/歪みの減少に寄与することができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、トラックパッドアセンブリ1400はまた、プリント回路基板1404の下に少なくとも1つのシム1408を含むことができる。いくつかの例では、シム1408は、トラックパッド、特にプリント回路基板1404に取り付けられた電気部品1405が受ける撓みまたは変位の量を制限することができる。例えば、プリント回路基板1404および関連する電気部品1405は、トラックパッド表面1402に加えられた荷重に応じて下向きに撓むことができる。プリント回路基板1404および関連する電気部品1405の撓みが増加すると、電気部品1405が受ける望ましくない応力/歪みの量も増加する。したがって、シム1408は、プリント回路基板1404および関連する電気部品1405に対する機械的止め具を有利に提供することができる。したがって、シム1408の高さは、電気部品1405が受ける応力/歪みを制御するためにトラックパッドのより大きいまたはより小さい撓みを可能にするように選択することができる。いくつかの実施形態では、シム1408はステンレス鋼であり得る。
【0102】
図14に示す特徴、構成要素、部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、他の図に示されるデバイス、特徴、構成要素、および部品の他の例のいずれにも含まれ得る。同様に、他の図を参照して示され、説明された特徴、構成要素、および/または部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、図14に示すデバイス、特徴、構成要素、および部品の例に含まれ得る。
【0103】
図15は、本開示の実施形態を実装するために使用することができるコンピュータシステム1500の概念的なブロック図を示す。様々な実施形態では、コンピュータシステム1500は、図15に示される構成要素の様々なセットおよびサブセットを含むことができる。したがって、図15は、異なる実施形態におけるシステム1500によって実行される動作および機能に基づいて様々な組み合わせおよびサブセットに含まれ得る様々な構成要素を示す。例えば、コンピュータシステム1500は、前述の図に関連して上述されたコンピューティングデバイス102(または入力デバイス若しくは電子ケース)の一部であり得る。本明細書に記載または引用される場合、「a」または「an」などの冠詞の使用は、1つのみに限定しようとするものとは見なされず、本明細書に特に明記しない限り、1つ以上を意味することが意図されることに留意されたい。
【0104】
コンピュータシステム1500は、メモリデバイス1506、電源1508、電子記憶デバイス1510、ネットワークインタフェース1512、入力デバイスアダプタ1516、および出力デバイスアダプタ1520に電気通信するためにバス1504を介して接続された中央処理装置(CPU)またはプロセッサ1502を備えることができる。例えば、これらの構成要素のうちの1つ以上は、バス1504および構成要素間の電気通信を提供する他の電気コネクタを支持する基板(例えば、プリント回路基板または他の基板)を介して互いに接続することができる。バス1504は、システム1500の部品間で情報を通信するための通信機構を含むことができる。
【0105】
プロセッサ1502は、メモリ1506によって記憶された命令1524のセットを受信および実行するように構成されたマイクロプロセッサまたは同様のデバイスであり得る。メモリ1506は、情報およびプロセッサ1502により実行される命令を記憶するための、ランダムアクセスメモリ(RAM)または別のダイナミック電子記憶デバイスなどのメインメモリと呼ぶことができる。メモリ1506はまた、プロセッサ1502により実行される命令の実行中に一時的変数または他の中間情報を記憶するために使用され得る。プロセッサ1502は、例えば、一般にコンピューティングデバイス102のためのCPUなどの1つ以上のプロセッサまたはコントローラと、ディスプレイおよび使用されている任意の他のセンサからの信号を制御および受信するために使用されるタッチコントローラ若しくは同様のセンサまたはI/Oインタフェースと、を含むことができる。電源1508は、電力網への接続またはバッテリシステムなど、プロセッサ1502およびバス1504に接続された他の構成要素に電力を提供することができる電源を含むことができる。
【0106】
記憶デバイス1510は、プロセッサ1502のための静的または長期(すなわち、動的でない)情報および命令を記憶するために、バス1504に結合された読み取り専用メモリ(ROM)または別のタイプのスタティック記憶デバイスを含むことができる。例えば、記憶デバイス1510は、磁気ディスクまたは光学ディスク(例えば、ハードディスクドライブ(HDD))、ソリッドステートメモリ(例えば、ソリッドステートディスク(SSD))、または同等のデバイスを含むことができる。
【0107】
メモリ1506または記憶デバイス1510によって記憶される命令1524は、システム1500の構成要素を使用してプロセスおよび方法を実行するための情報を備えることができる。そのようなプロセスおよび方法は、例えば、電子ケースをコンピューティングデバイスに接続すること、アクセサリデバイスを電子ケースに接続すること、入力設定を制御すること、ディスプレイ設定を制御すること、キーボード1514または他の入力デバイス1513の有効/無効状態を制御すること、ヒンジ角度を決定することなどのための、本明細書で説明される接続プロセスを含むことができる。
