(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016714
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】取り付け又は外し容易なマット用のシーツ、及びマットに対するシーツの取り付け又は取り外し方法
(51)【国際特許分類】
A47G 9/02 20060101AFI20240131BHJP
A47C 31/10 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
A47G9/02 Q
A47C31/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119026
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】393018358
【氏名又は名称】福井経編興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103805
【弁理士】
【氏名又は名称】白崎 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100126516
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 綽勝
(74)【代理人】
【識別番号】100132104
【弁理士】
【氏名又は名称】勝木 俊晴
(74)【代理人】
【識別番号】100211753
【弁理士】
【氏名又は名称】岡崎 紳吾
(72)【発明者】
【氏名】高木 義秀
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102BA01
3B102BA03
3B102BA04
3B102BA12
(57)【要約】
【課題】 本発明は、被介護人がマットBから離れなくても交換できるシーツAを提供すること、そして、シーツAのマットBに対する取り付け方法及びシーツAのマットBに対する取り外し方法を提供すること。
【解決手段】 直方体の床マットBに取り付けるシーツAであって、マットBの一方の長辺側にある縦端領域部B1を収納する袋部A1と、該袋部A1より延出した一枚のマット覆い部A2よりなるマット用シーツであり、また、シーツAは、矩形の表面部1と、該表面部1の長辺から延長される左方延長部2及び右方延長部3と、該表面部1の短辺から延長される頭方延長部4と足方延長部5とよりなり、左方延長部2と頭方延長部4の稜線とが縫合され、且つ左方延長部2と足方延長部5の稜線とが縫合されて袋部A1が形成されているマット用シーツ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体のマットに取り付けるシーツであって、マットの一方の長辺側にある縦端領域部を収納する袋部と、該袋部より延出した一枚のマット覆い部よりなることを特徴とするマット用シーツ。
【請求項2】
シーツは、矩形(長方形)の表面部1と、
該表面部の長辺から延長される左方延長部及び右方延長部と、
該表面部の短辺から延長される頭方延長部と足方延長部と、
よりなり、
左方延長部と頭方延長部の稜線とが縫合され、且つ左方延長部と足方延長部の稜線とが縫合されて袋部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のマット用シーツ。
【請求項3】
左方延長部は、矩形の側面当接部と2つの傾斜辺を有する台形の裏面当接部よりなり、
頭方延長部は、矩形の側面当接部と1つの傾斜辺を有する台形の裏面当接部よりなり、
足方延長部5は、矩形の側面当接部と1つの傾斜辺を有する台形の裏面当接部よりなることを特徴とする請求項2記載のマット用シーツ。
【請求項4】
左方延長部の裏面当接部の傾斜辺の角度θ1、θ3、頭方延長部の裏面当接部の傾斜辺の角度θ2、及び足方延長部の裏面当接部の傾斜辺の角度θ4は、各々45度であることを特徴とする請求項3記載のマット用シーツ。
【請求項5】
左方延長部2の裏面当接部の傾斜辺の角度θ1より頭方延長部の裏面当接部の傾斜辺の角度θ2が小さく、左方延長部2の裏面当接部の傾斜辺の角度θ3より足方延長部の裏面当接部の傾斜辺の角度θ4が小さいことを特徴とする請求項3記載のマット用シーツ。
【請求項6】
直方体のマットの一方の長辺側にある縦端領域部を収納する袋部と、該袋部より延出した一枚のマット覆い部よりなるシーツをマットに取り付ける方法であって、最初に、マットの一方の長辺側にある縦端領域部にシーツの袋部を被せて該縦端領域部を袋部に収納し、その後、マット覆い部をマットの縦端領域部以外のマットの部分に広げて包み込み取り付けることを特徴とするシーツのマットに対する取り付け方法。
【請求項7】
直方体のマットの一方の長辺側にある縦端領域部を収納する袋部と、該袋部より延出した一枚のマット覆い部よりなるシーツをマットから取り外す方法であって、最初に、シーツAのマット覆い部をマットの縦端領域部以外のマットの部分から取り外し、その後、袋部をマットの一方の長辺側にある縦端領域部から離脱させて取り外すことを特徴とするシーツのマットに対する取り外し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
