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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016712
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】防火戸
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/16 20060101AFI20240131BHJP
   E06B 7/232 20060101ALI20240131BHJP
   E06B 7/22 20060101ALI20240131BHJP
   E05F 15/643 20150101ALI20240131BHJP
【FI】
E06B5/16
E06B7/232
E06B7/22 B
E05F15/643
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119024
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】四國 康則
(72)【発明者】
【氏名】長津 伸二
(72)【発明者】
【氏名】井田 康
【テーマコード(参考)】
2E036
2E052
2E239
【Fターム(参考)】
2E036AA02
2E036AA04
2E036BA01
2E036CA05
2E036DA02
2E036EB02
2E036EB07
2E036FB01
2E036GA02
2E036HA01
2E036HB05
2E052AA02
2E052CA06
2E052EA11
2E052EB01
2E239CA02
2E239CA12
2E239CA29
2E239CA47
2E239CA54
2E239CA66
(57)【要約】
【課題】火災時に、火炎を遮ることに加えて、煙を遮る防火戸を提供する。
【解決手段】防火戸1は、開口に取り付けられる引戸20と、開口と引戸20との間を塞ぐ金属製の板ばね73,81と、を備える。板ばね73は、ケース40の下部の幅方向の全面に設けられ、引戸20の上框27とケース40の下部40Aとの間を塞ぐ。板ばね81は、引戸20の下框28の幅方向の全面に設けられ、引戸20の下框28とガイドレール11との間を塞ぐ。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口に取り付けられる戸と、
前記開口と前記戸との間を塞ぐ金属製の板ばねと、を備える
防火戸。
【請求項2】
前記戸を駆動する駆動機構が収納されて、前記戸の上端が下部の開口から内部に入り込むケースを備え、
前記板ばねは、前記ケースの下部の幅方向の全面に設けられ、前記戸の上端と前記ケースの下部との間を塞ぐ
請求項1に記載の防火戸。
【請求項3】
前記戸の移動方向に延びて前記戸を誘導するガイドレールを備え、
前記板ばねは、前記戸の下端の幅方向の全面に設けられ、前記戸の下端と前記ガイドレールとの間を塞ぐ
請求項1に記載の防火戸。
【請求項4】
前記板ばねは、前記戸の戸先の戸の高さ方向の全面に設けられ、前記戸先と接触する接触部材と前記戸先との間を塞ぐ
請求項1に記載の防火戸。
【請求項5】
開口に備えられる固定壁であって、全閉時に前記固定壁の戸先の縦框と前記戸の戸尻の縦框とが対向する前記固定壁と、
前記戸の戸尻の縦框の高さ方向の全面に設けられる第1煙止め部材と、
前記固定壁の戸先の縦框の高さ方向の全面に設けられる第2煙止め部材と、
前記板ばねは、前記第1煙止め部材と前記第2煙止め部材との一方の先端が前記第1煙止め部材と前記第2煙止め部材との他方に対向する面の前記縦框の高さ方向の全面に取り付けられ、前記第1煙止め部材と前記第2煙止め部材との間を塞ぐ
請求項1に記載の防火戸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防火戸に関する。
【背景技術】
【0002】
建物に設置される防火戸が知られている。例えば、特許文献1に記載の防火戸は、開口を移動する扉、扉を駆動する駆動部、駆動部を制御する制御部、駆動部及び制御部を収容している横枠を備える。開口は、扉と横枠とにより常時閉鎖されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-26265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の防火戸では、火災時に、火炎を遮ることに加えて、煙を遮ることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する防火戸は、開口に取り付けられる戸と、前記開口と前記戸との間を塞ぐ金属製の板ばねと、を備える。