【0108】
ネットワークインタフェース1512は、有線接続または無線接続を介してシステム1500を外部デバイスに接続するためのアダプタを含むことができる。例えば、ネットワークインタフェース1512は、セルラーネットワーク、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ネットワークインタフェース1512と無線通信することができる別個のデバイス、他の外部デバイスまたはネットワークロケーション、およびそれらの組み合わせなどのコンピュータネットワーク1526への接続を提供することができる。例示的な一実施形態では、ネットワークインタフェース1512は、WI-FI(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)、BLE、Bluetoothメッシュ、または関連する無線通信プロトコルを介して、同じプロトコルを使用するインタフェース能力を有する別のデバイスに接続するように構成された無線ネットワーキングアダプタである。いくつかの実施形態では、ネットワークデバイスまたはネットワーク1526内のネットワークデバイスのセットは、システム1500の一部と見なすことができる。場合によっては、ネットワークデバイスは、システム1500に接続されているが、その部品ではないと考えることができる。
【0109】
入力デバイスアダプタ1516は、例えば、キーボード、アクセサリデバイス(例えば、アクセサリデバイス108)、関連デバイス、およびこれらの組み合わせなどの様々な入力デバイスへの接続性をシステム1500に提供するように構成することができる。
【0110】
出力デバイスアダプタ1520は、1つ以上のディスプレイ1532(例えば、本明細書に説明されるコンピューティングデバイスのディスプレイ部分)を使用して視覚出力を提供することによって、1つ以上のスピーカ1535を使用して可聴出力を提供することによって、または1つ以上の触覚フィードバックデバイス1537を介してタッチによって感知される触覚フィードバックを提供することによってなど、ユーザに情報を出力する能力をシステム1500に提供するように構成されることができる。また、他の出力デバイスを使用することもできる。プロセッサ1502は、出力デバイスアダプタ1520を制御して、アダプタ1520に接続された出力デバイスを介してユーザに情報を提供するように構成することができる。
【0111】
図15に示す特徴、構成要素、部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、他の図に示されるデバイス、特徴、構成要素、および部品の他の例のいずれにも含まれ得る。同様に、他の図を参照して示され、説明された特徴、構成要素、および/または部品は、それらの配置および構成を含め、いずれも単独で、またはどのような組み合わせでも、図15に示すデバイス、特徴、構成要素、および部品の例に含まれ得る。
【0112】
現在の技術に適用可能な範囲で、様々なソースから入手可能なデータを収集および使用することにより、招待コンテンツまたはユーザが関心を持ち得る任意の他のコンテンツのユーザへの配信を改善することができる。本開示は、いくつかの場合には、この収集されたデータが、特定の人を一意に識別する個人情報データ、または特定の人に連絡する若しくはその所在を突き止めるために使用できる個人情報データを含み得ることを考察する。そのような個人情報データには、人口統計データ、位置ベースのデータ、電話番号、電子メールアドレス、ツイッター(登録商標)ID、住所、ユーザの健康またはフィットネスレベル(例えば、バイタルサイン測定、服薬情報、運動情報)に関するデータ若しくは記録、誕生日、または任意の他の識別情報若しくは個人情報を含むことができる。
【0113】
本開示は、本技術におけるそのような個人情報データの使用がユーザの利益になる使用であり得る点を認識するものである。例えば、個人情報データは、ユーザにとってより興味深いターゲットコンテンツを配信するために使用されてもよい。したがって、このような個人情報データの使用は、配信されるコンテンツの演算コントロールをユーザに可能にする。更に、ユーザに利益をもたらす個人情報データに関する他の使用も本開示によって意図されている。例えば、健康データおよびフィットネスデータは、ユーザの全般的なウェルネスについての洞察を提供するために使用することができ、または、ウェルネスの目標を追求する技術を使用している個人への、積極的なフィードバックとして使用することもできる。
【0114】
本開示は、そのような個人情報データの収集、分析、開示、送信、記憶、または他の使用に関与するエンティティが、確固たるプライバシーポリシーおよび/またはプライバシー慣行を遵守するものとなることを想到する。具体的には、そのようなエンティティは、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界または政府の要件を満たしているかまたは上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシーおよび慣行を実施し、一貫して使用するべきである。そのようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能とするべきであり、データの収集および/または使用が変更されるにつれて更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的かつ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いては、共有または販売されるべきではない。更には、そのような収集/共有は、ユーザに告知して同意を得た後に実施されるべきである。その上、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護および安全化し、個人情報データへのアクセス権を有する他者が、それらのプライバシーポリシーおよび手順を忠実に守ることを保証するための、あらゆる必要な措置を講じることを考慮するべきである。更に、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーポリシーおよび慣行に対する自身の遵守を証明するために、サードパーティによる評価を自らが受けることができる。更には、ポリシーおよび慣行は、収集および/またはアクセスされる具体的な個人情報データのタイプに適合されるべきであり、また、管轄権固有の考慮事項を含めた、適用可能な法令および規格に適合されるべきである。例えば、アメリカ合衆国では、特定の健康データの収集またはそれへのアクセスは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)などの、連邦法および/または州法に準拠し得る。その一方で、他国における健康データは、他の規制およびポリシーの対象となり得るものであり、それに従って対処されるべきである。それゆえ、各国において、異なる個人データのタイプに関して異なるプライバシー慣行が保たれるべきである。
【0115】
前述のことがらにもかかわらず、本開示はまた、個人情報データの使用または個人情報データへのアクセスを、ユーザが選択的に阻止する実施形態も想到する。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止または阻止するために、ハードウェア要素および/またはソフトウェア要素が提供され得ることを意図している。例えば、広告配信サービスの場合では、本技術は、ユーザが、サービスの登録中またはその後のいつでも、個人情報データの収集への参加の「オプトイン」または「オプトアウト」を選択できるように構成することができる。別の例では、ユーザは、ターゲットコンテンツ配信サービスのためにムード関連データを提供しないことを選択することができる。更に別の例では、ユーザは、ムード関連データが維持される期間を制限すること、または基準ムードプロファイルの展開全体を禁止することを選択することができる。「オプトイン」および「オプトアウト」のオプションを提供することに加えて、本開示は、個人情報のアクセスまたは使用に関する通知を提供することを意図している。例えば、ユーザの個人情報データにアクセスすることとなるアプリのダウンロード時にユーザに通知され、その後、個人情報データがアプリによってアクセスされる直前に再びユーザに注意してもよい。
【0116】
更には、本開示の意図は、個人情報データを、非意図的若しくは許可のないアクセスまたは使用の危険性を最小限に抑える方法で、管理および処理するべきであるという点である。データの収集を制限し、データがもはや必要とされなくなると削除することにより、リスクを最小化することができる。加えて、特定の健康関連アプリケーションにおいて適用可能な場合、ユーザのプライバシーを保護するために、データの匿名化を使用することができる。匿名化は、適切な場合には、特定の識別子(例えば、生年月日など)を除去すること、記憶されたデータの量または特異性を制御すること(例えば、位置データを住所レベルよりも都市レベルで収集すること)、データがどのように記憶されるかを制御すること(例えば、データをユーザ全体にわたって集約すること)、および/または他の方法によって、容易にしてもよい。
【0117】
それゆえ、本開示は、1つ以上の様々な開示された実施形態を実施するための、個人情報データの使用を広範に網羅するものであるが、本開示はまた、そのような個人情報データにアクセスすることを必要とせずに、それらの様々な実施形態を実施することも可能であることを想到する。すなわち、本技術の様々な実施形態は、そのような個人情報データの全てまたは一部が欠如することにより、動作不可能にされるものではない。例えば、コンテンツは、ユーザに関連付けられたデバイスにより要求されたコンテンツ、コンテンツ配信サービスで使用可能な他の非個人情報、若しくは公的に使用可能な情報などの、非個人情報データまたは個人情報の最小限の量のみに基づいて選好を推測することにより、選択してユーザに配信することができる。
【0118】
前述の記載では、説明のために、記載された実施形態の完全な理解をもたらすために特定の専門用語を用いた。しかしながら、記載された実施形態を実践するために具体的な詳細が必要とされないことは、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に記載された具体的な実施形態の前述の説明は、図示および説明の目的で提示されている。これらの記載は、実施形態全てを網羅すること、または実施形態を開示された正確な形態に限定することを、意図するものではない。上記の教示を考慮して多くの修正および変形が可能であることが、当業者には明らかであろう。
図1
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【外国語明細書】