取り付け又は取り外し容易なマット用シーツ、及びマットに対するシーツの取り付け又は取り外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(従来技術)
今日においては、介護施設が増えており、その施設で使われる介護用のベッドの数も多くなってきている。
このベッドにはマットが装備されており、被介護人(患者等を含む)が使用する場合、マット全体がシーツで覆われた状態で使用される。
このマット用シーツは、定期的に或いは汚れた場合に新しいものと交換される。
このシーツの交換においては、マットに対するシーツの取り付け又は取り外し操作(作業)が行われるが、被介護人の身体が不自由であるほどその作業が面倒である。
【0003】
従来のマット用のシーツは、一枚の布状のシーツであるがために、マットの表面部と4つの側面部とを覆う作業が必要である(特許文献1)。
この場合、シーツは側面を覆った後は、マットの裏側へ包み込む(すなわち巻き込む)操作を行う。
この作業においては、マットの一つの側面、例えば、頭の方をシーツで包み込んだ後、反対側の足の方を包み込む際に、皺が発生をしないように、引っ張りながら操作を行う。
すると、シーツがズレてしまい、頭の方のシーツで包み込んだマット部分からシーツが抜け出す傾向がある。
このようなことから、マットの頭の方を収納するような袋部を設けたシーツが提供されている。
【0004】
しかし、マットの上に被介護人が臥床した状態において、マットからシーツを交換する場合は、一旦、被介護人を起こし直してマットから持ち上げる作業が必要となる。
直方体のマットの頭側にすなわち短辺側に袋部を被せ、その後、マットの足側へシーツAを被せていく作業を行う必要があるからである。
【0005】
この場合、例えば、ベッドをフルフラットにしておき、被介護人をマットの上から一旦持ち上げる。
体重が重い被介護人の場合は、介護人(付添人)が二人がかりで被介護人を持ち上げた状態にし、別の人がシーツを交換する。
その交換操作においては、まず足元側からシーツを取り外していき、その後、シーツ の袋部をマット頭の部分から取り外す。
【0006】
逆に取り付ける場合は、被介護人を持ち上げた状態で、頭部側からシーツを取り付け、すなわちシーツの袋部をマット頭の部分に被せ、その後、足元へ向けてシーツを広げて行き側面を包み込むようにして覆うのである。
従って、被介護人を、必ず、一度は、マットから持ち上げて離脱させなければならないのは極めて面倒である。
【0007】
このようなことから、被介護人がマットを離れなくでも、シーツを交換できるとしたら極めて便利であることが理解される。
しかし、未だにそのようなシーツは、提供されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者は、このような介護用のベッドにおける技術的な背景から鋭意研究した結果、直方体のマットBからシーツAを取り外す際(すなわり取り除く際)の方向性に着目した。
そして、シーツAの取り外す方向を、頭側から足元側に向けて取り外すのではなく、横方向、すなわち左から右(或いは、右から左)とすることで、意外にも、被介護人を持ち上げる操作が不要になること、すなわち、被介護人がマットBから離れなくでも、シーツAを交換できることを発見した。
本発明は、この知見を基になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このように本発明の目的は、被介護人がマットBから離れなくても交換できるマット用シーツを提供すること、そして、シーツAのマットBに対する取り付け方法及びシーツAのマットBに対する取り外し方法を提供することである。
【0011】
すなわち、本発明は、(1)、直方体の床マットBに取り付けるシーツAであって、マットBの一方の長辺側にある縦端領域部B1を収納する袋部A1と、該袋部A1より延出した一枚のマット覆い部A2よりなるマット用シーツに存する。
【0012】
また、本発明は、(2)、シーツAは、矩形の表面部1と、該表面部1の長辺から延長される左方延長部2及び右方延長部3と、該表面部1の短辺から延長される頭方延長部4と足方延長部5とよりなり、左方延長部2と頭方延長部4の稜線とが縫合され、且つ左方延長部2と足方延長部5の稜線とが縫合されて袋部A1が形成されている上記(1)記載のマット用シーツに存する。
【0013】
また、本発明は、(3)、左方延長部2は、矩形の側面当接部と2つの傾斜辺を有する台形の裏面当接部よりなり、頭方延長部4は、矩形の側面当接部と1つの傾斜辺を有する台形の裏面当接部よりなり、足方延長部5は、矩形の側面当接部と1つの傾斜辺を有する台形の裏面当接部よりなる上記(2)記載のマット用シーツに存する。
【0014】
また、本発明は、(4)、左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ1、θ3、頭方延長部4の裏面当接部42の傾斜辺の角度θ2、及び足方延長部5の裏面当接部52の傾斜辺の角度θ4は、各々45度である上記(3)記載のマット用シーツに存する。
【0015】
また本発明は、(5)、左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ1より頭方延長部4の裏面当接部42の傾斜辺の角度θ2が小さく、左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ3より足方延長部5の裏面当接部52の傾斜辺の角度θ4が小さい上記(3)記載のマット用シーツに存する。