上記構成によれば、防火戸が開口と戸との間を塞ぐ金属製の板ばねを備える。このため、火災が発生したときに、板ばねによって火災が起きている側から反対側に煙が流れることを抑制することができる。また、火災の熱により板ばねが変形することが抑制され、煙止めが機能しなくなることを防ぐことができる。
【0006】
上記防火戸について、前記戸を駆動する駆動機構が収納されて、前記戸の上端が下部の開口から内部に入り込むケースを備え、前記板ばねは、前記ケースの下部の幅方向の全面に設けられ、前記戸の上端と前記ケースの下部との間を塞ぐことが好ましい。
【0007】
上記防火戸について、前記戸の移動方向に延びて前記戸を誘導するガイドレールを備え、前記板ばねは、前記戸の下端の幅方向の全面に設けられ、前記戸の下端と前記ガイドレールとの間を塞ぐことが好ましい。
【0008】
上記防火戸について、前記板ばねは、前記戸の戸先の戸の高さ方向の全面に設けられ、前記戸先と接触する接触部材と前記戸先との間を塞ぐことが好ましい。
上記防火戸について、開口に備えられる固定壁であって、全閉時に前記固定壁の戸先の縦框と前記戸の戸尻の縦框とが対向する前記固定壁と、前記戸の戸尻の縦框の高さ方向の全面に設けられる第1煙止め部材と、前記固定壁の戸先の縦框の高さ方向の全面に設けられる第2煙止め部材と、前記板ばねは、前記第1煙止め部材と前記第2煙止め部材との一方の先端が前記第1煙止め部材と前記第2煙止め部材との他方に対向する面の前記縦框の高さ方向の全面に取り付けられ、前記第1煙止め部材と前記第2煙止め部材との間を塞ぐことが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、火災時に、火炎を遮ることに加えて、煙を遮ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】防火戸の一実施形態の構成を示す正面図である。
図2】同実施形態の防火戸の構成を示す縦断面図である。
図3】同実施形態の防火戸の上部の拡大縦断面図である。
図4】同実施形態の防火戸の下部の拡大縦断面図である。
図5】同実施形態の防火戸の構成を示す横断面図である。
図6】同実施形態の防火戸の全閉状態の戸先を示す横断面図である。
図7】同実施形態の防火戸の全閉状態の戸尻を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図7を参照して、防火戸の一実施形態について説明する。防火戸は、引分け式の防火戸である。
(防火戸1)
【0012】
図1に示すように、防火戸1は、建物に形成された長方形状の開口5に設けられている。防火戸1は、開口5の長手方向において間隔を空けて配置された一対の縦枠10を備える。防火戸1は、一対の縦枠10の上方に配置され、一対の縦枠10に支持されているケース40を備える。ケース40は、無目に相当する。縦枠10は、中空形状であり、防火戸1の高さ方向に延びている。防火戸1は、ステンレスから形成されている。このため、防火戸1は、錆びにくい。
【0013】
防火戸1は、2つの固定壁30と、2つの引戸20と、を備える。2つの固定壁30は、第1固定壁31及び第2固定壁32を備える。第1固定壁31及び第2固定壁32は、一対の縦枠10の間に互いに離間して配置されて、それぞれの縦枠10に接続する。第1固定壁31及び第2固定壁32は、第1固定壁31及び第2固定壁32の間に出入口を形成している。ケース40には、引戸20を移動させる駆動部41と、駆動部41を制御する制御部42と、が収納されている。2つの引戸20は、第1引戸21及び第2引戸22を備える。駆動部41は、第1引戸21及び第2引戸22を2つの固定壁30が並べられている方向に沿って移動させる。駆動部41は駆動機構に相当する。
【0014】
図5に示すように、第1引戸21及び第2引戸22は、防火戸1の前後方向において、固定壁30よりも正面側に配置されている。第1引戸21及び第2引戸22が移動することにより第1固定壁31及び第2固定壁32の間の出入口を開閉する。
【0015】
図1に示すように、固定壁30は、高さ方向に延びる中空形状の中方立33と、巾木34と、ガラス板35とを備える。巾木34は、中方立33と縦枠10との間に配置され、第1引戸21及び第2引戸22の開閉方向に延びる。ガラス板35は、縦枠10、中方立33、及び巾木34に支持されている。ガラス板35は、耐熱ガラスからなる。
【0016】