【0016】
また、本発明は、(6)、直方体のマットBの一方の長辺側にある縦端領域部B1を収納する袋部A1と、該袋部A1より延出した一枚のマット覆い部A2よりなるシーツAをマットBに取り付ける方法であって、最初に、マットBの一方の長辺側にある縦端領域部B1にシーツAの袋部A1を被せて該縦端領域部B1を袋部A1に収納し、その後、マット覆い部A2をマットBの縦端領域部B1以外のマットBの部分に広げて包み込み取り付けるシーツAのマットBに対する取り付け方法に存する。
【0017】
また、本発明は、(7)、直方体のマットBの一方の長辺側にある縦端領域部B1を収納する袋部A1と、該袋部A1より延出した一枚のマット覆い部A2よりなるシーツAをマットBから取り外す方法であって、最初に、シーツAのマット覆い部A2をマットBの縦端領域部B1以外のマットBの部分から取り外し、その後、袋部A1をマットBの一方の長辺側にある縦端領域部B1から離脱させて取り外すシーツAのマットBに対する取り外し方法に存する。
【発明の効果】
【0018】
1)本発明は、直方体のマットBに取り付けるシーツAであって、マットBの一方の長辺側にある縦端領域部B1を収納する袋部A1と、該袋部A1より延出した一枚のマット覆い部A2よりなるシーツAであるので、シーツAをマットBに横方から取り付けることができ、被介護人をわざわざマットBより持ち上げる必要がない。
また、被介護人は、横方向の回転だけを行えばよく身体への負担が少ない。
一人の介護者だけで、シーツAを交換することができる。
マットBの縦端領域部B1にシーツAの袋部A1を収納した後、マット覆い部A2を横方向に引っ張りながらマットBの残りの部分に被せることができる。
【0019】
2)また、本発明は、シーツAは、矩形(長方形)の表面部1と、該表面部1の長辺から延長される左方延長部2及び右方延長部3と、該表面部1の短辺から延長される頭方延長部4と足方延長部5とよりなり、左方延長部2と頭方延長部4の稜線とが縫合され、且つ左方延長部2と足方延長部5の稜線とが縫合されて袋部A1が形成されているので、左方延長部2と頭方延長部4と足方延長部5から区画形成される空間にマットBの一方の長辺側にある縦端領域部B1が収納されるため、表面部1を横方向に引っ張ってもシーツAが横ずれしない。
【0020】
3)また、本発明は、左方延長部2は、矩形の側面当接部21と2つの傾斜辺を有する台形の裏面当接部22よりなり、頭方延長部4は、矩形の側面当接部4と1つの傾斜辺を有する台形の裏面当接部42よりなり、足方延長部5は、矩形の側面当接部と1つの傾斜辺を有する台形の裏面当接部よりなるので、左方延長部2の側面当接部と頭方延長部4の側面当接部と足方延長部5の側面当接部でマットBの縦端領域部B1の側面を覆い、左方延長部2の裏面当接部と頭方延長部4の裏面当接部、足方延長部5の裏面当接部で縦端領域部B1の裏面を覆うことができる。
【0021】
4)また、本発明は、左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ1、θ3、頭方延長部4の裏面当接部42の傾斜辺の角度θ2、及び足方延長部5の裏面当接部52の傾斜辺の角度θ4は、各々45度であるので、直方体の収納部が形成され、直方体の縦端領域部B1を正確に袋部A1に収納することができる。
【0022】
5)また、本発明は、左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ1より頭方延長部4の裏面当接部42の傾斜辺の角度θ2が小さく、左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ3より足方延長部5の裏面当接部52の傾斜辺の角度θ4が小さいので、左方延長部2の裏面当接部22のマット裏面への包み込み量(長さ)が、頭方延長部4の裏面当接部42及び足方延長部5の裏面当接部52のマット裏面への包み込み量(長さ)より大きくなり、マット部を収納する袋部の空間が大きくなる。
尚、傾斜辺の角度θ1、θ3を大きくする程、左方延長部2の裏面当接部22のマット裏面への包み込み量を大きくできる。
【0023】
6)また、本発明は、直方体のマットBの一方の長辺側にある縦端領域部B1を収納する袋部A1と、該袋部A1より延出した一枚のマット覆い部A2よりなるシーツAをマットBに取り付ける方法であって、最初に、マットBの一方の長辺側にある縦端領域部B1にシーツAの袋部A1を被せて該縦端領域部B1を袋部A1に収納し、その後、マット覆い部A2をマットBの縦端領域部B1以外のマットBの部分に広げて包み込み取り付けるので、被介護人が臥床したままマットBに横方向からシーツAを取り付けることができ、被介護人をわざわざマットBより持ち上げる必要がない。
また、被介護人は、横方向の回転だけを行えばよく身体への負担が少ない。
一人の介護者だけで、シーツAを交換することができる。
【0024】
7)また、本発明は、直方体のマットBの一方の長辺側にある縦端領域部B1を収納する袋部A1と、該袋部A1より延出した一枚のマット覆い部A2よりなるシーツAをマットBから取り外す方法であって、最初に、シーツAのマット覆い部A2をマットBの縦端領域部B1以外のマットBの部分から取り外し、その後、袋部A1をマットBの一方の長辺側にある縦端領域部B1から離脱させて取り外すので、被介護人が臥床したままマットBに横方向からシーツAを取り外すことができ、被介護人をわざわざマットBより持ち上げる必要がない。
また、被介護人は、横方向の回転だけを行えばよく身体への負担が少ない。
一人の介護者だけで、シーツAを交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態のシーツにおける縫製前のブランクを示す図である。
【
図2】
図2は、シーツの取り付けの対象となる直方体のマットを示し、一方の長辺側にある縦端領域部の位置を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、シーツにおける裏側から見た縫製後の立体形状を示し
図3、(A)は、右方延長部3がまだ包み込まれていない状態の図であり、
図3(B)は、シーツAがマット全体を包み込んで取り付けられた状態を示す。
【
図4】
図4は、シーツがマット全体に取り付けられた状態を示す図であり、
図4(A)は、裏側から見た状態、
図4(B)は、表側から見た状態を示す。
【
図5】
図5は、ベッドの上に被介護人が臥床している場合におけるマットに対するシーツの取り付け方法を模式的に示す説明図である。
【
図6】
図6は、ベッドの上に被介護人が臥床している場合におけるマットに対するシーツの取り外し方法を模式的に示す説明図である。
【
図7】
図7は、第2の実施の形態のシーツを示す図であり、
図7(A)は、その縫製前のブランクを示し、
図7(B)は、裏側から見た縫製後の立体形状で右方延長部がまだ包み込まれていない状態を示す。
【
図8】
図8は、第3の実施の形態のシーツを示す図であり、
図8(A)は、その縫製前のブランクを示し、
図8(B)は、裏側から見た縫製後の立体形状で右方延長部がまだ包み込まれていない状態を示す。
【
図9】
図9は、第4の実施の形態のブランクの一部を示したものである。
【
図10】
図10は、第5の実施の形態のブランクの一部を示したものである。
【
図11】
図11は、第1の実施の形態、第4の実施の形態、及び第5の実施の形態におけるマットBの縦端領域部とシーツAの袋部との関係を説明した模式的断面図であり、
図11(A)は、第1の実施の形態における関係、
図11(B)は、第4の実施の形態における関係、
図11(C)は、第5の実施の形態における関係を各々示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1の実施の形態)
本発明のマット用のシーツAは、布体からなり、ベッドに使用されているマットBに対して極めて容易に取り付け或いは取り外すことができるものである。
ここで取り付けの対象となるマットBとしては、種々のものがあるが、主として介護用のベッドに使われるマットBに好適に適用される。
このベッド用のマットBは、一定の厚みを有し、上面視で長辺と短辺とよりなる矩形のもの、すなわち直方体が使われており、被介護人は、通常、縦に、すなわちマットBの長辺に沿って臥床するものである。
【0027】
図1は、第1の実施の形態のシーツAにおける縫製前のブランク、すなわち展開状態を示す図である。
尚、以下、図に示すシーツAは、便宜的に表面を平面状に描いているが、実際は屈曲性のある布体である。
また、
図2は、シーツAの取り付けの対象となる直方体のマットBを示し、一方の長辺側にある縦端領域部B1の位置を示す斜視図である。
ここでマットBにおける縦端領域部B1とは、シーツAの袋部A1に挿入される立体部分である。
また、
図3は、シーツAにおける裏側から見た縫製後の立体形状を示し、A)は、右方延長部3がまだ包み込まれていない状態の図であり、B)は、シーツAがマット全体を包み込んで取り付けられた状態を示す。
また、
図4は、シーツAがマット全体に取り付けられた状態を示す図であり、A)は、裏側から見た状態、B)は、表側から見た状態を示す。
【0028】
本発明のマット用のシーツAは、一定の厚みを有し上面視で長辺と短辺とよりなる矩形のマットB(すなわち直方体)のマットBに取り付けることができるように構成されており、袋部A1と該袋部A1より延出するマット覆い部A2よりなる。
詳しくは、マットBの一方の側(長辺側)に位置する縦端領域部B1を収納するための袋部A1と、該袋部A1より延出した一枚のマット覆い部A2よりなるものである。
【0029】
図1のブランクにおいて、各辺である、b1とb2、c1とc2、d1とd2、e1とe2、f1とf2、g1とg2、h1とh2とがそれぞれ同じ長さである。
この平面状のブランクの全周辺の一部(b1とe1、c1とd1、b2とe2、c2とd2)を縫合することにより袋部A1が形成される。
【0030】
以下、このブランクについて更に詳しく述べる。
シーツAは、このブランクにおいて、中央に位置する矩形(長方形)の表面部1と、該表面部1の左の長辺から延長される左方延長部2と、該表面部1の右の長辺から延長される右方延長部3とを備える。
更に表面部1の頭方の短辺から延長される頭方延長部4と表面部1の足方の短辺から延長される足方延長部5を備えている。
【0031】
そして、左方延長部2と頭方延長部4の稜線とが縫合され、且つ左方延長部2と足方延長部5の稜線とが縫合されることにより収納空間Sを有する袋部A1が形成される。
この袋部A1の収納空間SにマットBの縦端領域部B1が収納されることとなる(
図2、
図4参照)。