第1引戸21は、ガラス板23と、第1戸先側縦框24と、戸尻側縦框26と、上框27と、下框28と、を備える。第1戸先側縦框24は、ガラス板23の一方の側部を支持する第1支持部材24Aを備える。第2引戸22は、ガラス板23と、第2戸先側縦框25と、戸尻側縦框26と、上框27と、下框28と、を備える。第2戸先側縦框25は、ガラス板23の一方の側部を支持する第2支持部材25Aを備える。戸尻側縦框26は、ガラス板23の他方の側部を支持している。上框27は、ガラス板23の上部を支持している。下框28は、ガラス板23の下部を支持している。ガラス板23は、耐熱ガラスからなる。
【0017】
第1引戸21は、戸車を有する第1ドアハンガ43を介してケース40の内部に配置された走行レール45(図2参照)に吊り下げられ、第1ドアハンガ43により駆動方向にスライド自在に支持されている。第2引戸22は、戸車を有する第2ドアハンガ44を介してケース40の内部に配置された走行レール45に吊り下げられ、第2ドアハンガ44により駆動方向にスライド自在に支持されている。
【0018】
(引戸20の上框27とケース40の下部40Aとの隙間構造)
次に、図3を参照して、引戸20の上框27とケース40の下部40Aとの隙間構造について説明する。
【0019】
図3に示すように、ケース40の下部40Aには、引戸20の上端が内部に入り込む開口40Bが設けられている。引戸20の上框27とケース40の開口40Bとの隙間には、煙止め構造70が設けられている。引戸20の上框27とケース40の開口40Bとは、常に対向する。引戸20の煙止め構造70は、ケース側煙止め部材71と、引戸側煙止め部材72と、板ばね73と、を備える。ケース側煙止め部材71は、ケース40の開口40Bの正面側と背面側とに設けられ、ケース40の長手方向の全面に設けられる。引戸側煙止め部材72は、上框27の上端から延出して正面側と背面側とに設けられ、上框27の長手方向の全面に設けられる。ケース側煙止め部材71と引戸側煙止め部材72とは、縦断面から見てL字状の部材であり、ケース40と一体に形成される。
【0020】
板ばね73は、ブラシ状の足部73Bを有する金属製の板である。板ばね73は、ケース40の長手方向の全面に設けられる。板ばね73の固定部73Aは、ケース40の内壁に固定されている。板ばね73の足部73Bは、引戸側煙止め部材72に接触してケース40の内壁と引戸側煙止め部材72との間を塞ぐ。板ばね73の足部73Bは、引戸側煙止め部材72に接触しているが、弾性を有しているため引戸20の動作を妨げることはない。
【0021】
(引戸20の下框28とガイドレール11との隙間構造)
次に、図4を参照して、引戸20の下框28とガイドレール11との隙間構造について説明する。
【0022】
図4に示すように、引戸20の下框28とガイドレール11との隙間には、実はぎ構造80が設けられている。具体的には、ガイドレール11に設けられた溝11Aに下框28に固定されたガイド部材29が嵌装される。ガイド部材29は、引戸20の移動方向に延びるガイドレール11の溝11Aに誘導される。下框28の下端には、板ばね81が設けられている。板ばね81は、ブラシ状の足部81Bを有する金属製の板である。板ばね81は、下框28の長手方向の全面に設けられる。板ばね81の固定部81Aは、下框28の下部に固定されている。板ばね81の足部81Bは、ガイドレール11の表面に接触することで隙間を塞いでいる。板ばね81の足部81Bは、弾性を有しているため引戸20の動作を妨げることはない。
【0023】
(引戸20の戸先20Aの隙間構造)
次に、図5及び図6を参照して、引戸20の戸先20Aの隙間構造について説明する。
図5に示すように、全閉時に、第1引戸21の第1戸先21Aと第2引戸22の第2戸先22Aとは接触する。
【0024】
図6に示すように、第1引戸21の第1戸先21Aと第2引戸22の第2戸先22Aとの接触部分には、実はぎ構造50が設けられている。具体的には、第1戸先側縦框24には、複数の障壁部材51が第1戸先側縦框24の高さ方向の全部に亘って設けられている。障壁部材51は、第1戸先21Aの厚さ方向に離れて両端に設けられている。第2戸先側縦框25には、凸部53が第2戸先側縦框25の高さ方向の全部に亘って設けられている。凸部53は、第2戸先22Aの厚さ方向の中央に設けられている。引戸20が全閉時に、第2戸先22Aの凸部53が第1戸先21Aの複数の障壁部材51の間に入り込む。なお、第2引戸22は接触部材に相当する。
【0025】