左方延長部2と頭方延長部4と足方延長部5により区画される収納空間SにマットBの長辺側にある縦端領域部B1が収納されるため、表面部1を右横方向に引っ張っても袋部A1で固定しているためシーツAが横ズレしない。そのため縦皺が生じにくい。
【0032】
また、左方延長部2は、矩形の側面当接部21と2つの傾斜辺を有する台形の裏面当接部22よりなり、また頭方延長部4は、矩形の側面当接部41と1つの傾斜辺を有する台形の裏面当接部42よりなり、また足方延長部5は、矩形の側面当接部51と1つの傾斜辺を有する台形の裏面当接部52よりなる。
【0033】
また、右方延長部3は、矩形の側面当接部31と矩形の裏面当接部32よりなる。
ここで、各々側面当接部は、マットBの側面(すなわち側壁面)に当接する部分であり、また、各々裏面当接部は、マットBの裏面に包み込まれて(すなわち巻き込まれて)当接する部分である。
左方延長部2の側面当接部21と頭方延長部4の側面当接部41と足方延長部5の側面当接部51とでマットBの縦端領域部B1の側面を覆い、左方延長部2の裏面当接部22と頭方延長部4の裏面当接部42と足方延長部5の裏面当接部52とでマットBの縦端領域部B1の裏面を覆うことができる。
【0034】
ところで左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ1と頭方延長部4の裏面当接部42の傾斜辺の角度θ2の合計は90度である(θ1+θ2=90度)。
また、左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ3と足方延長部5の裏面当接部52の傾斜辺の角度θ3の合計は90度である(θ3+θ4=90度)。
【0035】
図1においては、左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ1、θ3、頭方延長部4の裏面当接部42の傾斜辺の角度θ2、及び足方延長部5の裏面当接部52の傾斜辺の角度θ4は、各々45度であるものを示している(θ1=θ2=θ3=θ4=45度)。
この場合、形成される袋部A1の収納空間Sの形は、均等で正確な直方体となり、そのため、直方体のマットBの終端部を極力、隙間なく収納することができる。
すなわち袋部A1(
図3、
図4参照)の大きさは、丁度、そのマットBの縦端領域部B1を収納して覆うことができるような正確な大きさである。
【0036】
シーツ全体は立体状になった場合、マットBの全体(裏側の一部を除く)を覆うような大きさになっている。
厚みt、長辺l、短辺(幅)wの収納空間Sを有する袋部A1の中には、マットBの一部であるところの縦端領域部B1(厚みT1、長辺L1、短辺(すなわち幅)W1)がすっぽり収納される。
マットBの縦端領域部B1は、この袋部A1に覆われ、縦端領域部B1以外の残りのマットBの部分は、マット覆い部A2によりを覆われる。
【0037】
ここで、マットBがエアーマット等の場合は、通常、エアーの供給パイプがマットBに結合されているため、この供給パイプの通り道を確保することが必要である。
本発明のシーツAにおいては、右方延長部3と頭方延長部4との各々稜線h1とg1とは縫合されていないので、シーツAをマットBに取り付けた後も開口することができる。
同様に、右方延長部3と足方延長部との各々稜線h2とg2とも、縫合されていないので、シーツAを取り付けた後も開口することができる。
このように、供給パイプ等は、シーツAの右頭方、或いは右足方にある開口部から容易に逃がすことができる。
【0038】
本発明のシーツAは、上述したような構成となっているので、マットBに対する取り付け又は取り外しが、極めて便利である。
次に、この取り付け又は取り外しの操作(作業)について述べることとする。
(マットBに対するのシーツAの取り付け方)
ここでは、シーツAとして、左側に袋部A1を有するシーツA、すなわち、マットBの左側にある縦端領域部B1を収納する袋部A1を備えたシーツAを対象として説明する。
そして、裸のマットBに対して本発明のシーツAを取り付ける場合を想定する。
【0039】
1)最初に、マットBの一方の長辺側にある縦端領域部B1にシーツAの袋部A1を被せて該縦端領域部B1を袋部A1に収納する。
すると、マットBの縦端領域部B1がシーツAの袋部A1により区画された収納空間Sに収納された状態となる。
【0040】
2)その後、マット覆い部A2をマットBの縦端領域部B1以外のマットBの部分に広げて包み込み取り付ける。
この場合、シーツAの余った部分は、マットBの下面から下方に垂れ下がるので、その余った垂れ下がった部分をマットBの裏側に包み込む。
この操作の際、マット覆い部A2に皺が生じないように右横方向に引っ張っても、袋部A1により、シーツAはマットBに固定されているのでズレてしまうことはない。
ここで、シーツAの一部に粘着性部分を設けておくとマットBにシーツAが確実に留まることができ便利である。
【0041】
(被介護人を含めたシーツAの取り付け方法)
次にベッドの上に被介護人が臥床(がしょう)している場合において、裸のマットBに対してシーツAを取り付ける方法ついて述べる。
【0042】
図5は、ベッドの上に被介護人が臥床している場合におけるマットBに対するシーツAの取り付け方法を模式的に示す説明図である。
尚、被介護人は便宜的にピクトグラム化して示した。
この場合に使用するシーツAは、第1の実施の形態で説明したような左側に袋部A1が形成されているシーツAを想定する。
最初、フルフラットな裸のマットBの上には、被介護人(が中央位置に臥床しているいう状態にあるとする〔(A)参照〕。
【0043】
1)被介護人は、まず、マットBの中央部より右寄り(すなわち右半分側)に身体を移動する〔(B)参照〕。
この場合、被介護人は右に回転する(すなわち被介護人自身を基準とすると左回転)するだけで簡単に横移動ができ、身体を起こす必要は全くない。
もっとも、身体を右にスライドして移動することも当然可能である。
横移動するのは、マットBの左側の長辺側の縦端領域部B1をシーツAで覆って収納するためである。
被介護人は中央部より右側に縦方向に臥床している状態であるので、マットBの左側の領域には、上には何もない。
これでシーツAの袋部A1(
図3、
図4参照)をマットBの左側の長辺側の縦端領域部B1に被せて包み込むことが可能な状態となる。
【0044】
2)次に、シーツAの袋部A1をマットBの左側の長辺側の縦端領域部B1に被せて収納する〔(C)参照〕。
この場合、シーツAは、マットBの縦端領域部B1だけではなく中央部に至る程度まで包み込むように被せることが好ましい。
【0045】
3)次に、被介護人が左に回転することにより、マットBの左半分に横移動する〔(D)参照〕。
被介護人はマットBの中央部より右側に臥床している状態から、そのまま左に回転することにより、既にシーツAが覆われているマットBの左半分に移動するのである。
【0046】
4)その後、マット覆い部A2を広げてマットBの右半分(中央線より右側の領域)を
包み込むようにしてシーツAを被せる〔(E)参照〕。
これで、マットBの全領域がシーツAで覆われて、シーツAはマットBに完全に取り付けられたこととなる。
【0047】
5)次に、被介護人は、右に回転して移動し、マットBの元の中央位置に身体を置き変える〔(F)参照〕。
これで、被介護人は元の臥床の位置に戻ったことになる。
【0048】
ここで、取り付けの際、送風パイプ、電線等は、逃がすことができることは、既に述べた。
上述したように、被介護人は身体をマット上から一旦、離脱させる必要が全くない。
身体の動きに着目すると、被介護人は、マットBを離れなくても単に身体を横方向、すなわち左方向(或いは右方向に)回転して移動するだけでよく極めて負担が少ない。
次に、シーツAを取り外す場合について述べることとする。
【0049】
(マットBに対するのシーツAの取り外し方法)
ここでは、シーツAとして、左側に袋部A1を有するシーツA、すなわち、マットBの左側にある長辺側の縦端領域部B1を収納する袋部A1を備えたシーツAを対象として説明する。
また、既にシーツAが取り付けられたマットBに対してシーツAを取り外す場合を想定する。
【0050】
1)最初に、シーツAのマット覆い部A2をマットBの縦端領域部B1以外のマットBの部分から取り外す。
【0051】
2)その後、袋部A1をマットBの一方の長辺側にある縦端領域部B1から離脱させて取り外す
これで、シーツAの全体がマットBから取り外されたことになる。
【0052】
(被介護人を含めたシーツAの取り外し方法)
この場合に使用するシーツAは、第1の実施の形態で説明したような左側に袋部A1が形成されているシーツAである。
【0053】
図6は、ベッドの上に被介護人が臥床している場合におけるマットBに対するシーツAの取り外し方法を模式的に示す説明図である。
今、マットBに被介護人が自由な位置、例えば中央位置に臥床している状態にあるとする〔(A)参照〕。
【0054】
1)被介護人は、まず、マットBの中央部より左寄り(左半分側)に移動させる〔(B)参照〕。
この場合、被介護人は左に回転(被介護人を基準とすると右回転)するだけで、簡単に横移動でき、身体を起こす必要は全くない。
【0055】
2)次に、シーツAの右半分をベッドから外し中央部に至る程度まで畳み込んで寄せる〔(C)参照〕。
ここでは被介護人が移動した反対側であるシーツAの右半分が空くので、その部分のシーツAを中央部に畳み込んで寄せるのである。
【0056】
3)次に、被介護人は、右に回転することにより、マットBの右半部に横移動する〔(D)参照〕。
被介護人は、中央部より左側に臥床している状態から、そのまま右に回転することにより、今やシーツAの覆われていない裸マットBの右半分に移動するのである。
これで、マットBの中央部より左側のシーツAの領域には、上に何もないので、そのまま、シーツAを取り去ることが可能な状態にある。
【0057】
4)次に、マットBの左側の長辺側の縦端領域部B1からシーツAの袋部A1を取り外す〔(E)参照〕。
これで、マットBの全領域からシーツAは取り外せたこととなる。
次に、被介護人は、左に回転して移動し、マットBの元の中央位置に身体を置き変える〔(F)参照〕。
これで、被介護人は元の臥床の位置に戻ったことになる。
【0058】
以上、シーツAとして、左側に袋部A1を有するシーツA、すなわち、マットBの左側にある長辺側の縦端領域部B1を収納する袋部A1を備えたシーツAを対象として説明したが、シーツAとして、右側に袋部A1を有するシーツA、すなわち、マットBの右側の長辺側の縦端領域部B1を収納する袋部A1を備えたシーツAを対象とした場合は、上述した操作と反対の操作を行えばよい。
【0059】
(第2の実施の形態)
以下、第1の実施の形態の変形例を挙げて説明する。
図7は、第2の実施の形態のシーツAを示す図であり、
図7(A)は、その縫製前のブランクを示し、