第1戸先側縦框24には、板ばね58が設けられている。板ばね58は、ブラシ状の足部58Bを有する金属製の板である。板ばね58は、第1支持部材24Aの第2引戸22に対向する面24Bと凸部53との間に、第1戸先側縦框24の高さ方向の全面に設けられる。板ばね58の固定部58Aは、面24Bに固定される。板ばね58の足部58Bは、引戸20の全閉時に凸部53と接触するため第1引戸21の第1戸先21Aと第2引戸22の第2戸先22Aの間を塞ぐ。
【0026】
(引戸20の戸尻側縦框26と固定壁30の中方立33との隙間構造)
次に、図5及び図7を参照して、引戸20の戸尻側縦框26と固定壁30の中方立33との隙間構造について説明する。
【0027】
図5及び図7に示すように、固定壁30の中方立33と引戸20の戸尻側縦框26との隙間には、煙止め構造60が設けられている。全閉時に固定壁30の中方立33と引戸20の戸尻側縦框26とは、対向する。引戸20の煙止め構造60は、第1煙止め部材61と、第2煙止め部材62と、板ばね65と、を備える。第1煙止め部材61は、引戸20の戸尻側縦框26の高さ方向の全面に設けられる。第2煙止め部材62は、固定壁30の中方立33の高さ方向の全面に設けられる。第1煙止め部材61と第2煙止め部材62とは、平面視においてL字状の部材である。第1煙止め部材61は、全閉時に中方立33と第2煙止め部材62との間に挿し込まれる。また、第2煙止め部材62は、全閉時に戸尻側縦框26と第1煙止め部材61との間に挿し込まれる。
【0028】
板ばね65は、第1煙止め部材61と第2煙止め部材62との間を塞ぐ。板ばね65は、ブラシ状の足部65Bを有する金属製の板である。板ばね65の固定部65Aは、第2煙止め部材62の面62Aに固定される。板ばね65の足部65Bは、第1煙止め部材61に接触することで隙間を塞いでいる。
【0029】
(作用)
次に図3図7を参照して、防火戸1の作用について説明する。
図5に示すように、防火戸1は、火災が発生すると、全閉状態を維持して、火炎及び煙が開口5を通過することを防ぐ。
【0030】
図3に示すように、引戸20の上框27に設けられた引戸側煙止め部材72は、ケース40の内壁とケース側煙止め部材71との間に挿し込まれる。第2引戸22の凸部53は、第1引戸21の複数の障壁部材51の間に挿し込まれる。つまり、上框27とケース40との隙間は、ケース側煙止め部材71と引戸側煙止め部材72とによって沿面距離が長くなっている。そして、引戸側煙止め部材72は、板ばね73に接触する。これにより、ケース40の内壁と引戸側煙止め部材72との隙間は、板ばね73によって塞がれる。煙は、板ばね73に到達するまでの時間が長くなり、板ばね73によってケース40内を通過して火災が発生している側から反対側へ流れることができない。
【0031】
図4に示すように、引戸20の下框28に設けられた板ばね81は、ガイドレール11の面に常に接触する。これにより、引戸20の下框28とガイドレール11との隙間は、板ばね81によって塞がれる。煙は、ガイドレール11とガイド部材29との隙間を通じて火災が発生している側から反対側へ流れることができない。
【0032】
図6に示すように、引戸20が全閉状態となると、第2引戸22の凸部53は、第1引戸21の複数の障壁部材51の間に挿し込まれる。つまり、第1戸先側縦框24と第2戸先側縦框25とは、実はぎ構造50によって沿面距離が長くなっている。また、第2引戸22の凸部53は、板ばね58に接触する。これにより、第1引戸21と第2引戸22との隙間は、板ばね58によって塞がれる。煙は、板ばね58に到達するまでの時間が長くなり、板ばね58によって火災が発生している側から反対側へ流れることができない。
【0033】
図7に示すように、引戸20が全閉状態となると、引戸20の戸尻側縦框26は、固定壁30の中方立33と対向する。第1煙止め部材61は、中方立33と第2煙止め部材62との間に挿し込まれる。第2煙止め部材62は、戸尻側縦框26と第1煙止め部材61との間に挿し込まれる。つまり、戸尻側縦框26と中方立33との隙間は、第1煙止め部材61と第2煙止め部材62とによって沿面距離が長くなっている。そして、第1煙止め部材61は、板ばね65に接触する。これにより、戸尻側縦框26と中方立33との隙間は、板ばね65によって塞がれる。煙は、板ばね65に到達するまでの時間が長くなり、板ばね65によって火災が発生している側から反対側へ流れることができない。
【0034】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)防火戸1が開口5と引戸20との間を塞ぐ金属製の板ばね58,65,73,81を備える。このため、火災が発生したときに、板ばね58,65,73,81によって火災が起きている側から反対側に煙が流れることを抑制することができる。また、難燃性の高い金属製の板ばね58,65,73,81を用いることで、火災の熱により板ばね58,65,73,81が変形することが抑制され、変形や変形による脱落等で煙止めが機能しなくなることを防ぐことができる。