図7(B)は、裏側から見た縫製後の立体形状で右方延長部3が、まだ包み込まれていない状態を概略的に示す。
頭方延長部4の裏面当接部42の長さH2、足方延長部5の裏面当接部52の長さH3、が前述の第1の実施の形態のとは、異なって小さくなっている。
そして左方延長部2の裏面当接部22の長さH1は第1の実施の形態とは同じとなっている。
換言すると、左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度(θ1、θ3)、頭方延長部4の裏面当接部42の傾斜辺の角度θ2、及び足方延長部5の裏面当接部52の傾斜辺の角度θ4が第1の実施の形態とは異なる。
尚、θ1+θ2=90度、θ3+θ4=90度である。
【0060】
左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ1より、頭方延長部4の裏面当接部42の傾斜辺の角度θ2が小さい(θ1>θ2)。
また、左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ3より、足方延長部5の裏面当接部52の傾斜辺の角度θ4が小さい。(θ3>θ4)
このようなシーツAにおいては、左方延長部2の裏面当接部22のマット裏面への包み込み量より、頭方延長部4の裏面当接部42及び足方延長部5の裏面当接部52のマット裏面への包み込み量が小さくなる。
【0061】
そして、例えば、角度の差が大きい程、すなわち角度θ2が角度θ1日より小さい程、左方延長部2の裏面当接部22に較べて、頭方延長部4の裏面当接部42の方が小さくなる。
角度θ3と角度θ4との関係においても、同様である。
【0062】
発明のシーツAは、マットBの長辺側の縦端領域部B1を収納することにより横方向へのズレを防止できるものであるので、頭方延長部4の裏面当接部42や足方延長部5の裏面当接部52のマット裏面への包み込み量は、布コストの観点から、このように小さくすることも可能である。
【0063】
この実施の形態では、傾斜辺の角度θ2を小さくする程、頭方延長部4の裏面当接部42の包み込み量が小さくなり、同様に傾斜辺の角度θ4を小さくする程、足方延長部5の裏面当接部52のマット裏面への包み込み量が小さくなる。
因みに、
図7において、b1とe1、またb2とe2の長さは同じであり、これらを縫合することにより袋部A1が形成される(尚、符号は
図1参照)。
【0064】
(第3の実施の形態)
図8は、第3の実施の形態のシーツAを示す図であり、
図8(A)は、その縫製前のブランクを示し、
図8(B)は、裏側から見た縫製後の立体形状で右方延長部3が、まだ包み込まれていない状態を概略的に示す。
左方延長部2の裏面当接部22の長さH1(底辺と上辺の間の距離)が前述の第1の実施の形態とは、異なるものである。
そして頭方延長部4の裏面当接部42の長さH2や足方延長部5の裏面当接部52の長さH3は第1の実施の形態とは同じである。
換言すると、左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度(θ1、θ3)、頭方延長部4の裏面当接部42の傾斜辺の角度θ2、足方延長部5の裏面当接部52の傾斜辺の角度θ4がそれぞれ第1の実施の形態とは異なる。
尚、θ1+θ2=90度、θ3+θ4=90度である。
【0065】
左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ1より、頭方延長部4の裏面当接部42の傾斜辺の角度θ2が小さい(θ1>θ2)。
また左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ3より、足方延長部5の裏面当接部52の傾斜辺の角度θ4が小さい。(θ3>θ4)
このようなシーツAにおいては、袋部A1の容積が大きくなることからマットの縦端領域部B1を収納する空間が大きくなる。
この実施の形態では、傾斜辺の角度θ2や角度θ4を小さくする程、傾斜辺の角度θ1や角度θ3が大きくなり、袋部A1の容積が大きくなり、マットの縦端領域部B1を収納する空間が大きくなる。
【0066】
例えば、角度の差が大きい程、角度θ2が角度θ1より小さい程、頭方延長部4の裏面当接部42に較べて左方延長部2の裏面当接部22の方が大きくなる。
角度θ3と角度θ4との関係においても、同様である。
【0067】
発明のシーツAは、マットBの長辺側の縦端領域部B1を収納して横方向へのズレを防止できるものであるが、本実施の形態のようにすることで、マットBの長辺側の縦端領域部B1が大きくなることから、このことによりシーツAの縦方向へのズレをより的確に防止できるのである。
【0068】
因みに、
図8において、b1とe1、またb2とe2の長さは同じであり、これらを縫合することにより袋部A1が形成される(尚、符号は
図1参照)。
【0069】
(第4の実施の形態)
以上説明した実施の形態においては、左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ1と頭方延長部4の裏面当接部42の傾斜辺の角度θ2の合計は90度であったが、この実施の形態のように、90度以上、すなわち、θ1+θ2>90度(θ1=θ2)とすることも可能である。
【0070】
ここで
図9は、第4の実施の形態の縫製前のブランクの一部を示したものである。破線で示す角度が45度以上となっている。
同様に、左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ3と足方延長部5の裏面当接部52の傾斜辺の角度θ4の合計は90度であったが、90度以上、すなわち、θ3+θ4>90度(θ3=θ4)とすることも可能である。
これらの場合、頭方延長部4の裏面当接部42の長さH2(底辺と上辺の間の距離)と左方延長部2の裏面当接部22の長さH1と足方延長部5の裏面当接部52の長さH3とが等しいとすると、f1とaとf2の長さの合計が第1の実施の形態より、大きくなる(
図9(B)参照)。
そのため、シーツAの袋部A1をマットBの縦端領域部B1に装着する際、被せ易い。
【0071】
(第5の実施の形態)
この実施の形態においては、台の実施の形態左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ1と頭方延長部4の裏面当接部42の傾斜辺の角度θ2の合計が90度未満、すなわち、θ1+θ2<90度(θ1=θ2)とすることも可能である。
【0072】
ここで
図10は、第5の実施の形態の縫製前のブランクの一部を示したものである。破線で示す角度が45度以下となっている。
同様に、左方延長部2の裏面当接部22の傾斜辺の角度θ3と足方延長部5の裏面当接部52の傾斜辺の角度θ4の合計が90度未満、すなわち、θ3+θ4<90度(θ3=θ4)とすることも可能である。
【0073】
これらの場合、頭方延長部4の裏面当接部42の長さH2(底辺と上辺の間の距離)と左方延長部2の裏面当接部22の長さH1と足方延長部5の裏面当接部52の長さH3とが等しいとすると、f1とaとf2の長さの合計が第1の実施の形態より、小さくなる(
図9(C)参照)。
そのため、シーツAの袋部A1をマットBの縦端領域部B1に被せた後は、締り効果が生じる。
通常、マットBは多少の可撓性を有するので、シーツAの縁端でマットBを締め付けるような作用を発揮できるのである。
【0074】
参考までに、
図11は、第1の実施の形態
図11(A)、第4の実施の形態
図11(B)、及び第5の実施の形態
図11(C)におけるマットBの縦端領域部B1とシーツAの袋部A1との関係を説明した模式的断面図である。
図11(A)は、第1の実施の形態における関係であり、マットBが袋部A1にピッタリと正確に収納されており、
図11(B)は、第4の実施の形態における関係であり、袋部A1がマットBを余裕を持って収納しており、
図11(C)は、第5の実施の形態における関係であり、袋部A1がマットBを絞り込むようにして収納していることが理解できる。
【0075】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0076】
例えば、頭方延長部4の裏面当接部42の長さ(底辺と上辺の間の距離)を足方延長部5の裏面当接部52より、小さくしたり、或いは大きしたりすることも可能である。
右方延長部3のマット裏面への包み込み量についても、当然、より長くすることも可能である。
また、袋部A1を形成する以外の角部はアールを形成していても、いなくてもよい。
【0077】
また、明細中の用語、直方体の意味においては、必ずしもそうでなくても直方体状であればよく、矩形、長方形、台形等の意味においても同様である。
また、この右方延長部3にはその周囲に、滑り止め用の樹脂加工(例えばシリコン樹脂等を施したり、或いは、滑り止め用のテープ(例えばシリコン樹脂テープ等)を取り付けたりすると、マットBの裏側へ包み込んだ場合にシーツAのズレ止めとなりより効果的である。
また、縫合部には、バイアステープを縫い付け糸により縫い付けることも、強度や解れ防止の点から好ましい(オーバロック縫い)。
また、縫合部にマチを備えることも当然採用できる。
シーツAの布体としては、編地(経編地、横編地等)や織地や、不織布等が適宜用いられる。
【0078】
材質としては、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂,綿、羊毛、絹等の天然繊維、或いはレーヨン等の人造繊維等が用いられ、それらの混紡も可能である。
SGDSの観点から、布体を構成する糸としては、リサイクル処理系列に乗せることができる材料、例えばポリエチレンテレフタレートが好ましく採用される。
強いては、資源節約や、炭酸ガスの排出防止に寄与できる。
マットBとしては、介護用、看護用等のものが好ましく採用されるが、それ以外のマットBにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の係るシーツAは、介護者或いは被介護者にとって、身体的な負担が少なく極めて使い易い。
被介護者用のベッド用マットに好ましく採用されるが、それ以外の看護用、或いは身体障害者用のベッド用マットBにも、当然、適用が可能である。
【符号の説明】
【0080】
1・・・表面部
2・・・左方延長部
21・・・側面当接部
22・・・裏面当接部
3・・・右方延長部
31・・・側面当接部
32・・・裏面当接部
4・・・頭方延長部
41・・・側面当接部
42・・・裏面当接部
5・・・足方延長部
51・・・側面当接部
52・・・裏面当接部
A・・・シーツ
A1・・・袋部
A2・・・マット覆い部
B・・・マット
B1・・・縦端領域部
S・・・収納空間
H1・・・左方延長部2の裏面当接部22の長さ
H2・・・頭方延長部4の裏面当接部42の長さ
H3・・・足方延長部5の裏面当接部52の長さ