【0035】
(2)板ばね73が引戸20の上框27とケース40との間を塞ぐので、引戸20の上框27とケース40との間を煙が流れることを抑制することができる。
(3)板ばね81が引戸20の下框28とガイドレール11との間を塞ぐので、引戸20の下端とガイドレール11との間を煙が流れることを抑制することができる。
【0036】
(4)板ばね58が第1引戸21と第2引戸22との間を塞ぐので、第1引戸21と第2引戸22との間を煙が流れることを抑制することができる。
(5)板ばね58が第1引戸21の戸尻側縦框26の第1煙止め部材61と固定壁30の中方立33の第2煙止め部材62との間を塞ぐので、引戸20の戸尻側縦框26と固定壁30との間を煙が流れることを抑制することができる。
【0037】
(他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0038】
・上記実施形態では、第1煙止め部材61と第2煙止め部材62との間に板ばね65を設けた。しかしながら、板ばね65を中方立33と第1煙止め部材61との間を塞ぐように設け、第1煙止め部材61と第2煙止め部材62との間に緩衝材としてゴム部材を設けてもよい。また、板ばね58は、戸尻側縦框26と第2煙止め部材62との間に設けてもよく、第1煙止め部材61と第2煙止め部材62との両方に固定して設けてもよい。
【0039】
・上記実施形態では、複数の障壁部材51の間の第1戸先側縦框24に板ばね58を設けた。しかしながら、板ばね58をいずれかの障壁部材51に設け、第1戸先側縦框24には緩衝材としてのゴム部材を設けてもよい。また、板ばね58は、正面側に設けてもよく、正面側と背面側との両方に設けてもよい。
【0040】
・上記実施形態では、引戸20の下框28とガイドレール11との間の板ばね81は背面側に設けた。しかしながら、板ばね81は、正面側に設けてもよく、正面側と背面側との両方に設けてもよい。
【0041】
・上記実施形態では、板ばね73は、ケース40の内壁に固定した。しかしながら、板ばね73は、引戸側煙止め部材72に固定してもよい。また、板ばね73は背面側に設けた。しかしながら、板ばね73は、正面側に設けてもよく、正面側と背面側との両方に設けてもよい。さらに、ケース側煙止め部材、引戸側煙止め部材を追加してもよく、板ばね73はこれら煙止め部材が形成する煙が流れる空間を塞ぐようになっていればよい。
【0042】
・上記実施形態において、板ばね58,65,73,81の全てを備える必要はなく、いずれかの板ばねを省略してもよい。
・上記実施形態において、板ばねは、ブラシ状の足部を有する金属製の板とした。しかしながら、引戸20の動作を妨げないことを条件に、その他の形状のものでもよい。
【0043】
・上記実施形態において、板ばね73の固定部73Aは、設置位置に合わせてそれぞれ異なる形状のものでもよい。
・上記実施形態において、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成することができるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0044】
1…防火戸
5…開口
10…縦枠
11…ガイドレール
20…引戸
20A…戸先
21…第1引戸
21A…第1戸先
22…第2引戸
22A…第2戸先
23…ガラス板
24…第1戸先側縦框
24A…第1支持部材
24B…面
25…第2戸先側縦框
25A…第2支持部材
26…戸尻側縦框
27…上框
28…下框
29…ガイド部材
30…固定壁
31…第1固定壁
32…第2固定壁
33…中方立
34…巾木
35…ガラス板
40…ケース
40A…下部
40B…開口
41…駆動部
42…制御部
43…第1ドアハンガ
44…第2ドアハンガ
45…走行レール
50…実はぎ構造
51…障壁部材
53…凸部
58…板ばね
58A…固定部
58B…足部
60…煙止め構造
61…第1煙止め部材
62…第2煙止め部材
62A…面
65…板ばね
65A…固定部
65B…足部
70…煙止め構造
71…ケース側煙止め部材
72…引戸側煙止め部材
73…板ばね
73A…固定部
73B…足部
80…実はぎ構造
81…板ばね
81A…固定部
81B…足部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7